説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、およびこれを記録した記録媒体

【課題】プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトの動作に応じて、移動オブジェクトの移動状態が変化するゲームを実行するゲーム装置において、操作オブジェクトの動作のコントロールに関して娯楽性を高めることを可能とするゲーム装置を提供する。
【解決手段】バッター制御部は、投球動作が開始された後に、操作判別部によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングでバッターによる準備スイングを開始させるとともに、操作判別部によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングでバッターによる打撃スイングを開始させる。ボール制御部は、投球動作の開始タイミングから準備スイングの開始タイミングまでの期間、および打撃スイングの開始タイミングに応じて、打撃によるボールの移動結果を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野球ゲームなどの、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトを表示装置に表示させ、プレイヤからの操作入力を受け付ける操作入力装置からの操作情報に基づいて、上記操作オブジェクトの表示状態を変化させることによって動作させるゲームを実行するゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のゲームをコンピュータ処理によって提供されるゲーム装置が提供されている。このようなゲーム装置としては、ゲームセンターなどと称される有料ゲームサービス提供店舗で使用されるアーケード用ゲーム装置、家庭のTV装置などと接続することによって使用される家庭用ゲーム装置、ならびに、表示装置、操作用コントローラ、および制御部を備えた携帯型ゲーム装置などが挙げられる。
【0003】
このようなゲームとしては、従来様々な種類のゲームが提供されているが、そのうちの1つとして、モニタに表示されたキャラクタを動作させてスポーツ競技を行わせるスポーツゲーム、たとえば野球ゲームが広く普及している。この野球ゲームでは、ゲームの遊技者であるプレイヤが自己チームの選手キャラクタを操作して相手チームと得点を競うタイプの選手操作型ゲームや、ゲーム自体は主に自動で行わせプレイヤが監督の立場で楽しむタイプの監督型ゲーム等がある。
【0004】
上記の選手操作型ゲームの場合、プレイヤが攻撃側である場合には、プレイヤは打者キャラクタの動作を指示入力することによってゲームが進行する。このような従来の野球ゲームとしては、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
従来の野球ゲームにおいて、プレイヤがバッターをコントロールするときに、投げられたボールに対してバットをスイングするタイミングは、プレイヤが所定のボタンあるいはレバーを操作するタイミングによって決定されている。すなわち、プレイヤは、バットにボールが当たる瞬間をコントロールするようになっている。
【特許文献1】特許第3822222号(2006年9月13日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の野球ゲームでは、バッターのコントロールに関して、ボールを打ち返す強弱の加減は、基本的にはボールがバットに当たるタイミングのみによって決定される。よって、ボールを打ち返す強弱の加減をコントロールすることが困難であり、詰まった当たりになった感覚、引きつけて打つ感覚、長打を打っている感覚などのバッティングの操作感をプレイヤに提供することはできていなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトの動作に応じて、移動オブジェクトの移動状態が変化するゲームを実行するゲーム装置において、操作オブジェクトの動作のコントロールに関して娯楽性を高めることを可能とするゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、およびこれを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゲーム装置は、上記課題を解決するために、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトを表示装置に表示させ、プレイヤからの操作入力を受け付ける操作入力装置からの操作情報に基づいて、上記操作オブジェクトの表示状態を変化させることによって動作させるゲームを実行するゲーム装置であって、上記操作オブジェクトの表示を制御する操作対象制御手段と、上記操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトの表示を制御する移動体制御手段と、上記操作入力装置から送信される操作情報の内容を判別する操作判別手段とを備え、上記操作対象制御手段が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作判別手段によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、上記操作判別手段によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作を開始させ、上記移動体制御手段が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間に応じて、上記操作オブジェクトの本動作による上記移動オブジェクトの移動結果を変化させる構成である。
【0009】
なお、ここで、移動結果とは移動オブジェクトが最終的に到達する地点や落下地点だけでなく、そこに至るまでの移動状態の変化をも含むものである。例えば、移動結果の例としては、野球ゲームの場合、移動オブジェクトであるボールが操作オブジェクトであるバッターによって打たれた後、ホームランになる場合、ヒットとなる場合、野手に捕球される場合、また、バッターのタイミングが合わず三振となってキャッチャーにミットに納まる場合といった他、同じくホームランになる場合でもライナーで観客席に飛び込む勢いなのか、高く上昇した後に弧を描いて観客席に入るのか、といった違いを移動結果として示すようにすることができる。
【0010】
また、本発明に係るゲーム制御方法は、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトを表示装置に表示させ、プレイヤからの操作入力を受け付ける操作入力装置からの操作情報に基づいて、上記操作オブジェクトの表示状態を変化させるゲームを実行するゲーム制御方法であって、上記操作オブジェクトの表示を制御する操作対象制御処理と、上記操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトの表示を制御する移動体制御処理と、上記操作入力装置から送信される操作情報の内容を判別する操作判別処理とを含み、上記操作対象制御処理において、上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作判別処理によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、上記操作判別処理によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作を開始させ、上記移動体制御処理において、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間に応じて、上記操作オブジェクトの本動作による上記移動オブジェクトの移動結果を変化させる方法である。
【0011】
上記の構成または方法によれば、操作オブジェクトの動作に関して、プレイヤは第1操作情報を発生させる操作を行うことによって準備動作を開始させ、第2操作情報を発生させる操作を行うことによって本動作を開始させることが可能となる。よって、操作オブジェクトの動作のコントロールをより詳細に行うことができるので、操作の娯楽性を高めることができる。
【0012】
また、本動作による移動オブジェクトの移動結果が、移動オブジェクトの所定の移動動作開始タイミングから準備動作の開始タイミングまでの期間、および、準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間によって変化するので、プレイヤは準備動作の開始タイミングおよび準備動作期間についても配慮する必要が生じることになる。すなわち、準備動作のコントロールをすることによって、移動オブジェクトの移動結果を所望の状態とすることが可能となり、ゲームの娯楽性を高めることができる。
【0013】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間と、評価結果との関係を示す評価基準情報を記憶する評価情報記憶部と、上記評価基準情報に従って、プレイヤによる操作の評価結果としての評価結果情報を特定するプレイヤ操作評価手段をさらに備え、上記移動体制御手段が、上記プレイヤ操作評価手段によって特定された評価結果情報に基づいて上記移動オブジェクトの移動結果を決定する構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記準備動作の開始タイミングまでの期間、および準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間と、評価結果との関係を示す評価基準情報に基づいてプレイヤによる操作の評価がおこなわれ、この準備動作と本動作の2つの動作の開始タイミングにかかる評価結果に基づいて、移動オブジェクトの移動結果が決定されることになる。よって、従来のように1つの動作のタイミングのみから移動オブジェクトの移動結果が決定されるのに対して、移動オブジェクトの移動結果の特定をより現実に近い形で的確に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記評価基準情報が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから操作オブジェクトの上記準備動作の開始タイミングまでの期間と、準備動作評価値との関係を示す準備動作評価基準情報と、上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間と、本動作評価値との関係を示す本動作評価基準情報を含んでおり、上記プレイヤ操作評価手段が、上記評価基準情報に従って、上記準備動作評価値および上記本動作評価値を特定し、上記準備動作評価値と上記本動作評価値とに基づいて操作評価値を算出するとともに、上記移動体制御手段が、上記プレイヤ操作評価手段によって算出された上記操作評価値に基づいて上記移動オブジェクトの移動結果を決定する構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、準備動作評価値、および本動作評価値という形式で操作評価値が算出されるので、移動オブジェクトの移動結果の特定をより現実に近い形で的確に行うことができる。
