説明

ゲーム装置、ゲームの進行方法、及びゲーム進行プログラム

【課題】進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが入力する操作を通じて、プレイヤーが楽曲の演奏会場に観客として参加する仮想体験を提供するゲーム内容を実現するゲーム装置を提供する。
【解決手段】記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生し、また、楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を表示画面の第1の表示部に表示する。正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、表示画面の第2の表示部に表示する。操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定し得点を加算して、プレイの評価結果を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームの進行方法、及びゲーム進行プログラムに関し、特に、進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが入力する操作を通じて、プレイヤーが楽曲の演奏会場に観客として参加する仮想体験を提供するゲーム内容を実現するゲーム装置、ゲームの進行方法、及びゲーム進行プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、流れる音楽に合わせて何らかの操作を行う音楽ゲームが知られている。かかる音楽ゲームは、典型的には、音楽に合わせてコンピュータが、アイコン等の指示標識が流れる指示画像を表示画面に表示し、その指示標識が指示するタイミングで指定する操作(例えば、操作ボタンの押下等)をプレイヤーに行わせ、その操作の巧拙を得点で表すというゲーム内容を提供する(例えば、以下の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−218046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の音楽ゲームは、基本的に、流れる音楽に合わせてコンピュータが指示する指示画像を見て、その指示により忠実な操作を行うほどより高得点が得られるよう構成されている。したがって、従来の音楽ゲームは、プレイ中、コンピュータが特別に生成する指示画像から、操作を指示する情報を視覚により認識すること、その情報に従って手や指を動かして操作ボタン等を操作することを、プレイヤーに強いるものであった。
【0005】
他方、従来技術の音楽ゲームにおいて、プレイヤーが、例えば、再生されるある演奏者の楽曲に合わせて表示される、その演奏者の演奏画像、例えば演奏者の仮想あるいは現実のライブ映像等を見ながら、その楽曲へのプレイヤー自身の“ノリ”に従って自由に入力操作し、その結果を演奏会場にいる観客動作として表示画面に視覚的に表現して楽しむ、というゲームは、これまで存在しなかった。
【0006】
したがって、本発明は、進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが入力する操作を通じて、プレイヤーが楽曲の演奏会場に観客として参加する仮想体験を提供するゲーム内容を実現するゲーム装置、ゲームの進行方法、及びゲーム進行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させる、ゲーム装置であって、複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納する、記憶手段と、前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生する、再生手段と、前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を前記表示画面の第1の表示部に表示する、第1の表示手段と、前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、前記表示画面の第2の表示部に表示する、第2の表示手段と、前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定する評価手段と、評価結果をプレイヤーに対して表示する評価表示手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明において音楽データは、特にこれを限定しないが、個人の歌手もしくは演奏家または歌手もしくは演奏家のグループからなる演奏者が現に演奏した楽曲の一部または全部をデジタル化した音楽データを含むことが好ましい。本発明の性質上、歌手もしくは演奏家からなる演奏者が、現にコンサート会場やライブ会場(以下、「演奏会場」ということがある。)において演奏した楽曲の音源をデジタル化した音楽データを用いることができる。演奏者がスタジオで演奏した楽曲の音源に、コンサート会場やライブ会場における観客の歓声、合いの手の声、手拍子や拍手の音等の別の音源を重ねる等の音響効果を加えた、加工された音楽データであっても良い(以下、これらを「オリジナル音楽データ」ということがある)。さらに、音楽データは、オリジナル音楽データに近似するように情報処理装置を用いて合成した音楽データであっても良い。
【0009】
本発明において演奏画像データとは、好ましくは、個人の歌手もしくは演奏家または歌手もしくは演奏家のグループからなる演奏者が、楽曲を歌唱し、楽器を演奏し、または楽器を演奏しながら歌唱する場面の映像を少なくとも一部に含む画像データをいう。本発明の性質上、演奏者が現実の演奏会場で演奏する場面の映像、あるいは情報処理装置を用いてコンピュータグラフィックス(CG)により描画した仮想の演奏会場において演奏者が演奏する場面の映像とすることができる。また、本発明において観客動作の画像データとは、演奏会場にいる一人または複数の観客が、曲に乗って行うであろう各種の動作、例えば、(ア)手拍子をする、(イ)片手または両手を振り上げる、(ウ)振り上げた手を振り上げたままとする、(エ)手(ペンライトを持っていても良い。)を左右に振る、(オ)手に持ったタオルをまわす、(カ)片手または両手を前後に振る、(キ)上体を上下に揺らす、もしくは(ク)上体を左右に揺らす等の観客の動作、またはこれらの観客の動作を組み合わせたものを、観客を模したキャラクタの身体の一部または全部により表した画像の画像データをいう。この観客動作の画像データは、観客のCGムービーまたはアニメーションにより表現した画像データとすることができるが、特にこれを限定するものではない。
【0010】
