説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】成長モードの選択のバリエーションを増やし、ゲームの興趣性を高める。
【解決手段】図4(A)に示すように、ノーマルモードを選択した場合、試合の回数が増大しても付与される能力値はほぼ一定である。図4(B)に示すように、早熟モードを選択した場合、成長開始直後は大きな能力値が付与されるが試合の回数が増大するにつれて付与される能力値が減少する。図4(C)に示すように、大器晩成モードを選択した場合、成長開始直後は付与される能力値は小さいが、試合の回数が増大するにつれて付与される能力値が増大する。図4(E)に示すように、熱血モードを選択した場合、スピリッツ項目の能力値は試合の回数の増大に関わらずほぼ一定であるが、基本項目の能力値よりも全体的に大きな能力値が付与されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、キャラクタの能力値を増大させることによってキャラクタを成長させるゲームを実行するゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プロ野球を模擬した野球ゲームにおいては、ペナントレースとは別にキャラクタを成長させる成長モード(育成モード)を設け、この成長モードを通じて特定のキャラクタを成長させ、成長させたキャラクタをチームの一員として組み込み、ペナントレースを戦うものが知られている。
【0003】
成長モードにおけるゲーム態様としては、例えば成長対象のキャラクタをチームの一員として組み込んで、他のチームと対戦し、この対戦を通じて成長対象のキャラクタを成長させる態様や、成長対象のキャラクタに守備練習、打撃練習又は投球練習を行わせることで成長対象のキャラクタを成長させる態様等が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、小学校→中学校→高校というようにキャラクタの成長の節目において、成長対象のキャラクタの適性や希望に基づき、プレーヤがキャラクタのポジションを選択して絞り込んでいき、最終的にキャラクタのポジションを決定するゲームが開示されている。具体的には、特許文献1では、まず、最初の節目において投手又は野手なのかをプレーヤに選択させ、投手が選択された場合は次の節目において先発又はリリーフなのかを選択させ、野手が選択された場合は次の節目において捕手、内野手、又は外野手なのかを選択させるというように、キャラクタのポジションが絞り込まれていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−162176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、実際の野球においては、上達のスピード等の選手の成長パターンは個々の選手の才能に応じて異なっている。例えば、野球を始めてから猛スピードで上達する成長パターン、野球を始めた直後の上達スピードは遅いが継続するにつれて上達スピードが徐々に増大していく成長パターンなどがある。
【0007】
しかしながら、特許文献1は、投手として育成するのか野手として育成するのかというような、キャラクタの成長の大きな流れはプレーヤの意思に応じて変更され得るが、成長パターンが個々の選手に応じて異なる点が全く考慮されていない。したがって、特許文献1は、キャラクタの成長の仕方に、現実世界における選手の成長パターンのようなリアルさが欠けているという問題を備えている。
【0008】
その一方で、単純に、上記した現実世界の事象をそのままゲーム上に反映させようとすると、成長パターンに応じて最終的にキャラクタに付与される能力値が異なってしまう可能性がある。このような構成の場合、プレーヤは高い能力値を得られる成長パターンしか選択しなくなるので、結果的に成長パターンにバリエーションを設けたとしても、多彩なゲーム性を打ち出すことが困難となる。
【0009】
本発明の目的は、成長モードの選択のバリエーションを増やし、ゲームの興趣性を高めることができるゲームを実行するゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明によるゲーム装置は、プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、前記キャラクタの能力値を増大させることによって前記キャラクタを成長させるゲームを実行するゲーム装置であって、前記キャラクタの成長開始時に、成長パターンが異なる複数の成長モードの中から、プレーヤの選択指令に基づいて選択されたいずれか1つの成長モードを、前記キャラクタの成長モードとして設定する成長モード設定部と、前記キャラクタが参加するイベントの結果に応じて前記キャラクタに付与する能力値を算出する能力値算出部と、前記成長モード設定部により設定された成長モードが規定する成長パターンに従って前記キャラクタが成長するように前記能力値を補正する能力値補正部と、前記能力値補正部により補正された能力値を積算する能力値積算部とを備え、前記能力値補正部は、プレーヤがいずれの成長モードを選択しても、前記成長開始時から成長終了時までの成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、前記能力値の積算値が同一になるように前記能力値を補正する。
【0011】
また、本発明によるゲーム制御プログラムおよびゲーム制御方法は、実質的に上記と同じであるので、説明は省略する。
【0012】
この構成によれば、プレーヤがどの成長モードを選択しても、成長期間におけるイベントの結果が同一の場合は(例えば試合の勝敗数が同一であれば)、同一の能力値が算出される。そのため、成長モード間の不公平を無くすことができる。具体的に、例えば、ある成長モードが他の成長モードに比べて成長対象のキャラクタに高い能力値を持たせることができない場合、どのプレーヤもこの成長モードを選択しなくなる。すると、この成長モードは実質的に存在しないことになってしまい、結果的に、プレーヤが選択する成長モードの幅が狭くなるので、ゲームの多彩化を図ることができない。そこで、本構成では、上記の通り、成長期間におけるイベントの結果が同一という条件下において(例えば、試合の勝敗数が同一であれば)、同一の能力値が算出されるよう構成しているので、成長モード間の不公平をなくし、ある成長モードが実質的に存在しなくなることを防止している。その結果、成長モードの選択のバリエーションを増やし、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0013】
(2)前記成長モード別に予め定められ、前記成長開始時からのイベントの回数に応じた補正係数を規定する補正テーブルを記憶する補正テーブル記憶部を更に備え、前記能力値補正部は、前記成長モード設定部により設定された成長モード及び前記成長開始時からのイベントの回数に対応する補正係数を前記補正テーブルから特定し、特定した補正係数を用いて前記能力値を補正し、前記補正テーブルは、各成長モードにおける補正係数の合計値が同じになるように前記補正係数を規定することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、成長開始時からのイベントの回数に対応する補正係数を成長モード別に記憶する補正テーブルを用いて能力値が補正される。そして、補正テーブルは、各成長モードの補正係数の合計値が同じになるように補正係数が規定されている。そのため、いずれの成長モードを選択しても成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、成長対象のキャラクタに与えられる能力値がほぼ同じ値となり、いずれの成長モードを選択しても不公平が生じないようにすることができる。
【0015】
(3)前記成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数が増大するにつれて前記キャラクタの成長の度合いが小さくなる成長パターンを持つ第1成長モードと、前記成長開始時からのイベントの回数が増大するにつれて前記キャラクタの成長の度合いが大きくなる成長パターンを持つ第2成長モードとを含み、前記第1成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数に応じて減少するように前記補正係数が規定され、前記第2成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数に応じて増大するように前記補正係数が規定されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1成長モードでは、イベントの回数が増大するにつれて減少するように補正係数が規定されている。これにより、第1成長モードでは、成長期間の初期の段階では能力値は大きく増大するが、成長期間の終盤に向かうにつれて能力値がさほど増大しなくなる。その結果、例えば、野球ゲームに適用した場合、早熟型の野球の選手の成長パターンを模擬することができる。
