ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラム
【課題】競技領域内と競技領域外との境界付近で移動物体を保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させること。
【解決手段】表示制御手段(82)は、ゲーム空間(50)を所与の視点(68)から見た様子を示す画像(70)を表示手段(32)に表示させる。視点制御手段(84)は、移動物体(66)の位置と、移動物体(66)を保持するキャラクタ(62,64)の位置と、境界(56)の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、視点(68)の位置を制御する。変更手段(86)は、境界(56)付近で移動物体(66)を保持するキャラクタが、境界(56)から離れる方向に移動物体(66)を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、視点制御手段(84)による視点(68)の位置の制御を変更する。
【解決手段】表示制御手段(82)は、ゲーム空間(50)を所与の視点(68)から見た様子を示す画像(70)を表示手段(32)に表示させる。視点制御手段(84)は、移動物体(66)の位置と、移動物体(66)を保持するキャラクタ(62,64)の位置と、境界(56)の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、視点(68)の位置を制御する。変更手段(86)は、境界(56)付近で移動物体(66)を保持するキャラクタが、境界(56)から離れる方向に移動物体(66)を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、視点制御手段(84)による視点(68)の位置の制御を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタがゲーム空間の競技領域(例えば、ピッチやリンク等)で移動物体(例えば、ボールやパック等)を移動させて行う競技(スポーツ)のゲームが知られている。このようなゲームにおいては、ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像が表示される。特許文献1には、移動物体の位置と視点の位置とが所定の位置関係を保つように、視点の位置が制御されるサッカーゲームに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−230543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、競技領域内と競技領域外との境界付近(例えば、タッチライン付近)で移動物体を保持するキャラクタが行う動作が異なれば、ユーザが確認したいと思う領域が異なる場合がある。
【0005】
サッカーゲームを一例に挙げると、タッチライン付近でボールを保持するキャラクタがタッチラインから離れる方向にドリブルする場合には、引き続きタッチライン付近でボールに係るプレイが行われるため、ユーザが確認したいと思う領域はタッチライン付近であると考えられる。このため、タッチライン付近にいる他のキャラクタをユーザが確認しやすいように、例えば、ボール及びタッチラインを画面の上端部付近又は下端部付近に表示させてピッチ内の領域を広く表示させることが好ましい。
【0006】
一方、キャラクタがタッチライン付近でボールを保持していたとしても、例えば、このキャラクタがピッチの中央に向けてパスする場合には、タッチラインから遠くに離れた位置(ボールの移動先の位置)でボールに係るプレイが行われるため、ユーザが確認したいと思う領域は、タッチライン付近ではなく、ボールの周囲にいるキャラクタであると考えられる。したがって、この場合、ボールの周囲を満遍なく表示させることが好ましい。
【0007】
上記のように、前者の場合と後者の場合とでユーザが確認したいと思う領域が異なるが、従来の技術では、キャラクタの動作にかかわらず、移動物体の位置に基づいて視点の位置を決定しているため、同じ領域が表示される。そのため、タッチライン付近でボールを保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させることができないことがあった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、競技領域内と競技領域外との境界付近で移動物体を保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させること可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置であって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御ステップと、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御ステップと、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御ステップにおける前記視点の位置の制御を変更する変更ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0013】
本発明によれば、競技領域内と競技領域外との境界付近で移動物体を保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させることが可能になる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記動作の類型を示す情報と、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段、を含み、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた前記制御情報に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、前記移動物体又は前記移動物体を保持するキャラクタが前記境界から所定距離以上離れた場合、前記境界の位置に基づいた前記視点の位置の制御を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて、前記視点の位置を制御させる、を更に含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記移動物体の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記移動速度判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記移動物体が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記高さ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数の前記キャラクタが所属するチーム同士が対戦するゲームであって、前記ゲーム装置は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが当該キャラクタと同じチームに所属する他の前記キャラクタへのパス動作を行った場合、前記移動物体の位置又は前記パス動作を行った前記キャラクタの位置と、前記移動物体の移動方向又は前記他のキャラクタの位置と、前記パス動作を行った前記キャラクタとは異なるチームに所属する前記キャラクタの位置と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する成功判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム空間には、複数の前記キャラクタが配置され、前記ゲーム装置は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが前記移動物体を移動させた場合、前記境界付近のうち前記移動物体から見て移動方向側に他の前記キャラクタがいるか否かを判定するキャラクタ判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記キャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定する手段と、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、前記変更手段により前記視点制御手段の制御を変更させる手段と、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、前記変更手段による変更を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて前記視点の位置を制御させる手段と、を更に含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】タッチライン付近で選手キャラクタがボールを保持している様子を示す図である。
【図5】タッチラインの付近で選手キャラクタがドリブルをする様子を示す図である。
【図6】選手キャラクタがパスをする様子を示す図である。
【図7】ゲーム装置で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
【図8】タッチライン付近の領域を示す図である。
【図9】動作の類型を示す情報と制御情報との対応付けを示す図である。
【図10】類型Aの動作が行われた場合の仮想カメラの位置制御を説明するための図である。
【図11】ボールの位置又はボールを保持する選手キャラクタの位置と、タッチラインの位置と、の距離が所定距離以上になった場合のゲーム画面を示す図である。
【図12】視点制御部による仮想カメラの位置の制御を説明するための図である。
【図13】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図14】動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図15】動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図16】パス動作が成功するか否かの判定方法を説明するための図である。
【図17】動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図18】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図19】ボールを保持する選手キャラクタの背面側に仮想カメラが位置する場合に表示されるゲーム画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[1.実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機(スマートフォン)、携帯情報端末又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0026】
[1−1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。
【0027】
表示部32及び音声出力部34は、家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
【0028】
家庭用ゲーム機11は、公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0029】
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
【0030】
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0031】
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0032】
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
【0033】
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
【0034】
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0035】
光ディスク再生部24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために、光ディスク36が用られる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータが家庭用ゲーム機11に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータが家庭用ゲーム機11に供給されるようにしてもよい。
【0036】
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0037】
コントローラ30は、ユーザによる各種ゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。家庭用ゲーム機11には、一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14にされる。制御部14は、操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0038】
[1−2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、例えば、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行する。以下では、サッカーの試合会場を模したゲーム空間のフィールド上において、複数の選手キャラクタがボールを移動させるサッカーゲームが実行される場合について説明する。
【0039】
このサッカーゲームにおいては、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合が行われる。サッカーゲームが開始されると、例えば、ゲーム空間が主記憶16に構築される。
【0040】
図2は、ゲーム空間の一例を示す図である。図2に示すゲーム空間50は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間である。図2に示すように、ゲーム空間50には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド52が配置される。
【0041】
フィールド52上には、2本のゴールライン54a,54b、2本のタッチライン56a,56b、及びセンターライン58が表されている。2本のゴールライン54a,54b及び2本のタッチライン56a,56bによって囲まれたピッチ59及び当該ピッチ59の周囲(ゴールライン54a,54b又はタッチライン56a,56bに接するピッチ59外の所定領域)において、試合が行われる。
【0042】
フィールド52上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール60と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ62と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ64と、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール66と、が配置される。
【0043】
ボール66は、フィールド52上を移動する。ピッチ59内にボール66がある場合は、競技が進行されるインプレーの状態となり、ピッチ59外にボール66が出た場合には、競技がいったん中断されるアウトオブプレーの状態となる。即ち、競技の進行中(インプレー中)においては、ボール66はピッチ59上を移動することになる。
【0044】
なお、各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。また、図2では省略されているが、フィールド52上には、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ62と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ64と、が配置される。
【0045】
選手キャラクタ62(64)とボール66とが近づくと、所定条件の下、当該選手キャラクタ62(64)とボール66とが関連づけられる。この場合、選手キャラクタ62(64)の移動動作は、ドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ62(64)にボール66が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ62(64)がボール66を保持している」というように記載する。
【0046】
また、ゲーム空間50には、仮想カメラ68(視点)が設定される。ゲーム空間50を仮想カメラ68から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。ゲーム画面は、ゲーム空間50に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。
【0047】
図3は、表示部32に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図3に示すゲーム画面70には、ユーザチームに所属する3体の選手キャラクタ62a,62b,62cと、対戦相手チームに所属する3体の選手キャラクタ64a,64b,64cと、ボール66と、が含まれる。図3の状態では、センターライン58付近において、選手キャラクタ62aがドリブル動作を行っている。
【0048】
なお、ゲーム空間50のうち、仮想カメラ68の視野内の領域がゲーム画面70に表示されるため、本実施形態においては、図3に示すようにゲーム画面70には、ピッチ59全体ではなく、ピッチ59の一部が表示される。例えば、ピッチ59のうち、ユーザの操作対象の位置に基づいて定まる領域が、ゲーム画面70に表示される。
【0049】
例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ62のうちの何れかが、ユーザの操作に基づいて行動する。図3に示す状態では、例えば、ボール66を保持している選手キャラクタ62a(ボールホルダー)が、ユーザの操作対象として設定されている。選手キャラクタ62aの頭上には、ユーザの操作対象に設定されていることを示すカーソル72が表示される。
【0050】
例えば、ユーザは、コントローラ30を用いて所与の操作信号を入力することによって、操作対象である選手キャラクタ62aを動作させる。例えば、選手キャラクタ62aがボール66を保持している場合、ユーザは、コントローラ30を用いて、選手キャラクタ62aにドリブル動作をさせたり、ボール66を保持する選手キャラクタ62aにパス動作をさせたりする。
【0051】
ゲーム空間50に配置される各選手キャラクタ62(64)のうちでユーザの操作対象とならないものは、所定の行動アルゴリズムに従って自律的に行動する。例えば、選手キャラクタ62a以外の選手キャラクタ62(例えば、選手キャラクタ62b,62c)は、コンピュータの操作に基づいて行動する。
【0052】
図3に示すように、例えば、選手キャラクタ62aがセンターライン58付近でドリブルする場合には、仮想カメラ68の位置は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置に基づいて決定される。例えば、選手キャラクタ62aがドリブルした方向に、仮想カメラ68が移動する。その結果、ボール66又はボール66を保持する選手キャラクタ62aがゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0053】
