説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラム

【課題】ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐ。
【解決手段】ゲーム装置500において、課題記憶部501は、プレイヤーが操作をすべき時刻及びこの操作の種類を示すゲーム課題を複数記憶する。受付部502は、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。判定部503は、ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、受け付けられた操作のうちそのゲーム課題に示される時刻の直近に受け付けられた操作の時刻及び操作の種類との合致度を判定する。候補取得部504は、記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する。課題決定部505は、取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を合致度の分布に基づいて新たなゲーム課題に決定する。課題追加部506は、決定されたゲーム課題の候補を課題記憶部501に記憶させて追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐために好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤーが、自身が達成すべきものとして提示された内容とタイミングに合うように操作し、より高い得点や達成度などに挑戦するゲームがある。例えば、特許文献1には、プレイヤーが画面に表示された譜面(以下「ゲーム課題」とも言う。)を模したマークに合わせて踏み動作を行うと、ダンスを踊っている感覚を楽しめるゲーム装置が開示されている。
【0003】
一般に、用いられる譜面の内容は予め定められている。例えば、特許文献2に開示されるゲーム装置では、難易度の異なる複数の楽譜が予め用意されており、プレイヤーの技量に応じて、難易度の高い楽譜や難易度の低い楽譜に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【特許文献2】特許第4219525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、予め用意されたゲーム課題のバリエーションが少なかったり、プレイヤーがプレイを何度も繰り返したりすると、ゲームに新鮮味が欠けてしまい、プレイヤーのゲームへの関心度が薄れてしまう恐れがある。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するものであり、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐために好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0008】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、課題記憶部、受付部、判定部、候補取得部、課題決定部、課題追加部を備える。
課題記憶部には、プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される。
受付部は、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。
判定部は、記憶された複数の各ゲーム課題について、ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する。
候補取得部は、記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する。
課題決定部は、記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する。
課題追加部は、決定された候補を新たなゲーム課題として課題記憶部に記憶させて追加する。
【0009】
本発明のゲーム装置にて行われるゲームでは、プレイヤーにゲーム課題が提示される。ゲーム課題は、例えばプレイヤーが現実空間において特定のボタンを押圧したり特定のポーズをしたりするといった、操作の種類と、その操作をすべき時刻と、を定義する。典型的には、操作の種類とその操作をすべき時刻とを表す画像をモニターに表示することにより、プレイヤーにゲーム課題が提示される。プレイヤーは、提示されたゲーム課題を達成すべく、ボタンを押圧したりポーズを取ったりすればよい。
【0010】
ゲームでは、提示されたゲーム課題とプレイヤーが行った操作との合致度、言い換えればプレイヤーの成績が判定される。複数のゲーム課題が時間の経過と共に順々にプレイヤーに提示されると、ゲーム内でプレイヤーの成績が良い時間や成績が悪い時間が出てくると予想される。一方で、ゲームを何度も繰り返しプレイすると、ゲーム課題の具体的な内容に慣れてきて、新鮮味に欠けてくる恐れがある。また、良い成績を収めたプレイヤーにとっては、ゲームをプレイする度に毎回同じゲーム課題が提示されたのではゲームへの関心が薄れていってしまう恐れがある。そこで、本発明では、プレイヤーの成績に応じて、新たにゲーム課題が追加されることとしている。
【0011】
すなわち、プレイヤーの成績に基づいて新たなゲーム課題となりうる候補が複数取得された後、それらの候補の中から新たなゲーム課題が決定される。候補は、例えば予め用意されていたり、判定された成績に応じて都度内容が変化したりする。追加される新たなゲーム課題は1つだけでも良いし、複数でもよい。
【0012】
従って、プレイヤーが繰り返しゲームをプレイすると、収めた成績に応じて内容が変化する新たなゲーム課題が追加されていき、変化に富んだゲームが実現される。例えば、総合的に同程度の成績を収めたプレイヤー同士であっても、ゲーム内の得手不得手の場所が異なれば、異なった新たなゲーム課題が追加される。つまり、ゲーム装置は、プレイヤーの成績に応じて異なった新たなゲーム課題を追加することができる。本発明によれば、ゲーム装置は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0013】
課題記憶部は、複数のゲーム課題の候補を予め記憶してもよい。
そして、候補取得部は、予め記憶されている複数の候補の中からいずれか1つ以上を取得してもよい。
【0014】
すなわち、本発明によれば、ゲームには予め複数のゲーム課題が用意されており、プレイヤーが初めてゲームをプレイする場合にはその中の一部分が提示され、ゲーム回数を重ねていくと、当初提示されていなかったゲーム課題が提示されていく。新たに追加されるゲーム課題を、ある程度ゲーム制作者が追加するに相応しいと想定したものに限定できるので、新たなゲーム課題が難しすぎたり易しすぎたりすることがないようにすることができる。例えば本発明をダンスゲームやリズムゲームに適用した場合、不自然なダンスになってしまったり無茶なリズムになってしまったりすることがないように、ある程度制御できるようになる。
【0015】
候補取得部は、課題記憶部に記憶されたゲーム課題と候補とが満たすべき所定の規則に基づいて候補を生成することにより、候補を取得してもよい。
【0016】
すなわち、本発明によれば、新たなゲーム課題となりうる候補は、予め用意されているのではなく、ゲーム装置によって都度生成される。従って、追加されるゲーム課題は、予め用意された候補の中から選ばれるのではなく、ゲーム装置が所定の規則に基づいて作成した候補の中から選ばれることとなる。ゲーム装置は、例えばプレイヤーの成績に応じて、適切な新たなゲーム課題を提示することができ、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。また、追加するゲーム課題を、例えば既にプレイヤーに提示したゲーム課題と類似するものにしたり、既にプレイヤーに提示したゲーム課題と合わせてプレイヤーが連続的な動きを取りやすいものにしたりすることにより、不自然なダンスになってしまったり無茶なリズムになってしまったりすることがないようにある程度制御できるようになる。
【0017】
なお、所定の規則とは、新たなゲーム課題となりうる候補が、例えば回転動作など、既に設定されているゲーム課題から類推される動作になるべくマッチするための規則である。所定の規則が示す動作は、回転動作だけに限られず、繰り返しの動作、左右又は前後に対称的な動作、あるいはその他の特定の動作であってもよい。
【0018】
ゲーム装置は、楽曲を再生する再生部を更に備えてもよい。
そして、候補取得部は、再生される楽曲の拍に基づいて、候補によって示されるそれぞれの時刻を決めてもよい。
【0019】
すなわち、プレイヤーが操作をすべき新たなゲーム課題となりうる候補が示す時刻は、再生される楽曲のリズムに合った時刻になるので、仮にその候補がゲーム課題に追加されたとしても、不自然なダンスになってしまったり無茶なリズムになってしまったりすることがない。本発明によれば、ゲーム装置は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができるだけでなく、楽曲に合った自然なゲーム課題をプレイヤーに提示することができる。
【0020】
候補取得部は、記憶されている複数のゲーム課題のうち決定された時刻に最も近いゲーム課題によって示される操作の種類を、候補によって示される操作の種類に決定してもよい。
【0021】
つまり、既にプレイヤーに提示されているゲーム課題とマッチした新たなゲーム課題が追加される。従って、本発明によれば、違和感のないゲーム課題を提示することができる。
【0022】
候補取得部は、記憶されている複数のゲーム課題のうち決定された時刻に最も近いゲーム課題を含む隣り合う複数のゲーム課題によって示される操作の種類のそれぞれに基づいて、候補によって示される操作の種類を決定してもよい。
【0023】
つまり、既にプレイヤーに提示されているゲーム課題とマッチした新たなゲーム課題が追加される。従って、本発明によれば、違和感のないゲーム課題を提示することができる。
【0024】
課題決定部は、取得された複数の候補の中から、候補によって示される時刻における合致度が所定値以上の候補を新たなゲーム課題に決定してもよい。
【0025】
つまり、プレイヤーの成績が優れている傾向にあるゲーム部分に、新たなゲーム課題が追加される。従って、プレイヤーに過度の負担をかけることなく、プレイヤーの実力に見合ったゲーム課題を提示することができる。
【0026】
本発明のその他の観点に係るゲーム装置は、課題記憶部、受付部、判定部、候補取得部、課題決定部、課題追加部を備える。
課題記憶部には、プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される。
受付部は、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。
判定部は、記憶された複数の各ゲーム課題について、ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する。
候補取得部は、記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する。
