説明

ゲーム装置、このゲーム装置によって実行されるゲーム方法及びこのゲーム装置にゲーム方法を実行させるためのゲームプログラム

【課題】 新たな操作要素を追加して、操作性やルールは大きく変更せずに、より複雑なプレイが可能なパズルゲームを提供する。
【解決手段】 表示装置1に表示されたブロック表示エリア4に、複数種類のブロック3からなるブロック群を表示させるブロック供給手段と、左右何れかの回転指示ボタン5が押された場合にブロック群をその方向に90度回転させる回転制御手段と、ブロック表示エリア4内のスペース6を埋めるようにブロック3を下方に移動させるブロック移動制御手段と、移動後のブロック群の各ブロックの種類コードと座標データとに基づいて、同一種類が所定数連続しているブロック3を消去させるブロック消去手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤから操作指令の入力を受け付ける操作手段、ゲーム基礎データとゲームプログラムとを格納する記憶装置、入力された操作指令とゲームプログラムとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段、及び制御手段によって生成されたゲームデータを表示する表示装置を備えたゲーム装置、このゲーム装置によって実行されるゲーム方法、及びこのゲーム装置にゲーム方法を実行させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パズルゲーム若しくはブロックゲームと称されるコンピュータゲーム(以下、「パズルゲーム」と総称する)が知られている。このパズルゲームは、ゲーム画面内に縦横のマトリックス状に複数種類の多数のブロック状のキャラクタ(以下、「ブロック」と称する)を表示し、プレイヤが選択した若しくは攻撃したブロックを消去したり(個別選択・個別消去)、プレイヤが選択したブロックをスペースに移動させたりして(個別移動)、ブロックの配列や、ブロックとスペースとの配列を変更可能にする。そして、ブロックが消去されて生じたスペースを埋めるようにブロックを下方や上方の仮想重力方向に移動させる(複数移動1)。その結果、同種のブロックが縦横の何れかに所定数(例えば5個)以上並んだらその同種ブロック群を画面から消去し(複数消去)、それによって生じたスペースを埋めるように残りのブロックを仮想重力方向に移動させる(複数移動2)。
【0003】
上記した、個別選択・個別消去(個別移動)・複数移動1・複数消去・複数移動2の各処理を繰り返すことで、ゲームフィールド上のブロックが所定数以下になるまでの時間を競ったり、時間内に消去できたブロックの数や得点を競わせる。また、所定周期でゲームフィールドに所定数のブロック群を追加供給し、ブロック群がゲーム画面の縦又は横の限界線を超えた場合にゲームオーバーになるように構成されるのが一般的である。
【0004】
このようなパズルゲームの仕組みについては、以下の特許文献1〜4が参考になる。
【0005】
【特許文献1】特開2006−311933号公報
【特許文献2】特開2005−177436号公報
【特許文献3】特開2004−305651号公報
【特許文献4】特開2003−260269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のパズルゲームは、上記した一連の処理を繰り返すという基本的なゲーム進行においては共通している。そのため、ゲーム進行が単純で変化に乏しく、プレイヤがすぐに操作性をマスターでき、飽きられ易いという課題がある。
【0007】
一方で、パズルゲームは、操作方法やルールが単純であることが根強い人気の理由であるため、複雑な操作を必要とするルールの新設や変更は、却ってパズルゲームの魅力を減退させプレイヤ人口を減少させるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、新たな操作要素を追加することで、操作性やルールは大きく変更せずに、より複雑なプレイが可能なゲーム装置、ゲーム方法及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、プレイヤから操作指令の入力を受け付ける操作手段、ゲーム基礎データとゲームプログラムとを格納する記憶装置、入力された操作指令とゲームプログラムとゲーム基礎データとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段、及び制御手段によって生成されたゲームデータを表示する表示装置を備えたゲーム装置であって、表示装置に表示されたゲームフィールドのブロック表示エリアに、記憶装置に格納された複数種類のブロックからなるブロック群を表示させるブロック供給手段と、前記操作手段から、ブロック群を回転させる方向及び/若しくは角度の入力を受け付ける回転指示受付手段と、前記回転指示を受け付けた場合に、入力された方向及び/若しくは角度でブロック表示エリア内のブロック群を回転させる回転制御手段と、ブロック群が回転された場合に、ブロック表示エリア内のスペースを埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロックを所定の仮想重力方向に移動させるブロック移動制御手段と、移動後のブロック群の各ブロックの種類コードと座標データとに基づいて、同一種類のブロックが所定数隣接しているブロックをブロック表示エリアから消去させるブロック消去手段と、を備え、前記ブロック移動制御手段は、ブロック消去手段によってブロックが消去されて生じたブロック表示エリア内のスペースを埋めるように、他のブロックの一部又は全部を仮想重力方向に移動させるものであることを特徴とするゲーム装置、このゲーム装置によって実行されるゲーム方法及びこのゲーム装置にゲーム方法を実行させるためのゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プレイヤがブロック群を回転させる方向及び/若しくは角度を指示した場合に、ブロック表示エリア内のブロック群を入力された方向及び/若しくは角度で回転させるようにしたので、プレイヤは特定のブロックの選択や消去だけでなく、ブロック群の回転方向や回転角度、回転のタイミング等も加味してゲームを進行させることができる。これにより、パズルゲームの操作性やルールを大きく変更することなく、より複雑なプレイが可能なゲーム装置、ゲーム方法及びゲームプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。まず、図1を参照して、本発明によって提供されるパズルゲームの概要を説明する。このゲームは、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームホストに接続してゲームプログラムなどのゲームデータを受信可能な端末装置(ゲーム端末:プレイヤのPCや携帯電話、家庭用ゲーム機、ゲームセンタの専用端末など)によってプレイ可能である。プレイヤは、ゲーム端末の通信機能を使用してゲームホストにアクセスし、ゲームデータをメモリに格納してプレイする。以下においては、ゲーム端末としてプレイヤのPCを利用する例を説明する。
【0012】
