説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ユーザが目標を達成することを目指すゲームにおいて、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)の低下を抑えることが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】目標出力制御手段(68)は、ユーザがゲームにおいて達成すべき目標を、ゲームが開始された後において出力する。目標出力待機手段(70)は、目標出力制御手段(68)による目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが達成すべき目標がゲーム開始前に提示され、その目標を達成することをユーザが目指すゲームが知られている。このようなゲームでは、目標を達成できるか否かの緊張感をユーザは楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−275229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、サッカーゲーム等のスポーツゲームでは、「シュート数を10本以上にする」という目標をユーザに課すことが考えられる。しかしながら、このような場合、試合の途中でユーザが目標を達成できてしまうと、それ以降の期間(試合が終了するまでの期間)において、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)が低下してしまう。特に、熟練度の高いユーザは比較的早い時点で目標を達成できてしまう場合があり、そのような場合、ユーザは、緊張感が低下した状態で比較的長い期間にわたってゲームをプレイすることになってしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザが目標を達成することを目指すゲームにおいて、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)の低下を抑えることが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム装置において、ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御手段と、前記目標出力制御手段による前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御ステップと、前記目標出力制御ステップによる前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、ゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御手段、及び、前記目標出力制御手段による前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、ユーザが目標を達成することを目指すゲームにおいて、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)の低下を抑えることが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記目標出力待機手段は、前記目標の達成状況に関する条件である達成状況条件を、複数の出力タイミング候補の各々に対応づけて記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得する手段と、前記複数の出力タイミング候補のいずれかが到来した場合、該出力タイミング候補に対応する前記達成状況条件を、該出力タイミング候補における前記目標の達成状況が満足するか否かを判定する手段と、前記目標の達成状況が前記達成状況条件を満足すると判定された場合、前記目標出力制御手段による前記目標の出力を許容する手段と、を含むようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記目標出力制御手段は、前記目標の内容の一部を出力する手段と、前記目標の内容の前記一部が出力された後であって、かつ、前記ゲームが開始された後において、前記目標の全容を出力する手段と、を含むようにしてもよい。前記目標出力待機手段は、前記目標の全容の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、前記ユーザの操作対象の第1のゲームキャラクタ又は第1のゲームキャラクタグループと、他のユーザ又はコンピュータの操作対象の第2のゲームキャラクタ又は第2のゲームキャラクタグループと、の間で行われるゲームであってもよい。前記ゲーム装置は、前記第1のゲームキャラクタ又は前記第1のゲームキャラクタグループと、前記第2のゲームキャラクタ又は前記第2のゲームキャラクタグループと、の組合せに基づいて、前記目標を変更する第1の目標変更手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲームが開始された後において、前記目標を該目標の達成状況に基づいて変更する第2の目標変更手段を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の他の一例を示す図である。
【図5】ゲーム装置で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。
【図6】目標一覧データの一例を示す図である。
【図7】目標出力制御データの一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図9】ゲーム装置で実現される機能ブロックの他の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】目標一覧データの他の一例を示す図である。
【図11】目標出力制御データの他の一例を示す図である。
【図12】目標変更制御データの一例を示す図である。
