説明

ゲーム機

ゲーム機は、プレイヤに提示されるべき抽選フィールド上における、互いに属性が異なる複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選する第1の抽選手段と、前記第1の抽選手段によって抽選された前記選択肢領域の配置をプレイヤに提示する第1の提示手段と、前記第1の抽選手段にて前記選択肢領域の配置が決定された状態の抽選フィールド上における抽選位置を抽選する第2の抽選手段と、前記第2の抽選手段の抽選結果に基づいて、前記抽選位置が決定される様子をプレイヤに提示する第2の提示手段と、配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域が前記第2の抽選手段が抽選した抽選位置に対して所定の関係を満たす場合、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する配当制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択肢領域が配置された抽選フィールド上にて抽選位置を選択し、その選択結果と選択肢領域との関係に応じてプレイヤに付与されるべき配当を決定するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
円形の抽選フィールド上に、配当が異なる複数の選択肢領域が配置され、その抽選フィールドの回りにインジケータが回転して適宜の時期にそのインジケータが停止し、停止したインジケータが指し示す選択肢領域の配当をプレイヤに配当として払い出すゲーム機が知られている。例えば、下記の特許文献1〜4を参照されたい。
【0003】
特許文献1:米国特許第7431649号明細書
特許文献2:米国特許公開公報2007/54727
特許文献3:米国特許公開公報2004/754
特許文献4:米国特許第6893018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のゲーム機では、抽選フィールド上における各選択肢領域の配置が一定である。そのため、抽選に対するプレイヤの期待感に変化を与えることができない、といった不都合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明のゲーム機は、プレイヤに提示されるべき抽選フィールド上における、互いに属性が異なる複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選する第1の抽選手段と、前記第1の抽選手段によって抽選された前記選択肢領域の配置をプレイヤに提示する第1の提示手段と、前記第1の抽選手段にて前記選択肢領域の配置が決定された状態の抽選フィールド上における抽選位置を抽選する第2の抽選手段と、前記第2の抽選手段の抽選結果に基づいて、前記抽選位置が決定される様子をプレイヤに提示する第2の提示手段と、配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域が前記第2の抽選手段が抽選した抽選位置に対して所定の関係を満たす場合、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する配当制御手段と、を備えている。
【0006】
本発明のゲーム機によれば、抽選フィールド上の選択肢領域の配置を第1の抽選手段にて抽選しているので、第2の抽選手段にて抽選フィールド上から抽選位置を抽選するときの選択肢領域の配置を適宜に変化させることができる。そのため、配当の抽選に対するプレイヤの期待感を多様に変化させ、興趣に富むゲーム機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の正面図。
【図2】図1の状態からセンターユニットを一方向に旋回させた状態を示す図。
【図3】図1の状態からセンターユニットを他の方向に旋回させた状態を示す図。
【図4】ライトボードの拡大図。
【図5】図1のゲーム機の制御系のブロック図。
【図6】スゴロクゲームの画面を示す図。
【図7】ライトボードの各セグメントの配色を抽選するときにメイン表示装置に表示されるゲーム画面を示す図。
【図8】ライトボードの各セグメントの配色を抽選するときに上部表示装置に表示されるゲーム画面を示す図。
【図9A】ライトボード画像の初期状態を示す図。
【図9B】図9Aの初期状態から抽選が進んだ状態を示す図。
【図9C】セグメントの配色が決定されたときのライトボード画像を示す図。
【図10】ライトボードを利用した抽選の様子を示す図。
【図11】プライマリーゲームルーチンを示すフローチャート。
【図12】スゴロクゲームルーチンを示すフローチャート。
