説明

ゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを実現する。
【解決手段】ゲーム装置200において、オブジェクト記憶部201は、オブジェクトの画面内における位置を記憶する。オブジェクト表示部202は、オブジェクト記憶部201に記憶される位置にオブジェクトを表示する。入力受付部203は、画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける。判別部204は、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線を求め、この半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別する。選択部205は、交差すると判別されたオブジェクトを選択する。提示部206は、選択されたオブジェクトをプレイヤーに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを実現するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム画面に表示されるキャラクターをプレイヤーが自由に選んだり、メニュー画面に表示される選択肢の中からプレイヤーがいずれかを自由に選んだりすることができる表示形態がある。プレイヤーは、入力装置を用いて、選択可能なキャラクターや選択肢(以下「オブジェクト」と呼ぶ)の中からオブジェクトを選択する指示を入力する。
一方で、近年、例えば特許文献1に開示されている、株取引を疑似体験できるゲームのように、2つの画面を有する携帯型ゲーム機を用いた様々なジャンルのゲームが普及している。この携帯型ゲーム機では、一方の画面にのみタッチパネルが搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−73170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に開示される携帯型ゲーム機では、一方の画面にのみタッチパネルが搭載されているため、タッチパネルが搭載されていない他方の画面に表示されるオブジェクトに対して何らかの指示を与えられるようにゲームを設計したい場合、制作者は、一方の画面のみで両方の画面を操作できるようなインターフェースを用意しなければならず、画面の構成が複雑になってしまうことがあった。また、プレイヤーにとっては、所望のオブジェクトを選択するために2つの画面を操作するインターフェースを使いこなすことは、簡単ではなく面倒であった。
このように画面の構成やインターフェースの操作性が複雑になってしまうという問題は、画面が2つに分離している場合に限らない。例えば、近年広く普及してきているワイド画面を有する装置等においては、同時に表示可能な情報量が多く、画面が複雑になる傾向にあるため、ユーザ(プレイヤー)にとって扱いにくいインターフェースになってしまう恐れがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを実現するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、オブジェクト記憶部、オブジェクト表示部、入力受付部、判別部、選択部、提示部を備える。
オブジェクト記憶部は、画面内に配置されるオブジェクトの画面内における表示位置を記憶する。
オブジェクト表示部は、オブジェクトを記憶される表示位置に表示する。
入力受付部は、画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける。
判別部は、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別する。
選択部は、オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する。
提示部は、選択されたオブジェクトをプレイヤーに提示する。
【0008】
本発明のゲーム装置にて実行されるゲームでは、仮想空間内にオブジェクトが配置される。オブジェクトは、例えば、プレイヤーもしくはゲーム装置によって指示が与えられるキャラクター、カードゲームにおけるそれぞれのカード、プレイヤー(ユーザ)が選択可能なタブやオプションボタンなどである。プレイヤーが選択可能であって、画面に表示される画像の一部又は全部が、オブジェクトとなり得る。画面には、プレイヤーが選択可能なオブジェクトが少なくとも1つ以上表示される。
【0009】
プレイヤーは、画面内の第1位置と第2位置を指定する。例えば、プレイヤーがタッチペンをタッチパネルに接触させたまま移動させるとき、接触が開始された第1の時刻における画面内の位置が第1位置であり、接触が終了された第2の時刻における画面内の位置が第2位置である。第2の時刻は第1の時刻より後である。第1位置と第2位置は、マウスやキーボードなど他の任意の入力デバイスを用いて指定されてもよい。
【0010】
第1位置と第2位置が指定されると、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線が求められる。位置関係によって、半直線がオブジェクトと交差することがある。半直線がオブジェクトと交差すると判別された場合、交差するオブジェクトがゲーム装置によって選択される。そして、交差するオブジェクトが選択された旨がプレイヤーに提示される。
【0011】
例えば、画面に複数のオブジェクトが表示されており、プレイヤーがいずれかのオブジェクトを選択したい場合、プレイヤーは、オブジェクトを直接タッチして選択する代わりに、第1位置から第2位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するように、ラインを描けばよい。
例えば、2画面を有し、一方の画面にのみタッチパネルが搭載されているゲーム機において、タッチパネルが搭載されていない方の画面に表示されているオブジェクトをプレイヤーが選択したい場合、プレイヤーは、タッチパネルが搭載されている方の画面上でラインを描けばよい。ラインの形状は自由であり、直線でも曲線でもよい。
例えば、プレイヤーから見て2つの画面が縦に並んでおり、上の画面に複数のオブジェクトが表示され、プレイヤーは下の画面にタッチして指示を与えるゲームにおいて、プレイヤーは、タッチペンで上から下へラインを引けば、上の画面に表示されている複数のオブジェクトの中から所望のオブジェクトを選択できる。プレイヤーにとっては、“上にあるものを下にもってくる”というような直感的な操作でオブジェクトを選択できるようになる。
本発明によれば、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくするゲーム装置を提供することができる。
【0012】
