説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤーがタッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、タッチ位置を容易に把握できるようにする。
【解決手段】ゲーム装置200において、第1タッチパネル105はディスプレイ110の表面に配置され、第2タッチパネル106はディスプレイ110の背面に配置される。検出部201は、第1タッチパネル105への第1タッチ操作と第1タッチ位置、及び、第2タッチパネル106への第2タッチ操作の有無と第2タッチ位置を検出する。表示部202は、項目画像をディスプレイ110に表示する。また表示部202は、第2タッチ操作が検出され、第2タッチ位置に項目画像が表示されている場合、項目画像を強調表示する。第1タッチ操作と第2タッチ操作が検出され、第1タッチ位置に表示されている項目画像がその強調表示されている項目画像である場合、その項目画像が選択され、その項目画像に予め対応付けられた処理が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを使用するときに、プレイヤーがタッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイの表面にタッチセンサーを有するパネルが重畳された、いわゆるタッチパネルが広く用いられている。プレイヤー(ユーザー)は、ディスプレイに表示された映像を見ながらタッチパネルをタッチして、所望の指示を入力できる。
【0003】
タッチパネルを用いた入力インターフェースでは、タッチパネルに指でタッチすると、指の近くにある画像の閲覧が妨げられることがあるが、例えば特許文献1には、ディスプレイの表面と裏面の両方にタッチパネルが配置されており、表面と裏面の同時接触により位置を指定した後、表面の指を離し、裏面の指で拡大縮小等の画像処理を行わせる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−76233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プレイヤーは、裏面のタッチパネルを直接視認することができず、タッチ位置を把握することが困難であった。そして、プレイヤーは、裏面のタッチパネルを用いて自分の思うように位置を指定することが難しいことがあった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するものであり、タッチパネルを使用するときに、プレイヤーがタッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0008】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、ディスプレイと、ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、検出部と、表示部と、実行部とを備える。
検出部は、第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第1タッチ位置と、第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する。
表示部は、選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像をディスプレイに表示し、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像を強調表示する。
実行部は、第1タッチパネルへのタッチ操作と第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第1タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に表示されている項目画像がその強調表示されている項目画像である場合、強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する。
【0009】
本発明のゲーム装置には、ゲームの画像が表示されるディスプレイがあり、ディスプレイの表示面上に重畳して第1タッチパネルが配置され、ディスプレイの背面に第2タッチパネルが配置されている。プレイヤーは、第1タッチパネルへのタッチ操作と第2タッチパネルへのタッチ操作により、ゲーム装置へ指示を入力することができる。また、ゲームの画像には、予め処理内容が対応付けられている1つ以上の項目画像が含まれており、プレイヤーは、項目画像を選択することにより、ゲーム装置へ指示を入力することもできる。項目画像は、一般には“ボタン”とも呼ばれる。
【0010】
第1タッチパネル内の位置は、ディスプレイ内の位置と対応付けられている。同様に、第2タッチパネル内の位置は、ディスプレイ内の位置と対応付けられている。ディスプレイの背面に配置された第2タッチパネルへのタッチ操作が検出されると、タッチ操作が検出された位置(第2タッチ位置)に対応するディスプレイ内の位置に、項目画像が表示されているか否かによって、項目画像の表示態様が変化する。すなわち、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されていない場合、項目画像は通常の態様で表示される。一方、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像は、通常の態様とは異なり、他の画像より相対的に強調して表示される。そして、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像は強調して表示され、さらに、第1タッチ位置が、強調して表示された項目画像の表示領域に対応する第1タッチパネル内の領域にある場合、その項目画像が選択され、その項目画像に対応付けられている処理がゲーム装置により実行される。
【0011】
したがって、プレイヤーは、ディスプレイの背面に配置されているためディスプレイを見ているときには直視することが難しいことがあるタッチ位置を、項目画像の表示態様の変化により、容易に把握することができる。更に、プレイヤーは、第2タッチパネルへのタッチ操作により項目画像をタッチし、且つ、第1タッチパネルへのタッチ操作により項目画像を更にタッチすれば、項目画像に対応付けられているコマンドを入力できる。本発明によれば、プレイヤーは、タッチパネルを使用するときに、タッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握できる。また、タッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、タッチ操作により所望の指示入力を簡単に行えるようになる。
【0012】
表示部は、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像の全部又は一部を拡大して表示することにより、項目画像を強調表示してもよい。
【0013】
つまり、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像の全部又は一部は、大きく表示される。したがって、プレイヤーは、直接視認しづらいタッチパネルへのタッチ位置を、項目画像の大きさの変化により、容易に把握できる。
【0014】
表示部は、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像の全部又は一部の明度、彩度、色相のうち少なくともいずれか1つを変化させて表示することにより、項目画像を強調表示してもよい。