図1は、LCDなどのディスプレイ装置からなるゲーム画面表示装置1に表示される本発明の一実施形態に係るパズルゲームのゲーム画面(ゲームフィールド)2を示している。このゲームフィールド2には、縦横各8列のマトリックス状に合計64個のブロック3を表示できるブロック表示エリア4、このブロック表示エリア4内のブロック群及びスペース6を左右方向に夫々90度回転させるための回転指示ボタン5A、5B、ステージごとの制限時間(本実施形態では、第1ステージで30秒)内の経過時間をカウントアップするタイムゲージ7、及びステージ番号、後述する次回補充されるブロックの数、現在のスペースの数などのゲーム基礎データが表示される。
【0013】
プレイヤは、同種のブロック3が5個連続するように、マウスなどの操作手段を操作して特定のブロック3をカーソル8で選択してそのブロック3の種類を変更させる。カーソル8は、変更できるブロック3の種類をプレイヤが視認できるように表示される。カーソル8で変更できるブロック3の種類は所定周期で変更される。ブロック3の種類が変更されて同種のブロック3が上下左右に5個以上並ぶと、それらのブロック3がブロック表示エリア4から一括消去される。
【0014】
ブロック3が消去されて図中に破線で示すスペース6が生じると、そのスペース6の上方に位置する全てのブロック3、3が下方(仮想重力方向)に移動する。その結果、上下左右に同種のブロック3、3が5個以上連続すると再度ブロック3、3が一括で消去される。図1は、ブロック3を15個消去した状態、すなわち、ブロック15個分のスペース6を発生させた状態を示している。
【0015】
本実施形態では、制限時間内の所定時期にブロック群が複数回補充される。ブロック3の補充時期は、前記タイムゲージ7の該当箇所に補充時期インジケータ9として表示される。プレイヤは、この補充時期インジケータ9で次の補充時期までの残り時間と補充されるブロックの数とを確認しながら、ブロック3の選択(種類の変更)と消去とを繰り返して、できるだけ多くのスペース6を確保していくことになる。すなわち、次の補充時期を強制的に意識させられることになり、スリルを味わうことができる。
【0016】
また、前記連続消去回数が所定回数(例えば、5回)に達すると、次の補充時期(1回目の補充)がスキップされる。そして、次の補充時期までに、さらに連続消去回数が5回に達すると(10回連続でも、新たに5回連続でも)、次の補充時期(2回目の補充)もスキップされる。それ以降も同様である。このように、ブロックを連続的に消去することで次回のブロック補充を回避できるので、プレイヤに非常に有利になる。ここで、連続消去回数に応じて得点を加算する一方で、ブロック補充の時期を増やしたり、補充時期を早めたり、補充するブロックの数や種類を増やしたり、制限時間を延長することで、ゲームの難易度を高めるようにしてもよい。これにより、高得点を狙うと難易度が高まることになり、ゲームの複雑性を高めることができる。
【0017】
前記回転指示ボタン5A、5Bは、プレイヤがカーソル8を合わせてクリックするとブロック表示エリア4内の全てのブロック群とスペース6とを90度回転させるためのインタフェースである。ブロック群を回転させることで、ブロック群とスペース6との配列を大幅に変えることができるので、効率的かつ瞬時に大量のブロック3を消去できる可能性がある。プレイヤは、上記したブロック3の個別選択(種類の変更)に加えて、ブロック群の回転操作(方向やタイミング)を組み合わせながら、ブロック群を消去していく。なお、上記した連続消去回数は、回転操作やブロックの個別消去操作の有無や操作回数とは無関係に、単に、前回のブロック消去から連続消去判定時間(2秒間)以内に次のブロック消去を検出したかに従ってカウントする。
【0018】
そして、ブロック表示エリア4をブロック3で飽和させずに制限時間が終了すればステージクリアとなり、難易度が高く設定された次のステージに進む。逆に、ブロック補充時に、スペース6が補充ブロックの数よりも少なければゲームオーバーになるか、図1にハートで示すライフ(クレジット)を1つ失う。
【0019】
次に、図2を参照して、本発明に係るパズルゲームの遊び方を具体的に説明する。なお、説明を簡略化するため、図2では、ブロック表示エリア4を5列×5行の25個分とし、縦横の何れかに同種類のブロック3が3個連続すれば消去されることにする。また、ブロックの種類は3種類、補充されるブロック群は5列×1行の5個とする。
【0020】
まず、図2Aのゲーム開始時の状態では、5列×5行の25個のブロック3、3からなるブロック群が表示される。この状態では、何れの種類のブロックも3個以上連続していないため、プレイヤは、ブロック3を個別に選択して種類を変更させる必要がある。プレイヤがカーソル8を移動させてクリックし任意のブロック3−1を選択すると、このブロック3−1がカーソル8に表示された種類に変更される(図2(B)の状態)。
【0021】
選択されたブロック3−1の種類が変更された結果、図中に破線で囲んで示すように、同種のブロックが縦横に4個連続するため、これらのブロック3が一括消去され、4コマ分のスペース6(破線で示す)として表示される(図2(C))。
【0022】
次いで、プレイヤが右側の回転指示ボタン5Aにカーソル8を合わせてクリックすると、図2(D)のようにブロック群が時計回りに90度回転し、ブロック群とスペース6との配置が変わる。これと同時に、ブロック群がこれらのスペース6を埋めるように夫々下方に移動する。その結果、図2(E)に破線で囲んで示すように、同種のブロック3が3個連続することになるため、ブロック表示エリア4から一括して消去される。なお、後述するように、ブロックの種類及び数は各ブロックの座標データなどを参照して常時監視されており、ブロック群の回転移動及び下降移動後に直ちにブロックの座標データが更新され、同種ブロックの判別が行われる。
【0023】
また、図2(E)の状態で上記3個のブロックが消去されると、最上段の2個のブロックが下降して同種のブロックが4個連続することになるが、上部のタイムゲージ7に示すように、1回目のブロック補充時期が到来したため、同種ブロックの監視処理への割り込み処理によって、図2(F)に示すようにブロック表示エリア4の上方から5個のブロック3が補充される。補充されたブロック3は、各列のスペース6の最下位置まで下降するため、図2(G)に示すように、同種のブロック3が十字型に6個連続することになり、これらのブロック3がブロック表示エリア4から一括して消去される。
【0024】
一方、図2Hに示すように、ブロック3の補充時に、各列にブロック補充に必要なスペース6(コマ数)がない場合にはゲームオーバーとなり、ライフが1減算される。そして、ブロック群がリセットされた新たなゲームがスタートする。
【0025】
プレイヤは、上記したブロック3の選択(種類変更)操作とブロック表示エリア4の回転操作とを繰り返しながら、複数回のブロック補充に耐え、制限時間を持ちこたえればステージクリアとなる。
【0026】
このようなパズルゲームを実現するため、本実施形態のゲーム装置は、図3の機能ブロック図に示すような構成を備えている。このゲーム装置10は、プレイヤの指示に従ってPCの表示装置(ゲーム画面表示装置1)にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置で構成される。
【0027】
