説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】キャラクターを移動しつつ選択肢を選択するゲームにおいて、プレイヤーによる操作入力を簡易に行うゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置301において、入力受付部305で移動指示操作が受け付けられると、位置更新部306がその種類に合わせて位置記憶部302に記憶されるキャラクターの位置を更新するほか、候補更新部307が候補記憶部303に記憶される選択肢における現在の候補を巡回的な順序で更新し、表示部304がキャラクターの様子と現在の候補を画面に表示し、決定指示操作が受け付けられると出力部308が現在の候補を選択結果として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクターを移動しつつ選択肢を選択するゲームにおいて、プレイヤーによる操作入力を簡易に行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のゲームにおいては、プレイヤーの操作入力に応じて仮想空間内に配置されるキャラクターを移動させる技術が広く用いられている。たとえば、上下左右への移動を意味する方向キーを押圧操作すると、当該方向へキャラクターが押圧操作の回数や時間長に応じた距離だけ、当該仮想空間を移動する、というものである。
【0003】
一方で、このようなゲームにおいて、キャラクターの装備を変更する等各種の設定を行ったり、ゲームにおいて問題を出題して、その中からいずれか正解を回答させるクイズなどを実行するために、選択肢を表示して、この中からいずれかを選択させる、という技術も広く用いられている。
【0004】
このような、複数の選択肢候補の中からいずれかを選択される技術については、以下の文献に開示されている。
【特許文献1】特開2004−227089号公報
【0005】
ここで、[特許文献1]に開示される技術では、ユーザから過去に入力された文字列の履歴を入力する候補として表示し、この候補の中から文字列を選択することで、効率良い文字列入力を行う技術が開示されている。
【0006】
このような選択肢の選択の際には、画面に一覧表示された選択肢のいずれかを現在の選択の候補として指し示すカーソルを画面に表示し、このカーソルを方向キーを用いて移動させた後、リターンキーや○ボタンなどを押圧操作してカーソルが指している現在の候補を最終的な選択結果とするのが一般的である。
【0007】
したがって、キャラクターを移動させるモードと、選択肢の中でカーソルを移動させるモードと、の2つのモードを用意し、プレイヤーがコントローラやキーボードなどを操作して、2つのモードを切り替えるのが一般的であった。このようなモード付きの選択入力は、現在のモードをプレイヤーが意識する必要があり、一方のモードにあるときは他方のモードにおける操作ができないという特徴がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ゲームの種類や想定するユーザ層によっては、プレイヤーに現在の入力モードを意識させないようにしたい場合も多い。
【0009】
また、マウスとアイコンを用いたGUI(Graphical User Interface)では、モードのない(modeless;モードレス)操作体系が好まれることもあり、ゲームの内容や習慣に適したモードレスな新しい入力操作体系に対する要望もある。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、キャラクターを移動しつつ選択肢を選択するゲームにおいて、プレイヤーによる操作入力を簡易に行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0012】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、位置記憶部、候補記憶部、表示部、入力受付部、位置更新部、候補更新部、出力部を備え、以下のように構成する。
【0013】
すなわち、位置記憶部は、仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する。
【0014】
当該キャラクターは、いわゆる「プレイヤーキャラクター」に相当するものであり、ゲーム内においてプレイヤーの意図に沿って行動するキャラクターである。仮想空間における位置の情報は、地面に相当する2次元平面を格子状や蜂の巣状に区切り、いずれの桝目にそのキャラクターがいるか、を記憶することとしても良いし、3次元空間においてそのキャラクターが配置される座標により表現することとしても良い。
【0015】
一方、候補記憶部は、巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する。
【0016】
本発明では、選択肢の間には、巡回的な順序が定められている。たとえば、A、B、C、Dの4つの選択肢が存在するときの典型的な巡回的順序は、A→B→C→D→A→B→C→D→A→B→C→D→A→B→C→D→…である。
【0017】
すなわち、ある選択肢に対して次の選択肢が一意に定まり、次へ次へと選択肢を辿っていくと、全選択肢を走査できるのである。また、このような巡回的順序では、「次」の反対である「前」も定まるのが一般的である。
【0018】
上記の例の巡回的順序の逆順(前へ前へと辿る順)は、D→C→B→A→D→C→B→A→D→C→B→A→D→C→B→A→…である。
【0019】
一方、表示部は、候補記憶部に記憶される現在の候補と、当該仮想空間内において位置記憶部に記憶される位置に配置されるキャラクターと、を表す画像を表示する。
【0020】
キャラクターの画像は、たとえばゲームのマップ表示などのように、仮想空間の全景の中で当該キャラクターがどの位置に配置されているかを表示する場合もあるし、キャラクターの目の位置やキャラクターの背後の位置に配置された視点からキャラクターへ向かう視線の方向へ仮想世界を見た様子を3次元グラフィックスで表示する等、種々の技術を適用することができる。
【0021】
また、候補の表示手法としては、選択肢を一覧表示して、その中のいずれの選択肢が現在の候補となっているかをカーソルで表示する手法のほか、現在の候補のみを表示し、それ以外の選択肢は画面に表示しない、という手法を採用しても良い。
【0022】
さらに、入力受付部は、プレイヤーによる移動指示操作、もしくは、決定指示操作の入力を受け付ける。
【0023】
移動指示操作としては、コントローラやキーボードの方向キー・矢印キーの押圧操作や、ジョイスティックを所望の方向へ倒す操作を割り当てるのが典型的である。この場合、移動指示操作には、どの方向に移動するのかを表す種類が割り当てられている。後述するように、移動指示操作によって、キャラクターの移動と現在の候補の変更(上記の巡回順序に基づく移動)の両方が行われる。
【0024】
