説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、および、プログラム

【課題】ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することのできる進行制御装置等を提供する。
【解決手段】ゲームデータ記憶部110は、マルチストーリゲームにおける進行の分岐点、分岐点にて選択可能な各選択肢、及び、各選択肢に対応した各シナリオデータを記憶する。並行制御部141は、ゲームの進行が分岐点に到達した際に、各選択肢に対応した各シナリオデータに基づくストーリのゲーム画面をそれぞれ並行して表示させる。操作受付部120は、並行して表示させている各ストーリに対応する各選択肢の何れかの選択を受け付ける。そして、進行制御部142は、選択された選択肢のゲーム画面だけを残し、そのストーリをそのまま進行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することのできるゲーム装置、ゲーム制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用や家庭用のゲーム装置にて実行されるゲーム(ソフトウェア等)が種々開発されている。中でも、サウンドノベルゲームやシミュレーションゲーム等に代表されるマルチストーリゲーム(マルチシナリオゲーム)は、根強い人気があり、幅広い年齢層のプレイヤから支持されている。
このマルチストーリゲームは、プレイヤの行動(選択等)に応じてストーリが次々に分岐するタイプのゲームである。
【0003】
一例を挙げて、具体的に説明すると、マルチストーリゲームでは、ゲームにおける分岐点にて選択肢(例えば、幾つかの項目)を提示して、プレイヤに何れかの選択を要求する。そして、プレイヤが任意の項目を選択すると、その項目に対応したストーリ(シナリオ)が進行するようになっている。このような分岐点は、ゲーム中にいくつも設定されており、プレイヤが各分岐点で選択した項目の組み合わせ等に応じて、エンディングの内容等が異なるようになっている。
【0004】
そのため、プレイヤは、このようなマルチストーリゲームを繰り返しプレイし、分岐点にて選択する項目を適宜変えながら、多彩なストーリ展開を楽しむと共に、所望のエンディング等を目指すことになる。
【0005】
このようなマルチストーリゲームの従来技術では、選択肢として多くの要素を盛り込むことのできるゲーム装置(マルチシナリオ選択実行ゲームプログラム)の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−344499号公報(第6−13頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したマルチストーリゲームでは、分岐点にて選択肢が提示された際に、プレイヤは、その先の展開を予想するなどして、所望の項目を選択する場合が多い。例えば、選択肢として提示される各項目に応じたストーリをそれぞれ予想して、その中からより好ましいと思われる項目を選択するなどである。
【0008】
しかしながら、選択した項目に応じて実際に進行されるストーリは、プレイヤの予想と大きく離れたものとなってしまうことも少なくない。そして、そのストーリの進行に沿ってある程度プレイしても、好転する兆しが見られない場合などに、プレイヤは、選択した項目が誤りであったと判断することになる。
なお、進行されるストーリが予想とは大きく離れていたとしても、より好ましい展開であったり、その後の展開に希望が持てるような場合には、プレイヤは、ひとまず、選択した項目が正しかったと判断し、そのストーリの進行に沿ってゲームを続けることになる。
【0009】
選択した項目が誤りであったと判断したプレイヤは、例えば、前回のセーブポイントからプレイを再開させる等により、選択を誤った分岐点まで戻る。そして、その分岐点における選択をやり直して(前回とは異なる項目を選択して)、他のストーリをプレイすることになる。そして、今回選択した項目が正しかったと判断した場合に、プレイヤはそのままプレイを続けることになるが、今回選択した項目も誤りであったと判断した場合には、上記と同様に再びその分岐点まで戻り、更なる選択のやり直しを行うことになる。
【0010】
このような幾度にもわたる選択のやり直しは、プレイヤにとって煩雑であるため、なるだけ選択を誤らないことが望まれる。それでも、分岐点以降のストーリは、実際に項目を選択した後でなければ何ら明らかにされないため、現状では、選択の誤りが発生し易くなっていた。
【0011】
このようなことから、マルチストーリゲームにおいて、分岐点における選択の誤りを低減し、なるだけ選択のやり直しを行わないようにすることのできるゲーム装置の開発が求められていた。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することのできるゲーム装置、ゲーム制御方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するゲーム装置であって、データ記憶部、並行制御部、選択受付部、及び、制御部を備えて構成される。
【0014】
まず、データ記憶部には、ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢(例えば、複数の選択項目や選択条件等)、及び、当該各選択肢に対応した複数のゲームデータ(例えば、マップデータや設定データ、又は、シナリオデータ等)が記憶されている。並行制御部は、実行中のゲームが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各ゲームデータに基づく複数のゲームをそれぞれ並行して実行させる。つまり、マップデータや設定データ等に従って内容の異なるゲームをそれぞれ実行させ、例えば、各ゲーム画面をそれぞれ並行して(同時に)表示する。
選択受付部は、並行して実行させている各ゲームに対応する各選択肢の何れかの選択を、例えば、プレイヤの操作に応じて受け付ける。そして、制御部は、選択された選択肢に対応するゲームだけをそのまま実行させる。例えば、選択されなかった選択肢のゲームについて、その実行及びゲーム画面の表示を終え、選択された選択肢のゲームについて、その実行及びゲーム画面の表示をそのまま続ける。