【0015】
つまり、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像の全部又は一部は、色が変化して表示される。したがって、プレイヤーは、直接視認しづらいタッチパネルへのタッチ位置を、項目画像の色の変化により、容易に把握できる。
【0016】
本発明のその他の観点に係るゲーム装置は、ディスプレイと、ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、検出部と、表示部と、実行部とを備える。
検出部は、第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第1タッチ位置と、第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する。
表示部は、選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像をディスプレイに表示し、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出された場合、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に最も近い項目画像を強調表示する。
実行部は、第1タッチパネルへのタッチ操作と第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第1タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に表示されている項目画像がその強調表示されている項目画像である場合、強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する。
【0017】
ディスプレイの背面に配置された第2タッチパネルへのタッチ操作が検出されると、タッチ操作が検出された位置に基づいて、項目画像の表示態様が変化する。すなわち、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に最も近い項目画像が、通常の態様とは異なり他の画像よりも相対的に強調して表示される。したがって、プレイヤーは、ディスプレイの背面に配置されているためディスプレイを見ているときには直視することが難しいことがあるタッチ位置を、項目画像の表示態様の変化により、容易に把握することができる。更に、プレイヤーは、第2タッチパネルへのタッチ操作により項目画像をタッチし、且つ、第1タッチパネルへのタッチ操作により項目画像を更にタッチすれば、項目画像に対応付けられているコマンドを入力できる。本発明によれば、プレイヤーは、タッチパネルを使用するときに、タッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握できる。また、タッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、タッチ操作により所望の指示入力を簡単に行えるようになる。
【0018】
表示部は、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出された場合、第2タッチ位置に基づいて、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に最も近い項目画像を変形させることにより、項目画像を強調表示してもよい。
【0019】
つまり、プレイヤーが第2タッチパネルをタッチすると、タッチ位置に最も近い項目画像の全部又は一部が強調して表示される。したがって、プレイヤーは、直接視認しづらいタッチパネルへのタッチ位置を、項目画像の形の変化により、容易に把握できる。
【0020】
本発明のその他の観点に係る制御方法は、ディスプレイと、ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、検出部と、表示部と、実行部とを有するゲーム装置において実行される制御方法であって、検出ステップと表示ステップと実行ステップとを備える。
検出ステップでは、検出部が、第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第1タッチ位置と、第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する。
表示ステップでは、表示部が、選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像をディスプレイに表示し、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像を強調表示する。
実行ステップでは、第1タッチパネルへのタッチ操作と第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第1タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に表示されている項目画像がその強調表示されている項目画像である場合、実行部が、強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する。
【0021】
本発明によれば、プレイヤーは、タッチパネルを使用するときに、タッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握できる。また、プレイヤーは、タッチ操作により所望の指示入力を簡単に行えるようになる。
【0022】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、ディスプレイと、ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、を有するコンピュータを、検出部と表示部と実行部として機能させる。
検出部は、第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第1タッチ位置と、第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられるディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する。
表示部は、選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像をディスプレイに表示し、第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に項目画像が表示されている場合、項目画像を強調表示する。
実行部は、第1タッチパネルへのタッチ操作と第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、第1タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置に表示されている項目画像がその強調表示されている項目画像である場合、強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する。
【0023】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、タッチパネルを使用するときに、プレイヤーがタッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能的な構成を示す図である。
