説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲーム空間の状況(複数のオブジェクトの配置状況)が、過去に経験した状況と一致又は類似することをユーザに気づかせることが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】表示制御手段(70)は、複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する。更新手段(68)は、複数のオブジェクトの配置状況を更新する。報知対象状況保存手段(76)は、所与の時点における複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段(64)に記憶させる。報知制御手段(78)は、複数のオブジェクトの配置状況と報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示するゲーム装置が知られている。例えば、移動物体(例えばボール又はパック)を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置では、複数の選手に対応する複数のオブジェクトと、移動物体に対応するオブジェクトと、が配置されたゲーム空間の全体又は一部がゲーム画面に表示される。
【0003】
また、上記のようなゲーム装置はリトライ機能を備える場合がある(特許文献1)。リトライ機能は、ゲーム空間の状況(例えば複数のオブジェクトの配置状況等)を過去の時点における状況に戻し、その状況からゲームを実行する機能である。このリトライ機能によれば、ユーザは、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−46280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、ユーザは、「ゲーム空間の状況(複数のオブジェクトの配置状況)が、過去に経験した状況と一致又は類似する状況になった場合に、過去の経験を生かして、ゲーム操作を行いたい」と考える。しかしながら、ゲーム空間の状況が、過去に経験した状況と一致又は類似する状況になったことにユーザが気づくことができない場合があった。
【0006】
例えば、サッカーゲームをプレイするユーザは、「試合中の状況が、過去の失点場面における状況と一致又は類似する状況になった場合に、過去の経験を踏まえて、失点しないようなゲーム操作を行いたい」と考える。しかしながら、試合中の状況が、過去の失点場面における状況と一致又は類似する状況になったことにユーザが気づくことができない場合があった。
【0007】
また例えば、上記リトライ機能を利用して練習したユーザは、「ゲーム空間の状況が、練習した状況と一致又は類似する状況になった場合に練習の成果を発揮したい」と考える。しかしながら、ゲーム空間の状況が、練習した状況と一致又は類似する状況になったことにユーザが気づくことができない場合があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲーム空間の状況(複数のオブジェクトの配置状況)が、過去に経験した状況と一致又は類似することをユーザに気づかせることが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム装置において、複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御手段と、前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新手段と、所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存手段と、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御ステップと、前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新ステップと、所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存ステップと、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、ゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御手段、前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新手段、所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存手段、及び、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0013】
本発明によれば、ゲーム空間の状況(複数のオブジェクトの配置状況)が、過去に経験した状況と一致又は類似することをユーザに気づかせることが可能になる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記複数のオブジェクトの配置状況を、過去の時点における配置状況に戻し、前記過去の時点における状況から前記ゲームを実行する手段を含むようにしてもよい。前記報知対象状況保存手段は、前記過去の時点における状況から前記ゲームが実行される場合、前記過去の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記報知対象状況保存手段は、ユーザによって指定された時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記報知対象状況保存手段は、所定操作が行われた場合、前記所定操作が行われた時点に基づく時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記報知対象状況保存手段は、所定のゲームイベントが発生した場合、前記所定のゲームイベントが発生した時点よりも前の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記報知制御手段は、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との類似度を取得する手段と、前記類似度に基づいて報知出力を実行する手段と、を含むようにしてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記表示制御手段は、前記ゲーム空間を仮想カメラから見た様子を表す前記ゲーム画面を表示手段に表示させるようにしてもよい。前記報知対象状況保存手段は、前記報知対象状況に対応づけて、前記所与の時点における前記仮想カメラの設定状況を記憶手段に記憶させる手段を含むようにしてもよい。前記表示制御手段は、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果が所定の結果である場合、前記仮想カメラの設定状況を、前記報知対象状況に対応づけて記憶される前記仮想カメラの設定状況に基づいて変更する手段を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】指定受付画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム装置で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。