【図13】ボーナスゲームルーチンを示すフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一形態に係るゲーム機を説明する。図1に示したように、ゲーム機1は、縦型の筐体2と、その筐体2の前面中央に設けられるセンターユニット3と、筐体2の前面上部に設けられる上部表示装置4とを備えている。センターユニット3は概略立方体状であり、鉛直方向の旋回軸(不図示)を中心として水平に回転可能である。センターユニット3が旋回することにより、ゲーム機1の前面には、図1に示す物理リール装置10、図2に示すゲームボード装置20、又は図3に示すライトボード装置30が選択的に繰り出される。上部表示装置4は例えばLCD(液晶表示装置)が用いられる。
【0009】
物理リール装置10は、左右方向に並べられた3個の物理リール11a、11b、11c(以下、参照符号11で代表することがある。)を有している。物理リール11は、周知のスロットマシンのそれと同様に、左右方向の軸線を中心として互いに独立して回転可能である。図示を省略したが、物理リール11のそれぞれの外周には、所定の数字、図柄等が所定の配列で付されている。物理リール11が回転して停止したときの図柄等の組み合わせによって、ゲームにおける当たり外れが定められる。
【0010】
図2に示すゲームボード装置20は、メイン表示装置21と、上部ホイール装置22とを備えている。メイン表示装置21としては、例えばLCDが設けられている。上部ホイール装置22は、メイン表示装置21の上下方向に関する中央部を左右方向に横切るように配置されたブリッジ23と、そのブリッジ23の中央に支軸24を中心として回転可能に設けられたインジケータ25と、そのインジケータ25を支軸24の回りに回転駆動する不図示のアクチュエータとを備えている。インジケータ25は、図2に示した位置を基準として左右に90°ずつ回転可能である。
【0011】
図3に示すライトボード装置30は、円形のライトボード31と、そのライトボード31の中心に、支軸32を中心として回転可能に設けられたインジケータ33と、そのインジケータ33を支軸32の回りに回転駆動する不図示のアクチュエータとを備えている。インジケータ33は、支軸32の回りに360°回転可能である。図4に示すように、ライトボード31は、12個のセグメント34(参照符号は一部のみに示す。)に等分されている。各セグメント34の内部にはLED等の光源(不図示)が埋め込まれている。それにより、セグメント34は互いに独立して発光可能である。各セグメント34の発光色は、赤、青、緑又は白の間で切り替え可能である。ライトボード31は抽選フィールドに相当し、各セグメント34の発光色はそのセグメント34に設定された属性を示す。それらの属性、つまり発光色はライトボード装置30を利用した所定のゲームにおける配当の高低に関連する。赤が最も配当が高く、青、緑、白の順に配当が減少する。
【0012】
図5にゲーム機1の制御系の概略構成を示す。ゲーム機1には制御ユニット40が設けられている。制御ユニット40は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置等を含んだコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット40には、外部記憶装置41が接続されている。外部記憶装置41には、制御ユニット40が所定の手順に従ってゲームを制御するために必要なゲームプログラムPGが記憶されている。ゲームプログラムPGは、ゲーム機1の起動に伴って制御ユニット40に読み込まれて実行される。
【0013】
ゲームを実行するために必要な入力装置又は出力装置として、制御ユニット40には、ゲーム機1の操作装置42、コイン投入装置43及びペイアウト装置44が接続されている。操作装置42は、ゲームをプレイするために必要なプレイヤの各種の操作(一例としてベット操作)を受け付け、その操作に対応した信号を制御ユニット40に出力する。コイン投入装置43はゲームをプレイする対価としてのコインの投入を受け付け、その投入量に応じた信号を制御ユニット40に出力する。ペイアウト装置44は、制御ユニット40からの指示に従って、プレイヤにゲームの配当としてのコインの支払いを実行する。なお、ゲームをプレイする対価の支払い、及びプレイヤに対する配当の付与はコインによる例に限らない。代替通貨としてのメダル、トークン等が利用されてもよいし、電子通貨その他の電子的な情報の交換を介して通貨価値又は遊技価値のやり取りが可能な決済方法が利用されてもよい。
【0014】