判別部は、半直線から所定距離範囲内の周辺領域の中に、記憶されるオブジェクトの表示位置が含まれるか否かを判別することにより、半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別してもよい。
【0013】
すなわち、オブジェクトと交差するか否かが判別される半直線には、交差すると判別される許容範囲が設けられるので、プレイヤーは、選択したいオブジェクトと半直線が交差する線を厳密に描かなくてもよい。本発明によれば、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなる効果が増す。
【0014】
入力受付部は、選択部によりオブジェクトが選択された後の時刻に受け付けられた第3位置を更に取得してもよい。
そして、選択されたオブジェクトの記憶される表示位置を、取得された第3位置で更新する更新部を更に備えてもよい。
【0015】
本発明によれば、プレイヤーは、所望のオブジェクトを選択するだけでなく、表示位置を移動させる指示を与えることができるようになる。
例えば、2画面を有し、一方の画面にのみタッチパネルが搭載されているゲーム機において、プレイヤーは、タッチパネルが搭載されている方の画面上でラインを描いた後、つまり上述の第2の時刻よりも後の第3の時刻に、移動先の位置を更に指定すれば、一方の画面に表示されているオブジェクトを他方の画面に移動させることができる。プレイヤーは、一方の画面で指示を入力すれば、他方の画面にも指示を与えることができる。
【0016】
また、オブジェクトは複数であってもよい。
オブジェクト記憶部には、画面内に配置される複数のオブジェクトのそれぞれの画面内における表示位置が記憶されてもよい。
オブジェクト表示部は、複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトを記憶される表示位置に表示してもよい。
判別部は、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線が複数のオブジェクトのいずれかと交差するか否かを判別してもよい。
選択部は、複数のオブジェクトのいずれかと交差すると判別された場合、複数のオブジェクトのうち当該交差すると判別されたオブジェクトを選択してもよい。
【0017】
本発明によれば、プレイヤーが選択可能なオブジェクトが画面内に複数存在している場合に、プレイヤーは、複数のオブジェクトの中から所望のオブジェクトを簡単に選ぶことできるようになる。
【0018】
選択部は、複数のオブジェクトのいずれかが半直線と交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトのうち、半直線と最初に交差するオブジェクトを選択してもよい。
【0019】
つまり、半直線が交差すると判別されるオブジェクトが複数ある場合においても、プレイヤーは、所望の1つのオブジェクトを簡単に選択することができる。
【0020】
ゲーム装置は、互いの相対位置が固定された第1画面と第2画面を有していてもよい。
表示部は、複数のオブジェクトを第1画面に表示してもよい。
入力受付部は、第2画面内の位置を指定する入力をプレイヤーから受け付けてもよい。
提示部は、複数のオブジェクトのうち選択されたオブジェクトを第2画面の所定位置に表示することにより、プレイヤーに提示してもよい。
【0021】
本発明のゲーム装置は2つの画面を有し、一方の画面にはプレイヤーが選択可能なオブジェクトが複数表示され、他方の画面には選択されたオブジェクトが表示される。例えば、第1画面には、オブジェクトに関連付けられるゲーム情報のうちその概要のみが表示され、第2画面には、選択されたオブジェクトに関連付けられるゲーム情報の詳細が表示される。このようにすれば、ゲーム装置は、2つの画面を効率よく使い分けてゲーム画面を表示することができる。
【0022】
判別部は、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別する代わりに、第1位置から第2位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別してもよい。
【0023】
例えば、プレイヤーから見て2つの画面が縦に並んでおり、上の画面に複数のオブジェクトが表示され、プレイヤーは下の画面にタッチして指示を与えるゲームにおいて、プレイヤーは、タッチペンで下から上へラインを引けば、上の画面に表示されている複数のオブジェクトの中から所望のオブジェクトを選択できる。プレイヤーにとっては、“上にあるものを下から指で指す”というような直感的な操作でオブジェクトを選択できるようになる。
【0024】
本発明のその他の観点に係るゲーム処理方法は、オブジェクト記憶部、オブジェクト表示部、入力受付部、判別部、選択部、提示部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、オブジェクト表示ステップ、入力受付ステップ、判別ステップ、選択ステップ、提示ステップを備える。
オブジェクト記憶部には、画面内に配置されるオブジェクトの画面内における表示位置が記憶される。
オブジェクト表示ステップでは、オブジェクト表示部が、オブジェクトを記憶される表示位置に表示する。
入力受付ステップでは、入力受付部が、画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける。
判別ステップでは、判別部が、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別する。
選択ステップでは、選択部が、オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する。
提示ステップでは、提示部が、選択されたオブジェクトをプレイヤーに提示する。
【0025】
本発明によれば、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるゲーム処理方法を提供することができる。
【0026】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、オブジェクト記憶部、オブジェクト表示部、入力受付部、判別部、選択部、提示部として機能させる。
オブジェクト記憶部は、画面内に配置されるオブジェクトの画面内における表示位置を記憶する。
オブジェクト表示部は、オブジェクトを記憶される表示位置に表示する。
入力受付部は、画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける。
判別部は、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線がオブジェクトと交差するか否かを判別する。
選択部は、オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する。
提示部は、選択されたオブジェクトをプレイヤーに提示する。