【図13】目標出力制御データの他の一例を示す図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理の他の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、又は携帯情報端末(PDA)等を用いて実現される。ここでは、本実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32は例えばテレビ受像機や液晶ディスプレイ等の表示装置である。音声出力部34は例えばスピーカやヘッドホン等の音声出力装置である。
【0018】
家庭用ゲーム機11はコンピュータゲームシステムであり、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0019】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各種情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。
【0020】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換され、表示部32に出力される。
【0021】
入出力処理部20は制御部14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えばゲーム音楽、ゲーム効果音、台詞等)を音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0022】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラム及びデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0023】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための操作手段である。複数のコントローラ30を家庭用ゲーム機11に有線又は無線接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に渡す。制御部14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0024】
ゲーム装置10では、例えば、サッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムが実行されることによって実現される。以下、このサッカーゲームについて説明する。
【0025】
サッカーゲームをプレイするユーザは、まず、あらかじめ用意された複数のチームのうちのいずれかを操作対象のチームとして選択する。その後、ユーザが選択したチーム(以下「ユーザチーム」と呼ぶ。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以下「対戦相手チーム」と呼ぶ。)と、の間の試合が開始される。現実のサッカーの試合と同様、原則として試合時間は90分(前半45分及び後半45分)である。ただし、この時間(90分)はゲーム内時間である。ゲーム内時間は、例えばゲーム内時間の45分が現実時間の10分に相当するようにして設定される。
【0026】
ゲーム画面を表示するためにゲーム空間が主記憶16に構築される。図2はゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ46と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール48と、が配置される。なお、図2では省略されているが、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ46と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ46とがフィールド42上に配置される。
【0027】
ゴール44の一方はユーザチームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール44内にボール48が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0028】
また、ゲーム空間40には仮想カメラ50(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ50から見た様子を表すゲーム画面が表示部32に表示される(後述の図4参照)。例えば、ボール48が常にゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ50はボール48の位置に基づいてゲーム空間40内を移動する。
【0029】
このサッカーゲームでは、ユーザが試合において達成すべき目標が提示され、ユーザはその目標を達成することを目指す。例えば下記に示すような目標のいずれかがユーザに課せられる。下記に示す目標は、シュート数、シュートの距離又は得点差に関する数値目標を含む目標となっている。
(1)シュート数が18本以上で試合に勝利する。
(2)シュート数が12本以下で試合に勝利する。
(3)シュートを対戦相手チームよりも5本以上多く行って試合に勝利する。
(4)25メートル以上のシュートを決めて試合に勝利する。
(5)対戦相手との点差が+2点以上である状態を試合が終了するまで維持する。
(6)対戦相手との点差を+3点以上にする。
【0030】
なお、上記(5)及び(6)において、「対戦相手との点差」とは、ユーザチームの得点から対戦相手チームの得点を引くことによって得られる点差である。例えば、対戦相手との点差が+1点である状態とは、ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも1点多い状態である。また、上記(5)の目標がユーザに課せられる場合、試合の途中からゲームが開始されることになる。例えば、後半の途中であって、かつ、ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも2点多い状況から、ゲームが開始される。