制御ユニット40には、ゲームを実行するための制御対象として、ユニット駆動装置45が接続されている。ユニット駆動装置45は、制御ユニット40からの指示に従ってセンターユニット3を旋回駆動する装置である。さらに、制御ユニット40には、上述した上部表示装置4、物理リール装置10、ゲームボード装置20のメイン表示装置21、アクチュエータ26、ライトボード装置30のセグメント34、及びアクチュエータ35がそれぞれ接続されている。アクチュエータ26はゲームボード装置20のインジケータ25を回転駆動する装置であり、アクチュエータ35はライトボード装置30のインジケータ33を回転駆動する装置である。
【0015】
次に、図6〜図10を参照して、ゲーム機1で実行されるゲームの概要を説明する。ゲームを開始する場合、ゲーム機1は図1の状態、すなわち物理リール装置10が前面に繰り出されている状態にある。プレイヤが所定額のコインを投入してベット操作を行うと、ゲームを開始することが可能な状態となる。その状態からプレイヤがゲーム開始操作を行うと、物理リール装置10による抽選ゲームがプライマリゲームとして行われる。その抽選は、周知のスロットマシン等と同様である。すなわち、ゲーム開始操作に応答して物理リール11がそれぞれ回転し、プレイヤのストップ操作に対応して、又はストップ操作を要することなく、物理リール11が停止する。停止した物理リール11の図柄等の組み合わせによって当たり外れが変化する。
【0016】
プライマリーゲームにて、所定の図柄等の組み合わせ(以下、これを当選役と呼ぶことがある。)が成立すると、上部表示装置4を利用したスゴロクゲームが開始される。スゴロクゲームでは、図6に示すように上部表示装置4の下部に複数のマス50が左右方向の列をなすように表示されるとともに、そのマス50の列上にキャラクタ(一例として航空機)51が表示される。幾つかのマス50は、特別マス50Aとして設定されており、それらの特別マス50Aには、他のマス50とは異なる文字列等が重ねて表示される。スゴロクゲームが開始されると、キャラクタ51は、マス50の列上を右方向に移動する。そのキャラクタ51が移動するマス50の数は、プライマリーゲームにおける当選役の内容等に応じて変化する。キャラクタ50が特別マス50Aに停止すると、続いてボーナスゲームが開始される。なお、図6に示した画面はプライマリーゲーム中も表示される。
【0017】
ボーナスゲームが開始されると、まずセンターユニット3が旋回してゲームボード装置20がゲーム機1の前面に繰り出される。ゲームボード装置20のメイン表示装置21上には、図7に示したゲーム画面100が表示される。ゲーム画面100の下半分には、仮想リール画像101が、上半分には上部ホイール画像102がそれぞれ表示される。また、上部表示装置4には、図8に示したゲーム画面110が表示される。
【0018】
仮想リール画像101は、3本の仮想リール103a、103b、103c(以下、参照符号103で代表することがある。)を含んでいる。仮想リール103は、物理的なリールを画像によって模擬的に示したものである。仮想リール103には、ライトボード31の発光色に対応する「RED」、「BLUE」、「GREEN」又は「WHITE」のいずれかの文字列をそれぞれ含んだ図柄、及び「WILD」の文字列を含んだ図柄が、所定の配列で並べられている。仮想リール103上の各図柄の個数は適宜に設定されてよい。一例として、「RED」、「BLUE」、「GREEN」及び「WHITE」の文字列をそれぞれ含んだ図柄については、ライトボード装置30を利用したゲームにおける配当の高低と逆順で各図柄の個数が調整される。すなわち、「RED」の文字列を含んだ図柄の個数が最も少なく設定され、「BLUE」、「GREEN」及び「WHITE」の順で個数が増加する。
【0019】
一方、上部ホイール画像102は、半円形のホイール104を含んでいる。ホイール104は小領域に分けられ、その小領域の左端から右端に向かって、「NO FILLS」の文字、及び、「1」、「2」、「3」、「4」の数値が並べられている。なお、ホイール104の背景色は、赤、青、緑及び白の間で切り替えられる。仮想リール画像101と上部ホイール画像102との境界は、上部ホイール装置22のブリッジ23と一致し、ホイール104の中心は上部ホイール装置22の支軸24と一致する。
【0020】
図8に示すように、ボーナスゲーム時のゲーム画面110には、ライトボード画像111が表示される。ライトボード画像111は、ライトボード31を模したものである。すなわち、ライトボード画像111は、円形のフィールド112を有し、そのフィールド112は12個のセグメント113に等分されている。
【0021】
