説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラムおよび記録媒体

【課題】ゲーム中のアイテムに十分な注意を引かせ、アイテムの形状を覚えることを促進させる。
【解決手段】当たり判定領域が設定された第1の画像と、その上に配置され第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段と、遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段と、特定された位置座標が当たり判定領域内にあって、かつその位置に第2の画像が存在する場合、所定範囲の第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された第1の画像を視認可能とする手段と、移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段と、操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段と、第1の画像の視認可能部分の面積が当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段と、所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段と、所定割合に達する前に操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームの一つのジャンルとして、画面の所定領域内のいずれかの場所に単数もしくは複数の何らかのアイテムを隠しておき、そのアイテムを見つけ出すタイプのゲームが存在する。この種のゲームでは、所定時間内あるいは所定回数内に、アイテムが隠されていると思われる画面上の場所をタッチする等により、当った場合にはアイテムが出現し、得点の付与等が行われる。
【0003】
一方、RPG(Role Playing Game)等においては、後の対戦や取引等に使用することができるアイテムを取得できる機会が種々の場面に設けられている。この種のゲームでは、ゲーム空間内の見つけ出しにくい場所等にアイテムが隠されており、プレイヤ(遊戯者)が操作するゲームキャラクタをその場所に移動させること等によりアイテムを取得することができる。
【0004】
なお、出願人は出願時点までに本発明に関連する公開された先行技術文献を発見することができなかった。よって、先行技術文献情報を開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のゲームにあっては、単にアイテムが隠されている場所を見つけ出すことだけを主眼としており、見つけ出してしまえばそのアイテムが手に入ったという満足感があるだけで、そのアイテムについてじっくりと考察する機会がないという問題があった。すなわち、ゲーム製作者サイドではプレイヤの興味を引くためにアイテム画像の製作に相当な労力を費やしているが、ゲームプレイの段階でアイテム自体に注意を引かせる工夫があまりなされていなかったため、労力に見合う効果が得られていなかった。
【0006】
また、アイテムの取得にあたり、そのアイテムについてどれだけ知っているかというプレイヤのスキルがあまり影響しないため、その点からもアイテム自体に注意を引くことが少なかった。
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、ゲーム中のアイテムの形状を良く知っていることが高成績に結び付くことで、ゲーム中のアイテムに十分な注意を引かせ、アイテムの形状を覚えることを促進させることのできるゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段と、遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段と、特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段と、上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段と、上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段とを備えるゲーム装置を要旨としている。
【0009】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のゲーム装置において、上記操作量パラメータの初期値に対する現時点での操作量パラメータの比率を示すゲージを表示する手段を備えるようにすることができる。
【0010】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム装置において、上記の成功終了と判断した場合に、上記操作量パラメータの初期値に対する現時点での操作量パラメータの比率が所定値より大きいか否かによりランクを付与する手段を備えるようにすることができる。
【0011】
また、請求項4に記載されるように、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、上記の失敗終了と判断した場合に、上記第1の画像の当たり判定領域の露出割合が所定値より大きいか否かによりランクを付与する手段を備えるようにすることができる。
【0012】
また、請求項5に記載されるように、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゲーム装置において、終了時の成功度に応じて、その後に行われるゲーム中に登場するキャラクタもしくはアイテムについて、初期能力レベルを設定する手段を備えるようにすることができる。
【0013】