【図6】過去状況記憶部の記憶内容の一例を示す模式図である。
【図7】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図8】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、又は携帯情報端末(PDA)等を用いて実現される。ここでは、本実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32は例えばテレビ受像機や液晶ディスプレイ等の表示装置である。音声出力部34は例えばスピーカやヘッドホン等の音声出力装置である。
【0023】
家庭用ゲーム機11はコンピュータゲームシステムであり、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0024】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各種情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。
【0025】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換され、表示部32に出力される。
【0026】
入出力処理部20は制御部14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えばゲーム音楽、ゲーム効果音、台詞等)を音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0027】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラム及びデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0028】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための操作手段である。複数のコントローラ30を家庭用ゲーム機11に有線又は無線接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に渡す。制御部14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0029】
ゲーム装置10では、例えば、ユーザが操作するチーム(以下「ユーザチーム」と呼ぶ。)と、対戦相手が操作するチーム(以下「対戦相手チーム」と呼ぶ。)と、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムが実行されることによって実現される。
【0030】
このサッカーゲームのゲーム画面を表示するためにゲーム空間が主記憶16に構築される。図2はゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ46と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール48と、が配置される。図2では省略されているが、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ46と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ46とがフィールド42上に配置される。なお、選手キャラクタ46及びボール48は、ゲーム空間40内において位置や姿勢等が変化する動的オブジェクトである。
【0031】
ゴール44の一方はユーザチームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール44内にボール48が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0032】
ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ46のうちのいずれかがユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象は、例えばボール48の位置又はユーザの操作に基づいて、ユーザチームに所属する選手キャラクタ46のうちで切り替えられる。ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ46はユーザの操作に従って動作する。一方、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ46はコンピュータの操作に従って動作する。
【0033】
選手キャラクタ46とボール48とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ46とボール48とが関連づけられる。この場合の選手キャラクタ46の移動動作はドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ46にボール48が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ46がボール48を保持している」というように記載する。
【0034】
また、ゲーム空間40には仮想カメラ50(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ50から見た様子を表すゲーム画面が表示部32に表示される(後述の図4参照)。例えば、ボール48が常にゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ50はボール48の位置に基づいてゲーム空間40内を移動する。
【0035】
