説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラム

【課題】得点差が開いても対戦ゲームの緊張感を損わないゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置301の入力受付部302は、プレイヤーから操作入力を受け付け、評価値取得部303は、操作入力が所定の達成条件に合致する場合、その達成条件の基本値を評価値として取得し、得点設定部304は、評価値に連動するポイントを計算してその操作入力を行ったプレイヤーがそのポイント分だけ以前より有利になるように得点を設定し、勝者決定部305は、ゲーム終了時にプレイヤーの得点差に基づいて勝者を決定し、両プレイヤーの得点差が所定の閾値以上であり、直近の所定期間における得点差の変化が縮小傾向でない場合、評価値取得部303は、基本値にかえて、得点差以上のボーナス値を評価値とし、操作入力と達成条件とが合致するか否かの判断基準を、ボーナス値の基本値に対する比が大きいほど厳しくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、得点差が大きく開いた場合であってもプレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせるのに好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤー同士を対戦させる対戦ゲームを実現するための各種のゲーム装置が提案されている。たとえば、以下に掲げる特許文献1では、プレイヤーを能力順のクラスに適切に分類する技術が開示されている。この技術を利用することで、同じクラスのプレイヤー同士を対戦させることで、実力伯仲の緊張感のあるプレイができるようになる。
【0003】
【特許文献1】特許第3653088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同じクラスのプレイヤー同士が対戦しない場合等、プレイヤーの実力の差が大きい場合には、ゲームの途中で両者の得点があまりにも大きく広がってしまい、有利な側が勝ち逃げを図ったり、不利な側の気力を損わせたりして、ゲームの緊張感がなくなってしまうことがある。したがって、得点差が大きく開いた場合であっても、逆転の可能性を持たせることで、ゲームの緊張感を維持する技術が強く求められている。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、得点差が大きく開いた場合であってもプレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせるのに好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとを対戦させ、入力受付部、評価値取得部、得点設定部、勝者決定部を有し、以下のように構成する。
【0008】
すなわち、入力受付部は、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける。
【0009】
当該操作入力は、当該ゲーム装置により実現されるゲームが射撃ゲームの場合には、各プレイヤーがコントローラを操作して標的に照準を合わせ、その後に、引き金に相当するボタンを押圧操作するという指示入力に相当する。
【0010】
対戦格闘ゲームの場合には、各プレイヤーが自分のキャラクターにとらせる動作を選択するコマンド入力に相当するものであるが、2人のプレイヤーが対戦するゲームであれば、本発明を適用することが可能である。
【0011】
画面に表示される譜面と音声出力される伴奏に合わせてキーやボタン、楽器等を操作するリズムゲームにおいては、当該操作が操作入力に相当する。
【0012】
第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの対戦は、同じゲーム機を二人のプレイヤーが利用するような状況であっても、ネットワークごしに通信することで対戦をする状況であっても、近接するゲーム機がアドホックな通信を行って通信をする状況であっても、いずれの場合にも適用が可能である。
【0013】
また、プレイヤーの一方をあらかじめ用意されたアルゴリズムに基づいて操作入力をコンピュータが生成するものとして、いわゆるCPU(Central Processing Unit)戦に適用することとしても良い。
【0014】
一方、評価値取得部は、受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致する場合、当該合致する達成条件に対応付けられた値(以下「基本値」という。)を評価値として取得する。
【0015】
上記の射撃ゲームの例では、標的の中心が所定の達成条件に相当し、照準と標的の中心との距離が一定の範囲内であれば、両者は合致する。また、射撃が成功した場合に得られる得点が基本値に相当する。
【0016】
上記の対戦格闘ゲームの例において、所定の順序でボタン等を操作することでなされるコマンド入力に本発明を適用する場合には、ボタン操作に要した時間が所定の時間内である、および/または、ボタン操作のタイミングの誤差が所定の誤差範囲内である場合に、達成条件に合致することとするのが典型的である。この場合、コマンド入力によって与えられた技の攻撃力や防御力のパラメータが基本値に相当する。
【0017】
リズムゲームの場合には、操作をすべきタイミングで操作を行っている、すなわち、操作入力の時間的な誤差が所定の誤差範囲内となっている場合に、所定の達成条件が満たされたことになる。また、操作をすべきタイミングのそれぞれにパラメータが割り当てられているのが一般的であり、このパラメータが基本値に相当する。
【0018】
さらに、得点設定部は、取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点を設定する。
【0019】
上記の射撃ゲームやリズムゲームの場合には、得られた評価値をそのままポイントとして使用するのが典型的である。
【0020】
一方、対戦格闘ゲームで一方のプレイヤーが他方のプレイヤーを攻撃している場合には、以下のように考えるのが典型的である。すなわち、受け付けられた操作入力の組み合わせによって攻撃・防御の成否を決定した上で、攻撃側のプレイヤーについて取得された攻撃技の評価値と、その攻撃に先立って防御側のプレイヤーについて設定された防御技の評価値と、の差が正である場合にはその値をポイントとし、それ以外の場合には0をポイントとする。
【0021】
ここで計算されたポイントは、射撃ゲームの場合には、当該操作入力を行った側のプレイヤーの得点に加算するのが典型的であるが、対戦格闘ゲームの場合には、当該操作入力を行わなかった側のプレイヤーの得点から減算するのが典型的である。
【0022】
そして、勝者決定部は、所定の終了条件が満たされる場合、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する。
【0023】
所定の終了条件とは、対戦を終了させる条件であり、射撃ゲームの場合には、所定回数の射撃を両プレイヤーが繰り返し行った場合、対戦格闘ゲームの場合には、一方のプレイヤーの得点が0となった場合とし、これらの条件に加えて時間制限を設けるのが典型的である。
【0024】
リズムゲームの場合には、譜面に相当する楽曲の演奏が開始されてから終わるまで、のように、ゲームが行われる時間制限が設けられており、終了条件もこれに応じて定められる。
【0025】
一方、評価値取得部は、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、所定の達成条件に対応付けられる基本値にかえて、得点差以上の値(以下「ボーナス値」という。)を評価値として取得する。
【0026】
