説明

ゲーム装置、及びプログラム

【課題】プレイヤに煩わしさを感じさせることなく、通信接続されたゲーム装置間でのメッセージ交換のためのメッセージ入力を容易に行えるようにする。
【解決手段】通信接続された複数のゲーム装置においてメッセージ交換を行いながらゲームを進める。ゲーム装置が備える第1LCD11には、ゲームの進行状況を示す画面が表示されるが、ここに画面表示されているゲームの進行状況が所定のゲーム状況になると、当該ゲーム状況に対応付けて予め記憶されているアイコン131、132が、前面にタッチパネルが配された第2LCD12のアイコン表示領域130を横切るように表示される。プレイヤの操作によりアイコン表示領域130を横切るアイコン131、132がタッチされると、タッチされたアイコン131、132のゲーム状況に対応付けて予め記憶されているメッセージボタン141〜144が表示され、プレイヤは、何れかを選択してメッセージを入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他のゲーム装置と通信接続し、該他のゲーム装置とメッセージ交換しながらゲームを進めるゲーム装置に関し、特にそのメッセージの入力に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して接続された複数のゲーム装置により実行されるネットワークゲームでは、見ず知らずのプレイヤ間でのコミュニケーションを増進するため、各プレイヤがリアルタイムでメッセージを交換することが行われている。このメッセージ交換によるプレイヤ間のコミュニケーションは、複数のゲーム装置で赤外線通信などにより友人同士で行うゲームにも適用される場合がある。
【0003】
このようなメッセージ交換をしながら進めるゲームにおいて、各プレイヤは、ゲーム装置に接続されたキーボードからメッセージを入力したり、ソフトウェアキーボードからメッセージを入力したりしていた。もっとも、このような手法でプレイヤがタイミングよくメッセージを入力することは、アクションゲームや、ロールプレイングゲームのバトル中のようにゲーム本来の進行に多くの基本操作が要求されるゲームでは、非常に困難な操作となってしまう。
【0004】
これに対して、予め複数のメッセージ候補を操作ボタンに割り付けて登録しておき、メッセージを入力するときに、登録しておいたメッセージ候補を読み出して選択する方法もある。もっとも、この場合、メッセージ候補を割り付けて登録することのできる操作ボタンの数には限界があり、ゲーム状況に応じた適切なメッセージを何時でも入力できるようにすることは難しい。そこで、ゲーム状況に応じて1以上のメッセージを含むメッセージ群を表示装置に表示し、当該メッセージ群に含まれるメッセージの選択肢からプレイヤが所望のメッセージを選択できるようにしたゲームが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のゲームでは、ゲーム状況が所定の状況になったときに、その状況に応じてメッセージの選択肢を表示させるものとしているが、プレイヤ間でのコミュニケーションのためのメッセージ交換は、ゲームの進行全体で考えたときには付随的なものでしかない。このような単なるプレイヤ間のコミュニケーションとしてのメッセージ交換を好まないプレイヤにとっては、特許文献1のように、いきなりメッセージの選択肢が表示されるのは、煩わしく感じられてしまうことがある。
【0006】
また、プレイヤ間のコミュニケーションとしてのメッセージ交換を好むプレイヤにとっても、ゲームの進行に余裕がなくゲーム操作を優先させたい場合などのゲーム状況によっては、いきなりメッセージの選択肢が表示されるのは、煩わしく感じられてしまうことがある。また、ゲーム状況が目まぐるしく変化するような場合(プレイヤキャラクタと敵キャラクタのバトルなどにおいて生じやすい)に、特許文献1のように構成しただけでは、メッセージの選択肢の表示が適切に行えず、結果として適切なメッセージも入力できなくなってしまう場合もある。
【0007】
本発明は、プレイヤに煩わしさを感じさせることなく、通信接続されたゲーム装置間でのメッセージ交換のためのメッセージ入力を容易に行えるようにするゲーム装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるゲーム装置は、通信装置により他のゲーム装置と接続し、該他のゲーム装置とメッセージ交換しながらゲームを進行し、該ゲームの進行に応じた画像を表示装置に表示させるゲーム装置であって、プレイヤの操作に従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための指示を入力する進行指示入力手段と、前記進行指示入力手段から入力された指示と、前記通信装置により前記他のゲーム装置から受信した所定の進行情報とに従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための処理を行うゲーム進行手段と、プレイヤの操作に従って、前記表示装置の表示位置に応じた入力を行う位置入力手段と、ゲーム状況に応じた1以上のメッセージを含むメッセージ群のデータと、該メッセージ群に含まれるメッセージの内容を象徴する形態のアイコンのデータとを、複数のゲーム状況の各々と対応付けて記憶する状況別データ記憶手段と、前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況が、前記状況別データ記憶手段にデータが記憶されている何れかのゲーム状況に該当するものとなったかどうかを判定するゲーム状況判定手段と、前記ゲーム状況判定手段により何れかのゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなったゲーム状況に対応付けてデータが記憶されているアイコンを前記表示装置に表示させるアイコン表示手段と、前記アイコン表示手段により前記表示装置に表示されたアイコンに対応した入力が前記位置入力手段から行われたときに、該入力が行われたアイコンに対応するメッセージ群に含まれる各メッセージを前記表示装置に表示させるメッセージ表示手段と、前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力手段から行われたときに、該入力が行われたメッセージのデータを前記通信装置から前記他のゲーム装置に送信させる選択メッセージ送信手段と、前記通信装置によりデータを受信した前記他のゲーム装置から送信されたメッセージを、前記表示装置に表示させる他装置メッセージ表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記ゲーム装置では、通信装置により他のゲーム装置と接続してゲームを進めるが、ゲームを進めるに当たっては、ゲームを進行させるための指示をプレイヤの操作に従って進行指示入力手段から入力するものとなっている。ゲームは、進行指示入力手段から入力された指示と、ゲーム装置間で送受信される所定の進行情報とに従って進行されるが、プレイヤは、ゲームの進行過程において、他のゲーム装置とメッセージ交換をしながらゲームを進行するものとなっている。