【0031】
ユーザが達成すべき目標は、下記に説明するようにしてユーザに提示される。すなわち、まず、試合開始前(又は試合開始時或いは試合開始直後)において、目標の内容の一部のみがユーザに提示される。その場合のゲーム画面の一例を図3に示す。図3に示すゲーム画面では、目標の内容の数値部分以外の部分のみが表示されており、数値部分は表示されていない。図3に示すゲーム画面には目標の全容が表示されていないため、ユーザは、試合において達成すべき目標がシュートの回数に関する目標であることを把握できるが、シュートを何回以上行う必要があるのかについては把握できない。
【0032】
目標の全容は、試合が開始された後の所与のタイミングにおいてユーザに提示される。その場合のゲーム画面の一例を図4に示す。図4に示すゲーム画面では、目標の内容の数値部分も表示されており、目標の全容が表示されている。図4に示すゲーム画面が表示された時点で、ユーザは、この試合においてシュートを18回以上行う必要があることを把握できる。
【0033】
目標の全容がユーザに提示されるタイミングは、ユーザが目標を達成できる可能性が高いか否かに基づいて、早くなったり遅くなったりする。
【0034】
例えば、目標を達成できる可能性が高いユーザ(例えば熟練度の高いユーザ)の場合、目標の全容が比較的遅いタイミング(例えば試合終盤)で提示される。この場合、ユーザは、比較的遅いタイミングまで目標の全容を把握できない状態でゲームをプレイすることになり、緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)を維持したままゲームをプレイすることになる。つまり、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)の低下が抑えられる。
【0035】
一方、目標を達成できる可能性が低いユーザ(例えば熟練度の低いユーザ)の場合、目標の全容が比較的早いタイミング(例えば試合序盤)で提示される。この場合、ユーザは、比較的早いタイミングで目標の全容を把握した状態でゲームをプレイすることになる。その結果、目標を達成できる可能性が低いユーザにとって目標達成の難易度が高くなりすぎないように図られている。
【0036】
試合が終了すると、ユーザが目標を達成したか否かが判定され、その判定結果が出力される。また、ユーザが目標を達成することができた場合、ユーザは次のチームとの対戦に進むことができる。
【0037】
以下、上記の目標機能に関する構成について説明する。図5は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。図5に示す機能ブロック図は、主に、上記の目標出力機能に関連する機能ブロックを示している。図5に示すように、ゲーム装置10はゲームデータ記憶部60及びゲーム制御部62を含む。ゲームデータ記憶部60は、例えば主記憶16及び光ディスク36を主として実現され、ゲーム制御部62は、例えば制御部14を主として実現される。
【0038】
ゲームデータ記憶部60はゲーム状況データ記憶部64を含む。ゲーム状況データ記憶部64は、ゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、下記に示すようなデータがゲーム状況データとして記憶される。
(1)各選手キャラクタ46の現在の状態(例えば、位置、向き、姿勢や動作種類等)を示すデータ
(2)ボール48の現在の状態(例えば、位置や移動方向等)を示すデータ
(3)仮想カメラ50の現在の状態(例えば、位置及び視線方向等)を示すデータ
(4)ゲーム結果を示すデータ
(5)経過時間を示すデータ
【0039】
なお、「ゲーム結果を示すデータ」は、現時点におけるゲームの結果(途中結果)を示すデータである。例えば、両チームの得点及びシュート数を示すデータや、得点になったシュートの距離を示すデータが含まれる。
【0040】
また、ゲームデータ記憶部60は目標データ記憶部66を含む。目標データ記憶部66は、ユーザがゲームにおいて達成すべき目標に関するデータを記憶する。
【0041】
図6は、目標データ記憶部66に記憶される目標一覧データを示す。目標一覧データは目標の一覧を示すデータである。図6に示す目標一覧データは「目標ID」及び「目標」フィールドを含んでいる。「目標ID」フィールドは目標を一意に識別するための識別情報を示し、「目標」フィールドは目標の内容を示している。図6に示す目標一覧データに記憶されている目標は、例えば、シュート数(所定の行動を行った回数)、シュートの距離(所定の行動に関する距離)、又は得点イベント(所定のゲームイベント)の発生回数に関する数値目標を含む目標になっている。
【0042】
図7は、目標データ記憶部66に記憶される目標出力制御データを示す。目標出力制御データは目標の出力を制御するためのデータである。図7に示す目標出力制御データは、「目標ID」、「出力タイミング候補」、及び「出力条件」フィールドを含んでいる。「目標ID」フィールドは目標一覧データ(図6参照)と同様である。
【0043】
「出力タイミング候補」フィールドは、目標の全容を出力するタイミングの候補(以下「出力タイミング候補」と呼ぶ。)を示している。図7に示す例では、試合が開始されてからの経過時間によって、出力タイミング候補が表されている。なお、例えば、「30:00」は、経過時間が30分になったタイミングが出力タイミング候補であることを示している。
【0044】
「出力条件」フィールドは、目標の全容が出力されるために満足されるべき条件(出力条件)を示している。出力条件は、目標の達成状況に関する条件(達成状況条件)となっている。なお、「目標の達成状況」とは、目標がどの程度達成されているのかを意味しており、目標の達成度とも言い換えることができる。例えば、目標IDが「01」である目標「シュート数が18本以上で試合に勝利する」の出力条件「シュート数<6」は、「目標の達成度が1/3より小さいか否か」との条件に相当している。また、「−」は、無条件に目標の全容が出力されることを示している。
【0045】
