説明

ゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】仮想空間内を舞台にするゲームにおいてキャラクターの発する音声に演出を加える。
【解決手段】複数のプレイヤーが存在する仮想空間内のゲームを実行するゲーム装置200において、記憶部201はプレイヤーキャラクターとその他のキャラクターとのそれぞれに割り当てられる、それらの相互の関係を示すパラメータを記憶する。関係度計算部203は複数のキャラクターが仮想空間内で音声を発する場合、発せられた各々の音声の混合比率を記憶部201に記憶されたパラメータに基づいて計算する。音声出力部202は求めた混合比率に基づいてキャラクター同士の相互関係に適するように各々の音声を混合して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内を舞台にするゲームにおいてキャラクターの発する音声に演出を加えるために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤーが各自のゲーム装置をネットワークなどで繋いで対戦し、ゲームの背景として観客が表示されているような仮想空間内のゲームがある。例えば、野球ゲームでは、ホームランの際に打球の行方と共に観客でいっぱいの球場スタンドが表示されたり観客の歓声が聞こえたりする。観客は直接対戦ゲームに参加することはないものの、観客からの野次や応援などをゲームに取り入れることでゲーム中の盛り上がりや臨場感・一体感を表現する工夫がなされている。特許文献1には、対戦ゲームの進行に影響がない程度に観戦者がゲームに参加できるゲームプログラムが開示されている。これによれば、観戦者は対戦ゲームの勝敗予測やスコア予測をして、予測が当たれば次回観戦者自身がプレイするときに有利なボーナスがもらえる。また、特許文献2には、対戦中のプレイヤーキャラクターの行動によって、観戦する観客の味方パラメータが変化し、味方パラメータに基づいてプレイヤーキャラクターの能力を変えるゲーム装置が開示されている。これによれば、観客がどの程度味方についているか、どの程度応援しているかという要素を導入することにより、プレイヤーが観客からどのような立場で観られているかを意識することができ、ゲームの臨場感や一体感をより強く表現することができる。
【特許文献1】特許3464469号公報
【特許文献2】特許3560956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のゲーム装置では、観戦者が予め決められた選択肢の中からセリフや行動を選んで野次を飛ばしたり応援したりしてある程度ゲームに参加することができる。しかしながら、従来のゲーム装置は、複数の観戦者から同時に野次や応援等がなされても、それらがどちらのプレイヤーに対して発せられたものなのか、プレイヤーとどのような相手関係(ライバル関係)にあるキャラクターから発せられたのかを判断して状況の応じてそれぞれ異なる演出をすることはできなかった。そのため、プレイヤーはゲーム中の野次や応援等の発言が同時にされた場合、自分とどんな相手関係にあるキャラクターから発せられたものなのかを把握することが困難なことがあり、また、どんなプレイヤーがゲームをしたり対戦に参加したりしているのかを意識してプレイすることはできなかった。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するものであり、仮想空間内を舞台にするゲームにおいてキャラクターの発する音声に演出を加えるために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、記憶部と音声出力部と関係度計算部とを備える。
記憶部は、複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する。
音声出力部は、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する。
関係度計算部は、その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、その音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、このプレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する。
そして、音声出力部は、関係度計算部により計算された値に基づいて、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める。
これにより、ゲーム装置は、仮想空間内でのゲームにおいて、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合や、他のキャラクタオブジェクトが観戦者になっている場合に、プレイヤーキャラクタオブジェクトとこの音声を発するキャラクタオブジェクトとの間の相互の関係を示す値を求めて、この値の大きさの違いによって音声の混合比率を変えて音声を出力することができる。例えば、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、より近いライバル関係にあるキャラクタオブジェクトであればあるほど、そのキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを大きくする。この結果、ゲーム装置は、キャラクタオブジェクト同士の相手関係に応じて適した演出を行って、ゲームの臨場感や一体感が増すように演出を変化させることができる。また、プレイヤーはどんな相手関係にあるプレイヤーがゲームに参加しているのかを意識しながらゲームをすることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0007】
本発明のその他の観点に係るゲーム装置は、記憶部と音声出力部と関係度計算部とを備える。
記憶部は、複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する。
音声出力部は、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を出力する。
関係度計算部は、その他のキャラクタオブジェクトのいずれかが音声を発する場合、その音声を発するキャラクタオブジェクトと、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する。
そして、音声出力部は、関係度計算部により計算された値に基づいて、その他のキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを求める。
これにより、ゲーム装置は、仮想空間内でのゲームにおいて、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか1つが音声を発する場合に、プレイヤーキャラクタオブジェクトとこの音声を発するキャラクタオブジェクトとの間の相互の関係を示す値を求めて、この値の大きさの違いによって音声を変えて出力することができる。例えば、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、より近いライバル関係にあるキャラクタオブジェクトであればあるほど、そのキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを大きくする。この結果、ゲーム装置は、キャラクタオブジェクト同士の相手関係に応じて適した演出を行って、ゲームの臨場感や一体感が増すように演出を変化させることができる。また、プレイヤーはどんな相手関係にあるプレイヤーがゲームに参加しているのかを意識しながらゲームをすることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0008】