【0027】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを実現するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な携帯型ゲーム機の概要構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図3】ゲーム画面の構成例を示す図である。
【図4】第1位置から第2位置までの経路を示す図である。
【図5】第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線を示す図である。
【図6】オブジェクトを選択して提示する処理を説明するための図である。
【図7】オブジェクトを選択して提示する処理を説明するための他の図である。
【図8】半直線と交差するオブジェクトが複数存在する場合において、オブジェクトを選択する処理を説明するための図である。
【図9】半直線と交差するオブジェクトが複数存在する場合において、オブジェクトを提示する処理を説明するための図である。
【図10】オブジェクト選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態2において、第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線を示す図である。
【図12】オブジェクトを選択して提示する処理を説明するための図である。
【図13】実施形態3における、ゲーム装置の外見の概略を示す図である。
【図14】2つのLCDに表示される画面の構成例を示す図である。
【図15】第2位置から第1位置を通過して伸びる半直線を示す図である。
【図16】オブジェクトを選択して提示する処理を説明するための図である。
【図17】実施形態4における、ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図18】第3位置を示す図である。
【図19】選択されたオブジェクトを第3位置に移動する処理を説明するための図である。
【図20】実施形態5において、第1モードの画面の構成例を示す図である。
【図21】第2モードの画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0031】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な携帯型ゲーム機1の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0032】
携帯型ゲーム機1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0033】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0034】
CPUコア10aは、OS(Operating System)やIPL(Initial Program Loader)を実行して携帯型ゲーム機1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0035】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0036】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0037】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部19に所定の指示アイコン等を表示する。
【0038】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやプレイヤーの指によるタッチパネル20への接触(タッチ)を検出する。たとえば、第2の表示部19に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル20上の接触およびその位置等を検出する。
【0039】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0040】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0041】
無線通信部13は、他の携帯型ゲーム機1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0042】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型ゲーム機1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0043】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0044】
操作キー17は、携帯型ゲーム機1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、プレイヤーの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0045】
第1の表示部18および第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20の接触によりプレイヤーから操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0046】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやプレイヤーの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル20は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、プレイヤーの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、プレイヤーの指等の接触を検出してもよい。
【0047】
次に、上記構成を有する携帯型ゲーム機100により実現される、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成等について説明する。図2は、ゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、オブジェクト記憶部201、オブジェクト表示部202、入力受付部203、判別部204、選択部205、提示部206を備える。
【0048】
ゲーム装置200は、1つ以上のオブジェクトが画面に表示される、仮想空間内におけるゲームを実行する。オブジェクトは、例えば、ゲーム装置200にて実行されるゲームに登場するプレイヤーキャラクターやアイテムなどである。画面に表示される所定の画像データの一部あるいは全部が、本発明におけるオブジェクトである。
【0049】