【0015】
このように分岐点において、各選択肢に対応した各ゲームが、選択前に並行して(同時に)実行される。このため、プレイヤは、各ゲームの展開を把握し易くなり、また、各ゲーム内容を比較することにより、より好ましいと思われるゲームを特定し易くなる。
この結果、プレイヤは、十分に吟味して選択肢を選択できるため、選択の誤りを適切に低減させることができる。
【0016】
本発明の第2の観点に係るゲーム装置は、プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲームのストーリが分岐するゲーム装置であって、データ記憶部、並行制御部、選択受付部、及び、進行制御部を備えて構成される。
【0017】
まず、データ記憶部には、ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢(例えば、複数の選択項目や選択条件等)、及び、当該各選択肢に対応した複数のシナリオデータが記憶されている。並行制御部は、進行中のストーリが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各シナリオデータに基づく複数のストーリをそれぞれ並行して進行させる。例えば、各選択肢に対応する各ストーリのゲーム画面をそれぞれ並行して(同時に)表示する。
選択受付部は、並行して進行させている各ストーリに対応する各選択肢の何れかの選択を、例えば、プレイヤの操作に応じて受け付ける。そして、進行制御部は、選択された選択肢に対応するストーリだけをそのまま進行させる。例えば、選択されなかった選択肢のストーリのゲーム画面の表示を終え、選択された選択肢のストーリのゲーム画面だけをそのまま表示し続ける。
【0018】
このように分岐点において、各選択肢に対応した各ストーリが、選択前に並行して(同時に)進行される。このため、プレイヤは、各ストーリの展開を把握し易くなり、また、各ストーリの内容を比較することにより、より好ましいと思われるストーリを特定し易くなる。
この結果、プレイヤは、十分に吟味して選択肢を選択できるため、選択の誤りを適切に低減させることができる。
【0019】
上記ゲーム装置は、選択されなかった選択肢に対応するストーリを再開可能に管理する再開管理部を更に備え、
進行制御部は、選択されなかった選択肢に対応するストーリの進行を終了させると共に、終了させたストーリに対応する選択肢を、再開管理部に登録してもよい。
この場合、選択肢が選択されることにより、分岐点における各ストーリの並行進行(各ゲーム画面の並行表示)が終わり、選択された選択肢のストーリだけが進行される。つまり、分岐点での選択が確定し、これ以降プレイヤは、自己の選択に応じたストーリをプレイすることになる。また、選択されなかった選択肢に対応するストーリが、再開管理部にて再開可能に管理されるため、従来のように、セーブポイント等からやり直さなくとも、選択しなかった方のストーリをプレイすることができる。
【0020】
上記ゲーム装置は、再開管理部に登録されている何れかの選択肢を指定し、当該指定した選択肢に対応するストーリの再開を指示する再開指示部を更に備え、
再開管理部は、再開指示部の指示に応答して、進行制御部が現在進行させているストーリに代えて、再開指示部により再開が指示された前記ストーリを進行させてもよい。
この場合、プレイヤが分岐点で選択しなかった選択肢を指定して、その選択肢に対応するストーリを直ぐさま再開させることができる。つまり、選択した選択肢のストーリの展開が思わしくない場合等に、選択肢を指定して再開を指示することで、選択しなかった選択肢のストーリを直ぐさま再開させることができる。
【0021】
並行制御部は、各選択肢に対応した各ストーリを、それぞれ所定の経過時間まで、又は、所定場面まで等に限り、並行して進行させてもよい。
この場合、選択肢に対応したそれぞれのストーリが、序盤だけに限って明らかになるため、プレイヤによる選択が必要以上に簡単とならないようにすることができる。
【0022】
上記ゲーム装置は、複数の表示部を備えており、
並行制御部は、各選択肢に対応した各ストーリの表示を、各表示部に個別に割り当て、それぞれを並行して進行させてもよい。
この場合、各ストーリの表示が各表示部に割り当てられるため、プレイヤが各ストーリの内容を比較等し易くなる。
【0023】
本発明の第3の観点に係るゲーム制御方法は、ゲーム装置において実行される、プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するゲーム制御方法であって、並行制御ステップ、選択受付ステップ、及び、制御ステップを備えて構成される。
なお、ゲーム装置は、データ記憶部、並行制御部、選択受付部、及び、制御部を有し、当該データ記憶部には、ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢(例えば、複数の選択項目や選択条件等)、及び、当該各選択肢に対応した複数のゲームデータ(例えば、マップデータや設定データ、又は、シナリオデータ等)が記憶されている。
【0024】
まず、並行制御ステップでは、実行中のストーリが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各ゲームデータに基づく複数のゲームをそれぞれ並行して実行させる。つまり、マップデータや設定データ等に従って内容の異なるゲームをそれぞれ実行させ、例えば、各ゲームのゲーム画面をそれぞれ並行して(同時に)表示する。
選択受付ステップでは、並行して実行させている各ゲームに対応する各選択肢の何れかの選択を、例えば、プレイヤの操作に応じて受け付ける。そして、制御ステップでは、選択された選択肢に対応するゲームだけをそのまま実行させる。例えば、選択されなかった選択肢のゲームについて、その実行及びゲーム画面の表示を終え、選択された選択肢のゲームについて、その実行及びゲーム画面の表示をそのまま続ける。
【0025】
このように分岐点において、各選択肢に対応した各ゲームが、選択前に並行して(同時に)実行される。このため、プレイヤは、各ゲームの展開を把握し易くなり、また、各ゲーム内容を比較することにより、より好ましいと思われるゲームを特定し易くなる。