上記の本発明に係るゲーム装置における好ましい実施形態において、前記判定手段が、正解譜面データと比較して操作のタイミングが一致しているか否か及び操作の種類が正しいか否かを判定し、前記評価手段が、操作のタイミングの一致に対する重み付けを、操作の種類の正否に対する重み付けよりも大きくした関数を用いて得点を加算することができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記記憶手段は、さらに、ゲーム装置の初期設定においてプレイ制限が設定されている別のゲームのプログラム及びデータを格納しており、前記評価手段が算定した評価結果が所定の基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達している場合、その楽曲に関連づけられた別のゲームについてのプレイ制限設定を解除する解除手段をさらに具備することができる。
【0012】
また、本発明に係るゲームの進行方法は、進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させる、ゲーム装置におけるゲームの進行方法であって、前記ゲーム装置は、記憶手段と、再生手段と、第1の表示手段と、第2の表示手段と、判定手段と、評価手段と、評価表示手段とを備え、前記記憶手段は、複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納しており、前記再生手段により、前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生し、前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を第1の表示手段により前記表示画面の第1の表示部に表示し、前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、第2の表示手段により前記表示画面の第2の表示部に表示し、前記判定手段により、前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定し、前記評価手段により、前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定し、前記評価表示手段により、評価結果をプレイヤーに対して表示すること、を特徴とする。
【0013】
本発明に係るゲーム進行プログラムは、進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させるためにコンピュータを、複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納する、記憶手段と、前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生する、再生手段と、前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を前記表示画面の第1の表示部に表示する、第1の表示手段と、前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、前記表示画面の第2の表示部に表示する、第2の表示手段と、前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定する評価手段と、評価結果をプレイヤーに対して表示する評価表示手段として機能させるためのゲーム進行プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るゲーム装置においては、記憶手段には、複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データが格納されている。したがって、ゲーム装置は、プレイが開始されると、記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して音楽を再生し(例えば、後述するゲーム装置が備える「スピーカーユニット」により出力し)、その音楽の進行に応じた演奏画像を表示画面の第1の表示部(例えば、後述するゲーム装置が備える「上画面」)に表示する。
【0015】
記憶手段には、楽曲のどのタイミングでプレイヤーが操作手段(例えば、後述するゲーム装置が備える「タッチ入力部」または「ボタン入力部」)により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データが格納されている。そして、ゲーム装置は、記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、表示画面の第2の表示部(例えば、後述するゲーム装置が備える「下画面」)に表示する。
【0016】
したがって、本発明に係るゲーム装置によれば、プレイヤーに対して入力操作を指示する従来技術と異なり、プレイヤーは、再生される演奏者の楽曲の音声に合わせて表示画面の第1の表示部に表示されるその演奏者の演奏画像、例えば、ボーカルグループ等の演奏者グループ(以下、「アーティスト」ということがある。)の、仮想あるいは現実のライブ映像等を見ながら、その楽曲へのプレイヤー自身の“ノリ”に従って自由に入力操作し、その結果を演奏会場にいる観客動作として表示画面に視覚的に表現して楽しむことができる。
【0017】
そして、ゲーム装置は、操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定し、その判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定し、その評価結果をプレイヤーに対して表示する。すなわち、本発明によれば、プレイヤーが今プレイした、観客としてのノリが、その楽曲について設定されたノリの一つの模範解答に対して一致した程度が、得点その他の指標によりプレイヤーに提示される。したがって、プレイヤーは、次回はもっとその模範解答に近付けようと、入力操作のタイミングや操作の種類及び順序を様々に工夫しながら、楽曲の音と映像を楽しむゲームが実現される。換言すれば、進行する楽曲の演奏を聞き、映像を見ながら、プレイヤーに対し伏せられている模範解答をプレイヤーが予想して入力操作を行い、高得点を狙う、という音楽ゲームの要素を楽しむことができる。
【0018】
他方で、従来技術の音楽ゲームにおいては、操作が指示する操作の種類と一致しない場合、得点が獲得できないのが一般的である。しかし、そのような従来の評価結果決定システムを、例えば、再生される演奏者の楽曲の音声に合わせて表示される、その演奏者の演奏画像を見ながら、その楽曲へのプレイヤー自身の“ノリ”に従って自由に入力操作し、その結果を演奏会場にいる観客動作として表示画面に視覚的に表現して楽しむという本発明のゲーム装置に適用すると、楽曲へのノリの良さが評価結果に適切に反映されないおそれがある。すなわち、従来の評価結果決定システムを適用した場合、プレイヤーが楽曲のリズムに合わせてテンポ良く入力操作をし、ノリの良さを実感しそれに十分満足しているにもかかわらず、そのようなプレイヤーの感覚から乖離した評価結果しか提示されないおそれがあり、評価結果に対する不満や違和感が生じて、せっかく得られたばかりの楽曲プレイへの満足感が大きく損なわれる可能性がある。