一方、決定指示操作には、コントローラの○ボタンやキーボードのリターンキー、ジョイスティックをその棒の方向へ押し込む操作などを割り当てるのが典型的である。後述するように、決定指示操作によって、選択肢のうち、画面に現在の候補として表示されているものを選択した旨が決定される。
【0025】
さらに、位置更新部は、受け付けられた入力が移動指示操作である場合、当該移動指示操作の種類に基づいて、位置記憶部に記憶されるキャラクターの位置を更新する。
【0026】
典型的には、移動指示操作に対応付けられるキーやボタンの押圧操作、ジョイスティックの曲げ操作の回数や時間に比例する距離だけ、キャラクターをその方向に移動させるが、キャラクターの移動範囲に制限がある場合には、それ以上キャラクターを移動させないこととしても良い。
【0027】
一方、候補更新部は、受け付けられた入力が移動指示操作である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新する。
【0028】
すなわち、キャラクターを移動する操作を行うと、これにともない、順次候補が入れ替わることになる。従来の手法では、キャラクターを移動するモードでは、移動指示操作はキャラクターを移動させるだけであり、選択肢からいずれかを選択するモードでは、(同じ)移動指示操作を行っても現在の候補が変更されるだけであった。
【0029】
本発明では、キャラクターを移動させようとして移動指示操作を行うと、これにともなって現在の候補も変更されるし、現在の候補を変更しようとして移動指示操作を行うと、これにともなってキャラクターも移動される。
【0030】
また、選択肢には巡回的な順序が定められているから、何らかの移動指示入力を行うと、次から次へと選択肢を辿ることになり、すべての選択肢を走査することができる。
【0031】
したがって、ユーザは、キャラクターを移動するモードや選択肢からいずれかを選択するモードを意識する必要がなく、モードレスな入力が可能となる。
【0032】
一方、出力部は、受け付けられた入力が決定指示操作である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、ユーザにより選択された選択肢として出力する。
【0033】
すなわち、画面に表示されている現在の候補が所望の選択肢である場合に、ユーザは、○ボタンやリターンキー、ジョイスティックの押し込み操作などによって、その候補を選択するのである。
【0034】
本発明によれば、移動指示操作に2つの役割を同時に与え、キャラクターの移動と選択肢の現在の候補の変更とが、共通する移動指示操作にて同時に行われるようにし、所望の候補が画面に表示されたらこれを決定指示操作で選択することとして、ユーザは、簡易に指示入力を行うことができるようになる。
【0035】
また、本発明のゲーム装置において、当該移動指示操作には、第1種と第2種の2種類があり、候補更新部は、当該移動指示操作が第1種である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新し、当該移動指示操作が第2種である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で前の選択肢に更新するように構成することができる。
【0036】
たとえば、移動指示入力の種類に上下左右の4方向が存在する場合、キャラクターは当該方向に移動される。ここで、本願に係る上記のゲーム装置の発明においては、上下左右いずれの移動指示入力があったとしても、現在の候補を、次の選択肢に移動する、と想定している。
【0037】
一方、本発明は、たとえば、移動指示入力が、下か右(いずれも、第1種の操作入力。)の場合には次の選択肢に移動し、上か左(いずれも、第2種の操作入力。)の場合には前の候補に移動する、というものである。
【0038】
本発明によれば、移動指示入力を、選択肢の現在の候補を正方向に移動させるものと、逆方向に移動させるものと、に、グループ分けし、たとえば、ユーザの操作中に候補が行き過ぎた場合でも、簡単に候補を元に戻して、所望の候補を選択できるようになる。
【0039】
また、本発明のゲーム装置は、以下のように構成することができる。
【0040】
すなわち、位置更新部は、当該移動指示操作が当該第1種である場合、当該キャラクターを当該仮想空間内における第1の向きに移動させるように更新し、当該移動指示操作が当該第2種である場合、当該キャラクターを当該仮想空間内における第1の向きとは反対の第2の向きに移動させるように更新する。
【0041】
たとえば、キャラクターを右(第1の向き)に移動させるのが第1種(右キー)、左(第2の向き)に移動させるのが第2種(左キー)、などのように設定することが可能であり、矢印キーの向きとキャラクターの移動の向きとを一致させるのは、ユーザの操作性を向上させる上で広く行われている手法である。
【0042】
一方、表示部は、受け付けられた入力が当該第1種の移動指示操作である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該画面内の候補表示位置へ当該第1の向きに移動させて表示し、受け付けられた入力が当該第2種の移動指示操作である場合、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該画面内の候補表示位置へ当該第2の向きに移動させて表示する。
【0043】
上記の例では、第1種(右キー)の移動指示入力があると、候補は次へ進むことになるが、この際に新しい候補が、左から右へ(第1の向き)移動しながら画面に表示されることになる。すなわち、ユーザには、選択肢の一覧が右へスクロールするように見える。
【0044】
一方、第2種(左キー)の移動指示入力があると、候補は前へ戻ることになるが、この際に新しい候補が、右から左へ(第2の向き)移動しながら画面に表示されることになる。すなわち、ユーザには、選択肢の一覧が左へスクロールするように見える。
【0045】
このように、本発明では、選択指示入力の種類と、キャラクターの移動方向・選択肢における候補表示のスクロール方向を一致させることができるため、ユーザは直観的な操作ができるようになる。
【0046】
また、本発明のゲーム装置において、当該仮想空間内における当該キャラクターが配置可能な限界があらかじめ定められ、位置更新部は、当該移動指示操作が、当該キャラクターに当該限界を超えさせようとするものである場合、位置記憶部に記憶される当該キャラクターの位置をそのまま維持し、候補更新部は、位置記憶部に記憶される当該キャラクターの位置が維持される場合、候補記憶部に記憶される現在の候補をそのまま維持するように構成することができる。
【0047】
すなわち、キャラクターの移動可能な範囲が定められている場合である。たとえば、キャラクターが移動可能な右端に到達した場合に、右キーを押圧操作したとすると、本願に係る上記のゲーム装置の発明においては、キャラクターが移動されないにもかかわらず、候補が変更されることを想定しているが、本発明では、キャラクターが移動できない場合には、候補の変更も生じない。
