説明

ゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤーの入力操作の負担を軽減する。
【解決手段】ゲーム装置200において、ゲーム状態記憶部201にはゲーム状態が記憶される。ゲーム状態表示部202は記憶されたゲーム状態を画面に表示する。検知部203はプレイヤーによる操作を検知する。更新部204は、画面内の位置又は経路を指定する画面操作が検知されると、検知された画面操作に基づいてゲーム状態を更新する。履歴記録部205は、記録操作が検知されている間に、画面内の位置又は経路を指定する画面操作が検知されると、記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する。更に、ゲーム状態表示部202は、呼出操作が検知されている間、記録された画面操作の履歴を画面に表示する。更新部204は、呼出操作の検知が終了すると、記録された画面操作の履歴に基づいてゲーム状態を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤーの入力操作の負担を軽減するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザからの入力操作を受け付ける入力装置の1つとして、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、例えば、液晶表示装置等の表示部の前面に重ねて配置される。表示部にタッチパネルが重畳された表示装置は、タッチスクリーンとも呼ばれる。入力装置は、表示部に目標となる画像(例えば、ボタン画像)を表示した状態で、ユーザの指やタッチペン等によるタッチ操作(接触等)を待機する。そして、入力装置は、ボタン画像に対応するタッチパネル上の領域がタッチ操作されると、そのボタン画像に割り当てられた指示情報等を入力する。最近では、携帯型のゲーム機器や携帯電話(携帯端末)といった小型の機器にも、タッチパネルが用いられるようになっている。
【0003】
また、タッチスクリーンを採用し、ユーザがタッチ操作をすることにより所望の指示やデータを入力できるゲーム装置が広く普及している。例えば特許文献1には、タッチスクリーンへの接触の有無や接触位置を検知し、検知結果を用いて楽器の演奏を模擬できる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−300496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タッチスクリーンをタッチしたりタッチスクリーン上でタッチペン等を接触させたまま移動したりすることによって、プレイヤーが任意の点や経路を指示するゲームにおいて、同じ点や経路を何度も指示したい場面に遭遇することがある。例えば、パズルゲームにおいて、最初の何手目まではいつも同じ手を打つ傾向にある場合、プレイヤーは、ゲームに挑戦するたびに何度も同じ操作をしなければならない。そのため、プレイヤーは、毎回同じ入力操作を繰り返さなければならず、面倒であった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するものであり、プレイヤーの入力操作の負担を軽減するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0008】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、ゲーム状態記憶部、ゲーム状態表示部、検知部、更新部、履歴記録部を備える。
ゲーム状態記憶部には、ゲーム状態が記憶される。
ゲーム状態表示部は、記憶されたゲーム状態を画面に表示する。
検知部は、プレイヤーによる操作を検知する。
更新部は、検知部により当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該画面操作に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
履歴記録部は、検知部により記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する。
更に、検知部により呼出操作が検知されている間、ゲーム状態表示部は、記録された画面操作の履歴を画面に表示する。
また、検知部による呼出操作の検知が終了すると、更新部は、記録された画面操作の履歴に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
【0009】
本発明のゲーム装置には、表示領域上にタッチパネルが重畳されたタッチスクリーンが用いられる。プレイヤーは、タッチスクリーンをタッチペンや指などでタッチしたり、タッチしながらなでるようにタッチペンや指などを動かしたりすることにより、点や経路を指定することができる。また、ゲーム装置には、プレイヤーによる押圧操作を検知するボタンもしくはキーが所定の位置に配置されている。プレイヤーは、この(これらの)ボタンもしくはキーを押圧することにより、指示を与えることができる。
【0010】
プレイヤーによる操作には、少なくとも、画面操作と記録操作と呼出操作の3つがある。画面操作は、タッチペン等でタッチスクリーンをタッチしたり接触させながら動かしたりすることによってなされる。記録操作と呼出操作は、それぞれ、所定のボタンやキーが押圧されることによってなされる。ただし、記録操作において押圧されるボタンやキーと、呼出操作において押圧されるボタンやキーとは、異なるものであることが望ましい。
【0011】
記録操作が行われている間に画面操作が行われると、記録操作が行われている間に行われた画面操作の履歴が記録される。例えば、プレイヤーが記録操作を行いながら、タッチスクリーン上で図形を描くと、その描かれた図形の形状、その図形の描き方(書き順等)、その図形を描くスピードなど、画面操作の履歴が記録される。
【0012】
この記録された画面操作の履歴は、呼出操作がなされることにより、任意のタイミングで再現されることが可能である。すなわち、プレイヤーが呼出操作を行うと、記録された画面操作の履歴がタッチスクリーンへ表示される。そして、呼出操作が終了すると、記録された画面操作の履歴通りにプレイヤーによって画面操作がなされたものとして扱われる。
【0013】
従って、プレイヤーは、同じ画面操作を行うことになる可能性がある場合には、記録操作を行いながらその画面操作を行っておけば、改めて同一の画面操作をやり直さなくても済むようになる。本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減することができる。なお、ゲームの内容は任意であり、本発明によって限定されない。