ボーナス値を評価値として取得する典型的な状況とは、以下のような状況である。
(1)第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差が所定の閾値以上である場合。
(2)第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差が所定の閾値以上であり、かつ、直近の所定期間における当該得点差の変化が縮小傾向でない場合。
【0027】
両プレイヤーの得点差がある程度大きい場合、特に、得点差が縮む傾向にない、すなわち、得点差がそのまま維持されるか広がる傾向にある場合には、有利な側のプレイヤーは油断し、不利な側のプレイヤーはやる気をなくしてしまい、ゲームの緊張感が損われることがある。
【0028】
そこで、本発明では、このような状況の場合に、不利な側のプレイヤーが一発逆転可能を可能にすることとして、ゲームの緊張感を維持する。
【0029】
たとえば、射撃ゲームやリズムゲームの場合には、操作が成功した場合の評価値を、基本値から一発逆転可能なボーナス値に増やし、対戦格闘ゲームの場合には、攻撃技の強さの評価値を、基本値から一発逆転可能なボーナス値に増やすのである。
【0030】
ただし、評価値取得部は、受け付けられた操作入力と所定の達成条件とが合致するか否かの判断基準を、当該ボーナス値の当該基本値に対する比が大きいほど厳しくする。
【0031】
これは、ゲームの公平性を担保するためである。評価値を基本値からボーナス値に増やした場合には、その増加の度合に応じて、操作入力が成功する可能性を減らすのである。
【0032】
上記のように、操作入力が一定の誤差範囲内であることをもって、達成条件が満たされるか否かを判定するのであるが、この誤差範囲の大きさを調整することによって、操作入力が成功する可能性を減らすことが可能である。
【0033】
このように、本発明は、ある操作入力に対して得られる得点が状況に応じて大きく変化したとしても、プレイヤーに不自然に感じられないようなルールを持つゲーム、たとえば射撃ゲームや対戦格闘ゲーム等のほか、発動するとどんなに強い相手でも倒されてしまうような必殺コマンドが当初から用意されているRPG(Roll Playing Game)などに、特に好適である。
【0034】
本発明によれば、ゲームの得点差が大きく開いた場合であってもプレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせることができるようになる。
【0035】
また、本発明のゲーム装置において、評価値取得部は、受け付けられた操作入力と所定の達成条件に対応付けられる目標との誤差が所定の誤差範囲内にある場合、受け付けられた操作入力と所定の達成条件とが合致すると判定し、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差もしくは当該得点差に所定の正数を加算した値をボーナス値とし、ボーナス値の基本値に対する比に反比例するように当該所定の誤差範囲を縮小することにより、判断基準を厳しくするように構成することができる。
【0036】
ここで、操作入力と達成条件に対応付けられる目標との誤差とは、射撃ゲームの場合には、標的の中心(達成条件に対応付けられる目標)と照準(操作入力)との距離に相当し、対戦格闘ゲームの場合には、コマンドに割り当てられた入力のタイミングと実際の操作入力のタイミングとのずれに相当するものである。これらの距離やずれが所定の誤差範囲内にあれば、射撃やコマンド入力が成功したことになる。
【0037】
また、ボーナス値を両者の得点差に一致させたり、これより大きくすることで、不利な側のプレイヤーが有利な側のプレイヤーに一発で追い付けたり、逆転できたりするように設定している。
【0038】
さらに、操作入力の成否を定める誤差範囲を基本値に対するボーナス値の比に反比例するように設定する。たとえば、ボーナス値が基本値の10倍であれば、誤差範囲は10分の1にする、等である。
【0039】
本発明によれば、ゲームを一発逆転可能な状況にした場合であっても、一発で得られるポイントが大きくなる場合にこれに応じて操作入力の成功の確率を適切に減らすことで、ゲームの公平性を担保することができるようになる。
【0040】
また、本発明のゲーム装置において、得点設定部は、現在のゲームの状況に対応付けられる非負の調整値を求め、取得された評価値から求められた調整値を減算して、ポイントとするように構成することができる。
【0041】
たとえば対戦格闘ゲームのように、ゲームの対戦においては、「攻撃」と「防御」の2つを考慮することも多い。一方のプレイヤーの操作入力を「攻撃」に、他方のプレイヤーの操作入力を「防御」に対応付けて考えると、基本値や評価値は「攻撃」の強さ、調整値は「防御」の強さに相当する。これらの値は、非負(0以上)とするのが一般的である。評価値から調整値を減算することによって、評価値を補正して、ゲームの攻防を、より一層複雑にすることができる。
【0042】
たとえば、対戦格闘ゲームの場合には、以前の操作入力によって防御側のプレイヤーがキャラクターに取らせた防御の姿勢と防御の強さ、今回の操作入力によって攻撃側のプレイヤーがキャラクターに取らせた攻撃の種類の組み合わせによって、評価値に補正を行うこととし、防御側のキャラクターが受けるダメージは、評価値そのものとするのではなく、これを防御の強さに応じて減少させた値とするものである。
【0043】
上記の射撃ゲームやリズムゲームの場合には、得られた評価値をそのままポイントとして利用するのが一般的であるが、ルールの設定に応じて調整値を設定することで、「相手が成功してもこちらが成功すればダメージを受けない」「相手が失敗したときにこちらが成功するとより一層ダメージを与えることができる」「相手が成功したときにこちらが失敗するとより一層ダメージを受ける」などの態様を採用することも可能である。
【0044】
本発明によれば、基本値をそのままポイントとしたり、ボーナス値をそのままポイントとするのではなく、ゲームの状況に応じて、基本値やボーナス値である評価値を小さくするように調整して、その調整結果をポイントとすることで、ゲームの内容をより複雑にすることができるようになる。
【0045】
また、本発明のゲーム装置において、所定の閾値は、所定の達成条件に対応付けられる基本値を超える大きさの定数であるように構成することができる。
【0046】
上記のように、基本値は、1回の操作入力によって得られうるポイントに相当する値である。したがって、所定の閾値がいずれの基本値よりも大きい値である、ということは、(ボーナス値を採用しなければ)一発逆転はあり得ない、という状況に相当する。
【0047】
本発明は、ゲームの緊張感が維持されなくなるであろう得点差の設定の好適実施例に相当するものである。
【0048】
また、本発明のゲーム装置において、ボーナス値が評価値として取得された場合、ボーナス値の基本値に対する比に対応付けられた画像ならびに音声が、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとに提示されるように構成することができる。
【0049】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、ボーナス値が取得された場合には、必殺技的な一発逆転コマンドが発動された状況である旨を、プレイヤーに提示するものである。
【0050】
本発明によれば、それまで有利だったプレイヤーが、それまで不利だったプレイヤーの操作入力によって、突然逆転された場合に、ゲームのルールに基づいて逆転されたこと、ならび、その逆転の状況の詳細を、映像や音声により、知得することができるようになる。
【0051】