以上に説明した目標出力制御データは、ユーザが目標を達成できる可能性が比較的高い場合に目標の全容の出力タイミングが比較的遅くなるように設定される。言い換えれば、目標出力制御データは、ユーザが目標を達成できる可能性が比較的低い場合に目標の全容の出力タイミングが比較的早くなるように設定される。
【0046】
ゲーム制御部62はゲームに関する制御を実行する。ゲーム制御部62は目標出力制御部68及び目標出力待機部70を含む。
【0047】
目標出力制御部68は、ユーザがゲームで達成すべき目標を出力させる。「出力」には、例えば、目標を示す画像を表示部32に表示することや、目標を伝える音声を音声出力部34から出力すること等が含まれる。また、目標出力待機部70は、目標出力制御部68による目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる。
【0048】
本実施形態の場合、まず、目標出力制御部68は目標の内容の一部を出力させる(図3参照)。なお、本実施形態における目標は数値目標を含む目標になっており、「目標の内容の一部」は、数値部分以外の部分になっている。また、目標出力制御部68は、目標の内容の上記一部が出力された後において、目標の全容を出力させる(図4参照)。
【0049】
また、本実施形態の場合、目標出力待機部70は、目標の全容の出力を、ゲームが開始された後のタイミングであって、かつ、該目標の達成状況に基づいて決定される出力タイミングまで待機させる。後述するように、目標出力待機部70は、所定の出力タイミング候補において、目標の達成状況が、目標の達成状況に関する所定条件(以下「達成状況条件」と呼ぶ。)を満足するか否かを判定する。そして、目標の達成状況が達成状況条件を満足する場合、待機を解除し、目標出力制御部68が目標の全容を出力することを許容する。
【0050】
なお、目標の内容の一部(数値部分以外の部分)は予め決められた一定のタイミングで出力されるため、目標出力待機部70は、目標の内容の一部が出力されてから目標の全容が出力されるまでの期間の長さを制御するともいうことができる。
【0051】
ゲーム制御部62は、目標が達成されたか否かをユーザのゲーム結果に基づいて判定し、その判定結果を出力させる。例えば、ゲーム制御部62は、判定結果を表す画面を表示部32に表示したり、判定結果を伝える音声を音声出力部34から出力したりする。また、ゲーム制御部62は上記の判定結果に基づいてゲームの進行を制御する。例えば、目標が達成されたと判定された場合、ゲーム制御部62は、ユーザが次のステージ(次のチームとの試合)に進むことを許可する。
【0052】
ここで、ゲーム制御部62を実現するためにゲーム装置10で実行される処理について説明する。図8は、ユーザチームと対戦相手チームとの間の試合が開始される場合に実行される処理を示すフロー図である。図8に示すフロー図は、主に、目標の出力に関連する処理を示している。制御部14は光ディスク36から読み出されたプログラムに従って、図8に示す処理を実行する。
【0053】
図8に示すように、まず制御部14は、ユーザチームと対戦相手チームとの間の試合においてユーザに課す目標を取得する(S101)。例えば、制御部14は、目標一覧データ(図6参照)に記憶される複数の目標のうちから、対戦相手チームに対応する目標を取得する。または、制御部14は、目標一覧データ(図6参照)に記憶される複数の目標のうちのいずれかを乱数に基づいて選択するようにしてもよい。
【0054】
その後、制御部14(目標出力制御部68)は、ステップS101で取得された目標の内容の一部(数値部分以外の部分)をゲーム画面に表示する(S102)。すなわち、制御部14は、例えば図3に示すようなゲーム画面を表示する。ステップS102の処理が実行された後、試合が開始されるとともに、下記に説明する処理(S103〜S106)が実行される。下記に説明する処理(S103〜S106)は、「選手キャラクタ46、ボール48及び仮想カメラ50の状態を更新し、かつ、ゲーム画面を更新する処理」と並行して実行される。
【0055】
その後、制御部14(目標出力待機部70)は、出力タイミング候補が到来したか否かを監視する(S103)。出力タイミング候補が到来したか否かは、目標出力制御データ(図7参照)と、ゲーム状況データと、に基づいて判定される。出力タイミング候補が到来していないと判定された場合、制御部14(目標出力待機部70)は、出力タイミング候補が到来したか否かの監視を続行する(S103)。この場合、目標の全容が未だユーザに提示されていない状態が継続することになる。
【0056】
一方、出力タイミング候補が到来したと判定された場合、制御部14(目標出力待機部70)は目標出力制御データ(図7参照)を参照し、該出力タイミング候補に対応する出力条件(達成状況条件)を読み出す。そして、制御部14(目標出力待機部70)は、現時点における目標の達成状況が、読み出された出力条件を満足するか否かを、現時点におけるゲームの途中結果に基づいて判定する(S104)。
【0057】
出力条件が満足されないと判定された場合、制御部14(目標出力待機部70)は、出力タイミング候補が到来したか否かの監視を続行する(S103)。この場合、目標の全容が未だユーザに提示されていない状態が継続することになる。一方、出力条件が満足されると判定された場合、制御部14(目標出力制御部68)は、ステップS101で取得された目標の全容をゲーム画面に表示する(S105)。すなわち、制御部14は、例えば図4に示すようなゲーム画面を表示する。
【0058】
その後、制御部14(ゲーム制御部62)は試合が終了したか否かを監視する(S106)。試合が終了した場合、制御部14(ゲーム制御部62)は、目標が達成されたか否かを判定し、その判定結果を示すゲーム画面を表示する(S107)。以上で本処理は終了する。
【0059】