【0010】
ここで、状況別データ記憶手段には、ゲーム状況に応じた1以上のメッセージを含むメッセージ群のデータと、メッセージ群に含まれるメッセージの内容を象徴する形態のアイコンのデータとが含まれているが、ゲームの進行状況が状況別データ記憶手段にデータが記憶された何れかのゲーム状況に該当するものとなったときに、当該ゲーム状況に対応付けてデータが記憶されているアイコンが表示装置に表示されるものとなっている。ここで、プレイヤがアイコンに対応した入力を位置入力手段から行うと、該入力が行われたアイコンに対応するメッセージ群に含まれる各メッセージが表示装置に表示され、さらにプレイヤが所望のメッセージに対応した入力を位置入力手段から行うと、該入力が行われたメッセージが選択されるものとなっている。
【0011】
このように、ゲーム状況に応じたメッセージ入力を行うために、プレイヤは、表示装置に順次表示されるアイコン、メッセージに対して位置入力手段からの入力を行えばよいため、ゲーム本来の進行に必要な基本操作(進行指示入力手段からの指示の入力)を行いながらでも、ゲーム状況に応じたメッセージを容易に入力することができるものとなる。また、プレイヤがゲーム本来の進行に必要な基本操作以外に入力を行っていない状況では、ゲーム状況の変化に応じて表示されていくのはアイコンだけであるため、本来のゲームの進行とは異なる表示も最小限で済み、プレイヤを煩わせないで済むものとなる。
【0012】
さらに、ゲーム状況の変化に応じてメッセージがいきなり表示されるのではなく、アイコンが表示されていくだけであるので、ゲーム状況が刻々と変化していくような状態にあっても、表示される内容(ここでは、メッセージではなくアイコン)の変化も大きくなりすぎない。このため、ゲーム状況の変化に応じて表示される内容が目まぐるしく変化して、何が表示装置に表示されているのかプレイヤが判断に迷ってしまうといった事態も起こりえず、プレイヤがメッセージの入力を適切に行えるようになる。
【0013】
上記ゲーム装置において、前記アイコン表示手段は、前記アイコンを前記表示装置の所定領域において所定の方向に移動させながら表示させるものとすることができる。
【0014】
この場合、プレイヤがゲーム本来の進行に必要な基本操作(進行指示入力手段からの指示の入力)を行っていても、表示装置の所定領域をアイコンが移動していくのを確認するのは容易であり、メッセージ入力が行えるゲーム状況であることを容易に判断することができる。また、表示装置に所定領域が確保されていることから、ゲーム状況の変化に応じたアイコンを当該所定領域に次々と表示させることができ、ゲーム状況の変化に対して表示されるアイコンをプレイヤが見逃さずに済むものとなる。
【0015】
また、ゲームのシステムを十分に理解できていなかったようなプレイヤでも、所定領域をアイコンが移動していくことによって、注意が喚起される。そして、移動していくアイコンに対して注意を喚起されたプレイヤに、当該表示装置上(の所定領域)を移動するアイコンに対応した入力を位置入力手段から行わせることによって、当該アイコンがメッセージ入力のためのシステムであることを理解させることができるものとなる。
【0016】
上記ゲーム装置において、前記アイコン表示手段は、前記ゲーム状況判定手段により複数のゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなった複数のゲーム状況の各々に対応付けてデータが記憶されている複数のアイコンを前記表示装置に表示させるものとしてもよい。
【0017】
この場合、プレイヤが他のプレイヤにメッセージを伝えたくなるような複数のゲーム状況(伝えたいメッセージとしては別のもの)が同時に発生していても、当該ゲーム装置のプレイヤは、複数表示されたアイコンのうちから最もメッセージを伝えたいようなゲーム状況のアイコンに対応した位置入力手段からの入力を最初に行えばよいこととなる。そして、アイコンに対する入力を行ってから、改めて当該ゲーム状況に応じたメッセージを選択すればよいので、ゲーム状況が複雑な状態になっていても、入力するメッセージの選択手順に困ることがない。
【0018】
また、他のプレイヤに伝えたいメッセージが別物となる複数のゲーム状況が同時に発生したときに、表示装置にまず表示されるのは各々のゲーム状況に対応したアイコンであって、各々のゲーム状況に対応した多数のメッセージがいきなり表示される訳ではない。このため、一段階目の操作(アイコンに対応した入力)のための選択肢(複数のアイコン)の数が限られるため、プレイヤが操作に迷ってしまうことがない。また、プレイヤが何の操作も行わないうちに表示されるもの(ここでは、メッセージではなくアイコン)の数や、1つ当たりの表示面積も限られることになるため、プレイヤを煩わせないで済むものとなる。
【0019】
上記ゲーム装置において、前記ゲーム状況判定手段は、現在よりも所定時間以内前の範囲で前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力手段から行われているときに、該所定時間以内前の範囲で入力が行われたメッセージに応じて前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況を判定するものとすることができる。
【0020】
この場合、例えば、他のプレイヤが同じように当該他のプレイヤのゲーム装置から進行指示入力手段からの指示の入力を行い、これによって同じようにゲームが進行された場合であっても、プレイヤが先に選択したメッセージを受けてのものか、そうでないかによって異なるゲーム状況であると判断されることとなる。そして、プレイヤが先に選択したメッセージを受けて他のプレイヤが指示の入力を行ってゲームが進行したのかどうかで異なるメッセージを入力できるものとすることで、プレイヤ間のコミュニケーションもより円滑に行われるものとなる。
【0021】
