説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームにおいて、第2のゲームキャラクタの行動制御の高度化を図ることが可能になるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】選択受付部60は、第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付ける。選択履歴記録部62は、選択受付部60によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する。行動制御データ記憶部(敵キャラクタ行動制御データ記憶部64)は選択履歴条件に対応づけて行動制御データを記憶する。行動制御部(敵キャラクタ行動制御部68)は、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴が選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた行動制御データに基づいて、第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームとして、例えば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを退治するゲームが知られている。このようなゲームでは、敵キャラクタの行動制御が例えば次のようにして行われる。例えば、プレイヤキャラクタの位置に基づいて、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに向かって移動するように制御される。また例えば、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに近づいたら、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに対して攻撃を行うように制御される。
【特許文献1】特開2006−320419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するようなゲームでは、第2のゲームキャラクタの行動制御をより高度化することが強く望まれる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームにおいて、第2のゲームキャラクタの行動制御の高度化を図ることが可能になるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置において、前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する選択履歴記録手段と、前記選択受付手段によって受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶する行動制御データ記憶手段と、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定する判定手段と、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する行動制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付けるための選択受付ステップと、前記選択受付ステップにおいて受け付けられた選択結果の履歴を記録するための選択履歴記録ステップと、前記選択受付ステップにおいて受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶してなる行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御情報に対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録ステップによって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定するための判定ステップと、前記選択履歴記録ステップによって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行するための行動制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付ける選択受付手段、前記選択受付手段によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する選択履歴記録手段、前記選択受付手段によって受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶してなる行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定する判定手段、及び、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する行動制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置に関するものである。本発明では、第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択が受け付けられる。また、受け付けられた選択結果の履歴が記録される。また、選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、行動制御データが記憶される。また本発明では、各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、記録された選択結果の履歴が満足するか否かが判定される。そして、記録された選択結果の履歴が選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた行動制御データに基づいて、第2のゲームキャラクタの行動制御が実行される。本発明によれば、第1のゲームキャラクタの行動に関する選択肢の選択に関するプレイヤの傾向に合わせて、第2のゲームキャラクタの行動制御を行うことが可能になる。その結果、本発明によれば、第2のゲームキャラクタの行動制御の高度化を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明の一態様では、選択履歴条件は、各選択肢の選択回数の組み合わせに関する条件であってもよい。