説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラム

【課題】娯楽性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10は、同時に複数点における入力を検知可能なタッチパネル69に対するプレイヤーによる入力の位置を取得する入力位置取得部41と、表示装置68の画面に、複数のオブジェクトと、それらのオブジェクトを消去すべき順番とを表示し、入力位置取得部41が取得した入力の位置が、次に消去すべき順番のオブジェクトが表示された位置に対応する位置であった場合、そのオブジェクトを画面から消去する第1ゲーム制御部51とを備える。第1ゲーム制御部51は、一つのオブジェクトに対する入力があったときに、そのオブジェクトを消去する単一回タップ入力制御部52と、複数のオブジェクトに対する入力が同時にあったときに、それらのオブジェクトを消去する複数図形タップ入力制御部54とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、とくに、タッチパネルなどにより位置入力を受け付けて装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えた情報端末やゲーム装置が広く普及している。表示装置に表示されているゲーム画面に直接指で触れて操作することができるというタッチパネルの特性を生かしたゲームも提供されてきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、複数点に対する入力が可能なタッチパネルや、ゲーム端末の背面に設けられた背面タッチパネルなどを備えた携帯型ゲーム端末を開発している。本発明者らは、このような新しい携帯型ゲーム端末の特性を生かした、新たなゲーム制御技術に想到した。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、ゲーム制御プログラムに関する。このゲーム制御プログラムは、コンピュータを、表示装置の画面に、複数のオブジェクトと、それらのオブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記表示装置の画面に設けられた、同時に複数点における入力を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置が、次に消去すべき順番のオブジェクトが表示された位置に対応する位置であった場合、そのオブジェクトを前記画面から消去するゲーム制御部として機能させ、前記ゲーム制御部は、一つのオブジェクトに対する入力があったときに、そのオブジェクトを消去する第1制御部と、複数のオブジェクトに対する入力が同時にあったときに、それらのオブジェクトを消去する第2制御部と、を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明の別の態様も、ゲーム制御プログラムに関する。このゲーム制御プログラムは、コンピュータを、表示装置の画面に、複数の第1オブジェクトと、前記複数の第1オブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記複数の第1オブジェクトを前記画面から消去するゲームを制御するゲーム制御部として機能させ、前記ゲーム制御部は、前記表示装置の画面に設けられた、入力の位置及び強度を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置及び強度に応じて前記画面上で第2オブジェクトを移動させる移動制御部と、次に消去すべき順番の第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、その第1オブジェクトを消去する消去制御部と、次に消去すべき順番でない第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、所定時間前記第2オブジェクトを移動させずに停止させる、又は、前記第1オブジェクトに衝突してはね返るように前記第2オブジェクトを制御する衝突制御部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図4】第1ゲームの画面の例を示す図である。
【図5】第1ゲームデータ保持部に格納されるデータの例を示す図である。
【図6】第1ゲームの手順を示すフローチャートである。
【図7】図6の複数回タップ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図6の複数図形タップ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】第2ゲームの画面の例を示す図である。
【図10】第2ゲームデータ保持部に格納されるデータの例を示す図である。
【図11】第2ゲームの手順を示すフローチャートである。
【図12】図11の衝突処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態に係るゲーム装置は、タッチパネルに対するタップ入力により、表示装置に表示された複数の図形を順次消去していくゲームを制御する。
【0011】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置20と、表示装置68と、前面カメラ71とが備えられている。表示装置68には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル69が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0012】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル70と背面カメラ72が備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル70のみを設ける。