【0017】
一方、第2成長モードでは、イベントの回数が増大するにつれて増大するように補正係数が規定されている。これにより、成長期間の初期の段階では能力値はさほど増大しないが、成長期間の終盤に向かうにつれて能力値が大きく増大することになる。その結果、例えば、野球ゲームに適用した場合、大器晩成型の野球の選手の成長パターンを模擬することができる。
【0018】
(4)前記能力値は、複数の項目を含み、前記成長パターンは、前記複数の項目のうちいずれか1つの項目である特定項目の能力値を他の項目の能力値に比べて優先して増大させる第3成長モードを更に含み、前記補正テーブルは、項目別に前記補正係数を規定し、前記第1、第2成長モードは、前記特定項目の補正係数が前記第3成長モードの前記特定項目の補正係数よりも低くなるように規定され、前記第3成長モードは、前記特定項目の補正係数が他の項目の補正係数よりも高くなるように規定されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第3成長モードでは、特定項目の補正係数が第1、第2成長モードの特定項目の補正係数よりも高く規定されている。そのため、第3成長モードを選択した場合、特定項目の能力値を第1、第2成長モードを選択した場合に比べてより増大させることができる。したがって、特定項目の能力に秀でた個性的なキャラクタを育成することができる。
【0020】
(5)前記第3成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように前記特定項目及び前記他の項目の補正係数が規定されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、第3成長モードでは、成長開始時からのイベントの回数によらず特定項目及び他の項目の補正係数が一定となるように規定されている。そのため、第3成長モードを選択した場合、第1成長モード又は第2成長モードを選択した場合のように、イベントの回数が増大するにつれて能力値の増え方に変化が生じない。したがって、第3成長モードと第1成長モード又は第2成長モードとの差をより際だたせ、第3成長モードをより特徴付けることができる。
【0022】
(6)前記第1成長モードは、前記他の項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数に応じて減少するように規定され、かつ、前記特定項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように規定され、前記第2成長モードは、前記他の項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数に応じて増大するように規定され、かつ、前記特定項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように規定されていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、第1成長モード及び第2成長モードにおいて、特定項目の補正係数はイベント回数によらず一定にされているが、他の項目の補正係数はイベントの回数が増大するにつれてそれぞれ減少及び増大するように規定されている。一方、第3成長モードは、特定項目の補正係数が第1、第2成長モードの特定項目の補正係数よりも高く規定されている。そのため、第1、第2成長モードを選択した場合、特定項目の能力値はさほど増大させることができなくなり、第1〜第3成長モードの差をより際だたせることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、キャラクタを成長させる成長パターンを複数種類、ゲームに取り込む場合であっても、各成長パターンによって最終的に獲得される能力に差異が生じない構成としているので、異なる成長パターンを選択したプレーヤ間で不公平感が生じないようにすることができる。また、仮に、成長パターン間で獲得能力に差異を設けた場合に想定される不具合、すなわち、最も高い能力獲得が可能な成長パターンのみが選択され、結果的に成長パターンを複数種類、設けていることが意味をなさない、といった不具合も回避でき、プレーヤが、実質的に多彩な成長パターンを楽しめるゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すゲーム装置の機能ブロック図である。
【図3】補正テーブルのデータ構造の一例を示した図である。
【図4】能力値の増大パターンを概念的に示したグラフである。
【図5】プレーヤが成長モードを選択する際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】プレーヤに成長モードを選択させるための選択画像の一例を示した図である。
【図7】キャラクタを成長させる際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】設定画像の一例を示した画面図である。
【図9】イベント発生部がゲーム空間に展開する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される。但し、これは一例であり、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話、又は本発明によるゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0027】
図1に示すゲーム装置は家庭用ゲーム機1000及びテレビジョン2000を備える。家庭用ゲーム機1000には、ゲーム制御プログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体MDが装填され、ゲーム制御プログラムが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0028】
家庭用ゲーム機1000は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。テレビジョン2000はテレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0029】
CPU1は、記録媒体MDに記憶されたゲーム制御プログラム及びROM6に記憶されたオペレーティングシステムにしたがって、ゲーム装置の全体制御を司る。具体的には、CPU1は、仮想空間であるゲーム空間を設定し、設定したゲーム空間に、仮想光源、仮想カメラ、キャラクタ、及びキャラクタの背景となるオブジェクト等を配置する。ここで、CPU1は、メインメモリ5等にゲーム空間を規定する座標軸、仮想光源、仮想カメラ、キャラクタ、及びオブジェクト等の位置データ等を格納する領域を確保し、確保した領域にオブジェクト等の位置データを書き込み、ゲーム空間にキャラクタ等を配置する。ゲーム空間としては、例えば仮想3次元空間を採用することができる。
【0030】
また、CPU1は、コントローラ19を用いてプレーヤにより入力された操作指令にしたがって、キャラクタを動作させるための移動量データ及び回転量データを求める。
【0031】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のコプロセッサであり、CPU1により算出された移動量データ及び回転量データに基づいて、キャラクタの移動後の位置データを求めCPU1に返す。
【0032】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続するための回路である。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)で構成される。ROM6は、ゲーム装置のオペレーティングシステムを記憶する。
【0033】
伸張回路7は、MPEG(Moving Picture Experts Group)規格やJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格にしたがって圧縮された画像に対して伸張処理を施す。パラレルポート8、及びシリアルポート9は種々の周辺機器を接続するために用いられる。
【0034】
描画プロセッサ10は、CPU1からの描画命令にしたがって、CPU1がゲーム空間内に設定したキャラクタやオブジェクトを、所定のフレームレートでレンダリングして2次元の画像データを生成する。生成された画像データはテレビジョンモニタ21に出力される。バッファ14は、描画プロセッサ10のワークメモリとして用いられる。