課題決定部は、取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する。
課題追加部は、決定された候補を新たなゲーム課題として課題記憶部に記憶させて追加する。
【0027】
すなわち、上記の合致度の分布は、課題決定部が複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する際に用いられる代わりに、候補取得部が複数の候補を取得する際に用いられてもよい。本発明によれば、ゲーム装置は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0028】
本発明のその他の観点に係るゲーム装置の制御方法は、プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される課題記憶部、受付部、判定部、候補取得部、課題決定部、課題追加部を有するゲーム装置にて実行される制御方法であって、受付ステップ、判定ステップ、候補取得ステップ、課題決定ステップ、課題追加ステップを備える。
受付ステップでは、受付部が、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。
判定ステップでは、判定部が、記憶された複数の各ゲーム課題について、ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する。
候補取得ステップでは、候補取得部が、記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する。
課題決定ステップでは、課題決定部が、記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を、新たなゲーム課題に決定する。
課題追加ステップでは、課題追加部が、決定された候補を新たなゲーム課題として課題記憶部に記憶させて追加する。
【0029】
本発明によれば、ゲーム装置は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0030】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、課題記憶部、受付部、判定部、候補取得部、課題決定部、課題追加部として機能させる。
課題記憶部には、プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される。
受付部は、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。
判定部は、記憶された複数の各ゲーム課題について、ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する。
候補取得部は、記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する。
課題決定部は、記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する。
課題追加部は、決定された候補を新たなゲーム課題として課題記憶部に記憶させて追加する。
【0031】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐために好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】第1のコントローラの構成を説明するための図である。
【図3】第2のコントローラ(マット)の構成を説明するための図である。
【図4】ゲーム画面の構成例を示す図である。
【図5】ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図6】定義データを示す図である。
【図7】ゲーム課題のプレイヤーの成績を判定する処理を説明するための図である。
【図8】定義データと選択される候補とを説明するための図である。
【図9】(a)定義データと選択される候補とを説明するための図である。(b)定義データと選択される候補の時系列的な位置関係を示す図である。
【図10】(a)合致度の分布を取得する処理を説明するための図である。(b)合致度の分布を示す図である。
【図11】(a)ゲーム課題候補を示す図である。(b)合致度の分布を示す図である。
【図12】ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】既に提示されたゲーム課題と、取得された合致度の分布と、を示す図である。
【図14】課題時刻を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】(a),(b)は、ゲーム課題とゲーム課題候補を示す図である。
【図16】課題内容を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)は、ゲーム課題候補を生成する処理を説明するための図である。
【図18】(a)〜(d)は、ゲーム課題候補を生成する処理を説明するための図である。
【図19】(a)〜(d)は、ゲーム課題候補を生成する処理を説明するための図である。
【図20】新たなゲーム課題を決定する処理を説明するための図である。
【図21】新たなゲーム課題を決定する処理を説明するための図である。
【図22】ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0035】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。
【0036】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM 102、RAM(Random Access Memory)103、インターフェース104、第1のコントローラ105、外部メモリ106、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ107、画像処理部108、音声処理部109、NIC(Network Interface Card)110、及び、第2のコントローラ111を備える。
【0037】
ゲーム用のプログラム及びデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。
【0038】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0039】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0040】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻したりする、などの処理を行う。
【0041】
インターフェース104を介して接続された第1のコントローラ105と第2のコントローラ111は、プレイヤーがゲーム実行の際などに行う操作入力を受け付ける。第1のコントローラ105と第2のコントローラ111の詳細については後述する。以下の説明において、第1のコントローラ105を単に「コントローラ」と、第2のコントローラ111を「マット」と、それぞれ呼ぶことがある。
【0042】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、第1のコントローラ105や第2のコントローラ111を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0043】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを行うためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データなどが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0044】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0045】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0046】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ見たレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0047】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0048】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカーから出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを再生し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0049】
音声処理部109では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0050】
さらに、情報処理装置100にはマイクを接続することができる。この場合、マイクからのアナログ信号に対しては、適当なサンプリング周波数でA/D変換を行い、PCM形式のディジタル信号として、音声処理部109でのミキシング等の処理ができるようにする。
【0051】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェイス(図示せず)により構成される。
【0052】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0053】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0054】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、第1のコントローラ105や第2のコントローラ111ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用することができる。
【0055】
本実施形態では、第1のコントローラ105として、現実の空間における第1のコントローラ105の現在位置や姿勢などの種々のパラメータが測定できるようなコントローラを採用する。
【0056】
図2は、現実の空間における位置や姿勢などの種々のパラメータが測定できるような第1のコントローラ105と情報処理装置100との外観を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0057】
第1のコントローラ105は、把持モジュール201と発光モジュール251との組合せからなる。把持モジュール201は無線通信によって情報処理装置100と通信可能に接続されており、発光モジュール251は、有線で情報処理装置100と通信可能に接続されている。情報処理装置100の処理結果の音声及び画像は、テレビジョン装置291によって出力表示される。
【0058】
把持モジュール201は、テレビジョン装置291のリモートコントローラと類似した外観をしており、その先端には、CCDカメラ202が配置されている。
【0059】