具体的には、このゲーム装置10は、入力された操作指令とゲームプログラムとゲーム基礎データとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段としてのCPU11に、システムバス12を介してRAM13、ROM14、及び入出力インタフェース(I/F)15が接続されて構成される。入出力I/F15には、生成されたゲームデータを表示する上記ゲーム画面表示装置1、効果音・BGMなどを出力するスピーカ17、プレイヤから操作指令の入力を受け付けるマウスや各種入力ボタン、十字キー、コントローラなどの入力装置(操作手段)18、通信インタフェース(I/F)19が夫々接続されている。以下に説明する本発明の機能を実現するソフトウェアプログラム(ゲームプログラム)は、このゲーム装置10が通信I/F19を介して通信ネットワークに接続し、ゲームホスト20から取得して前記RAM13のプログラム格納エリア13A(記憶装置)に格納される。そして、CPU11が、ROM14に記憶されたOSやブートプログラム等の基本プログラムと、RAM13に格納される前記ソフトウェアプログラムとをRAM13のワークエリアに読み出して順次実行することで、上述したパズルゲームがプレイ可能になる。なお、ゲームホスト20は、従来周知のWEBサーバやユーザ情報管理サーバ、ゲートウェイサーバ、課金サーバなどを備えているが、詳細説明は省略する。
【0028】
また、このゲーム装置10は、前記ソフトウェアプログラムと共に、ゲームホスト20から取得した複数種類のブロック3の画像データ、効果音などのサウンドデータなどのゲーム基礎データを取得し、RAM13のデータ格納エリア13Bに格納する。図示及び詳細説明は省略するが、このゲーム装置10は、CPU11の指示を受けて前記ゲーム基礎データに基づいてゲームの進行に応じたサウンド処理及びグラフィック処理を実行する各処理部(プロセッサ等)も備えている。なお、ゲーム装置10がHDDなどの大容量記憶装置を備えている場合には、ソフトウェアプログラムやゲームデータを予め記憶装置に格納しておくこともできる。さらに、DVD−RAMやゲームカートリッジなどの記録媒体から読み出すようにしてもよい。
【0029】
前記RAM13のデータ格納エリア13Bは、図3(B)に示すように、ブロック3の画像データを種類コードに関連付けて格納するブロック情報格納手段22と、各ステージ毎の制限時間、ブロック群を補充する時期(経過時間)、補充ブロック群の個数や種類などの設定条件をステージ番号に関連付けて格納すると共に、複数回(N:1〜4)の補充時期ごとに補充済みを示すフラグを記録する設定条件格納手段23と、ブロック表示エリア4の全てのコマ(64コマ)の座標データと各座標位置に表示されるブロック3の種類コード若しくはスペース6を示すNULLデータとを関連付けて格納すると共に、カーソル8に表示させるブロック3の種類コードを格納する表示データ格納手段24とを備えている。これらの格納手段は、実際は、RAM13のデータ格納エリア13Bに割り付けられた一定の記憶領域である。
【0030】
ここで、前記設定条件格納手段23に格納される設定条件としては、例えば、ブロック3の種類の数や補充されるブロック3の数、補充のタイミングなどが含まれる。ブロック3の種類については、第1〜第3ステージでは5種類、第4〜第6ステージでは6種類のように、難易度が高くなるに従って種類が増えるように設定するのが好ましい。また、ゲーム開始時と補充時とでブロックの種類の数を増減したり、補充回数に応じて増加するように設定してもよい。さらに、補充されるブロック3の数については、例えば1回目(10秒後)は10個、2回目(20秒後)は12個、3回目(25秒後)は15個のように、補充回数によって増加するように設定するのが好ましい。補充のタイミングは、例えば、第1〜第2ステージでは15秒後と25秒後の2回、第3〜第4ステージでは12秒後と18秒後と25秒後の3回、のように、難易度が高くなるに従って補充回数を増やし補充間隔を短くするように設定するのが好ましい。このような、表示するブロックの種類及び数や、補充する時期などのパラメータを適宜設定することで、難易度を小刻みに設定したり、種々のバリエーションを実現でき、プレイヤの興趣を維持・増大することができる。また、プレイヤの選択やプレイ状況(ブロック消去の早さなど)に応じて上記パラメータを動的に変更して、難易度を調整するようにしてもよい。
【0031】
また、RAM13のプログラム格納エリア13Aに格納されるソフトウェアプログラムは、本発明に関係する機能だけ列挙すると、図3(B)に示すように、ブロック供給手段(補充時期監視手段)25、ブロック種類表示手段(種類識別情報更新手段)26、種類変更ブロック選択受付手段27、ブロック種類変更手段28、ブロック回転指示受付手段29、ブロック回転制御手段30、ブロック移動制御手段31、ブロック消去手段32及びゲーム終了条件監視手段(経過時間監視手段)、ブロック補充時期表示手段)33を備えている。これらの各機能部は、実際はソフトウェアプログラムの特定のモジュールやルーチンなどである。以下、順に説明する。
【0032】
ブロック供給手段25は、ゲームの開始、ステージクリア及び補充の時期(ブロック補充済みフラグ)を夫々監視し、ゲームフィールド2のブロック表示エリア4に、前記設定条件格納手段23の設定条件に従って、データ格納エリア13B(記憶装置)から複数種類のブロック3の画像データを読み出して所定数のブロック3を表示させるものである。ここで、ブロック3の種類が偏らないように、乱数を利用して全ての種類のブロックがほぼ均等に選択されるようにするのが好ましい。表示させる全てのブロック3の座標データは、前記ブロック情報格納手段22に格納する。また、このブロック供給手段25は、前記表示データ格納手段24にNULL値が記録されている座標位置(コマ)にスペース6を示すブロックの枠線(図1、図2では破線で示す)を表示させる機能と、ブロック補充後に前記補充時期インジケータ9を「補充済み」を明示する表示態様に変化させる機能と、ゲームの開始時及びステージクリア時に、設定条件格納手段23に格納された全てのブロック補充済みフラグをリセットする機能も有する。
【0033】
ブロック種類表示手段(種類識別情報更新手段)26は、前記カーソル8にブロック3の何れかの種類を識別する情報を表示させると共に、その種類識別情報を前記表示データ格納手段24(記憶装置)に記憶させるものである。また、このブロック種類表示手段26は、カーソル8に表示される種類識別情報を所定周期で変化させると共に、前記表示データ格納手段24の種類識別情報を更新する。種類識別情報としては、図1、図2に例示したように、カーソル8自身をブロック3と同じ表示態様にする他、種類を示すテキストや記号で表示してもよい。また、種類識別情報を変化させる周期としては、例えば、3秒ごと、種類を変更した直後、ランダムなどが考えられる。表示データ格納手段24を参照して、表示されているブロック群の種類のうち、最も多い/少ない種類を監視してリアルタイムで変化させてもよい。なお、カーソル8に代えて、若しくはこれに加えて、ブロックの種類識別情報をゲームフィールド内の子画面やウィンドウなどの所定欄に表示させてもよい。
【0034】
種類変更ブロック選択受付手段27は、前記入力装置18から、種類を変更するブロックの選択を受け付けるものである。具体的には、マウスのクリックを受け付けた場合に、カーソル8のブロック表示エリア4内の座標位置と、表示データ格納手段24に格納されたブロック3の座標位置とを照合して、種類を変更するブロック3を特定する。