【0035】
音声プロセッサ11は、記録媒体MDから読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データ等の音声データをバッファ15に記憶させ、CPU1からの音声出力命令にしたがってバッファ15に記憶された音声データをスピーカ23から出力させる。バッファ15は、音声プロセッサ11のワークメモリとして用いられる。
【0036】
記録媒体ドライブ17は、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等により構成される。記録媒体MDは、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、又は半導体メモリ等から構成され、本発明の実施の形態によるゲーム制御プログラムを記憶する。ゲーム制御プログラムには、プログラムデータ、キャラクタやオブジェクトを描画するための画像データ、ゲームの効果音等を再現するための音声データ等が含まれる。
【0037】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体MDから画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は記録媒体ドライブ17から供給された画像データ、音声データ、及びプログラムデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、メインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0038】
メモリ18は、例えばカード型のメモリにより構成される。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する。インターフェース回路13は、メモリ18を接続するために用いられる。
【0039】
コントローラ19は、操作者であるプレーヤが種々の操作指令を入力するために使用される操作装置であり、プレーヤの操作指令に応じた信号をCPU1に送出する。具体的には、コントローラ19は、左右一対のジョイスティックや種々のボタンを供えている。ユーザは、ジョイスティックを傾倒させたりボタンを押したりすることで操作指令を入力する。増幅回路22は音声プロセッサから出力された音声データを増幅し、スピーカ23に供給する。
【0040】
図2は、図1に示すゲーム装置の機能ブロック図である。このゲーム装置は、プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、キャラクタの能力値を増大させることによってキャラクタを成長させるゲームを実行する。図2に示すようにゲーム装置は、操作部100、表示部200、制御部300、及び記憶部400を備えている。操作部100は、図1に示すコントローラ19により構成され、プレーヤにより入力される種々の操作指令を受け付ける。
【0041】
表示部200は、図1に示すテレビジョンモニタ21により構成されている。制御部300は、図1に示すCPU1及びグラフィックスデータ生成プロセッサ3、及び描画プロセッサ10等により構成され、成長モード設定部301、イベント発生部302、能力値算出部303、能力値補正部304、及び能力値積算部305を備えている。
【0042】
成長モード設定部301は、キャラクタの成長開始時に、成長パターンが異なる複数の成長モードの中から、プレーヤの選択指令に基づいて選択されたいずれか1つの成長モードを、キャラクタの成長モードとして設定する。
【0043】
ここで、キャラクタの成長開始時とは、プレーヤが成長対象となるキャラクタについて初期設定を行う時を指す。初期設定としては、キャラクタの名前やキャラクタのポジション等のキャラクタ諸情報の設定及び成長モードの設定が含まれる。初期設定において、成長モード設定部301は、下記の処理を行う。
【0044】
まず、成長モード設定部301は、成長対象となるキャラクタの初期設定を行う操作指令が操作部100に入力されると、キャラクタの名前及びポジジョン等を含むキャラクタ諸情報の入力を促す画像、並びに成長モードの選択を促す画像等を表示部200に表示させる。
【0045】
そして、成長モード設定部301は、操作部100を操作することでプレーヤによりキャラクタ諸情報及び成長モードが入力された後、登録指示が入力されると、キャラクタ諸情報及び成長モードを記憶するためのキャラクタ情報記憶部403の記憶領域を記憶部400に確保する。そして、成長モード設定部301は、プレーヤにより入力されたキャラクタ諸情報及び成長モードをキャラクタ情報記憶部403に書き込む。以上により初期設定が終了する。
【0046】
本実施の形態では、成長モードとして、ノーマルモード、早熟モード(第1成長モードの一例)、大器晩成モード(第2成長モードの一例)、及び熱血モード(第3成長モードの一例)が存在する。ノーマルモードは、キャラクタが参加するイベントの回数に関わらず、キャラクタの成長の度合いが一定の成長パターンを持つモードである。
【0047】
早熟モードは、キャラクタが参加するイベントの回数が増大するにつれてキャラクタの成長の度合いが小さくなる成長パターンを持つモードである。
【0048】
大器晩成モードは、キャラクタが参加するイベントの回数が増大するにつれてキャラクタの成長の度合いが大きくなる成長パターンを持つモードである。
【0049】
熱血モードは、複数の項目のうちいずれか1つの項目であるスピリッツ項目(特定項目の一例)の能力値を基本項目(他の項目の一例)の能力値に比べて優先して増大させるモードである。
【0050】
プレーヤは、これら4つの成長モードの中からいずれか一つの成長モードを選択する。なお、成長モード設定部301は、あるキャラクタについて成長モードを設定すると、キャラクタの育成が終了するまで、成長モードを変更することを禁止している。具体的には、成長対象のキャラクタについて成長モードを設定して初期設定が完了すると、以後、成長モード設定部301は、成長対象のキャラクタに対して設定した成長モードを報知する画像を表示部200に表示するのみに留め、プレーヤが初期設定において設定した成長モードを変更する画像を表示部200に表示しない。
【0051】
これにより、成長開始直後においてキャラクタを早熟モードで成長させ、ある程度キャラクタの能力値が上昇したところで、キャラクタの成長モードを早熟モードから大器晩成モードに切り替えてキャラクタを成長させ、キャラクタの能力値を極めて高くすることを禁止することができる。
【0052】
イベント発生部302は、キャラクタを成長させるためにキャラクタに参加させるイベントを発生させる。本実施の形態では、イベントとして野球の試合が該当する。試合の形態としては、成長対象のキャラクタをある野球チームの一員とし、この野球チームを別の野球チームと対戦させる形態が採用されている。
【0053】
プレーヤは成長対象のキャラクタを含む野球チームをプレーヤ側の野球チームとし、プレーヤ側の野球チームを構成する各キャラクタ(成長対象のキャラクタを含む)を操作して、対戦相手となる相手側の野球チームと対戦する。ここで、イベント発生部302は、相手側の野球チームの各キャラクタに対し、ゲームの局面に応じた動作を行わせ、プレーヤ側の野球チームと対戦させる。つまり、イベント発生部302は、プレーヤ側の野球チームを相手側の野球チームとCPU対戦させる。
【0054】
なお、イベント発生部302は、プレーヤにより操作部100を用いて試合を開始する操作指令が入力されたときに、1つのイベント、つまり、1つの試合を開始させる。また、イベント発生部302は、試合が所定のイニング(例えば9回)まで到達すると1つのイベント、つまり、1つの試合を終了させる。
【0055】
そして、イベント発生部302は、1試合が終了すると、1試合における成長対象のキャラクタの成績を示す成績データ(イベントの結果の一例)を能力値算出部303に通知する。ここで、成績データとしては、成長対象のキャラクタのポジションが投手以外であれば、打撃データ、守備データ、打率データ、走塁データ、及び活躍度が含まれる。また、成長対象のキャラクタのポジションが投手の場合は、防御率データ、投球回数データ、メンタルデータ、変化球データ、及び活躍度が含まれる。
【0056】
打撃データは、例えば、ホームラン1本につき4ポイント、3塁打1本につき3ポイント、2塁打1本につき2ポイント、シングルヒット1本につき1ポイントというように、安打の本数を、安打の種類に応じて重み付け加算して表した値が採用される。守備データは、ボールオブジェクトの捕球に成功した回数から捕球に失敗した回数を差し引いた値が採用される。打率データは、安打数を打席数で割った値が採用される。走塁データは、盗塁に成功した回数が採用される。活躍度は、成長対象のキャラクタがどれだけ活躍したかを数値化して示したデータである。