ボーナスゲームが開始されると、図9Aに示すように、ライトボード画像111の特定の3つのセグメント113、すなわちライトボード画像111の最も上部に位置するセグメント113を基準として、ライボード画像111を3等分する位置にある3つのセグメント113が赤、青及び緑の色が付される。この状態が初期状態である。なお、図ではセグメント113の色の相違をハッチングの相違に置き換えて示している。以下においては、赤色が付されたセグメントを参照符号113Rで、青色が付されたセグメントを参照符号113Bで、緑色が付されたセグメントを参照符号113Gで、白色が付されたセグメントを参照符号113Wでそれぞれ示す。
【0022】
一方、ゲームボード装置20のメイン表示装置21上では、ボーナスゲームが開始されると、各仮想リール103の上から下へのスクロールが開始され、それにより仮想リール103が仮想的に回転する様子が表示される。各仮想リール103の回転は適当なタイミングで停止する。全ての仮想リール103が停止すると、仮想リール103の図柄の組み合わせに応じて選択色が定まる。「RED」の図柄が3つ揃えば選択色は赤、「BLUE」の図柄が3つ揃えば選択色は青、「GREEN」の図柄が3つ揃えば選択色は緑、「WHITE」の図柄が3つ揃えば選択色は白である。それ以外の図柄の組み合わせの場合、「はずれ」になる。
【0023】
選択色が決まると、上部ホイール画像102のホイール104の背景色がその選択色に設定される。続いて、上部ホイール装置22のインジケータ25が回転し、その後、インジケータ25が「NO FILLS」、「1」、「2」、「3」又は「4」のいずれかを指し示す位置にて停止する。インジケータ25が「1」で停止した状態が図7に想像線で例示されている。「NO FILLS」に停止した場合には仮想リール画像101を利用した選択色の抽選へと戻る。一方、「1」、「2」、「3」又は「4」のいずれかの位置で停止した場合には、その数が選択数として決定される。例えば、「1」に停止した場合には、選択数が1である。そして、選択色と選択数とに応じてライトボード画像111のセグメント113の色が更新される。例えば、図9Aに示す初期状態から、選択色が緑でかつ選択数が2であった場合には、図9Bに示すように、最上部の赤色が付されたセグメント113Rから時計回りに2つのセグメント113が緑色のセグメント113Gに更新される。この後、仮想リール画像101を利用した選択色の決定へと戻る。これらの処理は、図9Cに示したように、全てのセグメント113の色が決定されるまで繰り返される。
【0024】
全てのセグメント113の色が決定されると、続いて、センターユニット3が旋回してライトボード装置30がゲーム機1の前面に繰り出される。そして、ライトボード画像111のフィールド112の配色がライトボード31に複写される。つまり、フィールド112の各セグメント113とライトボード31の各セグメント34との位置関係に従って、セグメント113の色と同一色でセグメント34が着色されるように、セグメント34の発光色が制御される。図9Cのライトボード画像111の配色がライトボード31に複写された状態を図10に示す。なお、図10ではライトボード画像111の例と同様に、セグメント34の発光色の相違をハッチングの相違に置き換えて示し、かつ、参照符号34には発光色の頭文字をとってR、B、G又はWが付されている。
【0025】
ライトボード31の配色が制御されると、続いて、図10に矢印Aで示すように、ライトボード装置30のインジケータ33が時計回りに回転を開始する。インジケータ33は適当なタイミングで停止する。停止したインジケータ33によって示された一つのセグメント34の色が当選色となる。当選色が決まると、その当選色に応じて定められた配当がプレイヤに付与される。このときの配当は、一例として、図8のゲーム画面110の左側の配当テーブル114に示されている。当選色が赤の場合には「MAXI」の欄の配当が、当選色が青の場合には「MAJOR」の欄の配当が、当選色が緑の場合には「MINI」の欄の配当がそれぞれ適用される。当選色が白の場合には、最下欄の「300CREDITS」と例示された配当が付与される。当該配当は、300枚のコインの配当が付与される。
【0026】
次に、図11〜図14を参照して、上述したゲームを実現するために制御ユニット40が実行する各種の処理を説明する。図11は、プライマリーゲームを実現するために制御ユニッ40が実行するプライマリーゲームルーチンを示している。ゲーム開始の指示に対応して制御ユニット40はそのルーチンを開始する。まずステップS1にて、制御ユニット40は物理リール装置10の抽選結果に関する内部抽選を実施する。すなわち、制御ユニット40は、物理リール11が停止したときの図柄の組み合わせを抽選する。続くステップS2にて制御ユニット40は物理リール11の回転を開始させ、続くステップS3にて内部抽選で定められた図柄の組み合わせが得られるように物理リール11を停止させる。ただし、ここではプレイヤの停止操作が一定の条件を満たした場合に、内部抽選結果以外の図柄の組み合わせが得られる例外を許容してもよい。