こうすれば、各選択肢の選択回数の組み合わせに応じて、第2のゲームキャラクタの行動制御を行うことが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、選択履歴条件は、最近の所定回数の選択時における各選択肢の選択回数の組み合わせに関する条件であってもよい。こうすれば、最近の所定回数の選択時における各選択肢の選択回数の組み合わせに応じて、第2のゲームキャラクタの行動制御を行うことが可能になる。第1のゲームキャラクタの行動に関する選択肢の選択に関するプレイヤの最近の傾向に合わせて、第2のゲームキャラクタの行動制御を行うことが可能になる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記選択履歴記録手段は、前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられた場合、前回の選択受付時からの経過時間を取得する手段と、前記経過時間が基準時間以下であるか否かを判定する手段と、前記経過時間が前記基準時間以下であると判定された場合、前回の選択結果を破棄する手段と、を含むようにしてもよい。選択肢が選択された場合において、前回の選択時からの経過時間が短い場合、前回の武器選択時にが所望の選択肢とは異なる選択肢を誤って選択され、選択肢の選択がやりなおされようとしていると考えられる。このため、以上のようにすれば、所望の選択肢とは異なる選択肢が選択されてしまった場合の選択結果が、第2のゲームキャラクタの行動制御に反映されないように図ることが可能になる。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられてからの経過時間を取得する手段と、前記経過時間が基準時間以上であるか否かを判定する手段と、を含むようにしてもよい。また、前記行動制御手段は、前記経過時間が前記基準期間以上であると判定された場合、前記行動制御データ記憶手段に記憶される行動制御データのうちの他の行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始するようにしてもよい。選択肢の選択が行われない状態が継続すると、その間、選択結果の履歴も変化しないため、第2のゲームキャラクタの行動制御の基礎となる行動制御データも変化しないことになる。その結果、第2のゲームキャラクタの行動が単調になってしまうおそれがある。この点、以上のようにすれば、選択肢の選択が行われない状態が継続している場合であっても、第2のゲームキャラクタの行動が単調にならないように図ることが可能になる。
【0014】
この態様では、前記行動制御手段は、前記経過時間が前記基準時間以上であると判定された場合、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴に基づいて、前記複数の選択肢のうちで選択頻度が最も高い選択肢を判断する手段と、前記複数の選択肢のうちで選択頻度が最も高いと判断された選択肢の選択が前記選択受付手段によって新たに受け付けられたと仮定した場合の選択結果の履歴を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴に基づいて取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される仮定の選択結果の履歴が、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を満足するか否かを判定する手段と、を含むようにしてもよい。そして、前記行動制御手段は、前記取得手段によって取得される仮定の選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始するようにしてもよい。このようにすれば、次に選択される可能性の高い選択肢を考慮して、第2のゲームキャラクタの行動制御の基礎となる行動制御データを変えることが可能になる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられてからの経過時間を取得する経過時間取得手段を含むようにしてもよい。また、前記行動制御データ記憶手段は、前記選択履歴条件と、前記経過時間に関する経過時間条件と、の組み合わせに対応づけて、前記行動制御データを記憶するようにしてもよい。また、前記判定手段は、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記経過時間取得手段によって取得された経過時間と、が満足するか否かを判定するようにしてもよい。そして、前記行動制御手段は、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記経過時間取得手段によって取得された経過時間と、が前記選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを満足すると判定された場合、該選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせに対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始するようにしてもよい。このようにしても、選択肢の選択が行われない状態が継続している場合であっても、第2のゲームキャラクタの行動が単調にならないように図ることが可能になる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記プレイヤのゲーム結果に基づいて、前記ゲームの難易度を決定する難易度決定手段を含むようにしてもよい。また、前記行動制御データ記憶手段は、前記選択履歴条件と、前記ゲームの難易度に関する難易度条件と、の組み合わせに対応づけて、前記行動制御データを記憶するようにしてもよい。また、前記判定手段は、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記難易度決定手段によって決定された難易度と、が満足するか否かを判定するようにしてもよい。そして、前記行動制御手段は、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記難易度決定手段によって決定された難易度と、が前記選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを満足すると判定された場合、該選択履歴条件と難易度条件との組み合わせに対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行するようにしてもよい。このようにすれば、第1のゲームキャラクタの行動に関する選択肢の選択に関するプレイヤの傾向と、プレイヤのゲーム結果(技量)と、に合わせて、第2のゲームキャラクタの行動制御を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、DVD−ROM25、メモリカード28、モニタ18及びスピーカ22を含んで構成されている。DVD−ROM25及びメモリカード28は情報記憶媒体である。DVD−ROM25及びメモリカード28は家庭用ゲーム機11に装着される。モニタ18及びスピーカ22は家庭用ゲーム機11に接続される。例えば家庭用テレビ受像機がモニタ18として用いられる。例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカがスピーカ22として用いられる。