本実施形態では、画面内に複数のオブジェクトが配置されるゲームを例にとって説明する。本発明は、オブジェクトが1つだけの場合にも適用することが可能であるがその詳細は他の実施形態において説明する。
【0050】
ゲーム装置200にて行われるゲームの一つに対戦型カードゲームがある。プレイヤーは、キャラクターや属性が予め関連付けられた仮想的なカードを取得・購入・交換する。プレイヤーは、操作キー17を操作して手持ちのカードのいずれかを相手プレイヤーに提示する。自分が提示したカードの属性と、相手プレイヤーが提示したカードの属性とが比較され、カードによる“対戦(マッチ)”が行われる。対戦の結果、相手プレイヤーのポイント(ライフポイント)をゼロ以下にしたプレイヤーが勝ちである。プレイヤーは、人間でもよいし、ゲーム装置200自身(NPC;Non Playable Character)でもよい。
【0051】
例えば、対戦型カードゲームの画面では、カードがタブを用いて整理されている。プレイヤーは、任意のカードを選んだり任意のタブを選んだりすることができる。カードとタブのいずれもが“オブジェクト”となり得る。
本実施形態では、カードをオブジェクトとして扱う場合と、タブをオブジェクトとして扱う場合とを区別して説明する。
なお、カードとタブの両方をオブジェクトとして扱う場合については、後述の実施形態5において説明する。
【0052】
オブジェクト記憶部201は、複数のオブジェクトのそれぞれについて、オブジェクトの画面内における表示位置を記憶する。表示位置は、画面内に予め定義される座標系による座標値を用いて表される。処理制御部10がオブジェクト記憶部201として機能する。
【0053】
オブジェクト表示部202は、複数のオブジェクトのそれぞれについて、オブジェクト記憶部201に記憶される表示位置にオブジェクトを表示する。処理制御部10と第1の表示部18と第2の表示部19が協働してオブジェクト表示部202として機能する。
【0054】
図3は、第2の表示部19のLCDに表示される画面300の構成例である。本図は、対戦型カードゲームにおいて、手持ちのカードの配置等を編集する画面(以下「デッキ画面」ともいう。)の例である。画面300には、2つの画像領域331,332がある。画像領域331をメインデッキ、画像領域332をサイドデッキと呼ぶ。
【0055】
図3に示すデッキ画面では、メインデッキ331にはカード321〜324が配置され、サイドデッキ332にはカード325が配置されている。また、メインデッキ331にはタブ311〜315が関連付けられている。タブは、プレイヤーがメインデッキを効率的に使えるようにするために設けられる、ページめくりのような機能をプレイヤーに提供する。カード321〜325、もしくは、タブ311〜315が、本発明における“オブジェクト”となり得る。
【0056】
メインデッキ331とサイドデッキ332に配置できるカードの数は任意である。タブの数も任意である。オブジェクトの数は本発明によって限定されない。また、オブジェクトの大きさ、形状、色彩等も任意である。
【0057】
プレイヤーは、メインデッキ331に配置された任意のカードをサイドデッキ332に移動させたり、反対にサイドデッキ332に配置された任意のカードをメインデッキ331に移動させたりすることができる。また、プレイヤーは、メインデッキ331に関連付けられているいずれかのタブを選択し、メインデッキ331の表示内容を変更することができる。
【0058】
WRAM 10dには、各オブジェクトの表示位置、すなわち図3におけるカード321〜325の表示位置とタブ311〜315の表示位置とが記憶される。処理制御部10は、カードを移動する指示をプレイヤーから受け付けると、受け付けた指示に従ってカードの表示位置を更新し、画面内でカードを移動させる。また、処理制御部10は、タブを選択する指示をプレイヤーから受け付けると、選択されたタブがどれであるかを示す情報をWRAM 10dに記憶させ、メインデッキ331の表示内容を、選択されたタブに関連付けられた表示内容に変更する。
【0059】
入力受付部203は、画面内において、第1の時刻にプレイヤーによって指定された位置(以下「第1位置」という。)から、第1の時刻より後の第2の時刻にプレイヤーによって指定された位置(以下「第2位置」という。)まで移動する経路を指定する入力を、ユーザから受け付ける。処理制御部10とタッチパネル20が協働して入力受付部203として機能する。
【0060】
プレイヤーは、タッチパネル20にタッチペンや指などを接触させることにより、画面上の任意の位置を指定することができる。処理制御部10は、プレイヤーによって指定された位置の座標を取得する。
【0061】
また、図4に示すように、プレイヤーは、タッチパネル20にタッチペン等を接触させたまま接触位置を移動させる(なぞる)ことができる。処理制御部10は、接触が開始された第1時刻に指定された第1位置410と、接触が終了された第2時刻に指定された第2位置420と、を取得する。処理制御部10は、プレイヤーによって入力された第1位置410から第2位置420までの経路430を取得する。
【0062】
判別部204は、第2位置420から第1位置410を通過して伸びる半直線を求め、この求めた半直線が複数のオブジェクトのいずれかと交差するか否かを判別する。処理制御部10が判別部204として機能する。
【0063】
図5は、第2位置420から第1位置410を通過して伸びる半直線500の例を示す図である。本図において、カード321〜325をオブジェクトとして扱う場合、半直線500は、カード323が存在する領域と交差する。処理制御部10は、半直線500がオブジェクト(この場合カード323)と交差すると判別する。
【0064】
例えば、CPU 101は、第2位置420から第1位置410を通過して伸び、所定の線幅をもつ半直線500上の各点の座標値が、オブジェクトが配置される領域内の点の座標値のいずれかと一致するか否かを判別することにより、半直線500がオブジェクトと交差するか否かを判別する。画面内に複数のオブジェクトがある場合には、処理制御部10は、オブジェクトのそれぞれについて、半直線500がオブジェクトと交差するか否かを判別する。
【0065】
なお、図5には半直線500が実線で描かれているが、これは本発明をより理解しやすくするために示したものであり、実際には半直線500は第1の表示部18,第2の表示部19には表示されず、プレイヤーからは見えない。
【0066】
選択部205は、半直線500が複数のオブジェクトのいずれかと交差すると判別部204によって判別された場合、複数のオブジェクトの中から、交差すると判別されたオブジェクトを選択する。処理制御部10が選択部205として機能する。
【0067】
図5においては、処理制御部10は、半直線500と交差すると判別されたカード323がプレイヤーによって指定されたものとして扱い、カード321〜325の中からカード323のみを選択する。
【0068】
