説明

ゲーム端末、通信システム、コンピュータプログラムおよび情報記録媒体

【課題】タッチパネルを用いて入力された指示入力に応じた処理を行うゲーム端末において、指示入力にかかる手間を削減する。
【解決手段】タッチパネル25とプロセッサ28とRAM31を有するゲーム端末20を提供する。プロセッサ28は、タッチパネル25から出力された検出位置データのうち、継続的なタッチ操作の開始によって出力された検出位置データが示す位置を始点の位置としてRAM31に記憶させる。また、プロセッサ28は、この継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を終点の位置としたとき、タッチパネル25の被接触面において共通の基点から放射線状に広がる複数の方向範囲にそれぞれ対応付けられた複数の指示入力のうち、始点を基点としたときの複数の方向範囲のうち始点から終点への方向を範囲内に含む方向範囲に対応付けられた指示入力を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いてコンピュータゲームのプレイヤにより入力された指示入力に応じた処理を行うゲーム端末、当該ゲーム端末を備えた通信システムに関し、さらに、本発明に関する処理をゲーム端末に実行させるコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムを記憶した情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム端末などの指示入力処理装置に対する指示入力の入力方法としては、タッチパネルへの1回目のタッチ操作で、ユーザが入力可能な指示入力の選択肢を複数表示させ、2回目のタッチ操作で一つの選択肢を選択することにより、この選択肢を指示入力として入力する方法が知られている(日本国特許第3910890号公報参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の方法では、指示入力処理装置のユーザは、指示入力の複数の選択肢から選択して指示入力を入力するために、2回にわたってタッチパネルに触れねばならない。そこで、本発明は、タッチパネルを用いてユーザに入力されたユーザ指示入力に応じた処理を行う指示入力処理装置において、指示入力の複数の選択肢から選択して指示入力を入力する作業にかかる手間を削減することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
まず、この明細書で使用される用語について説明する。
「ゲーム」とは、サッカーやクイズ、パズル等の、プレイ(ゲームプレイ)の結果に関わる幾つかのルールを有する活動である。「ゲーム」は、2以上の参加プレイヤまたは2以上の参加チームが競争または協力するマルチプレイヤゲーム(multiple-player game)、1人の参加プレイヤが目標の達成または楽しむために行う単独プレイヤゲーム(single-player game)およびパズルを含む。
【0005】
ゲームについて「プレイ」とは、プレイヤがあるゲームを実行する1回の行為をいう。従って、ひとつのゲームについては、同じプレイヤによって複数のプレイが繰り返されることもあるし、同時に複数のプレイヤによって複数のプレイが行われることもある。プレイを行い得る人を、プレイまたはゲームの「プレイヤ」と呼ぶ。従って、現在または過去にゲームをプレイしていなくても、潜在的にプレイする可能性がある人をプレイヤと呼ぶことがある。ただし、特に、実際にゲームを実行しているまたは実行したプレイヤを、「参加プレイヤ(participant player)」と呼ぶ。プレイの「結果」とは、参加プレイヤが得ようとする評価である。プレイの結果としては、勝敗や、順位、得点を含む。
【0006】
ゲームとしては、その一つのプレイの参加プレイヤの数が単数のシングルプレイヤ型のゲームや、この数が複数のマルチプレイヤ型のゲームがある。マルチプレイヤ型のゲームとしては、プレイの結果が当該プレイの参加プレイヤ毎に定まる個人評価型のゲームや、この結果が当該プレイの参加プレイヤの集団である参加チーム毎に定まるチーム評価型のゲームを例示可能である。また、マルチプレイヤ型のゲームとしては、プレイにおいて、その参加プレイヤまたは参加チームが、互いに競争する競争型のゲームや、互いに協力する協力型のゲームがある。競争型のゲームとしては、プレイにおいて、その参加プレイヤまたは参加チームが対戦する対戦型のゲームがある。
【0007】
ゲームは、コンピュータゲームとして実現可能である。「コンピュータゲーム」とは、そのプレイがコンピュータを用いて実現されるゲームである。コンピュータゲームのプレイの実現に用いられるコンピュータを、「ゲーム端末」と呼ぶ。ゲーム端末のうち、そのコンピュータゲームのプレイヤが操作するためのユーザインターフェイスを有するものを、「ゲーム端末」と呼ぶ。コンピュータゲームについて、そのゲーム端末を有するシステムを、その「ゲームシステム」と呼ぶ。
【0008】
ゲーム端末が設置される場所を「ゲーム場(game place or venue)」と総称する。ゲーム場としては、設置されたゲーム端末を来訪者に有償で使用させる施設(例えば、ゲームアーケード)や、ゲーム端末が設置された住居を含む。前者では、主として来訪者が、ゲーム端末のユーザおよびコンピュータゲームのプレイヤとなり、後者では、主として住人が、ゲーム端末のユーザおよびコンピュータゲームのプレイヤとなる。前者には、主として、そのユーザから使用料を徴収するための機能を持つゲーム端末(業務用ゲーム機の一種)が設置され、後者には、主として、当該機能を持たないゲーム端末(家庭用ゲーム機の一種)が設置される。
【0009】
ゲーム装置またはゲームシステムの例としては、実現可能なコンピュータゲームの数が単数のものや、この数が複数のものを含む。ゲームシステムの例としては、ゲーム端末を単数だけ有するものや、ゲーム端末を複数有するもの、ゲーム装置を複数有するものを含む。ゲーム装置を複数有するゲームシステムの例としては、全てのゲーム装置がノードとして属するネットワークを用いたゲームシステム(ネットワーク方式のゲームシステム)を含む。
【0010】
「ネットワーク」とは、終端を有し、自己に属する複数の終端ノード間でのデータの送受信を可能とするように設けられたシステムである。ネットワークの例としては、自己に属する各終端ノードに自己内でユニークな通信アドレス(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)が付与され、これらの通信アドレスを用いて終端ノード間でのデータの送受信が行われるものを含む。「終端ノード」とは、自己が属するネットワークに属するノードのうち、当該ネットワークの終端として機能するものである。「ノード」とは、自己が属するネットワーク内で送信または受信を行う装置またはシステムである。ノードとしては、コンピュータや、ネットワークがある。複数のネットワークを複数のノードとして含むネットワークを、「インターネットワーク」と称する。インターネットワークとしては、インターネットがある。
【0011】
複数のゲーム端末を有する、ネットワーク方式のゲームシステムとしては、サーバ/クライアント方式のゲームシステム、ピアツーピア(Pear To Pear)方式のゲームシステムがある。サーバ/クライアント方式のゲームシステムとしては、サーバとなるゲーム装置とクライアントとなるゲーム端末とが静的に定められたものや、両者が動的に定められるもの、サーバとクライアントを兼ねるゲーム端末を有するものがある。
【0012】
「コンピュータ」または「コンピュータシステム」とは、データを処理する装置のうち、データを保持するメモリ(記憶部)と、メモリに保持されているコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素を実行するプロセッサとを有するものである。「データ」とは、情報をコンピュータ等の機械で認識しうる形式で表現したものである。データの例としては、情報を電気的に表現したデータや、情報を磁気的に表現したデータ、情報を光学的に表現したデータを含む。「情報」とは、データで表現可能な処理対象である。「メモリ」とは、書き込まれたデータを読み出し可能に保持する装置である。メモリの例としては、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリがある。「コンピュータプログラム」または「コンピュータプログラム要素」とは、命令を表すデータの集合体のうち、処理の手順を示すものである。コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素としては、コンピュータで実行されたときに、プロセッサに、コンピュータゲームの手順を実行させるプログラムがある。「プロセッサ」とは、命令を表すデータの集合体であるコンピュータプログラムに示されている手順にしたがって、当該コンピュータプログラム内のデータで表される命令を実行する処理を行うことによって、当該コンピュータプログラムを実行する装置である。プロセッサとしては、単数のCPU(Central Processing Unit)や、複数のCPUの集合体がある。
【0013】
コンピュータまたはコンピュータシステムは、外部とのインターフェイスを備えるものがある。外部とのインターフェイスとしては、外部からの情報またはデータの入力部や、外部へ情報またはデータを出力する出力部がある。入力部としては、センサや、タッチパネル、操作ボタン、キーボードがある。情報を「出力」するとは、データで表された情報を人間に知覚され得る形態で表すことをいう。人間に知覚され得る形態としては、光、音、振動がある。光の形態での情報の出力の例としては、画像の表示、光源の明滅がある。音の形態での情報の出力の例としては、スピーカによる放音、ソレノイドによる発音機構の駆動(例えば、ベルの鳴動)がある。振動の形態での情報の出力の例としては、振動子の揺動がある。
【0014】
プレイヤの「意思」には、感情、気持ち、心持ち、意欲、決意、意向、及びその他の心理作用が含まれる。
【0015】
以下、本発明について説明する。
本発明は、コンピュータゲームのプレイヤからの指示入力に応じた処理を行うゲーム端末であって、書き込まれたデータを記憶する記憶部と、平面状の被接触面を有し、前記プレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面において触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、前記被接触面に画像を表示する表示部と、前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信部と、前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成部と、前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理部と、前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御部と、前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理を行う特定部と、前記特定部によって特定された前記指示入力を示す意思データを、第1の通知データとして、前記対戦相手の前記ゲーム端末に送信する意思データ送信部と、前記特定部が特定した前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理部と、を有することを特徴とするゲーム端末を提供する。
このゲーム端末によれば、そのプレイヤは、例えば、被接触面に触れた部位を滑らせてから離すだけで、所望の指示入力を入力することができる。したがって、複数の選択肢から選択して指示入力を入力する作業にかかる手間を削減することができる。
好ましくは、上記ゲーム端末において、前記操作データ送信部による処理と、前記意思データ送信部による処理とは、並列に実行されるようにしてもよい。
【0016】
本発明の一態様において、前記選択肢群画像において、前記複数の選択肢画像は、前記始点位置データが示す位置を共通の基点として、互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されており、前記特定部は、前記複数の方向範囲のうち前記始点から前記終点への方向を範囲内に含む方向範囲内に表示された選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する。
この場合には、選択肢群画像における複数の選択肢画像が、始点位置データが示す位置を共通の基点として互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されているので、継続的なタッチ操作が示す選択肢画像を確実に指示入力として特定することが可能となる。
【0017】