また、請求項6に記載されるように、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゲーム装置において、終了時の成功度に応じて、その後に行われるゲームにおける遊戯の進行が有利になるアイテムの付与、もしくは、シナリオ進行の変化を行う手段を備えるようにすることができる。
【0014】
また、請求項7に記載されるように、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム装置において、上記第2の画像の所定部分を予め部分的に除去しておき、下に配置された上記第1の画像の一部を露出させておくようにすることができる。
【0015】
また、請求項8に記載されるように、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲーム装置において、上記第1の画像は恐竜の化石の画像であり、上記第2の画像は岩の画像であり、上記遊戯者による操作はピックによる岩部の削り出しに対応させるようにすることができる。
【0016】
また、請求項9に記載されるように、当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する工程と、遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する工程と、特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする工程と、上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる工程と、上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する工程と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する工程と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する工程と、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する工程とを備えるゲーム制御方法として構成することができる。
【0017】
また、請求項10に記載されるように、コンピュータを、当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段、遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段、特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段、上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段、上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段、として機能させるゲーム制御プログラムとして構成することができる。
【0018】
また、請求項11に記載されるように、コンピュータを、当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段、遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段、特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段、上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段、上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段、上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラムおよび記録媒体にあっては、ゲーム中のアイテムの形状を良く知っていることが高成績に結び付くことで、ゲーム中のアイテムに十分な注意を引かせ、アイテムの形状を覚えることを促進させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。なお、以下では恐竜の化石の画像をアイテムとして、そのアイテムを岩の中からピックと呼ばれる道具により削り出す(クリーニングする)ゲームに適用した場合について説明するが、他のテーマに基づくアイテム、例えば、昆虫のシルエット画像、都道府県の地形画像等にも適用することができる。
【0021】
<システム構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるゲーム装置の構成例を示す図である。
【0022】
図1において、ゲーム装置1には、音声入力を行うマイク101と、音声出力を行うスピーカ102と、ゲーム画像の一部を表示するメインモニタ103と、ゲーム画像の一部を表示するとともにプレイヤの操作入力を受け付けるタッチパネル105を伴った操作部モニタ104と、プレイヤの操作入力を受け付ける操作ボタン106と、これらの制御を行う制御部107とが設けられている。また、ゲーム装置1にはゲームカセット、メモリカード、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等の外部記憶媒体2が装着可能になっている。
【0023】
制御部107は、主たる処理を行うCPU(Central Processing Unit)108と、固定的なプログラムおよびデータが格納されたROM(Read Only Memory)109と、ソフトウェアの作業領域となるRAM(Random Access Memory)110と、CPU108の制御のもとマイク101からの音声入力およびスピーカ102への音声出力を行うサウンドコントローラ111と、CPU108の制御のもとメインモニタ103への画像表示を行うメインモニタ用グラフィックコントローラ112と、CPU108の制御のもと操作部モニタ104への画像表示を行う操作部モニタ用グラフィックコントローラ113と、外部の機器と接続を行うための通信I/F(Interface)114とを備えている。また、タッチパネル105および操作ボタン106の信号はCPU108に入力されるようになっている。