提示部206は、選択部205によって選択されたオブジェクトをプレイヤーに提示する。具体的には、処理制御部10は、選択されたオブジェクトをプレイヤーに通知するメッセージや画像データ等を、第1の表示部18及び/又は第2の表示部19に表示させたり、サウンドアンプ15を制御してスピーカ16から音声で出力したりすることにより、プレイヤーに提示する。処理制御部10と第1の表示部18及び/又は第2の表示部19が協働して、あるいは、処理制御部10とサウンドアンプ15が協働して、提示部206として機能する。
【0069】
例えば、処理制御部10は、図6に示すように、メインデッキ331に配置されたカード321〜324のうち、半直線500と交差すると判別されたカード323の表示位置を、メインデッキ331内からサイドデッキ332内に移動することにより、カード323が選択された旨をプレイヤーに提示する。
【0070】
処理制御部10は、半直線500と交差すると判別されたカード323を、サイドデッキ332内で且つ半直線500上の位置に移動してもよい。
あるいは、処理制御部10は、半直線500と交差すると判別されたカード323を、サイドデッキ332内の任意の位置に移動してもよい。
【0071】
以上の説明では、カード321〜325をオブジェクトとして扱っているが、タブ311〜315をオブジェクトとして扱うこともできる。
図5において、半直線500は、タブ311〜315のうち、タブ314と交差している。処理制御部10は、半直線500がオブジェクト(この場合“デッキD”と書かれたタブ314)と交差すると判別する。処理制御部10は、交差すると判別されたオブジェクトを選択してもよい。
【0072】
そして、CPU 101は、図7に示すように、メインデッキ331の表示内容を、タブ311〜315のうち半直線500と交差すると判別されたタブ314に関連付けられる表示内容に切り替えることにより、タブ314が選択された旨をプレイヤーに提示してもよい。
【0073】
求めた半直線500と交差する位置に配置されるオブジェクトが複数である場合、処理制御部10は、配置されていると判別されたオブジェクトのうち、半直線500と最初に交差したオブジェクトを選択するものとする。
【0074】
図8は、半直線500が複数のオブジェクトと交差するケースを示す図である。複数のオブジェクト(カード321〜325)のうち、半直線500と交差するのはカード321とカード322の2つである。処理制御部10は、第2位置420を起点として第1位置410の方向へ、半直線500を延伸していく。延伸していく半直線500は、最初にカード322と交差し、次にカード321と交差する。処理制御部10は、最初に交差したカード322を選択する。
【0075】
そして、図9に示すように、処理制御部10は、選択したカード322の表示位置を、メインデッキ331からサイドデッキ332内の位置に移動して表示する。
【0076】
次に、上述した各部が実行するオブジェクト選択処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
まず、処理制御部10は、経路430を指定する入力をプレイヤーから受け付ける(ステップS1001)。例えばプレイヤーは、タッチペンをタッチパネル20に接触させ、その後、接触させたままタッチペンを移動することにより、任意の経路430を指定する。
【0078】
処理制御部10は、接触が開始されたときの第1位置410から、接触が終了したときの第2位置420までの経路430を取得する(ステップS1002)。
【0079】
処理制御部10は、第2位置420から第1位置410の向きへ伸びる半直線500を求める(ステップS1003)。
【0080】
処理制御部10は、ステップS1003で求めた半直線500がオブジェクトのいずれかと交差するか否かを判別する(ステップS1004)。
【0081】
いずれのオブジェクトとも交差しないと判別された場合(ステップS1004;NO)、処理制御部10はオブジェクト選択処理を終了する。
一方、いずれかのオブジェクトと交差すると判別された場合(ステップS1004;YES)、処理制御部10は、画面内のオブジェクトの中から、交差すると判別されたオブジェクトを選択する(ステップS1005)。
【0082】
例えば、図5に示すカード321〜325をオブジェクトとして扱う場合において、処理制御部10は、カード321〜325の中から、半直線500と交差する1つのカード323を選択する。
また、図8に示すカード321〜325をオブジェクトとして扱う場合において、処理制御部10は、カード321〜325の中から、半直線500と交差する2つのカード321,322のうち半直線500を延伸させたときに最初に交差する方、すなわちカード322を選択する。
【0083】
また、図5に示すタブ311〜315をオブジェクトとして扱う場合において、処理制御部10は、タブ311〜315の中から、半直線500と交差する1つのタブ314を選択する。
なお、図示していないが、半直線500が交差するタブが複数ある場合にも同様に、タブ311〜315の中から、半直線500を延伸させたときに最初に交差するタブを1つだけ選択する。
【0084】
そして、処理制御部10は、ステップS1006で選択したオブジェクトをプレイヤーに提示する(ステップS1006)。
【0085】
例えば、図5に示すカード321〜325をオブジェクトとして扱う場合において、処理制御部10は、図6に示すように、選択したカード323の表示位置を変更する。選択されたカード323の変更先の表示位置は、選択されたことがプレイヤーによって比較的認識されやすいと推定される位置、典型的には画面300の中央寄りの位置にするとよい。また、処理制御部10は、選択されたオブジェクトを現在位置から変更先の表示位置まで徐々にスライドさせていくような演出をしながら表示するとよい。
【0086】
なお、処理制御部10は、選択されたオブジェクトの表示位置を変更する代わりに、もしくは、選択されたオブジェクトの表示位置を変更することに加えて、選択されたオブジェクトを強調して表示させてもよい。強調の仕方には、色彩の変更、拡大、回転、変形、点滅などがある。
【0087】
また、図5に示すタブ311〜315をオブジェクトとして扱う場合において、処理制御部10は、図7に示すように、メインデッキ331の表示内容を、選択されたタブ314に関連付けられる内容に変更する。処理制御部10は、タブが選択された(変更された)ことがプレイヤーによって比較的認識されやすくなるように、メインデッキ331の背景色を変更したり、徐々にページをめくっていくような演出を加えたりしてもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態によれば、プレイヤーは、複数のオブジェクトの中から所望の1つのオブジェクトを選択しやすくなる。