【0027】
次のステップS4にて、制御ユニット40は、停止した物理リール11の図柄の組み合せが、チャンスゲームを許可するための組み合わせか否かを判別する。チャンスゲームを許可する組み合わせが得られている場合、制御ユニット40はチャンスゲームを開始すべくステップS5に進む。チャンスゲームは、一旦許容されると所定回数(一例として10回)に亘って抽選、すなわち物理リール11の回転及び停止を繰り返すゲームである。ステップS5において、制御ユニット40は物理リール11の図柄の組み合わせに関する内部抽選を実行する。続いて、制御ユニット40はステップS6に進んで物理リールの回転及び停止を実行する。その後、制御ユニット40は、ステップS7に進み、ステップS6で得られた組み合わせがチャンスゲームの追加を許可する組み合わせか否かを判断する。再スタートを許可する組み合わせの場合、制御ユニット40はステップS8に進んでチャンスゲームにおける抽選回数に所定数を加算し、その後にステップS9へ進む。ステップS7が否定判断された場合、制御ユニット40はステップS8をスキップしてステップS9へ進む。
【0028】
ステップS9において、制御ユニット40は、物理リール11の図柄の組み合わせ(ステップS6で停止した状態のもの)が所定の当選役か否かを判別する。当選役でない場合、制御ユニット40はステップS10に進み、チャンスゲームの抽選回数が残っているか否かを判別する。残っている場合、制御ユニット40はステップS5の処理に戻り、残り回数がない場合にはプライマリーゲームのルーチンを終える。
【0029】
ステップS9にて当選役が成立している場合、制御ユニット40はステップS12に進み、ゲームをスゴロクゲームへと移行させる。この場合、制御ユニット40は、スゴロクゲームの開始をプレイヤに報知する。その後、制御ユニット40はプライマリーゲームのルーチンを終える。また、ステップS4にてチャンスゲーム開始が許可されない場合、制御ユニット40はステップS11に進み、当選役が成立しているか否かを判別する。成立していれば制御ユニット40はステップS12に進み、成立していなければ今回のプライマリーゲームのルーチンを終える。
【0030】
図11のステップS12でスゴロクゲームへとゲームが移行すると、制御ユニット40は、図11のルーチンに続いて図12のスゴロクゲームルーチンを開始する。そのスゴロクゲームルーチンにおいて、制御ユニット40はまずステップS21で上部表示装置4に表示されているキャラクタ51を移動させる。その移動量は当選役に応じて変化する。続くステップS22において、制御ユニット40はキャラクタ51が特別マス50Aで停止したか否かを判別する。特別マス50Aで停止している場合、制御ユニット40はステップS23に進み、ゲームをボーナスゲームへと移行させる。この場合、制御ユニット40は、ボーナスゲームの開始をプレイヤに報知し、ゲームボード装置20がゲーム機1の前面に繰り出されるようにセンターユニット3を旋回させる。また、上部表示装置4の表示を、図8のゲーム画面110へと切り替える。
【0031】
その後、制御ユニット40はスゴロクゲームのルーチンを終える。一方、ステップS22にて否定判断した場合、制御ユニット40はステップS23をスキップしてスゴロクゲームのルーチンを終える。なお、スゴロクゲームのルーチンで、例えば物理リール11による再抽選を許可するマスを設け、キャラクタ51がそのマスで停止した場合に物理リール11の再抽選を実行し、その抽選結果に応じてキャラクタ51をさらに移動させるといった処理を追加してもよい。
【0032】
図12のステップS23でボーナスゲームへ移行すると、制御ユニット40は、図12のルーチンに続いて図13のボーナスゲームルーチンを開始する。そのボーナスゲームルーチンにおいて、制御ユニット40はまずステップS31で、仮想リール103を利用した選択色の抽選、及び上部ホイール装置22を利用した選択数の抽選に関する内部抽選を実施する。すなわち、制御ユニット40は、仮想リール103が停止したときの図柄の組み合わせ、及びインジケータ25の停止位置を抽選する。この場合、仮想リール103の図柄の組み合わせはランダムでよい。一方、選択数に関する抽選は、選択数が大きいほど確率が小さくなるように制御することが望ましい。
【0033】