【0017】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記準備動作評価基準情報に設定されている準備動作評価値、および上記本動作評価基準情報に設定されている本動作評価値の少なくともいずれか一方が、上記各動作の開始タイミングからの経過時間毎に対応して予め定められた複数の評価値からなる構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、準備動作評価値または本動作評価値の評価値が各動作の開始タイミングからの経過時間に対応して予め定められた複数の評価値からなるので、準備動作または本動作の時間管理のみによって各評価値が一義的に、且つ容易に求められ、操作評価値の簡単な算出に寄与できる。
【0019】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記評価値が、準備動作および本動作のそれぞれにおいて、動作の開始タイミングからの第1の経過時間のタイミングにおいて最高の値をとるように設定され、該第1の経過時間のタイミングから時間的に離れるに従って徐々に値が低下するような点数配分に設定されている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、プレイヤの動作の最も好ましいタイミングとなるポイントを、動作の開始タイミングからの第1の経過時間のタイミングとし、そのタイミングから時間的に離れるに従って徐々に値が低下するようにしている。つまり、最も好ましいポイントから動作タイミングがずれればずれるほど、評価値が低下するようにしているので、プレイヤにとっては自分の操作の巧拙が現実のゲームのタイミングと同様に自然な形で反映されていると感じ取ることができるため、リアル感をゲームに忠実に再現できる。
【0021】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記プレイヤ操作評価手段が、上記準備動作評価値と上記本動作評価値とを加算することによって上記操作評価値を算出する構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、準備動作評価値と本動作評価値との加算という比較的簡素な情報処理によって操作評価値を算出することができるので、算出処理に必要とされる時間を短くすることができる。よって、高速なゲーム進行にも遅延無く対応することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記各評価値の内、上記第1の経過時間のタイミングよりも時間的に後となる第2の経過時間のタイミング以降に設定される評価値が無効評価値として設定されており、上記プレイヤ操作評価手段が、特定した上記準備動作評価値および上記本動作評価値のうち少なくともいずれか一方が上記無効評価値である場合に、上記操作評価値を最低値に設定する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、準備動作または本動作の少なくとも一方の動作開始が遅れ過ぎた場合には、他方の動作開始が仮にベストポイントであったとしても操作評価値が最低になる。例えば、野球ゲームにおいて、準備スイングであるバットの引き付けのタイミングが遅れすぎた場合には、いくら打撃スイングで良いタイミングでバットを振ったとしても、引き付け動作自体が遅れているのでボールにタイミングが合わず、空振りになる。従って、本構成においてプレイヤは準備動作と本動作の両方のタイミングに注意を払いながら操作を行う必要があり、例えば実際の野球のバッティングのようなリアル感をもってプレイすることとなるので、高い遊戯性を実現できる。
【0025】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記操作オブジェクトに関する能力情報を格納する操作オブジェクト能力記憶部を備え、上記プレイヤ操作評価手段は、上記操作オブジェクト能力記憶部に格納された能力情報に応じて、上記評価結果情報を変更する構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、移動オブジェクトの移動結果が、上記操作オブジェクトに設定されている能力情報に応じて変化することになる。よって、操作オブジェクトのキャラクタ設定などによって結果が変化するようなゲーム演出を行うことが可能となる。
【0027】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記移動体制御手段が、上記移動オブジェクトの上記所定の移動動作における移動状態を、該所定の移動動作ごとに変更する機能を有しているとともに、上記プレイヤ操作評価手段が、上記移動オブジェクトの移動状態に応じて、上記評価結果情報を変更する構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、移動オブジェクトの移動結果が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作における移動状態に応じて変化することになる。よって、移動オブジェクトの移動状態によって結果が変化するようなゲーム演出を行うことが可能となる。
【0029】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記移動オブジェクトの所定の移動動作を開始させる動作を行う動作オブジェクトの表示を制御する動作体制御手段と、上記動作オブジェクトに関する能力情報を格納する動作オブジェクト能力記憶部とをさらに備え、上記プレイヤ操作評価手段が、上記動作オブジェクト能力記憶部に格納された能力情報に応じて、上記評価結果情報を変更する構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、移動オブジェクトが、動作オブジェクトの動作によって所定の移動動作が開始されることになるので、プレイヤは、動作オブジェクトの動作によって移動オブジェクトの移動開始を認識することが可能となる。よって、動作オブジェクトの動きを見て操作オブジェクトの動作をコントロールするという、対戦型のゲームにおけるリアリティを提供することができる。
【0031】
また、移動オブジェクトの移動結果が、上記動作オブジェクトに設定されている能力情報に応じて変化することになる。よって、動作オブジェクトのキャラクタ設定などによって結果が変化するようなゲーム演出を行うことが可能となる。
【0032】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記操作判別手段が、上記第2操作情報として、複数種類の操作情報を判別するとともに、上記操作対象制御手段が、上記操作判別手段によって第2操作情報として判別された操作情報の種類に応じて、上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作の種類を変化させ、上記プレイヤ操作評価手段が、上記本動作の種類に応じて、上記評価結果情報を変更する構成としてもよい。
【0033】
上記の構成によれば、プレイヤは、本動作の開始指示の操作を変えることによって、本動作の内容を変更することができる。すなわち、準備動作を開始した後に、その後の状況に応じて本動作の内容を変更することができるので、リアルタイム性が高く、バリエーションに富んだ操作感を提供することができる。
【0034】
また、移動オブジェクトの移動結果が、上記動作オブジェクトに設定されている能力値に応じて変化することになる。よって、動作オブジェクトのキャラクタ設定などによって結果が変化するようなゲーム演出を行うことが可能となる。
【0035】
また、本発明に係るゲーム装置は、上記の構成において、上記操作判別手段が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作入力装置における所定の操作ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を上記第1操作情報の入力として判別し、上記第1操作情報の入力が行われた後に、さらに上記操作ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を上記第2操作情報の入力として判別する構成としてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、プレイヤは、指を別のボタンに移動させるなどの複雑な操作をすることなく、同じ操作ボタンを2回押すことによって、準備動作の開始指示および本動作の開始指示を行うことができる。
【0037】
また、操作ボタンを押し下げるという操作は、プレイヤにとってタイミングをとりやすい動作であるので、プレイヤの意図するタイミングで的確に準備動作および本動作の開始指示を行うことが可能となる。
【0038】
また、例えば、特定の操作ボタンを押し下げたタイミングで準備動作が開始し、該操作ボタンの押し下げを解除したタイミングで本動作が開始するような操作制御が考えられるが、この場合、準備動作を開始した後に本動作を行わないという操作を実現することが困難であるという問題がある。これに対して、上記の構成によれば、2回目の操作ボタンの押し下げを行わないことによって容易にこれを実現できる。
【0039】
なお、上記ゲーム装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記ゲーム装置をコンピュータにて実現させるゲーム装置のゲーム制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係るゲーム装置は、以上のように、上記操作対象制御手段が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作判別手段によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、上記操作判別手段によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作を開始させ、上記移動体制御手段が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間に応じて、上記操作オブジェクトの本動作による上記移動オブジェクトの移動結果を変化させる構成である。これにより、操作オブジェクトの動作のコントロールをより詳細に行え、現実世界のリアル感をゲーム上に反映できるので、操作の娯楽性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。
