説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲームキャラクタの操作に関する興趣を向上できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】パラメータ記憶手段(92a)はゲームキャラクタのパラメータを記憶する。パラメータ条件記憶手段(92b)は、操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶する。取得手段(90)は、ユーザの操作に基づく操作値を取得する。判定手段(94)は、取得手段(90)によって取得された操作値が満足する操作値条件に対応づけられたパラメータ条件を、パラメータが満足するか否かを判定する。制御手段(96)は、判定手段(94)による判定結果に基づいて、ゲームキャラクタの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作に基づいてゲームキャラクタが動作するゲームが知られている。例えば、ユーザの操作に基づいて選手キャラクタが動作するスポーツゲームなどが知られている。
【特許文献1】特開2006−204671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなゲームでは、ゲームキャラクタの操作に関する興趣を向上することが強く望まれる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲームキャラクタの操作に関する興趣を向上できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム装置において、ゲームキャラクタのパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶するパラメータ条件記憶手段と、ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得手段と、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御手段と、を含む。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、ゲームキャラクタのパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶してなるパラメータ条件記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得ステップと、前記操作値取得ステップにおいて取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御ステップと、を含む。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、ゲームを実行するゲーム装置として、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機(家庭用ゲーム機)、業務用ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)などのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、ゲームキャラクタのパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出す手段、操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶してなるパラメータ条件記憶手段の記憶内容を読み出す手段、ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得手段、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定手段、及び、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0009】
本発明によれば、ゲームキャラクタの操作に関する興趣を向上できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記制御手段は、前記ゲームキャラクタの動作の対象となる対象物の挙動を、前記判定手段の判定結果に基づいて制御するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記パラメータ条件記憶手段は、操作値範囲に対応づけてパラメータ値範囲を記憶するようにしてもよい。前記判定手段は、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が属する前記操作値範囲に対応づけられた前記パラメータ値範囲に、前記パラメータの値が属するか否かを判定するようにしてもよい。前記制御手段は、前記パラメータの値が前記パラメータ値範囲に属しないと前記判定手段によって判定された場合、該パラメータの値と、該パラメータ値範囲の代表値と、の差に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記パラメータ条件記憶手段は、操作値範囲に対応づけてパラメータ値範囲を記憶するようにしてもよい。前記判定手段は、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が属する前記操作値範囲に対応づけられた前記パラメータ値範囲に、前記パラメータの値が属するか否かを判定するようにしてもよい。前記制御手段は、前記パラメータの値が前記パラメータ値範囲に属しないと前記判定手段によって判定された場合、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値と、前記パラメータの値が属する前記パラメータ値範囲に対応づけられた前記操作値範囲の代表値と、の差に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであってもよい。前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであってもよい。前記パラメータは、前記選手キャラクタのドリブル動作に関するドリブルパラメータを含むようにしてもよい。前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記ドリブル動作を指示するためのドリブル操作に基づく前記操作値を取得するようにしてもよい。前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記ドリブル動作を制御するドリブル動作制御手段を含むようにしてもよい。前記ドリブル動作制御手段は、前記ドリブルパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記ドリブルパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ドリブル動作中における前記選手キャラクタと前記移動体との間の距離が大きくなるように、前記選手キャラクタの前記ドリブル動作を制御するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであってもよい。前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであってもよい。前記パラメータは、前記選手キャラクタのパス動作に関するパスパラメータを含むようにしてもよい。前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記パス動作を指示するためのパス操作に基づく前記操作値を取得するようにしてもよい。前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記パス動作を制御するパス動作制御手段を含むようにしてもよい。前記パス動作制御手段は、前記パスパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記パスパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ユーザが指示したパス方向と、前記選手キャラクタのパス方向と、の間のずれが大きくなるように、前記選手キャラクタの前記パス動作を制御するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであってもよい。前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであってもよい。前記パラメータは、前記選手キャラクタのシュート動作に関するシュートパラメータを含むようにしてもよい。前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記シュート動作を指示するためのシュート操作に基づく前記操作値を取得するようにしてもよい。前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記シュート動作を制御するシュート動作制御手段を含むようにしてもよい。前記シュート動作制御手段は、前記シュートパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記シュートパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ユーザが指示したシュート方向と、前記選手キャラクタのシュート方向と、の間のずれが大きくなるように、前記選手キャラクタの前記シュート動作を制御するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作の種類を制御するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであってもよい。前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであってもよい。前記ゲーム装置は、前記ユーザが指し示す位置を取得する指示位置取得手段と、前記ユーザが前記移動体を指し示した場合、前記移動体の移動軌道の入力操作を受け付ける受付手段と、を含むようにしてもよい。前記操作値取得手段は、前記移動体の前記移動軌道の入力操作に関する操作値を取得するようにしてもよい。前記制御手段は、前記ユーザが入力した前記移動体の前記移動軌道と、前記判定手段の判定結果と、に基づいて、前記選手キャラクタの動作を制御するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を携帯ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0019】