【0048】
このように、本発明によれば、キャラクターの移動と選択肢の中における現在の候補の移動とを連動されるので、ユーザは直観的な操作ができるようになる。
【0049】
また、本発明のゲーム装置において、候補記憶部に記憶される複数の選択肢には、あらかじめ1つの課題が対応付けられ、表示部は、当該対応付けられた1つの課題と、当該現在の候補と、を、出力部が当該ユーザにより選択された選択肢を出力するまで表示するように構成することができる。
【0050】
本発明は、上記発明をクイズに適用するものであり、課題としてクイズの問題が提示され、プレイヤーがこれに解答する際に、正解するまで問題と選択肢の候補が画面に表示される、というものである。正解すると、問題と選択肢の候補の表示は停止され、仮想空間におけるキャラクターの表示(のみ)がされるとするのが典型的である。
【0051】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るもので、複数の選択肢からいずれかを選択する手法をキャラクターを移動させつつ解答を行うクイズゲームに適用し、軽快な操作感をユーザに提供することができるようになる。
【0052】
本発明のその他の観点に係るゲーム制御方法は、仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する位置記憶部、巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する候補記憶部、表示部、入力受付部、位置更新部、候補更新部、出力部を備えるゲーム装置にて実行され、表示工程、入力受付工程、位置更新工程、候補更新工程、出力工程を備え、以下のように構成する。
【0053】
すなわち、表示工程では、表示部が、候補記憶部に記憶される現在の候補と、当該仮想空間内において位置記憶部に記憶される位置に配置されるキャラクターと、を表す画像を表示する。
【0054】
一方、入力受付工程では、入力受付部が、プレイヤーによる移動指示操作、もしくは、決定指示操作の入力を受け付ける。
【0055】
さらに、位置更新工程では、受け付けられた入力が移動指示操作である場合、位置更新部が、当該移動指示操作の種類に基づいて、位置記憶部に記憶されるキャラクターの位置を更新する。
【0056】
そして、候補更新工程では、受け付けられた入力が移動指示操作である場合、候補更新部が、候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新する。
【0057】
一方、出力工程では、受け付けられた入力が決定指示操作である場合、出力部が候補記憶部に記憶される現在の候補を、ユーザにより選択された選択肢として出力する。
【0058】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記のゲーム装置の各部として機能させ、コンピュータに上記のゲーム制御方法の各工程を実行させるように構成する。
【0059】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0060】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、キャラクターを移動しつつ選択肢を選択するゲームにおいて、プレイヤーによる操作入力を簡易に行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0063】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0064】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM 102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェイス104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マイク111と、を備える。
【0065】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の画像生成装置が実現される。
【0066】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0067】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0068】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0069】
インターフェイス104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。本図では、コントローラ105として上下左右を示す操作入力等、各種のボタンが用意された図示しているが、後述するようなレーザポインタや指示棒の代わりとなるようなコントローラを採用することも可能であるし、マウスやキーボードなどをコントローラとして使用しても良い。
【0070】
図2は、コントローラ105の外観を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0071】
コントローラ105の左方には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204が配置されている。
【0072】
右方には、決定操作入力を行うのに利用される○ボタン205、取消操作入力を行うのに利用される×ボタン206、メニュー表示等の指示入力を行うのに利用される△ボタン207、その他の指示入力を行うのに利用される□ボタン208が配置されている。
【0073】
もっとも、本発明では、メニューを表示したモードと、メニューを表示しないモードと、の切り分けを行わない手法を採用するため、△ボタン207の役割の重要性は、従来の場合に比べて低くなっている。
【0074】
さてコントローラ105の中央には、SELECTボタン209、STARTボタン210のほか、アナログ入力の開始・停止を指示するためのANALOGボタン211、および、アナログ入力が有効か無効かを表示するためのインジケータ212が配置されている。
【0075】
また中央下部には、上下左右に限らない方向に大きさを伴う指示入力を行うためのジョイスティック213、214が配置されている。
【0076】
さらに、上方には、各種の指示入力に用いることができるL1ボタン215、L2ボタン216、R1ボタン217、R2ボタン218が配置されている。
【0077】
コントローラ105の各ボタン201〜208、215〜218には、圧力センサが配備され、アナログ入力が有効となっている場合には、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができるほか、ユーザの押圧操作の圧力の大きさを0〜255の256段階で得ることができる。