ゲーム装置10は、通常モードと練習モードとの二つのゲームモードを備えている。通常モードは、ユーザが他のユーザ又はコンピュータとの対戦を楽しむためのモードである。通常モードでは、ユーザチームと、他のユーザ又はコンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される。
【0036】
一方、練習モードは、ユーザがゲームの練習を行うためのモードである。練習モードは、ユーザチームと、コンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される点で通常モードと類似する。ただし、練習モードはリトライ機能を備えている点で通常モードとは異なる。以下、練習モードのリトライ機能について説明する。
【0037】
練習モードでは、試合中に、ゲームの状況を示すデータが所定時間(例えば1秒)ごとに記録される。そして、試合中に、ユーザはゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、その状況からゲームをプレイし直すことができるようになっている。
【0038】
ゲームの状況を過去の時点における状況に戻す場合、ユーザは、ゲーム(試合)の進行を一時的に中断するための操作(以下「中断操作」と呼ぶ。)を行う。中断操作が行われた場合、試合の進行が一時的に中断されるとともに、ゲームの状況をどの時点まで戻すのかの指定を受け付けるための画面(以下「指定受付画面」と呼ぶ。)が表示される。図3は指定受付画面の一例を示す。この指定受付画面において、ユーザは、ゲームの状況を何秒前の時点まで戻すのかを指定する。ユーザによっていずれかの時点が指定されると、ユーザによって指定された時点におけるゲームの状況が再現され、その状況からゲームが再開される。
【0039】
ユーザは、以上に説明したリトライ機能を利用することによって、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。例えば、対戦相手チームの得点イベントが発生した場合に、ユーザは、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも少し前の時点からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。この場合、ユーザは守備のためのゲーム操作を練習することができる。また例えば、操作対象チームの得点イベントが発生した場合、又は、操作対象チームに属する選手キャラクタ46がシュートを行ったにも関わらず操作対象チームの得点イベントが発生しなかった場合に、ユーザは、その時点よりも少し前の時点からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。この場合、ユーザは攻撃のためのゲーム操作を練習することができる。
【0040】
さらに、ゲーム装置10は、下記に説明するような報知機能を備えている。報知機能は、ゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)が、リトライ機能を利用して練習した状況と一致又は類似する状況になったことをユーザに気づかせるための機能である。
【0041】
練習モードにおいてゲームの状況がユーザによって指定された時点における状況まで戻され、かつ、その状況からゲームが実行された場合、ユーザによって指定された時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)が報知対象状況として記憶される。そして、通常モードでは、ゲーム空間40の状況が報知対象状況と一致又は類似する状況になったか否かがユーザに報知されるようになっている。
【0042】
図4は、通常モードにおけるゲーム画面の一例を示している。図4に示すように、通常モードにおけるゲーム画面には報知画像52が表示される。報知画像52は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)が報知対象状況に一致又は類似する状況になったか否かをユーザに報知する役割を果たしている。報知画像52の色は所定の色(例えば赤色)に設定され、報知画像52の濃度は、ゲーム空間40の現在の状況と報知対象状況との類似度に対応する濃度に設定される。類似度が高くなる程、報知画像52の濃度が高くなる。なお、図4に示す例では報知画像52が円形の画像になっているが、報知画像52は円形以外の形状の画像であってもよい。
【0043】
ユーザは報知画像52の濃度を頼りに、ゲーム空間40の現在の状況が報知対象状況(練習モードで練習した状況)に一致又は類似する状況になったか否かを把握できる。また、ユーザは、ゲーム空間40の現在の状況が報知対象状況(練習モードで練習した状況)にどの程度類似するのかも把握することができる。そして、ゲーム空間40の現在の状況が報知対象状況に一致又は類似する状況になった場合に、ユーザは練習モードにおける練習の成果を発揮できるようになる。
【0044】
ここで、報知機能に関連する構成について説明する。図5は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。図5に示す機能ブロック図は、主に、報知機能に関連する機能ブロックを示している。図5に示すように、ゲーム装置10は、現在状況記憶部60、過去状況記憶部62、報知対象状況記憶部64、及びゲーム制御部66を含む。
【0045】
現在状況記憶部60及び過去状況記憶部62は、例えば主記憶16を主として実現され、報知対象状況記憶部64は、例えばハードディスク26(補助記憶部)を主として実現される。ゲーム制御部66は、通常モード及び練習モードにおけるゲーム制御を実行するための機能ブロックであり、例えば制御部14を主として実現される。図5に示すように、ゲーム制御部66は、現在状況更新部68(更新手段)、表示制御部70、過去状況保存部72、再現部74、報知対象状況保存部76、及び報知制御部78を含む。
【0046】
現在状況記憶部60、現在状況更新部68、及び表示制御部70は、通常モード及び練習モードに共通な機能ブロックである。
【0047】
現在状況記憶部60は、ゲームの現在の状況を示すデータを記憶する。例えば、ゲームの状況を示すデータには、下記に示すようなデータが含まれる。
(A)ゲーム空間40の状況を示すデータ
(B)仮想カメラ50の設定状況(例えば位置及び視線方向等)を示すデータ
(C)両チームの得点を示すデータ
(D)経過時間を示すデータ
【0048】