[1.ゲーム装置の構成]
図1及び図2は本実施の形態に係るゲーム装置10(携帯ゲーム機12)の外観を示す。図3は本実施の形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示す。
【0020】
図1はゲーム装置10を正面前方から見た様子を表す斜視図である。図1に示すように、ゲーム装置10は第1筐体20と第2筐体30とを含む。第1筐体20と第2筐体30とはヒンジ部14を介して結合される。第1筐体20の表面20aにはタッチスクリーン22、十字ボタン24c、ボタン24a,24b,24x,24yが設けられている。タッチスクリーン22は、第1液晶表示部22aと、第1液晶表示部22aの上に重ねられたタッチパネル22bと、を含む(図3参照)。十字ボタン24cは例えば方向指示操作に用いられ、ボタン24a,24b,24x,24yは各種操作に用いられる。一方、第2筐体30の表面30aには第2液晶表示部32が設けられている。第2筐体30にはスピーカ34が内蔵されている。
【0021】
図2は、折り畳み状態(第1筐体20の表面20aと第2筐体30の表面30aとが合わされた状態)のゲーム装置10の背面図である。図2に示すように、第1筐体20の背面側側面の左右にはボタン24l,24rがそれぞれ設けられる。また、第1筐体20の背面側側面の中央には、情報記憶媒体であるゲームメモリカード40(図3参照)を装着可能なメモリカードスロット26が設けられている。なお、ゲーム装置10には電源スイッチ等の図示しない他の部材も取り付けられている。
【0022】
図3に示すように、ゲーム装置10はタッチスクリーン22(第1液晶表示部22a及びタッチパネル22b)、操作キー部24、メモリカードスロット26、第2液晶表示部32、スピーカ34、バス42、マイクロプロセッサ44、主記憶46、画像処理部48、入出力処理部50、音声処理部52、及び通信インタフェース54を含む。これらは電池(図示せず)とともに筐体内に収容されており、該電池により駆動される。
【0023】
マイクロプロセッサ44は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、ゲームメモリカード40に格納されるプログラムやデータに基づいてゲーム装置10の各部を制御する。主記憶46は例えばRAMを含んで構成される。ゲームメモリカード40から読み出されたプログラムが主記憶46に必要に応じて書き込まれる。主記憶46はマイクロプロセッサ44の作業用メモリとしても用いられる。バス42はアドレス及びデータをゲーム装置10の各部でやり取りするために用いられる。マイクロプロセッサ44、主記憶46、画像処理部48及び入出力処理部50は、バス42によって相互データ通信可能に接続される。
【0024】
第1液晶表示部22a及び第2液晶表示部32は公知の液晶表示パネルである。画像処理部48はVRAMを含む。画像処理部48はマイクロプロセッサ44からの指示に従って画像をVRAM上に描画する。VRAM上に描画された画像は所定のタイミングで第1液晶表示部22a又は第2液晶表示部32に表示される。
【0025】
入出力処理部50は、マイクロプロセッサ44がタッチパネル22b、操作キー部24、メモリカードスロット26、音声処理部52、又は通信インタフェース54とデータ授受するためのインタフェースである。入出力処理部50にはタッチパネル22b、操作キー部24、メモリカードスロット26、音声処理部52、及び通信インタフェース54が接続される。
【0026】
操作キー部24はユーザが操作入力を行うための入力手段である。操作キー部24は十字ボタン24c、ボタン24a,24b,24x,24y,24l,24rを含む。入出力処理部50は一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)に操作キー部24の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス42を介してマイクロプロセッサ44に供給する。マイクロプロセッサ44はユーザの操作内容をその操作信号に基づいて判断する。タッチパネル22bもユーザが操作入力を行うための入力手段である。タッチパネル22bは、ユーザによって押圧された位置に応じた押圧位置情報を入出力処理部50を介してマイクロプロセッサ44に供給する。マイクロプロセッサ44はユーザが押圧したタッチパネル22b上の位置をその押圧位置情報に基づいて判断する。
【0027】
メモリカードスロット26はゲームメモリカード40に記憶されたプログラムやデータを読み出す。ゲームメモリカード40は、プログラムやデータが記憶されるROMと、例えばセーブデータ等が記憶されるEEPROMと、を含む。なお、ここでは、プログラムやデータをゲーム装置10に供給するためにゲームメモリカード40を用いるが、光ディスクなどの他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。または、インターネットなどの通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータをゲーム装置10に供給するようにしてもよい。あるいは、赤外線通信などの各種データ通信を利用してプログラムやデータをゲーム装置10に供給するようにしてもよい。
【0028】
音声処理部52はサウンドバッファを含み、ゲームメモリカード40からサウンドバッファに読み出された各種音声データをスピーカ34から出力する。通信インタフェース54はゲーム装置10を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0029】
上記の構成を備えるゲーム装置10では、例えば、ユーザが操作する第1チームと、第2チームと、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームはゲームメモリカード40に記憶されたプログラムをマイクロプロセッサ44が実行することによって実現される。以下、このサッカーゲームについて説明する。
【0030】
[2.ゲーム画面]
図4はサッカーゲームのゲーム画面の一例を示す。図4に示すゲーム画面60は、例えば3次元コンピュータグラフィックス技術を用いて生成される。図4に示すゲーム画面60には、サッカーボールを示すボール62(移動体)と、サッカー選手を示す選手キャラクタ64a,64b,64c,66a,66b,66cと、が表示されている。選手キャラクタ64a,64b,64cは第1チームに所属し、選手キャラクタ66a,66b,66cは第2チームに所属している。図4に示すゲーム画面60は、いずれの選手キャラクタもボール62を保持していない状態を示している。
【0031】
[3.ユーザが行う操作]
サッカーゲームでユーザが行う操作について説明する。このサッカーゲームでは、ユーザはボール62を指し示したり、ボール62に移動指示を与えることによって、第1チームに所属する選手キャラクタへの行動指示を行うようになっている。以下では、選手キャラクタを所望の位置(例えばボール62の位置)まで移動させるための操作や、選手キャラクタにドリブル、パス、又はシュートを行わせるための操作について主に説明する。
【0032】
[3−1.移動操作]
まず、所望の位置に選手キャラクタを移動するための操作について説明する。選手キャラクタを移動目標位置まで移動させる場合、ユーザは、移動目標位置に対応するタッチパネル22b上の位置をタッチペンで押圧することによって、移動目標位置を指示する。ユーザが移動目標位置を指示した場合、第1チームに所属する選手キャラクタのうちで、移動目標位置に最も近い選手キャラクタが移動目標位置に向かって移動する。なお以下では、タッチパネル22bを押圧するためにタッチペンを用いることとして説明するが、例えば指などでタッチパネル22bを押圧するようにしてもよい。
【0033】
いずれの選手キャラクタもボール62を保持していない場合、ユーザは、第1チームの選手キャラクタにボール62を保持させるために、ボール62が表示された領域に対応するタッチパネル22b上の領域をタッチペンで押圧する。なお以下では、ボール62が表示された領域に対応するタッチパネル22b上の領域を押圧することを、単に「ボール62を指示する」又は「ボール62を押圧する」というように記載する。