上記ゲーム装置において、前記通信装置は、所定の距離制限の範囲内で他のゲーム装置との通信を行うことができる近域通信装置と、広域網を介して距離制限を受けることなく他のゲーム装置との通信を行うことができる広域通信装置とを含むものであってもよい。この場合において、前記ゲーム状況は、前記他のゲーム装置との接続を行っている通信装置が前記近域通信装置であるか前記広域通信装置であるかに応じて異なる状況と判断され、前記状況別データ記憶手段は、前記他のゲーム装置との接続を行っている通信装置の種類以外が同じゲーム状況であっても、通信装置が前記近域通信装置であるか前記広域通信装置であるかに応じて異なるメッセージを含むメッセージ群のデータを記憶するものとすることができる。
【0022】
ここでは、近域通信装置による通信でゲームを進めている他のゲーム装置のプレイヤは、通常、当該ゲーム装置のプレイヤと面識があるはずであるが、広域通信装置による通信でゲームを進めている他のゲーム装置のプレイヤは、当該ゲーム装置のプレイヤと面識があるとは限らない。また、近域通信装置による通信でゲームを進めている他のゲーム装置のプレイヤとは、ゲーム装置間でのメッセージ交換によらなくてもコミュニケーションを図れるが、広域通信装置による通信でゲームを進めている他のゲーム装置のプレイヤは、ゲーム装置間でのメッセージ交換によらなければコミュニケーションを図ることは困難である。
【0023】
このように、他のゲーム装置と近域通信装置による通信でゲームを進めているか広域通信装置による通信でゲームを進めているかによって、ゲーム状況に応じたアイコンに対応した入力が行われたときにゲームの状況が同じであっても異なるメッセージを含むメッセージ群が表示されることで、プレイヤ同士の関係に応じた円滑なコミュニケーションを行うことができるものとなる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、コンピュータ装置において、他のコンピュータ装置と通信接続し、該他のコンピュータ装置とメッセージ交換しながらゲームを進行し、該ゲームの進行に応じた画像を表示装置に表示させるためのプログラムであって、前記コンピュータ装置は、プレイヤの操作に従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための指示を入力する進行指示入力装置と、プレイヤの操作に従って、前記表示装置の表示位置に応じた入力を行う位置入力装置とを備え、前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、前記進行指示入力装置から入力された指示と、前記通信装置により前記他のコンピュータ装置から受信した所定の進行情報とに従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための処理を行うゲーム進行手段、ゲーム状況に応じた1以上のメッセージを含むメッセージ群のデータと、該メッセージ群に含まれるメッセージの内容を象徴する形態のアイコンのデータとを、複数のゲーム状況の各々と対応付けて記憶する状況別データ記憶手段、前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況が、前記状況別データ記憶手段にデータが記憶されている何れかのゲーム状況に該当するものとなったかどうかを判定するゲーム状況判定手段、前記ゲーム状況判定手段により何れかのゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなったゲーム状況に対応付けてデータが記憶されているアイコンを前記表示装置に表示させるアイコン表示手段、前記アイコン表示手段により前記表示装置に表示されたアイコンに対応した入力が前記位置入力装置から行われたときに、該入力が行われたアイコンに対応するメッセージ群に含まれる各メッセージを前記表示装置に表示させるメッセージ表示手段、前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力装置から行われたときに、該入力が行われたメッセージのデータを前記通信装置から前記他のコンピュータ装置に送信させる選択メッセージ送信手段、及び、前記通信装置によりデータを受信した前記他のコンピュータ装置から送信されたメッセージを、前記表示装置に表示させる他装置メッセージ表示手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
上記第2の観点にかかるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置に着脱可能に構成され、上記コンピュータ装置とは別個に提供される記録媒体としてもよい。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置内に設けられ、上記コンピュータ装置と共に提供される固定ディスク装置などの記録媒体としてもよい。上記第2の観点にかかるプログラムは、ネットワーク上に存在するサーバ装置から、そのデータ信号を搬送波に重畳して、ネットワークを通じて上記コンピュータ装置に配信することもできる。
【0026】
また、上記第1の観点にかかるゲーム装置、及び上記第2の観点にかかるプログラムに含まれる各手段の実行する処理を、各ステップの処理として実行する複数のステップを含む方法も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるゲームの表示画面の例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるゲームでメッセージ入力を行うためのデータを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるゲームにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、この実施の形態に適用されるゲーム装置1の構成を示す外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。図1において、ゲーム装置1は、2つの液晶表示器(LCD)11及び12を所定の配置位置となるように、ハウジング18に収納して構成される。
【0030】
第1液晶表示器(以下、「LCD」という)11及び第2LCD12を互いに上下に配置して収納する場合は、ハウジング18が下部ハウジング18a及び上部ハウジング18bから構成され、上部ハウジング18bが下部ハウジング18aの上辺の一部で回動自在に支持される。上部ハウジング18bは、第1LCD11の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、一方主面から第1LCD11の表示画面を露出するように開口部が形成される。下部ハウジング18aは、その平面形状が上部ハウジング18bよりも横長に選ばれ、横方向の略中央部に第2LCD12の表示画面を露出する開口部が形成され、第2LCD12を挟む何れか一方にスピーカ15の音抜き孔が形成されるとともに、第2LCD12を挟む左右に操作スイッチ部14が装着される。