【図3】第1タッチパネルと第2タッチパネルとディスプレイの配置例を示す図である。
【図4】第1タッチパネル上の点とディスプレイ上の点との対応関係、および、第2タッチパネル上の点とディスプレイ上の点との対応関係を模式的に示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、項目画像の表示例を示す図である。
【図6】ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2において、ゲーム装置の機能的な構成を示す図である。
【図8】ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】項目画像の表示領域と、項目画像の表示領域に対応する第1タッチパネル内の領域と、項目画像の表示領域に対応する第2タッチパネル内の領域とを示す図である。
【図10】(a)〜(c)は、項目画像の表示例を示す図である。
【図11】(a),(b)は、項目画像の表示例を示す図である。
【図12】第1タッチパネルと第2タッチパネルとディスプレイの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0027】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100のハードウェア構成を示す模式図である。
【0028】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM 102、RAM(Random Access Memory)103、インターフェース104、第1タッチパネル105、第2タッチパネル106、外部メモリー107、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108、画像処理部109、ディスプレイ110、音声処理部111、NIC(Network Interface Card)112、を備える。
【0029】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。
【0030】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスター(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサーを備えて実現するものがある。
【0031】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0032】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスターに格納してからレジスターに対して演算を行ったりして、演算結果をメモリーに書き戻す、などの処理を行う。
【0033】
インターフェース104を介して接続された2つのタッチパネル(第1タッチパネル105と第2タッチパネル106)は、プレイヤーがゲームをプレイする際に行う操作入力を受け付ける。第1タッチパネル105と第2タッチパネル106のそれぞれの詳細については後述する。なお、情報処理装置100は、プレイヤーからの入力を受け付ける入力装置として、第1タッチパネル105と第2タッチパネル106のほかに、ボタン等を備えたいわゆる“コントローラー”と呼ばれる入力装置を備えていてもよい。
【0034】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリー107には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、第1タッチパネル105や第2タッチパネル106を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリー107に記録することができる。
【0035】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを行うためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データなどが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出す。読み出されたプログラムやデータはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0036】
画像処理部109は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部109が備える画像演算プロセッサー(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部109が備えるフレームメモリー(図示せず)に記録する。フレームメモリーに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部109に接続されるディスプレイ110へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0037】
画像演算プロセッサーは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0038】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャー情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファー法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ見たレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0039】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサーが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリーへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0040】
音声処理部111は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカーから出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0041】
音声処理部111では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0042】
さらに、情報処理装置100にはマイクを接続することができる。この場合、マイクからのアナログ信号に対しては、適当なサンプリング周波数でA/D(Analog/Digital)変換を行い、PCM形式のディジタル信号として、音声処理部111でのミキシング等の処理ができるようにする。
【0043】
NIC 112は、情報処理装置100をインターネット等のコンピューター通信網(図示せず)に接続する。例えば、NIC 112は、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがう仕様で構成される。あるいは、NIC 112は、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデムなどから構成されてもよい。