別の態様において、前記複数の方向範囲は、前記始点を基準とする極座標の偏角の範囲として与えられ、前記特定部は、前記複数の選択肢の各々について前記偏角の範囲を各々記憶した範囲記憶部と、前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記始点を基準とする前記終点の偏角を算出する算出部と、前記算出部で算出された偏角を補正する補正部と、前記補正部で補正された偏角と前記範囲記憶部に記憶された前記偏角の範囲の各々と比較することにより、前記補正された偏角が前記各偏角の範囲のいずれに属するかを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する決定部とを備え、前記補正部は、前記継続的なタッチ操作ごとに、前記算出部によって算出された偏角と、前記判定部によって前記補正された偏角が属すると判定された前記偏角の範囲の中心角との差分を算出し、前記継続的なタッチ操作ごとに算出された前記差分の平均値を補正角として算出し、前記補正角を用いて、前記算出部で算出された偏角を補正するようにしてもよい。
本態様によれば、始点を基準とする終点の偏角を算出した後に、継続的なタッチ操作におけるプレイヤの指の動きの傾向に基づいて偏角を補正し、補正した値に基づいて選択肢を特定するので、プレイヤの指の動きの傾向に起因した誤入力を抑制することが可能となる。
【0018】
さらに別の態様において、前記特定部は、前記始点と前記終点との距離が予め定められた距離範囲内に含まれる場合にのみ、前記特定処理を行う、ようにしてもよい。この態様のゲーム端末によれば、方向範囲に基づく判断のみならず、距離範囲に基づく判断も行われるから、誤入力を低減することができる。
【0019】
別の態様において、前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、前記第1指示入力処理部は、前記指示入力に応じた処理として、前記指示入力として特定された選択肢に応じたアイコンが表示されるように、前記表示部を制御する第1表示制御部を含むようにしてもよい。この場合には、プレイヤは、タッチパネルを用いて、異なるアイコンを表示させることができる。
【0020】
上記のゲーム端末において、前記タッチパネルは、前記継続的なタッチ操作が継続している間、当該継続的なタッチ操作が辿った軌跡上にある複数の検出位置を示す複数の検出位置データを順に出力し、前記タッチパネルが前記検出位置データを最後に出力してからの経過時間を計測する計時部と、前記タッチパネルから検出位置データが出力されるたびに、前記計時部による前記経過時間の計測を開始させる計時制御部と、前記始点位置データが前記記憶部に記憶された後に、前記タッチパネルから前記検出位置データが出力されると、前記検出位置データが示す位置を前記記憶部に更新記憶させる暫定位置記録処理部と、前記経過時間が予め定められた許容時間を超えると、前記継続的なタッチ操作が終了したと判定する終了判定部と、を有し、前記位置記録処理部は、前記終了判定部により前記継続的なタッチ操作が終了したと判定されると、前記暫定位置記録処理部によって前記記憶部に記憶された位置を前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された前記検出位置データとする、ようにしてもよい。
この態様のゲーム端末によれば、被接触面に触れた部位が瞬間的に離れた場合にも継続的なタッチ操作が継続されているとみなされるから、誤入力を低減することができる。
【0021】
このゲーム端末において、前記入力部に入力された情報に基づいて、前記通常画像を含み、前記選択肢群画像の背景として表示する背景画像を生成する背景画像生成部と、前記タッチパネルから前記終点位置データに対応する検出位置データが出力されると、前記選択肢群画像の表示を終了する一方、前記選択肢群画像の表示の有無にかかわらず前記背景画像を表示させるように、前記表示部を制御する背景表示制御部と、を有するようにしてもよい。この態様のゲーム端末によれば、タッチパネルから終点の位置を示す検出位置データが出力されると選択肢画像の表示が終了するから、背景画像が見難い期間を短くすることができる。
【0022】
このゲーム端末において、前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、前記背景画像生成部は、前記入力部に入力された情報に加えて、前記特定部に特定された前記指示入力に基づいて、前記複数のアイコンの少なくともいずれかを含む前記背景画像を生成する、ようにしてもよいし、前記特定部に特定された指示入力を示すデータを外部へ送信する送信部と、外部からデータを受信する受信部とを有し、前記背景画像生成部は、前記入力部に入力された情報に加えて、前記受信部が受信したデータに基づいて、前記背景画像を生成する、ようにしてもよい。前者の態様のゲーム端末によれば、プレイヤは、入力した指示入力の内容を確認することができる。後者の態様のゲーム端末によれば、当該端末を複数用いることにより、一方のゲーム端末において入力された指示入力に応じた処理を他方のゲーム端末に行わせることが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係る通信システムは、コンピュータゲームのプレイヤからの指示入力に応じた処理を行うゲーム端末を複数有し、前記複数のゲーム端末の各々は、書き込まれたデータを記憶する記憶部と、平面状の被接触面を有し、前記プレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面における触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、前記被接触面に画像を表示する表示部と、前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信部と、前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成部と、前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記タッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理部と、前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御部と、前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理を行う特定部と、前記特定部によって特定された前記指示入力を示す意思データを、前記対戦相手の前記ゲーム端末に、第1通知データとして送信する意思データ送信部と、前記別のゲーム端末から、前記対戦相手の前記ゲーム端末の指示入力を示す第2通知データを受信する意思データ受信部と、前記特定部が特定した前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理部と、前記受信部が受信した前記第2通知データによって示される、前記別のゲーム端末の指示入力に応じた処理を行う第2指示入力処理部と、を有する。
【0024】
この通信システムにおけるコンピュータゲームのプレイヤは、例えば、タッチパネルの被接触面に触れた部位を滑らせてから離すだけで、所望の指示入力を入力することができる。したがって、複数の選択肢から選択して指示入力を入力する作業にかかる手間を削減することができる。また、タッチパネルを用いて入力された指示入力を別のゲーム端末に通知するとともに、別のゲーム端末で特定された指示入力のデータを受信するので、当該ゲーム端末で入力された指示入力に応じた処理を行うのみならず、通信相手のゲーム端末において特定された指示入力に応じた処理を行うことも可能である。このように、相手方のゲーム端末のプレイヤが入力した指示入力も、当該ゲーム端末側で反映される。よって、この通信システムによれば、手間をかけずに指示入力を入力すること及び複数のプレイヤが互いの端末に指示入力を反映させることが可能となる。
【0025】
一つの態様において、前記選択肢群画像において、前記複数の選択肢画像は、前記始点位置データが示す位置を共通の基点として、互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されており、前記特定部は、前記複数の方向範囲のうち前記始点から前記終点への方向を範囲内に含む方向範囲内に表示された選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する、ようにしてもよい。この場合には、選択肢群画像における複数の選択肢画像が、始点位置データが示す位置を共通の基点として互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されているので、継続的なタッチ操作が示す選択肢画像を確実に指示入力として特定することが可能となる。
【0026】
別の態様において、前記特定部は、前記始点から前記終点への前記方向を範囲内に含む方向範囲に前記複数の選択肢画像のいずれも対応付けられていない場合には、前記指示入力が無効選択肢を選択したとする、ようにしてもよい。この態様の通信システムによれば、表示される選択肢の数が減っても、同一の選択肢は同一の方向範囲に対応しているから、誤入力を低減することができる。
【0027】
上記の通信システムにおいて、前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、前記第1指示入力処理部は、前記指示入力に応じた処理として、前記指示入力として特定された選択肢に応じたアイコンが表示されるように、前記表示部を制御する第1表示制御部を含む、ようにしてもよい。この態様の通信システムによれば、コンピュータゲームのプレイヤが選択した選択肢に対応するアイコンが当該プレイヤのゲーム端末に表示されるから、プレイヤは、選択肢を容易かつ正確に選択することができる。
【0028】
上記の通信システムにおいて、前記ゲーム端末は、選択肢とアイコンとの対応関係を変更する対応関係変更部を有する、ようにしてもよいし、前記複数の選択肢は、多数の選択肢の候補の一部であり、前記ゲーム端末は、前記多数の選択肢の候補のうち前記プレイヤに指定されたものを前記複数の選択肢とする第1選択肢決定部を有する、ようにしてもよい。これらの態様の通信システムでは、プレイヤによるカスタマイズが可能となる。
【0029】
上記の通信システムにおいて、前記複数の選択肢は、多数の選択肢の候補の一部であり、前記ゲーム端末は、前記多数の選択肢の候補のうち前記コンピュータゲームのプレイの状況に応じたものを前記複数の選択肢とする第2選択肢決定部を有する、ようにしてもよい。この態様の通信システムによれば、プレイの状況に合わないアイコンが表示される事態を避けることができる。
【0030】
本発明は、平面状の被接触面を有し、コンピュータゲームのプレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面において触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、前記被接触面に画像を表示する表示部とに接続されたコンピュータであって、書き込まれたデータを記憶する記憶部を有し、前記プレイヤからの指示入力に応じた処理を行うコンピュータに、前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信処理と、前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成処理と、前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理と、前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御処理と、前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理と、前記特定処理において特定された前記指示入力を示す意思データを、第1の通知データとして、前記対戦相手の前記ゲーム端末に送信する意思データ送信処理と、前記特定処理で特定された前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理と、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素、またはこのコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体を提供する。
このコンピュータプログラムによれば、複数の選択肢から選択して指示入力を入力する作業にかかる手間を削減することができる。なお、本発明は、上記コンピュータプログラムを伝送する伝送媒体(例えばネットワーク)としても把握される。つまり、本発明は、上記コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録または伝送する媒体(データキャリヤ)としても把握される。また、本発明は、上記コンピュータプログラムの一部または全部であるコンピュータプログラム要素としても把握される。また、本発明は、コンピュータにロードされて上記プログラムとなるデータを保持する媒体を有するプログラム製品としても把握される。
【0031】