【0013】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル69を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル69及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。
【0014】
図3は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、入力装置20、入力受付部30、制御部40、第1ゲームデータ保持部60、第2ゲームデータ保持部62、画面生成部66、表示装置68、タッチパネル69、背面タッチパネル70、前面カメラ71、及び背面カメラ72を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0015】
タッチパネル69は、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式など、任意の方式のタッチパネルであってもよい。後述するように、第1のゲームを実現するために、タッチパネル69は、同時に複数点における入力を検出可能である。タッチパネル69は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。
【0016】
背面タッチパネル70も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。後述するように、第2のゲームを実現するために、背面タッチパネル70は、入力の強度を検出可能である。背面タッチパネル70は、背面タッチパネル70に対する押圧の圧力を検知可能な感圧センサを備えてもよいし、入力を検知した領域の面積、電圧値、静電容量などに基づいて入力の強度を算出してもよい。背面タッチパネル70は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。
【0017】
入力受付部30は、プレイヤーが操作する入力装置20から入力される制御信号を受け付ける。制御部40は、ゲームのプログラムが格納された記録媒体などからプログラムを読み出して実行し、入力受付部30が受け付けたプレイヤーからの操作入力に基づいて、ゲームを進行させる。第1ゲームデータ保持部60は、第1ゲームの進行に必要な情報を保持する。第2ゲームデータ保持部62は、第2ゲームの進行に必要な情報を保持する。画面生成部66は、制御部40により制御されるゲームの画面を生成し、表示装置68に表示させる。前面カメラ71は、ゲーム装置10の表側の画像を撮像する。背面カメラ72は、ゲーム装置10の裏側の画像を撮像する。
【0018】
制御部40は、入力位置取得部41、入力強度取得部42、時間管理部43、第1ゲーム制御部51、及び第2ゲーム制御部56を含む。第1ゲーム制御部51は、単一回タップ入力制御部52、複数回タップ入力制御部53、及び複数図形タップ入力制御部54を含む。第2ゲーム制御部56は、水滴移動制御部57、図形消去制御部58、及び衝突制御部59を含む。
【0019】
入力位置取得部41は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70に対するプレイヤーによる入力の位置の座標を取得する。入力強度取得部42は、背面タッチパネル70に対するプレイヤーによる入力の強度を取得する。入力強度取得部42は、タッチパネル69に対するプレイヤーによる入力の強度を取得してもよい。タッチパネル69及び背面タッチパネル70が検知したプレイヤーによる入力の位置及び強度は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70、又は、制御部40に設けられた、図示しないデバイスドライバなどにより算出されてもよい。入力位置取得部41及び入力強度取得部42は、デバイスドライバなどにより算出された位置及び強度に関する情報を取得してもよい。
【0020】
時間管理部43は、第1ゲーム及び第2ゲームにおけるゲーム開始からの経過時間を管理する。後述するように、第1ゲーム及び第2ゲームは、画面に表示された複数の図形の全てを消去するまでに要した時間を競うゲームである。時間管理部43は、第1ゲーム及び第2ゲームの実行中に、ゲーム開始からの経過時間を画面に表示し、ゲーム終了後には、ゲーム終了までに要した時間をゲームの結果として画面に表示する。
【0021】
第1ゲーム制御部51は、タッチパネル69へのさまざまなタップ入力をプレイヤーに体験させるための第1ゲームを制御する。第1ゲームは、画面に表示された複数の図形を、指示された順にタップしていくゲームである。画面に表示される図形は、任意の形状であってよく、三次元オブジェクトをレンダリングした画像などであってもよい。
【0022】
図4は、第1ゲームの画面の例を示す。画面100には、プレイヤーがタップすべき複数の図形101〜104が表示されている。プレイヤーは、図形101〜104の内部に示された数字の順に図形をタップしていく。一つの数字に対して一つの図形が表示されている場合、例えば、図形101及び図形102では、プレイヤーが図形を1回タップすると、図形が消去される。一つの数字に対して複数の図形が表示されている場合、例えば、図形103a及び図形103bでは、表示されている図形の数だけ連続して図形をタップすると、図形が消去される。同一の数字が付された複数の図形が表示されている場合、例えば、図形104a及び図形104bでは、同一の数字が付された複数の図形を同時にタップすると、図形が消去される。プレイヤーは、ゲームが開始されてから、全ての図形を消去するまでの時間を競う。
