説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】本発明のゲーム装置200は、以下のように構成する。記憶部201には、現在のゲームの状態が記憶される。項目描画部202は、ゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する。受付部203は、画面内における位置を指定する入力を受け付ける。軌跡描画部204は、項目画像が描画される領域以外の位置が受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(ゲーム停止期間)、画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する。更新部205は、ゲーム停止期間以外の間、項目画像が描画される領域内の位置が受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして記憶されているゲームの状態を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多くのゲーム装置には、ゲームの進行を一時停止するためのボタン等が備わっており、プレイヤは適宜、そのようなボタンを使用してゲームの進行を停止する。例えば、特許文献1には、実行中のゲームプログラムを一時停止するボタンを有するビデオゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−207780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような一時停止処理をせずにゲーム装置を放置してしまった場合、幼児等がいたずらで、ゲームを進行させてしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、幼児のいたずら等によりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、現在のゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目をプレイヤに提示して選択させ、当該選択結果に基づいて当該ゲームの状態を更新することを繰り返して、当該ゲームを進行させるゲーム装置であって、記憶部と、項目描画部と、受付部と、軌跡描画部と、更新部と、を備え、以下のように構成する。
【0007】
例えば、ゲーム装置においてクイズゲームが実行され、ゲーム装置の画面にはクイズ問題及び回答の項目が表示されているとする。ゲーム装置は、プレイヤが、画面に表示された回答の項目を選択すると、どの問題を回答したか等のゲームの進行状態に関する情報を更新し、次の問題と回答の項目を画面に表示させる。
【0008】
記憶部には、現在のゲームの状態が記憶される。
【0009】
例えば、記憶部は、上記クイズゲームにおいて、プレイヤがどの問題を回答したか等のゲームの進行状態に関する情報を記憶する。
【0010】
項目描画部は、記憶されているゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する。
【0011】
例えば、項目描画部は、記憶部を参照して、現在画面に表示されている問題に対する回答が記された1つ又は複数の項目画像を画面に描画する。
【0012】
受付部は、画面内における位置を指定する入力を受け付ける。
【0013】
例えば、受付部は、プレイヤが画面に表示されたカーソルを動かして画面内の位置を指定すると、当該位置の情報を入力として受け付ける。
【0014】
軌跡描画部は、項目画像が描画される領域以外の位置が受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する。
【0015】
例えば、項目描画部がクイズ問題に対する回答の項目画像を描画した後、受付部が受け付けた入力の位置が、当該項目画像の領域に含まれなかった場合、ゲームの進行は停止され、軌跡描画部は、受付部が受け付けた入力の位置に基づいて画面に軌跡を描画する。ここで軌跡とは、プレイヤが画面に表示されたカーソルを動かして指定した位置を結ぶ曲線等である。所定の復帰条件が満たされるまで、例えば、所定のボタンが押圧されるまで、軌跡描画部は受付部が受け付けた入力に基づいて軌跡を描画する。
【0016】
更新部は、ゲーム停止期間以外の間、項目画像が描画される領域内の位置が受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして記憶されているゲームの状態を更新する。
【0017】
ここで、「ゲーム停止期間以外の間」とは、クイズゲームが進行している状態である。クイズゲームが進行している状態で、受付部が受け付けた位置が、画面に描画されている回答の項目画像の領域に含まれると、記憶部に記憶されているゲームの進行状態を、現在のゲームの進行状態に更新する。
【0018】
本発明によれば、ゲームの進行と関係のない領域に入力がなされると、当該ゲームの進行を停止することにより、幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐことができる。また、本発明によれば、ゲームの内容を理解できない幼児でも当該ゲーム装置で遊ぶことができる。
【0019】
また、項目画像ならびに軌跡が描画される画面は、タッチスクリーンの画面であり、受付部は、タッチスクリーンに対する接触位置により、入力に指定される位置を定め、軌跡描画部は、タッチスクリーンに対する接触が継続している間、軌跡を描画するようにしてもよい。
【0020】
すなわち、タッチスクリーンに、問題に対する回答が記された項目画像が表示され、プレイヤがタッチペン等でタッチスクリーンに接触操作を行う。プレイヤが指定した位置が当該項目画像に含まれなかった場合、所定の復帰条件が満たされるまでの間、タッチペンでタッチスクリーンをなぞると、タッチスクリーンにタッチペンの移動の軌跡が描画される。
【0021】
本発明によれば、タッチスクリーンを備えるゲーム装置において、幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうことを防ぐことができる。
【0022】
また、所定のボタンもしくはキーが押圧されている間、タッチスクリーンに対する接触が継続すると、軌跡描画部による軌跡の描画にかえて、指定された位置を結ぶ帯状の領域に描画された軌跡を消去する軌跡消去部をさらに備え、
画面に描画された軌跡がすべて消去されると、所定の復帰条件が満たされるようにしてもよい。
【0023】
例えば、プレイヤが、ゲーム装置に配置された所定のボタンを押圧している間、タッチペンでタッチスクリーンをなぞると、なぞられた部分に描かれている軌跡が消去される。軌跡が、画面から全て消去されると、ゲーム停止期間が終了する。