【0044】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリー107、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0045】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマー向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話機、携帯ゲーム機器、一般的なビジネス用コンピューターやパーソナルコンピューターなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0046】
次に、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成について説明する。図2は、ゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、上述の第1タッチパネル105と第2タッチパネル106とディスプレイ110のほかに、検出部201と表示部202を備える。
【0047】
検出部201は、プレイヤーによる第1タッチパネル105へのタッチ操作の有無と、そのタッチ操作がなされた位置に対応付けられるディスプレイ110内の位置(以下「第1タッチ位置」という。)とを検出する。また、検出部201は、プレイヤーによる第2タッチパネル106へのタッチ操作の有無と、そのタッチ操作がなされた位置に対応付けられるディスプレイ110内の位置(以下「第2タッチ位置」という。)とを検出する。検出結果である第1タッチ位置と第2タッチ位置は、予め定義された座標系を用いた座標値によって表され、RAM 103に記憶される。CPU 101は、第1タッチパネル105へのタッチ操作の有無と第2タッチパネル106へのタッチ操作の有無を定期的なタイミングで繰り返し検知し、第1タッチ位置と第2タッチ位置を随時検出し、更新する。CPU 101とRAM 103と第1タッチパネル105と第2タッチパネル106が協働して、検出部201として機能する。
【0048】
図3に、第1タッチパネル105と第2タッチパネル106とディスプレイ110の配置例を示す。第1タッチパネル105は、ゲーム装置200が備えるディスプレイ110の表面に重畳して配置される。第2タッチパネル106は、第1タッチパネル105の背面に配置される。プレイヤーは、第1タッチパネル105の表面及び/又は第2タッチパネル106の表面を指先で触って、所望の指示を入力することができる。例えば、プレイヤーは、ゲーム装置200の両端を手で押さえつつ、ゲーム装置200を親指で第1タッチパネル105にタッチし、中指で第2タッチパネル106をタッチする。プレイヤーが第1タッチパネル105の表面もしくは第2タッチパネル106の表面を触って指示を与える操作を「タッチ操作」という。
【0049】
表示部202は、第1タッチパネル105へのタッチ操作と第2タッチパネル106へのタッチ操作に応じて進行するゲームの画像をディスプレイ110に表示する。また、表示部202は、選択された場合にゲーム装置200が実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像をディスプレイ110に表示する。項目画像は、典型的には複数であるが、1つだけでもよい。更に、表示部202は、第2タッチパネル106へのタッチ操作が検出され、検出された第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像が表示されている場合、その項目画像を、他の画像と比べて相対的に強調して表示する。CPU 101と第1タッチパネル105と第2タッチパネル106と画像処理部109とディスプレイ110が協働して、表示部202として機能する。
【0050】
項目画像とは、プレイヤーから指示入力を受け付けるための、いわゆる「ボタン」を表す画像である。以下の説明において、ディスプレイ110の表示領域のうち項目画像が表示されている領域に対応する第1タッチパネル105(又は第2タッチパネル106)の部分をプレイヤーがタッチすることを、「ボタンを押す」あるいは「ボタンを選択する」と表現する。
【0051】
例えばノベルゲームにおいて、プレイヤーが「はい」と「いいえ」の二者択一を行う画面には、「はい」に対応する項目画像と、「いいえ」に対応する項目画像とがディスプレイ110に表示される。「はい」に対応する項目画像が選択されると、「はい」に対応するシナリオが選択され、「いいえ」に対応する項目画像が選択されると、「いいえ」に対応するシナリオが選択される。そして、ゲームは、選択されたシナリオに従って進行する。
【0052】
図4に、第1タッチパネル105上の点とディスプレイ110上の点との対応関係、及び、第2タッチパネル106上の点とディスプレイ110上の点との対応関係を模式的に示す。第1タッチパネル105上の1つの点405は、ディスプレイ110上の1つの点410と対応付けられる。また、第2タッチパネル106上の1つの点406は、ディスプレイ110上の1つの点410と対応付けられる。プレイヤーがディスプレイ110上の点410を指定するためには、第1タッチパネル105上の点405を指定するやり方と、第2タッチパネル106上の点406を指定するやり方とがあるわけである。
【0053】
なお、第1タッチパネル105の大きさと形状は、ディスプレイ110の大きさと形状と異なっていてもよい。また、第2タッチパネル106の大きさと形状は、ディスプレイ110の大きさと形状と異なっていてもよい。
【0054】
第2タッチパネル106へのタッチ操作により選択された項目画像を強調して表示する手法には、様々なバリエーションがある。CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がある場合、その項目画像の全体を拡大して表示してもよい。
【0055】
すなわち、例えば図5(a)に示すような各キャラクターに対応付けられる項目画像501〜508が表示されているキャラクター選択画面において、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の点520に、いずれの項目画像も含まれていない場合、CPU 101は、項目画像501〜508をいずれも強調表示しない。一方、図5(b)に示すように、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の点520に、いずれかの項目画像(本図中では項目画像506)が含まれている場合、CPU 101は、その項目画像(本図中では項目画像506)を拡大して表示することにより、強調表示する。したがって、プレイヤーは、ディスプレイ110の背面に配置されているために正面からは直接視認できない第2タッチパネル106のタッチしている場所を、項目画像の大きさの変化により、はっきりと把握することができる。
【0056】
CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がある場合、その項目画像の全体を拡大して表示するのではなく、その項目画像を部分的に拡大して表示してもよい。すなわち、図5(c)に示すように、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の点520に、いずれかの項目画像(本図中では項目画像507)が含まれている場合、CPU 101は、まるで虫めがねで覗くかのように、その項目画像(本図中では項目画像507)のうち、点520を中心とする所定半径以内の領域530にある項目画像を、拡大して表示してもよい。本図には、領域530の円形の輪郭が表示されているが、この輪郭は表示されなくてもよい。