例えば、ボール66がセンターライン58付近にある場合には、ユーザが見たいと思う領域はボール66の周囲であることが考えられるので、上記のようにボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置に基づいて仮想カメラ68の制御が行われる。一方、他の位置にボール66がある場合には、ユーザが見たいと思う領域が異なる場合がある。
【0054】
図4は、タッチライン56付近で選手キャラクタ62aがボール66を保持している様子を示す図である。図4に示すように、タッチライン56aの付近でプレイが行われる状態においては、ユーザが見たいと思う領域は、タッチライン56aの付近であることが考えられる。したがって、タッチライン56aをゲーム画面70の上端部に近い位置に表示させてタッチライン56a付近が広く表れるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0055】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、タッチライン56aに向かってドリブルをした場合、仮想カメラ68の位置は、タッチライン56aに近づかないように制御される。即ち、仮想カメラ68がZw軸方向に移動しないように、仮想カメラ68のZw座標値が固定され、タッチライン56aがゲーム画面70の上端部に近い位置に表示される。
【0056】
他にも例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、タッチライン56と平行な方向にドリブルをしたり、タッチライン56に近づくようにボール66をパスさせる場合(例えば、選手キャラクタ62bにボール66をパスさせる場合)には、タッチライン56a付近でプレイが行われるので、上記と同様に、タッチライン56aをゲーム画面70の上端部付近に表示させることが好ましい。
【0057】
一方、タッチライン56a付近で選手キャラクタ62aが、タッチライン56aから離れる方向にボール66を移動させる場合、当該選手キャラクタ62aの動作に応じて、ユーザが見たいと思う領域が異なることが考えられる。そこで、本実施形態においては、選手キャラクタ62aの動作に応じて、仮想カメラ68の位置の制御方法が異なる構成になっている。
【0058】
図5は、タッチライン56の付近で選手キャラクタ62aがドリブルをする様子を示す図である。例えば、図4に示す状態から、選手キャラクタ62aがタッチライン56aから離れる方向にドリブルをした場合には、ボール66が遠くに移動することが考えにくい。したがって、この場合、ユーザが見たいと思う領域は、タッチライン56の付近であることが考えられる。
【0059】
そこで、選手キャラクタ62aがタッチライン56から一定距離離れるまでは、タッチライン56の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。即ち、仮想カメラ68がZw軸方向に移動しないように、仮想カメラ68のZw座標値が固定される。ゲーム画面70においては、タッチライン56aの表示位置がゲーム画面70の上端部に近い位置に固定され、選手キャラクタ62aの表示位置が除々に下側に移動する。
【0060】
一方、タッチライン56a付近でボール66を保持する選手キャラクタ62aが、ボール66がタッチライン56aから離れる方向にパス動作を行った場合には、上記のドリブル動作とは異なる方法で、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0061】
図6は、選手キャラクタ62aがパスをする様子を示す図である。例えば、選手キャラクタ62aがピッチの中央に向けてボール66をパスした場合には、ボール66はタッチライン56から離れた位置に移動する。したがって、この場合、タッチライン56付近でのプレイの重要性が低下するため、ユーザが見たいと思う領域は、ボール66の周囲であることが考えられる。
【0062】
そこで、選手キャラクタ62aがピッチ59の中央に向けてパス動作をする場合、仮想カメラ68の位置は、ボール66の位置に基づいて制御される。即ち、図6に示すように、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0063】
このように、例えば、タッチライン56付近でボール66を保持する選手キャラクタ62aがドリブル動作を行った場合とパス動作を行った場合とで、仮想カメラ68の位置の制御方法が異なる構成になっており、選手キャラクタ62aの動作に応じた最適な領域をユーザに確認させることができる構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
【0064】
[1−3.ゲーム装置において実現される機能]
図7は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。図7に示すように、ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームデータ記憶部80、表示制御部82、視点制御部84、及び変更部86を実現する。
【0065】
[1−3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部80は、例えば、主記憶16及び光ディスク36等を主として実現される。ゲームデータ記憶部80は、例えば、サッカーゲームを実現するために必要なデータを記憶する。例えば、ゲームデータ記憶部80は、実行中のゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する場合を説明する。ゲーム状況データは、ゲーム空間50の現在の状況を示すデータともいえる。
【0066】
例えば、下記に示すようなデータが、ゲーム状況データに含まれる。
(1)各選手キャラクタ62(64)の現在の状態(位置、姿勢、移動方向、及び移動速度等)及びボール66の現在の状態(位置、移動方向及び移動速度等)を示すデータ
(2)ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ62(64)を示すデータ
(3)ボール66を保持している選手キャラクタ62(64)を示すデータ
(4)ピッチ59の位置やタッチライン56の位置を識別するデータ
(5)仮想カメラ68の現在の状態(位置、視線方向、注視点、及び画角等)を示すデータ
(6)その他、試合の状況(例えば、両チームの得点や経過時間)を示すデータ
【0067】
なお、制御部14は、ゲームデータ記憶部80に記憶されたデータを取得する手段として機能する。また、制御部14は、ゲームデータ記憶部80に記憶されたデータを更新する手段として機能する。なお、ゲームデータ記憶部80に記憶されるデータは、上記の例に限られない。他にも例えば、選手キャラクタ62(64)に関する各種パラメータ等が格納されていてもよい。
【0068】
[1−3−2.表示制御部]
表示制御部82は、例えば、制御部14を主として実現される。表示制御部82は、ゲーム空間50を所与の視点(例えば、仮想カメラ68)から見た様子を示す画像(例えば、ゲーム画面70)を表示手段(例えば、表示部32)に表示させる。
【0069】
例えば、ゲーム空間50に配置されたオブジェクトのうち、仮想カメラ68の視野内のオブジェクトに座標変換処理(ジオメトリ処理)が実行されることによって、ゲーム画面70が表示部32に表示される。仮想カメラ68の視野は、例えば、仮想カメラ68の位置、視線方向、及び画角に基づいて定まる。
【0070】
[1−3−3.視点制御部]
視点制御部84は、例えば、制御部14を主として実現される。視点制御部84は、移動物体(例えば、ボール66)の位置と、移動物体を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)の位置と、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御する。
【0071】
即ち、視点制御部84は、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせに基づいて、仮想カメラ68の位置を制御する。視点制御部84による、仮想カメラ68の位置の制御方法は、後述の変更部86により変更される。即ち、視点制御部84が、これら三つのうち何に基づいて仮想カメラ68の位置を制御するか、は変更部86により変更される。
【0072】
[1−3−4.変更部]
変更部86は、例えば、制御部14を主として実現される。変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0073】
「タッチライン56付近」とは、タッチライン56からの距離が所定距離以下となる位置である。当該所定距離は、予め定められた距離であればよく、例えば、仮想カメラ68の視野の広さに基づいて定まる距離であってもよい。例えば、仮想カメラ68の視野のうち垂直方向の視野の幅の半分の距離が、所定距離として設定される。
【0074】
図8は、タッチライン56付近の領域を示す図である。図8に示すように、本実施形態においては、タッチライン56aとの距離が所定距離L1以内である領域100a又はタッチライン56bとの距離が基準距離L1以内である領域100b内が、タッチライン56の付近の領域として設定される。
【0075】
例えば、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、領域100内にいる場合が、タッチライン56付近で選手キャラクタ62(64)がボール66を保持している場合に相当する。
【0076】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)は、例えば、領域100において、所与の動作を行ってボール66を移動させる。選手キャラクタ62(64)が行う動作の類型は、予めゲームデータ記憶部80に定義されているようにしてもよい。これら予め用意された複数の動作類型の何れかが、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によって行われる。
【0077】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)は、下記の類型のうちの何れかの類型の動作を行う。
(類型A)ボール66を保持したまま、ボール66を移動させる動作(例えば、ドリブル動作、トラップ動作)
(類型B)ボール66を移動させる動作であって、当該動作を行った後にボール66を保持しない状態に変化する動作(例えば、パス動作、センタリング動作、シュート動作、クリア動作)
【0078】
類型A又は類型Bの動作が行われた場合、ボール66が移動する。本実施形態においては、タッチライン56付近でボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、類型Aの動作を行ったか類型Bの動作を行ったかに基づいて、視点制御部84による仮想カメラ68の位置の制御方法が決定される。
【0079】
本実施形態においては、変更部86が、動作の類型を示す情報と、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0080】
図9は、動作の類型を示す情報と制御情報との対応付けを示す図である。動作の類型を示す情報としては、例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により行われた動作が、ゲームデータ記憶部80に定義された動作類型のうち何れの動作類型に属するかを判定するための判定基準、又は、動作類型に属すると判定されるために、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により行われた動作が満たすべき条件、又は、動作類型に属する動作が満たす条件が格納される。
【0081】
制御情報としては、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせを示す情報が格納される。制御情報が示す、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせに基づいて、仮想カメラ68が制御される。
【0082】
また、本実施形態においては、変更部86が、競技領域(例えば、ピッチ59)内と前記競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62(64))が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する、場合を説明する。
【0083】
即ち、変更部86は、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作と、図9に示す対応付けと、を比較することによって、何れの類型の動作が行われたかを特定する。例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作が、判定基準を満たすか否かが判定される。また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作が、図9に示す条件を満たすか否かが判定される。
【0084】
本実施形態においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、類型Aの動作を行ったか、又は、類型Bの動作を行ったか、が特定される。そして、類型A又は類型Bに対応付けられた制御情報に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0085】
[類型A(ドリブル動作等)の動作が行われた場合]
まず、類型Aの動作が行われた場合の変更部86の制御について説明する。
【0086】
例えば、変更部86は、境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を保持したまま、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作(例えば、類型Aの動作)を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置又は移動物体を保持するキャラクタの位置と、境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる。
【0087】
ここでは、説明の簡略化のため、ボール66の位置と、タッチライン56の位置と、に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される場合を説明する。類型A(ドリブル動作等)の動作が行われた場合の以降の説明で、「ボール66の位置」の記載は、「ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置」と読み替えることが可能である。
【0088】
視点制御部84は、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が第1の関係を満たし、かつ、タッチライン56の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が第2の位置関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0089】
図10は、類型Aの動作が行われた場合の仮想カメラ68の位置制御を説明するための図である。図10に示すように、第1の関係とは、例えば、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)と、を結ぶベクトルV1のXw軸成分(即ち、タッチライン56方向の成分、又は、仮想カメラ68から見て水平方向成分)が所与のベクトルとなる関係である。即ち、仮想カメラ68は、ボール66のタッチライン56方向の位置変化に追従するようにして移動する。
【0090】
第2の関係とは、例えば、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)とタッチライン56との距離が、所定範囲となる関係であり、当該距離が所定距離を保つ関係である。別の言い方をすれば、タッチライン56がゲーム画面70の所定位置に表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。例えば、タッチライン56と、仮想カメラ68の注視点の位置Q(仮想カメラ68の視線方向V2上の位置)と、が所定距離D2になるように、仮想カメラ68の位置が制御される。即ち、タッチライン56に直交する方向に仮想カメラ68が移動しないように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0091】
上記のように、本実施形態においては、仮想カメラ68のZw軸方向(タッチライン56の垂直方向)の位置が変化しないように、仮想カメラ68の位置が制御され、仮想カメラ68のXw軸方向成分の位置については、ボール66の位置に基づいて制御される。
【0092】
なお、視点制御部84が、ボール66の位置と、タッチライン56aの位置と、に基づいて仮想カメラ68の位置を制御する方法は、上記の例に限られない。ゲーム画面70において、ボール66が第1の位置(例えば、ゲーム画面70における水平方向の位置が所定位置となる位置)に表示され、タッチライン56aが第2の位置(例えば、ゲーム画面70の端部付近の所定位置)の表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御されるようにすればよい。
【0093】
また、本実施形態においては、変更部86が、境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を保持したまま、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、移動物体又は移動物体を保持するキャラクタが境界から所定距離以上離れた場合、境界の位置に基づいた視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を制限し、視点制御部84に、移動物体の位置又は移動物体を保持するキャラクタの位置に基づいて、視点の位置を制御させる、場合を説明する。
【0094】
例えば、変更部86は、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56から離れる方向にドリブルをした場合、ボール66の位置又は当該選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離を算出し、当該算出された距離が所定距離以上であるか否かを判定する。
【0095】
図11は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離が所定距離以上になった場合のゲーム画面70を示す図である。図11に示すように、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がタッチライン56から離れすぎた場合には、タッチライン56の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が決定される制御が抑止される。この場合、視点制御部84は、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置と、が所定の関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が決定される。即ち、図11に示すように、ボール66が中心付近に表示される。
【0096】
[類型B(例えば、パス動作)の動作が行われた場合]
次に、類型Bの動作が行われた場合の変更部86の制御について説明する。
【0097】
例えば、変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作(例えば、類型Bの動作)を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0098】