記憶部には、複数のキャラクタオブジェクト同士の対戦履歴が記憶され、
関係度計算部により計算される値は、現在から所定の期間におけるプレイヤーキャラクタオブジェクトと音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴に基づいて計算され、対戦履歴の対戦回数が大きくなると、その音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が大きくなるようにしてもよい。
これにより、ゲーム装置は、過去の対戦履歴によって音声の混合比率を変えて、音声を出力することができる。例えば、プレイヤーキャラクタオブジェクトとその他のキャラクタオブジェクトとの対戦回数が多ければ多いほど、その他のキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを大きくする。この結果、例えばプレイヤーキャラクタオブジェクトとの対戦回数が多いキャラクタオブジェクトほど、キャラクタオブジェクト同士は近い相手関係であるとして、ゲームの臨場感や一体感が増すように相手関係を考慮して演出を変化させることができる。
【0009】
関係度計算部により計算される値は、プレイヤーキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、音声を発するキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、の差の大きさに基づいて計算され、この差の大きさが大きくなると、その音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が小さくなるようにしてもよい。
これにより、ゲーム装置は、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合や、他のキャラクタオブジェクトが観戦者になっている場合に、複数のパラメータを用いて表現されたキャラクタオブジェクト同士の特性の違いに基づいて、キャラクタオブジェクト同士の相互の関係を示す値を求め、この値の大きさの違いによって音声の混合比率を変えて音声を出力することができる。ゲーム装置は、1つのキャラクタオブジェクトについて複数個の任意の特性に注目してキャラクタオブジェクト同士の特性の違いを判断し、この違いの程度に適した演出を行うことができる。
【0010】
関係度計算部により計算される値は、プレイヤーキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、音声を発するキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、のなす角の大きさに基づいて計算され、この角の大きさが大きくなると、その音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が小さくなるようにしてもよい。
これにより、ゲーム装置は、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合や、他のキャラクタオブジェクトが観戦者になっている場合に、複数のパラメータを用いて表現されたキャラクタオブジェクト同士の指向性の違いに基づいて、キャラクタオブジェクト同士の相互の関係を示す値を求め、この値の大きさの違いによって音声の混合比率を変えて音声を出力することができる。ゲーム装置は、1つのキャラクタオブジェクトについて複数個の任意の特性に注目してキャラクタオブジェクト同士の指向性の違いを判断し、この違いの程度に適した演出を行うことができる。
【0011】
関係度計算部により計算される値は第1の値と第2の値とを用いて計算されてもよい。
すなわち、第1の値は、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴に基づいて求められる。
また、第2の値は、このゲーム装置で行われるゲーム中に発生するイベント又は発生したイベントの内容に基づいて求められる。
これにより、ゲーム装置は、キャラクタオブジェクト同士の対戦履歴を反映してゲームの音声に演出を加えることができ、さらに、現在プレイされているゲーム中に起こる(又は起こった)イベントの内容を反映してゲームの音声に演出を加えることができる。そして、ゲーム装置は、キャラクタオブジェクト同士の相手関係に応じて適した演出を行って、ゲームの臨場感や一体感が増すように演出を変化させることができる。また、プレイヤーはどんな相手関係にあるプレイヤーがゲームに参加しているのかを意識しながらゲームをすることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0012】
第1の値は、過去の所定期間内における、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴の内容に基づいて求められてもよい。
また、第2の値は、過去の所定期間内に発生したイベントの履歴の内容に基づいて求められ、各々のイベントの第2の値への寄与の度合いは時間の経過とともに減少するようにしてもよい。
これにより、ゲーム装置は、対戦履歴のうち所定期間内のものを反映してゲームの音声に演出を加えることができる。また、現在プレイされているゲーム中の所定期間内に発生したイベントの履歴を反映してゲームの音声に演出を加えることができる。そして、イベントが発生してから時間が経過すると、そのイベントによる音声への影響は小さくなり、プレイ中のゲームのシチュエーションに適した演出をすることができる。
【0013】
本発明のその他の観点に係るゲーム処理方法は、記憶部と音声出力部と関係度計算部とを有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、音声出力ステップと関係度計算ステップとを備える。
記憶部には、複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータが記憶される。
音声出力ステップは、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する。
関係度計算ステップは、その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、関係度計算部が、その音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、そのプレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する。
そして、音声出力ステップは、関係度計算ステップにより計算された値に基づいて、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める。
これにより、仮想空間内でのゲームにおいて、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合や、他のキャラクタオブジェクトが観戦者になっている場合に、キャラクタオブジェクト同士の相互の関係を示す値の大きさによって音声の混合比率を変えて音声を出力することができるゲーム処理方法を提供することができる。例えば、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、より近いライバル関係にあるキャラクタオブジェクトであればあるほど、そのキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを大きくする。この結果、キャラクタオブジェクト同士の関係に応じてゲームの臨場感や一体感が増すように演出を変化させることができる。また、プレイヤーはどんな相手関係にあるプレイヤーがゲームに参加しているのかを意識しながらゲームをすることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0014】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、記憶部と音声出力部と関係度計算部として機能させる。