【0057】
ここで、活躍度は、プレーヤ側の野球チームを構成する他のキャラクタに比べて成長対象のキャラクタの活躍の程度が大きい場合、大きな値が設定され、他のキャラクタに比べて成長対象のキャラクタの活躍の程度が小さい場合、小さな値が設定される。
【0058】
具体的には、成長対象のキャラクタの打率、打点、及び盗塁回数がそれぞれプレーヤ側の野球チームの平均打率、平均打点、及び平均盗塁回数に比べて大きくなるにつれて活躍度の値は大きく算出される。一方、成長対象のキャラクタの打率、打点、及び盗塁回数が、それぞれ、プレーヤ側の野球チームの平均打率、打点、及び平均盗塁回数以下の場合、活躍度は付与されない。
【0059】
また、成長対象のキャラクタのポジションが投手の場合、防御率が低くなるにつれて活躍度は大きな値が設定される。
【0060】
防御率データは、成長対象のキャラクタの失点を投球したイニング数で割った値が採用される。投球回数データは、成長対象のキャラクタが投球したイニング数が採用されている。メンタルデータは、強打者を打ち取ったり、ピンチをしのいだりした場合に所定の値が付与される。例えば、4番打者をアウトにした場合やホームランバッターをアウトにした場合は4ポイント、中距離ヒッターをアウトにした場合は3ポイントというように打撃力の高いバッターをアウトにした場合ほど大きな値が付与される。また、メンタルデータは、ノーアウトで少なくとも3塁にランナーがいるにも関わらず失点しなかった場合においても所定の値が付与される。変化球データは、変化球により打者を三振させる、或いは変化球により打者を打ち取った場合に所定の値が付与される。
【0061】
また、イベント発生部302は、プレーヤ側のチームが相手側のチームとの対戦に敗れた場合、成長対象のキャラクタの育成を終了させる。つまり、イベント発生部302は、プレーヤ側の野球チームが勝利する限り、試合回数が所定の上限値に到達するまで、プレーヤ側の野球チームを相手側の野球チームと対戦させ、成長対象のキャラクタを成長させる。一方、イベント発生部302は、プレーヤ側の野球チームが相手側チームとの対戦に敗れると、試合回数が所定の上限値に到達していなくても、プレーヤ側の野球チームに次の対戦を行わせず、成長対象のキャラクタの育成を終了させる。
【0062】
能力値算出部303は、イベント発生部302から通知された成績データを用いて成長対象のキャラクタに付与する能力値を算出する。能力値は、基本項目(他の項目の一例)の能力値PT1とスピリッツ項目(特定項目の一例)の能力値PT2との複数の項目の能力値を持つ。基本項目の能力値PT1は、成長対象のキャラクタの技術に基づいて定められる能力値である。スピリッツ項目の能力値PT2は、成長対象のキャラクタの活躍度に基づいて定められる能力値である。
【0063】
成長対象のキャラクタが野手のキャラクタである場合、基本項目の能力値PT1は、打撃、守備力、及び走力の能力値PT11〜PT13となる。また、成長対象のキャラクタが投手である場合、基本項目の能力値PT1は、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の能力値PT14〜PT17となる。
【0064】
打撃の能力値PT11は、イベント発生部302が算出する成績データのうち打撃データD1に所定の重み係数α11を乗じることで算出される(PT11=D1・α11)。
【0065】
守備の能力値PT12は、イベント発生部302が算出する成績データのうち守備データD2に所定の重み係数α12を乗じることで算出される(PT12=D2・α12)。
【0066】
走力の能力値PT13は、イベント発生部302が算出する成績データのうち走塁データD3に所定の重み係数α13を乗じることで算出される(PT13=D3・α13)。
【0067】
これら打撃、守備、及び走力の能力値PT11〜PT13のそれぞれが野手の成長対象のキャラクタの基本項目の能力値PT1となる。
【0068】
投手の能力値PT14は、イベント発生部302が算出する成績データのうち防御率データD4に所定の重み係数α14を乗じることで算出される(PT14=D4・α14)。スタミナの能力値PT15は、イベント発生部302が算出する成績データのうち投球回数データD5に所定の重み係数α15を乗じることで算出される(PT15=D1・α15)。
【0069】
メンタルの能力値PT16は、イベント発生部302が算出する成績データのうちメンタルデータD6に所定の重み係数α16を乗じることで算出される(PT11=D6・α16)。
【0070】
球種の能力値PT17は、イベント発生部302が算出する成績データのうち変化球データD7に所定の重み係数α17を乗じることで算出される(PT17=D7・α17)。
【0071】
これら、投手の能力値PT14〜球種の能力値PT17のそれぞれが、投手のキャラクタの基本項目の能力値PT1となる。
【0072】
スピリッツの能力値PT2は、投手、野手に関わらず、イベント発生部302が算出する成績データのうち活躍度D8に所定の重み係数α2を乗じることで算出される(PT2=D8・α2)。
【0073】
なお、能力値算出部303は、成長開始時に成長対象のキャラクタに対して、打撃力の能力値PT11、守備力の能力値PT12、走力の能力値PT13、投手の能力値PT14、スタミナの能力値PT15、メンタルの能力値PT16、球種の能力値PT17、及びスピリッツの能力値PT2のそれぞれに対して予め定められたデフォルト値を付与する。また、重み係数α11〜α17,α2は、能力値の桁数に大差が生じないようにすると共に、どの能力値を重視するかに応じて予め設定された値が採用される。
【0074】
能力値補正部304は、成長モード設定部301により設定された成長モードが規定する成長パターンに従って成長対象のキャラクタが成長するように能力値算出部303で算出された能力値を補正する。
【0075】
ここで、能力値補正部304は、プレーヤがいずれの成長モードを選択しても、成長開始時から成長終了時までの成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、能力値の積算値が同一になるように能力値を補正する。イベントの結果が同じとは、イベント発生部302が算出した成績データが同一であることを意味する。
【0076】
このように、プレーヤがどの成長モードを選択しても、成長期間における成績データが同一の場合は、同一の能力値が算出されるため、成長モード間の不公平を無くすことができる。例えば、ある成長モードが他の成長モードに比べて成長対象のキャラクタに高い能力値を持たせることができない場合、どのプレーヤもこの成長モードを選択しなくなる。この場合、この成長モードは実質的に存在しないことになってしまい、プレーヤが選択する成長モードの幅が狭くなり、成長モードの選択のバリエーションを増やしてゲームの興趣性を高めることができなくなってしまう。そこで、本実施の形態では、どの成長モードを選択しても不公平が生じないように能力値を補正することで、この問題を解決している。
【0077】
具体的には、能力値補正部304は、成長モード設定部301により設定された成長モード及び成長開始時からのイベントの回数に対応する補正係数を、補正テーブル記憶部402に記憶された補正テーブルから特定し、特定した補正係数を用いて能力値を補正している。ここで、補正テーブルは、成長モード別に予め定められ、成長開始時からのイベントの回数に応じた補正係数を規定する。
【0078】
図3は、補正テーブルのデータ構造の一例を示した図である。図3(A)はノーマルモード及び熱血モードの補正テーブルを示し、図3(B)は、早熟モード、及び大器晩成モードの補正テーブルを示している。
【0079】
各モードの補正テーブルは、基本及びスピリッツの行を備えている。基本の行に格納された補正係数は、基本項目の能力値PT1を補正する際に用いられる。スピリッツの行に格納された補正係数は、スピリッツ項目の能力値PT2を補正する際に用いられる。
【0080】
また、初期、試合後1〜試合後4は、それぞれ、能力値の算出タイミングを規定している。初期の列に格納された補正係数は、成長開始時に付与されるデフォルトの能力値を補正する際に用いられる。試合後1の列に格納された補正係数は、成長期間において1試合目が終了したときに能力値算出部303により算出された能力値を補正する際に用いられる。試合後2の列に格納された補正係数は、成長期間において2試合目が終了したときに能力値算出部303により算出された能力値を補正する際に用いられる。同様に、試合後3、試合後4の各列に格納された補正係数は、3試合目、4試合目が終了したときに算出された能力値を補正する際に用いられる。
【0081】