【0014】
ゲーム状態表示部は、呼出操作が検知され始めてからの経過時間に基づいて、履歴に含まれる位置もしくは経路を動画表示してもよい。
【0015】
すなわち、画面には、記録された画面操作が、記録された順番通りにそのまま再現される。例えば、記録された画面操作の内容が図形や文字を描くものである場合、その図形や文字の書き順や書く速さが容易に分かるように、アニメーションのように表示される。従って、プレイヤーは、記録された画面操作をプレビューでき、より明瞭に把握できるようになる。本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減することができる効果が増す。
【0016】
ゲーム状態表示部は、呼出操作が検知され始めてからの経過時間に基づいて、履歴に含まれる位置もしくは経路の表示態様を変化させてもよい。
【0017】
つまり、記録された画面操作の履歴の表示は、時間の経過と共に変化する。従って、プレイヤーは、記録された画面操作の内容や時間の流れをより明瞭に把握できるようになる。
【0018】
ゲーム状態表示部は、呼出操作が検知され始めてからの経過時間が所定時間になるまでは、履歴に含まれる位置もしくは経路の動画表示を繰り返し、当該所定時間を経過した後は、当該動画表示を停止してもよい。
【0019】
つまり、記録された画面操作の履歴は、呼出操作が行われている間、延々と表示され続けるのではなく、表示を開始してから所定時間が経過すれば、表示が終了する。本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減することができるだけでなく、プレイヤーの入力操作の効率を向上させることもできる。例えば、表示を開始してから所定時間が経過しなお且つ呼出操作が行われている場合には、記録された画面操作の履歴の表示を停止し、呼出操作をキャンセルするように設計することが可能である。
【0020】
ゲーム状態表示部は、履歴に含まれる位置もしくは経路が動画表示された回数が所定回数になるまでは、履歴に含まれる位置もしくは経路の動画表示を繰り返し、当該所定回数に達した後は、当該動画表示を停止してもよい。
【0021】
つまり、記録された画面操作の履歴は、呼出操作が行われている間、延々と表示され続けるのではなく、表示を開始してから表示回数が所定回数に達すれば、表示が終了する。本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減することができるだけでなく、プレイヤーの入力操作の効率を向上させることもできる。例えば、表示回数が所定回数に達しなお且つ呼出操作が行われている場合には、記録された画面操作の履歴の表示を停止し、呼出操作をキャンセルするように設計することが可能である。
【0022】
履歴記録部は、既に画面操作の履歴を記録している場合であって、検知部により呼出操作が検知され且つ新たな画面操作が検知された場合、当該新たな画面操作に基づいて、当該既に記録した画面操作の履歴を変更してもよい。
【0023】
本発明によれば、プレイヤーは、記録させたい画面操作を随時書き換えることができ、より一層使い勝手が増す。
【0024】
画面は、タッチスクリーンの表示画面であってもよい。
また、プレイヤーがタッチスクリーンにタッチもしくは当該タッチスクリーンをなでると、位置もしくは経路を指定する画面操作が検知される。
また、プレイヤーが第1のキーもしくはボタンを押圧操作すると、記録操作が検知される。
また、プレイヤーが第2のキーもしくはボタンを押圧操作すると、呼出操作が検知される。
【0025】
本発明によれば、プレイヤーは、タッチスクリーンやボタンやキーに割り当てられた機能を、明瞭に把握しつつ、より自然に使い分けることができる。例えば、自分の画面操作をゲーム装置に記録させたい場合には、あたかもビデオレコーダーの録音ボタンを押すかのような操作を行って画面操作を行えばよい。また、予め記録させた画面操作を呼び出したい場合には、あたかもビデオレコーダーの再生ボタンを押すかのような操作を行えばよい。
【0026】
本発明のその他の観点に係るゲーム処理方法は、ゲーム状態記憶部、ゲーム状態表示部、検知部、更新部、履歴記録部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、ゲーム状態表示ステップ、検知ステップ、更新ステップ、履歴記録ステップを備える。
ゲーム状態記憶部には、ゲーム状態が記憶される。
ゲーム状態表示ステップでは、ゲーム状態表示部が、記憶されたゲーム状態を画面に表示する。
検知ステップでは、検知部が、プレイヤーによる操作を検知する。
更新ステップでは、検知ステップにおいて当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、更新部が、当該画面操作に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
履歴記録ステップでは、検知ステップにおいて記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、履歴記録部が、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴に記録する。
更に、検知ステップにおいて呼出操作が検知されている間、ゲーム状態表示ステップでは、ゲーム状態表示部は、記録された画面操作の履歴を画面に更に表示する。
また、検知ステップにおいて呼出操作の検知が終了すると、更新ステップでは、更新部が、記録された画面操作の履歴に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
【0027】
本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減することができる。
【0028】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、ゲーム状態記憶部、ゲーム状態表示部、検知部、更新部、履歴記録部として機能させる。
ゲーム状態記憶部には、ゲーム状態が記憶される。
ゲーム状態表示部は、記憶されたゲーム状態を画面に表示する。
検知部は、プレイヤーによる操作を検知する。
更新部は、検知部により当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該画面操作に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