類型Bの動作が行われた場合、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が所定の関係を満たすように仮想カメラ68の位置が制御される。例えば、ボール66の位置の変化に基づいて仮想カメラ68が移動する。例えば、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が所定の位置関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が制御される。所定の位置関係とは、例えば、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)と、を結ぶベクトルが所与のベクトルとなる関係である。即ち、仮想カメラ68は、ボール66の位置に追従するようにして移動する。
【0099】
図12は、視点制御部84による仮想カメラ68の位置の制御を説明するための図である。図12に示すように、例えば、ボール66の位置から、ボール66の移動方向V3に向けて、ボール66の移動速度に応じた距離D1だけ離れた位置Qが、仮想カメラ68の注視点となるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0100】
なお、仮想カメラ68の位置の制御方法は、上記の例に限られない。ボール66の位置と仮想カメラ68の位置とが所定の関係を保つように、仮想カメラ68の位置が制御されるようにすればよい。
【0101】
[1−4.ゲーム装置において実行される処理]
図13は、ゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。当該処理は、ゲーム装置10においてサッカーの試合が開始された後に実行される。制御部14は、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、図13に示す処理を実行する。
【0102】
まず、図13に示すように、制御部14は、ゲーム状況データを参照し、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいるか否かを判定する(S1)。S1においては、例えば、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離が所定距離L1以下であるか否かが判定される。即ち、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、領域100内であるか否かが判定される。
【0103】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいると判定されない場合(S1;N)、制御部14は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置に基づいて仮想カメラ68の位置を制御する(S2)。即ち、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、ピッチ59のうち領域100以外の領域である場合、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)と、仮想カメラ68の位置と、の位置関係が所定の関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が決定される。
【0104】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいると判定された場合(S1;Y)、制御部14は、当該選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56から離れる方向にボール66を移動させる動作を行ったか否かを判定する(S3)。S3の判定は、例えば、ボール66の位置の変化や、ユーザ又はコンピュータによる方向指示操作が取得されることによって行われる。
【0105】
タッチライン56から離れる方向にボール66を移動させる動作が行われたと判定された場合(S3;Y)、制御部14は、当該動作の類型を特定する(S4)。S4においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)を操作するユーザ又はコンピュータの操作内容が取得され、当該操作内容に基づいて、動作の類型が特定される。例えば、「パス動作」や「シュート動作」等に対応するコントローラ30のボタンが、ユーザにより押下されたか否かが判定される。また例えば、所定の行動アルゴリズムに基づいて行われるコンピュータの操作が「パス動作」や「シュート動作」等を示しているか否かが判定される。
【0106】
制御部14は、S4において特定した動作の類型が、「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であるか否かを判定する(S5)。「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であると判定された場合(S5;Y)、制御部14は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、タッチライン56から一定距離以上離れたか否かを判定する(S6)。
【0107】
ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、タッチライン56から一定距離以上離れたと判定されない場合(S6;N)、制御部14は、仮想カメラ68の位置を、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、に基づいて制御する(S7)。この場合、タッチライン56の垂直方向については、仮想カメラ68の位置が固定され、かつ、タッチライン56の水平方向については、仮想カメラ68が、ボール66の移動又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の移動に従動する。
【0108】
タッチライン56から一定距離以上離れたと判定された場合(S6;Y)、処理はS2に移行する。即ち、S7における位置制御の実行が制限され、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0109】
一方、「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であると判定されない場合(S5;N)、制御部14は、S4において特定した動作の類型が、「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であるか否かを判定する(S8)。
【0110】
「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であると判定された場合(S8;Y)、制御部14は、仮想カメラ68の位置を、ボール66の位置に基づいて制御する(S9)。即ち、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0111】
「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であると判定されない場合(S8;N)、処理はS2に移行する。なお、この場合、ボール66はほとんど移動しないので、処理をS6に移行させるようにしてもよい。
【0112】
制御部14は、S2、S7、又はS9において決定された仮想カメラ68の位置に基づいて、仮想カメラ68からゲーム空間50を見た様子を示すゲーム画面70を表示部32に表示させる(S10)。
【0113】
制御部14は、終了条件を満たすか否かを判定する(S11)。終了条件は、本処理を終了させるために予め定められた条件であればよい。例えば、試合が終了したか否か、又は、ユーザにより所与の終了指示が入力されたか否かが判定される。
【0114】
終了条件を満たすと判定されない場合(S11;N)、処理はS1に戻る。終了条件を満たすと判定された場合(S11;Y)、本処理は終了する。
【0115】
以上説明したゲーム装置10によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がタッチライン56の付近で行った動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御を変更することによって、ユーザが見たいと思う最適な領域をゲーム画面70に表示させることができる。
【0116】
例えば、選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近でドリブルする場合には、タッチライン56付近にいる他の選手キャラクタ62(64)をユーザが確認しやすいように、タッチライン56をゲーム画面70の端部付近に表示させてピッチ59内の領域を広く表示させることができる。そして、この選手キャラクタ62(64)がタッチライン56から一定距離以上離れた場合には、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示させるようにすることができる。
【0117】
一方、選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近からピッチ59の中央に向けてパスをする場合には、ボール66の周囲にいる選手キャラクタ62(64)をユーザが確認しやすいように、ボール66の周囲を満遍なく表示させることができる。
【0118】
[2.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0119】
(1)例えば、実施形態においては、類型Bの動作(例えば、パス動作)が行われた場合、ボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される場合を説明したが、類型Bの動作が行われた場合であっても、ボール66がタッチライン56からあまり離れずにタッチライン56をゲーム画面70に表示させた方が好ましい場合がある。
【0120】
例えば、タッチライン56付近からロングパスが行われた場合には、ボール66がタッチライン56から遠くに離れるので、ユーザが見たいと思う領域はタッチライン56付近ではなくボール66の周囲であることが考えられるが、タッチライン56付近で短いパス(ショートパス)が行われた場合には、ボール66がタッチライン56からあまり離れないので、ユーザが見たいと思う領域はタッチライン56付近であることが考えられる。
【0121】
変形例(1)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近からショートパスを行った場合には、タッチライン56付近をゲーム画面70に表示させることによって、ユーザが見たいと思う領域を表示させる場合を説明する。
【0122】
変形例(1)の変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界(例えば、タッチライン56)から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0123】
変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界(例えば、タッチライン56)から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置と境界の位置とに基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0124】
例えば、図9に示す対応付けデータに、動作の類型を示す情報として、ボール66をタッチライン56から所定距離以上離れるように移動させる動作(例えば、ロングパス)、又は、ボール66をタッチライン56から所定距離以上離れないように移動させる動作(例えば、ショートパス)が行われるための条件が格納される。
【0125】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、ロングパスを行うか又はショートパスを行うかが、ユーザ又はコンピュータの操作に基づいて判定される。また例えば、選手キャラクタ62(64)がボール66を蹴る強さが所定範囲であるか否かが判定されるようにしてもよい。ボール66を蹴る強さが基準値以上である場合、仮想カメラ68の位置が、ボール66の位置とタッチライン56の位置とに基づいて制御される。また例えば、ボール66を蹴る強さが基準値未満である場合、仮想カメラ68の位置が、ボール66の位置に基づいて制御される。なお、選手キャラクタ62(64)がボール66を蹴る強さも、ユーザ又はコンピュータの操作に基づいて決定される。
【0126】
変形例(1)によれば、例えば、同じパス動作が行われた場合であっても、ロングパスであればボール66の周囲を表示させるように仮想カメラ68の位置制御を行い、ショートパスであればタッチライン56の付近を表示させるように仮想カメラ68の位置制御を行うことができる。
【0127】
(2)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がボール66を移動させた場合、当該ボール66の移動速度が速ければ、タッチライン56から遠くにボール66が離れることが考えられる。一方、当該ボール66の移動速度が遅ければ、タッチライン56からボール66があまり離れないことが考えられる。
【0128】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近からピッチ59の中央に向けてパス動作を行った場合であっても、ボール66がゆっくり移動すれば、タッチライン56からボール66があまり離れないので、ユーザが確認したいと思う領域は、タッチライン56付近であることが考えられる。一方、ボール66が速く移動すれば、タッチライン56からボール66が遠くに離れるので、ユーザが確認したいと思う領域は、ボール66の周囲であることが考えられる。
【0129】
変形例(2)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、例えば、パス動作を行った場合、ボール66の移動速度に基づいて、仮想カメラ68の位置の制御方法を変更する場合を説明する。
【0130】
変形例(2)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段を含む。当該手段は、制御部14を主として実現される。基準速度は、予め定められた速度であればよい。例えば、ゲーム状況データに格納されたボール66の移動速度を示す値が参照され、当該値が予め定められた閾値以上であるか否かが判定される。
【0131】
変形例(2)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体を保持するキャラクタが、境界から離れる方向に移動物体(例えば、ボール66)を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び移動速度判定手段の判定結果に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0132】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0133】
図14は、動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図14に示すように、移動速度判定手段の判定結果を示す情報としては、ボール66の移動速度が基準速度以上であるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、移動速度判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0134】
例えば、ボール66の移動速度を示す値が閾値以上であった場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。また例えば、ボール66の移動速度を示す値が閾値未満であった場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0135】
変形例(2)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により所定類型の動作が行われた場合であっても、ボール66の移動速度に応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0136】
(3)また例えば、選手キャラクタ62aがパス動作を行った場合、ボール66がピッチ59から高く浮き上がるようなパス(例えば、ロングパス)であれば、ボール66が遠くに移動すると考えられるので、ボール66の周囲を満遍なく表示させることが好ましいが、ボール66がピッチ59からあまり離れないようなパス(例えば、ショートパス)であれば、ボール66が遠くに移動する可能性は低いので、仮想カメラ68をタッチライン56付近で固定させる方が好ましい。
【0137】
変形例(3)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、例えば、パス動作を行った場合、ボール66がピッチ59から高く浮き上がったか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御が変更される場合を説明する。
【0138】
変形例(3)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段を含む。当該手段は、制御部14を主として実現される。基準高さは、ゲーム空間50の垂直方向(Yw軸方向)の所定の高さであればよい。例えば、ゲーム状況データに格納されたボール66の位置が参照され、ボール66とピッチ59との距離が所定距離以上であるか否かが判定される。また例えば、ボール66の移動方向とピッチ59とのなす角度が所定角度以上であるか否かが判定されるようにしてもよい。
【0139】
また、変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作(例えば、パス動作)を行った場合、当該動作の類型及び高さ判定手段の判定結果に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0140】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0141】
図15は、動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図15に示すように、高さ判定手段の判定結果を示す情報としては、ボール66の高さが基準高さ以上になるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、移動速度判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0142】
例えば、ボール66がピッチ59から基準高さ以上まで浮き上がった場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。また例えば、ボール66がピッチ59から基準高さ以上まで浮き上がっていない場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置及びボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。
【0143】
変形例(3)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により所定類型の動作が行われた場合であっても、ボール66が浮き上がった高さに応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0144】
(4)また例えば、実施形態のように、複数のキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62(64))が所属するチーム同士が対戦するゲームが実行される場合、パス動作が失敗する可能性がある。例えば、選手キャラクタ62aがタッチライン56付近からパス動作を行ったとしても、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ64にパスカットされることが予想される場合には、仮想カメラ68をタッチライン56付近で固定させる方が好ましい場合もある。