この結果、プレイヤは、十分に吟味して選択肢を選択できるため、選択の誤りを適切に低減させることができる。
【0026】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、プレイヤに選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するコンピュータ(電子機器を含む。)を、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0027】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0028】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置の外観を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る進行制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a)がデータ記憶部に記憶されるデータを説明するための模式図であり、(b),(c)がストーリ構成の一例を示す模式図である。
【図5】(a)〜(c)全て、画像生成部により生成される画面の一例を示す模式図である。
【図6】(a),(b)共に、複数の表示部に同時に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。
【図7】(a)が、分岐点での選択を説明するための模式図であり、(b),(c)が、分岐点で選択がなされずに選択要求画面に切り換わることを説明するための模式図である。
【図8】(a)が再開指示画像を含むゲーム画面の一例であり、(b)がゲーム画面が別のストーリに切り換わる様子を説明するための模式図であり、(c)が、再開までの様子を説明するための模式図である。
【図9】本実施形態に係る進行制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施形態に係る進行制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図11】(a),(b)共に、並行して表示されるゲーム画面が加工される様子を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機(ゲーム機器)に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る進行制御装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示す模式図である。このゲーム装置1は、一例として、携帯型のゲーム機器であり、図示するように、第1の表示部18と、第2の表示部19とを有しており、それぞれに、所定の画像が表示可能となっている。なお、第2の表示部19の前面にはタッチパネル20が配置されている。
【0033】
図2は、このゲーム装置1の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照してゲーム装置1について説明する。
【0034】
ゲーム装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0035】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、クロック回路10cと、VRAM(Video Random Access Memory)10dと、WRAM(Work RAM)10eと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10fと、タッチパネルコントローラ10gと、を備える。
【0036】
CPUコア10aは、ゲーム装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0037】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10dに格納する。
【0038】
クロック回路10cは、種々の時間(時刻)を計時するための回路であり、ゲーム装置1に設定された現在時刻や、ゲーム中に必要となる経過時間等を計時する。
【0039】
VRAM 10dは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10eは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0040】
LCDコントローラ10fは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10fは、VRAM 10dに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10fは、同様に、第2の表示部19に所定の表示用画像を表示する。
【0041】
タッチパネルコントローラ10gは、タッチペンやプレイヤの指によって、タッチパネル20が押下されると、その座標(入力座標)を取得する。
【0042】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0043】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0044】
無線通信部13は、他のゲーム装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定の無線アクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0045】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他のゲーム装置1の処理制御部10との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
また、ゲーム装置1が、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する際には、無線LANに準拠したプロトコルに沿って、処理制御部10と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