【0031】
操作スイッチ部14は、動作スイッチ(以下、「Aボタン」という)14a及び動作スイッチ(以下、「Bボタン」という)14bと、方向指示スイッチ(以下、「十字キー」という)14cと、スタートスイッチ14dと、セレクトスイッチ14eと、側面スイッチ(以下、「Lボタン」という)14f及び側面スイッチ(以下、「Rボタン」という)14gとを含む。
【0032】
Aボタン14a及びBボタン14bは、第2LCD12の右横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。Aボタン14a及びBボタン14bは、例えば、この実施の形態にかかるゲームにおいては、プレイヤによる所定の指示の入力に使用される。十字キー14cは、第2LCD12の左横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。十字キー14cは、カーソルの移動方向を指示したり、後述する第2LCD12に表示される範囲の移動方向を指示したりする等のゲーム画面における方向(プレイヤキャラクタの移動方向となる場合を含む)の入力に使用される。Lボタン14f及びRボタン14gは、下部ハウジング18aにおける上部面(上部側面)の左右に設けられる。Lボタン14f及びRボタン14gは、所定の指示の入力に使用される。
【0033】
第2LCD12の上面には、タッチパネル13(図1における破線領域)が装着される。タッチパネル13は、例えば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、静電容量結合式の何れの種類でもよく、その上面をスティック16(または指でも可)で押圧操作、或いは移動操作をしたとき、スティック16の座標位置を検出して出力するものである。この実施の形態にかかるゲームでは、タッチパネル13は、第2LCD12上に表示されたアイコン(後述)やメッセージ(後述)を選択するために使用される。
【0034】
上部ハウジング18bの側面近傍には、必要に応じてタッチパネル13を操作するスティック16を収納するための収納孔(図1における二点破線領域)が形成される。この収納孔には、スティック16が収納される。下部ハウジング18aの側面の一部には、ゲームプログラムを記憶したメモリ(例えば、ROM)を内蔵したゲームカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)17を着脱自在に装着するためのカートリッジ挿入部(図1における一点破線領域)が形成される。カートリッジ17は、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体であり、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリが用いられる。カートリッジ挿入部の内部には、カートリッジ17と電気的に接続するためのコネクタ(図2参照)が内蔵される。
【0035】
さらに、下部ハウジング18a(または上部ハウジング18bでも可)には、CPU等の各種電子部品を実装した電子回路基板が収納される。また、下部ハウジング18a(または上部ハウジング18bでも可)には、近傍にある他のゲーム装置1と赤外線通信を行うための赤外線通信ポート(図2参照)や、インターネットに接続されている無線ルータと無線通信を行うための無線通信ポート(図2参照)も内蔵されている。
【0036】
次に、ゲーム装置1の回路構成について説明する。図2は、ゲーム装置1の回路構成を示すブロック図である。図2において、ハウジング18に収納される電子回路基板には、CPUコア21が実装される。CPUコア21には、所定のバスを介して、カートリッジ17と接続するためのコネクタ28が接続されるとともに、入出力インターフェース(I/F)回路27、第1のグラフィック処理ユニット(第1GPU)24、第2のグラフィック処理ユニット(第2GPU)26、及びワーキングRAM(WRAM)22が接続される。CPUコア21は、システムプログラムを記憶したROM(一部は、データの書き換えが可能なEEPROM)と、内部タイマを備える。
【0037】
コネクタ28には、カートリッジ17が着脱自在に接続される。カートリッジ17は、上述したようにゲームプログラムを格納するための記憶媒体であり、具体的には、ゲームプログラムを記憶するROM171とバックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM172とを搭載する。カートリッジ17のROM171に記憶されたゲームプログラムは、WRAM22にロードされ、当該WRAM22にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。CPUコア21がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや画像を生成するためのデータがWRAM22に記憶される。ROM171には、ゲーム装置1のコンピュータ、特にCPUコア21によって実行可能な形式の命令群及びデータ群であるゲームプログラムが記録される。そして、このゲームプログラムは、WRAM22に適宜読み込まれ実行される。
【0038】
第1GPU24には、第1のビデオRAM(以下、「第1VRAM」という)23が接続され、第2GPU26には、第2のビデオRAM(以下、「第2VRAM」という)25が接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第1ゲーム画像を生成し、第1VRAM23に描画する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第2ゲーム画像を生成し、第2VRAM25に描画する。第1GPU24及び第2GPU26から出力されるデータに含まれる画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒であり、第1GPU24及び第2GPU26は、ここでは、フレーム単位(すなわち、30分の1秒単位)で1枚の画像を描画する。
【0039】