【0019】
これに対し、本発明に係るゲーム装置において、判定手段が、正解譜面データと比較して操作のタイミングが一致しているか否か及び操作の種類が正しいか否かを判定し、評価手段が、操作のタイミングの一致に対する重み付けを、操作の種類の正否に対する重み付けよりも大きくした関数を用いて得点を加算する場合、プレイヤーがプレイした、楽曲へのノリの良さが、評価結果に適切に反映され、折角得られた楽曲プレイへのプレイヤーの満足感がその評価結果によって損なわれずに済むという利点がある。
【0020】
さらに、前記記憶手段は、さらに、ゲーム装置の初期設定においてプレイ制限が設定されている別のゲームのプログラム及びデータを格納しており、前記評価手段が算定した評価結果が所定の基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達している場合、その楽曲に関連づけられた別のゲームについてのプレイ制限設定を解除する解除手段をさらに具備する場合、例えば、得点があるレベル以上になると、プレイ済みの楽曲の音楽データまたは、それとメロディラインとテンポが同様の別に用意された音楽データを利用して、従来の同様の形式の別の音楽ゲーム、すなわち、通常の入力操作の指示表示をプレイヤーに提示する形式の別の音楽ゲームを、プレイヤーがプレイできるようになる、といった拡張されたゲーム進行を、プレイヤーに対し提供することができる。
【0021】
上記した本発明の目的及び利点並びに他の目的及び利点は、以下の実施の形態の説明を通じてより明確に理解される。もっとも、以下に記述する実施の形態は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用したゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したゲーム装置が備えるCPUコアが実行する処理全体の概略を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用したゲーム装置が備える外部記憶装置、及び/またはVRAMに格納される観客動作の画像データの種類と、ゲーム装置のボタン入力部、タッチ入力部における入力操作の種類との対応関係を説明するチャートである。
【図4】本発明を適用したゲーム装置が備えるCPUコアが実行する得点加算処理において用いられる、得点加算用の関数と、操作の入力タイミングの一致不一致と操作の正否との相関を説明するチャートである。
【図5】本発明を適用したゲーム装置が備える外部記憶装置、及び/またはWORK RAMに格納される正解譜面データの一例を説明する、マーカーエディター画面のスクリーンショットである。
【図6】本発明を適用したゲーム装置が備えるCPUコアが実行する、入力正否判定処理、得点加算処理、及び画像表示処理の流れの一具体例を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される、アーティストの仮想ライブの画像(演奏画像)と、下画面(第2の表示部)に表示される観客動作の画像の構成例を示すスクリーンショットである。
【図8】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手拍子する動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図9】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を振り上げる動作)の画像の別の例を示すスクリーンショットである。
【図10】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を左右に振る動作)の画像のさらに別の例を示すスクリーンショットである。
【図11】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(タオルをまわす動作)の画像のさらに別の例を示すスクリーンショットである。
【図12A】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手拍子する動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図12B】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手拍子する動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図12C】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手拍子する動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図13A】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を振り上げる動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図13B】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を振り上げる動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図13C】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を振り上げる動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図14A】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を左右に振る動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図14B】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(手を左右に振る動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図15A】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(タオルをまわす動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【図15B】本発明を適用したゲーム装置が備える画像表示装置の、上画面(第1の表示部)に表示される演奏画像と下画面(第2の表示部)に表示される観客動作(タオルをまわす動作)の画像の一例を示すスクリーンショットである。