【0145】
変形例(4)においては、パス動作が成功するか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御が変更される場合を説明する。
【0146】
変形例(4)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が当該キャラクタと同じチームに所属する他のキャラクタへのパス動作を行った場合、移動物体の位置又はパス動作を行ったキャラクタの位置と、移動物体の移動方向又は他のキャラクタの位置(例えば、選手キャラクタ62b)と、パス動作を行ったキャラクタとは異なるチームに所属するキャラクタの位置(例えば、選手キャラクタ64)と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する。
【0147】
図16は、パス動作が成功するか否かの判定方法を説明するための図である。図16に示すように、選手キャラクタ62aがパス動作を行う場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ64の位置に基づいて支配領域110(図16に示す支配領域110a,110b)がゲーム空間50に設定される。支配領域110は、選手キャラクタ64の位置を含む領域であり、例えば、選手キャラクタ64の位置を中心とした所定半径の円内の領域である。
【0148】
例えば、ボール66の位置から移動方向V4(パス方向)に向けた直線が、選手キャラクタ64の支配領域110と交差しない場合には、パス動作が成功すると判定される。一方、例えば、ボール66の位置から移動方向V4(パス方向)に向けた直線が、選手キャラクタ64の支配領域110と交差する場合には、パス動作が失敗すると判定される。
【0149】
なお、パス動作が成功するか否かの判定方法は、上記の例に限られない。例えば、パス動作を行う選手キャラクタ62aの位置と、パスの相手先の選手キャラクタ62の位置と、を結ぶ直線上に、選手キャラクタ64の支配領域110があるか否かが判定されることによって、パス動作が成功するか否かが判定されるようにしてもよい。他にも例えば、ボール66の位置から移動方向に向けた直線と選手キャラクタ64の位置との距離に基づいて、パス動作が成功するか否かが判定されるようにしてもよい。
【0150】
変形例(4)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向にパス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0151】
一方、変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向にパス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、視点制御部84に、移動物体の位置と境界の位置とに基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0152】
パス動作が成功すると判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。一方、例えば、パス動作が失敗すると判定された場合(即ち、タッチライン56付近でパスカットされる場合)、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置とボール66の位置とに基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0153】
変形例(4)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によりパス動作が行われた場合であっても、パス動作が成功するか否かに基づいて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0154】
(5)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がパス動作をした場合、タッチライン56付近の領域100のうちボール66の移動方向側に、他の選手キャラクタ62(64)がいる場合、当該他の選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近でボール66を保持することが考えられる。この場合、ボール66はタッチライン56の付近に位置することが考えられるので、仮想カメラ68を第2視点制御部86に制御させることが好ましい。
【0155】
そこで、変形例(5)においては、タッチライン56付近でボール66が移動された場合、タッチライン56付近の領域100のうちボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御を切り替えるか否かが判定される場合を説明する。
【0156】
変形例(5)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタが移動物体を移動させた場合、境界(例えば、タッチライン56)付近のうち移動物体から見て移動方向側に、他のキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62b)がいるか否かを判定するキャラクタ判定手段を含む。当該手段は、制御部14により実現される。
【0157】
ボール66の移動方向側とは、ボール66の位置からボール66の移動方向に向けて所定距離離れた位置を含む領域内のことである。例えば、タッチライン56内にいる選手キャラクタ62(64)のうち、ボール66の現在位置から移動方向に向けて伸びる直線との距離が所定距離以内の選手キャラクタ62(64)がいるか否かが判定される。
【0158】
変形例(5)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及びキャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、視点制御手段による視点の位置の制御を変更する。
【0159】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0160】
図17は、動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図17に示すように、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報としては、タッチライン56付近のうちボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、キャラクタ判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0161】
ボール66の移動方向側に他の選手キャラクタ62(64)がいないと判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。一方、例えば、ボール66の移動方向側に他の選手キャラクタ62(64)がいると判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置及びボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0162】
変形例(5)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によりパス動作が行われた場合であっても、ボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かに応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0163】
(6)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aがタッチライン56の付近にいた場合であっても、仮想カメラ68の位置と視線方向次第では、ゲーム画面70内にピッチ59の領域が十分に広く表示され、かつ、ボール66の周囲も満遍なく表示させるため、変更部86により仮想カメラ68の位置の制御を変更させなくてもよい場合がある。
【0164】
図18は、ゲーム空間50の一例を示す図である。例えば、タッチライン56付近で選手キャラクタ62aがボール56を保持する状況において、当該選手キャラクタ62aの背面側に仮想カメラ68がある場合には、ゲーム画面70においては、タッチライン56付近及びボール66の周囲が比較的広く表示される。
【0165】
図19は、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの背面側に仮想カメラ68が位置する場合に表示されるゲーム画面70の一例である。仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56の方向を向いている場合、図19に示すように、ゲーム画面70において、ピッチ59が比較的広く表示される。即ち、仮想カメラ68の画角は、表示部32のアスペクト比(例えば、16:9又は4:3)に基づいて設定されるため、横長の画面を有する表示部32の場合には、図19のように、タッチライン56付近にボール66がある場合でも、ピッチ59が広く表示される。
【0166】
このような場合には、仮想カメラ68の位置を、タッチライン56の位置に基づいて制御しなくても、ユーザは、タッチライン56付近を十分に確認しつつ、ボール66の周囲も満遍なく確認することができるので、変更部86により、仮想カメラ68の位置制御を変更させないようにしてもよい。
【0167】
変形例(6)のゲーム装置10は、視点の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度(例えば、図18に示す角度θ)が所定角度以上であるか否かを判定する。別の言い方をすれば、仮想カメラ68の視線方向がタッチライン56の方向を向いているか否かが判定される。例えば、ゲーム状況データに格納された仮想カメラ68の視線方向と、タッチライン56の方向と、が比較されることによって、図18に示す角度θが取得される。所定角度は、予め定められた角度(例えば、45°)であればよい。
【0168】
ゲーム装置10は、視点(例えば、仮想カメラ68)の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、変更部86により視点制御部84の制御を変更させる。即ち、仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56と垂直に近い関係の場合、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の動作次第では、ユーザが見たいと思う領域を表示させることができないことがあるので、変更部86により視点制御部84の制御が変更される。
【0169】
一方、ゲーム装置10は、視点(例えば、仮想カメラ68)の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、変更部86による変更を制限し、視点制御部84に、移動物体(例えば、ボール66)の位置又は移動物体を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)の位置に基づいて視点の位置を制御させる。例えば、仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56の方向を向いている場合、タッチライン56付近を表示させつつ、ボール66の周囲も見やすく表示させることができるので、変更部86による視点制御部84の制御が行われない。
【0170】
変形例(6)によれば、変更部86により仮想カメラ68の位置の制御を変更させなくても、タッチライン56付近を確認しつつ、ボール66の周囲を確認しやすい場合には、変更部86による変更を抑止することができる。したがって、仮想カメラ68の位置の制御を変更することによるゲーム装置10の処理負荷の増加を抑えることができる。
【0171】
(7)また例えば、ピッチ59の境界をタッチライン56として説明したが、境界はゴールライン54であってもよい。この場合、変更部86は、ゴールライン54付近でボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御を変更する。
【0172】
(8)また例えば、実施形態及び上記変形例においては、類型Aの動作又は類型Bの動作が行われる場合を説明したが、サッカーゲームにおいて行われる動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御が変更されるようにすればよい。他にも例えば、タッチライン56付近でスローインの動作が行われるようにしてもよい。スローインの動作が行われる場合には、パス動作の場合で説明した内容と同様に、ロングスローが行われるか否かで仮想カメラ68の制御方法を変更するようにしてもよい。
【0173】
(9)また例えば、ゲーム空間50を、図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、選手キャラクタ62(64)やボール66の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0174】
(10)また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。本発明は、キャラクタが競技領域内で移動物体を移動させるゲームに適用できる。例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲームなどを実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0175】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク再生部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、30a 表面、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、50 ゲーム空間、52 フィールド、54a,54b ゴールライン、56,56a,56b タッチライン、58 センターライン、59 ピッチ、60 ゴール、62,62a,62b,62c,64,64a,64b,64c 選手キャラクタ、66 ボール、68 仮想カメラ、70 ゲーム画面、72 カーソル、80 ゲームデータ記憶部、82 表示制御部、84 視点制御部、86 変更部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタがゲーム空間の競技領域(例えば、ピッチやリンク等)で移動物体(例えば、ボールやパック等)を移動させて行う競技(スポーツ)のゲームが知られている。このようなゲームにおいては、ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像が表示される。特許文献1には、移動物体の位置と視点の位置とが所定の位置関係を保つように、視点の位置が制御されるサッカーゲームに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−230543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、競技領域内と競技領域外との境界付近(例えば、タッチライン付近)で移動物体を保持するキャラクタが行う動作が異なれば、ユーザが確認したいと思う領域が異なる場合がある。
【0005】
サッカーゲームを一例に挙げると、タッチライン付近でボールを保持するキャラクタがタッチラインから離れる方向にドリブルする場合には、引き続きタッチライン付近でボールに係るプレイが行われるため、ユーザが確認したいと思う領域はタッチライン付近であると考えられる。このため、タッチライン付近にいる他のキャラクタをユーザが確認しやすいように、例えば、ボール及びタッチラインを画面の上端部付近又は下端部付近に表示させてピッチ内の領域を広く表示させることが好ましい。
【0006】
一方、キャラクタがタッチライン付近でボールを保持していたとしても、例えば、このキャラクタがピッチの中央に向けてパスする場合には、タッチラインから遠くに離れた位置(ボールの移動先の位置)でボールに係るプレイが行われるため、ユーザが確認したいと思う領域は、タッチライン付近ではなく、ボールの周囲にいるキャラクタであると考えられる。したがって、この場合、ボールの周囲を満遍なく表示させることが好ましい。
【0007】
上記のように、前者の場合と後者の場合とでユーザが確認したいと思う領域が異なるが、従来の技術では、キャラクタの動作にかかわらず、移動物体の位置に基づいて視点の位置を決定しているため、同じ領域が表示される。そのため、タッチライン付近でボールを保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させることができないことがあった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、競技領域内と競技領域外との境界付近で移動物体を保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させること可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置であって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御ステップと、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御ステップと、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御ステップにおける前記視点の位置の制御を変更する変更ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段、前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0013】
