説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】映像が表示されるタイミングと、その映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減を図ることが可能になるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】映像再生手段(ハイライトシーン映像再生制御部72)は、映像を再生する。映像対応音声再生手段(解説音声再生制御部78)は、映像に対応する映像対応音声を再生する。再生状態判定部76は、映像の再生状態と、該映像に対応する映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足する否かを判定する。再生状態案内音声再生制御部80は、再生状態判定部76による判定結果に応じて、映像又は/及び映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置では、映像がモニタに表示されるとともに、該映像に関する音声がスピーカから出力される場合がある。例えばスポーツゲームでは、現実のスポーツの試合のテレビ中継のように、試合終了後に、特定のプレイ(例えばシュート等)が行われた場面のリプレイ映像をハイライトシーンとしてモニタに表示するとともに、リプレイ映像に関する音声(例えば、解説者等がハイライトシーンについて解説する音声)をスピーカから出力することによって、ゲームの興趣の向上を図ることが行われている。
【特許文献1】特許第3209988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなゲーム装置では、映像が表示されるタイミングと、その映像に関する音声が出力されるタイミングと、が一致するように、映像の表示及び音声の出力が同期していることが好ましい。しかしながら、そのような同期を実現するためには複雑な処理を実行しなければならない場合がある。このため、例えば、上記のようなスポーツゲームを実行するゲーム装置では、リプレイ映像が表示されるタイミングと、そのリプレイ映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないまま、リプレイ映像の表示及び音声の出力が行われる場合がある。このような場合、プレイヤは、モニタに表示されるリプレイ映像に係る場面と、スピーカから出力される音声に係る場面と、が異なることによって違和感を感じてしまう場合がある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、映像が表示されるタイミングと、その映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減を図ることが可能になるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、映像を再生する映像再生手段と、前記映像に対応する映像対応音声を再生する映像対応音声再生手段と、前記映像の再生状態と、該映像に対応する前記映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定する再生状態判定手段と、前記再生状態判定手段による判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生する再生状態案内音声再生手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、映像を再生するための映像再生ステップと、前記映像に対応する映像対応音声を再生するための映像対応音声再生ステップと、前記映像の再生状態と、該映像に対応する前記映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定するための再生状態判定ステップと、前記再生状態判定ステップによる判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声再生ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、ゲーム装置として、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、映像を再生する映像再生手段、前記映像に対応する映像対応音声を再生する映像対応音声再生手段、前記映像の再生状態と、該映像に対応する映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定する再生状態判定手段、及び、前記再生状態判定手段による判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生する再生状態案内音声再生手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明では、映像が再生される。また、映像に対応する映像対応音声が再生される。そして、本発明では、映像の再生状態と、該映像に対応する前記映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足する否かが判定される。そして、その判定結果に応じて、映像又は/及び映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声が再生される。本発明によれば、映像が表示されるタイミングと、その映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記再生状態判定手段は、前記映像対応音声の再生状態が所定状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像対応音声に対応する映像の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定する第2の判定手段と、を含み、前記再生状態案内音声再生手段は、前記第2の判定手段による判定結果に応じて、前記映像の再生状態を案内する前記再生状態案内音声を再生するようにしてもよい。こうすれば、映像対応音声の再生状態が所定状態(例えば、該映像対応音声の再生が開始される状態や該映像対応音声が再生中の状態等)である場合に、該映像対応音声に対応する映像の再生状態に応じて、該映像の再生状態を案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記再生状態条件に対応づけて、前記再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声データを記憶する再生状態案内音声データ記憶手段を含み、前記第2の判定手段は、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像対応音声に対応する映像の再生状態が、前記再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定し、前記再生状態案内音声再生手段は、前記第2の判定手段によって満足されると判定された再生状態条件に対応づけて前記再生状態案内音声データ記憶手段に記憶される再生状態案内音声データに基づく音声を前記再生状態案内音声として再生するようにしてもよい。