【符号の説明】
【0023】
10 ゲーム装置
11 CPUコア
12 GPU
13 音声制御部
14 インターフェース回路
15 WORK RAM
16 バス
17 ボタン入力部
18 タッチ入力部
19 外部記憶装置
20 画像表示装置
21 VRAM
22 メモリバス
23 スピーカーユニット
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。このゲーム装置10は、CPUコア11と、GPU(グラフィックプロセッサユニット)12と、音声制御部13と、インターフェース回路14と、WORK RAM15とを備えている。CPUコア11、GPU12、音声制御部13、インターフェース回路14、及びWORK RAM15は、バス16によって接続されている。
【0026】
インターフェース回路14には、例えばゲーム装置本体の操作面上の所定位置に設けられた、図示しない操作ボタン群(例えば、右側操作面の3時、6時、9時、及び12時の位置にそれぞれ設けられたAボタン、Bボタン、Xボタン、及びYボタンから構成される操作ボタン群、並びに左側操作面に設けられた上下及び左右に押下操作可能な十字ボタン)から構成されるボタン入力部17と、ゲーム装置本体の操作面中央に配置されたタッチスクリーンで構成され、図示しないタッチペンによる接触入力を受け付けるタッチ入力部18とが接続されている。また、バス16には、プログラムとゲームデータとを格納した例えばCD−ROMやROMカセット等の外部記憶装置19が、図示しない読み出し部を介して接続されている。GPU12には、後述する上画面(図7以下において符号610で示す)と下画面(図7以下において符号620で示す)とを含む表示画面から構成される画像表示装置19が接続されると共に、メモリバス22を介してVRAM(ビデオRAM)21が接続されている。なお、上述したゲーム装置10のハードウェア構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0027】
CPUコア11は、外部記憶装置19に格納されたプログラム、あるいは、外部記憶装置19からWORK RAM15に転送されたプログラムを実行することにより、所定の処理を行う。
【0028】
GPU12は、CPUコア11からの指示により描画処理を行い、画像表示装置20にゲーム画像を表示させる。特に、GPU12は、CPUコア11からの指示により、外部記憶装置19に格納されている複数の楽曲の演奏画像データのうち、1つの楽曲の音楽データを読み出して描画処理を行い、画像表示装置20に演奏画像を表示させる。この楽曲の演奏画像は、その楽曲についての、例えば演奏会場における演奏者の演奏画像、より具体的には、例えば、ボーカルグループ等の演奏者グループの、仮想あるいは現実のライブ映像であり、その画像を、次に説明する楽曲の音楽の再生に合わせて、画像表示装置20に備える表示画面のうち上画面に表示させることができる。
【0029】
また、GPU12は、CPUコア11からの指示により、外部記憶装置19に格納されている、後述する複数種類の観客動作の画像データのうち、特に入力操作に対応する1つの観客動作の画像データを読み出して描画処理を行い、画像表示装置20に演奏画像を表示させる。この観客動作の画像は、より具体的には、演奏会場にいる一人の観客(自キャラ)が、(ア)手拍子をする動作、(イ)片手または両手を振り上げる動作、(ウ)振り上げた手を振り上げたままとする動作、(エ)手またはペンライトを持った手を左右に振る動作、または(オ)手に持ったタオルをまわす動作の、CGムービーまたはアニメーションである。GPU12は、CPUコア11からの指示により、それらの画像のうちの1つを、画像表示装置20に備える表示画面のうち下画面に表示させることができる。なお、好ましい実施形態において、画像表示装置20の下画面は、上述したタッチ入力部18を構成しているタッチスクリーンを兼ねても良い。
【0030】
音声制御部13は、CPUコア11からの指示により、外部記憶装置19に格納されている複数の楽曲の音楽データのうち、1つの楽曲の音楽データを読み出して音楽再生処理を行い、スピーカーユニット23に楽曲の音楽を出力させる。
【0031】
インターフェース回路14は、CPUコア11と、ボタン入力部17及びタッチ入力部18、あるいは図示しないその他の周辺装置との間のデータのやりとりを制御する。
【0032】
CPUコア11上で実行されるプログラムに従い、CPUコア11は、ゲームプレイ中、常時インターフェース回路14の状態を監視している。ボタン入力部17またはタッチ入力部18が操作された場合、インターフェース回路14は、CPUコア11からの指令により、その操作に応じた入力信号を、WORK RAM15に設けられた図示しない作業エリアへ転送する。
【0033】
CPUコア11上で実行されるプログラムに従い、CPUコア11は、WORK RAM15に設けられた作業エリアに転送され一時的に格納される入力信号をもとに、ボタン入力部17またはタッチ入力部18において行われた入力操作の種類を判定する。GPU12は、その判定結果に基づくCPUコア11からの指示により、複数種類の観客動作の画像のうち、入力された操作に対応する観客動作の画像を、画像表示装置20が備える表示画面のうち下画面に表示させる。
【0034】
また、CPUコア11上で実行されるプログラムに従い、CPUコア11は、外部記憶装置19からWORK RAM15に転送された、演奏中の楽曲の正解譜面データを参照し、進行する楽曲の演奏に関連して入力される入力信号を、順次この正解譜面データと比較し、操作の入力タイミングと操作の正否を判定する。加えて、CPUコア11は、上記操作の入力タイミングと操作の正否の判定結果をもとに、後述する関数を用いて得点加算処理を実行し、現在のスコアの数値を更新して、WORK RAM15の所定の作業エリアに格納する。
【0035】
さらに、CPUコア11上で実行されるプログラムに従い、CPUコア11が、操作の入力タイミングと操作の正否の判定結果をもとに、GPU12に指示を行い、画像表示装置20が備える下画面に表示させている観客動作の画像の背景や周辺部に、判定結果に応じた画像変化(例えば、後述するゲージの増加、周囲観客の増加、点滅するスポットライトの増加、大ロゴ及び小ロゴの色や位置、大きさの変化等)を生じさせるCGムービーまたはアニメーションを表示させるよう、特に構成することができる。
【0036】