【0019】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される。コントローラ32以外の構成要素は家庭用ゲーム機11の筐体内に収容される。
【0020】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラム及びデータや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成される。主記憶26には、DVD−ROM25又はメモリカード28から読み出されたプログラムやデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0021】
画像処理部16はVRAMを含んで構成される。画像処理部16は、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、画像処理部16は、そのゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0022】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0023】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成される。サウンドバッファには、DVD−ROM25から読み出されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データが記憶される。音声処理部20は、サウンドバッファに記憶された各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0024】
DVD−ROM再生部24は、DVD−ROM25に記録されたプログラムやデータをマイクロプロセッサ14からの指示に従って読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0025】
メモリカード28は不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11はメモリカード28を装着するためのメモリカードスロットを複数備えている。メモリカード28には例えばセーブデータなどの各種ゲームデータが記憶される。
【0026】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンする。そして、入出力処理部30はそのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ32を接続することが可能である。マイクロプロセッサ14は各コントローラ32から入力される操作信号に基づいてゲーム制御を実行する。
【0027】
図2はコントローラ32の一例を示す図である。図2(a)に示すように、コントローラ32の表面には方向ボタン34、スタートボタン36、ボタン38X,38Y,38A,38Bが備えられている。また図2(b)に示すように、コントローラ32の奥側側面にはボタン40L,40R,42L,42Rが備えられている。方向ボタン34は十字形状を有している。方向ボタン34は、一般的にキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートボタン36は三角形状を有する小型の押しボタンである。スタートボタン36は、一般的にゲームのスタートやゲームの強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは、その他の各種ゲーム操作に用いられる。
【0028】
上記のゲーム装置10では、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを退治するゲームが実行される。プレイヤキャラクタはプレイヤの操作に従って動作するゲームキャラクタである。このゲームはDVD−ROM25から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。
【0029】
図3はゲーム画面の一例を示す図である。図3に示すように、ゲーム画面50には、プレイヤキャラクタ52と、プレイヤキャラクタ52が使用中の武器名54と、が表示される。なお、ゲーム画面50には敵キャラクタも表示されるが、図3では省略されている。プレイヤキャラクタ52はコントローラ32に対する操作に応じて行動する。例えば、プレイヤキャラクタ52は方向ボタン34に対する操作に応じて移動する。また例えば、プレイヤキャラクタ52は所定の攻撃指示ボタン(ボタン38A)の押下操作に応じて、武器を使用した攻撃動作を行う。
【0030】
このゲームでは、プレイヤキャラクタ52が使用可能な武器として複数種類の武器が用意されている。プレイヤは、プレイヤキャラクタ52が使用する武器をゲーム中に切り替えることができる。プレイヤはプレイヤキャラクタ52の武器を切り替える場合、まずボタン38Bを押下する。図4は、ボタン38Bが押下された場合のゲーム画面50の一例を示している。図4に示すように、この場合のゲーム画面50には武器選択メニュー56が表示される。武器選択メニュー56にはプレイヤキャラクタ52が使用可能な武器が表示される。本実施の形態の場合、プレイヤキャラクタ52が使用可能な武器として「ハンドガン」、「ショットガン」及び「アサルトライフル」が用意されている。武器選択メニュー56では、最初、プレイヤキャラクタ52が現在使用中の武器が区別表示されている。図4に示すゲーム画面50では、プレイヤキャラクタ52が現在使用中の武器である「アサルトライフル」が斜線によって区別表示されている。プレイヤがボタン42L又は42Rを押下すると、武器選択メニュー56において区別表示される武器が他の武器に変わる。プレイヤはボタン42L又は42Rを押下することによって、武器選択メニュー56において所望の武器を区別表示させる。そして、プレイヤは所望の武器が区別表示された状態でボタン38Bを押下する。武器選択メニュー56の表示中にボタン38Bが押下されると、プレイヤキャラクタ52の武器が武器選択メニュー56で区別表示されていた武器に切り替えられる。