本発明におけるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素は、コンピュータまたはコンピュータシステム上で実行可能であり、コンピュータまたはコンピュータシステム上で実行されたときに、コンピュータまたはコンピュータシステムのプロセッサに、本発明に係る処理を実行させるための命令(software code portions)を含み、汎用のコンピュータまたはコンピュータシステムを本発明に係るコンピュータまたはコンピュータシステムとして機能させることが可能である。斯かるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素は、コンピュータシステムのメモリにロード可能なデータ(すなわち、コンピュータプログラム)が記憶されたCD−ROMあるいはディスケット等の記録媒体に記憶されて頒布されてもよい。また、上記データキャリヤは、本発明に係るコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素が記憶された情報記録媒体を含み、さらに、本発明に係るコンピュータプログラムを示す信号を送信するデータ接続(data connection)や伝送媒体であってもよく、例えば、電話回線や、無線通信回線、インターネット等の電気通信回線を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、タッチパネルを用いて入力された指示入力に応じた処理を行うゲーム端末において、複数の選択肢から選択して指示入力を入力する作業にかかる手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームシステム内のゲーム端末の外観を示す図である。
【図3】ゲーム端末の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ゲームシステム内の通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】ゲーム端末のプロセッサが行うゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】プロセッサが行う表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】プロセッサが行う計時制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】プロセッサが行う操作継続監視処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】プロセッサが行う選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】プロセッサが行う第1表示時間制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】プロセッサが行う送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】プロセッサが行う受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】プロセッサが行う第2表示時間制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】ゲームシステムで実現される第1ゲームのプレイにおいてプレイヤBのゲーム端末の画面に表示される画像の一例を示す図である。
【図15】同画面に表示される画像の別の一例を示す図である。
【図16】同画面に表示される画像の更に別の一例を示す図である。
【図17】同プレイにおいてプレイヤAのゲーム端末の画面に表示される画像の一例を示す図である。
【図18】画面に表示される選択肢群画像と方向範囲との関係を示す図である。
【図19】選択肢群画像と距離範囲との関係を示す図である。
【図20】選択肢群画像の一例を示す図である。
【図21】偏角の範囲および中心角を示す図である。
【図22】選択肢特定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する具体的な構成は一例に過ぎず、本発明は、この具体的な構成を変形して得られる各種の形態をも範囲に含む。
【0035】
<ゲームシステムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム10の構成を示すブロック図である。ゲームシステム10は、特定のコンピュータゲーム(以降、「第1ゲーム」と呼ぶ)のゲームシステムである。第1ゲームは、二人のプレイヤが対戦するサッカーゲームであり、そのプレイにおいて、各プレイヤは、自分のチームのキャラクタを操作する。各キャラクタは、人を模した仮想的な存在である。以降の説明では、互いに対戦相手となる二人のプレイヤのうち、一方を「プレイヤA」、他方を「プレイヤB」と呼ぶ。
【0036】
ゲームシステム10は、ネットワーク方式のゲームシステムであり、各々がインターネットワーク1に終端ノードとして属する複数のゲーム端末20と、インターネットワーク1に終端ノードとして属する通信装置40とを有する。第1ゲームのプレイは、二つのゲーム端末20が相互に通信して進行する。ゲーム端末20および通信装置40は、いずれもコンピュータまたはコンピュータシステムであり、ゲーム端末20は第1ゲームのゲーム端末、通信装置40は第1ゲームのゲーム装置でもある。
【0037】
複数のゲーム端末20は、それぞれ、複数のLAN(Local Area Network)3(3A、3B、3C、…)のいずれかに終端ノードとして属する。LAN3は、インターネットワーク1にノードとして属するネットワークである。複数のLAN3は、それぞれ、複数のゲーム場2(2A、2B、2C、…)に設けられている。LAN3には、VPN(Virtual Private Network)装置4がノードとして属する。LAN3に属するVPN装置4は、VPN5に終端ノードとして属する。VPN5は、インターネットワーク1上に仮想的に実現されたネットワークである。
【0038】
通信装置40は、LAN6に終端ノードとして属し、対戦相手のマッチングや各種のデータの保持を行う。LAN6は、インターネットワーク1にノードとして属するネットワークであり、複数のゲーム場2のいずれとも異なる場所に設けられている。LAN6には、VPN装置4がノードとして属する。このVPN装置4は、VPN5に終端ノードとして属する。各ゲーム端末20と通信装置40間の通信は、VPN5を介して行われる。
【0039】
<ゲーム端末の構成>
図2は、本発明の実施の形態に係るゲーム端末20の外観を示す図である。この図から明らかなように、第1ゲームのプレイヤは、ゲーム端末20の筐体21の正面で、筐体21に設けられた表示部(例えばモニタ)22の画面221に表示される画像を見るとともに筐体21に設けられたスピーカ231から放出される音響を聞き、筐体21に設けられた操作ボタン群24を操作したり、画面221の手前に画面221を覆うように配置された透明なタッチパネル25に触れたりして、ゲーム端末20を操作する。
【0040】
ゲーム端末20は、いわゆるアーケードゲーム機であり、その使用料を徴収するために、筐体21には、所定のコイン(例えば硬貨)のコイン投入口261が設けられている。また、筐体21には、固有の識別データを記録した記録媒体50のメディア挿入口272が設けられている。第1ゲームのプレイヤは、一または複数の記録媒体50を所持可能であり、記録媒体50毎に、通信装置40に各種のデータを保持させることができる。
【0041】
図3は、ゲーム端末20の電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、ゲーム端末20は、表示部22、二つのスピーカ231を有する音声出力部23、操作ボタン群24、タッチパネル25、コイン投入口261を有するコイン貯留部(coin hopper)26、読み取り部27、各種のデータ処理を行うプロセッサ28、ROM(Read Only Memory)29、ハードディスク30、RAM(Random Access Memory)31、送信部33および受信部34を有する。
【0042】
プロセッサ28は、例えば、一又は複数のCPUであり、経過時間を計測する計時部281を有する。プロセッサ28は、表示部22、音声出力部23および送信部33へデータを供給すること、操作ボタン群24、タッチパネル25、コイン貯留部26、読み取り部27および受信部34から出力されたデータを受け取ること、ROM29、ハードディスク30およびRAM31からデータを読み出すこと、ハードディスク30およびRAM31にデータを書き込むことができる。
【0043】
表示部22は、プロセッサ28から供給されたデータを用いて当該データが示す画像を画面221に表示する。タッチパネル25は透明であるから、表示部22が画面221に画像を表示することにより、この画像がタッチパネル25の被接触面にも表示される。音声出力部23は、プロセッサ28から供給されたデータを用いて当該データが示す音声を二つのスピーカ231から放出させる。送信部33はプロセッサ28から供給されたデータを外部へ送信し、受信部34は外部からデータを受信してプロセッサ28に供給する。
【0044】
ROM29には、プログラム291が保持されている。プログラム291は、第1ゲームのプログラムであり、プロセッサ28に実行される。さらに、ROM29は、書き換え可能な不揮発性のメモリ領域を有し、当該メモリ領域には、後述の選択肢群画像G1に選択肢画像として表示される複数の選択肢の候補として、多数の選択肢の候補が記憶されている。すなわち、選択肢群画像G1(図18)に表示される複数の選択肢画像は、多数の選択肢の候補の一部としての複数の選択肢を示す。RAM31は、書き込まれたデータを記憶する記憶部であり、各種のデータを一時的に保持する。一時的に保持されるデータとしては、第1表示継続フラグ311、第2表示継続フラグ312、検出位置記録データ313、経過時間データ314、操作継続フラグ315、始点位置データ316、終点位置データ317、最終選択肢データ318、選択肢群画像データ319、第2通知データ320および変更データ321が挙げられる。
【0045】
操作ボタン群24(入力部)は、操作内容に応じた操作データを出力する。より詳細には、操作ボタン群24は複数の操作ボタンの集合であり、各操作ボタンは、押されると、固有の操作データを出力する。コイン貯留部26は、コイン投入口261から投入されたコインを弁別し、所定のコインであれば当該コインを貯留するとともに、当該コインが投入された旨のデータを出力する。読み取り部27は、メディア挿入口272に記録媒体50が挿入されると、この記録媒体50から識別データを読み取って出力する。また、読み取り部27は、メディア挿入口272から記録媒体50が抜き取られると、記録媒体抜き取り処理(後述)を開始する。例えば、記録媒体50がカード型の場合、読み取り部27はカードリーダである。
【0046】
タッチパネル25は、平面状の被接触面を有し、当該ゲーム端末20のユーザであるプレイヤにより、この被接触面に対するタッチ操作が行われると、この被接触面における触れられた部分の位置(タッチ位置)を検出し、検出したタッチ位置を示す検出位置データを出力する。プロセッサ28は、タッチパネル25から検出位置データが出力されると、その度に、計時部281による経過時間の計測を開始させる。タッチパネル25の被接触面は、画面221であってもよいが、本実施の形態では、画面221の手前にタッチパネル25が位置し、タッチパネル25の一部(画面221に重なっている部分)の手前側の面が被接触面となっている。
【0047】
プレイヤは、タッチパネル25に対して継続的なタッチ操作を行うことにより、タッチパネル25を用いて一つの指示入力を入力することが可能である。「継続的なタッチ操作」(continuous touch operation)とは、接触部位(例えばプレイヤの指先)がタッチパネル25の被接触面に接触した状態が、始点から終点まで継続するタッチ操作である。すなわち、継続的なタッチ操作は、第1ゲームのプレイヤが、タッチパネル25の被接触面に触れると開始し、その接触部位(例えば指先)を被接触面に接触させたまま滑らせてから被接触面から離すと終了する。
【0048】
プレイヤによって一つの継続的なタッチ操作が行われている間、タッチパネル25は、当該継続的なタッチ操作が辿った軌跡上にある複数の検出位置を示す複数の検出位置データを順に出力する。よって、継続的なタッチ操作において、連続する検出位置は当該タッチ操作の軌跡を描く。この軌跡の始点の位置を示すデータが始点位置データ316であり、暫定的な終点の位置を示すデータが終点位置データ317である。終点位置データ317は、継続的なタッチ操作において、始点位置データ316に対応する検出位置データの後に、タッチパネル25から検出位置データが出力される度に更新記憶される。そして、タッチパネル25から最後に検出位置データが出力されてからの、計時部281が計測した経過時間が、予め定められた許容時間よりも長くなると継続的なタッチ操作が終了し、この時に終点位置データ317が示す位置が、終点の位置となる。
【0049】
すなわち、継続的なタッチ操作において、プロセッサ28は、継続的なタッチ操作の開始によってタッチパネル25から出力された検出位置データが示す位置を始点位置データ316としてRAM31に記憶するとともに、継続的なタッチ操作の終了の直前にタッチパネル25から出力された検出位置データが示す位置を終点位置データ317として記憶する位置記録処理部として機能する。