【0023】
図5は、第1ゲームデータ保持部に格納されるデータの例を示す。第1ゲームデータ保持部60には、順番欄111、位置欄112、半径欄113、回数欄114、残回数欄115が設けられている。順番欄111には、図形をタップすべき順番が格納される。位置欄112には、図形の位置を示す座標が格納される。半径欄113には、図形の半径が格納される。本実施の形態では、図形として円が画面に表示されるので、位置欄112には円の中心の座標が、半径欄113には円の半径が、それぞれ格納されるが、他の図形を表示する場合には、その図形の形状を特定するために必要な情報が格納されてもよい。回数欄114には、図形をタップすべき回数が格納される。残回数欄115には、図形をタップすべき残りの回数が格納される。プレイヤーが図形をタップすると、残回数欄115の残回数が1回ずつデクリメントされる。
【0024】
図6は、第1ゲームの手順を示すフローチャートである。第1ゲーム制御部51は、第1ゲームが開始されると、第1ゲームデータ保持部60を参照して、プレイヤーがタップすべき複数の図形を画面に表示する(S102)。プレイヤーが次にタップすべき図形が、1回タップすべき図形である場合(S104のY)、単一回タップ入力制御部52は、プレイヤーがその図形の内部をタップするまで待機し(S106のN)、入力位置取得部41から、タッチパネル69のその図形の内部の位置がタップされた旨の情報を取得すると(S106のY)、その図形を画面から消去して、第1ゲームデータ保持部60の該当するレコードの残回数欄115を「0」に変更する(S108)。第1ゲーム制御部51は、第1ゲームデータ保持部60を参照して、全ての図形が画面から消去され、全てのレコードの残回数欄115がゼロになっていれば(S150のY)、第1ゲームを終了する。タップすべき図形がまだ残っていれば(S150のN)、S104へ戻る。
【0025】
プレイヤーが次にタップすべき図形が、1回タップすべき図形ではなく(S104のN)、1つの図形を複数回タップすべき図形である場合(S110のY)、複数回タップ入力制御部53は、複数回タップ処理を実行する(S120)。複数回タップ処理の詳細は、図7を参照して後述する。複数回タップ処理が終了すると、S150へ移り、全ての図形が画面から消去されていれば(S150のY)、第1ゲーム制御部51は第1ゲームを終了する。タップすべき図形がまだ残っていれば(S150のN)、S104へ戻る。
【0026】
プレイヤーが次にタップすべき図形が、1回タップすべき図形でもなく(S104のN)、複数回タップすべき図形でもない場合(S110のN)、次にタップすべき図形は、複数の図形を同時にタップすべき図形であるから、複数図形タップ入力制御部54は、複数図形タップ処理を実行する(S140)。複数図形タップ処理の詳細は、図8を参照して後述する。複数図形タップ処理が終了すると、S150へ移り、全ての図形が画面から消去されていれば(S150のY)、第1ゲーム制御部51は第1ゲームを終了する。タップすべき図形がまだ残っていれば(S150のN)、S104へ戻る。
【0027】
図7は、図6の複数回タップ処理S120の詳細を示すフローチャートである。複数回タップ入力制御部53は、プレイヤーが次にタップすべき図形をタップするまで待機し(S122のN)、入力位置取得部41から、タッチパネル69のその図形の内部の位置がタップされた旨の情報を取得すると(S122のY)、その図形に対する前回のタップから所定の制限時間が経過したか否かを判定する(S124)。この制限時間は、複数回のタップを連続したタップ、すなわち、ダブルタップやトリプルタップなどと認識するか否かを決定するために用いられるパラメータである。制限時間が経過していれば(S124のN)、複数回タップ入力制御部53は、第1ゲームデータ保持部60の残回数欄115を、いったん、回数欄114に格納された回数に戻し(S126)、残回数を1回デクリメントする(S128)。制限時間内であれば(S124のY)、複数回タップ入力制御部53は、残回数を初期化せずに、残回数を1回デクリメントする(S128)。残回数がゼロ、すなわち、同一図形に対する連続したタップが、その図形をタップすべき所定の回数に達していれば(S130のY)、複数回タップ入力制御部53は、その図形を画面から消去して、複数回タップ処理を終了する(S132)。残回数がゼロでなければ(S130のN)、S122に戻り、複数回タップ入力制御部53は、その図形に対する更なるタップ入力を受け付けるまで待機する。
【0028】
図8は、図6の複数図形タップ処理S140の詳細を示すフローチャートである。複数図形タップ入力制御部54は、プレイヤーが次にタップすべき図形をタップするまで待機し(S142のN)、入力位置取得部41から、タッチパネル69のその図形の内部の位置がタップされた旨の情報を取得すると(S142のY)、その図形と同時にタップすべき他の全ての図形の内部の位置もタップされているか否かを判定する(S144)。同じ順番の複数の図形が全て同時にタップされていれば(S124のY)、複数図形タップ入力制御部54は、それらの全ての図形を画面から消去して、第1ゲームデータ保持部60の該当するレコードの残回数欄115を「0」に変更し、複数図形タップ処理を終了する(S132)。複数図形タップ入力制御部54は、それぞれの図形に対するタップの開始タイミングがずれていても、全ての図形に対してタップされている期間が所定時間以上あれば、全ての図形に対して同時にタップされたと判定してもよい。全ての図形が同時にタップされていなければ(S124のN)、S122に戻り、複数図形タップ入力制御部54は、プレイヤーが図形をタップするまで待機する。
【0029】