【0078】
コントローラ105のジョイスティック213、214は、ひずみゲージが配備され、これらがどの方向にどれだけ曲げられているか、を検知することができる。
【0079】
図1に戻り、インターフェイス104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0080】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0081】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0082】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0083】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0084】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0085】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0086】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0087】
音声処理部110では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0088】
さらに、情報処理装置100には、インターフェイス104を介してマイク111を接続することができる。この場合、マイク111からのアナログ信号に対しては、適当なサンプリング周波数でA/D変換を行い、PCM形式のディジタル信号として、音声処理部110でのミキシング等の処理ができるようにする。
【0089】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0090】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0091】
たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0092】
図3は、本発明の実施形態の一つに係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0093】
本実施形態に係るゲーム装置301は、位置記憶部302、候補記憶部303、表示部304、入力受付部305、位置更新部306、候補更新部307、出力部308を備える。
【0094】
まず、位置記憶部302は、仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する。一方、候補記憶部303は、巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する。したがって、RAM 103は、位置記憶部302および候補記憶部303として機能する。
【0095】
以下では、当該ゲーム装置301が、アクション的要素を含むクイズゲームとして機能する場合を例として取り上げて説明する。
【0096】
したがって、位置記憶部302に位置が記憶されるキャラクターは、プレイヤーキャラクターに相当するものである。一方、クイズの問題文と、当該問題に対する解答の複数の選択肢と、その選択肢の中の正解と、がセットになって、あらかじめDVD−ROM等に記憶されており、候補記憶部303には、これらのうちからランダムに決定されたセットがDVD−ROM等からRAM 103に読み出されることになる。
【0097】
図4は、本実施形態に係るゲーム装置301の画面表示の例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0098】
画面401最下段には、候補表示領域402が配置され、ここに、現在の候補を表す四角型の枠403が表示されている。候補表示領域402には、現在の候補である選択肢404の全体が、四角形の枠403に囲まれて表示されているほか、その前および次の候補の選択肢404の一部が、それぞれ表示されており、現在の選択肢が変化するときには、これらの選択肢404の表示部分が横にスクロールする。
【0099】
候補表示領域402の上には、キャラクター移動可能領域405が配置されている。キャラクター406は、この中を左右に動くことができる。したがって、キャラクター406の移動は一次元的なものであり、その位置は、当該画面401内におけるキャラクター406の横座標値で表現することが可能である。
【0100】
画面401最上段には、問題表示領域407が配置されており、ここには、クイズの問題文408が表示されている。
【0101】
問題表示領域407の下端からキャラクター移動可能領域405の下端までの間には、アクションゲーム用に、攻撃アイコン409と報酬アイコン410が表示される。攻撃アイコン409と報酬アイコン410とは、問題表示領域407の下端でランダムに発生し、キャラクター移動可能領域405へ向かって時間とともに移動し、キャラクター移動可能領域405に至ると消滅する。
【0102】
また、攻撃アイコン409がキャラクター406に衝突すると、キャラクター406の得点パラメータが減少し、報酬アイコン410がキャラクター406に衝突すると、キャラクター406の得点パラメータが増加する。
【0103】
このほか、クイズに正解すると、キャラクター406の得点パラメータが増加し、ゲームを開始してから、一定時間が経過したり、クイズの不正解が所定の閾回数に至ったり、得点パラメータが0になると、ゲームが終了する。
【0104】
現在のキャラクター406の得点パラメータは、画面401内の得点表示領域411に表示される。
【0105】
さて、本例におけるクイズの問題は、
日本最南端の島の都道府県は?
であり、このクイズは四択問題となっていて、その選択肢は、
(0)沖縄県
(1)東京都
(2)鹿児島県
(3)長崎県
の4つとなっている。なおここでは、理解を容易にするため、順番を表す数字はゼロ・オリジンで表現している。
【0106】
この選択肢を次へ次へと辿ったときの巡回的順序は、
(0)沖縄県→(1)東京都→(2)鹿児島県→(3)長崎県→(0)沖縄県→(1)東京都→(2)鹿児島県→(3)長崎県→…
とできるから、前へ前へと辿ったときの巡回的順序は、
(3)長崎県→(2)鹿児島県→(1)東京都→(0)沖縄県→(3)長崎県→(2)鹿児島県→(1)東京都→(0)沖縄県→…
となる。
【0107】
すなわち、0番目から(M-1)番目までの複数(M個)の選択肢がある場合に、i番目の選択肢の「次」は、(i+1) mod M番目の選択肢であり、i番目の選択肢の「前」は、(i-1) mod M番目の選択肢である。ここでmodは、割り算の余りを求める演算であり、
a mod b = a (0≦a<b);
= (a-b) mod b (b≦a);