詳細には、プロセッサ28は、タッチパネル25から検出位置データが出力される度に、計時部281による経過時間の計測を開始(または計測中の場合には再開始)させる計時制御部として機能する。よって、継続的なタッチ操作において、計時部281は、タッチパネル25が検出位置データを最後に出力してからの経過時間を計測する手段である。さらに、プロセッサ28は、計時部281が計測した経過時間が予め定められた許容時間を超えると、継続的なタッチ操作が終了したと判定する終了判定部として機能する。プロセッサ28は、始点位置データ316がRAM31に記憶された後に、タッチパネル25から検出位置データが出力されると、この検出位置データが示す位置を、終点位置データ317として、RAM31に更新記憶させる暫定位置記録処理部として機能する。終了判定部により継続的なタッチ操作が終了したと判定された場合には、暫定位置記録処理部によってRAM31に記憶された位置(終点位置データ317が示す位置)が、継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データとなるから、上記位置記録処理部は、当該検出位置データが示す位置を連続タッチ操作の終点の位置とみなす。
【0050】
プロセッサ28は、継続的なタッチ操作の始点位置データ316が示す位置の周囲に、選択肢群画像を表示させる。図18は、画面221に表示された選択肢群画像G1の一例を示す図である。図18に示されるように、選択肢群画像G1は、共通の基点Pから互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲R11〜R16に、指示入力の複数の選択肢を示す円形の選択肢画像が一つずつ配置された画像である。ここで、選択肢画像G1は、基点Pが始点位置データ316が示す位置と重なるように表示される。すなわち、プロセッサ28は、RAM31に記憶された始点位置データ316が示す位置の周囲に、プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像が複数配置された選択肢群画像を表示するように、画面221を制御する選択肢表示制御部として機能する。
【0051】
図18から理解されるように、選択肢群画像G1は、「怒り」、「友情」、「驚き」、「哀しみ」、「挨拶」および「喜び」といった、プレイヤが対戦相手に伝えることが可能な意思を示す選択肢画像を、指示入力の複数の選択肢として表示するものである。例えば、「怒り」と書かれた選択肢画像は、「怒り」を対戦相手に伝える選択肢である。第1ゲームのプレイヤは、画面221に表示された選択肢群画像G1を参照しつつ、複数の選択肢のいずれかを選択するべく、上記継続的なタッチ操作を行う。具体的には、プレイヤは、選択肢群画像の基点Pを始点とし、所望の選択肢の選択肢画像が表示されている方向に向けて指先を滑らせ、目的の画像付近で指を被接触面から離す継続的なタッチ操作を行う。
【0052】
継続的なタッチ操作では、複数の選択肢から一つの選択肢が仮選択され、継続的なタッチ操作が正しく終了すると、最後に仮選択された選択肢が選択され、これによって、当該選択肢がユーザ指示入力となる。上記の選択肢群画像を示すデータが選択肢群画像データ319である。一方、最終選択肢データ318は、最後に仮選択された選択肢を示すデータであり、継続的なタッチ操作において、仮選択された選択肢が変わる度に更新される。したがって、継続的なタッチ操作の終了時には、最終選択肢データ318が示す選択肢が、選択された選択肢となる。
【0053】
選択肢群画像に示される複数の選択肢は、複数のアイコンにそれぞれ対応付けられている。上述したように、本実施形態においては、各選択肢は、対戦相手に伝えることが可能なプレイヤの意思を文字で示し、それに対応する各アイコンは、選択肢が示すプレイヤの意思を、絵を用いて視覚的に示唆したものである。よって、例えば、「怒り」を示す選択肢には、視覚的に「怒り」の感情か表現されたアイコンが対応付けられている。
【0054】
ゲーム端末20は、タッチパネル25を用いてプレイヤにより入力された指示入力(以降、「ユーザ指示入力」という)の選択肢に応じたアイコンを、当該ゲーム端末20および対戦相手のゲーム端末20に一定の時間だけ表示させる指示入力処理装置でもある。具体的には、ゲーム端末20の画面221には、当該ゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコン(例えば、図16に示すアイコンG2)と、対戦相手のゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコン(例えば、図17に示すアイコンG3)が表示される。前者のアイコンの表示が継続中であるか否かを示すデータが第1表示継続フラグ311であり、後者のアイコンの表示が継続中であるか否かを示すデータが第2表示継続フラグ312である。すなわち、第1表示継続フラグ311は、当該ゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコンの表示が継続中であるか否かを示すデータであり、第2表示継続フラグ312は、対戦相手のゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコンの表示が継続中であるか否かを示すデータである。
【0055】
第1ゲームでは、プレイヤAのユーザ指示入力がプレイヤBのゲーム端末20に通知される。すなわち、プレイヤAのユーザ指示入力は、第1通知データとして、送信部33を介して、プレイヤBのゲーム端末20に通知される。一方、プロセッサ28は、受信部34を介して、対戦相手のゲーム端末20から通知された指示入力を示すデータを受信する。これが第2通知データ320としてRAM31に記憶される。プロセッサ28は、第2通知データ320によって示される、対戦相手のゲーム端末20から通知された指示入力に応じた処理を行う。
【0056】
以上のように、ゲーム端末20のプロセッサ28は、特定されたユーザ指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理部として機能する。具体的には、ユーザ指示入力として特定された選択肢に応じたアイコンが表示されるように、画面221を制御する第1表示制御部として機能する。また、プロセッサ28は、受信部34が受信した第2通知データ320によって示される、別のゲーム端末20のユーザ指示入力に応じた処理を行う第2指示入力処理部として機能する。具体的には、対戦相手のゲーム端末20のユーザ指示入力に応じたアイコンが表示されるように画面221を制御する処理(第2表示制御処理)を実行する。
【0057】
検出位置記録データ313は、タッチパネル25から出力された最新の検出位置データが記録されたもの(すなわち、最後に記憶された検出位置)であり、タッチパネル25から検出位置データが出力される度に更新される。経過時間データ314は、タッチパネル25から検出位置記録データ313として記録された検出位置データが出力されてからの経過時間を示すデータであり、時々刻々と更新される。よって、経過時間データ314は、タッチパネル25から最後に検出位置データが出力されてからの経過時間を示すデータである。
【0058】
操作継続フラグ315は、タッチパネル25を用いた継続的なタッチ操作が継続中であるか否かを示すデータであり、その値は、継続的なタッチ操作が継続中であれば「真」、継続中でなければ「偽」となる。
また、第1ゲームでは、上記の複数の選択肢を一部に含む、多数の選択肢の候補のうち、プレイヤが、選択肢群画像G1に選択肢群として表示される選択肢を変更したり、選択肢と指示入力との対応関係を変更したりすることができる。これらの変更の内容を示すデータが変更データ321である。変更データ321は通信装置40から配信される。
【0059】
ハードディスク30は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、このハードディスク30を有するゲーム端末20の通信アドレスや、通信装置40の通信アドレス等の各種の情報の記憶に用いられる。なお、本実施の形態を変形し、ハードディスク30に、データ311〜321やプログラム291を記憶させる形態としてもよい。また、ゲーム端末20の通信アドレスや通信装置40の通信アドレス等の各種の情報をROM29に記憶させる形態としてもよい。この場合、ハードディスク30は不要となる。また、ROM29に代えて他の書き換え不能な不揮発性メモリを、ハードディスク30に代えて他の書き換え可能な不揮発性メモリを、RAM31に代えて他の書き換え可能な揮発性メモリを採用してもよい。
【0060】
プロセッサ28は、図示しない電源が投入されると、プログラム291を実行する。この実行により、プロセッサ28は、初期化処理を行い、その後、変更データ取得処理、記録媒体抜き取り処理、ゲーム処理および変更データ編集要求処理を個々に実行可能な状態となる。初期化処理では、プロセッサ28は、何も変更しないことを示すデータを変更データ321としてRAM31に書き込む。
【0061】
<通信装置の構成>
図4は、通信装置40の電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、通信装置40は、各種のデータ処理を行うプロセッサ41、外部からデータを受信してプロセッサ41に供給する受信部42、プロセッサ41から供給されたデータを外部へ送信する送信部43、RAM44、ROM45およびハードディスク46を有する。プロセッサ41は、例えば、一又は複数のCPUであり、送信部43へデータを供給すること、受信部42から供給されたデータを受け取ること、RAM44、ROM45およびハードディスク46からデータを読み出すこと、RAM44およびハードディスク46にデータを書き込むことができる。
【0062】
RAM44およびハードディスク46は、それぞれ、書き込まれたデータを記憶する記憶部である。RAM44は、各種のデータの一時的な保持に用いられる。ハードディスク46には、記録媒体50毎に、その識別データに対応付けて、個別変更データ461が保持される。個別変更データ461は、編集されない限り、何も変更しないことを示すデータである。ROM45には、プロセッサ41に実行されるプログラムが保持されている。プロセッサ41は、このプログラムを用いて個別変更データ461を編集する変更データ編集処理等の各種の処理を行う。
【0063】
<変更データ取得処理>
変更データ取得処理は、ゲーム端末20において行われる処理であり、読み取り部27から記録媒体50の識別データが出力されると、開始される。変更データ取得処理では、プロセッサ28は、読み取り部27から出力された識別データを受け取ってRAM31に書き込み、この識別データに対応する変更データの配信要求を、送信部33を用いて通信装置40へ送信する。通信装置40は、この配信要求を受信すると、当該識別データに対応する個別変更データ461を返信する。プロセッサ28は、受信部34を用いて当該個別変更データ461を受信すると、この個別変更データ461を変更データ321としてRAM31に書き込む。
【0064】
<記録媒体抜き取り処理>
記録媒体抜き取り処理は、ゲーム端末20において行われる処理であり、メディア挿入口272から記録媒体50が抜き取られると、開始される。記録媒体抜き取り処理では、ゲーム端末20のプロセッサ28は、一時的に保持していた識別データをRAM31から削除する。
【0065】
<ゲーム処理>
ゲーム処理は、ゲーム端末20において行われる処理であり、第1ゲームの1回のプレイの料金に相当する価値を有する一枚または複数枚の所定のコインがコイン投入口221に投入され、その後に所定の操作ボタンが押されると、開始される。以降、ゲーム処理の内容について説明するが、この説明では、変更データ321が何も変更しないデータであることを前提とする。
【0066】
図5は、ゲーム端末20のプロセッサ28が行うゲーム処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム処理では、プロセッサ28は、まず、マッチング処理を行う(S1)。具体的には、プロセッサ28は、まず、送信部33を用いて、マッチングを要求するマッチング要求を通信装置40へ送信する。通信装置40では、複数のゲーム端末20からマッチング要求を受信し、プレイヤAのゲーム端末20とプレイヤBのゲーム端末20とを組とする作業、すなわちマッチングが行われ、マッチングされた各ゲーム端末20へ、対戦相手のゲーム端末20の通信アドレスが送信される。プロセッサ28は、対戦相手のゲーム端末20の通信アドレスを受信すると、これをハードディスク30に記憶させる。
【0067】
次にプロセッサ28は、計時制御処理(図7)、送信処理(図11)および受信処理(図12)を開始する(S2)。これらの処理については後述する。また、ステップS2では、プロセッサ28は、初期化を行う。この初期化では、プロセッサ28は、第1表示継続フラグ311、第2表示継続フラグ312および操作継続フラグ315に、それぞれ、「偽」をセットする。具体的には、「偽」を示すデータを、第1表示継続フラグ311、第2表示継続フラグ312および操作継続フラグ315としてRAM31に書き込む。
【0068】
