説明

ゲーム装置、ゲームプログラム

【課題】複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を容易に把握できるようにする。
【解決手段】ゲーム装置は、プレイヤによる入力操作を伴わずゲーム空間中で動作する複数のノンプレイヤキャラクタを表示する。CPU10は、RAM12に記憶されたNPC状態管理プログラム23dにより複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を管理している。CPU10は、ノンプレイヤキャラクタに対する動作状態が個別に指示された場合、この個別指示によって全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が一致する場合に、この動作状態を表す全体状態表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの操作により制御されるプレイヤキャラクタ(PC)と、複数のノンプレイヤキャラクタ(NPC)をゲーム空間で動作させるゲーム装置、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種のゲーム装置(家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、ゲームプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ等)において実行されるビデオゲームには、例えばロールプレイングゲーム(RPG)のように、プレイヤによるコントローラへの入力操作に応じてゲーム空間で動作するプレイヤキャラクタと、プレイヤによる入力操作がない状態であっても予め決められたアルゴリズム(プログラム)に従いゲーム空間で動作するノンプレイヤキャラクタとを用いたゲームが数多く存在している。
【0003】
ノンプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタの味方(仲間)として動作するもの、あるいは敵として動作するものなど、様々な目的で用いられている。ノンプレイヤキャラクタは、1つに限らず、複数を同時にゲーム空間中で個々に動作させることが可能である。また、ノンプレイヤキャラクタに対しては、個別に動作状態を指示することも可能となっている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたビデオゲームシステムでは、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタ(モンスター)とがゲーム空間で戦闘を行って、プレイヤキャラクタが勝利した場合には、モンスターをグループに組み込むことによりプレイヤキャラクタと共に移動させたり、あるいは仮想世界内の任意の位置に配置することができるようになっている。
【特許文献1】特開2002−219280公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のゲーム装置では、複数のノンプレイヤキャラクタに対して個別に動作状態、例えばグループに組み込んでプレイヤキャラクタと共に移動させる、あるいはゲーム空間の指定位置に配置するといった個別指示が可能となっていた。
【0006】
しかしながら、複数のノンプレイヤキャラクタがどのような動作状態になっているかは、ゲーム空間中で個別に確認するしかなく、動作状態の把握が困難となっていた。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を容易に把握することが可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数のノンプレイヤキャラクタを表示するゲーム装置において、前記複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を管理する動作状態管理手段と、前記ノンプレイヤキャラクタに対する動作状態を個別に指示する動作状態個別指示手段と、前記動作状態個別指示手段による指示によって、前記動作状態管理手段により管理された全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が一致する場合に、この動作状態を表すように表示する全体状態表示手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のノンプレイヤキャラクタに対する個別指示が全て一致した場合に、この動作状態を表す表示を行うことができるので、複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を容易に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図である。ゲーム装置は、コンピュータの機能が搭載されて実現されるもので、例えば、バスを介して互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、メモリインタフェース部13、サウンド処理部14、グラフィクス処理部16、ディスクドライブ18、通信インタフェース部19、及び入力インタフェース部20が設けられている。