このような技術によれば、プレイヤーが、楽しみながらシングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、複数点タップなどのタップ入力技術を向上させることが可能なゲームを提供することができる。
【0030】
第2ゲーム制御部56は、背面タッチパネル70へのタップ入力をプレイヤーに体験させるための第2ゲームを制御する。第2ゲームは、背面タッチパネル70へのタップ入力により、画面に表示された水面から水滴を跳ね上げ、跳ね上げられた水滴を図形に接触させることにより、画面に表示された複数の図形を、指示された順に消去していくゲームである。画面に表示される図形は、任意の形状であってよく、三次元オブジェクトをレンダリングした画像などであってもよい。
【0031】
図9は、第2ゲームの画面の例を示す。画面120には、水滴により消去すべき複数の図形121〜125が表示されている。プレイヤーは、背面タッチパネル70の左側(背面から見ると背面タッチパネル70の右側)半分の領域をタップすることにより左側の水面126aから、右側半分の領域をタップすることにより右側の水面126aから、それぞれ水滴127を跳ね上げ、図形121〜125に示された数字の順に、跳ね上げられた水滴127を図形に接触させて、図形を消去していく。図形121〜125は、左側の水面126aから跳ね上げられる水滴の移動経路と、右側の水面126bから跳ね上げられる水滴の移動経路のそれぞれに分割して配置される。水滴127は、背面タッチパネル70に対するタップ入力の強度に応じて決定された高さまで跳ね上げられる。水滴127が次に消去すべき図形に接触すると、その図形が消去され、水滴は図形を通過することができるが、次の順番ではない図形に接触すると、水滴はその図形に衝突してはね返される。プレイヤーは、ゲームが開始されてから、全ての図形を消去するまでの時間を競う。
【0032】
図10は、第2ゲームデータ保持部に格納されるデータの例を示す。第2ゲームデータ保持部62には、順番欄131、エリア欄132、高さ欄133、フラグ欄134が設けられている。順番欄131には、図形を消去すべき順番が格納される。エリア欄132には、図形が表示されるエリアが格納される。本実施の形態では、左側と右側の2つのエリアに図形が表示され、「0」は左側、「1」は右側のエリアを示す。高さ欄133には、図形の水面からの高さが格納される。本実施の形態では、全て同じ形状の楕円が表示されるので、高さのみが指定されるが、異なる形状の図形を表示する場合は、それぞれの図形の形状を特定するための情報が更に格納されてもよい。フラグ欄134には、その図形が消去されたか否かを示すフラグが格納される。本実施の形態では、「1」は消去されていないこと、「0」は消去されたことを示す。
【0033】
図11は、第2ゲームの手順を示すフローチャートである。第2ゲーム制御部56は、第2ゲームが開始されると、第2ゲームデータ保持部62を参照して、プレイヤーが消去すべき複数の図形を画面に表示する(S152)。第2ゲーム制御部56は、プレイヤーが背面タッチパネル70をタップするまで待機する(S154のN)。入力位置取得部41から、背面タッチパネル70がタップされた旨の情報を取得すると(S154のY)、水滴移動制御部57は、タップされた位置が含まれる領域に対応する水面126a又は126bから水滴127が跳ね上げられる様子を表示し、水滴127を上方へ移動させる(S156)。水滴移動制御部57は、入力強度取得部42から、背面タッチパネル70に対する入力の強度を示す情報を取得し、強度に応じて水滴の初速を決定して水滴を移動させる。水滴移動制御部57は、以降、水滴の初速に基づいて水滴の移動を制御する。水滴移動制御部57は、水滴に対して下向きの重力を作用させ、物理計算により水滴の位置を決定してもよいし、更に空気抵抗などを考慮して水滴の位置を決定してもよい。または、入力の強度に基づいて水滴が跳ね上げられる高さを算出し、その高さまで水滴を等速で上昇させた後、等速で下降させるなど、現実の物理現象とは異なる態様で水滴を移動させてもよい。
【0034】
図形消去制御部58は、第2ゲームデータ保持部62を参照して、水滴が次に消去すべき順番の図形に接触したか否かを判定する(S158)。水滴が図形に接触した場合(S158のY)、図形消去制御部58は、その図形を画面から消去して、第2ゲームデータ保持部62の該当するレコードのフラグ欄134を「0」に変更する(S160)。第2ゲーム制御部56は、第2ゲームデータ保持部62を参照して、全てのレコードのフラグ欄134がゼロであり、全ての図形が画面から消去されていれば(S162のY)、第2ゲームを終了する。消去すべき図形がまだ残っていれば(S162のN)、S164へ進む。水滴が図形に接触していない場合(S158のN)、S160及びS162をスキップして、S164へ進む。
【0035】
衝突制御部59は、第2ゲームデータ保持部62を参照して、水滴が次に消去すべき順番ではない図形に接触したか否かを判定する(S164)。水滴が図形に接触した場合(S164のY)、衝突制御部59は、衝突処理を実行する(S166)。衝突処理の詳細は、図12を参照して後述する。衝突処理を終了すると、S168へ進む。水滴が図形に接触していない場合(S164のN)、S166をスキップして、S168へ進む。
【0036】
水滴移動制御部57は、水滴が跳ね上げられた後に落下して水面に到達したか否かを判定し(S168)、水面に戻っていなければ(S168のN)、S156に戻って、水滴を移動させる(S156)。水面に戻った場合(S168のY)、S154に戻り、第2ゲーム制御部56は、プレイヤーが背面タッチパネル70をタップするまで待機する。
【0037】