ゲーム空間40の状況を示すデータ(上記A)とは、ゲーム空間40に配置される動的オブジェクトの配置状況に関するデータである。本実施形態の場合、選手キャラクタ46及びボール48が動的オブジェクトに相当するため、ゲーム空間40の状況を示すデータには、下記に示すようなデータが含まれる。
(A−1)各選手キャラクタ46の配置状況(例えば位置、向き、姿勢や移動方向等)を示すデータ
(A−2)ボール48の配置状況(例えば位置や移動方向等)を示すデータ
【0049】
なお、選手キャラクタ46の配置状況を示すデータ(上記A−1)には、例えば、選手キャラクタ46がボール48を保持しているか否かを示すデータや、選手キャラクタ46がユーザの操作対象に設定されているか否かを示すデータも含まれる。
【0050】
また、以下では、ゲームの状況を示すデータ(上記A〜D)のことを「ゲーム状況データ」と呼ぶ。また、ゲーム空間40の状況を示すデータ(上記A)、すなわち、ゲーム空間40に配置される動的オブジェクトの配置状況に関するデータ(上記A−1,A−2)のことを「配置状況データ」と呼ぶ。
【0051】
現在状況更新部68は、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新することによって、ゲームの現在の状況を更新する。例えば、現在状況更新部68は、選手キャラクタ46及びボール48の配置状況(例えば位置等)を更新する。現在状況更新部68の動作の詳細については後述する(図7のS104参照)。
【0052】
表示制御部70は、ゲーム空間40の全体又は一部をゲーム画面に表示部32に表示する。本実施形態の場合、表示制御部70は、ゲーム空間40を仮想カメラ50から見た様子を表すゲーム画面を、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データに基づいて生成し、そのゲーム画面を表示部32に表示する。
【0053】
過去状況記憶部62、過去状況保存部72、及び再現部74は練習モード(リトライ機能)に関連する機能ブロックである。また、報知対象状況記憶部64、報知対象状況保存部76、及び報知制御部78は報知機能に関する機能ブロックである。
【0054】
過去状況記憶部62は、過去の時点におけるゲームの状況を示すデータを記憶する。本実施形態の場合、過去状況記憶部62は、複数の過去の時点の各々におけるゲーム状況データを記憶する。図6は、過去状況記憶部62の記憶内容の一例を示す模式図である。図6に示す例では、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間における所定間隔(例えば1秒)ごとのゲーム状況データが記憶されている。
【0055】
過去状況保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、その時点のゲーム状況データを過去状況記憶部62に記憶させる。本実施形態の場合、過去状況保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況記憶部62にコピーする。
【0056】
再現部74は、過去状況記憶部62の記憶内容に基づいて、過去の時点におけるゲームの状況を再現し、その状況からゲームを再開する。本実施形態の場合、再現部74は、ゲームの状況を、ユーザによって指定された過去の時点における状況に戻し、その状況からゲームを実行する。再現部74の動作の詳細については後述する(図7のS107〜S110参照)。
【0057】
報知対象状況保存部76は、所与の時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させる。なお、報知対象状況記憶部64には一又は複数の報知対象状況が記憶される。
【0058】
本実施形態における報知対象状況保存部76は、再現部74によってゲームの状況が過去の時点における状況に戻された場合に、該過去の時点における配置状況データを、報知対象状況を示すデータ(以下「報知対象状況データ」と呼ぶ。)として、報知対象状況記憶部64に記憶させる。例えば、再現部74によってゲームの状況が10秒前の時点における状況に戻された場合、10秒前の時点における配置状況データが、報知対象状況データとして、報知対象状況記憶部64に記憶される。
【0059】
なお、報知対象状況保存部76は、過去の時点における配置状況データの一部のみを、報知対象状況データとして、報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。報知対象状況記憶部64には、ゲーム空間40の状況が報知対象状況と一致又は類似する状況であるか否かを判定するために必要な情報のみが記憶されるようにすればよい。例えば、過去の時点における選手キャラクタ46及びボール48の位置を示すデータのみが、報知対象状況記憶部64に記憶されるようにしてもよい。
【0060】
ところで、上述したように、再現部74は、ゲームの状況を、ユーザによって指定された時点における状況に戻すものである。このため、報知対象状況保存部76は、ユーザによって指定された時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させるものであるともいうことができる。
【0061】
報知制御部78は通常モードでのみ有効となる機能ブロックである。報知制御部78は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の比較結果に基づいて報知出力を実行する。「報知出力」には、例えば、表示部32における表示出力によって報知を行うこと、音声出力部34からの音声出力によって報知を行うことや、コントローラ30からの振動出力によって報知を行うこと等が含まれる。
【0062】
例えば、報知制御部78は、上記の比較結果に基づいて報知出力を実行するか否かを決定するようにしてもよい。より具体的には、報知制御部78は、上記の比較結果が所定の結果である場合に、報知出力を実行するようにしてもよい。また例えば、報知制御部78は、上記の比較結果に基づいて報知出力の態様を設定するようにしてもよい。
【0063】
本実施形態の場合、報知制御部78は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の類似度に基づいて、報知画像52をゲーム画面に表示する(図4参照)。より具体的には、報知制御部78は、ゲーム画面に表示される報知画像52の表示態様を上記の類似度に基づいて設定する。本実施形態の場合、報知画像52の濃度が上記の類似度に基づいて設定される。報知制御部78の動作の詳細については後述する(図8のS202,S204参照)。
【0064】