次のステップS32にて、制御ユニット40は仮想リール103の回転(スクロール)を開始させ、続くステップS33にて、仮想リール103の回転を暫く継続させた後に、内部抽選で定められた図柄の組み合わせが得られるように仮想リール103を停止させる。この後、制御ユニット40はステップS34に進み、上部ホイール装置22のインジケータ25の回転を開始させ、続くステップS35にてインジケータ25を停止させる。その停止位置はステップS31で決定した通りである。なお、ステップS32及びS33のセットと、ステップS34及びS35のセットとの間で処理の順番が入れ替えられてもよい。インジケータ25が停止すると、制御ユニット40はステップS36に進み、ステップS31で決定した選択色及び選択数に応じてライトボード画像111を更新する。この更新は図9A及び図9Bに例示した如く実行される。なお、上部ホイール装置22による抽選結果が、「NO FILLS」であった場合には、ライトボード画像111の更新が省略される。
【0034】
次のステップS37において、制御ユニット40はライトボード画像111の全てのセグメント113の配色が決定されたか否かを判別する。まだ配色が決定していないセグメント113が残っている場合、制御ユニット40はステップS31の処理に戻る。図9Cに例示したように、全てのセグメント113の配色が決定された場合、制御ユニット40はステップS38に進み、ライトボード装置30がゲーム機1の前面に繰り出されるようにセンターユニット3を旋回させる。続いて、制御ユニット40はステップS39に進み、ライトボード31の発光色をライトボード画像111のそれと同一となるように設定する。この場合、ライトボード画像111の各セグメント113からライトボード31の各セグメント34へと色が移るような演出を施してもよい。例えば、ライトボード31の色が点灯するたびにライトボード画像111の色が消えるような演出、セグメント113がその色の塊又はコインに変身して、ゲーム画面110内をライトボード31の方向に移動するような映像を表示するといった演出が考えられる。ステップS39にてライトボード31の発光色の設定が完了すると、制御ユニット40は図14のステップS40に進む。
【0035】
ステップS40において、制御ユニット40は、インジケータ33の停止位置に関する内部抽選を実行する。この内部抽選では、例えば、当選色をまず決定し、その当選色が付されたセグメント34上でインジケータ33が停止するように停止位置を決定する。当選色の決定は、高額の配当ほど選ばれる確率が低くなるように調整される。内部抽選後、制御ユニット40はステップS41に進み、インジケータ33の回転を開始させる。続くステップS42にて、制御ユニット40はインジケータ33の回転を暫く継続させた後、内部抽選で定められた停止位置にインジケータ33を停止させる。その後、制御ユニット40は当選色に応じた配当をプレイヤに払い出す。このとき、配当の高低に応じた演出が行われる。配当の払い出しが完了すると、制御ユニット40はボーナスゲームのルーチンを終える。
【0036】
上述したゲーム機1によれば、ライトボード31上の各セグメント34の属性(色)を、ゲームボード装置20を利用したゲームによって決定しているので、ライトボード31による抽選時における各色の比率が適宜に変化する。このため、プレイヤの期待感を変化させることが可能である。例えば最も配当の高い赤色のセグメント34Rの個数が増加すれば、プレイヤの期待感が高まる。ライトボード31の各セグメント34の色の選択と、個数の選択とを分けて実行し、しかもそれらの選択を繰り返して全てのセグメント34の色を決定しているので、配色の決定過程に対してもプレイヤの興味を引きつけ、それによりゲームの興趣を高めることができる。一色の選択に対応して複数個数の選択を許容し、しかもライトボード31の所定位置から順次色を決めているため、同一色の複数のセグメント34がライトボード31上で連続する状態を作り出すことができる。これにより、例えば赤色の高配当の範囲を拡大してプレイヤの期待感をさらに高めることができる。あるいは、同一色のセグメント34が連続しなくても、ライトボード31上に多くの高配当の色が出現すれば、プレイヤの期待感を高めることができる。初期状態で、3つのセグメントの属性を赤、青及び緑に固定しているので、その後の色及び個数の選択で特定色が続けて選択されたとしても、色の偏りを適度に抑えることができる。それにより、ライトボード31を利用した抽選の単純化に対して適度な抑止効果を生じさせることが可能である。
【0037】
以上のゲーム機1においては、ライトボード31が抽選フィールドに相当し、そのライトボード31上の各セグメント34が選択肢領域に相当し、セグメント34の属性が色によって視覚的に区別されている。また、ゲーム機1の制御ユニット40は、図13のステップS31の処理を繰り返すことによって第1の抽選手段として機能し、特にステップS31にて選択色を決定することによって第1の選択手段として機能し、ステップS31にて選択数を決定することによって第2の選択手段として機能し、ステップS32〜S36及びステップS39の処理を実行することにより第1の提示手段として機能し、ステップS32〜S35の処理を実行することによって選択状況提示手段として機能し、ステップS36の処理を実行することによって配置過程提示手段として機能する。また、制御ユニット40は、図14のステップS40の処理を実行することにより第2の抽選手段として機能し、ステップS41及びS42の処理を実行することにより第2の提示手段として機能し、ステップS43の処理を実行することにより配当制御手段として機能する。