【0042】
(ゲームシステムの構成)
図2は、本実施形態に係るゲームシステム10の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、ゲームシステム10は、ゲーム装置1、コントローラ2、表示装置3、、スピーカ4、および記録媒体5を備えた構成となっている。
【0043】
ゲーム装置1は、ゲームシステム10によって提供されるゲームの情報処理、および、表示装置3およびスピーカ4などの外部装置に対する制御を行う装置である。コントローラ2は、遊技者としてのプレイヤからゲーム装置1に対する操作指示入力を受け付ける装置であり、各種ボタンや操作レバーなどが設けられている。なお、図では、コントローラ2は1つしか示していないが、複数のコントローラ2…がゲーム装置1に接続されていてもよい。
【0044】
表示装置3は、ゲーム装置1によって実行されるゲームの表示を行う表示装置である。この表示装置3は、映像の表示が可能な任意の表示装置であればよいが、例えば液晶表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置等で構成することができる。スピーカ4は、ゲーム装置1によって実行されるゲームで使用される音声を出力する装置である。記録媒体5は、例えばROM(Read Only Memory)カセット、カード型メモリ、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどに相当するものであり、ゲームプログラムおよびゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体5が書き込み可能な記録媒体である場合には、ゲームが中断された場合の各種ゲームパラメータが記録されるようになっていてもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、ゲーム装置1の一例として家庭用ゲーム装置を想定している。この場合、表示装置3およびスピーカ4が、家庭用のテレビジョンシステムに相当することになる。ただし、本発明に係るゲーム装置を備えるゲームシステムは、家庭用ゲーム装置を備えるゲームシステムに限定されるものではなく、有料ゲームサービス提供店舗で使用されるアーケード用ゲーム装置や、表示装置、操作用コントローラ、および制御部を備えた携帯型ゲーム装置などとして実現することも可能である。
【0046】
ゲーム装置1は、制御部11、記憶部12、操作入力I/F13、表示出力I/F14、および音声出力I/F15を備えている。これらの各部材は、バス16を介して接続される。このバス16は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。
【0047】
制御部11は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御する。この制御部11は、CPU(Central Processing Unit)21、信号処理プロセッサ22、および、画像処理プロセッサ23を備えている。CPU21と信号処理プロセッサ22と画像処理プロセッサ23とは、それぞれがバス16を介して互いに接続されている。
【0048】
CPU21は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU21は、信号処理プロセッサ22に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ22は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理とを行う。
【0049】
ここで、画像データについて説明する。3次元空間で動作する物体を表示するための画像データは、ポリゴンデータおよびテクスチャデータによって表現される場合がある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのデータであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとを含んでいる。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。
【0050】
このような画像データが用いられる場合、信号処理プロセッサ22は、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)を、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換し、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換する。そして、複数の2次元ポリゴンデータによってポリゴン外形が構成され、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータが表示される。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタが表現される。
【0051】
画像処理プロセッサ23は、主に、信号処理プロセッサ22の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データを後述するRAM25に書き込む処理を行う。
【0052】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)24、RAM(Random Access Memory)25、ハードディスク26、およびメディアリーダ27を備えている。ROM24は、ゲーム装置1が動作する上で最低限必要となるデータ、例えばBIOS(basic input output system)のプログラムデータやOS(operating system)のプログラムデータなどを記憶する。RAM25は、制御部11による情報処理が行われる際の作業メモリとして機能する。ハードディスク26は、各種設定データ、ゲームプログラムデータ、各ゲームに対応する設定データやポイントデータなどを記憶する。メディアリーダ27は、記録媒体5に対して情報の読み出しを行う。なお、記録媒体5が書き込み可能な媒体である場合には、メディアリーダ27が、情報の書き込み処理を行うメディアライタとしての機能をさらに有していても良い。
【0053】
なお、ROM24、ハードディスク26、およびメディアリーダ27は、それぞれ必須の構成ではなく、必要な情報がいずれかの記録媒体に記録されていればよい。すなわち、記憶部12が備える記録媒体、およびメディアリーダによって読み出される記録媒体5としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0054】
また、ゲーム装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0055】
操作入力I/F13は、コントローラ2から送出された操作指示信号(操作情報)を受け付けてバス16を介して制御部11に伝送する処理を行う。コントローラ2と操作入力I/F13とは、有線によって接続されていてもよいし、無線によって接続されていてもよい。
【0056】
表示出力I/F14は、ゲームの進行に応じて画像処理プロセッサ23によって処理され制御部11から出力される映像信号を、表示装置3に対して出力する処理を行う。音声出力I/F15は、ゲームの進行に応じて制御部11から出力される音声信号を、スピーカ4に対して出力する処理を行う。
【0057】
(制御部および記憶部の機能構成)
次に、制御部11および記憶部12の機能構成について図3を参照しながら以下に説明する。
【0058】
まず、本実施形態においては、ゲームシステム10によって提供されるゲームとして、ゲームの遊技者であるプレイヤが自己チームの選手キャラクタを操作して相手チームと得点を競うタイプの選手操作型の野球ゲームを想定している。このような野球ゲームの場合、一人のプレイヤがコンピュータを相手に対戦する1プレイヤモードと、二人のプレイヤが互いに対戦する2プレイヤモードとがある。本実施形態では、1プレイヤモードによるゲーム進行を想定するが、2プレイヤモードにも適用可能である。
【0059】
この野球ゲームにおいて、プレイヤは、基本的には、攻撃側である場合にはバッターの打撃に関して指示入力を行い、守備側である場合にはピッチャーの投球に関して指示入力を行う。その他、攻撃側である場合には、塁上のランナーの走行指示入力や、守備側である場合には、ピッチャー以外の野手の動作指示入力などが行われるようになっていてもよい。
【0060】
以下では、プレイヤが攻撃側である場合の、バッターの打撃に関するゲーム進行について説明する。この場合、バッターは、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトに相当することになる。また、ボールは、操作オブジェクトとしてのバッターの打撃動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトに相当することになる。また、ピッチャーは、移動オブジェクトとしてのボールの所定の移動動作、すなわち、ピッチャーからバッターに向けてのボールの移動動作を開始させる動作を行う動作オブジェクトに相当することになる。
【0061】
図3に示すように、制御部11は、機能ブロックとして操作判別部(操作判別手段)31およびゲーム制御部32を備えている。なお、制御部11が備える以下に示す各機能ブロックは、上記したCPU21、信号処理プロセッサ22、および画像処理プロセッサ23の少なくともいずれか1つがプログラムに従って処理を行うことによって実現されるものである。すなわち、各機能ブロックを実現するソフトウェアであるゲーム装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ゲーム装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成可能である。また、各機能ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
【0062】
操作判別部31は、コントローラ2から送出され、操作入力I/F13によって受け付けられた操作指示信号の内容を判別する処理を行う。ここで判別された操作指示信号の内容を示す情報は、ゲーム制御部32に送られる。
【0063】