こうすれば、映像対応音声の再生状態が所定状態である場合に、該映像対応音声に対応する映像の再生状態に応じた内容の再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記再生状態条件は、前記映像が再生済みの状態であるか否かの条件と、前記映像が再生中の状態であるか否かの条件と、前記映像が未再生の状態であるか否かの条件と、のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。こうすれば、映像対応音声の再生状態が所定状態である場合に、該映像対応音声に対応する映像が再生済みであることを案内する再生状態案内音声、該映像対応音声に対応する映像が再生中であることを案内する再生状態案内音声や、該映像対応音声に対応する映像が未再生であることを案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記映像再生手段は、複数の前記映像を所与の順序に従って順次再生し、前記再生状態条件は、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合における、該映像対応音声に対応する映像と、前記映像再生手段によって再生中の映像と、の順序関係に関する条件を含むようにしてもよい。こうすれば、映像対応音声の再生状態が所定状態である場合に、該映像対応音声に対応する映像と、その時点の再生中の映像と、の再生順序関係を案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記再生状態判定手段は、前記映像の再生状態が所定状態であるか否かを判定する第3の判定手段と、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像に対応する映像対応音声の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定する第4の判定手段と、を含み、前記再生状態案内音声再生手段は、前記第4の判定手段による判定結果に応じて、前記映像対応音声の再生状態を案内する前記再生状態案内音声を再生するようにしてもよい。こうすれば、映像の再生状態が所定状態(例えば、該映像の再生が開始される状態や該映像が再生中の状態等)である場合に、該映像に対応する映像対応音声の再生状態に応じて、該映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記再生状態条件に対応づけて、前記再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声データを記憶する再生状態案内音声データ記憶手段を含み、前記第4の判定手段は、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像に対応する映像対応音声の再生状態が、前記再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定し、前記再生状態案内音声再生手段は、前記第4の判定手段によって満足されると判定された再生状態条件に対応づけて前記再生状態案内音声データ記憶手段に記憶される再生状態案内音声データに基づく音声を前記再生状態案内音声として再生するようにしてもよい。こうすれば、映像の再生状態が所定状態である場合に、該映像に対応する映像対応音声の再生状態に応じた内容の再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記再生状態条件は、前記映像対応音声が再生済みの状態であるか否かの条件と、前記映像対応音声が再生中の状態であるか否かの条件と、前記映像対応音声が未再生の状態であるか否かの条件と、のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。こうすれば、映像の再生状態が所定状態である場合に、該映像に対応する映像対応音声が再生済みであることを案内する再生状態案内音声、該映像に対応する映像対応音声が再生中であることを案内する再生状態案内音声や、該映像に対応する映像対応音声が未再生であることを案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記映像対応音声再生手段は、複数の前記映像対応音声を所与の順序に従って順次再生し、前記再生状態条件は、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合における、該映像に対応する映像対応音声と、前記映像対応音声再生手段によって再生中の映像対応音声と、の順序関係に関する条件を含むようにしてもよい。こうすれば、映像の再生状態が所定状態である場合に、該映像に対応する映像対応音声と、その時点の再生中の映像対応音声と、の再生順序関係を案内する再生状態案内音声を出力させることが可能になる。
【0018】
また、本発明の一態様では、リプレイ映像を再生するためのリプレイデータを記録するリプレイデータ記録手段を含み、前記映像再生手段は、前記リプレイデータ記録手段によって記録されたリプレイデータに基づいて、前記リプレイ映像を前記映像として再生するようにしてもよい。こうすれば、リプレイ映像をモニタに表示させるとともに、リプレイ映像に関する音声をスピーカから出力させる場合において、リプレイ映像が表示されるタイミングと、そのリプレイ映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0021】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0022】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0023】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0024】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0025】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0026】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0027】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0028】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0029】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0030】