= (a+b) mod b (a<0)
のような再帰的な計算によって定義される。
【0108】
以下では、この例に基づいて、ゲーム装置301について、さらに詳細に説明する。
【0109】
図5、図6は、本発明のゲーム装置301にて実行されるゲーム処理の制御の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0110】
ゲーム処理が開始されると、情報処理装置100のCPU 101は、各種の初期化を行う(ステップS501)。この初期化には、RAM 103内に用意された位置記憶部302および候補記憶部303の初期化も含まれる。
【0111】
位置記憶部302には、上記のように、仮想空間内におけるキャラクター406の位置の情報が記憶されるが、本実施形態では、キャラクター406は、画面401内を水平方向に移動するのみであるので、縦方向の座標値yは、定数hであると考えることができるから、画面401内の横方向の座標値xのみを記憶すれば十分である。したがって、一般に、画面401の横幅をWドットとしたとき、0≦x≦W-1が成立する。初期値としては、
x←W/2
とし(ここで、「←」は代入を意味する。)、画面中央の所定の高さ(y座標値はh)にキャラクター406の位置を初期値として定めるのが典型的であるが、このほかの値を初期値としても良いし、乱数により設定することとしても良い。
【0112】
また、候補記憶部303には、この初期化段階では、選択肢は一つも記憶されておらず、したがって、現在の候補も設定されていないものとするのが典型的である。本実施形態は、クイズアクションゲームに係るものであるから、以降に説明する処理により、必要に応じてクイズの問題と選択肢がDVD−ROMから読み出されることになる。
【0113】
理解を容易にするため、クイズの問題は文字列qに、選択肢は文字列配列s[]に、読み出されるものとする。また、現在の選択肢の数は変数Nに読み出され、現在の候補のインデックスは変数pにより参照する。したがって、ステップS501の初期化の段階では、
N←0; p←0
とするのが典型的である。
【0114】
このほか、この初期化段階で、キャラクター406以外のオブジェクトの初期化を行う必要がある。本実施形態では、攻撃アイコン409と報酬アイコン410が、キャラクター406以外に処理すべきオブジェクトということになる。
【0115】
本実施形態では、攻撃アイコン409と報酬アイコン410は、一定の速度で画面401を上から下に進み、その水平方向の位置はランダムに定められる。したがって、キャラクター406以外のオブジェクトを処理するため、RAM 103には、以下の情報を記憶するための領域が用意される。
(1)オブジェクトの数。
(2)当該オブジェクトのそれぞれの情報を記憶するための配列。当該配列の各要素には、1つのオブジェクトについての情報が記憶される。
【0116】
また、1つのオブジェクトについての情報として、少なくとも、以下が記憶される。
(a)当該オブジェクトが、攻撃アイコン409か報酬アイコン410かを示す種類情報。
(b)当該オブジェクトのx座標とy座標。
【0117】
このほか、以降に説明する処理はいわゆるループ構造をなしているが、RAM 103には、このループの前回の繰り返し単位において、コントローラ105のボタンのいずれかが押圧操作されていたか否かを示すフラグ変数rが用意されている。変数rには、直前の繰り返しでボタンがいずれも解放されていた(「直前解放」)、もしくはいずれかのボタンが押圧操作されていた(「直前押圧」)のいずれかの値(を意味する定数)が代入される。初期化の段階では、変数rは「直前解放」としておくのが典型的である。
【0118】
また、プレイヤーの得点を記録する領域を確保しておき、ここに初期値として0や適当な正の値の持ち点を代入しておくのが典型的である。
【0119】
初期化が完了したら、CPU 101は、DVD−ROMから、クイズの問題と解答の情報を読み出して、候補記憶部303に格納し、選択肢と現在の候補を設定する(ステップS502)。上記の例による問題と解答が読み出された場合には、以下のような処理を行うことになる。
N←4; p←0;
q←"日本最南端の島の都道府県は?";
s[0]←"沖縄県";
s[1]←"東京都";
s[2]←"鹿児島県";
s[3]←"長崎県";
【0120】
この例では、s[1]の「東京都」が正解である。したがって、採点に必要とされる正解の添字である「1」も、DVD−ROMからRAM 103内の所定の領域に読み出される。
【0121】
ついで、CPU 101は、オブジェクトのランダム生成を行う(ステップS503)。具体的には、乱数を発生させて、これが所定の範囲内の値である場合には、新たなオブジェクトを生成することとする。オブジェクトの生成確率は、ゲームの難易度などによって適宜変更が可能である。
【0122】
また、オブジェクトを生成する場合には、上記のような情報を定めることが必要となる。すなわち、新たなオブジェクトが攻撃アイコン409か報酬アイコン410か、および、オブジェクトのx座標は、乱数によって定められる。オブジェクトのy座標は、画面上端を表す値(典型的には0)とすれば良い。そして、このようなオブジェクトについての情報をRAM 103内に追加する。追加には、上記の配列の適当な空き領域に追加するとともに、オブジェクトの総数を1増やす処理を実行することとなるが、具体的には、キューやスタック、リングバッファ等の適切な技術を適用すれば良い。
【0123】
ついで、CPU 103は、現在の位置記憶部302に記憶されているキャラクターの位置情報、候補記憶部303に記憶されている選択肢と現在の候補、その他、RAM 103内に記憶されている情報やDVD−ROM内に格納されている画像情報等に基づいて、図4に示すような画像を表す画像情報を、RAM 103内に生成する(ステップS504)。当該画像の生成には、アクションゲームやクイズゲームなどで一般的に用いられる技術を適用することができる。
【0124】
すなわち、キャラクター406は、画面401内の座標(x,h)に表示される。また、選択肢のうち、現在の候補s[p]は、候補表示領域402の四角形の枠403に囲まれて表示される。
【0125】
このほか、各オブジェクトは、それぞれのx座標値、y座標値を参照して表示位置が決められ、種類情報を参照して、攻撃アイコン409か報酬アイコン410かが定まる。
【0126】
なお、候補表示領域402の表示については、現在の候補s[p]が前回の画像生成のときから変化している場合には、その変化の方向(pが「次」になったか「前」になったか)によって、候補表示領域402内の候補の表示をスクロールするアニメーション表示を行う等の態様を採用しても良い。
【0127】
そして、垂直同期割込が生じるまで待機する(ステップS505)。この待機の間には、この他の種々の処理を並行処理あるいはコルーチン的に実行することができる。
【0128】