第1GPU24が第1LCD11に接続され、第2GPU26が第2LCD12に接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて第1VRAM23に描画された第1ゲーム画像を第1LCD11に出力する。そして、第1LCD11は、第1GPU24から出力された第1ゲーム画像を表示する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて第2VRAM25に描画された第2ゲーム画像を第2LCD12に出力する。そして、第2LCD12は、第2GPU26から出力された第2ゲーム画像を表示する。
【0040】
I/F回路27には、タッチパネル13、操作スイッチ部14、及びスピーカ15が接続される。I/F回路27は、タッチパネル13、操作スイッチ部14、及びスピーカ15等の外部入出力装置とCPUコア21との間のデータの受け渡しを行う回路である。
【0041】
タッチパネル13(タッチパネル用のデバイスドライバを含む)は、第2VRAM25の座標系に対応する座標系を有し、スティック16等によって入力(指示)された位置に対応する座標データをWRAM22に設けられる所定のレジスタに出力するものである。例えば、第2LCD12の表示画面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル13の検出精度も表示画面に対応した256dot×192dotである。なお、タッチパネル13の検出精度は、第2LCD12の表示画面の解像度よりも低いものであってもよいし、高いものであってもよい。スピーカ15は、上述した音抜き孔の内側位置に配置され、実行中のゲームに応じて生成される音声を出力する。
【0042】
赤外線通信装置29は、赤外線通信ポートを介して他のゲーム装置との間で赤外線通信を行い、プレイヤが入力したメッセージを含むゲームの進行のためのデータを送受信する。赤外線通信装置29は、このゲーム装置1に特有の形式で、データの送受信のために赤外線(通信距離の短さや障害物を避けられないという問題がある)を用いるものであるため、赤外線通信装置29による赤外線通信によって協働してゲームを進めることができる他のプレイヤは、同じ室内に存在する等の対面してゲームを進めることができるプレイヤに限られる。
【0043】
無線通信装置30は、無線通信ポートを介してインターネットに接続されている無線ルータと無線通信を行うことによって他のゲーム装置とインターネットを介して通信を行い、プレイヤが入力したメッセージを含むゲームの進行のためのデータを送受信する。無線通信装置30は、TCP/IP等の汎用プロトコルに従って通信を行うものであり、遠隔地に存在する他のゲーム装置ともインターネット上に存在するサーバ装置を介して通信を行うことができる。無線通信装置30を用いて通信を行う他のゲーム装置は、すなわち協働してゲームを進める他のプレイヤは、サーバ装置がランダムにマッチングすることができる。
【0044】
この実施の形態に適用されるゲーム装置1において、赤外線通信装置29を用いた通信と無線通信装置30とを用いた通信を同時に行って3人以上のプレイヤで協働してゲームを進めることは、認められていない。赤外線通信を行う2台のゲーム装置のうちの1台が良好にインターネット接続できるものの、他の1台がインターネット接続できない場合などが生じると、ゲームの進行の処理を行うのに不都合が生じるからである。
【0045】
なお、この実施の形態に適用されるゲーム装置1では、日本語、英語、ドイツ語、フランス語などの複数の言語のうちから選択設定された言語で表示が行われるものとなっている。表示を行うための言語の設定は、CPUコア21が備えるEEPROMに書き込まれるが、デフォルトでの設定は、ゲーム装置1が販売された地域の言語(例えば、日本で販売されるものについては日本語)となっている。
【0046】
次に、この実施の形態にかかるゲームについて説明する。この実施の形態にかかるゲームは、例えば、ゲーム装置1のプレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14を操作して自己のプレイヤキャラクタを仮想空間に形成されたフィールド上で移動させ、該フィールド上に設定された課題を解決していくロールプレイングゲームである。プレイヤキャラクタが解決すべき課題として、敵キャラクタとのバトルが含まれている。このゲームは、他のゲーム装置と接続せずにスタンドアローンでも進めることができる。
【0047】
もっとも、ゲーム装置1を赤外線通信装置29または無線通信装置30を用いて1または複数の他のゲーム装置(ゲーム装置1と同じ構成のゲーム装置であってもよいが、以下、これを「他ゲーム装置」と呼ぶ)と通信接続し、他ゲーム装置のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの協力を得てゲームにおける課題を解決するものとすることもできる。この場合、当該ゲーム装置1と他ゲーム装置とのうちの何れかがホストコンピュータとして機能する。ホストコンピュータとして機能するゲーム装置以外からは、当該ゲーム装置のプレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14の操作により当該他装置のプレイヤのプレイヤキャラクタに対して行った指示がホストコンピュータとして機能するゲーム装置に送られる。
【0048】
ホストコンピュータとして機能するゲーム装置では、当該ゲーム装置のプレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14の操作により当該他装置のプレイヤのプレイヤキャラクタに対して行った指示と、ホストコンピュータとして機能するゲーム装置以外のゲーム装置から送られてきた指示とに従って、ゲームを進行させ、その進行結果を示す情報を、ホストコンピュータ装置として機能するゲーム装置以外のゲーム装置に返送するものとなっている。なお、以下では説明の簡単化のため、ホストコンピュータとして機能するのが当該ゲーム装置1、ホストコンピュータとして機能しないものが他ゲーム装置とし、他ゲーム装置は1台だけであるものとする。
【0049】
また、ゲーム装置1と他ゲーム装置とを通信接続してゲームを進める場合には、ゲームの進行の処理とは別に(もっとも、後述するようにメッセージの入力は、ゲームの進行と完全に独立して行うものではない)、両者間でメッセージ交換を行い、互いに交換しているメッセージを、ゲーム画面に表示させるものとしている。
【0050】