ゲーム制御部32は、ゲームシステム10によって提供されるゲームの動作を制御するブロックであり、ゲーム進行制御部41、バッター制御部(操作対象制御手段)42、ボール制御部(移動体制御手段)43、ピッチャー制御部44、打撃操作評価部(プレイヤ操作評価手段)45、および背景制御部46を備えている。
【0064】
ゲーム進行制御部41は、野球ゲームのプログラムに従ってゲームの全体的な進行を制御するブロックである。このゲーム進行制御部41によるゲーム進行制御によって、以下に示すバッター制御部42、ボール制御部43、ピッチャー制御部44、打撃操作評価部45、および背景制御部46が適宜実行される。
【0065】
バッター制御部42は、バッターの動作および表示を制御するブロックである。このバッター制御部42は、バッター表示制御部42A、およびバッター動作制御部42Bを備えている。
【0066】
バッター動作制御部42Bは、プレイヤによる操作入力に従ってバッター動作を制御する。具体的には、操作判別部31によって、バッターの動作指示を示す操作指示信号が入力されたことが判別されると、バッター動作制御部42Bは、該操作指示信号の内容に応じてバッターの動作を制御する。また、バッター動作制御部42Bは、1回の打撃動作ごとに、バッターの動作指示を示す操作指示信号の内容および入力タイミングを、打撃操作情報として記憶部12における打撃操作状態記憶部57に記憶させる。
【0067】
バッター表示制御部42Aは、バッター動作制御部42Bによるバッター動作制御に従って、バッターの動作を表示させる制御を行う。具体的には、バッター表示制御部42Aは、記憶部12のバッター画像記憶部51に記憶されている画像データを読み出し、バッター動作制御部42Bによるバッター動作制御に応じた画像となるように画像演算処理を行う。そして、バッター表示制御部42Aは、画像演算処理結果としての画像データを表示出力I/F14を介して表示装置3に対して出力する。
【0068】
なお、実際には、バッター表示制御部42A、ボール表示制御部43A、ピッチャー表示制御部44A、および背景制御部46から出力される画像データは、それぞれレイヤーとしてまとめられて1つの表示画面を示す画像データが制御部11内にて生成され、これが表示出力I/F14を介して表示装置3に対して出力されることになる。
【0069】
ピッチャー制御部44は、ピッチャーの動作および表示を制御するブロックである。このピッチャー制御部44は、ピッチャー表示制御部44A、およびピッチャー動作制御部44Bを備えている。
【0070】
ピッチャー動作制御部44Bは、プログラムに従ってピッチャー動作を制御する。すなわち、1プレイヤモードの場合、対戦相手はコンピュータとなるので、プレイヤが攻撃側である場合には、ピッチャーの動作はプログラムによって制御される。なお、2プレイヤモードの場合には、操作判別部31によって、ピッチャーの動作指示を示す操作指示信号が入力されたことが判別されると、ピッチャー動作制御部44Bは、該操作指示信号の内容に応じてピッチャーの動作を制御することになる。また、ピッチャー動作制御部44Bは、1回の投球動作ごとに、投球動作の開始タイミングを、投球動作情報として記憶部12における打撃操作状態記憶部57に記憶させる。
【0071】
ピッチャー表示制御部44Aは、ピッチャー動作制御部44Bによるピッチャー動作制御に従って、ピッチャーの動作を表示させる制御を行う。具体的には、ピッチャー表示制御部44Aは、記憶部12のピッチャー画像記憶部53に記憶されている画像データを読み出し、ピッチャー動作制御部44Bによるピッチャー動作制御に応じた画像となるように画像演算処理を行う。そして、ピッチャー表示制御部44Aは、画像演算処理結果としての画像データを表示出力I/F14を介して表示装置3に対して出力する。
【0072】
ボール制御部43は、ボールの動作および表示を制御するブロックである。このボール制御部43は、ボール表示制御部43A、およびボール動作制御部43Bを備えている。
【0073】
ボール動作制御部43Bは、ピッチャーによる投球動作、および、バッターによる打撃動作に応じて、ボールの移動動作を制御する。具体的には、ボール動作制御部43Bは、ピッチャー動作制御部44Bによって投球動作が開始されると、ピッチャーの投球動作内容に応じてボールの投球移動動作を制御する。また、バッター動作制御部42Bによって打撃動作が行われると、バッターの打撃動作、および、後述する打撃操作評価部45による打撃操作評価結果に応じてボールの打球移動動作を制御する。
【0074】
ボール表示制御部43Aは、ボール動作制御部43Bによるボール動作制御に従って、ボールの動作を表示させる制御を行う。具体的には、ボール表示制御部43Aは、記憶部12のボール画像記憶部52に記憶されている画像データを読み出し、ボール動作制御部43Bによるボール動作制御に応じた画像となるように画像演算処理を行う。そして、ボール表示制御部43Aは、画像演算処理結果としての画像データを表示出力I/F14を介して表示装置3に対して出力する。
【0075】
打撃操作評価部45は、1回の打撃動作ごとに、プレイヤによるバッター動作に対する操作指示入力の内容およびタイミングに応じて打撃操作の評価処理を行う。具体的には、打撃操作評価部45は、打撃操作状態記憶部57に記憶されている投球動作情報および打撃操作情報を読み出し、操作評価テーブル記憶部(評価情報記憶部)56に記憶されている操作評価テーブルに従って該打撃操作情報で示される打撃操作の評価を行う。この際に、打撃操作評価部45は、バッター能力情報記憶部(操作オブジェクト能力記憶部)54に記憶されている該当バッターのバッター能力情報、および、ピッチャー能力情報記憶部(動作オブジェクト能力記憶部)55に記憶されている該当ピッチャーのピッチャー能力情報を読み出し、これらのバッター能力情報およびピッチャー能力情報も考慮して打撃操作の評価を行う。なお、バッター能力情報記憶部54およびピッチャー能力情報記憶部55には、当該ゲームで登場可能な複数の選手に関するバッター能力情報およびピッチャー能力情報が記憶されている。
【0076】
背景制御部46は、ピッチャーおよびバッター以外の選手やその他の登場キャラクタに関する動作制御および表示制御、ならびに、ゲームの進行に伴う背景画像の表示制御を行う。これらの制御に必要な各種データは記憶部12に記憶されており、背景制御部46は、適宜記憶部12から必要なデータを読み出して処理を行う。
【0077】
(ゲーム処理の流れ)
次に、ゲームシステム10によって提供されるゲームの処理の流れについて説明する。本実施形態で実行されるゲームは、上記したように、選手操作型の野球ゲームである。このような野球ゲームでは、実際の野球の進行と同様に、2つのチームにおいて攻撃期間と守備期間とを交互に入れ替えてゲームが進行する。以下では、プレイヤのチームが攻撃側である場合に、ピッチャーによる1回の投球動作に対して、プレイヤがバッターの打撃の指示入力を行うときの打撃処理の流れについて説明する。
【0078】
図1は、上記の打撃処理の流れを示すフローチャートである。まずステップ1(以降、S1のように称する)において、ピッチャー制御部44の制御に従ってピッチャーが投球動作を開始する。ここでの投球動作の開始時点は、ピッチャーが投球するための投球モーションを開始した時点となる。そして、この投球動作の開始に伴って、ボール制御部43の制御に従ってボールが移動を開始する(S2)。なお、投球動作の開始直後からピッチャーが手からボールを放すまでの期間は、ボールはピッチャーによって保持されていることになるが、この期間においても、ピッチャーの投球モーションに従ってボールは移動をしているものとする。
【0079】
すなわち、移動オブジェクトとしてのボールが、所定の移動動作としての投球による移動動作を開始する開始タイミングは、この投球動作の開始時点となる。この投球動作の開始時点、言い換えればボールの移動開始時点から、T1のカウントが開始される(S3)。T1とは、ボールの移動開始時点からバッターによる準備スイング(後述)の開始時点までの時間を表している。
【0080】
T1のカウント開始は、本実施形態では、ピッチャー動作制御部44Bが投球動作の開始タイミングを、投球動作情報として記憶部12における打撃操作状態記憶部57に記憶させることによって実現される。なお、T1のカウントを行うタイマー(計時手段)をゲーム制御部32に設け、投球動作の開始タイミングでこのタイマーが時間計測を開始するようになっていてもよい。
【0081】
ピッチャーによる投球動作が開始されると、ピッチャー表示制御部44Aおよびボール表示制御部43Aによって、ピッチャーの投球動作に伴う画像表示が制御される。図4(a)は、ピッチャーによる投球動作開始時における表示画面例を示している。同図において、P1がバッターの画像を示しており、P2がピッチャーの画像を示している。
【0082】
次に、S4において、ボール動作制御部43Bが、ボールがキャッチャーに到達したか否かを判定する。この判定は、次のように行われる。まず、ピッチャー動作制御部44Bによるピッチャーの投球動作内容に応じて、ボール動作制御部43Bは、ボールの移動状態、例えば球速や移動経路などを確定し、ボールの移動開始から、打撃が行われない場合のボールがキャッチャーに到達するまでの時間T0を算出する。そして、ボール動作制御部43Bは、ボールの移動開始からの経過時間が時間T0を越えたか否かを判定することによって、ボールがキャッチャーに到達したか否かを判定する。
【0083】
S4においてYES、すなわち、ボールがキャッチャーに到達した場合には、バッターは打撃動作を行わなかったことになり、S12からの処理に移行する。一方、S4においてNO、すなわち、ボールがキャッチャーに到達していない場合には、S5において、バッター動作制御部42Bが、コントローラ2において打撃指示ボタンとして割り当てられている打撃ボタンが押されたか否かを判定する。具体的には、バッター動作制御部42Bが、操作判別部31から、操作指示信号として打撃ボタンが押されたことを示す打撃指示信号(第1操作情報)が検知されたことを示す情報を受け取ったか否かを判定する。S5においてNO、すなわち、打撃ボタンが押されていないと判定された場合、S4からの処理が繰り返される。
【0084】
一方、S5においてYES、すなわち、打撃ボタンが押されたと判定された場合、バッター動作制御部42Bは、バッターが準備スイングを開始するように動作制御する(S6)。ここで、バッターのスイングについて説明する。バッターが打撃を行うためにバットをスイングする動作を前半と後半との2つに分け、前半のスイング、すなわち、準備動作としてのスイングを準備スイングと称し、後半のスイング、すなわち、本動作としてボールへバットを当てようとするスイングを打撃スイングと称することにする。
【0085】