【0034】
図4に示す状態でユーザがボール62を指示した場合、第1チームに所属する選手キャラクタのうちで最もボール62に近い選手キャラクタ64aがボール62に向かって移動する。そして、選手キャラクタ64aが、第2チームに所属する選手キャラクタ66a,66b,66cよりも先にボール62に到達した場合、選手キャラクタ64aはボール62を保持する。図5はその場合のゲーム画面60の一例を示す。このように、ユーザはボール62を指し示すことによって、ボール62への移動を第1チームに所属する選手キャラクタに指示できるようになっている。
【0035】
[3−2.ドリブル操作]
次に、ボール62を保持する選手キャラクタにドリブルを行わせるための操作(ドリブル操作)について説明する。例えば、図5に示すゲーム画面60でボール62を保持している選手キャラクタ64aにドリブルを行わせる場合、ユーザは、選手キャラクタ64aがドリブルしながら移動する際のボール62の軌道(以下「ドリブルの軌道」と記載する。)を入力することによって、ボール62に移動指示を与える。具体的には、ユーザは、ボール62をタッチペンで押圧し、その後、タッチペンの先をタッチパネル22b上で滑らせることによって、ボール62への移動指示(ドリブルの軌道の入力)を行う。ボール62への移動指示(ドリブルの軌道の入力)が行われると、その内容(軌道)に基づいて、ボール62を保持する選手キャラクタはドリブル動作を行う。このように、ユーザはボール62に移動指示を与えることによって、ボール62を保持する選手キャラクタにドリブル動作を指示できるようになっている。なお以下では、タッチペンの先をタッチパネル22b上で滑らせる操作のことを「スライド操作」と記載する。
【0036】
図6はドリブル操作が行われた場合のゲーム画面60の一例を示す。図6における軌道70は、ユーザが入力したドリブルの軌道を示している。
【0037】
なお、ユーザはスライド操作の速さを調整することによって、選手キャラクタ64aのドリブル速度を指示できる。「ドリブル速度」とは、ドリブルを行っている際の選手キャラクタ64aの移動速度である。また、「スライド操作の速さ」とは、スライド操作の際のタッチペンの先の移動速度である。ユーザが入力した軌道70の長さをlとし、軌道70の入力に要された時間をtとした場合、スライド操作の速さvは下記の式(A)によって算出される。
v=l/t ・・・(A)
【0038】
スライド操作の速さが速い場合、選手キャラクタ64aのドリブル速度も速くなる。ただし、ユーザによって指示された速度でドリブルを行うことが可能な程のドリブル能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合、選手キャラクタ64aはドリブル時にボール62をうまくコントロールできなくなる。
【0039】
図7は、上記のドリブル能力を選手キャラクタ64aが備えている場合のドリブル動作について説明するための図であり、図8は、上記の能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合のドリブル動作について説明するための図である。図7及び図8において、個々の矢印72は、ドリブル中に選手キャラクタ64aがボール62を蹴る方向及び蹴る力を示している。矢印72が長いほど、ボール62を蹴る際の力が強いことを示している。ボール62を蹴る際の力が強い場合、ドリブル中における選手キャラクタ64aとボール62との間の最大距離も長くなる。このため、矢印72の長さは、ドリブル中における選手キャラクタ64aとボール62との間の最大距離を示しているともいうことができる。
【0040】
上記のドリブル能力を選手キャラクタ64aが備えている場合、図7に示すように、ボール62を蹴る際の力が比較的小さくなる。このため、ドリブル中における選手キャラクタ64aとボール62との間の距離が比較的小さくなる。その結果、ドリブルの軌道70として図7に示すような曲線が入力されたような場合であっても、選手キャラクタ64aは、ユーザが指示した軌道70上をドリブルできるようになる。
【0041】
一方、上記のドリブル能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合、図8に示すように、ボール62を蹴る際の力が比較的強くなる。そのため、ドリブル中における選手キャラクタ64aとボール62との間の距離が比較的大きくなり、ドリブル中に選手キャラクタ64aはボール62を奪われやすくなる。また、ドリブルの軌道70として図7に示すような曲線が入力された場合には、ボール62を蹴る際の力が比較的強くなることに起因して、選手キャラクタ64aは、ユーザが指示した軌道70上をドリブルできなくなる。つまり、ドリブル中の選手キャラクタ64a(ボール62)の軌道と、ユーザが指示した軌道70と、の間のずれが比較的大きくなる。
【0042】
以上より、ユーザは、選手キャラクタ64aのドリブル能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整する必要がある。このため、選手キャラクタ64aのドリブル能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整しなければならないという楽しみがユーザに与えられる。その結果、ドリブル操作に関する興趣が向上する。
【0043】
[3−3.パス操作]
次に、選手キャラクタにパスを行わせるための操作(パス操作)について説明する。ここでは、図5に示すゲーム画面60において、選手キャラクタ64bへのパスを選手キャラクタ64aに指示するとともに、選手キャラクタ64cへのパスを、選手キャラクタ64aからのパスを受ける選手キャラクタ64bに指示する場合について説明する。
【0044】
この場合、ユーザは、パスの際のボール62の軌道(以下「パスの軌道」と記載する。)を入力することによって、ボール62に移動指示を与える。具体的には、ユーザは所定ボタン(例えばボタン24l)を押しながらタッチペンでボール62を押圧し、その後、タッチペンのスライド操作を行うことによって、ボール62への移動指示(パスの軌道の入力)を行う。この場合、選手キャラクタ64b及び64cが軌道上に位置するように、ユーザはパスの軌道を入力する。ボール62への移動指示(パスの軌道の入力)が行われると、その内容(軌道)に基づいて、選手キャラクタ64a,64bはパス動作を行う。以上のように、ユーザはボール62に移動指示を与えることによって、選手キャラクタにパス動作を指示できるようになっている。図9はパス操作が行われた場合のゲーム画面60の一例を示す。図9における軌道74は、ユーザが入力したパスの軌道を示している。
【0045】
なお、ユーザはスライド操作の速さを調整することによって、パス速度、すなわち、パスの際のボール62の移動速度を指示できる。スライド操作の速さが速い場合、パス速度も速くなる。パス速度が速い場合、パス速度が遅い場合に比べて、パスが第2チームの選手キャラクタによって妨げられる可能性が低くなる。
【0046】
ただし、ユーザが指示した速さで正確なパスを出すことが可能な程のパス能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合、選手キャラクタ64bへのパスの精度が低下する。同様に、ユーザが指示した速さで正確なパスを出すことが可能な程のパス能力を選手キャラクタ64bが備えていない場合、選手キャラクタ64cへのパスの精度が低下する。
【0047】
図10は、上記のパス能力を選手キャラクタ64a,64bが備えている場合のパスについて説明するための図であり、図11は、上記のパス能力を選手キャラクタ64a,64bが備えていない場合のパスについて説明するための図である。
【0048】
上記のパス能力を選手キャラクタ64aが備えている場合、図10に示すように、選手キャラクタ64aのパス方向76aは、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と略一致するように設定される。その結果、ボール62が選手キャラクタ64bに向かって移動する。一方、上記のパス能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合、図11に示すように、選手キャラクタ64aのパス方向76aは、ユーザが指示したパス方向(軌道74)からずれる。すなわち、上記のパス能力を選手キャラクタ64aが備えている場合には、選手キャラクタ64aのパス方向76aと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpaはほぼ0になるのに対し、上記のパス能力を選手キャラクタ64aが備えていない場合には、上記のパス能力を選手キャラクタ64aが備えている場合に比べて、上記の角度θpaが大きくなる。その結果、選手キャラクタ64aから選手キャラクタ64bへのパスが失敗する。
【0049】
