説明

ゲーム装置、ゲームプログラム、及びその記憶媒体

【課題】ディーラオブジェクトとプレイヤとが対戦するゲームにおいて、ゲームの配当には直接関係のないチップ数に応じてプレイヤがゲームを有利に進行させることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】遊技価値の賭け枚数を決定する賭数決定手段及びディーラオブジェクトにチップを与えるためのチップ供与段を有する操作部と記憶部と制御部とを備え、且つ、制御部は、チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、記憶部にディーラオブジェクトに対応したチップ数を、操作入力のあったチップ供与手段に対応する操作部と関連付けて記憶する手段と、記憶部に記憶されているチップ数と対応する好感度ランクを決定し、該ランクに対応するディーラオブジェクトの動作を制御する手段と、所定時間が経過したと判断した場合、複数のディーラデータに基づき、表示部に表示されているディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトとプレイヤとが対面してゲームをプレイする形態のゲーム装置に関し、特に、プレイヤが所定枚数のメダル等の遊技価値を賭けて、所定の役を成立させる対戦型のゲームを実行し、プレイヤが勝利した場合に賭けた枚数以上の遊技価値が払い戻されるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトとプレイヤとが対面してゲームをプレイする形態のゲーム装置としては、表示部に表示されたディーラオブジェクトとの間でプレイヤが遊技価値を賭けてポーカー等のカードゲームを行い、プレイヤが勝利した場合に、賭けた遊技価値以上の遊技価値が払い戻されるようにしたゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置においては、例えば、ベット枚数に応じてゲームルールを変更するようにしたものや(例えば特許文献1参照)、ベット枚数(ベット額)に応じてディーラの表情や動作の驚く程度が次第に大きくなるなど、ベット枚数に応じてディーラ画像の内容を変化させるようにしたものもある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−296753号公報
【特許文献2】特開2007−75346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のゲーム装置においては、ベット枚数に応じてゲーム内容を変化させるようにしており、プレイヤはゲームの結果として得られるベット枚数に応じた配当以外に、ベット枚数に応じた付加的なゲーム内容を楽しむことができる。しかしながら、配当に直接関係のあるベット枚数に応じてゲーム内容を変化させるようにしているため、ゲームが終わるとベット枚数は初期値の設定に戻ってしまう。そのため、ゲームを繰返し行う場合、プレイヤは同じ状態に戻すためには、先と同じ枚数以上の遊技価値を毎回ベットする必要がある。
【0005】
また、特許文献1に記載のものは、ベット枚数が大きい程プレイヤに有利にゲームが展開するゲームルールに変更する手段を備えた点が開示されているが、その手段を備えたゲーム装置は1人のプレイヤのみに対応した装置である。そのため、複数人のプレイヤが同時にプレイ可能なゲーム装置に適用した場合、例えば、ベット枚数を多くしたプレイヤをプレイヤAとすると、そのプレイヤAのみが有利になり、他のプレイヤは、プレイヤAと一緒にプレイする限り、プレイヤAのベット枚数と同等に又はより多くベットしない限り、ゲームルールが不利なままになってしまうと考えられる。他方、特許文献2に記載のものは、コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトは、複数人のプレイヤに対応しているが、各プレイヤのベット枚数に応じて画面上のディーラオブジェクトの表情や動作が変化するのみであり、例えば、複数のプレイヤの中で誰がベットした枚数が多かったかに応じてゲーム内容が変化するといったことがなく、また、プレイヤとしては、多くベットしたのにも関わらず、ディーラオブジェクトの表情が変化するのみで単調であると考えられる。
【0006】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の主要な目的は、ゲームの配当には直接関係のないチップ数に応じてプレイヤがゲームを有利に進行させることができると共に、プレイヤがゲームを継続して遊技する意欲を持続させることが可能なゲーム装置を提供することにある。さらに、ディーラオブジェクトを異なるディーラオブジェクトに変更できると共に、複数人のプレイヤがディーラオブジェクトとのゲームに参加した場合に、各プレイヤがそれぞれディーラオブジェクトに払ったチップの量に応じて、プレイヤの各々がゲームを有利に進行させることが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラム、及びその記憶媒体に関するものであり、
ゲームプログラムに関しては、本発明の上記目的は、制御部と記憶部と少なくとも2以上の表示部と各々が入力手段を備えてなる、複数の操作部とを備えたコンピュータに、プレイヤが少なくとも前記表示部に表示されるディーラオブジェクトとの間で所定数の遊戯価値を賭けて行う、対戦型のゲームを実行し、該ゲームの結果に応じて、遊戯価値がプレイヤに払い戻されるゲームを実行させるためのゲームプログラムであって、前記制御部に、前記操作部の各々に設けられた入力手段のうち、少なくとも第1の入力手段を前記遊戯価値の賭け枚数を決定させるための賭数決定手段、第2の入力手段を前記ディーラオブジェクトへチップを与えるためのチップ供与手段として機能させる手順と、前記記憶部へ複数のディーラオブジェクトに対応した複数のディーラデータを含む、ゲームの実行に必要なゲームデータを記憶する手順と、前記ゲームデータに基づき、前記表示部のうち、第1の表示部に前記複数のディーラデータに基づき、いずれか1体のディーラオブジェクトを表示させ、第2の表示部にプレイフィールドを模したフィールド画像を表示させる手順と、前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記記憶部に前記ディーラオブジェクトに対応したチップ数を前記操作入力のあったチップ供与手段に対応する操作部と関連付けて記憶する手順と、操作入力があった前記賭数決定手段を有する操作部に対し、前記ゲームを実行する手順と、前記記憶部に記憶されているチップ数と対応する好感度ランクを決定し、該ランクに対応するディーラオブジェクトの動作を制御する手順と、所定時間が経過したと判断した場合、前記複数のディーラデータに基づき、前記第1の表示部に表示されている前記ディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する手順と、前記対戦型ゲームにおいて勝利したと判断した場合、前記勝利したプレイヤに対し、遊戯価値を払い戻す手順と、を実行させるプログラムを含むこと、によって達成される。
【0008】
さらに、本発明の上記目的は、前記ディーラオブジェクトを変更する手順は、循環的に前記オブジェクトデータを変更すること、前記供与されたチップ数を記憶させる手順は、前記ディーラオブジェクトが他のディーラオブジェクトに変更された後、前記ディーラオブジェクトと同一のディーラオブジェクトが、前記表示部に少なくとも1回表示されるまで前記チップ数の記憶を保持させること、前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、さらに前記ディーラオブジェクトへのチップを移動体として、前記ディーラオブジェクトが表示されている方向へ移動させ、該移動状態を前記第2の表示部に表示させること、前記ゲームの実行に必要なゲームデータは、さらに供与されたチップ数と該チップ数に対応する好感度ランクと前記ディーラオブジェクトの動作制御のとの対応関係を示す好感度テーブルを含んでなり、さらに、前記ディーラオブジェクトの動作を制御する手順は、前記好感度テーブルに基づき、前記オブジェクトデータの動作を制御する手順からなること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0009】
また、記憶媒体に関しては、本発明の上記目的は、コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、上記プログラムを記憶部に記憶した構成とすることによって達成される。
【0010】