【0011】
CPU10は、ROM11に記憶されているブートプログラムやOS(Operating System)等の基本プログラムに基づき、RAM12に記憶された各種プログラムを実行して、ゲームを進行するための処理を行う。CPU10により実行されるプログラムの詳細については後述する(図2参照)。
【0012】
RAM12は、ゲーム装置のメインメモリとして使用されるもので、ディスクドライブ18を介してディスク18aから転送された、ゲーム進行のために必要となるプログラムやデータを記憶する。また、RAM12には、プログラムを記憶するためのプログラム領域、データを記憶するためのデータ領域が設けられる他、プログラム実行時におけるワークエリアとしても使用される。ゲーム実行時にRAM12に記憶されるデータの詳細については後述する(図2参照)。
【0013】
メモリインタフェース部13は、メモリカード13aを脱着可能に構成されてあり、装着されたメモリカード13aに対してデータの書込み/読み出しを行う。メモリカード13aは、例えばフラッシュメモリにより構成されており、ゲーム結果などを保存するために用いられる。
【0014】
サウンド処理部14は、CPU10からの指示に従って、ゲームの進行状態に応じた効果音やBGM(Back Ground Music)、あるいは音声などのサウンドデータを音声信号に変換してスピーカ15に出力する。スピーカ15は、サウンド処理部14からの音声信号に応じて音を出力する。
【0015】
グラフィクス処理部16は、CPU10からの指示に従って、グラフィクデータを用いて3次元グラフィック処理を行い、ゲームの進行状態に応じたゲーム空間を表現する画像を表示するための処理を実行する。グラフィクス処理部16は、グラフィクデータをもとに生成した画像データをビデオ信号に変換し、ディスプレイ17に出力する。ディスプレイ17は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))により構成されており、グラフィクス処理部16から出力されたビデオ信号に応じたゲーム空間を表す画像などを表示する。
【0016】
ディスクドライブ18は、CPU10からの指示に従って、セットされたディスク18aに記録されているプログラムやデータを読み出してRAM12に転送する。なお、ディスク18aは、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)など、何れの種類の記録媒体としても良い。また、半導体メモリによってプログラムやデータを読み出す構成としても良い。
【0017】
通信インタフェース部19は、外部のネットワーク(LAN、インターネット、公衆回線網など)に接続されており、CPU10からの指示に従って、外部のネットワークを介して外部の機器との間でプログラムやデータを授受するための通信制御を行う。
【0018】
入力インタフェース部20は、各種入力装置を接続して各入力装置からのデータを入力するためのインタフェースであり、例えばポインティングデバイス21やボタン群22を含むコントローラが接続される。ポインティングデバイス21は、例えばジョイスティックやパッド、タブレットなどにより構成することができ、例えばゲーム画面中に表示されるカーソルの移動方向を指示するために用いられる。また、ボタン群22には、例えば上下左右方向の指示を入力するための十字キーや、各種の指示を入力するための複数の操作ボタン(例えば、○ボタン、△ボタン、□ボタン、×ボタン、Lボタン、Rボタンなど)、ゲームの開始を指示するためのスタートボタン、各種選択指示を入力するためのセレクトボタンなどが含まれている。これらのキーやボタンをプレイヤが操作することで、プレイヤキャラクタへの移動や動作の指示など、ゲーム進行のための指示を入力することができる。
【0019】
なお、本実施形態におけるゲーム装置は、図1に示すブロック図中の各構成が一体化された携帯型のゲーム装置として構成されているものとする。ただし、ポインティングデバイス21やボタン群22を含むコントローラを本体とは別に構成し、ケーブル等を介して接続可能とする構成としたり、サウンド処理部14とグラフィクス処理部16とを例えばテレビと接続し、テレビに設けられたスピーカやディスプレイを用いて音声や画像を出力する構成とすることも可能である。
【0020】
図2は、RAM12に設けられるプログラム領域とデータ領域に記憶されるプログラム/データを示す図である。