【0038】
本発明は上述した形態に限ることなく、適宜の変形が可能である。例えば、ゲームボード装置20とライトボード装置30とを同時に視認可能とした場合には、ライトボード画像の表示を省略し、各セグメントの属性が決定される過程をライトボード上にて直接表示してもよい。抽選フィールドは円形に限らず、複数の選択肢領域によって区分可能であればその形状は問わない。選択肢領域に設定される属性は、全て配当の払い出しを許容するものに限らず、配当を払い出さない「外れ」も属性の一種として設定されてよい。「当たり」の属性と「外れ」の属性との2種類の属性のみを用意し、第1の抽選手段では当たり属性の選択肢領域と外れ属性の選択肢領域との配置を一回又は複数回の抽選によって決定してもよい。第1の抽選手段にて、複数のセグメントに付されるべき色をセグメント毎に抽選し、それにより全てのセグメントの色を決定することにより、複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選してもよい。抽選フィールドは予め複数のセグメントに区分されている例に限らない。例えば、複数の選択肢領域が抽選フィールド上で占める比率を第1の抽選手段にて抽選し、その抽選された比率に従って抽選フィールド上を区分して複数の選択肢領域を出現させてもよい。属性は色によって区別される例に限らず、模様、キャラクタその他の図柄によって区別可能とされてもよい。第2の抽選手段による抽選もインジケータによる例に限らず、適宜の抽選方法を採用してよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤに提示されるべき抽選フィールド上における、互いに属性が異なる複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選する第1の抽選手段と、
前記第1の抽選手段によって抽選された前記選択肢領域の配置をプレイヤに提示する第1の提示手段と、
前記第1の抽選手段にて前記選択肢領域の配置が決定された状態の抽選フィールド上における抽選位置を抽選する第2の抽選手段と、
前記第2の抽選手段の抽選結果に基づいて、前記抽選位置が決定される様子をプレイヤに提示する第2の提示手段と、
配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域が前記第2の抽選手段が抽選した抽選位置に対して所定の関係を満たす場合、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する配当制御手段と、
を備えたゲーム機。
【請求項2】
前記抽選フィールドが予め複数のセグメントに区分され、
前記第1の抽選手段は、前記複数のセグメントの少なくとも一部に設定されるべき属性を前記複数の選択肢領域の属性から選択することにより前記選択肢領域の配置を抽選する請求項1のゲーム機。
【請求項3】
前記第1の抽選手段は、前記属性を選択する第1の選択手段と、前記第1の選択手段にて選択された属性が配置されるべきセグメントの個数を選択する第2の選択手段とを有し、前記第2の選択手段にて選択された個数に対応するセグメントを前記複数のセグメントから選択し、選択されたセグメントに前記第1の選択手段にて選択された属性を設定することにより、前記複数の選択肢領域の配置を抽選する請求項2のゲーム機。
【請求項4】
前記第1の抽選手段は、全てのセグメントの属性が決定されるまで前記第1の選択手段による前記属性の選択と前記第2の選択手段による前記個数の選択とを繰り返す請求項3のゲーム機。
【請求項5】
前記複数のセグメントが前記抽選フィールド上で所定の方向に並べられ、前記第1の抽選手段は、前記第2の選択手段にて選択された個数に対応するセグメントを前記複数のセグメントの並び順に従って連続して選択する請求項3のゲーム機。
【請求項6】
前記第1の提示手段は、前記第1の抽選手段によって抽選された前記選択肢領域の配置に加えて、前記第1の選択手段にて前記属性が選択され、かつ、前記第2の選択手段にて前記個数が選択される様子をプレイヤに提示する請求項3のゲーム機。
【請求項7】
前記第1の抽選手段は、全てのセグメントの属性が決定されるまで前記第1の選択手段による前記属性の選択と前記第2の選択手段による前記個数の選択とを繰り返し、