なお、報知画像52の色、内容、模様、透明度、形状、大きさ、又は位置が上記の類似度に基づいて設定されるようにしてもよい。報知画像52は、上記の類似度を示す数値、文字、又は記号の画像であってもよい。
【0065】
また、報知制御部78は、上記の類似度が所定の基準類似度以上である場合にのみ、報知画像52をゲーム画面に表示するようにしてもよい。このようにして、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と報知対象状況とが一致又は類似している場合にのみ、報知画像52がゲーム画面に表示されるようにしてもよい。
【0066】
また、報知制御部78は、報知画像52を表示する代わりに、ゲーム画面全体の色を上記の類似度に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、上記の類似度が高くなる程、ゲーム画面全体が赤みがかるようにしてもよい。
【0067】
また、報知制御部78は、報知画像52を表示する代わりに、仮想カメラ50を上記の類似度に基づいて制御するようにしてもよい。このようにすることによって、ゲーム画面への表示対象となるゲーム空間内の領域が上記の類似度に基づいて変わるようにしてもよい。
【0068】
例えば、報知制御部78は、フィールド42から仮想カメラ50までの距離を上記の類似度に基づいて制御するようにしてもよい。このようにすることによって、ゲーム画面への表示対象となるゲーム空間内の領域の広さ(大きさ)が上記の類似度に基づいて変わるようにしてもよい。例えば、上記の類似度が比較的高い場合には、上記の類似度が低い場合に比べて、フィールド42から仮想カメラ50までの距離が長くなるように、仮想カメラ50の位置が制御されるようにしてもよい。そして、その結果として、上記の類似度が比較的高い場合には、上記の類似度が低い場合に比べて、より広い領域がゲーム画面に表示されるようにしてもよい。
【0069】
また例えば、上記の類似度が所定の基準類似度よりも高い場合に、報知制御部78は、操作対象チーム及び/又は対戦相手チームのゴール44がゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ50を制御するようにしてもよい。
【0070】
また、報知制御部78によって音声出力部34から音声が出力される場合には、音声の種類、出力音量、又はピッチが上記の類似度に基づいて設定されるようにすればよい。また、報知制御部78によってコントローラ30が振動される場合には、振動の態様(例えば強さ)が上記の類似度に基づいて設定されるようにすればよい。
【0071】
次に、ゲーム制御部66を実現するためにゲーム装置10で実行される処理について説明する。図7及び図8はゲーム装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【0072】
図7は練習モードで実行される処理を示している。図7に示すように、制御部14は、コントローラ30から入力される操作信号に基づいて、中断操作が行われたか否かを判定する(S101)。
【0073】
中断操作が行われていないと判定された場合、制御部14(過去状況保存部72)は、保存タイミングが到来したか否かを判定する(S102)。「保存タイミング」とは、ゲーム状況データを過去状況記憶部62に保存すべきタイミングを意味している。例えば、保存タイミングは所定時間(例えば1秒)ごとに到来する。
【0074】
保存タイミングが到来したと判定された場合、制御部14(過去状況保存部72)は、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況記憶部62に記憶させる(S103)。なお、所定個数(例えば30個)のゲーム状況データが過去状況記憶部62にすでに記憶されている場合には、最も古いゲーム状況データが過去状況記憶部62から削除された後、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データが過去状況記憶部62に記憶される。
【0075】
ステップS103の処理が実行された場合、又は、保存タイミングが到来していないとステップS102において判定された場合、制御部14(現在状況更新部68)は、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S104)。
【0076】
ステップS104では、例えば、配置状況データが更新されることによって、ゲーム空間40の状況が更新される。具体的には、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ46の配置状況(例えば位置や向き等)が、ユーザの操作内容に基づいて更新される。また例えば、ユーザの操作対象になっていない選手キャラクタ46の配置状況(例えば位置や向き等)が、行動制御アルゴリズムに従って更新される。また例えば、ボール48の配置状況(例えば位置等)が更新される。
【0077】
一方、ステップS101において中断操作が行われたと判定された場合、制御部14(再現部74)は、試合の進行を一時的に中断し、指定受付画面(図3参照)を表示部32に表示する(S107)。その後、制御部14(再現部74)は、指定受付画面において、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間のうちのいずれかの時点をユーザが指定したか否かを監視する(S108)。
【0078】
指定受付画面においてユーザがいずれかの時点を指定した場合、制御部14(再現部74,報知対象状況保存部76)は、ユーザによって指定された時点におけるゲーム状況データを過去状況記憶部62から読み出す(S109)。なお、この場合、ユーザによって指定された時点以降の時点におけるゲーム状況データが過去状況記憶部62から削除される。
【0079】
また、制御部14(再現部74)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データによって、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを上書きする(S110)。この場合、ゲームの現在の状況が、ユーザによって指定された時点における状況に戻される。その結果、ユーザによって指定された時点における状況からゲームの進行が再開されることになる。
【0080】
その後、制御部14(報知対象状況保存部76)は、ユーザによって指定された時点における配置状況データを、ステップS109で読み出されたゲーム状況データに基づいて取得し、その配置状況データを報知対象状況データとして報知対象状況記憶部64に記憶させる(S111)。
【0081】