履歴記録部は、検知部により記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する。
更に、検知部により呼出操作が検知されている間、ゲーム状態表示部は、記録された画面操作の履歴を画面に表示する。
また、検知部による呼出操作の検知が終了すると、更新部は、記録された画面操作の履歴に基づいて、ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する。
【0029】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】本実施形態のゲーム装置の機能的な構成を示す図である。
【図3】ゲームの画面の構成例を示す図である。
【図4】ゲームの画面の構成例を示す図である。
【図5】ゲームの画面の構成例を示す図である。
【図6】ゲームの画面の構成例を示す図である。
【図7】ゲームの画面の構成例を示す図である。
【図8】履歴記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】履歴呼出処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】ゲーム装置の外観を模式的に表した図である。
【図11】プレイヤーを認証するための画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な携帯型ゲーム機1の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0034】
携帯型ゲーム機1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0035】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0036】
CPUコア10aは、OS(Operating System)やIPL(Initial Program Loader)を実行して携帯型ゲーム機1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0037】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0038】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0039】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部19に所定の指示アイコン等を表示する。
【0040】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやプレイヤーの指によるタッチパネル20への接触(タッチ)を検出する。たとえば、第2の表示部19に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル20上の接触およびその位置等を検出する。
【0041】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0042】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0043】
無線通信部13は、他の携帯型ゲーム機1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0044】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型ゲーム機1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0045】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0046】
操作キー17は、携帯型ゲーム機1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、プレイヤーの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0047】
第1の表示部18および第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20の接触によりプレイヤーから操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0048】
タッチパネル20は、第2の表示部19のLCDの表面に重畳して配置され、タッチペンやプレイヤーの指の接触による入力を受け付ける。
【0049】
タッチパネル20は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、プレイヤーの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、プレイヤーの指等の接触を検出してもよい。
【0050】
タッチパネル20が表面に重畳して配置される表示装置(本実施形態における第2の表示部19)は、一般にタッチスクリーンと呼ばれる。
【0051】
次に、上記構成を有する携帯型ゲーム機1により実現される、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成等について説明する。
【0052】
図2は、ゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、ゲーム状態記憶部201、ゲーム状態表示部202、検知部203、更新部204、履歴記録部205を備える。
【0053】
図3〜7は、本実施形態のゲーム装置200で行われるゲームの画面の構成例を示す図である。本実施形態では、詰め将棋のゲームを例にとって説明する。プレイヤーは、タッチペンや指等をタッチパネル20にタッチすることにより、操作対象のオブジェクト(図3等では将棋の駒を表すオブジェクト301A〜301F)を動かして、ゲームを進める。図3〜7は、ある詰め将棋の問題がプレイヤーに提示され、プレイヤーが駒を動かす指示を与え、与えられた指示に基づいて駒が動く様子を表している。
【0054】
ゲーム状態記憶部201は、ゲーム状態を記憶する。処理制御部10がゲーム状態記憶部201として機能する。
【0055】