一方、発光モジュール251は、テレビジョン装置291の上部に固定されている。発光モジュール251の両端には、発光ダイオード252が配置されており、情報処理装置100からの電源供給によって発光する。
【0060】
把持モジュール201のCCDカメラ202は、この発光モジュール251の様子を撮影する。
【0061】
撮影された画像の情報は、情報処理装置100に送信され、情報処理装置100のCPU 101は、当該撮影された画像内において発光ダイオード252が撮影された位置に基づいて、発光モジュール251に対する把持モジュール201の位置を取得する。
【0062】
このほか、把持モジュール201内には、加速度センサ、角加速度センサ、傾きセンサ等が内蔵されており、把持モジュール201そのものの姿勢を測定することが可能となっている。この測定結果も、情報処理装置100に送信される。
【0063】
把持モジュール201の上面には、十字形キー203が配置されており、プレイヤーは、十字形キー203を押し込み操作することによって、各種の方向指示入力を行うことができる。また、Aボタン204ほか、各種ボタン206も上面に配置されており、当該ボタンに対応付けられた指示入力を行うことができる。
【0064】
一方、Bボタン205は、把持モジュール201の下面に配置されており、把持モジュール201の下面に窪みが構成されていることとあいまって、拳銃やマジックハンドにおける引き金を模したものとなっている。典型的には、仮想空間内における拳銃による発砲やマジックハンドによる把持の指示入力は、Bボタン205を用いて行われる。
【0065】
また、把持モジュール201の上面のインジケータ207は、把持モジュール201の動作状況や情報処理装置100との無線通信状況などをプレイヤーに提示する。
【0066】
把持モジュール201の上面に用意された電源ボタン208は、把持モジュール201そのものの動作のオン・オフを行うもので、把持モジュール201は内蔵された電池(図示せず)によって動作する。
【0067】
このほか、把持モジュール201の上面には、スピーカー209が配置され、音声処理部109から入力される音声信号による音声を出力する。把持モジュール201内部には、バイブレータ(図示せず)が用意されており、情報処理装置100からの指示に基づいて、振動の有無や強弱を制御することができるようになっている。
【0068】
以下では、把持モジュール201と発光モジュール251との組合せからなる第1のコントローラ105を用いて、把持モジュール201の現実世界における位置や姿勢を測定することを前提に説明する。ただし、上記のような形態によらず、たとえば超音波や赤外線通信、GPS(Global Positioning System)等を利用して第1のコントローラ105の現実世界における位置や姿勢を測定するとした場合であっても、本発明の範囲に含まれる。
【0069】
第2のコントローラ(マット)111は、床などの上に置かれ、表面の所定領域をプレイヤーが足や手などで押圧できるマット型の形状をしている。第2のコントローラ111の表面の所定領域には、プレイヤーからの押圧による指示入力を受け付けるボタン、あるいは、プレイヤーにより加わる圧力を検知するセンサが配置されている。
【0070】
図3は、床面に設置された第2のコントローラ111を真上から眺めた図である。第2のコントローラ111の所定領域には、“左”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン301、“下”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン302、“上”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン303、“右”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン304、がそれぞれ配置されている。プレイヤーは、ボタン301乃至304を任意のタイミングで押圧することができる。
【0071】
ボタン301乃至304がプレイヤーによって押圧されている状態を「押圧状態」と呼び、押圧されていない状態を「非押圧状態」と呼ぶ。CPU 101は、ボタン301乃至304のそれぞれについて、押圧状態か非押圧状態かを判別する。
【0072】
本実施形態の第2のコントローラ111は4つのボタン301乃至304を備えているが、ボタンの数は4個に限定されず、3個以下あるいは5個以上でもよい。
【0073】
次に、本実施形態の情報処理装置100が実行するゲームの概略について説明する。
【0074】
図4は、モニターに表示されるゲーム画面の構成例である。ゲーム画面には、画面内の所定位置に固定して描画される静止マーク401〜404、描画位置が時間の経過と共に移動する指示マーク410(本図中では410A,410B,410C,410Dの4種類)、再生される楽曲の小節の区切りを示す小節線420(本図中では420A,420B,420Cと記載)、プレイヤーの成績を表すゲージ430、その他の背景画像が含まれる。ただし、指示マーク410は、後述するように、画面内の所定の位置に固定されることもある。
【0075】
指示マーク410と小節線420は、再生される音楽に合わせてスクロール表示される。本実施形態では、指示マーク410には、上下左右のいずれかの矢印が描かれている。指示マーク410は、描かれた矢印が示す方向に関係する動きを静止マーク401〜404と重なるタイミングでプレイヤーがすべきである旨、すなわち上述のゲーム課題を表す。
【0076】
例えば、指示マーク410は、ボタン301〜304のうち、描かれた矢印に対応するボタンを、指示マーク410によって示されるタイミングでプレイヤーが押下すべきである旨を表す。典型的には、プレイヤーは、ボタン301〜304を足で踏む。この場合、指示マーク410は“踏み位置指示マーク”あるいは“足譜”とも呼ばれる。
【0077】
あるいは、例えば、指示マーク410は、指示マーク410によって示されるタイミングで、描かれた矢印に対応する方向へ、把持モジュール201を振るべきである旨を表す。この場合、指示マーク410は“振り位置指示マーク”あるいは“手譜”とも呼ばれる。
【0078】
静止マーク401〜404のそれぞれは、指示マークと重なったときにボタン301〜304をプレイヤーが押圧すべき旨を示す。本実施形態では、静止マーク401〜404には、上下左右のいずれかの矢印の画像が描かれている。以下の説明において、ゲーム課題が表す、プレイヤーがボタン301〜304のいずれかを押圧すべきタイミングを、「課題時刻」という。
【0079】
指示マーク410は、静止マーク401〜404が描画されている位置に向かって音楽の再生速度に合わせて移動していく。静止マーク401〜404と同じ位置に指示マーク410が移動してきたときに、ボタン301〜304のうち静止マーク401〜404に描かれる矢印の向きに対応するボタンをプレイヤーが押圧すると、プレイヤーの得点に所定の点数が加算されたりゲージ430が示す値(ダンスメーター)がアップしたりする。
【0080】
指示マーク410が静止マーク401〜404のいずれかと重なる位置に移動してきたときに、移動してきた指示マーク410が示す矢印に対応するボタン(ボタン301〜304のいずれか)をプレイヤーが足で押圧すると、再生されている音楽に合った模範的なダンスのステップを踏み、ダンスを踊っている感覚を楽しめるようになっている。
【0081】
ゲーム課題は、課題時刻と、その課題時刻に押圧すべきボタンを指定する情報と、の組み合わせで表される。1つのゲーム課題は[数1]のように表される。
【0082】
P(i) = (T(i),B(x)) ・・・[数1]
【0083】
ただし、本実施形態のゲームにはN個(Nは1以上の整数)のゲーム課題が存在することとし、P(i)は先頭からi番目(iは1以上N以下の整数)のゲーム課題を表す。T(i)はゲーム課題P(i)に対応する課題時刻を表す。B(x)はプレイヤーがすべき操作の種類(以下「課題内容」ともいう。)を表す。
【0084】
指示マーク410が“足譜”を示す場合、課題内容B(x)には、プレイヤーがボタン301を押圧すべきことを示す値B(FL)、プレイヤーがボタン302を押圧すべきことを示す値B(FD)、プレイヤーがボタン303を押圧すべきことを示す値B(FU)、プレイヤーがボタン304を押圧すべきことを示す値B(FR)、のいずれかが指定される。
【0085】
指示マーク410が“手譜”を示す場合、課題内容B(x)には、プレイヤーが把持モジュール201を自身の左方向へ振るべきことを示すB(HL)、プレイヤーが把持モジュール201を自身の下方向へ振るべきことを示すB(HD)、プレイヤーが把持モジュール201を自身の上方向へ振るべきことを示すB(HU)、プレイヤーが把持モジュール201を自身の右方向へ振るべきことを示すB(HR)、のいずれかが指定される。
【0086】
例えば、あるゲーム課題が、[数2]のように表されるとする。
P(i) = (T(i),B(FL)) ・・・[数2]
このとき、ゲームのi番目のゲーム課題は「プレイヤーが課題時刻T(i)に第2のコントローラ111の左ボタン301を押圧すること」である。プレイヤーは、通常、ゲーム内の時間がT(i)になったとき、左ボタン301を足で踏めばよい。
【0087】
例えば、あるゲーム課題が、[数3]のように表されるとする。
P(i) = (T(i),B(HR)) ・・・[数3]
このとき、ゲームのi番目のゲーム課題は「プレイヤーが課題時刻T(i)に把持モジュール201を右に振ること」である。プレイヤーは、ゲーム内の時間がT(i)になったとき、把持モジュール201を持った手を自身の右側に振ればよい。
【0088】
1つの課題時刻に、複数の課題内容を対応付けることも可能である。ただし、1つの課題時刻には、最大でも2つまでの課題内容を対応付けることが望ましい。例えば課題時刻T(i)に2つの課題内容B(x1),B(x2)を対応付ける場合、ゲーム課題は[数4]のように表される。
【0089】
P(i) = (T(i),B(x1),B(x2)) ・・・[数4]
【0090】
あるいは、[数5]と[数6]に示すように、2つの異なるゲーム課題として表してもよい。
【0091】
P(i) = (T(i),B(x1)) ・・・[数5]
P(i+1) = (T(i),B(x2)) ・・・[数6]
【0092】
例えば、あるゲーム課題が、[数7]のように表されるとする。
P(i) = (T(i),B(FL),B(FR)) ・・・[数7]
このとき、ゲームのi番目のゲーム課題は「プレイヤーが課題時刻T(i)に、第2のコントローラ111の左ボタン301を押圧し、且つ、第2のコントローラ111の右ボタン304を押圧すること」である。プレイヤーは、ゲーム内の時間がT(i)になったとき、左ボタン301と右ボタン304の両方を足で踏めばよい。
【0093】
CPU 101は、ボタン301〜304のうち課題内容によって示されるボタンが課題時刻にどの程度近いタイミングで押圧されたかに基づいて、それぞれのゲーム課題についてのプレイヤーの成績を判定する。例えば、CPU 101は、課題内容によって示されるボタンが課題時刻と同じタイミングで押圧されると“PERFECT”、課題内容によって示されるボタンが課題時刻の前後の所定余裕幅以内のタイミングで押圧されると“GOOD”、その他のタイミングで押圧されるかもしくは押圧されなかったときは“BAD”、などのように判定する。