上記のように、バッター動作制御部42Bによって準備スイングの動作制御が行われると、バッター表示制御部42Aは、バッターが準備スイングを行う画像表示を制御する。図4(b)は、バッターによる準備スイング開始時における表示画面例を示している。この例では、ピッチャーによる投球モーションの途中の段階でバッターによる準備スイングが開始されている。
【0086】
また、バッターによる準備スイングが開始されると、T1のカウントが終了されるとともに、T2のカウントが開始される(S7)。T2とは、バッターによる準備スイングの開始時点から打撃スイングの開始時点までの時間を表している。
【0087】
T1のカウント終了およびT2のカウント開始は、本実施形態では、バッター動作制御部42Bが準備スイングの開始タイミングを、打撃動作情報として記憶部12における打撃操作状態記憶部57に記憶させることによって実現される。なお、T2のカウントを行うタイマー(計時手段)をゲーム制御部32に設け、準備スイングの開始タイミングでこのタイマーが時間計測を開始するようになっていてもよい。
【0088】
次に、S8において、ボール動作制御部43Bが、ボールがキャッチャーに到達したか否かを判定する。この判定は、S4における判定処理と同様に行われる。
【0089】
S8においてYES、すなわち、ボールがキャッチャーに到達した場合には、バッターは打撃スイングを行わなかったことになり、S12からの処理に移行する。一方、S8においてNO、すなわち、ボールがキャッチャーに到達していない場合には、S9において、バッター動作制御部42Bが、コントローラ2における打撃ボタンが押されたか否かを判定する。具体的には、バッター動作制御部42Bが、操作判別部31から、操作指示信号として打撃ボタンが押されたことを示す打撃指示信号(第2操作情報)が検知されたことを示す情報を受け取ったか否かを判定する。S9においてNO、すなわち、打撃ボタンが押されていないと判定された場合、S8からの処理が繰り返される。
【0090】
一方、S9においてYES、すなわち、打撃ボタンが押されたと判定された場合、バッター動作制御部42Bは、バッターが打撃スイングを開始するように動作制御する(S10)。バッター動作制御部42Bによって打撃スイングの動作制御が行われると、バッター表示制御部42Aは、バッターが打撃スイングを行う画像表示を制御する。図4(c)は、バッターによる打撃スイング開始時における表示画面例を示している。この例では、ボールがピッチャーの手から離れてバッター側に飛んできている途中の段階でバッターによる打撃スイングが開始されている。
【0091】
また、バッターによる打撃スイングが開始されると、T2のカウントが終了される(S11)。T2のカウント終了は、本実施形態では、バッター動作制御部42Bが打撃スイングの開始タイミングを、打撃動作情報として記憶部12における打撃操作状態記憶部57に記憶させることによって実現される。
【0092】
次に、S12において、打撃操作評価部45が、今回の打撃処理によるボールの移動結果を評価する打撃操作評価処理を行う。具体的には、打撃操作評価部45は、打撃操作状態記憶部57に記憶されている情報からT1およびT2を特定し、操作評価テーブル記憶部56に記憶されている操作評価テーブルを参照して、該当打撃に対する評価を評価結果情報として特定する。なお、この打撃操作評価部45による打撃操作評価処理の詳細については後述する。
【0093】
打撃操作評価処理が行われると、次にS13において、打撃操作の評価結果情報に従って打撃結果の表示が行われる。まず、ボール動作制御部43Bが、打撃操作の評価結果情報に従って打撃によるボールの移動内容を決定し、これに応じてボール表示制御部43Aがボールの移動を示す画像表示を制御する。また、バッター制御部42、ピッチャー制御部44、および背景制御部46も、打撃操作評価結果に従って、バッター、ピッチャー、野手などの動作制御および表示制御を行う。図4(d)は、打撃結果の表示画面例を示している。この例では、バッターの打撃スイングによってボールが打たれて移動を開始している瞬間の画像が示されている。
【0094】
以上の処理により1回の打撃処理が完了する。このような打撃処理が繰り返し行われることによって、プレイヤによる攻撃期間でのプレイが実施される。
【0095】
(打撃操作評価処理の詳細)
次に、上記した打撃操作評価処理の詳細について説明する。打撃操作評価処理では、まず打撃操作評価部45は、T1およびT2を打撃操作状態記憶部57に記憶されている情報から算出する。具体的には、T1は、打撃操作状態記憶部57に記憶されている情報の中から、投球動作の開始タイミングと準備スイングの開始タイミングとの時間差によって算出される。また、T2は、打撃操作状態記憶部57に記憶されている情報の中から、準備スイングの開始タイミングと打撃スイングの開始タイミングとの時間差によって算出される。
【0096】
図5は、投球動作によるボールの移動開始からボールのキャッチャーに到達する予定の時間までの時間T0、投球動作の開始時点から準備スイングの開始時点までの時間T1、および、準備スイングの開始時点から打撃スイングの開始時点までの時間T2の関係を示している。同図において、Aが投球動作の開始時点、Bが準備スイングの開始時点、Cが打撃スイングの開始時点、Dがボールがバットに当たった時点、Eが打撃が行われない場合のボールがキャッチャーに到達する時点を示している。すなわち、AからEまでの期間がT0、AからBまでの期間がT1、BからCまでの期間がT2となる。
【0097】
そして、打撃操作評価部45は、操作評価テーブル記憶部56に記憶されている操作評価テーブルを読み出し、T1およびT2に基づいて該当打撃に対する評価結果情報を特定する。図6(a)は、T1に関する評価テーブルの例を示しており、図6(b)は、T2に関する評価テーブルの例を示している。評価テーブルは、T1またはT2の値に応じて評価値が設定されている。これらの図に示す例では、左端からの距離が時間を表しており、検出されたT1またはT2の値に相当する位置の評価値が読み出されることによって評価が行われることになる。各評価値が記入されているそれぞれのマスは所定の同一の時間間隔を有しており、この時間間隔に入るタイミングの動作に対して、その該当するマスの評価値が割り当てられる。一例として、図6(a)および図6(b)の各マスの時間は50msecとすることができる。つまり、50msecごとに評価値が割り当てられることになる。
【0098】
評価値は、準備スイングおよび打撃スイングの開始タイミングとして最も好ましいタイミングとなる時点(ベストポイント:第1の経過時間のタイミング)で最高の値をとるように設定されている。そして、ベストポイントから離れるに従って徐々にポイントが低下するような点数配分になっている。これにより、実際の野球によるバッティングにおいて、最も好ましいタイミングで打てば良い打撃結果となり、最も好ましいタイミングからずれるに従って打撃結果が悪くなる、という状態をゲーム上でリアルにシミュレーションすることが可能となる。
【0099】
また、準備スイングまたは打撃スイングのタイミングが、評価テーブルにおいて評価値に、無効評価値として×が設定されているタイミングとなる場合には、該当スイングではない方のスイング、すなわち、打撃スイングまたは準備スイングがどのようなタイミングであっても、その打撃は空振りになる。この無効評価値は、T1およびT2に関する評価テーブルのそれぞれにおいて、ベストポイントよりも時間的に後となる所定のタイミング(第2の経過時間のタイミング)以降に設定される。また、T2に関する評価テーブルでは、ベストポイントよりも時間的に前となる所定のタイミング以前にも設定されているが、T1に関する評価テーブルにおいても同様に設定されていてもよい。また、無効評価値がT1およびT2のいずれか一方にのみ設定されていてもよい。
【0100】
これにより、例えば準備スイングのタイミングが非常に悪い場合、打撃スイングがたとえベストポイントで行われたとしても空振りとすることができる。よって、実際の野球によるバッティングならばバットにボールが当たらないような不自然なタイミングで打撃が行われた場合に、的確に空振りにすることが可能となり、シミュレーションの精度を向上させることができる。
【0101】
以上のような評価テーブルに基づいて、打撃操作評価部45は、準備スイングに対応する準備スイング評価値(準備動作評価値)、および打撃スイングに対応する打撃スイング評価値(本動作評価値)を特定する。そして、打撃操作評価部45は、準備スイング評価値と打撃スイング評価値とに基づいて、総合的な打撃評価値(操作評価値)を算出する。打撃評価値の算出方法としては、準備スイング評価値と打撃スイング評価値とを加算する方法、準備スイング評価値と打撃スイング評価値とを乗算する方法などが挙げられる。また、準備スイング評価値と打撃スイング評価値とのそれぞれに対して互いに異なる重み付けを付加してから加算または乗算するようにしてもよい。また、重み付けは、評価テーブルに設定しているベストポイントにおける評価値を、準備スイングおよび打撃スイングとで異ならせておくことによって実現してもよい。
【0102】
以下に、図6(a)および図6(b)に示す評価テーブルにおいて、打撃評価値の算出方法として、準備スイング評価値と打撃スイング評価値とを加算する方法の一例について示す。
【0103】
準備スイングおよび打撃スイングがともにベストポイントで行われた場合、準備スイング評価値が5、打撃スイング評価値が5となり、打撃評価値は5+5=10となる。すなわち、打撃評価値10が最高値となる。
【0104】
準備スイング評価値が0、打撃スイング評価値が3の場合には、打撃評価値は0+3=3となる。この場合、最高値が10に対して打撃評価値が3であるので、打撃結果としてはあまり良くない結果となる。
【0105】
準備スイング評価値が3、打撃スイング評価値が×の場合には、打撃評価値は算出されず、空振りとなる。すなわち、準備スイングのタイミングはある程度よかったが、打撃スイングのタイミングが非常に悪かったために、空振りになったことになる。
【0106】
以上のように、準備スイング評価値と打撃スイング評価値との両方を考慮して打撃評価値が算出されるので、プレイヤは準備スイングの開始タイミングおよび打撃スイングの開始タイミングについても配慮する必要が生じることになる。すなわち、プレイヤは、準備スイングから打撃スイングまでの期間のコントロールをすることによって打撃結果を所望の状態とすることが可能となり、ゲームの娯楽性を高めることができる。
【0107】
ここで、打撃スイング開始タイミングの決定支援のために、表示画面上に、打撃スイング評価値提示画像としてのタイミングゲージが表示されるようになっていてもよい。このタイミングゲージは、準備スイングが開始されてからの時間経過に従って、打撃スイング評価値に相当する画像変化を生じさせる画像である。このタイミングゲージにおける画像変化の例としては、時間経過に従って変化する打撃スイング評価値に応じて、長さが変化する棒グラフ状の画像や、半径の長さが変化する円状の画像などが挙げられる。このようなタイミングゲージが表示されることによって、プレイヤは、どのタイミングで打撃スイングを開始すればよいのかを把握しやすくなる。