【0046】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0047】
操作キー17は、ゲーム装置1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0048】
第1の表示部18および、第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10fに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20への入力(押下)の目標となる所定の目標画像(敵オブジェクト等)を表示する。
【0049】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやプレイヤの指による入力を検出する。
例えば、タッチパネル20は、抵抗膜方式のタッチセンサパネル等からなり、タッチペン等による押圧(押下)を検知し、その座標に応じた情報(信号等)を出力する。
【0050】
(進行制御装置の概要)
図3は、上述したゲーム装置1により実現される本発明の進行制御装置100の概要構成を示すブロック図である。なお、この進行制御装置100は、一例として、マルチストーリゲームを実行し、分岐するそれぞれストーリの内容を比較可能に提示する。そして、プレイヤによって選択された何れかのストーリに沿って、ゲームが進行されるものとする。以下、本図を参照して進行制御装置100について説明する。
【0051】
進行制御装置100は、ゲームデータ記憶部110と、操作受付部120と、履歴データ記憶部130と、処理制御部140と、画像生成部150とを備える。
【0052】
まず、ゲームデータ記憶部110は、マルチストーリゲームを実行するために必要となる各種のデータを記憶する。
例えば、ゲームデータ記憶部110は、図4(a)に示すような分岐点、選択肢、及び、ストーリ(シナリオデータ)等を記憶している。つまり、ゲームデータ記憶部110には、ゲーム進行の分岐点と、その分岐点にて選択可能な選択肢と、これら選択肢に対応したストーリのシナリオデータとを含むデータが記憶される。なお、ストーリは、具体的にはシナリオデータに基づいて進行するものであるが、発明の理解を容易にするために、シナリオデータと同等のものとして以下、説明する。
【0053】
これらのデータについてより具体的に説明すると、図4(b)に示すようなシナリオ構成のゲームの場合、ゲームデータ記憶部110には、各分岐点BNのデータ、各選択肢SNのデータ、及び、各ストーリSTのデータが、それぞれ対応付けられて記憶される。なお、シナリオ構成の内容は、任意であり、図4(b)のようなシナリオ構成に限られるものではない。この他にも、例えば、図4(c)に示すような、分岐したストーリが合流するようなシナリオ構成であってもよい。この場合も、ゲームデータ記憶部110には、各分岐点BNのデータ、各選択肢SNのデータ、及び、各ストーリSTのデータが、それぞれ対応付けられて記憶される。
また、ゲームデータ記憶部110は、このような情報の他に、ゲームにおいて必要となる、画像データや音楽データ等も記憶している。
なお、ゲームデータ記憶部110は、このようなシナリオデータ等の代わりに、マップデータや設定データ等のデータを記憶してもよい。つまり、ゲームのジャンル(ノベルゲームやアクションゲーム等)に応じて、必要なデータが適宜記憶されているものとする。
そして、上述したカートリッジ12のROM 12a等が、このようなゲームデータ記憶部110として機能しうる。
【0054】
図3に戻って、操作受付部120は、ゲームのプレイ中において、プレイヤによってなされる各種操作を受け付ける。
例えば、操作受付部120は、ゲーム進行の分岐点にて、後述するように、複数のストーリのゲーム画面がそれぞれ並行して表示されている状態で、プレイヤから入力される選択指示(何れかの選択肢の選択)を受け付ける。
また、操作受付部120は、分岐点における選択がなされた後に、処理制御部140(後述する再開管理部143)が管理している選択肢(選択されなかった選択肢)を指定したストーリ(ゲーム画面)の再開指示等を受け付ける。
なお、上述した操作キー17やタッチパネル20が、このような操作受付部120として機能しうる。
【0055】
履歴データ記憶部130は、ゲームをプレイした際の履歴データを記憶する。
例えば、履歴データ記憶部130は、到達した分岐点、その分岐点で選択された項目/選択されなかった項目、及び、プレイしたストーリの進行位置等の履歴データを記憶する。なお、この他にも、履歴データ記憶部130は、ゲームにおいて管理が必要となる、各種ポイント値(経験値、好感度、所持金、体力等)、及び、取得アイテム等のデータも記憶する。
なお、上述したカートリッジ12のRAM 12b等が、このような履歴データ記憶部130として機能しうる。
【0056】
処理制御部140は、進行制御装置100全体を制御する。
例えば、処理制御部140は、画像生成部150を制御してゲーム画面等を生成させ、ゲームを進める。そして、ゲームの進行が分岐点に到達すると、選択肢を提示した後、各選択肢に応じて分岐する各ストーリのゲーム画面を画像生成部150に並行して生成させ、それぞれのゲーム画面を同時に表示させる。その状態で、何れかの選択肢がプレイヤによって選択されると、処理制御部140は、選択された選択肢に対応するストーリのゲーム画面だけを残して、その他のゲーム画面の表示を終了する。つまり、プレイヤが選択した選択肢のストーリが確定し、そのゲーム画面について、プレイが続けられるようになる。また、処理制御部140は、選択されなかったその他のゲーム画面の表示を終了させる際に、選択されなかった選択肢のデータ等も履歴データ記憶部130に記憶し、それらに対応するストーリを再開可能に管理する。つまり、選択したストーリの展開が思わしくない場合等に、履歴データ記憶部130に記憶した選択肢を指定して再開を指示することで、選択しなかった選択肢のストーリのゲームを直ぐさま再開させることができる。
なお、処理制御部140の詳細については、関連する画像生成部150を説明した後に、再び説明する。
なお、上述したCPUコア10a等が、このような処理制御部140として機能しうる。