【0024】
図2は処理に用いられる化石データテーブルT1および状態保持テーブルT2のデータ構造例を示す図である。これらの化石データテーブルT1および状態保持テーブルT2は制御部107内のRAM110もしくは外部記憶媒体2に保持されるものである。
【0025】
図2(a)は化石データテーブルT1を示しており、「化石タイプ」フィールドと「形状」フィールドと「面積」フィールドとを含んでいる。
【0026】
「化石タイプ」フィールドは化石のタイプを示すものであり、化石タイプを区別し得るIDあるいは対応する内部表現データが設定される。また、同じ恐竜の化石(例えば「ジュウキャクA」)につき、横向きのもの(例えば「ジュウキャクA−横」)と縦向きのもの(例えば「ジュウキャクA−縦」)が別の化石タイプとして設定され、ここでは8種類の恐竜の化石につき横・縦の組み合わせで合計16の化石タイプが設定されている。
【0027】
「形状」フィールドは化石の形状のデータを示すものであり、形状を表す画像データ本体あるいは画像データ本体へのリンクが設定される。図3(a)は化石の形状の例を示す図であり、横向きの化石の形状の例である。有効な形状の表される部分は当たり判定領域として設定されており、それ以外の部分は透明に設定され、背景となる画像を透過するようになっている。図3(b)は表示状態における画像の配置を示しており、奥より、背景画像が表示される背景層L0、化石の形状が表示される化石層L1、化石の表面を覆う岩部が表示される岩層L2が配置される。そして、岩層L2を削って岩部の画像を除去(画素を消去もしくは透過処理)していくことで、下層に隠蔽された化石の形状が露出していき、視認可能となるようになっている。
【0028】
図2(a)に戻り、「面積」フィールドは化石部分の面積を示すものであり、表示画面を所定サイズ(例えば8ドット×8ドット)のマスを単位に格子状に分割した際の化石部分に対応するマスの数が設定される。図4はマスの例を示す図であり、化石の形状が含まれるマスの総数が面積とされる。
【0029】
図2(b)は状態保持テーブルT2を示しており、「化石タイプ」フィールドと「反転有無」フィールドと「反転方向」フィールドと「初期ゲージ量」フィールドと「現在ゲージ量」フィールドと「ダメージドット」フィールドと「ダメージマス」フィールドと「チリ・オブジェクト」フィールドと「化石面露出率」フィールドと「判定ランク」フィールドとを含んでいる。
【0030】
「化石タイプ」フィールドは現時点で選択されている化石タイプを示すものであり、図2(a)の「化石タイプ」フィールドのいずれかの値であってゲーム開始時に決定されたものが設定される。例えば、メインのゲーム進行中にクリーニング対象となる化石アイテムを獲得した時にクリーニングゲームが開始される場合、ランダムあるいはシナリオ進行やプレイヤキャラクタの成長レベル、獲得した場所の情報等に基づいて化石タイプが決定され、「化石タイプ」フィールドに設定される。
【0031】
「反転有無」フィールドは化石の形状の表示上の反転の有無を示すものであり、「あり」「なし」あるいはこれらに相当する内部表現データが設定される。
【0032】
「反転方向」フィールドは化石の形状の反転方向を示すものであり、「左右」「上下」「左右上下」あるいはこれらに相当する内部表現データのいずれかが設定される。図5は化石の反転の例を示す図であり、(a)が元の横向きの化石の形状であるとすると、左右方向に反転したものが(b)、上下方向に反転したものが(c)、左右上下方向に反転したものが(d)となる。同様に、(e)が元の縦向きの化石の形状であるとすると、左右方向に反転したものが(f)、上下方向に反転したものが(g)、左右上下方向に反転したものが(h)となる。
【0033】
図2(b)に戻り、「初期ゲージ量」フィールドは岩部を削るのに用いるピックの耐久値もしくはダメージ値の初期値を示すものである。ピックの耐久値もしくはダメージ値はピックを使用(操作)した量によって変動する操作量パラメータであり、「初期ゲージ量」はその初期値である。「初期ゲージ量」フィールドの値は、削るべき化石の面積(マス数)にマスのドットサイズ(例えば8ドット×8ドットの場合は64ドット)を掛けたものを基準とし、これにクリーニング成功と判断される露出度閾値の比率(例えば83%)を掛け、更に多少の余力付加分(例えば1.3)を掛けたものとする。
【0034】
「現在ゲージ量」フィールドはピックの耐久値もしくはダメージ値の現在値を示すものである。厳密にはピックにより1ドットの岩部を削る毎に1ずつ減算すべきものであるが、ゲージの表示分解能はそれほど高くないため、ダメージを受けていないマスを削る毎にマスのドット数単位で減算するものとする。
【0035】
初期ゲージ量に対する現在ゲージ量の比率はゲージとして表示される。図6はゲージの表示の例を示す図であり、(a)はゲージ量がフルの状態であり、(b)、(c)の順にゲージ量が低下し、(d)でゲージ量がゼロになった状態である。
【0036】
図2(b)に戻り、「ダメージドット」フィールドはピックにより削られた岩部のドットを示すものである。「ダメージマス」フィールドは1ドットでも削られたマスを示すものである。
【0037】
「チリ・オブジェクト」フィールドは岩部を所定のドット数(例えば120ドット)削る毎に発生させるチリの画像のオブジェクト(画面上で背景とは別に動かせる一定サイズのグラフィックデータ)の種類と表示位置(複数可)を示すものである。チリのオブジェクトの種類としては、テクスチャーを例えば2タイプ(大きめのもの、小さめのもの)とし、更にスケールを2通りとすることで、4パターンとすることができる。なお、チリ・オブジェクトはピック入力では除去できず、音声入力手段への音声入力、十字キーやボタンなどの操作入力、あるいは振動検出手段を更に設けて筐体の所定頻度・速度以上の振動を検出することによって除去できる。本実施形態ではチリ・オブジェクト自体はクリーニングの成否判定に入れていないが、視覚的に化石画像を見えづらくしてゲーム性を高める効果がある。ただし、ゲームの難易度設定等によってチリ・オブジェクトを除去することもクリーニングの成否判定に含めるようにしてもよい。