本発明によれば、競技領域内と競技領域外との境界付近で移動物体を保持するキャラクタの動作に応じた最適な領域を表示させることが可能になる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記動作の類型を示す情報と、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段、を含み、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた前記制御情報に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、前記移動物体又は前記移動物体を保持するキャラクタが前記境界から所定距離以上離れた場合、前記境界の位置に基づいた前記視点の位置の制御を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて、前記視点の位置を制御させる、を更に含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記変更手段は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記移動物体の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記移動速度判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記移動物体が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記高さ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数の前記キャラクタが所属するチーム同士が対戦するゲームであって、前記ゲーム装置は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが当該キャラクタと同じチームに所属する他の前記キャラクタへのパス動作を行った場合、前記移動物体の位置又は前記パス動作を行った前記キャラクタの位置と、前記移動物体の移動方向又は前記他のキャラクタの位置と、前記パス動作を行った前記キャラクタとは異なるチームに所属する前記キャラクタの位置と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する成功判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、ことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム空間には、複数の前記キャラクタが配置され、前記ゲーム装置は、前記移動物体を保持する前記キャラクタが前記移動物体を移動させた場合、前記境界付近のうち前記移動物体から見て移動方向側に他の前記キャラクタがいるか否かを判定するキャラクタ判定手段、を更に含み、前記変更手段は、前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記キャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定する手段と、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、前記変更手段により前記視点制御手段の制御を変更させる手段と、前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、前記変更手段による変更を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて前記視点の位置を制御させる手段と、を更に含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】タッチライン付近で選手キャラクタがボールを保持している様子を示す図である。
【図5】タッチラインの付近で選手キャラクタがドリブルをする様子を示す図である。
【図6】選手キャラクタがパスをする様子を示す図である。
【図7】ゲーム装置で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
【図8】タッチライン付近の領域を示す図である。
【図9】動作の類型を示す情報と制御情報との対応付けを示す図である。
【図10】類型Aの動作が行われた場合の仮想カメラの位置制御を説明するための図である。
【図11】ボールの位置又はボールを保持する選手キャラクタの位置と、タッチラインの位置と、の距離が所定距離以上になった場合のゲーム画面を示す図である。
【図12】視点制御部による仮想カメラの位置の制御を説明するための図である。
【図13】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図14】動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図15】動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図16】パス動作が成功するか否かの判定方法を説明するための図である。
【図17】動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。
【図18】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図19】ボールを保持する選手キャラクタの背面側に仮想カメラが位置する場合に表示されるゲーム画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[1.実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機(スマートフォン)、携帯情報端末又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0026】
[1−1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。
【0027】
表示部32及び音声出力部34は、家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
【0028】
家庭用ゲーム機11は、公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0029】
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
【0030】
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0031】
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0032】
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
【0033】
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
【0034】
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0035】
光ディスク再生部24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために、光ディスク36が用られる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータが家庭用ゲーム機11に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータが家庭用ゲーム機11に供給されるようにしてもよい。
【0036】
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0037】
コントローラ30は、ユーザによる各種ゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。家庭用ゲーム機11には、一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14にされる。制御部14は、操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0038】
[1−2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、例えば、キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行する。以下では、サッカーの試合会場を模したゲーム空間のフィールド上において、複数の選手キャラクタがボールを移動させるサッカーゲームが実行される場合について説明する。
【0039】
このサッカーゲームにおいては、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合が行われる。サッカーゲームが開始されると、例えば、ゲーム空間が主記憶16に構築される。
【0040】
図2は、ゲーム空間の一例を示す図である。図2に示すゲーム空間50は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間である。図2に示すように、ゲーム空間50には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド52が配置される。
【0041】
フィールド52上には、2本のゴールライン54a,54b、2本のタッチライン56a,56b、及びセンターライン58が表されている。2本のゴールライン54a,54b及び2本のタッチライン56a,56bによって囲まれたピッチ59及び当該ピッチ59の周囲(ゴールライン54a,54b又はタッチライン56a,56bに接するピッチ59外の所定領域)において、試合が行われる。
【0042】
フィールド52上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール60と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ62と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ64と、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール66と、が配置される。
【0043】
ボール66は、フィールド52上を移動する。ピッチ59内にボール66がある場合は、競技が進行されるインプレーの状態となり、ピッチ59外にボール66が出た場合には、競技がいったん中断されるアウトオブプレーの状態となる。即ち、競技の進行中(インプレー中)においては、ボール66はピッチ59上を移動することになる。
【0044】
なお、各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。また、図2では省略されているが、フィールド52上には、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ62と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ64と、が配置される。
【0045】
選手キャラクタ62(64)とボール66とが近づくと、所定条件の下、当該選手キャラクタ62(64)とボール66とが関連づけられる。この場合、選手キャラクタ62(64)の移動動作は、ドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ62(64)にボール66が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ62(64)がボール66を保持している」というように記載する。
【0046】
また、ゲーム空間50には、仮想カメラ68(視点)が設定される。ゲーム空間50を仮想カメラ68から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。ゲーム画面は、ゲーム空間50に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。
【0047】
図3は、表示部32に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図3に示すゲーム画面70には、ユーザチームに所属する3体の選手キャラクタ62a,62b,62cと、対戦相手チームに所属する3体の選手キャラクタ64a,64b,64cと、ボール66と、が含まれる。図3の状態では、センターライン58付近において、選手キャラクタ62aがドリブル動作を行っている。
【0048】
なお、ゲーム空間50のうち、仮想カメラ68の視野内の領域がゲーム画面70に表示されるため、本実施形態においては、図3に示すようにゲーム画面70には、ピッチ59全体ではなく、ピッチ59の一部が表示される。例えば、ピッチ59のうち、ユーザの操作対象の位置に基づいて定まる領域が、ゲーム画面70に表示される。
【0049】
例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ62のうちの何れかが、ユーザの操作に基づいて行動する。図3に示す状態では、例えば、ボール66を保持している選手キャラクタ62a(ボールホルダー)が、ユーザの操作対象として設定されている。選手キャラクタ62aの頭上には、ユーザの操作対象に設定されていることを示すカーソル72が表示される。
【0050】
例えば、ユーザは、コントローラ30を用いて所与の操作信号を入力することによって、操作対象である選手キャラクタ62aを動作させる。例えば、選手キャラクタ62aがボール66を保持している場合、ユーザは、コントローラ30を用いて、選手キャラクタ62aにドリブル動作をさせたり、ボール66を保持する選手キャラクタ62aにパス動作をさせたりする。
【0051】
ゲーム空間50に配置される各選手キャラクタ62(64)のうちでユーザの操作対象とならないものは、所定の行動アルゴリズムに従って自律的に行動する。例えば、選手キャラクタ62a以外の選手キャラクタ62(例えば、選手キャラクタ62b,62c)は、コンピュータの操作に基づいて行動する。
【0052】
図3に示すように、例えば、選手キャラクタ62aがセンターライン58付近でドリブルする場合には、仮想カメラ68の位置は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置に基づいて決定される。例えば、選手キャラクタ62aがドリブルした方向に、仮想カメラ68が移動する。その結果、ボール66又はボール66を保持する選手キャラクタ62aがゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0053】
例えば、ボール66がセンターライン58付近にある場合には、ユーザが見たいと思う領域はボール66の周囲であることが考えられるので、上記のようにボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置に基づいて仮想カメラ68の制御が行われる。一方、他の位置にボール66がある場合には、ユーザが見たいと思う領域が異なる場合がある。
【0054】
図4は、タッチライン56付近で選手キャラクタ62aがボール66を保持している様子を示す図である。図4に示すように、タッチライン56aの付近でプレイが行われる状態においては、ユーザが見たいと思う領域は、タッチライン56aの付近であることが考えられる。したがって、タッチライン56aをゲーム画面70の上端部に近い位置に表示させてタッチライン56a付近が広く表れるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0055】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、タッチライン56aに向かってドリブルをした場合、仮想カメラ68の位置は、タッチライン56aに近づかないように制御される。即ち、仮想カメラ68がZw軸方向に移動しないように、仮想カメラ68のZw座標値が固定され、タッチライン56aがゲーム画面70の上端部に近い位置に表示される。
【0056】
他にも例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、タッチライン56と平行な方向にドリブルをしたり、タッチライン56に近づくようにボール66をパスさせる場合(例えば、選手キャラクタ62bにボール66をパスさせる場合)には、タッチライン56a付近でプレイが行われるので、上記と同様に、タッチライン56aをゲーム画面70の上端部付近に表示させることが好ましい。
【0057】
一方、タッチライン56a付近で選手キャラクタ62aが、タッチライン56aから離れる方向にボール66を移動させる場合、当該選手キャラクタ62aの動作に応じて、ユーザが見たいと思う領域が異なることが考えられる。そこで、本実施形態においては、選手キャラクタ62aの動作に応じて、仮想カメラ68の位置の制御方法が異なる構成になっている。
【0058】
図5は、タッチライン56の付近で選手キャラクタ62aがドリブルをする様子を示す図である。例えば、図4に示す状態から、選手キャラクタ62aがタッチライン56aから離れる方向にドリブルをした場合には、ボール66が遠くに移動することが考えにくい。したがって、この場合、ユーザが見たいと思う領域は、タッチライン56の付近であることが考えられる。
【0059】
そこで、選手キャラクタ62aがタッチライン56から一定距離離れるまでは、タッチライン56の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。即ち、仮想カメラ68がZw軸方向に移動しないように、仮想カメラ68のZw座標値が固定される。ゲーム画面70においては、タッチライン56aの表示位置がゲーム画面70の上端部に近い位置に固定され、選手キャラクタ62aの表示位置が除々に下側に移動する。
【0060】
一方、タッチライン56a付近でボール66を保持する選手キャラクタ62aが、ボール66がタッチライン56aから離れる方向にパス動作を行った場合には、上記のドリブル動作とは異なる方法で、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0061】
図6は、選手キャラクタ62aがパスをする様子を示す図である。例えば、選手キャラクタ62aがピッチの中央に向けてボール66をパスした場合には、ボール66はタッチライン56から離れた位置に移動する。したがって、この場合、タッチライン56付近でのプレイの重要性が低下するため、ユーザが見たいと思う領域は、ボール66の周囲であることが考えられる。
【0062】
そこで、選手キャラクタ62aがピッチ59の中央に向けてパス動作をする場合、仮想カメラ68の位置は、ボール66の位置に基づいて制御される。即ち、図6に示すように、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0063】
このように、例えば、タッチライン56付近でボール66を保持する選手キャラクタ62aがドリブル動作を行った場合とパス動作を行った場合とで、仮想カメラ68の位置の制御方法が異なる構成になっており、選手キャラクタ62aの動作に応じた最適な領域をユーザに確認させることができる構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
【0064】
[1−3.ゲーム装置において実現される機能]
図7は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。図7に示すように、ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームデータ記憶部80、表示制御部82、視点制御部84、及び変更部86を実現する。
【0065】
[1−3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部80は、例えば、主記憶16及び光ディスク36等を主として実現される。ゲームデータ記憶部80は、例えば、サッカーゲームを実現するために必要なデータを記憶する。例えば、ゲームデータ記憶部80は、実行中のゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する場合を説明する。ゲーム状況データは、ゲーム空間50の現在の状況を示すデータともいえる。
【0066】
例えば、下記に示すようなデータが、ゲーム状況データに含まれる。
(1)各選手キャラクタ62(64)の現在の状態(位置、姿勢、移動方向、及び移動速度等)及びボール66の現在の状態(位置、移動方向及び移動速度等)を示すデータ
(2)ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ62(64)を示すデータ
(3)ボール66を保持している選手キャラクタ62(64)を示すデータ
(4)ピッチ59の位置やタッチライン56の位置を識別するデータ
(5)仮想カメラ68の現在の状態(位置、視線方向、注視点、及び画角等)を示すデータ
(6)その他、試合の状況(例えば、両チームの得点や経過時間)を示すデータ
【0067】
なお、制御部14は、ゲームデータ記憶部80に記憶されたデータを取得する手段として機能する。また、制御部14は、ゲームデータ記憶部80に記憶されたデータを更新する手段として機能する。なお、ゲームデータ記憶部80に記憶されるデータは、上記の例に限られない。他にも例えば、選手キャラクタ62(64)に関する各種パラメータ等が格納されていてもよい。
【0068】
[1−3−2.表示制御部]
表示制御部82は、例えば、制御部14を主として実現される。表示制御部82は、ゲーム空間50を所与の視点(例えば、仮想カメラ68)から見た様子を示す画像(例えば、ゲーム画面70)を表示手段(例えば、表示部32)に表示させる。