【0057】
画像生成部150は、処理制御部140に制御され、ゲームの表示画像を生成する。
例えば、画像生成部150は、現在進行しているゲームのゲーム画面を生成する。その後、ゲームの進行が分岐点に到達した際に、図5(a)に示すような選択肢報知画面を表示する。この選択肢報知画面は、到達した分岐点で選択対象となる各項目を、プレイヤに報知するための画面である。
この選択肢報知画面の表示に続いて、報知した選択肢のそれぞれに対応するゲーム画面を並行して生成する。例えば、画像生成部150は、ゲームデータ記憶部110から各選択肢に対応するストーリ(シナリオデータ)をそれぞれ読み出し、図5(b)に示すような異なるストーリのゲーム画面を並行してそれぞれ生成する。この図5(b)は、選択肢が2つの場合の一例を示すものであり、選択肢の数が2より多くなれば、生成するゲーム画面の数も適宜増やしてもよい。例えば、選択肢が4つの場合に、画像生成部150は、4つのゲーム画面を並行してそれぞれ生成する。このように並行して生成されるゲーム画面は、後述するように、処理制御部140(並行制御部141)により、複数の表示部(上述した第1の表示部18及び、第2の表示部19)にて同時に表示される。
また、画像生成部150は、分岐点にてこのような複数のゲーム画面を並行して生成し始めてから、プレイヤの選択がなされないまま所定時間が経過すると、各ゲーム画面の生成を中断して、図5(c)に示すような選択要求画面を表示する。
なお、上述した画像処理部10b等が、このような画像生成部150として機能しうる。
【0058】
図3に戻って、処理制御部140についての説明を再開する。処理制御部140は、より詳細に、並行制御部141、進行制御部142、及び、再開管理部143を含んで構成される。
【0059】
並行制御部141は、ゲームの進行が分岐点に到達して、上述した図5(a)のような選択肢報知画面が表示された後に、選択肢に対応して分岐するそれぞれのストーリを並行して進行させる。つまり、並行制御部141は、画像生成部150を制御して、上述した図5(b)のような異なるストーリのゲーム画面を並行して生成させ、これらを複数の表示部にて同時に表示させる。
具体的に説明すると、図5(b)のような2つのゲーム画面が並行して生成された場合に、並行制御部141は、図6(a)に示すように、第1の表示部18及び、第2の表示部19に各ゲーム画面を割り当てて同時に表示する。
また、これ以外にも、例えば、4つのゲーム画面が並行して生成された場合に、並行制御部141は、図6(b)に示すように、画面分割するなどした第1の表示部18及び、第2の表示部19に縮小した各ゲーム画面を割り当てて同時に表示する。なお、画面分割の数や、ゲーム画面の縮小は、並行して生成されるゲーム画面の数に応じて適宜変更されるものとする。
【0060】
図3に戻って、進行制御部142は、このような複数のゲーム画面を並行して表示している状態で、プレイヤから何れかの選択肢が選択されると、選択された選択肢に対応するストーリのゲーム画面だけをそのまま進行させる。例えば、進行制御部142は、画像生成部150を制御して、選択された選択肢に対応するゲーム画面を引き続き生成させるようにし、他のゲーム画面(選択されなかった選択肢に対応するゲーム画面)の生成を終了させる。
そして、進行制御部142は、選択された選択肢に対応するゲーム画面がメインの表示部(一例として、第1の表示部18)に表示されていなかった場合に、画像生成部150を制御して、そのゲーム画面をメインの表示部に表示させる。
具体的には、図7(a)に示すように、ゲーム(ストーリST01)の進行が分岐点BN01に到達し、ストーリST02及びストーリST05のゲームが並行して進行されている(各ゲーム画面がそれぞれ表示されている)状態で、時刻Tにて、ストーリST02の選択肢が選択された場合、進行制御部142は、そのストーリST02のゲーム画面だけをそのまま進行させる。つまり、選択されなかったストーリST05の進行を終了して、そのゲーム画面の表示を終了する。そのため、プレイヤは、自己が選択したストーリST02のゲーム画面について、プレイを続行することになる。
【0061】
また、進行制御部142は、このような選択がプレイヤによりなされないまま所定時間が経過した場合に、画像生成部150を制御して、各ゲーム画面の生成を中断させると共に、上述した図5(c)のような選択要求画面を表示させる。
例えば、進行制御部142は、図7(b)に示すように、ゲームの進行が分岐点BN01に到達し、時刻T1にて複数のゲーム画面を並行して表示し始めてから、所定の時間Zが経過した時刻T2になると、各ゲーム画面の生成を中断させると共に、メイン画面に選択要求画面を表示させる。
なお、各ゲーム画面の中断及び選択要求画面の表示を行うタイミングは、このような所定時間の経過後に限らず任意である。例えば、進行制御部142は、図7(c)に示すように、並行して生成させているゲーム画面のうち、何れかが所定の場面(シーンn)にまで到達した際に、各ゲーム画面の生成を中断させると共に、メイン画面に選択要求画面を表示させてもよい。
【0062】
図3に戻って、再開管理部143は、選択されなかった選択肢等を履歴データ記憶部130に記憶させ、分岐点にて選択されなかった選択肢に対応するストーリについて再開可能に管理する。
例えば、再開管理部143は、分岐点にてプレイヤにより何れかの選択肢が選択されると、選択されなかった選択肢をその分岐点と対応付けて、履歴データ記憶部130に登録する。その後、プレイヤが選択したゲーム画面について、プレイを続けている際に、所定のキー操作が行われると、再開管理部143は、図8(a)に示すような再開指示画像SSを表示し、選択しなかった選択肢を指定した再開指示が行えるようにする。なお、図8(a)の再開指示画像SSは、直近の分岐点について再開を指示する場合の画像の例であるが、再開を指示するのはこのような直近の分岐点に限られず、他の分岐点(それより以前の分岐点)についても再開を指示できるようにしてもよい。
そして、このような再開指示画像SSに対して、操作受付部120を介してプレイヤから任意の選択肢を指定した再開指示を受け付けると、再開管理部143は、図8(b)に示すように、現在進行させているストーリのゲーム画面G1に代えて、再開が指示された選択肢に対応するストーリのゲーム画面G2を表示させる。