【0038】
「化石面露出率」フィールドは化石の面積に対する化石上の露出面積の比率を示すものである。
「判定ランク」フィールドはゲーム終了直前に化石面の露出率および現在ゲージ量に基づいて判定される成績を示すものである。この判定ランクに応じて、クリーニングした化石から復活した恐竜をゲームのキャラクタやアイテムとして使用する場合の能力の初期値を設定することができる。
【0039】
<動作>
図7は上記の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【0040】
図7において、ゲームの起動により処理を開始すると(ステップS101)、CPU108(図1)上で実行されるプログラムの制御により、化石データテーブルT1(図2(a))から化石タイプを選択するとともに、反転有無および反転方向を決定する(ステップS102)。選択した化石タイプ、反転有無および反転方向は状態保持テーブルT2(図2(b))の「化石タイプ」「反転有無」「反転方向」の各フィールドに設定する。
【0041】
次いで、CPU108は選択した化石タイプの面積(マス数)に基づいてピックの初期ゲージ量を算出し、状態保持テーブルT2の「初期ゲージ量」フィールドおよび「現在ゲージ量」フィールドに設定する(ステップS103)。具体的には、
化石面積(マス数)
×マスのドットサイズ(例えば8ドット×8ドットの場合は64ドット)
×クリーニング成功と判断される露出度閾値の比率(例えば83%)
×余力付加分(例えば1.3)
の演算によりピックの初期ゲージ量を算出する。
【0042】
次いで、CPU108はメインモニタ103および操作部モニタ104にクリーニング開始画面を表示する(ステップS104)。
【0043】
図8(a)は最初に表示される画面であり、メインモニタ103に案内役のキャラクターのイラストおよび「クリーニングをはじめますよ! 化石のかたちにあわせてきれいにドロをけずってくださいね」等のメッセージが表示される。なお、ここでは子供向きのゲームを想定しているため、メッセージに難解な漢字は避けている。また、操作部モニタ104には岩部を削るためのクリーニング領域AとピックのゲージGが表示されるが、クリーニング領域Aにはこの状態では操作を受け付けないことを示す暗い表示(黒い半透明の画像が重畳した状態)となっている。そして、この状態でゲージGの値が上昇していき、準備が整う演出を行う。
【0044】
その後、ゲージGが上昇する演出が終了すると、図8(b)に示すように、メインモニタ103に「化石をきれいにけずりだすか ピックがこわれたらクリーニングはおわりです」等のメッセージが表示され、操作部モニタ104のクリーニング領域Aに「クリーニングかいし」等のメッセージが表示される。
【0045】
その後、図9(a)に示すように、メインモニタ103に「ではクリーニングをかいしします!」等のメッセージが表示され、操作部モニタ104のクリーニング領域Aは岩肌を示す明るい表示(黒い半透明の画像が除去された状態)に変わる。なお、クリーニング領域Aの岩肌には中央部分やその他の何箇所かに削り出すとっかかりとなるように露出部Hが設けられている。
【0046】
図7に戻り、クリーニングを開始すると、CPU108はタッチパネル105からの入力を待機する(ステップS105)。
【0047】
この状態で、岩部のタッチ(操作ペン等によるタッチパネル面へのタッチであり、タッチパネル面から離れた状態からタッチする場合だけでなく、タッチパネル面で操作ペン等をこすって移動させる場合も含む)を検出すると(ステップS106のYes)、画面上のタッチした部分にピック(ピックポインタ)を表示し、タッチされた岩部のドット(例えばピックの太さを3ドット×3ドットとした場合はタッチしたドットを中心とした3ドット×3ドットのサイズ)を除去する処理を行う(ステップS107)。除去を行ったドットについては、状態保持テーブルT2の「ダメージドット」フィールドに記録する。なお、既に除去されているドットについては更に除去は行わない。岩部が除去されることで、その直下にある化石もしくは背景の画像が見えるようになる。
【0048】
次いで、CPU108は岩部除去処理を行ったドットがダメージを受けていないマスであるか否かを状態保持テーブルT2の「ダメージマス」フィールドから判断する(ステップS108)。
【0049】
ダメージを受けていないマスである場合(ステップS108のYes)、ピックダメージ処理を行う(ステップS109)。すなわち、状態保持テーブルT2の「現在ダメージ量」フィールドの値から1マス分のドット数だけ減算を行い、ゲージGの表示を更新する。そして、CPU108は現在ゲージ量が残っているか否か判断する(ステップS110)。ダメージを受けていないマスでない場合(ステップS108のNo)、すなわちダメージを受けているマスである場合は、これらの処理(ステップS109、S110)は行わない。
【0050】
次いで、現在ゲージ量が残っている場合(ステップS110のYes)もしくはダメージを受けていないマスでない場合(ステップS108のNo)、CPU108は化石がある箇所を削ったか否か化石データテーブルT1の「形状」フィールドから判断する(ステップS111)。そして、化石がある箇所を削った場合(ステップS111のYes)、削った部分の周囲をキラキラと輝かせる等の成功エフェクトを行う(ステップS112)。図10(a)はピック(ピックポインタ)Pで削った部分に成功エフェクトを行った状態の画面例を示している。