以上説明したゲーム装置10では、ユーザが試合において達成すべき目標の全容の出力が、該試合における目標の達成状況に基づいて遅れるようになっている。例えば、ユーザが目標を達成できる可能性が高い場合、目標の全容が比較的遅いタイミングで出力されるようになっている。その結果、目標を達成できる可能性が高いユーザは、比較的遅いタイミングまで目標の全容を把握できない状態でゲームをプレイすることになり、緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)を維持したままゲームをプレイすることになる。ゲーム装置10によれば、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)の低下を抑え、ユーザが感じる緊張感を維持することが可能になる。
【0060】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0061】
(1)例えば、図8のステップS102の処理を省略するようにしてもよい。すなわち、図3に示すようなゲーム画面を表示しないようにしてもよい。つまり、目標の全容を出力するのに先立って目標の内容の一部(数値部分以外の部分)を出力せずに、いきなり目標の全容を出力するようにしてもよい。
【0062】
(2)また例えば、図3に示すゲーム画面では目標の内容の「以上」の部分も表示しないようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザは、自らが達成すべき目標が、目標IDが「01」である目標(図6参照)と、目標IDが「02」である目標(図6参照)と、のいずれであるのかを把握できない状態のままゲームをプレイすることになる。その結果、ユーザが感じる緊張感をより高めることが可能になる。
【0063】
また例えば、図3に示すゲーム画面において、目標の内容の数値部分(「18本」)を表示し、その代わりに、目標の内容の「以上」の部分を表示しないようにしてもよい。この場合、ユーザは、自らが達成すべき目標が、「シュート数を18本以上で試合に勝利する」との目標と、「シュート数を18本以下で試合に勝利する」との目標と、のいずれであるのかを把握できない状態のままゲームをプレイすることになる。こうしても、ユーザが感じる緊張感をより高めることが可能になる。
【0064】
(3)また例えば、目標の内容を複数の部分に細かく分割して、それらの複数の部分の各々を徐々に表示するようにしてもよい。例えば、図3に示すゲーム画面では、目標の内容の「18本」の部分(数値部分)と「以上」の部分との両方を表示しないようにし、いずれかの出力タイミング候補において出力条件が満足された場合に、「18本」の部分(数値部分)と「以上」の部分とのいずれか一方を先にゲーム画面に表示し、その後の出力タイミング候補において出力条件が満足された場合に、他方をゲーム画面に表示するようにしてもよい。
【0065】
(4)また例えば、図7に示す例では、出力タイミング候補があらかじめ定められたタイミングとなっていたが、出力タイミング候補はあらかじめ定められたタイミングでなくてもよい。例えば、出力タイミング候補は、所定のゲームイベントが発生したタイミングであってもよい。ここで、「所定のゲームイベント」とは、例えば得点イベントである。
【0066】
例えば、ユーザが達成すべき目標が「対戦相手との点差を+3点以上にする」との目標(図6参照)である場合、出力タイミング候補を、対戦相手チームの得点イベントが発生したタイミングとしてもよい。また、この出力タイミング候補における出力条件(図7参照)は、例えば「ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも少ない」旨の条件としてもよい。
【0067】
対戦相手チームの得点イベントが発生し、かつ、ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも少なくなっている状態とは、上記の目標を達成できる可能性が低くなっている状態である。この点、上記のように出力タイミング候補及び出力条件を設定すれば、目標を達成できる可能性が低くなった場合に目標の全容が出力されるようになる。言い換えれば、目標を達成できる可能性が低くなっていない場合には目標の全容の出力が待機されるようになる。その結果、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)が維持されるようになる。
【0068】
なお、ユーザが達成すべき目標が「対戦相手との点差を+3点以上にする」との目標(図6参照)である場合、試合終盤においてユーザチームの得点イベントが発生したタイミングも、出力タイミング候補としてもよい。また、この出力タイミング候補における出力条件(図7参照)は、例えば「ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも2点多い」旨の条件としてもよい。このようにしておけば、試合終盤においてユーザが目標を達成できそうな場合に目標の全容が出力されるようになる。
【0069】
(5)また例えば、ゲーム空間40は仮想的な2次元空間であってもよい。すなわち、選手キャラクタやボールの位置、姿勢や移動方向等は2つの座標要素によって管理されるようにしてもよい。
【0070】
(6)また例えば、本発明はサッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用することができる。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボール、アメリカンフットボール、ラグビー、野球、又はテニスのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。また、本発明はスポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。例えば、アクションゲームやロールプレイングゲーム等にも本発明は適用することができる。また、本発明は通信ネットワークを介して実行されるネットワークゲームにも適用することができる。
【0071】
(7)また例えば、ゲーム装置10は、ゲーム(試合)においてユーザが達成すべき目標を変更する目標変更部を含むようにしてもよい。この場合の機能ブロック図を図9に示す。図9に示す機能ブロック図は、目標変更部72がゲーム装置10に含まれる点で、図5に示す機能ブロック図と相違している。以下、目標変更部72について説明する。