次にプロセッサ28は、第1ゲームのプレイの手順を実行するプレイ処理を行う(S3)。プレイヤAのゲーム端末20では、プロセッサ28は、プレイ処理において、操作ボタン群24からの操作データに基づいて仮想的なサッカー場におけるプレイヤAのチームのメンバーの位置や挙動(例えばドリブルやパス等)を定める処理と、当該操作データをプレイヤBのゲーム端末20へ送信する処理と、受信部34を用いて受信したデータに基づいて仮想空間におけるプレイヤBのチームのメンバーの位置や挙動を定める処理と、サッカーボールの位置を定める処理と、各種の効果音を音声出力部23に発音させる処理と、サッカーのルールに従ってスコアを算出したりプレイを終了させたりする処理と、周期的に画像を表示部22に表示させる表示処理を並列に実行する。
【0069】
図6は、プロセッサ28が行う表示処理の流れを示すフローチャートである。表示処理では、プロセッサ28は、まず、画面221に表示する画像として通常画像を生成する(S31)。具体的には、通常画像を示す通常画像データを生成してRAM31に書き込む。通常画像は、第1ゲームのプレイにおいて通常表示される画像であり、仮想的なサッカー場の画像、前半(First Half)/後半(Second Half)を示す画像、試合開始からの経過時間を示す画像、プレイヤAの名前を示す画像、プレイヤBの名前を示す画像およびスコアを示す画像を含む。
【0070】
なお、プレイヤのゲーム端末20のプロセッサ28による当該プレイヤの名前の取得形態は任意である。例えば、プレイヤの名前が、当該プレイヤが所持する記録媒体50内に記録されている形態であってもよいし、識別データに対応付けて通信装置40に記憶されている形態であってもよいし、当該プレイヤがそのゲーム端末20の操作ボタン群24を操作することにより入力される形態であってもよい。これと同様に、プレイヤのゲーム端末20のプロセッサ28による対戦相手の名前の取得形態も任意である。例えば、ステップS1またはS2において通信装置40から通信により通知される形態であってもよいし、ステップS2において対戦相手のゲーム端末20から通信により通知される形態であってもよい。
【0071】
次にプロセッサ28は、プレイヤによる継続的なタッチ操作が継続中であるか否かを示す操作継続フラグ315が「真」であるか否かを判定する(S32)。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、通常画像に選択肢群画像を合成する(S33)。具体的には、RAM31に保持されている通常画像データと選択肢群画像データ319と始点位置データ316に基づいて、通常画像に選択肢群画像を合成した画像を示すデータを生成し、これを表示画像データとしてRAM13に書き込む。このとき、始点位置データ316が示す位置が、通常画像上において、選択肢画像の基点Pとなるように、通常画像と選択肢画像とが合成される。画像の合成方式は任意であるが、選択肢群画像が占める領域にあっては選択肢群画像が優先される方式を採用するのが望ましい。ステップS33の処理を終えると、またはステップS32の判定結果が「NO」となると、処理はステップS34に進む。
【0072】
ステップS34では、プロセッサ28は、当該ゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコンの表示が継続中であるか否かを示す第1表示継続フラグ311が「真」であるか否かを判定する。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、通常画像に、ユーザ指示入力に応じたアイコンを合成する(S35)。ユーザ指示入力の特定方法については後述する。ステップS35の処理を終えると、またはステップS34の判定結果が「NO」となると、処理はステップS36に進む。
【0073】
ステップS36では、プロセッサ28は、対戦相手のゲーム端末20に入力されたユーザ指示入力の選択肢に応じたアイコンの表示が継続中であるか否かを示す第2表示継続フラグ312が「真」であるか否かを判定する。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、通常画像に、第2通知データ320に応じたアイコンを合成する(S37)。ステップS37の処理を終えると、またはステップS36の判定結果が「NO」となると、処理はステップS38に進む。
【0074】
ステップS38では、プロセッサ28は、表示画像データによって示される表示画像を表示部22に表示させる。次にプロセッサ28は、プレイ処理(S3)の終了条件が充たされたか否かを判定する(S39)。この終了条件は、第1ゲームのプレイが終了すると充たされる。ステップS39の判定結果が「NO」の場合には、処理はステップS31に戻り、「YES」の場合には、表示処理を含むプレイ処理が終了する。
【0075】
つまり、プレイ処理では、次に例示するような表示が行われる。例えば、操作継続フラグ315、第1表示継続フラグ311および第2表示継続フラグ312が「偽」の場合、図14に示すような画像(通常画像)が当該ゲーム端末20の画面221に表示される。また例えば、操作継続フラグ315が「真」であり、かつ、第1表示継続フラグ311および第2表示継続フラグ312が「偽」の場合、図15に示すような画像(通常画像と選択肢群画像G1との合成画像)が当該ゲーム端末20の画面221に表示される。また例えば、操作継続フラグ315および第2表示継続フラグ312が「偽」であり、かつ、第1表示継続フラグ311が「真」の場合、図16に示すような画像(通常画像とアイコンG2との合成画像)が当該ゲーム端末20の画面221に表示される。また例えば、操作継続フラグ315および第1表示継続フラグ311が「偽」であり、かつ、第2表示継続フラグ312が「真」の場合、図17に示すような画像(通常画像とアイコンG3との合成画像)が画面221に表示される。なお、図14〜図16は、それぞれ、プレイヤBのゲーム端末20の画面221に表示される画像であり、図17は、プレイヤAのゲーム端末20の画面221に表示される画像である。
【0076】
なお、図14〜図17に示すように、画面221の中央部分には仮想的なサッカー場の画像が、画面221の上側部分には前半/後半や試合開始からの経過時間を示す画像が、画面221の下側部分には、プレイヤAの名前を示す画像、プレイヤBの名前を示す画像およびスコアを示す画像が表示される。仮想的なサッカー場には、プレイヤAのチームのメンバー(11個の黒丸)とプレイヤBのチームのメンバー(11個の白丸)とサッカーボールが配置される。なお、ゲーム端末20のプレイヤの名前は、当該ゲーム端末20の画面221の右側部分に、対戦相手の名前は当該画面221の左側部分に表示される。
【0077】
また、図15に示すように、選択肢群画像G1は、画面221内の、始点位置データ316に応じた位置に表示される。選択肢群画像G1は、図18に拡大して示すように、共通の基点Pから互いに重ならないように広がる複数の方向範囲R11〜R16に、複数の指示入力の選択肢の画像(例えば、「怒り」を対戦相手に伝える指示入力に対応する円形の画像)が一つずつ配置された画像である。
【0078】
また、図16に示すように、ゲーム端末20のユーザ指示入力に応じたアイコンG2は、当該ゲーム端末20の画面221において、当該ゲーム端末20のプレイヤの名前の画像の周囲に表示される(第1表示制御処理)。また、図17に示すように、ゲーム端末20のRAM31に保持されている第2通知データ320に応じたアイコンG3は、当該ゲーム端末20の画面221において、対戦相手の名前の画像の周囲に表示される(第2表示制御処理)。
【0079】
プレイ処理(図5のS3)が終了すると、プロセッサ28は、計時制御処理、送信処理および受信処理(後述)を終了させる(S4)。次にプロセッサ28は、直前のステップS3におけるプレイの結果を表示部22に表示させ(S5)、ゲーム処理を終了する。ステップS5で表示されるプレイの結果は、例えば勝敗やスコアである。ゲーム処理を終了すると、プロセッサ28は、変更データ取得処理、記録媒体抜き取り処理、ゲーム処理および変更データ編集要求処理を個々に実行可能な状態となる。
【0080】
<計時制御処理>
図7は、プロセッサ28が行う計時制御処理(図5のS2)の詳細な流れを示すフローチャートである。計時制御処理では、プロセッサ28は、まず、プレイヤによるタッチ操作のタッチ位置が検出されたか否かを判定する(SA1)。この判定結果は、タッチパネル25から検出位置データが出力されると「YES」となる。ステップSA1の判定結果が「NO」の場合、処理はステップSA1に戻る。つまり、タッチ位置が検出されるまで、ステップSA1の処理が繰り返し行われる。
【0081】
ステップSA1の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、計時部281による経過時間の計時を開始する(SA2)。これにより、経過時間データ314が時々刻々と更新される。次にプロセッサ28は、タッチパネル25を用いた継続的なタッチ操作が継続中であるかを示す操作継続フラグ315が「真」であるか否かを判定する(SA3)。この判定結果が「NO」の場合、プロセッサ28は、選択肢群画像を初期化する(SA4)。この結果、選択肢群画像データ319は、予め定められた選択肢群画像に変更データ321が示す変更を行って得られる選択肢群画像を示すデータとなる。このデータが示す選択肢群画像では、いずれの選択肢も強調されていない。
【0082】
選択肢群画像を初期化したプロセッサ28は、検出位置を始点の位置としてRAM31に記憶させる(SA5)。具体的には、検出位置記録データ313を、始点位置データ316として、RAM31に書き込む。次にプロセッサ28は、操作継続フラグ315に「真」をセットし(SA6)、後述の操作継続監視処理(図8)および選択処理(図9)を開始する(SA7)。以降、処理はステップSA1に戻る。つまり、継続的なタッチ操作が継続していないときに位置が検出される度に、この位置が始点の位置となり、継続的なタッチ操作が開始したとみなされる。
【0083】
ところで、操作継続フラグ315に「真」がセットされると、図6の表示処理におけるステップS32の判定結果が「YES」となる。したがって、以降、画面221には、操作継続フラグ315に「偽」がセットされるまで、すなわち継続的なタッチ操作の間、図15に示すように、選択肢群画像が合成された画像が表示される。さらに、この継続的なタッチ操作の間、最終選択肢が無効選択肢であれば、図18に示すように、いずれの選択肢も強調されていない画像が表示され、最終選択肢が無効選択肢でなければ、図19に示すように、いずれか一つの選択肢(図19では「怒り」の選択肢)が強調されている画像が表示される。
【0084】
一方、図7のステップSA3の判定結果が「YES」の場合、すなわち、操作継続フラグ315に「真」がセットされている場合、処理はステップSA1に戻る。したがって、継続的なタッチ操作が継続しているときにタッチ位置が検出されても、このタッチ位置が始点の位置となることはない。また、タッチ位置が検出される度にステップSA2において経過時間の計時が開始されるから、経過時間データ314は、タッチパネル25から最後に検出位置データが出力されてからの経過時間を示すことになる。
【0085】
<操作継続監視処理>
図8は、プロセッサ28が行う操作継続監視処理(図7のステップSA7)の詳細な流れを示すフローチャートである。操作継続監視処理では、プロセッサ28は、まず、タッチ位置が検出されたか否かを判定する(SB1)。この判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、検出位置を暫定的な終点の位置としてRAM31に記憶させる(SB2)(暫定位置記録処理)。具体的には、検出位置記録データ313を、終点位置データ317として、RAM31に書き込む。ステップSB2の処理を終えると、またはステップSB1の判定結果が「NO」となると、処理はステップSB3に進む。
【0086】
ステップSB3では、プロセッサ28は、経過時間データ314に基づいて、経過時間が許容時間よりも長いか否かを判定する(SB3)。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップSB1に戻る。一方、ステップSB3の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、操作継続フラグ315に「偽」をセットし(SB4)、操作継続監視処理を終了する。つまり、操作継続監視処理では、プロセッサ28は、経過時間が許容時間以下の間は、タッチ位置が検出される度に当該位置を終点の位置としてRAM31に記憶し、経過時間が許容時間より長くなると、継続的なタッチ操作が終了したとみなす(終了判定処理)。なお、操作継続監視処理の終了時点では、終点位置データ317は、終点の候補ではなく、終点を示すデータとなる。
【0087】
<選択処理>
図9は、プロセッサ28が行う選択処理(図7のステップSA7)の詳細な流れを示すフローチャートである。選択処理では、プロセッサ28は、まず、始点位置データ316と終点位置データ317に基づいて、始点と終点との距離を算出する(SC1)。次にプロセッサ28は、算出した距離が予め定められた距離範囲R2内の距離であるか否かを判定する(SC2)。
【0088】
図19は選択肢群画像と距離範囲R2との関係を示す図である。この図に示すように、距離範囲R2は、基点Pからの距離の範囲であり、選択肢群画像G1に含まれる複数の選択肢画像は、いずれも、距離範囲R2内に配置されている。距離範囲R2は、実際には下限と上限で特定され、RAM31には、下限を示すデータと上限を示すデータが保持される。
【0089】