【0057】
領域530は円形でなくてもよく、任意の楕円形や矩形などでもよい。また、CPU 101は、魚眼レンズによる映像のように、領域530の周縁部に近づくほど歪みが大きくなるように、点520を中心とする所定半径以内の領域530を拡大して表示してもよい。プレイヤーは、項目画像の大きさや形状の違いにより、第2タッチ位置がどの辺りかをおおよそ知ることができる。
【0058】
CPU 101は、項目画像の明度・彩度・色相を変化させることにより、項目画像の全部又は一部を強調表示してもよい。例えば、CPU 101は、図5(a)に示すように第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がない場合、ゲームの画面全体をモノクロで表示する。一方、図5(b),(c)に示すように第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がある場合、CPU 101は、項目画像の全部又は一部をカラーで表示してもよい。このようにすれば、プレイヤーは、項目画像の明度・彩度・色相の違いにより、第2タッチ位置がどの辺りかをおおよそ知ることができる。
【0059】
あるいは、CPU 101は、項目画像のデザイン、色調等を変化させることにより、項目画像を強調表示してもよい。例えば、CPU 101は、第1の表示形態を「平面的なデザインの表示形態」に、第2の表示形態を「エンボス加工のエフェクトを付加した表示形態」とする。そして、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がない場合、項目画像を第1の表示形態で表示し、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像がある場合、項目画像を第2の表示形態で表示する。このようにすれば、プレイヤーは、項目画像の表示形態の違いにより、第2タッチ位置がどの辺りかをおおよそ知ることができる。
【0060】
次に、本実施形態のゲーム装置200が行うゲーム処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、第1タッチ位置は、項目画像(ボタン)のタッチあるいはコマンドの入力のために用いられ、第2タッチ位置は、項目画像の表示形態の切り替えのために用いられる。
【0061】
まず、CPU 101は、ディスプレイ110にゲームの画面を表示する(ステップS601)。このゲームの画面には、少なくとも1つの項目画像が含まれればよく、項目画像の数、項目画像の大きさ、項目画像の形状、ゲームの画面のレイアウト、ゲーム内容等は任意である。
【0062】
CPU 101は、プレイヤーによる第1タッチパネル105へのタッチ操作があるか否かを判別する(ステップS602)。
【0063】
第1タッチパネル105へのタッチ操作が無いと判別した場合(ステップS602;NO)、CPU 101は、ステップS604の処理に進む。一方、第1タッチパネル105へのタッチ操作があると判別した場合(ステップS602;YES)、CPU 101は、第1タッチ位置を取得し(ステップS603)、RAM 103に記憶する。
【0064】
CPU 101は、ステップS603で取得した第1タッチ位置に基づいて、ゲームを進行する(ステップS604)。
【0065】
同様に、CPU 101は、プレイヤーによる第2タッチパネル106へのタッチ操作があるか否かを判別する(ステップS605)。
【0066】
第2タッチパネル106へのタッチ操作が無いと判別した場合(ステップS605;NO)、CPU 101は、ステップS609の処理に進む。一方、第2タッチパネル106へのタッチ操作があると判別した場合(ステップS605;YES)、CPU 101は、第2タッチ位置を取得し(ステップS606)、RAM 103に記憶する。
【0067】
CPU 101は、ステップS606で取得した第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に、項目画像があるか否かを判別する(ステップS607)。
【0068】
第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像が無いと判別した場合(ステップS607;NO)、CPU 101は、ステップS609の処理に進む。一方、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像があると判別した場合(ステップS607;YES)、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置にある項目画像を、他の画像と比べて相対的に強調して表示する(ステップS608)。強調の仕方には、上述したように様々なバリエーションがあるが、いずれの手法を採用してもよい。
【0069】
CPU 101は、終了条件を満たすか否かを判別する(ステップS609)。終了条件は、例えば、「ゲームを終了する旨の指示入力を受け付けたこと」である。
【0070】
終了条件を満たさないと判別した場合(ステップS609;NO)、CPU 101は、ステップS602〜S609の処理を繰り返す。
【0071】
例えば、第1シナリオ、第2シナリオの順にゲームが進行する場合において、第1シナリオの終了条件を満たし、第1シナリオのゲーム画面から第2シナリオのゲーム画面に遷移するとCPU 101が判別すると、第1シナリオのゲーム画面においてステップS601〜S608の処理を行った後、第2シナリオのゲーム画面においてステップS601〜S608の処理を行う。
【0072】
一方、終了条件を満たすと判別した場合(ステップS609;YES)、CPU 101は、ゲーム処理を終了する。
【0073】
例えば、ゲームの画面が複雑であったりディスプレイ110が小さかったりする場合には、どこにどのようなボタンがあるのかが把握しづらいことや、あるいは、プレイヤーが所望のボタンを押しづらいことがある。しかし、本実施形態のように、プレイヤーが2つのタッチパネルを使い分け、第1タッチ位置に基づいてゲームが進行し、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置にあるボタンが強調して表示されるように構成することにより、ボタンが見えやすくなり、ボタンが押しやすくなり、ゲームがプレイしやすくなる。
【0074】
また、一般に、プレイヤーが表示装置に重畳されたタッチパネルへのタッチ操作によって指示を与える入力インターフェースでは、指で表示装置の表面が隠れてしまい、項目画像が隠れてしまったりゲーム画面の全体を把握しづらかったりすることがある。あるいは、一般に、長い文章を読む場面などでは、人間の習慣として、指でなぞりながら文字列を追っていくことがあるが、その際には、自分が注目している部分は分かりやすくなるものの、その周囲は指で隠れて見えなくなってしまうことがある。しかし、本実施形態のように、コマンド入力等のためには第1タッチパネル105を用い、自分が今注目している部分を指すためには第2タッチパネル106を用いる、といったように使い分けるようにすることによって、プレイヤーがゲーム画面全体を把握しやすくなり、また、タッチ位置を直接視認できない状況であっても、タッチ位置を容易に把握できるようになる。
【0075】
さらには、第2タッチパネル106のようにディスプレイ110の表示面の反対側に配置されているタッチパネルを使用するとき、プレイヤーにとってタッチ位置を直接視認しづらい状況にあることがある。しかし、本実施形態によれば、プレイヤーは、プレイヤーがタッチ位置を容易に把握することができるようになる。