【0108】
なお、上記の例では、評価テーブルはT1およびT2のそれぞれに対して時間と評価値との関係を示すものとなっているが、T1とT2とに応じて打撃評価値が定まるような評価テーブルであればどのようなものであってもよい。例えば、T1とT2とをそれぞれ2つの軸とする2次元平面上の各位置に対応して評価値が設定されているような評価テーブルであってもよい。また、上記の例では、評価値がテーブルの形式で離散的に設定されているが、T1またはT2の値に応じて評価値が決まる関数の形式で評価値が算出されるようになっていてもよい。また、T1とT2とに応じて打撃評価値が決まるのではなく、打撃結果の種類(例えば、1塁打、ホームラン、ショートゴロ、ファウルなど)が決まるような評価テーブルであってもよい。
【0109】
また、打撃に対する評価が、打撃を行っているバッターのキャラクタ設定として設定されているバッター能力情報によって変更されるようになっていてもよい。例えば、打撃を行っているバッターの能力の種類を複数設定しておき、各バッターの能力の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。
【0110】
図7(a)および図7(b)は、図6(a)および図6(b)に示す評価テーブルに対応するバッターの能力の種類よりも能力が高いバッターの能力の種類に対応する評価テーブルを示しており、同図(a)は準備スイング、同図(b)は打撃スイングに対応している。図6(a)および図6(b)に示す評価テーブルでは、ベストポイントはそれぞれ1カ所となっているが、図7(a)および図7(b)に示す評価テーブルでは、ベストポイントがそれぞれ3カ所となっており、ベストポイントの期間が長くなっている。また、ベストポイントの拡大に伴って、評価値が1以上となっている期間も長くなっている。すなわち、図6(a)および図6(b)に示す評価テーブルを用いる場合よりも、図7(a)および図7(b)に示す評価テーブルを用いる方が打撃結果が良くなる可能性が高くなる。
【0111】
すなわち、バッター能力情報記憶部54に、ゲームに登場する各選手にバッター能力情報として、バッターの能力の種類を記憶しておくとともに、操作評価テーブル記憶部56に、各バッターの能力の種類に対応した評価テーブルを記憶しておく。そして、打撃操作評価部45が、打撃を行っているバッターに対応する能力の種類をバッター能力情報記憶部54から読み出し、該能力の種類に対応した評価テーブルに従って打撃の評価を行うようにすればよい。バッターの能力の種類の設定方法としては、例えば総合的な打撃能力を段階的に設定する形式や、打撃の傾向、例えば、長打力は高いが安打率は低い、長打力は低いが安打率は高い、などによって長打型、安打型のような種類分けがされる形式などが考えられる。また、バッター能力情報として、バッターの調子に関する情報も含まれているようになっており、この調子によって評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。
【0112】
さらに、バッターとしての各選手ごとに評価テーブルが設定されていてもよい。この場合、各選手の打撃の癖などを考慮して準備スイング評価値や打撃スイング評価値のタイミング設定を行うことが可能となる。よって、例えば各選手に対応した画像表示が行われることと組み合わせることによって、各選手の打撃フォームの癖などに応じた準備スイング、打撃スイングを演出することが可能となり、娯楽性を高めることができる。
【0113】
また、バッターとしての各選手ごとに、ピッチャーとしての各選手との相性の情報がバッター能力情報として設定されていてもよい。この場合、バッターとピッチャーとの相性によって打撃結果が変わることになるので、戦略的なかけひきなどの娯楽性を高めることができる。
【0114】
このように、バッターの能力の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていれば、バッターのキャラクタ設定に応じて打撃結果の傾向を変えることが可能となる。よって、実際の野球のように、各選手の能力に応じて打撃結果が変化するので、野球シミュレーションのリアリティを向上させることができる。
【0115】
なお、上記の例では、操作評価テーブル記憶部56に、各バッターの能力の種類に対応した評価テーブルが記憶されることによって、各バッターの能力の種類に応じた評価が行われるようになっているが、評価テーブルは1種類とし、打撃操作評価部45が、各バッターの能力の種類に応じて評価テーブルに設定されている評価値に係数をかけることによって、評価を行うようになっていてもよい。例えば、打撃能力が高い場合には各評価値を1.5倍にし、打撃能力が低い場合には各評価値を0.5倍にする、というような処理を行うことが考えられる。
【0116】
また、打撃に対する評価が、投球を行っているピッチャーのキャラクタ設定として設定されているピッチャー能力情報によって変更されるようになっていてもよい。例えば、投球を行っているピッチャーの能力の種類を複数設定しておき、各ピッチャーの能力の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。
【0117】
すなわち、ピッチャー能力情報記憶部55に、ゲームに登場する各選手にピッチャー能力情報として、ピッチャーの能力の種類を記憶しておくとともに、操作評価テーブル記憶部56に、各ピッチャーの能力の種類に対応した評価テーブルを記憶しておく。そして、打撃操作評価部45が、投球を行っているピッチャーに対応する能力の種類をピッチャー能力情報記憶部55から読み出し、該能力の種類に対応した評価テーブルに従って打撃の評価を行うようにすればよい。ピッチャーの能力の種類の設定方法としては、例えば総合的な投球能力を段階的に設定する形式や、投球の傾向、例えば、ストレートが早い、変化球が得意、などによって種類分けがされる形式などが考えられる。また、ピッチャー能力情報として、ピッチャーの調子に関する情報も含まれているようになっており、この調子によって評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。
【0118】
このように、ピッチャーの能力の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていれば、ピッチャーのキャラクタ設定に応じて打撃結果の傾向を変えることが可能となる。よって、実際の野球のように、各選手の能力に応じて打撃結果が変化するので、野球シミュレーションのリアリティを向上させることができる。
【0119】
なお、上記の例では、操作評価テーブル記憶部56に、各ピッチャーの能力の種類に対応した評価テーブルが記憶されることによって、各ピッチャーの能力の種類に応じた評価が行われるようになっているが、評価テーブルは1種類とし、打撃操作評価部45が、各ピッチャーの能力の種類に応じて評価テーブルに設定されている評価値に係数をかけることによって、評価を行うようになっていてもよい。例えば、投球能力が高い場合には各評価値を0.5倍にし、投球能力が低い場合には各評価値を1.5倍にする、というような処理を行うことが考えられる。
【0120】
また、打撃に対する評価が、該打撃に対する投球内容、すなわちボールの移動状態によって変更されるようになっていてもよい。例えば、投球内容に応じて評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。投球内容としては、ボールの移動速度、および移動経路などが挙げられる。移動経路には、ホームベースを通過する際のボールの位置(内角低め、外角高めなど)、および変化球の種類(カーブ、シュート、フォークなど)などが含まれる。
【0121】
具体的には、まず、ピッチャー動作制御部44Bによるピッチャーの投球内容に応じて、ボール動作制御部43Bが、ボールの移動状態、例えば球速や移動経路などを確定する。このボールの移動状態の情報が打撃操作状態記憶部57に記憶される。一方、操作評価テーブル記憶部56に、ボールの移動状態に対応した評価テーブルを記憶しておく。そして、打撃操作評価部45が、ボールの移動状態の情報を打撃操作状態記憶部57から読み出し、該ボールの移動状態に対応した評価テーブルに従って打撃の評価を行うようにすればよい。
【0122】
このように、ボールの移動状態に応じて評価テーブルが変更されるようになっていれば、投球内容に応じて打撃結果の傾向を変えることが可能となる。よって、実際の野球のように、投球内容に応じて打撃結果が変化するので、野球シミュレーションのリアリティを向上させることができる。
【0123】
なお、T1に関しては、ボールの移動状態、特に投球された球速によってベストポイントが変わってくることは考えられるが、T2に関しては、球速による影響はなく、純粋に打撃のスイングのタイミングとして打撃結果に影響を与えるものと見なすことも可能である。この場合、ボールの移動状態に応じて、T1に関する評価テーブルのみが変更されるようになっていてもよい。
【0124】
以上では、打撃に対する評価が、バッター能力情報、ピッチャー能力情報、および投球内容によって変更される例について示したが、これらを全て考慮して打撃に対する評価が変更されるようになっていてもよい。この場合、上記したバッター能力情報を考慮する方法と、ピッチャー能力情報を考慮する方法と、投球内容を考慮する方法とを適宜組み合わせて行えばよい。すなわち、バッター能力情報、ピッチャー能力情報、および投球内容の少なくともいずれか1つによって打撃に対する評価が変更されるようになっていてもよい。
【0125】
(打撃方法の切り替え)
上記の例では、投球が開始されてから最初に打撃ボタンがプレイヤによって押されることによって準備スイングが開始され、その後に再度打撃ボタンが押されることによって打撃スイングが開始されるようになっている。ここで、準備スイングが開始された後に、打撃ボタンとは異なる操作ボタンがプレイヤによって押された場合に、通常の打撃スイングとは異なる打撃方法が行われるようになっていてもよい。すなわち、バッター動作制御部42Bが、操作判別部31によって第2操作情報として判別された操作情報の種類に応じて、バッターによる打撃方法の種類を変化させるようになっていてもよい。
【0126】
例えば、コントローラ2に、バント動作を指示入力するボタンとしてのバントボタンが設定されており、このバントボタンが準備スイングの開始後に押された場合には、バッター動作制御部42Bが、バッターがバントを行うように動作制御する。その他、軽めにバットを振ってボールに当てるようなハーフスイングを指示する操作情報などが用いられるようになっていてもよい。