【0035】
ブロック種類変更手段28は、選択を受け付けたブロック3の種類を変更させるものである。具体的には、前記特定されたブロック3についての表示データ格納手段24の種類コードを、選択された時点のカーソル8の種類コードで更新する。
【0036】
ブロック回転指示受付手段29は、前記入力装置18から、ブロック群及びスペース6を所定角度回転させる指示の入力を受け付けるものである。具体的には、カーソル8の位置及びクリックの有無を常時監視し、図1、図2に示した回転指示ボタン5A、5Bの何れかの位置にある状態でクリックされた場合に、ブロック回転制御手段30に対して回転方向を含む回転指示を送出するものである。なお、回転指示ボタンを同一方向に複数個設けて、複数の回転角度の選択入力を受け付けるようにしてもよい。例えば、ブロック表示エリア4を三角形状、多角形状、円形状に構成する場合には、30度、45度、60度、90度などの回転角度を複数設定し、これらをプレイヤが選択可能にすることで、ゲームの複雑性を一層増大させることができる。また、回転指示ボタン5A、5Bをクリックした回数に応じて30度ずつ、45度ずつなど回転角度を可変にしてもよい。
【0037】
ブロック回転制御手段30は、ブロック回転指示受付手段29からの指示を受け付けた場合に、ブロック表示エリア4内のブロック群及びスペース6を90度回転させるものである。具体的には、前記表示データ格納手段24の各コマの座標データに関連付けられたブロック3の種類コード及びスペース6を示すNULLデータを、90度回転した場合の座標位置に更新するものである。なお、プレイヤの回転指示に加えて、若しくはこれに代えて、所定周期で回転処理を実行してもよい。
【0038】
ブロック移動制御手段31は、ブロック群及びスペース6が回転された場合、若しくはブロック消去手段32によってブロックが消去された場合に、前記ブロック表示エリア4内のスペース6を埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロック3を下方(仮想重力方向)に移動させるものである。具体的には、前記表示データ格納手段24の各コマの座標データに関連付けられたブロック3の種類コード及びスペース6を示すNULL値を1〜4コマ分下方に更新するものである。なお、仮想重力方向は下方向に限られない。ステージによって変更してもよいし、プレイヤが設定できるようにしてもよい。また、ブロック群等の回転に合わせて変更してもよい。仮想重力方向を変更できるようにする場合には、変更条件や設定内容などを前記設定条件格納手段23に格納しておく。
【0039】
ブロック消去手段32は、前記表示データ格納手段24に格納されたブロック表示エリア4に表示される全てのブロック3の種類コードと座標データとに基づいて、同一種類のブロックが所定数(5個以上)連続しているかを判別し、連続しているブロック3をブロック表示エリア4から一括消去させるものである。この消去処理は、具体的には、前記表示データ格納手段24の該当箇所の座標位置について、種類コードをNULL値に更新することで行われる。NULL値に更新されると、前記ブロック供給手段25が該当する座標位置にスペース6を表示させる。また、このブロック消去手段32は、前記ブロック供給手段25によってブロック群が供給(補充を含む)された時点、前記ブロック種類変更手段28によってブロックの種類が変更された時点、及びブロック移動制御手段31によってブロック3の座標位置が更新された時点で、上記した消去処理を実行する。
【0040】
前記ゲーム終了条件監視手段33は、PCのクロック機構などを利用してゲーム開始からの経過時間若しくは残存時間を計時して前記タイムゲージ7に表示させる機能(経過時間監視手段)と、ステージごとの制限時間が経過した場合のステージクリア時処理(クリアメッセージの出力、ステージ番号のインクリメント、ブロック供給手段25への通知、経過時間のリセットなど)を実行する機能と、ブロック補充時に前記表示データ格納手段24を参照して、補充ブロックの数がスペース6(NULLデータ)の数を超えている場合に、ゲーム終了処理(ゲームオーバーメッセージの出力、ライフの減算等)を実行する機能と、各ステージの開始時に前記設定条件格納手段23の設定条件を参照してそのステージにおけるブロック補充時期を示す前記補充時期インジケータ9の画像を生成させて表示させる機能(ブロック補充時期表示手段)を備えている。
【0041】
以下、このゲーム装置10の詳細な機能を実際の動作と共に、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、ゲームホストへのログイン認証などの処理工程は省略する。
【0042】
まず、プレイヤが図示しない初期画面でゲームのスタートボタンを押すと、前記ゲーム終了条件監視手段33がゲーム開始からの経過時間の計時を開始する(ステップS1)。また、前記ブロック供給手段25が設定条件格納手段23の設定条件に従ってブロック情報格納手段22から複数種類の所定数のブロック群(本実施形態では64個)の画像を取得してブロック表示エリア4に表示させる(ステップS2)。また、ブロック種類表示手段26がカーソル8にブロック3の何れかの種類を識別する情報を表示させると共に、その種類識別情報を前記表示データ格納手段24(記憶装置)に記憶させる(ステップS3)。この処理は、所定周期で実行される。なお、この時点で、ブロック消去手段32及びブロック回転指示受付手段29が起動し、同種ブロックの監視(カウント)と、回転指示ボタン5A、5Bの押下(クリック)の監視とを始めるが、説明の便宜上、ここでは省略する。プレイヤは、ブロック3の種類の散らばり具合とカーソル8に表示されたブロック種類識別情報とを見ながら、種類を変更したいブロック3にカーソル8を合わせてクリックする。
【0043】
前記種類変更ブロック選択受付手段27がマウスからのクリック入力信号を受け付けると(ステップS4)、カーソル8の座標位置と表示データ格納手段24に格納されたブロック3の座標位置とを照合して、種類を変更するブロック3を特定する(ステップS5)。次いで、ブロック種類変更手段28が起動し、特定されたブロック3についての表示データ格納手段24の種類コードを、選択された時点のカーソル8の種類コードで更新する(ステップS6)。
【0044】
この段階で、前記ブロック消去手段32が、同一種類のブロックが所定数(5個以上)連続しているかを判別し、連続しているブロック3をブロック表示エリア4から一括消去する(ステップS7、S8)。消去された座標位置には、前記ブロック供給手段25によってスペース6を示すブロックの外枠が表示される。また、ブロック移動制御手段31が起動し、前記ブロック表示エリア4内のスペース6を埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロック3を下方(仮想重力方向)に移動させる(ステップS9)。このブロック消去及びブロック移動の各処理(ステップS7〜S9)は、対象ブロックが存在する限り繰り返される。
【0045】
一方で、上記の処理と並行して、ブロック回転指示受付手段29は、プレイヤが回転指示ボタン(図1の5A、5B)をクリックしたかを監視し、回転指示ボタン5A、5Bの何れかの位置にある状態でクリックされた場合に(ステップS10のYes)、ブロック回転制御手段30に対して回転を指示する。ブロック回転制御手段30は、ブロック表示エリア4内のブロック群及びスペース6を90度回転させる(ステップS11)。この段階でも、前記ブロック消去及びブロック移動の各処理(ステップS7〜S9)が、対象ブロックが存在する限り繰り返される。