図3は、ゲーム装置1を他ゲーム装置と通信接続してゲームを進めている場合に、第1LCD11及び第2LCD12に表示される画面の例を示す図である。図3(a)に示すように、上画面となる第1LCD11には、リアルタイムでのゲームの進行状況に応じた画面が表示される。ここでは、ゲーム装置1のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタ101と、他ゲーム装置のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタ102とが、敵キャラクタ105、106とバトルを行っている場面を示している。また、この画面において、ゲーム装置1と他ゲーム装置との間で交換されているメッセージ111、112も表示されている。
【0051】
ここで、タッチパネル13が配された下画面となる第2LCD12には、各キャラクタの位置関係を示すマップ121と、ゲーム装置1のプレイヤキャラクタ101に対する指示をタッチ操作により入力する操作指示ボタン122とがゲームの進行中において常時表示されている。さらに、第1LCD11に画面表示されているゲームの進行状況が所定のゲーム状況(詳細を後述)となった場合、第2LCD12の下方に設定されたアイコン表示領域130において右から左に移動しながら、当該ゲーム状況に応じて定められたアイコン131、132(詳細を後述)が表示される。
【0052】
ゲーム装置1のプレイヤが、図3(a)において第2LCD12に移動表示されているアイコン131または132をタッチすると、図3(b)に示すように、タッチされたアイコン131または132に対応して定められたメッセージボタン141〜144を含むメッセージ群140(詳細を後述)が表示される。また、メッセージボタン141〜144の何れも選択せずに元の画面(この例では、図3(a)に示す画面)に戻るための戻るボタン145も表示される。
【0053】
ゲーム装置1のプレイヤが、図3(b)において第2LCD12に表示されているメッセージボタン141〜144の何れかをタッチすると、タッチされたメッセージボタン141〜144に対応した内容のメッセージが、プレイヤキャラクタ101のメッセージ111として表示されるものとなる。また、タッチされたメッセージボタン141〜144に関する情報が他ゲーム装置に送られ、他ゲーム装置においても同様のメッセージの表示が行われる。また、メッセージボタン141〜144、戻るボタン145の何れかがタッチされると、第2LCD12に表示される画面は、元の画面(この例では、図3(a)に示す画面)に戻る。
【0054】
戻るボタン145は、メッセージ入力を行わずに図3(b)に示す画面の表示を終了させ、図3(a)に示す画面に戻るようにするために設けられたボタンである。また、メッセージ111、112やメッセージボタン141〜144、戻るボタン145は、ゲーム装置1において設定されている言語で表示されるものとなる。
【0055】
次に、ゲーム装置1を他ゲーム装置と通信接続してゲームを進めている場合に、ゲームの進行状況に応じたメッセージ入力を行うために用いられるデータについて説明する。図4は、ゲーム装置1を他ゲーム装置と通信接続してゲームを進めている場合においてメッセージ入力を行うためのデータを示す図である。このデータは、カートリッジ17のROM171に予め格納されており、必要に応じてWRAM22に読み出されて用いられるものとなる。メッセージ入力を行うためのデータは、図4(a)に示すゲーム状況別データ200と、図4(b)に示すメッセージ別データ210とから構成される。
【0056】
図4(a)に示すゲーム状況別データ200は、ゲーム状況201と、アイコン種別202と、メッセージID203a〜203dとを対応付けて登録したデータである。ゲーム状況201は、図3(a)に示したようにアイコン表示領域130においてアイコン(図3(a)のアイコン131、132である場合を含む)を移動表示させる契機となるゲームの進行状況を示すものである。アイコンの表示契機となるゲーム状況には複数種類のものがあり、ゲーム状況別データ200は、そのようなゲーム状況の種類の数だけ用意されている。
【0057】
アイコン種別202は、ゲーム状況201に示す状況がゲームの進行において発生したときに、アイコン表示領域130において移動表示されることとなるアイコンの形態を示すものである。メッセージID203a〜203dは、アイコン表示領域130において移動表示されているアイコンがタッチされたときに、図3(b)に示したように第2LCD12に表示させることとなるメッセージ群140に含まれるメッセージボタン141〜144の各々のメッセージを一意に特定する識別情報である。図4(a)では、ゲーム状況別データ200に4つのメッセージID203a〜203dが含まれているが、1つのゲーム状況別データ200には、1以上4以下のメッセージIDが含まれていればよい。
【0058】
ゲーム状況201に対応付けられた同じゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dの各々に対応するメッセージの間には、ゲーム状況201に対応して内容の共通性があるものとなっている。また、アイコン種別202が示すアイコンの形態は、同じゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dに対応したメッセージの内容を象徴したものとなっている。
【0059】
例えば、ゲーム状況201を「HP(ヒットポイント:プレイヤキャラクタの体力を示す値で、これが0になると行動不能になる)が所定量以下」とするゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dに対応したメッセージは、「助けて!」、「ピンチ!」、「HPがない」、「回復して」といった内容のものとなっており、アイコン種別202が示すアイコンの形態は、泣き顔を示す形態のものとなっている。
【0060】
また、ゲーム状況201を「他のプレイヤキャラクタと初めて出会った」とするゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dに対応したメッセージは、「こんにちは」、「よろしく」、「初めまして」、「○○(プレイヤキャラクタに設定した名前)です」などといった内容のものとなっており、アイコン種別202が示すアイコンの形態は、笑顔を示す形態のものとなっている。
【0061】
さらに、ゲーム状況201を「これまで入手したことのないアイテムを入手した」とするゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dに対応したメッセージは、「何だろう?」、「これ、知ってる?」、「どう使うのかな?」、「役に立つのだろうか?」などといった内容のものとなっており、アイコン種別202が示すアイコンの形態は、クエスチョンマークを示す形態のものとなっている。
【0062】