本発明のその他の観点に係る制御方法は、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとを対戦させるゲーム装置を制御し、ゲーム装置は、入力受付部、評価値取得部、得点設定部、勝者決定部を有し、当該制御方法は、入力受付工程、評価値取得工程、得点設定工程、勝者決定工程を備え、以下のように構成することができる。
【0052】
すなわち、入力受付工程では、入力受付部が、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける。
【0053】
一方、評価値取得工程では、受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致する場合、評価値取得部が、当該合致する達成条件に対応付けられた値(以下「基本値」という。)を評価値として取得する。
【0054】
さらに、得点設定工程では、得点設定部が、取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点を設定する。
【0055】
そして、勝者決定工程では、所定の終了条件が満たされる場合、勝者決定部が、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する。
【0056】
一方、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差が所定の閾値以上であり、直近の所定期間における当該得点差の変化が縮小傾向でない場合、評価値取得工程では、所定の達成条件に対応付けられる基本値にかえて、得点差以上の値(以下「ボーナス値」という。)を評価値として取得するものとし、受け付けられた操作入力と所定の達成条件とが合致するか否かの判断基準を、当該ボーナス値の当該基本値に対する比が大きいほど厳しくする。
【0057】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記のゲーム装置の各部として機能させるように構成する。
【0058】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0059】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、得点差が大きく開いた場合であってもプレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせるのに好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0062】
図1は、プログラムを実行することにより、本実施形態のゲーム装置や機能しうる典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0063】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM 102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マイク111と、を備えるように構成することができる。各種の入出力装置は、適宜省略することができる。
【0064】
情報処理装置100によって、携帯可能なゲーム機などの携帯端末、テレビジョン装置に画像や音声を出力するゲーム機などの端末装置、通信対戦ゲームのサーバ装置として機能するサーバ用コンピュータなど、各種の機器が実現される。
【0065】
たとえば、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0066】
また、携帯ゲーム装置においては、携帯可能とするために、DVD−ROMドライブ108を利用するのではなく、ROMカセット用スロットを利用することも可能である。この場合、プログラムが記録されたROMカセットを挿入して、当該プログラムを実行することで、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0067】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0068】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0069】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0070】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。本図においては、コントローラ105は1つだけ図示されているが、対戦ゲームを行う場合には、各プレイヤーが操作するコントローラ105をそれぞれ用意するのが典型的である。
【0071】
なお、コントローラ105は、必ずしも情報処理装置100に対して外付けにされている必要はなく、一体に形成されていても良い。
【0072】
一般的には、コントローラ105は、端末装置本体や端末装置とケーブルを介して接続された各種のボタンやスイッチから構成され、これらの押圧操作を操作入力として扱う。このほか、タッチスクリーンを利用した情報処理装置100をゲーム装置として利用する場合には、ユーザがペンや指を利用してタッチスクリーンをなぞった軌跡を操作入力として扱う。
【0073】
射撃ゲームなどの場合には、拳銃型コントローラ(図示せず)がインターフェース104に接続され、ユーザの操作入力を受け付けるとともに、モニタに対する拳銃型コントローラの位置および向きを情報処理装置100において推定することとしても良い。
【0074】
図2は、一般的なコントローラ105の外観を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0075】
コントローラ105の左方には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される矢印キーとして機能する↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204が配置されている。
【0076】
右方には、決定操作入力を行うのに利用される○ボタン205、取消操作入力を行うのに利用される×ボタン206、メニュー表示等の指示入力を行うのに利用される△ボタン207、その他の指示入力を行うのに利用される□ボタン208が配置されている。
【0077】
中央には、SELECTボタン209、STARTボタン210のほか、アナログ入力の開始・停止を指示するためのANALOGボタン211、および、アナログ入力が有効か無効かを表示するためのインジケータ212が配置されている。
【0078】
また中央下部には、上下左右に限らない方向に大きさを伴う指示入力を行うためのジョイスティック213、214が配置されている。
【0079】
さらに、上方には、各種の指示入力に用いることができるL1ボタン215、L2ボタン216、R1ボタン217、R2ボタン218が配置されている。
【0080】
コントローラ105の各ボタン201〜208、215〜218には、圧力センサが配備され、アナログ入力が有効となっている場合には、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができるほか、ユーザの押圧操作の圧力の大きさを0〜255の256段階で得ることができる。
【0081】
コントローラ105のジョイスティック213、214は、ひずみゲージが配備され、これらがどの方向にどれだけ曲げられているか、を検知することができる。
【0082】
図1に戻り、インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0083】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0084】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0085】