【0031】
以下、上記のゲーム装置10において、敵キャラクタの行動をプレイヤの武器選択の傾向に応じて変化させるための技術について説明する。
【0032】
図5はゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は、選択受付部60、選択履歴記録部62、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64、判定部66、敵キャラクタ行動制御部68を含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されるプログラムがゲーム装置10で実行されることによって実現される。
【0033】
選択受付部60はマイクロプロセッサ14を主として実現される。選択受付部60は、プレイヤによる、複数の武器(プレイヤキャラクタ52の行動に関する選択肢)のうちのいずれかの選択を受け付ける。なお、本実施の形態の場合、ゲーム画面50の武器選択メニュー56において所望の武器を選択するための操作(ボタン42L又は42R、38Bの押下操作)が「選択操作」に相当する。
【0034】
選択履歴記録部62はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。選択履歴記録部62は、選択受付部60によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する。選択履歴記録部62は選択結果バッファを含んでいる。選択結果バッファは、プレイヤの選択結果を時系列で格納するためのバッファである。本実施の形態の場合、選択結果バッファに格納可能な選択結果の最大数は武器の種類数(3)に一致している。本実施の形態の場合、選択結果バッファは、最近3回の武器選択時における選択結果を時間順で格納するためのバッファである。図6は選択結果バッファの記憶内容の変化の一例を示す図である。なお、図6では、選択結果バッファの上段から下段にプレイヤの選択結果が新しいものから順に格納されることとしている。
【0035】
ゲーム開始当初、選択結果バッファは空の状態になっている(図6(a))。この状態でプレイヤが武器選択メニュー56で「ショットガン」を選択することによって、プレイヤキャラクタ52の武器を「ショットガン」に切り替えると、「ショットガン:1」との文字列が選択結果バッファに追加記憶される(図6(b))。「ショットガン:1」のうちの「ショットガン」の部分は、プレイヤによって選択された武器の識別情報(ここでは武器名)である。「ショットガン:1」のうちの「1」の部分は、その武器に付与されたポイント数を示している。本実施の形態では、ある武器がプレイヤによって選択されると、その武器に対して1ポイント付与される。このため、本実施の形態の場合、各武器ごとのポイント数は各武器の選択回数を示している。
【0036】
図6(b)に示す状態で、プレイヤが武器選択メニュー56で「ハンドガン」を選択することによって、プレイヤキャラクタ52の武器を「ハンドガン」に切り替えると、「ハンドガン:1」との文字列が選択結果バッファに追加記憶される(図6(c))。さらに、その状態でプレイヤが武器選択メニュー56で「ショットガン」を選択することによって、プレイヤキャラクタ52の武器を「ショットガン」に戻すと、「ショットガン:1」との文字列が選択結果バッファに追加記憶される(図6(d))。
【0037】
図6(d)に示す状態で、プレイヤが武器選択メニュー56で「アサルトライフル」を選択することによって、プレイヤキャラクタ52の武器を「アサルトライフル」に切り替えると、最も古い選択結果(ショットガン:1)が選択結果バッファから破棄されるとともに、最新の選択結果(アサルトライフル:1)が選択結果バッファに追加記憶される(図6(e))。この場合、「ショットガン」のポイントが1ポイント減らされ、新たに選択された「アサルトライフル」に対してそのポイントが付与されることになる。このため、選択結果バッファに保持される各武器のポイント数は、最近3回の武器選択時における各武器の選択回数になる。
【0038】
なお、図6(d)に示す状態で「アサルトライフル」が選択された場合、上述したように、「ショットガン」のポイントが1ポイント減らされ、「アサルトライフル」に対してそのポイントが付与される。これは、「アサルトライフル」が「ショットガン」から1ポイントを奪ったとも言うことができる。また、本実施の形態では、各武器に付与されるポイントの合計は3ポイント(武器種類数に等しい)に限られており、本実施の形態は、限られたポイント数(3ポイント)の中で「ハンドガン」、「ショットガン」、「アサルトライフル」がポイントを奪い合うようになっているとも言うことができる。
【0039】
敵キャラクタ行動制御データ記憶部64は例えばDVD−ROM25を主として実現される。敵キャラクタ行動制御データ記憶部64は、選択履歴条件と、敵キャラクタ行動制御データと、を対応づけて記憶する。敵キャラクタ行動制御データは敵キャラクタの行動制御の基礎となるデータである。なお、敵キャラクタ行動制御データは、単体の敵キャラクタに対する行動制御内容を定めたデータであってもよいし、複数の敵キャラクタの各々に対する行動制御内容を定めたデータであってもよい。選択履歴条件は、選択受付部60によって受け付けられる選択結果の履歴に関する条件である。例えば、選択履歴条件は、「ハンドガン」、「ショットガン」及び「アサルトライフル」のうちで、最近所定数回の武器選択時における選択回数が最も多い武器はどれかの条件である。こうすれば、「ハンドガン」の選択回数が最も多い場合には、「ハンドガン」による攻撃を想定した敵キャラクタ行動制御データに基づいて敵キャラクタの行動制御を行うことが可能になる。また、「ショットガン」の選択回数が最も多い場合には、「ショットガン」による攻撃を想定した敵キャラクタ行動制御データに基づいて敵キャラクタの行動制御を行うことが可能になる。また、「アサルトライフル」の選択回数が最も多い場合には、「アサルトライフル」による攻撃を想定した敵キャラクタ行動制御データに基づいて敵キャラクタの行動制御を行うことが可能になる。また例えば、選択履歴条件は、最近所定数回の武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせに関する条件であってもよい。本実施の形態の場合、選択履歴条件は、最近3回の武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせに関する条件となっている。