【0094】
あるいは、CPU 101は、ボタン301〜304のうち課題内容によって示されるボタンが課題時刻に押圧されたか否かに基づいて、それぞれのゲーム課題について、プレイヤーの成績を判定してもよい。
【0095】
なお、ゲーム課題を示す初期データは、DVD−ROMあるいは外部メモリ106に予め記憶されているものとする。ただし、後述するように、ゲーム課題は、CPU 101によって後から追加されることがある。
【0096】
次に、上記構成を有する情報処理装置100により実現される、本実施形態のゲーム装置500の機能的な構成について説明する。
【0097】
図5は、本実施形態のゲーム装置500の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置500は、課題記憶部501、受付部502、判定部503、候補取得部504、課題決定部505、課題追加部506を備える。
【0098】
課題記憶部501は、プレイヤーが操作をすべき時刻を示す課題時刻と、プレイヤーがすべき操作の種類を示す課題内容とを対応付けるゲーム課題を、複数記憶する。CPU 101とRAM 103が協働して、課題記憶部501として機能する。
【0099】
CPU 101は、ゲームを開始するときに、複数のゲーム課題を予め定義するデータ(以下、「定義データ」という。)を外部メモリ106又はDVD−ROMから読み出して、RAM 103に記憶する。また、後述するように、CPU 101は、新たなゲーム課題を取得してRAM 103に記憶する。
【0100】
あるいは、CPU 101は、図6に示すように、ゲーム装置500の起動後初めてゲームを開始するときに、外部メモリ106等に予め記憶されている定義データ600の中から、所定の初期条件を満たすゲーム課題610を抽出して、RAM 103に記憶する。つまり、ゲーム開始時、RAM 103に記憶されるゲーム課題は、所定の初期条件を満たすゲーム課題によって初期化される。
【0101】
より詳細には、外部メモリ106には、楽曲ごとに、定義データ600が予め記憶されている。CPU 101は、プレイヤーからの指示もしくは所定のアルゴリズムに基づき、再生する楽曲(ダンスの課題曲)を選択した後、選択した楽曲に対応付けられている定義データ600に含まれる複数のゲーム課題の中から、所定の初期条件を満たすゲーム課題を選択する。
【0102】
所定の初期条件とは、例えば、「課題時刻が、再生される楽曲における各小節の第1拍目(第2拍目などにしてもよい)であること」、「課題時刻が、再生される楽曲の拍の時刻と一致すること」、「1回目のゲーム時からプレイヤーに提示すべきゲーム課題として予め決められていること」などである。CPU 101は、この所定の初期条件を任意に設定することができる。
【0103】
次に、受付部502は、プレイヤーからの操作の入力を受け付ける。プレイヤーは、第1のコントローラ105の把持モジュール201を振ることにより、あるいは第2のコントローラ111のボタン301〜304を押圧することにより、ゲーム装置500に所望の指示を入力できる。CPU 101と第1のコントローラ105と第2のコントローラ111が協働して、受付部502として機能する。
【0104】
なお、ゲーム装置500は、第1のコントローラ105と第2のコントローラ111の両方を備える代わりに、第1のコントローラ105と第2のコントローラ111のうちの片方のみを備えることとしてもよい。CPU 101は、第1のコントローラ105を用いたプレイヤーからの指示のみ、もしくは、第2のコントローラ111を用いたプレイヤーからの指示のみを受け付けるようにしてもよい。
【0105】
判定部503は、課題記憶部501に記憶されたゲーム課題のそれぞれについて、プレイヤーの成績を判定する。CPU 101が判定部503として機能する。
【0106】
より詳細には、CPU 101は、ゲーム課題のそれぞれについて、ゲーム課題に示される時刻(課題時刻)及び操作の種類(課題内容)と、プレイヤーから受け付けられた操作のうち、課題時刻の直近に受け付けられた操作の時刻及び操作の種類と、の合致度を判定する。この合致度がプレイヤーの成績となる。
【0107】
図7に、ゲーム課題とプレイヤーによる操作の例を模式的に表す。
ゲーム課題710は、「プレイヤーが課題時刻T(i)に左を示すボタン301を押圧すべきである」ことを指す。もしくは、ゲーム課題710は、「プレイヤーが課題時刻T(i)に把持モジュール201をモニターに向かって左側へ振るべきである」ことを指す。
ゲーム課題720は、「プレイヤーが課題時刻T(i+1)に下を示すボタン302を押圧すべきである」ことを指す。もしくは、ゲーム課題720は、「プレイヤーが課題時刻T(i+1)に把持モジュール201を下側へ(地面の向きへ)振るべきである」ことを指す。
ゲーム課題730は、「プレイヤーが課題時刻T(i+2)に上を示すボタン303を押圧すべきである」ことを指す。もしくは、ゲーム課題730は、「プレイヤーが課題時刻T(i+2)に把持モジュール201を上側へ(地面と反対の向きへ)振るべきである」ことを指す。
ゲーム課題740は、「プレイヤーが課題時刻T(i+3)に右を示すボタン304を押圧すべきである」ことを指す。もしくは、ゲーム課題740は、「プレイヤーが課題時刻T(i+3)に把持モジュール201をモニターに向かって右側へ振るべきである」ことを指す。
【0108】
各ゲーム課題には、CPU 101が成績を判定するための時間の区間が予め設定される。そして、プレイヤーによる操作がなされた時刻がこの区間に含まれるか否かに基づいて成績が判定される。
【0109】
具体的には、CPU 101は、ゲーム課題710について、課題時刻T(i)の前後の第1の所定時間以内を示す区間711と、課題時刻T(i)の前後の第2の所定時間以内を示す区間712とを設定する。
【0110】
CPU 101は、課題時刻T(i)と同一の時刻に、課題内容と同一の操作がプレイヤーによって行われたと判別すると、ゲーム課題710についてのプレイヤーの成績を“最も優れている(PERFECT)”と判定する。
また、CPU 101は、区間711以内であって課題時刻T(i)と異なる時刻に、課題内容と同一の操作がプレイヤーによって行われたと判別すると、ゲーム課題710についてのプレイヤーの成績を“優れている(GREAT)”と判定する。
また、CPU 101は、区間712以内であって区間711に含まれない時刻に、課題内容と同一の操作がプレイヤーによって行われたと判別すると、ゲーム課題710についてのプレイヤーの成績を“良い(GOOD)”と判定する。
また、CPU 101は、区間712以内に、課題内容と同一の操作がプレイヤーによって行われなかったと判別すると、ゲーム課題710についてのプレイヤーの成績を“良くない(BAD)”と判定する。
【0111】
第2の所定時間以内を示す区間712(又は第1の所定時間以内を示す区間711)に複数の操作が受け付けられた場合には、CPU 101は、受け付けられた操作のうち最も早い時刻に受け付けられた操作を、ゲーム課題710に対する指示入力として扱う。
【0112】
同様に、CPU 101は、ゲーム課題720,730,740についても、それぞれ、第1の所定時間以内を示す区間721,731,741と、第2の所定時間以内を示す区間722,732,742とを設定し、成績を判定する。
【0113】
あるゲーム課題についてのプレイヤーの成績を判定する際、まず、CPU 101は、そのゲーム課題の第2の所定時間以内を示す区間に、プレイヤーによって何らかの操作が行われたか否かを判別する。何も操作がなされなかったと判別した場合、CPU 101は、そのゲーム課題についての成績を“BAD”と判定する。
【0114】
何らかの操作がなされたと判別した場合、CPU 101は、そのゲーム課題の課題時刻の直近に受け付けられた操作の時刻と種類を取得する。
【0115】
例えば図7において、プレイヤーによる操作751〜754のうち、ゲーム課題710の課題時刻T(i)に最も近い時刻のものは、操作751である。そこで、CPU 101は、ゲーム課題710に対してプレイヤーによって操作751がなされたと判別する。
【0116】
操作751は、「プレイヤーが、時刻T1に、左を示すボタン301を押圧した」ことを示す。CPU 101は、操作751がなされた時刻T1が区間711に含まれず区間712に含まれること、及び、操作751の内容(左のボタン301を押圧すること)が課題内容(左のボタン301を押圧したこと)と合致することから、ゲーム課題710のプレイヤーの成績を“GOOD”と判定する。
【0117】
また、プレイヤーによる操作751〜754のうち、ゲーム課題720の課題時刻T(i+1)に最も近いものは、操作752である。そこで、CPU 101は、ゲーム課題720に対してプレイヤーによって操作752がなされたと判別する。
【0118】
操作752は、「プレイヤーが、時刻T2に、下を示すボタン302を押圧した」ことを示す。CPU 101は、操作752がなされた時刻T2が課題時刻T(i+1)と一致すること、及び、操作752の内容(下のボタン302を押圧すること)が課題内容(下のボタン302を押圧したこと)と合致することから、ゲーム課題720のプレイヤーの成績を“PERFECT”と判定する。
【0119】
また、プレイヤーによる操作751〜754のうち、ゲーム課題730の課題時刻T(i+2)に最も近いものは、操作753である。そこで、CPU 101は、ゲーム課題730に対してプレイヤーによって操作753がなされたと判別する。
【0120】
操作753は、「プレイヤーが、時刻T3に、上を示すボタン303を押圧した」ことを示す。CPU 101は、操作753がなされた時刻T3が区間732に含まれないことから、ゲーム課題730のプレイヤーの成績を“BAD”と判定する。
【0121】
また、プレイヤーによる操作751〜754のうち、ゲーム課題740の課題時刻T(i+3)に最も近いものは、操作754である。そこで、CPU 101は、ゲーム課題740に対してプレイヤーによって操作754がなされたと判別する。
【0122】
操作754は、「プレイヤーが、時刻T4に、上を示すボタン303を押圧した」ことを示す。CPU 101は、操作754がなされた時刻T4が区間741に含まれず区間742に含まれるものの、操作754の内容(右のボタン304を押圧すること)が課題内容(上のボタン303を押圧したこと)と合致しないことから、ゲーム課題740のプレイヤーの成績を“BAD”と判定する。
【0123】
なお、課題内容と、プレイヤーによってなされる操作の内容は、「ボタン301〜304のいずれか1つを押圧すること」の代わりに、「把持モジュール201を上下左右のいずれかの方向へ振ること」であってもよい。
【0124】
本実施形態では、CPU 101は、ゲーム課題とプレイヤーによる操作との合致度を、“PERFECT”、“GREAT”、“GOOD”、“BAD”の4段階で区別しているが、合致度の定め方はこれに限られない。例えば、合致度は3段階以下、もしくは、5段階以上であってもよい。また、CPU 101は、合致度の区別に用いられる区間711,712等の長さを任意に変更してもよい。
【0125】
次に、候補取得部504は、課題記憶部501に記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補(以下、「ゲーム課題候補」あるいは単に「候補」という。)を複数取得する。CPU 101が、候補取得部504として機能する。