また、ゲーム装置に関しては、本発明の上記目的は、コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトとの間でプレイヤが所定枚数の遊技価値を賭けて行う、対戦型のゲームを実行し、前記ゲームの結果に応じて遊技価値が前記プレイヤに払い戻されるゲーム装置であって、前記ゲーム装置は、前記遊技価値の賭け枚数を決定するための賭数決定手段、及び前記ディーラオブジェクトにチップを与えるためのチップ供与手段を有する操作部と、複数のディーラオブジェクトに対応した複数のディーラデータを含む、ゲームの実行に必要なゲームデータを記憶する記憶部と、前記ゲームの進行を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記ゲームデータに基づき、前記表示部のうち、第1の表示部に前記複数のディーラデータに基づき、いずれか1体のディーラオブジェクトを表示させ、第2の表示部にプレイフィールドを模したフィールド画像を表示させる手段と、前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記記憶部に前記ディーラオブジェクトに対応したチップ数を前記操作入力のあったチップ供与手段に対応する操作部と関連付けて記憶する手段と、操作入力があった前記賭数決定手段を有する操作部に対し、前記ゲームを実行する手段と、前記記憶部に記憶されているチップ数と対応する好感度ランクを決定し、該ランクに対応するディーラオブジェクトの動作を制御する手段と、所定時間が経過したと判断した場合、前記複数のディーラデータに基づき、前記第1の表示部に表示されている前記ディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する手段と、前記対戦型ゲームにおいて勝利したと判断した場合、前記勝利したプレイヤに対し、遊戯価値を払い戻す手段と、を有することよって達成される。
【0011】
さらに、本発明の上記目的は、前記制御部はさらに、前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記ディーラオブジェクトへのチップを移動体として前記ディーラオブジェクトが表示されている方向へ移動させ、該移動体を前記第2の表示部に表示させる手段を備えること、前記第1の表示部を垂直にしてプレイヤから見て奥側に配置する共に、手前側に前記第1の表示部の下端から突出したテーブル状の筐体を配置し、且つ前記テーブル状の筐体の表面に前記第2の表示部を配置して成ること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲームの配当には直接関係のないチップ枚数に応じて、ゲームがプレイヤに対して有利になるようにディーラオブジェクトのアクションを変化させるようにしている。そのため、プレイヤは、遊技価値を賭ける場面とは関係なく、任意の局面でディーラオブジェクトにチップを与えてゲームを有利に進行させることが可能となる。また、ディーラオブジェクトのアクションを段階的に変化させるようにしているので、ディーラオブジェクトにチップを多く払うほど、ゲームを一層有利に進行させることが可能となる。
【0013】
また、1回のゲームが終わって遊技価値を賭けた枚数の払い戻しがされても、記憶部に記憶されたチップ数は初期化されないので、プレイヤは、次回のゲームで前回と同じ状態に戻すために、前回までのゲームと同じ枚数以上のチップを与える必要がない。そのため、プレイヤがゲームを継続して遊技する意欲を持続させることが可能となる。また、所定時間が経過したと判断した場合に、ディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更するようにしているので、複数人のプレイヤがディーラオブジェクトとのゲームに参加した場合に、各プレイヤがそれぞれディーラオブジェクトに払ったチップの量に応じて、プレイヤの各々がゲームを有利に進行させることが可能となる。さらに、各ディーラオブジェクトへのチップの枚数(総数)を当該プレイヤの操作部と紐付けて記憶するようにしているので、あるディーラオブジェクトに多くチップを与えているプレイヤに対応してディーラオブジェクトのアクションや表情を変化させたり、性格の異なるディーラオブジェクトに応じたゲームを実行したりするなど、多様な演出やゲームを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るゲーム装置の外観構成の一例を示す斜視図である。図1に示されるゲーム装置100は、コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトとプレイヤとが対面してプレイする対面式のゲーム装置であり、特に、カードゲーム(ブラックジャック、バカラ、ポーカー等)において、メダル等の遊技価値をプレイヤが賭けてディーラオブジェクトと対戦する形態の業務用ゲーム装置として好適に適用される装置である。
【0016】
図1において、プレイヤから見て奥側の立設部1には、ディーラオブジェクト3やその背景画像が表示されるディーラ表示部(以下「第1の表示部」と呼ぶ)110が、表示面を垂直にして配置され、その上方には、暖色系の光を発光するイルミネーション用のランプ1A等が配置されている。立設部1の手前側には、第1の表示部110の下端から水平方向に突出したテーブル部2(テーブル状の筐体)が第1の表示部110と一体的に設けられており、そのテーブル部2には、各プレイヤのプレイフィールドを示す画像や遊技状態などが表示されるテーブル表示部(以下「第2の表示部」と呼ぶ)10と、各プレイヤが操作する操作部20とが、表示面と操作面とでテーブル表面が形成されるように隣接して配設されている。本例でのゲーム装置100は、ディーラオブジェクトとの対戦ゲームに最大5人のプレイヤが参加できるように、操作部20を有するサテライト120を5台備えており、各サテライトの操作部20の下方にはコイン払出部2Aがそれぞれ設けられている。
【0017】
本実施の形態では、第1の表示部110には、スクリーン面に画像を投影表示するリア投影型のDLP(Digital Light Processing)方式のプロジェクタ(DLP:米テキサス・インスツルメンツ社の登録商標)を用い、第2の表示部10には、LCD(液晶ディスプレイ)を用いている。また、各表示部の表示領域の大きさは、第1の表示部110が62インチ程度、第2の表示部10が52インチ程度としている。
【0018】
なお、各表示部は本実施形態では、それぞれDLPまたはLCDを用いているが、これに限定されず、CRT(Cathode Ray Tube)やEL(Electronic Luminescence)ディスプレイやPDP(プラズマディスプレイパネル)などの一般的な表示装置でいずれの表示部が構成されていてもよい。
【0019】
図2は、図1のゲーム装置のテーブル部2の構成を示しており、テーブル部2は、図2に示すように、略台形状の操作面が環状に並設された複数の操作部20(サテライト120(a)〜(e)の操作パネル)と、各操作部20の操作面端部に連設される略扇形状の表示面を有する第2の表示部10とで構成されている。テーブル部2の高さは、プレイヤが座席に着座した状態で、地面に足を着けてゆったりとプレイできる低めの高さとなっている。また、各操作部20の幅Wは、各プレイヤのパーソナルスペースを確保できる幅W(本例では65cm程度)で形成されている。
【0020】
本実施の形態では、カジノテーブルのプレイフィールドを模したフィールド画像4をテーブル表面(図2中の第2の表示部10)に表示するようにしており、図2の例は、カードゲームにおけるフィールド画像4を第2の表示部10に表示した例を示している。
【0021】
次に、ゲーム装置の操作部20の構成について説明する。
【0022】
本発明に係るゲーム装置は、ディーラオブジェクト(図1の第1の表示部110に投影表示されるディーラオブジェクト3)との間で、プレイヤが所定枚数(所定量)の遊技価値を賭けてカードゲームを実行し、そのカードゲームにおける所定の役を成立させ、プレイヤが勝利した場合に賭けた枚数以上の遊技価値が払い戻される対戦型ゲームの実行機能を有するゲーム装置であり、サテライト120(a)〜(e)の各操作部20には、遊技価値の賭け枚数を決定するための賭数決定手段とは別に、ディーラオブジェクト3にチップを与えるためのチップ供与手段が設けられている。
【0023】
図3は、図1のゲーム装置の操作部20を構成するコントロールパネル20Aの一例を示している。図3において、コントロールパネル20Aには、複数のボタンスイッチを有するゲームボタン21と、クレジット表示部及びコイン投入口を有するコイン投入部22と、賭数決定手段として使用されるベットユニット23と、チップ供与手段として使用されるチップボタン24と、プレイヤの腕を置くスペースを有するアームレスト25とが設けられている。
【0024】
ゲームボタン21の各ボタンスイッチは、ゲームの種類に応じて割当てられる。例えばブラックジャックの場合には、各ボタンスイッチは、カードを1枚追加する「ヒット」、カードを引かずに自分の手を確定する「スタンド」、最初の2枚が同じ数字の場合に、ベットと同額を追加し、手を二つに分けてそれそれで勝負することができる「スプリット」、ベットを2倍にしてカードを1枚のみ引く「ダブルダウン」の指示を行うための各操作ボタンとして割当てられる。