記憶部は、複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクターオブジェクト、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する。
音声出力部は、その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する。
関係度計算部は、その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、その音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、そのプレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する。
そして、音声出力部は、関係度計算部により計算された値に基づいて、他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める。
これにより、プログラムは、コンピュータを、仮想空間内でのゲームにおいて、プレイヤーキャラクタオブジェクト以外の他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合や、他のキャラクタオブジェクトが観戦者になっている場合に、キャラクタオブジェクト同士の相互の関係を示す値の大きさによって音声の混合比率を変えて音声を出力できるゲーム装置として機能させることができる。例えば、プレイヤーキャラクタオブジェクトと、より近いライバル関係にあるキャラクタオブジェクトであればあるほど、そのキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを大きくする。この結果、キャラクタオブジェクト同士の関係に応じてゲームの臨場感や一体感が増すように演出を変化させることができる。また、プレイヤーはどんな相手関係にあるプレイヤーがゲームに参加しているのかを意識しながらゲームをすることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0015】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、仮想空間内を舞台にするゲームにおいてキャラクターの発する音声に演出を加えるために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施例1)
以下に本発明の実施例を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施例を説明するが、以下に説明する実施例は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0019】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェイス104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、を備える。
【0020】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施例のゲーム装置が実現される。
【0021】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0022】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0023】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0024】
インターフェイス104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザが麻雀ゲームやトランプゲームなどのゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0025】
インターフェイス104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、麻雀ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0026】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0027】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0028】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やアルファブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0029】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0030】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0031】
また、麻雀ゲームの牌の画像やトランプゲームのカードの画像などの情報をDVD−ROMに用意しておき、これをフレームメモリに展開することによって、現在の手牌や手札を画面に表示することができるようになる。
【0032】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0033】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカー(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0034】
音声処理部110では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0035】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0036】
次に、本実施例のゲーム装置200が行う処理について図面を用いて説明する。以下の説明では、複数のプレイヤーが仮想空間内の野球ゲームで対戦し、観戦者などの他のプレイヤーがこのゲームを観て仮想空間内で応援したり野次を飛ばしたりする場面を想定して説明する。なお、以下に記載するプレイヤーが行うゲームの種類、ゲームの場面、プレイヤーの人数などは1つの例に過ぎず、他の実施形態を採用することもでき、これらの他の実施形態も本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。また、例えば、いわゆるバトルロイヤル形式でプレイヤーが混戦状態の場合に、実力やライバル関係が同程度のキャラクタオブジェクト、あるいは、対戦履歴が多く因縁のある関係のキャラクタオブジェクトなどから発せられた音声を際だたせるような場面でも用いることができる。以下詳述する。
【0037】
図2は、本実施例のゲーム装置200の構成を説明するための図である。ゲーム装置200は、記憶部201と関係度計算部203と音声出力部202とを備える。詳細は後述する。
【0038】
図3は、ゲーム装置200を用いて仮想空間内でゲームを行っている状況の典型例である。ゲーム装置200はNIC 109によりネットワーク303に接続され、各々のゲーム装置200のプレイヤー同士は対戦して同じゲームを行うことができる。プレイヤーには、直接対戦してゲームを行う対戦プレイヤー301と、直接対戦はしないもののゲームを成り行きを観戦しゲーム進行によって仮想空間内で応援したり野次を飛ばしたりできる観戦プレイヤー302とが存在する。ゲームの内容により対戦プレイヤー301は3人以上であってもよいし、1人でコンピュータと対戦するものであってもよい。観戦プレイヤー302は任意の人数が参加可能である。ネットワーク303はインターネット、LANなどである。