プログラム領域には、例えばゲームメイン処理プログラム23a、プレイヤキャラクタ制御プログラム23b(以下、PC制御プログラム23bと略称する)、ノンプレイヤキャラクタ制御プログラム23c(以下、NPC制御プログラム23cと略称する)、ノンプレイヤキャラクタ状態管理プログラム23d(以下、NPC状態管理プログラム23dと略称する)など、ゲームを実行するために必要な各種のプログラムが記憶される。
【0021】
ゲームメイン処理プログラム23aは、ゲーム装置によって実行されるゲーム(例えば、アドベンチャーゲーム(RPGを含む)、アクションゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲームなどを含む)、シミュレーションゲーム等)についてのメインルーチンを処理するプログラムである。ゲームメイン処理プログラム23aは、ゲーム内容に応じたゲーム空間を管理し、例えば3次元の仮想空間内でプレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタ、あるいは様々なオブジェクトやアイテム等の動きを制御する。
【0022】
PC制御プログラム23bは、ゲームメイン処理プログラム23aの制御のもとで、ゲーム空間中でプレイヤキャラクタを制御する。プレイヤキャラクタは、プレイヤのポインティングデバイス21あるいはボタン群22に対する操作に応じてゲーム空間中で動作される。
【0023】
NPC制御プログラム23cは、ゲームメイン処理プログラム23aの制御のもとで、ゲーム空間中でノンプレイヤキャラクタを制御する。ノンプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタの味方(仲間)として動作するもの、あるいは敵として動作するものなど、様々な目的で用いられている。ノンプレイヤキャラクタは、1つに限らず、複数を同時にゲーム空間中で個々に動作させることが可能である。また、ノンプレイヤキャラクタに対しては、プレイヤのポインティングデバイス21あるいはボタン群22に対する操作によって、個別に動作状態を指示することが可能となっているものとする。
【0024】
NPC状態管理プログラム23dは、ゲーム空間中に存在する各ノンプレイヤキャラクタの動作状態を管理し、その動作状態を表す表示の制御を行う。NPC状態管理プログラム23dは、ゲーム画面中のノンプレイヤキャラクタの近傍に個々の動作状態を表す個別状態表示のほかに、全てのノンプレイヤキャラクタに対する個別指示が一致した場合の動作状態を表す全体状態表示を制御する。NPC状態管理プログラム23dは、ディスプレイ17の画面中に表示されているノンプレイヤキャラクタだけでなく、ゲーム空間中に存在する表示されていないノンプレイヤキャラクタの状態についても管理している。
【0025】
また、データ領域には、ゲームの実行に伴って、プレイヤキャラクタデータ24a,ノンプレイヤキャラクタデータ24b、グラフィックデータ24c、サウンドデータ24dなどのゲームデータが記憶される。
【0026】
プレイヤキャラクタデータ24aは、PC制御プログラム23bにより制御されるプレイヤキャラクタに関するデータである。具体的には、プレイヤキャラクタデータ24aには、キャラクタ種類、位置データ、プレイヤキャラクタに対して入力されたプレイヤ操作データなどを含む。なお、プレイヤキャラクタがゲーム空間に複数存在する場合には、各プレイヤキャラクタのそれぞれに対して前述したデータが記憶される。
【0027】
ノンプレイヤキャラクタデータ24bは、NPC制御プログラム23cにより制御されるノンプレイヤキャラクタに関するデータである。ノンプレイヤキャラクタデータ24bには、キャラクタ種類、位置データ、各ノンプレイヤキャラクタに対して所定のアルゴリズムに従って決定される動作を制御するためのデータなどの他、図2(b)に示すように、ノンプレイヤキャラクタ数データ25a(以下、NPC数データ25aと略称する)、ノンプレイヤキャラクタ状態管理データ25b(以下、NPC状態管理データ25bと略称する)、ノンプレイヤキャラクタ全体状態表示データ25c(以下、NPC全体状態表示データ25cと略称する)などが含まれる。
【0028】
NPC数データ25aは、ゲーム空間中に存在するノンプレイヤキャラクタの数を示すデータである。NPC状態管理データ25bは、NPC数データ25aが示す数の各ノンプレイヤキャラクタの動作状態を示すデータである。NPC状態管理データ25bをもとに、ディスプレイ17に表示された各ノンプレイヤキャラクタに対して個別状態表示が付加される。NPC全体状態表示データ25cは、全てのノンプレイヤキャラクタに対する個別指示が一致した場合の動作状態を示すデータである。NPC全体状態表示データ25cをもとに、全てのノンプレイヤキャラクタに対する全体状態表示が制御される。
【0029】