覚醒セッティングの列に格納された補正係数は、成長終了時に成長対象のキャラクタに付与される後述する覚醒ポイントを補正する際に用いられる。合計値の欄には、同一行の各列に格納された補正係数の合計値が格納されている。
【0082】
ノーマルモードは、基本の行の各列の補正係数とスピリッツの行の各列の補正係数とが全て1.0であり、成長開始時からの試合の回数の増大に関わらず基本項目及びスピリッツ項目の補正係数が一定であることが分かる。
【0083】
図3(B)に示すように、早熟モードは、基本の行の各列の補正係数が、2.0,1.0,・・・,0.4というように、試合の回数が増大するにつれて減少していることが分かる。これにより、成長期間の初期の段階では能力値は大きく増大するが、成長期間の終盤の向かうにつれて能力値がさほど増大しなくなる。その結果、早熟型の野球の選手の成長パターンを模擬することができる。
【0084】
また、大器晩成モードは、基本の行の各列の補正係数が、0.6,0.7,・・・,1.3というように、試合の回数が増大するにつれて増大していることが分かる。これにより、成長期間の初期の段階では能力値はさほど増大しないが、成長期間の終盤の向かうにつれて能力値が大きく増大することになる。その結果、大器晩成型の野球の選手の成長パターンを模擬することができる。
【0085】
図3(A)に示すように、熱血モードは、スピリッツの行の初期〜試合後4の各列の補正係数が全て1.3であり、基本の行の初期〜試合後4の各列の補正係数が全て0.6である。また、熱血モードでは、スピリッツの行の覚醒セッティングの列の補正係数が1.3であり、基本の行の覚醒セッティングの列の補正係数が1.2である。つまり、熱血モードでは、スピリッツの行の各列の補正係数が基本の行の同一列の補正係数よりも大きくなっている。そのため、熱血モードを選択した場合、スピリッツ項目の能力値を基本項目の能力値よりも大きく増大させることができる。
【0086】
一方、ノーマルモード及び早熟モードはスピリッツの行の各列の補正係数が全て1.0であり、大器晩成モードはスピリッツの行の各列の補正係数が全て1.1であり、いずれも、熱血モードのスピリッツの行の各列の補正係数である1.3より低く設定されている。したがって、熱血モードを選んだ場合、ノーマルモード、早熟モード、又は大器晩成モードを選んだ場合に比べて、スピリッツ項目の能力値をより大きく増大させることができる。
【0087】
また、ノーマルモードは、基本の行の各列の補正係数の合計値が6.0であり、スピリッツの行の各列の補正係数の合計値が6.0であり、補正係数の総合計値が12.0である。
【0088】
また、熱血モード、早熟モード、及び大器晩成モードの補正係数の総合計値はそれぞれ12.0,12.0,12.0,12.6でノーマルモードの補正係数の総合計値とほぼ同じ値となっている。そのため、いずれの成長モードを選択しても成長期間における成績データが同じであれば、成長キャラクタに与えられる能力値がほぼ同じ値となる。その結果、いずれの成長モードを選択しても不公平が生じないようにされている。
【0089】
なお、図3(A)、(B)では、試合数が4つとしたが、本発明はこれに限定されず、試合数を4以外の数、例えば、2,3,5,6,・・・,10,・・・20,・・・100,・・・の所定数としてもよい。この場合、試合数に応じた補正係数を補正テーブルに規定すればよい。
【0090】
次に、成長対象のキャラクタの成長モードとして早熟モードが選択されている場合を例に挙げて、能力値補正部304による処理を具体的に説明する。まず、1試合目が終了し、能力値算出部303により基本項目の能力値PT1及びスピリッツ項目の能力値PT2が算出される。すると、能力値補正部304は、図3(B)に示す早熟モードの補正テーブルの基本の行の試合後1の列に格納された補正係数(=1.5)を読み出す。そして、能力値補正部304は、読み出した補正係数(=1.5)を基本項目の能力値PT1に乗じて、基本項目の能力値PT1を補正し、能力値PT1´を算出する。
【0091】
ここで、成長対象のキャラクタが野手のキャラクタの場合は、基本項目の能力値PT1として、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT11〜PT13が存在する。したがって、能力値補正部304は、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT11〜PT13のそれぞれに、補正テーブルから読み出した補正係数を乗じ、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT11´〜PT13´を算出する。
【0092】
また、成長対象のキャラクタが投手のキャラクタの場合は、スピリッツ項目の能力値PT2としては、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の能力値PT14〜PT17が存在する。したがって、能力値補正部304は、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の能力値PT14〜PT17のそれぞれに、補正テーブルから読み出した補正係数を乗じ、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT14´〜PT17´を算出する。
【0093】
また、能力値補正部304は、図3(B)に示す早熟モードの補正テーブルのスピリッツの行の試合後1の列に格納された補正係数(=1.0)を読み出す。そして、能力値補正部304は、読み出した補正係数(=1.0)を、スピリッツ項目の能力値PT2に乗じて、スピリッツ項目の能力値PT2を補正し、能力値PT2´を算出する。
【0094】
このように、能力値補正部304は、能力値算出部303により能力値が算出されると、成長対象のキャラクタに設定されている成長モードに対応する補正テーブルから、対応する列の基本項目の補正係数及びスピリッツ項目の補正係数をそれぞれ読み出す。そして、能力値補正部304は、読み出した基本項目の補正係数を基本項目の能力値PT1に乗じ、かつ、スピリッツ項目の補正係数をスピリッツ項目の能力値PT2に乗じ、基本項目の能力値PT1及びスピリッツ項目の能力値PT2を補正する。
【0095】
図3に示す各成長モードにおける成長対象のキャラクタの能力値の増大パターンを概念的に示すと下記のようになる。図4は能力値の増大パターンを概念的に示したグラフであり、(A)〜(D)は、それぞれ、ノーマルモード、早熟モード、大器晩成モード、及び熱血モードの基本項目の能力値の増大パターンを示し、図4(E)は熱血モードのスピリッツ項目の能力値の増大パターンを示している。
【0096】
図4(A)〜(D)において、縦軸は成長対象のキャラクタに対して1試合あたりに付与される基本項目の能力値PT1を示し、横軸は試合の回数を示している。図4(E)において、縦軸は成長対象キャラクタに対して1試合あたりに付与されるスピリッツ項目の能力値PT2を示し、横軸は試合の回数を示している。図4(A)に示すように、ノーマルモードを選択した場合、試合の回数が増大しても付与される能力値はほぼ一定であることが分かる。図4(B)に示すように、早熟モードを選択した場合、成長開始直後は大きな能力値が付与されるが、試合の回数が増大するにつれて付与される能力値が減少していることが分かる。図4(C)に示すように、大器晩成モードを選択した場合、成長開始直後は付与される能力値は小さいが、試合の回数が増大するにつれて付与される能力値が増大していることが分かる。図4(D)に示すように、熱血モードを選択した場合、基本項目の能力値は試合の回数の増大にかかわらずほぼ一定であり、かつ、ノーマルモードに比べて低い能力値が付与されていることが分かる。一方、図4(E)に示すように、熱血モードを選択した場合、スピリッツ項目の能力値は試合の回数の増大に関わらずほぼ一定であるが、基本項目の能力値よりも全体的に大きな能力値が付与されていることが分かる。
【0097】
図2に戻り、能力値積算部305は、能力値補正部304により算出された基本項目の能力値PT1´の積算値AP1を算出し、キャラクタ情報記憶部403に記憶させる。
【0098】
また、能力値積算部305は、能力値補正部304により算出されたスピリッツ項目の能力値PT2´の積算値AP2を算出し、キャラクタ情報記憶部403に記憶させる。
【0099】
これにより、成長期間において試合を行う都度、基本項目の能力値PT1´及びスピリッツ項目の能力値PT2´が積算され、成長対象のキャラクタの能力値が増大していく。
【0100】
なお、能力値補正部304は、成長対象のキャラクタが野手の場合、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT11´〜PT13´を個別に算出している。したがって、能力値積算部305は、攻撃力、守備力、及び走力の能力値PT11´〜PT13´の積算値AP11〜AP13を個別に算出する。そのため、成長対象のキャラクタが野手の場合、基本項目の積算値AP1としては、攻撃力、守備力、及び走力の積算値AP11〜AP13が存在し、それぞれ、キャラクタ情報記憶部403に個別に記憶される。