【0039】
図4は、画像処理部107に接続されたモニターに映し出されるゲーム画面の例である。対戦プレイヤー301はコントローラ105を操作してプレイヤーキャラクタオブジェクト(例えば対戦キャラクタオブジェクト401)に指示を与えてゲームを進行させる。観戦プレイヤー302はモニターに映し出されたゲーム画面を観ながらコントローラ105を操作して、その他のキャラクタオブジェクト(例えば観戦キャラクタオブジェクト402)に指示を与えて対戦キャラクタオブジェクト401のいずれかに歓声を送ったり野次を飛ばしたりする。観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる歓声や野次は、音声として音声処理部110に接続されたスピーカーから出力されたり、モニターに文字による吹き出し表示で出力されたりする。これらの歓声や野次は対戦プレイヤー301や観戦プレイヤー302が用いる各々のゲーム装置200のスピーカーから音声で出力されたりモニターに表示されたりする。また、キャラクタオブジェクトには、対戦キャラクタオブジェクト401、観戦キャラクタオブジェクト402のほかに、ゲームの実況や解説を行うキャラクタオブジェクトなど他のキャラクタオブジェクトも存在し、これらの発する音声なども出力される。このように、対戦プレイヤー301や観戦プレイヤー302はゲームの臨場感や一体感を味わいながらゲームをすることができる。
【0040】
記憶部201は、ゲームの複数のキャラクタオブジェクトのうち、対戦プレイヤー301に対応付けられる対戦キャラクタオブジェクト401と、観戦プレイヤー302に対応づけられる観戦キャラクタオブジェクト402と、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する。例えば、これらのパラメータには、キャラクタオブジェクト同士あるいはプレイヤー同士の過去の対戦履歴や、そのキャラクタオブジェクトの強さなどの属性情報がある。典型的には、これらのパラメータはインターフェイス104に接続されたメモリカードなどの外部メモリ106に記憶されるが、その他の記憶装置を用いてもよい。
なお、CPU 101と外部メモリ106とが協働して動作することにより、記憶部201として機能する。
【0041】
図5(a)は、記憶部201に記憶されるパラメータの1つである、キャラクタオブジェクト同士の対戦履歴を示すデータの例である。本図では、自分のキャラクタオブジェクト、相手のキャラクタオブジェクト、勝敗、スコア、ゲームをした日時が対応づけて記録されている。記憶部201は、本図に示した項目以外のデータを記憶することもできる。例えば、図5(b)のように、この対戦履歴から得られる対戦回数や勝率などのサマリー情報を、ゲームを行うたびにCPU 101が計算して、記憶部201がこれらの計算結果を記憶してもよい。
【0042】
音声出力部202は、キャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する。すなわち、音声出力部202は、対戦キャラクタオブジェクト401のほか、1つの観戦キャラクタオブジェクト402から発せされる音声に対応するディジタル音声データを取得してD/Aコンバータによりアナログ音声信号に変換し、その他の観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる音声があれば同様に対応するアナログ音声信号に変換し、これらを混合して得られた音声信号を再生してスピーカーから出力する。ここで、それぞれの音声の混合比率は、関係度計算部203により求められた値を用いて計算されるが、詳細については後述する。また、音声出力部202は、対戦キャラクタオブジェクト401、観戦キャラクタオブジェクト402のほか、他のキャラクタオブジェクトが発する音声も混合して出力してもよい。
なお、CPU 101と音声処理部110とが協働して動作することにより、音声出力部202として機能する。
【0043】
キャラクタオブジェクトから発せられる音声に対応する音声データは、ディジタル音声データに限られず、任意の形式のデータを用いることができる。音声データは、スピーカーから出力される音声に限られず、モニターに映像で表示される文字列等であってもよい。音声出力部202は、音声処理部110により音声処理されて出力される音声のほか、画像処理部107により画像処理されて出力される静止画・動画などの映像を出力してもよい。この場合にも、音声出力部202は、関係度計算部203により計算された混合比率に基づいて音声を混合して出力する。
【0044】
関係度計算部203は、観戦キャラクタオブジェクト402のいずれか複数が発する応援や野次などの音声が重なる場合、この音声を発する観戦キャラクタオブジェクト402のそれぞれと、対戦キャラクタオブジェクト401と、の間の関係を示す値を、記憶部201に記憶されたパラメータを用いて計算し、得られた計算結果を音声出力部202に入力する。ここで、音声が重なる場合とは、音声を発するタイミングが完全に一致する場合(同時の場合)に限られず、音声の全部又は一部が再生されたときに実質上重なって聞こえる程度に近接している場合も含まれる。
【0045】
具体的には、この関係とは、キャラクタオブジェクト同士の実力レベルや成績等がどれだけ拮抗しているかというライバル関係、キャラクタオブジェクト同士の特性の類似関係、あるいは、キャラクタオブジェクト同士のゲーム設定上の知り合い関係などである。この関係を示す値とは、これらのライバル関係、類似関係、知り合い関係等の程度を表す値(以下、「ライバル係数」と呼ぶ)である。このライバル係数が大きいほど、キャラクタオブジェクト同士はライバル関係にある(好敵手である)ため、もしこれらのキャラクタオブジェクト同士が対戦すればゲームは緊迫感があるものとなり白熱することが予想される。
【0046】
すなわち、関係度計算部203は、観戦キャラクタオブジェクト402が観戦プレイヤー302からの指示により野次や応援などの音声を発するとき、記憶部201に記憶された対戦履歴などのパラメータに基づいて、対戦キャラクタオブジェクト401と観戦キャラクタオブジェクト402との間のライバル係数を計算する。そして、音声出力部202は、関係度計算部203により計算されたライバル係数に基づいて観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる野次や応援などの音声の混合比率を決定し、この混合比率で音声を混合して出力する。例えば、複数の観戦キャラクタオブジェクト402が同時に応援や野次などの音声を発するなど、音声が重なる場合、関係度計算部203は、音声を発した観戦キャラクタオブジェクト402ごとにライバル係数を計算し、ライバル係数が大きいほどその観戦キャラクタオブジェクト402が発する音声の混合比率を大きくする。
【0047】
これにより、複数の観戦キャラクタオブジェクト402が発する応援や野次などの音声が重なっても、それらの音声は同じように出力されるのではなく、ライバル係数が大きい観戦キャラクタオブジェクト402ほど音声が強調して出力される。例えば、音声出力部202は、ライバル係数が大きいほどスピーカーから出力される音声の音量が相対的に大きくなるように制御する。あるいは、ライバル係数が大きいほどモニターに表示されるセリフの文字が相対的に大きくなるように制御する。
なお、CPU 101がDVD−ROMに記憶された所定のプログラムを読み出して動作することにより、関係度計算部203として機能する。
【0048】