また、図4(b)に示すメッセージ別データ210は、メッセージID211と、言語別のメッセージ212J、212E、212G、…とを対応付けて登録したデータである。例えば、メッセージID211に対応付けられた日本語のメッセージ212Jが「助けて!」であるとすると、英語のメッセージ212Eは「Help!」、ドイツ語のメッセージ212Gは「Hilfe!」といったように、異なる言語でも同じ意味を有するメッセージが登録される。
【0063】
ゲーム装置1においてメッセージボタン141〜144の何れかをタッチしたとき、他ゲーム装置に送られるのはタッチされたメッセージボタンに対応するメッセージそのものではなく、これに対応するメッセージIDである。例えば、図3(b)に示すように使用言語が日本語に設定されたゲーム装置1でメッセージの内容が「助けて!」であるメッセージボタン141がタッチされた場合、他ゲーム装置に送信されるのは、「助けて!」のメッセージに対応するメッセージIDである。
【0064】
このメッセージIDを受け取った他ゲーム装置は、メッセージIDと設定している使用言語とに従ってメッセージの表示を行うこととなる。使用言語が日本語に設定されているのであれば、「助けて!」とメッセージが表示されるが、英語に設定されているのであれば「Help!」と、ドイツ語に設定されているのであれば「Hilfe!」とメッセージが表示されることになる。
【0065】
以下、この実施の形態にかかるゲームを実行するための処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。以下では、ゲームの進行状況に応じたメッセージをプレイヤが入力するために必要な処理について説明し、ゲームの進行状況に応じた画像を第1LCD11に表示させる処理などの本発明との関連性が薄い処理については、説明を省略している場合があるものとする。
【0066】
図5(a)は、ゲーム装置1を他ゲーム装置と通信接続して、この実施の形態にかかるゲームを進行する場合に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、CPUコア21は、ゲーム装置1のプレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14の操作によりプレイヤキャラクタ101に対して行った指示と、他ゲーム装置から受信した指示とに従ってゲームを進行させ、その進行結果を示す情報を他ゲーム装置に送信するゲーム進行処理を行う(ステップS101)。
【0067】
次に、CPUコア21は、他ゲーム装置におけるメッセージ入力処理(後述する図5(b)参照)により他ゲーム装置から送信されてきたメッセージIDを受信したかどうかを判定する(ステップS102)。メッセージIDを受信していなければ、そのままステップS104の処理に進む。メッセージIDを受信していれば、CPUコア21は、受信したメッセージIDに対応付けてメッセージ別データ210に登録されているメッセージ212J、212E、212G、…のうちのゲーム装置1に設定された言語に対応したものを、第1LCD11に表示されているゲームの進行状況に応じた画面において、他ゲーム装置に対応したプレイヤキャラクタ102のメッセージ112として表示させる(ステップS103)。そして、ステップS104の処理に進む。
【0068】
ステップS104では、CPUコア21は、後述するステップS108で起動されることとなるメッセージ入力処理(図5(b)参照)が現時点で起動状態にあるかどうかを判定する。メッセージ入力処理が起動状態にあれば、そのままステップS101の処理に戻る。なお、メッセージ入力処理が起動状態にある場合にも、ステップS101の処理において、プレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14の操作によりプレイヤキャラクタ101に対する指示を入力したりすることにより、ゲームは進行されるものとなる。
【0069】
メッセージ入力処理が起動状態になければ、CPUコア21は、ステップS101で進行された現時点でのゲームの進行状況が、何れかのゲーム状況別データ200に含まれるゲーム状況201に該当しているかどうかを判定する(ステップS105)。何れのゲーム状況にも該当していなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0070】
何れかのゲーム状況に該当していれば、CPUコア21は、現時点でのゲームの進行状況が該当することになっているゲーム状況201に対応付けてゲーム状況別データ200に登録されたアイコン種別202に応じた形態のアイコンを、第2LCD12のアイコン表示領域130に表示させる(ステップS106)。ここで、そのゲーム状況がちょうど発生したところであれば、対応するアイコンをアイコン表示領域130の右端に表示させ、そのゲーム状況が以前より発生していて、対応するアイコンが既に表示されているのであれば、当該アイコンをアイコン表示領域130において所定量だけ左側に移動させて表示させる。
【0071】
また、アイコン表示領域130に既にアイコンが表示されている状態で、当該アイコンに対応したゲーム状況別データ200とは異なるゲーム状況別データ200に含まれるゲーム状況も重ねて発生したのであれば、既に表示されているアイコンをアイコン表示領域130において所定量だけ左側に移動させて表示させるとともに、新たに発生したゲーム状況に対応したアイコンをアイコン表示領域130の右端に表示させる。これまで表示されていたアイコンに対応したゲーム状況が終了していたならば、当該アイコンをアイコン表示領域130から表示消去する。
【0072】
次に、CPUコア21は、アイコン表示領域130における各アイコンの表示位置とタッチパネル13の押圧入力された位置とに基づいて、アイコン表示領域130に表示されている何れかのアイコンがタッチされたかを判定する(ステップS107)。何れのアイコンもタッチされていなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0073】
何れかのアイコンがタッチされていれば、CPUコア21は、タッチされたアイコンに対応するゲーム状況別データ200を参照して、メッセージ入力処理を起動する(ステップS108)。起動されたメッセージ入力処理は、このメイン処理と並行して実行されることとなる。そして、メイン処理における処理フローは、ステップS101の処理に戻ることとなる。
【0074】