【0046】
また、上記の処理と並行して、前記ブロック供給手段25がブロック補充時期(ブロック補充済みフラグ)を監視し、このフラグが0でかつ補充回数Nが最小の補充時期が到来すると(ステップS12のYes)、前記設定条件格納手段23の設定条件に従って、所定数のブロック3をブロック表示エリア4に追加する(ステップS13)。また、前記ブロック供給手段25がゲームフィールド2の補充時期インジケータ9の表示態様を「補充済み」に更新する(ステップS14)。この段階で、ゲーム終了条件監視手段33が起動し、前記表示データ格納手段24を参照して、補充ブロックの数がスペース6(NULLデータ)の数を超えているかを判別する(ステップS14)。補充ブロックの数がスペース6の数以下であれば(ステップS14のNo)、前記ブロック消去及びブロック移動の各処理(ステップS7〜S9)が、対象ブロックが存在する限り繰り返される。逆に、補充ブロックの数がスペース6の数を超えている場合には(ステップS14のYes)、ゲームオーバーメッセージの出力などのゲーム終了処理に移行する(ステップS15)。このブロック補充時の処理(ステップS12〜S15)は、各ステージの設定条件に含まれる補充回数に達するまで繰り返される。
【0047】
上記したステップS1〜S14の処理は、ゲーム終了条件監視手段33がゲーム開始からの経過時間が、そのステージの設定条件に含まれる制限時間に達したと判別するまで繰り返される(ステップS16)。制限時間に達したと判断された場合には(ステップS16のYes)、クリアメッセージの出力、経過時間やブロック補充済みフラグのリセットなどのステージクリア時処理が実行される(ステップS17)。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、図5及び図6を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
この実施形態は、ブロック3が選択された場合に直ちに種類を変更したり消去するのではなく、消去候補としてそのままブロック表示エリア4に残しておき、所定の条件を満たした場合に消去させる点に特徴を有している。以下の説明においては、上記した第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して重複説明は省略する。
【0049】
この実施形態に係るゲーム装置40は、図5に示すように、第1の実施形態と同様の、ブロック供給手段25、ブロック回転指示受付手段29、ブロック回転制御手段30、ブロック移動制御手段31、ブロック消去手段32及びゲーム終了条件監視手段33と、前記入力装置18から消去候補のブロックの選択を受け付けてブロックを特定する情報(選択受付フラグ)を表示データ格納手段(記憶装置)24に記録する消去候補ブロック選択受付手段41と、選択された消去候補ブロックを他のブロックと識別可能に表示するブロック表示制御手段42と、前記ブロック回転制御手段30によってブロック群が回転し、ブロック移動制御手段31によって1又は複数のブロックが移動した場合に、所定条件下で前記消去候補ブロックをブロック表示エリア4から消去させる第2のブロック消去手段43とを備えている。ここで、前記ブロック表示制御手段42は、選択された消去候補ブロックに「ひび」を表示したり、色や大きさを変えたり、点滅させるなどして他のブロックと識別可能に表示する。なお、同時に選択できる消去候補ブロックの上限を設定しておくのが好ましい。
【0050】
また、前記第2のブロック消去手段43は、前記消去候補ブロックが移動して他のブロック若しくはブロック表示エリア4の仮想壁面に衝突した場合、移動した他のブロックに衝突された場合、移動した他のブロックとブロック表示エリア4の仮想壁面とに挟まれた場合、又は複数の他のブロックに挟まれたままブロック表示エリア4の仮想壁面若しくは他のブロックに衝突した場合、の何れかの条件を満たした場合に、当該消去候補ブロックを消去させるものである。なお、このような消去条件だけでは、ゲーム開始当初やブロック補充時などのスペース6がない若しくは少ない場合にはブロックを消去することができない。そのため、この実施形態においては、選択したブロックを個別に消去できる消去手段を別途設けたり(例えば、マウスの左クリックでブロックの種類変更、右クリックで消去候補ブロックの選択など)、所定数のスペース6を常時確保しておいたり、ブロックやスペースを個別に移動可能にするなどの構成と組み合わせて実施する。
【0051】
次に、図6のフローチャートを参照して、第2の実施形態に係るゲーム装置10の処理工程を説明する。上記したように、この実施形態の特徴は、選択されたブロックを直ちに消去したり、表示形態(色や模様、種類等)を変更するのではなく、一定の条件を満たした場合に消去する点であるため、以下においては、この特徴的な処理工程だけ説明する。
【0052】
この工程では、まず、前記消去候補ブロック選択受付手段41がマウスからのクリック入力信号を受け付けると(ステップS20)、カーソル8の座標位置と表示データ格納手段24に格納されたブロック3の座標位置とを照合して選択に係るブロック3を特定し、このブロック3の前記表示データ格納手段24の座標データに選択受付フラグを記録する(ステップS21)。また、ブロック表示制御手段42が、選択されたブロック3を他のブロックと識別できるように「ひび」を表示する(ステップS22)。
【0053】
この状態で、前記ブロック回転指示受付手段29が回転指示を受け付けると(ステップS23のYes)、前記ブロック回転制御手段30がブロック群及びスペース6を90度回転させ(ステップS24)、前記ブロック移動制御手段31がスペース6を埋めるようにブロック3を下方に移動させる(ステップS25)。ここで、第2のブロック消去手段43が起動し、下降した(座標データが更新された)1又は複数のブロック3の中に前記消去候補ブロック3Aが含まれている(選択受付フラグが登録されている)場合に、この消去候補ブロック3Aについて上記した消去条件(仮想壁面への衝突等)が満たされるかを判別する(ステップS26)。
【0054】
消去条件を満たす場合は(ステップS26のYes)、この第2のブロック消去手段43が当該消去候補ブロック3Aをブロック表示エリア4から消去させる(ステップS27)。ブロック3が消去されると、ブロック移動制御手段31がスペース6を埋めるようにブロック3を下方に移動させる(ステップS28)。一方、消去条件を満たさない場合は(ステップS26のNo)、消去候補ブロック3Aはそのままにしてゲームを継続させる。なお、この時点で前記ブロック消去手段32が同種ブロックの判別を行い、同種ブロックが5個以上連続していればそれらを一括して消去させる。
【0055】
上記した構成によれば、ブロック3を消去するには、選択操作(クリック)だけでなく回転などの操作も必要になるため、ブロックを消去しにくくなりゲームの難易度を高く設定できる。また、プレイヤは、ブロック3を選択してから回転・消去させるまでのタイムラグを考慮する必要があり、また消去候補ブロック3Aの位置などから回転角度や方向を判断する必要もあり、より高度で複雑なパズルゲームを提供できる。