ライバル係数の計算方法のひとつとして、[数1]のように基本係数とイベント係数との和をライバル係数とする方法がある。
【0049】
【数1】

【0050】
ここで、基本係数は、過去の対戦履歴、対戦回数、ゲームの得点、リーグ戦での勝率順位などゲームの勝敗を決めるパラメータに基づいて計算される係数であり、対戦キャラクタオブジェクト401と観戦キャラクタオブジェクト402との間の差が小さいほど、基本係数は大きくなる。すなわち、ゲームの得点や勝率順位が近いほど、より身近に倒すべき敵である(好敵手である)とみなされ、基本係数は大きくなる。
【0051】
イベント係数は、ゲーム中に起きるゲーム上のイベントの内容により異なった所定の値が設定されており、イベントが起きるたびにキャラクタオブジェクトごとに累積される係数である。例えば、反則プレイやラフプレイをするたびに、それに対応した値が加算されイベント係数は大きくなる。例えば、前回対戦したときの得点差が小さいほど(接戦であるほど)イベント係数が大きくなる。
【0052】
イベントの内容に対応して所定の値をイベント係数に加算する処理は、例えば、イベントと加算される所定値との対応関係を示すデータを予め備えるプログラムをCPU 101が実行することにより実現される。あるいは、イベントと加算される所定値との対応関係を示すテーブルやデータベースから、対応する所定のイベント係数を読み出してもよい。
【0053】
なお、イベント係数は、時間の経過と共に減少するように制御されることが望ましい。そして、より最近に起きたイベントほどキャラクタオブジェクト同士の関係にもたらす影響を大きくする(すなわち、ライバル係数に対してより大きく反映させる)ことが望ましい。これにより、最も現状に適していると推定される対戦キャラクタオブジェクト401と観戦キャラクタオブジェクト402との相手関係をゲームの演出に反映することができる。
【0054】
また、基本係数及びイベント係数は、現在の日時から所定期間(例えば過去1週間、過去1ヶ月間など)におけるパラメータ(例えば得点、勝率、イベントなど)に基づいて計算されることが望ましい。これにより、最も現状に適していると推定されるライバル係数を求めることができる。
【0055】
次に、本実施例の記憶部201、音声出力部202及び関係度計算部203が実行する音声出力処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、2人の対戦プレイヤー301が仮想空間内の野球ゲームで対戦し、複数の観戦プレイヤー302がこのゲームを観て仮想空間内で応援したり野次を飛ばしたりする場面を想定して説明する。そして、過去の対戦履歴で対戦回数が多いほどそのキャラクタオブジェクトが発する音声の混合比率を大きくして出力する。以下、詳述する。
【0056】
まず、音声出力部202は、観戦キャラクタオブジェクト402が音声を発するか否かを判定する(ステップS601)。
【0057】
観戦キャラクタオブジェクト402が音声を発しない場合(ステップS601;NO)、音声出力部202は音声出力処理を終了する。例えば、2人の対戦プレイヤー301に対応する対戦キャラクタオブジェクト401がゲームをしており、1人以上の観戦プレイヤー302がこのゲームを観戦しているが、この観戦プレイヤー302に対応する観戦キャラクタオブジェクト402が何も応援や野次を発しない場合や、このゲームの観戦プレイヤー302が1人もいない場合に相当する。
【0058】
観戦キャラクタオブジェクト402が音声を発する場合(ステップS601;YES)、音声出力部202は発せられる音声が複数か否かを判定する(ステップS602)。すなわち、音声出力部202は、1つの観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる音声と重なって、他の観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる他の音声があるか否かを判定する。
【0059】
発せられる音声が複数でない場合(ステップS602;NO)、音声出力部202は所定量で音声を出力して(ステップS603)、音声出力処理を終了する。すなわち、重なって発せられた他の音声がないため、予め決められた音量や表示サイズなどで1つの音声を出力する。
【0060】
一方、発せられる音声が複数である場合(ステップS602;YES)、関係度計算部203は、音声を発する各観戦キャラクタオブジェクト402と対戦キャラクタオブジェクト401との間の関係を示すパラメータを記録部201から取得する(ステップS604)。例えば、関係度計算部203は、図5(a)に示されるような対戦履歴や、図5(b)に示されるようなサマリー情報などを取得する。
【0061】
関係度計算部203は、ステップS604で取得したパラメータに基づいて、各観戦キャラクタオブジェクト402と対戦キャラクタオブジェクト401との間のライバル係数を求める(ステップS605)。観戦プレイヤー302(あるいは観戦キャラクタオブジェクト402)がM人(Mは1以上の整数)の場合、関係度計算部203はM人の各プレイヤーに対応するM個のライバル係数を求める。
【0062】
さらに、関係度計算部203は、求めたライバル係数に基づいて、音声の混合比率を求める(ステップS606)。すなわち、関係度計算部203は、ライバル係数が大きい観戦キャラクタオブジェクト402が発した音声ほど、重なって再生される音声中のその音声の占める割合が相対的に大きくなるように混合比率を求める。そして、関係度計算部203は求めた混合比率を音声出力部202に入力する。
【0063】
そして、音声出力部202は、得られた混合比率に基づいて音声を混合して出力する(ステップS607)。
【0064】
例えば、現在のゲームが図7(a)に示すような状況であるとする。本図では、攻撃側(Gチーム)の第1の対戦キャラクタオブジェクト701と、守備側(Sチーム)の第2の対戦キャラクタオブジェクト702とが対戦し、第1の観戦キャラクタオブジェクト703(Tチーム)と第2の観戦キャラクタオブジェクト704(Dチーム)とがこのゲームを観戦している。言い換えれば、攻撃側と守備側でプレイする2人の対戦プレイヤー301と、ネットワーク303を介してこのゲームを観戦する2人の観戦プレイヤー302とが存在する。また、攻撃側である第1の対戦キャラクタオブジェクト701と、その他のキャラクタオブジェクトとの関係を示すパラメータ(対戦履歴)が図5(a)及び(b)で示されるとする。
このとき、あるタイミングで第1及び第2の観戦キャラクタオブジェクト703及び704からGチーム側に対して同時に音声を発する(例えば、Tチーム側から「三振」、Dチーム側から「ボール」と発する)と、関係度計算部203は、第1の対戦キャラクタオブジェクト701(Gチーム)と第1の観戦キャラクタオブジェクト703(Tチーム)との間のライバル係数と、第1の対戦キャラクタオブジェクト701(Gチーム)と第2の観戦キャラクタオブジェクト704(Dチーム)との間のライバル係数とを計算し、これらのライバル係数の大きさの比率を音声の混合比率に用いて、図7(b)のように音声を混合して出力する。例えば、GチームとTチームとの間のライバル係数と、GチームとDチームとの間のライバル係数との大きさの比が2対1の場合、Tチーム側から発せられた音声「三振」を、Dチーム側から発せられた音声「ボール」よりも相対的に音量を2倍にして出力する。あるいは、Tチーム側から発せられた音声「三振」の文字を、Dチーム側から発せられた音声「ボール」の文字よりも相対的に大きさを2倍にして出力する。すなわち、関係度計算部203は、Gチーム側にとってTチームは身近に倒すべき敵である(好敵手である)として、よりライバル関係にあるTチーム側から発せられる音声を強調して出力する。
なお、本図に示したゲームの状況、キャラクタオブジェクト数、音声内容、音声の混合比率等は一例にすぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0065】