また同様に、上記のパス能力を選手キャラクタ64bが備えている場合、図10に示すように、選手キャラクタ64bのパス方向76bは、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と略一致するように設定される。一方、上記のパス能力を選手キャラクタ64bが備えていない場合、図11に示すように、選手キャラクタ64bのパス方向76bは、ユーザが指示したパス方向(軌道74)からずれる。すなわち、上記のパス能力を選手キャラクタ64bが備えている場合には、選手キャラクタ64bのパス方向76bと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpbはほぼ0になるのに対し、上記のパス能力を選手キャラクタ64bが備えていない場合には、上記のパス能力を選手キャラクタ64bが備えている場合に比べて、上記の角度θpbが大きくなる。その結果、選手キャラクタ64bから選手キャラクタ64cへのパスが失敗する。
【0050】
以上より、ユーザは、パスに関わる選手キャラクタ64a,64bのパス能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整する必要がある。このため、パスに関わる選手キャラクタ64a,64bのパス能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整するという楽しみがユーザに与えられる。その結果、パス操作に関する興趣が向上する。
【0051】
[3−4.シュート操作]
次に、選手キャラクタにシュートを行わせるための操作(シュート操作)について説明する。図12はシュート操作について説明するための図である。図12に示すゲーム画面60には、ボール62と、第1チームに所属する選手キャラクタ64dと、第2チームのゴールキーパーである選手キャラクタ66dと、ゴール68と、が表示されている。ここでは、選手キャラクタ64dにシュートを行わせる場合について説明する。
【0052】
この場合、ユーザは、シュートの際のボール62の軌道(以下「シュートの軌道」と記載する。)を入力することによって、ボール62に移動指示を与える。具体的には、ユーザは所定ボタン(ボタン24r)を押しながらタッチペンでボール62を押圧し、その後、タッチペンのスライド操作を行うことによって、ボール62への移動指示(シュートの軌道の入力)を行う。ボール62への移動指示(シュートの軌道の入力)が行われると、その内容(軌道)に基づいて、選手キャラクタ64dはシュート動作を行う。このように、ユーザはボール62に移動指示を与えることによって、選手キャラクタにシュート動作を指示できるようになっている。図12における軌道78はユーザが入力したシュートの軌道を示している。
【0053】
なお、ユーザはタッチペンのスライド速度を調整することによって、シュート速度、すなわち、シュートの際のボール62の移動速度を指示できる。スライド操作の速さが速い場合、シュート速度も速くなる。シュート速度が速くなるほど、第2チームのゴールキーパーである選手キャラクタ66dによってシュートが妨げられてしまう可能性が低くなる。
【0054】
ただし、シュートを行う選手キャラクタ64dが、ユーザが指示した速さで正確なシュートを行うことが可能な程のシュート能力を有していない場合、シュートの精度が低下する。図13は、上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えている場合のシュートについて説明するための図であり、図14は、上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えていない場合のシュートについて説明するための図である。
【0055】
上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えている場合、図13に示すように、選手キャラクタ64dのシュート方向80は、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と略一致するように設定される。その結果、シュートされたボール62は、ユーザが指示した軌道78上を移動する。一方、上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えていない場合、図14に示すように、選手キャラクタ64dのシュート方向80は、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)からずれる。すなわち、上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えている場合には、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsはほぼ0になるのに対し、上記のシュート能力を選手キャラクタ64dが備えていない場合には、上記の能力を選手キャラクタ64dが備えている場合に比べて、上記の角度θsが大きくなる。その結果、例えば、ボール62がゴール68外に向かって移動してしまう可能性や、ゴールキーパーである選手キャラクタ66dの正面に向かってボール62が移動してしまう可能性が高くなる。
【0056】
以上より、ユーザは、選手キャラクタ64dのシュート能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整する必要がある。このため、選手キャラクタ64dのシュート能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整するという楽しみがユーザに与えられる。シュート操作に関する興趣が向上する。
【0057】
[3−5.ディフェンス操作]
次に、第2チームの選手キャラクタがボール62を保持している場合の操作(ディフェンス操作)について説明する。第2チームの選手キャラクタがボール62を保持している場合、ユーザは、第1チームの選手キャラクタにボール62を奪うように指示する。具体的には、ユーザはタッチペンでボール62を指示する。この場合、第1チームの選手キャラクタのうちで、ボール62に最も近い選手キャラクタが、ボール62を奪うために、ボール62に向かって移動する。なお、ボール62以外の位置をユーザが指示した場合には、第1チームの選手キャラクタのうちで、その指示位置に最も近い選手キャラクタがその指示位置に向かって移動する。このように、ユーザはボール62を指し示すことによって、ボール62を保持する第2チームの選手キャラクタへの守備を第1チームに所属する選手キャラクタに指示できるようになっている。
【0058】
[4.機能ブロック]
次に、上記のサッカーゲームを実現するための構成について説明する。図15はゲーム装置10で実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す。図15に示すように、ゲーム装置10は、操作値取得部90と、ゲームデータ記憶部92と、判定部94と、動作制御部96と、を含む。ゲームデータ記憶部92は、例えばゲームメモリカード40及び主記憶46を主として実現される。操作値取得部90、判定部94、及び動作制御部96は、例えばマイクロプロセッサ44を主として実現される。
【0059】
[4−1.操作値取得部]
操作値取得部90はユーザの操作に基づいて操作値を取得する。本実施の形態の場合、操作値取得部90(指示位置取得手段)は、ユーザが指し示している位置を所定時間(例えば1/60秒)ごとに取得する。また、操作値取得部90はユーザがボール62を指し示したか否かを判定する。ユーザがボール62を指し示した場合、操作値取得部90(受付手段)は、スライド操作を、ボール62の移動軌道(ドリブル、パス又はシュートの軌道)の入力操作として受け付ける。さらに、操作値取得部90はスライド操作の操作値を取得する。例えば、スライド操作の操作値はスライド操作の速さである。スライド操作によって入力された軌跡の長さをlとし、その軌跡を入力するために要された時間の長さをtとすると、スライド操作の速さvは上記の式(A)によって算出される。
【0060】
なお、スライド操作の操作値は、スライド操作によって入力された軌跡の長さや、スライド操作によって入力された軌跡の曲がり具合を示す数値であってもよい。また、操作値取得部90はスライド操作以外の操作の操作値を取得するようにしてもよい。例えば、操作値取得部90は、ボタン(例えばボタン24aなど)を押下する操作の操作値を取得するようにしてもよい。具体的には、例えばボタンが感圧ボタンであり、ボタンが押下された際の強さを示す数値が出力される場合、該数値が操作値として取得されるようにしてもよい。または、ユーザがボタン(例えばボタン24aなど)を押下した回数が操作値として取得されるようにしてもよい。
【0061】
[4−2.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部92はサッカーゲームを実行するためのデータを記憶する。例えば、ゲームの現在の状況を示すデータがゲームデータ記憶部92に記憶される。例えば、下記に示すようなデータが記憶される。
(1)選手キャラクタの現在の状態(例えば位置、姿勢や移動方向など)を示すデータ
(2)ボール62の現在の状態(例えば位置や移動方向など)を示すデータ
(3)ボール62を保持している選手キャラクタを示すデータ
(4)両チームの得点状況や経過時間を示すデータ
【0062】
また、ゲームデータ記憶部92はパラメータ記憶部92a及びパラメータ条件記憶部92bを含む。パラメータ記憶部92aは選手キャラクタのパラメータを記憶する。具体的には、選手キャラクタの各種能力の高さを示す能力パラメータがパラメータ記憶部92aに記憶される。例えば、下記に示すような能力パラメータが記憶される。
(1)ドリブル能力の高さを示すドリブルパラメータ
(2)パス能力の高さを示すパスパラメータ