【0056】
(第3の実施形態)
次に、図7及び図8を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
この実施形態は、ブロックを連続的に消去した回数をカウントし、この連続消去回数に応じて所定のイベントを発生させる点に特徴を有している。この実施形態における「ブロックの消去」は、ブロック消去手段32による連続ブロックの一括消去を指し、第2の実施形態における第2のブロック消去手段43によるブロックの個別消去や、従来のカーソルで選択したブロックの個別消去は含まない。以下の説明においては、上記した第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して重複説明は省略する。
【0057】
この実施形態におけるゲーム装置50は、RAM13のプログラム格納エリア13Aに格納されるソフトウェアプログラムとして、図3(B)に示した各機能部に加えて、図7に示すように、連続消去判定時間計時手段51と、連続消去回数カウント手段52と、イベント発生手段53と、連続消去モード継続表示手段54とを備えている。以下、順に説明する。
【0058】
連続消去判定時間計時手段51は、ブロック消去手段32によるブロック消去を監視し、ブロック消去を検出した場合に、PCに内蔵されたクロック機構からパルスを取得して連続消去判定時間t(本実施形態では120フレーム:2秒)のカウントを開始すると共に、この連続消去判定時間tの継続中にブロック消去を検出した場合に連続消去判定時間tをリセットして連続消去判定時間tのカウントをやり直すものである。また、この連続消去判定時間計時手段51は、ブロック消去の検出及び連続消去判定時間tの経過を、連続消去回数カウント手段52及び連続消去モード継続表示手段54に通知して、所定の処理を実行させる機能も有する。
【0059】
連続消去回数カウント手段52は、前記連続消去判定時間計時手段51からブロック消去の検出通知を受け取った場合に、連続消去回数nに1を加算してメモリに書き込むと共に、連続消去判定時間計時手段51から連続消去判定時間tの経過通知を受け取った場合に、メモリに記録された連続消去回数nをリセットするものである。
【0060】
イベント発生手段53は、前記連続消去回数カウント手段52がメモリに記録した連続消去回数nが所定のイベント発生回数(5回、10回、15回若しくは20回)に達したかを監視し、何れかのイベント発生回数に達した場合に、次回のブロック補充時期(ブロック補充済みフラグが「0」の補充時期の中で補充回数Nが最小のもの)についてブロック補充済みフラグに1を代入してスキップさせるものである。また、このイベント発生手段53は、全てのブロック補充済みフラグに1が記録された場合は、連続消去モード(イベント)の終了と判断して通常モードに復帰させる機能も有する。
【0061】
発生させるイベントとしては、上記したブロック補充時期のスキップに代えて、若しくはこれに加えて、連続消去回数nが所定回数に達した場合に、前記経過時間(残存時間)の短縮若しくは延長、ブロック補充時期の増加、追加表示するブロックの数若しくは種類の数の増加若しくは減少、ブロックの消去によって付与される得点のボーナス加算、ボーナスゲームの開始若しくは終了、ゲーム(当該ステージ)の終了、などを採用してもよい。特に、プレイヤに有利な面(ボーナス特典、ブロック補充回数の減少など)と不利な面(制限時間の短縮、補充ブロック数の増加、など)とを併せ持つイベントを発生させたり、連続消去回数nやステージに応じて異なるイベントを発生させることで、ゲームの複雑性を高めて、プレイヤの興趣を継続させることができる。
【0062】
連続消去モード継続表示手段54は、前記連続消去判定時間計時手段51からブロック消去の検出通知を受け取った場合に、連続消去モードが開始したと判断し、連続消去モードを示す「Chain」の文字とメモリに記録された連続消去回数nとからなる連続消去表示55を随時ゲームフィールド2に表示させるものである。また、この連続消去モード継続表示手段54は、連続消去判定時間計時手段51から連続消去判定時間tの前半1秒間(60フレーム)が経過したことの通知を受け取った場合に上記連続消去表示55の表示色を薄く変化させる機能と、連続消去判定時間tが経過した場合に連続消去表示55の表示を消去する機能も有する。このように、連続消去モードの継続中に連続消去表示55を表示することで、プレイヤに連続消去モードの継続を視認させると共に、この連続消去表示55の表示態様を変化させることで、連続消去判定時間tの経過も視認させて、プレイヤに連続的なブロック消去を促すことができる。図7は、連続消去判定時間tが後半1秒間に達して連続消去表示55の表示色が薄くなっている状態を示している。
【0063】
次に、図8のフローチャートを参照して、この実施形態の処理工程を説明する。以下の処理工程は、第1の実施形態で説明した図4のフローチャートの「対象ブロックを消去」する処理工程(ステップS8)が実行された後に開始される。
【0064】
まず、前記連続消去判定時間計時手段51が、ブロック消去手段32によるブロック消去を検出すると、連続消去判定時間tのカウントを開始すると共に(ステップS30)、ブロック消去の検出を連続消去回数カウント手段52及び連続消去モード継続表示手段54に通知する(ステップS31)。この通知を受け取った連続消去回数カウント手段52は、連続消去回数nに1を加算してメモリに書き込む(ステップS32)。また、この通知を受け取った連続消去モード継続表示手段54は、連続消去モードを示す「Chain」の文字とメモリに記録された連続消去回数nとからなる連続消去表示55をゲームフィールド2に表示させる(ステップS33)。
【0065】
連続消去モードにおいては、連続消去判定時間計時手段51が連続消去判定時間tの経過と、ブロック消去手段32によるブロック消去を夫々監視する(ステップS34−1〜S34−3、S35)。連続消去判定時間tの前半1秒間が経過すると(1≦t<2:ステップS34−2)、前記連続消去モード継続表示手段54は連続消去表示55の表示色を薄く変化させる(ステップS36)。また、消去判定時間tが経過したことの通知を受け取ると(2≦t:ステップS34−3)、連続消去回数カウント手段52がメモリに記録された連続消去回数nをリセットすると共に、連続消去モード継続表示手段54がゲームフィールド2の連続消去表示55を消去する(ステップS37)。この後、図4のステップS4(種類変更ブロックの選択受付)、S10(回転指示の監視)、S17(制限時間の監視)に移行する。
【0066】
前記ステップS35において、連続消去判定時間計時手段51がブロック消去手段32によるブロック消去を検出すると(ステップS35のYes)、この連続消去判定時間計時手段51は消去判定時間tをリセットして消去判定時間tのカウントをやり直すと共に(ステップS38)、連続消去回数カウント手段52及び連続消去モード継続表示手段54に通知する(ステップS39)。この通知を受け取った連続消去回数カウント手段52は、連続消去回数nにn+1を代入して更新する(ステップS40)。また、この通知を受け取った連続消去モード継続表示手段54は、更新された連続消去回数nをゲームフィールド2に表示させる(ステップS41)。
【0067】
