説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラム

【課題】利便性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10は、プレイヤーから操作入力を受け付ける入力受付部30と、操作入力のタイミングに応じてゲームを制御する制御部40と、ゲームの画面を表示する画面生成部66と、を備える。画面生成部66は、プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを画面に表示するとともに、図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させる。制御部40は、操作入力を受け付けた時点での図形又はオブジェクトの状態に応じてボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、図形又はオブジェクトが示す方向に応じてボールが飛ぶ方向を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、とくに、ゴルフゲームを制御するゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタを操作してゴルフをプレーするゲームが人気を博している。ゴルフは、現実の世界においても、幅広い年齢層にわたって競技人口が多く、不偏の人気を誇るスポーツである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
数多くのゴルフゲームが市場に出回っているが、もともと競技スタイルがシンプルであるが故に、特色を出すのが難しく、あまり変わり映えのしないものが多い。そのため、新鮮な面白さを味わうことのできる特色あるゴルフゲームの開発が望まれている。とくに、ボールをショットする際のユーザインタフェースは、ゴルフゲームの成績を決定する重要な要素であるから、ユーザにとって使いやすいのはもちろん、ユーザが思ったようなショットを打つことができるような、言い換えれば、ユーザの操作入力が的確にショットに反映されるようなユーザインタフェースであることが望ましい。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、ゲーム制御プログラムに関する。このゲーム制御プログラムは、プレイヤーから操作入力を受け付ける機能と、前記操作入力に応じてプレイヤーズキャラクタがゴルフをプレーするゲームを制御する機能と、前記ゲームの画面を表示する機能と、をコンピュータに実現させ、前記画面を表示する機能は、前記プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを前記画面に表示するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させ、前記ゲームを制御する機能は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトの状態に応じて前記ボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定することを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図2】プレイヤーズキャラクタがショットを行うときのゲーム画面の例を示す図である。
【図3】プレイヤーズキャラクタがテークバックする動作を行っているときのゲーム画面の例を示す図である。
【図4】ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す図である。
【図5】ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す図である。
【図6】ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係るゲーム装置は、プレイヤーが操作するプレイヤーズキャラクタが、球を打撃する形式の球技を行うゲームを実現する。本実施の形態では、とくに、ゴルフを例にとって説明する。
【0010】
図1は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、コントローラ20、入力受付部30、制御部40、パラメータ保持部60、画面生成部66、表示装置68、及び記憶媒体70を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0011】