【0072】
(7−1)例えば、目標変更部72(第1の目標変更手段)は、ユーザチーム(第1のゲームキャラクタグループ)と、対戦相手チーム(第2のゲームキャラクタグループ)と、の組合せに基づいて、目標を変更する。より具体的には、目標変更部72は、ユーザチームと対戦相手チームとの強さの関係に基づいて、目標を変更する。例えば、対戦相手チームがユーザチームよりも強い場合、目標変更部72は、対戦相手チームがユーザチームよりも強くない場合に比べて難易度が下がるように目標を変更する。また例えば、対戦相手チームがユーザチームよりも弱い場合、目標変更部72は、対戦相手チームがユーザチームよりも弱くない場合に比べて難易度が上がるように目標を変更する。
【0073】
この変形例では、例えば図10に示す目標一覧データが、図6に示す目標一覧データの代わりに目標データ記憶部66に記憶される。図10に示す目標一覧データは、「目標群ID」、「目標ID」、「条件」、及び「目標」フィールドを含んでいる。「目標群ID」フィールドは目標群を一意に識別するための識別情報であり、「目標ID」フィールドは目標を一意に識別するための識別情報である。「条件」フィールドは、ユーザチームと対戦相手チームとの組合せに関する条件を示しており、より具体的には、ユーザチームと対戦相手チームとの強さの関係に関する条件を示している。「目標」フィールドは目標の内容を示している。
【0074】
なお、図10に示す目標一覧データでは、同じ目標群に属する目標は、数値部分のみが異なっている。また、対戦相手チームがユーザチームよりも強い場合の目標は、対戦相手チームがユーザチームよりも強くない場合の目標に比べて、難易度が低くなっている。
【0075】
さらに、この変形例では、例えば図11に示す目標出力制御データが、図7に示す目標出力制御データの代わりに目標データ記憶部66に記憶される。図11に示す目標出力制御データも、図7に示す目標出力制御データと同様に、「目標ID」、「出力タイミング候補」、及び「出力条件」フィールドを含んでいる。これらのフィールドは、図7に示す目標出力制御データと同様である。
【0076】
また、この変形例では、図8のステップS101において下記に説明するような処理が実行される。
【0077】
すなわち、図8のステップS101において、まず制御部14はいずれかの目標群を選択する。例えば、制御部14は、目標一覧データ(図10参照)に記憶される複数の目標群のうちから、対戦相手チームに対応する目標群を選択する。または、制御部14は、目標一覧データ(図10参照)に記憶される複数の目標群のうちのいずれかを乱数に基づいて選択するようにしてもよい。
【0078】
その後、制御部14は対戦相手チームがユーザチームよりも強いか否かを判定する。例えば、制御部14はユーザチームの評価値を取得する。具体的には、制御部14は、ユーザチームに所属する選手キャラクタ46の能力パラメータの統計値(例えば平均値)を、ユーザチームの評価値として算出する。同様に、制御部14は対戦相手チームの評価値を取得する。なお、ユーザチームや対戦相手チームの評価値はあらかじめゲームデータ記憶部60(光ディスク36)に記憶されていてもよい。
【0079】
ユーザチーム及び対戦相手チームの評価値が取得された後、制御部14は、対戦相手チームの評価値がユーザチームの評価値よりも高いか否かを判定する。対戦相手チームの評価値がユーザチームの評価値よりも高い場合、制御部14は対戦相手チームがユーザチームよりも強いと判定する。
【0080】
なお、複数のチームの強さの関係を示すランキングデータをゲームデータ記憶部60(光ディスク36)が記憶するようにしておき、制御部14は、このランキングデータに基づいて、対戦相手チームがユーザチームよりも強いか否かを判定するようにしてもよい。
【0081】
対戦相手チームがユーザチームよりも強いか否かが判定された後、制御部14は、選択された目標群に属する目標のいずれかを、その判定結果に基づいて選択する。例えば、選択された目標群の目標群IDが「01」である場合を想定する。対戦相手チームがユーザチームよりも強くないと判定された場合には、目標IDが「01−1」である目標が選択され、対戦相手チームがユーザチームよりも強いと判定された場合には、目標IDが「01−2」である目標が選択される。
【0082】
また、この変形例では、図8のステップS103,S104において、図7に示す目標出力制御データの代わりに、図11に示す目標出力制御データを用いて処理が実行される。
【0083】
この変形例によれば、下記に説明するように、ユーザチームと対戦相手チームとの組合せに起因する目標の難易度の上昇を軽減できるようになる。目標の難易度は、ユーザチームと対戦相手チームとの組合せに左右される。例えば、対戦相手チームがユーザチームよりも強い場合には、対戦相手チームがユーザチームよりも強くない場合に比べて、ユーザは目標を達成し難くなってしまう。この点、この変形例では、ユーザチームと対戦相手チームとの組合せに基づいて、目標が変更される。この変形例によれば、ユーザチームと対戦相手チームとの組合せに起因する目標の難易度の上昇を軽減できるようになる。
【0084】
なお、例えばテニスゲームのように、ユーザが操作するゲームキャラクタと、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するゲームキャラクタとの間で対戦が行われるゲームの場合には、目標変更部72は、ユーザが操作するゲームキャラクタ(第1のゲームキャラクタグループ)と、対戦相手が操作するゲームキャラクタ(第2のゲームキャラクタグループ)と、の組合せに基づいて、目標を変更することになる。すなわち、目標変更部72は、ユーザが操作するゲームキャラクタと、対戦相手が操作するゲームキャラクタと、の強さの関係に基づいて、目標を変更することになる。
【0085】
(7−2)また例えば、目標変更部72(第2の目標変更手段)は、ゲーム(試合)が開始された後において、目標の達成状況に基づいて目標を変更する。
【0086】