【0024】
本発明によれば、描かれた軌跡を全て消去しなければゲームは再開されないので、意図せずゲームが再開されることを防ぐことができる。
【0025】
本発明のその他の観点に係るゲーム制御方法は、現在のゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目をプレイヤに提示して選択させ、当該選択結果に基づいて当該ゲームの状態を更新することを繰り返して、当該ゲームを進行させ、記憶部と、項目描画部と、受付部と、軌跡描画部と、更新部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、記憶部には、現在のゲームの状態が記憶され、項目描画工程と、受付工程と、軌跡描画工程と、更新工程と、を備え、以下のように構成する。
【0026】
項目描画工程において、項目描画部が、記憶されているゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する。
【0027】
受付工程において、受付部が、画面内における位置を指定する入力を受け付ける。
【0028】
軌跡描画工程において、軌跡描画部が、項目画像が描画される領域以外の位置が受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する。
【0029】
更新工程において、更新部が、ゲーム停止期間以外の間、項目画像が描画される領域内の位置が受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして記憶されているゲームの状態を更新する。
【0030】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記ゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記ゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0031】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態にかかる携帯型情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】本実施形態にかかる携帯型情報処理装置の外観、及び画面に表示される項目画像の例を示す図である。
【図3】ゲーム装置の機能構成を説明するための図である。
【図4】ゲーム装置の画面に表示される項目画像の例を示す図である。
【図5】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図6】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図7】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図8】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図9】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図10】プレイヤの入力の例を示すための図である。
【図11】実施形態のゲーム装置の各部が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】軌跡描画・消去処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】ゲーム再開時に表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話、音楽プレイヤなどにおいても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと等しいものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0035】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される携帯型情報処理装置1の概要構成を示す図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る携帯型情報処理装置1の外観を示す図である。
携帯型情報処理装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、マイク17と、操作キー18と、第1の表示部19と、第2の表示部20と、タッチパネル21と、を備える。
【0036】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0037】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0038】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0039】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0040】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部19および、第2の表示部20を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部19に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部20に所定の指示アイコン等を表示する。
【0041】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペン22やユーザの指によるタッチパネル21への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部20に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル21上の接触およびその位置等を検出する。
【0042】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0043】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状態等を示す種々のデータが記憶される。
【0044】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0045】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0046】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
【0047】