(3)シュート能力の高さを示すシュートパラメータ
【0063】
パラメータ条件記憶部92bは、操作値に関する操作値条件と、選手キャラクタのパラメータに関するパラメータ条件と、を対応づけて記憶する。図16は、パラメータ条件記憶部92bに記憶されるパラメータ条件データの一例を示す。図16に示すパラメータ条件データでは、複数の操作値範囲の各々に、ドリブルパラメータ、パスパラメータ、及びシュートパラメータのパラメータ値範囲が対応づけられている。操作値範囲が「操作値条件」に相当し、パラメータ値範囲が「パラメータ条件」に相当する。
【0064】
[4−3.判定部]
判定部94は、操作値取得部90によって取得された操作値が、パラメータ条件記憶部92bに記憶された操作値条件を満足するか否かを判定する。そして、判定部94は、操作値が満足する操作値条件に対応づけられたパラメータ条件を、選手キャラクタのパラメータが満足するか否かを判定する。
【0065】
[4−4.動作制御部]
動作制御部96は、判定部94の判定結果に基づいて、選手キャラクタの動作を制御する。例えば、選手キャラクタの、ボール62に関する動作が動作制御部96によって制御される。この場合、例えば、選手キャラクタの動作の対象となるボール62(対象物)の挙動が制御される。
【0066】
具体的には、ユーザが入力したボール62の移動軌道(ドリブルの軌道)と、判定部94の判定結果と、に基づいて、選手キャラクタのドリブル動作(ボール62の移動)が制御される。例えば、選手キャラクタのドリブルパラメータがパラメータ条件を満足しない場合には、ドリブルパラメータがパラメータ条件を満足する場合に比べて、ドリブル中における選手キャラクタとボール62との間の距離が大きくなるように、選手キャラクタのドリブル動作(ボール62の移動)が制御される。また例えば、選手キャラクタのドリブルパラメータがパラメータ条件を満足しない場合には、ドリブルパラメータがパラメータ条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタのドリブルの軌道と、ユーザが指示したドリブルの軌道70と、の間のずれが大きくなるように、選手キャラクタのドリブル動作(ボール62の移動)が制御される。
【0067】
また、ユーザが入力したボール62の移動軌道(パス又はシュートの軌道)と、判定部94の判定結果に基づいて、選手キャラクタのパス動作又はシュート動作(ボール62の移動)が制御される。例えば、選手キャラクタのパス方向又はシュート方向が制御される。具体的には、選手キャラクタのパスパラメータがパラメータ条件を満足しない場合には、パスパラメータがパラメータ条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタのパス方向76と、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度(θpa,θpb)が大きくなるように、選手キャラクタのパス動作(ボール62の移動)が制御される。また同様に、選手キャラクタのシュートパラメータがパラメータ条件を満足しない場合には、シュートパラメータがパラメータ条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度(θs)が大きくなるように、選手キャラクタのシュート動作(ボール62の移動)が制御される。
【0068】
[5.ゲーム装置が実行する処理]
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。下記に説明する処理をゲーム装置10が実行することによって、上記の機能ブロックが実現される。
【0069】
[5−1.ドリブル操作が行われた場合に実行される処理]
図17は、ドリブル操作が行われた場合にゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。マイクロプロセッサ44はゲームメモリカード40に記憶されたプログラムに従って、図17に示す処理を実行する。
【0070】
ドリブル操作が行われた場合、図17に示すように、まずマイクロプロセッサ44(操作値取得部90)はスライド操作の操作値vを取得する(S101)。ドリブル操作が行われた場合、スライド操作によって入力された軌道70を示す軌道データが主記憶46に記憶されている。スライド操作の操作値vはこの軌道データに基づいて算出される。
【0071】
図18は軌道データの一例を示している。軌道データは、スライド操作が行われている間における所定時間(ここでは1/60秒とする。)ごとのユーザの押圧位置(P〜P10)を示している。押圧位置Pはスライド操作が開始された際の押圧位置であり、押圧位置P10はスライド操作が終了された際の押圧位置である。
【0072】
スライド操作の操作値vを算出する場合、軌道70の長さlが算出される。軌道70の長さlは各押圧位置間の距離の和を算出することによって算出される。図18に示す例の場合、軌道70の長さlは下記の式(B)によって算出される。なお、図18において、L(n:1〜9の整数)は、押圧位置Pから押圧位置Pn+1までの距離を示している。
l=L+L+L+L+L+L+L+L+L ・・・(B)
【0073】
また、軌道70の入力に要された時間tも取得される。押圧位置P〜P10は所定時間(本実施形態では1/60秒)ごとの押圧位置であるため、軌道70の入力に要された時間tは下記の式(C)によって算出される。なお、Nは押圧位置の数を示している。
t=(N−1)*(1/60) ・・・(C)
【0074】
上記のようにして、軌道70の長さlと、軌道70の入力に要された時間tと、が算出された場合、スライド操作の操作値vが上記の式(A)によって算出される。
【0075】
スライド操作の操作値vが取得された場合、マイクロプロセッサ44(判定部94)は、操作値vが、パラメータ条件データに設定された複数の操作値範囲のいずれに属するかを判断する(S102)。
【0076】
その後、マイクロプロセッサ44(判定部94)は、操作値vが属する操作値範囲に対応づけられたパラメータ条件をパラメータ条件データから読み出す(S103)。すなわち、操作値vが属する操作値範囲に対応づけられたドリブルパラメータの条件が読み出される。
【0077】
その後、マイクロプロセッサ44(判定部94)は、ボール62を保持している選手キャラクタの能力パラメータがパラメータ条件を満足するか否かを判定する(S104)。すなわち、ボール62を保持している選手キャラクタのドリブルパラメータが、S103で読み出された条件を満足するか否かが判定される。
【0078】
選手キャラクタの能力パラメータがパラメータ条件を満足すると判定された場合、マイクロプロセッサ44(動作制御部96)は第1動作制御処理を実行することによって、選手キャラクタのドリブル動作を制御する(S105)。一方、選手キャラクタの能力パラメータがパラメータ条件を満足しないと判定された場合、マイクロプロセッサ44(動作制御部96)は第2動作制御処理を実行することによって、選手キャラクタのドリブル動作を制御する(S106)。
【0079】
第1及び第2動作制御処理では、まず、選手キャラクタのドリブル速度が、スライド操作の操作値vに基づいて決定される。例えば、スライド操作の操作値vと、ドリブル速度と、を対応づけてなるデータがゲームメモリカード40から読み出される。そして、このデータに基づいて、スライド操作の操作値vに対応するドリブル速度が取得される。なお、上記のデータは、スライド操作の操作値vが大きくなるほど、すなわち、スライド操作の速度が速くなるほど、選手キャラクタのドリブル速度が速くなるように設定されている。また、上記のデータはテーブル形式のデータであってもよいし、数式形式のデータであってもよい。
【0080】
また、第1動作制御処理では、ドリブル中に選手キャラクタがボール62を蹴り出す力が第1の強さに設定される。言い換えれば、第1動作制御処理では、ドリブル中に選手キャラクタがボール62を蹴り出す場合のボール62の加速度が第1加速度に設定される。
【0081】
一方、第2動作制御処理では、ドリブル中に選手キャラクタがボール62を蹴り出す力が、第1の強さよりも大きい第2の強さに設定される。言い換えれば、第2動作制御処理では、ドリブル中に選手キャラクタがボール62を蹴り出す場合のボール62の加速度が、第1加速度よりも大きい第2加速度に設定される。
【0082】
上記のような処理が実行される結果として、図7及び図8に示したように、選手キャラクタのドリブルパラメータが条件を満足しない場合には、ドリブルパラメータが条件を満足する場合に比べて、ドリブル中における選手キャラクタとボール62との間の距離が大きくなる。言い換えれば、選手キャラクタのドリブルパラメータが条件を満足しない場合には、選手キャラクタのドリブルパラメータが条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタのドリブルの軌道と、ユーザが指示したドリブルの軌道と、の間のずれが大きくなる。
【0083】
[5−2.パス操作が行われた場合に実行される処理]
次に、パス操作が行われた場合にゲーム装置10が実行する場合の処理について説明する。パス操作が行われた場合にも、図17に示した処理と同様の処理が実行される。なお、ここでは、図9に示すゲーム画面60でユーザがパスの軌道74を入力した場合を想定する。すなわち、ユーザが、選手キャラクタ64bへのパスを選手キャラクタ64aに指示するとともに、選手キャラクタ64aからのパスを受ける選手キャラクタ64bに、選手キャラクタ64cへのパスを指示した場合を想定する。