画像表示がなされるモニタは、情報処理装置100の態様に応じて、種々採用が可能である。たとえば、携帯可能な端末装置のモニタとしては、小型の液晶ディスプレイを利用するのが典型的である。特に、コントローラ105としてタッチスクリーンを利用する場合には、当該タッチスクリーンの表示パネルがモニタとして機能する。テレビジョン装置に接続するゲーム機では、モニタとしてテレビジョン装置を利用することとなり、サーバ装置のモニタとしては、CRT(Cathode Ray Tube)やプラズマディスプレイなどの表示装置を利用することも可能である。
【0086】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0087】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0088】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0089】
ゲーム装置がネットワーク対戦やアドホック通信対戦を行う場合には、NIC 109を用いる。NIC 109は、携帯端末においては、無線LANカードとするのが典型的である。一方、サーバ装置を経由する通信対戦においては、サーバ装置におけるNIC 109は、有線LANカードとしてインターネットに接続するのが典型的であり、家庭内の無線LANルータなどを経由して、携帯端末の無線LANカードを介して、相互の接続がなされる。
【0090】
また、携帯端末同士のアドホック通信対戦では、NIC 109同士が、無線によってピアツーピア通信を行うのが典型的である。
【0091】
すなわち、NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)等に接続するためのものであり、LANを構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0092】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカや、ヘッドホン(図示せず)、イヤフォン(図示せず)から出力させる。
【0093】
音声処理部110では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0094】
さらに、情報処理装置100には、インターフェース104を介してマイク111を接続することができる。この場合、マイク111からのアナログ信号に対しては、適当なサンプリング周波数でA/D変換を行い、PCM形式のディジタル信号として、音声処理部110でのミキシング等の処理ができるようにする。
【0095】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0096】
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、汎用のパーソナルコンピュータを利用することもできる。
【0097】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆるコンシューマ向けゲーム装置に相当するものであるが、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0098】
たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0099】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0100】
本実施形態に係るゲーム装置301を用いて、第1プレイヤーと第2プレイヤーとは、ゲームにより対戦を行う。ここで、ゲーム装置301は、入力受付部302、評価値取得部303、得点設定部304、勝者決定部305、得点記憶部306を備える。
【0101】
以下では、ここで行われるゲームとして、主に射撃ゲームを例として説明し、対戦格闘ゲームやリズムゲーム、ダンスゲーム等に適用した場合についても、適宜説明する。
【0102】
まず、入力受付部302は、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける。CPU 101の制御の下、コントローラ105が入力受付部302として機能する。
【0103】
射撃ゲームの場合には、照準を移動させるためのコントローラ105の矢印キー(↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204)の押圧操作や、引き金を引くためのコントローラ105の決定キー(○ボタン205)の押圧操作が、操作入力に相当する。
【0104】
一方、評価値取得部303は、受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致するか否かを判断し、合致する場合には、ゲームにおける操作入力が成功したものとして取り扱って、当該成功に対する報酬を計算するため、当該達成条件に対応付けられた基本値を評価値として取得する。CPU 101が、評価値取得部303として機能する。
【0105】
射撃ゲームの場合には、コントローラ105の矢印キー(↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204)の押圧操作に対しては、達成条件は設定されておらず、ゲームの状態、すなわち、照準の位置が更新されるのみである。
【0106】
一方、コントローラ105の決定キー(○ボタン205)の押圧操作に対しては、標的の位置と照準の位置の距離が所定の距離内にある場合に、操作入力が達成条件に合致するものと判断する。基本値は、標的にあらかじめ割り当てられた点数に相当する。
【0107】
さらに、得点設定部304は、取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点を設定する。CPU 101が、得点設定部304として機能する。
【0108】
得点設定部304の機能は、プレイヤーが対戦するゲームで広く用いられるものであり、射撃ゲームの場合には、取得された評価値がそのままポイントとなり、そのポイントが、当該プレイヤーの得点に加算される。なお、対戦格闘ゲームの場合には、各プレイヤーが操作するキャラクターに体力パラメータが用意されており、操作入力が成功すると、相手方のキャラクターの体力パラメータが、計算されたポイント分だけ減算される。
【0109】
このようにして、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差が、計算されたポイント分だけ変動することになる。
【0110】
なお、各プレイヤーの得点、ならびに、直近の一定期間の得点の変化の履歴は、得点記憶部306に記憶される。典型的にはRAM 103が、得点記憶部306として機能する。
【0111】
そして、勝者決定部305は、所定の終了条件が満たされる場合、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する。CPU 101が、勝者決定部305として機能する。
【0112】
所定の終了条件とは、対戦を終了させる条件であり、射撃ゲームの場合には、所定回数の射撃を両プレイヤーが繰り返し行った場合、対戦格闘ゲームの場合には、一方のプレイヤーの得点が0となった場合やさらに時間制限を設けるのが典型的である。
【0113】
このような構成は、対戦ゲームとしては典型的なものであるが、本発明においては、ゲームの緊張感が損われるような状況になったことを自動的に判定し、その場合には、操作入力が成功した場合に取得される評価値として、上記の基本値にかわり、後述するボーナス値を採用する。
【0114】
上記のように、得点設定部304では、評価値を基準にポイントを計算するが、評価値とポイントは連動しており、評価値が大きければ大きいほどポイントも大きく、評価値とポイントが一致するか、評価値からゲームの状況に応じたパラメータを減算した値がポイントとなる。