CPUコア11上で実行されるプログラムに従い、CPUコア11は、WORK RAM15の作業エリアに格納された、得点加算処理の結果すなわちプレイ終了時のスコアの数値をもとに、演奏を終了した楽曲についてのプレイの評価結果を決定し、画像表示装置20を構成している上画面または下画面に表示する。また、CPUコア11は、プレイを終えた楽曲についてのプレイの評価結果を、外部記憶装置19の所定のプレイ履歴格納エリアに、その楽曲の識別情報と関連付けて格納する。
【0037】
次に、本発明の一実施形態に係るゲーム装置10のCPUコア11が実行する処理を、図面に示すフローチャート、並びに画像表示装置20の上画面610に表示される演奏画像と下画面620に表示される観客動作の画像の複数の例を参照して説明する。
【0038】
図2は、ゲーム装置10が備えるCPUコア11が実行する処理全体の概略を示すフローチャートである。
【0039】
ゲーム装置10の図示しない電源スイッチがオンに操作されると、CPUコア11の指示によりGPU12は、図示しない起動画像に続いて、図示しないメニュー選択画面を画像表示装置20の下画面に表示させる。ここで、プレイヤーがボタン入力部17の図示しない操作ボタン(例えばAボタン)を操作し、またはタッチ入力部18を兼ねる下画面に表示されている、メニュー選択画面のライブモード選択ボタン上を、タッチペンでタッチして、「ライブモード」を選択すると、CPUコア11は「ライブモード」を起動させる。そして、ライブモードが開始されると、音声制御部13は、CPUコア11の指示により、選択された楽曲についてのライブ音声(例えば、ボーカルグループの歌唱とバック演奏に、ライブ会場における観客の歓声、合いの手の声、手拍子や拍手の音等が、適宜の音量とタイミングで、適宜の時間にわたり重ねられた音声)の再生を開始して、スピーカーユニット23に出力させる(ステップS101)。このライブ音声の再生開始に合わせて、GPU12は、CPUコア11の指示により、選択された楽曲についてのアーティストの仮想ライブ映像データの、VRAM21からの読み出しを開始して、画像表示装置20の上画面に表示させる(ステップS102)。
【0040】
上記した楽曲のライブ音声の再生と、仮想ライブ映像の表示が開始されると同時に、CPUコア11は、常時インターフェース回路14の状態を監視する。ボタン入力部17から入力されるボタン操作、またはタッチ入力部18から入力されるタッチ入力操作を受け付けて、インターフェース回路14は、その操作に応じた入力信号を、WORK RAM15に設けられた図示しない作業エリアへ転送する。そして、CPUコア11は、入力信号をもとに、入力操作の種類を判定する(ステップS103)。そして、CPUコア11は、その判定結果に基づきGPU12に指示を行い、その入力操作に対応する観客動作の画像を画像表示装置20に下画面に表示させる。具体的には、GPU12は、その入力操作に対応する自キャラ動作アニメーションを、画像表示装置20の下画面に表示させる(ステップS104)。
【0041】
図3を参照して、ボタン入力部17、またはタッチ入力部18におけるそれぞれの入力操作の種類と、観客動作の画像の種類との対応関係を説明する。本実施形態において、十字ボタン(下)もしくはBボタンの押下、またはタッチスクリーン上のタッチの入力操作は、自キャラが手拍子する動作のアニメーションに対応する。以下、十字ボタン(上)もしくはXボタンの押下、またはタッチスクリーン上の弾き(下から上への素早く短いスライド)の入力操作は、手を振り上げる動作のアニメーションに、十字ボタン(上)の押下キープもしくはXボタンの押下キープ、またはタッチスクリーン上の弾きキープ(下から上へ素早く短いスライドをさせてキープ)の入力操作は、手を振り上げたままにする動作のアニメーションに、十字ボタン(左/右)の交互押下もしくはYボタン/Aボタンの交互押下、またはタッチスクリーン上のタッチペンの左右スライドの入力操作は、手(楽曲によってはペンライトを持っている場合がある)を左右に振る動作のアニメーションに、そして、LボタンもしくはRボタンの押込、またはタッチスクリーン上のタッチペンの円入力の入力操作は、タオルをまわす動作のアニメーションに、それぞれ対応している。入力操作に応じて入力信号の種類が変化すると、ステップS103における判定結果が変更され、その結果に従い、画像表示装置20の下画面に表示させる動作アニメーションも直ちに変更(複数種類の観客動作の画像間の切替えが)される。
【0042】
本実施形態において、タッチスクリーン上の各種タッチの入力操作の判定手法は、後述するように、プレイヤーがタッチスクリーン上でタッチペンを上下・左右に動かすことにより、そのタッチペンを動かす位置、距離、速度に一致させて自キャラの手を上下・左右に動かすアニメーションの演出を行うことができるので、プレイヤー自身の“ノリ”に従って自由に入力操作して楽しむという本発明の効果を、より大きく発揮させることができ、有利である。なお、タッチの入力操作の判定手法は、タッチ座標の位置的・時間的な変化をもとにした既存の判定技術を用いても実現することが可能であるので、ここでの詳しい説明を省略する。なお、タッチペンの円入力判定を効果的に行うために、1回転のタイミングを精度良く検出することが可能な判定手法を用いると有利であるが、その具体的手法は特に限定しない。
【0043】
観客動作の画像を画像表示装置20に下画面に表示させると同時に、CPUコア11は、入力操作の正否を判定する処理を実行する。具体的には、CPUコア11は、演奏中の楽曲についての正解譜面データを参照し、プレイ中の楽曲の正解譜面上のマーカーと、入力操作とを比較して、入力タイミングと操作の正否を判定する処理を実行する(ステップS105)。
【0044】
そして、CPUコア11は、ステップS105における操作の入力タイミングと操作の正否の判定結果をもとに、所定の関数を用いて得点加算処理を実行する。さらに、CPUコア11は、ステップS105における操作の入力タイミングと操作の正否の判定結果をもとに、GPU12に指示を行い、画像表示装置20が備える下画面に表示させている観客動作の画像の背景や周辺部に、判定結果に応じた画像変化(ゲージの増加、周囲観客の人数増加、点滅するスポットライトの増加、ロゴの色や位置、大きさの変化等)を生じさせるCGムービーまたはアニメーションを表示させる演出の画像表示処理を実行する(ステップS106)。
【0045】