【0101】
また、能力値補正部304は、成長対象のキャラクタが投手の場合、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の能力値PT14´〜PT17´を個別に算出している。したがって、能力値積算部305は、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の能力値PT14´〜PT17´の能力値PT11´〜PT13´の積算値AP14〜AP17を個別に算出する。そのため、成長対象のキャラクタが投手の場合、基本項目の積算値AP1としては、攻撃力、守備力、及び走力の積算値AP14〜AP17が存在し、それぞれ、キャラクタ情報記憶部403に個別に記憶される。
【0102】
記憶部400は、図1に示すメインメモリ5等から構成され、画像データ記憶部401、補正テーブル記憶部402、及びキャラクタ情報記憶部403を備えている。画像データ記憶部401は、イベント発生部302が野球ゲームをゲーム空間で展開するうえで必要となる画像データを記憶する。ここで、画像データとしては、キャラクタの3次元画像データ、野球場の3次元画像データ、ボールオブジェクトの3次元画像データ等が含まれる。キャラクタ、野球場、及びボールオブジェクトの3次元画像データとしては、3次元形状データや、3次元形状データに貼り付けられるテクスチャ等が含まれる。
【0103】
補正テーブル記憶部402は、図3(A)、(B)に示す補正テーブルを記憶する。キャラクタ情報記憶部403は、成長モード設定部301により設定されたキャラクタ諸情報、成長モード、基本項目の積算値AP1及びスピリッツ項目の積算値AP2を記憶する。
【0104】
図5は、プレーヤが成長モードを選択する際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、成長モード設定部301は、プレーヤに成長モードを選択させるための選択画像を表示部200に表示させる。図6は、プレーヤに成長モードを選択させるための選択画像の一例を示した図である。図6に示すように、選択画像は、画像のほぼ中央部に縦方向に4つのボタンBT1〜BT4が表示されている。ボタンBT1〜BT4はそれぞれノーマル、熱血、早熟、及び大器晩成と記され、それぞれノーマルモード、熱血モード、早熟モード、及び大器晩成モードと対応付けられている。
【0105】
次に、操作部100が成長モードを選択するためにプレーヤにより入力された選択指令を受け付けると(ステップS2でYES)、成長モード設定部301は、選択指令が示す成長モードを成長対象のキャラクタに対する成長モードとして設定する(ステップS3)。一方、操作部100が選択指令を受け付けない場合(ステップS2でNO)、処理がステップS2に戻される。
【0106】
具体的には、図6に示すように、プレーヤは、操作部100を操作して、ボタンBT1〜BT4のうち選択を希望するボタンにカーソル(図略)を移動させる。そして、プレーヤにより操作部100を用いて決定指令が入力される。これにより、操作部100はプレーヤからの選択指令を受け付ける。そして、プレーヤにより選択されたボタンに対応付けられた成長モードが成長対象のキャラクタに対する成長モードとして決定される。
【0107】
図7は、キャラクタを成長させる際のゲーム装置の処理を示すフローチャートである。まず、操作部100が、プレーヤから試合開始の操作指令を受け付けると(ステップS11でYES)、イベント発生部302は図8に示す設定画像を表示する(ステップS13)。
【0108】
図8は、設定画像の一例を示した画面図である。図8の例では、成長対象のキャラクタが投手の場合の設定画像が示されている。
【0109】
設定画像の上側には、投手欄R1、スタミナ欄R2、メンタル欄R3、球種欄R4、及びスピリッツ欄R5が表示されている。投手欄R1には、投手の積算値AP14が表示される。スタミナ欄R2にはスタミナの積算値AP15が表示される。メンタル欄R3にはメンタルの積算値AP16が表示される。球種欄R4には球種の積算値AP17が表示される。スピリッツ欄R5には、スピリッツ項目の積算値AP2が表示される。
【0110】
図8の例では、投手欄R1〜スピリッツ欄R5には、それぞれ、1200,1200,500,2000,12と表示されている。したがって、成長対象のキャラクタの投手の積算値AP14〜球種の積算値AP17、及びスピリッツ項目の積算値AP2が、それぞれ、1200,1200,500,2000,12であることが分かる。
【0111】
図8の設定画像の中央部には、成長対象のキャラクタの技量レベルを項目別に設定するための技量レベル設定欄R6が表示されている。
【0112】
図8の例では、技量レベル設定欄R6の1行目に“速球+1km/h”と表示され、その横に“51+”と表示されている。この場合、プレーヤは投手能力値PT15を51ポイント使用すれば、成長対象のキャラクタが投げるボールオブジェクトの速度を1km/h上昇させることができる。
【0113】
また、技量レベル設定欄R6の2行目に“2シームファスト”と表示され、その横に“300+炎マーク3”と表示されている。この場合、プレーヤは、球種の能力値PT17を300ポイント使用し、スピリッツの能力値PT2を3ポイント使用すれば、成長対象のキャラクタに2シームファストの変化球を投げさせることができる。
【0114】
また、技量レベル設定欄の3行目に“オリジナル変化球”と表示され、その横に“200+炎マーク2”と表示されている。この場合、プレーヤは、球種の能力値PT17を200ポイント使用し、スピリッツ項目の能力値PT2を2ポイント使用すれば、成長対象のキャラクタにオリジナル変化球を投げさせることができる。ここで、オリジナル変化球としては、成長対象のキャラクタが独自に持つ変化球である。
【0115】
また、技量レベル設定欄の4行目には“対左打者△1”と表示され、その横に“LOCK”と表示されている。この場合、プレーヤは、成長対象のキャラクタの対左打者に対する技量レベルを上昇させることができない。
【0116】
このように、プレーヤは、獲得した能力値を使用することで、成長対象のキャラクタの技量レベルを項目別に上昇させることができ、成長対象のキャラクタを、自身の好みに合う選手に成長させることができる。
【0117】
なお、能力値を使用してプレーヤにより技量レベルを設定する操作指令が操作部100により受け付けられると、能力値積算部305は、技量レベルの項目が要求する能力値を能力値の積算値から減じる。
【0118】
たとえば、図8において、プレーヤが2シームファストの技量レベルを上昇させる操作指令を入力した場合、能力値積算部305は、球種の積算値AP17を1700(=2000−300)とし、かつ、スピリッツ項目の積算値AP2を9(=12−3)とする。
【0119】
なお、図8に示す設定画像は1つの試合が終了する都度、表示される。そのため、プレーヤは1つの試合が終了する都度、能力値がどれだけ上昇したかを数値により認識することができる。また、図8に示す設定画像は2試合目以降も1つの試合が開始される都度、表示される。そのため、プレーヤは1つの試合が開始される際に、成長対象のキャラクタの技量レベルを設定する操作を行うことができる。
【0120】
図7に戻り、ステップS13において、イベント発生部302は、プレーヤにより技量レベルを設定するための操作が終了されると、試合を開始させる(ステップS13)。
【0121】
図9は、イベント発生部302がゲーム空間に展開する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。図9に示すように、本野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームである。
【0122】
この野球ゲームでは、プレーヤは攻撃側である場合、操作部100を操作して、ストライクゾーンを示す外枠WK内に表示されたミートカーソルKを表示画面上で移動させ、ボールオブジェクトBLがホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBLにミートカーソルKを位置決めさせ、打撃指令を入力する。すると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBLが打ち返される。
【0123】
