ゲーム装置、このゲーム装置を実現するためのプログラム、および、このプログラムを記録した記録媒体
【課題】ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる集団制御を実現したゲームを提供する。
【解決手段】敵隊長および複数の足軽によって構成される敵大隊の行動を制御するゲーム装置において、敵隊長(敵大隊)が撮像範囲内に位置するか否かを判別する第1の判別手段と、各足軽が撮像範囲内に位置するか否かを判別する第2の判別手段と、敵隊長が撮像範囲内に位置する場合に各足軽の個別制御を開始し、足軽が撮像範囲外に位置する場合に当該足軽の制御を終了する集団制御手段とを設けた。これにより、仮想ゲーム空間上に存在する敵大隊の数や各敵大隊を構成する足軽の数が多い場合でも、すべての足軽の行動を常に個別制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。例えば、敵大隊Cは撮像範囲内に位置しないので、敵大隊Cを構成する各足軽の行動を個別制御する必要がない。
【解決手段】敵隊長および複数の足軽によって構成される敵大隊の行動を制御するゲーム装置において、敵隊長(敵大隊)が撮像範囲内に位置するか否かを判別する第1の判別手段と、各足軽が撮像範囲内に位置するか否かを判別する第2の判別手段と、敵隊長が撮像範囲内に位置する場合に各足軽の個別制御を開始し、足軽が撮像範囲外に位置する場合に当該足軽の制御を終了する集団制御手段とを設けた。これにより、仮想ゲーム空間上に存在する敵大隊の数や各敵大隊を構成する足軽の数が多い場合でも、すべての足軽の行動を常に個別制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。例えば、敵大隊Cは撮像範囲内に位置しないので、敵大隊Cを構成する各足軽の行動を個別制御する必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集団制御を行うゲーム装置、このゲーム装置を実現するためのプログラム、および、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが所定のキャラクタを操作し、仮想ゲーム空間上で、敵であるキャラクタと戦うアクションゲームが開発されている。以下では、プレイヤが操作するキャラクタを「プレイヤキャラクタ」といい、敵であるキャラクタを「敵キャラクタ」という。
【0003】
敵キャラクタには、複数の敵キャラクタが集団を形成して、集団で行動するものもある。このような集団の行動についての制御を「集団制御」という。通常、このような集団においては、集団に属する敵キャラクタの内の所定の敵キャラクタ(以下、「ボスキャラ」という。)の行動が制御され、その他の複数の敵キャラクタ(以下、「ザコキャラ」という。)の行動は、ボスキャラの行動に追従するように制御される。例えば、各ザコキャラは、ボスキャラが移動すると追従して移動するように制御される。また、各ザコキャラは、自身の周囲に近づいたプレイヤキャラクタ等を攻撃するように、個別に制御されている。
【0004】
例えば、特開2000−172868号公報には、リーダーとなる移動体オブジェクトの移動内容に基づきその他の移動体オブジェクトを個別に制御することで、群れを成す移動体オブジェクトの多様な動きをリアルに表現するゲーム装置について記載されている。また、特許第4117343号公報には、部隊に属する兵士毎に速度および位置を決定して移動処理を行い、戦闘時には兵士毎に攻撃、防御などの処理を行うことで各兵士を個別に制御するゲーム装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−172868号公報
【特許文献2】特許第4117343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、集団に属する各キャラクタを個別に制御する場合、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や集団に属するキャラクタの数が増大すればするほど、個別に制御すべきキャラクタの数が増大するので、制御のための処理負荷が増大する。また、ゲーム装置の処理能力に応じて、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や集団に属するキャラクタの数を制限する必要がある。
【0007】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる集団制御を実現したゲームを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、該少なくとも一部のオブジェクトのうち第2条件を満たすオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記少なくとも一部のオブジェクトのそれぞれにおいて、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトそれぞれにおいて前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び前記第2判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0010】
本発明の第2の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、第2条件を満たす場合に、前記制御を開始したオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記一のオブジェクトが前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団制御手段は、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記他のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する。
【0012】
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0013】
本発明の第4の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのうち特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置すること、を含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団制御手段は、前記所定オブジェクトの制御を開始する際、該所定オブジェクトを前記所定領域外に配置し、前記所定オブジェクトの制御を終了する際、該所定オブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記複数のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記コンピュータを、表示装置に前記仮想ゲーム空間上の一部を表示させる表示制御手段として更に機能させ、前記所定領域は、前記表示装置に表示される前記仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記仮想ゲーム空間は、三次元の仮想空間であり、前記表示制御手段は、所定の視点位置から前記仮想ゲーム空間上を見たときの画像を前記表示手段に表示させる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記所定領域は、前記所定の視点位置を基準とした領域である。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団を構成するオブジェクトは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタである。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記表示制御手段は、前記仮想ゲーム空間上における前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて少なくとも前記所定の視点位置および視線方向を制御する。
【0020】
本発明の第5の側面によって提供される記録媒体は、本発明の第1の側面ないし第4の側面の何れかによって適用されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
本発明の第6の側面によって提供されるゲーム装置は、本発明の第1の側面ないし第4の側面の何れかによって適用されるプログラムを実行するゲーム装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の側面によれば、第1条件を満たす場合に、他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たしたオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該第2条件を満たしたオブジェクトの制御を行わない。また、本発明の第2の側面によれば、第1条件を満たす場合に、他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たす場合に、制御を開始したオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御を行わない。また、本発明の第3の側面および第4の側面によれば、第1条件を満たす場合に複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たす場合に、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御を行わない。したがって、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や各集団を構成するオブジェクトの数が多い場合でも、すべてのオブジェクト毎に制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。
【0023】
また、所定領域が表示装置に表示される仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる場合、集団が表示装置に表示されるときは、集団を構成するオブジェクト毎に制御が行われる。したがって、表示装置に表示されている各オブジェクトは個別に制御されるので、多様な動きをリアルに表現することができる。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ある合戦における、各陣の構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図である。
【図3】三次元仮想ゲーム空間上の仮想カメラの設定を説明するための図である。
【図4】敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っているか否かを判断する方法を説明するための図である。
【図5】敵隊長テーブルの一例を示す図である。
【図6】足軽の各パラメータ値が設定されるテーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。
【図8】足軽設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】占領型敵隊長行動処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】足軽行動処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】敵隊長の位置座標が撮像範囲内であるか否かを判断する別の手法を説明するための図である。
【図12】本発明の集団の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態として、本発明に係るゲームプログラムをゲームソフトに適用した場合について、添付図面を参照して具体的に説明する。以下の説明では、家庭用ゲーム装置(以下、「ゲーム装置」とする。)において、あるアクションゲームを進行している場合を例として説明する。
【0027】
本実施形態に係るアクションゲームは、日本の戦国時代を舞台としたアクションゲームである。プレイヤは、自分が選択した戦国武将をプレイヤキャラクタとし、そのプレイヤキャラクタを操作して他の武将と戦わせることで、自分がその戦国武将となって他の武将と戦っているかのように感じることを楽しむことができる。このゲームには、プレイヤが戦国武将となって全国に広がる敵の軍勢と戦い、自国の領土を拡げながら天下統一を目指す天下統一モード等の複数のモードが設定されている。天下統一モードでは、他国の軍勢と合戦を行い、敵の総大将を倒して合戦に勝利していくことでゲームが進行していく。
【0028】
各合戦において、敵の総大将は、自国の領土に複数の陣を設けて、これらの陣をそれぞれ陣大将に守らせている。プレイヤは、敵陣を攻めて陣大将を倒すことで、敵陣を占領することができる。プレイヤキャラクタが敵陣を占領した場合、占領した敵陣を味方陣とし、当該味方陣に味方の陣大将を配置することができる。一方、味方陣が敵キャラクタに攻められて陣大将が倒された場合、当該味方陣は敵キャラクタに占領されて敵陣となり、敵の陣大将が配置される。なお、以下では、「敵」および「味方」の表現はプレイヤから見た立場を表しており、例えば、敵キャラクタにとっての味方の陣であっても「敵」陣という。
【0029】
敵軍および味方軍には、相手の陣を占領したり自軍の陣を守ったりするための大隊が複数存在する。大隊は、1人の隊長と隊長の部下である複数の足軽とで構成されている。足軽の数は、大隊(隊長)毎に予め設定されている。プレイヤキャラクタは、単独または仲間キャラクタとで、敵陣を攻撃して占領したり、味方の陣を守るために敵の大隊と戦ったりする。なお、仲間キャラクタは、ゲーム装置(CPU)によって制御される。
【0030】
図1は、ある合戦における、合戦場(ステージ)の構成を説明するための図である。当該合戦においては、仮想ゲーム空間上に6つの敵陣(点描している陣)と1つの味方陣(白抜きの陣)が配置されている。敵陣のうち1つの陣には総大将(黒色の丸で示す。)が配置されており、その他の敵陣には陣大将(灰色の丸で示す。)が配置されている。また、合戦場には、味方の大隊(白抜きの凸形状で示す。)および敵の大隊(灰色の凸形状で示す。)が配置されている。なお、凸形状の突出部分が各大隊の進行方向(当該大隊の隊長の向いている方向)を示している。また、プレイヤキャラクタは、進行方向を向いた矢印で示されている。同図においては、プレイヤキャラクタと敵の大隊(以下、「敵大隊」という。)Aとが向かい合っている。
【0031】
図2は、本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図であり、プレイヤキャラクタPCが、敵大隊Aと戦っている場面のゲーム画面を示している。敵大隊Aは隊長(以下では、「敵隊長」という。)ECとその部下である複数の足軽ZC(敵隊長EC以外の、胴体部分が黒色のキャラクタ)によって構成されている。なお、「敵隊長EC」が、本発明の「一のオブジェクト」に対応するものであり、「足軽ZC」が、本発明の「他のオブジェクト」に対応するものである。また、「敵大隊A」が、本発明の「集団」に対応するものである。本実施形態に係るアクションゲームは三次元仮想ゲーム空間上で進行するものであり、プレイヤキャラクタの後方の所定の位置(プレイヤキャラクタの位置に基づいて定まる位置であり、プレイヤキャラクタの移動に伴って変化する。なお、プレイヤキャラクタの後方とは限らない。)に設定された仮想カメラがプレイヤキャラクタの方に向かって撮像した画像が、ゲーム画面に表示される。
【0032】
図3は、三次元仮想ゲーム空間上の仮想カメラの設定を説明するための図である。同図によると、三次元仮想ゲーム空間上に敵大隊A,B,C、障害物OBJ、およびプレイヤキャラクタPCが配置されており、プレイヤキャラクタPCの後方に仮想カメラが設定されている。仮想カメラの撮像範囲は、同図に示す斜線の範囲であり、この範囲に位置するオブジェクト(プレイヤキャラクタPCや各敵大隊を含む)がゲーム画面に表示される。なお、同図左上の矢印は、三次元仮想ゲーム空間上に設定されている三次元直交座標系のX軸、Y軸、Z軸を示しており、三次元仮想ゲーム空間の鉛直方向をY軸としている。同図においては、敵大隊Cは撮像範囲に入っていないので、ゲーム画面に表示されない。また、敵大隊Bは撮像範囲に入っているが、仮想カメラとの間に障害物OBJが存在するので、ゲーム画面上には表示されない。敵大隊Aのみが、撮像範囲内であり、かつ、間に遮るものがないので、ゲーム画面に表示されている(図2参照)。なお、当該「撮像範囲」が、本発明の「所定領域」に対応するものである。
【0033】
図2において、ゲーム画面の右上に表示されている合戦図MAPは、合戦場全体の各陣の配置を示す地図であり、各大隊およびプレイヤキャラクタの位置がアイコン表示されている。なお、図1は、当該合戦図MAPを拡大したものである。プレイヤは、合戦図MAPによって各大隊の位置や行動を把握することができる。
【0034】
敵大隊は、行動タイプに基づいて、行動が制御されている。行動タイプには「固定型」、「突撃型」、「占領型」、「巡回型」などがある。後述するが、各敵大隊の行動タイプは、敵大隊に属する敵隊長のパラメータとして予め設定されている。
【0035】
「固定型」の行動タイプの敵大隊は、予め設定された敵陣を守る行動を取る。すなわち、プレイヤキャラクタまたは味方軍の大隊が敵陣内に入るとその位置に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行うが、基本的に敵陣の外には出ない。なお、攻撃範囲とは、敵キャラクタ毎に予め設定されている領域であり、例えば、各敵キャラクタの位置を中心とする所定半径の円状の領域である。「突撃型」の行動タイプの敵大隊は、常にプレイヤキャラクタを追いかける行動を取る。すなわち、プレイヤキャラクタが合戦場のどこにいても、その位置に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。
【0036】
「占領型」の行動タイプの敵大隊は、陣を占領する行動を取る。すなわち、占領可能な陣が有る場合、占領可能な陣のうち一番近い陣に向かって移動し、当該陣を占領可能な距離まで近づいたときに占領行動を行う。しかし、移動中や占領行動中でもプレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。陣の占領が成功した場合は、次の占領可能な陣に移動する。占領可能な陣がなくなった場合、敵大隊(敵隊長)の行動タイプは「占領型」から「突撃型」または「巡回型」に変化し、その後は変化後の行動タイプに設定された行動を行う。「巡回型」の行動タイプの敵大隊は、合戦場内を巡回する行動を取る。すなわち、所定のアルゴリズムに基づいて進む通路を検索して各陣を巡回するように移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。なお、占領可能な陣が存在する場合には、敵大隊(敵隊長)の行動タイプが「巡回型」から「占領型」に変化し、「占領型」の行動タイプに設定された行動を行う。
【0037】