図4は、入力操作の入力タイミングと操作の正否に応じて、プレイヤーが獲得する加算得点を求める関数の一具体例を示す。入力タイミングと操作の種類がともに正解の場合、関数“100/(総マーカー数)”の得点が加算される。ここで、総マーカー数とは、所定の演奏時間の楽曲の正解譜面データ上に設定される、正解マーカーの総数である。入力タイミングは正解であるが、操作の種類が不正解である場合、関数“100/(総マーカー数)*0.75”の得点が加算される。他方、操作の入力タイミングが不正解である場合、操作の種類の正否にかかわらず、“0.1”の得点(不正解得点)が加算される。このように、操作のタイミングの一致に対する重み付けを、操作の種類の正否に対する重み付けよりも大きくした関数を用いているのは、後述する評価表示ステップ(ステップS108)において、プレイヤーがプレイした、楽曲へのノリの良さが、評価結果に適切に反映されるように、また、折角得られた楽曲プレイへのプレイヤーの満足感が、評価結果によって損なわれないようにするためである。
【0046】
上記の具体例では、その楽曲について通しでプレイしたときに、プレイヤーによる入力操作の入力タイミングと操作種類がすべて正解した場合が100点となるように関数を定めているが、これは一例であって、他の様々な得点加算のための関数を設定しても良い。
【0047】
図5は、正解譜面データの一例を説明する、マーカーエディター画面のスクリーンショットである。図示している正解譜面データにおいて、楽曲のテンポを表す数値501を入力し、正解譜面データの進行速度を調整することができる。この正解譜面データの例において、正解譜面は、1画面上のグリッドが、4/4拍子ベースに1小節分表示されている。等間隔の4本の縦の実線(上部横に「5184」等の符号が付されているもの)は、それぞれ1拍の区切りを示している。この例において、正解譜面の区切りの最小単位は16分音符である。縦方向0から7までの各段には、複数種類の観客動作の各観客動作が振り分けられており、そこに正解マーカーを表すマーカー503が入力される。このようにして、マーカーが入力されているとき、そのマーカーが入力されている段に対応する種類の観客動作が“正解”となる譜面データを構成することができる。
【0048】
なお、この正解譜面データの具体例において、各マーカー503の横に示される数値を入力することにより、CPU11からのGPU12に対する指示により、マーカーを入力している段の観客動作、すなわち自キャラの動作の速さを、早くしたりあるいは遅くしたりする調整が可能なように構成されている。これにより、例えば、テンポの速い楽曲では、素早い観客動作を行わせ、スローな楽曲では、ゆっくりした観客動作を行わせる調整を、正解譜面データを通して行うことが可能となる。
【0049】
図6は、図2示すフローチャートのステップS105からステップS106においてCPU11が実行する、入力正否判定処理、得点加算処理、及び画像表示処理の流れの一具体例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、CPUコア11は、正解譜面データを参照し、判定領域内のマーカーがあるかを判定する(ステップS201)。マーカーがない場合(NOの場合)、CPUコア11は、入力タイミングが不正解のときの不正解得点“0.1”を、現在のスコアに加算すると同時に、下画面に表示される背景画像(後述)に含まれるゲージ横の“小ロゴ”の色を変化させる(ステップS202)。そして、ステップS206に進む。
【0051】
他方、ステップS201において、マーカーがある場合(YESの場合)、CPUコア11は、入力操作が正解操作であるかを判定する(ステップS203)。正解操作でない場合(NOの場合)、CPUコア11は、正解得点×0.75、すなわち、関数“100/(総マーカー数)*0.75”の得点を、現在のスコアに加算すると同時に、背景画像に含まれるゲージ横の“小ロゴ”の色を別の色に変化させる(ステップS204)。そして、ステップS206に進む。
【0052】
ステップS203において、入力操作が正解操作である場合(YESの場合)、CPUコア11は、正解得点、すなわち、関数“100/(総マーカー数)”の得点を、現在のスコアに加算すると同時に、背景画像に含まれるゲージ横の“小ロゴ”の色を別の色に変化させる(ステップS205)。そして、ステップS206に進む。
【0053】
ステップS206において、CPUコア11は、背景画像に含まれるゲージを得点に合わせて段階的に更新し、かつ、周囲観客の人数を得点に合わせて段階的に更新し、処理をリターンする。
【0054】
図2に示すフローチャートに戻って、以上のようにして、ステップS105からステップS106における、入力正否判定処理、得点加算処理、及び画像表示処理を実行すると、CPU11は、次いで楽曲の演奏が終了したか否か、すなわち楽曲の音楽再生と演奏画像の表示がすべて終了したか否かを判定する。まだ、終了していない場合(NOの場合)、次の処理をステップS103に戻す。こうして、楽曲の演奏中にプレイヤーが入力する各入力操作について、ステップS103からステップS106までの一連の処理が、繰り返し実行される。
【0055】
ステップS107において、楽曲の演奏が終了している場合(YESの場合)、CPUコア11は、得点加算処理の結果すなわちプレイ終了時のスコアの数値をもとに、演奏を終了した楽曲についてのプレイの評価結果を決定し、画像表示装置20を構成している上画面または下画面に表示する(ステップS108)。この評価結果には、スコアの数字表示を含むことができるが、それに限定しない。そして、CPUコア11は、プレイを終えた楽曲についてのプレイの評価結果を、外部記憶装置19の所定のプレイ履歴格納エリアに、その楽曲の識別情報と関連付けて格納することができる。以上をもって、CPUコア11が1つの楽曲のプレイについて実行する処理全体が終了する。
【0056】
上記した実施形態においては、ゲーム装置本体の操作面が、操作ボタン群から構成されるボタン入力部と、タッチスクリーンで構成されるタッチ入力部とを具備し、そこで、プレイヤーによる入力操作を受け付けるように構成したが、ゲーム装置本体に、接続ケーブルを介してまたは無線により接続されるコントローラが、ボタン入力部あるいはタッチ入力部を具備し、プレイヤーがそのコントローラを手に持って入力操作するか、あるいは、加速度センサー等を含むコントローラを身につけたプレイヤーが体を動かすことで入力操作をするよう構成しても良い。
【0057】
また、複数種類の観客動作の画像のいずれをも、任意の楽曲の任意のタイミングで表示可能とすることに代えて、特定の楽曲について、もしくは、楽曲の特定のある演奏期間に限って、特定の観客動作に対応する入力操作にかかわらず、その特定の観客動作の画像を表示させないよう構成しても良い。これにより、例えば、スローなバラードの楽曲のときに、タオルをまわす観客動作に対応する入力操作(本実施形態においては、円入力もしくはLボタン/Rボタンの押下)がされても、その入力操作を無効とし、タオルをまわす観客動作が、下画面に表示されないようにすることができる。
【0058】
