説明

ゲーム装置、ゲームプログラム及びゲーム方法

【課題】 プレイヤに瞬時の判断力を継続的に発揮させながらゲームを進行させる斬新なゲームを提供する。
【解決手段】 コンピュータゲーム装置であって、アパート4のエレベータ5について、各箱6の停止可能階、定員等を格納する手段と、複数のキャラクタ3の移動目的階等を格納する手段と、エレベータホール9に位置する複数のキャラクタ3の移動目的階を表示して、プレイヤから、キャラクタ3の選択と、選択されたキャラクタ3を乗車させる箱6の選択とを受け付ける手段と、箱の停止可能階、定員、キャラクタの移動目的階等に基づいて各箱が移動条件を満たすかを監視する手段と、移動条件を満たした場合に、乗車しているキャラクタの移動目的階に箱を移動させる手段と、箱が停止した階を目的階とするキャラクタを降車させる手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの操作入力を受け付ける操作手段と、ゲーム画面を表示する表示装置と、この表示装置に表示するゲームキャラクタの情報及びゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する記憶装置と、この記憶装置からゲームプログラムを読み出してゲームを進行させる制御手段とを備え、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置、このゲーム装置が読み取り可能なゲームプログラム、及びこのゲーム装置によって実行されるゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレイヤが仮想空間内のゲームキャラクタの行動を指示してゲームを進行させるゲーム機が広く知られている。例えば、プレイヤキャラクタを操作して敵キャラクタと戦わせる対戦型ゲームやシューティングゲーム、プレイヤキャラクタを操作して仮想マップ内に隠されたアイテム等を獲得したり敵を倒すことでキャラクタの経験値を積みながら冒険を重ねていくロール・プレイング・ゲーム(RPG)が典型的である(例えば、特許文献1、2)。また、プレイヤキャラクタを操作するのではなく、来店した客キャラクタの属性などを参照しながら、案内する客キャラクタの順序や席を選択(操作)して、多数の客キャラクタに効率よく飲食サービス等を提供する店舗案内型ゲームなども提案されている(非特許文献1:商品名「ディナーダッシュ」)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−320419号公報
【特許文献2】特開2006−263479号公報
【非特許文献1】http://special.msn.co.jp/2006/06/03/c_2.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、未だゲーム化されていない新規な分野において、プレイヤにスリル感、スピード感を感じさせ、キャラクタの多様性などによる新たな興趣を起こさせることが可能なゲームを提供する事を目的とする。すなわち、本発明は、キャラクタの属性に由来する種々のイベント条件、制限時間、仮想空間内で刻々と変化する環境などの種々の制約の元で、プレイヤに瞬時の判断力を継続的に発揮させながらゲームを進行させる斬新なゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、プレイヤの操作入力を受け付ける操作手段と、ゲーム画面を表示する表示装置と、この表示装置に表示するゲームキャラクタの情報及びゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する記憶装置と、この記憶装置からゲームプログラムを読み出してゲームを進行させる制御手段とを備え、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置であって、仮想空間内に設置された高層建築物内を上下に移動する複数の箱を備えたエレベータについて、各箱の停止可能階、待機可能時間、乗車定員、上昇速度の少なくとも何れかを含む属性情報を格納する箱属性情報格納手段と、前記仮想空間内を移動可能な複数のキャラクタについて、前記高層建築物の移動目的階を含む属性情報を格納するキャラクタ属性情報格納手段と、エレベータホール付近に位置する複数のキャラクタの移動目的階を表示して、プレイヤから、エレベータの箱に乗車させるキャラクタの選択と複数の箱の中から当該選択されたキャラクタを乗車させる箱の選択とを受け付ける選択受付手段と、前記箱属性情報、キャラクタ属性情報、若しくは経過時間の少なくとも何れかに基づいて各箱が所定の移動条件を満たすかを監視する移動条件監視手段と、移動条件を満たした場合に、その箱に乗車しているキャラクタの移動目的階に当該箱を移動させる箱移動手段と、乗車しているキャラクタのうち、箱が停止した階を目的階とするキャラクタを降車させる降車手段とを備えたことを特徴とするゲーム装置、このゲーム装置が読み取り可能な前記ゲームプログラム、及びこのゲーム装置によって実行されるゲーム方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、プレイヤは、エレベータの乗車口付近に待機する複数のキャラクタの属性や、エレベータの箱の属性などの種々の条件を瞬時に判断しながら、全てのキャラクタを目的階まで到達させることが要求される。