このように、本実施例によれば、ゲーム装置200は、キャラクタオブジェクト同士のライバル関係、類似関係、知り合い関係などに応じて、出力する音声の混合比率を変えることにより、ゲームの臨場感や一体感を高めるようにゲームの演出を変えることができる。そして、ゲーム装置200は、状況に応じて音声の音量を変えたり表示の仕方を変えたりして、キャラクタオブジェクト同士の関係に適した演出をすることができる。また、ユーザは、自分とライバル関係にある相手を意識しながらゲームをすることにより現実感が増し、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0066】
なお、本実施例の変形例として、音声出力処理を開始する前に、あるいは、ステップS601の処理の前に、1人以上の観戦プレイヤー302がいるか否かを判定して、1人もいない場合にはこの音声出力処理を行わないか、あるいは、音声出力処理を直ちに終了させるステップを設けてもよい。例えば、ゲーム装置200は、ゲーム中の一定時間おき(例えば10秒毎など)に、または、野球ゲームのイニングの開始時などの所定のタイミングで、観戦プレイヤー302がいるか否かを判定して、音声出力処理を開始するか否かを決めてもよい。
【0067】
また、他の変形例として、記憶部201は、対戦プレイヤー301に対応付けられる対戦キャラクタオブジェクト401と、観戦プレイヤー302に対応づけられる観戦キャラクタオブジェクト402と、のそれぞれに割り当てられるパラメータの代わりに、図8(a)あるいは図8(b)に示すように、プレイヤー同士の組み合わせに割り当てられるパラメータを用いてもよい。これにより、ゲーム装置200のユーザがどのキャラクタオブジェクトを選択しても(どのチームを選んでゲームをしても)、ゲーム装置200は同じライバル係数を用いて音声出力処理を行うことができる。
【0068】
また、他の変形例として、図9に示すように、同一の観戦プレイヤー302が並行して複数のゲーム画面を観戦し、観戦プレイヤー302に対応するそれぞれの観戦キャラクタオブジェクト402から同じタイミングで異なる音声を発する制御を行うこともできる。本図では、観戦プレイヤー302は並行して4つのゲームを観戦している。例えば、記憶部201に記憶されるパラメータが図5(a)あるいは図5(b)に示される内容であり、観戦プレイヤー302が”Gチーム”を率いるプレイヤーであるとする。そして、観戦プレイヤー302が「早く投げろ」という野次を飛ばすように観戦キャラクタオブジェクト402に指示したとする。関係度計算部203は、ゲーム画面1の投手(守備側のDチーム)と、ゲーム画面2の投手(守備側のTチーム)と、ゲーム画面3の投手(守備側のMチーム)と、ゲーム画面4の投手(守備側のHチーム)とのライバル係数を求める。そして、関係度計算部203は、それぞれのゲームにおいて、求めたライバル係数に基づいて音声の混合比率を計算し、音声を混合して出力する。例えば、観戦プレイヤー302(Gチーム)と最も近いライバル関係にあるTチームのいるゲーム画面2では音声は最も大きく出力され、2番目に近いライバル関係にあるSチームのいるゲーム画面1では音声がやや小さく出力される。このように、ゲーム装置200は、複数のゲームを実行している場合にも、それぞれのゲームで適切な相手関係に基づいて音声を出力することができる。この場合にも、ゲーム装置200は、例えば音声のセリフの表示サイズをライバル係数に基づいて変更することにより、ゲームの臨場感や一体感を高めるようにゲームの演出を変えることもできる。
【0069】
また、他の変形例として、モニターに映し出されるゲーム画面には、観戦プレイヤー302に対応する観戦キャラクタオブジェクト402を表示してもよいし、表示しなくてもよい。また、観戦キャラクタオブジェクト402を表示する場合でも、それが誰であるのかを表示してもよいし、表示しなくてもよい。このように、観戦プレイヤー302や観戦キャラクタオブジェクト402を明示的に表現しないことにより、対戦プレイヤー301は自分とライバル関係にある(身近に倒すべき好敵手の相手関係である)他人がこのゲームを観戦しているのか否かを意識しながらゲームをプレイでき、ゲームの緊迫感、臨場感、一体感を高めることができる。例えば、ゲーム中の自分のプレイに対して複数の野次や応援が発せられ、その中でも自分(自分のキャラクタオブジェクト)に対してひときわ大きい野次が飛んできたら、自分と近いライバル関係にある好敵手の他人(他人のキャラクタオブジェクト)が観戦していることを知ることができる。あるいは、ゲーム中の他人のプレイに対して野次や応援を発し、その発した音声がひときわ大きく出力されたら、相手は自分と近いライバル関係にあることを知ることができる。
【0070】
また、他の変形例として、観戦プレイヤー302が1人しかいない場合にも、ライバル係数を計算して、ライバル係数に基づいて音声の出力レベル(音量や表示サイズなどのレベル)を変更するようにしてもよい。この場合、ステップS602でNOの場合にもステップS604及びS605に相当するステップを実行し、ライバル係数に対応して予め設定された出力レベルに基づいてステップS603で音声を出力するように構成すればよい。これにより、観戦プレイヤー302が1人の場合でも、対戦プレイヤー301は自分とライバル関係にある好敵手の他人が観戦していることを知ることができる。また、ゲームの緊迫感、臨場感、一体感を高めることができる。
【0071】
(実施例2)
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例は、関係度計算部203が音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれとプレイヤーキャラクタオブジェクトとの間の関係を示す値(ライバル係数)を求めるために用いるパラメータを2次元以上に拡張したものである。なお、本実施例のゲーム装置200のその他の構成は上述の実施例と同様であるため説明を省略する。
【0072】
関係度計算部203は、対戦キャラクタオブジェクト401のパラメータを要素に持つ第1のベクトルと、音声を発する観戦キャラクタオブジェト402のパラメータを要素に持つ第2のベクトルと、の差の大きさに基づいて計算する。そして、音声出力部202は、これらのベクトルの差の大きさが大きくなるほど、音声を発する観戦キャラクタオブジェクト402の混合比が小さくなるように音声を混合して出力する。
【0073】
具体的には、例えば、あるキャラクタオブジェクトの特性を示すパラメータとして、過去のゲーム実行回数A1と、過去の所定期間内(例えば1ヶ月間)に実行したゲームで獲得した総得点数B1と、の2つを用いる。そして、このキャラクタオブジェクトの特性を第1のベクトル(A1,B1)と表現する。同様に、他のキャラクタオブジェクトの特性を第2のベクトル(A2,B2)と表現する。そして、これらのベクトルの差が小さいほど、2つのキャラクタオブジェクト同士は近いライバル関係(身近に倒すべき好敵手の相手関係)にあり、逆にベクトルの差が大きいほど遠いライバル関係にあるとする。
【0074】
これら2つのベクトルの関係を図示すると図10のようになる。すなわち、ゲーム回数と総得点との2つのパラメータで表現される2次元空間において、1つのキャラクタオブジェクトの特性は1つのベクトルとして表現される。そして、2つのキャラクタオブジェクト同士の特性の差異は、2つのベクトルのなす角度θ(ベクトルの向きの差異)と、各ベクトルの長さの差異とで表される。例えば、2つのキャラクタオブジェクト同士の特性の差異の大きさは、2つのベクトルの内積で表すことができる。すなわち、ライバル係数は、[数2]で表すことができる。
【0075】
【数2】

【0076】