本発明のゲーム装置は、様々な音楽ジャンルの演奏者の演奏画像と音楽で構成される、優良な音楽コンテンツを利用して、ゲーム内容を構成することができるため、小型で持ち運びに便利な携帯型ゲーム機、携帯電話機、スマートフォン、音楽プレイヤー等に適用することが好ましい。しかしながら、これら携帯型の機器に限らず、パーソナルコンピュータ(PC)、据え置き型の家庭用ゲーム機、もしくは業務用ゲーム機に、本発明を適用することも、勿論可能である。
【0059】
さらには、音楽配信サーバーと当該サーバーに接続可能な端末機器(携帯型ゲーム機、携帯電話機、スマートフォン、音楽プレイヤー、PC、家庭用もしくは業務用ゲーム機のいずれかは問わない)に、本発明を適用することも可能である。この場合、音楽配信サーバーが備える記憶装置には、楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、正解譜面データを格納し、端末機器が備える記憶装置には、本発明に係るアプリケーションプログラムと、少なくとも観客動作の画像データを格納することができる。そして、端末機器で実行されるアプリケーションプログラムにより、プレイする楽曲の正解譜面データを、音楽配信サーバーからダウンロードし、また、音楽データ及び演奏画像データを、最初のファイル転送により、もしくはプレイ中のストリーミングにより、音楽配信サーバーからダウンロードし、ゲームを進めることができる。
【0060】
以下、本発明を携帯型ゲーム機に適用した場合の、プレイヤーが体験する具体的なゲーム内容について、図7以下のゲーム画像を参照して説明する。
【0061】
本実施形態では、あるボーカルグループのアーティストたちが、CG合成により描画された仮想の演奏会場においてライブを行うという設定での、複数の楽曲についての、仮想のライブ映像の演奏画像データと、音楽CD品質またはそれに近似の品質を有する楽曲のデジタル音源に対して、その仮想のライブ映像に合わせるように音響効果を加えて加工した、楽曲の音楽データとを用いている。そして、プレイヤーは、ゲーム装置が備える画像表示装置の上画面に表示される仮想のライブ映像を見て、スピーカーユニットから出力される楽曲の音楽を聞いて、ゲームをプレイする。
【0062】
図7を参照して、上画面610に表示されるのは、上述のとおり仮想のライブ映像611であり、楽曲の音楽の進行に合わせてライブ映像が流れている。他方、下画面620に表示される画像は、自キャラ621と、周囲観客622と、中央の大ロゴ623と、ゲージ624と、ゲージ横の小ロゴ625である。プレイ中、周囲観客622は、再生中の楽曲の拍にあわせて体をわずかに左右に揺するように動き、中央の大ロゴ623は、その拍にあわせてわずかに上下に動く。
【0063】
図8を参照して、プレイヤーが、十字ボタン(下)もしくはBボタンの押下、またはタッチスクリーン上のタッチの入力操作をすると直ちに、下画面620には、自キャラ721が手拍子する動作のアニメーションが再生される。また、中央の大ロゴ623は、正解譜面にふられている正解マーカーに合わせて光る。
【0064】
図9を参照して、十字ボタン(上)もしくはXボタンの押下、またはタッチスクリーン上の弾き(下から上への素早く短いスライド)の入力操作をすると直ちに、下画面620には、自キャラ821が手を振り上げる動作のアニメーションが再生される。なお、十字ボタン(上)もしくはXボタンの押下をキープする、またはタッチスクリーン上の弾きキープ(下から上へ素早く短いスライドをさせてキープ)をすると、自キャラが手を振り上げたままにする動作のアニメーションとなる。
【0065】
図10を参照して、十字ボタン(左/右)の押下もしくはYボタン/Aボタンの押下、またはタッチスクリーン上のタッチペンの左方向スライドもしくは右方向スライドの入力操作をすると直ちに、下画面620には、自キャラ921が手(楽曲によってはペンライトを持っている場合がある)を左もしくは右に振る動作のアニメーションが再生される。そして、プレイヤーが、十字ボタン(左/右)、もしくはYボタン/Aボタンを交互に押下するか、またはタッチスクリーン上でタッチペンを左右方向交互にスライドをすると、その入力操作に合わせて自キャラが手を左右に振る動作のアニメーションとなる。
【0066】
図11を参照して、LボタンもしくはRボタンの押込、またはタッチスクリーン上のタッチペンの円入力の入力操作をすると直ちに、下画面620には、自キャラ1021がタオルをまわす動作のアニメーションが再生される。
【0067】
各観客動作のアニメーションの具体的構成例を、図12Aから図15Bを参照して説明する。
【0068】
まず、図12Aから図12Cを参照して、十字ボタン(下)もしくはBボタンの押下、またはタッチスクリーン上のタッチの入力操作をすると、直ちに、自キャラ721が腕を広げた状態から手拍子をしようとするアニメーションに切り替わり(図12A)、中央で手のひらを合わせて手拍子をし(図12B)、次いで腕を広げた状態(図12C)に戻るアニメーションが再生される。
【0069】
図13Aから図13Cを参照して、十字ボタン(上)もしくはXボタンの押下、またはタッチスクリーン上の弾きの入力操作をすると、直ちに、自キャラ821が手を上に振り上げようとするアニメーションに切り替わり(図13A)、腕を下げた状態から肘を伸ばすようにして手を振り上げ(図13B)、次いで腕を下げた状態(図13C)に戻るアニメーションが再生される。なお、十字ボタン(上)もしくはXボタンの押下キープ、またはタッチスクリーン上の弾きキープは、手を振り上げた動作をキープするアニメーション(図13B)となる。
【0070】
図14A及び図14Bを参照して、十字ボタン(左)もしくは十字ボタン(右)の押下、YボタンもしくはAボタンの押下、またはタッチスクリーン上の左方向スライドもしくは右方向スライドの入力操作をすると、直ちに、自キャラ921が手を右から左に、もしくは左からに右に振ろうとするアニメーションに切り替わる(図14A)。そして、反対側の十字ボタン(左/右)もしくはYボタン/Aボタンを押下すると、あるいはタッチペンを反対方向にスライドすると、手を反対側に振る(図14B)というアニメーションが再生される。なお、タッチスクリーン上の左右スライドの操作入力による場合、手を振る位置を、タッチペンのタッチ位置に合わせて左右に動かすことができる。
【0071】
図15A及び図15Bを参照して、LボタンもしくはRボタンの押込、またはタッチスクリーン上のタッチペンの円入力の入力操作をすると、直ちに、自キャラ1021がタオルをまわそうとするアニメーションに切り替わる(図15A)。そして、LボタンもしくはRボタンを押し込むと、あるいはタッチペンで円入力すると円を描く位置に合わせて、タオルを回す(図15B)アニメーションが再生される。
【0072】