なお、総大将が倒されると合戦に負けてしまうので、プレイヤキャラクタが総大将の配置された敵陣(敵本陣)に入ると、全ての敵大隊が敵本陣を守る行動を取る。すなわち、敵本陣に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。
【0038】
敵大隊を構成する敵隊長は、合戦開始時に三次元仮想ゲーム空間(以下では、「ゲーム空間」と省略する場合がある。)上に配置され、プレイヤキャラクタなどに倒されたとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)まで、ゲーム空間上に存在する。一方、敵大隊を構成する複数の足軽は、常にゲーム空間上に存在するわけではなく、所定の条件を満たした時にゲーム空間上に配置され、別の所定の条件を満たした時にゲーム空間上から消去される。敵隊長も足軽も、ゲーム空間上に存在する間だけ、その行動が個別に制御される。すなわち、各敵大隊の行動の処理には、条件を満たしている場合にのみ各足軽の行動を個別に制御する処理と、条件に関わらず常に敵隊長の行動を制御する処理とが含まれる。
【0039】
具体的には、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲(図3参照)に入っている場合、敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上に配置され、配置された各足軽が個別に制御される。つまり、この場合は、敵大隊を構成する敵隊長及び足軽がゲーム空間上に存在して、それぞれ個別に制御される。一方、足軽が撮像範囲外に位置することとなった場合、当該足軽はゲーム空間上から消去されて、当該足軽の行動の制御が終了する。この場合は、最終的に敵大隊の隊長だけが敵大隊として制御されることとなる。換言すると、敵大隊をプレイヤが視認できるような(モニタの表示画面に表示される)場合は、その敵大隊を構成するキャラクタ(敵隊長及び足軽)のそれぞれを個別に制御し、プレイヤが視認できない場合は、単一のキャラクタ(本実施形態では敵隊長)を敵大隊とみなして制御している。
【0040】
図4は、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲(図3参照)に入っているか否かを判断する方法を説明するための図である。
【0041】
本実施形態では、敵大隊が撮像範囲に入っているか否かを、当該敵大隊を構成する敵隊長が撮像範囲に入っているか否かで判断する。本実施形態では、敵隊長の少なくとも一部が撮像範囲に入っている場合、敵大隊が撮像範囲に入っていると判断する。なお、本実施形態では仮想カメラによって撮像されたゲーム空間上のオブジェクトを表示画面に表示している。すなわち、仮想カメラの位置および撮像方向に基づいて設定された仮想スクリーンにゲーム空間上の各オブジェクトを投影して、当該仮想スクリーン上に投影されたオブジェクトを表示画面に表示している。仮想スクリーンへの投影は、各オブジェクトの位置情報を周知の投影変換(例えば、透視投影変換)によって変換することで行う。敵隊長が撮像範囲内であるか否かは、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かにより判断される。すなわち、当該敵隊長が仮想スクリーン上に位置し、かつ、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内である場合のみ、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っていると判断される。なお、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かは、上述したように周知の技術であるので詳細は省略するが、敵隊長を構成するポリゴン頂点のゲーム空間上での座標情報、および、仮想スクリーンの位置の座標情報等を用いて判断する。また、当該敵隊長と仮想カメラとの距離は、たとえば敵隊長の代表点(重心等)の座標と、仮想カメラの位置座標(視点位置)とから取得すればよい。本実施形態では、敵隊長の一部でも撮像範囲に入っていれば敵大隊が撮像範囲に入っていると判断しているが、敵隊長の全体が撮像範囲に入っていない場合は撮像範囲に入っていないと判断してもよい。
【0042】
同図は、ゲーム空間において模式的に表現した敵隊長Aおよび敵隊長Bと障害物OBJを仮想スクリーンに投影している状態を示している。敵隊長Aおよび敵隊長Bは、仮想スクリーン上に投影されており(敵隊長A’および敵隊長B’)、かつ、敵隊長A(代表点)および敵隊長B(代表点)と仮想カメラの位置座標を示す点Dとの距離L1、L2が所定距離L0より短いので、敵大隊Aおよび敵大隊Bは撮像範囲に入っていると判断される。一方、敵隊長Cは仮想ククリーン上に投影されていないので、敵大隊Cは撮像範囲に入っていないと判断される。なお、敵隊長Bと仮想カメラとの間には障害物OBJが存在するので、敵隊長B(敵大隊B)はゲーム画面に表示されない場合がある。しかし、本実施形態では、敵隊長Bが仮想スクリーン上に投影される(敵隊長B’)ので、敵隊長B(敵大隊)が撮像範囲に入っていると判断される。なお、仮想スクリーン上に投影される場合でも、障害物などによってゲーム画面に表示されない場合は、撮像範囲に入っていないと判断するようにしてもよい。
【0043】
なお、足軽が撮像範囲に入っているか否かも上記と同様に、当該足軽が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該足軽の位置座標(たとえば代表点)と仮想カメラの位置座標(視点位置)との距離が所定距離内であるか否かにより判断される。
【0044】
各敵隊長および各足軽には、それぞれ、ヒットポイント、攻撃力などのパラメータ値が設定されている。各パラメータ値の初期値は、テーブルに予め設定されており、ゲームの進行に伴って変更される場合がある。
【0045】
図5は、敵隊長の各パラメータ値が設定された敵隊長テーブルの一例を示す図である。
【0046】
同図に示すように、敵隊長テーブルには敵隊長毎に、「行動タイプ」、「足軽数」、「配置足軽数」、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値が設定されている。なお、同図に示す敵隊長テーブルは、パラメータ値の初期値が設定された状態を示している。「行動タイプ」には、前述した4つの行動タイプ(「固定型」、「突撃型」、「占領型」、「巡回型」)のいずれかが予め設定されている。各敵隊長は、設定されている行動タイプに応じた行動を行う。なお、前述したように、ゲームの進行状況により「行動タイプ」が変化する(更新される)場合がある。
【0047】
「足軽数」には、各敵隊長の部下である足軽のうち、生きている(倒されていない)足軽の数が設定されている。「足軽数」は、敵隊長毎に予め設定された数が初期値として設定されているが、部下である足軽が倒されると減少する(更新される)。敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っていると判断された場合、「足軽数」以内の数の足軽がゲーム空間上に配置され、配置された各足軽の行動が個別に制御される。なお、各足軽の行動を制御する処理については後述する。敵隊長が撮像範囲に入っていないと判断された場合、それ以上足軽が配置されることはない。
【0048】
「配置足軽数」には、ゲーム空間上に配置されている足軽の数が設定される。ゲーム空間上に配置されている足軽は、ゲーム画面に表示されなくなったとき、すなわち、当該足軽が撮像範囲から出たときにゲーム空間上から消去される。この場合、「配置足軽数」は減少する(更新される)。また、ゲーム空間上に配置されている足軽がプレイヤキャラクタなどに倒された場合にも、「配置足軽数」は減少する(更新される)。なお、この場合、倒された足軽は、倒れる動作(モーション)を行って地面に倒れ、その後に徐々に表示が薄くなってゲーム空間上から消去される。その際、当該足軽の行動制御も終了される。敵隊長が撮像範囲に入っている間に「配置足軽数」が減少した場合、新たな足軽がゲーム空間上に配置されて、「配置足軽数」は増加する(更新される)。また、本実施形態では、ゲーム空間上に配置されている足軽の数は所定の数(予め定められた数(例えば10体)であり、以下では、「配置制限数」という。)に制限される。なお、敵大隊に所属する足軽の数以上の足軽がゲーム空間上に配置されることはない。すなわち、「配置足軽数」は「足軽数」以下に制限される。
【0049】
本実施形態では、敵隊長が撮像範囲外から撮像範囲内に入ったときに、ゲーム空間上に配置されている当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽の数が「配置制限数」に達するまで、この敵大隊の「足軽数」分を限度として、その不足分の足軽が1度に配置される。たとえば、ゲーム空間上にプレイヤキャラクタおよび「足軽数」が「50」の敵大隊に所属する敵隊長が存在し、敵隊長が撮像範囲内に入ったときに、ゲーム空間上に当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽が配置されていない場合は、「足軽数」を限度として「配置制限数」に達するまでの10体の足軽が配置される。そして、「配置足軽数」も「0」→「10」となる。なお、不足分の足軽の配置の方法は、これに限られない。例えば、「配置制限数」に達するまで「足軽数」の範囲内で所定の時間間隔毎に1体ずつ配置するようにしてもよいし、複数体ずつ配置するようにしてもよい。また、「配置制限数」を設けずに、「足軽数」の全ての足軽をゲーム空間上に配置するようにしてもよい。
【0050】
「ヒットポイント」は、各敵隊長の耐久力に応じて予め設定されている耐久値であり、攻撃を受けることで減少していく。なお、攻撃により減少する値は、攻撃を行っているキャラクタの攻撃力などから所定の演算により算出される。プレイヤキャラクタ等の攻撃によって「ヒットポイント」がゼロになると、当該敵隊長は倒される。
【0051】
「攻撃力」は、敵隊長毎に予め設定されている。「攻撃力」が大きいほど、攻撃を受けたキャラクタのヒットポイントが大きく減少されるので、より大きなダメージを与えることができる。「攻撃力」は、所定の場合に変化する。例えば、武器などの所定のアイテムを入手した場合は、所定の時間だけ「攻撃力」が増加する。
【0052】
「攻撃半径」は、プレイヤキャラクタなどに攻撃を行う攻撃範囲を規定するためのものである。例えば、敵隊長Aの場合、プレイヤキャラクタとの距離が100以下の場合に攻撃を行い、100より大きい場合は攻撃を行わない。
【0053】
図6は、足軽の各パラメータ値が設定されるテーブルの一例を説明するための図である。
【0054】
足軽の各パラメータ値の初期値は、所属する敵大隊の敵隊長毎に予め設定されており、同じ敵隊長の敵大隊に所属する場合は同じ値となる。同図(a)は、足軽の各パラメータ値の初期値が設定された足軽初期値テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、足軽初期値テーブルには所属する敵大隊の敵隊長毎に、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値の初期値が設定されている。各パラメータ値の項目については、図5に示す敵隊長テーブルの項目と同様なので、説明を省略する。
【0055】
足軽は、所属する敵大隊の敵隊長が撮像範囲に入っていると判断された場合にのみ、ゲーム空間上に配置される。ゲーム空間上に配置された足軽には、同図(a)に設定されている各パラメータ値の初期値に基づいて、パラメータ値が設定される。同図(b)は、ゲーム空間上に配置された足軽の各パラメータ値が設定された足軽テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、足軽テーブルには仮想ゲーム空間上に配置された足軽毎に、「所属」、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値が設定されている。「所属」は、当該足軽がどの敵隊長の敵大隊に所属しているかを示すものである。その他の項目については、図5に示す敵隊長テーブルの項目と同様なので、説明を省略する。
【0056】
同図(b)においては、敵隊長Aおよび敵隊長Bが撮像範囲に入っていると判断され、敵隊長Aの足軽10体(足軽A1〜A10)および敵隊長Bの足軽10体(足軽B1〜B10)がゲーム空間上に配置された状態を示している。敵隊長Aの足軽A1〜A10には、同図(a)に示す足軽初期値テーブルに設定されている各パラメータ値の初期値が、各パラメータ値として設定されている。すなわち、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」のパラメータ値として、それぞれ、「50」、「50」、「100」が設定されている。また、敵隊長Bの足軽B1〜B10については、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」のパラメータ値として、それぞれ、「50」、「40」、「100」が設定されている。
【0057】
足軽が攻撃を受けた場合、「ヒットポイント」は減少する。攻撃により「ヒットポイント」が減少してゼロになると、当該足軽は倒される。この場合、当該足軽は上述のように倒れる動作(モーション)を行って地面に倒れ、その後に徐々に表示が薄くなってゲーム空間上から消去される。その際、足軽テーブルからは消去されて、行動制御も終了される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「足軽数」および「配置足軽数」(図5参照)は減少する(更新される)。例えば、足軽A1が倒された場合、足軽テーブルから足軽A1が消去されて、敵隊長Aの「足軽数」が「50」から「49」に更新される。また、足軽10体がゲーム空間に配置されたことで「10」になっていた「配置足軽数」が「9」に更新される。
【0058】
足軽が撮像範囲から外れた場合、当該足軽はゲーム空間上および足軽テーブルから消去されて、行動制御も終了される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「配置足軽数」は減少する(更新される)が、「足軽数」は減少しない(更新されない)。例えば、足軽A1が撮像範囲から外れた場合、足軽10体がゲーム空間に配置されたことで「10」になっていた「配置足軽数」が「9」に更新される。
【0059】
本実施形態では、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合でも、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽は、ゲーム空間上から消去されず、同図(b)に示す足軽テーブルからも消去されない。敵隊長が撮像範囲から外れると同時に、それまでゲーム画面に表示されていた足軽が突然消滅するのは不自然なので、この場合でも各足軽が撮像範囲から外れるまでは消滅しないこととし、制御を継続することとした。なお、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上から消去されるようにしてもよい。また、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合でも、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上から消去されないが、これらの足軽を当該敵隊長の敵大隊から切り離した存在とする(同図(b)に示す足軽テーブルにおいて、「所属」のパラメータ値を、例えば「所属なし」とする。)ようにしてもよい。この場合は、足軽は敵大隊に所属していないことになるため、当該敵隊長の「配置足軽数」(図5参照)は「10」→「0」になる。また、切り離された足軽が倒された場合でも、当該敵隊長の「足軽数」(図5参照)は減少しない(更新されない)ようになる。
【0060】
上記のように、足軽の各パラメータ値は当該足軽がゲーム空間上に配置されている間のみ更新され、当該足軽がゲーム空間上から消去された場合(倒された場合や撮像範囲から外れた場合、)は、同図(b)に示す足軽テーブルから当該足軽のデータが消去される。すなわち、ある足軽が撮像範囲から外れた後に配置される足軽は、各パラメータ値に初期値が設定された別の足軽である。例えば、足軽A1が撮像範囲から外れた場合は足軽テーブルから足軽A1のデータが消去され、その後に別の足軽が配置された場合、足軽テーブルに足軽A11のデータ(各パラメータ値は初期値となる)が追加される。なお、足軽が撮像範囲から外れた場合、当該足軽がゲーム空間上から消去された後もパラメータ値を記憶しておき、その後に配置される足軽のデータとして記憶されていたパラメータ値を設定するようにしてもよい。
【0061】
次に、本実施形態のハード構成について説明する。
【0062】
図7は、本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。ゲーム装置1は、本体11、操作コントローラ12、およびモニタ13を備えている。操作コントローラ12およびモニタ13は、専用のケーブルによって本体11に接続されている。本体11には、ゲームプログラムやゲームデータが記録されているディスク14が装着され、また、必要に応じてゲームデータを保存するためのメモリカード15も装着される。
【0063】
本体11は、制御部111、描画処理部112、音声処理部113、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117を備える。制御部111には、描画処理部112、音声処理部113、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117が接続されている。また、I/Oインターフェース部116には、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、操作コントローラ12、およびモニタ13が接続されている。
【0064】
ゲーム装置1では、上記アクションゲームのソフトウェアが記録されたディスク14がディスクドライブユニット114に装着され、このディスクドライブユニット114からディスク14内のゲームプログラムおよびゲームデータが制御部111内のRAM111c(後述)に読み込まれる。読み込まれたゲームプログラムがCPU111a(後述)によって実行されることにより、プレイヤはゲーム内容を楽しむことができる。プレイヤは、操作コントローラ12の操作部材12a〜12c(後述)を操作することによりプレイヤキャラクタを操作し、ゲームを進行させることができる。
【0065】
ディスク14内のゲームデータには、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタ、背景などの画像データ、効果音などの音声データ、および、ゲーム進行や描画の際に参照される各種テーブルなどが含まれる。
【0066】
制御部111は、本体11の全体動作を制御するマイクロコンピュータを有している。マイクロコンピュータは、CPU111a、ROM111b、およびRAM111c等からなり、各部は、それぞれバスラインで接続されている。
【0067】