グラフィックデータ24cは、ゲーム空間を表現する画像を生成するためのデータや、ゲーム空間中のプレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタのキャラクタを表示するためのデータが含まれる。
【0030】
サウンドデータ24dは、ゲームの進行状態に応じて出力される効果音、BGM、音声などのデータが含まれる。
【0031】
図3には、ノンプレイヤキャラクタデータ24bに含まれるノンプレイヤキャラクタ状態管理データ25bの一例を示している。
図3に示すように、ゲームを実施する仮想空間に存在する各ノンプレイヤキャラクタを識別するためのNPC識別データ(例えば、シリアル番号で示す)と対応づけで、それぞれの動作状態を示す状態データが設定される。以下の説明に用いるゲームでは、ノンプレイヤキャラクタに対して、ゲーム空間中で任意に指定された位置に留まる「待機」、あるいはプレイヤキャラクタの移動に伴って追随するように移動する「追尾」の2種類の動作状態を個別指示できるものとする。
【0032】
次に、本実施形態におけるゲーム装置の動作について説明する。
本実施形態におけるゲーム装置は、ディスク18aに記憶されたゲームプログラムをディスクドライブ18により読み出し、このゲームプログラムに従うゲームを実行する。
【0033】
ここで、実行されるゲームは、プレイヤによるポインティングデバイス21あるいはボタン群22に対する操作に応じてゲーム空間中で動作する1つのプレイヤキャラクタと、複数のノンプレイヤキャラクタが動作するゲームとする。具体的には、ゲーム空間に設けられた建物などから、様々な仕掛けを回避しながら、プレイヤキャラクタにより全てのノンプレイヤキャラクタを所定の経路へ導くものとする。この際、ノンプレイヤキャラクタの動作状態を、状況に応じて「待機」あるいは「追尾」の何れかの個別指示により切り替えながら仕掛けを回避していく。
【0034】
複数のノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3に対しては、個々に動作状態を指定する個別指示の他に、ボタン群22の所定のボタン(例えばLボタン、Rボタン)によって、全てのノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3に対して一括して動作状態を指定する全体指示が可能とする。
【0035】
以下、図4に示すフローチャートを参照しながら、NPC状態管理プログラム23dにより実行されるNPC状態管理処理について説明する。
【0036】
図5には、ゲーム実行中の表示画面(ゲーム画面)の一例を示している。図5に示すゲーム画面には、1つのプレイヤキャラクタPCと3つのノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3が表示されている。ゲーム画面には、ポインティングデバイス21(例えばパッド)に対する操作によってゲーム画面中の位置を指定するために用いられるカーソル30が必要に応じて表示される。
【0037】
また、各ノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3に対しては、例えばキャラクタの上部近傍に動作状態を表す個別状態表示31〜33が付加されている。例えば「待機」が指示されている場合には赤色表示、「追尾」が指示されている場合には青色によって表示される。
【0038】
さらに、ゲーム画面の右上には、全体状態表示35がされている。全体状態表示35は、全てのノンプレイヤキャラクタに対する個別指示が一致した場合の動作状態を表すもので、「待機」の動作状態となった場合には上部が赤色表示、「追尾」の動作状態となった場合には下部が青色表示される。
【0039】
図5では、全体指示によってノンプレイヤキャラクタに対して「待機」が指示されているものとする。例えば、ボタン群22に含まれるLボタンが押された場合、CPU10は、ノンプレイヤキャラクタに対する「待機」を示す全体指示が入力されたと判別し、NPC状態管理データ25bの全てNPC識別データに対応する状態データを「待機」に設定する。また、CPU10は、全体状態表示35が「待機」を表すように上部を赤色表示に切り替える。
【0040】
また、ノンプレイヤキャラクタNPC1,NPC3に対しては、「待機」の全体指示がされた後に個別指示によって「追尾」が指定されたものとする。ノンプレイヤキャラクタに対する動作状態の個別指示は、例えばポインティングデバイス21の操作によってカーソル30を対象とするノンプレイヤキャラクタに移動し、この状態で特定のボタン、例えば△ボタンを押すことによってカーソル30が位置するノンプレイヤキャラクタに対する個別指示であることを宣言する。ここで、「待機」を指示するボタン(例えばLボタン)、あるいは「追尾」を指示するボタン(例えばRボタン)を押すことにより、1つのノンプレイヤキャラクタの動作状態を指示することができる。
【0041】