例えば、従来技術では、画面に複数のオブジェクトが散らばって配置されているときに、いずれかのオブジェクトを指定したい場合には、プレイヤーは、所望のオブジェクトの表示位置までタッチペンや指をもっていき、所定の選択操作(例えば、決定ボタンを押したりドラッグしたりする操作)をしなければならない。しかし、本実施形態によれば、プレイヤーは、わざわざ所望のオブジェクトの表示位置までタッチペンや指をもっていかなくても、半直線500が交差するようなラインを任意の位置で引くだけでよい。ゲーム装置200は、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを提供することができる。
【0089】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、プレイヤーが選択可能なオブジェトが画面内に1つだけであってもよい。ここでは、プレイヤーによる指示対象となるプレイヤーキャラクターと、敵キャラクターと、が戦う対戦ゲームを例にとって説明する。
【0090】
図11は、本実施形態におけるゲーム装置200によって第2の表示部19のLCDに表示される画面1100の例を示す。仮想空間には、プレイヤーキャラクター1101、敵キャラクター1102等が配置される。画面1100には、プレイヤーキャラクター1101を表す画像や敵キャラクター1102を表す画像等が表示される。敵キャラクター1102は典型的には1つ以上表示されるが、画面1100に敵キャラクター1102が1つも表示されないことがあってもよい。
【0091】
プレイヤーは、タッチパネル20にタッチペン等を接触させたまま、接触位置を移動させることができる。処理制御部10は、接触が開始された第1時刻に指定された第1位置1151と、接触が終了された第2時刻に指定された第2位置1152と、を取得する。処理制御部10は、プレイヤーによって入力された第1位置1151から第2位置1152までの経路1153を取得する。
【0092】
処理制御部10は、第2位置1152から第1位置1151を通過して伸びる半直線1150を求め、この求めた半直線1150がオブジェクトと交差するか否かを判別する。本実施形態では、プレイヤーが選択可能なオブジェクトは敵キャラクター1102である。
【0093】
処理制御部10は、第2位置1152から第1位置1151を通過して伸びる半直線1150上の各点の座標値が、敵キャラクター1102が配置される位置座標と一致するか否かを判別することにより、半直線1150が敵キャラクター1102と交差するか否かを判別する。画面内に複数の敵キャラクター1102がある場合には、処理制御部10は、敵キャラクター1102のそれぞれについて、半直線1150が敵キャラクター1102と交差するか否かを判別する。
【0094】
図11において、半直線1150は敵キャラクター1102と交差している。処理制御部10は、半直線1150が敵キャラクター1102と交差すると判別する。処理制御部10は、半直線1150と交差すると判別された敵キャラクター1102を選択する。
【0095】
そして処理制御部10は、図12に示すように、選択された敵キャラクター1102に関連する情報を含むメッセージボックス1200を表示することにより、敵キャラクター1102が選択された旨をプレイヤーに提示する。メッセージボックス1200に表示される内容は、例えば、敵キャラクター1102の強さを表す情報や、敵キャラクター1102の仮想空間内での位置を示す情報などである。
【0096】
半直線1150に所定の幅W1を設けてもよい。この場合、処理制御部10は、第2位置1152から第1位置1151を通過して伸びる半直線1150を求めると、求めた半直線1150からの距離がW1/2以内の周辺領域1160を更に求める。そして、処理制御部10は、周辺領域1160の中にオブジェクト(敵キャラクター1102)の位置が含まれるか否かを判別し、含まれていればそのオブジェクトを選択してもよい。このようにすれば、プレイヤーは、所望のオブジェクトを選択するために経路1153を厳密に入力しなくてもよく、大まかな経路1153を入力すればよい。
【0097】
上述の実施形態1では、処理制御部10は半直線500を画面500に表示していない。しかし、本実施形態においては、処理制御部10は、半直線1150もしくは周辺領域1160を画面1100に表示するようにしてもよい。例えば、処理制御部10は、プレイヤーキャラクターの1101の位置から周囲をサーチライトで照らすかのように半直線1150もしくは周辺領域1160を表示することにより、プレイヤーが指定した向きが分かるようにしてもよい。
【0098】
(実施形態3)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、提示部206は、2つのLCDを使い分けて、選択部205による選択結果を提示する。
【0099】
図13は、本実施形態のゲーム装置200の外見を模して表した図である。ゲーム装置200には、第1の表示部18が有するLCD1301と、第2の表示部19が有するLCD1302とが、距離間隔D1+D2で隣り合って固定して配置されている。
【0100】
図14はLCD1301に表示される画面1401(以下「第1画面」という。)の構成例と、LCD1302に表示される画面1402(以下「第2画面」という。)の構成例を表す。
【0101】
第1画面1401には、タブ1451〜1455がオブジェクトとして配置される。領域1430にはタブ1451〜1455が関連付けられている。プレイヤーは、任意のタブを選択することにより、領域1430の表示内容を切り替えることができる。
【0102】
第2画面1402の領域1440には、第1画面1401のうちプレイヤーによって指示されたタブに対応付けられるゲーム情報が表示される。
例えば、領域1430にはゲーム情報の概要のみが表示され、領域1440にはゲーム情報の詳細が表示される。
例えば、領域1440の面積は領域1430の面積よりも大きくなっており、領域1440には領域1430が拡大して表示される。
【0103】
図15に示すように、プレイヤーは、第2の表示部19のLCD1302上に重ねて配置されるタッチパネル20上をタッチペンや指でなぞることにより、第1位置1501から第2位置1502までの経路1503を指定する。処理制御部10は、第1位置1501の座標と第2位置1502の座標を取得し、第2位置1502から第1位置1501を通過して伸びる半直線1500を求める。
【0104】
処理制御部10は、タブ1451〜1455の中から、半直線1500と交差するタブ1454を選択する。
【0105】
そして、処理制御部10は、図16に示すように、第2の表示部19を制御して、選択されたタブ1454に関連付けられている内容を第2画面1402に表示する。つまり、選択されたオブジェクト(タブ1454)がプレイヤーに提示される。第2画面1402にによってプレイヤーに提示される内容が、タブ1451からタブ1454に変更されている。
【0106】