【0126】
CPU 101がゲーム課題候補を取得するタイミングは、例えば、ゲーム装置500によって実行されるゲームがプレイヤーによって行われた回数が、所定回数以上になった後、である。すなわち、同じゲームが所定回数以上プレイヤーによって行われると、ゲーム課題候補が取得される。そして、後述するように、取得された候補の中から1つ以上の候補が新たなゲーム課題として追加される。本実施形態では、あるダンスの課題曲が所定回数以上選択されると、その課題曲に対応付けられているゲーム課題に、新たなゲーム課題が1つ以上追加される。従って、ゲーム回数を重ねるごとに、プレイヤーがすべき操作が多くなっていく。
【0127】
あるいは、CPU 101がゲーム課題候補を取得するタイミングは、ゲームの進行途中であってもよい。例えば、あるダンスの課題曲が前半と後半に分かれており、プレイヤーが前半部分で所定値以上の良い成績を収めると、後半部分を開始する前にゲーム課題候補が取得される。そして、後述するように、取得された候補の中から1つ以上の候補が新たなゲーム課題として追加される。ただし、ゲームは前半と後半の2つに分けられてもよいし、X個(Xは2以上の整数)の楽曲部分に分けられ、CPU 101は、各楽曲部分について、次の楽曲部分が始まる前に、次の楽曲部分に追加される可能性のあるゲーム課題候補を取得してもよい。
【0128】
また、CPU 101は、プレイヤーの成績が所定値以上になったときにゲーム課題候補を取得し、取得した候補の中から1つ以上の候補を新たなゲーム課題として追加してもよい。CPU 101は、各ゲーム課題について、例えば“PERFECT”なら5点、“GREAT”なら3点といったように、判定された成績(又は合致度)に応じた点数を加算していき、プレイヤーが獲得した点数の合計が所定値以上になったときに、ゲーム課題候補を取得してもよい。
【0129】
ここで、CPU 101がゲーム課題候補を取得する処理について詳しく説明する。なお、ここで取得されるものはあくまでも候補であり、取得された候補のすべてが新たなゲーム課題として追加されるとは限らない。
【0130】
例えば図8に示すように、外部メモリ106等には定義データ600が予め記憶されている。上述のように、ゲーム装置500が起動されると、CPU 101は、定義データ600の中から、所定の初期条件を満たすゲーム課題810(図8では、ゲーム課題810A,810B,810Cの3つ)を取得してRAM 103に記憶する。
【0131】
ゲームがプレイされた回数が所定回数以上になると、CPU 101は、定義データ600の中からゲーム課題候補を取得する。例えば図8において、CPU 101は、定義データ600に含まれるすべてのゲーム課題のうちゲーム課題810A,810B,810Cを除いたものの中からいずれか1つ以上(本図ではゲーム課題820A〜820Eの5つ)をゲーム課題候補とする。
【0132】
どのゲーム課題をゲーム課題候補とするかには様々な手法がある。
例えば、CPU 101は、既にプレイヤーに提示されるべきものとして設定済みのゲーム課題810A,810B,810Cと時系列で課題時刻が隣り合うゲーム課題820A〜820Eをゲーム課題候補としてもよい。この場合、プレイヤーになるべく連続的な動きをさせるようなゲーム課題候補が取得される。
【0133】
あるいは、CPU 101は、定義データ600のうちゲーム課題810A,810B,810Cを除いたものの中から、複数のゲーム課題候補をランダムに取得してもよい。この場合、ゲームをプレイするたびに新たなゲーム課題の追加の仕方が異なるので、ゲームの意外性をプレイヤーに与えることができる。
【0134】
また、CPU 101は、図9(a)に示すように、既にプレイヤーに提示されるべきものとして設定済みのゲーム課題910(本図では910A,910B,910Cの3つ)のうち隣り合う2つのゲーム課題の課題時刻同士の、ちょうど中間になるべく近いゲーム課題920(本図では920A,920B)を、ゲーム課題候補としてもよい。
【0135】
つまり、図9(b)に示すように、CPU 101は、定義データ600の中から、時刻T(1)から時刻T(i)までの間に課題時刻が含まれるゲーム課題であって、時間間隔T1,pとTp,iとの差が最小となるゲーム課題920Aを、ゲーム課題候補としてもよい。同様に、CPU 101は、定義データ600の中から、時刻T(i)から時刻T(j)までの間に課題時刻が含まれるゲーム課題であって、時間間隔Ti,qとTq,jとの差が最小となるゲーム課題920Bを、ゲーム課題候補としてもよい。つまり、課題時刻の偏りがなるべく少なくなるようなゲーム課題候補が取得されることになる。
【0136】
次に、課題決定部505は、課題記憶部501に記憶された複数のゲーム課題に対する上述の合致度の分布に基づいて、候補取得部504によって取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を、新たに追加するゲーム課題に決定する。CPU 101とRAM 103が協働して、課題決定部505として機能する。
【0137】
より詳細には、CPU 101は、合致度の時間分布を取得し、図10(a)に示すように、再生される楽曲の小節や拍を用いて、ゲームの最初から最後までの時間を複数の領域に分割する。そして、CPU 101は、成績を判定したゲーム課題の課題時刻が含まれる領域に、判定された合致度に応じた点数を割り当てる。例えば、CPU 101は、第n小節目の第1拍に対応する時刻を課題時刻とするゲーム課題の成績が“PERFECT”又は“GREAT”である場合には、対応する時間の領域に点数「1」を割り当て、成績が“GOOD”又は“BAD”の場合には、点数を割り当てない。
【0138】
各時間の領域に割り当てられる点数は任意である。例えば、成績が“PERFECT”であれば点数「3」、成績が“GREAT”であれば点数「1」、などのように、CPU 101は、合致度に応じて異なる点数を割り当ててもよい。
【0139】
また、本実施形態では時間の領域を楽曲の小節や拍を用いて定義したが、楽曲の先頭からの経過時間などを用いて、時間の領域を定義してもよい。
【0140】
複数のゲーム課題について成績が判定され、判定結果に応じた点数が累積されていくと、図10(b)に示すような合致度の分布を表すヒストグラムが得られる。CPU 101は、この合致度の分布を解析することにより、プレイヤーの成績が良い傾向にあるゲーム内時間、もしくはプレイヤーの成績が悪い傾向にあるゲーム内時間を判別することができる。
【0141】
図10(b)に示す合致度の分布はヒストグラムで表されているが、CPU 101は、例えばスプライン補間を行うことにより、合致度の分布を連続的な近似曲線で表すことができる。
【0142】
CPU 101は、合致度の分布を表すデータを不揮発性メモリである外部メモリ106や、あるいはゲーム装置500が有するフラッシュメモリ、ゲーム装置500に接続されたハードディスク等の記憶装置に格納し、ゲームがプレイされる毎に、合致度の分布を累積していくものとする。例えば、ある楽曲を用いたダンスゲームが10回プレイされると、10回分のプレイに相当する合致度の分布が得られる。CPU 101は、途中でゲーム装置500の電源が落とされても、プレイのたびに合致度の分布を更新していくことができる。
【0143】
図11(a)に、ゲーム課題候補の例を示す。図11(a)が示すゲーム課題候補1101〜1106は、課題時刻がそれぞれTA,TB,TC,TD,TE,TFである。課題内容B(XA),B(XB),B(XC),B(XD),B(XE),B(XF)は予め決められていてもよいし、CPU 101が所定のアルゴリズムにより都度決定してもよい。
【0144】
図11(b)に、合致度の分布の構成例を示す。分布曲線1150は、楽曲の先端から終端までのゲーム内時間と、各ゲーム内時間での合致度と、の関係を表す。分布曲線1150は、図10(b)のようなヒストグラムからスプライン補間を用いて計算された近似曲線である。
【0145】
例えば、CPU 101は、分布曲線1150の極大値1151,1152,1153を求める。そして、CPU 101は、ゲーム課題候補1101〜1106の中から、極大値1151,1152,1153に最も近いものを新たなゲーム課題として選択する。図11(a),(b)の場合、CPU 101は、極大値1151に最も近いゲーム課題候補1103と、極大値1152に最も近いゲーム課題候補1105と、極大値1153に最も近いゲーム課題候補1106とのうち、いずれか1つ以上を、新たなゲーム課題として選択する。新たに追加されるゲーム課題の課題内容は、もし追加されたとしてもダンスの振り付けとして違和感のないものであることが望ましい。
【0146】
CPU 101は、分布曲線1150の極大値に最も近いゲーム課題候補を選択する代わりに、分布曲線1150において合致度が所定値以上の領域に含まれるゲーム課題候補を選択してもよい。合致度が所定値以上のゲーム課題候補が複数存在する場合には、CPU 101は、合致度が所定値以上のゲーム課題候補の中からいずれか1つ以上を選択する。
【0147】
次に、ゲーム装置500の上記各部が実行するゲーム処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0148】
本実施形態では、プレイヤーは、複数の楽曲の中から所望の楽曲を選び、選んだ楽曲を用いたダンスゲームをプレイすることができる。また、プレイヤーは、何度もゲームを繰り返すことができ、プレイごとに同じ楽曲を選ぶことが可能である。プレイヤーは、ゲームのプレイ中、把持モジュール201を振ったりマットを踏んだりすることにより、任意のタイミングで指示を入力することができる。CPU 101は、プレイヤーからの指示を常に受け付けている。
【0149】
まず、プレイヤーは、把持モジュール201等を用いて、提示された楽曲のリストの中からダンスの課題曲となる楽曲を選ぶ。CPU 101は、選ばれた楽曲の音声データを外部メモリ106等から読み出す。また、CPU 101は、選ばれた楽曲に対応付けられた、プレイヤーに提示すべきゲーム課題を、外部メモリ106等から読み出して取得する(ステップS1201)。
【0150】
CPU 101は、読み出した楽曲の音声データの再生を開始し、ゲームを開始する(ステップS1202)。
【0151】
CPU 101は、ループカウンター用の変数iを初期化し(ステップS1203)、取得したゲーム課題を表す指示マークをスクロール表示する(ステップS1204)。ゲーム課題を表す指示マークのスクロール表示は、楽曲の再生中、常に行われる。
【0152】
CPU 101は、プレイヤーに提示したi番目のゲーム課題と、プレイヤーから受け付けた操作と、の合致度(つまり成績)を判定する(ステップS1205)。CPU 101は、判定結果をRAM 103等に記憶する。
【0153】
CPU 101は、ステップS1201で取得したゲーム課題のすべてについて、合致度を判定したか否かを判別する(ステップS1206)。CPU 101は、変数iの値がゲーム課題の総数と一致する場合に、すべての合致度を判定したと判別する。
【0154】
すべてのゲーム課題について合致度を判定していないと判別した場合(ステップS1206;NO)、CPU 101は、変数iをインクリメントし(ステップS1207)、ステップS1204〜S1206の処理を繰り返す。