ゲーム状態とは、ゲーム装置200にて行われる、仮想空間内におけるゲームで用いられる少なくとも1つ以上のパラメータが示す値、もしくは、パラメータそれ自体である。例えば、パラメータは、詰め将棋ゲームにおける棋譜や持ち駒を示す情報、対戦格闘ゲームにおけるキャラクターの体力値、パズルゲームにおけるプレイヤー(又はキャラクター)の成績、ロールプレーイングゲームにおけるキャラクターが実行するコマンド、などである。
【0056】
ゲーム状態表示部202は、ゲーム状態記憶部201に記憶されたゲーム状態を表す画像を画面に表示する。処理制御部10と、第1の表示部18及び/又は第2の表示部19と、が協働して、ゲーム状態表示部202として機能する。
【0057】
例えば、処理制御部10は、将棋ゲームにおける駒の画像や、動かす対象となる駒を指定するマーク(カーソル)の画像を画面に表示する。あるいは、処理制御部10は、対戦格闘ゲームにおけるキャラクターの画像や体力値を示すライフメーターの画像、パズルゲームにおけるプレイヤーからの指示の内容を表す画像やその指示による結果を表す画像、ロールプレーイングゲームにおけるキャラクターが実行したコマンドを表す画像やそのコマンドの実行結果を表す画像などを、LCDに表示する。
【0058】
なお、ゲーム状態表示部202は、一時記憶された動作履歴に基づいた画像を画面に表示することもあるが、詳しくは後述する。
【0059】
検知部203は、プレイヤーによる操作を検知する。処理制御部10とタッチパネル20が協働して、検知部203として機能する。
【0060】
本実施形態では、プレイヤーのよる操作には、画面操作251、記録操作252、呼出操作253、の3つが含まれる。
【0061】
(1)「画面操作」251
プレイヤーがタッチパネル20にタッチペンや指等を接触させる(以下「タッチする」と表現する。)ことにより、タッチパネル20上の任意の点の位置や任意の領域の位置が指示される操作である。あるいは、プレイヤーがタッチパネル20にタッチペンや指等を接触させたままなでるように移動させることにより、タッチパネル20上の任意の点の位置や任意の領域の位置が指示される操作である。プレイヤーがタッチすることによって指示される点を「指示点」という。
【0062】
(2)「記録操作」252
ゲーム装置200に予め配置された第1のキーや第1のボタンなどをプレイヤーが押圧することによりなされる操作である。後述するように、プレイヤーによって記録操作252がなされている間にさらに画面操作251がなされると、記録操作252がなされている間の画面操作251によって指示された指示点の位置、もしくは、指示点が移動してできる経路(軌跡)が記録される。記録操作252は、いわば、テープレコーダーにおける録音ボタンを押すようなものである。
【0063】
(3)「呼出操作」253
ゲーム装置200に予め配置された第2のキーや第2のボタン(ただし、記録操作252で押圧される第1のキーや第1のボタンとは異なるもの)などをプレイヤーが押圧することによりなされる操作である。画面操作251と記録操作252のいずれもがなされていない間に、呼出操作253がなされると、後述する履歴記録部205に記録されている画面操作251の履歴が呼び出され、画面に表示される。呼出操作253は、いわば、テープレコーダーにおける再生ボタンを押すようなものである。
【0064】
更新部204は、検知部203により画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作251が検知されると、検知された画面操作251に基づいて、ゲーム状態記憶部201に記憶されるゲーム状態を更新する。本実施形態では、ゲーム状態は、棋譜(駒の配置)、持ち駒、持ち時間などをである。処理制御部10とタッチパネル20が協働して、更新部204として機能する。
【0065】
例えば、図3に示すように詰め将棋の問題がプレイヤーに提示された後、プレイヤー(ただし、ここでは先手側のプレイヤーとする)は、次にどの駒をどこへ動かすべきかを考える。ここで、プレイヤーが“3四角成り”という手を打ちたいと考えたとすると、プレイヤーは、図4に示すように、“1二”の位置にあるオブジェクト301A(駒「角」)をタッチペンでタッチした後、“3四”の位置までタッチペンをドラッグする(タッチパネル20にタッチペン等を接触させたまま移動する)。このとき、指示点は、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って、移動する。すなわち、「指示点を、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って移動する」という画面操作251が検知される。プレイヤーは、起点402、終点403、経路404を自由に指定することができる。
【0066】
画面操作251は、指示点の経路を指示する操作に限られず、指示点の位置を指示する操作であってもよい。例えば図5に示すように、オブジェクト301A(駒「角」)を“3四”の位置に移動した後、成るか否かをプレイヤーに尋ねるダイアログボックス501が表示されたとき、成る旨の指示(はい)を受け付けるボタン502、もしくは、成らない旨の指示(いいえ)を受け付けるボタン503をカーソル504を用いて選択する場面において、プレイヤーが「成る」をいう選択をしたいと考えたとすると、プレイヤーは、ボタン502が表示された領域内の任意の場所をタッチペンでタッチする。このとき、指示点は、ボタン502が表示された領域内の任意の位置に配置される。すなわち、「指示点を、点505に配置する」という画面操作251が検知される。プレイヤーは、任意の位置にカーソル504を配置させる旨を指示することができる。カーソル504によって指定される点が、指示点となる。
【0067】
画面操作251が検知されると、処理制御部10は、検知された画面操作251に基づいてゲーム状態を更新する。つまり、図4に示すように経路404を指定する画面操作251が検知されると、処理制御部10は、経路404に沿ってオブジェクト301A(駒「角」)を動かし、棋譜を更新する。同様に、図5に示すようにボタン502を選択する画面操作251が検知されると、処理制御部10は、図6に示すように駒「角」を表すオブジェクト301Aを裏返し、駒「馬」を表すオブジェクト301Gに変化させる(つまり「角」が「馬」に成る)。
【0068】
記録部205は、検知部203により記録操作252が検知されている間に、画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作251が検知されると、記録操作252が検知されている間に検知された画面操作251の履歴を記録する。記録された履歴は、後述するように呼出操作253が行われることによって呼び出されることが可能である。処理制御部10が記録部205として機能する。