より具体的には、図8(c)に示すように、分岐点BN01における選択で、時刻T3に、プレイヤがストーリST02のゲーム画面を選択した場合、再開管理部143は、選択されなかったストーリST05の選択肢を分岐点BN01と対応付けて、履歴データ記憶部130に登録する。その後、ストーリST02のゲーム画面をプレイしていたプレイヤが、分岐点BN01の選択を誤ったと判断すると、所定のキー操作を行い、図8(a)のような再開指示画像SSを表示させる。そして、時刻T4にて、分岐点BN01にて選択しなかったストーリST05の選択肢を選択して再開を指示すると、ストーリST02の進行を終了し、代わりに、ストーリST05の進行を再開する。この際、分岐点BN01でのストーリST05の進行分に関わりなく、先頭から再開する。なお、再開の位置は、このような先頭からに限られず、適宜変更可能である。例えば、ストーリST02の進行分以降から再開してもよい。
このように、再開管理部143は、進行制御部142を制御して、再開が指示された選択肢のストーリ(シナリオデータ)を読み込ませ、そのストーリの再開を行わせる。そのため、進行制御部142は、今までのゲーム画面に代わり、再開が指示されたストーリのゲーム画面を画像生成部150に生成させる。
これにより、プレイヤは、従来のように、セーブポイント等からやり直さなくとも、選択しなかった方のストーリをプレイすることができる。
【0063】
(進行制御装置の動作の概要)
以下、このような構成の進行制御装置100の動作について説明する。一例として、マルチストーリゲームを実行する進行制御装置100の動作を、図面を参照して説明する。より詳細には、ゲーム中の分岐点にて分岐先となるそれぞれストーリの内容を比較可能に提示する進行制御装置100の動作を、図9を参照して説明する。この図9は、進行制御装置100にて実行される進行制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
まず、進行制御装置100は、現在のストーリに沿ったゲーム画面を表示する(ステップS201)。
すなわち、処理制御部140は、現在進行しているストーリのシナリオデータをゲームデータ記憶部110から読み出し、画像生成部150を制御してゲーム画面を生成させながら、ゲームを進める。
【0065】
進行制御装置100は、分岐点に到達したか否かを判別する(ステップS202)。
すなわち、処理制御部140は、ゲームデータ記憶部110に記憶される分岐点のデータを参照しながら、ゲームの進行が分岐点に到達したかどうかを判別する。
分岐点に到達していないと判別すると(ステップS202;No)、進行制御装置100は、後述するステップS210に処理を進める。
【0066】
一方、分岐点に到達したと判別した場合に(ステップS202;Yes)、進行制御装置100は、選択報知画面を提示する(ステップS203)。
すなわち、処理制御部140は、画像生成部150を制御して、上述した図5(a)に示すような選択報知画面を生成させる。つまり、その分岐点における選択肢を提示して、何れかの項目を選択できる状態となったことをプレイヤに報知する。
なお、この状態で、直ぐさま何れかの項目がプレイヤから選択された場合に、後述するステップS204等の処理を省いて、後述するステップS209に処理を進めてもよい。
【0067】
進行制御装置100は、選択報知画面を提示した後に、各選択肢に応じて分岐するそれぞれのストーリに沿ったゲーム画面を表示する(ステップS204)。
すなわち、処理制御部140は、上述した図7(a)に示すような分岐点に到達すると、画像生成部150を制御して、上述した図5(a)のような選択報知画面を表示させた後、上述した図5(b)のような異なるストーリ(選択肢に対応するストーリ)のゲーム画面を並行して生成させ、これらを上述した図6(a),(b)に示すように、各表示部(第1の表示部18及び、第2の表示部19)にそれぞれ割り当てて同時に表示する。
【0068】
進行制御装置100は、プレイヤにより選択指示がなされたか否かを判別する(ステップS205)。
すなわち、処理制御部140は、操作受付部120にて選択指示を受けたかどうかを判別する。例えば、並行して表示されているゲーム画像に対応するボタン(選択項目に対応するボタン)の押下等が、プレイヤによってなされたかどうかを判別する。
進行制御装置100は、選択指示がなされたと判別すると(ステップS205;Yes)、後述するステップS209に処理を進める。
【0069】
一方、選択指示がなされていないと判別した場合に(ステップS205;No)、進行制御装置100は、並行するゲーム画像の表示を開始してから所定時間が経過したか否かかを判別する(ステップS206)。
すなわち、処理制御部140は、上述した図7(b)に示すように、時刻T1にて複数のゲーム画面を並行して表示し始めてから、所定の時間Zが経過したかどうかを判別する。なお、処理制御部140は、経過時間の代わりに、上述した図7(c)に示すように、所定の場面(シーンn)までゲームが進行したかどうかを判別してもよい。
処理制御部140は、所定時間が経過していないと判別すると(ステップS206;No)、上述したステップS204に処理を戻し、並行したゲーム画面の表示を続ける。
【0070】
一方、並行した表示を開始してから所定時間が経過したと判別した場合に(ステップS206;Yes)、進行制御装置100は、選択要求画面を提示する(ステップS207)。
すなわち、処理制御部140は、画像生成部150を制御して、各ゲーム画面の生成を中断させると共に、上述した図5(c)のような選択要求画面を表示させる。
【0071】
進行制御装置100は、選択指示を受け付けるまで待機する(ステップS208)。
すなわち、処理制御部140は、操作受付部120にて選択指示を受けていない間(ステップS208;No)、後続する処理の実行を停止する。
【0072】
一方、選択指示を受けたと判別した場合(ステップS208;Yes)、若しくは、上述したステップS205にて選択指示を受けたと判別した場合(ステップS205;Yes)に、進行制御装置100は、選択されたストーリを、プレイを続けるストーリとして確定し、選択されなかったストーリを、再開可能に管理する(ステップS209)。