【0084】
この場合、図17のS103では、スライド操作の操作値vが属する操作値範囲に対応づけられたパスパラメータの条件が読み出される。また、図17のS104では、選手キャラクタ64aのパスパラメータが、S103で読み出された条件を満足するか否かが判定される。さらに、選手キャラクタ64bのパスパラメータが、S103で読み出された条件を満足するか否かが判定される。これらの二つの判定結果の両方が、パスパラメータが条件を満足する旨の判定結果である場合、第1動作制御処理が実行される(S105)。一方、二つの判定結果の少なくとも一つが、パラメータが条件を満足しない旨の判定結果である場合、第2動作制御処理が実行される(S106)。
【0085】
第1及び第2動作制御処理では、パス速度(初速度)が、スライド操作の操作値vに基づいて決定される。具体的には、スライド操作の操作値vと、パス速度と、を対応づけてなるデータがゲームメモリカード40から読み出される。そして、このデータに基づいて、スライド操作の操作値vに対応するパス速度が取得される。なお、上記のデータは、スライド操作の操作値vが大きくなるほど、すなわち、スライド操作の速度が速くなるほど、パス速度が速くなるように設定されている。また、上記のデータはテーブル形式のデータであってもよいし、数式形式のデータであってもよい。
【0086】
また、第1動作制御処理では、選手キャラクタ64aのパス方向76aと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpaが第1角度(例えば0)に設定される。同様に、選手キャラクタ64bのパス方向76bと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpbも第1角度(例えば0)に設定される。
【0087】
一方、第2動作制御処理では、図17のS103で読み出された条件を選手キャラクタ64aのパスパラメータが満足しない場合、上記の角度θpaが、第1角度よりも大きい第2角度に設定される。また、図17のS103で読み出された条件を選手キャラクタ64bのパスパラメータが満足しない場合、上記の角度θpbが、第1角度よりも大きい第2角度に設定される。
【0088】
上記のような処理が実行される結果として、図10及び図11に示したように、選手キャラクタ64a,64bのパスパラメータが条件を満足しない場合には、選手キャラクタ64a,64bのパラメータがパラメータ条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタ64a,64bのパス方向76a,76bと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpa,θpbが大きくなる。
【0089】
[5−3.シュート操作が行われた場合に実行される処理]
次に、シュート操作が行われた場合にゲーム装置10が実行する場合の処理について説明する。シュート操作が行われた場合にも、図17に示した処理と同様の処理が実行される。ここでは、図12に示すゲーム画面60で選手キャラクタ64dにシュートを行わせるためにユーザがシュート操作を行った場合を想定する。
【0090】
この場合、図17のS103では、スライド操作の操作値vが属する操作値範囲に対応づけられたシュートパラメータの条件が読み出される。また、図17のS104では、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが、S103で読み出された条件を満足するか否かが判定される。そして、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが条件を満足する場合、第1動作制御処理が実行される(S105)。一方、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが条件を満足しない場合、第2動作制御処理が実行される(S106)。
【0091】
第1及び第2動作制御処理では、シュート速度が、スライド操作の操作値vに基づいて決定される。具体的には、スライド操作の操作値vと、シュート速度と、を対応づけてなるデータがゲームメモリカード40から読み出される。そして、このデータに基づいて、スライド操作の操作値vに対応するシュート速度が取得される。なお、上記のデータは、スライド操作の操作値vが大きくなるほど、すなわち、スライド操作の速度が速くなるほど、シュート速度が速くなるように設定されている。また、上記のデータはテーブル形式のデータであってもよいし、数式形式のデータであってもよい。
【0092】
また、第1動作制御処理では、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが第1角度(例えば0)に設定される。一方、第2動作制御処理では、上記の角度θsが、第1角度よりも大きい第2角度に設定される。
【0093】
上記のような処理が実行される結果として、図13及び図14に示すように、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが条件を満足しない場合には、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが条件を満足する場合に比べて、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが大きくなる。
【0094】
[6.まとめ]
以上に説明したゲーム装置10では、ユーザはスライド操作の速さを調整することによって、選手キャラクタのドリブル速度、パス速度、又はシュート速度を指示できるようになる。また、ゲーム装置10では、ユーザは、選手キャラクタのドリブル能力、パス能力、又はシュート能力を考慮しながら、スライド操作の速さを調整する必要がある。ゲーム装置10によれば、選手キャラクタのドリブル能力、パス能力、又はシュート能力を考慮しながらスライド操作の速さを調整するという楽しみがユーザに与えられる。その結果、ドリブル操作、パス操作、又はシュート操作の興趣を向上できるようになる。
【0095】
また、ゲーム装置10では、ユーザはボール62を指し示すことによって、第1チームに所属する選手キャラクタへの行動指示を行うことでできるようになっている。また、ユーザはボール62に移動指示を与えることによって、第1チームに所属する選手キャラクタへの行動指示を行うことでできるようになっている。すなわち、ユーザはボール62に移動指示を与え、ボール62への移動指示を介して選手キャラクタに行動指示を間接的に与えるようになっている。選手キャラクタをタッチペンなどで指し示すことによって、選手キャラクタに対して行動指示を直接与えるサッカーゲームでは、複数の選手キャラクタの各々に対して指示を与えなければならないため、ユーザ(例えば、熟練度が低いユーザ)にとって操作が困難である場合がある。この点、ゲーム装置10では、ボール62に対する指示のみを行えば足りるため、操作が比較的容易になるように図ることが可能になる。
【0096】
[7.変形例]
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
[7−1.第1変形例]
例えば、選手キャラクタの能力パラメータとして、パスを受ける能力を示すパラメータが記憶されるようにしてもよい。ここで、図9に示すゲーム画面60で、ユーザが、選手キャラクタ64bへのパスを選手キャラクタ64aに指示するとともに、選手キャラクタ64aからのパスを受ける選手キャラクタ64bに、選手キャラクタ64cへのパスを指示した場合を想定する。この場合、ユーザが指示した速さのパスを受けることが可能な程の能力を選手キャラクタ64bが備えていない場合、選手キャラクタ64aによってパスされたボール62のトラップ動作を選手キャラクタ64bが失敗するようにしてもよい。その場合、選手キャラクタ64bがボール62を止めることができず、ボール62が選手キャラクタ64bを通り過ぎてしまうようにすればよい。同様に、ユーザが指示した速さのパスを受けることが可能な程の能力を選手キャラクタ64cが備えていない場合、選手キャラクタ64bによってパスされたボール62のトラップ動作を選手キャラクタ64cが失敗するようにしてもよい。この場合、選手キャラクタ64cがボール62を止めることができず、ボール62が選手キャラクタ64cを通り過ぎてしまうようにすればよい。
【0098】
[7−2.第2変形例]
第2変形例では、図12に示すゲーム画面60でユーザが選手キャラクタ64dにシュートを指示した場合を想定する。この場合、図17のS106(第2動作制御処理)では、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsの大きさが、下記に説明するようにして決定されるようにしてもよい。下記のようにすれば、ユーザが指示したシュート速度と、選手キャラクタ64dが正確にシュート可能なシュート速度と、の差が大きいほど、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが大きくなるように図ることが可能になる。
【0099】
この第2変形例では、まずパラメータ条件データが参照され、スライド操作の操作値vが属する操作値範囲に対応するパラメータ条件(シュートパラメータ値範囲)が読み出される。例えば、操作値vが「V2≦v<V3」を満足する場合、シュートパラメータ値範囲「S2≦s<S3」が読み出される。