図12は、図11の衝突処理S166の詳細を示すフローチャートである。衝突制御部59は、水滴が次に消去すべき順番ではない図形に接触すると、図示しないスピーカからブザー音を出力し(S172)、所定時間待機する(S174)。この待機時間は、水滴を誤った順番で図形に接触させたことに対するペナルティに相当する。すなわち、プレイヤーは、入力の強度を適切に調整し、水滴を誤った順番で図形に接触させないように、適度な高さまで跳ね上げることが要求される。水滴を誤った順番で図形に接触させてしまうと、余分な時間がかかってしまい、良い結果を残すことができない。衝突制御部59は、水滴が図形に接触しなければ到達したであろう高さと、図形の高さとの差が大きいほど、長い待機時間を設定してもよい。衝突制御部59は、待機時間が経過すると、水滴の移動方向を上向きから下向きに変更するよう水滴移動制御部57に通知して(S176)、衝突処理を終了する。以降、水滴移動制御部57は、水滴を下向きに落下させる。
【0038】
このような技術によれば、プレイヤーが、楽しみながら背面タッチパネル70に対するタップ入力技術を向上させることが可能なゲームを提供することができる。また、プレイヤーが、背面タッチパネル70に対する入力の強度を調整する技術を向上させることが可能なゲームを提供することができる。
【0039】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0040】
第1ゲームの複数回タップ処理において、制限時間内に連続して複数回のタップ入力があったことを条件に図形を消去する例について説明したが、制限時間を設けなくてもよい。この場合、同じ順番が示された複数の図形に対する入力に応じて、1つずつ図形を消去してもよい。例えば、図形103aに対する入力に応じて図形103aを消去し、その後、図形103bに対する入力に応じて図形103bを消去するようにしてもよい。
【0041】
第2ゲームにおいて、水滴を水面から上方に跳ね上げる例について説明したが、背面タッチパネルに対する入力により移動されるオブジェクトは任意であってもよく、移動方向や移動態様も任意であってよい。移動されるオブジェクトが、消去すべき複数のオブジェクトが表示されている領域に向かって移動するようになっていればよい。
【符号の説明】
【0042】
10 ゲーム装置、20 入力装置、21 方向キー、30 入力受付部、40 制御部、41 入力位置取得部、42 入力強度取得部、43 時間管理部、51 第1ゲーム制御部、52 単一回タップ入力制御部、53 複数回タップ入力制御部、54 複数図形タップ入力制御部、56 第2ゲーム制御部、57 水滴移動制御部、58 図形消去制御部、59 衝突制御部、60 第1ゲームデータ保持部、62 第2ゲームデータ保持部、66 画面生成部、68 表示装置、69 タッチパネル、70 背面タッチパネル、71 前面カメラ、72 背面カメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置の画面に、複数のオブジェクトと、それらのオブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記表示装置の画面に設けられた、同時に複数点における入力を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置が、次に消去すべき順番のオブジェクトが表示された位置に対応する位置であった場合、そのオブジェクトを前記画面から消去するゲーム制御部として機能させ、
前記ゲーム制御部は、
一つのオブジェクトに対する入力があったときに、そのオブジェクトを消去する第1制御部と、
複数のオブジェクトに対する入力が同時にあったときに、それらのオブジェクトを消去する第2制御部と、
を含むことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記ゲーム制御部は、一つのオブジェクトに対する連続した複数回の入力があったときに、そのオブジェクトを消去する第3制御部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
同時に複数点における入力を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置を取得する取得部と、
表示装置の画面に、複数のオブジェクトと、それらのオブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記取得部が取得した入力の位置が、次に消去すべき順番のオブジェクトが表示された位置に対応する位置であった場合、そのオブジェクトを前記画面から消去するゲーム制御部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、
一つのオブジェクトに対する入力があったときに、そのオブジェクトを消去する第1制御部と、
複数のオブジェクトに対する入力が同時にあったときに、それらのオブジェクトを消去する第2制御部と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
取得部が、同時に複数点における入力を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置を取得するステップと、
ゲーム制御部が、表示装置の画面に、複数のオブジェクトと、それらのオブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記取得部が取得した入力の位置が、次に消去すべき順番のオブジェクトが表示された位置に対応する位置であった場合、そのオブジェクトを前記画面から消去するステップと、を備え、
前記オブジェクトを消去するステップは、
第1制御部が、一つのオブジェクトに対する入力があったときに、そのオブジェクトを消去するステップと、