【0069】
例えば、図3に示すように詰め将棋の問題がプレイヤーに提示された後、プレイヤーが記録操作252を開始し(記録ボタンを押し始め)、図4に示すように「指示点を、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って、移動する」という画面操作251を行い、記録操作252を終了する(記録ボタンを離す)と、処理制御部10は、「指示点が、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って、移動する」という動作履歴を一時記憶する。このように、記録される履歴は、指示点の経路を指定する画面操作251のみであってもよい。
【0070】
例えば、図5に示すようにダイアログボックス501が表示された後、プレイヤーが記録操作252を開始し(記録ボタンを押し始め)、「指示点をボタン502へ持っていき、ボタン502を押圧する」という画面操作251を行い、記録操作252を終了する(記録ボタンを離す)と、処理制御部10は、「指示点がボタン502の位置まで移動し、ボタン502を押圧する」という動作履歴を一時記憶する。このように、記録される履歴は、指示点の位置を指定する画面操作251のみであってもよい。
【0071】
例えば、図3に示すように詰め将棋の問題がプレイヤーに提示された後、プレイヤーが記録操作252を開始し(記録ボタンを押し始め)、図4に示すように「指示点を、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って、移動する」という画面操作251を行い、更に、図5に示すように「指示点をボタン502へ持っていき、ボタン502を押圧する」という一連の画面操作251を行い、記録操作252を終了する(記録ボタンを離す)と、処理制御部10は、「指示点が、起点402から終点403まで、矢印Y1の方向へ、経路404に沿って移動し、表示されたボタン502の位置までカーソル504が移動し、ボタン502を押圧する」という動作履歴を一時記憶する。このように、記録される履歴は、指示点の経路404を指定する画面操作251だけでなく、指示点の位置を指定する画面操作251が含まれていてもよい。
【0072】
一時記憶される動作履歴の時間的な長さは、本発明によって限定されない。ただし、処理制御部10は、一時記憶できる動作履歴の時間的な長さに制限を設けてもよい。
【0073】
一時記憶された動作履歴は、プレイヤーによって呼出操作253がなされると、画面に表示される。簡単に言えば、呼出操作253がなされると、一時記憶された動作履歴が画面上に再生される。動作履歴に指示点の経路を指定する画面操作251が含まれる場合には、動作履歴は、図7に示すように、その経路が時間経過と共に徐々に延びていくようなアニメーション画像(動画像)として表示されることが望ましい。勿論、処理制御部10は、動作履歴に指示点の位置を指定する画面操作251のみが含まれる場合にも、動画像で動作履歴を表示してもよい。
【0074】
呼出操作253は、典型的には、プレイヤーが所定のボタンやキーを長押しすることにより与えられる。処理制御部10は、呼出操作253がなされている間、一時記憶された動作履歴を表示する。
【0075】
処理制御部10は、呼出操作253が開始されたときに、一時記憶された動作履歴の表示を開始する。動作履歴の表示が終了した時点で、まだ呼出操作253が続いている場合には、処理制御部10は、再び最初から動作履歴の表示を開始する。つまり、呼出操作253がなされている間は、一時記憶された動作履歴が繰り返し何度も表示される。例えば、動作履歴に指示点の経路404を指定する画面操作251が含まれている場合、経路404を表す動画像が繰り返し表示される。
【0076】
ただし、本実施形態では、繰り返し表示する時間もしくは回数に制限が設けられる。すなわち、処理制御部10は、呼出操作253がなされていても、呼出操作253が所定時間以上続いた場合には、一時記憶された動作履歴の表示を終了する。あるいは、処理制御部10は、呼出操作253がなされていても、動作履歴の表示回数が所定回数に達した場合には、一時記憶された動作履歴の表示を終了してもよい。
【0077】
処理制御部10は、一時記憶された動作履歴の表示を開始してから経過した時間が長くなるほど、その動作履歴の表示態様を変化させてもよい。例えば、処理制御部10は、表示を開始してからの経過時間が長くなるほど、あるいは、呼出操作253がなされている時間が上記の所定時間に近づくほど、経路404の表示色を背景色に近づけていく。つまり、時間の経過と共に、経路404は薄く表示される。従って、プレイヤーは、呼出操作253がキャンセルされることになるタイミングを簡単に把握することができる。
【0078】
表示態様の変化のさせ方には様々なバリエーションがある。例えば、処理制御部10は、経路404を表す画像の明度、彩度、色相のうち少なくとも1つを経過時間と共に変化させてもよい。また、処理制御部10は、経路404を表す線の太さを、経過時間と共に細く変化させてもよい。
【0079】
呼出操作253は、マウスをクリックするかのようにプレイヤーが所定のボタンやキーを1回押す(押した後、すぐ離す)ことにより与えられてもよい。処理制御部10は、1回目の呼出操作253がなされると、一時記憶された動作履歴の表示を開始し、2回目の呼出操作253がなされると、一時記憶された動作履歴の表示を終了するようにしてもよい。この場合にも、処理制御部10は、動作履歴の表示時間や表示回数に制限を設けてもよい。
【0080】
呼出操作253が終了すると、処理制御部10は、記録された画面操作251の履歴に基づいて、ゲーム状態記憶部201に記憶されるゲーム状態を更新する。すなわち、処理制御部10は、呼出操作253が終了すると、一時記憶された動作履歴と同じ操作をプレイヤーが行ったものとして扱い、ゲームを進行する。ただし、呼出操作253が所定時間以上続いた場合や、動作履歴の表示回数が所定回数に達した場合には、処理制御部10は、ゲーム状態を更新しない。
【0081】
例えば、図3に示すような詰め将棋の問題が提示されたものの、一度では解けずに何度もチャレンジするプレイヤーは、同じ手を何度も試して熟考を重ねることが多い。そのようなとき、問題にチャレンジするたびに、同じ操作を繰り返し入力しなければならないのは、プレイヤーにとって苦痛になってしまう恐れがある。そこで、本実施形態では、プレイヤーの操作をある程度ゲーム装置200に覚えさせておき、好きなときに呼び出せるようにしている。従って、プレイヤーは、何度も入力しそうな操作をゲーム装置200に覚えさせ、次回以降の入力の手間を省くことができる。