CPU111aは、ディスクドライブユニット114によってディスク14からRAM111cに読み込まれるゲームプログラムを実行することより、ゲーム進行を統括的に制御する。より具体的には、操作コントローラ12からプレイヤが操作することによる操作信号が入力されると、CPU111aは、ゲームプログラムにしたがってその操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行う。CPU111aは、その処理結果をモニタ13に例えば三次元画像によって表示するとともに、モニタ13のスピーカ13a(後述)から効果音などによって出力する。
【0068】
本実施形態において、CPU111aは、敵大隊がゲーム画面に表示されるか否か(すなわち、敵大隊が撮像範囲に入っているか否か)の判断を行なう。具体的には、上述したように、敵大隊の敵隊長が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かを判断する。また、CPU111aは、敵大隊がゲーム画面に表示されると判断した場合、当該敵大隊に所属する足軽をゲーム空間上に配置し、敵隊長および各足軽の行動を個別に制御する。また、CPU111aは、ゲーム空間上に配置された足軽がゲーム画面に表示されるか否か(すなわち、当該足軽が撮像範囲に入っているか否か)の判断を行なう。CPU111aは、当該足軽がゲーム画面に表示されないと判断した場合、当該足軽をゲーム空間上から消去して、当該足軽の行動制御を終了する。CPU111aで実行される敵隊長および足軽の行動処理については後述する。
【0069】
ROM111bには、ディスクローディング機能等のゲーム装置1の基本的な機能やディスク14に記録されたゲームプログラムおよびゲームデータを読み出す手順等を示す基本プログラムが記憶されている。CPU111aは、ディスクドライブユニット114にディスク14が装着されると、ROM111bの基本プログラムにしたがってディスクドライブユニット114を動作させ、ディスク14からゲームプログラムおよびゲームデータをRAM111cに読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
【0070】
RAM111cは、ディスクドライブユニット114によってディスク14から読み込まれたゲームプログラムやゲームデータが格納されるエリアと、CPU111aがゲームプログラムを実行するためのワークエリアとを提供するものである。
【0071】
上記ゲームプログラムは、複数のプログラムが組み合わされて構成されており、例えばモニタ13に表示されているプレイヤキャラクタの動作を操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づいて制御するゲーム進行プログラムやモニタ13に表示すべき三次元画像を制御するグラフィック制御プログラム等によって構成されている。
【0072】
本実施形態において、RAM111cは、敵隊長テーブル(図5参照)、足軽初期値テーブル(図6(a)参照)、および足軽テーブル(図6(b)参照)をゲームデータとして格納している。
【0073】
CPU111aは、操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づき、必要に応じてディスク14からゲームプログラムや画像データ等をRAM111cに読み込み、これらのデータを処理したりゲームプログラムを実行したりすることにより、モニタ13に表示すべき三次元画像の内容を決定する。
【0074】
描画処理部112は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、例えば、1/60秒毎に、描画処理部112に描画指令を出力する。このとき、CPU111aは、モニタ13に表示すべき画像を決定し、その画像の描画に必要な画像データ(キャラクタなどのオブジェクトのポリゴンデータ、および背景データ)、および光源データ等をRAM111cから読み出して描画処理部112に供給する。また、CPU111aは、各キャラクタの位置データや、操作コントローラ12から入力される操作信号を描画処理部112に供給する。
【0075】
描画処理部112は、CPU111aから供給される画像データ等および操作信号に基づいて、描画に必要なデータ(各オブジェクトおよび背景の位置関係、モニタ13の画面上における各オブジェクトを構成するポリゴンの座標、各ポリゴンに対応するテクスチャ、並びに各ポリゴンの反射特性等のデータ)を演算し、その演算結果に基づいて描画処理部112内のVRAM(図示せず)に1コマ(1フレーム)の表示画面の画像データを作成する。作成された表示画面の画像データは、例えば、1/60秒毎に映像信号としてモニタ13に出力されて表示される。
【0076】
音声処理部113は、効果音等の音声を発生させる処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、モニタ13のスピーカ13aから出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定すると、音声処理部113に音声指令を出力する。音声処理部113は、CPU111aからの音声指令に基づき、RAM111cから効果音もしくはBGMの音声データを読み出し、所定の加工処理とD/A変換処理とを施した後、スピーカ13aに出力する。
【0077】
ディスクドライブユニット114は、CPU111aからのローディング指令(ローディングすべきゲームプログラムとゲームデータを指定した読出指令)に基づき、ディスク14に記録されたゲームプログラムやゲームデータを読み出すものである。
【0078】
メモリカード接続ユニット115は、ゲーム進行に関する情報をメモリカード15に書き込んだり、読み出したりするためのユニットである。CPU111aは、ゲーム進行中やゲーム終了時にプレイヤから「データのセーブ」が指令されると、メモリカード接続ユニット115を介してメモリカード15に、ゲーム進行に関する情報(この情報には、例えば、プレイヤが設定したゲームキャラクタの種類、獲得したポイントやアイテムなどの各種の特典などの情報が含まれる。)を記憶する。また、メモリカード15に記憶されたゲーム進行に関する情報は、ゲーム開始前にRAM111cに読み出される。
【0079】
I/Oインターフェース部116は、ディスクドライブユニット114やメモリカード接続ユニット115によって読み出されたゲームプログラムやゲームデータ、および操作コントローラ12からの操作信号等を制御部111に伝送したり、制御部111、描画処理部112や音声処理部113からの映像信号や音声信号等をモニタ13に伝送したりするものである。
【0080】
通信処理部117は、ネットワークを介して他のゲーム装置1と通信を行う場合に、データの送信および受信を行うための制御を行うものである。通信処理部117は、操作コントローラ12から入力される操作信号やCPU111aから出力される信号をネットワークを介して他のゲーム装置1に送信し、ネットワークを介して他のゲーム装置1から送信される信号を受信してCPU111aに入力する。
【0081】
操作コントローラ12は、キャラクタを動作させたり、ゲームに関する各種の設定を行ったりするためにプレイヤによって操作されるものであり、複数のボタン12aと左レバー12bと右レバー12cとを有する。プレイヤによって操作コントローラ12が操作されると、その操作信号が制御部111に伝送され、モニタ13に表示されたキャラクタが所定の動作を行う。所定の動作としては、例えば、走る、しゃがむ、ジャンプする等の移動動作や武器を使用して相手を攻撃する攻撃動作がある。移動動作は、主に左レバー12bによって操作され、攻撃動作は主に複数のボタン12aおよび右レバー12cによって操作される。
【0082】
モニタ13は、本体11から送られてきた映像信号に応じてゲーム進行状態を示す表示画面を映し出したり、本体11から送られてきた音声信号に応じてスピーカ13aから効果音等の音声を出力させたりするための装置である。モニタ13は、映像信号や音声信号を入力するための外部入力端子を備えた、例えばテレビジョン受像機によって構成されている。
【0083】
ディスク14は、例えばDVD−ROM又はCD−ROM等の光ディスクである。ディスク14には、ゲームプログラムやそのゲームプログラムの実行に必要な種々のデータや画像データが記録されている。メモリカード15は、例えばフラッシュメモリ等のデータの書き換えが可能な不揮発性の記録媒体である。RAM111cのワークエリアの記録は、ゲーム装置本体11の電源を切ると消滅してしまうことから、メモリカード15は、RAM111cのワークエリアの記録のうち消滅させずに残しておくべきゲーム進行に関する情報を記録する。
【0084】
ゲーム装置1は、ネットワークアダプタ16を介して、インターネット回線などのネットワーク回線2に接続することができる。この場合、ネットワーク回線2を介して、複数のゲーム装置1間でゲームを行うこともできる(いわゆる「オンラインゲーム」)。本実施形態では、ゲーム装置1単独で行うゲームについて説明しているが、このようなオンラインゲームでも本発明を適用することができる。
【0085】
次に、敵大隊の行動処理について、図8ないし図10を参照して説明する。
【0086】
上述したように、敵大隊の行動処理は、敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っていないと判断されている間は敵隊長の行動のみの処理となり、敵隊長が撮像範囲に入っていると判断されている間は敵隊長および各足軽の個別の行動の処理となる。すなわち、敵隊長の行動処理は敵隊長がゲーム空間上に配置されている間常に実行され、足軽の行動処理は所属する敵大隊の敵隊長が撮像範囲に入っていると判断され、足軽がゲーム空間上に配置されている間のみ実行される。
【0087】
図8は、敵隊長の大隊に属する足軽の配置を行なう処理(以下、「足軽設定処理」という。)を説明するためのフローチャートである。足軽設定処理は、CPU111aによって実行される。足軽設定処理は、敵隊長が撮像範囲に入ったときに大隊に属する足軽をゲーム空間上に配置する処理であり、敵隊長毎に実行されるものである。また、足軽設定処理は、合戦開始時に処理が開始され、敵隊長が倒されたとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)に処理が終了される。
【0088】
まず、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っているか否かが判断される(S1)。当該判断は、上述したように、敵隊長が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かで判断される。
【0089】
敵隊長が撮像範囲に入っていない場合(S1:NO)、ステップS1に戻る。すなわち、敵隊長が撮像範囲に入るまで、ステップS1の判断が継続される。ステップS1において、敵隊長が撮像範囲に入っている場合(S1:YES)、足軽配置処理がされ(S2)、ステップS1に戻る。すなわち、敵隊長が撮像範囲に入っている間だけ、足軽配置処理が行われる。足軽配置処理は、ゲーム空間上に配置されている足軽の数(図5の敵隊長テーブルに示す「配置足軽数」参照)が「配置制限数」を超えないように、「足軽数」を限度として、敵隊長の周囲に足軽を配置する処理である。また、足軽テーブル(図6(b)参照)に、新たに配置された足軽を追加し、各パラメータ値として初期値を設定する。なお、「足軽数」が配置制限数未満になった場合は、「配置足軽数」が不足しても、「足軽数」を超える足軽が配置されることはない。例えば、敵隊長が撮像範囲に入っている間において、ゲーム空間上に配置された足軽が敵に倒される等してゲーム空間内に存在するキャラクタ数が「配置制限数」未満となった場合、「配置足軽数」も減少しているので、「足軽数」を限度として新たに足軽がゲーム空間上に配置される。
【0090】
足軽が撮像範囲から出たとき、または、足軽がプレイヤキャラクタなどに倒されたとき、当該足軽を消去する足軽消去処理(図示しない)が行われる。足軽消去処理は、ゲーム空間上に配置されている足軽を消去する処理、足軽テーブル(図6(b)参照)から、対応する足軽を消去する処理などからなる。
【0091】
次に、敵隊長の行動処理について説明するが、敵隊長の行動処理は敵隊長に設定されている行動タイプによって異なるので、代表して「占領型」の敵隊長の行動処理について説明する。
【0092】
図9は、「占領型」の敵隊長の行動処理(以下、「占領型敵隊長行動処理」という。)を説明するためのフローチャートである。占領型敵隊長行動処理は、CPU111aによって実行される。占領型敵隊長行動処理は、「占領型」の敵隊長の行動(後述する「攻撃行動」、「占領行動」、「移動行動」)を決定するための処理である。占領型敵隊長行動処理は、「占領型」の敵隊長毎に実行される処理であり、「占領型」の敵隊長がゲーム空間に配置されたとき(すなわち、合戦開始時、または、行動タイプが他のものから「占領型」に変化したとき)に開始され、当該敵隊長が倒されたとき、当該敵隊長の行動タイプが他のものに変化したとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)に終了される。
【0093】
まず、合戦場に占領可能な陣が存在するか否かが判別される(S11)。占領可能な陣とは味方陣であり、味方の陣大将を倒すことによって占領可能であり、占領後は敵陣となる。占領可能な陣が存在しない場合(S11:NO)、すなわち、全ての陣が敵陣となっている場合、行動タイプ変更処理がされ(S12)、当該占領型敵隊長行動処理は終了される。行動タイプ変更処理は、敵隊長に設定されている行動タイプを他の行動タイプ(例えば、「突撃型」または「巡回型」)に変更する処理である。いずれの行動タイプに変更するかは、それぞれの行動タイプの敵隊長の数や総大将の性格などに応じて決定される。
【0094】
一方、占領可能な陣が存在する場合(S11:YES)、占領目標とする陣を設定する(S13)。本実施形態では、占領目標とする陣を、占領可能な陣のうち一番近い陣としている。なお、占領目標とする陣の決定方法はこれに限られず、例えば、戦略的に有利な陣を占領目標とするようにしてもよい。
【0095】
次に、敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っており、かつ、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っているか否かが判別される(S14)。なお、ステップS14の判別処理は、1フレーム毎に実行される。敵隊長が撮像範囲に入っており、かつ、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っている場合(S14:YES)、「攻撃行動」が選択され(S15)、ステップS14に戻る。すなわち、ステップS14の条件を満たす間、敵隊長に「攻撃行動」を行わせるための処理が行われる。「攻撃行動」とは、攻撃範囲に入ったプレイヤキャラクタなどに対して攻撃を行う行動である。「攻撃行動」中は、敵隊長が攻撃範囲に入ったプレイヤキャラクタなどに対して攻撃を行うように制御される。
【0096】
一方、ステップS14において、敵隊長が撮像範囲に入っていないか、または、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っていない場合(S14:NO)、占領目標とした陣が占領可能な距離に有るか否か、すなわち、敵隊長の位置と占領目標とした陣の位置(例えば、陣の中心位置)との距離が所定の距離以下となったか否かが判別される(S16)。占領目標とした陣が占領可能な距離に有る場合(S16:YES)、「占領行動」が選択され(S17)、占領目標とした陣が占領されたか否か、すなわち、当該陣が敵陣となったか否かが判別される(S18)。占領目標とした陣が占領されていない場合(S18:NO)、ステップS14に戻る。すなわち、占領目標とした陣が占領可能な距離に有り(S16:YES)、かつ、当該陣が占領されていない(S18:NO)間、敵隊長に「占領行動」を行わせるための処理が行われる。
【0097】
「占領行動」とは、占領目標とした陣を占領する行動である。「占領行動」中、敵隊長が撮像範囲に入っている場合は、味方陣の陣大将を攻撃して倒し、当該陣を占領して敵陣とするように制御される。一方、敵隊長が撮像範囲に入っていない場合は、敵隊長に設定されている各パラメータ値(図5参照)と味方陣の陣大将に設定されている各パラメータ値とに基づいて、戦闘を行っているかのような処理がなされ、合戦図MAP(図2参照)上の味方陣が敵陣に変化する(白抜きの陣が点描している陣に変化する)。なお、敵隊長が撮像範囲に入っている状態の「占領行動」中に、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S14:YES)は、「占領行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。
【0098】
ステップS16において、占領目標とした陣が占領可能な距離にない場合(S16:NO)、「移動行動」が選択され(S19)、占領目標とした陣が占領されたか否か、すなわち、当該陣が敵陣となったか否かが判別される(S18)。占領目標とした陣が占領されていない場合(S18:NO)、ステップS14に戻る。すなわち、占領目標とした陣が占領可能な距離になく(S16:NO)、かつ、当該陣が占領されていない(S18:NO)間、敵隊長に「移動行動」を行わせるための処理が行われる。
【0099】
「移動行動」とは、占領目標とした陣に向かって移動する行動である。「移動行動」中、敵隊長が撮像範囲に入っていない場合は、合戦図MAP(図2参照)上の当該敵隊長の大隊を示すアイコンが移動する。一方、敵隊長が撮像範囲に入っている場合は、当該敵隊長が占領目標とした陣に向かって移動しているように制御される(合戦図MAP上の当該敵隊長の大隊を示すアイコンも移動する)。なお、敵隊長が撮像範囲に入っている状態の「移動行動」中に、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S14:YES)は、「移動行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。また、「移動行動」中に占領目標とした陣を占領可能な距離に到達した場合(S16:YES)は、「移動行動」が中止され、「占領行動」が開始される。
【0100】
ステップS18において、占領目標とした陣が占領されている場合(S18:YES)、すなわち、「占領行動」により当該陣を占領した場合、または、「移動行動」中に他の敵大隊が当該陣を占領した場合、ステップS11に戻って、新たな占領目標とする陣を設定する。
【0101】
図10は、足軽の行動処理(以下、「足軽行動処理」という。)を説明するためのフローチャートである。足軽行動処理は、CPU111aによって実行される。足軽行動処理は、足軽の行動(「攻撃行動」、「移動行動」)を決定するための処理である。足軽行動処理は、ゲーム空間上に配置された足軽毎に実行される処理であり、図示していないが、足軽がゲーム空間上に配置されたとき(図8のステップS2)に開始され、当該足軽が倒されたとき(図6(b)に示す足軽テーブルの「ヒットポイント」がゼロとなったとき)、当該足軽が撮像範囲から出てゲーム空間上から消去されたとき、または、合戦終了時に終了される。なお、敵隊長が撮像範囲から外れたときにゲーム画面に表示されている足軽については、ゲーム空間上に配置されたままなので、足軽行動処理が継続する。
【0102】