【0100】
次に、選手キャラクタ64dのシュートパラメータの値と、読み出されたシュートパラメータ値範囲の代表値と、の差分値が算出される。ここで、シュートパラメータ値範囲の代表値としては、例えば、シュートパラメータ値範囲の中間値が用いられる。または、シュートパラメータ値範囲の最大値又は最小値が代表値として用いられるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ64dのシュートパラメータの値がシュートパラメータ値範囲の最大値よりも大きい場合には、該最大値が代表値として用いられ、選手キャラクタ64dのシュートパラメータの値がシュートパラメータ値範囲の最小値よりも小さい場合には、該最小値が代表値として用いられるようにしてもよい。
【0101】
そして、上記の差分値に基づいて、上記の角度θsが決定される。例えば、差分値が大きくなるほど角度θsが大きくなるようにして、角度θsが決定される。なお、この場合、差分値と角度θsとを対応づけてなるデータがゲームメモリカード40(ゲームデータ記憶部92)から読み出される。そして、このデータに基づいて、差分値に対応する角度θsが取得され、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが、その取得された角度に設定される。
【0102】
なお、上記に説明した処理の代わりに、下記に説明する処理が実行されるようにしてもよい。このようにしても、ユーザが指示したシュート速度と、選手キャラクタ64dが正確にシュートできるシュート速度と、の差が大きいほど、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが大きくなるように図ることが可能になる。
【0103】
この変形例では、まずパラメータ条件データが参照され、選手キャラクタ64dのシュートパラメータが満足するシュートパラメータ条件に対応づけられた操作値範囲が読み出される。例えば、選手キャラクタ64dのシュートパラメータ(s)が「S2≦s<S3」を満足する場合、操作値範囲「V2≦v<V3」が読み出される。
【0104】
次に、ユーザが行ったスライド操作の操作値vと、読み出された操作値範囲の代表値と、の差分値が算出される。ここで、操作値範囲の代表値としては、例えば、操作値範囲の中間値が用いられる。または、操作値範囲の最大値又は最小値が代表値として用いられるようにしてもよい。例えば、操作値vが操作値範囲の最大値よりも大きい場合には、該最大値が代表値として用いられ、操作値vが操作値範囲の最小値よりも小さい場合には、該最小値が代表値として用いられるようにしてもよい。
【0105】
そして、上記の差分値に基づいて、上記の角度θsが決定される。例えば、差分値が大きくなるほど角度θsが大きくなるようにして、角度θsが決定される。なお、この場合、差分値と角度θsとを対応づけてなるデータがゲームメモリカード40(ゲームデータ記憶部92)から読み出される。そして、このデータに基づいて、差分値に対応する角度θsが取得され、選手キャラクタ64dのシュート方向80と、ユーザが指示したシュート方向(軌道78)と、の間の角度θsが、その取得された角度に設定される。
【0106】
[7−3.第3変形例]
第3変形例では、図9に示すゲーム画面60でユーザが選手キャラクタ64aに選手キャラクタ64bへのパスを指示した場合を想定する。この場合、第2変形例と同様にして、ユーザが指示したパス速度と、選手キャラクタ64aが正確にパス可能なパス速度と、の差が大きいほど、選手キャラクタ64aのパス方向76aと、ユーザが指示したパス方向(軌道74)と、の間の角度θpaが大きくなるようにしてもよい。
【0107】
[7−4.第4変形例]
第4変形例では、図5に示すゲーム画面60でユーザが選手キャラクタ64aにドリブル動作を指示した場合を想定する。この場合、第2変形例と同様にして、ユーザが指示したドリブル速度と、選手キャラクタ64aが正確にドリブル可能なドリブル速度と、の差が大きいほど、ドリブル中の選手キャラクタ64aがボール62を蹴る強さ、又はドリブル中に選手キャラクタ64aがボール62を蹴った際のボール62の加速度が大きくなるようにしてもよい。このようにして、ユーザが指示したドリブル速度と、選手キャラクタ64aが正確にドリブル可能なドリブル速度と、の差が大きいほど、ドリブル中における選手キャラクタ64aとボール62との間の距離が大きくなるようにしてもよい。
【0108】
[7−5.第5変形例]
第5変形例では、図12に示すゲーム画面60でユーザが選手キャラクタ64dにシュートを指示した場合を想定する。この場合、スライド操作の操作値vに対応づけられたパラメータ条件を選手キャラクタ64dのシュートパラメータが満足するか否かの判定結果に基づいて、選手キャラクタ64dのシュートの態様(種類)が変わるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ64dのシュートパラメータがパラメータ条件を満足しない場合には、選手キャラクタ64dのシュートが通常のシュートになり、選手キャラクタ64dのシュートパラメータがパラメータ条件を満足する場合には、選手キャラクタ64dのシュートが特別なシュートになるようにしてもよい。「特別なシュート」は、例えばループシュートである。「ループシュート」とは、ボール62が、放物線を描くように、かつ、相手チームの選手キャラクタの頭上を越えるように行われるシュートである。この場合、ユーザは、選手キャラクタ64dに特別なシュートを行わせるために、選手キャラクタ64dのシュート能力を考慮しつつスライド操作の速さを調整する必要がある。このようにしても、シュート操作の興趣を向上することが可能になる。なお、スライド操作の操作値vに対応づけられたパラメータ条件を選手キャラクタのドリブルパラメータ又はパスパラメータが満足するか否かの判定結果に基づいて、その選手キャラクタのドリブル又はパスの態様(種類)が変わるようにしてもよい。このようにすれば、ドリブル又はパス操作の興趣を向上することが可能になる。
【0109】
[7−6.第6変形例]
ユーザが、ボタンを押下する強さやボタンの押下回数を調整することによって、ドリブル速度、パス速度又はシュート速度を指示できるようにしてもよい。この場合、ボタンを押下する強さやボタンの押下回数がユーザの操作値として用いられる。
【0110】
[7−7.第7変形例]
スライド操作によって入力された軌道の長さや曲がり具合がユーザの操作値として用いられるようにしてもよい。このようにして、例えば、ユーザが指示した長さや曲がり具合のドリブル、パス又はシュートを行うことが可能な程の能力を選手キャラクタが備えていない場合に、その選手キャラクタのドリブル、パス又はシュートが拙くなるようにしてもよい。
【0111】
[7−8.その他の変形例]
例えば、ゲーム装置10は、携帯ゲーム機12以外のコンピュータを用いて実現するようにしてもよい。例えば、ゲーム装置10は、据置型ゲーム機(家庭用ゲーム機)、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータなどを用いて実現するようにしてもよい。
【0112】
また例えば、タッチパネル22b以外の操作入力手段を用いてユーザが軌道を入力できるようにしてもよい。例えば、マウスが用いられるようにしてもよい。または、任天堂社製の据置型ゲーム機であるWii(登録商標)のリモコン型コントローラのようなコントローラが用いられるようにしてもよい。
【0113】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のゲームであってもよい。サッカーゲーム以外のスポーツゲームにも本発明は適用することが可能である。例えば、ボール(移動体、対象物)を用いて行われるバスケットボール、ラグビー、又はアメリカンフットボールのゲームや、パック(移動体、対象物)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。また、スポーツゲーム以外のゲーム(例えばアクションゲーム)にも本発明は適用することができる。本発明は、ユーザの操作に基づいてゲームキャラクタが動作するゲームに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の外観を表す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置の外観を表す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】ドリブル動作について説明するための図である。
【図8】ドリブル動作について説明するための図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】パス動作について説明するための図である。
【図11】パス動作について説明するための図である。
【図12】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図13】シュート動作について説明するための図である。
【図14】シュート動作について説明するための図である。
【図15】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図16】パラメータ条件データの一例を示す図である。