図5では、ノンプレイヤキャラクタNPC1,NPC3に対してそれぞれ「追尾」の個別指示がされたため、それぞれの個別表示31,33が「追尾」を表す青色表示となっている。また、ノンプレイヤキャラクタNPC1,NPC3は、「追尾」が個別指示されたために、NPC制御プログラム23cの制御により、プレイヤキャラクタPCが移動されるのに伴って、プレイヤキャラクタPCに追随するように動作が制御される。
【0042】
なお、ノンプレイヤキャラクタNPC2は、動作状態が「待機」となっているため個別表示32が「待機」を表す赤色となっている。また、プレイヤキャラクタPCが移動されても、同じ位置に留まるように動作が制御される。
【0043】
ここで、ノンプレイヤキャラクタNPC2に対する個別指示のためにカーソル30が、ノンプレイヤキャラクタNPC2の位置に移動され、△ボタンの操作により個別指示であることを宣言する指示、すなわち個別指示の対象とするノンプレイヤキャラクタを選択する指示が入力されたものとする(ステップA1)。そして、ノンプレイヤキャラクタNPC2の動作状態として、例えばLボタンにより動作状態として「追尾」が指示されたものとする(ステップA2)。
【0044】
CPU10は、動作状態「追尾」の個別指示の入力操作を検出すると(ステップA3、No)、NPC状態管理データ25bの選択されたノンプレイヤキャラクタNPC2の状態データを「追尾」に設定すると共に、ノンプレイヤキャラクタに対応する個別表示32を「追尾」を表す青色にする(ステップA7)。
【0045】
CPU10は、NPC状態管理データ25bの状態データを参照し、全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が「追尾」となったかを判別する。
【0046】
この結果、全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が「追尾」となっていない場合には(ステップA8、No)、全体状態表示35の変更は行わない。
【0047】
一方、全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が「追尾」となった場合には(ステップA8、Yes)、CPU10は、図6に示すように、全体状態表示35の下部を青色表示に変更して「追尾」を表すようにする(ステップA9)。
【0048】
この結果、図6に示すように、ノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3の動作状態を個々の個別状態表示31,32,33によって確認するだけでなく、全体状態表示35によって全てのノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3の動作状態が「追尾」となったことを容易に判別することができる。
【0049】
なお、前述した説明では、全体状態表示35が「待機」を表している状態で、個別指示によって全てのノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3の動作状態が「追尾」になった場合について説明しているが、全体状態表示35が「追尾」を表している状態で、個別指示によって全てのノンプレイヤキャラクタNPC1〜NPC3の動作状態が「待機」になった場合にも、前述と同様にして、全体状態表示35の変更が行われる。
【0050】
すなわち、CPU10は、動作状態「待機」の個別指示の入力操作を検出すると(ステップA3、Yes)、NPC状態管理データ25bの選択されたノンプレイヤキャラクタNPC2の状態データを「待機」に設定すると共に、ノンプレイヤキャラクタに対応する個別表示32を「待機」を表す赤色にする(ステップA4)。
【0051】
そして、CPU10は、NPC状態管理データ25bの状態データを参照し、全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が「待機」となったことを判別すると(ステップA5、Yes)、全体状態表示35の上部を赤色表示に変更して「待機」を表すようにする(ステップA6)。
【0052】
こうして、全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が「待機」に一致した場合にも、全体状態表示35の表示よって全体の動作状態を容易に把握することができる。
【0053】
図6において、例えばノンプレイヤキャラクタNPC3が個別指示により、動作状態が「待機」に指示され、カーソル30により待機位置が指示された場合には、例えば図7に示すように、ノンプレイヤキャラクタNPC3の個別状態表示33が青色に変更される。この時、全てのノンプレイヤキャラクタの状態が一致していないため、全体状態表示35は「追尾」を表す状態のままで変更されない。
【0054】