まず、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っているか否かが判別される(S21)。なお、ステップS21の判別処理は、1フレーム毎に実行される。足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っている場合(S21:YES)、「攻撃行動」が選択され(S22)、足軽が撮像範囲に入っているか否か、すなわち、上述したように、当該足軽が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該足軽と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かが判断される(S23)。足軽が撮像範囲に入っている場合(S23:YES)、ステップS21に戻る。すなわち、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っており(S21:YES)、かつ、足軽が撮像範囲に入っている(S23:YES)状態が継続している間、足軽に「攻撃行動」を行わせるための処理が行われる。「攻撃行動」は、占領型敵隊長行動処理におけるもの(図9のステップS15参照)と同様なので、説明を省略する。
【0103】
一方、ステップS21において、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っていない場合(S21:NO)、「移動行動」が選択され(S24)、足軽が撮像範囲に入っているか否かが判別される(S23)。足軽が撮像範囲に入っている場合(S23:YES)、ステップS21に戻る。すなわち、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っておらず(S21:NO)、かつ、足軽が撮像範囲に入っている(S23:YES)状態が継続している間、足軽に「移動行動」を行わせるための処理が行われる。「移動行動」とは、所属する敵大隊の敵隊長に追従して移動する行動である。「移動行動」中は、足軽が敵隊長に追従して移動している映像が表示される。なお、「移動行動」中に、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S21:YES)は、「移動行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。
【0104】
ステップS23において、足軽が撮像範囲から外れた場合(S23:NO)、当該足軽がゲーム画面に表示されないと判断され、さらに図示しないが足軽がゲーム空間から消去され、制御を行なう必要がないので、足軽行動処理が終了される。この場合、当該足軽は足軽テーブル(図6(b)参照)から消去される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「配置足軽数」(図5参照)は減少されるが、「足軽数」(図5参照)は減少されない。
【0105】
本実施形態によると、敵大隊の敵隊長が撮像範囲内であるか否かが判別され、撮像範囲内であると判別された場合には当該敵大隊が撮像範囲に入っていると判断される。この場合にのみ、当該敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上に配置され、敵隊長および各足軽の行動が個別に制御される。一方、足軽が撮像範囲内であるか否かが判別され、撮像範囲外であると判別された場合には、当該足軽がゲーム空間上から消去され、当該足軽の行動の制御が終了される。すなわち、ゲーム画面に表示される足軽の行動のみが個別に制御され、ゲーム画面に表示されない足軽の行動は制御されない。
【0106】
したがって、ゲーム空間上に存在する敵大隊の数や各敵大隊に属する足軽の数が多い場合でも、すべての足軽の行動を個別に制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。
【0107】
なお、上記実施形態では、敵隊長が常にゲーム空間上に配置されている場合について説明したが、これに限られない。足軽同様、敵隊長もゲーム画面に表示される場合のみゲーム空間上に配置して制御を行うようにしてもよい。すなわち、敵隊長および足軽が、所定の条件が満たされた時にゲーム空間上に配置され、別の所定の条件が満たされた時にゲーム空間上から消去されるようにしてもよい。具体的には、敵大隊を敵隊長および足軽とは異なるキャラクタ(以下、「敵大隊キャラクタ」という。)として設定し、当該敵大隊キャラクタが撮像領域内に入ったときに、当該敵大隊キャラクタがゲーム空間上から消去されて制御が終了され、敵隊長および足軽がゲーム空間上に配置されて個別に制御が開始され、敵隊長(または、所定の足軽)が撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽がゲーム空間上から消去されて制御を終了され、敵大隊キャラクタがゲーム空間上に配置されて制御が開始されるようにしてもよい。この場合、「敵大隊キャラクタ」が、本発明の「所定オブジェクト」に対応するものであり、「敵隊長」および「足軽」が、本発明の「複数のオブジェクト」に対応し、「敵隊長」または「足軽」が、本発明の「特定のオブジェクト」に対応するものである。なお、この場合、敵隊長(または、所定の足軽)が撮像領域外に出たときではなく、敵隊長または足軽のいずれかが撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽の消去と敵大隊キャラクタの配置が行われるようにしてもよい。また、敵隊長およびすべての足軽が撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽の消去と敵大隊キャラクタの配置が行われるようにしてもよい。
【0108】
なお、上記実施形態では、敵大隊の行動処理について説明したが、これに限られない。例えば、味方の大隊(以下、「味方大隊」という。)の行動処理についても、本発明を適用することができる。すなわち、味方大隊の隊長(以下では、「味方隊長」という。)が撮像範囲内にある場合は、当該味方大隊に所属する足軽をゲーム空間上に配置して個別に制御し、足軽が撮像範囲外にある場合は、当該足軽がゲーム空間上から消去され、当該足軽の行動の制御が終了されるようにしてもよい。また、陣大将(敵および味方いずれも)および足軽からなる集団の行動処理についても、本発明を適用することができる。
【0109】
なお、上記実施形態では、敵隊長が撮像範囲に入ったときに足軽が配置されて制御が開始され、当該足軽が撮像範囲から出たときに当該足軽が消去されて制御が終了する場合について説明したが、配置および消去のタイミングはこれに限られない。例えば、敵隊長が撮像範囲に入ってから所定時間が経過した場合に足軽が配置されて制御が開始され、当該足軽が撮像範囲から出てから所定時間が経過した場合に当該足軽が消去されて制御が終了するようにしてもよい。また、敵隊長が撮像範囲から出てから所定時間が経過した場合に、足軽が消去されて制御が終了するようにしてもよい。
【0110】
なお、上記実施形態では、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かとによって判断したが、これに限られない。例えば、敵隊長がゲーム空間上の撮像範囲(図3の斜線部分参照)内であるか否かを直接判断するようにしてもよい。また、撮像範囲を三次元仮想ゲーム空間の上方から見た二次元の撮像領域を設定し、敵隊長が当該撮像領域内であるか否かで判断するようにしてもよい。
【0111】
図11は、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを判断する別の手法を説明するための図であり、三次元仮想ゲーム空間を上方から見た(三次元仮想ゲーム空間上に設定されている三次元直交座標系のY軸の負の方向に見た)状態を示している。同図左上の座標系を示す図において、Y軸は手前側が正の方向であることを示している。撮像範囲(図3参照)を三次元仮想ゲーム空間のXZ平面に投影した領域(図11において斜線を付した領域)を撮像領域として設定している。撮像領域は、半径L0で仮想カメラの光軸を中心とした所定角度θ(例えば45度)を中心角とする扇型の領域となる。敵隊長の位置座標(例えば重心等の代表点)のX座標およびZ座標が当該撮像領域内に有るか否かで、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを判断する。
【0112】
同図において、点A,B,Cはゲーム空間における敵隊長A,B,Cの代表点の位置座標(X座標とZ座標のみ)を示している。点Aおよび点Bは撮像領域内に有るので、敵隊長A,Bの位置座標は撮像範囲内であると判断され、点Cは撮像領域内にないので敵隊長Cの位置座標は撮像範囲外であると判断される。なお、敵大隊Bは障害物OBJの影に隠れるので、実際にはゲーム画面に表示されない場合がある。この場合、敵隊長Bの位置座標が撮像範囲内であると判断するようにしてもよいし、撮像範囲外であると判断するようにしてもよい。
【0113】
なお、撮像範囲をXZ平面に投影した領域より広い領域を撮像領域としてもよい。例えば、撮像領域を仮想カメラを中心とした所定半径の円内の領域としてもよい。この場合、ゲーム画面に表示されない、プレイヤキャラクタの背後に存在する敵大隊についても足軽の行動が個別に制御され、プレイヤキャラクタの背後から攻撃を仕掛けるようにすることもできる。
【0114】
なお、実施されるゲームが二次元の仮想ゲーム空間上で進行する場合は、ゲーム画面に表示されている領域内に敵隊長の位置座標が有るか否かで判断すればよい。
【0115】
なお、上記実施形態においては、敵隊長等のキャラクタが撮像範囲内であるか否かの判断において、キャラクタと仮想カメラとの距離が所定距離内であることを条件としているが、これを条件としなくてもよい。
【0116】
なお、上記実施形態においては、敵大隊(集団)が一人の敵隊長と複数の足軽によって構成されている場合について説明したが、敵大隊(集団)の構成はこれに限られない。例えば、敵大隊が複数の足軽のみによって構成されていてもよいし、複数の敵隊長と複数の足軽によって構成されていてもよい。すなわち、本発明における集団は、複数のキャラクタによって構成されるものすべてを含んでいる。また、集団を1つのキャラクタとみなすこともできるので、複数の集団によって構成されている集団も本発明における集団に含まれる。
【0117】
図12は、集団A1と集団A2とによって構成される集団Aを示している。集団A1は隊長a1および複数の部下(図示しない)によって構成されており、集団A2は、隊長a2および複数の部下(図示しない)によって構成されている。この場合、集団A1および集団A2は本発明の集団に該当するし、集団A1および集団A2がそれぞれ1つのキャラクタとして制御される場合(または、隊長a1および隊長a2をそれぞれ集団A1および集団A2として制御する場合)は、集団Aも本発明の集団に該当する。
【0118】
なお、上記実施形態においては、複数のキャラクタによって構成された集団に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、ミサイルや転がってくる岩などのオブジェクトはその動きを制御する必要があるので、これらの複数のオブジェクトによって構成された集団にも本発明を適用することができる。
【0119】
なお、上記実施形態においては、敵隊長が撮像範囲に入ったときに当該敵隊長の周囲に足軽が配置されて、配置された足軽のうち撮像範囲外のものは消去されて、別の足軽が配置されることになる。しかし、敵隊長が撮像範囲に入ったときに配置される足軽は、当該敵隊長の周囲で、かつ、撮像範囲内の位置に配置されるようにしてもよい。また、配置された足軽が撮像領域外であっても消去されず、当該敵隊長が撮像領域外に出たときに消去されるようにしてもよい。この場合、ゲーム空間上(撮像領域外でも)に配置された足軽は、当該敵隊長が撮像領域外に出るまでゲーム空間上に存在し行動を制御される。
【0120】
なお、上記実施形態では、あるアクションゲームを例として説明したが、これに限られない。本発明は、他のアクションゲームにも適用することができる。他のアクションゲームにおいては、いわゆる「ボスキャラ」が上記「敵隊長」に相当し、いわゆる「ザコキャラ」が上記「敵の足軽」に相当する。
【0121】
また、上記実施形態では、アクションゲームを例に説明したが、これに限られない。例えば、シューティングゲームや格闘ゲームなどの、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームにおいても、本発明を適用することができる。また、本発明は、複数のプレイヤの操作するキャラクタ若しくはCPUの制御するキャラクタがチームを組んで協同して敵キャラクタと対戦するようなゲームや、敵キャラクタとしての他のプレイヤの操作するキャラクタと対戦するようなゲームにも適用することができる。
【0122】
また、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームでなくても、ゲーム空間上に複数のキャラクタによって構成される集団が存在するゲームであれば、本発明を適用することができる。特に、集団の数や集団に属するキャラクタの数が多い場合、本発明がより有効と成る。例えば、アドベンチャーゲームにおいて、集団で行動する複数のキャラクタがゲーム空間上に存在し、これらのキャラクタがゲーム画面に表示されているときには個別に行動する場合などにも、本発明を適用することができる。
【0123】
上記実施形態では、家庭用ゲーム装置でゲームを実施する場合について説明したが、これに限られない。本発明は、ゲームが実施されるゲーム装置の種類に限定されず適用することができ、例えば、携帯型ゲーム装置、アーケードゲーム装置、および、ゲームソフトが搭載されているパーソナルコンピュータ等でゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0124】
上記実施形態では、ゲーム装置1を単独で用いる場合について説明したが、これに限られない。本発明は、複数のゲーム装置1をケーブルあるいは無線通信により接続したり、ゲーム装置1をゲームサーバにネットワーク回線2で接続したり、ゲーム装置1同士をネットワーク回線2でP2P接続することにより、複数のゲーム装置1で同時にゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0125】
本発明に係るゲーム装置、プログラム、および記録媒体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置、プログラム、および記録媒体の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0126】
1 ゲーム装置
11 本体
111 制御部
111a CPU(集団制御手段、第1判別手段、第2判別手段、表示制御手段)
111b ROM
111c RAM
112 描画処理部(表示制御手段)
113 音声処理部
114 ディスクドライブユニット
115 メモリカード接続ユニット
116 I/Oインターフェース部
117 通信処理部
12 操作コントローラ
13 モニタ(表示装置)
14 ディスク
15 メモリカード
16 ネットワークアダプタ
2 ネットワーク回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、集団制御を行うゲーム装置、このゲーム装置を実現するためのプログラム、および、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが所定のキャラクタを操作し、仮想ゲーム空間上で、敵であるキャラクタと戦うアクションゲームが開発されている。以下では、プレイヤが操作するキャラクタを「プレイヤキャラクタ」といい、敵であるキャラクタを「敵キャラクタ」という。
【0003】
敵キャラクタには、複数の敵キャラクタが集団を形成して、集団で行動するものもある。このような集団の行動についての制御を「集団制御」という。通常、このような集団においては、集団に属する敵キャラクタの内の所定の敵キャラクタ(以下、「ボスキャラ」という。)の行動が制御され、その他の複数の敵キャラクタ(以下、「ザコキャラ」という。)の行動は、ボスキャラの行動に追従するように制御される。例えば、各ザコキャラは、ボスキャラが移動すると追従して移動するように制御される。また、各ザコキャラは、自身の周囲に近づいたプレイヤキャラクタ等を攻撃するように、個別に制御されている。
【0004】
例えば、特開2000−172868号公報には、リーダーとなる移動体オブジェクトの移動内容に基づきその他の移動体オブジェクトを個別に制御することで、群れを成す移動体オブジェクトの多様な動きをリアルに表現するゲーム装置について記載されている。また、特許第4117343号公報には、部隊に属する兵士毎に速度および位置を決定して移動処理を行い、戦闘時には兵士毎に攻撃、防御などの処理を行うことで各兵士を個別に制御するゲーム装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−172868号公報
【特許文献2】特許第4117343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、集団に属する各キャラクタを個別に制御する場合、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や集団に属するキャラクタの数が増大すればするほど、個別に制御すべきキャラクタの数が増大するので、制御のための処理負荷が増大する。また、ゲーム装置の処理能力に応じて、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や集団に属するキャラクタの数を制限する必要がある。
【0007】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる集団制御を実現したゲームを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、該少なくとも一部のオブジェクトのうち第2条件を満たすオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記少なくとも一部のオブジェクトのそれぞれにおいて、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトそれぞれにおいて前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び前記第2判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0010】
本発明の第2の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、第2条件を満たす場合に、前記制御を開始したオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記一のオブジェクトが前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団制御手段は、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記他のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する。
【0012】
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置することを含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0013】