なお、図15Bにおいては、入力操作のタイミングと操作の種類が、正解譜面のそれらと一致し、ともに正解であるため、ゲージ横の小ロゴ625が、光りながら拡大表示されている。また、正解に応じて得点加算されたスコアの目安となる、カラーバーが、ゲージ624に表示される。このゲージは、図示のとおり3段階に構成される一方、スコアが2段階目に達すると、周囲観客622の人数が増えた画像に更新され、さらに3段階目に達すると、周囲観客622の人数がさらに増えた画像に更新されるようになっており、スコアに応じて背景画像が変化する演出(観客席での盛り上がりが徐々に高まる演出)を楽しむことができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明によれば、音楽ゲームの分野において、プレイヤーが楽曲の演奏会場に観客として参加する仮想体験を提供するゲーム内容を実現することができる。特に、本発明によれば、再生される演奏者の楽曲の音声に合わせて表示されるその演奏者の演奏画像を見ながら、その楽曲へのプレイヤー自身の“ノリ”に従って自由に入力操作し、その結果を演奏会場にいる観客動作として表示画面に視覚的に表現して楽しむというゲームの醍醐味を満喫することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させる、ゲーム装置であって、
複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納する、記憶手段と、
前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生する、再生手段と、
前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を前記表示画面の第1の表示部に表示する、第1の表示手段と、
前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、前記表示画面の第2の表示部に表示する、第2の表示手段と、
前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定する評価手段と、
評価結果をプレイヤーに対して表示する評価表示手段と、
を具備することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記判定手段は、正解譜面データと比較して操作のタイミングが一致しているか否か及び操作の種類が正しいか否かを判定し、
前記評価手段は、操作のタイミングの一致に対する重み付けを、操作の種類の正否に対する重み付けよりも大きくした関数を用いて得点を加算すること
を特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、さらに、ゲーム装置の初期設定においてプレイ制限が設定されている別のゲームのプログラム及びデータを格納しており、
前記評価手段が算定した評価結果が所定の基準値に達しているか否かを判定し、基準値に達している場合、その楽曲に関連づけられた別のゲームについてのプレイ制限設定を解除する解除手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項4】
進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させる、ゲーム装置におけるゲームの進行方法であって、
前記ゲーム装置は、記憶手段と、再生手段と、第1の表示手段と、第2の表示手段と、判定手段と、評価手段と、評価表示手段とを備え、
前記記憶手段は、複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納しており、
前記再生手段により、前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生し、
前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を第1の表示手段により前記表示画面の第1の表示部に表示し、
前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、第2の表示手段により前記表示画面の第2の表示部に表示し、
前記判定手段により、前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定し、
前記評価手段により、前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定し、
前記評価表示手段により、評価結果をプレイヤーに対して表示すること、
を特徴とするゲームの進行方法。
【請求項5】
進行する楽曲の演奏に関連してプレイヤーが操作手段を操作して入力する入力信号に基づいて、プレイヤーを表すキャラクタがその楽曲の演奏会場に観客として参加する画像を表示画面に表示するゲームを進行させるためにコンピュータを、
複数の楽曲について、その楽曲の音楽データ及び演奏画像データと、その楽曲のどのタイミングでプレイヤーが前記操作手段により行う複数種類の操作のうちどの操作を正解とするかを定義する正解譜面データとを格納するとともに、複数種類の操作にそれぞれ対応する複数種類の観客動作の画像データを格納する、記憶手段と、
前記記憶手段から楽曲の音楽データを読み出して再生する、再生手段と、
前記記憶手段から楽曲の演奏画像データを読み出して、音楽の進行に応じた演奏画像を前記表示画面の第1の表示部に表示する、第1の表示手段と、
前記記憶手段から読み出した正解譜面データをもとに、所定のタイミングで操作されるべき正解の操作を指示する指示表示を音楽の進行に合わせてプレイヤーに提示することなしに、複数種類の操作のうちプレイヤーが任意のタイミングで任意に選択して入力する操作の入力信号に応じて、その入力された操作に対応する観客動作の画像データを読み出し、前記表示画面の第2の表示部に表示する、第2の表示手段と、
前記操作手段の操作により入力される入力信号を正解譜面データと比較してその入力された操作を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果をもとに得点を加算して、プレイの評価結果を決定する評価手段と、
評価結果をプレイヤーに対して表示する評価表示手段
として機能させるためのゲーム進行プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2011−206267(P2011−206267A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76960(P2010−76960)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年(2010年)1月1日、同年2月9日、同年3月12日、及び同年3月23日http://www.hudsoooongreeeen.jp/index.html
【出願人】(591095856)株式会社ハドソン (8)
【Fターム(参考)】