【0025】
コイン投入部22には、遊技価値としてのコイン(メダル、チップ、又は硬貨等。仮想された遊技価値でも良い。)を投入するコイン投入口と、コイン投入口から投入された遊技価値の枚数を計数してその投入された遊戯価値の枚数に応じたクレジット値を記憶部に記憶し、その記憶された遊技価値の枚数(クレジット値)を表示するクレジット表示部が設けられている。
【0026】
ベットユニット23は、ジョグダイヤルとベットボタンとベット数表示部とを備えており、プレイヤがジョグダイヤルを回すと、その回転方向に応じて増減する数値がベット数表示部に表示され、ジョグダイヤルを再度回さない限り、その表示値が保持されるように構成されている。そして、ベットボタンを押すと、ベットユニット23のベット数表示部に表示されている賭け枚数(以下「ベット枚数」と呼ぶ)の遊技価値が、コイン投入部22のクレジット表示部表示されているクレジット値から減算され、当該ゲームにおける賭け金としてベットされる。次のゲームでは、ベットボタンを押すだけで、同一ベット枚数(ジョグダイヤルで設定したベット数)の遊技価値がベットされるようになっている。なお、賭け金としてベットされる遊技価値を一般的に「チップ」と呼ぶこともあるが、本実施の形態では、賭け金とは別に、プレイヤの任意でディーラオブジェクトに与える遊技価値を「チップ」と呼ぶ。
【0027】
ベットユニット23の操作によってベットされた遊技価値は、図4に示すように、フィールド画像4の画像上に、例えばベットされた枚数分のコインを模したコイン画像5Aとして表示される。本例では、プレイフィールド上のベットスポット部を示す画像上にコイン画像5Aを表示するようにしている。なお、フィールド画像4上には、コイン画像5Aやカード画像6の他に、ディーラオブジェクトの手によってカードオブジェクトをテーブル上に配る様子を示す画像や、プレイヤがディーラオブジェクトにチップを与える際にチップがテーブル上を移動する様子を示す画像などが表示される。
【0028】
図3中のチップボタン24は、プレイヤがディーラオブジェクトへチップを与える際に操作するボタンであり、ボタンを押す毎に一枚ずつ、記憶されているクレジット値から引き出したチップが、図1中の表示部110に表示されている現在のディーラオブジェクト3に対して渡される。詳しくは後述するが、本実施の形態では、ディーラオブジェクトへのチップの投入枚数が多いほどプレイヤのゲームが有利に展開するように、ディーラオブジェクトのアクションをチップの枚数に応じて段階的に変化させるようにしている。
【0029】
図3中のアームレスト25は、硬質の透明部材から成る透明板と枠体とから構成され、透明板の下方奥側のコイン払出口が視認できるようになっている。
【0030】
次に、ゲーム装置の内部構成について説明する。
【0031】
図5は、図1のゲーム装置100の主要部の構成例を示すブロック図である。図5において、ゲーム装置は、メイン制御部30Aとサブ制御部30Bとから成る制御部30と、ディーラオブジェクトの画像等を表示するための第1の表示部110と、ディーラオブジェクトの音声や効果音などを出力するためのメイン音声出力部111と、プレイフィールドの画像や遊技状態を表示するための第2の表示部10と、複数のサテライト(端末装置)120を備えている。各サテライト120は、前述の操作部20と、コインセレクタやコインホッパーから成るコイン処理部20aと、複数のスピーカ等から成る音声出力部20bとを備えている。本実施の形態では、メイン制御部30によって各サテライト120と第2の表示部10を制御し、サブ制御部30Bによって、第1の表示部110とメイン音声出力部111を制御する形態としている。
【0032】
図6は、制御部30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは、メイン制御部30Aとサブ制御部30Bを1つの制御部30として構成した場合を例として説明する。
【0033】
図6において、ゲーム装置の制御部30は、メインCPU(Central Processing Unit/中央演算装置)31と、主記憶手段としてのROM(Read Only Memory)32及びRAM(Random Access Memory)33と、ゲームプログラムによって生成された画像情報を基に、表示部110に出力する画像信号を生成する画像処理回路34と、メイン音声出力部(スピーカ)111に出力する音声信号を生成する音声処理回路35と、入出力制御手段としてのI/F(interface)回路36とを備えており、これらはバスを介して接続されている。
【0034】
ROM32は、ゲーム装置の起動用プログラム等の基本ソフトウェアが格納される読み出し用のメモリであり、RAM33は、作業中のデータを一時記録するための領域などをメインCPU31に提供する書き換え可能な揮発性又は不揮発性のメモリであり、本実施の形態では、ベットされた遊技価値の計数情報、ディーラオブジェクトに渡されたチップの計数情報(後述するチップ情報)、ディーラオブジェクト情報(各ディーラオブジェクトオジェクトのデータ等)、及びゲームの進行制御に係る制御情報などが一時的に記憶される。
【0035】
画像処理回路34は、CPU31からの指示に応じて動作するGPU(Graphics Processing Unit)34aとグラフィックメモリ(本例ではVRAM:Video Random Access Memory)34b等から構成され、ゲームプログラム(ゲーム装置のコンピュータをゲーム制御手段として機能させるプログラム)に従って生成された画像情報(3次元仮想空間にモデル化されたポリゴンオブジェクト,仮想光源,仮想カメラなどの情報)に基づいて、3次元座標から2次元座標への座標変換処理やレンダリング処理を行い、ゲーム画像(本実施の形態では、ディーラオブジェクトの画像)を第1の表示部110に表示させると共に、プレイフィールド画像やベットされたコイン画像などを第2の表示部10に表示させる処理を行う。
【0036】
なお、GPUやレンダリングプロセッサなどの3次元グラフィックス処理用の補助プロセッサを備えていないゲーム装置の場合は、ゲームプログラムによって上記のような座標変換処理やレンダリング処理などを制御部に実行させる形態となる。
【0037】
音声処理回路35は、音響処理ユニット35aとサウンドメモリ35b等から構成され、音声情報生成手段としてCPU31を機能させるゲームプログラムに従って生成された音声情報に基づいて、効果音等の音声データを生成して音声信号を出力する処理を行う。
【0038】
入出力機器用のI/F回路36は、DLP110、LCD10、メイン・スピーカ111、サテライト120側の各種機器(本例では、操作スイッチ、ジョグダイヤル、表示器、ホッパ、コインセレクタ、スピーカ等)、及び外部記憶媒体40のリーダライタなど周辺機器との各I/F回路を備えている。なお、サテライト120側の機器は、本例では、図示されないサテライト用の制御部(例えばサテライト装置を2台単位で制御する各制御部)を介して接続される。
【0039】
本発明に係るゲームソフトウェア(ゲームプログラム及び制御データ類)を格納する情報記憶媒体は、例えばディスク状の外部記憶媒体が使用されるが、外部記憶媒体に限るものではなく、コンピュータにより読取可能な任意の情報記憶媒体を用いることができる。また、ゲーム装置本体内のRAM若しくは他の内部記憶媒体にネットワークを介してゲームソフトをダウンロードする形態とした場合は、図6中の外部記憶媒体40及びそのリーダライタは不要である。
【0040】
本発明に係るゲーム装置を実現するためのプログラムは、上記のようなゲーム装置の制御部30をゲーム制御手段として機能させるプログラムであり、例えば、機能別のサブルーチンで構成される。
【0041】
図7は、本発明に係るゲーム制御手段(以下「ゲーム制御部」と呼ぶ)の主要部の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図6に示される各手段51〜57は、本実施の形態では制御部30のCPUによって制御されるコンピュータプログラムで実現され、コンピュータによって読取可能な所定の記憶媒体に記憶されている。そして、実行時にメモリ常駐プログラム又はオーバーレイプログラムとして動作する。また、各手段51〜57は、説明の便宜上、手段名を付けて機能で分類したものであり、ソフトウェア構成を限定するものではない。また、ここでは、主にディーラオブジェクトの制御に係る手段を示しており、コイン処理手段や画像処理手段などの一般的な手段については省略している。
【0042】