本発明の第4の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのうち特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段として機能させ、前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、前記第2条件は、前記特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置すること、を含み、前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団制御手段は、前記所定オブジェクトの制御を開始する際、該所定オブジェクトを前記所定領域外に配置し、前記所定オブジェクトの制御を終了する際、該所定オブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記複数のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記コンピュータを、表示装置に前記仮想ゲーム空間上の一部を表示させる表示制御手段として更に機能させ、前記所定領域は、前記表示装置に表示される前記仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記仮想ゲーム空間は、三次元の仮想空間であり、前記表示制御手段は、所定の視点位置から前記仮想ゲーム空間上を見たときの画像を前記表示手段に表示させる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記所定領域は、前記所定の視点位置を基準とした領域である。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記集団を構成するオブジェクトは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタである。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記表示制御手段は、前記仮想ゲーム空間上における前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて少なくとも前記所定の視点位置および視線方向を制御する。
【0020】
本発明の第5の側面によって提供される記録媒体は、本発明の第1の側面ないし第4の側面の何れかによって適用されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
本発明の第6の側面によって提供されるゲーム装置は、本発明の第1の側面ないし第4の側面の何れかによって適用されるプログラムを実行するゲーム装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の側面によれば、第1条件を満たす場合に、他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たしたオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該第2条件を満たしたオブジェクトの制御を行わない。また、本発明の第2の側面によれば、第1条件を満たす場合に、他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たす場合に、制御を開始したオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御を行わない。また、本発明の第3の側面および第4の側面によれば、第1条件を満たす場合に複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御が開始され、第2条件を満たす場合に、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御が終了される。すなわち、第2条件を満たしてから第1条件を満たすまでの間は、当該少なくとも一部のオブジェクトの制御を行わない。したがって、仮想ゲーム空間上に存在する集団の数や各集団を構成するオブジェクトの数が多い場合でも、すべてのオブジェクト毎に制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。
【0023】
また、所定領域が表示装置に表示される仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる場合、集団が表示装置に表示されるときは、集団を構成するオブジェクト毎に制御が行われる。したがって、表示装置に表示されている各オブジェクトは個別に制御されるので、多様な動きをリアルに表現することができる。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ある合戦における、各陣の構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図である。
【図3】三次元仮想ゲーム空間上の仮想カメラの設定を説明するための図である。
【図4】敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っているか否かを判断する方法を説明するための図である。
【図5】敵隊長テーブルの一例を示す図である。
【図6】足軽の各パラメータ値が設定されるテーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。
【図8】足軽設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】占領型敵隊長行動処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】足軽行動処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】敵隊長の位置座標が撮像範囲内であるか否かを判断する別の手法を説明するための図である。
【図12】本発明の集団の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態として、本発明に係るゲームプログラムをゲームソフトに適用した場合について、添付図面を参照して具体的に説明する。以下の説明では、家庭用ゲーム装置(以下、「ゲーム装置」とする。)において、あるアクションゲームを進行している場合を例として説明する。
【0027】
本実施形態に係るアクションゲームは、日本の戦国時代を舞台としたアクションゲームである。プレイヤは、自分が選択した戦国武将をプレイヤキャラクタとし、そのプレイヤキャラクタを操作して他の武将と戦わせることで、自分がその戦国武将となって他の武将と戦っているかのように感じることを楽しむことができる。このゲームには、プレイヤが戦国武将となって全国に広がる敵の軍勢と戦い、自国の領土を拡げながら天下統一を目指す天下統一モード等の複数のモードが設定されている。天下統一モードでは、他国の軍勢と合戦を行い、敵の総大将を倒して合戦に勝利していくことでゲームが進行していく。
【0028】
各合戦において、敵の総大将は、自国の領土に複数の陣を設けて、これらの陣をそれぞれ陣大将に守らせている。プレイヤは、敵陣を攻めて陣大将を倒すことで、敵陣を占領することができる。プレイヤキャラクタが敵陣を占領した場合、占領した敵陣を味方陣とし、当該味方陣に味方の陣大将を配置することができる。一方、味方陣が敵キャラクタに攻められて陣大将が倒された場合、当該味方陣は敵キャラクタに占領されて敵陣となり、敵の陣大将が配置される。なお、以下では、「敵」および「味方」の表現はプレイヤから見た立場を表しており、例えば、敵キャラクタにとっての味方の陣であっても「敵」陣という。
【0029】
敵軍および味方軍には、相手の陣を占領したり自軍の陣を守ったりするための大隊が複数存在する。大隊は、1人の隊長と隊長の部下である複数の足軽とで構成されている。足軽の数は、大隊(隊長)毎に予め設定されている。プレイヤキャラクタは、単独または仲間キャラクタとで、敵陣を攻撃して占領したり、味方の陣を守るために敵の大隊と戦ったりする。なお、仲間キャラクタは、ゲーム装置(CPU)によって制御される。
【0030】
図1は、ある合戦における、合戦場(ステージ)の構成を説明するための図である。当該合戦においては、仮想ゲーム空間上に6つの敵陣(点描している陣)と1つの味方陣(白抜きの陣)が配置されている。敵陣のうち1つの陣には総大将(黒色の丸で示す。)が配置されており、その他の敵陣には陣大将(灰色の丸で示す。)が配置されている。また、合戦場には、味方の大隊(白抜きの凸形状で示す。)および敵の大隊(灰色の凸形状で示す。)が配置されている。なお、凸形状の突出部分が各大隊の進行方向(当該大隊の隊長の向いている方向)を示している。また、プレイヤキャラクタは、進行方向を向いた矢印で示されている。同図においては、プレイヤキャラクタと敵の大隊(以下、「敵大隊」という。)Aとが向かい合っている。
【0031】
図2は、本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図であり、プレイヤキャラクタPCが、敵大隊Aと戦っている場面のゲーム画面を示している。敵大隊Aは隊長(以下では、「敵隊長」という。)ECとその部下である複数の足軽ZC(敵隊長EC以外の、胴体部分が黒色のキャラクタ)によって構成されている。なお、「敵隊長EC」が、本発明の「一のオブジェクト」に対応するものであり、「足軽ZC」が、本発明の「他のオブジェクト」に対応するものである。また、「敵大隊A」が、本発明の「集団」に対応するものである。本実施形態に係るアクションゲームは三次元仮想ゲーム空間上で進行するものであり、プレイヤキャラクタの後方の所定の位置(プレイヤキャラクタの位置に基づいて定まる位置であり、プレイヤキャラクタの移動に伴って変化する。なお、プレイヤキャラクタの後方とは限らない。)に設定された仮想カメラがプレイヤキャラクタの方に向かって撮像した画像が、ゲーム画面に表示される。
【0032】
図3は、三次元仮想ゲーム空間上の仮想カメラの設定を説明するための図である。同図によると、三次元仮想ゲーム空間上に敵大隊A,B,C、障害物OBJ、およびプレイヤキャラクタPCが配置されており、プレイヤキャラクタPCの後方に仮想カメラが設定されている。仮想カメラの撮像範囲は、同図に示す斜線の範囲であり、この範囲に位置するオブジェクト(プレイヤキャラクタPCや各敵大隊を含む)がゲーム画面に表示される。なお、同図左上の矢印は、三次元仮想ゲーム空間上に設定されている三次元直交座標系のX軸、Y軸、Z軸を示しており、三次元仮想ゲーム空間の鉛直方向をY軸としている。同図においては、敵大隊Cは撮像範囲に入っていないので、ゲーム画面に表示されない。また、敵大隊Bは撮像範囲に入っているが、仮想カメラとの間に障害物OBJが存在するので、ゲーム画面上には表示されない。敵大隊Aのみが、撮像範囲内であり、かつ、間に遮るものがないので、ゲーム画面に表示されている(図2参照)。なお、当該「撮像範囲」が、本発明の「所定領域」に対応するものである。
【0033】
図2において、ゲーム画面の右上に表示されている合戦図MAPは、合戦場全体の各陣の配置を示す地図であり、各大隊およびプレイヤキャラクタの位置がアイコン表示されている。なお、図1は、当該合戦図MAPを拡大したものである。プレイヤは、合戦図MAPによって各大隊の位置や行動を把握することができる。
【0034】
敵大隊は、行動タイプに基づいて、行動が制御されている。行動タイプには「固定型」、「突撃型」、「占領型」、「巡回型」などがある。後述するが、各敵大隊の行動タイプは、敵大隊に属する敵隊長のパラメータとして予め設定されている。
【0035】
「固定型」の行動タイプの敵大隊は、予め設定された敵陣を守る行動を取る。すなわち、プレイヤキャラクタまたは味方軍の大隊が敵陣内に入るとその位置に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行うが、基本的に敵陣の外には出ない。なお、攻撃範囲とは、敵キャラクタ毎に予め設定されている領域であり、例えば、各敵キャラクタの位置を中心とする所定半径の円状の領域である。「突撃型」の行動タイプの敵大隊は、常にプレイヤキャラクタを追いかける行動を取る。すなわち、プレイヤキャラクタが合戦場のどこにいても、その位置に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。
【0036】
「占領型」の行動タイプの敵大隊は、陣を占領する行動を取る。すなわち、占領可能な陣が有る場合、占領可能な陣のうち一番近い陣に向かって移動し、当該陣を占領可能な距離まで近づいたときに占領行動を行う。しかし、移動中や占領行動中でもプレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。陣の占領が成功した場合は、次の占領可能な陣に移動する。占領可能な陣がなくなった場合、敵大隊(敵隊長)の行動タイプは「占領型」から「突撃型」または「巡回型」に変化し、その後は変化後の行動タイプに設定された行動を行う。「巡回型」の行動タイプの敵大隊は、合戦場内を巡回する行動を取る。すなわち、所定のアルゴリズムに基づいて進む通路を検索して各陣を巡回するように移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。なお、占領可能な陣が存在する場合には、敵大隊(敵隊長)の行動タイプが「巡回型」から「占領型」に変化し、「占領型」の行動タイプに設定された行動を行う。
【0037】
なお、総大将が倒されると合戦に負けてしまうので、プレイヤキャラクタが総大将の配置された敵陣(敵本陣)に入ると、全ての敵大隊が敵本陣を守る行動を取る。すなわち、敵本陣に向かって移動し、プレイヤキャラクタなどが攻撃範囲に入ると攻撃を行う。
【0038】
敵大隊を構成する敵隊長は、合戦開始時に三次元仮想ゲーム空間(以下では、「ゲーム空間」と省略する場合がある。)上に配置され、プレイヤキャラクタなどに倒されたとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)まで、ゲーム空間上に存在する。一方、敵大隊を構成する複数の足軽は、常にゲーム空間上に存在するわけではなく、所定の条件を満たした時にゲーム空間上に配置され、別の所定の条件を満たした時にゲーム空間上から消去される。敵隊長も足軽も、ゲーム空間上に存在する間だけ、その行動が個別に制御される。すなわち、各敵大隊の行動の処理には、条件を満たしている場合にのみ各足軽の行動を個別に制御する処理と、条件に関わらず常に敵隊長の行動を制御する処理とが含まれる。
【0039】
具体的には、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲(図3参照)に入っている場合、敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上に配置され、配置された各足軽が個別に制御される。つまり、この場合は、敵大隊を構成する敵隊長及び足軽がゲーム空間上に存在して、それぞれ個別に制御される。一方、足軽が撮像範囲外に位置することとなった場合、当該足軽はゲーム空間上から消去されて、当該足軽の行動の制御が終了する。この場合は、最終的に敵大隊の隊長だけが敵大隊として制御されることとなる。換言すると、敵大隊をプレイヤが視認できるような(モニタの表示画面に表示される)場合は、その敵大隊を構成するキャラクタ(敵隊長及び足軽)のそれぞれを個別に制御し、プレイヤが視認できない場合は、単一のキャラクタ(本実施形態では敵隊長)を敵大隊とみなして制御している。
【0040】
図4は、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲(図3参照)に入っているか否かを判断する方法を説明するための図である。
【0041】
本実施形態では、敵大隊が撮像範囲に入っているか否かを、当該敵大隊を構成する敵隊長が撮像範囲に入っているか否かで判断する。本実施形態では、敵隊長の少なくとも一部が撮像範囲に入っている場合、敵大隊が撮像範囲に入っていると判断する。なお、本実施形態では仮想カメラによって撮像されたゲーム空間上のオブジェクトを表示画面に表示している。すなわち、仮想カメラの位置および撮像方向に基づいて設定された仮想スクリーンにゲーム空間上の各オブジェクトを投影して、当該仮想スクリーン上に投影されたオブジェクトを表示画面に表示している。仮想スクリーンへの投影は、各オブジェクトの位置情報を周知の投影変換(例えば、透視投影変換)によって変換することで行う。敵隊長が撮像範囲内であるか否かは、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かにより判断される。すなわち、当該敵隊長が仮想スクリーン上に位置し、かつ、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内である場合のみ、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っていると判断される。なお、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かは、上述したように周知の技術であるので詳細は省略するが、敵隊長を構成するポリゴン頂点のゲーム空間上での座標情報、および、仮想スクリーンの位置の座標情報等を用いて判断する。また、当該敵隊長と仮想カメラとの距離は、たとえば敵隊長の代表点(重心等)の座標と、仮想カメラの位置座標(視点位置)とから取得すればよい。本実施形態では、敵隊長の一部でも撮像範囲に入っていれば敵大隊が撮像範囲に入っていると判断しているが、敵隊長の全体が撮像範囲に入っていない場合は撮像範囲に入っていないと判断してもよい。
【0042】
同図は、ゲーム空間において模式的に表現した敵隊長Aおよび敵隊長Bと障害物OBJを仮想スクリーンに投影している状態を示している。敵隊長Aおよび敵隊長Bは、仮想スクリーン上に投影されており(敵隊長A’および敵隊長B’)、かつ、敵隊長A(代表点)および敵隊長B(代表点)と仮想カメラの位置座標を示す点Dとの距離L1、L2が所定距離L0より短いので、敵大隊Aおよび敵大隊Bは撮像範囲に入っていると判断される。一方、敵隊長Cは仮想ククリーン上に投影されていないので、敵大隊Cは撮像範囲に入っていないと判断される。なお、敵隊長Bと仮想カメラとの間には障害物OBJが存在するので、敵隊長B(敵大隊B)はゲーム画面に表示されない場合がある。しかし、本実施形態では、敵隊長Bが仮想スクリーン上に投影される(敵隊長B’)ので、敵隊長B(敵大隊)が撮像範囲に入っていると判断される。なお、仮想スクリーン上に投影される場合でも、障害物などによってゲーム画面に表示されない場合は、撮像範囲に入っていないと判断するようにしてもよい。
【0043】
なお、足軽が撮像範囲に入っているか否かも上記と同様に、当該足軽が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該足軽の位置座標(たとえば代表点)と仮想カメラの位置座標(視点位置)との距離が所定距離内であるか否かにより判断される。
【0044】
各敵隊長および各足軽には、それぞれ、ヒットポイント、攻撃力などのパラメータ値が設定されている。各パラメータ値の初期値は、テーブルに予め設定されており、ゲームの進行に伴って変更される場合がある。