上記構成を備えるゲーム装置10では、DVD−ROM25から読み出されたサッカーゲーム用のプログラムが実行されることによって、サッカーゲームが提供される。ゲーム装置10では、上記サッカーゲームを提供するために、例えば図2に示すような仮想3次元空間(ゲーム空間)が主記憶26に構築される。同図に示すように、仮想3次元空間40には、サッカー球技場を表すフィールドオブジェクト42及びゴールオブジェクト44が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト42上には、サッカーの選手を表す選手オブジェクト46と、サッカーボールを表すボールオブジェクト48と、が配置される。同図では、1体の選手オブジェクト46のみが表されているが、フィールドオブジェクト42上には、プレイヤの操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト46と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト46と、が配置される。この仮想3次元空間40を所与の視点から見た様子が表すゲーム画面がモニタ18に表示される。プレイヤはゲーム画面を見ながらコントローラ32を操作し、操作対象の選手オブジェクト46に対する動作指示を行う。
【0031】
本実施の形態では、上記サッカーゲームにハイライトシーン機能が備えられている。すなわち、現実のサッカーの試合のテレビ中継のように、試合終了後に、特定のプレイ(例えばシュート等)が行われた場面のリプレイ映像がハイライトシーンとして表示されるとともに、解説者がハイライトシーンについて解説する音声が出力されるようになっている。
【0032】
図3は、ハイライトシーン機能によるハイライトシーン映像(リプレイ映像)及び解説音声の再生の一例について示す図である。同図は、試合終了後に6つのハイライトシーン映像が再生される場合の例を示している。なお、同図において、tは時間軸を示している。また、解説音声nはハイライトシーン映像nに対応する解説音声を示している。また、ここでは、すべてのハイライトシーン映像について解説音声が再生されることとしているが、一部のハイライトシーン映像についてのみ解説音声が再生されるようにしてもよい。
【0033】
本実施の形態では、ハイライトシーン映像は試合経過に従った順でモニタ18に表示される。また、解説音声もハイライトシーン映像と同様の順でスピーカ22から出力される。ただし、本実施の形態では、あるハイライトシーン映像の再生が完了した場合、そのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生が完了していなくても、次のハイライトシーン映像の再生が開始されるようになっている(図3におけるハイライトシーン映像1及び2参照)。同様に、ある解説音声の再生が完了した場合、その解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生が完了していなくても、次の解説音声の再生が開始されるようになっている(図3における解説音声3及び4参照)。
【0034】
上記のように、ゲーム装置10では、ハイライトシーン映像の再生と解説音声の再生とは同期しておらず、スピーカ22から出力される解説音声が、モニタ18に表示中のハイライトシーン映像に関するものとは限らないようになっている。このような場合、プレイヤが違和感を感じてしまう場合があるが、ゲーム装置10では、プレイヤが感じるそのような違和感の軽減が図られている。
【0035】
具体的には、ゲーム装置10では、解説音声の再生を開始する前にその解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態が判断されるようになっている。そして、その判断結果に基づいて、ハイライトシーン映像の再生状態を案内する音声(再生状態案内音声)が再生され、その後、解説音声の再生が開始されるようになっている。
【0036】
例えば、図3における解説音声2のように、解説音声の再生を開始する場合にその解説音声に対応するハイライトシーン映像2の再生が完了しているときには、「先程、画面に出ていましたが」との再生状態案内音声を再生し、その再生状態案内音声の再生が完了した後に解説音声の再生を開始するようになっている。
【0037】
また例えば、図3における解説音声3のように、解説音声の再生を開始する場合にその解説音声に対応するハイライトシーン映像3が再生中であるときには、「現在、画面に出ておりますが」との再生状態案内音声を再生し、その再生状態案内音声の再生が完了した後に解説音声の再生を開始するようになっている。
【0038】
また例えば、図3における解説音声4又は5のように、解説音声の再生を開始する場合にその解説音声に対応するハイライトシーン映像4又は5が未再生であり、かつ、現在再生中のハイライトシーン映像の次にハイライトシーン映像4又は5が再生されるときには、「そろそろ画面に出てくると思いますが」との再生状態案内音声を再生し、その再生状態案内音声の再生が完了した後に解説音声の再生を開始するようになっている。
【0039】
また例えば、図3における解説音声6のように、解説音声の再生を開始する場合にその解説音声に対応するハイライトシーン映像6が未再生であり、かつ、現在再生中のハイライトシーン映像の次にハイライトシーン映像6が再生されないときには、「後で画面に出てくると思いますが」との再生状態案内音声を再生し、その再生状態案内音声の再生が完了した後に解説音声の再生を開始するようになっている。
【0040】
なお、ゲーム装置10では、ハイライトシーン映像の再生を開始する前にそのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態が判断されるようにしてもよい。そして、その判断結果に基づいて、解説音声の再生状態を案内する音声(再生状態案内音声)が再生されるようにしてもよい。例えば、図3におけるハイライトシーン映像5のように、ハイライトシーン映像の再生を開始する場合にそのハイライトシーン映像に対応する解説音声5の再生が完了しているときには、例えば「先程、解説がありました場面です」との再生状態案内音声を再生するようにしてもよい。
【0041】
ゲーム装置10では、上記のような再生状態案内音声を出力することにより、ハイライトシーン映像の表示及び解説音声の出力があたかも同期しているかのような感覚をプレイヤに感じさせるように図られており、各ハイライトシーン映像が表示されるタイミングと、そのハイライトシーン映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減が図られている。