一方、プレーヤが守備側である場合、操作部100を操作して投手キャラクタCL2が投げるボールオブジェクトBLの球種とコースとを入力し、投球指令を入力する。すると、投手キャラクタCL2によりボールオブジェクトBLが投げられ、イベント発生部302が打者キャラクタCL1にボールオブジェクトBLを打撃させる。このようなことが繰り返され、野球ゲームが進行していく。
【0124】
図7に示すステップS14において、操作部100がプレーヤからの操作指令を受け付けると(ステップS14でYES)、イベント発生部302は、操作指令に応じた処理を行う(ステップS15)。例えば、プレーヤによりミートカーソルKを移動させる操作指令が入力された場合、イベント発生部302は、操作指令が示す方向にミートカーソルKを移動させる。
【0125】
また、プレーヤにより、操作指令として投球指令が入力されると、イベント発生部302は、投手キャラクタCL2にボールオブジェクトBLを投げさせる。また、プレーヤにより、操作指令として打撃指令が入力されると、イベント発生部302は、打者キャラクタCL1にボールオブジェクトBLを打撃させる。
【0126】
この場合、イベント発生部302は、打撃指令の入力時からバットオブジェクトBTがホームベース上に到達するまでの所定時間が経過した打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLがミートカーソルKに重なった場合、打者キャラクタCL1が打撃に成功したと判定し、ボールオブジェクトBLがミートカーソルKに重ならなかった場合、打者キャラクタCL1が打撃に失敗したと判定する。
【0127】
また、イベント発生部302は、打者キャラクタCL1が打撃に成功したと判定した場合は、打撃タイミングにおいてボールオブジェクトBLの重心がミートカーソルKを通過した位置に基づいて、安打の種類、又は凡打であるかを判定し、判定結果にしたがって、ボールオブジェクトBLを移動表示させる。
【0128】
また、プレーヤが守備側にある場合、打者キャラクタCL1によりボールオブジェクトBLが打撃されると、プレーヤは操作部100を操作して野手キャラクタを移動させ、捕球指令を入力し、野手キャラクタにボールオブジェクトBLを捕球させる。また、プレーヤは必要に応じて投球指令を入力し、野手キャラクタに捕球したボールオブジェクトを投げさせる。
【0129】
試合が終了すると(ステップS16でYES)、イベント発生部302は、成長対象のキャラクタの成績データを算出する。一方、試合が終了していない場合(ステップS16でNO)、処理がステップS13に戻され、引き続き試合が続行される。
【0130】
次に、能力値算出部303は、ステップS17で算出された成績データを用いて、成長対象のキャラクタの能力値を算出する(ステップS18)。次に、能力値補正部304は、補正テーブルを参照し、対応する補正係数を読み出し、読み出した補正係数を用いて、ステップS18で算出された能力値を補正する(ステップS19)。
【0131】
次に、能力値積算部305は、ステップS19で補正された能力値を積算し、能力値の積算値を算出し、キャラクタ情報記憶部403に記憶させる(ステップS20)。次に、成長期間が終了した場合(ステップS21でYES)、覚醒ポイントを算出する(ステップS22)。ここで、成長期間が終了した場合としては、プレーヤ側の野球チームが試合に勝ち続ければ、試合回数が所定の上限値に到達するまでが該当し、プレーヤ側の野球チームが所定の上限値に到達するまでに負ければ、負けたときが該当する。例えば、上限値が4試合とすると、4試合連続して勝利すれば、4試合目が終了したときに成長期間が終了し、プレーヤ側の野球チームが2試合目で負ければ、2試合目が終了したときに成長期間が終了する。
【0132】
一方、成長期間が終了していない場合(ステップS21でNO)、処理がステップS11に戻され、ステップS11以降の処理が実行され、次の試合が行われる。
【0133】
覚醒ポイントは、成長対象のキャラクタが今後どれだけ成長するかを示す指標であり、成長対象のキャラクタの伸び代を示す。つまり、成長期間が終了した成長対象のキャラクタは、ゲーム空間内で展開されるペナントレースのチームの一員となって試合に参加する。このペナントレースは、実際のプロ野球で行われるペナントレースを模擬したものであり、所定回数(例えば140試合)、他の野球チームと対戦して勝敗を決定する。そして、プレーヤは、育成した成長対象のキャラクタを自身の野球チームに参加させ、ペナントレースを戦うことができる。ここで、ペナントレースでは、プレーヤ側の野球チームの各キャラクタは、ペナントレースを通じて能力値が随時付与されて成長していく。
【0134】
この場合、各キャラクタはそれぞれ、能力値の上限値が定められており、ペナントレースを通じて獲得した能力値が上限値に到達すると、それ以上、能力値を上昇することができなくなっている。
【0135】
そこで、各キャラクタの現在の能力値と能力値の上限値との差を示す覚醒ポイントを設けている。これにより、プレーヤは、覚醒ポイントを参照することで、各キャラクタにつき、あとどれだけ能力値を上昇できるかを認識することができる。また、覚醒ポイントを導入することで、現在の能力値が低いキャラクタであっても、ペナントレースで使い続ければ、多くの能力値を獲得させることができ、能力値の低いキャラクタを使い続けようとする動機付けをプレーヤに与えることができる。そのため、能力値の低いキャラクタが使用されないことを防止することができる。
【0136】
ところで、成長期間において成長対象のキャラクタの能力値をあまり上昇させることができないこともしばしば発生する。この場合、せっかく成長させたにも関わらず、能力値が低いために成長対象のキャラクタがペナントレースでほとんど使用されないという事態が発生する。これでは、キャラクタを事前に成長させ、そのキャラクタをペナントレースに参加させるというゲームの本来の趣旨を達成できない。
【0137】
そこで、能力値算出部303は、成長期間において多くの能力値を獲得しなかったキャラクタに対しては、多くの覚醒ポイントを付与するようにしている。つまり、能力値算出部303は、成長期間の終了時における成長対象のキャラクタの能力値が低くなるにつれて多くの覚醒ポイントを付与する。
【0138】
本実施の形態では、能力値は基本項目とスピリッツ項目との大きく分けて2つの項目を持つ。そのため、覚醒ポイントも基本項目とスピリッツ項目とのそれぞれに対して個別に算出される。
【0139】
具体的には、能力値算出部303は、能力値積算部305により算出された基本項目の積算値AP1の合計値A1を求める。ここで、成長対象のキャラクタが野手の場合、基本項目の積算値AP1として、攻撃力、守備力、及び走力の積算値AP11〜AP13があるため、合計値A1は、A1=AP11+AP12+AP13となる。一方、成長対象のキャラクタが投手の場合、基本項目の積算値AP1として、投手、スタミナ、メンタル、及び球種の積算値AP14〜AP17があるため、合計値A1は、A1=AP14+AP15+AP16+AP17となる。
【0140】
そして、能力値算出部303は、合計値A1と、基本項目の覚醒ポイントKP1との関係を予め定めたテーブルを用いて、基本項目の覚醒ポイントKP1を決定する。
【0141】
一方、能力値算出部303は、能力値積算部305により算出されたスピリッツ項目の積算値AP2と、スピリッツ項目の覚醒ポイントKP2との関係を予め定めたテーブルを用いて、スピリッツ項目の覚醒ポイントKP2を決定する。
【0142】
これにより、成長期間においてさほど能力値を獲得することができなかったキャラクタであっても、そのキャラクタに対しては多くの覚醒ポイントが付与されるため、そのキャラクタをペナントレースで使用する動機付けをプレーヤに与えることができる。
【0143】
ステップS23において、能力値補正部304は、能力値算出部303で算出された覚醒ポイントに対する補正係数を図3(A)、(B)で示す補正テーブルを参照して特定し、特定した補正係数を用いて覚醒ポイントを補正する。そして、能力値補正部304は、補正した覚醒ポイントをキャラクタ情報記憶部403に記憶させる。
【0144】
例えば、成長対象のキャラクタが早熟モードで成長されたとする。すると、能力値補正部304は、図3(B)の早熟モードの補正テーブルの覚醒セッティングの列に格納された基本項目の補正係数(=0.7)と、スピリッツ項目の補正係数(=1.0)とを読み出す。そして、基本項目の覚醒ポイントKP1に対して、0.7を乗じて基本項目の覚醒ポイントKP1を補正し、覚醒ポイントKP1´を算出する。また、スピリッツ項目の覚醒ポイントKP2に対して、1.0を乗じてスピリッツ項目の覚醒ポイントKP2を補正し、スピリッツ項目の覚醒ポイントKP2´を算出する。
【0145】
ステップS24において、制御部300は、プレーヤから入力された操作指令にしたがって、成長対象のキャラクタの容姿を設定する。ここで、容姿の設定項目としては、例えば、成長対象のキャラクタの身長、体重、肌の色、ヘアースタイル等が存在する。次に、制御部300は、設定した容姿のデータをキャラクタ情報記憶部403に記憶させる(ステップS25)。