【0115】
ボーナス値が評価値となるための条件、ボーナス値の計算手法、ボーナス値を採用した場合のゲームの公平性を担保する手法については、以下で詳細に説明する。
【0116】
図4は、本実施形態に係るゲーム装置にて実行されるゲーム処理の制御の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0117】
情報処理装置100がDVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROMからプログラムをロードすると、CPU 101は、まず、当該情報処理装置100をゲーム装置301として機能させるための、各種の初期化を行う(ステップS401)。本実施形態ではこの時点で、RAM 103内の第1プレイヤーの得点s[1]と第2プレイヤーの得点s[2]を記憶する領域を0にクリアし(s[1]←0,s[2]←0)、第1プレイヤーの命中判定の誤差範囲d[1]と第2プレイヤーの命中判定の誤差範囲d[2]とを、正の定数値rに設定する(d[1]←r,d[2]←r)。
【0118】
そして、CPU 101は、画像処理部107を制御してモニタにゲーム画面を表示し(ステップS402)、コントローラ105の押圧状態を取得して、第1プレイヤーおよび第2プレイヤーからの操作入力を受け付ける(ステップS403)。そして、受け付けた操作入力に応じて、ゲームの状態を更新する(ステップS404)。
【0119】
図5は、本実施形態を射撃ゲームに適用した場合の画面表示の例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0120】
画面401には、円形の第1プレイヤー用の標的411(位置a[1])と第2プレイヤー用の標的451(位置a[2])が表示されている。標的411、451はそれぞれ大きさd[1],d[2]で表示されており、画面内を一定の速度でランダムウォークする。標的411、451には、射撃が成功した場合に得られるポイント「100」が図示されている。
【0121】
十字型の第1プレイヤー用の照準412(位置p[1])と第2プレイヤー用の照準452(位置p[2])は、プレイヤーが、自分の使用するコントローラ105の矢印キー(↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204)を押圧操作すると、その方向に移動する。
【0122】
すなわち、本実施形態におけるゲームの状態とは、第1プレイヤー用の照準412と第2プレイヤー用の照準452の位置に相当する。
【0123】
また、画面401には、第1プレイヤーの得点領域413には「3400点」が、第2プレイヤーの得点領域453には「3300点」が、それぞれ表示されている。両者の得点差は100点であり、さほど大きくない。
【0124】
ついで、いずれかのプレイヤー(以下、第1プレイヤーと第2プレイヤーのうち、当該操作入力を与えたプレイヤーを第iプレイヤーとする。)から受け付けた操作入力が、達成条件と合致するか否かの判定対象となる操作入力であるか否かを判定する(ステップS405)。本実施形態では、コントローラ105の決定キー(○ボタン205)の押圧操作が判定対象の操作入力に相当する。判定対象でない場合(ステップS405;No)、ステップS421に進む。
【0125】
一方、判定対象である場合(ステップS405;Yes)、操作入力が達成条件と合致するか否か、すなわち、本実施形態では、射撃が成功したか否かを判定する(ステップS406)。
【0126】
ここで、第iプレイヤーに対する照準と標的との距離は、位置a[i]と位置p[i]との距離|a[i] - p[i]|に相当する。これを誤差と考えた場合、射撃が成功したか否かは、誤差が誤差範囲d[i]以下であれば、すなわち、|a[i] - p[i]|≦d[i]が成立したか否か、によって判定可能である。射撃が失敗した場合(ステップS406;No)、ステップS421に進む。
【0127】
一方、射撃が成功した場合(ステップS406;Yes)、当該標的に割り当てられた基本値Kを取得する(ステップS407)。本実施形態では、標的に割り当てられる基本値Kは定数とするが、形状や大きさが標的ごとに異なる場合には、基本点を変更することとしても良い。
【0128】
第iプレイヤーの得点s[i]に加算すべきポイントXを、
X = K/d[i]
により計算する(ステップS408)。ゲームを始めたばかりの段階ではd[1] = d[2] = rであるから、ここで計算されるポイントXは定数K/rに等しいことになる。
【0129】
ついで、RAM 103に記憶される第iプレイヤーの得点s[i]に、ポイントXを加算して(ステップS409)、ステップS421に進む。
【0130】
以上説明したステップS401〜ステップS409において行われる処理は、従来から提案されている射撃ゲームにおいて行われている処理と本質的な差はない。本実施形態の特徴は、後述するように、d[1]やd[2]を適宜変更することで、ゲームの緊張感を維持することになる。
【0131】
さて、一般的な対戦ゲームの操作入力の判断が終わった後、CPU 101は、ゲームがいわゆる「勝ち逃げ状態」にあるか否かを判定する(ステップS421)。
【0132】
勝ち逃げ状態と判定されるのは、
(a)直近の判断期間において、プレイヤーの得点の差|s[1]-s[2]|が所定の閾値Mよりも大きい状態が継続し、かつ、
(b)直近の判断期間について、プレイヤーの得点の差|s[1]-s[2]|が縮小傾向にない
という条件が満たされる場合である。
【0133】
このような判定を行うためには、RAM 103内に、直近の判断期間におけるプレイヤーの得点s[1],s[2]の履歴を保持するのが最も容易である。
【0134】
ここで、「ある値が直近の判断期間に縮小傾向にない(すなわち、維持傾向もしくは増大傾向にある)」ことを判定するには、当該判断期間を前半と後半に分割し、前半における値の平均値と、後半における値の平均値とを比較すれば良い。
【0135】
前者が後者より大きければ、値は縮小傾向にあり、前者が後者より小さければ、値は増大傾向にあり、前者と後者が等しければ、値は維持傾向にあることになる。
【0136】
また、所定の閾値Mは、一回の射撃で加算されうるポイントの既定値K/rよりもある程度大きい値とするのが一般的であり、最も単純には、当該既定値K/rの5倍、10倍、20倍等、ゲームの内容に応じて適宜定数として決めることとなる。
【0137】
なお、秒単位や分単位の定数で「直近の判断期間」を定めることとしても良い。このほか、射撃の回数によってゲームをプレイする射撃ゲームの場合は、全体の射撃回数に適当な0以上1未満の定数を乗じて決めたり、残りの射撃回数に適当な0以上1未満の定数を乗じて決める、等の手法もありうる。
【0138】
たとえば、残りの射撃回数がy回である場合、一方のプレイヤーがすべて射撃を外し、他方のプレイヤーがすべて射撃を成功させると、その間に生じる得点差はK/r×yと考えられる。そこで、所定の閾値Mは、0<α<1を満たす定数αを用いて、
M = α×K/r×y
とする。この場合、閾値Mは、プレイが進むにつれて変化することになる。αとしては、1/2や1/3など、適当な定数を選ぶのが典型的である。
【0139】
このように、対戦が一方的な展開になってしまったり、差が開いたまま変化がなくなってしまうと、有利なプレイヤーは油断し、不利なプレイヤーはやる気をなくして、ゲームの緊張感が損われてしまう。そこで、「勝ち逃げ状態」になっている場合(ステップS421;Yes)、現在不利な状態にあるプレイヤー、すなわち、第1プレイヤーの得点s[1]と第2プレイヤーの得点s[2]のうち小さい方の得点s[j]を有する第jプレイヤーの誤差範囲d[j]を、関数f(・,・)を用いて、