入力受付部30は、プレイヤーが操作するコントローラ20から入力される制御信号を受け付ける。制御部40は、ゴルフゲームのプログラムが格納された記憶媒体70からプログラムを読み出して実行し、入力受付部30が受け付けたプレイヤーからの操作入力に基づいて、ゲーム世界においてゴルフプレイヤーとして機能するプレイヤーズキャラクタの動作を制御しつつ、ゴルフゲームを進行させる。パラメータ保持部60は、ゴルフゲームの進行に必要なパラメータを保持する。画面生成部66は、制御部40により制御されるゲームの画面を生成し、表示装置68に表示させる。
【0012】
制御部115は、ショット制御部41及び弾道算出部50を含む。ショット制御部41は、プレイヤーズキャラクタによるショットを制御する。ショット制御部41は、カメラ制御部42、パワー決定部44、インパクト決定部45、及び方向決定部46を含む。
【0013】
図2は、プレイヤーズキャラクタがショットを行うときのゲーム画面の例を示す。画面100には、プレー中のホールの地形がレンダリングされた画像と、プレイヤーズキャラクタを後方から見た画像が表示されている。プレイヤーは、この画面において、コントローラ20を操作してショットのパワー、インパクト、方向を決定し、プレイヤーズキャラクタにショットを行わせる。
【0014】
カメラ制御部42は、画面生成部66がゲーム画面を生成する際のカメラの視点位置及び視線方向を制御する。カメラ制御部42は、プレイヤーズキャラクタがショットを行うときのゲーム画面を生成する場合、初期設定として、プレイヤーズキャラクタの後方に視点位置を設定し、プレイヤーズキャラクタを見る方向に視線方向を設定する。プレイヤーは、ホールの地形を確認したり、ショットする方向や距離などを判断したりするために、コントローラ20を操作して視点位置や視線方向を変更することができる。
【0015】
カメラ制御部42は、プレイヤーズキャラクタがショットを行うときのゲーム画面を表示しているときに、プレイヤーからの指示入力に応じて、画面を生成する際の視点位置又は視線方向を変更するよう、画面生成部66に指示する。ボールの周辺の地形や障害物などの状態によっては、プレイヤーズキャラクタのテークバック動作が見づらい可能性があるが、後述するように、本実施の形態のゴルフゲームにおいては、プレイヤーズキャラクタのテークバック動作が、ショットのパワーを決定するための操作入力の指標となっているので、プレイヤーが操作入力を行うタイミングを計りづらくなってしまう。このとき、カメラ制御部42は、プレイヤーズキャラクタのテークバック動作が見やすいように、カメラの視点位置又は視線方向を変更する。
【0016】
カメラ制御部42は、自動的に、プレイヤーズキャラクタのテークバック動作が見やすい位置にカメラの視点位置を移動させてもよい。とくに、プレイヤーズキャラクタがパッティングを行う場合は、テークバック動作が小さく、プレイヤーズキャラクタの後方から見てもパターの動きが分かりづらいので、カメラ制御部42は、プレイヤーズキャラクタの側方にカメラの視点位置を切り替えてもよい。
【0017】
プレイヤーは、プレイヤーズキャラクタにショットを実行させる前に、カメラ制御部42の機能を用いてボールの落下点付近の状況を確認し、プレイヤーズキャラクタがショットする方向を調整する。制御部40は、プレイヤーズキャラクタの属性、プレイヤーが選択しているクラブの特性、プレイヤーズキャラクタのショットの方向などから、プレイヤーズキャラクタがショットしたときのボールの着地点を算出し、着地点付近に指標となる図形を表示する。プレイヤーは、この指標を参照し、コントローラ20を介してショットする方向を調整する。
【0018】
パワー決定部44は、プレイヤーズキャラクタのショットのパワーを決定する。パワー決定部44は、ショットを開始する指示が割り当てられた操作入力をコントローラ20から受け付けると、画面生成部66に、プレイヤーズキャラクタがボールをショットするためにテークバックする動作を行っている画面を生成させ、表示装置68に表示させる。プレイヤーは、プレイヤーズキャラクタがテークバックする動作の進行の度合いを指標として、パワーを決定する指示が割り当てられた操作入力をコントローラ20により行う。パワー決定部44は、パワーを決定するための操作入力を受け付けた時点におけるプレイヤーズキャラクタのショットする動作の進行の度合いに応じて、ショットのパワーを決定する。パワー決定部44は、決定したパワーを弾道算出部50に通知する。
【0019】
パワー決定部44は、フルスイングするときのテークバックする動作に要する時間と、テークバックを開始してからパワーを決定するための操作入力を受け付けるまでの時間又は表示画面のフレーム数との比に基づいて、ショットのパワーを決定する。例えば、テークバックを開始する時点でのパワーを0%、トップスイングの時点でのパワーを100%として、操作入力を受け付けた時点でのパワーを内分により決定してもよい。フルスイングに要する時間が2秒で、テークバック開始から1.6秒後に操作入力を受け付けた場合、パワーを80%としてもよい。また、フルスイングの動作を表示するときのフレーム数が100フレームで、テークバック開始から70フレーム後に操作入力を受け付けた場合、パワーを70%としてもよい。パワー決定部44は、プレイヤーがタイミングを計るための指標として、パワーが所定の値、例えば50%、100%に達したときに、その旨を表示したり、クラブヘッドの表示態様を変更したりしてもよい。