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0048】
マイク17は、ユーザの声等のアナログ信号を受け付け、受け付けた信号は処理制御部10でミキシング等の処理がされる。
【0049】
操作キー18は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された方向キー18aやボタン18b等から構成され、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。操作キー18には、音量を調節するためのボタンや、つまみ等も含まれる。
【0050】
第1の表示部19および、第2の表示部20は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部20は、タッチパネル21の接触によりユーザから操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0051】
タッチパネル21は、第2の表示部20の前面に重畳して配置され、タッチペン22やユーザの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル21は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル21は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0052】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置の機能構成を示す図である。以下、本図を参照して説明する。また、本実施形態のゲーム装置では、図2に示すようなクイズゲームが実行されているとする。当該クイズゲームでは、第1の表示部19に問題23が、第2の表示部20に問題に対する回答が記された項目画像24、25が表示され、プレイヤは、タッチペン22や指等で、第2の表示部20に表示された項目画像24又は25を選択する。
【0053】
本実施形態のゲーム装置200は、記憶部201と、項目描画部202と、受付部203と、軌跡描画部204と、更新部205と、軌跡消去部206と、を備える。
【0054】
記憶部201は、ゲームの状態を記憶する。例えば、記憶部201は、プレイヤがどの問題を回答したか等のゲームの進行状態に関する情報を記憶する。
したがって、CPUコア10a及びVRAM 10cが協働して記憶部201として機能する。
【0055】
項目描画部202は、記憶部201が記憶するゲームの進行状態に対応付けられる、1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する。例えば、図2に示すように、第1の表示部19に問題23が表示されているとすると、項目描画部202は、この問題に対応する回答の項目画像24、25を、第2の表示部20に描画する。また、例えば、図4に示すように、メッセージ32が第1の表示部19に表示されると、項目描画部202は、当該メッセージに対する応答を示す項目画像26を描画する。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、WRAM 10d、及び第2の表示部20が協働して、項目描画部202として機能する。
【0056】
受付部203は、画面内における位置を指定する入力を受け付ける。例えば、図5に示すように、プレイヤがタッチペン22でタッチパネル21に接触すると、受付部203は、当該接触を、位置を指定する入力として受け付ける。
したがって、CPUコア10a、タッチパネルコントローラ10f、及びタッチパネル21が協働して、受付部203として機能する。
【0057】
軌跡描画部204は、項目画像が描画される領域以外の位置が受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、画面に指定された位置を結ぶ軌跡を描画する。以下、所定の復帰条件は、ゲーム停止期間に描かれた軌跡を全て消去することとする。例えば、項目描画部202が、クイズ問題に対応する回答の項目画像24、25を描画した後、プレイヤがタッチペン22で図6に示すように、項目画像の領域以外の領域に接触操作を行った場合、クイズゲームの進行は停止される。そして、軌跡描画部204は、プレイヤがタッチペン22等で描いた軌跡を第2の表示部20に描画する(図7)。軌跡描画部204は、クイズゲームが停止されてから、第2の表示部20に描かれた軌跡が全て消去されるまでの間、タッチペン22等による接触操作に基づいて軌跡を描画する。なお、タッチペン22等による接触操作は、連続で行われる必要はない。すなわち、一旦タッチパネル21からタッチペン22を離しても、上記の間であれば、接触がある度に接触操作に基づいて軌跡が描画される。また、クイズゲームが停止されてから、第2の表示部20に描かれた軌跡が全て消去されるまでの間に、タッチペン22が項目画像24、25に接触したとしても、項目画像24、25が選択されたものとはみなされず、ゲームは進行しない。
なお、本実施形態では復帰条件を“軌跡を全て消去する”とするが、消去の程度はプレイヤが適宜選択できるようにしてもよい。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、WRAM 10d、第2の表示部20が協働して、軌跡描画部204として機能する。
【0058】
更新部205は、ゲーム停止期間以外の間、受付部203が受け付けた入力の位置が、項目画像が描画される領域に含まれる場合、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして記憶部201が記憶するゲームの状態を更新する。例えば、クイズゲームが進行している状態で、受付部203が受け付けた入力の位置が、第2の表示部20に描画されている回答の項目画像24又は25の領域に含まれる場合、記憶部201に記憶されているゲームの進行状態を、“問題3回答済み”のように更新する。
したがって、CPUコア10aが、更新部205として機能する。
【0059】
軌跡消去部206は、所定のボタンもしくはキーが押圧されている間、タッチスクリーンに対する接触が継続すると、軌跡描画部204による軌跡の描画にかえて、指定された位置を結ぶ帯状の領域に描画された軌跡を消去する。例えば、図8に示すように、プレイヤが指27でボタン18aを押圧したとすると、タッチペン22がタッチパネル21に接触している位置から一定範囲を占める消去領域29が表示される。この消去領域29は、所定のボタンが押圧され、タッチパネル21に接触操作がなされている場合に、第2の表示部20に表示される。