【0040】
図7は、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64に記憶される敵キャラクタ行動制御データテーブルを示している。図7に示すように、敵キャラクタ行動制御データテーブルは、敵キャラクタ行動制御データと、最近3回の武器選択時において各武器に付与されたポイント数の組み合わせと、を対応づけてなるテーブルである。なお、図7において「ID」は敵キャラクタ行動制御データを一意に識別する情報である。また本実施の形態の場合、各武器のポイント数は各武器の選択回数に相当している。このため、本実施の形態の場合、敵キャラクタ行動制御データテーブルは、敵キャラクタ行動制御データと、最近3回の武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせと、を対応づけてなるテーブルと言うことができる。
【0041】
判定部66はマイクロプロセッサ14を主として実現される。判定部66は、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64に記憶される各敵キャラクタ行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定する。詳細については後述する(図8参照)。
【0042】
敵キャラクタ行動制御部68はマイクロプロセッサ14を主として実現される。選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴が選択履歴条件を満足すると判定部66によって判定された場合、敵キャラクタ行動制御部68は、該選択履歴条件に対応づけられた敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始する。
【0043】
ここで、武器選択メニュー56で武器が選択された場合にゲーム装置10で実行される処理について説明する。図8はその処理を示すフロー図である。この処理(プログラム)がマイクロプロセッサ14によって実行されることによって、図5に示す各機能ブロックが実現される。
【0044】
図8に示すように、まずゲーム装置10(選択履歴記録部62)は、選択結果バッファに3つの選択結果がすでに格納されているか否かを判定する(S101)。選択結果バッファに3つの選択結果がすでに格納されている場合、ゲーム装置10(選択履歴記録部62)は、最も古い選択結果を選択結果バッファから削除する(S102)。その後、ゲーム装置10(選択履歴記録部62)は、最新の選択結果を選択結果バッファに追加記憶する(S103)。なお、選択結果バッファに3つの選択結果が格納されていない場合には、最も古い選択結果の削除が実行されることなく、最新の選択結果が選択結果バッファに追加記憶される。
【0045】
次にゲーム装置10(判定部66)は、選択結果バッファに保持される各武器のポイント数を取得する(S104)。例えば選択結果バッファの状態が図6(d)に示す状態である場合、S104で取得されるハンドガン、ショットガン、アサルトライフルのポイント数はそれぞれ1、2、0である。また例えば選択結果バッファの状態が図6(e)に示す状態である場合、S104で取得されるハンドガン、ショットガン、アサルトライフルのポイント数はそれぞれ1、1、1である。
【0046】
次にゲーム装置10は変数iを1に設定する(S105)。そしてゲーム装置10(判定部66)は、ID「i」に対応づけられた各武器のポイント数の組み合わせを読み出す(S106)。その後、ゲーム装置10(判定部66)は、S106で読み出した各武器のポイント数の組み合わせと、S104で取得した各武器のポイント数の組み合わせと、が一致するか否かを判定する(S107)。両組み合わせが一致しない場合、ゲーム装置10は変数iに1を加算し(S108)、S106を再実行する。
【0047】
一方、S107において両組み合わせが一致すると判定された場合、ゲーム装置10(敵キャラクタ行動制御部68)は、ID「i」の敵キャラクタ行動制御データを読み出し、該敵キャラクタ行動制御データに基づく敵キャラクタの行動制御を開始する(S109)。
【0048】
以上説明したように、ゲーム装置10では、最近3回の武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせに基づいて、敵キャラクタの行動制御が実行される。このため、ゲーム装置10によれば、プレイヤの武器選択の最近の傾向に合わせて、敵キャラクタの行動を変化させることが可能になる。例えば、プレイヤがアサルトライフルを選択しない傾向にある場合、ハンドガン及びショットガンを考慮した行動を敵キャラクタに行わせることが可能になる。すなわち、ゲーム装置10によれば、敵キャラクタの行動制御の高度化を図ることが可能になる。
【0049】
なお、最近の所定回数(本実施の形態では3回)の武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせではなく、ゲーム開始から現在までのすべての武器選択時における各武器の選択回数の組み合わせに基づいて、敵キャラクタの行動制御を実行することも考えられる。しかしながら、この場合、各武器の選択回数(各武器のポイント数)の組み合わせが増大してしまうため、敵キャラクタ行動制御データテーブルのサイズが増大してしまうおそれがある。この点、ゲーム装置10によれば、そのような不具合が生じないように図ることが可能になる。
【0050】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば、プレイヤキャラクタ52の行動に関する選択肢は、武器に関する選択肢に限られない。例えば、プレイヤキャラクタ52の移動方法(移動態様)として複数の移動方法を用意しておくようにしてもよい。そして、プレイヤがプレイヤキャラクタ52の移動方法をゲーム中に切り替えることができるようにしてもよい。この場合、選択受付部60は、プレイヤキャラクタ52の移動方法の選択を受け付ける。選択履歴記録部62はプレイヤキャラクタ52の移動方法の選択履歴を記録する。こうすれば、プレイヤキャラクタ52の移動方法の選択に関するプレイヤの最近の傾向に合わせて、敵キャラクタの行動を変化させることが可能になる。
【0052】