一般には、この[数2]で表されるような内積は、2つの物体(キャラクタオブジェクト)の物理量(特性を示すパラメータ)がどの程度類似しているかを表す。本実施例では、キャラクタオブジェクトの特性を示すパラメータとして上述の2つを用いているが、他のパラメータを用いてもよい。また、キャラクタオブジェクトの特性を3つのパラメータを用いて3次元空間のベクトルで表現してもよいし、更に拡張してN個(Nは2以上の整数)のパラメータを用いてN次元空間のベクトルで表現してもよい。また、2つのキャラクタオブジェクト同士の特性の差異の大きさは、ベクトルの内積ではなく他の任意の演算を用いて求めてもよい。
【0077】
関係度計算部203は、観戦キャラクタオブジェクト402が観戦プレイヤー302からの指示により応援や野次などの音声を発するとき、記憶部201に記憶されたゲーム回数、得点数などの複数のパラメータに基づいて、[数2]などを用いて、対戦キャラクタオブジェクト401と観戦キャラクタオブジェクト402との間のライバル係数を計算する。そして、音声出力部202は、関係度計算部203により計算されたライバル係数に基づいて観戦キャラクタオブジェクト402から発せられる応援や野次などの音声の混合比率を決定し、この混合比率で音声を混合して出力する。例えば、複数の観戦キャラクタオブジェクト402が同じタイミングで応援や野次などの音声を発する場合、関係度計算部203は、音声を発した観戦キャラクタオブジェクト402ごとに[数2]などを用いてライバル係数を計算する。そして、ある観戦キャラクタオブジェクト402のライバル係数と他のライバル係数との差が大きいほど、その観戦キャラクタオブジェクト402が発する音声の混合比率を小さくする。
【0078】
これにより、複数の観戦キャラクタオブジェクト402が発する応援や野次などの音声が重なっても、それらの音声は同じように出力されるのではなく、ライバル係数が大きい観戦キャラクタオブジェクト402ほど音声が強調して出力される。例えば、音声出力部202は、ライバル係数が大きいほどスピーカーから出力される音声の音量が相対的に大きくなるように制御する。あるいは、ライバル係数が大きいほどモニターに表示されるセリフの文字が相対的に大きくなるように制御してもよい。
【0079】
あるいは、関係度計算部203は、複数の観戦キャラクタオブジェクト402が発する応援や野次などの音声が重なる場合、音声を発した観戦キャラクタオブジェクト402ごとに特性を示すベクトルを求め、それらのベクトルのなす角度θが大きいほど、その観戦キャラクタオブジェクト402が発する音声の混合比率を小さくしてもよい。この場合、各ベクトルの長さ(特性を表すパラメータの値の大きさ)を考慮しないので、ライバル係数はキャラクタオブジェクト同士の指向性の違いを表す。例えば、”Gチームとばかり対戦しているプレイヤー”や”得失点差の小さいプレイヤー”などである。
【0080】
このように、本実施例によれば、ゲーム装置200は、指向性の似たキャラクタオブジェクトほど近いライバル関係(より身近に倒すべき好敵手の相手関係)であるとして、キャラクタオブジェクト同士の相手関係に適した演出をすることができる。また、ユーザは自分とライバル関係にある相手を意識しながらゲームをすることにより現実感が増し、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0081】
本発明は、上述した実施例に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施例や変形例を自由に組み合わせることも可能である。
【0082】
例えば、対戦プレイヤー301と観戦プレイヤー302に明確に分かれるのではなく、いわゆるバトルロイヤル形式で複数のプレイヤーが混戦状態にあり、対戦プレイヤー301にも観戦プレイヤー302にも成り得るゲームにも本発明を適用することができる。例えば、実力やライバル関係が同程度のキャラクタオブジェクト、あるいは、対戦履歴が多く因縁のある関係のキャラクタオブジェクトなどから発せられた音声を際だたせるような場面でも用いることができる。
【0083】
上述した実施例では、記憶部201はゲーム装置200のインターフェイス104に装着された外部メモリ106に対戦履歴などの情報を記録するが、NIC 109により接続されたインターネット上の他のサーバ装置にこれらの情報を記憶させ、関係度計算部203はこのサーバ装置から適宜情報を読み出してライバル係数を計算するように構成してもよい。この場合、CPU 101は、ゲーム装置200でゲームを実行するたびにインターネット上のこのサーバ装置にゲーム結果などを送信し、サーバ装置は受信した情報をゲーム装置200あるいはユーザの固有情報と対応づけて記憶するように構成すればよい。そして、CPU 101は、観戦キャラクタオブジェクト402が音声を発するタイミングで、あるいは、観戦プレイヤー302が観戦者としてゲームに参加してきた最初のタイミングで、サーバ装置から対戦履歴などの情報を取得してライバル係数を求めるように構成すればよい。これにより、ゲーム装置200は外部メモリ106を備える必要がなくなり、さらに、ユーザがどのゲーム装置200を使ってゲームを行うかに関わらずいつでも対戦履歴などの情報を取り出すことができるようになる。例えば、ユーザが外部メモリ106を紛失して対戦履歴などの情報がリセットされてしまうことがない。また、ソフトウェアのバージョンアップなどにより、記憶される情報のフォーマットが代わっても、1カ所のサーバ装置に記憶されたデータを変更するだけで済むというメリットがある。
【0084】
例えば、本発明の内容をネットワークコンピュータ同士で会話するチャットと呼ばれるシステムに適用することもできる。この場合、記憶部201はチャットシステムを管理するサーバ装置に上述したパラメータ等を記憶して集中管理し、関係度計算部203はアクセス回数などに基づいてユーザ同士が互いをよく知っているか等の仲間関係の程度を示す値(上述のライバル係数に相当する値)を計算し、音声出力部202は音声を混合して出力すればよい。特に、声を伴うチャットのように、複数の音声の音量が同等に重なって出力されると声が聞き取れずに困る問題が発生する可能性のある会話システムで、音声の出力優先度を決める方法として用いると有効である。
【0085】
例えば、ゲーム装置200を装置の全部又は一部として動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0086】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0087】
以上説明したように、本発明によれば、仮想空間内を舞台にするゲームにおいてキャラクターの発する音声に演出を加えるために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の構成を説明するための図である。
【図3】ゲーム装置を用いてゲームを行っている状況の典型例である。
【図4】モニターに映し出されるゲーム画面の例である。
【図5】(a)と(b)は記憶部に記憶されるデータの例である。
【図6】音声出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】(a)と(b)はモニターに映し出されるゲーム画面の例である。
【図8】(a)と(b)は記憶部に記憶されるデータの例である。
【図9】実施例1の変形例でモニターに映し出されるゲーム画面の例である。
【図10】実施例2でキャラクタオブジェクト同士の特性の違いを表現するベクトルを説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
200 ゲーム装置
201 記憶部
202 音声出力部
203 関係度計算部
301 対戦プレイヤー
302 観戦プレイヤー
303 ネットワーク
401 対戦キャラクタオブジェクト
402 観戦キャラクタオブジェクト
701 第1の対戦キャラクタオブジェクト