【0045】
図5は、敵隊長の各パラメータ値が設定された敵隊長テーブルの一例を示す図である。
【0046】
同図に示すように、敵隊長テーブルには敵隊長毎に、「行動タイプ」、「足軽数」、「配置足軽数」、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値が設定されている。なお、同図に示す敵隊長テーブルは、パラメータ値の初期値が設定された状態を示している。「行動タイプ」には、前述した4つの行動タイプ(「固定型」、「突撃型」、「占領型」、「巡回型」)のいずれかが予め設定されている。各敵隊長は、設定されている行動タイプに応じた行動を行う。なお、前述したように、ゲームの進行状況により「行動タイプ」が変化する(更新される)場合がある。
【0047】
「足軽数」には、各敵隊長の部下である足軽のうち、生きている(倒されていない)足軽の数が設定されている。「足軽数」は、敵隊長毎に予め設定された数が初期値として設定されているが、部下である足軽が倒されると減少する(更新される)。敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っていると判断された場合、「足軽数」以内の数の足軽がゲーム空間上に配置され、配置された各足軽の行動が個別に制御される。なお、各足軽の行動を制御する処理については後述する。敵隊長が撮像範囲に入っていないと判断された場合、それ以上足軽が配置されることはない。
【0048】
「配置足軽数」には、ゲーム空間上に配置されている足軽の数が設定される。ゲーム空間上に配置されている足軽は、ゲーム画面に表示されなくなったとき、すなわち、当該足軽が撮像範囲から出たときにゲーム空間上から消去される。この場合、「配置足軽数」は減少する(更新される)。また、ゲーム空間上に配置されている足軽がプレイヤキャラクタなどに倒された場合にも、「配置足軽数」は減少する(更新される)。なお、この場合、倒された足軽は、倒れる動作(モーション)を行って地面に倒れ、その後に徐々に表示が薄くなってゲーム空間上から消去される。その際、当該足軽の行動制御も終了される。敵隊長が撮像範囲に入っている間に「配置足軽数」が減少した場合、新たな足軽がゲーム空間上に配置されて、「配置足軽数」は増加する(更新される)。また、本実施形態では、ゲーム空間上に配置されている足軽の数は所定の数(予め定められた数(例えば10体)であり、以下では、「配置制限数」という。)に制限される。なお、敵大隊に所属する足軽の数以上の足軽がゲーム空間上に配置されることはない。すなわち、「配置足軽数」は「足軽数」以下に制限される。
【0049】
本実施形態では、敵隊長が撮像範囲外から撮像範囲内に入ったときに、ゲーム空間上に配置されている当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽の数が「配置制限数」に達するまで、この敵大隊の「足軽数」分を限度として、その不足分の足軽が1度に配置される。たとえば、ゲーム空間上にプレイヤキャラクタおよび「足軽数」が「50」の敵大隊に所属する敵隊長が存在し、敵隊長が撮像範囲内に入ったときに、ゲーム空間上に当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽が配置されていない場合は、「足軽数」を限度として「配置制限数」に達するまでの10体の足軽が配置される。そして、「配置足軽数」も「0」→「10」となる。なお、不足分の足軽の配置の方法は、これに限られない。例えば、「配置制限数」に達するまで「足軽数」の範囲内で所定の時間間隔毎に1体ずつ配置するようにしてもよいし、複数体ずつ配置するようにしてもよい。また、「配置制限数」を設けずに、「足軽数」の全ての足軽をゲーム空間上に配置するようにしてもよい。
【0050】
「ヒットポイント」は、各敵隊長の耐久力に応じて予め設定されている耐久値であり、攻撃を受けることで減少していく。なお、攻撃により減少する値は、攻撃を行っているキャラクタの攻撃力などから所定の演算により算出される。プレイヤキャラクタ等の攻撃によって「ヒットポイント」がゼロになると、当該敵隊長は倒される。
【0051】
「攻撃力」は、敵隊長毎に予め設定されている。「攻撃力」が大きいほど、攻撃を受けたキャラクタのヒットポイントが大きく減少されるので、より大きなダメージを与えることができる。「攻撃力」は、所定の場合に変化する。例えば、武器などの所定のアイテムを入手した場合は、所定の時間だけ「攻撃力」が増加する。
【0052】
「攻撃半径」は、プレイヤキャラクタなどに攻撃を行う攻撃範囲を規定するためのものである。例えば、敵隊長Aの場合、プレイヤキャラクタとの距離が100以下の場合に攻撃を行い、100より大きい場合は攻撃を行わない。
【0053】
図6は、足軽の各パラメータ値が設定されるテーブルの一例を説明するための図である。
【0054】
足軽の各パラメータ値の初期値は、所属する敵大隊の敵隊長毎に予め設定されており、同じ敵隊長の敵大隊に所属する場合は同じ値となる。同図(a)は、足軽の各パラメータ値の初期値が設定された足軽初期値テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、足軽初期値テーブルには所属する敵大隊の敵隊長毎に、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値の初期値が設定されている。各パラメータ値の項目については、図5に示す敵隊長テーブルの項目と同様なので、説明を省略する。
【0055】
足軽は、所属する敵大隊の敵隊長が撮像範囲に入っていると判断された場合にのみ、ゲーム空間上に配置される。ゲーム空間上に配置された足軽には、同図(a)に設定されている各パラメータ値の初期値に基づいて、パラメータ値が設定される。同図(b)は、ゲーム空間上に配置された足軽の各パラメータ値が設定された足軽テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、足軽テーブルには仮想ゲーム空間上に配置された足軽毎に、「所属」、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」などのパラメータ値が設定されている。「所属」は、当該足軽がどの敵隊長の敵大隊に所属しているかを示すものである。その他の項目については、図5に示す敵隊長テーブルの項目と同様なので、説明を省略する。
【0056】
同図(b)においては、敵隊長Aおよび敵隊長Bが撮像範囲に入っていると判断され、敵隊長Aの足軽10体(足軽A1〜A10)および敵隊長Bの足軽10体(足軽B1〜B10)がゲーム空間上に配置された状態を示している。敵隊長Aの足軽A1〜A10には、同図(a)に示す足軽初期値テーブルに設定されている各パラメータ値の初期値が、各パラメータ値として設定されている。すなわち、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」のパラメータ値として、それぞれ、「50」、「50」、「100」が設定されている。また、敵隊長Bの足軽B1〜B10については、「ヒットポイント」、「攻撃力」、「攻撃半径」のパラメータ値として、それぞれ、「50」、「40」、「100」が設定されている。
【0057】
足軽が攻撃を受けた場合、「ヒットポイント」は減少する。攻撃により「ヒットポイント」が減少してゼロになると、当該足軽は倒される。この場合、当該足軽は上述のように倒れる動作(モーション)を行って地面に倒れ、その後に徐々に表示が薄くなってゲーム空間上から消去される。その際、足軽テーブルからは消去されて、行動制御も終了される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「足軽数」および「配置足軽数」(図5参照)は減少する(更新される)。例えば、足軽A1が倒された場合、足軽テーブルから足軽A1が消去されて、敵隊長Aの「足軽数」が「50」から「49」に更新される。また、足軽10体がゲーム空間に配置されたことで「10」になっていた「配置足軽数」が「9」に更新される。
【0058】
足軽が撮像範囲から外れた場合、当該足軽はゲーム空間上および足軽テーブルから消去されて、行動制御も終了される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「配置足軽数」は減少する(更新される)が、「足軽数」は減少しない(更新されない)。例えば、足軽A1が撮像範囲から外れた場合、足軽10体がゲーム空間に配置されたことで「10」になっていた「配置足軽数」が「9」に更新される。
【0059】
本実施形態では、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合でも、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽は、ゲーム空間上から消去されず、同図(b)に示す足軽テーブルからも消去されない。敵隊長が撮像範囲から外れると同時に、それまでゲーム画面に表示されていた足軽が突然消滅するのは不自然なので、この場合でも各足軽が撮像範囲から外れるまでは消滅しないこととし、制御を継続することとした。なお、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上から消去されるようにしてもよい。また、敵隊長が撮像範囲から外れたと判断された場合でも、当該敵隊長の敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上から消去されないが、これらの足軽を当該敵隊長の敵大隊から切り離した存在とする(同図(b)に示す足軽テーブルにおいて、「所属」のパラメータ値を、例えば「所属なし」とする。)ようにしてもよい。この場合は、足軽は敵大隊に所属していないことになるため、当該敵隊長の「配置足軽数」(図5参照)は「10」→「0」になる。また、切り離された足軽が倒された場合でも、当該敵隊長の「足軽数」(図5参照)は減少しない(更新されない)ようになる。
【0060】
上記のように、足軽の各パラメータ値は当該足軽がゲーム空間上に配置されている間のみ更新され、当該足軽がゲーム空間上から消去された場合(倒された場合や撮像範囲から外れた場合、)は、同図(b)に示す足軽テーブルから当該足軽のデータが消去される。すなわち、ある足軽が撮像範囲から外れた後に配置される足軽は、各パラメータ値に初期値が設定された別の足軽である。例えば、足軽A1が撮像範囲から外れた場合は足軽テーブルから足軽A1のデータが消去され、その後に別の足軽が配置された場合、足軽テーブルに足軽A11のデータ(各パラメータ値は初期値となる)が追加される。なお、足軽が撮像範囲から外れた場合、当該足軽がゲーム空間上から消去された後もパラメータ値を記憶しておき、その後に配置される足軽のデータとして記憶されていたパラメータ値を設定するようにしてもよい。
【0061】
次に、本実施形態のハード構成について説明する。
【0062】
図7は、本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。ゲーム装置1は、本体11、操作コントローラ12、およびモニタ13を備えている。操作コントローラ12およびモニタ13は、専用のケーブルによって本体11に接続されている。本体11には、ゲームプログラムやゲームデータが記録されているディスク14が装着され、また、必要に応じてゲームデータを保存するためのメモリカード15も装着される。
【0063】
本体11は、制御部111、描画処理部112、音声処理部113、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117を備える。制御部111には、描画処理部112、音声処理部113、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117が接続されている。また、I/Oインターフェース部116には、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、操作コントローラ12、およびモニタ13が接続されている。
【0064】
ゲーム装置1では、上記アクションゲームのソフトウェアが記録されたディスク14がディスクドライブユニット114に装着され、このディスクドライブユニット114からディスク14内のゲームプログラムおよびゲームデータが制御部111内のRAM111c(後述)に読み込まれる。読み込まれたゲームプログラムがCPU111a(後述)によって実行されることにより、プレイヤはゲーム内容を楽しむことができる。プレイヤは、操作コントローラ12の操作部材12a〜12c(後述)を操作することによりプレイヤキャラクタを操作し、ゲームを進行させることができる。
【0065】
ディスク14内のゲームデータには、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタ、背景などの画像データ、効果音などの音声データ、および、ゲーム進行や描画の際に参照される各種テーブルなどが含まれる。
【0066】
制御部111は、本体11の全体動作を制御するマイクロコンピュータを有している。マイクロコンピュータは、CPU111a、ROM111b、およびRAM111c等からなり、各部は、それぞれバスラインで接続されている。
【0067】
CPU111aは、ディスクドライブユニット114によってディスク14からRAM111cに読み込まれるゲームプログラムを実行することより、ゲーム進行を統括的に制御する。より具体的には、操作コントローラ12からプレイヤが操作することによる操作信号が入力されると、CPU111aは、ゲームプログラムにしたがってその操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行う。CPU111aは、その処理結果をモニタ13に例えば三次元画像によって表示するとともに、モニタ13のスピーカ13a(後述)から効果音などによって出力する。
【0068】
本実施形態において、CPU111aは、敵大隊がゲーム画面に表示されるか否か(すなわち、敵大隊が撮像範囲に入っているか否か)の判断を行なう。具体的には、上述したように、敵大隊の敵隊長が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かを判断する。また、CPU111aは、敵大隊がゲーム画面に表示されると判断した場合、当該敵大隊に所属する足軽をゲーム空間上に配置し、敵隊長および各足軽の行動を個別に制御する。また、CPU111aは、ゲーム空間上に配置された足軽がゲーム画面に表示されるか否か(すなわち、当該足軽が撮像範囲に入っているか否か)の判断を行なう。CPU111aは、当該足軽がゲーム画面に表示されないと判断した場合、当該足軽をゲーム空間上から消去して、当該足軽の行動制御を終了する。CPU111aで実行される敵隊長および足軽の行動処理については後述する。
【0069】
ROM111bには、ディスクローディング機能等のゲーム装置1の基本的な機能やディスク14に記録されたゲームプログラムおよびゲームデータを読み出す手順等を示す基本プログラムが記憶されている。CPU111aは、ディスクドライブユニット114にディスク14が装着されると、ROM111bの基本プログラムにしたがってディスクドライブユニット114を動作させ、ディスク14からゲームプログラムおよびゲームデータをRAM111cに読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
【0070】
RAM111cは、ディスクドライブユニット114によってディスク14から読み込まれたゲームプログラムやゲームデータが格納されるエリアと、CPU111aがゲームプログラムを実行するためのワークエリアとを提供するものである。
【0071】
上記ゲームプログラムは、複数のプログラムが組み合わされて構成されており、例えばモニタ13に表示されているプレイヤキャラクタの動作を操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づいて制御するゲーム進行プログラムやモニタ13に表示すべき三次元画像を制御するグラフィック制御プログラム等によって構成されている。
【0072】
本実施形態において、RAM111cは、敵隊長テーブル(図5参照)、足軽初期値テーブル(図6(a)参照)、および足軽テーブル(図6(b)参照)をゲームデータとして格納している。
【0073】
CPU111aは、操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づき、必要に応じてディスク14からゲームプログラムや画像データ等をRAM111cに読み込み、これらのデータを処理したりゲームプログラムを実行したりすることにより、モニタ13に表示すべき三次元画像の内容を決定する。
【0074】
描画処理部112は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、例えば、1/60秒毎に、描画処理部112に描画指令を出力する。このとき、CPU111aは、モニタ13に表示すべき画像を決定し、その画像の描画に必要な画像データ(キャラクタなどのオブジェクトのポリゴンデータ、および背景データ)、および光源データ等をRAM111cから読み出して描画処理部112に供給する。また、CPU111aは、各キャラクタの位置データや、操作コントローラ12から入力される操作信号を描画処理部112に供給する。
【0075】
描画処理部112は、CPU111aから供給される画像データ等および操作信号に基づいて、描画に必要なデータ(各オブジェクトおよび背景の位置関係、モニタ13の画面上における各オブジェクトを構成するポリゴンの座標、各ポリゴンに対応するテクスチャ、並びに各ポリゴンの反射特性等のデータ)を演算し、その演算結果に基づいて描画処理部112内のVRAM(図示せず)に1コマ(1フレーム)の表示画面の画像データを作成する。作成された表示画面の画像データは、例えば、1/60秒毎に映像信号としてモニタ13に出力されて表示される。
【0076】
音声処理部113は、効果音等の音声を発生させる処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、モニタ13のスピーカ13aから出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定すると、音声処理部113に音声指令を出力する。音声処理部113は、CPU111aからの音声指令に基づき、RAM111cから効果音もしくはBGMの音声データを読み出し、所定の加工処理とD/A変換処理とを施した後、スピーカ13aに出力する。
【0077】
ディスクドライブユニット114は、CPU111aからのローディング指令(ローディングすべきゲームプログラムとゲームデータを指定した読出指令)に基づき、ディスク14に記録されたゲームプログラムやゲームデータを読み出すものである。
【0078】
メモリカード接続ユニット115は、ゲーム進行に関する情報をメモリカード15に書き込んだり、読み出したりするためのユニットである。CPU111aは、ゲーム進行中やゲーム終了時にプレイヤから「データのセーブ」が指令されると、メモリカード接続ユニット115を介してメモリカード15に、ゲーム進行に関する情報(この情報には、例えば、プレイヤが設定したゲームキャラクタの種類、獲得したポイントやアイテムなどの各種の特典などの情報が含まれる。)を記憶する。また、メモリカード15に記憶されたゲーム進行に関する情報は、ゲーム開始前にRAM111cに読み出される。