ステップSC2の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ28は無効選択肢を該当選択肢とする(SC3)。具体的には、無効選択肢を該当選択肢とし、この選択肢を示す該当選択肢データをRAM31に書き込む。無効選択肢とは、選択されても無効な選択肢である。一方、ステップSC2の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、始点位置データ316と終点位置データ317に基づいて、始点から終点への方向を特定する(SC4)。方向を特定したプロセッサ28は、特定した方向に基づいて該当選択肢を仮選択する(SC5)。具体的には、終点への方向を範囲内に含む方向範囲に対応する選択肢を該当選択肢とし、この選択肢を示す該当選択肢データをRAM31に書き込む。ただし、特定した方向が、いずれの方向範囲内にも含まれない場合には、無効選択肢を該当選択肢とする。
【0090】
ステップSC3またはステップSC5の処理が終了すると、プロセッサ28は、該当選択肢データと最終選択肢データ318とに基づいて、該当選択肢と最終選択肢とが同一であるか否かを判定する(SC6)。この判定結果が「NO」の場合、プロセッサ28は、該当選択肢を最終選択肢としてRAM31に記憶させる(SC7)。具体的には、該当選択肢データを最終選択肢データ318としてRAM31に書き込む。次にプロセッサ28は、最終選択肢に応じて選択肢群画像を変更する(SC8)。具体的には、選択肢群画像に含まれる複数の選択肢の画像のうち最終選択肢データ318が示す選択肢の画像のみが強調して表示されるように選択肢群画像データ319を更新する。
【0091】
一方、ステップSC6の判定結果が「YES」となると、すなわち、該当選択肢と最終選択肢とが同一である場合、またはステップSC8の処理が終了すると、プロセッサ28は、操作継続フラグ315が「真」であるか否かを判定する(SC9)。この判定結果が「YES」の場合、処理はステップSC1に戻る。つまり、継続的なタッチ操作が終了するまで、該当選択肢を仮選択する処理が繰り返され、この処理において、該当選択肢が変更されると、変更後の該当選択肢が最終選択肢としてRAM31に記憶される。
【0092】
ステップSC9の判定結果が「NO」となると、プロセッサ28は、最終選択肢データ318に基づいて、最終選択肢が無効選択肢であるか否かを判定する(SC10)。この判定結果が「NO」の場合、プロセッサ28は、ユーザ指示入力を特定する(SC11)。具体的には、最終選択肢データ318が示す選択肢に対応する指示入力をユーザ指示入力として特定し、この指示入力を示すユーザ指示入力データをRAM31に書き込む。また、ステップSC11では、プロセッサ28は、当該ゲーム端末20に、当該ゲーム端末20に対するユーザ指示入力に応じたアイコンを表示させる第1表示継続フラグ311を「真」にセットする。
【0093】
つまり、継続的なタッチ操作が終了すると、最終選択肢が無効選択肢でない限り、最終選択肢に応じた指示入力がユーザ指示入力として特定される。ところで、第1表示継続フラグ311に「真」がセットされると、図6のステップS34の判定結果が「YES」となる。したがって、以降、画面221には、第1表示継続フラグ311に「偽」がセットされまで、図16に示すように、ユーザ指示入力データに応じたアイコンが合成された画像が表示される。なお、図9のステップSC10の判定結果が「YES」となると、またはステップSC11の処理が終了すると、第1表示時間制御処理(SC12)が開始し、選択処理は終了する。
【0094】
<第1表示時間制御処理>
図10は、プロセッサ28が行う第1表示時間制御処理(図9のSC12)の詳細な流れを示すフローチャートである。第1表示時間制御処理では、プロセッサ28は、まず、計時部281により、第1経過時間の計時を開始する(SD1)。第1経過時間は、RAM31に記憶されたユーザ指示入力データに応じたアイコンの表示が開始されてからの経過時間である。次に、プロセッサ28は、第1経過時間が予め定められた第1表示時間より長いか否かを判定する(SD2)。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップSD2に戻る。一方、ステップSD2の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、第1表示継続フラグ311に「偽」をセットし、第1経過時間の計時を終了させ(SD3)、第1表示制御処理を終了する。つまり、第1表示継続フラグ311は、第1表示時間だけ「真」となる。
【0095】
<送信処理>
図11は、プロセッサ28が行う送信処理(図5のS2)の詳細な流れを示すフローチャートである。送信処理では、プロセッサ28は、まず、指示入力の選択肢を選択する選択処理が終了したか否かを判定する(SE1)。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップSE1に戻る。ステップSE1の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、最終選択肢データ318に基づいて、最終選択肢は無効選択肢であるか否かを判定する(SE2)。この判定結果が「YES」の場合、処理はステップSE1に戻る。
【0096】
ステップSE2の判定結果が「NO」の場合、プロセッサ28は、ユーザ指示入力を示す第1通知データを送信する(SE3)。具体的には、ユーザ指示入力を示す第1通知データを生成し、これを、送信部33を用いて、対戦相手のゲーム端末20へ送信する。以降、処理はステップSE1に戻る。つまり、選択処理が終了すると、最終選択肢が無効選択肢でない場合に限り、ユーザ指示入力を示す第1通知データが、対戦相手のゲーム端末20へ送信される。
【0097】
<受信処理>
図12は、プロセッサ28が行う受信処理(図5のS2)の詳細な流れを示すフローチャートである。受信処理では、プロセッサ28は、まず、対戦相手のゲーム端末20が送信した第1通知データを受信したか否かを判定する(SF1)。この判定結果は、対戦相手のゲーム端末20からの第1通知データを、受信部34を用いて受信すると「YES」となる。ステップSF1の判定結果が「NO」の場合、処理はステップSF1に戻る。
【0098】
ステップSF1の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、受信した第1通知データが示す指示入力を通知指示入力としてRAM31に記憶させる(SF2)。具体的には、受信した第1通知データに示される指示入力を示すデータを第2通知データ320としてRAM31に書き込む。すなわち、ステップSF1における処理は、対戦相手のゲーム端末20のユーザ指示入力を示す第2通知データを受信する処理である。次にプロセッサ28は、第2表示継続フラグ312に「真」をセットし(SF3)、後述の第2表示時間制御処理を開始する(SF4)。以降、処理は、ステップSF1に戻る。
【0099】
つまり、第1通知データが受信される度、第1通知データが示す指示入力が通知指示入力として特定されて、第2通知データ320として記憶される。ところで、第2表示継続フラグ312に「真」がセットされると、図6のステップS36の判定結果が「YES」となる。したがって、以降、画面221には、第2表示継続フラグ312に「偽」がセットされるまで、図17に示すように、第2通知データ320に応じたアイコンが合成された画像が表示される。(第2指示入力処理)
【0100】
<第2表示時間制御処理>
図13は、プロセッサ28が行う第2表示時間制御処理(図12のSF4)の流れを示すフローチャートである。第2表示時間制御処理では、プロセッサ28は、まず、計時部281により、第2経過時間の計時を開始する(SG1)。第2経過時間は、第2通知データに応じたアイコンの表示が開始されてからの経過時間である。次に、プロセッサ28は、第2経過時間が予め定められた第2表示時間より長いか否かを判定する(SG2)。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップSG2に戻る。一方、ステップSG2の判定結果が「YES」の場合、プロセッサ28は、第2表示継続フラグ312に「偽」をセットし、第2経過時間の計時を終了させ(SG3)、第2表示時間制御処理を終了する。つまり、第2表示継続フラグ312は、第2表示時間だけ「真」となる。
【0101】
<変更データ編集要求処理>
変更データ編集要求処理は、ゲーム端末20において行われる処理であり、変更データ取得処理、記録媒体抜き取り処理、ゲーム処理および変更データ編集要求処理を個々に実行可能な状態において開始される。具体的には、RAM31に記録媒体50の識別データが保持されているときに、選択肢群画像G1に表示する複数の選択肢を変更する選択肢変更処理を開始する旨の操作データが操作ボタン群24から出力されると、開始される。選択肢変更処理では、プロセッサ28には、操作ボタン群24を介して変更内容を示す編集指示が入力される。具体的には、選択肢変更処理が開始されると、画面221には、ROM29に記憶された多数の選択肢の候補が表示される。この表示により、ゲーム端末20のプレイヤは、操作ボタン群24を用いて、表示された多数の選択肢の候補のうち、所望の選択肢を複数の選択肢として指定することが可能である。すなわち、プロセッサ28は、ROM29に記憶された多数の選択肢の候補のうち、操作ボタン群24を用いてプレイヤに手動で指定されたものを複数の選択肢とする第1選択肢決定部として機能する。プレイヤによる選択肢の指定が完了すると、指定された複数の選択肢を示す編集指示データとRAM31に保持されている識別データとを含む編集要求を、通信装置40へ送信する。これにより、変更データ編集要求処理が終了する。
【0102】
<変更データ編集処理>
変更データ編集処理は、通信装置40において行われる処理であり、いずれかのゲーム端末20からの編集要求が受信部41に受信されると、開始される。なお、プロセッサ41は、複数の変更データ編集処理を並列に実行することができる。変更データ編集処理では、プロセッサ41は、受信部41から供給された編集要求を受け取り、この編集要求に含まれている識別データに対応付けてハードディスク46に保持されている個別変更データ461を、この編集要求に含まれている編集指示データに従って編集する。これにより、個別変更データ461が示す変更の内容が変更される。そして、変更データ編集処理が終了する。
【0103】
ここで、こうして編集された個別変更データ461が配信され、ゲーム端末20のRAM31に変更データ321として書き込まれたとする。そして、この変更データ321がRAM31に保持されている間にゲーム処理が開始されたとする。この場合、第1ゲームのプレイにおいて表示される選択肢群画像は、図19に示すものから変更されたものとなる。その一例を図20に示す。この例では、「挨拶」に対応する選択肢の画像が表示されない。また、「挨拶」に対応する方向範囲R15は無効選択肢に対応する範囲となる。
【0104】
<その他の処理>
また、ゲーム端末20のプロセッサ28は、プレイ処理において、第1ゲームのプレイの状況に応じて、「予め定められた選択肢群画像」を切り替える。つまり、予め定められた選択肢群画像を示す選択肢群画像データが複数用意されており、プロセッサ28は、ステップSA4において、第1ゲームのプレイの状況に応じて、選択肢群画像の初期化に使用する選択肢群画像データを選択する。したがって、例えば、ゴール後の一定期間において表示される選択肢群画像と、その他の期間において表示される選択肢群画像は互いに相違する。また例えば、ハーフタイム等のプレイオフ期間において表示される選択肢群画像と、プレイオン期間において表示される選択肢群画像は互いに相違する。よって、プレイの状況に応じて選択可能な選択肢(入力可能な指示入力)が異なる。すなわち、ある選択肢群画像に表示される複数の選択肢は、多数の選択肢の候補の一部であり、ゲーム端末20のプロセッサ28は、多数の選択肢の候補のうち第1ゲームのプレイの状況に応じたものを複数の選択肢とする第2選択肢決定部として機能する。
【0105】
<まとめ>
以上説明したように、ゲーム端末20のプロセッサ28は、タッチパネル25から出力された検出位置データのうち、継続的なタッチ操作の開始によって出力された検出位置データが示す位置を始点の位置としてRAM31に記憶させるとともに、継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとしてRAM31に記憶させる位置記録処理部として機能する。また、プロセッサ28は、RAM31に記憶された始点位置データと終点位置データとに基づいて、複数の選択肢のいずれかを、ユーザ指示入力として特定する特定処理を行う特定部として機能する。特定部は、好ましくは、タッチパネル25の被接触面において共通の基点Pから互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲にそれぞれ対応付けられた複数の指示入力のうち、継続的なタッチ操作の始点を基点Pとしたときの複数の方向範囲のうち始点から終点への方向を範囲内に含む方向範囲内に表示された指示入力の選択肢画像が示す選択肢をユーザ指示入力として特定する特定処理を行う。よって、ゲーム端末20のユーザは、被接触面に触れた指先を滑らせてから離すだけで、所望の指示入力を入力することができる。