なお、選択履歴記録部62は、プレイヤキャラクタ52の武器の選択履歴と、プレイヤキャラクタ52の移動方法の選択履歴と、を記録するようにしてもよい。そして、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64において、敵キャラクタ行動制御データに対応づけられる選択履歴条件は、プレイヤキャラクタ52の武器の選択履歴と、プレイヤキャラクタ52の移動方法の選択履歴と、に関する条件としてもよい。このようにすれば、プレイヤキャラクタ52の武器の選択に関するプレイヤの最近の傾向と、プレイヤキャラクタ52の移動方法の選択に関するプレイヤの最近の傾向と、に合わせて、敵キャラクタの行動を変化させることが可能になる。
【0053】
また例えば、選択結果バッファには4つ以上の選択結果が記憶されるようにしてもよい。例えば、最近10回又は20回の武器選択時における選択結果が選択結果バッファに記憶されるようにしてもよい。
【0054】
また例えば、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64は、選択履歴条件と、ゲームの難易度に関する難易度条件と、の組み合わせに対応づけて、敵キャラクタ行動制御データを記憶するようにしてもよい。図9は、この場合の敵キャラクタ行動制御データテーブルの一例を示している。図9に示す例では難易度が1〜3の数値で表されている。
【0055】
この場合、ゲーム装置10には難易度決定部が設けられる。難易度決定部は、プレイヤのゲーム結果に基づいて、ゲームの難易度を決定する。例えば、難易度決定部は、プレイヤキャラクタ52が武器を使用した回数と、プレイヤキャラクタ52が退治した敵キャラクタの数と、を計数する。そして、難易度決定部は、プレイヤキャラクタ52が武器を使用した回数と、プレイヤキャラクタ52が退治した敵キャラクタの数と、を比較する。例えば、プレイヤキャラクタ52が武器を使用した回数(例えば100回)と、プレイヤキャラクタ52が退治した敵キャラクタの数(例えば100体)と、の差が比較的小さい場合には、プレイヤの技量が高いと考えられる。このため、そのような場合には難易度決定部はゲームの難易度を上げる。また例えば、プレイヤキャラクタ52が武器を使用した回数(例えば100回)と、プレイヤキャラクタ52が退治した敵キャラクタの数(例えば10体)と、の差が比較的大きい場合には、プレイヤの技量が低いと考えられる。このため、そのような場合には難易度決定部はゲームの難易度を下げる。なお、難易度決定部によって決定されたゲームの難易度は主記憶26に記憶される。
【0056】
また、この場合、判定部66は、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴と、難易度決定部によって決定された難易度とが、各敵キャラクタ行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを満足するか否かを判定する。また、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴と、難易度決定部によって決定された難易度とが、選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを満足すると判定部66によって判定された場合、敵キャラクタ行動制御部68は、該選択履歴条件と難易度条件との組み合わせに対応づけられた敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始する。
【0057】
以上のようにすれば、プレイヤの武器選択の最近の傾向と、プレイヤの技量と、に合わせて敵キャラクタの行動制御を変化させることが可能になる。
【0058】
なお、難易度決定部は、ゲームオーバーイベントが発生したら、その後に再開されるゲームにおいて難易度を下げるようにしてもよい。ゲームオーバーイベントは、例えば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタからの攻撃を受けることによって減少するパラメータが所定値(例えば0)になった場合に発生する。
【0059】
また例えば、ゲームオーバーイベントが発生した後に再開されたゲームにおいて、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴に基づいて、プレイヤに武器の変更を促すようにしてもよい。例えば、プレイヤによる選択頻度の高い武器を案内するようにしてもよい。
【0060】
また例えば、ゲームオーバーイベントが発生した後に再開されたゲームにおいて、敵キャラクタ行動制御部68は、ゲームオーバー時に用いていた敵キャラクタ行動制御データとは別の敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始するようにしてもよい。このようにすれば、ゲームオーバー後に再開されるゲームに変化を与えることができるようになる。
【0061】
また例えば、武器の選択が一定時間行われない場合、敵キャラクタ行動制御部68は、敵キャラクタの行動制御の基礎とされる敵キャラクタ行動制御データを他の敵キャラクタ行動制御データに変えるようにしてもよい。例えば、敵キャラクタ行動制御部68は、武器の選択が一定時間行われない場合、乱数に基づいて選択される敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始するようにしてもよい。
【0062】
武器の選択が行われない状態が継続すると、その間、選択結果バッファの内容は変化しないため、敵キャラクタの行動制御の基礎とされる敵キャラクタ行動制御データも変化しない。その結果、敵キャラクタの行動が単調になってしまうおそれがある。この点、以上のようにすれば、武器の選択が行われない状態が継続した場合であっても、敵キャラクタの行動が単調にならないように図ることが可能になる。
【0063】
なお、敵キャラクタ行動制御部68は、次に説明するようにして、敵キャラクタの行動制御の基礎とされる敵キャラクタ行動制御データを他の敵キャラクタ行動制御データに変えるようにしてもよい。すなわち、敵キャラクタ行動制御部68は、「ハンドガン」、「ショットガン」及び「アサルトライフル」のうちでプレイヤの選択頻度が最も高い武器を、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴に基づいて判断する。次に、敵キャラクタ行動制御部68は、その選択頻度が最も高い武器がプレイヤによって新たに選択されたと仮定した場合の選択結果の履歴を、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴に基づいて取得する。次に、敵キャラクタ行動制御部68は、その仮定の選択結果の履歴が、敵キャラクタ行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を満足するか否かを判定する。そして、いずれかの選択履歴条件が満足されると判定された場合、敵キャラクタ行動制御部68は、その選択履歴条件に対応づけられた敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始する。このようにすれば、次に選択される可能性の高い武器を考慮して、敵キャラクタの行動制御の基礎とされる敵キャラクタ行動制御データを変えることが可能になる。