【0051】
次いで、図7に戻り、CPU108は岩部を所定のドット数(例えば120ドット)削る毎にチリ発生処理を行う(ステップS113)。すなわち、チリの画像データからなるオブジェクトとして、予め用意された数種類のものの中からランダムに選択し、削られた位置の周囲にランダムに配置する。図10(b)はチリ発生を行った状態の画面例を示しており、砂粒のように見えるのがチリである。
【0052】
図7に戻り、CPU108はチリ発生処理の後、化石面が所定割合(例えば83%)以上露出したか否か判断し(ステップS114)、露出していない場合(ステップS114のNo)は入力待機(ステップS105)に戻る。
【0053】
一方、これらの処理と並行して、CPU108は音声入力を監視し、マイク101に息を「フー」と吹きかける等の音声入力が発生すると(ステップS115)、チリ除去処理を行う(ステップS116)。すなわち、画面上に配置していた全てのチリのオブジェクトを除去する。図10(c)はチリ除去を行った状態の画面例を示している。
【0054】
図7に戻り、化石面が所定割合以上露出した場合(ステップS114のYes)、CPU108は成功終了と断定し(ステップS117)、続いて現在ゲージ量が所定割合(例えば15%)以上残っているか否か判断し(ステップS118)、所定割合以上残っている場合(ステップS118のYes)は最高のランク1と判定し(ステップS119)、所定割合以上残っていない場合(ステップS118のNo)はランク2と判定し(ステップS120)、処理を終了する(ステップS125)。
【0055】
一方、化石面が所定割合以上露出する前に現在ゲージ量がなくなった場合(ステップS110のNo)、CPU108は失敗終了と断定し(ステップS121)、続いて化石面が所定割合(例えば60%)以上露出しているか否か判断し(ステップS122)、所定割合以上露出している場合(ステップS122のYes)はランク3と判定し(ステップS123)、所定割合以上露出していない場合(ステップS122のNo)は最低のランク4と判定し(ステップS124)、処理を終了する(ステップS125)。
【0056】
なお、クリーニング終了時の成功度に応じて、その後に行われるゲーム中に登場する化石に関連付けられた恐竜のキャラクタもしくはアイテムについて、次のように初期能力レベル(能力パラメータ)を設定することができる。
・ランク1(大成功終了) →Lv10
・ランク2(成功終了) →Lv8
・ランク3(失敗終了) →Lv6
・ランク4(大失敗終了) →Lv4
また、クリーニング終了時の成功度に応じて、「恐竜の初期能力レベル」にボーナスやペナルティを与える他、
・成功度が高い場合は遊戯の進行が有利になるアイテム(他のキャラクタでも使用可能な武器や必殺技アイテム等)の追加付与
・成功度の高さ/低さに応じてシナリオ進行の変化(高レベルで成功することで成功ポイント蓄積、失敗することで減算→蓄積した成功ポイントに応じてシナリオが分岐等)
の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
図11はクリーニング終了時の表示画面の例を示す図であり、(a)は現在ゲージ量がなくなる前に化石面を所定割合以上露出することで成功終了した場合(クリーニング領域Aには「クリーニングかんりょう」と表示されるとともに、綺麗な状態での化石の形状が表示)、(b)は化石面が所定割合以上露出する前に現在ゲージ量がなくなることで失敗終了した場合(クリーニング領域Aには「しゅうりょう」と表示されるとともに、クリーニング途上の化石の形状およびピックが折れた画像が表示)をそれぞれ示している。いずれの場合も、最終的には図12に示すように、クリーニング領域Aに綺麗な状態での化石の形状が表示される。
【0058】
<総括>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、次のような利点がある。
(1)高いランクの判定を得るためには、岩部の下に埋められた化石の形状をよく考えながらピックで岩部を削らなければならず、自然と化石の形状に注目することとなり、化石の形状の面白さを味わってもらうことができる。
(2)楽しみながら自然に化石の形状を覚えていくことができ、知育の観点での利用が期待できる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態にかかるゲーム装置の構成例を示す図である。
【図2】処理に用いられる化石データテーブルおよび状態保持テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図3】化石の形状の例を示す図である。
【図4】マスの例を示す図である。
【図5】化石の反転の例を示す図である。
【図6】ゲージの表示の例を示す図である。
【図7】実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【図8】クリーニング開始時の表示画面の例を示す図(その1)である。
【図9】クリーニング開始時の表示画面の例を示す図(その2)である。
【図10】音声入力によるチリ除去の表示画面の例を示す図である。
【図11】クリーニング終了時の表示画面の例を示す図(その1)である。
【図12】クリーニング終了時の表示画面の例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0061】
1 ゲーム装置
101 マイク
102 スピーカ
103 メインモニタ
104 操作部モニタ
105 タッチパネル
106 操作ボタン
107 制御部
108 CPU
109 ROM
110 RAM
111 サウンドコントローラ
112 メインモニタ用グラフィックコントローラ
113 操作部モニタ用グラフィックコントローラ
114 通信I/F
2 外部記憶媒体
T1 化石データテーブル
T2 状態保持テーブル