【0127】
このような打撃方法の切り替えが行われる場合、プレイヤは、準備動作を開始した後に、その後の状況に応じて打撃方法の種類を変更することができるので、リアルタイム性が高く、バリエーションに富んだ操作感を提供することができる。
【0128】
上記のように打撃方法の切り替えが行われる場合、打撃に対する評価が、打撃方法によって変更されるようになっていてもよい。例えば、打撃方法の種類を複数設定しておき、各打撃方法の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていてもよい。
【0129】
すなわち、操作評価テーブル記憶部56に、打撃方法の種類に対応した評価テーブルを記憶しておく。そして、打撃操作評価部45が、打撃方法の種類をバッター動作制御部42Bから取得し、該打撃方法の種類に対応した評価テーブルに従って打撃の評価を行うようにすればよい。
【0130】
このように、打撃方法の種類に応じて評価テーブルが変更されるようになっていれば、指示された打撃方法に応じて打撃結果の傾向を変えることが可能となり、野球シミュレーションのリアリティを向上させることができる。
【0131】
なお、上記の例では、操作判別部31が、投球動作が開始された後に、打撃ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を準備スイングの開始指示を示す第1操作情報の入力として判別し、第1操作情報の入力が行われた後に、さらに上記打撃ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を打撃スイングの開始指示を示す第2操作情報の入力として判別するようになっている。
【0132】
この場合、プレイヤは、指を別のボタンに移動させるなどの複雑な操作をすることなく、同じ操作ボタンを2回押すことによって、準備スイングの開始指示および打撃スイングの開始指示を行うことができる。
【0133】
また、操作ボタンを押し下げるという操作は、プレイヤにとってタイミングをとりやすい動作であるので、プレイヤの意図するタイミングで的確に準備スイングおよび打撃スイングの開始指示を行うことが可能となる。
【0134】
なお、第1操作情報の入力として判別される操作情報と、第2操作情報の入力として判別される操作情報とが異なっていてもよい。すなわち、準備スイングの開始指示を行うボタンと打撃スイングの開始指示を行うボタンとが異なるボタンであってもよい。
【0135】
(その他の打撃操作)
上記では、プレイヤによる打撃操作に関して、準備スイングの開始タイミングの入力、および打撃スイングの開始タイミングの入力について説明したが、これら以外に、さらに打撃操作が行われるようになっていてもよい。本実施形態において適用可能な打撃操作の例としては、ゾーン打ち、エリア打ち、ノーマル、およびロックオンなどが挙げられる。
【0136】
ゾーン打ちとは、打撃スイングの開始を指示する入力が検知されたタイミングで、操作判別部31によって方向指示を示す方向指示操作情報の入力が検知されている場合に、該方向指示操作情報で示される方向に応じて、打撃によるボールの移動方向である打球方向を変化させる打撃操作方法である。
【0137】
方向指示操作情報は、例えばコントローラ2に設けられている、方向を指示することが可能なレバーあるいはボタンがプレイヤによって操作されたことによって発生するようにすることができる。ここで、方向の移動量は、一定量であってもよいし、方向指示の操作量に応じて変化するようになっていてもよい。方向指示の操作量は、例えばコントローラ2に設けられているレバーの傾き量で決定されてもよいし、コントローラ2に設けられているボタンが押されている時間で決定されてもよい。
【0138】
図8(a)〜図8(c)は、方向指示操作情報に応じて画面表示が変更されている例を示しており、同図(a)は、左方向を示す方向指示操作情報が入力された場合、同図(b)は、右方向を示す方向指示操作情報が入力された場合、同図(c)は、方向指示操作情報が入力されなかった場合を示している。まず、同図(c)に示すように、方向指示操作情報が入力されなかった場合には、打球方向は正面方向、すなわち、ホームベースから見てセンターの方向となり、画面表示も正面方向が正面となった状態となる。一方、左方向を示す方向指示操作情報が入力された場合、同図(a)に示すように、打球方向は正面方向から左によった方向(ライト方向)となり、画面表示も正面方向から左によった方向が正面となった状態となる。また、右方向を示す方向指示操作情報が入力された場合、同図(b)に示すように、打球方向は正面方向から右によった方向(レフト方向)となり、画面表示も正面方向から右によった方向が正面となった状態となる。
【0139】
また、下方向(上方向でもよい)を示す方向指示情報が入力された場合、打球は上方へ飛ぶことになり、上方向(下方向でもよい)を示す方向指示情報が入力された場合、打球は低めに飛ぶことになるようにしてもよい。
【0140】
上記のようなゾーン打ちによれば、プレイヤは、打撃スイングの開始指示タイミングにおいて、方向指示を示す操作を行うことによって、打撃によるボールの移動方向を変化させることが可能となる。よって、打撃によるボールの移動のコントロールをより詳細に行うことができるので、操作の娯楽性を高めることができる。
【0141】
また、打撃によるボールの移動方向を指示する操作は、比較的単純な操作入力であるので、準備スイングを開始させる操作、および打撃スイングを開始させる操作を連続して行う操作と並行して行うことが容易である。すなわち、プレイヤに複雑な操作を強いることなく、娯楽性の高いゲーム操作感を提供することが可能となる。
【0142】
上記の「エリア打ち」とは、打撃後のボールの着地点として、おおまかな領域を指定する打撃操作方法である。領域は、操作判別部31によって方向指示を示す方向指示操作情報の入力が検知されている場合に、該方向指示操作情報で示される方向に応じて決定される。
【0143】
一方、上記した「ノーマル」とは、バットをスイングする際のバットの位置を指定する打撃カーソルを移動させて打撃を行う打撃操作方法である。打撃カーソルは、操作判別部31によって方向指示を示す方向指示操作情報の入力が検知されている場合に、該方向指示操作情報で示される方向に応じて移動する。すなわち、この場合、プレイヤは、投球されたボールがホームベースを通過する際の位置に合わせて打撃カーソルを移動させて打撃を行うことになる。
【0144】
このような打撃操作方法の場合、準備スイングタイミング、および打撃スイングタイミングのコントロールに加えて、バットをスイングさせる位置もコントロールすることになるので、バッティング動作のシミュレーションとしてよりリアルな操作感を提供することができる。一方で、打撃カーソルの位置のコントロールは、投球によるボールの速度を鑑みると非常に難易度が高く、ゲームが難しくなりすぎることも考えられる。
【0145】
この問題に対して、打撃カーソルの大きさを、通常よりも大きくするように設定可能とすることが考えられる。この場合、通常の打撃カーソルの大きさでは操作が難しいと感じるプレイヤは、打撃カーソルの大きさを大きくする設定に切り替えることによって、ゲームの難易度を下げることが可能となる。
【0146】
また、上記した「ロックオン」とは、打撃カーソルを移動させて打撃を行う点は「ノーマル」と同様である一方、打撃カーソルがボールの通過位置に対して自動的に補正される打撃操作方法である。この場合も、打撃カーソルの移動操作の難易度を下げることができる。
【0147】
(野球ゲーム以外の適用例)
上記実施形態では、ゲームシステム10によって提供されるゲームとして、野球ゲームを例に本発明の説明を行ったが、本発明は野球ゲームに限られず、つぎのようなゲームに対して適用することができる。すなわち、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクト、および、該操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトが存在し、移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、プレイヤによる操作入力によって操作オブジェクトによる移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、さらにプレイヤによる操作入力によって操作オブジェクトによる移動オブジェクトに対する本動作が開始されるようなゲームに対して適用可能である。
【0148】
このようなゲームの例としては、テニスゲーム、サッカーゲーム、および、バレーボールゲームなどの球技スポーツゲーム、ならびに、刀などの武器を用いて対戦する武器格闘型ゲームなどが挙げられる。
【0149】
球技スポーツゲームでは、操作オブジェクトがプレイヤが操作する特定の選手に相当し、移動オブジェクトが、該球技スポーツで用いられるボールに相当する場合が考えられる。一例としてテニスゲームを想定した場合、準備動作がラケットのテイクバックに相当し、本動作がフォワードスイングに相当する。
【0150】
武器格闘型ゲームでは、操作オブジェクトがプレイヤが操作する特定のキャラクタに相当し、移動オブジェクトが、対戦相手としてのキャラクタ自身に相当する場合が考えられる。この場合準備動作が刀の振りかぶりの動作に相当し、本動作が振り下ろしの動作に相当する。また、本動作による移動オブジェクトの移動状態の変化は、対戦相手としてのキャラクタに対して与えたダメージ度合いに相当することが考えられる。
【0151】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明に係るゲーム装置は、プレイヤの操作対象となる操作オブジェクト、および、該操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトが存在し、移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、プレイヤによる操作入力によって操作オブジェクトによる移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、さらにプレイヤによる操作入力によって操作オブジェクトによる移動オブジェクトに対する本動作が開始されるような各種ゲームに対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムによって提供されるゲームの処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記ゲームシステムにおけるゲーム装置が備える制御部および記憶部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】(a)〜(d)は、ピッチャーの投球動作開始からバッターの打撃終了までの表示画面例をそれぞれ示す図である。