第2制御部が、複数のオブジェクトに対する入力が同時にあったときに、それらのオブジェクトを消去するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
コンピュータを、
表示装置の画面に、複数の第1オブジェクトと、前記複数の第1オブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記複数の第1オブジェクトを前記画面から消去するゲームを制御するゲーム制御部として機能させ、
前記ゲーム制御部は、
前記表示装置の画面に設けられた、入力の位置及び強度を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置及び強度に応じて前記画面上で第2オブジェクトを移動させる移動制御部と、
次に消去すべき順番の第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、その第1オブジェクトを消去する消去制御部と、
次に消去すべき順番でない第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、所定時間前記第2オブジェクトを移動させずに停止させる、又は、前記第1オブジェクトに衝突してはね返るように前記第2オブジェクトを制御する衝突制御部と、
を含むことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項7】
前記複数の第1オブジェクトは、複数の前記第2オブジェクトの異なる複数の移動経路のそれぞれに分割して配置され、
前記移動制御部は、前記入力の位置に応じて、複数の第2オブジェクトのうちのいずれを移動させるかを決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項8】
前記入力装置は、ゲーム装置の背面に設けられたタッチパネルであり、
前記移動制御部は、前記第2オブジェクトを、前記入力の強度に応じた高さまで上昇させた後、下降するように移動させる
ことを特徴とする請求項7に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項9】
前記衝突制御部は、次に消去すべき順番でない第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、所定時間前記第2オブジェクトを移動させずに停止させた後、前記第1オブジェクトに衝突してはね返るように前記第2オブジェクトを制御し、
前記衝突制御部は、前記第2オブジェクトが前記第1オブジェクトに接触しなければ到達したであろう高さと、前記第2オブジェクトが接触した前記第1オブジェクトの高さとの差が大きいほど長い時間、前記第2オブジェクトを移動させずに停止させることを特徴とする請求項8に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項10】
入力の位置及び強度を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置及び強度を取得する取得部と、
表示装置の画面に、複数の第1オブジェクトと、前記複数の第1オブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記複数の第1オブジェクトを前記画面から消去するゲームを制御するゲーム制御部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、
前記取得部が取得した入力の位置及び強度に応じて前記画面上で第2オブジェクトを移動させる移動制御部と、
次に消去すべき順番の第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、その第1オブジェクトを消去する消去制御部と、
次に消去すべき順番でない第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、所定時間前記第2オブジェクトを移動させずに停止させる、又は、前記第1オブジェクトに衝突してはね返るように前記第2オブジェクトを制御する衝突制御部と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
取得部が、入力の位置及び強度を検知可能な入力装置に対するプレイヤーによる入力の位置及び強度を取得するステップと、
ゲーム制御部が、表示装置の画面に、複数の第1オブジェクトと、前記複数の第1オブジェクトを消去すべき順番とを表示し、前記複数の第1オブジェクトを前記画面から消去するゲームを制御するステップと、を備え、
前記ゲームを制御するステップは、
移動制御部が、前記取得部が取得した入力の位置及び強度に応じて前記画面上で第2オブジェクトを移動させるステップと、
消去制御部が、次に消去すべき順番の第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、その第1オブジェクトを消去するステップと、
衝突制御部が、次に消去すべき順番でない第1オブジェクトに前記第2オブジェクトが接触すると、所定時間前記第2オブジェクトを移動させずに停止させる、又は、前記第1オブジェクトに衝突してはね返るように前記第2オブジェクトを制御するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項12】
請求項6から9のいずれかに記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−56125(P2013−56125A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197628(P2011−197628)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】