【0082】
例えば、三手詰めの詰め将棋の問題で、一手目と二手目までは見当が付いたものの、三手目が分からずに何度も試そうとするプレイヤーは、記録操作252をしながら、一度だけ、一手目と二手目の操作を入力すればよい。そして、プレイヤーは、2回目に同じ問題にチャレンジするときには、はじめに呼出操作253を行えば、一手目と二手目の操作を行わずに済み、三手目をどうするかに集中することができる。また、呼出操作253を行うと、一手目と二手目の操作内容を表す画像が表示されるので、一手目と二手目をプレビューしながら、次の一手を検討することができるのである。
【0083】
次に、本実施形態の上記各部が実行する履歴記録処理と履歴呼出処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0084】
図8は、履歴記録処理を説明するためのフローチャートである。
図9は、履歴呼出処理を説明するためのフローチャートである。
【0085】
まず、履歴記録処理を説明する。この処理は、ゲーム装置200が行うゲーム(例えば詰め将棋)を進行する処理と並行して、バックグラウンドで繰り返し実行される。
【0086】
処理制御部10は、プレイヤーにより記録操作252が開始されたか否かを判別する(ステップS801)。例えば、記録操作252は、プレイヤーが所定のボタンやキーを押し続けることによりなされる。所定のボタンやキーが押されている間、画面操作251が記録されることになる。
【0087】
記録操作252が開始されていない場合(ステップS801;NO)、処理制御部10は、記録操作252が開始されるまで待機する。
【0088】
記録操作252が開始された場合(ステップS801;YES)、処理制御部10は、プレイヤーから画面操作251を受け付ける(ステップS802)。プレイヤーは、一方の手で(もしくは一本の指で)記録操作252を行いながら、他方の手で(もしくは他の指で)ゲーム装置200に一時記憶させたい画面操作251を行う。
【0089】
処理制御部10は、ステップS802で受け付けた画面操作251を一時記憶する(ステップS803)。
【0090】
処理制御部10は、ステップS801で開始された記録操作252が終了されたか否かを判別する(ステップS804)。
【0091】
記録操作252が終了されていない場合(ステップS804;NO)、処理制御部10は、ステップS802〜S804の処理を繰り返す。すなわち、記録操作252がなされている間に検知された画面操作251が、一時記憶される。
【0092】
記録操作252が終了された場合(ステップS804;YES)、処理制御部10は、記録操作252がなされている間に検知された画面操作251の履歴を、例えば処理制御部10が備えるRAMやカートリッジ12が備えるRAM12bに、記録する(ステップS805)。
【0093】
このように、記録操作252が検知されている間の画面操作251の履歴が、ゲーム装置200(あるいはカートリッジ12)に記録される。記録された画面操作251の履歴は、次に説明する履歴呼出処理によって呼び出され、ゲームの進行に用いられる。
【0094】
次に、履歴呼出処理について説明する。ここでは、上述した履歴記録処理によって、画面操作251の履歴が既にゲーム装置200(あるいはカートリッジ12)に記録されているものとする。
【0095】
処理制御部10は、プレイヤーにより呼出操作253が開始されたか否かを判別する(ステップS901)。例えば、呼出操作253は、プレイヤーが所定のボタンやキー(ただし記録操作252を行うときのボタンやキーとは異なるもの)を押し続けることによりなされる。
【0096】
呼出操作253が開始されていない場合(ステップS901;NO)、処理制御部10は、呼出操作253が開始されるまで待機する。
【0097】
呼出操作253が開始された場合(ステップS901;YES)、処理制御部10は、記録された画面操作251の履歴を読み出す(ステップS902)。
【0098】
処理制御部10は、ステップS902で読み出した履歴を画面に表示する(ステップS903)。例えば、処理制御部10は、読み出した履歴を表す動画像を画面に表示する。
【0099】
処理制御部10は、ステップS903における履歴の表示を開始してから、所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS904)。
【0100】
所定時間が経過した場合(ステップS904;YES)、処理制御部10は、履歴呼出処理を終了する。すなわち、呼出操作253が開始されたものの、所定時間以上呼出操作253が続いた場合には、履歴を呼び出す要求がキャンセルされたと見なされる。
【0101】
所定時間が経過していない場合(ステップS904;NO)、処理制御部10は、呼出操作253が終了されたか否かを判別する(ステップS905)。
【0102】
呼出操作253が終了されていない場合(ステップS905;NO)、処理制御部10は、ステップS903〜S905の処理を繰り返す。すなわち、呼出操作253が開始されてから所定時間が経過していないので、記録された画面操作251の履歴を表す画像が表示され続ける。
【0103】
呼出操作253が終了された場合(ステップS905;YES)、処理制御部10は、ステップS902で読み出された画面操作251の履歴に基づいて、ゲーム状態を更新する(ステップS906)。例えば詰め将棋ゲームにおいて、処理制御部10は、読み出された画面操作251の履歴が示す通りに棋譜を再現するように駒を動かして、ゲームを進行する。つまり、プレイヤーは、一から操作をやり直す代わりに、簡単な呼出操作253を行うだけで、ゲーム装置200あるいはカートリッジ12に記録させておいた履歴通りにゲームを進行させることができる。
【0104】
なお、呼出操作253がなされない場合には、処理制御部10は、記録された履歴に関係なく、そのとき検知された画面操作251に従って、ゲームを進行させる。
【0105】
本実施形態によれば、ゲームを進行する上でプレイヤーが入力すべき操作の一部あるいは全部が、プレイヤーによる簡単な操作によって再現されるので、プレイヤーにとって入力操作の負担が軽減される。例えば、プレイヤーは、ゲーム中に何度も入力すべきことが想定される場面では、最初の1回だけ、記録操作253をしながら画面操作251を行い、2回目以降には、記録された画面操作251の履歴を呼び出せばよい。従って、プレイヤーは、同じ操作を何度も繰り返し行う手間を省くことができる。また、操作を繰り返すうちに、誤って違う操作をしてしまうようなエラーを防ぐことができる。