すなわち、選択された選択肢に対応するストーリのゲーム画面だけをそのまま進行させる。つまり、処理制御部140は、上述した図7(a)に示すように、何れかのゲーム画面(ストーリ)の選択肢が選択されると、画像生成部150を制御して、選択された選択肢に対応するゲーム画面(この場合、ストーリST02のゲーム画面)を引き続き生成させるようにし、他のゲーム画面(この場合、選択されなかったストーリST05のゲーム画面)の生成を終了させる。
そして、処理制御部140は、選択された選択肢に対応するゲーム画面がメインの表示部(一例として、第1の表示部18)に表示されていなかった場合に、画像生成部150を制御して、そのゲーム画面をメインの表示部に表示させる。
また、処理制御部140は、選択されなかった選択肢等を履歴データ記憶部130に記憶させ、選択されなかった選択肢に対応するストーリについて再開可能に管理する。例えば、再開管理部143は、選択されなかった選択肢を分岐点と対応付けて、履歴データ記憶部130に登録する。
そして、進行制御装置100は、上述したステップS201に処理を戻す。
【0073】
また、上述したステップS202にて、分岐点に到達していない(ステップS202:No)と判別された場合に、進行制御装置100は、再開指示がなされたか否かを判別する(ステップS210)。
すなわち、上述したステップS209にて、選択されなかった選択肢(ストーリ)が管理されている状態で、プレイヤによる所定のキー操作により、選択されなかった選択肢を指定した再開指示がなされたかどうかを判別する。例えば、上述した図8(c)に示すように、分岐点BN01における選択を時刻T3にて行ったプレイヤが、分岐点BN01の選択を誤ったと判断した場合に、所定のキー操作を行い、上述した図8(a)のような再開指示画像SSを表示させる。そして、このような再開指示画像SSにて、任意の選択肢が指定された場合に、再開指示がなされたと判別する。
進行制御装置100は、再開指示がなされていないと判別すると(ステップS210;No)、上述したステップS201に処理を戻し、ゲーム画面の表示を続ける。
【0074】
一方、再開指示がなされたと判別した場合に(ステップS210;Yes)、進行制御装置100は、再開された選択肢のシナリオデータを読み込む(ステップS211)。
すなわち、再開管理部143は、進行制御部142を制御して、再開が指示された選択肢のシナリオデータを読み込ませ、そのストーリの再開を行わせる。例えば、上述した図8(c)に示すように、時刻T4にて、分岐点BN01にて選択しなかったストーリST05の選択肢を選択して再開を指示すると、再開管理部143は、ストーリST02の進行を終了し、代わりに、ストーリST05の進行を再開する。そのため、進行制御部142は、上述した図8(b)に示すように、今までのゲーム画面G1に代わり、再開が指示されたストーリのゲーム画面G2を画像生成部150に生成させる。
そして、進行制御装置100は、上述したステップS201に処理を戻し、ゲーム画面の表示を続ける。
【0075】
こうして、ゲームの進行が終端に達すると、進行制御装置100は、対応する所定のエンディング画面を表示し、必要な情報を保存するなどして、進行制御処理を終えるものとする。
【0076】
このような、進行制御処理において、選択肢に応じて分岐するストーリ(ゲーム画面)が、プレイヤが選択する前に、並行して(同時に)表示される。このため、プレイヤは、その後の展開を予想し易くなり、また、各ゲーム画面を比較することにより、より好ましい展開となり得るストーリを特定し易くなる。このような状態で、十分に吟味して選択肢を選択できるため、選択の誤りを低減させることができる。
【0077】
この結果、ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することができる。
【0078】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、分岐点において、選択肢に応じた各ゲーム画像をそのまま表示する場合について説明したが、ゲーム画像を加工して表示することで、分岐先となるストーリの提示を少なめにしてもよい。
以下、分岐先となるストーリの提示を少なめにすることを特徴とした進行制御装置について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の他の実施形態に係る進行制御装置300の概要構成を示すブロック図である。
【0079】
図10に示すように、進行制御装置300は、ゲームデータ記憶部110と、操作受付部120と、履歴データ記憶部130と、処理制御部140と、画像生成部350とを備える。
つまり、上述した図3の進行制御装置100における画像生成部150を、並行表示時に加工を行う画像生成部350に置き換えた構成となっている。そのため、ゲームデータ記憶部110〜処理制御部140の構成については、上述した進行制御装置100と同様である。
【0080】
画像生成部350は、画像加工部351を含んで構成される。
画像加工部351は、分岐点にて、選択肢に応じた異なるストーリのゲーム画像を並行して生成する際に、各ゲーム画像を視認し難く加工する。
例えば、画像加工部351は、図11(a)に示すように、生成したゲーム画像にノイズを加えて加工し、プレイヤによる視認性を下げる。また、画像加工部351は、図11(b)に示すように、生成したゲーム画面の明度を下げて加工し、プレイヤによる視認性を下げてもよい。
なお、これらの加工手法は一例であり、この他にもモザイク処理を加えるなどして、ゲーム画面の視認性を下げてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせて、ゲーム画面の視認性を下げてもよい。
【0081】
このように、分岐点にて並行して生成される各ゲーム画面が、それぞれ視認し難くく加工されて表示されるため、分岐先となる各ストーリの内容を少なめに提示することができる。
これにより、分岐点における選択肢の選択が必要以上に簡単とならないようにすることができる。
【0082】
上記の実施の形態では、2つの表示部を有する携帯型のゲーム装置1に本発明が適用される場合について説明したが、このようなゲーム装置1に限られず他の装置にも適宜適用可能である。