ステップS104又はS111の処理が実行された後、制御部14(表示制御部70)はゲーム画面を更新する(S105)。このステップの処理では、ゲーム空間40を仮想カメラ50から見た様子を表すゲーム画面が、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データに基づいてVRAM上に生成される。そして、VRAM上に生成されたゲーム画面が表示部32に表示される。
【0082】
その後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S106)。試合が終了していない場合、ステップS101の処理が再実行される。なお、中断操作の実行や試合の終了がない限り、ステップS101〜S106の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図7では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0083】
図8は通常モードで実行される処理を示している。図8に示すように、制御部14(現在状況更新部68)は、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S201)。このステップの処理は図7のステップS104の処理と同様である。
【0084】
その後、制御部14(報知制御部78)は、現在状況記憶部60と報知対象状況記憶部64との記憶内容とに基づいて、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の間の類似度を算出する(S202)。例えば、類似度は、ユーザチームに所属する選手キャラクタ46の位置や向き等と、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ46の位置や向き等と、ボール48の位置等とを、現在の状況と、報知対象状況と、の間で比較することによって算出される。
【0085】
その後、制御部14(表示制御部70)は、現在状況記憶部60に記憶されるゲーム状況データに基づいて、ゲーム空間40を仮想カメラ50から見た様子を表す視野画像をVRAM上に描画する(S203)。また、制御部14(表示制御部70)は、VRAM上に生成された視野画像上の所定位置に報知画像52を上書き描画する(S204)。この場合、報知画像52の濃度は、ステップS202で算出された類似度に対応する濃度に設定される。ステップS203及びS204の処理によってゲーム画面(図4参照)がVRAM上に生成される。VRAM上に生成されたゲーム画面は表示部32に表示される。このようにしてゲーム画面が更新される。
【0086】
その後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S205)。試合が終了していない場合、ステップS201の処理が再実行される。なお、試合が終了しない限り、ステップS201〜S205の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図8では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0087】
以上説明したゲーム装置10は報知機能を備えている。この報知機能(報知画像52)によれば、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)が、練習モードで練習した状況(過去に経験した状況)に一致又は類似する状況になったか否かをユーザに把握させることが可能になる。その結果として、ユーザは練習の成果を発揮しやすくなる。
【0088】
特に、サッカーゲームでは、複数の選手キャラクタ46がゲーム空間40内を自由に移動できるようになっているため、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)が、練習モードで練習した状況と一致又は類似するか否かを把握することがユーザにとって非常に困難である。また、サッカーゲームでは、ゲーム画面にゲーム空間40の一部しか表示されない場合があり、このような場合には、ゲーム空間40の現在の状況が、練習モードで練習した状況と一致又は類似するか否かを把握することがユーザにとってさらに困難である。この点、ゲーム装置10によれば、報知機能を備えているので、複数の選手キャラクタ46がゲーム空間40内を自由に移動できるようになっているゲームや、ゲーム空間40の一部のみがゲーム画面に表示されるゲームにおいても、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)が、練習モードで練習した状況に一致又は類似するか否かをユーザに把握させることが可能になる。
【0089】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0090】
(1)例えば、表示制御部70は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の類似度が所定の基準類似度以上である場合に、仮想カメラ50の設定状況を、報知対象状況における仮想カメラ50の設定状況に変更するようにしてもよい。
【0091】
このようにすれば、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)が、練習モードで練習した状況と一致又は類似する場合、仮想カメラ50の設定状況が、練習モードで練習した際の設定状況に変更されるようになる。すなわち、ゲーム画面には、練習モードで練習した際の仮想カメラ50からゲーム空間40を見た様子が表されるようになる。本変形例によれば、練習モードで練習した際と同じカメラアングルのゲーム画面でユーザにゲームをプレイさせることが可能になり、その結果として、ユーザが練習モードでの練習の成果を発揮しやすくなるように図ることが可能になる。
【0092】
なお、本変形例における報知対象状況保存部76は、所与の時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を示す配置状況データを報知対象状況データとして報知対象状況記憶部64に記憶させるとともに、該報知対象状況データに対応づけて、該所与の時点における仮想カメラ50の設定状況を示す設定状況データを記憶部(例えば報知対象状況記憶部64)に記憶させる。
【0093】