【0106】
また、プロセッサ28は、始点から終点への方向を範囲内に含む方向範囲に、複数の選択肢画像のいずれも対応付けられている場合には、当該選択肢画像が示す選択肢を選択し、対応づけられていない場合には、選択肢を選択しない。すなわち、対応づけられていない場合には、ユーザ指示入力が無効選択肢を選択したとする。よって、ゲームシステム10によれば、表示される選択肢の数が減っても、同一の選択肢は同一の方向範囲に対応しているから、誤入力を低減することができる。
【0107】
また、プロセッサ28は、始点と終点との距離が予め定められた距離範囲内に含まれる場合にのみ、特定処理を行う。よって、ゲーム端末20によれば、方向範囲に基づく判断のみならず、距離範囲に基づく判断も行われるから、誤入力を低減することができる。また、距離範囲に基づいて判断した上で方向範囲に基づいて判断するから、プレイヤが被接触面に誤って瞬間的に触れた場合に、方向範囲に基づいた判断を行わずに済む。よって、ゲーム端末20にかかる負荷を低減することができる。
【0108】
また、プロセッサ28は、被接触面(画面221)に画像を表示する表示部22と、タッチパネル25から始点の位置を示す検出位置データが出力されると開始する選択肢表示期間において、複数の指示入力をそれぞれ示す複数の選択肢が始点を基点としたときの複数の方向範囲内に一つずつ配置された選択肢群画像を表示部22に表示させる選択肢表示制御部として機能する。よって、ゲーム端末20のユーザは、選択肢を容易かつ正確に選択することができる。
【0109】
また、プロセッサ28は、操作ボタン群24(入力部)と、操作ボタン群24から出力された操作データに基づいて、選択肢群画像の背景となる背景画像(通常画像およびアイコン)を生成する背景画像生成部として機能する。また、ゲーム端末20において、上記の選択肢表示期間は、タッチパネル25から終点の位置を示す検出位置データが出力されてから許容時間が経過すると終了する。また、プロセッサ28は、選択肢表示期間以外の期間においては、選択肢群画像を表示部22に表示させない。すなわち、プロセッサ28は、タッチパネル25から終点の位置を示す検出位置データが出力されると、選択肢群画像の表示を終了する一方、選択肢群画像の表示の有無にかかわらず背景画像(通常画像およびアイコン)を表示させるように画面22を制御する背景表示制御部として機能する。よって、ゲーム端末20によれば、選択肢群画像の表示が、タッチパネル25から終点の位置を示す検出位置データが出力されて間もなく終了するから、背景画像が見難い期間を短くすることができる。
【0110】
また、プロセッサ28は、タッチパネル25を用いて入力された指示入力に基づいて背景画像を生成する。したがって、ゲーム端末20のユーザは、入力した指示入力を確認することができる。またプロセッサ28は、第1通知データを外部へ送信する送信部と、対戦相手のゲーム端末20から第2通知データ(対戦相手のゲーム端末20が送信した第1通知データ)を受信する受信部として機能する。また、プロセッサ28は、受信した第2通知データに基づいて、背景画像(アイコン)を生成する。したがって、ゲーム端末20間でのプレイヤの視覚的な意思の伝達が可能となる。
【0111】
また、複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、プロセッサ28は、ユーザ指示入力として特定された選択肢に対応するアイコンが表示されるように、表示部22を制御する。したがって、ゲームシステム10のユーザは、選択肢を容易かつ正確に選択することができる。またプロセッサ28は、選択肢とアイコンとの対応関係を変更する対応関係変更部や、多数の選択肢の候補のうちプレイヤに指定されたものを提示対象の選択肢とする第1選択肢決定部として機能する。したがって、ゲームシステム10のユーザによるカスタマイズが可能となる。また、プロセッサ28は、多数の選択肢の候補のうちコンピュータゲームのプレイの状況に応じたものを複数の選択肢とする第2選択肢決定部として機能する。したがって、プレイの状況に合わないアイコンが表示される事態を避けることができる。
【0112】
<変形例>
以下、上述した実施の形態を変形して得られる形態を例示する。
例えば、タッチパネル25から検出位置データが出力されなくなったら、即座に、継続的なタッチ操作が終了したとみなす形態としてもよい。また例えば、距離範囲を考慮せずに該当選択肢を特定するようにしてもよいし、方向範囲に基づいて判断した上で距離範囲に基づいて判断して該当選択肢を特定するようにしてもよい。また例えば、仮選択された選択肢を強調表示しないようにしてもよいし、仮選択を行わずに継続的なタッチ操作の終了後に選択を行うようにしてもよい。
【0113】
また例えば、本実施の形態を、サッカーゲーム以外のネットワーク方式のマルチプレイヤ型のゲームに適用してもよいし、ネットワーク方式以外のマルチプレイヤ型のゲームに適用してもよい。本実施の形態のうち、指示入力の入力に関する部分については、シングルプレイヤ型のゲームに適用してもよいし、ATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)等の、ゲーム装置以外の指示入力処理装置に適用してもよい。よって、プロセッサ28が特定したユーザ指示入力に応じた処理として、アイコンを表示させずともよい。すなわち、選択された指示入力の選択肢に応じた処理として予め定められたものを実行するようにすればよい。また例えば、タッチパネル25以外の入力部を設けない形態としてもよい。
【0114】
また例えば、被接触面に選択肢群画像を表示しない形態としてもよい。具体的には、選択肢群画像が表示される画面に重ならないように被接触面を配置してもよいし、選択肢群画像を表示しないようにしてもよい。選択肢群画像を表示しない場合でも、選択肢の数が十分に少なければ(各方向範囲が十分に広ければ)、所望の指示入力の入力が可能である。
【0115】
また例えば、継続的なタッチ操作の長さに関わらずに、継続的なタッチ操作の開始時点からの経過時間が一定時間に達したら選択肢群画像の表示を終了するようにしてもよい。また例えば、ユーザ指示入力に基づかずに背景画像を生成するようにしてもよいし、第2通知データに基づかずに背景画像を生成するようにしてもよい。また例えば、タッチペンを用いるタッチパネルを採用してもよい。また例えば、家庭用ゲーム機として実装してもよい。
【0116】
また、例えば、ゲーム端末20のタッチパネル25を用いて選択されたアイコンを当該ゲーム端末20の表示部22に表示させない形態としてもよい。また例えば、変更データを使用しない形態、すなわちユーザによるカスタマイズを受け付けない形態としてもよい。また例えば、提示する選択肢を第1ゲームのプレイの状況に応じて変更させない形態としてもよい。
また例えば、提示される選択肢の数が変更された場合に、提示される選択肢と同数の方向範囲を設定し、選択肢が対応付けられていない方向範囲が存在しないようにしてもよい。例えば、当初の方向範囲および選択肢の数は6であり、当初の各方向範囲の角度が60度であり、選択肢の数が3に変更された場合、方向範囲の数を3とし、各方向範囲の角度を120度とする。この形態であれば、各方向範囲をより広く設定することができる。
【0117】
上述した実施形態では図9に示すステップSC4において始点位置データ316と終点位置データ317に基づいて始点から終点への方向を特定し、ステップSC5において終点への方向を範囲内に含む方向範囲に対応する選択肢を仮選択したが、より具体的には、以下の選択肢特定処理を実行してもよい。
【0118】
ROM29に記憶されたプログラム291は、方向範囲として始点を基準とした極座標の偏角の範囲θaを示す参照データと、偏角の範囲の中心角を示す中心角データとを有している。例えば、図18に示すように方向範囲R11〜R16を想定する場合、偏角の範囲θa1〜θa6と中心角θb1〜θb6は、図21に示すものとなる。ROM29は、偏角の範囲θa1〜θa6と中心角θb1〜θb6とを記憶する記憶部として機能する。
選択肢特定処理のフローチャートを図22に示す。まず、プロセッサ28は、始点位置データ316と終点位置データ317とに基づいて、始点を基準とする終点の偏角θcを算出する(ステップSH1)。例えば、始点がXY座標系の(x1、y1)で与えられ、終点が(x2、y2)で与えられる場合、x3=x2−x1、y3=y2−y1としたとき、偏角θcは、θc=COS{y3/(x3+y31/2−1で与えられる。
【0119】
次に、プロセッサ28は、算出した偏角θcを補正して補正済偏角θdを生成する(ステップSH2)。この補正処理については、後述する。
次に、プロセッサ28は、補正済偏角θdと偏角の範囲θa1〜θa6とを比較して補正済偏角θdが偏角の範囲θa1〜θa6のいずれに属するかを判定する(ステップSH3)。例えば、補正済偏角θdが、77度の場合、偏角の範囲θa2に属すると判定される。この後、プロセッサ28は、偏角の範囲θa2と対応付けられた選択肢を決定する(ステップSH4)。上述した例では、「友情」が特定される。
【0120】
次に、プロセッサ28は、偏角θcと属すると判定された偏角の範囲θaの中心角θbとの差分をRAM31に記憶する。上述した例では、θc=77であり、θb=60であるから、差分は「17」となり。これが差分データとしてRAM31に記憶される。
ステップSH2の補正処理では、プロセッサ28はRAM31に記憶されている差分データをすべて読み出してその平均値を補正角θeとして算出する。そして、偏角θcに補正角θeを用いた補正を施して補正済偏角θdを生成する。具体的には、θd=θc−θeを算出する。
【0121】
ユーザのタッチ操作は、操作ボタン群24の操作の合間に、短時間で指を滑らせるようにして行われる。このため、ユーザの指の動きの傾向によって、誤入力されることが起こりえる。例えば、右回転した角度に偏って指を動かすユーザは、「友情」を選択肢として入力する場合に、誤って「驚き」を選択肢として入力してしまう場合がある。
しかしながら、補正処理を実行することにより、誤入力を抑制することが可能となる。例えば、補正角θeが15度の場合、「友情」が選択肢として判断される偏角の範囲は、実質的に、45度から105度の範囲となる。したがって、ユーザが右回転した角度に偏って指を動かしても、誤入力を抑制することが可能となる。
【0122】
なお、図22に示す例では、差分の平均値は、ステップSH2で算出したが、ステップSH5の後に補正角θeを算出しこれをRAM31に記憶し、ステップSH2は補正角θeをRAM31から読み出して用いてもよい。
さらに、補正角θeをユーザと対応付けて不揮発性のメモリに記憶してもよい。例えば、ユーザがプレイをする場合、個人を特定するためのカードを用いる場合に、当該カードに補正角θeを記憶してもよい。また、プレイの開始に先立って、パスワードや個人を識別するための情報を入力するのであれば、これらの情報と補正角θeとを対応づけてゲーム装置20で記憶してもよい。あるいは、通信回線を介してサーバにこれらの情報と補正角θeとを対応づけて記憶してもよい。そして、プレイの開始に先立って補正角θeを読み出し、前回までのプレイの結果である補正角θeと今回のプレイにおける差分データに基づいて、再度、補正角θeを生成して、これを記憶するようにしてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータゲームのプレイヤからの指示入力に応じた処理を行うゲーム端末であって、
書き込まれたデータを記憶する記憶部と、
平面状の被接触面を有し、前記プレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面において触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、
前記被接触面に画像を表示する表示部と、
前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、
前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信部と、
前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成部と、
前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理部と、
前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御部と、
前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理を行う特定部と、
前記特定部によって特定された前記指示入力を示す意思データを、第1の通知データとして、前記対戦相手の前記ゲーム端末に送信する意思データ送信部と、
前記特定部が特定した前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理部と、
を有することを特徴とするゲーム端末。
【請求項2】
前記操作データ送信部による処理と、前記意思データ送信部による処理とは、並列に実行されることを特徴とする請求項1に記載のゲーム端末。
【請求項3】
前記選択肢群画像において、前記複数の選択肢画像は、前記始点位置データが示す位置を共通の基点として、互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されており、