そのため、プレイヤは、どのキャラクタをどの箱にどの順序で乗車させるのが効率的かを瞬時に判断しなければならない。特に、制限時間を設定したり、タイムトライアルとしたり、各キャラクタの待機時間や不満指数などをカウントして表示させたり、箱の移動方向も選択させたり、さらに、種々の妨害キャラクタやお助けキャラクタをランダムに登場させることで、より一層興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム機のゲーム画面の例を示す図、図2は、エレベータの複数の箱の属性情報を示す表、図3は、ゲームキャラクタの属性情報を示す表、図4は、ゲーム機のブロック構成図、図5は、ゲーム処理工程を示すフローチャートである。
【0008】
まず、図1を参照して、本実施形態のゲーム機の概要を説明する。このゲーム機1は、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームホストに接続してゲームプログラムなどのゲームデータを受信可能な端末装置(プレイヤのPCや携帯電話、ゲームセンタの専用端末など)で構成される。プレイヤは、ゲーム機1の通信機能を使用してゲームホストにアクセスし、ゲームデータを自身のPCなどのメモリに格納してプレイする。
【0009】
このゲーム機1の画面装置2に表示されるゲーム画面には、複数のゲームキャラクタ3、3と仮想高層建築物としての5階建てアパート4が表示されている。このアパート4には、各フロアF1〜F5にキャラクタ3を搬送するための仮想エレベータ装置5が設置されている。エレベータ装置5は、フロア間を昇降する複数(2個)の箱6A、6Bを備えている。このゲームは、所定数のキャラクタ(第1ステージでは240人)を制限時間内(3分間など)に各人の目的階まで搬送できるかを競うものであり、時間内に搬送できた場合にステージクリアとして、難易度が高い次のステージに進むことができるように構成されている。なお、制限時間内に目的階まで搬送したキャラクタの数、所定数のキャラクタを目的階まで搬送する時間(タイムトライアル)、若しくは制限時間内で後述する不満指数が所定の基準値に達しないようにすることを競うようにしてもよい。
【0010】
前記キャラクタ3は、エレベータ装置5の乗車口8の周辺エリアであるエレベータホール9に順不同で待機している。なお、エレベータホール9に登場した順番で行列を形成して待機させたり、ホール9とは別の行列表示欄に待機させてもよい。この複数のキャラクタ3の中から、プレイヤがマウスやタッチペンなどの操作入力手段(後述する)で任意のキャラクタ3を選択すると共に、このキャラクタ3を乗車させる箱6を選択すると、選択されたキャラクタ3がその箱6に乗車する。箱6の選択は、箱6のクリックやタッチ、テンキーによる箱番号の指定、選択したキャラクタ3のドラッグ&ドロップなどの操作で行うことができる。
【0011】
エレベータ5の複数の箱6には、図2に示すように、各箱6、6の移動速度、停止階、定員を含む属性情報が箱の識別コードに関連付けて登録されている。この例では、code:02の箱は高速型で定員も多いが、停止階が3〜5階なので、目的階が3〜5階のキャラクタだけを搬送できる。このような箱6の属性情報は、ゲーム画面上に常時表示させるか、プレイヤがクリックしたりカーソルを箱に合わせた時にポップアップ表示させるのが好ましい。また、所定範囲内で、プレイヤがカスタマイズ可能にしてもよい。
【0012】
キャラクタ3には、図3に示すように、人数、移動目的階、性質(行動パターンや同乗可能/不可能な他のキャラクタの情報)、不満指数、満足指数などの種々の属性情報が各キャラクタ3の識別コードに関連付けて登録されている。ここで、「不満指数」とは、待機時間、待機可能時間に対する待機時間の割合、他のキャラクタとの乗車順序(先後)、選択された箱の同乗者との相性指数、の少なくとも何れかのパラメータに基づいて増減するものであり、この不満指数の限界値が各キャラクタ毎に登録されている。あるキャラクタの不満指数の限界値に達したり、エレベータホール内のキャラクタの不満指数の合計値が基準値に達すると、後述するペナルティが科される。
【0013】