【0155】
すべてのゲーム課題について合致度を判定したと判別した場合(ステップS1206;YES)、CPU 101は、楽曲の音声データの再生を終了し、ゲームを終了する(ステップS1208)。
【0156】
次に、CPU 101は、ステップS1205で判定した合致度の分布を求める(ステップS1209)。例えば、CPU 101は、図11(b)に示すような分布曲線1150を求める。
【0157】
CPU 101は、求めた合致度の分布から、合致度が所定値以上の部分があるか否かを判別する(ステップS1210)。
【0158】
合致度が所定値以上の部分がないと判別した場合(ステップS1210;NO)、CPU 101は、後述するステップS1213の処理に移る。一方、合致度が所定値以上の部分があると判別した場合(ステップS1210;YES)、CPU 101は、定義データ600に含まれるゲーム課題の中から、ゲーム課題候補を複数取得する(ステップS1211)。つまり、プレイヤーが所定の基準値よりも優れた成績を収めていれば、新たに追加される可能性のあるゲーム課題の候補が取得される。
【0159】
そして、CPU 101は、合致度の分布に基づいて、取得した候補の中のいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する(ステップS1212)。CPU 101は、決定した新たなゲーム課題を、ステップS1201で取得したゲーム課題に追加する(ステップS1213)。
【0160】
CPU 101は、プレイヤーからの指示に基づいて、再び同じ楽曲を用いたゲームを開始するか否かを判別する(ステップS1214)。
【0161】
再びゲームを開始すると判別した場合(ステップS1214;YES)、CPU 101は、再びステップS1202〜S1212の処理を行う。再びゲームが行われる場合、プレイヤーが所定の基準値より優れた成績を収めていれば、ステップS1212で新たなゲーム課題が追加されたゲームが開始される。再びゲームを開始しないと判別した場合(ステップS1214;NO)、CPU 101は、ゲーム処理を終了する。
【0162】
本実施形態によれば、ゲーム装置500は、プレイヤーの習熟度に合わせたゲーム課題を提示することができる。例えば、プレイヤーが同じ課題曲を用いたダンスゲームを繰り返しプレイする場合において、プレイヤーの腕前が上達すると、プレイヤーがゲームをクリアするためにすべきことが増え、プレイヤーを飽きさせない。ゲーム装置500は、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0163】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上記実施形態では、予め用意されたゲーム課題候補の中から新たなゲーム課題が決定されているが、本実施形態では、ゲーム課題候補はゲーム装置500によって都度生成され、生成されたゲーム課題候補の中から新たなゲーム課題が決定される。
【0164】
本実施形態の候補取得部504は、課題記憶部501に記憶された既にプレイヤーに提示されているゲーム課題と、ゲーム課題候補と、が満たすべき所定の規則に基づいて、ゲーム課題候補を生成することにより、ゲーム課題候補を取得する。CPU 101とRAM 103が協働して、候補取得部504として機能する。
【0165】
所定の規則とは、例えば、ゲーム中にプレイヤーがすべき動きに無理を生じさせないようにするための制限である。つまり、無秩序にゲーム課題が追加されると、通常の人間には達成が不可能なゲームになってしまう恐れや、もはやダンスではなくなりゲームの世界観が崩れてしまう恐れがあるため、ダンスには相応しくないゲーム課題がなるべく追加されないようにするのである。
【0166】
具体的には、所定の規則には、大きく分けて、課題時刻に対する制限と、課題内容に対する制限と、の2つがある。
【0167】
まず、課題時刻に対する制限について、図13と図14を用いて説明する。CPU 101は、上述の合致度の分布に基づいて、ゲーム課題を追加してもよい時刻の候補を決定する。例えば、CPU 101は、再生される楽曲の拍子やリズムに合うように、ゲーム課題を追加してもよい時刻の候補を決定する。
【0168】
図13に、ゲーム内時間と、再生される楽曲の拍と、判定された合致度と、の関係を示す。ここでは、再生される楽曲が4拍子であるとしている。
図14に、CPU 101がゲーム課題候補の課題時刻を決める処理のフローチャートを示す。このフローチャートは、上述のステップS1211で行われる処理を詳しく説明したものである。
【0169】
まず、CPU 101は、再生される楽曲の拍子に対応するゲーム内時間をすべて取得する(ステップS1401)。
【0170】
CPU 101は、取得したゲーム内時間から、既にゲーム課題が設定されているゲーム内時間を除外する(ステップS1402)。例えば、図13に示すように、各小節の第1拍目(小節の先頭)にゲーム課題1301,1302,1303が既に設定されている場合、CPU 101は、再生される楽曲の拍に対応する時刻T1〜T9の中から、既にゲーム課題1301,1302,1303が設定されている時刻T1,T5,T9を除外する。
【0171】
そして、CPU 101は、残りのゲーム内時間のうちいずれか複数のゲーム内時間を、ゲーム課題候補の課題時刻に決定する(ステップS1403)。例えば図13において、CPU 101は、残りの時刻T2〜T4,T6〜T8の6つをゲーム課題候補の課題時刻に決定する。
【0172】
CPU 101は、再生される楽曲が4拍子の場合には、第1拍目と第3拍目のみをゲーム課題候補の課題時刻としてもよい。この場合、CPU 101は、再生される楽曲の拍に対応する時刻T1〜T9の中から、既にゲーム課題1301,1302,1303が設定されている時刻T1,T5,T9を除外し、更に第2拍目と第4拍目に対応する時刻T2,T4,T6,T8を除外し、残りの時刻T3,T7の2つをゲーム課題候補の課題時刻に決定する。
【0173】
勿論、楽曲は4拍子でなくてもよく、2拍子、3拍子、あるいは5拍子以上の多拍子や、複合拍子でもよい。また、すべての拍を候補としてもよいし、4拍子の第1拍目と第3拍目のみといったように、一部の拍をゲーム課題候補の課題時刻としてもよい。
【0174】
なお、CPU 101は、合致度の分布に基づいて、ゲーム課題候補の課題時刻に決定された時刻T3,T7の中から、いずれか1つ以上の時刻を、新たなゲーム課題の課題時刻として選択する。つまり、選択された課題時刻が対応付けられるゲーム課題が追加される。
【0175】
次に、課題内容に対する制限について説明する。
図15(a),(b)に、ゲーム課題候補1501,1502の例を示す。
図16に、CPU 101がゲーム課題候補の課題内容を決める処理のフローチャートを示す。このフローチャートは、上述の図14に示す処理をさらに詳しく説明したものである。
【0176】
まず、CPU 101は、ゲーム課題候補の課題時刻を取得する(ステップS1601)。
【0177】
CPU 101は、ゲーム課題候補のそれぞれについて、時系列的にゲーム課題候補と隣り合うゲーム課題の課題内容を取得する(ステップS1602)。
【0178】
そして、CPU 101は、取得した課題内容に基づいて、ゲーム課題候補の課題内容を決定する(ステップS1603)。例えば図15(a),(b)において、CPU 101は、ゲーム課題候補1501,1502の課題内容を、上記のように決定された時刻T4又はT3と時刻が隣り合うゲーム課題1301,1302の課題内容に基づいて決定する。
【0179】
すなわち、もし、隣り合うゲーム課題1301とゲーム課題1302の課題内容が同じであれば、ゲーム課題候補1501,1502の課題内容も同じにする。あるいは、隣り合うゲーム課題1301とゲーム課題1302の課題内容が異なれば、ゲーム課題候補1501,1502の課題内容を、ゲーム課題1301の課題内容とゲーム課題1302の課題内容のどちらか一方と同じにする。
【0180】
また、CPU 101は、ゲーム課題候補の課題時刻付近に既に設定された一連の複数のゲーム課題に基づいて、ゲーム課題候補の課題内容を決定することもできる。
【0181】
例えば、図17(a),(b)に示すように隣り合う2つのゲーム課題1701,1702が既に設定されており、ゲーム課題1702の課題時刻T2の後にゲーム課題候補1751の課題時刻がある場合、CPU 101は、ゲーム課題1701,1702によって示されるプレイヤーがすべき動作を解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1701,1702によって示される動きが“右回り”の回転であると判断し、図17(b)に示すように、「左」を表すゲーム課題候補1751を生成する。
【0182】
また、図17(c)に示すように隣り合う2つのゲーム課題1703,1704が既に設定されており、ゲーム課題1703の課題時刻T3の前にゲーム課題候補1752の課題時刻がある場合、CPU 101は、ゲーム課題1703,1704によって示されるプレイヤーがすべき動作を解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1703,1704によって示される動きが“右回り”の回転であると判断し、図17(d)に示すように、「上」を表すゲーム課題候補1752を生成する。
【0183】
例えば、図18(a)に示すように隣り合う3つのゲーム課題1801,1802,1803が既に設定されており、ゲーム課題1803の課題時刻T3の後にゲーム課題候補1851の課題時刻がある場合、CPU 101は、ゲーム課題1801,1802,1803によって示されるプレイヤーがすべき動作を解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1801,1802,1803によって示される動きが“右回り”であると判断し、図18(b)に示すように、「上」を表すゲーム課題候補1851を生成する。
【0184】
また、図18(c)に示すように隣り合う3つのゲーム課題1804,1805,1806が既に設定されており、ゲーム課題1804の課題時刻T4の前にゲーム課題候補1852がある場合、CPU 101は、ゲーム課題1804,1805,1806によって示されるプレイヤーがすべき動作を解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1804,1805,1806によって示される動きが“右回り”であると判断し、図18(d)に示すように、「上」を表すゲーム課題候補1852を生成する。
【0185】
なお、CPU 101は、隣り合う4つ以上のゲーム課題によって示される動作を解析し、解析結果に基づいて、プレイヤーにとって過度の負担とならないような課題内容に設定することもできる。
【0186】
更に、CPU 101は、ゲーム課題候補の課題時刻の前後両方に隣り合うゲーム課題に基づいて、ゲーム課題候補の課題内容を決定することもできる。
【0187】