【0042】
図4は、ゲーム装置10において実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、操作部60、ゲーム状況情報更新部62、ゲーム状況情報記憶部64、ゲーム画面表示制御部66、表示部68、リプレイデータ記録部70、ハイライトシーン映像再生制御部72、音声データ記憶部74、再生状態判定部76、解説音声再生制御部78、再生状態案内音声再生制御部80、音声出力部82を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されたプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0043】
まず、サッカーゲームの基本機能(サッカーの試合を模したゲームを提供する機能)を実現するための機能ブロックについて説明する。操作部60、ゲーム状況情報更新部62、ゲーム状況情報記憶部64、ゲーム画面表示制御部66及び表示部68は基本機能を実現するための機能ブロックである。
【0044】
[操作部]
操作部60はコントローラ32を主として実現される。操作部60は、コントローラ32の操作状態を示す操作情報を所定時間(本実施の形態の場合には1/60秒)ごとにゲーム状況情報更新部62を供給する。
【0045】
[ゲーム状況情報記憶部]
ゲーム状況情報記憶部64は主記憶26を主として実現される。ゲーム状況情報記憶部64はゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報は、例えば各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の仮想3次元空間40における状態(位置や姿勢等)を示す情報である。
【0046】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部64には、各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の現在の状態だけでなく、所定時間(例えば10秒)前から現在までの期間における、所定時間(例えば1/60秒)ごとの各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態を示す情報が記憶される。すなわち、ゲーム状況情報記憶部64には、所定時間前から現在までの間における各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態の変化が保持される。
【0047】
[ゲーム状況情報更新部]
ゲーム状況情報更新部62はマイクロプロセッサ14を主として実現される。ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に記憶されるゲーム状況情報を更新する。例えば、ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、プレイヤの操作対象の選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の現在の状態を、操作部60から供給される操作情報に基づいて更新する。また例えば、ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、プレイヤの操作対象の選手オブジェクト46以外の選手オブジェクト46の現在の状態を、所定のアルゴリズムに従って更新する。
【0048】
[ゲーム画面表示制御部及び表示部]
ゲーム画面表示制御部66はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現される。表示部68はモニタ18を主として実現される。例えば、ゲーム画面表示制御部66は、「ゲーム状況情報記憶部64に保持される、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の現在の状態に基づいて、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48が配置された仮想3次元空間40」を所与の視点から見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部68に表示させる。
【0049】
次に、ハイライトシーン機能を実現するための機能ブロックについて説明する。リプレイデータ記録部70、ハイライトシーン映像再生制御部72、音声データ記憶部74、再生状態判定部76、解説音声再生制御部78、再生状態案内音声再生制御部80及び音声出力部82はハイライトシーン機能を実現するための機能ブロックである。
【0050】
[リプレイデータ記録部]
リプレイデータ記録部70はマイクロプロセッサ14や主記憶26を主として実現される。リプレイデータ記録部70は、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の状態の変化を再現するためのリプレイデータを記録する。
【0051】
リプレイデータ記録部70は、ゲーム中において、ハイライトシーンの対象となり得る所定のプレイ類型に属するプレイ(例えば、得点になったシュートや得点にはならなかったシュート等)が行われたか否かを判断する。この判断はゲーム状況情報記憶部64の記憶内容に基づいて行われる。そして、リプレイデータ記録部70は、上記所定のプレイ類型に属するプレイが行われたと判断した場合、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、「所定時間(例えば10秒)前から現在までの期間における、所定時間(例えば1/60秒)ごとの各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態を示す情報」を読み出し、リプレイデータとして保存する。例えば、試合において、ハイライトシーンの対象となる特定のプレイが6回行われた場合、試合終了時には6つのリプレイデータがリプレイデータ記録部70に記録されていることになる。
【0052】
図5は、リプレイデータ記録部70の記憶内容の一例を示している。同図に示す例では、リプレイデータを一意に識別するIDと、プレイ類型に属するプレイが行われた時間と、プレイ類型と、リプレイデータ自体と、が対応づけて記憶されている。なお、ここでは、ID「n」のリプレイデータをリプレイデータnと記載している。また、図3におけるハイライトシーン映像nは、リプレイデータnによって再現されるハイライトシーン映像(リプレイ映像)である。
【0053】
[ハイライトシーン映像再生制御部]
ハイライトシーン映像再生制御部72(映像再生手段)はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現される。ハイライトシーン映像再生制御部72は、リプレイデータ記録部70に記憶されるリプレイデータに基づいて、複数のハイライトシーン映像(映像)を順次再生させる。本実施の形態の場合、ハイライトシーン映像再生制御部72は、リプレイデータ記録部70に記録されたリプレイデータを古いものから順に読み出す。ハイライトシーン映像再生制御部72は、リプレイデータ記録部70からリプレイデータを読み出したら、そのリプレイデータによって再現されるリプレイ映像をハイライトシーン映像として表示部68に表示させる。ハイライトシーン映像には、リプレイデータによって再現される仮想3次元空間40(各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48等)の様子が表される。ハイライトシーン映像再生制御部72は、ハイライトシーン映像の再生が完了したら、次のハイライトシーン映像の再生を開始する。
【0054】
[音声データ記憶部]
音声データ記憶部74はDVD−ROM25や主記憶26を主として実現される。音声データ記憶部74には、解説音声を再生するための解説音声データが記憶される。例えば、音声データ記憶部74には、所定のプレイ類型に対応づけて解説音声データが記憶される。すなわち、所定のプレイ類型ごとに1又は複数の解説音声データが記憶される。図6は、音声データ記憶部74の記憶内容(解説音声データに関するもの)の一例を示している。
【0055】
また、音声データ記憶部74(再生状態案内音声データ記憶手段)には、再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声データが記憶される。本実施の形態の場合、音声データ記憶部74には、ハイライトシーン映像の再生状態に関する条件(再生状態条件)に対応づけて、再生状態案内音声データが記憶される。
【0056】
ここで、再生状態条件は、例えばハイライトシーン映像が再生済みであるか否かの条件である。また例えば、ハイライトシーン映像が再生中であるか否かの条件である。また例えば、ハイライトシーン映像が未再生であるか否かの条件である。また例えば、後述の解説音声再生制御部78によって再生される解説音声に対応するハイライトシーン映像と、ハイライトシーン映像再生制御部72によって再生中のハイライトシーン映像と、の順序関係に関する条件である。より具体的には、例えば、解説音声再生制御部78によって再生される解説音声に対応するハイライトシーン映像が、ハイライトシーン映像再生制御部72によって再生中のハイライトシーン映像の次に再生されるものであるか否かの条件である。図7は、音声データ記憶部74の記憶内容(再生状態案内音声データに関するもの)の一例を示している。
【0057】
なお、ハイライトシーン映像の再生を開始する前等にそのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態を判断し、その判断結果に基づいて、解説音声の再生状態を案内する音声を再生させる場合には、音声データ記憶部74に、解説音声の再生状態に関する条件(再生状態条件)に対応づけて、再生状態案内音声データが記憶されるようにすればよい。この場合、上記と同様に、再生状態条件は、例えば解説音声が再生済みであるか否かの条件、解説音声が再生中であるか否かの条件や、解説音声が未再生であるか否かの条件であってもよい。また例えば、ハイライトシーン映像再生制御部72によって再生されるハイライトシーン映像に対応する解説音声と、後述の解説音声再生制御部78によって再生中の解説音声と、の順序関係に関する条件であってもよい。
【0058】
[解説音声再生制御部及び音声出力部]
解説音声再生制御部78(映像対応音声再生手段)はマイクロプロセッサ14及び音声処理部20を主として実現される。音声出力部82はスピーカ22を主として実現される。解説音声再生制御部78は、ハイライトシーン映像に対応する解説音声(映像対応音声)を再生させる。例えば、解説音声再生制御部78は、リプレイデータ記録部70に記録されたリプレイデータの古いものから順に、そのリプレイデータに係るプレイ類型を取得する。解説音声再生制御部78は、リプレイデータに係るプレイ類型を取得したら、そのプレイ類型に対応づけられた解説音声データを読み出し、その解説音声データに基づく解説音声を音声出力部82に出力させる。解説音声再生制御部78は、解説音声の再生を完了したら、次の解説音声の再生を開始する。
【0059】
[再生状態判定部]
再生状態判定部76は、ハイライトシーン映像の再生状態と、該ハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定する。本実施の形態の場合、再生状態判定部76(第1の判定手段)は、解説音声の再生状態が所定状態であるか否かを判定する。具体的には、解説音声の再生状態が、「その解説音声の再生が開始される前の状態であって、かつ、その解説音声の前の解説音声の再生が完了された状態」であるか否かを判定する。そして、再生状態判定部76(第2の判定手段)は、解説音声の再生状態が所定状態であると判定した場合、その解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定する。本実施の形態の場合、再生状態判定部76は、解説音声の再生状態が所定状態であると判定した場合、その解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態が、再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定する。
【0060】
なお、ハイライトシーン映像の再生を開始する前等にそのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態を判断し、その判断結果に基づいて、解説音声の再生状態を案内する音声を再生させる場合には、再生状態判定部76(第3の判定手段)は、ハイライトシーン映像の再生状態が所定状態(例えば、ハイライトシーン映像の再生状態が、「そのハイライトシーン映像の再生が開始される前の状態であって、かつ、そのハイライトシーン映像の前のハイライトシーン映像の再生が完了された状態」であるか否かを判定するようにすればよい。そして、再生状態判定部76(第4の判定手段)は、ハイライトシーン映像の再生状態が所定状態であると判定した場合、そのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定するようにすればよい。この場合、音声データ記憶部74において、解説音声の再生状態に関する条件(再生状態条件)に対応づけて、再生状態案内音声データが記憶されている場合には、再生状態判定部76は、ハイライトシーン映像の再生状態が所定状態であると判定した場合、そのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態が、再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定するようにしてもよい。
【0061】
[再生状態案内音声再生制御部]
再生状態案内音声再生制御部80(再生状態案内音声再生手段)は、再生状態判定部76による判断結果に応じて、再生状態案内音声を再生させる。本実施の形態の場合、再生状態案内音声再生制御部80は、再生状態判定部76によって満足されると判定された再生状態条件に対応づけられた再生状態案内音声データを音声データ記憶部74から読み出し、その再生状態案内音声データに基づく再生状態案内音声を音声出力部82に出力させる。
【0062】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図8は、ゲーム装置10において所定時間(本実施の形態では1/60秒)ごとに実行される処理のうち、本発明に関連するものを主として示すフロー図である。同図は、ハイライトシーン映像1及び解説音声1の再生が開始された後、ハイライトシーン映像6及び解説音声6の再生が完了されるまでの間に、所定時間ごとに実行される処理を示している。この処理は、DVD−ROM25から読み出されるプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0063】
図8に示すように、この処理では、ハイライトシーン映像iの再生が完了したか否かが判断される(S101)。ここで、iは初期値1の変数であり、その値は主記憶26に保持される。本実施の場合、変数iの値によって、再生中、再生済みや未再生のハイライトシーン映像が特定されることになる。また、次に再生されるハイライトシーン映像も変数iの値によって特定される。
【0064】
ハイライトシーン映像iの再生が完了していない場合には、ハイライトシーン映像iの再生が続行される(S105)。一方、ハイライトシーン映像iの再生が完了した場合には、変数iの値がインクリメントされる(S102)。そして、リプレイデータiが存在するか否かが判断される(S103)。リプレイデータiが存在する場合には、ハイライトシーン映像iの再生が開始される(S104)。すなわち、リプレイデータiがリプレイデータ記録部70から読み出され、そのリプレイデータiに基づくリプレイ映像の再生が開始される。
【0065】
その後、解説音声jの再生が完了したか否かが判断される(S106)。ここで、jは初期値1の変数であり、その値は主記憶26に保持される。本実施の場合、変数jの値によって、再生中、再生済みや未再生の解説音声が特定されることになる。解説音声jの再生が完了していない場合には、解説音声jの再生が続行される(S116)。一方、解説音声jの再生が完了した場合には、変数jの値がインクリメントされる(S107)。そして、リプレイデータjが存在するか否かが判断される(S108)。
【0066】
リプレイデータjが存在する場合、ハイライトシーン映像jが再生済みであるか否かが判断される(S109)。本実施の形態の場合、変数jの値が変数iの値未満であるか否かが判断される。そして、ハイライトシーン映像jが再生済みである場合には、再生状態案内音声データAが読み出され、再生状態案内音声データAに基づく音声が再生された後、解説音声jの再生が開始される(S110)。この場合、解説音声jの再生は、再生状態案内音声データAに基づく音声の再生が完了するまで制限(抑止)される。
【0067】
一方、ハイライトシーン映像jが再生済みでない場合、ハイライトシーン映像jが再生中であるか否かが判断される(S111)。本実施の形態の場合、変数jの値と変数iの値とが等しいか否かが判断される。そして、ハイライトシーン映像jが再生中である場合には、再生状態案内音声データBが読み出され、再生状態案内音声データBに基づく音声が再生された後、解説音声jの再生が開始される(S112)。この場合も、解説音声jの再生は、再生状態案内音声データBに基づく音声の再生が完了するまで制限(抑止)される。
【0068】
一方、ハイライトシーン映像jが再生中でない場合、ハイライトシーン映像jが次に再生されるものであるか否かが判断される(S113)。本実施の形態の場合、変数jの値が変数iの値よりも1だけ大きいか否かが判断される。そして、ハイライトシーン映像jが次に再生されるものである場合には、再生状態案内音声データCが読み出され、再生状態案内音声データCに基づく音声が再生された後、解説音声jの再生が開始される(S114)。この場合も、解説音声jの再生は、再生状態案内音声データCに基づく音声の再生が完了するまで制限(抑止)される。
【0069】
一方、ハイライトシーン映像jが次に再生されるものでない場合には、再生状態案内音声データDが読み出され、再生状態案内音声データDに基づく音声が再生された後、解説音声jの再生が開始される(S115)。この場合も、解説音声jの再生は、再生状態案内音声データDに基づく音声の再生が完了するまで制限(抑止)される。
【0070】
以上説明したように、ゲーム装置10では、解説音声の再生を開始する前にその解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態が判断されるようになっている。そして、その判断結果に基づいて、例えば「先程、画面に出ていましたが」や「そろそろ画面に出てくると思いますが」のような、ハイライトシーン映像の再生状態を案内する音声が再生され、その後、解説音声の再生が開始される。このため、ゲーム装置10によれば、ハイライトシーン映像及び解説音声の出力があたかも同期しているかのような感覚をプレイヤに感じさせることができ、各ハイライトシーン映像が表示されるタイミングと、そのハイライトシーン映像に関する音声が出力されるタイミングと、が必ずしも一致しないことに起因してプレイヤが感じる違和感の軽減を図ることが可能になる。また、ゲーム装置10によれば、各ハイライトシーン映像が表示されるタイミングと、そのハイライトシーン映像に関する音声が出力されるタイミングと、を同期させる場合のように複雑な処理を実行する必要がなく、比較的簡易な処理で上記違和感の軽減を図ることが可能になる。
【0071】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0072】
例えば、再生状態判定部76(第1の判定手段)は、解説音声の再生状態が再生中の状態であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、再生状態判定部76(第2の判定手段)は、解説音声の再生状態が再生中の状態であると判定された場合に、その解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態を判定するようにしてもよい。すなわち、再生状態判定部76は、解説音声再生制御部78によって解説音声が再生されている最中の所与のタイミングに、その解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生状態を判定するようにしてもよい。そして、再生状態案内音声の再生が解説音声の再生中に行われるようにしてもよい。このようにして、例えば、解説者がハイライトシーン映像の解説を行っている最中に、他の者(例えば実況者やアナウンサー等)が「今、画面に出てますね」等のように口をはさむような演出を行うようにしてもよい。同様に、ハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態を判断し、その判断結果に基づいて、解説音声の再生状態を案内する音声を再生させる場合にも、再生状態判定部76(第3の判定手段)は、ハイライトシーン映像の再生状態が再生中の状態であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、再生状態判定部76(第4の判定手段)は、ハイライトシーン映像の再生状態が再生中の状態であると判定された場合に、そのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態を判定するようにしてもよい。
【0073】
また例えば、再生状態案内音声データに対応づけられる再生状態条件には、解説音声に対応するハイライトシーン映像の再生が開始されるまでにかかる時間に関する条件(時間範囲)が含まれるようにしてもよい。この場合、再生状態判定部76は、解説音声再生制御部78によって再生される解説音声に対応するハイライトシーン映像が未再生である場合、そのハイライトシーン映像の再生が開始されるまでの時間を取得するようにしてもよい。そして、再生状態案内音声再生制御部80は、再生状態判定部76によって取得された時間が含まれる時間範囲に対応づけられた再生状態案内音声データに基づく音声を音声出力部82に出力させるようにしてもよい。このようにして、解説音声再生制御部78によって再生される解説音声に対応するハイライトシーン映像が未再生である場合、そのハイライトシーン映像の再生が開始されるまでの時間に応じて、再生状態案内音声の内容を変えるようにしてもよい。例えば、ハイライトシーン映像の再生が開始されるまでにかかる時間が所定の基準時間未満である場合には「そろそろ画面に出てくると思いますが・・・、あっ出ましたね。」との再生状態案内音声が再生されるようにし、基準時間以上である場合には「後で画面に出てくると思いますが」との再生状態案内音声が再生されるようにしてもよい。この場合、基準時間の長さは、再生状態案内音声(そろそろ画面に出てくると思いますが・・・、あっ出ましたね。)の再生時間の長さに基づいて設定するようにすればよい。こうすれば、解説音声に対応するハイライトシーン映像が未再生である場合において、そのハイライトシーン映像が次に再生されるときであっても、その再生が開始されるまでの時間に応じて再生状態案内音声の内容を変えることができる。同様に、ハイライトシーン映像の再生を開始する前等にそのハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生状態を判断し、その判断結果に基づいて、解説音声の再生状態を案内する音声を再生させる場合にも、再生状態案内音声データに対応づけられる再生状態条件には、ハイライトシーン映像に対応する解説音声の再生が開始されるまでにかかる時間に関する条件(時間範囲)が含まれるようにしてもよい。
【0074】
また例えば、本発明が適用されるのは、ハイライトシーン映像(リプレイ映像)及びその解説音声の再生に限られない。例えば、試合が開始される前の入場デモシーンにおいて、スタジアム全体の様子を表す映像(映像1)、選手が入場する様子を表す映像(映像2)、各選手の顔をアップで表示する映像(映像3)がモニタに順次表示されるとともに、試合会場のピッチコンディション等を説明する音声(音声1)、チームの対戦成績等を紹介する音声(音声2)、特定の選手の試合前のコメントを紹介する音声(音声3)がスピーカから順次出力される場合には、特定の選手の試合前のコメントを紹介する音声(音声3)が出力された後に、その選手の顔をアップで表示する映像(映像3;音声3に対応する映像)が表示されたときに、例えば「先程コメントを頂いた選手です」との音声(再生状態案内音声)が出力されるようにするようにしてもよい。本発明は、映像及びその映像に対応する映像対応音声を再生するものであれば、どのような態様のものにも適用することが可能である。
【0075】
また例えば、本発明が適用されるのはサッカーゲームに限られない。サッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用可能であるし、スポーツゲーム以外のゲームにも適用可能である。
【0076】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図9は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図3】ハイライトシーン映像及び解説音声の再生について説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図5】リプレイデータ記録部の記憶内容の一例を示す図である。
【図6】音声データ記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図7】音声データ記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、40 仮想3次元空間、42 フィールドオブジェクト、44 ゴールオブジェクト、46 選手オブジェクト、48 ボールオブジェクト、60 操作部、62 ゲーム状況情報更新部、64 ゲーム状況情報記憶部、66 ゲーム画面表示制御部、68 表示部、70 リプレイデータ記録部、72 ハイライトシーン映像再生制御部、74 音声データ記憶部、76 再生状態判定部、78 解説音声再生制御部、80 再生状態案内音声再生制御部、82 音声出力部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を再生する映像再生手段と、
前記映像に対応する映像対応音声を再生する映像対応音声再生手段と、
前記映像の再生状態と、該映像に対応する前記映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定する再生状態判定手段と、
前記再生状態判定手段による判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生する再生状態案内音声再生手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記再生状態判定手段は、前記映像対応音声の再生状態が所定状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像対応音声に対応する映像の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定する第2の判定手段と、を含み、
前記再生状態案内音声再生手段は、前記第2の判定手段による判定結果に応じて、前記映像の再生状態を案内する前記再生状態案内音声を再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記再生状態条件に対応づけて、前記再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声データを記憶する再生状態案内音声データ記憶手段を含み、
前記第2の判定手段は、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像対応音声に対応する映像の再生状態が、前記再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定し、
前記再生状態案内音声再生手段は、前記第2の判定手段によって満足されると判定された再生状態条件に対応づけて前記再生状態案内音声データ記憶手段に記憶される再生状態案内音声データに基づく音声を前記再生状態案内音声として再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置において、
前記再生状態条件は、前記映像が再生済みの状態であるか否かの条件と、前記映像が再生中の状態であるか否かの条件と、前記映像が未再生の状態であるか否かの条件と、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記映像再生手段は、複数の前記映像を所与の順序に従って順次再生し、
前記再生状態条件は、前記第1の判定手段によって前記映像対応音声の再生状態が前記所定状態であると判定された場合における、該映像対応音声に対応する映像と、前記映像再生手段によって再生中の映像と、の順序関係に関する条件を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記再生状態判定手段は、前記映像の再生状態が所定状態であるか否かを判定する第3の判定手段と、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像に対応する映像対応音声の再生状態が所定の再生状態条件を満足するか否かを判定する第4の判定手段と、を含み、
前記再生状態案内音声再生手段は、前記第4の判定手段による判定結果に応じて、前記映像対応音声の再生状態を案内する前記再生状態案内音声を再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム装置において、
前記再生状態条件に対応づけて、前記再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声データを記憶する再生状態案内音声データ記憶手段を含み、
前記第4の判定手段は、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合、該映像に対応する映像対応音声の再生状態が、前記再生状態案内音声データに対応づけられた再生状態条件を満足するか否かを判定し、
前記再生状態案内音声再生手段は、前記第4の判定手段によって満足されると判定された再生状態条件に対応づけて前記再生状態案内音声データ記憶手段に記憶される再生状態案内音声データに基づく音声を前記再生状態案内音声として再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のゲーム装置において、
前記再生状態条件は、前記映像対応音声が再生済みの状態であるか否かの条件と、前記映像対応音声が再生中の状態であるか否かの条件と、前記映像対応音声が未再生の状態であるか否かの条件と、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記映像対応音声再生手段は、複数の前記映像対応音声を所与の順序に従って順次再生し、
前記再生状態条件は、前記第3の判定手段によって前記映像の再生状態が前記所定状態であると判定された場合における、該映像に対応する映像対応音声と、前記映像対応音声再生手段によって再生中の映像対応音声と、の順序関係に関する条件を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のゲーム装置において、
リプレイ映像を再生するためのリプレイデータを記録するリプレイデータ記録手段を含み、
前記映像再生手段は、前記リプレイデータ記録手段によって記録されたリプレイデータに基づいて、前記リプレイ映像を前記映像として再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
映像を再生するための映像再生ステップと、
前記映像に対応する映像対応音声を再生するための映像対応音声再生ステップと、
前記映像の再生状態と、該映像に対応する前記映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定するための再生状態判定ステップと、
前記再生状態判定ステップによる判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生するための再生状態案内音声再生ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項12】
ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
映像を再生する映像再生手段、
前記映像に対応する映像対応音声を再生する映像対応音声再生手段、
前記映像の再生状態と、該映像に対応する映像対応音声の再生状態と、が所定条件を満足するか否かを判定する再生状態判定手段、及び、
前記再生状態判定手段による判定結果に応じて、前記映像又は/及び前記映像対応音声の再生状態を案内する再生状態案内音声を再生する再生状態案内音声再生手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−167564(P2007−167564A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372908(P2005−372908)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【特許番号】特許第3908772号(P3908772)
【特許公報発行日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】