本実施形態のゲーム装置200では、第2の表示部19のLCD1302の上にはタッチパネル20が配置されているが、第1の表示部18のLCD1301の上にはタッチパネルは配置されていない。従って、プレイヤーは、第1画面1401を直接タッチしてオブジェクトを選択することはできない。しかし、プレイヤーは、第2画面1402上で第1位置1501と第2位置1502を指定することにより、第1画面1401内に配置されたオブジェクトを選択することができる。プレイヤーは、一方の画面(第2画面1402)をタッチするだけで、他方の画面(第1画面1401)内に配置された任意のオブジェクトを簡単に選択できる。
【0107】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、プレイヤーは、オブジェクトを選択し、更にオブジェクトを移動することができる。
【0108】
図17は、ゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、更新部1701を更に備える。
【0109】
入力受付部203は、選択部205によりオブジェクトが選択された後の第3の時刻に受け付けられた第3位置を更に取得する。
【0110】
更新部1701は、選択部205によって選択されたオブジェクトの表示位置を、入力受付部203によって取得された第3位置で更新する。処理制御部10が更新部1701として機能する。
【0111】
より詳細には、まず、処理制御部10は、図18に示すように、第2位置420から第1位置410の向きへ伸びる半直線500を求める。
【0112】
次に、処理制御部10は、求めた半直線500がオブジェクトのいずれかと交差するか否かを判別する。図18の場合、カード321〜325のうち、半直線500と交差するオブジェクトはカード323である。
【0113】
更に、処理制御部10は、カード321〜325の中から、交差すると判別されたカード323を選択する。
【0114】
このとき、処理制御部10は、選択されたことがプレイヤーに容易に認識できるように、選択したカード323を強調して表示するとよい。
【0115】
次に、処理制御部10は、選択されたカード323の移動先となる位置(第3位置)を指示する入力を受け付け、第3位置1803の座標を取得する。
【0116】
例えば、プレイヤーは、タッチペンをタッチパネル20に接触させたまま移動することにより、第1位置410と第2位置420を指定した後、一旦タッチペンをタッチパネル20から離す。プレイヤーは、タッチペンをタッチパネル20に再び接触させて、第3位置1803を指定する。
【0117】
そして、処理制御部10は、図19に示すように、選択したカード323を、取得した第3位置1803に移動する。すなわち、選択されたオブジェクトは、プレイヤーによって指示された位置に提示される。プレイヤーは、オブジェクトが選択された後に第3位置1803を指定することにより、選択されたオブジェクトを任意の位置に表示させることができる。
【0118】
(実施形態5)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上記各実施形態では、カード321〜325をオブジェクトとして扱う場合と、タブ311〜315をオブジェクトとして扱う場合とを区別して説明した。本実施形態では、カード321〜325をオブジェクトとして扱うゲームモード(第1モード)と、タブ311〜315をオブジェクトとして扱うゲームモード(第2モード)とを交互に切り替えることができる。
【0119】
図20は、カード321〜325をオブジェクトとして扱う第1モードにおける画面300の構成例である。プレイヤーは、サイドデッキ332内でタッチペンを接触させ、第1位置410と第2位置420を指定する。処理制御部10は、第2位置420から第1位置410を通過して伸びる半直線2000を求め、カード321〜325の中から、半直線2000と交差するカード(図20の場合、カード322)を選択する。
【0120】
切り替えタブ2010がプレイヤーによってタッチされると、処理制御部10は、ゲームモードを第1モードから第2モードに変更する。
【0121】
図21は、タブ311〜315をオブジェクトとして扱う第2モードにおける画面300の構成例である。処理制御部10は、第2位置420から第1位置410を通過して伸びる半直線2000を求め、タブ311〜315の中から、半直線2100と交差するタブ(図21の場合、タブ313)を選択する。
【0122】
第1モードでは、カード321〜324の位置の方がタブ311〜315の位置よりもサイドデッキ322に近くなるようにすることが望ましい。
第2モードでは、タブ311〜315の位置の方がカード321〜324の位置よりもサイドデッキ322に近くなるようにすることが望ましい。
すなわち、プレイヤーが選択可能なオブジェクトは、プレイヤーがラインを描くことができる描画領域の近くになるように配置されることが望ましい。これは、プレイヤーが選択するオブジェクトが描画領域に近い方がプレイヤーにとって見やすいと推測されるからである。
【0123】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0124】
例えば図5において、処理制御部10は、第2位置420から第1位置410を通過して伸びる半直線500を求め、この半直線500と交差するオブジェクトを選択している。しかし、処理制御部10は、第1位置410から第2位置420を通過して伸びる半直線を求め、この半直線と交差するオブジェクトを選択してもよい。
【0125】
上記実施形態では、プレイヤーは、第1の時刻にタッチパネル20への接触を開始し、第2の時刻にタッチパネル20への接触を終了することにより、経路430を指定している。つまり、経路430は、第1位置410を起点とし第2位置420を終点とする“線”によって指定される。
しかし、経路430は、第1位置410及び第2位置420の2つの“点”によって指定されてもよい。すなわち、プレイヤーは、タッチパネル20上をタッチペンでなぞる代わりに、まず第1位置410を指定し、一旦タッチパネル20からタッチペンを離した後、第2位置420を指定してもよい。
【0126】
上記のゲーム装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0127】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0128】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤーが所望のオブジェクトを選択しやすくなるインターフェースを実現するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 携帯型ゲーム機
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
200 ゲーム装置
201 記憶部
202 表示部
203 入力受付部
204 判別部