そして、本変形例における表示制御部70は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の比較結果が所定の結果である場合、仮想カメラ50の設定状況を、該報知対象状況に対応づけて記憶される仮想カメラ50の設定状況に基づいて設定する。例えば、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と、報知対象状況と、の類似度が基準類似度以上である場合、仮想カメラ50の現在の設定状況が、報知対象状況データに対応づけて記憶される仮想カメラ50の設定状況データが示す設定状況に更新される。
【0094】
(2)また例えば、練習モードが備える機能(リトライ機能や報知対象状況の保存機能)を通常モードが備えるようにしてもよい。また、この場合、練習モードを省略してもよい。
【0095】
(3)また例えば、報知対象状況保存部76は、通常モード又は練習モードにおけるゲーム(試合)中にユーザが所定操作を行った場合に、所定操作が行われた時点に基づく時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。
【0096】
このようにして、ユーザが所定操作を行うことによって、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)を報知対象状況として登録できるようにしてもよい。
【0097】
ここで、「所定操作」とは、例えば、コントローラ30の所定ボタンを押下する操作である。また、「所定操作」とは、例えば、選手キャラクタ46に所定の行動(例えばシュート)を行うように指示するためのボタン(例えばシュートボタン)であってもよい。こうすれば、ユーザが選手キャラクタ46に所定の行動(例えばシュート)を行うように指示した時点におけるゲーム空間40の状況が報知対象状況として記憶されるようになる。
【0098】
また、「所定操作が行われた時点に基づく時点」とは、例えば、所定操作が行われた時点そのものであってもよいし、所定操作が行われた時点と一定の関係を有する時点であってもよい。また、「所定操作が行われた時点と一定の関係を有する時点」とは、例えば、所定操作が行われた時点よりも所定時間(例えば1秒又は3秒等)前又は後の時点である。
【0099】
なお、上記の所定操作として複数種類の操作がユーザに許容されているような場合には、複数種類の操作のうちのいずれの操作がユーザによって行われたかによって、「所定操作が行われた時点に基づく時点」を変えるようにしてもよい。例えば、コントローラ30の第1のボタンの押下操作と、コントローラ30の第2のボタンの押下操作との各々が上記の所定操作に相当するような場合、第1のボタンが押下されたら、「所定操作が行われた時点に基づく時点」を、所定操作が行われた時点よりも1秒前の時点に設定し、第2のボタンが押下されたら、「所定操作が行われた時点に基づく時点」を、所定操作が行われた時点よりも3秒前の時点に設定するようにしてもよい。
【0100】
(4)また例えば、報知対象状況保存部76は、通常モード又は練習モードにおけるゲーム(試合)において所定のゲームイベントが発生した場合に、該ゲームイベントが発生した時点よりも前の時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。
【0101】
ここで、「所定のゲームイベント」とは、例えば対戦相手チームの得点イベントである。この場合、報知対象状況保存部76は、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも所定時間(例えば5秒)前の時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させることになる。
【0102】
また、「所定のゲームイベント」とは、例えば操作対象チームの得点イベントであってもよい。すなわち、報知対象状況保存部76は、操作対象チームの得点イベントが発生した時点よりも所定時間(例えば5秒)前の時点におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。
【0103】
また、「所定のゲームイベント」とは、例えば対戦相手チーム及び操作対象チームの得点イベント以外のゲームイベントであってもよい。例えば、「所定のゲームイベント」は、操作対象チームがオフサイドの反則を犯したことを示すゲームイベントであるオフサイドイベント等であってもよい。
【0104】
「所定のゲームイベントが発生した時点よりも前の時点におけるゲーム空間40の状況」とは、所定のゲームイベントが近い将来において発生する可能性が高い状況であるということができる。この点、この変形例によれば、ゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)が、所定のゲームイベントが近い将来において発生する可能性が高い状況になったか否かをユーザに把握させることが可能になる。
【0105】
(5)また例えば、報知対象状況保存部76は、報知対象状況に対応づけて、該報知対象状況の種類を示す情報を報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。「報知対象状況の種類を示す情報」には、例えば、報知対象状況がユーザ(操作対象チーム)にとって有利である状況であるか否かを示す情報や、報知対象状況がユーザ(操作対象チーム)にとって不利な状況であるか否かを示す情報が含まれる。
【0106】
また、報知制御部78は、ゲーム空間40の現在の状況(選手キャラクタ46及びボール48の現在の配置状況)と報知対象状況との比較結果と、報知対象状況の種類と、に基づいて報知出力を実行するようにしてもよい。例えば、報知制御部78は、報知出力の態様を報知対象状況の種類に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、報知画像52の態様(例えば色等)が報知対象状況の種類に基づいて変わるようにしてもよい。こうすれば、ゲーム空間40の現在の状況が報知対象状況に一致又は類似する状況になったか否かをユーザに把握させることが可能になるとともに、その報知対象状況の種類をユーザに把握させることが可能になる。
【0107】
なお、報知対象状況の種類は、ユーザによって行われた操作(報知対象状況の種類を指定する操作)に従って設定されるようにしてもよいし、自動的に判断されて設定されるようにしてもよい。例えば、上記の変形例(4)の場合には、ゲームイベントの種類に基づいて、報知対象状況の種類が判断されるようにしてもよい。例えば、ゲームイベントがユーザ(操作対象チーム)にとって有利なゲームイベント(例えば操作対象チームの得点イベント等)である場合には、報知対象状況の種類が「ユーザ(操作対象チーム)にとって有利である状況」に設定されるようにすればよい。一方、ゲームイベントがユーザ(操作対象チーム)にとって不利なゲームイベント(例えば対戦相手チームの得点イベント等)である場合には、報知対象状況の種類が「ユーザ(操作対象チーム)にとって不利である状況」に設定されるようにすればよい。