そして、垂直同期割込が生じたら、CPU 101は、画像処理部107に指示を出して、RAM 103内に生成された画像情報をフレームメモリ経由でモニタに転送して、図4に示すような画像を画面401として表示する(ステップS506)。
【0129】
したがって、CPU 101の制御の下、画像処理部107はRAM 103と共働して、表示部304として機能する。
【0130】
なお、キャラクターの画像は、たとえばゲームのマップ表示などのように、仮想空間の全景の中で当該キャラクターがどの位置に配置されているかを表示することとしても良いし、キャラクターの目の位置やキャラクターの背後の位置に配置された視点からキャラクターへ向かう視線の方向へ仮想世界を見た様子を3次元グラフィックスで表示することとしても良い。
【0131】
また、候補の表示手法としては、選択肢を一覧表示して、その中のいずれの選択肢が現在の候補となっているかをカーソルで表示する手法を採用しても良いし、現在の候補のみを表示し、それ以外の選択肢は画面に表示しない、という手法を採用しても良い。
【0132】
ついで、CPU 101は、RAM 103内のフラグ変数rを参照し、「直前解放」であるか否かを判断する(ステップS507)。
【0133】
直前解放である場合(ステップS507;Yes)、CPU 101は、プレイヤーがいずれかのボタンを押圧操作しているか、コントローラ105の状況を取得する(ステップS508)。
【0134】
本ゲーム装置301では、コントローラ105の状態として、以下の状態があるものとする。
←ボタン203が押されている。
→ボタン204が押されている。
○ボタン205が押されている。
それ以外のボタンが押されている。
どのボタンも押されていない。
【0135】
ここで、←ボタン203、→ボタン204は移動指示入力に相当するものであり、○ボタン205は決定指示入力に相当するものである。したがって、コントローラ105は、CPU 101の制御の下、入力受付部305として機能する。
【0136】
ついで、CPU 101は、取得されたコントローラ105のボタン押圧状況が、いずれであるかを調べる(ステップS509)。
【0137】
←ボタン203が押圧されている場合(ステップS509;←)、p ← (p-1) mod Nを実行して(ステップS510)、現在の候補を前に移動する。キャラクター406の位置xに対して、所定の定数dを減算した結果x-dが、画面401からはみ出るか否か、すなわち、x-d < 0か否かを調べる(ステップS511)。x-d < 0であれば(ステップS511;Yes)、ステップS521に進む。
【0138】
一方、x-d < 0でなければ(ステップS511;No)、x ← x-dを実行して(ステップS512)、キャラクター406の位置を左にずらす。さらに、ステップS521に進む。
【0139】
一方、→ボタン204が押圧されている場合(ステップS509;→)、p ← (p+1) mod Nを実行して(ステップS513)、現在の候補を次に移動する。キャラクター406の位置xに対して、所定の定数dを加算した結果x+dが、画面401からはみ出るか否か、すなわち、x+d ≧ Wか否かを調べる(ステップS514)。x+d ≧ Wであれば(ステップS514;Yes)、ステップS521に進む。
【0140】
一方、x+d ≧ Wでなければ(ステップS514;No)、x ← x+dを実行して(ステップS515)、キャラクター406の位置を右にずらし、ステップS521に進む。
【0141】
このように、本実施形態では、←ボタン203や→ボタン204を押圧操作しても、キャラクター406が移動可能範囲に端にいる場合には、それ以上移動しないことがありうるが、現在の候補pは、必ず前や次に移動するように更新される。
【0142】
したがって、CPU 101は、RAM 103等と共働して、位置更新部306および候補更新部307として機能する。
【0143】
ただし、この態様は適宜変更が可能である。すなわち、キャラクター406が移動できない場合には、現在の候補pも変化しないようにしたり、キャラクター406の移動の方向、すなわち、←ボタン203と→ボタン204のいずれが押圧操作されたかによらず、現在の候補pは必ず次の候補に移動する、とする等、種々の変形が可能である。
【0144】
さて、ステップS521以降の処理では、まず、変数rに「直前押圧」を設定する(ステップS521)。
【0145】
そして、RAM 103内に記憶された各オブジェクトを、垂直同期割込周期の時間分だけ移動させる(ステップS522)。
【0146】
典型的には、各オブジェクトのy座標を、設定された移動速度に垂直同期割込周期時間を乗じた距離だけ増やせば、各オブジェクトを下方に移動することができる。このほか、各オブジェクトごとに、移動のためのアルゴリズムを割り当て、周期的な運動(たとえば、波状や渦巻き状の移動)を繰り返して移動したり、乱数を用いてランダムに移動させるなどとしても良い。
【0147】
そして、各オブジェクトの座標が、画面内の所定領域からはずれていないかチェックし、はずれていれば、当該オブジェクトの情報をRAM 103から消去する(ステップS523)。これは、キャラクター406が攻撃アイコン409をやり過ごしたり、報酬アイコン410を取り逃したりした場合に相当する。
【0148】
さらに、各オブジェクトが、キャラクター406と衝突しているかを判定し、衝突していれば、オブジェクトの種類が攻撃アイコン409か報酬アイコン410かによって、RAM 103内に記憶される得点領域の得点を減少もしくは増加させてから、当該衝突しているオブジェクトの情報をRAM 103から消去する(ステップS524)。
【0149】
これは、キャラクター406に攻撃アイコン409がぶつかってダメージを受けたり、報酬アイコン410を拾って報酬を得た場合に相当する。
【0150】
そして、現在の得点が一定の範囲外となっているか否かを判定する(ステップS525)。得点が負になっている場合(ステップS525;負)、ゲームオーバーとなり、その旨を表示して(ステップS526)、ゲームを終了する。
【0151】
一方、得点がクリアのための一定値以上となっている場合(ステップS525;大)、当該ゲームをクリアしたこととなり、その旨を表示して(ステップS527)、ゲームを終了する。
【0152】
このほか、現在の得点がゲームを続行する範囲内の値である場合(ステップS525;続行)、ステップS503に戻る。
【0153】
さて、このように、←ボタン203や→ボタン204を押圧操作すると、現在の候補pが更新されるのであるが、プレイヤーは、四角形の枠403の中に表示されている選択肢をクイズの解答として決定したい場合には、○ボタン205を押圧操作する。これは、決定指示操作に相当する。
【0154】
そこで、CPU 101は、○ボタン205が押圧されている場合(ステップS509;○)、現在の候補s[p]を選択結果として、RAM 103内の所定の変数領域に書き出す(ステップS531)。したがって、CPU 101は、RAM 103等と共働して、出力部308として機能する。