【0064】
また例えば、敵キャラクタ行動制御データ記憶部64は、選択履歴条件と、経過時間に関する経過時間条件と、の組み合わせに対応づけて、敵キャラクタ行動制御データを記憶するようにしてもよい。図10は、この場合の敵キャラクタ行動制御データテーブルの一例を示している。
【0065】
この場合、ゲーム装置10には経過時間取得部が設けられる。経過時間取得部は、武器の選択が行われてからの経過時間を取得する。また、この場合、判定部66は、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴と、経過時間取得部によって取得された経過時間とが、各敵キャラクタ行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを満足するか否かを判定する。そして、選択履歴記録部62によって記録された選択結果の履歴と、経過時間取得部によって取得された経過時間とが、選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを満足すると判定部66によって判定された場合、敵キャラクタ行動制御部68は、該選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせに対応づけられた敵キャラクタ行動制御データに基づいて、敵キャラクタの行動制御を開始する。
【0066】
このようにしても、武器の選択が行われない状態が継続した場合に敵キャラクタの行動が単調になってしまわないように図ることが可能になる。なお、この場合、武器の選択が行われない状態が継続するのにつれて敵キャラクタの行動が高度化されるように、敵キャラクタ行動制御データテーブルを設定するようにしてもよい。
【0067】
また例えば、選択履歴記録部62は、プレイヤによって武器が選択された場合、前回の武器選択時からの経過時間を取得するようにしてもよい。そして、その経過時間が基準時間以下と判定される場合、選択履歴記録部62は、前回の武器選択時における選択結果を選択結果バッファから削除するようにしてもよい。この場合、選択結果バッファには、今回の選択結果が前回の武器選択時における選択結果に代えて記録されることになる。
【0068】
前回の武器選択時からほとんど時間が経過しないうちにプレイヤが武器を変更するような場合、プレイヤが前回の武器選択時に所望の武器とは異なる武器を誤って選択してしまい、武器の選択をやりなおそうとしていると考えられる。このため、以上のようにすれば、プレイヤが所望の武器とは異なる武器を誤って選択してしまった場合の選択結果が、敵キャラクタの行動制御に反映されないように図ることが可能になる。
【0069】
また例えば、本発明は、プレイヤキャラクタ52が敵キャラクタを退治するゲーム以外のゲームにも適用することが可能である。プレイヤの操作に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームに本発明を適用することによって、第2のゲームキャラクタの行動制御の高度化を図ることが可能になる。
【0070】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図11は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。図11に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。図11に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図6】選択結果バッファの記憶内容の変化の一例を示す図である。
【図7】敵キャラクタ行動制御データテーブルの一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図9】敵キャラクタ行動制御データテーブルの他の一例を示す図である。
【図10】敵キャラクタ行動制御データテーブルの他の一例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向ボタン、36 スタートボタン、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、50 ゲーム画面、52 プレイヤキャラクタ、54 武器名、56 武器選択メニュー、60 選択受付部、62 選択履歴記録部、64 敵キャラクタ行動制御データ記憶部、66 判定部、68 敵キャラクタ行動制御部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置において、
前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する選択履歴記録手段と、
前記選択受付手段によって受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶する行動制御データ記憶手段と、
前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定する判定手段と、
前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する行動制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記選択履歴条件は、各選択肢の選択回数の組み合わせに関する条件であることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記選択履歴条件は、最近の所定回数の選択時における各選択肢の選択回数の組み合わせに関する条件であることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記選択履歴記録手段は、