【0069】
例えば、ゲーム空間50に配置されたオブジェクトのうち、仮想カメラ68の視野内のオブジェクトに座標変換処理(ジオメトリ処理)が実行されることによって、ゲーム画面70が表示部32に表示される。仮想カメラ68の視野は、例えば、仮想カメラ68の位置、視線方向、及び画角に基づいて定まる。
【0070】
[1−3−3.視点制御部]
視点制御部84は、例えば、制御部14を主として実現される。視点制御部84は、移動物体(例えば、ボール66)の位置と、移動物体を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)の位置と、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御する。
【0071】
即ち、視点制御部84は、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせに基づいて、仮想カメラ68の位置を制御する。視点制御部84による、仮想カメラ68の位置の制御方法は、後述の変更部86により変更される。即ち、視点制御部84が、これら三つのうち何に基づいて仮想カメラ68の位置を制御するか、は変更部86により変更される。
【0072】
[1−3−4.変更部]
変更部86は、例えば、制御部14を主として実現される。変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0073】
「タッチライン56付近」とは、タッチライン56からの距離が所定距離以下となる位置である。当該所定距離は、予め定められた距離であればよく、例えば、仮想カメラ68の視野の広さに基づいて定まる距離であってもよい。例えば、仮想カメラ68の視野のうち垂直方向の視野の幅の半分の距離が、所定距離として設定される。
【0074】
図8は、タッチライン56付近の領域を示す図である。図8に示すように、本実施形態においては、タッチライン56aとの距離が所定距離L1以内である領域100a又はタッチライン56bとの距離が基準距離L1以内である領域100b内が、タッチライン56の付近の領域として設定される。
【0075】
例えば、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、領域100内にいる場合が、タッチライン56付近で選手キャラクタ62(64)がボール66を保持している場合に相当する。
【0076】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)は、例えば、領域100において、所与の動作を行ってボール66を移動させる。選手キャラクタ62(64)が行う動作の類型は、予めゲームデータ記憶部80に定義されているようにしてもよい。これら予め用意された複数の動作類型の何れかが、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によって行われる。
【0077】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)は、下記の類型のうちの何れかの類型の動作を行う。
(類型A)ボール66を保持したまま、ボール66を移動させる動作(例えば、ドリブル動作、トラップ動作)
(類型B)ボール66を移動させる動作であって、当該動作を行った後にボール66を保持しない状態に変化する動作(例えば、パス動作、センタリング動作、シュート動作、クリア動作)
【0078】
類型A又は類型Bの動作が行われた場合、ボール66が移動する。本実施形態においては、タッチライン56付近でボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、類型Aの動作を行ったか類型Bの動作を行ったかに基づいて、視点制御部84による仮想カメラ68の位置の制御方法が決定される。
【0079】
本実施形態においては、変更部86が、動作の類型を示す情報と、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0080】
図9は、動作の類型を示す情報と制御情報との対応付けを示す図である。動作の類型を示す情報としては、例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により行われた動作が、ゲームデータ記憶部80に定義された動作類型のうち何れの動作類型に属するかを判定するための判定基準、又は、動作類型に属すると判定されるために、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により行われた動作が満たすべき条件、又は、動作類型に属する動作が満たす条件が格納される。
【0081】
制御情報としては、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせを示す情報が格納される。制御情報が示す、ボール66の位置と、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの位置と、タッチライン56の位置と、の何れか一つ、又は、二つ若しくは三つの組み合わせに基づいて、仮想カメラ68が制御される。
【0082】
また、本実施形態においては、変更部86が、競技領域(例えば、ピッチ59)内と前記競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62(64))が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する、場合を説明する。
【0083】
即ち、変更部86は、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作と、図9に示す対応付けと、を比較することによって、何れの類型の動作が行われたかを特定する。例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作が、判定基準を満たすか否かが判定される。また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が行った動作が、図9に示す条件を満たすか否かが判定される。
【0084】
本実施形態においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、類型Aの動作を行ったか、又は、類型Bの動作を行ったか、が特定される。そして、類型A又は類型Bに対応付けられた制御情報に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0085】
[類型A(ドリブル動作等)の動作が行われた場合]
まず、類型Aの動作が行われた場合の変更部86の制御について説明する。
【0086】
例えば、変更部86は、境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を保持したまま、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作(例えば、類型Aの動作)を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置又は移動物体を保持するキャラクタの位置と、境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる。
【0087】
ここでは、説明の簡略化のため、ボール66の位置と、タッチライン56の位置と、に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される場合を説明する。類型A(ドリブル動作等)の動作が行われた場合の以降の説明で、「ボール66の位置」の記載は、「ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置」と読み替えることが可能である。
【0088】
視点制御部84は、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が第1の関係を満たし、かつ、タッチライン56の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が第2の位置関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0089】
図10は、類型Aの動作が行われた場合の仮想カメラ68の位置制御を説明するための図である。図10に示すように、第1の関係とは、例えば、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)と、を結ぶベクトルV1のXw軸成分(即ち、タッチライン56方向の成分、又は、仮想カメラ68から見て水平方向成分)が所与のベクトルとなる関係である。即ち、仮想カメラ68は、ボール66のタッチライン56方向の位置変化に追従するようにして移動する。
【0090】
第2の関係とは、例えば、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)とタッチライン56との距離が、所定範囲となる関係であり、当該距離が所定距離を保つ関係である。別の言い方をすれば、タッチライン56がゲーム画面70の所定位置に表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。例えば、タッチライン56と、仮想カメラ68の注視点の位置Q(仮想カメラ68の視線方向V2上の位置)と、が所定距離D2になるように、仮想カメラ68の位置が制御される。即ち、タッチライン56に直交する方向に仮想カメラ68が移動しないように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0091】
上記のように、本実施形態においては、仮想カメラ68のZw軸方向(タッチライン56の垂直方向)の位置が変化しないように、仮想カメラ68の位置が制御され、仮想カメラ68のXw軸方向成分の位置については、ボール66の位置に基づいて制御される。
【0092】
なお、視点制御部84が、ボール66の位置と、タッチライン56aの位置と、に基づいて仮想カメラ68の位置を制御する方法は、上記の例に限られない。ゲーム画面70において、ボール66が第1の位置(例えば、ゲーム画面70における水平方向の位置が所定位置となる位置)に表示され、タッチライン56aが第2の位置(例えば、ゲーム画面70の端部付近の所定位置)の表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御されるようにすればよい。
【0093】
また、本実施形態においては、変更部86が、境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を保持したまま、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、移動物体又は移動物体を保持するキャラクタが境界から所定距離以上離れた場合、境界の位置に基づいた視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を制限し、視点制御部84に、移動物体の位置又は移動物体を保持するキャラクタの位置に基づいて、視点の位置を制御させる、場合を説明する。
【0094】
例えば、変更部86は、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56から離れる方向にドリブルをした場合、ボール66の位置又は当該選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離を算出し、当該算出された距離が所定距離以上であるか否かを判定する。
【0095】
図11は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離が所定距離以上になった場合のゲーム画面70を示す図である。図11に示すように、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がタッチライン56から離れすぎた場合には、タッチライン56の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が決定される制御が抑止される。この場合、視点制御部84は、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置と、が所定の関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が決定される。即ち、図11に示すように、ボール66が中心付近に表示される。
【0096】
[類型B(例えば、パス動作)の動作が行われた場合]
次に、類型Bの動作が行われた場合の変更部86の制御について説明する。
【0097】
例えば、変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作(例えば、類型Bの動作)を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0098】
類型Bの動作が行われた場合、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が所定の関係を満たすように仮想カメラ68の位置が制御される。例えば、ボール66の位置の変化に基づいて仮想カメラ68が移動する。例えば、ボール66の位置と仮想カメラ68の位置との位置関係が所定の位置関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が制御される。所定の位置関係とは、例えば、ボール66の位置と、仮想カメラ68の位置(又は、注視点)と、を結ぶベクトルが所与のベクトルとなる関係である。即ち、仮想カメラ68は、ボール66の位置に追従するようにして移動する。
【0099】
図12は、視点制御部84による仮想カメラ68の位置の制御を説明するための図である。図12に示すように、例えば、ボール66の位置から、ボール66の移動方向V3に向けて、ボール66の移動速度に応じた距離D1だけ離れた位置Qが、仮想カメラ68の注視点となるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0100】
なお、仮想カメラ68の位置の制御方法は、上記の例に限られない。ボール66の位置と仮想カメラ68の位置とが所定の関係を保つように、仮想カメラ68の位置が制御されるようにすればよい。
【0101】
[1−4.ゲーム装置において実行される処理]
図13は、ゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。当該処理は、ゲーム装置10においてサッカーの試合が開始された後に実行される。制御部14は、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、図13に示す処理を実行する。
【0102】
まず、図13に示すように、制御部14は、ゲーム状況データを参照し、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいるか否かを判定する(S1)。S1においては、例えば、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、の距離が所定距離L1以下であるか否かが判定される。即ち、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、領域100内であるか否かが判定される。
【0103】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいると判定されない場合(S1;N)、制御部14は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置に基づいて仮想カメラ68の位置を制御する(S2)。即ち、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、ピッチ59のうち領域100以外の領域である場合、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)と、仮想カメラ68の位置と、の位置関係が所定の関係を満たすように、仮想カメラ68の位置が決定される。
【0104】
ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近にいると判定された場合(S1;Y)、制御部14は、当該選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56から離れる方向にボール66を移動させる動作を行ったか否かを判定する(S3)。S3の判定は、例えば、ボール66の位置の変化や、ユーザ又はコンピュータによる方向指示操作が取得されることによって行われる。
【0105】
タッチライン56から離れる方向にボール66を移動させる動作が行われたと判定された場合(S3;Y)、制御部14は、当該動作の類型を特定する(S4)。S4においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)を操作するユーザ又はコンピュータの操作内容が取得され、当該操作内容に基づいて、動作の類型が特定される。例えば、「パス動作」や「シュート動作」等に対応するコントローラ30のボタンが、ユーザにより押下されたか否かが判定される。また例えば、所定の行動アルゴリズムに基づいて行われるコンピュータの操作が「パス動作」や「シュート動作」等を示しているか否かが判定される。
【0106】
制御部14は、S4において特定した動作の類型が、「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であるか否かを判定する(S5)。「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であると判定された場合(S5;Y)、制御部14は、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、タッチライン56から一定距離以上離れたか否かを判定する(S6)。
【0107】
ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置が、タッチライン56から一定距離以上離れたと判定されない場合(S6;N)、制御部14は、仮想カメラ68の位置を、ボール66の位置又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の位置と、タッチライン56の位置と、に基づいて制御する(S7)。この場合、タッチライン56の垂直方向については、仮想カメラ68の位置が固定され、かつ、タッチライン56の水平方向については、仮想カメラ68が、ボール66の移動又はボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の移動に従動する。
【0108】
タッチライン56から一定距離以上離れたと判定された場合(S6;Y)、処理はS2に移行する。即ち、S7における位置制御の実行が制限され、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示される。
【0109】
一方、「ドリブル動作」又は「トラップ動作」であると判定されない場合(S5;N)、制御部14は、S4において特定した動作の類型が、「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であるか否かを判定する(S8)。
【0110】
「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であると判定された場合(S8;Y)、制御部14は、仮想カメラ68の位置を、ボール66の位置に基づいて制御する(S9)。即ち、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0111】