例えば、1つの表示部に画面分割により、各ゲーム画面を並行して(同時に)表示してもよい。また、パソコン等においても、複数のウインドウのそれぞれにゲーム画面を割り当てて、それらを同時に表示させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明によれば、ゲームにおける分岐点でのプレイヤによる選択の誤りを適切に低減することのできるゲーム装置、ゲーム制御方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ゲーム装置
10 処理制御部
11 コネクタ
12 カートリッジ
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
100,300 進行制御装置
110 ゲームデータ記憶部
120 操作受付部
130 履歴データ記憶部
140 処理制御部
150,350 画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するゲーム装置であって、
ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢、及び、当該各選択肢に対応した複数のゲームデータが記憶されているデータ記憶部と、
実行中のゲームが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各ゲームデータに基づく複数のゲームをそれぞれ並行して実行させる並行制御部と、
並行して実行させている前記各ゲームに対応する前記各選択肢の何れかの選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記選択肢に対応する前記ゲームだけをそのまま実行させる制御部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲームのストーリが分岐するゲーム装置であって、
ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢、及び、当該各選択肢に対応した複数のシナリオデータが記憶されているデータ記憶部と、
進行中のストーリが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各シナリオデータに基づく複数のストーリをそれぞれ並行して進行させる並行制御部と、
並行して進行させている前記各ストーリに対応する前記各選択肢の何れかの選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記選択肢に対応する前記ストーリだけをそのまま進行させる進行制御部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
選択されなかった前記選択肢に対応する前記ストーリを再開可能に管理する再開管理部を更に備え、
前記進行制御部は、選択されなかった前記選択肢に対応する前記ストーリの進行を終了させると共に、終了させた前記ストーリの前記選択肢を、前記再開管理部に登録する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置であって、
前記再開管理部に登録されている何れかの前記選択肢を指定し、当該指定した前記選択肢に対応する前記ストーリの再開を指示する再開指示部を更に備え、
前記再開管理部は、前記再開指示部の指示に応答して、前記進行制御部が現在進行させているストーリに代えて、前記再開指示部により再開が指示された前記ストーリを進行させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置であって、
前記並行制御部は、前記各選択肢に対応した前記各ストーリを、それぞれ所定の経過時間までに限り、並行して進行させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか1項に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム装置は、複数の表示部を備えており、
前記並行制御部は、前記各選択肢に対応した前記各ストーリの表示を、前記各表示部に個別に割り当て、それぞれを並行して進行させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、データ記憶部、並行制御部、選択受付部、及び、制御部を有し、当該データ記憶部には、ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢、及び、当該各選択肢に対応した複数のゲームデータが記憶されており、
前記並行制御部が、実行中のゲームが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各ゲームデータに基づく複数のゲームをそれぞれ並行して実行させる並行制御ステップと、
前記選択受付部が、並行して実行させている前記各ゲームに対応する前記各選択肢の何れかの選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記制御部が、選択された前記選択肢に対応する前記ゲームだけをそのまま実行させる制御ステップと、備える、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
プレイヤにより選択される選択肢に応じてゲーム内容が変化するコンピュータを、
ゲームにおける分岐点、当該分岐点にて選択可能な複数の選択肢、及び、当該各選択肢に対応した複数のゲームデータが記憶されているデータ記憶部、
実行中のゲームが分岐点に到達した際に、当該分岐点の各選択肢に対応した各ゲームデータに基づく複数のゲームをそれぞれ並行して実行させる並行制御部、
並行して実行させている前記各ゲームに対応する前記各選択肢の何れかの選択を受け付ける選択受付部、
選択された前記選択肢に対応する前記ゲームだけをそのまま実行させる制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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