(7−2−1)例えば、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成状況に基づいて、目標の難易度を変更する。より具体的には、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成度が低い場合に、難易度が下がるように目標を変更する。または、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成度が高い場合に、難易度が上がるように目標を変更する。
【0087】
この変形例では、例えば図12に示す目標変更制御データが目標データ記憶部66に記憶される。図12に示す目標変更制御データは、「目標ID」、「変更タイミング」、「変更条件」、及び「変更後の目標」フィールドを含んでいる。「目標ID」フィールドは図6に示す目標一覧データと同様である。「変更タイミング」フィールドは、目標を変更するか否かを判定するタイミング(言い換えれば、目標を変更するタイミング)を示している。「変更条件」フィールドは、目標を変更するために満足されるべき条件(変更条件)を示している。変更条件は、目標の達成状況に関する条件(達成状況条件)になっている。「変更後の目標」フィールドは、変更後の目標の内容を示している。
【0088】
なお、図12に示す目標変更制御データにおいて、変更条件は、目標の達成度が低いか否かを判断するための条件となっている。また、変更後の目標は、元々の目標に比べて難易度の低い目標になっている。
【0089】
また、この変形例では、例えば図13に示す目標出力制御データが、図7に示す目標出力制御データの代わりに目標データ記憶部66に記憶される。図13に示す目標出力制御データも、図7に示す目標出力制御データと同様に、「目標ID」、「出力タイミング候補」、及び「出力条件」フィールドを含んでいる。「目標ID」及び「出力タイミング候補」フィールドは、図7に示す目標出力制御データと同様である。「出力条件」フィールドは、目標が変更されていない場合の出力条件と、目標が変更された場合の出力条件と、を示している。
【0090】
また、この変形例では、図8のステップS102の処理とステップS103の処理との間に、図14に示すステップS201〜S203の処理が実行される。
【0091】
すなわち、ステップS102の処理が実行された後、制御部14は変更タイミングが到来したか否かを判定する(S201)。変更タイミングが到来したか否かは、目標変更制御データ(図12参照)と、ゲーム状況データと、に基づいて判定される。
【0092】
変更タイミングが到来したと判定された場合、制御部14は目標変更制御データ(図12参照)を参照し、該変更タイミングに対応する変更条件を読み出す。そして、制御部14は、現時点における目標の達成状況が、読み出された変更条件を満足するか否かを、現時点におけるゲームの途中結果に基づいて判定する(S202)。変更条件が満足されると判定された場合、制御部14は目標変更制御データ(図12参照)に従って目標を変更する(S203)。
【0093】
ステップS201において変更タイミングが到来していないと判定された場合、ステップS202において変更条件が満足されないと判定された場合、又はステップS203において目標が変更された場合、制御部14は出力タイミング候補が到来したか否かを判定する(S103)。この処理は図8のステップS103と同様である。
【0094】
出力タイミング候補が到来したと判定された場合、制御部14は目標出力制御データ(図13参照)を参照し、該出力タイミング候補に対応する出力条件を読み出す。ステップS203の処理が実行されていない場合(すなわち、目標が変更されていない場合)、目標が変更されていない場合の出力条件が読み出される。一方、ステップS203の処理が実行された場合(すなわち、目標が変更された場合)には、目標が変更された場合の出力条件が読み出される。そして、制御部14は、現時点における目標の達成状況が、読み出された出力条件を満足するか否かを、現時点におけるゲームの途中結果に基づいて判定する(S104)。この処理は図8のステップS104と同様である。
【0095】
出力条件が満足されないと判定された場合、制御部14はステップS201の処理を再実行する。一方、出力条件が満足されると判定された場合、制御部14は目標の全容を表示する(S105)。ステップS203の処理が実行されていない場合(すなわち、目標が変更されていない場合)には、元々の目標の全容が表示される。一方、ステップS203の処理が実行された場合(すなわち、目標が変更された場合)には、変更後の目標の全容が表示される。
【0096】
この変形例では、ゲーム(試合)においてユーザが達成すべき目標が、該ゲーム(試合)におけるユーザの目標の達成状況に基づいて変更されるようになっている。具体的には、経過時間が「30:00」になったタイミングにおける目標の達成度が低い場合に、難易度が下がるように目標が変更されるようになっている。目標の達成度が低い場合、ユーザは目標を達成することを諦めてしまい、ユーザが感じる緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)が低下してしまうおそれがある。この点、この変形例によれば、目標の達成状況(達成度)に応じて目標が変更されるため、上記のようなユーザの緊張感の低下を抑えることが可能になる。
【0097】
(7−2−2)なお、上記に説明した変形例(7−2−1)では、目標変更部72が目標の難易度を変えるようにしたが、目標変更部72は目標の達成期限を変えるようにしてもよい。
【0098】
すなわち、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成状況に基づいて、目標の達成期限を変更するようにしてもよい。より具体的には、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成度が高い場合に、達成期限が早まるように目標を変更するようにしてもよい。または、目標変更部72は、ゲーム(試合)が開始された後の所与のタイミングにおける目標の達成度が低い場合に、達成期限が遅くなるように目標を変更するようにしてもよい。