d[j]←f(|s[1]-s[2]|,K/r)
のように更新して(ステップS422)、ステップS431に進む。
【0140】
ここで、関数f(a,b)として、最も典型的なものは、
f(a,b) = r×(b/a)
である。これは、現在の得点差aに反比例するように、誤差範囲を定めるものである。
【0141】
本実施形態では、画面401に表示する標的411、451の大きさを、値d[1],d[2]によって定めている。したがって、現在不利な第jプレイヤーの標的は、得点差|s[1]-s[2]|が大きくなると、それに反比例して小さく表示され、射撃そのものが難しくなるとともに、射撃が成功したかどうかの判断基準も厳しくなるのである。
【0142】
ここで、上の関数を用いて具体的な計算を行うと、
d[j]←K/(|s[1]-s[2]|)
となる。このとき、第jプレイヤーが次の操作入力で射撃を成功させると、そのときに得られるポイントXは、
X = K/d[j] = K/〔K/(|s[1]-s[2]|)〕= |s[1]-s[2]|
である。
【0143】
したがって、第jプレイヤーは、射撃を成功させることは難しくなるが、それに成功すれば、一発で相手プレイヤーの得点に追い付くことができるようになるのである。
【0144】
このほか関数f(a,b)として、適当な正の定数Wを用いて
f(a,b) = r×b/〔a + W〕
とすれば、この条件下で得られるポイントは、|s[1]-s[2]| + Wとなる。この場合、射撃が成功すれば、第jプレイヤーは相手方の得点をWだけ上回ることができ、一発逆転を図ることも可能である。特にこの場合は、0<W≦K/rのような範囲に値を設定しておくと、得点が極めて近い値で、かつ、再逆転もすぐに可能な状態となるため、より一層の緊迫感をプレイヤーに与えることができる。
【0145】
図6は、この逆転可能な状態における射撃ゲームの画面表示の例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0146】
本図では、画面401には、第1プレイヤーの得点領域413には「4300点」が、第2プレイヤーの得点領域453には「3450点」がそれぞれ表示されており、両者の得点差は950点で、かなり大きい。第1プレイヤーの標的411は、「100」のポイント表示のまま、図5と同じ大きさで表示されているが、第2プレイヤーの標的451は、図5の10分の1の大きさに表示されており、ポイント「1000」が、その近傍の吹き出し455内に表示されている。
【0147】
射撃成功の誤差範囲は10分の1になっているが、成功した場合のポイントが10倍になっており、ゲームの公平性が担保されるとともに、一発逆転が可能となっている。
【0148】
なお、一発逆転ではなく、二発逆転やn発逆転とするようにしても良い。この場合は、d[j]の幅は上記の計算結果の2倍やn倍とする。すると、操作入力が成功した場合に得られるポイントは、上記の計算結果の2分の1倍やn分の1倍となるから、この場合のボーナス値によれば、二発成功、あるいは、n発成功で逆転が可能となる。
【0149】
なお、本実施形態においては、一発逆転が可能である旨が、標的451の大きさによってプレイヤーに提示されることとなっている。これに合わせて、不利な側の第2プレイヤーの射撃が成功したら、その旨を報告する画面表示や音声出力がされると、両プレイヤーに、逆転が可能となった理由を知得させることができる。
【0150】
一方、「勝ち逃げ状態」になっていない場合(ステップS421;No)、d[1]←r,d[2]←rのように誤差範囲を既定値に戻して(ステップS423)、ステップS431に進む。
【0151】
そして、対戦ゲームを終了させるべきか否かを、所定の終了条件が満たされるか否かにより判定し(ステップS431)、終了させるべきでない場合には(ステップS431;No)、ステップS402に戻る。一方、終了させるべき場合には(ステップS431;Yes)、現在の得点差から、プレイヤーの一方を勝者、他方を敗者に決定してその旨を提示し(ステップS432)、本処理を終了する。終了条件や勝敗の決定については、一般的なゲームと同様の処理を採用すれば良い。
【0152】
以上、射撃ゲームに本発明の原理を適用した実施形態について説明した。以下では、対戦格闘ゲームの場合、ならびに、リズムゲームやダンスゲームの場合の、上記実施形態との相違点について説明する。
【0153】
対戦格闘ゲームにおいては、操作入力として、以下のようなものが採用されている。
(1)プレイヤーが操作するキャラクターへの移動の指示。たとえば、矢印キー(↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204)の押圧操作により行う。
(2)プレイヤーが操作するキャラクターへの攻撃や防御の指示。たとえば、○ボタン205や×ボタン206の押圧操作により行う。
(3)必殺技などを発生させるための特殊コマンドの指示。○ボタン205、×ボタン206、△ボタン207、□ボタン208や↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204等を、コマンドに割り当てられた順序に押圧操作することにより、コマンドが入力される。
【0154】
対戦格闘ゲームにおいては、
(1)一定時間以内に押圧操作されたボタンやキーの履歴を蓄積し、
(2)当該押圧操作が特殊コマンドと解釈できる場合には、その特殊コマンドに対応付けられる必殺技などを発生させ、
(3)特殊コマンドの入力途中と解釈できる場合には、次の押圧操作を短時間待機し、
(4)上記(2)(3)のいずれでもない場合は、そのキーに割り当てられた基本動作を行う
ように構成されているのが一般的である。そして、特殊コマンドと解釈できるような押圧操作の状態とは、以下のような条件を満たすように設定するのが典型的である。
(a)当該押圧操作が、当該コマンドに割り当てられた制限時間内に入力されること。たとえば、1秒以内(垂直同期割込の1周期を1フレームとして、60フレーム以内)に入力しなければならない、等である。
(b)当該押圧操作がされるタイミングが、ある誤差範囲で、あらかじめ決められたタイミングで行われること。たとえば、各入力のタイミングは5フレーム間隔で定期的に行われ、その誤差は3フレーム以内であること、等である。
【0155】
このような対戦格闘ゲームに本発明を適用する場合には、以下のような手法を用いれば良い。
【0156】
すなわち、必殺技に対応付けられる特殊コマンドには、その必殺技の強さを示すパラメータ定数が割り当てられている。このパラメータ定数を基本値とし、通常は、この基本値が、必殺技の評価値となる。
【0157】
さらに、必殺技が発生したときには、その評価値に対して、防御側の姿勢や体力、防御の姿勢の有無などを勘案して、評価値を修正する。この修正量が調整値である。
【0158】
一般には、攻撃に対して防御側の準備が十分に整っている場合には、評価値から調整値を減算し、無防備な場合には、調整値を0として、評価値をそのまま用いる。この修正の結果が、ポイントとなる。
【0159】
そして、このポイントを、防御側のキャラクターの体力パラメータから減算する。この減算によって、キャラクター同士の体力パラメータの差が変化することになる。
【0160】
体力パラメータの差が拡大傾向もしくは維持傾向にあり、その差が、いずれかの必殺技を数回繰り返したとしても覆せない場合(すなわち、必殺技に割り当てられた基本値を所定の定数倍した値よりも、体力パラメータの差が大きい場合)、本対戦格闘ゲームは、逆転挑戦モードに移行する。
【0161】
逆転挑戦モードでは、特定の必殺技コマンドについての評価値を、一発逆転が可能な値に変化させる。具体的には、現在の体力パラメータの差以上となるように、基本値の値をY倍する。このYの求め方は、上記実施形態において、1/d[j]を求める求め方に相当するものであり、Yは1より大きい。