【0146】
なお、上記説明では1試合を1イベントとしたが、1試合の1又は数イニングを1イベントとしてもよいし、複数試合を1イベントとしてもよい。また、上記説明では、イベントとして野球の試合を採用したが、例えば、守備練習、投球練習、又はバッティング練習等をイベントとして採用してもよい。また、成長期間において、試合を繰り返し行って、キャラクタを成長させる構成を採用したが、試合と練習とを繰り返し行ってキャラクタを成長させる構成を採用してもよい。この場合、1つの練習、1つの試合が1イベントとなる。
【0147】
また、上記説明では、野球ゲームを例に挙げて説明したが、サッカーゲーム、アメリカンフットボールゲーム、テニスゲーム等のキャラクタを育成させることが可能なゲームであればどのようなゲームであっても本発明は提供させることができる。
【0148】
例えば、サッカーゲームの場合、1試合を1イベントとしてもよいし、前半を1イベント、後半を1イベントとしてもよい。また、スポーツゲーム以外では、キャラクタに対して種々の試練を課し、この試練を通じてキャラクタを育成させるロールプレイングゲームに対して本発明を適用してもよい。この場合、プレーヤにゲーム開始時に成長モードを設定させ、1又は所定数の試練を1つのイベントとすればよい。
【符号の説明】
【0149】
100 操作部
200 表示部
300 制御部
301 成長モード設定部
302 イベント発生部
303 能力値算出部
304 能力値補正部
305 能力値積算部
400 記憶部
401 画像データ記憶部
402 補正テーブル記憶部
403 キャラクタ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、前記キャラクタの能力値を増大させることによって前記キャラクタを成長させるゲームを実行するゲーム装置であって、
前記キャラクタの成長開始時に、成長パターンが異なる複数の成長モードの中から、プレーヤの選択指令に基づいて選択されたいずれか1つの成長モードを、前記キャラクタの成長モードとして設定する成長モード設定部と、
前記キャラクタが参加するイベントの結果に応じて前記キャラクタに付与する能力値を算出する能力値算出部と、
前記成長モード設定部により設定された成長モードが規定する成長パターンに従って前記キャラクタが成長するように前記能力値を補正する能力値補正部と、
前記能力値補正部により補正された能力値を積算する能力値積算部とを備え、
前記能力値補正部は、プレーヤがいずれの成長モードを選択しても、前記成長開始時から成長終了時までの成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、前記能力値の積算値が同一になるように前記能力値を補正するゲーム装置。
【請求項2】
前記成長モード別に予め定められ、前記成長開始時からのイベントの回数に応じた補正係数を規定する補正テーブルを記憶する補正テーブル記憶部を更に備え、
前記能力値補正部は、前記成長モード設定部により設定された成長モード及び前記成長開始時からのイベントの回数に対応する補正係数を前記補正テーブルから特定し、特定した補正係数を用いて前記能力値を補正し、
前記補正テーブルは、各成長モードにおける補正係数の合計値が同じになるように前記補正係数を規定する請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数が増大するにつれて前記キャラクタの成長の度合いが小さくなる成長パターンを持つ第1成長モードと、前記成長開始時からのイベントの回数が増大するにつれて前記キャラクタの成長の度合いが大きくなる成長パターンを持つ第2成長モードとを含み、
前記第1成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数に応じて減少するように前記補正係数が規定され、
前記第2成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数に応じて増大するように前記補正係数が規定されている請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記能力値は、複数の項目を含み、
前記成長パターンは、前記複数の項目のうちいずれか1つの項目である特定項目の能力値を他の項目の能力値に比べて優先して増大させる第3成長モードを更に含み、
前記補正テーブルは、項目別に前記補正係数を規定し、
前記第1、第2成長モードは、前記特定項目の補正係数が前記第3成長モードの前記特定項目の補正係数よりも低くなるように規定され、
前記第3成長モードは、前記特定項目の補正係数が他の項目の補正係数よりも高くなるように規定されている請求項3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記第3成長モードは、前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように前記特定項目及び前記他の項目の補正係数が規定されている請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第1成長モードは、前記他の項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数に応じて減少するように規定され、かつ、前記特定項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように規定され、
前記第2成長モードは、前記他の項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数に応じて増大するように規定され、かつ、前記特定項目の補正係数が前記成長開始時からのイベントの回数によらず一定となるように規定されている請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、前記キャラクタの能力値を増大させることによって前記キャラクタを成長させるゲームの進行をコンピュータに制御させるゲーム制御プログラムであって、
前記キャラクタの成長開始時に、成長パターンが異なる複数の成長モードの中から、プレーヤの選択指令に基づいて選択されたいずれか1つの成長モードを、前記キャラクタの成長モードとして設定する成長モード設定部と、
前記キャラクタが参加するイベントの結果に応じて前記キャラクタに付与する能力値を算出する能力値算出部と、
前記成長モード設定部により設定された成長モードが規定する成長パターンに従って前記キャラクタが成長するように前記能力値を補正する能力値補正部と、
前記能力値補正部により補正された能力値を積算する能力値積算部としてコンピュータを機能させ、
前記能力値補正部は、プレーヤがいずれの成長モードを選択しても、前記成長開始時から成長終了時までの成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、前記能力値の積算値が同一になるように前記能力値を補正するゲーム制御プログラム。
【請求項8】
プレーヤの操作指令にしたがってゲーム空間内でキャラクタを動作させ、前記キャラクタの能力値を増大させることによって前記キャラクタを成長させるゲームの進行をコンピュータが制御するゲーム制御方法であって、
コンピュータが、前記キャラクタの成長開始時に、成長パターンが異なる複数の成長モードの中から、プレーヤの選択指令に基づいて選択されたいずれか1つの成長モードを、前記キャラクタの成長モードとして設定する成長モード設定ステップと、
コンピュータが、前記キャラクタが参加するイベントの結果に応じて前記キャラクタに付与する能力値を算出する能力値算出ステップと、
コンピュータが、前記成長モード設定部により設定された成長モードが規定する成長パターンに従って前記キャラクタが成長するように前記能力値を補正する能力値補正ステップと、
コンピュータが、前記能力値補正部により補正された能力値を積算する能力値積算ステップとを備え、
前記能力値補正ステップは、プレーヤがいずれの成長モードを選択しても、前記成長開始時から成長終了時までの成長期間におけるイベントの結果が同じであれば、前記能力値の積算値が同一になるように前記能力値を補正するゲーム制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−157467(P2012−157467A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18358(P2011−18358)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】