説明

ゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 現実の遊技店舗の雰囲気をより高い現実性又は臨場感をもって体感することができるシミュレーションゲームを提供する。
【解決手段】 仮想遊技機51のそれぞれについての遊技処理を行うものであって、仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理部34と、操作入力装置200への入力に応答してプレイヤキャラクタの仮想遊技機51への離着席制御を行うPC制御部33と、プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの仮想遊技機51への離着席制御を行うNPC制御部32とを備え、PC制御部33は、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある仮想遊技機51についてのみプレイヤキャラクタの着席を許容し、遊技処理部34は、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある仮想遊技機51について遊技処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実のパチンコ店やパチスロ店等の遊技店舗の臨場感を体感できるゲーム装置、ゲームプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細には、現実の遊技店舗における回胴式遊技機や弾球式遊技機等を用いた遊技を疑似体験できるゲーム装置及び、ゲームプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現実のパチンコ店やパチスロ店等の遊技店舗内に設置される遊技機(回胴式遊技機や弾球遊技機等)の動作をゲーム画像上において忠実に再現させることにより、現実の遊技機で行われる遊技を疑似体験できるシミュレーションゲームが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、仮想店舗内に出玉特性の異なる複数の仮想遊技機を配置し、プレイヤにより選択されるいずれかの仮想遊技機に与えられた出玉特性に従って抽選や払出数の導出等を行うことで、現実の遊技店舗の雰囲気を体感できるシミュレーションゲームも知られている(特許文献2)。
【0004】
しかしながら、特許文献1のゲームでは、単一の仮想遊技機の動作が再現されるのみであるから、多数の遊技機が設置される現実の遊技店舗の雰囲気を楽しむことはできない。
【0005】
特許文献2のゲームによれば、複数の仮想遊技機の中からプレイヤが自分の好みで選択した仮想遊技機によるシミュレーションを行うことができる点で、より現実の遊技店舗に近い雰囲気を体感することが可能であるが、現実の遊技店舗での台選択におけるような他の遊技客との駆け引きの要素がなく、他の遊技客がリアルタイムで遊技している様子をリアルタイムで見ることができないなどの点から現実性や臨場感が十分ではない問題がある。
【特許文献1】特開平8−280874号公報
【特許文献2】特開2004−185679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0007】
即ち本発明の目的は、従来のシミュレーションゲームと比較して、現実の遊技店舗の雰囲気をより高い現実性又は臨場感をもって体感することができるシミュレーションゲームを実施可能なゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、現実の遊技店舗における台選択と同様の条件又は雰囲気で仮想遊技機の選択を行うことができ、或いは更に、その仮想遊技機での遊技を疑似体験できるシミュレーションゲームを実施可能なゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ノンプレイヤキャラクタが自然な態様で仮想遊技機での遊技を行い、また仮想遊技店舗内を移動する様子をゲーム画像として表示することにより、現実の遊技店舗の雰囲気をより忠実に再現させたシミュレーションゲームを実施可能なゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
プレイヤのゲーム操作を受け付ける操作入力装置と、
ゲーム画像を表示する表示装置とを備え、
前記表示装置に複数の仮想遊技機が配列された仮想遊技店舗を表示しつつ、現実の遊技機が設置された現実の遊技店舗をシミュレートするゲーム装置であって、
前記仮想遊技機のそれぞれについての遊技処理を行う遊技処理手段であって、前記仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び前記仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理手段と、
前記操作入力装置への入力に応答してプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うPC制御手段と、
プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うNPC制御手段とを備え、
前記PC制御手段は、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある前記仮想遊技機についてのみプレイヤキャラクタの着席を許容し、
前記遊技処理手段は、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機について前記遊技処理を実行することを特徴とするゲーム装置(請求項1)、又は、
表示装置に複数の仮想遊技機が配列された仮想遊技店舗を表示しつつ、現実の遊技機が設置された現実の遊技店舗のシミュレートを行うためのゲームプログラムであって、
コンピュータに、
前記仮想遊技機のそれぞれについての遊技処理を行う遊技処理手順であって、前記仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び前記仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理手順と、
操作入力装置への入力に応答してプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うPC制御手順と、
プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うNPC制御手順とを実行させ
前記PC制御手順においては、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある前記仮想遊技機についてのみプレイヤキャラクタの着席処理が実行され、
前記遊技処理手順においては、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機について前記遊技処理が実行されることを特徴とするゲームプログラ(請求項16)又はこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項17)である。
【0011】
本発明では、PC制御手段は、複数の仮想遊技機を対象として、操作入力装置への入力に基づいてプレイヤキャラクタの離着席制御を行うように構成され、遊技処理手段はプレイヤキャラクタが着席状態にある仮想遊技機についての遊技処理を実行するように構成されているために、特許文献1の発明と同様に、あたかも現実の遊技店舗において遊技機の選択及び遊技を行っているような雰囲気を味わうことができる。
【0012】
更に、本発明では、NPC制御手段がノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行い、PC制御手段は、ノンプレイヤキャラクタが着席状態にある仮想遊技機についてはプレイヤキャラクタの着席を許容しないように構成されている。従って、希望の遊技機での遊技を行うためには、他の遊技客に先んじて台選択を行わなければならないという駆け引きの要素がゲームに盛り込まれることになり、現実の遊技店舗における雰囲気をより高い臨場感をもって体感することができるシミュレーションゲームが実現される。
【0013】
本発明は、前記仮想遊技機が配列される前記仮想遊技店舗の様子を3次元的な俯瞰画像で表示したホール画面を前記表示装置に表示させるゲーム画像制御手段を更に備えること(請求項2)が好ましく、これにより、現実の遊技店舗の雰囲気をより高いリアリティをもってゲーム画面上に再生することが可能となる。
【0014】
本発明は、プレイヤキャラクタが前記仮想遊技機に着席状態にある場合、前記遊技処理手段は、プレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機についての前記遊技処理を、前記操作入力装置からの入力に応答して逐次的に実行するよう構成されていること(請求項3)が好ましい。
【0015】
即ち、特許文献2の発明では、プレイヤキャラクタが仮想遊技機に着席状態にある場合には、所定回数の遊技処理が自動的に反復して実行され、払出数の積算値や差玉数などの遊技成績のみがプレイヤに告知される態様であったため、プレイヤによっては遊技処理における十分な臨場感を得ることができない場合があった。
【0016】
本発明では、プレイヤキャラクタが前記仮想遊技機に着席状態にある場合の遊技処理を操作手段からの入力に応答して逐次的に実行するよう構成されているため、現実の遊技機を用いた遊技と同様の高い臨場感をもって遊技処理を進行させることが可能である。
【0017】
本発明では、プレイヤキャラクタが前記仮想遊技機に着席状態にある場合、前記ゲーム画像制御手段は、前記ゲーム画像を前記ホール画面から単一の仮想遊技機が拡大表示される実機プレイ画面に切り替えるよう構成すること(請求項4)が好ましく、これにより、請求項3の発明と同様、遊技処理におけるリアリティを高めることが可能となる。
【0018】
本発明では、前記仮想遊技店舗内のノンプレイヤキャラクタが予め定められたMAX人数に達しているか否かを監視し、MAX人数に達していない場合には、新たなノンプレイヤキャラクタを前記仮想遊技店舗に入店させる入店処理を実行することにより、前記仮想遊技店舗内のノンプレイヤキャラクタを常にMAX人数に維持する入店制御手段を更に備えること(請求項5)が好ましい。
【0019】
かかる発明によれば、仮想遊技店舗内のノンプレイヤキャラクタ数を、当該仮想遊技店舗に設定された条件(立地条件など)や仮想営業日が割り当てられた曜日、仮想営業時間帯などに応じて自然な態様で増減させる制御を簡易な処理で実行することが可能である。
【0020】
請求項5の発明では、前記入店制御手段は、各ノンプレイヤキャラクタについて、所定のアルゴリズムに従って所持金及び/又は最大遊技数を設定するよう構成されており、前記NPC制御手段は、着席状態にあるノンプレイヤキャラクタの離席判定を、当該ノンプレイヤキャラクタに設定された所持金及び/又は最大遊技数に基づいて実行し、前記離席判定において離席の判定がなされた場合には、当該ノンプレイヤキャラクタによる前記仮想遊技機の着席状態を解除すること(請求項6)が好ましい。
【0021】
かかる発明では、一旦仮想遊技機に着席状態となったノンプレイヤキャラクタが、設定された所持金の消費又は遊技回数の消化などの一定の条件が満たされた場合にその仮想遊技機の着席状態を解除されるため、長短様々な態様で遊技機への着席及び離席を行う現実の遊技店舗における遊技客の挙動が自然な態様で再現することができる。
【0022】
請求項5又は6の発明では、前記NPC制御手段は、同一のノンプレイヤキャラクタについての前記着席判定において連続して所定回数着席の判定がなされなかった場合、又は当該ノンプレイヤキャラクタの前記所持金がゼロとなった場合には、当該ノンプレイヤキャラクタを仮想遊技店舗から退出させる退店処理を実行すること(請求項7)が好ましい。
【0023】
かかる発明では、入店処理が行われたノンプレイヤキャラクタ、又はいずれかの仮想遊技機への着席状態を解除されたノンプレイヤキャラクタが、必ずしもいずれかの仮想遊技機に着席状態とされるのではなく、所定の条件が満たされた場合には、仮想遊技店舗から退出することになるため、所定の頻度でノンプレイヤキャラクタの入店処理と退店処理が繰り返されることになり、これによっても、現実の遊技店舗における遊技客の挙動を自然な態様で再現されることになる。
【0024】
本発明では、前記NPC制御手段は、ノンプレイヤキャラクタの着席判定を、それぞれの前記仮想遊技機についての前記払出数の積算値又は前記払出数の積算値から前記投入数の積算値を差し引いた値である差玉数に応じて実行し、前記着席判定において着席の判定がなされた場合には、当該仮想遊技機を当該ノンプレイヤキャラクタによる着席状態に設定すること(請求項8)が好ましい。
【0025】
かかる発明によれば、例えば、払出数の積算値又は差玉数の多い仮想遊技機から優先的にノンプレイヤキャラクタによる着席状態にする制御が可能となり、従って、当日の成績の良い遊技機ほど他の遊技客に占有されている場合が多い現実の遊技店舗の状況をより忠実に再現させたシミュレーションゲームを実現することが可能である。
【0026】
本発明では、それぞれの前記仮想遊技機について、前記抽選の当選確率に相関を有する値であるモード値を設定するモード値設定手段を更に備えること(請求項9)が好ましい。
【0027】
かかる発明によれば、個々の仮想遊技機毎に異なるモード値が設定されることになるために、プレイヤによる仮想遊技機選定の楽しみを増大させることができ、また、個々の遊技機毎に異なる設定値が設定される現実の遊技店舗における状況をより忠実に再現させたシミュレーションゲームを実現することが可能となる。
【0028】
本発明では、各仮想営業日毎の各前記仮想遊技機についての前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数を記録する遊技成績記録手段を更に備え、前記モード値設定手段は、前記遊技成績記録手段に記録された過去の仮想営業日における各仮想遊技機の前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数に基づいて、モード値の打替えを実行するか否かを決定すること(請求項10)が好ましい。
【0029】
かかる発明によれば、各仮想営業日毎に各仮想遊技機に設定されるモード値が変化することになるため、プレイヤによる仮想遊技機選定の楽しみを一層増大させることができる。また、現実の遊技店舗においても前日の払出数の積算値や差玉数が一定上の遊技機については設定値の変更が行われる場合が多いことから、そのような遊技店舗の営業形態をも再現させたシミュレーションゲームが実現されることになる。
【0030】
本発明では、ノンプレイヤキャラクタの入店率及び/又はモード値の設定態様の異なる複数の候補仮想遊技店舗から、前記操作入力装置への入力に応答して前記仮想遊技店舗を選択する仮想遊技店舗選択手段を更に備えること(請求項11)が好ましい。
【0031】
かかる発明では、特徴の異なる複数の候補仮想遊技店舗からプレイする仮想遊技店舗を選択できるために、例えば、自分が良く行く現実の遊技店舗と似たタイプの仮想遊技店舗を選択してプレイするなど、ゲームのバリエーションを広げることができる。
【0032】
本発明では、前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が発光部を有しており、ノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機の前記発光部が、前記遊技処理における各抽選の結果に応じた態様で発光するよう構成すること(請求項12)又は前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が液晶パネル部及びリール部を有しており、ノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機の前記液晶パネル部及び前記リール部の模様及び/又は色彩を所定の頻度で切り替えて表示すること(請求項13)ができる。
【0033】
かかる発明では、各仮想遊技機の画像が、稼働中の現実の遊技機を再現させた態様で表示されるため、ゲームのリアリティを高めることが可能である。
【0034】
なお、具体的な発光部の発光の態様としては、各仮想遊技機に複数の発光部を設け、遊技処理における抽選によりボーナス役の当選があった場合には全ての発光部を発光させ、子役の当選があった場合には一部の発光部のみを発光させるなどが考えられる。また、液晶パネル部及びリール部の切り替えは、それぞれについて予め準備された数種類のテクスチャを所定時間毎に順次張り替えていくことにより行うことができる。
【0035】
本発明では、前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が、各仮想遊技機のモード値、前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数を表示又は示唆するプレート部を有していること(請求項14)が好ましい。
【0036】
かかる発明によれば、プレイヤは各仮想遊技機のプレート部を参考にして仮想遊技機の選択を行うことができるため、仮想遊技機選択に戦略性を与えることができる。また、現実の遊技店舗においても、払出数の積算値、差玉数或いは設定値についての告知を行うための差し札を各遊技機に立てる場合があるため、そのような遊技店舗の営業形態をも再現させたシミュレーションゲームが実現されることになる。
【0037】
本発明では、前記操作入力装置への操作に応答して、ゲームの進行速度を加速させる時間短縮手段を更に備えること(請求項15)も可能である。
【0038】
かかる発明は、例えば、ノンプレイヤキャラクタが着席状態とされた各仮想遊技機における遊技処理の推移を短時間で眺めたい場合に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
なお、本発明は、プレイヤの入力操作を受け付ける操作入力装置と、画像を表示する表示装置とを備えた家庭用や携帯型などの任意の形態のゲーム装置に適用されるものであるが、以下の実施形態では、外部記録媒体から読み取ったゲームプログラムに基づいてゲームを実施可能な家庭用ゲーム装置に適用した場合について説明する。
【0041】
図1は、本発明を適用した家庭用ゲーム装置1の外観概略構成を示す図である。
【0042】
図示するように、この家庭用ゲーム装置1は、大きく分けて、ゲーム装置本体100、操作入力装置200、表示装置(テレビジョン)300、第1の外部記録媒体400、第2の外部記録媒体500から構成される。
【0043】
ここで、ゲーム装置本体100は、本発明を適用したゲームプログラムを含むゲームソフトウェアを記録したDVD−ROMなどの第1の外部記録媒体400を後述の第1の外部記録媒体読み取りドライブ104がデータ読み取り可能な位置にセットするためのディスクホルダー部110と、ゲームの経過情報(セーブデータ)を記録するメモリーカードなどの不揮発性メモリである第2の外部記録媒体500を後述の第2の外部記録媒体読み取り/書き込みドライブ105がデータ読み取り/書き込み可能な位置にセットするための差込口120と、操作入力装置200のケーブルを後述の操作入力処理部108に接続するためのコントローラ端子130と、装置本体の電源のON/OFFを行うためのPOWERボタン140と、前述のディスクホルダー部110を開閉するための開閉スイッチ150と、表示装置300と接続するためのAVケーブル160と、外部商用電源部に接続するための電源ケーブル170とを備えている。
【0044】
また、操作入力装置200は、プレイヤが各種ゲーム操作を行うためのSTARTボタン201、方向キー202、○ボタン203、×ボタン204、□ボタン205、△ボタン206、R1ボタン207、R2ボタン208、L1ボタン209、L2ボタン210等を備えている。
【0045】
また、表示装置300は、ゲーム装置本体100で生成されたゲーム画像を表示するためのブラウン管や液晶等の表示画面300aと、ゲーム装置本体100で生成されたゲーム演出音声を外部に出力するためのスピーカ部300bとを備えている。
【0046】
図2は、図1に示した家庭用ゲーム装置1の内部のハードウェア構成を示す説明図である。
【0047】
図2に示すように、家庭用ゲーム装置1は、その内部にCPU101、ROM102、RAM103、第1の外部記録媒体読み取りドライブ104、第2の外部記録媒体読み取り/書き込みドライブ105、画像処理部106、音声処理部107、操作入力処理部108、画像・音声出力インタフェース部109、電源供給インタフェース部110を備えている。
【0048】
ここで、CPU101は、ゲーム装置の制御動作の中枢となり、システムバス111を介して他の構成要素部分と制御信号やデータ信号等の受け渡しを行ってゲーム装置全体を統括的に制御するとともに、ゲームプログラム並びにプレイヤが操作入力装置を使って指示する内容に基づいて、適宜、描画や音声出力のためのタスクとしてのコマンドを生成して、ゲーム進行を制御する。
【0049】
ROM102は、ゲーム装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かす為の基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。
【0050】
RAM103は、第1の外部記録媒体400及び第2の外部記録媒体500から読み出したデータを一時記録するとともに、作業中のデータを一時記録する揮発性メモリである。例えば、ゲーム実行処理時に第1の外部記録媒体400から読み出したゲームプログラムや各種ゲームデータ(ゲーム画像情報、ゲーム演出音声情報、テキスト情報等)の一部若しくは全部をゲームプログラム記録領域103aに一時記録保持するとともに、第2の外部記録媒体500から読み出したセーブデータ或いはゲーム進行中の作業データをゲーム進行データ記録領域103bに一時記録保持する。
【0051】
第1の外部記録媒体読み取りドライブ104は、DVD−ROMなどの第1の外部記録媒体400に記録されたゲームプログラムや各種ゲームデータを読み取る。
【0052】
第2の外部記録媒体読み取り/書き込みドライブ105は、メモリーカードなどの第2の外部記録媒体500に対するセーブデータの読み取り及び書き込みを行う。
【0053】
画像処理部106は、表示装置300の表示画面300aで表示するゲーム画像を生成処理する。
【0054】
音声処理部107は、表示装置300のスピーカ部300bから出力するゲーム演出音声を生成処理する。
【0055】
操作入力処理部108は、操作入力装置200との間での信号の授受を行うためのI/Oポートである。
【0056】
画像・音声出力インタフェース部109は、前述の画像処理部106及び音声処理部107でそれぞれ生成されたゲーム画像及びゲーム演出音を表示装置300に出力するインタフェース部である。
【0057】
電源供給インタフェース部110は、ACアダプタ機能を有し、外部商用電源からの電力を本体内部に供給するインタフェース部である。
【0058】
図3は、CPU101が上記第1の外部記録媒体400に記録される本発明を適用したゲームプログラムを実行することにより実現される家庭用ゲーム装置1の機能ブロックである。
【0059】
図中、メインメニュー処理部10は、操作入力装置200からの入力に応じてメインメニュー処理を実行するものである。スロットゲーム実行部20は、上記メインメニュー処理において後述の「スロットプレイ」の項目が選択された場合に、現実の遊技店舗に設置された現実の回胴式遊技機の動作を再現させたシミュレーションゲームであるスロットゲームを実行するものである。
【0060】
ホールゲーム実行部30は、上記メインメニュー処理において後述の「実戦!ホールゲーム」の項目が選択された場合に、現実のパチンコ店やパチスロ店等の遊技店舗の臨場感を体感でき、且つ、その遊技店舗に設置される遊技機(本実施形態では回胴式遊技機)で行われる遊技を疑似体験できる本発明に係るホールゲームを実行するものであり、ゲーム条件設定部31、NPC制御部32、PC制御部33、遊技処理部34、遊技成績記録部35、仮想遊技機制御部36、ゲーム画像制御部37、景品カウンタ部38、データCOM処理部39、時間短縮部40、データ記録部41から構成される。
【0061】
図4(a)は、本発明に係るプログラムを組み込んだゲームプログラムを記録したDVD−ROM400をセットして家庭用ゲーム装置1を起動させた場合に、メインメニュー処理部10が表示装置300に表示させるメインメニュー画面70である。
【0062】
図示するように、このメインメニュー画面70は、「スロットプレイ」、「実戦!ホールゲーム」、「データ削除」の3つの選択項目70a〜70cを備えている。
【0063】
ここで、「スロットプレイ」の項目70aは、現実の遊技機をゲーム画像として表示装置300上において忠実に再現させて、操作入力装置200への各種操作に応答して、現実の遊技機と同様の動作のシミュレーションを行うものである。
【0064】
「実戦!ホールゲーム」の項目70bについては後述する。
【0065】
「データ削除」の項目70cは、方向キー202や○ボタン203等により選択指定された場合に、前述の「スロットプレイ」や「実戦!ホールゲーム」などのセーブデータの削除を行う機能を実行するモードである。
【0066】
次に、図4(a)のメインメニュー画面70において、方向キー202や○ボタン203等の操作により「実戦!ホールゲーム」の項目70bが選択指定された場合に実行されるホールゲームについて説明する。
【0067】
なお、以下に説明するホールゲームは、所定の所持金を与えられたプレイヤキャラクタ(以下、「PC」という)が、仮想遊技店舗(以下、「ホール」という)に設置される仮想遊技機でスロットプレイを行って、所持金を増やせるか減らしてしまうかの運試しをすることを内容とするゲームであり、PCのホールへの入店は、ホールの各仮想営業日における仮想営業時間(10時〜23時)の任意の時間帯に行うことができるようになっている。
【0068】
図5は、本実施形態に係るゲーム装置において、ホールゲームにおけるホールモードが実行までの処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
図4(a)のメインメニュー画面70が表示装置300に表示された状態(ステップS101)において、「実戦!ホールゲーム」の項目70bが選択されると、図4(b)に示すプレイ選択画面71が表示装置300に表示される(ステップS102)。
【0070】
このプレイ選択画面71において「最初から」の項目71aが選択指定されると、ゲーム条件設定部31における設定受付部31aが動作し、操作入力装置200からの入力に従って、PCの種類選択、ホール選択、客層選択、交換率指定、遊技開始時刻指定などのゲーム条件の受付(ステップS103〜107)を実行する。
【0071】
即ち、ステップS103におけるPCの種類選択では、「若者」、「サラリーマン」、「おじさん」、「老人」、「ギャル」、「OL」、「主婦」、「おばあさん」等の外観の異なる複数種類のキャラクタからプレイヤにより操作されるPCを選択することが可能である。PCの種類はゲームの内容、進行には影響しない。
【0072】
ステップS104におけるホール選択では、モード値の設定の態様やゲームに登場するノンプレイヤキャラクタ(PC以外のキャラクタ。以下、「NPC」という)の入店比率などの特性がそれぞれ異なる複数の候補ホール(「ど田舎」、「郊外」、「駅前」、「HANEDA」、「最果て」等)からPCが入店する所望のホールを選択することができる。
【0073】
ステップS105における客層選択では、NPCの種類を「若者中心」、「サラリーマン中心」、「おじさん中心」、「老人中心」、「ギャル中心」、「OL中心」、「主婦中心」、「おばあさん中心」などから選択することができる。例えば、NPCの種類として「若者中心」を選択した場合には、着席状態の持続時間が比較的長く、遊技処理の実行頻度が高くなる若者のNPCのホールへの入店率が高くなり、「老人中心」を選択した場合には、着席状態の持続時間が比較的短く、遊技処理の実行頻度が少なくなる老人のNPCのホールへの入店率が高くなるなどにより、ホール内の雰囲気に変化を与えることができる。
【0074】
ステップS106における交換率設定では、PCが仮想遊技機に着席状態にある間に実行された実機プレイ処理における差玉数(払出数の積算値から投入数の積算値を差し引いた値)をお金に換算するときのレートが設定できる。換算されたお金はPCに設定された上記所持金に加算される。
【0075】
ステップS107における遊技開始時刻指定では、ホールへのPCの入店時刻を決定することができる。具体的には、図4(c)に示す時計画像72aが表示装置300に表示され、○ボタン203の押下によって、時計画像72aの針が動き出すので、希望の時刻となったところで○ボタン203を押下することでPCの入店時刻を決定できる。
【0076】
なお、ステップS102のプレイ選択画面71において、「続きから」の項目71bが選択された場合、前回のプレイでセーブしたデータのメモリーカードからの読込(ステップS109)が行われた後、ステップS104〜S106におけるゲーム条件の受け付けが行われる。また、前日の仮想営業日におけるゲームの終了処理から引き続いて当日の仮想営業日におけるゲーム処理が実行される場合も同様である。この場合、PCの種類及び所持金は、前回のプレイ終了時又は前日の仮想営業日のゲーム終了時のデータが使用される。また、「説明を見る」の項目71cが選択された場合には、ホールゲームの各種操作を解説する解説画像が表示装置300に表示される(ステップS110)。
【0077】
上記によりゲーム条件設定処理が完了すると、ゲーム条件設定部31におけるモード値設定部31bが動作して、ステップS104において選択されたホールに設置される複数(例えば24台)の仮想遊技機のそれぞれについてのモード値を設定するモード設定処理が行われる(ステップS108)。
【0078】
このモード設定処理では、データ記録部41に記録されるモード設定テーブルからモード確率データが取得され、乱数などを用いた抽選により、取得したモード確率データに従って各仮想遊技機のモード値が決定される。
【0079】
図6は、上記モード設定テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0080】
図示のように、モード設定テーブルは、それぞれの仮想営業日(曜日)毎の各ホールについての各モード値が設定される確率を、分母を512とする分子として規定したテーブルであり、例えば、仮想営業日が月曜日であり、ステップS104において選択されたホールが「ど田舎」の場合であれば、モード値が「1」に設定される仮想遊技機の確率が、48/512であり、モード値が「2」に設定される確率が、80/512であるなどが規定されている。
【0081】
なお、上記モード設定処理におけるモード値の設定は、常に全ての仮想遊技機について実行される訳ではなく、2日以上の仮想営業日に渡ってプレイが行われた場合における第2日目以降の仮想営業日では、乱数などを用いた抽選により、打替えテーブルに規定される打替え確率データに従って決定される特定の仮想遊技機のみがステップS108におけるモード設定処理の対象となる。
【0082】
図7は、上記打替テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0083】
図示のように、打替テーブルは、それぞれの仮想営業日(曜日)毎のそれぞれのホール毎に、各仮想遊技機の過去2日分の差玉数に応じてその仮想遊技機をモード設定処理の対象とする確率を、分母を256とする分子として規定したテーブルであり、例えば、仮想営業日が月曜日であり、ステップS104において選択されたホールが「ど田舎」の場合であれば、そのホールのある仮想遊技機の過去2日分の差玉数が3000〜5999の範囲であれば、その仮想遊技機がモード設定処理の対象とされる確率が128/256であり、過去2日分の差玉数が6000以上であれば、その仮想遊技機がモード設定処理の対象とされる確率が256/256であることが規定されている。
【0084】
上記によりモード設定処理(ステップS108)が完了すると、NPC制御部32、PC制御部33、遊技処理部34、遊技成績記録部35、仮想遊技機制御部36、ゲーム画像制御部37などが動作して、複数の仮想遊技機が配列されたホールにおいてPCやNPCが動作する様子をゲーム画像として表示するホール画面50を表示装置300に表示させつつ、PCによる実機プレイを行ったり、或いはNPCのホール内での動作や遊技状態を見物して楽しむことができるホールモード(ステップS111)が開始される。
【0085】
図8は、ホールモードにおいて入店制御部32aにより実行されるNPCの入店処理の手順を示すフローチャートである。
【0086】
図示されるように入店制御部32aは、一定時間のウェイトを行うための計時ループ処理(ステップS201)の実行後、ホール内のNPC数の監視処理を実行する(ステップS202)。
【0087】
続くステップS203では、フレームカウンタ値などに基づいて管理される仮想営業時間内における仮想時刻と、データ記録部41に記録される入店MAXテーブルに基づいて、該当するホールについての当該仮想時刻におけるMAX人数を取得する。
【0088】
図9は、入店MAXテーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0089】
図示のように、入店MAXテーブルは、それぞれのホール毎のそれぞれの仮想営業時間帯毎におけるホール内のNPC数を規定するものであり、例えば、ステップS104において選択されたホールが「ど田舎」であり、仮想時刻が12時であれば入店制御部32aはMAX人数として「5」の数値を取得する。なお、図示のように、入店MAXテーブルのMAX人数は、「駅前」や「HANEDA」などの繁華な印象の名称が付されたホールと、「ど田舎」、「最果て」などの閑散とした印象の名称が付されたホールとでは大きく相違し、また、仮想時刻が朝、昼、夜のいずれの時間帯であるかによっても大きく相違するように設定されており、一般のプレイヤが繁盛していると考えるシチュエーションであるほどMAX人数を大きくすることで、ゲームのリアリティが損なわれない配慮がされている。
【0090】
続くステップS204では、ステップS202におけるNPC数とステップS203におけるMAX人数とを比較し、NPC数がMAX人数と同数である場合には処理をステップS201にリターンさせ、NPC数がMAX人数よりも少ない場合には、NPCの入店イベントを実行するものとし、後続のステップS205〜S209において、当該入店イベントでの着席制御処理の対象となるNPCのデータや属性の設定を実行する。
【0091】
即ち、ステップS205では、データ記録部41に記録される入店客種テーブルから客種確率データが取得され、乱数などを用いた抽選により、取得した客種確率データに従ってNPC種類が決定される。
【0092】
図10は、ステップS105において「若者中心」の客層が選択された場合に使用される入店客種テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0093】
図示のように、入店客種テーブルは、仮想営業時間帯毎の各NPCの種類毎の選択確率を規定したものであり、図示のテーブルにおいて仮想時刻が15時であった場合には、「若者」のNPCの選択確率が40%であり、以下、「サラリーマン」、「おじさん」等々の選択確率が、「10%」、「5%」などであることが規定されている。
【0094】
なお入店客種テーブルは、ステップS105において選択可能な客層の種類毎にそれぞれデータ内容の異なるテーブルが準備されている。
【0095】
続くステップS206では、データ記録部41に記録される所持金テーブルから所持金確率データが取得され、ステップS205と同様の乱数などを用いた抽選により、取得した所持金確率データに従ってNPCの所持金が決定される。
【0096】
図11は、所持金テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0097】
図示のように、所持金テーブルは、各NPCの種類毎に様々な額の所持金が設定される確率を規定したものであり、例えば、NPCの種類が「おじさん」である場合には、「3000円」の所持金が設定される確率が「0%」であり、以下、「6000円」、「9000円」等々の所持金が設定される確率が「10%」、「30%」などであることが規定されている。
【0098】
続くステップS207では、データ記録部41に記録される第1、第2最大ゲーム数テーブルから第1、第2最大ゲーム数確率データが取得され、ステップS205と同様の乱数などを用いた抽選により、取得した上記各確率データに従ってNPCの第1、第2最大ゲーム数が決定される。
【0099】
図12(a)、(b)は、第1、第2最大ゲーム数テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0100】
図示のように、第1、第2最大ゲーム数テーブルは、各NPCの種類毎に様々な回数の最大ゲーム数が設定される確率を規定したものであり、例えば、NPCの種類が「若者」である場合には、第1最大ゲーム数テーブルでは、「10回」の第1最大ゲーム数が設定される確率が「0%」であり、「128回」、「256回」等々の第1最大ゲーム数が設定される確率が「6%」、「20%」などであることが規定されており、第2最大ゲーム数テーブルでは、「10回」の第2最大ゲーム数が設定される確率が「2%」であり、「128回」、「256回」等々の第2最大ゲーム数が設定される確率が「10%」、「6%」などであることが規定されている。
【0101】
続くステップS208では、データ記録部41に記録されるプレイ速度テーブルから速度確率データが取得され、ステップS205と同様の乱数などを用いた抽選により、取得した速度確率データに従ってNPCのプレイ速度が決定される。
【0102】
図13は、プレイ速度テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0103】
図示のように、プレイ速度テーブルは、各NPCの種類毎に様々なプレイ速度が設定される確率を規定したものであり、例えば、NPCの種類が「若者」である場合には、「10秒に1ゲーム」のプレイ速度が設定される確率が「90%」であり、「20秒に1ゲーム」のプレイ速度が設定される確率が「10%」であるなどが規定されている。
【0104】
続くステップS209では、データ記録部41に記録される目押しパーフェクト比率に従って、ステップS205と同様の乱数などを用いた抽選により、NPCに目押しパーフェクトの属性を与えるか否かの決定が行われる。
【0105】
ここで、目押しパーフェクトとは、遊技処理における抽選で当選した入選役を確実に成立させることができる属性であり、目押しパーフェクト比率は、NPCの種類に応じて、「若者」の場合は「95%」、「サラリーマン」の場合は「80%」、「おじさん」の場合は「70%」などと定められている。
【0106】
なお、目押しパーフェクトの属性が付与されなかったNPCが着席状態となった仮想遊技機についての遊技処理では、抽選で当選した場合におけるその当選した入選役を成立させる確率が、現実の遊技機においてアトランダムなタイミングでリールを停止させた場合に入賞役が成立する確率と同程度に設定される。
【0107】
ステップS209の処理の終了後、入店制御部32aは、ステップS205〜S209において決定したデータや属性とともに、入店イベントの発生を告知する信号をNPC制御部32の着席制御部32bに送信し(ステップS210)、その後処理をステップS201に復帰させる。これにより、上記入店処理が所定時間間隔で繰り返し実行されることになり、その結果、ホール内のNPC数が常に図9の入店MAXテーブルに定められた数値に維持される。
【0108】
図14は、NPC制御部32が入店イベント又は後述の離席イベントの発生を告知する信号を受信した場合に着席制御部32bが実行するNPCの着席制御処理の内容を示すフローチャートである。
【0109】
なお、この着席制御処理は、ホールに入店したNPC又は仮想遊技機から離席したNPCをホール内の所定の経路に従って移動させた後に、いずれかの仮想遊技機に着席させ、又はそのままホール外に退店させる演出を行うための処理である。
【0110】
図示のように、入店イベント又は離席イベントが発生すると(ステップS301)、着席制御部32bは、ホール内の全ての仮想遊技機がNPC又はNPC及びPCによる着席状態に設定されているか否かを判定する(ステップS302)。この判定の結果が「Yes」である場合には、ホール画面50上において対象のNPCをホール外に退出させる退店演出を実行して着席制御処理を完了する(ステップS303)。
【0111】
他方、上記判定が「No」である場合は、NPCをホール内の所定の経路に従って移動させる(ステップS304)。そして、NPCが着席状態ではないいずれかの仮想遊技機の前に到達した時点で、その仮想遊技機に出玉プレートが設定されているか否かの判定を実行し(ステップS305)、設定されていないと判定した場合には、処理をステップS304に復帰させて、他の仮想遊技機についての出玉プレートの判定(ステップS305)を再度実行する。
【0112】
ここで、出玉プレートは、仮想遊技機制御部36が、当日の仮想営業日における各仮想遊技機の払出数の積算値を、成績の良い順にAからFの6段階にランク付けすることにより設定するものである。ただし、遊技処理の回数の少ない仮想遊技機についてのランク付けは信頼性が低いことから、払出数の積算値が所定数以下の仮想遊技機については出玉プレートの設定を行わないようになっており、また、ホールの仮想営業開始時刻からの所定の時間内は前日の仮想営業日の払出数の積算値に基づいて出玉プレートの設定を行うようになっている。
【0113】
一方、ステップS305において出玉プレートが設定されていると判定された場合には、データ記録部41に記録される所定の着席判定テーブルから取得される着席確率に従って、乱数などを用いた抽選により、NPCの着席判定が行われる(ステップS306)。
【0114】
図15は、上記着席判定テーブルの例示的な内容を示す説明図である。
【0115】
図示のように、着席判定テーブルは、各NPCの種類毎及び出玉プレートのランク毎の着席確率を規定したものであり、図示の例では、例えば、NPCの種類が「若者」の場合の出玉プレートの「Aランク」〜「Fランク」に対して、それぞれ「80%」、「70%」、「50%」、「50%」、「5%」及び「0%」の着席確率が設定されている。
【0116】
この着席判定において、着席なしの判定がなされた場合には、初期値がゼロの着席判定カウンタを1増分する処理(ステップS307)が実施された後に着席判定カウンタが3以上か否かの判定(ステップS308)が実施され、この判定の結果が「Yes」である場合には、ステップS303の退店処理が実行され、「No」である場合には、処理がステップS304に戻される。即ち、各NPCの1回の着席制御処理において、最大3回までの着席判定が反復して実行され、その間に着席の判定がなされなかったNPCはそのままホール外に退出することになる。
【0117】
他方、ステップS306の着席判定において着席の判定がなされると、ホール画面50上において対象のNPCを対象の仮想遊技機(ステップS305において出玉プレートの判定がなされた仮想遊技機)に着席させる着席演出(ステップS309)が実行されるとともに、当該仮想遊技機を当該NPCによる着席状態に設定する処理が実行される(ステップS310)。
【0118】
図16は、ステップS307の着席状態への設定が行われた各仮想遊技機について遊技処理部34が実行する遊技処理の内容を示すフローチャートである。
【0119】
図示されるように遊技処理部34は、まず、一定時間のウェイトを行うための計時ループ処理(ステップS401)を実行する。この処理は、対象の仮想遊技機に着席状態にあるNPCに設定されたプレイ速度(ステップS208)を反映させるための処理であり、計時ループの長さは、当該設定されたプレイ速度に応じて定められる。
【0120】
上記ループ処理の後、ステップS402において抽選処理が実行される。
【0121】
即ち、遊技処理部34は、ホール内の全ての仮想遊技機のそれぞれに対応する抽選部34a〜34a及び各モード値(1〜6)に対応する6種類の抽選テーブル34b〜34bを備えており、対象の仮想遊技機に対応する抽選部34a〜34aにおいて発生させた乱数を、その仮想遊技機についてステップS108において設定されたモード値に対応する抽選テーブル34b〜34bに照らし合わせることにより予め定められた入賞役の当否抽選を実行する。
【0122】
そして、ステップS403では上記抽選処理における当否判定が実行され、当選の場合には、当該抽選において当選した入賞役を成立させるか否かの判定が実行される(ステップS404)。この入賞役の成否判定では、対象の仮想遊技機に着席状態にあるNPCに設定された目押しパーフェクト属性が参照され、当該属性の設定がある場合にはステップS404において当選した入賞役の成立が100%の確率で判定され、当該属性の設定がない場合には、乱数などを用いて予め定められた所定の確率で当該入賞役の成立が判定される。
【0123】
そして、ステップS404において入賞役の成立が判定された場合には、データ記録部41に記録される所定のテーブルに従って当該入賞役に設定された払出数を導出する処理(ステップS405)、及び、当該入賞役の成立を告知する所定の信号を仮想遊技機制御部36に送信する処理(ステップS406)が実行され、その後に処理はステップS409に移行する。
【0124】
一方、ステップS403、S404において入賞役の当選、成立が無かった場合には、ステップS405及びS406の処理はスキップされる。
【0125】
ステップS407では、ステップS405において特定された払出数(ステップS405が実行されない場合はゼロ)から予め定められた投入数(例えば3枚)を差し引いた値に所定のレートを乗じた値を対象のNPCに設定された所持金から差し引くことにより当該所持金の更新処理が実行される。
【0126】
遊技処理部34は、ステップS407において1回の遊技処理を完了させた後、処理をステップS401に復帰させることにより、所定の時間間隔毎に上記遊技処理を反復して実施する。
【0127】
なお、本実施形態における遊技処理では、後述の実機プレイ処理におけるようなリールの回動及び停止などを視覚的に再現するための処理を行う必要がないため、通常の計算能力のCPU101をもって上記のような多数の抽選部34a〜34aを用いた高速での遊技処理を行うことが可能となる。
【0128】
なお、各仮想遊技機についての上記遊技処理において導出される投入数及び払出数は、逐次遊技成績記録部35に通知され、遊技成績記録部35は、各仮想遊技機についての各仮想営業日毎の積算投入数、積算払出数並びに当該積算払出数から積算投入数を差し引いた値である差玉数を導出する処理を実行する。
【0129】
図17は、ステップS307の着席状態への設定が行われたNPCについて、上記遊技処理と並行して離席制御部32cが実行する離席制御処理の内容を示すフローチャートである。
【0130】
この処理では、まず、景品アイテムである「台譲って」の使用の有無の判定が行われ(ステップS501)、使用有りの場合は、対象のNPCの仮想遊技機への着席状態を解除するとともに、そのNPCをホール外に退出させる退店演出を実行する(ステップS502)。
【0131】
ステップS501の判定の結果が使用無である場合は、ステップS503において、対象のNPCが、着席状態への設定以降に実行された入賞判定(ステップS404)において、ボーナス役の成立が有ったか否かの判定が行われ、この判定の結果が「No」である場合、処理はステップS504に移行する。
【0132】
ステップS504では、ステップS407において時事刻々更新される対象NPCの所持金残額がゼロよりも大きいか否かの判定が実行され、「No」の場合、即ち、所持金がゼロである場合は、対応する仮想遊技機の着座状態を解除するとともに、離席イベントの発生を告知する信号を着席制御部32bに送信する離席処理(ステップS505)を実行し、この判定の結果が「Yes」の場合は、次回の離席制御処理を実行すべく、処理はステップS501に戻される。
【0133】
一方、ステップS503の判定の結果が「Yes」である場合には、処理はステップS506に移行して、当該ボーナスゲームの連続数が3回未満であるか否かの判定を実行する。
【0134】
そして、この判定の結果が「Yes」である場合はステップS507、「No」である場合はステップS508において、当該ボーナスゲーム以降に実行された遊技処理の実行回数が、それぞれ、ステップS207において決定された第1、第2最大ゲーム数を超過しているか否かの判定が実行され、それぞれ、「Yes」の場合はステップS505における離席処理が実行され、「No」の場合は、次回の離席制御処理を実行すべく、処理はステップS501に戻される。
【0135】
図18(a)は、ホールモードにおいて、ゲーム画像制御部37が表示装置300に表示させるホール画面50の例示的な態様を示している。
【0136】
このホール画面50は、仮想遊技機や人などを象った様々な形状の3次元オブジェクトを仮想空間に配置した3次元モデルを、PC52に対応するオブジェクトの上部後方に配置された仮想カメラで撮影した映像として生成されるものであり、ホール画面50には、ホールH内に配列された複数の仮想遊技機51及びPC52、NPC53などの人物のキャラクタが表示される他、ドル箱54、景品カウンタ55、データCOM56などが表示される。
【0137】
また、ホール画面50の所定位置には、PC52についての遊技情報(「所持金」、「所得メダル数」、「交換率」、「BB回数」、「単BC回数」、「ボーナス連続回数」など)を表示するPC情報ウインドW1、PC52の直近にある仮想遊技機51についての遊技情報(「台番号」、「BB回数」、「単BC回数」やボーナスからのプレイ数、プレートに関する情報など)を表示する仮想遊技機ウインドW2、及び、プレイヤへの告知や操作方法の説明などを表示するテキストウインドW3などが表示される。
【0138】
上記PC52は、方向キー202やR1ボタン207、L1ボタン209への操作により、ホールH内を移動させ、又は左右に回転させることが可能となっている。従って、プレイヤは、上記操作によってPC52をホールH内の任意の場所に移動させることで、ホール画面50において、ホールH内の任意の場所を斜め上方から見た俯瞰画像を楽しむことができる。また、各仮想遊技機51の近くにPC52を移動させることで、仮想遊技機ウインドW2において各仮想遊技機51の遊技情報を確認することが可能である。
【0139】
上記NPC53は、NPC53の種類毎に準備されたオブジェクトを上記したNPC制御部32の制御に従って動作させることにより、ホール画面50内において入退店動作、ホールH内での移動動作、仮想遊技機51への着席、離席動作などを行うようになっており、これにより、ホール画面50において、現実の遊技店舗の雰囲気を高いリアリティで再現させることができる。
【0140】
図18(b)は、ホール画面50に表示される仮想遊技機51を拡大して示す説明図である。
【0141】
図示のように、各仮想遊技機51は、液晶パネル部51a、リール部51b、中央発光部51c、サイド発光部51d及び下部発光部51eを備えており、いずれかのNPC53による着席状態に設定されている仮想遊技機51については、仮想遊技機制御部36の制御により以下のような動作を行うようになっている。
【0142】
即ち、液晶パネル部51a及びリール部51bには、それぞれ複数種類(例えば3種類)のテクスチャデータが準備されており、そのテクスチャデータが液晶パネル部51a及びリール部51bにおいて所定時間毎に順次切り替え表示されることで、仮想遊技機51が稼働中であることが表現される。また、仮想遊技機制御部36が入賞役の成立信号(ステップS406)を受信した場合には、成立した入賞役がボーナス役であるか否かによって異なる態様で各発光部51c〜51eを発光表示させる。
【0143】
従って、プレイヤは、現実の遊技店舗におけると同様の態様で、ホールH内の各所においてNPC53が仮想遊技機51に着席して遊技を行っている状態を眺めて楽しむことが可能である。
【0144】
更に、仮想遊技機51の上部には、3つのプレート(モードプレート51f、差玉プレート51g、出玉プレート51h)が表示されるようになっている。
【0145】
これらのプレート51f〜51hは、それぞれ、当該仮想遊技機51について設定されたモード値、差玉数、積算払出数を表示又は示唆するためのものであり、例えば、モードプレート51fには、モード値の数値を表示することも可能であり、「4〜6である」、「偶数である」、「奇数である」など、モード値を示唆する文字や図形などを表示することも可能である。同様に、差玉プレート51g、出玉プレート51hには、それぞれ差玉数、積算払出数の数値を表示してもよく、或いは、それぞれの程度やランクを示す文字や図形などを表示することも可能である。
【0146】
従って、プレイヤは、各仮想遊技機51のプレート51f〜51hを参考にして、自身で実機プレイを行いたい仮想遊技機51を選定することができる。
【0147】
なお、プレート51f〜51hは、全ての仮想遊技機51について常に表示させることも可能であるが、本実施形態では、プレート51fは、仮想営業時間における所定の時間帯などにおいてのみ表示され、プレート51g、51hは、それぞれ差玉数、積算払出数が一定上の数値である場合にのみ表示されるようになっている。
【0148】
上記ホールモードにおいて、PC52をいずれかの仮想遊技機51の近くに位置させた状態で○ボタン203の操作が行われた場合には、PC制御部33及び遊技処理部34が動作して、PC着席制御処理及び実機プレイ処理が実行される。
【0149】
図19(a)、(b)は、それぞれ、PC着席制御処理及び実機プレイ処理における処理の流れを示すフローチャートである。
【0150】
PC着席制御処理においては、PC制御部33により以下の処理が実行される。
【0151】
即ち、PC52の直近の仮想遊技機51がいずれかのNPC53による着席状態に設定されているか否かの判定が実行される(ステップS601)。そして、判定の結果が「Yes」である場合、即ち、着席状態に設定されている場合には、その旨のテキスト、或いは着席状態にあるNPC53との会話テキストを表示するなどにより、実機プレイを行うことができないことの告知を行ってここでの処理を終了させる(ステップS602)。
【0152】
一方、ステップS601における判定の結果が「No」である場合、即ち、対象の仮想遊技機51が着席状態に設定されていない場合には、当該仮想遊技機51を着席状態に設定する処理を実行し(ステップS603)、処理を遊技処理部34に引き渡す。
【0153】
ステップS603の処理により、仮想遊技機51がPC52による着席状態に設定された場合、遊技処理部34が以下の実機プレイ処理を実行する。
【0154】
即ち、遊技処理部34は、表示装置300におけるゲーム画像をホール画面50から実機プレイ画面60への切り替えを実行する(ステップS701)。
【0155】
図20は、実機プレイ画面60の例示的な態様を示す説明図である。
【0156】
図示されるように、実機プレイ画面60には、液晶パネル部62、3つのリール63a〜63cからなるリール部63を備えるなど、現実の遊技機を忠実に再現させた遊技機画像61が表示されるとともに、「残りプレイ数」64a、「所持金」64b、「ボーナス履歴」64c、「所得メダル枚数」64d、「通常プレイ数」64e、「BBからのプレイ数」64fや大当たり回数64g等の各種情報ウインドが表示される。
【0157】
続くステップS702では、メダル投入に割り当てられた操作信号(例えば、R1ボタン207の押下操作)の待ち受けが行われ、当該信号の入力が検知されると処理はステップS703に移行し、所定の投入数(例えば3枚)を所得メダル枚数から差し引くとともに、同数を積算投入数に加算するメダル投入処理が実行される。
【0158】
なお、所得メダル枚数がゼロとなった場合には、プレイヤの所持金の所定額が減算され、その減算額に所定のレートを乗じて算出されるメダル数が所得メダル枚数に加算される。
【0159】
その後、リール63a〜63cの回転動作に割り当てられた操作信号(例えば、方向キー202の下方向への操作)の待ち受け(ステップS704)が行われ、当該信号の検知により処理はステップS705に移行して抽選処理が実行される。
【0160】
ここでの抽選処理の内容は、NPCによる着席状態に設定された仮想遊技機について上記した抽選処理(ステップS402)と同様である。
【0161】
即ち、ここでは、PC52による着席状態に設定された仮想遊技機51に対応する抽選部34a〜34a及び、その仮想遊技機51に設定されたモード値に対応する抽選テーブル34b〜34bが使用され、当該抽選部34a〜34aが発生させた乱数を当該抽選テーブル34b〜34bに照らし合わせることで入賞役の当否抽選が実行される。
【0162】
そして、実機プレイ画面60におけるリール63a〜63cに回転動作を行わせる処理(ステップS706)が実行された後、ステップS707では、各リール63a〜63cの回転停止に割り当てられた操作信号(例えば、□ボタン205、×ボタン204及び○ボタン203の押下操作)の待ち受けが行われ、いずれかの信号を検知する毎に実機プレイ画面60上の対応するリール63a〜63cに停止動作を行わせる処理(ステップS708)が実行される。
【0163】
ステップS709では、全てのリール63a〜63cについて停止動作が実行されたか否かの判定が行われ、「No」の場合には処理をステップS707に復帰させる。
【0164】
ステップS709における判定が「Yes」となった場合、即ち、全てのリール63a〜63cの停止動作が完了した場合には、各リール63a〜63cの停止状態に基づいて入賞役の成立、不成立の判定(ステップS710)が行われ、不成立の場合、処理はステップS702に戻される。
【0165】
一方、入賞役の成立があった場合には成立した入賞役に割り当てられた払出数が特定され(ステップ711)、その特定された払出数を所得メダル枚数及び積算払出数にそれぞれ加算する処理(ステップS712)が実行されて1回の実機遊技プレイが終了し、その後処理はステップS702に戻される。
【0166】
なお、実機プレイ処理中にプレイヤの所持金がゼロになった場合には、ゲームオーバーとなり、遊技結果の表示などを行った後にゲームの終了処理が実行される。
【0167】
また、実機プレイ処理中にSTARTボタン201が操作されると、実施中の実機プレイにおける遊技成績の表示や、実機プレイ処理の終了などを受け付ける処理メニューが実機プレイ画面60に表示される。
【0168】
実機プレイ処理において導出される投入数及び払出数は、逐次遊技成績記録部35に通知され、遊技成績記録部35は、その時点でPC51の着席状態に設定されている仮想遊技機についての積算投入数、積算払出数並びに当該積算払出数から積算投入数を差し引いた値である差玉数を導出する処理を実行する。
【0169】
以上のように、実機プレイ処理では、現実の遊技機を忠実に再現させた実機プレイ画面60が表示装置300に表示され、更に、操作入力装置200からの操作に基づいて逐次的に現実の遊技機の動作を再現させる処理が実行されるため、プレイヤは、あたかも現実の遊技機での遊技を行っているかのような感覚を楽しむことができる。
【0170】
上記ホールモードにおいては、更に、PC52の位置や操作入力装置200への操作に応じて下記の処理が実行される。
【0171】
PC52を景品カウンタ55の近くに位置させた状態で○ボタン203の操作が行われた場合は、景品カウンタ部38が動作して、実機プレイでの獲得メダルを景品アイテムと交換したり、ステップS106で設定した交換率で換金することが可能である。
【0172】
なお、ここでの景品アイテムとしては、実機プレイを行う仮想遊技機51のモード値を変更するための「設定6にして」アイテムや、モード値を表示させるための「設定はなに?」アイテム、着席状態にあるNPC53の着席状態を強制的に解除するための「台譲って」アイテムなど、ゲームの内容や進行に影響を与えるものと、ホールモード中にスピーカ部300bから出力させるBGMを変更するなどゲーム環境を変更するためのアイテムなどが準備されており、それぞれ、所定数の獲得メダルと交換することが可能である。
【0173】
また、PC52をデータCOM56の近くに位置させた状態で○ボタン203の操作が行われた場合は、データCOM処理部39が動作して、遊技成績記録部35に記録された当日又は過去数日の仮想営業日における各仮想遊技機51の遊技成績を表示装置300上に表示させることができる。
【0174】
ここでの遊技成績をどのような態様で表示するかは任意であるが、例えば、上記操作が行われた時点における各仮想遊技機51の積算払出数、差玉数、ボーナス役の成立回数、遊技処理回数などを一覧形式で表示し、差玉数の遊技処理回数に対する推移をスランプグラフとして表示し、或いは、仮想遊技機51の積算払出数、差玉数、ボーナス役の成立回数などの多寡をランキング形式で表示するなどが考えられる。
【0175】
また、□ボタン205を操作した場合には、時間短縮部40が動作してホールモードにおける時間の経過速度を、例えば、ノーマルの速度に対して8倍乃至10倍の速度に高めることができる。従って、この操作が行われている間、NPC53の移動演出、離着席演出や各仮想遊技機51についての遊技処理などが高速で実施されることになる。
【0176】
ホールHの出口の近くにPC52を位置させて○ボタン203の操作が行われた場合、又は仮想営業時間が終了した場合には、当日の仮想営業日におけるゲームの終了処理が実行される。
【0177】
即ち、景品カウンタ部38が動作して、上記と同様の態様で獲得メダルの景品アイテムとの交換又は換金が実行され、その後、プレイヤの選択に応じてゲーム経過の外部記録媒体500への記録及びゲームの終了処理、或いは翌日の仮想営業日におけるゲーム処理(ステップS108)が実行される。
【0178】
以上、本発明を一実施形態に係るゲーム装置、ゲームプログラム及びこれを記録した記録媒体を例に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において、種々の改変が可能である。
【0179】
例えば、上記実施形態では、本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合について説明したが、本発明は、制御装置、操作入力装置、表示装置などが単一の筐体に組み込まれたいわゆるアーケード用のゲーム装置として実現することも可能である。
【0180】
また、上記実施形態では、本発明を複数の回胴式遊技機が設置される現実の遊技店舗を再現させたゲーム装置等に適用した場合を例として説明したが、本発明は、他の任意の遊戯装置が設置された現実の遊技店舗を再現させたゲーム装置等に適用することが可能である。
【0181】
また、上記実施形態において示したPC又はNPCの離着席制御の態様は単なる例示である。即ち、PCの離着席制御は操作入力装置への入力に従って選択的にPCの着席状態と離席状態の間での移行を可能とするものである限り、他の任意の態様の制御とすることが可能であり、NPCの離着席制御は、長短様々な態様でNPCの着席状態と離席状態とが切り替えられるものである限り、他の任意の態様の制御とすることが可能である。
【0182】
その他、上記実施形態において示した各種処理の態様や抽選に使用するテーブルデータの内容は単なる例示であり、本発明はこれらの記載により限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明を適用した家庭用ゲーム装置の外観概略構成を示す説明図。
【図2】家庭用ゲーム装置の内部のハードウェア構成を示す説明図。
【図3】本発明のゲームプログラムに基づいて実現される家庭用ゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】メインメニュー画面,プレイ選択画面,時計画像の例示的な態様を示す説明図。
【図5】ホールゲームにおけるゲーム開始からホールモードの実行までの処理の流れを示すフローチャート。
【図6】モード設定テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図7】打替テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図8】ホールモードにおいて入店制御部により実行されるNPCの入店処理の手順を示すフローチャート。
【図9】入店MAXテーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図10】入店客種テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図11】所持金テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図12】第1、第2最大ゲーム数テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図13】プレイ速度テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図14】NPCの着席制御処理の内容を示すフローチャート。
【図15】着席判定テーブルの例示的な内容を示す説明図。
【図16】遊技処理部が実行するNPCの遊技処理の内容を示すフローチャート。
【図17】離席制御部が実行する離席制御処理の内容を示すフローチャート。
【図18】ゲーム画像制御部が表示装置に表示させるホール画面の例示的な態様を示す説明図。
【図19】PC着席制御処理及び実機プレイ処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図20】実機プレイ画面の例示的な態様を示す説明図。
【符号の説明】
【0184】
1・・・家庭用ゲーム装置、100・・・ゲーム装置本体、200・・・操作入力装置、300・・・表示装置、400・・・第1の外部記録媒体、500・・・第2の外部記録媒体、110・・・ディスクホルダー部、120・・・差込口、130・・・コントローラ端子、140・・・POWERボタン、150・・・開閉スイッチ、160・・・AVケーブル、170・・・電源ケーブル、201・・・STARTボタン、202・・・方向キー、203・・・○ボタン、204・・・×ボタン、205・・・□ボタン、206・・・△ボタン、207・・・R1ボタン、208・・・R2ボタン、209・・・L1ボタン、210・・・L2ボタン、310・・・表示画面、320・・・スピーカ部、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、103a・・・ゲームプログラム記録領域、103b・・・ゲーム進行データ記録領域、104・・・第1の外部記録媒体読み取りドライブ、105・・・第2の外部記録媒体読み取り/書き込みドライブ、106・・・画像処理部、107・・・音声処理部、108・・・操作入力処理部、109・・・画像・音声出力インタフェース部、110・・・電源供給インタフェース部、10・・・メインメニュー処理部、20・・・メインゲーム実行部、30・・・ホールゲーム実行部、31・・・ゲーム条件設定部、31a・・・条件設定受付部、31b・・・モード値設定部、32・・・NPC制御部、32a・・・入店制御部、32b・・・着席制御部、32c・・・離席制御部、33・・・PC制御部、34・・・遊技処理部、35・・・遊技成績記録部、36・・・仮想遊技機制御部、37・・・ゲーム画像制御部、38・・・景品カウンタ部、39・・・データCOM処理部、40・・・時間短縮部、41・・・データ記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤのゲーム操作を受け付ける操作入力装置と、
ゲーム画像を表示する表示装置とを備え、
前記表示装置に複数の仮想遊技機が配列された仮想遊技店舗を表示しつつ、現実の遊技機が設置された現実の遊技店舗をシミュレートするゲーム装置であって、
前記仮想遊技機のそれぞれについての遊技処理を行う遊技処理手段であって、前記仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び前記仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理手段と、
前記操作入力装置への入力に応答してプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うPC制御手段と、
プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うNPC制御手段とを備え、
前記PC制御手段は、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある前記仮想遊技機についてのみプレイヤキャラクタの着席を許容し、
前記遊技処理手段は、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機について前記遊技処理を実行することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記仮想遊技機が配列される前記仮想遊技店舗の様子を3次元的な俯瞰画像で表示したホール画面を前記表示装置に表示させるゲーム画像制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
プレイヤキャラクタが前記仮想遊技機に着席状態にある場合、
前記遊技処理手段は、プレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機についての前記遊技処理を、前記操作入力装置からの入力に応答して逐次的に実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
プレイヤキャラクタが前記仮想遊技機に着席状態にある場合、
前記ゲーム画像制御手段は、前記ゲーム画像を前記ホール画面から単一の仮想遊技機が拡大表示される実機プレイ画面に切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記仮想遊技店舗内のノンプレイヤキャラクタが予め定められたMAX人数に達しているか否かを監視し、MAX人数に達していない場合には、新たなノンプレイヤキャラクタを前記仮想遊技店舗に入店させる入店処理を実行することにより、前記仮想遊技店舗内のノンプレイヤキャラクタを常にMAX人数に維持する入店制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記入店制御手段は、各ノンプレイヤキャラクタについて、所定のアルゴリズムに従って所持金及び/又は最大遊技数を設定するよう構成されており、
前記NPC制御手段は、着席状態にあるノンプレイヤキャラクタの離席判定を、当該ノンプレイヤキャラクタに設定された所持金及び/又は最大遊技数に基づいて実行し、
前記離席判定において離席の判定がなされた場合には、当該ノンプレイヤキャラクタによる前記仮想遊技機の着席状態を解除することを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記NPC制御手段は、同一のノンプレイヤキャラクタについての前記着席判定において連続して所定回数着席の判定がなされなかった場合、又は当該ノンプレイヤキャラクタの前記所持金がゼロとなった場合には、当該ノンプレイヤキャラクタを仮想遊技店舗から退出させる退店処理を実行することを特徴とする請求項5又は6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記NPC制御手段は、ノンプレイヤキャラクタの着席判定を、それぞれの前記仮想遊技機についての前記払出数の積算値又は前記払出数の積算値から前記投入数の積算値を差し引いた値である差玉数に応じて実行し、
前記着席判定において着席の判定がなされた場合には、当該仮想遊技機を当該ノンプレイヤキャラクタによる着席状態に設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
それぞれの前記仮想遊技機について、前記抽選の当選確率に相関を有する値であるモード値を設定するモード値設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
各仮想営業日毎の各前記仮想遊技機についての前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数を記録する遊技成績記録手段を更に備え、
前記モード値設定手段は、前記遊技成績記録手段に記録された過去の仮想営業日における各仮想遊技機の前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数に基づいて、モード値の打替えを実行するか否かを決定することを特徴とする請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
ノンプレイヤキャラクタの入店率及び/又はモード値の設定態様の異なる複数の候補仮想遊技店舗から、前記操作入力装置への入力に応答して前記仮想遊技店舗を選択する仮想遊技店舗選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が発光部を有しており、
ノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機の前記発光部が、前記遊技処理における各抽選の結果に応じた態様で発光するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が液晶パネル部及びリール部を有しており、
ノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機の前記液晶パネル部及び前記リール部の模様及び/又は色彩が所定の頻度で切り替えて表示されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記ホール画面における前記仮想遊技機の画像が、各仮想遊技機のモード値、前記払出数の積算値及び/又は前記差玉数を表示又は示唆するプレート部を有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記操作入力装置への操作に応答して、ゲームの進行速度を加速させる時間短縮手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項16】
表示装置に複数の仮想遊技機が配列された仮想遊技店舗を表示しつつ、現実の遊技機が設置された現実の遊技店舗のシミュレートを行うためのゲームプログラムであって、
コンピュータに、
前記仮想遊技機のそれぞれについての遊技処理を行う遊技処理手順であって、前記仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び前記仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理手順と、
操作入力装置への入力に応答してプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うPC制御手順と、
プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うNPC制御手順とを実行させ
前記PC制御手順においては、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある前記仮想遊技機についてのみプレイヤキャラクタの着席処理が実行され、
前記遊技処理手順においては、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機について前記遊技処理が実行されることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項17】
表示装置に複数の仮想遊技機が配列された仮想遊技店舗を表示しつつ、現実の遊技機が設置された現実の遊技店舗のシミュレートを行うためのゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータに、
前記仮想遊技機のそれぞれについての遊技処理を行う遊技処理手順であって、前記仮想遊技毎に差し引かれる投入数及び前記仮想遊技毎に実行される抽選の結果に応じた払出数の導出を行う遊技処理手順と、
操作入力装置への入力に応答してプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うPC制御手順と、
プレイヤキャラクタ以外のキャラクタであるノンプレイヤキャラクタの前記仮想遊技機への離着席制御を行うNPC制御手順とを実行させ
前記PC制御手順においては、ノンプレイヤキャラクタが離席状態にある前記仮想遊技機についてのみプレイヤキャラクタの着席処理が実行され、
前記遊技処理手順においては、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタが着席状態にある前記仮想遊技機について前記遊技処理が実行されることを特徴とするゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−313108(P2007−313108A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147141(P2006−147141)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】