【0162】
一方で、必殺技コマンドが入力されたか否かの判断基準を、厳しくする。たとえば上記(a)のように、コマンド入力に制限時間が割り当てられている場合には、その制限時間をY分の1倍して、短くする。すなわち、短時間で高速にコマンド入力ができた場合にのみ、逆転を可能とするのである。
【0163】
また、上記(b)のように、コマンド入力のタイミングに、ある誤差範囲が設けられている場合には、その誤差範囲をY分の1倍して、短くする。すなわち、正確なリズムでコマンド入力ができた場合にのみ逆転を可能とするのである。
【0164】
なお、後者の手法は、BGM(Back Ground Music)に合わせてキーやボタンを押圧操作したり、フットスイッチを踏んだりしてリズムをとったり楽器を演奏したりダンスを行うゲームにも、そのまま適用できる。
【0165】
リズムゲームやダンスゲームでは、画面に表示された譜面に合わせて、正しいタイミングで操作入力を行うことにより、得点が加算されるが、「正しいタイミング」の判断基準には、一定の誤差範囲を認めている。したがって、この誤差範囲をY分の1倍にすれば、それだけ正確に操作入力を行うことが求められる、とするのである。
【0166】
一般に、これらのゲームにおいては、
(a)当該操作入力と達成条件との差の大きさ、すなわち誤差と、
(b)その誤差に割り当てられた基本値と、
が対応付けられている、と考えることができる。
【0167】
なお、対戦格闘等のゲームにおける調整値をより一般化して考えると、「敵からの攻撃のダメージを緩和させる程度の大きさ」と考えることができる。
【0168】
したがって、リズムゲームや射撃ゲームのように、二人のプレイヤーが同じ課題に直面し、同一の達成条件を満たしたか否かによって成績が決まるようなゲームにおいても、調整値を考えることができる。
【0169】
この場合、調整値としては、「相手方プレイヤーの操作入力の正確さ」を表すパラメータを採用することとなり、もっとも簡易には、相手方プレイヤーの「補正前の基本値」をそのまま利用したり、「補正前の基本値」に0以上1未満の定数を乗じたものを採用することが可能である。
【0170】
図7Aは、上記射撃ゲームの実施形態において、評価値として基本値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。図7Bは、評価値としてボーナス値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
【0171】
図7Aにある通り、上記射撃ゲームにおいては、射撃が成功したか失敗したかの2通りのみを考えるため、誤差が0〜Dの間は評価値は基本値Pとなるが、誤差がDを超えると評価値は0となる。
【0172】
これらの図を対比すればわかる通り、図7Bに示すグラフは、図7Aに示すグラフを誤差方向にY分の1倍に縮める一方で、得点方向をY倍に拡大している(本図では、理解を容易にするため、Y=2程度として図示している。)。すなわち、図7Bでは、誤差が0〜D/Yの間は評価値は基本値Y×Pとなるが、誤差がD/Yを超えると評価値は0となる。
【0173】
このほか、リズムゲームやダンスゲームでは、誤差が小さければ小さいほど割り当てられる基本値が高くなるような、すなわち、誤差に対して基本値が単調に減少するような評価値分布を採用する場合もある。図8Aは、このような実施形態において、評価値として基本値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフであり、図8Bは、この実施形態における評価値としてボーナス値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
【0174】
これらの図においても、一発逆転を可能にするために、誤差方向にY分の1倍に縮める一方で、得点方向をY倍に拡大すれば良い。
【0175】
上記の説明では、1台のゲーム装置に2つのコントローラを接続して対戦を行う典型例を説明したが、上述のように、サーバ装置を介して紹介された2台のゲーム装置のそれぞれのプレイヤーが対戦する場合や、2台のゲーム装置がアドホックに無線通信を行ったり、ピアツーピア通信を行う場合であっても、同様の技術を適用することができる。
【0176】
また、いわゆるCPU戦の対戦に、本発明を適用することも可能である。これは、所定のアルゴリズムによって操作入力が順次生成されるプログラムを動作させて、生成された操作入力を、プレイヤーの一方からのものとして処理するものである。
【0177】
このほか、得点が得られる達成条件には、ボーナス点が得られるものと、ボーナス点が得られないものの2種類を用意し、前者の達成条件の一部に、「一方のプレイヤーが操作に成功し、他方のプレイヤーが操作ミスをした場合」にボーナス点が付与されるようなものを採用する、という態様もありうる。
【0178】
すなわち、一方のプレイヤーの操作入力が、所定の操作入力成功条件を満たし(成功し)、他方のプレイヤーの操作入力が、所定の操作入力成功条件を満たさない(ミスをした)場合に、達成条件が満たされる、とするものである。
【0179】
このような態様では、有利な側のプレイヤーがミスをすると、不利な側のプレイヤーの逆転が可能となる。したがって、有利な側のプレイヤーは、真面目にプレイをしないと、逆転を許してしまうことになる。すなわち、逆転を防止するためには、最後まで気を抜かずにプレイをする必要がある。
【0180】
このように、本実施形態によれば、得点差が大きく開いた場合であっても、ゲームの最後まで、プレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0181】
以上説明したように、本発明によれば、得点差が大きく開いた場合であってもプレイヤーに緊張感を抱かせてゲームをプレイさせるのに好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】一般的なコントローラの外観を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図4】本実施形態に係るゲーム装置にて実行されるゲーム処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態を射撃ゲームに適用した場合の通常の状態における画面表示の例を示す説明図である。
【図6】本実施形態を射撃ゲームに適用した場合の一発逆転が可能な状態における画面表示の例を示す説明図である。
【図7A】射撃ゲームの実施形態において、評価値として基本値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。
【図7B】射撃ゲームの実施形態において、評価値としてボーナス値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。
【図8A】リズムゲームやダンスゲームの実施形態において、評価値として基本値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。
【図8B】リズムゲームやダンスゲームの実施形態において、評価値としてボーナス値を採用する場合の評価値と誤差との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0183】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マイク
201 ↑ボタン
202 ↓ボタン
203 ←ボタン
204 →ボタン
205 ○ボタン
206 ×ボタン
207 △ボタン
208 □ボタン
209 SELECTボタン
210 STARTボタン
211 ANALOGボタン
212 インジケータ
213 ジョイスティック