【図5】投球動作の開始時点からボールの移動開始からキャッチャーに到達する予定の時間までの時間、投球動作の開始時点から準備スイングの開始時点までの時間、および、準備スイングの開始時点から打撃スイングの開始時点までの時間の関係を示す図である。
【図6】(a)は、準備スイングに対する評価テーブルの例を示す図であり、(b)は、打撃スイングに対する評価テーブルの例を示す図である。
【図7】(a)は、準備スイングに対する評価テーブルの別の例を示す図であり、(b)は、打撃スイングに対する評価テーブルの別の例を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、ゾーン打ちが行われている場合における、方向指示操作情報に応じて画面表示が変更されている例を示す図である。
【符号の説明】
【0154】
1 ゲーム装置
2 コントローラ
3 表示装置
4 スピーカ
5 記録媒体
10 ゲームシステム
11 制御部
12 記憶部
16 バス
21 CPU
22 信号処理プロセッサ
23 画像処理プロセッサ
24 ROM
25 RAM
26 ハードディスク
27 メディアリーダ
31 操作判別部(操作判別手段)
32 ゲーム制御部
41 ゲーム進行制御部
42 バッター制御部(操作対象制御手段)
42A バッター表示制御部
42B バッター動作制御部
43 ボール制御部(移動体制御手段)
43A ボール表示制御部
43B ボール動作制御部
44 ピッチャー制御部(動作体制御手段)
44A ピッチャー表示制御部
44B ピッチャー動作制御部
45 打撃操作評価部(プレイヤ操作評価手段)
46 背景制御部
51 バッター画像記憶部
52 ボール画像記憶部
53 ピッチャー画像記憶部
54 バッター能力情報記憶部(操作オブジェクト能力記憶部)
55 ピッチャー能力情報記憶部(動作オブジェクト能力記憶部)
56 操作評価テーブル記憶部(評価情報記憶部)
57 打撃操作状態記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトを表示装置に表示させ、プレイヤからの操作入力を受け付ける操作入力装置からの操作情報に基づいて、上記操作オブジェクトの表示状態を変化させることによって動作させるゲームを実行するゲーム装置であって、
上記操作オブジェクトの表示を制御する操作対象制御手段と、
上記操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトの表示を制御する移動体制御手段と、
上記操作入力装置から送信される操作情報の内容を判別する操作判別手段とを備え、
上記操作対象制御手段が、
上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作判別手段によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、上記操作判別手段によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作を開始させ、
上記移動体制御手段が、
上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間に応じて、上記操作オブジェクトの本動作による上記移動オブジェクトの移動結果を変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間と、評価結果との関係を示す評価基準情報を記憶する評価情報記憶部と、
上記評価基準情報に従って、プレイヤによる操作の評価結果としての評価結果情報を特定するプレイヤ操作評価手段をさらに備え、
上記移動体制御手段が、上記プレイヤ操作評価手段によって特定された評価結果情報に基づいて上記移動オブジェクトの移動結果を決定することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記評価基準情報が、上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから操作オブジェクトの上記準備動作の開始タイミングまでの期間と、準備動作評価値との関係を示す準備動作評価基準情報と、上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間と、本動作評価値との関係を示す本動作評価基準情報を含んでおり、
上記プレイヤ操作評価手段が、上記評価基準情報に従って、上記準備動作評価値および上記本動作評価値を特定し、上記準備動作評価値と上記本動作評価値とに基づいて操作評価値を算出するとともに、
上記移動体制御手段が、上記プレイヤ操作評価手段によって算出された上記操作評価値に基づいて上記移動オブジェクトの移動結果を決定することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記準備動作評価基準情報に設定されている準備動作評価値、および上記本動作評価基準情報に設定されている本動作評価値の少なくともいずれか一方が、上記各動作の開始タイミングからの経過時間毎に対応して予め定められた複数の評価値からなることを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記評価値が、準備動作および本動作のそれぞれにおいて、動作の開始タイミングからの第1の経過時間のタイミングにおいて最高の値をとるように設定され、該第1の経過時間のタイミングから時間的に離れるに従って徐々に値が低下するような点数配分に設定されていることを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記プレイヤ操作評価手段が、上記準備動作評価値と上記本動作評価値とを加算することによって上記操作評価値を算出することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
上記各評価値の内、上記第1の経過時間のタイミングよりも時間的に後となる第2の経過時間のタイミング以降に設定される評価値が無効評価値として設定されており、
上記プレイヤ操作評価手段が、特定した上記準備動作評価値および上記本動作評価値のうち少なくともいずれか一方が上記無効評価値である場合に、上記操作評価値を最低値に設定することを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項8】
上記操作オブジェクトに関する能力情報を格納する操作オブジェクト能力記憶部を備え、
上記プレイヤ操作評価手段が、
上記操作オブジェクト能力記憶部に格納された能力情報に応じて、上記評価結果情報を変更することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項9】
上記移動体制御手段が、
上記移動オブジェクトの上記所定の移動動作における移動状態を、該所定の移動動作ごとに変更する機能を有しているとともに、
上記プレイヤ操作評価手段が、
上記移動オブジェクトの移動状態に応じて、上記評価結果情報を変更することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項10】
上記移動オブジェクトの所定の移動動作を開始させる動作を行う動作オブジェクトの表示を制御する動作体制御手段と、
上記動作オブジェクトに関する能力情報を格納する動作オブジェクト能力記憶部とをさらに備え、
上記プレイヤ操作評価手段が、
上記動作オブジェクト能力記憶部に格納された能力情報に応じて、上記評価結果情報を変更することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項11】
上記操作判別手段が、
上記第2操作情報として、複数種類の操作情報を判別するとともに、
上記操作対象制御手段が、
上記操作判別手段によって第2操作情報として判別された操作情報の種類に応じて、上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作の種類を変化させ、
上記プレイヤ操作評価手段が、
上記本動作の種類に応じて、上記評価結果情報を変更することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項12】
上記操作判別手段が、
上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作入力装置における所定の操作ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を上記第1操作情報の入力として判別し、上記第1操作情報の入力が行われた後に、さらに上記操作ボタンの押下が行われたことを示す操作情報を受信したときに、該操作情報を上記第2操作情報の入力として判別することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
プレイヤの操作対象となる操作オブジェクトを表示装置に表示させ、プレイヤからの操作入力を受け付ける操作入力装置からの操作情報に基づいて、上記操作オブジェクトの表示状態を変化させるゲームを実行するゲーム制御方法であって、
上記操作オブジェクトの表示を制御する操作対象制御処理と、
上記操作オブジェクトの動作に応じて、移動状態が変化させられる移動オブジェクトの表示を制御する移動体制御処理と、
上記操作入力装置から送信される操作情報の内容を判別する操作判別処理とを含み、
上記操作対象制御処理において、
上記移動オブジェクトの所定の移動動作が開始された後に、上記操作判別処理によって第1操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する動作の準備動作を開始させるとともに、上記操作判別処理によって第2操作情報の入力が検知されたタイミングで上記操作オブジェクトによる上記移動オブジェクトに対する本動作を開始させ、
上記移動体制御処理において、
上記移動オブジェクトの所定の移動動作の開始タイミングから上記準備動作の開始タイミングまでの期間、および上記操作オブジェクトの準備動作の開始タイミングから本動作の開始タイミングまでの期間に応じて、上記操作オブジェクトの本動作による上記移動オブジェクトの移動結果を変化させることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載のゲーム装置を動作させるゲーム制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのゲーム制御プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate