説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲーム画面に表示されない複数のオブジェクトの位置関係をユーザが容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、プログラムを提供すること。
【解決手段】位置投影部114は各ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置を決定する。マーカ画像表示位置仮決定部116は画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に基づいてそのマーカ画像の表示位置を仮決定し、重なり判断部118は重なり合う複数のマーカ画像74に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトの組み合わせを決定する。そして、離間度算出部120は組み合わせに係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトの離間度を算出し、順位付与部122は算出された離間度を順位付けする。そして、マーカ画像表示位置決定部124は上記順位付けに応じて、各マーカ画像74の表示位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関し、特に、仮想空間に配置された複数のオブジェクトに関連付けられたマーカ画像をゲーム画面に表示するゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム画面に表示されたキャラクタオブジェクトをユーザが操作することにより、ゲーム画面に表示されたボールオブジェクトを、該キャラクタオブジェクトに敵対するキャラクタオブジェクトに関連付けられた所定位置まで移動させることを競う、例えばサッカーゲーム等の球技スポーツゲームが知られている。こうしたゲームにおいては、ゲーム画面に表示されているキャラクタオブジェクトを指示するマーカ画像を、ゲーム画面に表示することが一般的である。下記特許文献には、上記のようなゲーム(サッカーゲーム)を実現するゲームシステムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−342262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゲームシステムでは、ゲーム画面に表示されないキャラクタオブジェクト(画面外キャラクタオブジェクト)については、上記マーカ画像をゲーム画面に表示しない。そのため、ユーザが、画面外キャラクタオブジェクトの位置を把握することは困難であった。
【0004】
これを受けて、従来の球技スポーツゲームの中には、画面外キャラクタオブジェクトを指示するマーカ画像をゲーム画面に表示することにより、該画面外キャラクタオブジェクトが位置する方向を表現するようにしたものもある。例えば、マーカ画像の位置と姿勢により、該マーカ画像が指示する方向に画面外キャラクタオブジェクトが位置していることを表現していた。
【0005】
しかしながら、上記マーカ画像を表示することにより画面外キャラクタオブジェクトが位置する方向を表現することができても、他の画面外オブジェクトとの位置関係を表現するには不十分な場合があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲーム画面に表示されない複数のオブジェクトの位置関係をユーザが容易に把握することができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するゲーム画像表示手段と、前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するマーカ表示手段と、一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出する離間度算出手段と前記離間度算出手段によって算出された前記離間度を順位付けする離間度順位付け手段と、前記離間度順位付け手段による順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する表示位置決定手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するステップと、前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するステップと、一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出するステップと前記離間度を算出するステップによって算出された前記離間度を順位付けするステップと、前記前記離間度を順位付けするステップによる順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定するステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するゲーム画像表示手段、前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するマーカ表示手段、一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出する離間度算出手段、前記離間度算出手段によって算出された前記離間度を順位付けする離間度順位付け手段、前記離間度順位付け手段による順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する表示位置決定手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。このプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてよい。また、コンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末等である。
【0010】
ここで、オブジェクトとは、仮想空間内に存在する各種オブジェクトであり、例えば、ユーザの操作対象であるキャラクタオブジェクトや所定のプログラムに従って仮想空間内を移動するキャラクタオブジェクト等の動的オブジェクトであってもよいし、仮想空間内の所定位置に配置された障害物オブジェクトや各種アイテムオブジェクト等の静的オブジェクトであってもよい。
【0011】
本発明では、複数のオブジェクトが配置された3次元又は2次元の仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示する。また、複数のオブジェクトのそれぞれに関連付けられたマーカ画像をゲーム画面に表示する。ここで、表示対象領域とは、仮想空間の一部を占める領域であり、例えば、所与の視点から所与の画角で仮想空間を見たときの視野範囲内の領域の一部である。また、マーカ画像は、対応するオブジェクトの位置を示唆するものであり、仮想空間に配置されたマーカオブジェクトに基づいて生成されるものであってもよいし、或いは、上記情報記憶媒体から取得されるものであってもよい。また、マーカ画像は、その表示態様により、対応するオブジェクトの属性を示すようにしてもよい。例えば、オブジェクトがユーザの操作対象である場合に、該ユーザの識別表示を表示するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明では、一部又は全部のオブジェクトのそれぞれに関連付けられたマーカ画像をゲーム画面に表示するに際して、それらのオブジェクトと表示対象領域との離間度を算出する。ここで、離間度とはオブジェクトが表示対象領域から離れている度合いを評価するための評価値であり、例えば、仮想空間におけるオブジェクトと表示対象領域との距離であってもよい。また、離間度が算出されるオブジェクトは、特に、表示対象領域外に位置するオブジェクトについて算出されるものである。
【0013】
また、本発明では、算出された離間度を順位付けし、該順位付けに従って、複数のマーカ画像のゲーム画面における表示位置を決定する。例えば、オブジェクトの離間度が小さくなるに従って、該オブジェクトに対応するマーカ画像の表示位置を、ゲーム画面の中心に漸近させるようにしてもよい。
【0014】
本発明によれば、ゲーム画面に表示されない複数のオブジェクトの位置関係をユーザが容易に把握することができる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム画像表示手段は、前記仮想空間の前記表示対象領域を所定の投影面に投影させることにより前記ゲーム画像を生成し、前記離間度算出手段は、前記表示対象領域の前記投影面に対する投影領域であるスクリーン領域内の所定位置と、前記一部又は全部のオブジェクトの前記仮想空間における位置の前記投影面に対する投影位置であるオブジェクト投影位置との距離に応じて前記離間度を算出する。ここで、スクリーン領域内の所定位置とは、例えば、スクリーン領域の中心点の位置や、スクリーン領域の縁上の点の位置等であってもよい。こうすれば、オブジェクトと表示対象領域の投影面における距離に応じて離間度を算出することができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記表示位置決定手段は、前記所定位置と前記各オブジェクト投影位置とを結ぶ直線に基づいて、前記各マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する。こうすれば、マーカ画像に対応するオブジェクトの位置が、上記直線を延伸した方向にあることを表現することができる。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記表示位置決定手段は、前記各直線と前記スクリーン領域の縁との交点に基づいて、前記各マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する。こうすれば、マーカ画像に対応するオブジェクトの位置が、上記交点の先にあることを表現することができる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記表示位置決定手段は、前記各マーカ画像と前記スクリーン領域の縁との距離が前記順位付けに応じたものとなるように、該マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する。こうすれば、ゲーム画面に表示されない複数のオブジェクトの位置が同方向にある場合であっても、各オブジェクトの位置関係を正確に表現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成されるものであり、例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0021】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0022】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0023】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたゲームプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0024】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にスクリーン画像を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18(ゲーム画面)に出力する。
【0025】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0026】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。具体的には、音声処理部20は、所定数のチャネルを処理可能であり、各チャネルに割り当てられた音データをミキシング再生し、スピーカ22から出力する。
【0027】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたゲームプログラム及びゲームデータを読み取る。なお、ここではゲームプログラム及びゲームデータを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0028】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0029】
コントローラ32は、ユーザが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号を、バス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0030】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図に示すコントローラ32は汎用ゲームコントローラであり、同図(a)に示すように、表面に方向ボタン34、スタートボタン36、ボタン38X,38Y,38A,38Bを備えており、同図(b)に示すように、奥側側面に、さらにボタン40L,40R,42L,42Rを備えている。すなわち、コントローラ32の奥側側面には、表面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ備えられており、裏面側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ備えられている。方向ボタン34は十字形状を有しており、通常はキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートボタン36は三角形状を有する小型の押しボタンであり、通常はゲームのスタート、中断や強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは、その他のゲーム操作に用いられる。
【0031】
以下、上述のハードウェア構成を有する家庭用ゲーム機11により、仮想3次元空間で行われるサッカーをシミュレートするサッカーゲームにおいて、ゲーム画面に表示されていないキャラクタオブジェクトに関連付けられたマーカ画像のゲーム画面における表示位置を決定する技術について説明する。上記サッカーゲームでは、主記憶26に図7に示すゲーム空間1000が設定され、各ユーザが該ゲーム空間1000に配置されたユーザキャラクタオブジェクト54を操作することにより、複数のユーザが同時にゲームをプレイすることができるようになっている。ここでは、ユーザ1がユーザキャラクタオブジェクト54Aに関連付けられ(ユーザキャラクタオブジェクト54Aを操作し)、ユーザ2がユーザキャラクタオブジェクト54Bに関連付けられ、ユーザ3がユーザキャラクタオブジェクト54Cに関連付けられ、そして、ユーザ4がユーザキャラクタオブジェクト54Dに関連付けられた例を取り上げる。また、ユーザキャラクタオブジェクト54A及びユーザキャラクタオブジェクト54CがチームAに関連付けられ、ユーザキャラクタオブジェクト54B及びユーザキャラクタオブジェクト54DがチームAに敵対するチームBに関連付けられているものとする。なお、以下でユーザキャラクタオブジェクト54A乃至ユーザキャラクタオブジェクト54Dを特に区別しない場合は、単にユーザキャラクタオブジェクト54と表記し、ユーザ1乃至ユーザ4を区別しない場合は、単にユーザと表記する。
【0032】
図3は、家庭用ゲーム機11のモニタ18に表示されるゲーム画面の一例である。このゲーム画面は、画像処理部16によってVRAM上に形成されたゲーム画像が、モニタ18に表示されたものである。このゲーム画像は、図4(a)に示す空間投影画像に、図5に示すマーカ配置画像を重ねることによって生成されるものである。ここで、上記空間投影画像とマーカ配置画像は、同じサイズである。また、上記空間投影画像にはユーザキャラクタオブジェクト54Aとボールオブジェクト58が配置されていて、上記マーカ配置画像には、その透明領域の各所にマーカ画像74A乃至マーカ画像74Dが配置されている。なお、図4(b)に示すように、上記空間投影画像を、その内縁部分に同一色で構成された空白領域80(斜線部)を含んで構成することにより、ゲーム画像を図6に示すように構成してもよい。
【0033】
以下、マーカ画像74A乃至マーカ画像74Dを区別しない場合は、単にマーカ画像74と表記する。
【0034】
図3に示すように、ゲーム画面には、画面中央のボールオブジェクト58とユーザキャラクタオブジェクト54Aが表示されている。また、ユーザキャラクタオブジェクト54Aに関連付けられたマーカ画像74Aが、ユーザキャラクタオブジェクト54Aの頭上に表示されている。すなわち、ゲーム画面に表示されるユーザキャラクタオブジェクト54(画面内ユーザキャラクタオブジェクト)の頭上に、該ユーザキャラクタオブジェクト54に関連付けられたマーカ画像74が表示されている。
【0035】
また、図3に示すように、ゲーム画面に表示されないユーザキャラクタオブジェクト54B,54C,54Dの各々に関連付けられたマーカ画像74B,74C,74Dが、ゲーム画面の縁E1の内側に表示されている。ここで、マーカ画像74B,74C,74Dはそれぞれ、その姿勢により、ユーザキャラクタオブジェクト54B,54C,54Dが位置する方向を指し示すようになっている。つまり、ゲーム画面に表示されないユーザキャラクタオブジェクト54(画面外ユーザキャラクタオブジェクト)に係るマーカ画像74が、該ユーザキャラクタオブジェクト54が位置する方向を指し示すように、ゲーム画面の縁E1の内側に表示されている。
【0036】
特に、画面外ユーザキャラクタオブジェクトたるユーザキャラクタオブジェクト54C,54Dの各々に係るマーカ画像74C,74Dは、ゲーム画面の縁E1の内側に並べて表示されている。具体的には、ユーザキャラクタオブジェクト54Dに係るマーカ画像74Dが、ユーザキャラクタオブジェクト74Cに係るマーカ画像74Cよりも画面中央側に表示されている。こうすることにより、ユーザキャラクタオブジェクト54Dが,マーカ画像74Dの指し示す方向に位置していること表現するとともに、ユーザキャラクタオブジェクト54Cよりも画面中央の近くに位置していることを示している。つまり、複数のマーカ画像74を並べて表示することにより、複数の画面外ユーザキャラクタオブジェクトが位置する方向を示すとともに、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトの位置関係を示している。
【0037】
本家庭用ゲーム機11の特徴の一つは、上記のように、複数の画面外ユーザキャラクタオブジェクトの位置関係を考慮して、それらの画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係る複数のマーカ画像74を並べて表示することである。こうすれば、ユーザは、複数の画面外ユーザキャラクタオブジェクトの位置関係を容易に把握することができ、ゲームが興趣に富んだものとなる。例えば、味方の画面外ユーザキャラクタオブジェクトと敵の画面外ユーザキャラクタオブジェクトとの位置関係を把握して、上記味方の画面外ユーザキャラクタオブジェクトへのボールオブジェクト58の移動を確実に行うことが可能になる。
【0038】
なお、マーカ画像74は、対応するユーザキャラクタオブジェクト54の属性により、その表示態様を変化してもよい。例えば、図3、図5及び図6に示すように、ユーザキャラクタオブジェクト54を識別するユーザ番号、すなわち識別表示を付するようにしてもよい。また、例えば、ユーザキャラクタオブジェクト54に関連付けられたチームに応じて、マーカ画像74の色を変化するようにしてもよい。さらに、マーカ画像74の形状は、ユーザキャラクタオブジェクト54の位置する方向を指し示すのに適した形状であればよく、矢印形状だけに限らず、例えば、菱形形状や三角形状でもよい。
【0039】
以下、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74のゲーム画像における表示位置を決定する処理について説明する。
【0040】
図7は、主記憶部26に構築された上記ゲーム空間1000を示す図である。ゲーム空間1000には、サッカーフィールドを示すフィールドオブジェクト50が配置され、フィールドオブジェクト50上の所定位置にサッカーゴールを示すゴールオブジェクト52が配置されている。また、フィールドオブジェクト50上には、ボールオブジェクト58と画面内ユーザキャラクタオブジェクトたるユーザキャラクタオブジェクト54Aと画面外ユーザキャラクタオブジェクトたるユーザキャラクタオブジェクト54B乃至ユーザキャラクタオブジェクト54Dとが配置されている。また、ユーザキャラクタオブジェクト54A乃至ユーザキャラクタオブジェクト54D以外にも、チームA及びチームBの各々に関連付けられた図示しないノンユーザキャラクタオブジェクトが配置されている。なお、ゲーム空間1000には、x方向、y方向、z方向を座標軸とするワールド座標空間が構成されており、各オブジェクトのゲーム空間1000における位置はワールド座標により特定することができるようになっている。
【0041】
さらに、ゲーム空間1000の所定位置には、ボールオブジェクト58に従動する視点60が配置されている。そして、視点60から所定の画角でボールオブジェクト58に向かう方向(視線方向)を見た様子が図4(a)に示す空間投影画像として取得される。具体的には、視点60の位置、画角及び視線方向に基づいて、スクリーン座標変換処理を含むジオメトリ処理が実行されるとともに、レンダリング処理が行われるようになっている。
【0042】
ジオメトリ処理では、まず視点60の位置、画角及び視線方向に基づいて視野範囲62(View Volume)が画定される。ここで、視野範囲62は、例えば、視点60とフィールドオブジェクト50上の四つの点91,92,93,94とを頂点とする四角錐の内部領域として構成される。そして、上記視野範囲62の一部である表示対象範囲64内の各位置が、ボールオブジェクト58と視点60の間の所定位置に設けられた投影面66に投影される。すなわち、投影面66にx方向、y方向を座標軸とするスクリーン座標平面が構成され、表示対象範囲64内の各位置を投影面66に投影した時の位置(投影位置)がスクリーン座標によって特定される。ここで、スクリーン座標平面は、視点60から視線方向に延伸した直線68と投影面66との交点を原点Obとして構成されるものである。また、表示対象範囲64は、斜線で示される領域であり、具体的には視野範囲62のうち視点60から見て投影面66の向こう側の領域である。
【0043】
レンダリング処理では、視野範囲62内に存在する各オブジェクトの位置及び姿勢等に基づいて、表示対象範囲64の投影像が、投影面66上のスクリーン領域70に形成される。ここで、スクリーン領域70とは、具体的には、上記視野範囲62の投影面66による断面が占める領域である。こうして、形成された投影像が、空間投影画像として取得される。なお、表示対象範囲64の投影像が空間投影画像であることからもわかるように、画面内ユーザキャラクタオブジェクトとは表示対象範囲64内に位置するユーザキャラクタオブジェクト54であり、画面外ユーザキャラクタオブジェクトとは表示対象範囲64外に位置するユーザキャラクタオブジェクト54である。
【0044】
さらに、家庭用ゲーム機11では、上記スクリーン座標変換処理の実行により、マーカ画像74の表示対象であるユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置が特定される。すなわち、ユーザキャラクタオブジェクト54のスクリーン座標が算出される。ここでは、図7に示すように、ユーザキャラクタオブジェクト54Aの投影位置をPAとし、ユーザキャラクタオブジェクト54Bの投影位置をPBとし、ユーザキャラクタオブジェクト54Cの投影位置をPCとし、そして、ユーザキャラクタオブジェクト54Dの投影位置をPDとする。
【0045】
図8は、投影面66の各所に配置された各ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置の位置関係を示す図である。同図に示すように、投影面66にはスクリーン座標平面が構成され、PA乃至PDはスクリーン座標によって特定される。なお、PA乃至PDとスクリーン領域70との位置関係を示すため、スクリーン領域70を二点鎖線で表記している。
【0046】
各ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置が特定されると、特定された投影位置に基づいてマーカ画像74の表示位置が決定される。すなわち、投影位置に基づいて、マーカ画像74の表示位置を特定するスクリーン座標が算出される。
【0047】
図9は、図8においてスクリーン領域70の周辺を拡大して表示した図である。同図に示すように、画面内ユーザキャラクタオブジェクトたるキャラクタオブジェクト54Aに係るマーカ画像74Aについては、投影位置PAから所定距離だけ上方に移動した位置がその表示位置MAとして決定される。
【0048】
画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74については、まず原点Obから該画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に向かって直線を延伸するとともに、その直線とスクリーン領域70の縁E2との交点(マーカ表示位置基準点)を特定し、該マーカ表示位置基準点から該直線上を原点Obに向かって所定距離(その大きさをrとする)だけ移動した位置が、その表示位置として仮決定される。そして、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、そのマーカ画像74の一部又は全部が他の画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74と重なるか否かが判断され、画面外ユーザキャラクタオブジェクトの組み合わせが決定される。すなわち、重なり合う複数のマーカ画像74のそれぞれに係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトが特定される。ここで、上記組み合わせに含まれる画面外ユーザキャラクタオブジェクトの数は少なくとも2であり、いずれの組み合わせにも含まれない画面外ユーザキャラクタオブジェクトについては、仮決定された位置がマーカ画像74の表示位置として決定される。例えば、図3に示すマーカ画像74Bは、他の画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74と重なり合わないため、その表示位置MBは、直線LBと上記縁E2との交点たるマーカ表示位置基準点CBから直線LB上を原点Obに向かって上記所定距離(大きさr)だけ移動した位置となっている。
【0049】
一方、上記組み合わせに含まれる少なくとも2の画面外ユーザキャラクタオブジェクトについては、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトの離間度に基づいて、これらの画面外ユーザキャラクタオブジェクトの一部に係るマーカ画像74の表示位置が移動させられる。なお、離間度とは、表示対象範囲64内の所定位置(例えば図7の原点Ob)と画面外ユーザキャラクタオブジェクトとの間の距離に基づく値であり、離れている度合いを評価する評価値である。
【0050】
具体的には、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトの離間度が求められると、これら離間度の大きさに順位付けがなされる。例えば、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、その離間度の大きさの順位を示す数値nからなる順位データを生成する。ここでは、離間度の最も大きい画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係る順位データの示す数値nが1になるようになっている。つまり、離間度が小さくなるに従って、順位データの示す数値nは1から1ずつ増えていくようになっている。
【0051】
そして、離間度の大きさの順位付けに応じた位置が、マーカ画像74の表示位置として決定される。すなわち、離間度が小さい画面外ユーザキャラクタオブジェクトほど(順位データの示す数値nが大きい画面外ユーザキャラクタオブジェクトほど)、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置が、所定の基本移動距離(その大きさをRとする)ずつ原点Obに漸近するように決定される。具体的には、仮決定された位置から原点Obに向かって、(n−1)×(所定の基本移動距離の大きさR)で示される大きさの距離(移動距離)だけ移動した位置が、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定される。なお、離間度の最も大きい画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74に関しては、上記移動距離が0になるため、仮決定された位置がその表示位置として決定される。
【0052】
例えば、マーカ画像74Cの表示位置MCは、直線LCと上記縁E2との交点たるマーカ表示位置基準点CCから直線LC上を原点Obに向かって上記所定距離(大きさr)だけ移動した位置mcに仮決定される。また、マーカ画像74Dの表示位置MDは、直線LDと上記縁E2との交点たるマーカ表示位置基準点CDから直線LD上を原点Obに向かって上記所定距離(大きさr)だけ移動した位置mdに仮決定される。そして、上記位置mc及び位置mdに基づいてマーカ画像74Cとマーカ画像74Dは互いに重なり合うと判断された場合、ユーザキャラクタオブジェクト54C及びユーザキャラクタオブジェクト54Dは上記組み合わせを構成する画面外ユーザキャラクタオブジェクトとして特定される。そして、上記組み合わせを構成するユーザキャラクタオブジェクト54C及びユーザキャラクタオブジェクト54Dの各々について、離間度が算出される。ここでは、ユーザキャラクタオブジェクト54C及びユーザキャラクタオブジェクト54Dの各々について、その投影位置と原点Obとの距離を算出する。そして、算出された2の離間度の大きさに順位付けがなされ、ユーザキャラクタオブジェクト54C及びユーザキャラクタオブジェクト54Dの各々について、順位データが生成される。ここでは、ユーザキャラクタオブジェクト54Cに関する順位データの示す数値nは1となり、ユーザキャラクタオブジェクト54Dに関する順位データの示す数値nは2となる。そして、生成された順位データに従って、ユーザキャラクタオブジェクト54Cに係るマーカ画像74Cの表示位置MCが位置mcに決定される。また、ユーザキャラクタオブジェクト54Dに係るマーカ画像74Dの表示位置MDが、位置mcから直線LD上を原点Obに向かって移動距離(大きさR)だけ移動した位置に決定される。
【0053】
なお、上記したように離間度とは、画面外ユーザキャラクタオブジェクトと表示対象範囲64内の所定位置とが離れている度合いを評価する評価値であるが、画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置と原点Obとの距離だけに限らない。例えば、直線68とフィールドオブジェクト50との交点Ob’(図7参照)と、画面外ユーザキャラクタオブジェクトとのゲーム空間1000における距離であってもよい。また、例えば、図10に示すように、画面外ユーザキャラクタオブジェクトたるユーザキャラクタオブジェクト54と直線68とのゲーム空間1000における最短距離であってもよい。すなわち、画面外ユーザキャラクタオブジェクトから引き下ろした垂線82と直線68との交点84と、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトとのゲーム空間1000における距離であってもよい。また、例えば、図10に示すように、画面外ユーザキャラクタオブジェクトたるユーザキャラクタオブジェクト54と表示対象範囲64の側面とのゲーム空間1000における最短距離であってもよい。すなわち、画面外ユーザキャラクタオブジェクトから引き下ろした法線86と上記側面との交点88と、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトとの距離であってもよい。
【0054】
こうして、マーカ画像74の表示位置が決定されると、ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置に基づいて該マーカ画像74の姿勢が決定される。そして、決定された表示位置及び姿勢に基づいて、マーカ画像74が配置されたマーカ配置画像が生成される。そして、空間投影画像及びマーカ配置画像に基づいてゲーム画像が生成される。
【0055】
以下、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74のゲーム画像における表示位置を決定する処理についてさらに詳細に説明する。
【0056】
図11は、ゲーム装置10で実現される各ソフトウェア機能の関係を示す機能ブロック図である。同図には、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関係するものを中心として示している。これらの機能は、DVD−ROM25に格納されたプログラムをコンピュータゲームシステムである家庭用ゲーム機11が実行することにより、実現されるものである。
【0057】
同図に示されるように、ゲーム装置10で実現される機能には、空間情報記憶部110、空間投影画像生成部112、位置投影部114、マーカ画像表示位置仮決定部116、重なり判断部118、離間度算出部120、順位付与部122、マーカ画像表示位置決定部124、マーカ配置画像生成部126、ゲーム画像生成部128が含まれる。まず、空間情報記憶部110は、DVD−ROM25や主記憶26等の記憶手段を含んで構成されるものであり、ゲーム空間1000の状態を示す各種データを記憶するものである。ここでは、各オブジェクトの位置及び姿勢、ユーザキャラクタオブジェクト54が関連付けられたチームを識別する情報、サッカーゲームをプレイしている各ユーザを識別する情報等が記憶されている。
【0058】
空間投影画像生成部112は、空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて上記ジオメトリ処理及びレンダリング処理を行い、空間投影画像を生成するものである。具体的には、表示対象範囲64の投影像を、投影面66上のスクリーン領域70に形成し、形成された投影像を空間投影画像として取得する。
【0059】
位置投影部114は、空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて、各ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置を特定する。すなわち、上記ジオメトリ処理で行われるスクリーン座標変換処理を実行することにより、各ユーザキャラクタオブジェクト54のスクリーン座標を算出する。
【0060】
マーカ画像表示位置仮決定部116は、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置を仮決定するものである。具体的には、原点Obから画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に向かって直線を延伸するとともに、その直線とスクリーン領域70の縁E2との交点であるマーカ表示位置基準点を特定し、該マーカ表示位置基準点から該直線上を原点Obに向かって上記所定距離(大きさr)だけ移動した位置を、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として仮決定する。
【0061】
重なり判断部118は、仮決定された各マーカ画像74の表示位置に基づいて、重なり合う複数のマーカ画像74に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトの組み合わせを決定するものである。すなわち、仮決定された表示位置に各マーカ画像74が表示される場合に、これらのマーカ画像74のうちの一部又は全部が重なり合うか否かを判断し、重なり合う複数のマーカ画像74の各々に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトを特定する。
【0062】
離間度算出部120は、上記組み合わせに含まれる各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、離間度を算出するものである。すなわち、上記組み合わせに係る各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、その投影位置と原点Obとの距離を算出する。
【0063】
順位付与部122は、上記組み合わせに含まれる画面外ユーザキャラクタオブジェクトのそれぞれについて算出された離間度をその大きさに応じて順位付けするものである。具体的には、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、その離間度の大きさの順位を示す数値nからなる上記の順位データを生成する。
【0064】
マーカ画像表示位置決定部124は、順位付与部122によって生成された順位データに応じた位置を、上記組み合わせに含まれる画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定するものである。具体的には、仮決定された位置から原点Obに向かって、(n−1)×(所定の基本移動距離の大きさR)で示される大きさの移動距離だけ移動した位置を、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定する。こうして、順位データの示す数値nが大きい画面外ユーザキャラクタオブジェクトほど、マーカ画像74の表示位置を、原点Obに所定の基本移動距離(大きさR)ずつ漸近するように決定する。なお、所定の基本移動距離の大きさRは、他の画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74と重ならない大きさに設定することが望ましい。
【0065】
また、マーカ画像表示位置決定部124は、画面外ユーザキャラクタオブジェクトが、上記重なり判断部118によって決定されたいずれの組み合わせにも含まれない場合は、仮決定された位置を該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定する。さらに、マーカ画像表示位置決定部124は、画面内ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に基づいて、該画面内ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置も決定する。
【0066】
マーカ配置画像生成部126は、マーカ画像表示位置決定部124により決定された画面外ユーザキャラクタオブジェクトの表示位置に基づいて、マーカ配置画像を生成するものである。具体的には、まず、画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に基づいて、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の姿勢を決定する。このとき、マーカ画像74の姿勢は、画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置を指し示すように決定される。そして、決定された表示位置、姿勢及び空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて、マーカ画像74が配置されたマーカ配置画像を生成する。なお、マーカ配置画像生成部126は、画面内ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74も、マーカ配置画像内に配置する。
【0067】
ゲーム画像生成部128は、生成された空間投影画像にマーカ配置画像を重ねることにより、ゲーム画像を生成するものである。
【0068】
図12は、家庭用ゲーム機11で実行されるゲーム画像生成処理を説明するフロー図である。同図に示す処理は、DVD−ROM25に格納されたプログラムに基づき、所定時間(例えば1/60秒)毎に実行されるものである。
【0069】
図12に示すように、空間投影画像生成部112は、空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて上記ジオメトリ処理及びレンダリング処理を行い、空間投影画像を生成する(S001)。具体的には、表示対象範囲64の投影像を、投影面66上のスクリーン領域70に形成し、形成された投影像を空間投影画像として取得する。
【0070】
そして、位置投影部114は、空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて、各ユーザキャラクタオブジェクト54の投影位置を特定する(S002)。すなわち、上記ジオメトリ処理で行われるスクリーン座標変換処理を実行することにより、各ユーザキャラクタオブジェクト54のスクリーン座標を算出する。
【0071】
そして、マーカ画像表示位置仮決定部116は、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、そのマーカ画像74の表示位置を仮決定する(S003)。具体的には、原点Obから画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に向かって延伸した直線とスクリーン領域70の縁E2との交点であるマーカ表示位置基準点を特定し、該マーカ表示位置基準点から該直線上を原点Obに向かって上記所定距離(大きさr)だけ移動した位置を、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として仮決定する。
【0072】
そして、重なり判断部118は、仮決定された各マーカ画像74の表示位置に基づいて、重なり合う複数のマーカ画像74に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトの組み合わせを決定する(S004)。すなわち、仮決定された表示位置に各マーカ画像74が表示される場合に、これらのマーカ画像74のうちの一部又は全部が重なり合うか否かを判断し、重なり合う複数のマーカ画像74に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトを特定する。
【0073】
そして、離間度算出部120は、上記組み合わせに含まれる各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、表示対象範囲64との離間度を算出する(S005)。すなわち、上記組み合わせに係る各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、その投影位置と原点Obとの距離を算出する。なお、上記組み合わせが複数あるときは、各組み合わせについてS005を実行する。
【0074】
そして、順位付与部122は、上記組み合わせに含まれる各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて算出された離間度をその大きさに応じて順位付けする(S006)。具体的には、各画面外ユーザキャラクタオブジェクトについて、その離間度の大きさの順位を示す数値nからなる上記の順位データを生成する。
【0075】
そして、マーカ画像表示位置決定部124は、S006で生成された順位データに応じた位置を、上記組み合わせに含まれる各画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定する(S007)。具体的には、仮決定された位置から原点Obに向かって、(n−1)×(所定の基本移動距離の大きさR)で示される大きさの移動距離だけ移動した位置を、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定する。ここで、所定の基本移動距離の大きさRは、他の画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74と重ならない大きさに設定することが望ましい。なお、上記組み合わせが複数あるときは、各組み合わせについてS007を実行する。
【0076】
また、マーカ画像表示位置決定部124は、画面外ユーザキャラクタオブジェクトが、いずれの組み合わせにも含まれない場合は、仮決定された位置を該画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置として決定する。さらに、マーカ画像表示位置決定部124は、画面内ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置に基づいて、該画面内ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の表示位置を決定する。こうして、マーカ画像表示位置決定部124は、各ユーザキャラクタオブジェクト54に係るマーカ画像74の表示位置を決定する。
【0077】
そして、マーカ配置画像生成部126は、決定された表示位置に基づいて、マーカ配置画像を生成する(S008)。具体的には、まず、S007によって決定された投影位置に基づいて、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74の姿勢を決定する。ここで、マーカ画像74の姿勢は、画面外ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置を指し示すように決定される。そして、決定された表示位置、姿勢及び空間情報記憶部110の記憶内容に基づいて、各マーカ画像74が配置されたマーカ配置画像を生成する。このとき、マーカ配置画像生成部126は、画面内ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74も、マーカ配置画像に配置する。
【0078】
そして、ゲーム画像生成部128は、生成された空間投影画像にマーカ配置画像を重ねることにより、ゲーム画像を生成する(S009)。そして、生成されたゲーム画像が、ゲーム画面としてモニタ18に表示される。
【0079】
以上のように、家庭用ゲーム機11によれば、原則として、画面外ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74が、該画面外ユーザキャラクタオブジェクトの位置する方向を指し示すような姿勢で、ゲーム画面の縁E1の内側に表示される。
【0080】
また、複数のマーカ画像74が重なって表示される場合は、これらのマーカ画像74の一部について、ゲーム画面における表示位置が変更される。すなわち、重なり合う複数のマーカ画像74に係る画面外ユーザキャラクタオブジェクトの離間度の順位付けに従って、これらのマーカ画像74の一部のゲーム画面における表示位置が変更される。こうすれば、ユーザは、複数の画面外ユーザキャラクタオブジェクトの位置関係を容易に把握することができ、ゲームが興趣に富んだものになる。
【0081】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、以上の説明では本発明をサッカーゲームに適用する場合について取り上げたが、本発明は、他のスポーツゲームやアクションゲームにも適用可能である。すなわち、本発明は、ゲーム画面外にある複数のオブジェクトの位置をマーカ画像によって示すゲームであれば適用可能である。
【0082】
また、本発明は、3次元に限らず2次元のゲーム空間で行われるゲームについても適用可能である。
【0083】
また、画面内ユーザキャラクタオブジェクトに係るマーカ画像74は、ゲーム空間1000に配置された図示しないマーカオブジェクトに基づいて生成されてもよい。すなわち、マーカオブジェクトを投影面66に投影した投影像をマーカ画像74としてもよい。
【0084】
また、以上の説明では、マーカ配置画像を生成してからゲーム画像を生成しているが、マーカ画像の表示位置が決定される毎に、該マーカ画像を空間配置画像に直接配置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コントローラの外観を示す図である。
【図3】ゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である
【図4】空間投影画像の一例を示す図である。
【図5】マーカ配置画像の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である。
【図7】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図8】ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置とスクリーン領域との位置関係を示す図である。
【図9】ユーザキャラクタオブジェクトの投影位置とマーカ画像の表示位置との位置関係を示す図である。
【図10】表示対象範囲と離間度との関係を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロックを示す図である。
【図12】ゲーム画像生成処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0086】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向ボタン、36 スタートボタン、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、50 フィールドオブジェクト、52 ゴールオブジェクト、54,54A,54B,54C,54D ユーザキャラクタオブジェクト、58 ボールオブジェクト、60 視点、62 視野範囲、64 表示対象範囲、66 投影面、68 直線、70 スクリーン領域、74,74A,74B,74C,74D マーカ画像、80 空白領域、82 垂線、84,88 交点、86 法線、91,92,93,94 点、110 空間情報記憶部、112 空間投影画像生成部、114 位置投影部、116 マーカ画像表示位置仮決定部、118 重なり判断部、120 離間度算出部、122 順位付与部、124 マーカ画像表示位置決定部、126 マーカ配置画像生成部、128 ゲーム画像生成部、1000 ゲーム空間、CB,CC,CD 交点、E1,E2 縁、LA,LB,LC,LD 直線、MA,MB,MC,MD 表示位置、mc,md 位置、Ob 原点、Ob’ 点、PA,PB,PC,PD 投影位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するゲーム画像表示手段と、
前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するマーカ表示手段と、
一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出する離間度算出手段と
前記離間度算出手段によって算出された前記離間度を順位付けする離間度順位付け手段と、
前記離間度順位付け手段による順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する表示位置決定手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム画像表示手段は、
前記仮想空間の前記表示対象領域を所定の投影面に投影させることにより前記ゲーム画像を生成し、
前記離間度算出手段は、
前記表示対象領域の前記投影面に対する投影領域であるスクリーン領域内の所定位置と、前記一部又は全部のオブジェクトの前記仮想空間における位置の前記投影面に対する投影位置であるオブジェクト投影位置と、の距離に応じて前記離間度を算出する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記表示位置決定手段は、
前記所定位置と前記各オブジェクト投影位置とを結ぶ直線に基づいて、前記各マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置であって、
前記表示位置決定手段は、
前記各直線と前記スクリーン領域の縁との交点に基づいて、前記各マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置であって、
前記表示位置決定手段は、
前記各マーカ画像と前記スクリーン領域の縁との距離が前記順位付けに応じたものとなるように、該マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するステップと、
前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するステップと、
一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出するステップと
前記離間度を算出するステップによって算出された前記離間度を順位付けするステップと、
前記離間度を順位付けするステップによる順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
複数のオブジェクトが配置された仮想空間の一部である表示対象領域を示すゲーム画像をゲーム画面に表示するゲーム画像表示手段、
前記各オブジェクトに関連付けられたマーカ画像を前記ゲーム画面に表示するマーカ表示手段、
一部又は全部の前記オブジェクトの前記仮想空間における位置に基づいて、それらのオブジェクトと前記表示対象領域との離間度を算出する離間度算出手段、
前記離間度算出手段によって算出された前記離間度を順位付けする離間度順位付け手段、
前記離間度順位付け手段による順位付けに従って、複数の前記マーカ画像の前記ゲーム画面における表示位置を決定する表示位置決定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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