例えば、プレイヤがボタン18aを押圧しながら、図9に示す位置にタッチペン22でタッチパネル21に接触すると消去領域30が表示され、消去領域30と重なる、軌跡28の一部が消去される。そして、ボタン18aを押圧したまま、タッチパネル21を図9に示す位置から図10に示す位置までなぞると、なぞられた部分(消去領域31)に描かれた軌跡28の一部が消去される。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、及びWRAM 10dが協働して、軌跡消去部206として機能する。
【0060】
以下、ゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。プレイヤにより、ゲーム装置200に電源が投入され、ゲームが開始されると、CPUコア10aは、図11のフローチャートに示す処理を開始する。以下、ゲーム装置200がクイズゲームを実行している場合を例に取り説明する。
【0061】
項目描画部202は、記憶部201が記憶するゲームの進行状態を参照し、ゲームの進行状態に対応づけられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する(ステップS1101)。例えば、記憶部201が記憶するゲームの進行状態が問題23を提示する状態にあるとすると、項目描画部202は、項目画像24、25を第2の表示部20に描画する。
【0062】
項目画像が描画された後(ステップS1101)、受付部203は、プレイヤから画面内における位置の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS1102)。画面内における位置の指定を受け付けると(ステップS1102;Yes)、CPUコア10aは、受付部203が受け付けた位置が項目画像の領域に含まれるか否かを判断する(ステップS1103)。一方、画面内における位置の指定を検知しない場合(ステップS1102;No)、そのまま待機する。
【0063】
CPUコア10aが、受付部203が受け付けた位置が項目画像の領域に含まれると判断した場合(ステップS1103;Yes)、更新部205は、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして記憶部201が記憶するゲームの進行状態を更新する(ステップS1104)。ゲームの進行状態の更新後はステップS1101に戻り、項目描画部201は、更新されたゲームの進行状態に対応付けられる項目画像を描画する(ステップS1101)。一方、CPUコア10aが、受付部203が受け付けた位置が項目画像の領域に含まれないと判断した場合(ステップS1103;No)、CPUコア10aは、ゲームを停止し(ステップS1105)、図12のフローチャートが示す軌跡描画・消去処理を開始する(ステップS1106)。
【0064】
例えば、プレイヤが図5に示すようにタッチパネル21に入力操作を行った場合、CPUコア10aは、タッチペン22で指定された位置は項目画像25の領域に含まれると判断し、更新部205は、プレイヤにより問題の回答が得られたとして記憶部201のゲームの進行状態を更新する。一方、プレイヤが図6に示すようにタッチパネル21に入力操作を行った場合、CPUコア10aは、タッチペン22で指定された位置は項目画像24、25にもいずれにも含まれないと判断し、図12の軌跡描画・消去処理を開始する。
【0065】
次に、ゲーム装置200が実行する軌跡描画・消去処理(図12)について説明する。
【0066】
CPUコア10aは所定のボタンが押圧されている状態か否かを判断する(ステップS1201)。CPUコア10aが所定のボタンが押圧されていないと判断した場合(ステップS1201;No)、次に受付部203は、位置の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS1202)。受付部203が位置の指定を受け付けると(ステップS1202;Yes)、軌跡描画部204は、画面に指定された位置を結ぶ軌跡を描画する(ステップS1203)。受付部203が位置の指定を検知しない場合は(ステップS1202;No)、ステップS1201に戻る。
【0067】
例えば、所定のボタンをボタン18aとし、図6に示すようにボタン18aが押圧されていない状態で、図6に示すタッチペン22の位置から図7に示すタッチペン22の位置までなぞられたとすると、軌跡描画部204は、図6に示すタッチペン22の位置から図7に示すタッチペン22の位置までなぞった軌跡を描画する。なお、軌跡描画・消去処理に移ってから、項目画像24、25の領域内に位置の指定がされてもゲームは進行しない。
【0068】
一方、CPUコア10aが所定のボタンが押圧されている状態であると判断した場合(ステップS1201;Yes)、次に受付部203が、位置の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS1204)。受付部203が位置の指定を受け付けると(ステップS1204;Yes)、軌跡消去部206は、指定された位置を結ぶ帯状の領域に描画された軌跡を消去する。一方、受付部203が位置の指定を受け付けていないと判断した場合は(ステップS1204;No)、ステップS1201に戻る。
【0069】
例えば、プレイヤがボタン18aを押圧したままで、図9に示す位置から図10に示す位置までタッチペン22で軌跡28の上をなぞると、なぞられた部分(消去領域31)に描かれた軌跡は消去される。
【0070】
次に、CPUコア10aは、画面内に描かれた軌跡が全て消去されたか否かを判断する(ステップS1206)。画面内に描かれた軌跡が全て消去された場合(ステップS1206;Yes)、CPUコア10aは、軌跡描画・消去処理を終了し、ステップS1102に戻る。一方、画面内に描かれた軌跡が全て消去されていない場合(ステップS1206;No)、ステップS1201に戻る。
【0071】
例えば、軌跡28が全て第2の表示部20から消去されると、ゲームが再開され、プレイヤは問題23に対する回答が記された項目画像24、25を選択することができる。
【0072】
なお、ゲームを再開する開始時点をプレイヤが選択できるようにしてもよい。例えば、軌跡28が全て消去された後に、メッセージ33と、既に提示された問題番号と回答履歴を記したパネル34(図13)とを提示する。プレイヤがパネル34から再開する問題をタッチペン22等で選択すると、ゲームは当該選択された問題から進行する。本発明によれば、いたずらで幼児が最初に指定した位置が図5のように項目画像25の領域に含まれてしまい、プレイヤが回答を終了した時点からゲームが進行したとしても、プレイヤは中断した時の状態からゲームを再開することができる。
【0073】