例えば、図19(a),(b)に示すように、時刻T2とT3の間にゲーム課題候補1951の課題時刻があり、且つ、時系列的に前にゲーム課題1901,1902が既に設定され、なお且つ、時系列的に後にゲーム課題1903が既に設定されている場合、CPU 101は、3つのゲーム課題1901,1902,1903によって示されるプレイヤーがすべき一連の動作を解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1901,1902,1903によって示される動きが“右回り”の一部分であると判断し、図19(b)に示すように、「左」を表すゲーム課題候補1951を生成する。
【0188】
また、図19(c),(d)に示すように、時刻T2とT3の間にゲーム課題候補1952の課題時刻があり、且つ、時系列的に前にゲーム課題1904,1905が既に設定され、なお且つ、時系列的に後にゲーム課題1906,1907が既に設定されている場合、CPU 101は、4つのゲーム課題1904,1905,1906,1907によって示される、プレイヤーがすべき一連の動作を、解析する。本図のケースでは、CPU 101は、ゲーム課題1904,1905,1906,1907によって示される動きが“右回り”の一部分であると判断し、図19(d)に示すように、「下」を表すゲーム課題候補1952を生成する。
【0189】
本実施形態によれば、いずれのゲーム課題候補が新たなゲーム課題となったとしても、プレイヤーがすべき一連の動作が自然なものとなる。そして、ゲーム装置500は、プレイヤーの上達に合わせてゲーム内容を変えていくことにより、プレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0190】
(実施形態3)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。ここでは、取得したゲーム課題候補の中から新たなゲーム課題を決定する手法の具体例を挙げる。上記実施形態では、課題決定部505は、合致度の分布に基づいて新たなゲーム課題を決定しているが、本実施形態では、課題決定部505は、プレイヤーがすべき操作が増え、且つ、プレイヤーにとってスムーズな動きとなるように、新たなゲーム課題を決定する。
【0191】
具体的には、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図20(a)に示すゲーム課題2001,2002,2003である場合、もし時刻TQに“右”を示すゲーム課題を追加したならば、図3に示すボタン301〜304の配置を考慮すると、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になり、プレイヤーにとってよりスムーズな動きになる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図20(e)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2001,2002,2003が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TQの“右”を示すゲーム課題候補2052を新たなゲーム課題とする。
【0192】
この“右回り”を表す配列パターンは、図20(a)に示すものに限られない。
すなわち、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図20(b)に示すゲーム課題2004,2005,2006である場合、もし時刻TRに“下”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図20(e)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2004,2005,2006が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TRの“下”を示すゲーム課題候補2053を新たなゲーム課題とする。
【0193】
同様に、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図20(c)に示すゲーム課題2007,2008,2009である場合、もし時刻TSに“左”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図20(e)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2007,2008,2009が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TSの“左”を示すゲーム課題候補2054を新たなゲーム課題とする。
【0194】
同様に、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図20(d)に示すゲーム課題2010,2011,2012である場合、もし時刻TPに“上”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図20(e)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2010,2011,2012が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TPの“上”を示すゲーム課題候補2051を新たなゲーム課題とする。
【0195】
なお、CPU 101は、図20(e)に示す配列パターンの循環的な特徴を生かし、図20(c)において、時刻TSの“左”を示すゲーム課題候補2054を新たなゲーム課題とする代わりに、時刻TPよりも前の時刻TUの“左”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。また、図20(d)において、時刻TPの“上”を示すゲーム課題候補2051を新たなゲーム課題とする代わりに、時刻TSよりも後の時刻TVの“上”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。
【0196】
本実施形態では、時刻TU,TP,TQ,TR,TS,TVをそれぞれ等間隔に設定したが、等間隔でなくてもよい。
【0197】
更には、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図21(a)に示すゲーム課題2101,2102である場合、もし時刻TZに“下”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図21(b)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2101,2102が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TZの“下”を示すゲーム課題候補2103を新たなゲーム課題とする。なお、CPU 101は、時刻TZの“下”を示すゲーム課題候補2103を新たなゲーム課題とする代わりに、時刻TXよりも前の時刻TWの“左”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。
【0198】
同様に、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図21(c)に示すゲーム課題2104,2105である場合、もし時刻TZに“左”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図21(d)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2104,2105が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TZの“左”を示すゲーム課題候補2106を新たなゲーム課題とする。なお、CPU 101は、時刻TZの“左”を示すゲーム課題候補2106を新たなゲーム課題とする代わりに、時刻TXよりも前の時刻TWの“上”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。
【0199】
同様に、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図21(e)に示すゲーム課題2107,2108である場合、もし時刻TZに“上”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図21(f)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2107,2108が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TZの“上”を示すゲーム課題候補2109を新たなゲーム課題とする。なお、CPU 101は、時刻TZの“上”を示すゲーム課題候補2109を新たなゲーム課題とする代わりに、時刻TXよりも前の時刻TWの“右”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。
【0200】
同様に、既にプレイヤーに提示するものとして設定されているゲーム課題が、図21(g)に示すゲーム課題2110,2111である場合、もし時刻TZに“右”を示すゲーム課題を追加したならば、課題内容は“プレイヤーがマット上を右回りに移動すること”になる。従って、CPU 101は、取得したゲーム課題候補の中から、図21(h)に示すような“右回り”を表す配列パターンになるゲーム課題候補を選択し、選択したゲーム課題候補を新たなゲーム課題とする。CPU 101は、ゲーム課題2110,2111が“右回り”を表す配列パターンの一部であると判断し、時刻TZの“右”を示すゲーム課題候補2112を新たなゲーム課題とする。なお、CPU 101は、時刻TZの“右”を示すゲーム課題2112を追加する代わりに、時刻TXよりも前の時刻TWの“下”を示すゲーム課題候補を新たなゲーム課題としてもよい。
【0201】
いずれの場合においても、プレイヤーがすべき動きに無理がなくスムーズなゲーム課題が追加されるので、プレイヤーにダンスの違和感を与えない。
【0202】
本実施形態では、時刻TW,TX,TY,TZをそれぞれ等間隔に設定したが、等間隔でなくてもよい。
【0203】
以上の説明では“右回り”を表す配列パターンについて説明したが、CPU 101は、同様にして、“左回り”を表す配列パターンを考慮してもよい。
【0204】
また、右回りや左回りのような回転動作ではなく、プレイヤーが容易に連想できそうな特定の動作でもよい。例えば、CPU 101は、左が2回続いた後には左右両方の足でハの字に開いたり、右が2回続いた後には左右両方の足をハの字に開いたりする動作(いわゆる“ケンケンパ”)となるように、ゲーム課題候補の課題内容を決定してもよい。
【0205】
本実施形態によれば、追加されるゲーム課題は、プレイヤーが違和感なくスムーズに動けるように考慮されたゲーム課題であるので、ゲーム課題の追加によってゲームの世界観を大きく損なわれることがない。
【0206】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上記各実施形態では、合致度の分布は、課題決定部505が複数のゲーム課題候補の中からいずれか1つ以上のゲーム課題候補を新たなゲーム課題として決定する際に用いられているが、本実施形態では、合致度の分布は、候補取得部504が複数のゲーム課題候補を取得する際に用いられる。