一方で、メモリの連続消去回数nを監視しているイベント発生手段53が、前記更新された連続消去回数nがイベント発生回数(5回、10回、15回若しくは20回)に達したかを判定する(ステップS42)。何れかのイベント発生回数に達した場合に(ステップS42のYes)、前記設定条件格納部(図3の符号23)の次回のブロック補充時期(ブロック補充済みフラグが「0」の補充時期の中で補充回数Nが最小のもの)についてブロック補充済みフラグに1を書き込む(ステップS43)。これにより、次回のブロック補充がスキップされる。なお、第1の実施形態と同様に、この時点で前記ブロック供給手段25がゲームフィールド2の補充時期インジケータ9の表示態様を「補充済み」に更新する(図4のステップS14参照)。
【0068】
イベント発生手段53は、プレイ中のステージに関連付けられた複数のブロック補充済みフラグを監視し、1以上のフラグが0である限り上記したステップS30〜S43の各処理を繰り返す(ステップS44)。全てのブロック補充済みフラグに1が記録された場合には(ステップS44のYes)、イベント発生手段53は、連続消去モード(イベント)の終了と判断して通常モード(ステップS4、S10、S17)に復帰させる。なお、連続消去回数nによるボーナス点付与などのイベントも実行する場合には、全てのブロック補充済みフラグが1になっても、連続消去回数n及び連続消去判定時間のカウントやゲームフィールドへの表示は継続するのが好ましい。
【0069】
このような構成によれば、連続消去回数nをカウントすることによって、ルールを大幅に変更することなくパズルゲームの複雑性を一層高めることができ、プレイヤの興趣を持続させることができる。特に、ゲームフィールド上に表示した連続消去表示55を、連続消去判定時間tの経過に伴って段階的に変化させることで、制限時間やブロック補充時期に加えて、連続消去判定時間の経過もプレイヤに認識させることができ、プレイヤに緊張感を与えることができる。プレイヤは、連続消去を目指して、ブロックの選択消去や、ブロック群の回転操作を瞬時の判断力でこなしていく必要がある。
【0070】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0071】
例えば、ブロック表示エリア4を、複数のブロック群を独立して表示する複数の小エリアに分割し(例えば上下2つ)、ブロック表示エリア4全体の回転に加えて、若しくはこれに代えて、前記ブロック回転指示受付手段29が、この小エリア毎に設けた回転指示ボタンから回転指示を受け付けて小エリア毎にブロック群を回転可能に構成してもよい。小エリアのブロック群だけを回転させた場合は、回転後のブロックの移動も小エリア内だけに限定する。また、所定時間の経過などの条件を満たした場合に、何れかの小エリア内のブロック群を回転させるようにしてもよい。ただし、ブロックの種類や連続数の監視は小エリア単位ではなくブロック表示エリア4全体で行う。これにより、操作性やゲームのルールは変えずにプレイヤの操作アイテムを増やすことができるので、ゲームの複雑性がより向上し、プレイヤの判断力や経験などへの依存度を一層高めることができる。
【0072】
また、従来周知のように、ブロック3の選択を受け付けた場合に、そのブロックをブロック表示エリア4から消去するようにしてもよい。この個別消去は、第1及び第2の実施形態と組み合わせて実施可能である。例えば、マウスの左右のクリックボタンや、マウスのクリックとキーボードのEnterキーとで機能を割り振ったり、ゲーム画面に夫々若しくは何れかのボタンを用意しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るパズルゲームの画面構成図である。
【図2】図2は、同、パズルゲームの遊び方を説明する画面遷移図である。
【図3】図3は、同、本発明の実施形態に係るパズルゲームの機能ブロック図である。
【図4】図4は、同、本発明の実施形態に係るゲーム装置のフローチャートを示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態に係るパズルゲームの機能ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に係るパズルゲームの処理工程を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の第3の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態に係るゲーム装置の処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1…ゲーム画面表示装置
2…ゲームフィールド
3…ブロック
3A…消去候補ブロック
4…ブロック表示エリア
5A、5B…回転指示ボタン
6…スペース
7…タイムゲージ
8…カーソル
9…補充時期インジケータ
10…ゲーム装置
11…CPU
12…システムバス
13…RAM
13A…プログラム格納エリア
13B…データ格納エリア
14…ROM
15…入出力インタフェース(I/F)
17…スピーカ
18…入力装置
19…通信インタフェース(I/F)
20…ゲームホスト
22…ブロック情報格納手段
23…設定条件格納手段
24…表示データ格納手段
25…ブロック供給手段
26…ブロック種類表示手段
27…種類変更ブロック選択受付手段
28…ブロック種類変更手段
29…ブロック回転指示受付手段
30…ブロック回転制御手段
31…ブロック移動制御手段
32…ブロック消去手段
33…ゲーム終了条件監視手段
40…ゲーム装置
41…消去候補ブロック選択受付手段
42…ブロック表示制御手段
43…第2のブロック消去手段
50…ゲーム装置
51…連続消去判定時間計時手段
52…連続消去回数カウント手段
53…イベント発生手段
54…連続消去モード継続表示手段
55…連続消去表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤから操作指令の入力を受け付ける操作手段、ゲーム基礎データとゲームプログラムとを格納する記憶装置、入力された操作指令とゲームプログラムとゲーム基礎データとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段、及び制御手段によって生成されたゲームデータを表示する表示装置を備えたゲーム装置であって、
表示装置に表示されたゲームフィールドのブロック表示エリアに、記憶装置に格納された複数種類のブロックからなるブロック群を表示させるブロック供給手段と、
前記操作手段から、ブロック群を回転させる方向及び/若しくは角度の入力を受け付ける回転指示受付手段と、
前記回転指示を受け付けた場合に、入力された方向及び/若しくは角度でブロック表示エリア内のブロック群を回転させる回転制御手段と、
ブロック群が回転された場合に、ブロック表示エリア内のスペースを埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロックを所定の仮想重力方向に移動させるブロック移動制御手段と、
移動後のブロック群の各ブロックの種類コードと座標データとに基づいて、同一種類のブロックが所定数隣接しているブロックをブロック表示エリアから消去させるブロック消去手段と、を備え、