205 選択部
206 提示部
300 画面
311〜315 タブ(オブジェクト)
321〜326 カード(オブジェクト)
331 画像領域(メインデッキ)
332 画像領域(サイドデッキ)
410 第1位置(第1の時刻に指定された位置)
420 第2位置(第2の時刻に指定された位置)
430 経路
500 半直線
1100 画面
1101 プレイヤーキャラクター
1102 敵キャラクター
1150 半直線
1151 第1位置(第1の時刻に指定された位置)
1152 第2位置(第2の時刻に指定された位置)
1153 経路
1160 周辺領域
1200 メッセージボックス
1301,1302 LCD
1401 画面(第1画面)
1402 画面(第2画面)
1430,1440 領域
1451〜1455 タブ(オブジェクト)
1500 半直線
1501 第1位置(第1の時刻に指定された位置)
1502 第2位置(第2の時刻に指定された位置)
1503 経路
1701 更新部
1803 第3位置(第3の時刻に指定された位置)
2000 半直線
2010 切り替えタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面内に配置されるオブジェクトの前記画面内における表示位置を記憶するオブジェクト記憶部と、
前記オブジェクトを前記記憶される表示位置に表示するオブジェクト表示部と、
前記画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける入力受付部と、
前記第2位置から前記第1位置を通過して伸びる半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する判別部と、
前記オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する選択部と、
前記選択されたオブジェクトを前記プレイヤーに提示する提示部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記判別部は、前記半直線から所定距離範囲内の周辺領域の中に前記記憶されるオブジェクトの表示位置が含まれるか否かを判別することにより、前記半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記入力受付部は、前記選択部によりオブジェクトが選択された後の時刻に受け付けられた第3位置を更に取得し、
前記選択されたオブジェクトの前記記憶される表示位置を、前記取得された第3位置で更新する更新部を更に備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記オブジェクトは複数であり、
前記オブジェクト記憶部には、前記画面内に配置される複数のオブジェクトのそれぞれの前記画面内における表示位置が記憶され、
前記オブジェクト表示部は、前記複数のオブジェクトのそれぞれについて、当該オブジェクトを前記記憶される表示位置に表示し、
前記判別部は、前記第2位置から前記第1位置を通過して伸びる半直線が前記複数のオブジェクトのいずれかと交差するか否かを判別し、
前記選択部は、前記複数のオブジェクトのいずれかと交差すると判別された場合、前記複数のオブジェクトのうち当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置であって、
前記選択部は、前記複数のオブジェクトのいずれかが前記半直線と交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトのうち、前記半直線と最初に交差するオブジェクトを選択する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム装置は、互いの相対位置が固定された第1画面と第2画面を有し、
前記表示部は、前記複数のオブジェクトを前記第1画面に表示し、
前記入力受付部は、前記第2画面内の位置を指定する入力を前記プレイヤーから受け付け、
前記提示部は、前記複数のオブジェクトのうち前記選択されたオブジェクトを前記第2画面の所定位置に表示することにより、前記プレイヤーに提示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記判別部は、前記第2位置から前記第1位置を通過して伸びる半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する代わりに、前記第1位置から前記第2位置を通過して伸びる半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
オブジェクト記憶部、オブジェクト表示部、入力受付部、判別部、選択部、提示部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、
前記オブジェクト記憶部には、画面内に配置されるオブジェクトの前記画面内における表示位置が記憶され、
前記オブジェクト表示部が、前記オブジェクトを前記記憶される表示位置に表示するオブジェクト表示ステップと、
前記入力受付部が、前記画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける入力受付ステップと、
前記判別部が、前記第2位置から前記第1位置を通過して伸びる半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する判別ステップと、
前記選択部が、前記オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する選択ステップと、
前記提示部が、前記選択されたオブジェクトを前記プレイヤーに提示する提示ステップと、
を備えることを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
画面内に配置されるオブジェクトの前記画面内における表示位置を記憶するオブジェクト記憶部、
前記オブジェクトを前記記憶される表示位置に表示するオブジェクト表示部、
前記画面内の第1位置から第2位置まで移動する経路を指定する入力をプレイヤーから受け付ける入力受付部、
前記第2位置から前記第1位置を通過して伸びる半直線が前記オブジェクトと交差するか否かを判別する判別部、
前記オブジェクトと交差すると判別された場合、当該交差すると判別されたオブジェクトを選択する選択部、
前記選択されたオブジェクトを前記プレイヤーに提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−125535(P2011−125535A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287772(P2009−287772)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】