「パス動作」、「センタリング動作」、「シュート動作」、又は「クリア動作」であると判定されない場合(S8;N)、処理はS2に移行する。なお、この場合、ボール66はほとんど移動しないので、処理をS6に移行させるようにしてもよい。
【0112】
制御部14は、S2、S7、又はS9において決定された仮想カメラ68の位置に基づいて、仮想カメラ68からゲーム空間50を見た様子を示すゲーム画面70を表示部32に表示させる(S10)。
【0113】
制御部14は、終了条件を満たすか否かを判定する(S11)。終了条件は、本処理を終了させるために予め定められた条件であればよい。例えば、試合が終了したか否か、又は、ユーザにより所与の終了指示が入力されたか否かが判定される。
【0114】
終了条件を満たすと判定されない場合(S11;N)、処理はS1に戻る。終了条件を満たすと判定された場合(S11;Y)、本処理は終了する。
【0115】
以上説明したゲーム装置10によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がタッチライン56の付近で行った動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御を変更することによって、ユーザが見たいと思う最適な領域をゲーム画面70に表示させることができる。
【0116】
例えば、選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近でドリブルする場合には、タッチライン56付近にいる他の選手キャラクタ62(64)をユーザが確認しやすいように、タッチライン56をゲーム画面70の端部付近に表示させてピッチ59内の領域を広く表示させることができる。そして、この選手キャラクタ62(64)がタッチライン56から一定距離以上離れた場合には、ボール66がゲーム画面70の中央付近に表示させるようにすることができる。
【0117】
一方、選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近からピッチ59の中央に向けてパスをする場合には、ボール66の周囲にいる選手キャラクタ62(64)をユーザが確認しやすいように、ボール66の周囲を満遍なく表示させることができる。
【0118】
[2.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0119】
(1)例えば、実施形態においては、類型Bの動作(例えば、パス動作)が行われた場合、ボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される場合を説明したが、類型Bの動作が行われた場合であっても、ボール66がタッチライン56からあまり離れずにタッチライン56をゲーム画面70に表示させた方が好ましい場合がある。
【0120】
例えば、タッチライン56付近からロングパスが行われた場合には、ボール66がタッチライン56から遠くに離れるので、ユーザが見たいと思う領域はタッチライン56付近ではなくボール66の周囲であることが考えられるが、タッチライン56付近で短いパス(ショートパス)が行われた場合には、ボール66がタッチライン56からあまり離れないので、ユーザが見たいと思う領域はタッチライン56付近であることが考えられる。
【0121】
変形例(1)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近からショートパスを行った場合には、タッチライン56付近をゲーム画面70に表示させることによって、ユーザが見たいと思う領域を表示させる場合を説明する。
【0122】
変形例(1)の変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界(例えば、タッチライン56)から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0123】
変更部86は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、移動物体を境界(例えば、タッチライン56)から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、視点制御部84に、移動物体の位置と境界の位置とに基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0124】
例えば、図9に示す対応付けデータに、動作の類型を示す情報として、ボール66をタッチライン56から所定距離以上離れるように移動させる動作(例えば、ロングパス)、又は、ボール66をタッチライン56から所定距離以上離れないように移動させる動作(例えば、ショートパス)が行われるための条件が格納される。
【0125】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、ロングパスを行うか又はショートパスを行うかが、ユーザ又はコンピュータの操作に基づいて判定される。また例えば、選手キャラクタ62(64)がボール66を蹴る強さが所定範囲であるか否かが判定されるようにしてもよい。ボール66を蹴る強さが基準値以上である場合、仮想カメラ68の位置が、ボール66の位置とタッチライン56の位置とに基づいて制御される。また例えば、ボール66を蹴る強さが基準値未満である場合、仮想カメラ68の位置が、ボール66の位置に基づいて制御される。なお、選手キャラクタ62(64)がボール66を蹴る強さも、ユーザ又はコンピュータの操作に基づいて決定される。
【0126】
変形例(1)によれば、例えば、同じパス動作が行われた場合であっても、ロングパスであればボール66の周囲を表示させるように仮想カメラ68の位置制御を行い、ショートパスであればタッチライン56の付近を表示させるように仮想カメラ68の位置制御を行うことができる。
【0127】
(2)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がボール66を移動させた場合、当該ボール66の移動速度が速ければ、タッチライン56から遠くにボール66が離れることが考えられる。一方、当該ボール66の移動速度が遅ければ、タッチライン56からボール66があまり離れないことが考えられる。
【0128】
例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)が、タッチライン56付近からピッチ59の中央に向けてパス動作を行った場合であっても、ボール66がゆっくり移動すれば、タッチライン56からボール66があまり離れないので、ユーザが確認したいと思う領域は、タッチライン56付近であることが考えられる。一方、ボール66が速く移動すれば、タッチライン56からボール66が遠くに離れるので、ユーザが確認したいと思う領域は、ボール66の周囲であることが考えられる。
【0129】
変形例(2)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、例えば、パス動作を行った場合、ボール66の移動速度に基づいて、仮想カメラ68の位置の制御方法を変更する場合を説明する。
【0130】
変形例(2)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段を含む。当該手段は、制御部14を主として実現される。基準速度は、予め定められた速度であればよい。例えば、ゲーム状況データに格納されたボール66の移動速度を示す値が参照され、当該値が予め定められた閾値以上であるか否かが判定される。
【0131】
変形例(2)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体を保持するキャラクタが、境界から離れる方向に移動物体(例えば、ボール66)を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び移動速度判定手段の判定結果に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0132】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0133】
図14は、動作の類型を示す情報と、移動速度判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図14に示すように、移動速度判定手段の判定結果を示す情報としては、ボール66の移動速度が基準速度以上であるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、移動速度判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0134】
例えば、ボール66の移動速度を示す値が閾値以上であった場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。また例えば、ボール66の移動速度を示す値が閾値未満であった場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0135】
変形例(2)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により所定類型の動作が行われた場合であっても、ボール66の移動速度に応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0136】
(3)また例えば、選手キャラクタ62aがパス動作を行った場合、ボール66がピッチ59から高く浮き上がるようなパス(例えば、ロングパス)であれば、ボール66が遠くに移動すると考えられるので、ボール66の周囲を満遍なく表示させることが好ましいが、ボール66がピッチ59からあまり離れないようなパス(例えば、ショートパス)であれば、ボール66が遠くに移動する可能性は低いので、仮想カメラ68をタッチライン56付近で固定させる方が好ましい。
【0137】
変形例(3)においては、ボール66を保持する選手キャラクタ62aが、例えば、パス動作を行った場合、ボール66がピッチ59から高く浮き上がったか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御が変更される場合を説明する。
【0138】
変形例(3)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段を含む。当該手段は、制御部14を主として実現される。基準高さは、ゲーム空間50の垂直方向(Yw軸方向)の所定の高さであればよい。例えば、ゲーム状況データに格納されたボール66の位置が参照され、ボール66とピッチ59との距離が所定距離以上であるか否かが判定される。また例えば、ボール66の移動方向とピッチ59とのなす角度が所定角度以上であるか否かが判定されるようにしてもよい。
【0139】
また、変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作(例えば、パス動作)を行った場合、当該動作の類型及び高さ判定手段の判定結果に基づいて、視点制御部84による視点(例えば、仮想カメラ68)の位置の制御を変更する。
【0140】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0141】
図15は、動作の類型を示す情報と、高さ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図15に示すように、高さ判定手段の判定結果を示す情報としては、ボール66の高さが基準高さ以上になるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、移動速度判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0142】
例えば、ボール66がピッチ59から基準高さ以上まで浮き上がった場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。また例えば、ボール66がピッチ59から基準高さ以上まで浮き上がっていない場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置及びボール66の位置に基づいて仮想カメラ68の位置が制御される。
【0143】
変形例(3)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)により所定類型の動作が行われた場合であっても、ボール66が浮き上がった高さに応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0144】
(4)また例えば、実施形態のように、複数のキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62(64))が所属するチーム同士が対戦するゲームが実行される場合、パス動作が失敗する可能性がある。例えば、選手キャラクタ62aがタッチライン56付近からパス動作を行ったとしても、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ64にパスカットされることが予想される場合には、仮想カメラ68をタッチライン56付近で固定させる方が好ましい場合もある。
【0145】
変形例(4)においては、パス動作が成功するか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御が変更される場合を説明する。
【0146】
変形例(4)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が当該キャラクタと同じチームに所属する他のキャラクタへのパス動作を行った場合、移動物体の位置又はパス動作を行ったキャラクタの位置と、移動物体の移動方向又は他のキャラクタの位置(例えば、選手キャラクタ62b)と、パス動作を行ったキャラクタとは異なるチームに所属するキャラクタの位置(例えば、選手キャラクタ64)と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する。
【0147】
図16は、パス動作が成功するか否かの判定方法を説明するための図である。図16に示すように、選手キャラクタ62aがパス動作を行う場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ64の位置に基づいて支配領域110(図16に示す支配領域110a,110b)がゲーム空間50に設定される。支配領域110は、選手キャラクタ64の位置を含む領域であり、例えば、選手キャラクタ64の位置を中心とした所定半径の円内の領域である。
【0148】
例えば、ボール66の位置から移動方向V4(パス方向)に向けた直線が、選手キャラクタ64の支配領域110と交差しない場合には、パス動作が成功すると判定される。一方、例えば、ボール66の位置から移動方向V4(パス方向)に向けた直線が、選手キャラクタ64の支配領域110と交差する場合には、パス動作が失敗すると判定される。
【0149】
なお、パス動作が成功するか否かの判定方法は、上記の例に限られない。例えば、パス動作を行う選手キャラクタ62aの位置と、パスの相手先の選手キャラクタ62の位置と、を結ぶ直線上に、選手キャラクタ64の支配領域110があるか否かが判定されることによって、パス動作が成功するか否かが判定されるようにしてもよい。他にも例えば、ボール66の位置から移動方向に向けた直線と選手キャラクタ64の位置との距離に基づいて、パス動作が成功するか否かが判定されるようにしてもよい。
【0150】
変形例(4)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向にパス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、視点制御部84に、移動物体の位置に基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0151】
一方、変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向にパス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、視点制御部84に、移動物体の位置と境界の位置とに基づいて視点(例えば、仮想カメラ68)の位置を制御させる。
【0152】
パス動作が成功すると判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。一方、例えば、パス動作が失敗すると判定された場合(即ち、タッチライン56付近でパスカットされる場合)、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置とボール66の位置とに基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0153】
変形例(4)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によりパス動作が行われた場合であっても、パス動作が成功するか否かに基づいて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0154】
(5)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)がパス動作をした場合、タッチライン56付近の領域100のうちボール66の移動方向側に、他の選手キャラクタ62(64)がいる場合、当該他の選手キャラクタ62(64)がタッチライン56付近でボール66を保持することが考えられる。この場合、ボール66はタッチライン56の付近に位置することが考えられるので、仮想カメラ68を第2視点制御部86に制御させることが好ましい。
【0155】
そこで、変形例(5)においては、タッチライン56付近でボール66が移動された場合、タッチライン56付近の領域100のうちボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かに基づいて、仮想カメラ68の位置の制御を切り替えるか否かが判定される場合を説明する。
【0156】
変形例(5)のゲーム装置10は、移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタが移動物体を移動させた場合、境界(例えば、タッチライン56)付近のうち移動物体から見て移動方向側に、他のキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62b)がいるか否かを判定するキャラクタ判定手段を含む。当該手段は、制御部14により実現される。
【0157】
ボール66の移動方向側とは、ボール66の位置からボール66の移動方向に向けて所定距離離れた位置を含む領域内のことである。例えば、タッチライン56内にいる選手キャラクタ62(64)のうち、ボール66の現在位置から移動方向に向けて伸びる直線との距離が所定距離以内の選手キャラクタ62(64)がいるか否かが判定される。
【0158】
変形例(5)の変更部86は、競技領域(例えば、ピッチ59)内と競技領域外との境界(例えば、タッチライン56)付近で移動物体(例えば、ボール66)を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)が、境界から離れる方向に移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及びキャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、視点制御手段による視点の位置の制御を変更する。
【0159】
例えば、変更部86は、動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段を含む場合を説明する。
【0160】