【図17】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図18】軌道データについて説明するための図である。
【符号の説明】
【0115】
10 ゲーム装置、12 携帯ゲーム機、14 ヒンジ部、20 第1筐体、20a 第1筐体の表面、22 タッチスクリーン、22a 第1液晶表示部、22b タッチパネル、24 操作キー部、24a,24b,24x,24y,24l,24r ボタン、24c 十字ボタン、26 メモリカードスロット、30 第2筐体、30a 第2筐体の表面、32 第2液晶表示部、34 スピーカ、40 ゲームメモリカード、42 バス、44 マイクロプロセッサ、46 主記憶、48 画像処理部、50 入出力処理部、52 音声処理部、54 通信インタフェース、60 ゲーム画面、62 ボール、64a,64b,64c,64d,66a,66b,66c,66d 選手キャラクタ、68 ゴール、70,74,78 ユーザが入力した軌道、72 矢印、76a,76b パス方向、80 シュート方向、90 操作値取得部、92 ゲームデータ記憶部、92a パラメータ記憶部、92b パラメータ条件記憶部、94 判定部、96 動作制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム装置において、
ゲームキャラクタのパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶するパラメータ条件記憶手段と、
ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得手段と、
前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記制御手段は、前記ゲームキャラクタの動作の対象となる対象物の挙動を、前記判定手段の判定結果に基づいて制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記パラメータ条件記憶手段は、操作値範囲に対応づけてパラメータ値範囲を記憶し、
前記判定手段は、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が属する前記操作値範囲に対応づけられた前記パラメータ値範囲に、前記パラメータの値が属するか否かを判定し、
前記制御手段は、前記パラメータの値が前記パラメータ値範囲に属しないと前記判定手段によって判定された場合、該パラメータの値と、該パラメータ値範囲の代表値と、の差に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記パラメータ条件記憶手段は、操作値範囲に対応づけてパラメータ値範囲を記憶し、
前記判定手段は、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が属する前記操作値範囲に対応づけられた前記パラメータ値範囲に、前記パラメータの値が属するか否かを判定し、
前記制御手段は、前記パラメータの値が前記パラメータ値範囲に属しないと前記判定手段によって判定された場合、前記操作値取得手段によって取得された前記操作値と、前記パラメータの値が属する前記パラメータ値範囲に対応づけられた前記操作値範囲の代表値と、の差に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであり、
前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであり、
前記パラメータは、前記選手キャラクタのドリブル動作に関するドリブルパラメータを含み、
前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記ドリブル動作を指示するためのドリブル操作に基づく前記操作値を取得し、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記ドリブル動作を制御するドリブル動作制御手段を含み、
前記ドリブル動作制御手段は、前記ドリブルパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記ドリブルパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ドリブル動作中における前記選手キャラクタと前記移動体との間の距離が大きくなるように、前記選手キャラクタの前記ドリブル動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであり、
前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであり、
前記パラメータは、前記選手キャラクタのパス動作に関するパスパラメータを含み、
前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記パス動作を指示するためのパス操作に基づく前記操作値を取得し、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記パス動作を制御するパス動作制御手段を含み、
前記パス動作制御手段は、前記パスパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記パスパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ユーザが指示したパス方向と、前記選手キャラクタのパス方向と、の間のずれが大きくなるように、前記選手キャラクタの前記パス動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであり、
前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであり、
前記パラメータは、前記選手キャラクタのシュート動作に関するシュートパラメータを含み、
前記操作値取得手段は、前記選手キャラクタに前記シュート動作を指示するためのシュート操作に基づく前記操作値を取得し、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記選手キャラクタの前記シュート動作を制御するシュート動作制御手段を含み、
前記シュート動作制御手段は、前記シュートパラメータが前記パラメータ条件を満足しないと前記判定手段によって判定される場合には、前記シュートパラメータが前記パラメータ条件を満足すると前記判定手段によって判定される場合に比べて、前記ユーザが指示したシュート方向と、前記選手キャラクタのシュート方向と、の間のずれが大きくなるように、前記選手キャラクタの前記シュート動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作の種類を制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、移動体を用いて行われるスポーツのゲームであり、
前記ゲームキャラクタは選手キャラクタであり、
前記ゲーム装置は、
前記ユーザが指し示す位置を取得する指示位置取得手段と、
前記ユーザが前記移動体を指し示した場合、前記移動体の移動軌道の入力操作を受け付ける受付手段と、を含み、
前記操作値取得手段は、前記移動体の前記移動軌道の入力操作に関する操作値を取得し、
前記制御手段は、前記ユーザが入力した前記移動体の前記移動軌道と、前記判定手段の判定結果と、に基づいて、前記選手キャラクタの動作を制御する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
ゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
ゲームキャラクタのパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、
操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶してなるパラメータ条件記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、
ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得ステップと、
前記操作値取得ステップにおいて取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項11】
ゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
ゲームキャラクタのパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出す手段、
操作値条件に対応づけてパラメータ条件を記憶してなるパラメータ条件記憶手段の記憶内容を読み出す手段、
ユーザの操作に基づく操作値を取得する操作値取得手段、
前記操作値取得手段によって取得された前記操作値が満足する前記操作値条件に対応づけられた前記パラメータ条件を、前記パラメータが満足するか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲームキャラクタの動作を制御する制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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