【0079】
I/Oインターフェース部116は、ディスクドライブユニット114やメモリカード接続ユニット115によって読み出されたゲームプログラムやゲームデータ、および操作コントローラ12からの操作信号等を制御部111に伝送したり、制御部111、描画処理部112や音声処理部113からの映像信号や音声信号等をモニタ13に伝送したりするものである。
【0080】
通信処理部117は、ネットワークを介して他のゲーム装置1と通信を行う場合に、データの送信および受信を行うための制御を行うものである。通信処理部117は、操作コントローラ12から入力される操作信号やCPU111aから出力される信号をネットワークを介して他のゲーム装置1に送信し、ネットワークを介して他のゲーム装置1から送信される信号を受信してCPU111aに入力する。
【0081】
操作コントローラ12は、キャラクタを動作させたり、ゲームに関する各種の設定を行ったりするためにプレイヤによって操作されるものであり、複数のボタン12aと左レバー12bと右レバー12cとを有する。プレイヤによって操作コントローラ12が操作されると、その操作信号が制御部111に伝送され、モニタ13に表示されたキャラクタが所定の動作を行う。所定の動作としては、例えば、走る、しゃがむ、ジャンプする等の移動動作や武器を使用して相手を攻撃する攻撃動作がある。移動動作は、主に左レバー12bによって操作され、攻撃動作は主に複数のボタン12aおよび右レバー12cによって操作される。
【0082】
モニタ13は、本体11から送られてきた映像信号に応じてゲーム進行状態を示す表示画面を映し出したり、本体11から送られてきた音声信号に応じてスピーカ13aから効果音等の音声を出力させたりするための装置である。モニタ13は、映像信号や音声信号を入力するための外部入力端子を備えた、例えばテレビジョン受像機によって構成されている。
【0083】
ディスク14は、例えばDVD−ROM又はCD−ROM等の光ディスクである。ディスク14には、ゲームプログラムやそのゲームプログラムの実行に必要な種々のデータや画像データが記録されている。メモリカード15は、例えばフラッシュメモリ等のデータの書き換えが可能な不揮発性の記録媒体である。RAM111cのワークエリアの記録は、ゲーム装置本体11の電源を切ると消滅してしまうことから、メモリカード15は、RAM111cのワークエリアの記録のうち消滅させずに残しておくべきゲーム進行に関する情報を記録する。
【0084】
ゲーム装置1は、ネットワークアダプタ16を介して、インターネット回線などのネットワーク回線2に接続することができる。この場合、ネットワーク回線2を介して、複数のゲーム装置1間でゲームを行うこともできる(いわゆる「オンラインゲーム」)。本実施形態では、ゲーム装置1単独で行うゲームについて説明しているが、このようなオンラインゲームでも本発明を適用することができる。
【0085】
次に、敵大隊の行動処理について、図8ないし図10を参照して説明する。
【0086】
上述したように、敵大隊の行動処理は、敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っていないと判断されている間は敵隊長の行動のみの処理となり、敵隊長が撮像範囲に入っていると判断されている間は敵隊長および各足軽の個別の行動の処理となる。すなわち、敵隊長の行動処理は敵隊長がゲーム空間上に配置されている間常に実行され、足軽の行動処理は所属する敵大隊の敵隊長が撮像範囲に入っていると判断され、足軽がゲーム空間上に配置されている間のみ実行される。
【0087】
図8は、敵隊長の大隊に属する足軽の配置を行なう処理(以下、「足軽設定処理」という。)を説明するためのフローチャートである。足軽設定処理は、CPU111aによって実行される。足軽設定処理は、敵隊長が撮像範囲に入ったときに大隊に属する足軽をゲーム空間上に配置する処理であり、敵隊長毎に実行されるものである。また、足軽設定処理は、合戦開始時に処理が開始され、敵隊長が倒されたとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)に処理が終了される。
【0088】
まず、敵大隊(敵隊長)が撮像範囲に入っているか否かが判断される(S1)。当該判断は、上述したように、敵隊長が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かで判断される。
【0089】
敵隊長が撮像範囲に入っていない場合(S1:NO)、ステップS1に戻る。すなわち、敵隊長が撮像範囲に入るまで、ステップS1の判断が継続される。ステップS1において、敵隊長が撮像範囲に入っている場合(S1:YES)、足軽配置処理がされ(S2)、ステップS1に戻る。すなわち、敵隊長が撮像範囲に入っている間だけ、足軽配置処理が行われる。足軽配置処理は、ゲーム空間上に配置されている足軽の数(図5の敵隊長テーブルに示す「配置足軽数」参照)が「配置制限数」を超えないように、「足軽数」を限度として、敵隊長の周囲に足軽を配置する処理である。また、足軽テーブル(図6(b)参照)に、新たに配置された足軽を追加し、各パラメータ値として初期値を設定する。なお、「足軽数」が配置制限数未満になった場合は、「配置足軽数」が不足しても、「足軽数」を超える足軽が配置されることはない。例えば、敵隊長が撮像範囲に入っている間において、ゲーム空間上に配置された足軽が敵に倒される等してゲーム空間内に存在するキャラクタ数が「配置制限数」未満となった場合、「配置足軽数」も減少しているので、「足軽数」を限度として新たに足軽がゲーム空間上に配置される。
【0090】
足軽が撮像範囲から出たとき、または、足軽がプレイヤキャラクタなどに倒されたとき、当該足軽を消去する足軽消去処理(図示しない)が行われる。足軽消去処理は、ゲーム空間上に配置されている足軽を消去する処理、足軽テーブル(図6(b)参照)から、対応する足軽を消去する処理などからなる。
【0091】
次に、敵隊長の行動処理について説明するが、敵隊長の行動処理は敵隊長に設定されている行動タイプによって異なるので、代表して「占領型」の敵隊長の行動処理について説明する。
【0092】
図9は、「占領型」の敵隊長の行動処理(以下、「占領型敵隊長行動処理」という。)を説明するためのフローチャートである。占領型敵隊長行動処理は、CPU111aによって実行される。占領型敵隊長行動処理は、「占領型」の敵隊長の行動(後述する「攻撃行動」、「占領行動」、「移動行動」)を決定するための処理である。占領型敵隊長行動処理は、「占領型」の敵隊長毎に実行される処理であり、「占領型」の敵隊長がゲーム空間に配置されたとき(すなわち、合戦開始時、または、行動タイプが他のものから「占領型」に変化したとき)に開始され、当該敵隊長が倒されたとき、当該敵隊長の行動タイプが他のものに変化したとき、または、合戦終了時(ステージクリア時)に終了される。
【0093】
まず、合戦場に占領可能な陣が存在するか否かが判別される(S11)。占領可能な陣とは味方陣であり、味方の陣大将を倒すことによって占領可能であり、占領後は敵陣となる。占領可能な陣が存在しない場合(S11:NO)、すなわち、全ての陣が敵陣となっている場合、行動タイプ変更処理がされ(S12)、当該占領型敵隊長行動処理は終了される。行動タイプ変更処理は、敵隊長に設定されている行動タイプを他の行動タイプ(例えば、「突撃型」または「巡回型」)に変更する処理である。いずれの行動タイプに変更するかは、それぞれの行動タイプの敵隊長の数や総大将の性格などに応じて決定される。
【0094】
一方、占領可能な陣が存在する場合(S11:YES)、占領目標とする陣を設定する(S13)。本実施形態では、占領目標とする陣を、占領可能な陣のうち一番近い陣としている。なお、占領目標とする陣の決定方法はこれに限られず、例えば、戦略的に有利な陣を占領目標とするようにしてもよい。
【0095】
次に、敵隊長が撮像範囲(図3参照)に入っており、かつ、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っているか否かが判別される(S14)。なお、ステップS14の判別処理は、1フレーム毎に実行される。敵隊長が撮像範囲に入っており、かつ、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っている場合(S14:YES)、「攻撃行動」が選択され(S15)、ステップS14に戻る。すなわち、ステップS14の条件を満たす間、敵隊長に「攻撃行動」を行わせるための処理が行われる。「攻撃行動」とは、攻撃範囲に入ったプレイヤキャラクタなどに対して攻撃を行う行動である。「攻撃行動」中は、敵隊長が攻撃範囲に入ったプレイヤキャラクタなどに対して攻撃を行うように制御される。
【0096】
一方、ステップS14において、敵隊長が撮像範囲に入っていないか、または、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っていない場合(S14:NO)、占領目標とした陣が占領可能な距離に有るか否か、すなわち、敵隊長の位置と占領目標とした陣の位置(例えば、陣の中心位置)との距離が所定の距離以下となったか否かが判別される(S16)。占領目標とした陣が占領可能な距離に有る場合(S16:YES)、「占領行動」が選択され(S17)、占領目標とした陣が占領されたか否か、すなわち、当該陣が敵陣となったか否かが判別される(S18)。占領目標とした陣が占領されていない場合(S18:NO)、ステップS14に戻る。すなわち、占領目標とした陣が占領可能な距離に有り(S16:YES)、かつ、当該陣が占領されていない(S18:NO)間、敵隊長に「占領行動」を行わせるための処理が行われる。
【0097】
「占領行動」とは、占領目標とした陣を占領する行動である。「占領行動」中、敵隊長が撮像範囲に入っている場合は、味方陣の陣大将を攻撃して倒し、当該陣を占領して敵陣とするように制御される。一方、敵隊長が撮像範囲に入っていない場合は、敵隊長に設定されている各パラメータ値(図5参照)と味方陣の陣大将に設定されている各パラメータ値とに基づいて、戦闘を行っているかのような処理がなされ、合戦図MAP(図2参照)上の味方陣が敵陣に変化する(白抜きの陣が点描している陣に変化する)。なお、敵隊長が撮像範囲に入っている状態の「占領行動」中に、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S14:YES)は、「占領行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。
【0098】
ステップS16において、占領目標とした陣が占領可能な距離にない場合(S16:NO)、「移動行動」が選択され(S19)、占領目標とした陣が占領されたか否か、すなわち、当該陣が敵陣となったか否かが判別される(S18)。占領目標とした陣が占領されていない場合(S18:NO)、ステップS14に戻る。すなわち、占領目標とした陣が占領可能な距離になく(S16:NO)、かつ、当該陣が占領されていない(S18:NO)間、敵隊長に「移動行動」を行わせるための処理が行われる。
【0099】
「移動行動」とは、占領目標とした陣に向かって移動する行動である。「移動行動」中、敵隊長が撮像範囲に入っていない場合は、合戦図MAP(図2参照)上の当該敵隊長の大隊を示すアイコンが移動する。一方、敵隊長が撮像範囲に入っている場合は、当該敵隊長が占領目標とした陣に向かって移動しているように制御される(合戦図MAP上の当該敵隊長の大隊を示すアイコンも移動する)。なお、敵隊長が撮像範囲に入っている状態の「移動行動」中に、敵隊長の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S14:YES)は、「移動行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。また、「移動行動」中に占領目標とした陣を占領可能な距離に到達した場合(S16:YES)は、「移動行動」が中止され、「占領行動」が開始される。
【0100】
ステップS18において、占領目標とした陣が占領されている場合(S18:YES)、すなわち、「占領行動」により当該陣を占領した場合、または、「移動行動」中に他の敵大隊が当該陣を占領した場合、ステップS11に戻って、新たな占領目標とする陣を設定する。
【0101】
図10は、足軽の行動処理(以下、「足軽行動処理」という。)を説明するためのフローチャートである。足軽行動処理は、CPU111aによって実行される。足軽行動処理は、足軽の行動(「攻撃行動」、「移動行動」)を決定するための処理である。足軽行動処理は、ゲーム空間上に配置された足軽毎に実行される処理であり、図示していないが、足軽がゲーム空間上に配置されたとき(図8のステップS2)に開始され、当該足軽が倒されたとき(図6(b)に示す足軽テーブルの「ヒットポイント」がゼロとなったとき)、当該足軽が撮像範囲から出てゲーム空間上から消去されたとき、または、合戦終了時に終了される。なお、敵隊長が撮像範囲から外れたときにゲーム画面に表示されている足軽については、ゲーム空間上に配置されたままなので、足軽行動処理が継続する。
【0102】
まず、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っているか否かが判別される(S21)。なお、ステップS21の判別処理は、1フレーム毎に実行される。足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っている場合(S21:YES)、「攻撃行動」が選択され(S22)、足軽が撮像範囲に入っているか否か、すなわち、上述したように、当該足軽が仮想スクリーン上に位置しているか否か、および、当該足軽と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かが判断される(S23)。足軽が撮像範囲に入っている場合(S23:YES)、ステップS21に戻る。すなわち、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っており(S21:YES)、かつ、足軽が撮像範囲に入っている(S23:YES)状態が継続している間、足軽に「攻撃行動」を行わせるための処理が行われる。「攻撃行動」は、占領型敵隊長行動処理におけるもの(図9のステップS15参照)と同様なので、説明を省略する。
【0103】
一方、ステップS21において、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っていない場合(S21:NO)、「移動行動」が選択され(S24)、足軽が撮像範囲に入っているか否かが判別される(S23)。足軽が撮像範囲に入っている場合(S23:YES)、ステップS21に戻る。すなわち、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入っておらず(S21:NO)、かつ、足軽が撮像範囲に入っている(S23:YES)状態が継続している間、足軽に「移動行動」を行わせるための処理が行われる。「移動行動」とは、所属する敵大隊の敵隊長に追従して移動する行動である。「移動行動」中は、足軽が敵隊長に追従して移動している映像が表示される。なお、「移動行動」中に、足軽の攻撃範囲にプレイヤキャラクタなどが入った場合(S21:YES)は、「移動行動」が中止され、「攻撃行動」が開始される。
【0104】
ステップS23において、足軽が撮像範囲から外れた場合(S23:NO)、当該足軽がゲーム画面に表示されないと判断され、さらに図示しないが足軽がゲーム空間から消去され、制御を行なう必要がないので、足軽行動処理が終了される。この場合、当該足軽は足軽テーブル(図6(b)参照)から消去される。また、当該足軽が所属する敵大隊の敵隊長の「配置足軽数」(図5参照)は減少されるが、「足軽数」(図5参照)は減少されない。
【0105】
本実施形態によると、敵大隊の敵隊長が撮像範囲内であるか否かが判別され、撮像範囲内であると判別された場合には当該敵大隊が撮像範囲に入っていると判断される。この場合にのみ、当該敵大隊に所属する足軽がゲーム空間上に配置され、敵隊長および各足軽の行動が個別に制御される。一方、足軽が撮像範囲内であるか否かが判別され、撮像範囲外であると判別された場合には、当該足軽がゲーム空間上から消去され、当該足軽の行動の制御が終了される。すなわち、ゲーム画面に表示される足軽の行動のみが個別に制御され、ゲーム画面に表示されない足軽の行動は制御されない。
【0106】
したがって、ゲーム空間上に存在する敵大隊の数や各敵大隊に属する足軽の数が多い場合でも、すべての足軽の行動を個別に制御する必要がないので、ゲーム装置の処理負荷の増大を抑制することができる。
【0107】
なお、上記実施形態では、敵隊長が常にゲーム空間上に配置されている場合について説明したが、これに限られない。足軽同様、敵隊長もゲーム画面に表示される場合のみゲーム空間上に配置して制御を行うようにしてもよい。すなわち、敵隊長および足軽が、所定の条件が満たされた時にゲーム空間上に配置され、別の所定の条件が満たされた時にゲーム空間上から消去されるようにしてもよい。具体的には、敵大隊を敵隊長および足軽とは異なるキャラクタ(以下、「敵大隊キャラクタ」という。)として設定し、当該敵大隊キャラクタが撮像領域内に入ったときに、当該敵大隊キャラクタがゲーム空間上から消去されて制御が終了され、敵隊長および足軽がゲーム空間上に配置されて個別に制御が開始され、敵隊長(または、所定の足軽)が撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽がゲーム空間上から消去されて制御を終了され、敵大隊キャラクタがゲーム空間上に配置されて制御が開始されるようにしてもよい。この場合、「敵大隊キャラクタ」が、本発明の「所定オブジェクト」に対応するものであり、「敵隊長」および「足軽」が、本発明の「複数のオブジェクト」に対応し、「敵隊長」または「足軽」が、本発明の「特定のオブジェクト」に対応するものである。なお、この場合、敵隊長(または、所定の足軽)が撮像領域外に出たときではなく、敵隊長または足軽のいずれかが撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽の消去と敵大隊キャラクタの配置が行われるようにしてもよい。また、敵隊長およびすべての足軽が撮像領域外に出たときに、敵隊長および足軽の消去と敵大隊キャラクタの配置が行われるようにしてもよい。
【0108】
なお、上記実施形態では、敵大隊の行動処理について説明したが、これに限られない。例えば、味方の大隊(以下、「味方大隊」という。)の行動処理についても、本発明を適用することができる。すなわち、味方大隊の隊長(以下では、「味方隊長」という。)が撮像範囲内にある場合は、当該味方大隊に所属する足軽をゲーム空間上に配置して個別に制御し、足軽が撮像範囲外にある場合は、当該足軽がゲーム空間上から消去され、当該足軽の行動の制御が終了されるようにしてもよい。また、陣大将(敵および味方いずれも)および足軽からなる集団の行動処理についても、本発明を適用することができる。
【0109】
なお、上記実施形態では、敵隊長が撮像範囲に入ったときに足軽が配置されて制御が開始され、当該足軽が撮像範囲から出たときに当該足軽が消去されて制御が終了する場合について説明したが、配置および消去のタイミングはこれに限られない。例えば、敵隊長が撮像範囲に入ってから所定時間が経過した場合に足軽が配置されて制御が開始され、当該足軽が撮像範囲から出てから所定時間が経過した場合に当該足軽が消去されて制御が終了するようにしてもよい。また、敵隊長が撮像範囲から出てから所定時間が経過した場合に、足軽が消去されて制御が終了するようにしてもよい。