【0020】
図3は、プレイヤーズキャラクタがテークバックする動作を行っているときのゲーム画面の例を示す。図3は、プレイヤーズキャラクタがテークバックを開始してから、フルスイングに要する時間の半分の時間が経過したときの状態を示す。この時点でプレイヤーから操作入力を受け付けると、パワー決定部44は、ショットのパワーを50%と決定する。パワー決定部44は、プレイヤーズキャラクタがショットする動作の軌道上に、プレイヤーズキャラクタがショットする動作の進行の度合いが所定の値に達したときの位置を示す指標を表示してもよい。例えば、図3に示すように、フルスイングするときのトップオブスイングの位置のクラブ110を指標として表示してもよい。これにより、プレイヤーは、ショットのパワーが100%となるときのクラブの位置と、プレイヤーズキャラクタがショットしているクラブの位置を比較しながら、操作入力を行うタイミングを調整することができる。スイングの軌道上に指標が表示されるので、プレイヤーは、プレイヤーズキャラクタのスイングの動作と指標を同時に視認することができる。パワー決定部44は、複数のクラブを指標として表示してもよい。例えば、パワーが50%、100%となる時点でのクラブを指標として表示してもよい。また、クラブの代わりに任意の図形や文字列などが指標として表示されてもよい。
【0021】
パワー決定部44は、テークバック中に操作入力を受け付けたときに、その時点でテークバックを終了してダウンスイングに移行させてもよいし、パワーが決定された後も引き続きテークバックを行わせ、フルスイングする様子を表示させてもよい。パワー決定部44は、テークバック中に操作入力を受け付けずにトップスイングに至った場合、素振りであったことにしてショットを行わないようにしてもよいし、ダウンスイング中はパワーが降下するものとして引き続き操作入力を受け付け、ダウンスイングを開始してから操作入力を受け付けるまでの時間に応じてパワーを決定してもよい。
【0022】
パワー決定部44は、ライの状態や、バンカーショットにおけるバンカーの地形、プレイヤーズキャラクタのスタンスなどによっては、フルスイングしても100%のパワーを達成できないようにしてもよい。また、アプローチショットなどの場合に、プレイヤーズキャラクタにフルスイングさせず、ハーフスイングしかできないようにしてもよい。このような場合であっても、上記のようにプレイヤーズキャラクタに素振りをさせる機能を設けることにより、プレイヤーは、まずはプレイヤーズキャラクタに素振りをさせてスイングとパワーとの関係を確認してから、ショットを行うことができる。
【0023】
従来は、ゴルフゲームにおいてショットのパワーを決定する際に、プレイヤーズキャラクタは静止した状態のままとし、パワーの状態を示すゲージなどを指標として表示する例が多かった。本実施の形態では、プレイヤーズキャラクタがショットする動作を高速かつ高フレームレートで生成することにより、ショット動作を指標としたユーザインタフェースを実現している。これにより、より現実感の高いゴルフゲームを実現することができる。
【0024】
インパクト決定部45は、プレイヤーズキャラクタのショットのインパクトを決定する。方向決定部46は、プレイヤーズキャラクタのショットによりボールが飛ぶ方向を決定する。インパクト決定部45は、パワー決定部44によりショットのパワーが決定された後、画面生成部66に、プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを表示する画面を生成させ、表示装置68に表示させる。インパクト決定部45は、画面に表示された図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させる。プレイヤーは、画面に表示された図形又はオブジェクトが示す方向の変化を確認しつつ、打ちたい方向に図形又はオブジェクトが向いたときにコントローラ20によりインパクトを決定する指示が割り当てられた操作入力を行う。インパクト決定部45は、プレイヤーから操作入力を受け付けた時点での図形又はオブジェクトの状態に応じてボールをショットするインパクトを決定し、決定したパワーを弾道算出部50に通知する。方向決定部46は、その時点での図形又はオブジェクトが示す方向に応じてボールが飛ぶ方向を決定し、決定した方向を弾道算出部50に通知する。
【0025】