前記ブロック移動制御手段は、ブロック消去手段によってブロックが消去されて生じたブロック表示エリア内のスペースを埋めるように、他のブロックの一部又は全部を仮想重力方向に移動させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置において、
前記ブロック表示エリアは、複数のブロック群を独立して表示する複数のエリアに分割されており、
前記回転制御手段は、回転指示を受け付けた場合に、少なくとも何れかのブロック表示エリア内のブロック群を前記入力された方向及び/若しくは角度で回転させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2のゲーム装置において、
前記回転指示受付手段は、ブロック群を回転させるブロック表示エリアの選択を受け付けるものであり、
前記回転制御手段は、選択されたブロック表示エリア内のブロック群を前記入力された方向及び/若しくは角度で回転させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1のゲーム装置において、
さらに、
前記操作手段から、種類を変更するブロックの選択を受け付ける変更ブロック選択受付手段と、
受け付けたブロックの種類を所定のルールに従って変更させるブロック種類変更手段と、を備え、
前記ブロック消去手段は、ブロックの種類が変更された後のブロック群のうち、同一種類のブロックが所定数隣接しているブロックをブロック表示エリアから消去させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4のゲーム装置において、
さらに、
操作手段の操作に従って前記ゲームフィールド内を移動するカーソル、及び/若しくはゲームフィールド内の所定欄に、ブロックの何れかの種類を識別する情報を表示させると共に、その種類識別情報を記憶装置に記憶させる種類表示手段と、
カーソル及び/若しくはゲームフィールド内の所定欄に表示される種類識別情報を所定周期で変化させると共に、前記記憶装置に記憶された種類識別情報を更新する種類識別情報更新手段と、を備え、
前記変更ブロック選択受付手段は、前記カーソルのゲームフィールド内の座標位置を監視することで、種類を変更するブロックの選択を受け付けるものであり、
前記ブロック種類変更手段は、ブロックの選択を受け付けた時点の前記種類識別情報を記憶装置から読み出して、当該選択されたブロックの種類を変更するものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1のゲーム装置において、
さらに、
前記操作手段から、消去候補のブロックの選択を受け付けてブロックを特定する情報を記憶装置に記録する消去候補ブロック選択受付手段と、
選択された消去候補ブロックを他のブロックと識別可能に表示するブロック表示制御手段と、
ブロック群の回転時に移動した1又は2以上のブロックの中に前記消去候補ブロックが含まれている場合に、当該消去候補ブロックをブロック表示エリアから消去させる第2のブロック消去手段と
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項6のゲーム装置において、
前記第2のブロック消去手段は、前記消去候補ブロックが移動して他のブロック若しくはブロック表示エリアの仮想壁面に衝突した場合、移動した他のブロックに衝突された場合、移動した他のブロックとブロック表示エリアの仮想壁面とに挟まれた場合、又は複数の他のブロックに挟まれたままブロック表示エリアの仮想壁面若しくは他のブロックに衝突した場合、の何れかの場合に、当該消去候補ブロックを消去させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
プレイヤから操作指令の入力を受け付ける操作手段、ゲーム基礎データとゲームプログラムとを格納する記憶装置、入力された操作指令とゲームプログラムとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段、及び制御手段によって生成されたゲームデータを表示する表示装置を備えたゲーム装置によって実行されるゲーム方法であって、
前記ゲーム装置のブロック供給手段が、表示装置に表示されたゲームフィールドのブロック表示エリアに、記憶装置に格納された複数種類のブロックからなるブロック群を表示させるブロック供給工程と、
前記ゲーム装置の回転指示受付手段が、前記操作手段から、ブロック群を回転させる方向及び/若しくは角度の入力を受け付ける回転指示受付工程と、
前記回転指示を受け付けた場合に、前記ゲーム装置の回転制御手段が、入力された方向及び/若しくは角度でブロック表示エリア内のブロック群を回転させる回転制御工程と、
ブロック群が回転された場合に、前記ゲーム装置のブロック移動制御手段が、ブロック表示エリア内のスペースを埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロックを所定の仮想重力方向に移動させるブロック移動制御工程と、
前記ゲーム装置のブロック消去手段が、移動後のブロック群の各ブロックの種類コード及び座標データに基づいて、同一種類のブロックが所定数隣接しているブロックをブロック表示エリアから消去させるブロック消去工程と、を備え、
前記ブロック移動制御工程は、ブロック消去工程においてブロックが消去されて生じたブロック表示エリア内のスペースを埋めるように、他のブロックの一部又は全部を仮想重力方向に移動させるものである
ことを特徴とするゲーム方法。
【請求項9】
プレイヤから操作指令の入力を受け付ける操作手段、ゲーム基礎データとゲームプログラムとを格納する記憶装置、入力された操作指令とゲームプログラムとに基づいてゲームデータを生成してゲームを進行させる制御手段、及び制御手段によって生成されたゲームデータを表示する表示装置を備えたゲーム装置にゲーム方法を実行させる前記ゲームプログラムであって、
ゲーム装置に、表示装置に表示されたゲームフィールドのブロック表示エリアに、記憶装置に格納された複数種類のブロックからなるブロック群を表示させるブロック供給工程と、
前記ゲーム装置に、前記操作手段から、ブロック群を回転させる方向及び/若しくは角度の入力を受け付けさせる回転指示受付工程と、
前記回転指示を受け付けた場合に、前記ゲーム装置に、入力された方向及び/若しくは角度でブロック表示エリア内のブロック群を回転させる回転制御工程と、
ブロック群が回転された場合に、ゲーム装置に、ブロック表示エリア内のスペースを埋めるようにブロック群を構成する一部又は全部のブロックを所定の仮想重力方向に移動させるブロック移動制御工程と、
ゲーム装置に、移動後のブロック群のうち、同一種類のブロックが所定数隣接しているブロックをブロック表示エリアから消去させるブロック消去工程と、を備え、
前記ブロック移動制御工程は、ブロック消去工程においてブロックが消去されて生じたブロック表示エリア内のスペースを埋めるように、他のブロックの一部又は全部を仮想重力方向に移動させるものである
ことを特徴とするゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−212416(P2008−212416A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54579(P2007−54579)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】