【0076】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、上述の項目画像には、選択された場合にゲーム装置200が実行すべき処理が予め対応付けられており、プレイヤーは、ゲームのプレイ中に所望の項目画像を選択することにより、所望の選択指示を入力し、ゲームを進行させることができるようになっている。
【0077】
図7は、本実施形態のゲーム装置200の構成を示す図である。ゲーム装置200は、実行部701を更に備える。
【0078】
実行部701は、第1タッチパネル105へのタッチ操作と第2タッチパネル106へのタッチ操作が検出され、且つ、第1タッチ位置ならびに第2タッチ位置に項目画像が表示されている場合、その項目画像が選択されたものとして、その項目画像に予め対応付けられたゲーム進行処理を実行する。CPU 101が、実行部701として機能する。
【0079】
例えば、図5(a)〜(c)に示すようなキャラクター選択画面において、項目画像501〜508にはそれぞれ、キャラクター(イルカ、シカ、カメ、ハリネズミ、コアラ、イヌ、ウサギ、カモメ)が予め対応付けられている。項目画像がプレイヤーによって選択されると、CPU 101は、選択された項目画像に対応付けられているキャラクターを、プレイヤーが指示を与える対象となるキャラクター(プレイヤーキャラクター)に設定し、ゲームを進行する。
【0080】
DVD−ROMもしくは外部メモリー107には、項目画像と対応付けて、選択された場合に実行される処理を示す情報が、予め記憶される。
【0081】
項目画像に対応付けられる処理の内容は、プレイヤーキャラクターの選択だけに限られず、本発明によって限定されない。
【0082】
図8は、本実施形態におけるゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【0083】
まず、CPU 101は、ディスプレイ110にゲームの画面を表示する(ステップS801)。このゲームの画面には、少なくとも1つの項目画像が含まれており、項目画像には、選択された場合にCPU 101が実行すべき処理が予め対応付けられている。
【0084】
CPU 101は、プレイヤーによる第2タッチパネル106へのタッチ操作があるか否かを判別する(ステップS802)。
【0085】
第2タッチパネル106へのタッチ操作が無いと判別した場合(ステップS802;NO)、CPU 101は、ステップS801のゲームの画面の表示に戻る。一方、第2タッチパネル106へのタッチ操作があると判別した場合(ステップS802;YES)、CPU 101は、第2タッチ位置を取得する(ステップS803)。
【0086】
ここで、図4で説明したように、第2タッチ位置が示す点406には、ディスプレイ110内の点410が対応付けられている。従って、第2タッチ位置が決まれば、その第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の点410の位置の座標が一意に決まる。
【0087】
CPU 101は、取得された第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像があるか否かを判別する(ステップS804)。
【0088】
第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像が無いと判別された場合(ステップS804;NO)、CPU 101は、ステップS801のゲームの画面の表示に戻る。一方、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像があると判別された場合(ステップS804;YES)、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置にある項目画像を、他の画像と比べて相対的に目立つように強調して表示する(ステップS805)。
【0089】
例えば図5(a)に示すようなキャラクター選択画面において、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の点520の位置に、項目画像501〜508のいずれかが表示されているか否かを判別する。そして、点520の位置に項目画像501〜508のいずれかが表示されている場合、CPU 101は、図5(b)に示すように点520の位置に表示されている項目画像の全体を相対的に大きく表示したり、図5(c)に示すように点520の位置に表示されている項目画像の一部を拡大して表示したりする。
【0090】
さらに、CPU 101は、強調して表示された項目画像の表示領域に対応する第1タッチパネル105内の領域へのタッチ操作はあるか否かを判別する(ステップS806)。
【0091】
ここで、図4で説明したように、第1タッチ位置が示す点405には、ディスプレイ110内の点410が対応付けられている。従って、ディスプレイ110内の点410の位置の座標が決まれば、その点410に対応する第1タッチパネル105の位置が一意に決まる。
【0092】
強調して表示された項目画像の位置に対応する第1タッチパネル105内の領域へのタッチ操作が無いと判別した場合(ステップS806;NO)、CPU 101は、ステップS801のゲームの画面の表示に戻る。一方、強調して表示された項目画像の位置に対応する第1タッチパネル105内の領域へのタッチ操作があると判別した場合(ステップS806;YES)、CPU 101は、強調して表示された項目画像に予め対応付けられている処理を実行する(ステップS807)。
【0093】
なお、強調して表示された項目画像の表示領域に対応する第1タッチパネル105内の領域へのタッチ操作がある状態とは、言い換えれば、図9に示すように、「項目画像の表示領域910に対応する第2タッチパネル106内の領域906に第2タッチ位置902があり、且つ、項目画像の表示領域910に対応する第1タッチパネル105内の領域905に第1タッチ位置901がある」状態である。
【0094】
例えば、項目画像の全部又は一部の明度・彩度・色相を変化させることにより強調表示する場合においては、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像があると、その項目画像の見た目の色が変化する。従って、項目画像の表示態様が変化するので、プレイヤーは、直接視認しづらい第2タッチ位置を容易に把握できる。
【0095】
また、プレイヤーは、ある項目画像に対応付けられている処理をゲーム装置200に実行させたい場合には、第2タッチパネル106のうち、その項目画像に対応する部分をタッチして強調表示させた後、第1タッチパネル105のうち、強調表示された項目画像に対応する部分をタッチすればよい。従って、プレイヤーは、2段階の操作により、所望の項目画像を選択しやすくなり、項目画像の選択間違い(ボタンの押し間違い)を未然に防ぐことができる。
【0096】
例えば、項目画像の全部又は一部を拡大して表示することにより強調表示する場合においては、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像があると、その項目画像は大きく表示される。従って、項目画像の表示領域が広くなるので、プレイヤーは、直接視認しづらい第2タッチ位置を容易に把握でき、また、項目画像が表示されている領域をタッチしやすくなる。