前記特定部は、前記複数の方向範囲のうち前記始点から前記終点への方向を範囲内に含む方向範囲内に表示された選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム端末。
【請求項4】
前記複数の方向範囲は、前記始点を基準とする極座標の偏角の範囲として与えられ、
前記特定部は、
前記複数の選択肢の各々について前記偏角の範囲を各々記憶した範囲記憶部と、
前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記始点を基準とする前記終点の偏角を算出する算出部と、
前記算出部で算出された偏角を補正する補正部と、
前記補正部で補正された偏角と前記範囲記憶部に記憶された前記偏角の範囲の各々と比較することにより、前記補正された偏角が前記各偏角の範囲のいずれに属するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する決定部とを備え、
前記補正部は、
前記継続的なタッチ操作ごとに、前記算出部によって算出された偏角と、前記判定部によって前記補正された偏角が属すると判定された前記偏角の範囲の中心角との差分を算出し、
前記継続的なタッチ操作ごとに算出された前記差分の平均値を補正角として算出し、
前記補正角を用いて、前記算出部で算出された偏角を補正する、
ことを特徴とする請求項3に記載のゲーム端末。
【請求項5】
前記特定部は、前記始点と前記終点との距離が予め定められた距離範囲内に含まれる場合にのみ、前記特定処理を行う、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のゲーム端末。
【請求項6】
前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、
前記第1指示入力処理部は、前記指示入力に応じた処理として、前記指示入力として特定された選択肢に応じたアイコンが表示されるように、前記表示部を制御する第1表示制御部を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゲーム端末。
【請求項7】
前記タッチパネルは、前記継続的なタッチ操作が継続している間、当該継続的なタッチ操作が辿った軌跡上にある複数の検出位置を示す複数の検出位置データを順に出力し、
前記タッチパネルが前記検出位置データを最後に出力してからの経過時間を計測する計時部と、
前記タッチパネルから検出位置データが出力されるたびに、前記計時部による前記経過時間の計測を開始させる計時制御部と、
前記始点位置データが前記記憶部に記憶された後に、前記タッチパネルから前記検出位置データが出力されると、前記検出位置データが示す位置を前記記憶部に更新記憶させる暫定位置記録処理部と、
前記経過時間が予め定められた許容時間を超えると、前記継続的なタッチ操作が終了したと判定する終了判定部と、
を有し、
前記位置記録処理部は、前記終了判定部により前記継続的なタッチ操作が終了したと判定されると、前記暫定位置記録処理部によって前記記憶部に記憶された位置を前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された前記検出位置データとする、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム端末。
【請求項8】
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記通常画像を含み、前記選択肢群画像の背景として表示する背景画像を生成する背景画像生成部と、
前記タッチパネルから前記終点位置データに対応する検出位置データが出力されると、前記選択肢群画像の表示を終了する一方、前記選択肢群画像の表示の有無にかかわらず前記背景画像を表示させるように、前記表示部を制御する背景表示制御部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲーム端末。
【請求項9】
前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、
前記背景画像生成部は、前記入力部に入力された情報に加えて、前記特定部に特定された前記指示入力に基づいて、前記複数のアイコンの少なくともいずれかを含む前記背景画像を生成する、
ことを特徴とする請求項8に記載のゲーム端末。
【請求項10】
前記特定部に特定された指示入力を示すデータを外部へ送信する送信部と、
外部からデータを受信する受信部とを有し、
前記背景画像生成部は、前記入力部に入力された情報に加えて、前記受信部が受信したデータに基づいて、前記背景画像を生成する、
ことを特徴とする請求項8に記載のゲーム端末。
【請求項11】
コンピュータゲームのプレイヤからの指示入力に応じた処理を行うゲーム端末を複数有し、
前記複数のゲーム端末の各々は、
書き込まれたデータを記憶する記憶部と、
平面状の被接触面を有し、前記プレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面における触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、
前記被接触面に画像を表示する表示部と、
前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、
前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信部と、
前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成部と、
前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記タッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理部と、
前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御部と、
前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理を行う特定部と、
前記特定部によって特定された前記指示入力を示す意思データを、前記対戦相手の前記ゲーム端末に、第1通知データとして送信する意思データ送信部と、
前記別のゲーム端末から、前記対戦相手の前記ゲーム端末の指示入力を示す第2通知データを受信する意思データ受信部と、
前記特定部が特定した前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理部と、
前記受信部が受信した前記第2通知データによって示される、前記別のゲーム端末の指示入力に応じた処理を行う第2指示入力処理部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項12】
前記選択肢群画像において、前記複数の選択肢画像は、前記始点位置データが示す位置を共通の基点として、互いに重ならないように放射線状に広がる複数の方向範囲の少なくとも2つにそれぞれ対応付けられて表示されており、
前記特定部は、前記複数の方向範囲のうち前記始点から前記終点への方向を範囲内に含む方向範囲内に表示された選択肢画像が示す選択肢を、前記指示入力として特定する、
ことを特徴とする請求項11に記載の通信システム。
【請求項13】
前記特定部は、前記始点から前記終点への前記方向を範囲内に含む方向範囲に前記複数の選択肢画像のいずれも対応付けられていない場合には、前記指示入力が無効選択肢を選択したとする、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記複数の選択肢は、表示されると互いに異なる視覚効果をもたらす複数のアイコンに対応付けられており、
前記第1指示入力処理部は、前記指示入力に応じた処理として、前記指示入力として特定された選択肢に応じたアイコンが表示されるように、前記表示部を制御する第1表示制御部を含む、
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項15】
前記ゲーム端末は、選択肢とアイコンとの対応関係を変更する対応関係変更部を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項16】
前記複数の選択肢は、多数の選択肢の候補の一部であり、
前記ゲーム端末は、前記多数の選択肢の候補のうち、前記プレイヤに指定されたものを前記複数の選択肢とする第1選択肢決定部を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項17】
前記複数の選択肢は、多数の選択肢の候補の一部であり、
前記ゲーム端末は、前記多数の選択肢の候補のうち前記コンピュータゲームのプレイの状況に応じたものを前記複数の選択肢とする第2選択肢決定部を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項18】
平面状の被接触面を有し、コンピュータゲームのプレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面において触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、前記被接触面に画像を表示する表示部とに接続されたコンピュータであって、書き込まれたデータを記憶する記憶部を有し、前記プレイヤからの指示入力に応じた処理を行うコンピュータに、
前記入力部から出力された前記操作データを対戦相手のゲーム端末に送信する操作データ送信処理と、
前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成処理と、
前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理と、
前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御処理と、
前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理と、
前記特定処理において特定された前記指示入力を示す意思データを、第1の通知データとして、前記対戦相手の前記ゲーム端末に送信する意思データ送信処理と、
前記特定処理で特定された前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
平面状の被接触面を有し、コンピュータゲームのプレイヤにより、前記被接触面に接触するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作により前記被接触面において触れられた部分の位置を検出し、検出した位置を示す検出位置データを出力するタッチパネルと、前記タッチパネルとは異なる入力部であって、前記プレイヤのゲームに関する操作内容に応じた操作データを出力する入力部と、前記被接触面に画像を表示する表示部とに接続されたコンピュータであって、書き込まれたデータを記憶する記憶部を有し、前記プレイヤからの指示入力に応じた処理を行うコンピュータに、
前記入力部で受け付けられた操作データに基づいて、前記ゲームのプレイ中に前記表示部に表示する画像として通常画像を生成する通常画像生成処理と、
前記タッチ操作のうち、前記被接触面に対する接触が始点から終点まで継続するタッチ操作を継続的なタッチ操作としたとき、当該継続的なタッチ操作の開始によって前記タッチパネルから出力された検出位置データが示す位置を前記始点の位置を示す始点位置データとして前記記憶部に記憶させるとともに、前記継続的なタッチ操作の終了の直前に出力された検出位置データが示す位置を前記終点の位置を示す終点位置データとして前記記憶部に記憶させる位置記録処理と、
前記通常画像上において、前記記憶部に記憶された前記始点位置データが示す位置の周囲に、前記プレイヤが入力可能な指示入力の選択肢を示す選択肢画像であって、前記プレイヤが前記対戦相手に伝える意思を示すものが複数配置された選択肢群画像を表示するように、前記表示部を制御する選択肢表示制御処理と、
前記記憶部に記憶された前記始点位置データと前記終点位置データとに基づいて、前記複数の選択肢のいずれかを、前記指示入力として特定する特定処理と、
前記特定処理において特定された前記指示入力を示す意思データを、第1の通知データとして、前記対戦相手の前記ゲーム端末に送信する意思データ送信処理と、
前記特定処理で特定された前記指示入力に応じた処理を行う第1指示入力処理と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを記憶した情報記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−59632(P2013−59632A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242364(P2012−242364)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2009−534395(P2009−534395)の分割
【原出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】