前記第1の提示手段は、前記第1の選択手段にて前記属性が選択され、かつ、前記第2の選択手段にて前記個数が選択される様子をプレイヤに提示する選択状況提示手段と、前記第1の選択手段及び前記第2の選択手段のそれぞれの選択の繰り返しに伴って前記抽選フィールド上における前記複数のセグメントの属性が順次決定される過程をプレイヤに提示する配置過程提示手段とを備えている請求項3のゲーム機。
【請求項8】
前記配置過程提示手段は、前記抽選フィールドに対応するフィールド画像上にて前記複数のセグメントのそれぞれの属性が順次決定される過程を提示する請求項7のゲーム機。
【請求項9】
前記第1の提示手段は、全てのセグメントの属性が決定されると、前記フィールド画像上の各セグメントの属性に従って、前記抽選フィールド上の各セグメントを視覚的に区別して示すことにより、前記複数の選択肢領域の配置をプレイヤに提示する請求項8のゲーム機。
【請求項10】
前記複数のセグメントのうち、一部のセグメントの属性が固定され、前記第1の抽選手段は、前記一部のセグメントを除くセグメントのそれぞれの属性を選択する請求項2のゲーム機。
【請求項11】
前記第1の提示手段は、前記抽選フィールド上に配置された前記複数の選択肢領域のそれぞれの属性を、視覚的に区別して示すことにより、前記選択肢領域の配置を前記プレイヤに提示する請求項1のゲーム機。
【請求項12】
前記選択肢領域の属性が、色又は図柄によって区別可能とされた請求項11のゲーム機。
【請求項13】
前記配当制御手段は、前記第2の抽選手段が抽選した抽選位置が、前記配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域内にある場合に前記所定の関係が満たされたと判断して、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する請求項1のゲーム機。
【請求項14】
前記抽選フィールドが円形であり、前記複数のセグメントが前記抽選フィールドの周方向に並べられている請求項2のゲーム機。
【請求項15】
プレイヤに提示されるべき抽選フィールド上における、互いに属性が異なる複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選する第1の抽選ステップと、
前記第1の抽選ステップにて抽選された前記選択肢領域の配置をプレイヤに提示する第1の提示ステップと、
前記第1の抽選ステップにて前記選択肢領域の配置が決定された状態の抽選フィールド上における抽選位置を抽選する第2の抽選ステップと、
前記第2の抽選ステップの抽選結果に基づいて、前記抽選位置が決定される様子をプレイヤに提示する第2の提示ステップと、
配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域が前記第2の抽選ステップで抽選された抽選位置に対して所定の関係を満たす場合、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する配当ステップと、
を備えたゲーム機の配当決定方法。
【請求項16】
ゲーム機のコンピュータを、
プレイヤに提示されるべき抽選フィールド上における、互いに属性が異なる複数の選択肢領域のそれぞれの配置を抽選する第1の抽選手段、
前記第1の抽選手段によって抽選された前記選択肢領域の配置をプレイヤに提示する第1の提示手段、
前記第1の抽選手段にて前記選択肢領域の配置が決定された状態の抽選フィールド上における抽選位置を抽選する第2の抽選手段、
前記第2の抽選手段の抽選結果に基づいて、前記抽選位置が決定される様子をプレイヤに提示する第2の提示手段、及び、
配当を発生させるべき属性を有する選択肢領域が前記第2の抽選手段が抽選した抽選位置に対して所定の関係を満たす場合、当該関係を満たす選択肢領域の属性に対応する配当をプレイヤに付与する配当制御手段、
として機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−510666(P2013−510666A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538948(P2012−538948)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/056231
【国際公開番号】WO2011/060070
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(501405122)コナミゲーミング インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】