図4は、ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す。パワー決定部44によりショットのパワーが決定された後、インパクト決定部45により、ショットの方向を示す矢印120が画面に表示される。インパクト決定部45は、扇形122の弧で示される第1の角度の範囲において、所定の角速度で反時計回りに回転させる。インパクト決定部45は、プレイヤーがショットのパワーを決定するための操作入力を行うと、扇形122の右側の半径の位置を初期位置として矢印120を表示し、所定の時間で左側の半径に達するように矢印120を回転させる。インパクト決定部45は、第1の角度よりも小さい第2の角度の中心角を有する扇形124をさらに表示する。矢印120が第2の角度の範囲内にある間にプレイヤーから操作入力を受け付けると、ショットに成功したと判定され、矢印120が第2の角度の範囲外にある間にプレイヤーから操作入力を受け付けると、ショットに失敗したと判定される。
【0026】
図5は、ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す。プレイヤーからインパクトを決定するための操作入力を受け付けると、インパクト決定部45は、矢印120の回転を停止させる。このとき、矢印120が扇形124の内部にあれば、ショットに成功したと判定され、インパクト決定部45は、ショットに成功したときのインパクトの値を設定し、方向決定部46は、そのときの矢印120が示す方向をボールが飛ぶ方向に設定する。方向決定部46は、例えば、画面の水平方向と矢印120との間のなす角をボールが飛ぶ方向に設定する。これにより、プレイヤーは、第2の角度の範囲内でショットを左右に打ち分けることができる。ショットに成功したときのインパクトの値は、矢印120が示す方向によらず同じ値としてもよいし、異なる値としてもよい。例えば、矢印120が画面上で鉛直上向きに近いほど大きな値としてもよい。矢印120が扇形124の内部になければ、ショットに失敗したと判定され、インパクト決定部45は、ショットに失敗したときのインパクトの値を設定し、方向決定部46は、ボールが飛ぶ方向をランダムに設定する。ショットに失敗したときのインパクトの値は、ショットに成功したときのインパクトの値よりも小さければ、所定値としてもよいし、ランダムに選択された値としてもよい。
【0027】
弾道算出部50は、ショット制御部41により決定されたショットのパワー及びインパクトと、ボールのライ、風、地形などの外部要因に基づいて、ショットされたボールの弾道を物理計算により算出する。
【0028】
弾道算出部50は、ショットに用いたクラブに応じて予め設定された初速度及びロフト角をパラメータ保持部60から読み出す。弾道算出部50は、読み出したロフト角と、方向決定部46から通知された方向に基づいて、ボールが飛ぶ方向を決定する。弾道算出部50は、パワー決定部44により決定されたパワー、インパクト決定部45により決定されたインパクト、プレイヤーズキャラクタごとに設定された体力などの属性値、ボールのライなどに応じて、ボールの初速度を調整する。例えば、パワーやインパクトが高いほど初速度が速くなるように、パワーやインパクトの%値を初速度に乗じてもよい。また、インパクトの値が小さいほど狙った着地点からずれるように、ボールの飛ぶ方向や速度などを調整してもよい。例えば、インパクトが100%になる瞬間よりも速く操作入力を受け付けた場合はボールの軌道を右に曲げてスライスボールとし、遅い場合は左に曲げてフックボールとしてもよい。また、インパクトが所定の下限値以下であった場合は、ミスショットとして扱い、極端に初速度を小さくして弾道を算出してもよい。ラフやバンカーの場合は、フェアウェイよりも初速度を低くしてもよい。また、ボールの接地面の傾斜が大きければ初速度を低くしてもよい。ショットの際にプレイヤーが初速度やロフト角を変更する操作入力を行った場合には、さらにその影響を考慮して初速度やロフト角を調整してもよい。
【0029】
弾道算出部50は、初速度とロフト角を決定すると、ボールに作用する力に応じて速度を調整しつつ、ボールの位置をフレームごとに算出する。弾道算出部50は、ボールの現在位置の座標に対して、フレームを単位とした速度を加算し、次のフレームにおけるボールの位置の座標を算出する。ボールの速度には、フレームごとに、重力、揚力、風力、空気抵抗が加算される。重力については、物理法則に則って、下向きに、9.8メートル毎秒毎秒とする。揚力は、上向きに、速度に比例する値とする。風力は、ホールの全ての場所において一定方向に一定速度としてもよいし、場所に応じて変化させてもよい。空気抵抗は、進行方向と逆向きに、速度に比例する値とする。このように、風の方向及び速度を考慮してボールの弾道を算出することにより、現実のゴルフと同様に、風の影響を考慮しながらショットを行う難しさを演出することができ、よりリアリティのあるゴルフゲームを実現することができる。
【0030】