また、「満足指数」とは、キャラクタが目的階で降車した場合に前記不満指数の合計値から減算される数値を意味する。本実施例では、不満指数が高いキャラクタほど満足指数も高くなるように、「満足指数=7−不満指数の限界値」として設定している。
【0014】
code:01〜99はノーマルキャラクタであるが、夫々異なる性質が登録されている。例えば、code:01の「親子連れ」は、同じ箱に乗車させる必要があると共に、幼児が含まれているので、待機可能時間は他のキャラクタよりも短く設定されている。そのため、待機可能時間を超過すると騒ぎ始めて他のキャラクタの不満指数を増加させる性質がある。また、code:02の「犬連れの女性」は、犬嫌いのキャラクタと同乗させることはできない(選択受付が拒否される)。なお、犬は箱の定員には含まれない。
【0015】
次に、code:Y1の「芸能人カップル」や、code:Y2の「医者と看護婦」は、何れもお助けキャラクタであり、箱の同乗者の不満指数を減算する性質が登録される。ただし、「芸能人カップル」は、人目を避けたいという意味で、同乗者がいる場合にはこのキャラクタ自体の不満指数は増加する。
【0016】
さらに、code:X1〜X3はお邪魔キャラクタである。第1のお邪魔キャラクタX1は、ゲーム空間に登場するとプレイヤが選択しなくても何れかの箱6に乗車して、箱6の定員に達していなくても直ちに目的階に箱6を移動させる。第2のお邪魔キャラクタX2は、同乗者を拒否するように設定されており、既に乗車している他のキャラクタを全て降ろしてしまい、他のキャラクタを乗車させようとしても受付が拒否される。そのため、この第2のお邪魔キャラクタX2が登場した場合は、プレイヤは一人だけ乗せて直ちに箱を移動させる必要がある。さらに、第3のお邪魔キャラクタX3は、乗車した箱を全ての階に停止させるように設定されている。そのため、同乗したキャラクタの不満指数が上昇することになる。
【0017】
これらの属性情報が、キャラクタを乗車させる順序や乗車させる箱を選択する際の重要な要素となる。プレイヤは、これらの属性情報を考慮しながら、瞬間的にキャラクタ3と箱6とを選択することが要求される。待機時間が長くなったり、お邪魔キャラクタが登場するなどしてキャラクタの不満指数が増加すると、画面左端の全キャラクタの不満指数の合計値(現在は55%)を示すグラフ(iraira meter)が上昇すると共にこの合計値がグラフの下に表示される。この例では、不満指数合計値が90%を超えるとゲームオーバーになるため、プレイヤは、不満指数合計値が90%にならないように、制限時間内に所定人数を目的階まで搬送することが要求される。上記したように、キャラクタを目的階で降ろすと満足指数を獲得でき、不満指数の合計値から減算される。また、お助けキャラクタによっても不満指数は減算される。
【0018】
上記したエレベータ搬送ゲームを実現するため、本実施形態のゲーム機1(ゲーム端末装置)は、図3に示す構成を備えている。このゲーム機1は、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置で構成される。
【0019】
すなわち、このゲーム機1は、制御手段としてのCPU11にシステムバス12を介してRAM13、ROM14、及び入出力インタフェース(I/F)15が接続されて構成される。入出力I/F15には、ゲーム画面を表示するLCD等の前記画面装置2や効果音・BGMなどを出力するスピーカなどを含む出力装置17、プレイヤの操作入力を受け付けるマウスや各種入力ボタン、十字キー、コントローラなどの入力装置18、通信インタフェース(I/F)19が夫々接続されている。以下に説明する本発明の機能を実現するソフトウェアプログラムは、このゲーム機1が通信I/F19を介して通信ネットワークに接続し、ゲームホスト20から取得して前記RAM13のプログラム格納エリアに格納される。そして、CPU11が、ROM14に記憶されたOSやブートプログラム等の基本プログラムと、RAM13に格納される前記ソフトウェアプログラムとをRAM13のワークエリアに読み出して順次実行することで、上述したエレベータ搬送ゲームがプレイ可能になる。
【0020】
また、このゲーム機1は、前記ソフトウェアプログラムと共に、ゲームホスト20から取得したキャラクタや建築物の画像データ、効果音などのサウンドデータなどのゲームデータを取得し、RAM13のデータ格納エリアに格納する。図示及び詳細説明は省略するが、このゲーム機1は、CPU11の指示を受けて前記ゲームデータに基づいてゲームの進行に応じたサウンド処理及びグラフィック処理を実行する各処理部も備えている。なお、ゲーム機1がHDDなどの大容量記憶装置を備えている場合には、ソフトウェアプログラムやゲームデータを予め記憶装置に格納しておくこともできる。さらに、DVD−RAMやゲームカートリッジなどの記録媒体から読み出すようにしてもよい。
【0021】