【0155】
そして、書き出された選択結果が、クイズの解答として正解かどうかを判定し(ステップS532)。正解であれば(ステップS532;Yes)、得点を増加させ(ステップS533)、ステップS502と同様に、次の問題と解答をランダムにDVD−ROMから読み出して各変数を設定し(ステップS534)、ステップS521に進む。
【0156】
すなわち、表示される問題に対応した選択肢が画面401に表示されているが、選択肢が正解であると、当該問題と当該選択肢とは画面に表示されなくなって、新たな問題と選択肢が画面401に表示されることとなる。
【0157】
一方、不正解であれば(ステップS532;No)、得点を減少させ(ステップS535)、ステップS521に進む。
【0158】
なお、クイズの正解や不正解に応じて、適宜適切な画面表示を行ったり、音声によりその旨を提示することとしても良い。攻撃アイコン409や報酬アイコン410との衝突についても、同様の表示効果、効果音出力等を行うことができる。
【0159】
このほか、CPU 101は、その他のボタンが押圧されている場合(ステップS509;その他)、対応する処理を実行して(ステップS541)、ステップS521に進む。
【0160】
一方、いずれのボタンも押圧されていない場合(ステップS509;なし)、フラグ変数rに「直前解放」を設定して(ステップS542)、ステップS522に進む。
【0161】
また、フラグ変数rが直前解放でなかった場合(ステップS507;No)、コントローラ105の押圧操作状態に変化がなかったとみなして、ステップS522に進む。
【0162】
このように、本実施形態に係るゲーム装置301では、←ボタン203や→ボタン204を押圧操作すると、キャラクター406の移動と選択肢の現在の候補の変更とが同時に実行されるため、プレイヤーはモードレスな指示入力ができるようになり、アクションゲームなどにおいて、簡易な操作でキャラクターを移動させながらクイズに解答するなど他の入力処理をすることができるようになる。
【0163】
上記実施形態では、キャラクター406の移動方向は左右に限定されており、選択肢の現在の候補の変更もキャラクターの移動方向に連動して左右にスクロールしていたが、たとえばRPG(Roll Playing Game)などのように、2次元的なマップの中で、キャラクター406が上下(前後)左右に移動できる場合には、現在の候補は移動するごとに常に「次」に移動するように割り当てることも可能である。
【0164】
図7は、このような態様におけるゲームの画面表示の様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0165】
本ゲームでは、画面601内には桝目状態のマップ602が用意され、その中をキャラクター603が一桝ごとに移動する。↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204はキャラクター603をマップ602内でその方向に移動させることを意味する。
【0166】
また、キャラクター603は、速度重視の「風」属性、治癒重視の「林」属性、攻撃重視の「火」属性、防御重視の「山」属性のいずれかを必要に応じて身にまとうことができる。現在の属性は現在属性表示領域604に表示されている。
【0167】
そして、選択肢は、上記の「風」「林」「火」「山」の4つである。すなわち、以下のような設定がされていることになる。
N←4;
s[0] ← "風";
s[1] ← "林";
s[2] ← "火";
s[3] ← "山"
【0168】
ここで、プレイヤーが↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204を押圧操作すると、その度に
p ← (p+1) mod N
が実行され、現在の候補s[p]が更新される。そして、現在の候補s[p]は、新規属性表示領域605内に表示される。本表示例では、現在属性表示領域604は画面601内の右上の固定された位置に大きく設定されており、新規属性表示領域605はキャラクター603の隣に配置され、キャラクター603とともに移動するように設定されている。
【0169】
プレイヤーは、次にキャラクター603に割り当てたい属性が新規属性表示領域605に表示されたら、プレイヤーが○ボタン205を押圧操作する。すると、その属性s[p]が、プレイヤーによる選択結果となるのである。
【0170】
プレイヤーは、画面601内のキャラクター603を注視しているのが一般的であるので、新規属性表示領域605をキャラクター603の近傍に配置しておくことにより、移動指示操作でキャラクター603が移動することと現在の候補が変更されることの2つが連動していることが直観的に把握できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0171】
以上説明したように、本発明によれば、キャラクターを移動しつつ選択肢を選択するゲームにおいて、プレイヤーによる操作入力を簡易に行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るコントローラの外観を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図4】本実施形態に係るゲーム装置の画面表示の例を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係るゲーム装置にて実行されるゲーム処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るゲーム装置にて実行されるゲーム処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態に係るゲーム装置の画面表示の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0173】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マイク
201 ↑ボタン
202 ↓ボタン
203 ←ボタン
204 →ボタン
205 ○ボタン
206 ×ボタン
207 △ボタン
208 □ボタン208
209 SELECTボタン
210 STARTボタン
211 ANALOGボタン
212 インジケータ
213 ジョイスティック
214 ジョイスティック
215 L1ボタン
216 L2ボタン
217 R1ボタン
218 R2ボタン
301 ゲーム装置
302 位置記憶部
303 候補記憶部
304 表示部
305 入力受付部
306 位置更新部
307 候補更新部
308 出力部
401 画面
402 候補表示領域
403 四角形の枠
404 選択肢
405 キャラクター移動可能領域
406 キャラクター
407 問題表示領域
408 問題文
409 攻撃アイコン