【0099】
なお、以下では、ユーザが達成すべき目標が「対戦相手との点差を+3点以上にする」との目標(図6参照)である場合を例として説明する。
【0100】
この例では、例えば試合開始時に、「対戦相手との点差を+3点以上にする」との目標がユーザに提示される。この場合、ユーザは、「試合終了時(後半終了時)までに、対戦相手との点差を+3点以上にする」ことが、自らが達成すべき目標と理解する。
【0101】
また、この例では、経過時間が「20:00」になったタイミング等が、目標の変更タイミングとして設定される。上記の変形例(7−2−1:図12参照)と同様、「変更タイミング」は、目標を変更するか否かを判定するタイミング(言い換えれば、目標を変更するタイミング)である。
【0102】
そして、変更タイミングが到来した場合(例えば、経過時間が「20:00」になった場合)、「ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも2点多いか否か」旨の変更条件が判定される。上記の変形例(7−2−1:図12参照)と同様、「変更条件」は、目標を変更するために満足されるべき条件であり、より具体的には、目標の達成状況に関する条件である。
【0103】
そして、ユーザチームの得点が対戦相手チームの得点よりも2点多いと判定された場合、ユーザが達成すべき目標が、「前半終了時点において、対戦相手との点差を+3点以上にする」旨の目標に変更される。すなわち、ユーザが目標を達成すべき期限が、「試合終了時点(後半終了時点)」ではなく、「前半終了時点」に設定される。そして、この変更後の目標がユーザに提示される。すなわち、目標の全容がユーザに提示される。
【0104】
この変形例では、経過時間が「20:00」になったタイミングにおける目標の達成度が高い場合に、達成期限が早まるように目標が変更される。その結果、例えば熟練度の高いユーザや、得点力の高いチームをユーザチームとして使用しているユーザに緊張感(目標を達成できるか否かの緊張感)を与えることが可能になる。
【0105】
なお、この変形例における目標変更部72は元々の目標(例えば、「対戦相手との点差を+3点以上にする」)に新たな目標(例えば、「前半終了時点で」)を付加しているともいうことができる。
【0106】
(7−3)また、以上に説明した変形例(7−1)及び(7−2)を組み合わせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44 ゴール、46 選手キャラクタ、48 ボール、50 仮想カメラ、60 ゲームデータ記憶部、62 ゲーム制御部、64 ゲーム状況データ記憶部、66 目標データ記憶部、68 目標出力制御部、70 目標出力待機部、72 目標変更部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム装置において、
ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御手段と、
前記目標出力制御手段による前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記目標出力待機手段は、
前記目標の達成状況に関する条件である達成状況条件を、複数の出力タイミング候補の各々に対応づけて記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得する手段と、
前記複数の出力タイミング候補のいずれかが到来した場合、該出力タイミング候補に対応する前記達成状況条件を、該出力タイミング候補における前記目標の達成状況が満足するか否かを判定する手段と、
前記目標の達成状況が前記達成状況条件を満足すると判定された場合、前記目標出力制御手段による前記目標の出力を許容する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記目標出力制御手段は、
前記目標の内容の一部を出力する手段と、
前記目標の内容の前記一部が出力された後であって、かつ、前記ゲームが開始された後において、前記目標の全容を出力する手段と、を含み、
前記目標出力待機手段は、前記目標の全容の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、前記ユーザの操作対象の第1のゲームキャラクタ又は第1のゲームキャラクタグループと、他のユーザ又はコンピュータの操作対象の第2のゲームキャラクタ又は第2のゲームキャラクタグループと、の間で行われるゲームであり、
前記ゲーム装置は、前記第1のゲームキャラクタ又は前記第1のゲームキャラクタグループと、前記第2のゲームキャラクタ又は前記第2のゲームキャラクタグループと、の組合せに基づいて、前記目標を変更する第1の目標変更手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームが開始された後において、前記目標を該目標の達成状況に基づいて変更する第2の目標変更手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御ステップと、
前記目標出力制御ステップによる前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
ゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
ユーザが前記ゲームにおいて達成すべき目標を、前記ゲームが開始された後において出力する目標出力制御手段、及び、
前記目標出力制御手段による前記目標の出力を該目標の達成状況に基づいて待機させる目標出力待機手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−233735(P2010−233735A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83652(P2009−83652)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】