このようにして、ゲーム空間中に存在する複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を、個別の個別状態表示31〜33だけでなく、全体状態表示35によって容易に把握することができるので、複数存在するノンプレイヤキャラクタに対する動作状態の指示を非常に管理し易くなる。
【0055】
なお、前述した説明では、NPCに対する個別指示によって設定可能な動作状態として、「追尾」と「待機」の2通りの状態がある場合を例について説明しているが、3通り以上の動作状態の何れかをNPCに対して個別に指定できるようにしても良い。この場合も前述した説明と同様にして、全てのNPCへの個別指示が一致した場合に、この指示した動作状態を表す表示に切り換えることによって、全てのNPCが同じ動作状態となったことを容易に把握することができる。
【0056】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0057】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本ゲーム装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記録媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図。
【図2】RAM12に設けられるプログラム領域とデータ領域に記憶されるプログラム/データを示す図。
【図3】ノンプレイヤキャラクタデータ24bに含まれるノンプレイヤキャラクタ状態管理データ25bの一例を示す図。
【図4】NPC状態管理プログラム23dにより実行されるNPC状態管理処理について説明するためのフローチャート。
【図5】ゲーム実行中の表示画面(ゲーム画面)の一例を示す図。
【図6】ゲーム実行中の表示画面(ゲーム画面)の一例を示す図。
【図7】ゲーム実行中の表示画面(ゲーム画面)の一例を示す図。
【符号の説明】
【0059】
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…メモリインタフェース部、13a…メモリカード、14…サウンド処理部、15…スピーカ、16…グラフィクス処理部、17…ディスプレイ、18…ディスクドライブ、18a…ディスク、19…通信インタフェース部、20…入力インタフェース部、21…ポインティングデバイス、22…ボタン群、23a…ゲームメイン処理プログラム、23b…プレイヤキャラクタ制御プログラム、23c…ノンプレイヤキャラクタ制御プログラム、23d…ノンプレイヤキャラクタ状態管理プログラム、24a…プレイヤキャラクタデータ、24b…ノンプレイヤキャラクタデータ、25a…ノンプレイヤキャラクタ数データ、25b…ノンプレイヤキャラクタ状態管理データ、25c…ノンプレイヤキャラクタ全体状態表示データ、31,32,33…個別状態表示、35…全体状態表示、PC…プレイヤキャラクタ、NPC1〜3…ノンプレイヤキャラクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノンプレイヤキャラクタを表示するゲーム装置において、
前記複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を管理する動作状態管理手段と、
前記ノンプレイヤキャラクタに対する動作状態を個別に指示する動作状態個別指示手段と、
前記動作状態個別指示手段による指示によって、前記動作状態管理手段により管理された全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が一致する場合に、この動作状態を表すように表示する全体状態表示手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
(各NPCの近傍に個々の動作状態を表す表示を付加する)
前記ノンプレイヤキャラクタに対する個別の動作状態を、前記ノンプレイヤキャラクタの近傍に表示することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
(請求項1に対応するプログラム)
コンピュータを、
複数のノンプレイヤキャラクタを表示するノンプレイヤキャラクタ表示手段と、
前記複数のノンプレイヤキャラクタの動作状態を管理する動作状態管理手段と、
前記ノンプレイヤキャラクタに対する動作状態を個別に指示する動作状態個別指示手段と、
前記動作状態個別指示手段による指示によって、前記動作状態管理手段により管理された全てのノンプレイヤキャラクタの動作状態が一致する場合に、この動作状態を表すように表示する全体状態表示手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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