図17は、動作の類型を示す情報と、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報と、制御情報と、の対応付けを示す図である。図17に示すように、キャラクタ判定手段の判定結果を示す情報としては、タッチライン56付近のうちボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かを示す条件が格納される。変更部86は、動作の類型と、キャラクタ判定手段の判定結果と、に対応付けられた制御情報に基づいて、視点制御部84による視点の位置の制御を変更する。
【0161】
ボール66の移動方向側に他の選手キャラクタ62(64)がいないと判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えられるので、ボール66の周囲が満遍なく表示されるように、ボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。一方、例えば、ボール66の移動方向側に他の選手キャラクタ62(64)がいると判定された場合、ボール66が遠くに移動することが考えにくいので、タッチライン56の近辺で仮想カメラ68の位置が固定されるように、タッチライン56の位置及びボール66の位置に基づいて、仮想カメラ68の位置が制御される。
【0162】
変形例(5)によれば、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)によりパス動作が行われた場合であっても、ボール66の移動方向側に選手キャラクタ62(64)がいるか否かに応じて、タッチライン56付近を表示させるか、ボール66の周囲を満遍なく表示させるかを切り替えることができる。
【0163】
(6)また例えば、ボール66を保持する選手キャラクタ62aがタッチライン56の付近にいた場合であっても、仮想カメラ68の位置と視線方向次第では、ゲーム画面70内にピッチ59の領域が十分に広く表示され、かつ、ボール66の周囲も満遍なく表示させるため、変更部86により仮想カメラ68の位置の制御を変更させなくてもよい場合がある。
【0164】
図18は、ゲーム空間50の一例を示す図である。例えば、タッチライン56付近で選手キャラクタ62aがボール56を保持する状況において、当該選手キャラクタ62aの背面側に仮想カメラ68がある場合には、ゲーム画面70においては、タッチライン56付近及びボール66の周囲が比較的広く表示される。
【0165】
図19は、ボール66を保持する選手キャラクタ62aの背面側に仮想カメラ68が位置する場合に表示されるゲーム画面70の一例である。仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56の方向を向いている場合、図19に示すように、ゲーム画面70において、ピッチ59が比較的広く表示される。即ち、仮想カメラ68の画角は、表示部32のアスペクト比(例えば、16:9又は4:3)に基づいて設定されるため、横長の画面を有する表示部32の場合には、図19のように、タッチライン56付近にボール66がある場合でも、ピッチ59が広く表示される。
【0166】
このような場合には、仮想カメラ68の位置を、タッチライン56の位置に基づいて制御しなくても、ユーザは、タッチライン56付近を十分に確認しつつ、ボール66の周囲も満遍なく確認することができるので、変更部86により、仮想カメラ68の位置制御を変更させないようにしてもよい。
【0167】
変形例(6)のゲーム装置10は、視点の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度(例えば、図18に示す角度θ)が所定角度以上であるか否かを判定する。別の言い方をすれば、仮想カメラ68の視線方向がタッチライン56の方向を向いているか否かが判定される。例えば、ゲーム状況データに格納された仮想カメラ68の視線方向と、タッチライン56の方向と、が比較されることによって、図18に示す角度θが取得される。所定角度は、予め定められた角度(例えば、45°)であればよい。
【0168】
ゲーム装置10は、視点(例えば、仮想カメラ68)の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、変更部86により視点制御部84の制御を変更させる。即ち、仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56と垂直に近い関係の場合、ボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の動作次第では、ユーザが見たいと思う領域を表示させることができないことがあるので、変更部86により視点制御部84の制御が変更される。
【0169】
一方、ゲーム装置10は、視点(例えば、仮想カメラ68)の視線方向と境界(例えば、タッチライン56)とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、変更部86による変更を制限し、視点制御部84に、移動物体(例えば、ボール66)の位置又は移動物体を保持するキャラクタ(例えば、選手キャラクタ62a)の位置に基づいて視点の位置を制御させる。例えば、仮想カメラ68の視線方向が、タッチライン56の方向を向いている場合、タッチライン56付近を表示させつつ、ボール66の周囲も見やすく表示させることができるので、変更部86による視点制御部84の制御が行われない。
【0170】
変形例(6)によれば、変更部86により仮想カメラ68の位置の制御を変更させなくても、タッチライン56付近を確認しつつ、ボール66の周囲を確認しやすい場合には、変更部86による変更を抑止することができる。したがって、仮想カメラ68の位置の制御を変更することによるゲーム装置10の処理負荷の増加を抑えることができる。
【0171】
(7)また例えば、ピッチ59の境界をタッチライン56として説明したが、境界はゴールライン54であってもよい。この場合、変更部86は、ゴールライン54付近でボール66を保持する選手キャラクタ62(64)の動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御を変更する。
【0172】
(8)また例えば、実施形態及び上記変形例においては、類型Aの動作又は類型Bの動作が行われる場合を説明したが、サッカーゲームにおいて行われる動作の類型に応じて、仮想カメラ68の位置の制御が変更されるようにすればよい。他にも例えば、タッチライン56付近でスローインの動作が行われるようにしてもよい。スローインの動作が行われる場合には、パス動作の場合で説明した内容と同様に、ロングスローが行われるか否かで仮想カメラ68の制御方法を変更するようにしてもよい。
【0173】
(9)また例えば、ゲーム空間50を、図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、選手キャラクタ62(64)やボール66の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0174】
(10)また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。本発明は、キャラクタが競技領域内で移動物体を移動させるゲームに適用できる。例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲームなどを実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0175】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク再生部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、30a 表面、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、50 ゲーム空間、52 フィールド、54a,54b ゴールライン、56,56a,56b タッチライン、58 センターライン、59 ピッチ、60 ゴール、62,62a,62b,62c,64,64a,64b,64c 選手キャラクタ、66 ボール、68 仮想カメラ、70 ゲーム画面、72 カーソル、80 ゲームデータ記憶部、82 表示制御部、84 視点制御部、86 変更部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段と、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記動作の類型を示す情報と、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段、
を含み、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた前記制御情報に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記変更手段は、
前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、前記移動物体又は前記移動物体を保持するキャラクタが前記境界から所定距離以上離れた場合、前記境界の位置に基づいた前記視点の位置の制御を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて、前記視点の位置を制御させる、
を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記変更手段は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記変更手段は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム装置は、
前記移動物体の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記移動速度判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム装置は、
前記移動物体が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記高さ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームは、複数の前記キャラクタが所属するチーム同士が対戦するゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが当該キャラクタと同じチームに所属する他の前記キャラクタへのパス動作を行った場合、前記移動物体の位置又は前記パス動作を行った前記キャラクタの位置と、前記移動物体の移動方向又は前記他のキャラクタの位置と、前記パス動作を行った前記キャラクタとは異なるチームに所属する前記キャラクタの位置と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する成功判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム空間には、複数の前記キャラクタが配置され、
前記ゲーム装置は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが前記移動物体を移動させた場合、前記境界付近のうち前記移動物体から見て移動方向側に他の前記キャラクタがいるか否かを判定するキャラクタ判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記キャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記ゲーム装置は、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定する手段と、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、前記変更手段により前記視点制御手段の制御を変更させる手段と、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、前記変更手段による変更を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて前記視点の位置を制御させる手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御ステップと、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御ステップにおける前記視点の位置の制御を変更する変更ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項13】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段、
を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段と、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記動作の類型を示す情報と、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御方法を示す制御情報と、を対応付けたデータを記憶する手段から当該データを取得する手段、
を含み、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に関連付けられた前記制御情報に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記境界の位置と、に基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記変更手段は、
前記境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を保持したまま、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作を行ったことによって、前記移動物体又は前記移動物体を保持するキャラクタが前記境界から所定距離以上離れた場合、前記境界の位置に基づいた前記視点の位置の制御を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて、前記視点の位置を制御させる、
を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記変更手段は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から離れる方向に移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記変更手段は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れるように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記移動物体を前記境界から所定距離以上離れないように移動させる動作であって、かつ、当該動作を行った後の当該キャラクタが前記移動物体を保持しない状態になるような動作を行った場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム装置は、
前記移動物体の移動速度が基準速度以上であるか否かを判定する移動速度判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記移動速度判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム装置は、
前記移動物体が基準高さ以上まで移動するか否かを判定する高さ判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記高さ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームは、複数の前記キャラクタが所属するチーム同士が対戦するゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが当該キャラクタと同じチームに所属する他の前記キャラクタへのパス動作を行った場合、前記移動物体の位置又は前記パス動作を行った前記キャラクタの位置と、前記移動物体の移動方向又は前記他のキャラクタの位置と、前記パス動作を行った前記キャラクタとは異なるチームに所属する前記キャラクタの位置と、に基づいて、当該パス動作が成功するか否かを判定する成功判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が成功すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置に基づいて前記視点の位置を制御させ、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記パス動作を行い、かつ、当該パス動作が失敗すると判定された場合、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置と前記境界の位置とに基づいて前記視点の位置を制御させる、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム空間には、複数の前記キャラクタが配置され、
前記ゲーム装置は、
前記移動物体を保持する前記キャラクタが前記移動物体を移動させた場合、前記境界付近のうち前記移動物体から見て移動方向側に他の前記キャラクタがいるか否かを判定するキャラクタ判定手段、
を更に含み、
前記変更手段は、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型及び前記キャラクタ判定手段の判定結果に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記ゲーム装置は、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定する手段と、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度以上であると判定された場合、前記変更手段により前記視点制御手段の制御を変更させる手段と、
前記視点の視線方向と前記境界とのなす角度が所定角度未満であると判定された場合、前記変更手段による変更を制限し、前記視点制御手段に、前記移動物体の位置又は前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置に基づいて前記視点の位置を制御させる手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御ステップと、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御ステップにおける前記視点の位置の制御を変更する変更ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項13】
キャラクタがゲーム空間の競技領域で移動物体を移動させて行う競技のゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示手段に表示させる表示制御手段、
前記移動物体の位置と、前記移動物体を保持する前記キャラクタの位置と、前記競技領域内と前記競技領域外との境界の位置と、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記視点の位置を制御する視点制御手段、
前記競技領域内と前記競技領域外との境界付近で前記移動物体を保持する前記キャラクタが、前記境界から離れる方向に前記移動物体を移動させる動作を行った場合、当該動作の類型に基づいて、前記視点制御手段による前記視点の位置の制御を変更する変更手段、
を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−39225(P2013−39225A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177851(P2011−177851)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]