【0106】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0107】
図10は、ゲーム装置200の外観を模式的に表した図である。ゲーム装置200は、第1の表示部18が有するLCD 1001と、第2の表示部19が有しタッチパネル20が重畳されたLCD 1002と、を備える。プレイヤーは、両手もしくは片手でゲーム装置200を持つことができる。また、ゲーム装置200の背面側(LCD 1001,1002の表示面の反対側)には、2つのボタン1011,1012が配置されている。
【0108】
Lボタン1011が、記録操作252を受け付けるボタンである。また、Rボタン1012が、呼出操作253を受け付けるボタンである。典型的には、プレイヤーが両手でゲーム装置200を持ったとき、左手の人差し指でLボタン1011が押しやすいようになっており、右手の人差し指でRボタン1012を押しやすいようになっている。
【0109】
プレイヤーは、LCD 1002上をタッチペン等でタッチすることにより、画面操作251を行うことができる。このとき、プレイヤーがLボタン1011を押圧しながら画面操作251を行うと、押された間に入力された画面操作251の履歴が記録される。
【0110】
画面操作251の履歴が記録された後の任意のタイミングで、プレイヤーがRボタン1012を押圧すると、記録された画面操作251の履歴が画面上に再現される。プレイヤーがRボタン1012を押圧し続けると、所定時間が経過するまで、もしくは、所定回数だけ履歴が表示されるまで、記録された画面操作251の履歴が画面上に表示され続ける。
【0111】
プレイヤーがRボタン1012を離すと、記録された画面操作251の履歴の表示が終了し、記録された画面操作251の履歴通りに入力が再現され、ゲームが進行する。このように、プレイヤーは、タッチペン等でタッチする代わりに、空いた指でLボタン1011又はRボタン1012を押圧するだけで、画面操作251を行ったときと同等な指示を入力することができる。
【0112】
なお、記録操作252を受け付けるボタンをRボタン1012とし、呼出操作253を受け付けるボタンをLボタン1011としてもよい。
【0113】
一般に、右利きの人は右手にタッチペンを持ち、左手でゲーム装置200の左側を支える傾向にある。また、左利きの人は左手にタッチペンを持ち、右手でゲーム装置200の右側を支える傾向にある。そこで、処理制御部10は、プレイヤーの利き手に応じて、Lボタン1011とRボタン1012の機能を入れ替えてもよい。例えば、プレイヤーは、ゲームを始める前に自分の利き手を指定する情報を予めゲーム装置200に入力しておく。入力された情報は、RAM 12bに記録される。処理制御部10は、RAM 12bに記録された情報に基づいてプレイヤーの利き手を判別し、判別結果に従ってLボタン1011とRボタン1012の機能(記録操作252と呼出操作253を受け付けるボタンの配分)を決定すればよい。
【0114】
上記実施形態では、詰め将棋ゲームを例にとって本発明を説明したが、任意のジャンルのゲームについて、本発明を適用することが可能である。また、ゲームに限らず、タッチ操作を用いる様々な場面において、本発明を用いることができる。
【0115】
図11は、プレイヤーに文字や図形などを描かせることにより、プレイヤーの認証を行うための画面の例である。プレイヤーは、入力枠1101内に、任意の図形等を入力する。入力された図形と、予めRAM 12bに記録された図形と、が一致すれば、RAM 12bに記録された図形に対応付けられたプレイヤーによる入力であると判別される。例えば、複数のプレイヤーで1つのユーザ名を共有して使いたい場合には、プレイヤーの全員が共通の図形を正しく入力できるようにしなければならなくなる。しかしながら、本発明を適用すれば、1人のプレイヤーが代表して記録操作252を行いながら画面操作251を行えば、他のプレイヤーは、呼出操作253を行うだけで、正しく認証されるようになる。各プレイヤーの入力操作の負担は大幅に軽減される。
【0116】
上述の履歴記録処理は、任意のタイミングで実行することができる。履歴記録処理が開始されるタイミングは、ゲーム状態記録部201に履歴が全く記録されておらず且つ記録操作252がなされた場合だけに限られない。例えば、既にゲーム状態記録部201に履歴が記録されている場合であっても、再び記録操作252がなされれば、記録すべき画面操作251の履歴を上書きして記録してもよい。このようにすれば、プレイヤーは、ゲーム装置200あるいはカートリッジ12に記憶させておきたい画面操作251を随時入れ替えることができ、操作性が増す。
【0117】
ゲーム状態記録部201に記録された履歴を、任意のタイミングで消去できるようにしてもよい。例えば、処理制御部10は、呼出操作253が行われている最中に、画面操作251が行われた場合、ゲーム状態記録部201に既に記録された履歴を消去してもよい。
【0118】
ゲーム状態記録部201に記録された履歴を、任意のタイミングで編集できるようにししてもよい。例えば、処理制御部10は、呼出操作253が行われている最中に、画面操作251が行われた場合、入力された画面操作251に従って履歴を編集してもよい。この編集には、履歴の変更、追加、削除等が含まれる。従って、プレイヤーは、既に記録させた履歴を、あたかも消しゴムで消したりペンで書き換えたりできるようになる。なお、処理制御部10は、画面操作251と記録操作252と呼出操作253に加えて、編集操作も更に定義し、所定のボタンやキー(ただし記録操作252と呼出操作253に用いられるボタン等とは異なるボタン等が望ましい)を対応付けてもよい。
【0119】
ゲーム装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0120】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0121】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤーの入力操作の負担を軽減するために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 携帯型ゲーム機
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
200 ゲーム装置
201 ゲーム状態記憶部
202 ゲーム状態表示部
203 検知部
204 更新部
205 履歴記録部
251 画面操作
252 記録操作
253 呼出操作
301A〜301G オブジェクト(将棋の駒)