【0108】
(6)また例えば、報知対象状況保存部76は、所与の期間におけるゲーム空間40の状況(選手キャラクタ46及びボール48の配置状況)を、報知対象状況として、報知対象状況記憶部64に記憶させるようにしてもよい。
【0109】
(7)また例えば、本発明はサッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボール、アメリカンフットボール、野球、又はテニスのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の選手に対応する複数の動的オブジェクトと、移動物体(ボール又はパック等)に対応する動的オブジェクトと、が配置されることになる。また例えば、本発明は、複数の自動車がレースを行うレースゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の自動車に対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0110】
また、本発明はスポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、複数のゲームキャラクタが戦うゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数のゲームキャラクタに対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0111】
さらに、本発明は通信ネットワークを介して実行されるネットワークゲームにも適用することができる。
【0112】
(8)また例えば、ゲーム空間は仮想的な2次元空間であってもよい。すなわち、ゲーム空間に配置される動的オブジェクトの位置等は2つの座標要素によって管理されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44 ゴール、46 選手キャラクタ、48 ボール、50 仮想カメラ、52 報知画像、60 現在状況記憶部、62 過去状況記憶部、64 報知対象状況記憶部、66 ゲーム制御部、68 現在状況更新部、70 表示制御部、72 過去状況保存部、74 再現部、76 報知対象状況保存部、78 報知制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム装置において、
複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御手段と、
前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新手段と、
所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存手段と、
前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記複数のオブジェクトの配置状況を、過去の時点における配置状況に戻し、前記過去の時点における状況から前記ゲームを実行する手段を含み、
前記報知対象状況保存手段は、前記過去の時点における状況から前記ゲームが実行される場合、前記過去の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記報知対象状況保存手段は、ユーザによって指定された時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記報知対象状況保存手段は、所定操作が行われた場合、前記所定操作が行われた時点に基づく時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記報知対象状況保存手段は、所定のゲームイベントが発生した場合、前記所定のゲームイベントが発生した時点よりも前の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、前記報知対象状況として、前記報知対象状況記憶手段に記憶させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記報知制御手段は、
前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との類似度を取得する手段と、
前記類似度に基づいて報知出力を実行する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記表示制御手段は、前記ゲーム空間を仮想カメラから見た様子を表す前記ゲーム画面を表示手段に表示させ、
前記報知対象状況保存手段は、前記報知対象状況に対応づけて、前記所与の時点における前記仮想カメラの設定状況を記憶手段に記憶させる手段を含み、
前記表示制御手段は、前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果が所定の結果である場合、前記仮想カメラの設定状況を、前記報知対象状況に対応づけて記憶される前記仮想カメラの設定状況に基づいて変更する手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御ステップと、
前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新ステップと、
所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存ステップと、
前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項9】
ゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
複数のオブジェクトが配置されたゲーム空間の全体又は一部をゲーム画面に表示する表示制御手段、
前記複数のオブジェクトの配置状況を更新する更新手段、
所与の時点における前記複数のオブジェクトの配置状況を、報知対象状況として、報知対象状況記憶手段に記憶させる報知対象状況保存手段、及び、
前記複数のオブジェクトの配置状況と前記報知対象状況との比較結果に基づいて報知出力を実行する報知制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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