図7において、ゲーム制御部50は、図6中のCPU31の制御の下にゲームの処理全体を制御するゲーム実行制御手段51と、ディーラオブジェクトの各プレイヤに対する動作を制御するディーラオブジェクト動作制御手段52と、ゲームの経過時間に応じてディーラオブジェクトを交代させる処理を行うディーラオブジェクト変更手段53と、映像や効果音、照明等を利用して各種の演出を行う演出処理手段54と、操作部20に設けられているチップ供与手段の操作によってプレイヤからディーラオブジェクトに渡されたチップの情報を記憶するチップ情報記憶手段55と、プレイヤに対するディーラオブジェクトの好感度(好感度のランク)を決定する好感度ランク決定手段56と、ゲームの結果に応じて遊技価値を当該プレイヤに対して払い出す遊技価値払出手段57とを備えている。
【0043】
ディーラオブジェクト動作制御手段52は、例えば、プレイヤがディーラオブジェクトへ与えたチップの枚数(量)に応じて、当該プレイヤのゲームが有利に展開するようにディーラオブジェクトのアクションを段階的に変化させる処理などを行う。なお、ここで言う「アクション」とは、ゲームが有利になるようにプレイヤにアドバイスを与える動作など、ゲームの勝敗に係る動作やゲーム結果としてプレイヤの利益になる動作のことを意味している。また、ディーラオブジェクトのアクションは、広義の意味では、チップを与えたときのプレイヤに対するディーラオブジェクトのお礼の言葉や表情の変化(ゲームの勝敗に関係しないリアクション)を含んでいる。
【0044】
ディーラオブジェクト変更手段53は、当該ディーラオブジェクトによるゲームの経過時間を監視すると共に、その経過時間に応じて現在のディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに順次変更する制御などを行う。本実施の形態では、経過時間に応じて複数のディーラオブジェクトを循環的に交代させることで同一のディーラオブジェクトを定期的に出現させる形態としている。また、その際、少なくともディーラオブジェクトが一巡するまでは当該ディーラオブジェクトに渡されたチップの情報を保持する形態としている。
【0045】
ここで、ディーラオブジェクト変更手段53での変更対象となるディーラオブジェクトの種類について、ディーラオブジェクトの具体例を示して説明する。
【0046】
図8(A)〜(D)は、デフォルトとして設定されている複数のディーラオブジェクトの例を示す図であり、本例では、女性を模した3体のディーラオブジェクト3A、3C、3Dと男性を模した1体のディーラオブジェクト3Bを示している。これらのディーラオブジェクト3A〜3Dには、例えば性格(冷静、友好的、魅惑的(女性を模したオブジェクトのみ)など)を示す性格パラメータなど、ディーラオブジェクトの各種制御パラメータがディーラオブジェクトIDに対応付けて設定されている。各ディーラオブジェクトは、性格やその他の状況(チップの量やゲームの進行状況)に応じて、例えば異なった動作や台詞を発動するように、ディーラオブジェクト動作制御手段52よって制御される。また、これらのディーラオブジェクト3A〜3Dは、ユーザ(装置管理者や店舗担当者など)の操作によって、デフォルト(初期設定)以外に登録されている他のディーラオブジェクトに変更したり、交代の順番を変更したりできるようにしている。
【0047】
さらに、ディーラオブジェクト変更手段53は、ディーラオブジェクトの性別,顔,髪型,髪色,衣装,衣装の色,アクセサリーなど、ディーラオブジェクトに付随するオブジェクトや、性格,及び声などのパラメータを変更要素として、例えばそれらの変更要素の組合せを選択させるカスタマイズ画面を表示し、その画面上で選択された情報に基づいて、当該変更要素を変更する機能(ディーラオブジェクトの容姿の画像や声(音声)などを変更する機能)を備えている。その機能をユーザが使用することで、例えば、図9(A)〜(D)の例に示すように、当該ディーラオブジェクトを自由にカスタマイズできるようにしている。なお、図9(A)〜(D)に示されるディーラオブジェクト3D(1)〜の3D(4)例は、図8(D)に示したディーラオブジェクト3Dをカスタマイズした例である。
【0048】
演出処理手段54は、ゲーム中に、チップ数に応じて当該プレイヤに対する各種の演出を行うと共に、昼と夜などの時間帯に応じた演出を行う。例えば、プレイヤがディーラオブジェクトにチップを与える場面では、第2の表示部10に表示されているプレイフィールド上(フィールド画像上)で、プレイヤの手元側から第1の表示部110に表示されているディーラオブジェクトの手元側までチップが飛んで行く様子を模した画像を表示する演出処理を行う。また、昼と夜などの時間帯に応じてディーラオブジェクトの衣装を自動的に変える演出したり、好感度に応じて当該プレイヤに対するディーラオブジェクトの表情や声色などのパラメータや、予め記憶されている台詞テーブル(図示せず)からデフォルトで設定(初期設定)されている台詞とは異なる台詞を選択し、台詞を変化させたりなど、画像、音声、及び効果音やイルミネーション用の照明制御などによって特定の演出処理を行う。
【0049】
プレイヤに対するディーラオブジェクトの好感度に応じた演出処理としては、例えば、好感度が高いほど、ディーラオブジェクトのアクションを事務的から友好的に変化させるようにしている。また、ディーラオブジェクト変更手段53によってディーラオブジェクトが一巡された直後に、当該ディーラオブジェクト(例えば、図8(A)のようなディーラオブジェクト)に対して最多のチップ数を供与しているサテライトの操作部(を操作するプレイヤ(好感度ランクが一番高いプレイヤ))に対して、曲のリクエスト権を与えるようにしている。そして、演出処理手段54は、例えば当該サテライト120の第2の表示部10(又は第1の表示部110)にリクエスト曲の選択画面を表示し、その画面上で選択された曲情報に基づいて、ディーラオブジェクトが次のディーラオブジェクトに交代するまでの間(若しくは次のディーラオブジェクトによるゲーム中)、該当の曲をBGM(Back Ground Music)として音声出力部111から流す処理を行う。
【0050】
なお、その際に記憶部にその選択された曲に対応する画像テーブルを記憶させておき、そのテーブル情報に基づき、その曲に対応する画像像(例えばジャズに合わせたダンスの映像等)を第1の表示部110に表示するなどの演出処理を行うようにしてもよい。
【0051】
チップ情報記憶手段55は、ディーラオブジェクトへ渡されたチップの枚数を当該ディーラオブジェクトのID及び操作部20(サテライトID)に紐付けてRAM等の記憶部に記憶する。
【0052】
好感度ランク決定手段56は、各プレイヤに対する当該ディーラオブジェクトの好感度ポイントをチップ数やゲームの進行状況に応じて増減し、その好感度ポイントに応じて当該プレイヤに対するディーラオブジェクトの好感度のランク(度合)を決定する処理を行う。
【0053】
前述のディーラオブジェクト動作制御手段52では、好感度ランク決定手段56によって決定される好感度のランクに応じて、前述のディーラオブジェクトのアクションを変化させる処理などを実行するようにしている。また、演出処理手段54では、例えば好感度のランクが高いプレイヤほど、前述のBGMのリクエストの権利が得られるようにし、そのリクエスト権を得たプレイヤによってリクエストされた曲をBGMとして流すなど、好感度のランクに応じた演出処理を実行するようにしている。例えば、5人のプレイヤの好感度のランクがそれぞれ、“0”、“2”、“3”、“3”、“5”と仮定すると、それぞれが曲選択の権利を得られる確率を、“0”、“2/13”、“3/13”、“3/13”、“5/13”(分母は好感度のランク値の総和)とし、それらの確率に応じて曲選択の権利を決定する。すなわち、各プレイヤに対するディーラオブジェクトの好感度に応じて権利を獲得する確率を変動させることによって、好感度のランクが高いプレイヤほど、曲選択等の権利が得られるようにしている。
【0054】
ディーラオブジェクトのアクション制御や演出処理に用いるチップに関しては、本実施の形態では、メインのゲームとは独立して、決められた条件下においてプレイヤが任意のタイミングでチップをディーラオブジェクトに払えるようにしている。そして、例えば、ディーラオブジェクトにチップが“1枚”渡される毎に、そのディーラオブジェクトに対する好感度ポイントを“1”増加させるようにしている。また、プレイヤがディーラオブジェクトに勝利した場合や、ゲームに参加しなかった場合には、それらのケースに応じて、好感度ポイントを所定量減少させるようにしている。
【0055】
好感度ランク決定手段56は、図10に示すような、好感度ポイントの範囲と好感度ランクとの関係を示す好感度テーブルの情報に基づき、例えば好感度ポイントが“25〜50”の範囲内であれば、好感度ランクが“3”というように、プレイヤからディーラオブジェクトに渡されたチップの枚数に対応する好感度ポイントの値に応じて、ディーラオブジェクトのプレイヤに対する好感度のランクn(本例では、好感度ランクn=0〜5の6段階)を決定するようにしている。なお、図10の例では、好感度ポイントがMAXの“100”の場合は、ディーラオブジェクトのプレイヤに対する好感度ランクは最高ランクなので、そのディーラオブジェクトに対する当該操作部からのチップの受付けを不可としている。
【0056】
なお、上記とは別にそのディーラオブジェクトに対する当該操作部からのチップの受付けがあった場合でもチップの枚数に対応する好感度ポイントを“100”以上にならないようにポイントを増加させない処理を行ってもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、複数のディーラオブジェクト(順次交代するディーラオブジェクト)とプレイヤとの対面式の対戦デームに、複数のプレイヤが参加できるようにしている。そのため、各ディーラオブジェクトが、各プレイヤに対して好感度ポイントを持つ形態となる。ディーラオブジェクト動作制御手段52では、例えば、好感度のランクが一番高いと判定したプレイヤ(一番多くチップを貰ったプレイヤ)に対してゲームが有利になるように、ディーラオブジェクトのアクションを制御するようにしている。そのため、他のプレイヤも、あるプレイヤがチップを与えていないディーラオブジェクトに対してチップを与えることで、ゲームを有利に進めることができる。
【0058】
図11は、ディーラオブジェクトの交代方法、及び複数のプレイヤと複数のディーラオブジェクトとのチップの授受形態を示す模式図である。図11に示すように、所定の経過時間毎(本例では15分毎)にローテーション(循環)する各ディーラオブジェクト3A〜3Dは、各プレイヤ7A〜7Eに対して、チップの供与枚数(好感度ポイント)に応じた好感度(好感度ランク)を記憶している。例えば、現在のディーラオブジェクトがディーラオブジェクト3Aのときにプレイヤ7Aがチップを初めて1枚与えた場合、ディーラオブジェクト3Aのプレイヤ7Aに対する好感度ポイントが1あがる。そして、図10に示したテーブルの例では、ディーラオブジェクト3Aのプレイヤ7Aに対する好感度ランクが“0”から“1”に上昇する。プレイヤがディーラに与えたチップの枚数は記憶部に記憶されており、チップの枚数に応じて決定される好感度ランクの記憶も保持されることになる。すなわち、その後にチップを与えなかった場合でも、ディーラオブジェクトが再登場した時のプレイヤ7Aに対する好感度ランクは“1”となるようにしている。
【0059】
遊技価値払出手段57は、ゲームの実行結果において遊技者が勝利したと判断した場合に、ベット枚数以上の遊技価値の枚数を払い出す処理を行う。
【0060】
次に、チップ情報記憶手段55により記憶部に記憶されるチップ情報について、図12を参照して説明する。
【0061】
図12は、ディーラオブジェクトに渡されたチップ情報の記憶方法の一例を示す模式図である。図12に示すように、各サテライト120(a)〜120(e)の情報としては、各サテライト(操作部)を特定するサテライトID(a)〜(e)が記憶部に記憶されており、各ディーラオブジェクトのデータ9としては、例えばディーラオブジェクトを特定するディーラオブジェクトID(A)〜(D)に対応させてディーラ情報(ディーラオジェクトのデータや制御パラメータ、若しくはそれらのデータの記憶部へのリンク情報)が記憶されている。
【0062】
チップ情報記憶手段55では、サテライトID(a)〜(e)のいずれかのサテライトの操作部の操作によって、ディーラオブジェクト(現在表示されているディーラオブジェクト)に対してチップが渡されたと判断すると、渡されたチップの枚数(若しくはチップの枚数に対応する好感度ポイント)をチップ情報8として、当該ディーラオブジェクトのID及びサテライトIDに対応付けて記憶部に記憶する。例えば、図12のサテライト(a)の例では、その操作部を操作するプレイヤからディーラオブジェクト(A)に対しては11枚のチップが与えられ、ディーラオブジェクト(B)に対しては1枚のチップが与えられていること示している。ディーラオブジェクト(A)から見ると、サテライト(a)のプレイヤからは11枚のチップを貰い、サテライト(b)のプレイヤからは25枚のチップを貰っていることになる。その場合、図10に示したテーブルの例では、ディーラオブジェクト(A)のサテライト(a)のプレイヤに対する好感度ランクは“2”、ディーラオブジェクト(B)のサテライト(a)のプレイヤに対する好感度ランクは“3”、その他のプレイヤに対する好感度ランクは“0”となる。
【0063】
そして、本実施の形態では、チップの枚数に応じて決定される当該ディーラオブジェクトの各プレイヤに対する好感度ランクに基づいて、前述のように、演出処理手段54によりゲーム内で特別な演出を発生させたり、ディーラオブジェクト動作制御手段52によりディーラオブジェクトの動作を制御してプレイヤが有利になる場面を発生させたりする処理を実行する。また、本実施の形態では、チップの情報を各ディーラオブジェクトと各プレイヤ(サテライト)との間で紐付けて記憶するようにしているので、あるディーラオブジェクトに多くチップを与えているプレイヤに対応して、リアクションや表情を変化させるなど、ディーラオブジェクト毎及びプレイヤ毎に、チップの枚数に応じて、当該ディーラオブジェクトの特定のプレイヤに対するリアクションなどを変化させることが可能となる。
【0064】
なお、これらの処理は、他のプレイヤとは関連させずには個々のプレイヤを対象として処理する形態としても良く、ゲームに参加している各プレイヤの中で1番多くチップを渡しているプレイヤを対象として処理する形態としても良く、両者の形態を場面に応じて決定する形態としても良い。例えば、複数のプレイヤとディーラオブジェクトとの間でゲームを並行して実行するケースでは、各プレイヤがそれぞれ操作部を操作してディーラオブジェクトに与えたチップの枚数(好感度ランク)に応じて、各々のプレイヤ(あるいは、そのディーラオブジェクトに対してチップを1番多く払っているプレイヤ)がゲームで有利になるように、個々のプレイヤを対象としてディーラオブジェクトのアクションを制御する。その際、好感度が高いと、間違った選択をプレイヤがした場合に本当にそれでいいのか再確認するなど、当該プレイヤにアドバイスを与えるようにしている。また、そのアドバイスに従った結果、負けてしまった場合は、ディーラオブジェクトがプレイヤに謝る画像(及び音声)を出力するようにしている。
【0065】
なお、図12に示したチップ情報8は、ディーラオブジェクトとの1回の対戦ゲームが終わっても記憶が保持され、次回のゲームでチップをディーラオブジェクトに与えた場合は、チップの枚数が加算される。また、ディーラオブジェクトが一巡して同一ディーラオブジェクトに交代した場合は、前述のように記憶部に記憶されたチップ情報8が使用される。
【0066】
次に、本発明に係るゲーム制御部の主要な処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、既に説明した処理については省略若しくは簡略化して説明する。
【0067】
ゲーム制御部50は、記憶部に記憶されている複数ディーラオブジェクトのデータのうち、いずれか1つのデータに基づいて、図1に示したように第1の表示部110に1人のディーラオブジェクトの映像3を表示すると共に、実行するゲームの種類に応じたフィールド画像を第2の表示部10に表示し、当該ディーラオブジェクトによるゲームを開始する(ステップS1)。
【0068】
続いて、ゲーム制御部50は、ベットの受付けを開始し(ステップS2)、操作部20に対応して記憶している後述のゲーム参加フラグの情報に基づき、前回のゲームにプレイヤが参加しているか否かを判定し(ステップS3)、参加していると判定した場合には、当該操作部20からのチップの受付けを可能とする。言い換えると、前回のゲームに参加したプレイヤは、賭け金をベットする前にチップをディーラオブジェクトに渡せるようにしている。これは、前回のゲームで勝った人がお礼としてチップをあげてから、新たなゲームに挑戦という流れにも対応できるようにするためである(ステップS4)。
【0069】
なお、ステップS4と後述するステップS14(ゲーム中)において、チップをディーラオブジェクトに与える操作がされたと判定した場合は、その操作部20の側からディーラオブジェクトが表示されている方向へ、チップを移動体としてフィールド画像4上で移動させる表示をすると共に、ディーラオブジェクトへ渡されたチップの枚数を当該ディーラオブジェクトのID及び操作部20(サテライトID)に対応付けて記憶部に記憶するようにしている。また、本実施の形態では、操作部20のチップボタン24からのチップの操作入力情報に基づき、チップをディーラオブジェクトに与える操作がされたか否かを判定するようにしている。そして、チップをディーラオブジェクトに与える操作がされたと判定した場合は、図14に示すように、テーブル表面上(フィールド画像4上)で、チップ(チップ画像5B)がプレイヤの手元側(図14中のP1の位置)からディーラオブジェクトの手元側(図14中のP2の位置)まで飛んで行く様子を演出するようにしている。なお、図14の例では、一番右側のサテライトの席に座っているプレイヤがディーラオブジェクトにチップを渡した時の例を示している。また、図14中の画像9は、テーブル上に表示されるベットスポットの形状を、好感度ランク(本例では0〜5の6段階)に応じて変化させた例を示している。
【0070】
ゲーム制御部50では、ステップS2においてベットの受付けを開始した後、時間を計時しており、所定時間経過したのであれば、ベットの受付けを終了する(ステップS5)。一方、ステップS3において、前回のゲームにプレイヤが参加していないと判定した場合は、操作部20のベットユニット23からの操作入力情報に基づき、プレイヤによりベットの操作がされたか否かを判定し(ステップS6)、ベットの操作がされたと判定した場合は、ステップS4に移行して、当該操作部20からのチップの受付けを可能とする。他方、ステップS6において、ベットの操作がされなかったと判定した場合はチップの受付けを不可とする(ステップS7)。
【0071】
続いて、ゲーム制御部50は、ベット時間が終了したか否かを判定し(ステップS8)、ベット時間が終了した場合は、ステップS5に移行してベットの受付けを終了する。なお、前回のゲームに参加していないプレイヤは、ベットしてからでないとチップを渡せないようにしているのは、ベットと間違えてチップをあげてしまい、ゲームに参加できないという状況になるのを防ぐためである。
【0072】
ベットの受付けを終了すると、ゲーム制御部50は、ベット時間内にベットの操作がされていたか否かを判定し(ステップS9)、プレイヤによってベットの操作がされていたと判定した場合は、プレイヤが今回のゲームに参加したと判断し、ベットの操作がされた操作部20(サテライトID)に対応するゲーム参加フラグをオンにし、当該プレイヤ(本例では最大5人)とのメインのゲームを開始する。なお、ゲームに参加しているプレイヤは、メインのゲームとは独立して、任意のタイミングでチップをディーラオブジェクトに与えることが可能である。
【0073】
以下、メインのゲームの例として、ブラックジャックのゲームを実行する場合を例として説明する。始めに、ブラックジャックのゲームの基本ルールについて概説する。
【0074】
ブラックジャックのゲームでは、ディーラオブジェクト(親)とプレイヤ(子)との間で1対1の勝負を行い、最初に配られる2枚のカードと、プレイヤが任意で引くことのできる追加カードとの合計が21を超えない範囲で、ディーラオブジェクトより大きい数字であれば、プレイヤの勝ちとなる。その際、ディーラオブジェクトは所定値(例:17)以上になるまで必ずカードを引き、所定値(例:17)以上になれば引くことはない。また、カードの合計の時の数値として、“2〜10”のカードはそのままの数、絵札(J、Q、K)のカードは“10”として数え、A(ACE)のカードは、“1”か“11”のどちらか都合の良いほうで計算する。なお、カードを配ってもらって21を超えてしまうと、バースト(BUST)となり、その時点で負けとなる。賭け金に関しては、プレイヤがゲーム開始時に賭数決定手段(図3に示したベットユニット23)を操作して任意のベット枚数を決め、ゲームに勝てば2倍になり、負ければ0、引き分けなら賭け金はそのままとなる。但し、配られたカードの合計が“21”になることを「ブラックジャック」と言い、一般的には2.5倍の配当を得ることができるが、本実施の形態では、プレイヤに対するディーラオブジェクトの好感度によってゲーム内容が変化する後述のサブゲームを実行し、そのゲーム結果に応じて例えば“2〜21”倍の配当を得ることができる形態としている。また、その際、好感度のランクに応じて高配当が得られるように、ディーラオブジェクトの動作を制御する形態としている。
【0075】
ここで、「ブラックジャック」のゲームとサブゲームの流れを、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0076】
ゲーム制御部50は、ゲーム参加者を対象として、ディーラオブジェクトが各参加者に対してカードを配る画像を生成して表示部に表示する。その際、第1の表示部110の表示面と第2の表示部10の表示面の両方を用いて、ディーラオブジェクトの手の画像を第1の表示部110の表示領域から第2の表示部10の表示領域へと移動しているように表示することによって、ディーラオブジェクトがカードをテーブル上に実際に配っているように見える画像を表示する(ステップS21)。最初のカードの配布が終わると、ゲーム制御部50は、特定の役(本例ではブラックジャック)を成立させたプレイヤがいるか否かを判定する(ステップS22)。
【0077】
そして、ステップS22において、ブラックジャックのプレイヤがいないと判定した場合は、ゲーム参加者を対象として各プレイヤのターンの処理を同時並行的に実行する。プレイヤのターンでは、操作部20に設けられている操作ボタン(図3中のゲームボタン21)の操作によって、プレイヤがヒット、スタンド、ダブルダウン、スプリットを選択する。ゲーム制御部50は、プレイヤのターンにおいて21を超えると、その時点でプレイヤの負け(バースト)と判定する(ステップS23)。
【0078】
ディーラオブジェクトのターンでは、ディーラオブジェクトは所定値以上になるまでカードを1枚ずつ引く処理を繰り返し、その様子を示す画像を第1の表示部110に表示する(ステップS24)。プレイヤとディーラオブジェクトのターンが終わると、ゲーム制御部50は、前述の基本ルールに基づいてプレイヤの勝敗を判定し、その勝敗結果を記憶部に記憶し、図13のステップ12に移行する(ステップS25)。
【0079】
一方、ステップS22において、特定の役を成立させたプレイヤがいると判定した場合は、ゲーム制御部50は、当該サブゲームの実行結果に応じて次のサブゲームに進行する形態のサブゲームを連続的に複数実行する。そのサブゲームでは、ゲーム制御部50は、例えば、ディーラオブジェクトへ与えたチップの枚数に応じて、プレイヤに払い戻される遊技価値の量が増大する確率が上昇するように、サブゲームにおけるディーラオブジェクトのプレイを制御するようにしている。
【0080】
ここで、サブゲームの種類について説明する。
【0081】
図16(A)〜(C)は、本発明に係るサブゲームの例を示す模式図である。本例では、図16(A)に示すように、ダイス(サイコロ)を模したダイスオブジェクトを使った第1のサブゲーム(以下「ボーナスダイス」と呼ぶ)G1と、図16(B)に示すように、ダーツを模したダーツオブジェクトを使った第2のサブゲーム(以下「ミリオンダーツ」と呼ぶ)G2とがあり、第2のサブゲームにおいて特定の条件(本例ではダーツオブジェクトが的(ダーツボード)を模したダーツボードオブジェクトの中心に刺さったこと)を満たすと、ゲーム制御部50は、規定回数(本例では3回)、以降のメインのゲームをボーナスゲームとして処理するようにしている。以下、メインのゲームをボーナスゲームとして処理するモードを「ネイルドエース」と呼ぶ。
【0082】
ネイルドエースでは、ゲーム制御部50は、当該プレイヤのゲームが有利になるように、勝率の高い役が成立する確率(及び配当)を高くするようにしている。本例では、ネイルドエースの間は、図16(C)に示すように、ボーナスゲームの回数を示すn個のダーツオブジェクトによってA(ACE)のカードを模したカードオブジェクトがフィールド画像上に固定された状態を模した画像G3を表示しておき、メインのゲームにおいては、プレイヤに配られるカードの1枚目がAで固定された状態で、2枚目から配る映像を表示するようにしている。そして、1回のゲームが終わると、図16(C)の画像G3において、プレイヤが負けた場合に前述のカードオブジェクトからダーツオブジェクトを1個抜いた画像に変化させ、ダーツオブジェクトの数が“0”になるまで次のボーナスゲームを実行する形態としている。以下、ステップS26以降のサブゲームの流れを説明する。
【0083】
ボーナスダイスでは、ゲーム制御部50は、ディーラオブジェクトがプレイヤに向けてダイスオブジェクトを振る画像を第1の表示部110並びに第2の表示部10に表示する。そして、フィールド画像上で静止したダイスの上面に描かれている倍率(例えば2×、3×、5×)を配当の第1の倍率として、その第1の倍率をサテライトの操作部(を操作するプレイヤ)に対応させて記憶部に記憶する。また、フィールド画像上で静止したダイスの上面が特定の内容(本例では「DARTS」)の場合、好感度ランクが基準値以上のランクの場合、あるいは、ネイルドエース中の場合、ダイスオブジェクトのテクスチャを変更し、ダイスの色を変化させたゴールドダイスを表示すると共に、ミリオンダーツに発展する確率を例えば通常の3倍にする。本実施の形態では、好感度ランクが1上がるごとにゴールドダイスの発生率を5%ずつ上げて、ゴールドダイスが発生した場合に、ミリオンダーツに発展する確率を例えば通常の3倍にするようにしている。そして、その確率を基に、ミリオンダーツに発展させるか、ミリオンダーツに発展させずにステップS12に移行するかを決定する(ステップS26)。
【0084】
ミリオンダーツに発展させると決定した場合は、ゲーム制御部50は、図12(B)に示すような的(ダーツボード)を模したダーツボードオブジェクトの画像G2を第1の表示部110に表示し、ディーラオブジェクトがダーツオブジェクトを投げる状態を模した画像を表示する。そして、ダーツオブジェクトが刺さった部分に描かれている倍率(例えば2倍、3倍、5倍、7倍、21倍)を配当の第2の倍率として、その第2の倍率をサテライトの操作部(を操作するプレイヤ)に対応させて記憶部に記憶する。また、ダーツオブジェクトが的(ダーツボード)を模したダーツボードオブジェクトの中心を射抜いた場合は、ネイルドエースに移行させる(ステップS27)。そして、以降のメインのゲームを規定回数分、ボーナスゲームとして処理するように、ゲームのモードを前述のネイルドエースに設定し、ステップS12に移行する(ステップS28)。
【0085】
このように、サブゲームにおいては、当該ディーラオブジェクトに対した与えたチップの枚数(本例ではチップ数に応じて決定される好感度ランク)に応じて、次のサブゲームに進行する確率を高くし、また、配当の額が高くなるようにしている。
【0086】
図13中のステップ11におけるゲームの処理が終了すると、ゲーム制御部50は、サブゲームが実行されていない場合は、ディーラオブジェクトに勝利したプレイヤに対しては基準の配当(例えば賭け金の2倍の配当)で遊技価値を払い戻す処理を実行する。ディーラオブジェクトに負けたプレイヤは、賭け金がディーラオブジェクトに没収されるが、ボーナスゲームの状態でサブゲームにおいて更にネイルドエースになった場合は、ゲーム制御部50は、賭け金をリセットしてその遊技価値をプレイヤに払い戻す処理を実行する。サブゲームが実行されている場合は、記憶部に記憶された配当の第1の倍率、或いは第1及び第2の倍率を基に、当該プレイヤに対する配当を確定し、その配当(本例では2〜21倍の配当)で遊技価値を払い戻す処理を実行する(ステップS12)。
【0087】
配当処理が終わると、ゲーム制御部50は、ディーラオブジェクトとのゲームでプレイヤが勝利したか否かを判定し(ステップS13)、プレイヤが負けたと判定した場合は、好感度ポイントはそのままとし、勝利したと判定した場合は好感度ポイントを“1”減少した後(ステップS14)、当該プレイヤ(参加者)とのゲームを終了する(ステップS17)。
【0088】
一方、ステップS9において、ベット時間内にベットの操作がされていないと判定した場合は、そのサテライトの席に座っているプレイヤが今回のゲームに不参加と判断し、チップの受付けを不可とし、次のゲームまで待ち状態にすると共に(ステップS15)、当該ディーラオブジェクトのID及びサテライトIDに対応付けて記憶部に記憶されているチップ数(本例ではチップ数=好感度ポイント)を“10”減少させた後(ステップS16)、ステップS17に移行してゲームを終了状態とする。
【0089】
1回のゲームが終了すると、ゲーム制御部50は、当該ディーラオブジェクトによるゲームが所定時間経過したか否かを判定し(ステップS18)、経過していないと判定した場合は、ステップS1に戻って次のゲームを同一のディーラオブジェクトで開始する。一方、経過していると判定した場合は、現在のディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する処理を実行する。また、変更前のディーラオブジェクトの好感度ポイントは、次にそのディーラオブジェクトが再登場(本例では15分交代で4人のローテーションなので45分後に再登場)するまで記憶部に保存すると共に、ディーラオブジェクトの交代に合わせて、第2の表示部における好感度ポイント(及び好感度ランク)の表示を変更する処理を実行した後(ステップS19)、ステップS1に戻り、変更後のディーラオブジェクトでのゲームを開始する。
(他の実施形態)
上述した実施の形態においては、複数のサテライトの操作部が隣接して配設された装置構成とし、プレイヤの近傍に他のプレイヤが存在する状態でプレイするゲーム装置を例とし説明したが、ゲーム装置の構成は、本実施の形態に限るものではない。例えば、複数のゲーム装置を無線又は有線により相互に通信可能に接続し、プレイヤの各自が個々のゲーム装置の操作部を操作して前述のゲームを実行する実施形態としても良い。以下に、後者の実施形態を実現するゲーム装置の構成について説明する。
【0090】
図17は、本発明に係るゲーム装置の他の構成例を図5及び図6に対応させて示すブロック図であり、同一構成箇所は同符号を付して説明を省略する。
【0091】
図17に示すゲーム装置100Aは、図5及び図6に示したゲーム装置の構成と比較して、さらに無線通信部37を有しており、無線通信部37はI/F回路27と接続されている。
【0092】
無線通信部37は、同様の構成を有している他のゲーム装置100Aの無線通信部37との間で、本願実施例に記載のゲーム処理に利用されるデータやその他のデータを送受信する機能を備えている。
【0093】
なお、その際にIEEE802.11の無線LAN規格や、赤外線を利用して通信を行うIrDA規格やBluetooth規格(Bluetooth:米ブルートゥース・エスアイジー社の登録商標)に規格に準拠した無線通信を行う短距離無線通信機能を提供するようにして、他の無線通信部を有するゲーム装置100Aと無線通信と行うようにしても良い。
【0094】
これらの規格に準拠した無線通信ユニットを備えることにより、無線通信部100Aは、指示されたデータを他のゲーム機へ送信することができるようになるため、他のゲーム装置100Aと通信を行うことによって、複数のゲーム装置100Aで同じゲームを実行することも可能である。その場合、1台のゲーム装置100Aに複数のサテライトを備える必要はないため、図17の構成例に示すように、操作部20は1つとし、サテライト用の音声出力部20b(及びコイン処理部20a)を備えていないゲーム装置にも適用することができる。
【0095】
さらに、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等のプロトコルを実装することによって、ゲーム装置100Aは無線通信部37を介して、外部の通信ネットワークとの接続を可能とし、外部の通信ネットワークを介して他のゲーム装置100Aと通信を行うことによって、ゲーム装置の場所に限定されることなく、複数のゲーム装置で同じゲームを実行することも可能である。
【0096】
なお、ゲーム画像の表示形態は、上述した実施の形態と同様であり、各ゲーム装置100Aの第1の表示部にディーラオブジェクトを表示し、第2の表示部にプレイフィールドを模したフィールド画像等を表示する形態となる。その際、各プレイヤのプレイフィールドを表示する形態としても良く、自己のプレイフィールドのみを表示する形態としても良い。また、1つのディスプレイを画面分割して、第1の分割エリアを第1の表示部、第2の分割エリアを第2の表示部として画像処理を行うようにしても良い。
【0097】
以上の構成が更に含まれることにより、上述した実施の形態と同様に、あるディーラに多くチップを与えているプレイヤに対応して、ディーラのアクションや表情を変化させるなど、ディーラ毎及びプレイヤ毎にチップの枚数に応じて、当該ディーラの特定のプレイヤに対するアクション等を変化させることが可能となると共に、上述した実施の形態に比べ、プレイヤは他のプレイヤを気にすることなく、チップをディーラに対し与える(渡す)ことができるようになり、さらに自己に有利になるようにチップを投入するようになるという効果がある。
【0098】
また、上述した実施の形態においては、ゲーム装置で実行されるゲームは、カードゲームを例として説明したが、カードゲームの他に大小、ルーレット、ビックシックスなど各種のカジノゲームを模したディーラオブジェクトとの対戦型ゲームを実行するゲーム装置として適用することができる。
以上、上述の実施の形態により本発明を説明した。なお、ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係るゲーム装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のゲーム装置のテーブル部の構成例を示す模式図である。
【図3】図1のゲーム装置の操作部の構成例を示す模式図である。
【図4】本発明に係るゲーム装置における表示画像の一例を示す図である。
【図5】本発明に係るゲーム装置の主要部の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係るゲーム装置の制御部の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明に係るゲーム制御手段の主要部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明に係るディーラオブジェクトの例を示す図である。
【図9】本発明に係るディーラオブジェクトのカスタマイズ機能を説明するための模式図である。
【図10】本発明に係る好感度テーブルの構成例を示す図である。
【図11】本発明に係るゲーム装置におけるディーラオブジェクトの交代方法、及び各プレイヤと各ディーラオブジェクトとのチップの授受形態を示す模式図である。
【図12】本発明におけるチップ情報の記憶方法の一例を示す模式図である。
【図13】本発明に係るゲーム装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明に係るゲーム装置の演出処理の具体例を説明するための模式図である。
【図15】図13のフローチャートの分図である。
【図16】本発明に係るサブゲームの例を示す模式図である。
【図17】本発明に係るゲーム装置の他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
1 立設部
1A ランプ
2 テーブル部
2A コイン払出部
3(3A〜3D) ディーラオブジェクト
4 フィールド画像
5A コイン画像
5B チップ画像
6 カード画像
7(7A〜7E) プレイヤ
8 チップ情報
9 ディーラオブジェクトのデータ
10 テーブル表示部(第2の表示部)
20 操作部
20a コイン処理部
20b 音声出力部
20A コントロールパネル
21 ゲームボタン
22 コイン投入部
23 ベットユニット
24 チップボタン
25 アームレスト
30 制御部
30A メイン制御部
30B サブ制御部
31 メインCPU
32 ROM
33 RAM
34 画像処理回路
34a GPU
34b グラフィックメモリ
35 音声処理回路
35a 音響処理ユニット
35b サウンドメモリ
36 I/F回路
37 無線通信部
40 外部記憶媒体
50 ゲーム制御部(ゲーム制御手段)
51 ゲーム実行制御手段
52 ディーラオブジェクト動作制御手段
53 ディーラオブジェクト変更手段
54 演出処理手段
55 チップ情報記憶手段
56 好感度ランク決定手段
57 遊技価値払出手段
100 ゲーム装置
110 ディーラ表示部(第1の表示部)
111 メイン音声出力部
120 サテライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部と少なくとも2以上の表示部と各々が入力手段を備えてなる、複数の操作部とを備えたコンピュータに、プレイヤが少なくとも前記表示部に表示されるディーラオブジェクトとの間で所定数の遊戯価値を賭けて行う、対戦型のゲームを実行し、該ゲームの結果に応じて、遊戯価値がプレイヤに払い戻されるゲームを実行させるためのゲームプログラムであって、
前記制御部に、
前記操作部の各々に設けられた入力手段のうち、少なくとも第1の入力手段を前記遊戯価値の賭け枚数を決定させるための賭数決定手段、第2の入力手段を前記ディーラオブジェクトへチップを与えるためのチップ供与手段として機能させる手順と、
前記記憶部へ複数のディーラオブジェクトに対応した複数のディーラデータを含む、ゲームの実行に必要なゲームデータを記憶する手順と、
前記ゲームデータに基づき、前記表示部のうち、第1の表示部に前記複数のディーラデータに基づき、いずれか1体のディーラオブジェクトを表示させ、第2の表示部にプレイフィールドを模したフィールド画像を表示させる手順と、
前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記記憶部に前記ディーラオブジェクトに対応したチップ数を前記操作入力のあったチップ供与手段に対応する操作部と関連付けて記憶する手順と、
操作入力があった前記賭数決定手段を有する操作部に対し、前記ゲームを実行する手順と、
前記記憶部に記憶されているチップ数と対応する好感度ランクを決定し、該ランクに対応するディーラオブジェクトの動作を制御する手順と、
所定時間が経過したと判断した場合、前記複数のディーラデータに基づき、前記第1の表示部に表示されている前記ディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する手順と、
前記対戦型ゲームにおいて勝利したと判断した場合、前記勝利したプレイヤに対し、遊戯価値を払い戻す手順と、
を実行させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記ディーラオブジェクトを変更する手順は、循環的に前記オブジェクトデータを変更する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記供与されたチップ数を記憶する手順は、前記ディーラオブジェクトが他のディーラオブジェクトに変更されたとき、前記ディーラオブジェクトと同一のディーラオブジェクトが前記第1の表示部に少なくとも1回表示されるまで前記チップ数の記憶を保持する、請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、さらに前記ディーラオブジェクトへのチップを移動体として、前記ディーラオブジェクトが表示されている方向へ移動させ、該移動状態を前記第2の表示部に表示させる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲームの実行に必要なゲームデータは、
さらに供与されたチップ数と該チップ数に対応する好感度ランクと前記ディーラオブジェクトの動作制御のとの対応関係を示す好感度テーブルを含んでなり、
さらに、前記ディーラオブジェクトの動作を制御する手順は、
前記好感度テーブルに基づき、前記オブジェクトデータの動作を制御する手順からなる、請求項1乃至請求4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、請求項1に記載のゲームプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項7】
コンピュータによって制御されるディーラオブジェクトとの間でプレイヤが所定枚数の遊技価値を賭けて行う、対戦型のゲームを実行し、前記ゲームの結果に応じて遊技価値が前記プレイヤに払い戻されるゲーム装置であって、
前記ゲーム装置は、
前記遊技価値の賭け枚数を決定するための賭数決定手段、及び前記ディーラオブジェクトにチップを与えるためのチップ供与手段を有する操作部と、
複数のディーラオブジェクトに対応した複数のディーラデータを含む、ゲームの実行に必要なゲームデータを記憶する記憶部と、
前記ゲームの進行を制御する制御部と、を備え、
前記制御部が、
前記ゲームデータに基づき、前記表示部のうち、第1の表示部に前記複数のディーラデータに基づき、いずれか1体のディーラオブジェクトを表示させ、第2の表示部にプレイフィールドを模したフィールド画像を表示させる手段と、
前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記記憶部に前記ディーラオブジェクトに対応したチップ数を前記操作入力のあったチップ供与手段に対応する操作部と関連付けて記憶する手段と、
操作入力があった前記賭数決定手段を有する操作部に対し、前記ゲームを実行する手段と、
前記記憶部に記憶されているチップ数と対応する好感度ランクを決定し、該ランクに対応するディーラオブジェクトの動作を制御する手段と、
所定時間が経過したと判断した場合、前記複数のディーラデータに基づき、前記第1の表示部に表示されている前記ディーラオブジェクトを他のディーラオブジェクトに変更する手段と、
前記対戦型ゲームにおいて勝利したと判断した場合、前記勝利したプレイヤに対し、遊戯価値を払い戻す手段と、
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
前記制御部はさらに、
前記チップ供与手段からの操作入力情報に基づき、前記ディーラオブジェクトへのチップを移動体として前記ディーラオブジェクトが表示されている方向へ移動させ、該移動体を前記第2の表示部に表示させる手段と、を備える請求項7記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記第1の表示部を垂直にしてプレイヤから見て奥側に配置する共に、手前側に前記第1の表示部の下端から突出したテーブル状の筐体を配置し、且つ前記テーブル状の筐体の表面に前記第2の表示部を配置して成る、請求項7に記載のゲーム装置。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図14】
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【図16】
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