402 起点
403 終点
404 経路
501 ダイアログボックス
502,503 ボタン
504 カーソル
505 点(指示点)
1001,1002 LCD
1011 Lボタン
1012 Rボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム状態が記憶されるゲーム状態記憶部と、
前記記憶されたゲーム状態を画面に表示するゲーム状態表示部と、
プレイヤーによる操作を検知する検知部と、
前記検知部により当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該画面操作に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する更新部と、
前記検知部により記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する履歴記録部と、
を備え、
前記検知部により呼出操作が検知されている間、前記ゲーム状態表示部は、前記記録された画面操作の履歴を前記画面に更に表示し、
前記検知部による前記呼出操作の検知が終了すると、前記更新部は、前記記録された画面操作の履歴に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム状態表示部は、前記呼出操作が検知され始めてからの経過時間に基づいて、前記履歴に含まれる位置もしくは経路を動画表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム状態表示部は、前記呼出操作が検知され始めてからの経過時間に基づいて、前記履歴に含まれる位置もしくは経路の表示態様を変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム状態表示部は、前記呼出操作が検知され始めてからの経過時間が所定時間になるまでは、前記履歴に含まれる位置もしくは経路の動画表示を繰り返し、当該所定時間を経過した後は、当該動画表示を停止する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム状態表示部は、前記履歴に含まれる位置もしくは経路が動画表示された回数が所定回数になるまでは、前記履歴に含まれる位置もしくは経路の動画表示を繰り返し、当該所定回数に達した後は、当該動画表示を停止する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記履歴記録部は、既に画面操作の履歴を記録している場合であって、前記検知部により呼出操作が検知され且つ新たな画面操作が検知された場合、当該新たな画面操作に基づいて、当該既に記録した画面操作の履歴を変更する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記画面は、タッチスクリーンの表示画面であり、
前記プレイヤーが前記タッチスクリーンにタッチもしくは当該タッチスクリーンをなでると、前記位置もしくは前記経路を指定する画面操作が検知され、
前記プレイヤーが第1のキーもしくはボタンを押圧操作すると、前記記録操作が検知され、
前記プレイヤーが第2のキーもしくはボタンを押圧操作すると、前記呼出操作が検知される、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
ゲーム状態記憶部、ゲーム状態表示部、検知部、更新部、履歴記録部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、
前記ゲーム状態記憶部には、ゲーム状態が記憶され、
前記ゲーム状態表示部が、前記記憶されたゲーム状態を画面に表示するゲーム状態表示ステップと、
前記検知部が、プレイヤーによる操作を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおいて当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、前記更新部が、当該画面操作に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する更新ステップと、
前記検知ステップにおいて記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、前記履歴記録部が、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する履歴記録ステップと、
を備え、
前記検知ステップにおいて呼出操作が検知されている間、前記ゲーム状態表示ステップでは、前記ゲーム状態表示部は、前記記録された画面操作の履歴を前記画面に更に表示し、
前記検知ステップにおいて前記呼出操作の検知が終了すると、前記更新ステップでは、前記更新部が、前記記録された画面操作の履歴に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する、
ことを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ゲーム状態が記憶されるゲーム状態記憶部、
前記記憶されたゲーム状態を画面に表示するゲーム状態表示部、
プレイヤーによる操作を検知する検知部、
前記検知部により当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該画面操作に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する更新部、
前記検知部により記録操作が検知されている間に、当該画面内の位置もしくは経路を指定する画面操作が検知されると、当該記録操作が検知されている間に検知された画面操作の履歴を記録する履歴記録部、
として機能させ、
前記検知部により呼出操作が検知されている間、前記ゲーム状態表示部は、前記記録された画面操作の履歴を前記画面に更に表示し、
前記検知部による前記呼出操作の検知が終了すると、前記更新部は、前記記録された画面操作の履歴に基づいて、前記ゲーム状態記憶部に記憶されるゲーム状態を更新する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−200334(P2011−200334A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68828(P2010−68828)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】