上記実施形態では、一旦、軌跡描画・消去処理が開始されると、ゲームは進行しないとしたが、軌跡描画・消去処理が開始されても、ゲームを進行させるようにしてもよい。例えば、プレイヤがタッチペン22で項目画像の領域以外の領域に接触操作を行い、図7のように軌跡が描画され、その後、プレイヤがタッチペン22で項目画像24、25の領域に接触操作を行ったとする。この場合、軌跡28は画面に表示されたまま、項目画像24、25に対応づけられた項目に基づいてゲームは進行する。ただし、記憶部201が記憶するゲームの状態は更新されないようにする。そして、復帰条件が満たされると、記憶部201に記憶されるゲームの状態(すなわち、軌跡描画・消去処理が開始される直前のゲームの状態)から、ゲームが進行する。なお、復帰条件が満たされた時に、軌跡描画・消去処理の間に進行したゲームの状態から引き続きゲームを行うか、軌跡描画・消去処理が開始される直前のゲームの状態からゲームを行うかは、プレイヤが選択できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上説明したように、本発明によれば、幼児のいたずらなどによりゲームが意図せず進行してしまうのを防ぐのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 マイク
18 操作キー
18a 方向キー
18b ボタン
19 第1の表示部
20 第2の表示部
21 タッチパネル
22 タッチペン
23 問題
24、25、26 項目画像
27 指
28 軌跡
29、30、31 消去領域
32、33 メッセージ
34 パネル
200 ゲーム装置
201 記憶部
202 項目描画部
203 受付部
204 軌跡描画部
205 更新部
206 軌跡消去部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在のゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目をプレイヤに提示して選択させ、当該選択結果に基づいて当該ゲームの状態を更新することを繰り返して、当該ゲームを進行させるゲーム装置であって、
現在のゲームの状態が記憶される記憶部と、
前記記憶されているゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する項目描画部と、
前記画面内における位置を指定する入力を受け付ける受付部と、
前記項目画像が描画される領域以外の位置が前記受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、前記画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する軌跡描画部と、
前記ゲーム停止期間以外の間、前記項目画像が描画される領域内の位置が前記受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして前記記憶されているゲームの状態を更新する更新部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記項目画像ならびに前記軌跡が描画される画面は、タッチスクリーンの画面であり、
前記受付部は、前記タッチスクリーンに対する接触位置により、前記入力に指定される位置を定め、
前記軌跡描画部は、前記タッチスクリーンに対する接触が継続している間、前記軌跡を描画する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
所定のボタンもしくはキーが押圧されている間、前記タッチスクリーンに対する接触が継続すると、前記軌跡描画部による軌跡の描画にかえて、前記指定された位置を結ぶ帯状の領域に描画された軌跡を消去する軌跡消去部をさらに備え、
前記画面に描画された軌跡がすべて消去されると、前記所定の復帰条件が満たされる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
現在のゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目をプレイヤに提示して選択させ、当該選択結果に基づいて当該ゲームの状態を更新することを繰り返して、当該ゲームを進行させ、記憶部と、項目描画部と、受付部と、軌跡描画部と、更新部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、前記記憶部には、現在のゲームの状態が記憶され、
前記項目描画部が、前記記憶されているゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する項目描画工程と、
前記受付部が、前記画面内における位置を指定する入力を受け付ける受付工程と、
前記軌跡描画部が、前記項目画像が描画される領域以外の位置が前記受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、前記画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する軌跡描画工程と、
前記更新部が、前記ゲーム停止期間以外の間、前記項目画像が描画される領域内の位置が前記受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして前記記憶されているゲームの状態を更新する更新工程と、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項5】
コンピュータを、
現在のゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目をプレイヤに提示して選択させ、当該選択結果に基づいて当該ゲームの状態を更新することを繰り返して、当該ゲームを進行させるゲーム装置として機能させるプログラムであって、
当該コンピュータは、現在のゲームの状態が記憶される記憶部を備え、
前記記憶されているゲームの状態に対応付けられる1つ又は複数の項目を表わす項目画像を画面に描画する項目描画部、
前記画面内における位置を指定する入力を受け付ける受付部、
前記項目画像が描画される領域以外の位置が前記受け付けられた入力により指定されて以降、所定の復帰条件が満たされるまでの間(以下、この期間をゲーム停止期間という)、前記画面に当該指定された位置を結ぶ軌跡を描画する軌跡描画部、
前記ゲーム停止期間以外の間、前記項目画像が描画される領域内の位置が前記受け付けられた入力により指定されると、当該項目画像に対応付けられる1つ又は複数の項目が選択されたものとして前記記憶されているゲームの状態を更新する更新部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−103954(P2011−103954A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259607(P2009−259607)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】