【0110】
なお、上記実施形態では、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを、当該敵隊長が仮想スクリーン上に投影されるか否かと、当該敵隊長と仮想カメラとの距離が所定距離内であるか否かとによって判断したが、これに限られない。例えば、敵隊長がゲーム空間上の撮像範囲(図3の斜線部分参照)内であるか否かを直接判断するようにしてもよい。また、撮像範囲を三次元仮想ゲーム空間の上方から見た二次元の撮像領域を設定し、敵隊長が当該撮像領域内であるか否かで判断するようにしてもよい。
【0111】
図11は、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを判断する別の手法を説明するための図であり、三次元仮想ゲーム空間を上方から見た(三次元仮想ゲーム空間上に設定されている三次元直交座標系のY軸の負の方向に見た)状態を示している。同図左上の座標系を示す図において、Y軸は手前側が正の方向であることを示している。撮像範囲(図3参照)を三次元仮想ゲーム空間のXZ平面に投影した領域(図11において斜線を付した領域)を撮像領域として設定している。撮像領域は、半径L0で仮想カメラの光軸を中心とした所定角度θ(例えば45度)を中心角とする扇型の領域となる。敵隊長の位置座標(例えば重心等の代表点)のX座標およびZ座標が当該撮像領域内に有るか否かで、敵隊長が撮像範囲内であるか否かを判断する。
【0112】
同図において、点A,B,Cはゲーム空間における敵隊長A,B,Cの代表点の位置座標(X座標とZ座標のみ)を示している。点Aおよび点Bは撮像領域内に有るので、敵隊長A,Bの位置座標は撮像範囲内であると判断され、点Cは撮像領域内にないので敵隊長Cの位置座標は撮像範囲外であると判断される。なお、敵大隊Bは障害物OBJの影に隠れるので、実際にはゲーム画面に表示されない場合がある。この場合、敵隊長Bの位置座標が撮像範囲内であると判断するようにしてもよいし、撮像範囲外であると判断するようにしてもよい。
【0113】
なお、撮像範囲をXZ平面に投影した領域より広い領域を撮像領域としてもよい。例えば、撮像領域を仮想カメラを中心とした所定半径の円内の領域としてもよい。この場合、ゲーム画面に表示されない、プレイヤキャラクタの背後に存在する敵大隊についても足軽の行動が個別に制御され、プレイヤキャラクタの背後から攻撃を仕掛けるようにすることもできる。
【0114】
なお、実施されるゲームが二次元の仮想ゲーム空間上で進行する場合は、ゲーム画面に表示されている領域内に敵隊長の位置座標が有るか否かで判断すればよい。
【0115】
なお、上記実施形態においては、敵隊長等のキャラクタが撮像範囲内であるか否かの判断において、キャラクタと仮想カメラとの距離が所定距離内であることを条件としているが、これを条件としなくてもよい。
【0116】
なお、上記実施形態においては、敵大隊(集団)が一人の敵隊長と複数の足軽によって構成されている場合について説明したが、敵大隊(集団)の構成はこれに限られない。例えば、敵大隊が複数の足軽のみによって構成されていてもよいし、複数の敵隊長と複数の足軽によって構成されていてもよい。すなわち、本発明における集団は、複数のキャラクタによって構成されるものすべてを含んでいる。また、集団を1つのキャラクタとみなすこともできるので、複数の集団によって構成されている集団も本発明における集団に含まれる。
【0117】
図12は、集団A1と集団A2とによって構成される集団Aを示している。集団A1は隊長a1および複数の部下(図示しない)によって構成されており、集団A2は、隊長a2および複数の部下(図示しない)によって構成されている。この場合、集団A1および集団A2は本発明の集団に該当するし、集団A1および集団A2がそれぞれ1つのキャラクタとして制御される場合(または、隊長a1および隊長a2をそれぞれ集団A1および集団A2として制御する場合)は、集団Aも本発明の集団に該当する。
【0118】
なお、上記実施形態においては、複数のキャラクタによって構成された集団に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、ミサイルや転がってくる岩などのオブジェクトはその動きを制御する必要があるので、これらの複数のオブジェクトによって構成された集団にも本発明を適用することができる。
【0119】
なお、上記実施形態においては、敵隊長が撮像範囲に入ったときに当該敵隊長の周囲に足軽が配置されて、配置された足軽のうち撮像範囲外のものは消去されて、別の足軽が配置されることになる。しかし、敵隊長が撮像範囲に入ったときに配置される足軽は、当該敵隊長の周囲で、かつ、撮像範囲内の位置に配置されるようにしてもよい。また、配置された足軽が撮像領域外であっても消去されず、当該敵隊長が撮像領域外に出たときに消去されるようにしてもよい。この場合、ゲーム空間上(撮像領域外でも)に配置された足軽は、当該敵隊長が撮像領域外に出るまでゲーム空間上に存在し行動を制御される。
【0120】
なお、上記実施形態では、あるアクションゲームを例として説明したが、これに限られない。本発明は、他のアクションゲームにも適用することができる。他のアクションゲームにおいては、いわゆる「ボスキャラ」が上記「敵隊長」に相当し、いわゆる「ザコキャラ」が上記「敵の足軽」に相当する。
【0121】
また、上記実施形態では、アクションゲームを例に説明したが、これに限られない。例えば、シューティングゲームや格闘ゲームなどの、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームにおいても、本発明を適用することができる。また、本発明は、複数のプレイヤの操作するキャラクタ若しくはCPUの制御するキャラクタがチームを組んで協同して敵キャラクタと対戦するようなゲームや、敵キャラクタとしての他のプレイヤの操作するキャラクタと対戦するようなゲームにも適用することができる。
【0122】
また、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームでなくても、ゲーム空間上に複数のキャラクタによって構成される集団が存在するゲームであれば、本発明を適用することができる。特に、集団の数や集団に属するキャラクタの数が多い場合、本発明がより有効と成る。例えば、アドベンチャーゲームにおいて、集団で行動する複数のキャラクタがゲーム空間上に存在し、これらのキャラクタがゲーム画面に表示されているときには個別に行動する場合などにも、本発明を適用することができる。
【0123】
上記実施形態では、家庭用ゲーム装置でゲームを実施する場合について説明したが、これに限られない。本発明は、ゲームが実施されるゲーム装置の種類に限定されず適用することができ、例えば、携帯型ゲーム装置、アーケードゲーム装置、および、ゲームソフトが搭載されているパーソナルコンピュータ等でゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0124】
上記実施形態では、ゲーム装置1を単独で用いる場合について説明したが、これに限られない。本発明は、複数のゲーム装置1をケーブルあるいは無線通信により接続したり、ゲーム装置1をゲームサーバにネットワーク回線2で接続したり、ゲーム装置1同士をネットワーク回線2でP2P接続することにより、複数のゲーム装置1で同時にゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0125】
本発明に係るゲーム装置、プログラム、および記録媒体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置、プログラム、および記録媒体の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0126】
1 ゲーム装置
11 本体
111 制御部
111a CPU(集団制御手段、第1判別手段、第2判別手段、表示制御手段)
111b ROM
111c RAM
112 描画処理部(表示制御手段)
113 音声処理部
114 ディスクドライブユニット
115 メモリカード接続ユニット
116 I/Oインターフェース部
117 通信処理部
12 操作コントローラ
13 モニタ(表示装置)
14 ディスク
15 メモリカード
16 ネットワークアダプタ
2 ネットワーク回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、該少なくとも一部のオブジェクトのうち第2条件を満たすオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記少なくとも一部のオブジェクトのそれぞれにおいて、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトそれぞれにおいて前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び前記第2判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、第2条件を満たす場合に、前記制御を開始したオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記一のオブジェクトが前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項3】
前記集団制御手段は、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記他のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのうち特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置すること、を含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項6】
前記集団制御手段は、
前記所定オブジェクトの制御を開始する際、該所定オブジェクトを前記所定領域外に配置し、
前記所定オブジェクトの制御を終了する際、該所定オブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記複数のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する、請求項4または5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、表示装置に前記仮想ゲーム空間上の一部を表示させる表示制御手段として更に機能させ、
前記所定領域は、前記表示装置に表示される前記仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる、
請求項1ないし6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記仮想ゲーム空間は、三次元の仮想空間であり、
前記表示制御手段は、所定の視点位置から前記仮想ゲーム空間上を見たときの画像を前記表示手段に表示させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記所定領域は、前記所定の視点位置を基準とした領域である、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記集団を構成するオブジェクトは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタである、請求項1〜9の何れかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記仮想ゲーム空間上における前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて少なくとも前記所定の視点位置および視線方向を制御する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
請求項1ないし11の何れかに記載のプログラムを実行するゲーム装置。
【請求項1】
コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、該少なくとも一部のオブジェクトのうち第2条件を満たすオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記少なくとも一部のオブジェクトのそれぞれにおいて、前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトそれぞれにおいて前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び前記第2判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、一のオブジェクト及び1以上の他のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において前記一のオブジェクトを制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記他のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始し、第2条件を満たす場合に、前記制御を開始したオブジェクトの制御を終了する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記一のオブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記一のオブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記一のオブジェクトが前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段による判別結果に応じて、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項3】
前記集団制御手段は、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記他のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記少なくとも一部のオブジェクトのいずれかが前記所定領域外に位置することを含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、複数のオブジェクトによって構成される集団を仮想ゲーム空間上で活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記仮想ゲーム空間上において、前記集団を前記複数のオブジェクトまたは前記複数のオブジェクトとは異なる単一の所定オブジェクトで制御する集団制御手段であって、第1条件を満たす場合に、前記仮想ゲーム空間上において前記複数のオブジェクトの少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始するとともに前記所定オブジェクトの制御を終了し、第2条件を満たす場合に、前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了するとともに前記所定オブジェクトの制御を開始する集団制御手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記所定オブジェクトが所定領域内に位置するか否かを判別する第1判別手段と、
前記仮想ゲーム空間上での位置情報に基づいて前記少なくとも一部のオブジェクトのうち特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置するか否かを判別する第2判別手段と、
して機能させ、
前記第1条件は、前記所定オブジェクトが所定領域内に位置することを含み、
前記第2条件は、前記特定のオブジェクトが前記所定領域外に位置すること、を含み、
前記集団制御手段は、前記第1判別手段及び第2判別手段による判別結果に応じて、前記所定オブジェクト及び前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始及び終了する、ためのプログラム。
【請求項6】
前記集団制御手段は、
前記所定オブジェクトの制御を開始する際、該所定オブジェクトを前記所定領域外に配置し、
前記所定オブジェクトの制御を終了する際、該所定オブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を開始する際、予め設定されている前記集団に所属する前記複数のオブジェクトの数である所属数に基づいて、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上に配置し、
前記少なくとも一部のオブジェクトの制御を終了する際、該少なくとも一部のオブジェクトを前記仮想ゲーム空間上から消去する、請求項4または5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、表示装置に前記仮想ゲーム空間上の一部を表示させる表示制御手段として更に機能させ、
前記所定領域は、前記表示装置に表示される前記仮想ゲーム空間上の領域を含んでいる、
請求項1ないし6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記仮想ゲーム空間は、三次元の仮想空間であり、
前記表示制御手段は、所定の視点位置から前記仮想ゲーム空間上を見たときの画像を前記表示手段に表示させる、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記所定領域は、前記所定の視点位置を基準とした領域である、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記集団を構成するオブジェクトは、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタである、請求項1〜9の何れかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記仮想ゲーム空間上における前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて少なくとも前記所定の視点位置および視線方向を制御する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
請求項1ないし11の何れかに記載のプログラムを実行するゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−125419(P2011−125419A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284849(P2009−284849)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
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