前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられた場合、前回の選択受付時からの経過時間を取得する手段と、
前記経過時間が基準時間以下であるか否かを判定する手段と、
前記経過時間が前記基準時間以下であると判定された場合、前回の選択結果を破棄する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられてからの経過時間を取得する手段と、
前記経過時間が基準時間以上であるか否かを判定する手段と、を含み、
前記行動制御手段は、前記経過時間が前記基準期間以上であると判定された場合、前記行動制御データ記憶手段に記憶される行動制御データのうちの他の行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置において、
前記行動制御手段は、
前記経過時間が前記基準時間以上であると判定された場合、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴に基づいて、前記複数の選択肢のうちで選択頻度が最も高い選択肢を判断する手段と、
前記複数の選択肢のうちで選択頻度が最も高いと判断された選択肢の選択が前記選択受付手段によって新たに受け付けられたと仮定した場合の選択結果の履歴を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴に基づいて取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される仮定の選択結果の履歴が、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を満足するか否かを判定する手段と、を含み、
前記取得手段によって取得される仮定の選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記選択受付手段によって選択肢の選択が受け付けられてからの経過時間を取得する経過時間取得手段を含み、
前記行動制御データ記憶手段は、前記選択履歴条件と、前記経過時間に関する経過時間条件と、の組み合わせに対応づけて、前記行動制御データを記憶し、
前記判定手段は、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記経過時間取得手段によって取得された経過時間と、が満足するか否かを判定し、
前記行動制御手段は、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記経過時間取得手段によって取得された経過時間と、が前記選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせを満足すると判定された場合、該選択履歴条件と経過時間条件との組み合わせに対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を開始する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記プレイヤのゲーム結果に基づいて、前記ゲームの難易度を決定する難易度決定手段を含み、
前記行動制御データ記憶手段は、前記選択履歴条件と、前記ゲームの難易度に関する難易度条件と、の組み合わせに対応づけて、前記行動制御データを記憶し、
前記判定手段は、前記行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記難易度決定手段によって決定された難易度と、が満足するか否かを判定し、
前記行動制御手段は、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴と、前記難易度決定手段によって決定された難易度と、が前記選択履歴条件と難易度条件との組み合わせを満足すると判定された場合、該選択履歴条件と難易度条件との組み合わせに対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付けるための選択受付ステップと、
前記選択受付ステップにおいて受け付けられた選択結果の履歴を記録するための選択履歴記録ステップと、
前記選択受付ステップにおいて受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶してなる行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御情報に対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録ステップによって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定するための判定ステップと、
前記選択履歴記録ステップによって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行するための行動制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項10】
プレイヤの指示に従って行動する第1のゲームキャラクタと、行動制御データに基づいて行動する第2のゲームキャラクタと、が登場するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記第1のゲームキャラクタの行動に関する複数の選択肢のうちの少なくとも1つの選択を受け付ける選択受付手段、
前記選択受付手段によって受け付けられた選択結果の履歴を記録する選択履歴記録手段、
前記選択受付手段によって受け付けられる選択結果の履歴に関する選択履歴条件に対応づけて、前記行動制御データを記憶してなる行動制御データ記憶手段に記憶される各行動制御データに対応づけられた選択履歴条件を、前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が満足するか否かを判定する判定手段、及び、
前記選択履歴記録手段によって記録された選択結果の履歴が前記選択履歴条件を満足すると判定された場合、該選択履歴条件に対応づけられた前記行動制御データに基づいて、前記第2のゲームキャラクタの行動制御を実行する行動制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−188309(P2008−188309A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27377(P2007−27377)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】