410 報酬アイコン
411 得点表示領域
601 画面
602 マップ
603 キャラクター
604 現在属性表示領域
605 新規属性表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する位置記憶部、
巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する候補記憶部、
前記候補記憶部に記憶される現在の候補と、当該仮想空間内において前記位置記憶部に記憶される位置に配置されるキャラクターと、を表す画像を表示する表示部、
プレイヤーによる移動指示操作、もしくは、決定指示操作の入力を受け付ける入力受付部、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、当該移動指示操作の種類に基づいて、前記位置記憶部に記憶されるキャラクターの位置を更新する位置更新部、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新する候補更新部、
前記受け付けられた入力が決定指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、ユーザにより選択された選択肢として出力する出力部
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
当該移動指示操作には、第1種と第2種の2種類があり、
前記候補更新部は、
当該移動指示操作が第1種である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新し、
当該移動指示操作が第2種である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で前の選択肢に更新する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記位置更新部は、
当該移動指示操作が当該第1種である場合、当該キャラクターを当該仮想空間内における第1の向きに移動させるように更新し、
当該移動指示操作が当該第2種である場合、当該キャラクターを当該仮想空間内における第1の向きとは反対の第2の向きに移動させるように更新し、
前記表示部は、
前記受け付けられた入力が当該第1種の移動指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該画面内の候補表示位置へ当該第1の向きに移動させて表示し、
前記受け付けられた入力が当該第2種の移動指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該画面内の候補表示位置へ当該第2の向きに移動させて表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
当該仮想空間内における当該キャラクターが配置可能な限界があらかじめ定められ、
前記位置更新部は、当該移動指示操作が、当該キャラクターに当該限界を超えさせようとするものである場合、前記位置記憶部に記憶される当該キャラクターの位置をそのまま維持し、
前記候補更新部は、前記位置記憶部に記憶される当該キャラクターの位置が維持される場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補をそのまま維持する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記候補記憶部に記憶される複数の選択肢には、あらかじめ1つの課題が対応付けられ、
前記表示部は、当該対応付けられた1つの課題と、当該現在の候補と、を、前記出力部が当該ユーザにより選択された選択肢を出力するまで表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する位置記憶部、巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する候補記憶部、表示部、入力受付部、位置更新部、候補更新部、出力部を備えるゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、
前記表示部が、前記候補記憶部に記憶される現在の候補と、当該仮想空間内において前記位置記憶部に記憶される位置に配置されるキャラクターと、を表す画像を表示する表示工程、
前記入力受付部が、プレイヤーによる移動指示操作、もしくは、決定指示操作の入力を受け付ける入力受付工程、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、前記位置更新部が、当該移動指示操作の種類に基づいて、前記位置記憶部に記憶されるキャラクターの位置を更新する位置更新工程、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、前記候補更新部が、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新する候補更新工程、
前記受け付けられた入力が決定指示操作である場合、前記出力部が前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、ユーザにより選択された選択肢として出力する出力工程
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
仮想空間内に配置されるキャラクターの位置を記憶する位置記憶部、
巡回的な順序が定められた複数の選択肢と、当該複数の選択肢のうちの現在の候補と、を記憶する候補記憶部、
前記候補記憶部に記憶される現在の候補と、当該仮想空間内において前記位置記憶部に記憶される位置に配置されるキャラクターと、を表す画像を表示する表示部、
プレイヤーによる移動指示操作、もしくは、決定指示操作の入力を受け付ける入力受付部、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、当該移動指示操作の種類に基づいて、前記位置記憶部に記憶されるキャラクターの位置を更新する位置更新部、
前記受け付けられた入力が移動指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、当該巡回的な順序で次の選択肢に更新する候補更新部、
前記受け付けられた入力が決定指示操作である場合、前記候補記憶部に記憶される現在の候補を、ユーザにより選択された選択肢として出力する出力部
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−229234(P2008−229234A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76716(P2007−76716)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】