214 ジョイスティック
215 L1ボタン
216 L2ボタン
217 R1ボタン
218 R2ボタン
301 ゲーム装置
302 入力受付部
303 評価値取得部
304 得点設定部
305 勝者決定部
306 得点記憶部
401 画面
411 標的(第1プレイヤー)
412 照準(第1プレイヤー)
413 得点領域(第1プレイヤー)
451 標的(第2プレイヤー)
452 照準(第2プレイヤー)
453 得点領域(第2プレイヤー)
455 吹き出し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとを対戦させるゲーム装置であって、
前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける入力受付部、
前記受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致する場合、当該合致する達成条件に対応付けられた値(以下「基本値」という。)を評価値として取得する評価値取得部、
前記取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点を設定する得点設定部、
所定の終了条件が満たされる場合、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する勝者決定部
を備え、
前記評価値取得部は、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、前記所定の達成条件に対応付けられる基本値にかえて、前記得点差以上の値(以下「ボーナス値」という。)を前記評価値として取得するものとし、前記受け付けられた操作入力と前記所定の達成条件とが合致するか否かの判断基準を、当該ボーナス値の当該基本値に対する比が大きいほど厳しくする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記評価値取得部は、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差が所定の閾値以上である場合、前記ボーナス値を前記評価値として取得する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記評価値取得部は、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差が所定の閾値以上であり、直近の所定期間における当該得点差の変化が縮小傾向でない場合、前記ボーナス値を前記評価値として取得する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記評価値取得部は、前記受け付けられた操作入力と前記所定の達成条件に対応付けられる目標との誤差が所定の誤差範囲内にある場合、前記受け付けられた操作入力と前記所定の達成条件とが合致すると判定し、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差もしくは当該得点差に所定の正数を加算した値を前記ボーナス値とし、前記ボーナス値の前記基本値に対する比に反比例するように当該所定の誤差範囲を縮小することにより、前記判断基準を厳しくする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記得点設定部は、現在のゲームの状況に対応付けられる非負の調整値を求め、前記取得された評価値から前記求められた調整値を減算して、前記ポイントとする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記所定の閾値は、前記所定の達成条件に対応付けられる基本値を超える大きさの定数である
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記ボーナス値が前記評価値として取得された場合、前記ボーナス値の前記基本値に対する比に対応付けられた画像ならびに音声が、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとに提示される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとを対戦させるゲーム装置を制御する制御方法であって、前記ゲーム装置は、入力受付部、評価値取得部、得点設定部、勝者決定部を有し、
前記入力受付部が、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける入力受付工程、
前記受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致する場合、前記評価値取得部が、当該合致する達成条件に対応付けられた値(以下「基本値」という。)を評価値として取得する評価値取得工程、
前記得点設定部が、前記取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点を設定する得点設定工程、
所定の終了条件が満たされる場合、前記勝者決定部が、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する勝者決定工程
を備え、
前記評価値取得工程では、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、前記所定の達成条件に対応付けられる基本値にかえて、前記得点差以上の値(以下「ボーナス値」という。)を前記評価値として取得するものとし、前記受け付けられた操作入力と前記所定の達成条件とが合致するか否かの判断基準を、当該ボーナス値の当該基本値に対する比が大きいほど厳しくする
ことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーとを対戦させるゲーム装置として機能させるプログラムであって、当該プログラムは、当該コンピュータを、
前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの操作入力を受け付ける入力受付部、
前記受け付けられた操作入力が所定の達成条件に合致する場合、当該合致する達成条件に対応付けられた値(以下「基本値」という。)を評価値として取得する評価値取得部、
前記取得された評価値に連動するポイントを計算し、当該評価値に対応付けられる達成条件に合致する操作入力を与えたプレイヤーが当該計算されたポイントだけ以前より有利になるように、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点を設定する得点設定部、
所定の終了条件が満たされる場合、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、いずれか有利なプレイヤーを勝者に決定する勝者決定部
として機能させ、当該プログラムは、当該コンピュータにおいて、
前記評価値取得部は、前記第1のプレイヤーと前記第2のプレイヤーとの得点差に基づいて、前記所定の達成条件に対応付けられる基本値にかえて、前記得点差以上の値(以下「ボーナス値」という。)を前記評価値として取得するものとし、前記受け付けられた操作入力と前記所定の達成条件とが合致するか否かの判断基準を、当該ボーナス値の当該基本値に対する比が大きいほど厳しくする
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate


【公開番号】特開2010−125115(P2010−125115A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303855(P2008−303855)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】