弾道算出部50は、方向決定部46により決定された方向へボールが飛び続けるように弾道を算出してもよいし、最初は方向決定部46により決定された方向へボールが飛んでいくが、最終的には、制御部40の機能を用いてプレイヤーがショットの前に狙った着地点の方向へボールが飛ぶように弾道を補正してもよい。後者の場合、プレイヤーは、例えば、ボールの現在位置と狙った着地点との間に障害物などがあっても、それを回避しつつ着地点の方向へボールを飛ばすことができる。
【0031】
ボールが何かに衝突した場合は、衝突した面の属性に応じて予め設定された摩擦係数及び反発係数にしたがって、水平方向及び垂直方向の速度を調整する。摩擦係数及び反発係数は、フェアウェイ、ラフ、バンカーなどによって異なる値を設定してもよい。弾道算出部50は、さらに、演出効果として、物理法則とは関係のない特殊な演算を弾道に与えてもよい。これにより、ゴルフゲームに変化を持たせ、ゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0032】
画面生成部66は、弾道算出部50により算出されたボールの位置に応じて、ボールが画面に入るようにカメラの視点位置及び視線方向を設定し、ボールが飛ぶ様子を示す画面を生成して、表示装置68に表示する。ボールが停止すると、次のショットに移る。
【0033】
図6は、ショットのインパクトを決定するときのゲーム画面の例を示す。本実施の形態のゴルフゲームにおいては、複数の種類のプレイヤーズキャラクタが選択可能とされており、プレイヤーは、ゲームの開始前に、プレイヤーズキャラクタの属性などに応じて、好みのプレイヤーズキャラクタを選択する。それぞれのプレイヤーズキャラクタには、異なる第1の角度及び第2の角度が設定されている。インパクト決定部45は、選択されているプレイヤーズキャラクタに設定されているパラメータをパラメータ保持部60から読み出す。図6の例では、図4及び図5の例よりも第1の角度及び第2の角度が広いプレイヤーズキャラクタが選択されており、中心角が大きい扇形122及び扇形124が表示されている。
【0034】
インパクト決定部45は、第1の角度の大小によらず、同じ時間で矢印120が扇形122の右側の半径から左側の半径に達するように、矢印120を回転させる。すなわち、第1の角度が大きいほど、速い角速度で矢印120が回転される。したがって、第1の角度が大きいほど、矢印120を狙った方向に停止させるのが難しくなる。また、第2の角度が大きいほど、広い範囲の方向を狙ってショットを打てるようになる反面、失敗した場合には意図しない方向へボールが飛ぶリスクが増える。このように、第1の角度や第2の角度を調整することにより、ゲームの難易度や操作性を変化させることができ、バラエティに富んだゲームを提供することができる。
【0035】
上記の例では、ボールが飛ぶ方向を示す指標として、矢印を画面に表示したが、示している方向が視覚的に把握できる態様であれば、どのような図形又はオブジェクトを表示してもよい。例えば、3次元オブジェクトとして矢印を表示してもよい。この場合、カメラ制御部42により視点位置又は視線方向を変更したときに、3次元空間において3次元オブジェクトが回転される様子が表示されてもよい。指標となる図形又はオブジェクトは、画面に平行な平面内で回転されてもよいし、ショットされたときにボールが飛ぶ方向に平行な平面、すなわち、上下方向にロフト角だけ傾いた平面内で回転されてもよい。
【0036】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0037】
10 ゲーム装置、20 コントローラ、30 入力受付部、40 制御部、41 ショット制御部、42 カメラ制御部、44 パワー決定部、45 インパクト決定部、46 方向決定部、50 弾道算出部、60 パラメータ保持部、66 画面生成部、68 表示装置、70 記憶媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーから操作入力を受け付ける機能と、
前記操作入力に応じてプレイヤーズキャラクタがゴルフをプレーするゲームを制御する機能と、
前記ゲームの画面を表示する機能と、をコンピュータに実現させ、
前記画面を表示する機能は、前記プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを前記画面に表示するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させ、
前記ゲームを制御する機能は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトの状態に応じて前記ボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定する
ことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記画面を表示する機能は、第1の角度の範囲において所定の角速度で前記図形又はオブジェクトを回転させ、
前記ゲームを制御する機能は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトが示す方向が、前記第1の角度の範囲よりも狭い第2の角度の範囲内であったときに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記ゲームを制御する機能は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又は前記オブジェクトの示す方向が前記第2の角度の範囲内であったときに、前記パワー又はインパクトの値を、前記第2の角度の範囲外であったときに比べて高い値とすることを特徴とする請求項2に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記ゲームを制御する機能は、異なる前記第1の角度又は前記第2の角度が設定された複数の種類のプレイヤーズキャラクタの中から前記プレイヤーが使用するプレイヤーズキャラクタを選択可能とし、前記プレイヤーにより選択されたプレイヤーズキャラクタの種類に応じて前記第1の角度又は前記第2の角度を設定することを特徴とする請求項2又は3に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記ゲームを制御する機能は、前記第1の角度又は前記第2の角度が大きいほど、速い角速度で前記図形又はオブジェクトを回転させることを特徴とする請求項4に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
プレイヤーから操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記操作入力に応じてプレイヤーズキャラクタがゴルフをプレーするゲームを制御する制御部と、
前記ゲームの画面を生成する画面生成部と、を備え、
前記画面生成部は、前記プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを前記画面に表示するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させ、
前記制御部は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトの状態に応じて前記ボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
プレイヤーから操作入力を受け付けるステップと、
前記操作入力に応じてプレイヤーズキャラクタがゴルフをプレーするゲームを制御するステップと、
前記ゲームの画面を表示するステップと、を含み、
前記画面を表示するステップは、前記プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを前記画面に表示するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させ、
前記ゲームを制御するステップは、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトの状態に応じて前記ボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定する
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
プレイヤーから操作入力を受け付ける機能と、
前記操作入力に応じてプレイヤーズキャラクタがゴルフをプレーするゲームを制御する機能と、
前記ゲームの画面を表示する機能と、をコンピュータに実現させ、
前記画面を表示する機能は、前記プレイヤーズキャラクタがショットしたボールが飛ぶ方向を示す図形又はオブジェクトを前記画面に表示するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向を時間とともに変化させ、
前記ゲームを制御する機能は、前記操作入力を受け付けた時点での前記図形又はオブジェクトの状態に応じて前記ボールをショットするパワー又はインパクトを決定するとともに、前記図形又はオブジェクトが示す方向に応じて前記ボールが飛ぶ方向を決定することを特徴とするゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−125335(P2012−125335A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278037(P2010−278037)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】