702 第2の対戦キャラクタオブジェクト
703 第1の観戦キャラクタオブジェクト
704 第2の観戦キャラクタオブジェクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する記憶部と、
当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する音声出力部と、
当該その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、当該音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、当該プレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、前記記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する関係度計算部と
を備え、
前記音声出力部は、前記関係度計算部により計算された値に基づいて、当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する記憶部と、
当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を出力する音声出力部と、
当該その他のキャラクタオブジェクトのいずれかが音声を発する場合、当該音声を発するキャラクタオブジェクトと、当該プレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、前記記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する関係度計算部と
を備え、
前記音声出力部は、前記関係度計算部により計算された値に基づいて、当該その他のキャラクタオブジェクトが発する音声の大きさを求める
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記記憶部には、前記複数のキャラクタオブジェクト同士の対戦履歴が記憶され、
前記関係度計算部により計算される値は、現在から所定の期間における前記プレイヤーキャラクタオブジェクトと前記音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴に基づいて計算され、
当該対戦履歴の対戦回数が多くなると、前記音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が大きくなる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記関係度計算部により計算される値は、前記プレイヤーキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、前記音声を発するキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、の差の大きさに基づいて計算され、
当該差の大きさが大きくなると、前記音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が小さくなる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記関係度計算部により計算される値は、前記プレイヤーキャラクタオブジェクトのパラメータを要素に持つベクトルと、前記音声を発するキャラクタオブジェトのパラメータを要素に持つベクトルと、のなす角の大きさに基づいて計算され、
当該角の大きさが大きくなると、前記音声を発するキャラクタオブジェクトの混合比が小さくなる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記関係度計算部により計算される値は、
前記プレイヤーキャラクタオブジェクトと、前記音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴に基づいて求められる第1の値と、
当該ゲーム装置で行われるゲーム中に発生するイベント又は発生したイベントの内容に基づいて求められる第2の値と
を用いて計算される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム装置であって、
前記第1の値は、過去の所定期間内における、前記プレイヤーキャラクタオブジェクトと、前記音声を発するキャラクタオブジェクトとの対戦履歴の内容に基づいて求められ、
前記第2の値は、過去の所定期間内に発生したイベント履歴の内容に基づいて求められ、各々のイベントの前記第2の値への寄与の度合いは時間の経過とともに減少する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
記憶部と音声出力部と関係度計算部とを有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、
前記記憶部には、複数のキャラクターオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクターオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータが記憶され、
前記音声出力部が、当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する音声出力ステップと、
当該その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、前記関係度計算部が、当該音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、当該プレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、前記記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する関係度計算ステップと
を備え、
前記音声出力ステップは、前記関係度計算ステップにより計算された値に基づいて、当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める
ことを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のキャラクタオブジェクトのうち、プレイヤーに対応付けられるプレイヤーキャラクタオブジェクトと、その他のキャラクタオブジェクトと、のそれぞれに割り当てられるパラメータを記憶する記憶部、
当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合して出力する音声出力部、
当該その他のキャラクタオブジェクトのいずれか複数が発する音声が重なる場合、当該音声を発するキャラクタオブジェクトのそれぞれと、当該プレイヤーキャラクタオブジェクトと、の間の関係を示す値を、前記記憶部に記憶されたパラメータに基づいて計算する関係度計算部
として機能させ、
前記音声出力部は、前記関係度計算部により計算された値に基づいて、当該その他のキャラクタオブジェクトのそれぞれが発する音声を混合する混合比を求める
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−259953(P2007−259953A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86209(P2006−86209)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【特許番号】特許第3949702号(P3949702)
【特許公報発行日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】