【0097】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0098】
上記の実施形態では、項目画像の全部又は一部が強調表示されているが、項目画像の全部又は一部だけでなく、項目画像の周辺部分も同じく強調して表示されてもよい。
【0099】
例えば、図10(a)に示すゲーム画面には、3つの項目画像1001,1002,1003が含まれており、それぞれの項目画像には、選択された場合にゲーム装置200が実行する処理が対応付けられている。第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置1000に、項目画像1001,1002,1003のいずれもが表示されていない場合、CPU 101は、項目画像1001,1002,1003を通常の態様で表示する。
【0100】
一方、図10(b)に示すように、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置1000に、項目画像1001,1002,1003のうちのいずれか(本図の場合、項目画像1002。)が表示されている場合、CPU 101は、位置1000に表示されている項目画像(本図の場合、項目画像1002。)を拡大して表示する。例えば、CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置1000を中心とした所定半径の円内の強調領域1050を設定し、強調領域1050内に項目画像1002の一部を拡大して表示する。このとき、CPU 101は、背景画像については、通常の態様のままにしてもよい。これにより、CPU 101は、ゲーム画面全体の構成を大きく変えることなく、プレイヤーに第2タッチ位置がどの辺りにあるのかを明瞭に把握させることができる。
【0101】
ここで、CPU 101は、背景画像についても、通常の態様とは異なる態様で表示することにより、強調表示してもよい。すなわち、図10(c)に示すように、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置1000に、項目画像1001,1002,1003のうちのいずれか(本図の場合、項目画像1002。)が表示されている場合、CPU 101は、位置1000に表示されている項目画像(本図の場合、項目画像1002。)を拡大して表示すると共に、第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置1000を中心とした所定半径の円内の強調領域1050に含まれる背景画像を拡大して表示する。これにより、まるで虫めがねで拡大したかのように、第2タッチ位置の周辺が大きく表示されるので、プレイヤーは、第2タッチ位置がどの辺りにあるのかを更に明瞭に把握できるようになる。
【0102】
CPU 101は、上述のように、第2タッチパネル106へのタッチ操作が検出され且つ第2タッチ位置に対応するディスプレイ110内の位置に項目画像が表示されている場合に項目画像を強調表示する代わりに、第2タッチパネル106へのタッチ操作が検出された場合に第2タッチ位置に最も近い項目画像を強調表示してもよい。
【0103】
図11(a),(b)に、項目画像1101,1102,1103を含むゲーム画面の構成例を示す。CPU 101は、第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置1100から項目画像1101,1102,1103までの各距離を計算し、位置1100に最も近い項目画像を判別する。図11(a),(b)の例では、位置1100に最も近い項目画像は、項目画像1102である。CPU 101は、位置1100に最も近い項目画像を、位置1100の向きへ引っ張るように、項目画像1102を変形する。
【0104】
CPU 101は、図11(a)に示すように、変形後の項目画像が占める面積を、変形前の項目画像が占める面積と同じにしてもよい。
【0105】
あるいは、CPU 101は、図11(b)に示すように、変形後の項目画像が占める面積を、変形前の項目画像が占める面積よりも大きくしてもよい。第2タッチ位置に近づくように項目画像が伸び、且つ、項目画像の面積が大きくなることにより、プレイヤーは、変形後の項目画像をさらに選択しやすくなる。なお、面積を広げる場合には、変形前の項目画像が占める領域は、変形後の項目画像が占める領域の中にすべて含まれることが望ましい。
【0106】
そして、CPU 101は、変形することにより強調表示された項目画像1102の表示領域内に、第1タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置があると判別した場合、項目画像1102がプレイヤーによって選択されたと判別し、項目画像1102に予め対応付けられた処理を実行する。
【0107】
第1タッチパネル105と第2タッチパネル106の大きさや形状は任意である。例えば図12に示すように、ディスプレイ110の表示面の反対側に配置される第2タッチパネル106は、2つに分離されていてもよい。プレイヤーは、2つに分離された第2タッチパネル106A,106Bのうち、左手で一方をタッチし、右手で他方をタッチする。ゲーム装置200全体が、図3に示すように簡単に手で持てるサイズ及び形状である場合には、第2タッチパネル106を左手用と右手用に分離することにより、ゲーム装置200を支えやすくなり、且つ、タッチ操作がやりやすくなる。
【0108】
また、分離された一方の第2タッチパネル106Aに対応するディスプレイ110内の位置と、分離された他方の第2タッチパネル106Bに対応するディスプレイ110内の位置とに、重複するエリア1200を設けてもよい。
【0109】
上記のゲーム装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0110】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0111】
以上説明したように、本発明によれば、タッチパネルを使用するときに、プレイヤーがタッチ位置を直接視認しづらい状況であっても、タッチ位置を容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0112】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 第1タッチパネル
106 第2タッチパネル
107 外部メモリー
108 DVD−ROMドライブ
109 画像処理部
110 ディスプレイ
111 音声処理部
112 NIC
200 ゲーム装置
201 検出部
202 表示部
501〜508 項目画像
520 第2タッチ位置に対応する点
701 実行部
901 第1タッチ位置
902 第2タッチ位置
905 項目画像の表示領域に対応する第1タッチパネル内の領域
906 項目画像の表示領域に対応する第2タッチパネル内の領域
910 項目画像の表示領域
1000 第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置
1001,1002,1003 項目画像
1050 強調領域
1100 第2タッチ位置に対応するディスプレイ内の位置
1101,1102,1103 項目画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、
前記ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第1タッチ位置と、前記第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する検出部と、