L0 背景層
L1 化石層
L2 岩層
A クリーニング領域
G ゲージ
H 露出部
P ピック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段と、
遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段と、
特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段と、
上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段と、
上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段とを備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
上記操作量パラメータの初期値に対する現時点での操作量パラメータの比率を示すゲージを表示する手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
上記の成功終了と判断した場合に、上記操作量パラメータの初期値に対する現時点での操作量パラメータの比率が所定値より大きいか否かによりランクを付与する手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
上記の失敗終了と判断した場合に、上記第1の画像の当たり判定領域の露出割合が所定値より大きいか否かによりランクを付与する手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
終了時の成功度に応じて、その後に行われるゲーム中に登場するキャラクタもしくはアイテムについて、初期能力レベルを設定する手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
終了時の成功度に応じて、その後に行われるゲームにおける遊戯の進行が有利になるアイテムの付与、もしくは、シナリオ進行の変化を行う手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
上記第2の画像の所定部分を予め部分的に除去しておき、下に配置された上記第1の画像の一部を露出させておくことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
上記第1の画像は恐竜の化石の画像であり、
上記第2の画像は岩の画像であり、
上記遊戯者による操作はピックによる岩部の削り出しに対応させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する工程と、
遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する工程と、
特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする工程と、
上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる工程と、
上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する工程と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する工程と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する工程と、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する工程とを備えたことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段、
遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段、
特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段、
上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段、
上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段、
として機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
当たり判定領域が設定された第1の画像と、当該第1の画像の上に重ねて配置され上記第1の画像を隠蔽する第2の画像とを表示する手段、
遊戯者からの操作を受け付けて、指定された位置座標を特定する手段、
特定された位置座標が上記当たり判定領域内にあって、かつその位置に上記第2の画像が存在する場合、特定された位置座標もしくはその位置座標を含む所定範囲の上記第2の画像の画素を消去もしくは透過処理して、その下層に隠蔽された上記第1の画像を視認可能とする手段、
上記遊戯者による位置座標指定操作の移動操作量に基づいて操作量パラメータを変動させる手段、
上記操作量パラメータが所定の閾値に達したか否かを判定する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が上記当たり判定領域全体の面積に対して所定割合を超えたか否かを判定する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合を超えた場合に成功終了と判断する手段、
上記第1の画像の視認可能部分の面積が所定割合に達する前に上記操作量パラメータが所定の閾値に達した場合に失敗終了と判断する手段、
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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