前記RAM13のデータ格納エリアは、図4(B)に示すように、仮想空間内に設置された高層建築物内を上下に移動する複数の箱6を備えたエレベータ5について、各箱6の停止可能階、待機可能時間、乗車定員、上昇速度の少なくとも何れかを含む属性情報を格納する箱属性情報格納手段22(図2参照)と、仮想空間内を移動可能な複数のキャラクタ3について、前記高層建築物の移動目的階、待機可能時間を含む属性情報を格納するキャラクタ属性情報格納手段23(図3参照)とを備えている。これらの格納手段は、実際は、RAM13のデータ格納エリアに割り付けられた一定の記憶領域である。
【0022】
また、RAM13のプログラム格納エリアに格納されるソフトウェアプログラムは、本発明に関係する機能だけ列挙すると、図4(B)に示すように、キャラクタ表示制御手段25、選択受付手段26、移動条件監視手段27、箱移動手段28、降車手段29、及びペナルティ処理手段30を備えている。これらの各機能部は、実際は独立したソフトウェアプログラム、若しくはソフトウェアプログラムの特定のモジュールやルーチンなどである。以下、順に説明する。
【0023】
キャラクタ表示制御手段25は、前記キャラクタ属性情報格納手段23に格納された上記ノーマルキャラクタ(code:01〜99)と、お助けキャラクタ(code:Y1〜Y9)と、妨害キャラクタ(code:X1〜X9)とを所定ルールに従ってゲーム空間に登場させるものである。例えば、CPU11のタイマカウンタが計数したクロック信号などによって乱数を生成し、その乱数に該当するコードのキャラクタを出現させたり、予め設定された出現順序に従ってキャラクタを出現させる。なお、ステージの難易度に応じて、各キャラクタの出現頻度を制御するのが好ましい。
【0024】
選択受付手段26は、エレベータホール9に位置する複数のキャラクタ3の移動目的階をLCD(出力装置17)に表示して、プレイヤから前記入力装置18を介して、エレベータ5の箱6に乗車させるキャラクタ3の選択と、複数の箱6の中から当該選択されたキャラクタ3を乗車させる箱6の選択と、箱6の上昇指示とを受け付けるものである。この選択受付手段26は、前記箱属性情報格納手段22及びキャラクタ属性情報格納手段23を参照して、選択されたキャラクタ3の目的階が、選択された箱6の停止可能階に含まれない場合には、箱6の選択を拒否する。この場合には、選択されたキャラクタ3をエレベータホール9に戻したり、エラーメッセージを表示する。
【0025】
また、この選択受付手段26は、選択されたキャラクタ3と、選択された箱6に既に乗車している他のキャラクタ3とが同乗可能であるかを前記キャラクタ属性情報格納手段23の「性質」の欄を参照して判別し、同乗不可能であると判別した場合には、当該キャラクタ3の選択及び箱6の選択の何れかを拒否する。例えば、code:05の「犬連れの女性」が既に乗車している場合に、code:06の「犬嫌いのサラリーマン1」を選択すると、この選択が拒否される。この場合にも、後から選択されたキャラクタ3(犬嫌いのサラリーマン1)をエレベータホール9に戻したり、エラーメッセージを表示する。
【0026】
移動条件監視手段27は、前記箱属性情報、キャラクタ属性情報、若しくはCPU11がカウントする経過時間の少なくとも何れかに基づいて、各箱6が所定の移動条件を満たすかを監視するものである。例えば、各箱6が、箱属性情報格納手段に格納された定員に達したか、勝手に箱6に乗車して上昇してしまう第2の妨害キャラクタ(X1)が乗車したか、各箱6について設定された待機時間(10秒など)を経過したか、及び前記選択受付手段26がプレイヤからの「上昇指示」を受け付けたかを監視する。
【0027】
箱移動手段28は、移動条件が満たされた場合に、その箱6に乗車しているキャラクタの移動目的階であって、かつ、当該箱6の停止可能階である階まで移動して停車させるものである。乗車しているキャラクタの移動目的階は、CPU11やRAM13の記憶領域に一時的に書き込まれる。
【0028】
降車手段29は、箱6が停止した場合に、乗車しているキャラクタから、その停止階を目的階とするキャラクタを選択して降車させるものである。
【0029】
ペナルティ処理手段30は、予め設定されたペナルティ条件を監視して、条件を満たした場合に、所定のペナルティを科すものである。具体的には、カウントされた各キャラクタの待機時間が前記キャラクタ属性情報格納手段の待機可能時間を超過した場合や、不満指数の合算値、若しくは不満指数が前記限界値に達したキャラクタの数、の少なくとも何れかが所定の基準値に達した場合にペナルティ処理を実行する。ペナルティとしては、例えば、ゲームオーバー、クレジットやライフの没収(減算)、制限時間の短縮、キャラクタの追加、お邪魔キャラクタの出現、などが考えられる。このペナルティ処理を実行するため、このペナルティ処理手段30は、待機時間カウント手段33と、不満指数表示手段34と、不満指数合算手段35とを備えている。
【0030】
前記待機時間カウント手段33は、各キャラクタがエレベータホール付近に到達した時点から、箱に乗車した時点若しくは目的階で降車した時点までの待機時間をカウントするものである。各キャラクタが出現した時点はCPU11のクロック値から取得し、この時点から待機時間を計数する。不満指数表示手段34は、ゲーム空間内の各キャラクタについて、キャラクタ属性情報格納手段23に格納された「性質」欄を始めとする所定の算出基準に従って各キャラクタの不満指数を算出して当該キャラクタに関連付けてLCDに表示するものである。この表示は、各キャラクタの吹き出しにしたり、ゲーム画面の欄外に全キャラクタの一覧としてもよい。また、不満指数合算手段35は、ゲーム空間内に存在する複数のキャラクタの不満指数を所定周期で合算するものである。この合算値は、図1の左端欄の数値及びグラフによってプレイヤに常時報知される。
【0031】
以下、このゲーム機1の詳細な機能を実際の動作と共に、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記妨害キャラクタは考慮しないものとする。
【0032】
まず、ゲームが開始されると、前記キャラクタ表示制御手段25が所定ルールに従って複数のキャラクタを抽出してディスプレイに表示させる(ステップS1)。また、ペナルティ処理手段30の待機時間カウント手段33が、各キャラクタが出現した時点からの経過時間(待機時間)のカウントを開始する(ステップS2)。この経過時間のカウントは、キャラクタが目的階で降車するまで継続し、降車後にそのキャラクタのデータを消去する。また、キャラクタが出現する度に、後述する各処理と並行して実行される。
【0033】
前記選択受付手段26がプレイヤからキャラクタ及び箱の選択を受け付けると(ステップS3)、この選択受付手段26は、前記箱属性情報格納手段22及びキャラクタ属性情報格納手段23を参照し、そのキャラクタの目的階が箱の停止可能階に含まれるかを判断する(ステップS4)。キャラクタの目的階が箱の停止可能階に含まれない場合は(ステップS4のNo)、そのキャラクタをエレベータホールに戻す(ステップS5)。また、選択受付手段26は、キャラクタ属性情報格納手段23を参照し、選択されたキャラクタが既に乗車している他のキャラクタと同乗可能であるかを判断する(ステップS6)。同乗不可能である場合は(ステップS6のNo)、そのキャラクタをエレベータホールに戻す(ステップS5)。
【0034】
上記した乗車の条件を満たす場合(ステップS4のYes、S5のYes)は、前記移動条件監視手段27が前記箱属性情報格納手段22を参照し、その箱の定員に達したかを判断する(ステップS7)。定員に達していない場合は(ステップS7のNo)、選択受付手段26がプレイヤから上昇指示を受け付けているかを判別し(ステップS8)、上昇指示を受け付けていない場合には(ステップS8のNo)、前記ステップS3に戻る。
【0035】
定員に達した場合(ステップS7のYes)、若しくは選択受付手段26がプレイヤから上昇指示を受け付けた場合は(ステップS8のYes)、箱移動手段28が箱の停止可能階及びキャラクタの目的階を読み出して箱を移動させる(ステップS9)。箱が停止した場合に、前記降車手段29が起動し、乗車しているキャラクタの中からその停止階と目的階とが一致する全てのキャラクタを抽出して降車させる(ステップS10)。また、図示しないゲームスコア算出手段が降車完了人数とゲームスコアとを更新する。そして、ペナルティ処理手段30が、降車したキャラクタの満足指数を読み出してメモリに記憶すると共にこのキャラクタの不満指数や待機時間をリセットする(ステップS11)。また、前記不満指数合算手段35が、不満指数の合算値を更新(再計算)し図示しないグラフィック処理手段に対してゲーム画面上のグラフ(図1のiraira meter)の更新を指示する(ステップS12)。上記した箱の上昇、降車、不満指数の更新の各処理(ステップS9〜S12)は、乗車している全てのキャラクタが降車するまで継続して実行される(ステップS13)。
【0036】
全てのキャラクタが降車すると(ステップS13のYes)、前記ゲームスコア算出手段が、降車完了人数がそのステージに設定された所定数のキャラクタ数に達したかを判断する(ステップS14)。所定数に達していない場合は(ステップS14のNo)、前記箱移動手段28が箱を原点位置である1Fまで下降させてステップS3(ステップS1、S2と同時進行)に戻り、ゲームを継続させる(ステップS15)。一方、降車完了人数が所定数に達した場合は(ステップS14のYes)、ステージクリアとなり、難易度が高くなった次のステージが開始される。
【0037】
上記したS3〜S14の処理工程は、複数の箱について並行して実行される。また、S1〜S14の処理工程は、制限時間が経過するか(ステップS16のNo)、前記ペナルティ条件を満たすまで(ステップS17のNo)、継続して実行される。
【0038】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0039】
例えば、上記した箱の属性情報やキャラクタの属性情報、高層建築物の種類や構造などは何れも一例に過ぎず、適宜変更可能である。
【0040】
また、前記エレベータの箱を、初期状態で途中階に停止させておき、前記キャラクタ属性情報格納手段は、各キャラクタの移動目的階として、当該初期停止階よりも上層の階及び下層の階を格納しておき、前記選択受付手段は、キャラクタの選択及び乗車させる箱の選択に加えて、プレイヤから、選択された箱の移動方向の選択も受け付けるようにし、前記箱移動手段は、前記選択受付手段で選択された移動方向に箱を移動させるように構成してもよい。これにより、プレイヤは、キャラクタと乗車する箱に加えて、箱の移動方向も選択する必要があり、ゲームの複雑さが増し、より高度な判断力が要求されることになるため、興趣を向上させることができる。このような上下方向の移動は、例えば、ハイレベルのステージで実現させるのが好ましい。
【0041】
また、プレイヤから、箱6の停止階や複数の停止階の停止順序の指定を受け付けるようにしてもよい。この場合は、前記箱移動手段28が、指定された停止階及び/若しくは停止順序で箱6を上下方向に移動させる。例えば、5階を目的階とするキャラクタの不満指数が限界値に近く、次いで3階を目的階とするキャラクタの不満指数が高い場合には、プレイヤは、箱を先に5階に上昇させ、次いで3階、最後に4階、というように停止順序を指定できる。これにより、プレイヤの選択の幅が広がって複雑性が増し、より高度なプレイが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るゲーム機のゲーム画面の例を示す図である。
【図2】図2は、エレベータの複数の箱の属性情報を示す表である。
【図3】図3は、ゲームキャラクタの属性情報を示す表である。
【図4】図4は、ゲーム機のブロック構成図である。
【図5】図5は、ゲーム処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1…ゲーム機
2…画面装置
3…ゲームキャラクタ
4…アパート
5…エレベータ装置
6…箱
8…乗車口
9…エレベータホール
11…CPU
12…システムバス
13…RAM
14…ROM
15…入出力インタフェース
17…出力装置
18…入力装置
19…通信インタフェース
20…ゲームホスト
22…箱属性情報格納手段
23…キャラクタ属性情報格納手段
25…キャラクタ表示制御手段
26…選択受付手段
27…移動条件監視手段
28…箱移動手段
29…降車手段
30…ペナルティ処理手段
33…待機時間カウント手段
34…不満指数表示手段
35…不満指数合算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作入力を受け付ける操作手段と、ゲーム画面を表示する表示装置と、この表示装置に表示するゲームキャラクタの情報及びゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する記憶装置と、この記憶装置からゲームプログラムを読み出してゲームを進行させる制御手段とを備え、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置であって、
仮想空間内に設置された高層建築物内を上下に移動する複数の箱を備えたエレベータについて、各箱の停止可能階、待機可能時間、乗車定員、上昇速度の少なくとも何れかを含む属性情報を格納する箱属性情報格納手段と、
前記仮想空間内を移動可能な複数のキャラクタについて、前記高層建築物の移動目的階を含む属性情報を格納するキャラクタ属性情報格納手段と、
エレベータホール付近に位置する複数のキャラクタの移動目的階を表示して、プレイヤから、エレベータの箱に乗車させるキャラクタの選択と複数の箱の中から当該選択されたキャラクタを乗車させる箱の選択とを受け付ける選択受付手段と、
前記箱属性情報、キャラクタ属性情報、若しくは経過時間の少なくとも何れかに基づいて各箱が所定の移動条件を満たすかを監視する移動条件監視手段と、
移動条件を満たした場合に、その箱に乗車しているキャラクタの移動目的階に当該箱を移動させる箱移動手段と、
乗車しているキャラクタのうち、箱が停止した階を目的階とするキャラクタを降車させる降車手段と
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置であって、
前記箱属性情報格納手段は、箱の属性として各箱の定員を格納するものであり、
前記移動条件監視手段は、箱属性情報格納手段の定員情報を参照して、キャラクタが乗車したエレベータの箱が定員に達したかを監視するものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1のゲーム装置であって、
前記箱属性情報格納手段は、箱の属性として各箱の停止可能階を格納するものであり、
前記選択受付手段は、選択されたキャラクタの目的階が、選択された箱の停止可能階に含まれない場合に、当該箱の選択を拒否するものであり、
前記箱移動手段は、移動条件を満たした場合に、その箱に乗車しているキャラクタの移動目的階であって、かつ、当該箱の停止可能階である階まで移動して停車するものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1のゲーム装置であって、
前記キャラクタ属性情報格納手段は、各キャラクタの待機可能時間を格納するものであり、
このゲーム装置は、さらに、
各キャラクタがエレベータホール付近に到達した時点から、箱に乗車した時点若しくは目的階で降車した時点までの待機時間をカウントする待機時間カウント手段と、
カウントされた各キャラクタの待機時間が前記キャラクタ属性情報格納手段の待機可能時間を超過した場合に、所定のペナルティを科すペナルティ処理手段と、を備えた
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4のゲーム装置であって、
前記キャラクタ属性情報格納手段は、各キャラクタの待機時間、待機可能時間に対する待機時間の割合、他のキャラクタとの乗車順序、選択された箱の同乗者との相性指数、の少なくとも何れかのパラメータに基づいて増減する不満指数の限界値と、この不満指数の算出基準とを格納するものであり、
このゲーム装置は、さらに、
ゲーム空間内の各キャラクタについて、前記算出基準に従って各キャラクタの不満指数を算出して当該キャラクタに関連付けて表示する不満指数表示手段を備えた
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5のゲーム装置であって、
さらに、ゲーム空間内に存在する複数のキャラクタの不満指数を所定周期で合算する不満指数合算手段を備え、
前記ペナルティ処理手段は、不満指数の合算値、若しくは不満指数が前記限界値に達したキャラクタの数、の少なくとも何れかが所定の基準値に達した場合に所定のペナルティを科すものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項6のゲーム装置であって、
このゲーム機は、制限時間内に所定数のキャラクタを目的階まで搬送できるか、制限時間内に目的階まで搬送したキャラクタの数、所定数のキャラクタを目的階まで搬送する時間、若しくは制限時間内で前記不満指数が所定の基準値に達しないようにすることを競うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項5のゲーム装置であって、
前記キャラクタ属性情報格納手段は、他のキャラクタの同乗を拒否する第1の妨害キャラクタ、プレイヤの選択を待たずに箱に乗車し直ちに箱を移動させる第2の妨害キャラクタ、待機している他のキャラクタや同乗している他のキャラクタの不満指数を増加させる第3の妨害キャラクタ、若しくは全ての階を移動目的階とする第4の妨害キャラクタの少なくとも何れかの属性情報と、
箱に同乗した他のキャラクタの不満指数を減少させる第1のお助けキャラクタ、箱に乗車している場合に前記妨害キャラクタの乗車を拒否する第2のお助けキャラクタ、の少なくとも何れかの属性情報と、を格納するものであり、
この装置は、さらに、前記何れかの妨害キャラクタ及び何れかのお助けキャラクタを所定ルールに従ってゲーム空間に登場させるキャラクタ表示制御手段を備えた
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1のゲーム装置であって、
前記キャラクタ属性情報格納手段は、特定のキャラクタが同乗可能/若しくは同乗不可能な他のキャラクタの情報を格納するものであり、
前記選択受付手段は、選択されたキャラクタと、選択された箱に既に乗車している他のキャラクタとが同乗可能であるかを前記キャラクタ属性情報格納手段を参照して判別し、同乗不可能であると判別した場合に、当該キャラクタの選択及び/若しくは箱の選択を拒否するものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項1のゲーム装置において、
前記エレベータの箱は、初期状態で途中階に停止しており、
前記キャラクタ属性情報格納手段は、各キャラクタの移動目的階として、当該初期停止階よりも上層の階及び下層の階を格納するものであり、
前記選択受付手段は、キャラクタの選択及び乗車させる箱の選択に加えて、プレイヤから、選択された箱の移動方向の選択も受け付けるものであり、
前記箱移動手段は、前記選択受付手段で選択された移動方向に箱を移動させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
請求項1のゲーム装置において、
前記選択受付手段は、プレイヤから、箱の停止階及び/若しくは複数の停止階の停止順序の指定を受け付けるものであり、
前記箱移動手段は、指定された停止階及び/若しくは停止順序で箱を移動させるものである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項12】
プレイヤの操作入力を受け付ける操作手段と、ゲーム画面を表示する表示装置と、この表示装置に表示するゲームキャラクタの情報及びゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する記憶装置と、この記憶装置からゲームプログラムを読み出してゲームを進行させる制御手段とを備え、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置が読み取り可能な当該ゲームプログラムであって、
前記記憶装置は、
仮想空間内に設置された高層建築物内を上下に移動する複数の箱を備えたエレベータについて、各箱の停止可能階、待機可能時間、乗車定員、上昇速度の少なくとも何れかを含む属性情報を格納する箱属性情報格納手段と、
前記仮想空間内を移動可能な複数のキャラクタについて、前記高層建築物の移動目的階を含む属性情報を格納するキャラクタ属性情報格納手段と、を備えており、
前記制御手段が、エレベータホール付近に位置する複数のキャラクタの移動目的階を前記表示装置に表示させて、プレイヤから、前記操作手段を介してエレベータの箱に乗車させるキャラクタの選択と複数の箱の中から当該選択されたキャラクタを乗車させる箱の選択とを受け付ける選択受付工程と、
前記ゲームプログラムは、
前記箱属性情報、キャラクタ属性情報、若しくは経過時間の少なくとも何れかに基づいて各箱が所定の移動条件を満たすかを監視する移動条件監視工程と、
移動条件を満たした場合に、その箱に乗車しているキャラクタの移動目的階に当該箱を移動させる箱移動工程と、
乗車しているキャラクタのうち、箱が停止した階を目的階とするキャラクタを降車させる降車工程と
を前記コンピュータゲーム装置に実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項13】
プレイヤの操作入力を受け付ける操作手段と、ゲーム画面を表示する表示装置と、この表示装置に表示するゲームキャラクタの情報及びゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する記憶装置と、この記憶装置からゲームプログラムを読み出してゲームを進行させる制御手段とを備え、プレイヤの指示に従って表示装置にゲーム画面を表示しながらゲームを進行させるコンピュータゲーム装置によって実行されるゲーム方法であって、
前記記憶装置は、
仮想空間内に設置された高層建築物内を上下に移動する複数の箱を備えたエレベータについて、各箱の停止可能階、待機可能時間、乗車定員、上昇速度の少なくとも何れかを含む属性情報を格納する箱属性情報格納手段と、
前記仮想空間内を移動可能な複数のキャラクタについて、前記高層建築物の移動目的階を含む属性情報を格納するキャラクタ属性情報格納手段と、を備えており、
この方法は、
前記制御手段が、エレベータホール付近に位置する複数のキャラクタの移動目的階を前記表示装置に表示させて、プレイヤから、前記操作手段を介してエレベータの箱に乗車させるキャラクタの選択と複数の箱の中から当該選択されたキャラクタを乗車させる箱の選択とを受け付ける選択受付工程と、
前記制御手段が、前記箱属性情報、キャラクタ属性情報、若しくは経過時間の少なくとも何れかに基づいて各箱が所定の移動条件を満たすかを監視する移動条件監視工程と、
移動条件を満たした場合に、前記制御手段が、その箱に乗車しているキャラクタの移動目的階に当該箱を移動させる箱移動工程と、
前記制御手段が、乗車しているキャラクタのうち、箱が停止した階を目的階とするキャラクタを降車させる降車工程と
を備えたことを特徴とするゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−183334(P2008−183334A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21360(P2007−21360)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】