【0207】
すなわち、本実施形態では、候補取得部504は、課題記憶部501に記憶された複数のゲーム課題のそれぞれに対する合致度の分布に基づいて、課題記憶部501に記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示すゲーム課題候補を複数取得する。そして、課題決定部505は、候補取得部504によって取得された複数のゲーム課題候補の中からいずれか1つ以上のゲーム課題候補を新たなゲーム課題に決定する。
【0208】
図22に、本実施形態のゲーム処理のフローチャートを示す。なお、本フローチャートは、上記図12のステップS1210〜S1213を入れ替えたものであり、ステップS1201〜S1209およびS1214については、説明を省略する。
【0209】
合致度の分布を取得した後、CPU 101は、取得した合致度の分布の中から、合致度が所定値以上の部分を判別する(ステップS2201)。
【0210】
CPU 101は、合致度の分布の全体のうち合致度が所定値以上と判別した部分に含まれるゲーム課題候補を1つ以上取得する(ステップS2202)。
【0211】
さらに、CPU 101は、ステップS2202で取得したゲーム課題候補の中のいずれか1つ以上のゲーム課題候補を、新たなゲーム課題に決定する(ステップS2203)。例えば、CPU 101は、複数のゲーム課題候補の中からランダムにいずれか1つ以上のゲーム課題候補を新たなゲーム課題に決定してもよい。
【0212】
そして、CPU 101は、新たなゲーム課題に決定されたゲーム課題候補を、課題記憶部501に追加して記憶する(ステップS2204)。追加されたゲーム課題は、以降のゲームのプレイ時にプレイヤーに提示される。
【0213】
本実施形態によれば、ゲーム装置500は、プレイヤーの習熟度に合わせたゲーム課題を提示することができ、また、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐことができる。
【0214】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0215】
上記のゲーム装置500の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0216】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0217】
以上説明したように、本発明によれば、ゲームを繰り返し行うことによるプレイヤーのゲームへの関心度の低下を防ぐために好適なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0218】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 第1のコントローラ(コントローラ)
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
111 第2のコントローラ(マット)
201 把持モジュール
202 CCDカメラ
203 十字形キー
204 Aボタン
205 Bボタン
206 各種ボタン
207 インジケータ
208 電源ボタン
209 スピーカー
301〜304 ボタン
401〜404 静止マーク
410A〜410D 踏み位置指示マーク
430 ゲージ
500 ゲーム装置
501 課題記憶部
502 受付部
503 判定部
504 候補取得部
505 課題決定部
506 課題追加部
600 定義データ
710,720,730,740 ゲーム課題
711,721,731,741 第1の所定時間以内を示す区間
712,722,732,742 第2の所定時間以内を示す区間
751,752,753,754 プレイヤーによる操作
810A,810B,810C ゲーム課題
820A,820B,820C,820D,820E ゲーム課題候補
910A,910B,910C ゲーム課題
920A,920B ゲーム課題候補
1100 ゲーム課題候補
1150 分布曲線
1151,1152,1153 分布曲線の極大値
1301〜1303 ゲーム課題
1501,1502 ゲーム課題候補
1701〜1704,1801〜1806 ゲーム課題
1751,1752,1851,1852 ゲーム課題候補
1901〜1907,2001〜2012 ゲーム課題
1951,1952,2051〜2054 ゲーム課題候補
2101,2102,2104,2105 ゲーム課題
2103,2106 ゲーム課題候補
2107,2108,2110,2111 ゲーム課題
2109,2112 ゲーム課題候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される課題記憶部と、
前記プレイヤーからの操作の入力を受け付ける受付部と、
前記記憶された複数の各ゲーム課題について、前記ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、前記受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する判定部と、
前記記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する候補取得部と、
前記記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、前記取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する課題決定部と、
前記決定された候補を新たなゲーム課題として前記課題記憶部に記憶させて追加する課題追加部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記課題記憶部は、複数のゲーム課題の候補を予め記憶し、
前記候補取得部は、前記予め記憶されている複数の候補の中からいずれか1つ以上を取得する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記候補取得部は、前記課題記憶部に記憶されたゲーム課題と前記候補とが満たすべき所定の規則に基づいて前記候補を生成することにより、前記候補を取得する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
楽曲を再生する再生部を更に備え、
前記候補取得部は、前記再生される楽曲の拍に基づいて、前記候補によって示されるそれぞれの時刻を決める、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置であって、
前記候補取得部は、前記記憶されている複数のゲーム課題のうち前記決定された時刻に最も近いゲーム課題によって示される操作の種類を、前記候補によって示される操作の種類に決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項4に記載のゲーム装置であって、
前記候補取得部は、前記記憶されている複数のゲーム課題のうち前記決定された時刻に最も近いゲーム課題を含む隣り合う複数のゲーム課題によって示される操作の種類のそれぞれに基づいて、前記候補によって示される操作の種類を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記課題決定部は、前記取得された複数の候補の中から、前記候補によって示される時刻における前記合致度が所定値以上の候補を新たなゲーム課題に決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される課題記憶部と、
前記プレイヤーからの操作の入力を受け付ける受付部と、
前記記憶された複数の各ゲーム課題について、前記ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、前記受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する判定部と、
前記記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、前記記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する候補取得部と、
前記取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を新たなゲーム課題に決定する課題決定部と、
前記決定された候補を新たなゲーム課題として前記課題記憶部に記憶させて追加する課題追加部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される課題記憶部、受付部、判定部、候補取得部、課題決定部、課題追加部を有するゲーム装置にて実行される制御方法であって、
前記受付部が、前記プレイヤーからの操作の入力を受け付ける受付ステップと、
前記判定部が、前記記憶された複数の各ゲーム課題について、前記ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、前記受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する判定ステップと、
前記候補取得部が、前記記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する候補取得ステップと、
前記課題決定部が、前記記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、前記取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を、新たなゲーム課題に決定する課題決定ステップと、
前記課題追加部が、前記決定された候補を新たなゲーム課題として前記課題記憶部に記憶させて追加する課題追加ステップと、
を備えることを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
プレイヤーが操作をすべき時刻及び当該操作の種類を示すゲーム課題が複数記憶される課題記憶部、
前記プレイヤーからの操作の入力を受け付ける受付部、
前記記憶された複数の各ゲーム課題について、前記ゲーム課題に示される時刻及び操作の種類と、前記受け付けられた操作の時刻ならびに当該操作の種類と、の合致度を判定する判定部、
前記記憶されたゲーム課題と重複しない時刻及び操作の種類を示す新たなゲーム課題の候補を複数取得する候補取得部、
前記記憶された複数のゲーム課題に対する合致度の分布に基づいて、前記取得された複数の候補の中からいずれか1つ以上の候補を、新たなゲーム課題に決定する課題決定部、
前記決定された候補を新たなゲーム課題として前記課題記憶部に記憶させて追加する課題追加部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−34599(P2013−34599A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172145(P2011−172145)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】