選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像を前記ディスプレイに表示し、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に前記項目画像が表示されている場合、前記項目画像を強調表示する表示部と、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作と前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第1タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に表示されている項目画像が前記強調表示されている項目画像である場合、前記強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、前記強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する実行部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に前記項目画像が表示されている場合、前記項目画像の全部又は一部を拡大して表示することにより、前記項目画像を強調表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に前記項目画像が表示されている場合、前記項目画像の全部又は一部の明度、彩度、色相のうち少なくともいずれか1つを変化させて表示することにより、前記項目画像を強調表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
ディスプレイと、
前記ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、
前記ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第1タッチ位置と、前記第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する検出部と、
選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像を前記ディスプレイに表示し、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出された場合、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に最も近い項目画像を強調表示する表示部と、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作と前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第1タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に表示されている項目画像が前記強調表示されている項目画像である場合、前記強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、前記強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する実行部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出された場合、前記第2タッチ位置に基づいて、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に最も近い項目画像を変形させることにより、前記項目画像を強調表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
ディスプレイと、前記ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、前記ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、検出部と、表示部と、実行部とを有するゲーム装置において実行される制御方法であって、
前記検出部が、前記第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第1タッチ位置と、前記第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する検出ステップと、
前記表示部が、選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像を前記ディスプレイに表示し、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に前記項目画像が表示されている場合、前記項目画像を強調表示する表示ステップと、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作と前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第1タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に表示されている項目画像が前記強調表示されている項目画像である場合、前記実行部が、前記強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、前記強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する実行ステップと、
を備えることを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
ディスプレイと、前記ディスプレイの表面に配置される第1タッチパネルと、前記ディスプレイの背面に配置される第2タッチパネルと、を有するコンピュータを、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第1タッチ位置と、前記第2タッチパネルへのタッチ操作の有無ならびに当該タッチ操作の位置に対応付けられる前記ディスプレイ内の第2タッチ位置と、を検出する検出部、
選択された場合に実行すべき処理が予め対応付けられた項目画像を前記ディスプレイに表示し、前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第2タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に前記項目画像が表示されている場合、前記項目画像を強調表示する表示部、
前記第1タッチパネルへのタッチ操作と前記第2タッチパネルへのタッチ操作が検出され、前記第1タッチ位置に対応する前記ディスプレイ内の位置に表示されている項目画像が前記強調表示されている項目画像である場合、前記強調表示されている項目画像が選択されたものと判別し、前記強調表示されている項目画像に予め対応付けられた処理を実行する実行部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−254178(P2012−254178A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128740(P2011−128740)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】