図5(b)は、メイン処理から起動されたメッセージ入力処理を示すフローチャートである。メッセージ入力処理では、CPUコア21は、これを起動させる際に参照されたゲーム状況別データ200に含まれるメッセージID203a〜203dを読み出し、読み出したメッセージID203a〜203dのそれぞれに対してメッセージ別データ210に登録されているメッセージ212J、212E、212G、…のうちのゲーム装置1に設定された言語に対応したものを読み出す。そして、CPUコア21は、各メッセージIDに対応して読み出したメッセージを含むメッセージボタン141〜144と、戻るボタン145とを第2LCD12に表示させる(ステップS111)。
【0075】
次に、CPUコア21は、このメッセージ入力処理を起動させる際に参照されたゲーム状況別データ200に含まれるゲーム状況201がゲームの進行において終了しているかを判定する(ステップS112)。当該ゲーム状況201がゲームの進行において既に終了している場合には、メッセージ入力処理を終了させる。なお、メッセージ入力処理の終了により、並行して実行されているメイン処理では、ステップS101のゲーム進行処理において、ゲーム装置1のプレイヤがタッチパネル13または操作スイッチ部14の操作によりプレイヤキャラクタ101に対する指示を入力できるようになる。
【0076】
当該ゲーム状況201がゲームの進行において終了していない場合には、CPUコア21は、戻るボタン145の表示位置とタッチパネル13の押圧入力された位置とに基づいて、戻るボタン145がタッチされたかどうかを判定する(ステップS113)。戻るボタン145がタッチされた場合には、CPUコア21は、メッセージ入力処理を終了させる。なお、この場合は、メッセージ入力処理を起動させる際に参照されたゲーム状況別データ200に含まれるゲーム状況201が終了していないので、当該ゲーム状況201に対応したアイコンが再びアイコン表示領域130に表示されるものとなる。
【0077】
戻るボタン145がタッチされていない場合には、CPUコア21は、メッセージボタン141〜144の各々の表示位置とタッチパネル13の押圧入力された位置とに基づいて、メッセージボタン141〜144の何れかがタッチされたかどうかを判定する(ステップS114)。メッセージボタン141〜144の何れもタッチされていなければ、ステップS112の処理に戻る。
【0078】
メッセージボタン141〜144の何れかがタッチされた場合には、CPUコア21は、メッセージボタン141〜144のうちのタッチされたものに対応してゲーム状況別データ200に登録されているメッセージID203a〜203dを他ゲーム装置に送信する(ステップS115)。
【0079】
さらに、CPUコア21は、メッセージボタン141〜144のうちのタッチされたものに対応してゲーム状況別データ200に登録されているメッセージID203a〜203dに対応したものを、第1LCD11に表示されているゲームの進行状況に応じた画面において、当該ゲーム装置1に対応したプレイヤキャラクタ101のメッセージ111として表示させる(ステップS116)。そして、このメッセージ入力処理を終了させる。
【0080】
以上説明したように、この実施の形態にかかるゲームでは、ゲーム装置1は、他ゲーム装置と通信接続し、他ゲーム装置のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの協力を得てゲームを進めることができるが、この場合においても、ゲームを進行するためのプレイヤキャラクタに対する指示を、タッチパネル13または操作スイッチ部14の操作により入力するものとしている。また、他ゲーム装置から受信した指示に従っても、ゲームを進行させるものとなっている。
【0081】
このようにゲーム装置1と他ゲーム装置のプレイヤが、それぞれの操作に基づいて協力してゲームを進めていく間に、それぞれのプレイヤは、メッセージ交換を行ってコミュニケーションを図ることができるものとなっている。ここで、互いに交換するメッセージの入力は、ゲーム状況に応じてアイコン表示領域130に表示されるアイコン131、132をタッチし、その上で第2LCD12に表示されるメッセージボタン141〜144をタッチすることにより行われる。
【0082】
すなわち、カートリッジ17のROM171には、ゲーム状況別データ200及びメッセージ別データ210が記憶されているが、各々のゲーム別状況データ200では、アイコンの表示契機(メッセージの選択入力の契機)となるゲーム状況201に対応付けて、表示されるアイコンの形態を示すアイコン種別202と、入力可能となるメッセージID203a〜203dとが登録されており、ゲームの進行において何れかのゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況が発生すれば、メッセージの選択ができるものとなっている。
【0083】
このように、ゲーム装置1のプレイヤは、ゲームの進行状況に応じたメッセージを入力するために、第2LCD12に順次表示されるアイコン131、132、メッセージボタン141〜144をタッチ操作するということだけを行えばよいため、ゲーム本来の進行に必要な操作(操作スイッチ部14の操作や操作指示ボタン122のタッチ操作)を行いながらでも、ゲームの進行状況に応じて他ゲーム装置のプレイヤとコミュニケーションを図るためのメッセージを容易に入力することができるものとなる。
【0084】
また、ゲーム装置1のプレイヤがゲーム本来の進行に必要な操作以外には何らの入力を行っていない状況では、第1LCD11及び第2LCD12に表示されていくのは、アイコン131、132だけであって、入力の選択対象となるメッセージ(メッセージボタン141〜144)は表示されない。このため、本来のゲームの進行とは異なる表示も最小限で済み、プレイヤを煩わせないで済むものとなる。
【0085】
さらに、ゲームの進行状況が何れかのゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況201に該当することとなっても、これに応じて入力の選択対象となるメッセージ(メッセージボタン141〜144)がいきなり表示されるのではなく、まず、アイコン131、132がアイコン表示領域130に表示されるだけである。このため、刻々とゲームの進行状況が変化していく中でも、第1LCD11及び第2LCD12(とりわけ第2LCD12)に表示される内容の変化が大きくなりすぎない。このため、ゲームの進行状況の変化に応じて表示される内容が目まぐるしく変化して、何が表示されているのかプレイヤが判断に迷ってしまうといった事態も起こりえず、プレイヤが所望のメッセージを適切に選択して入力することができるようになる。
【0086】
また、ゲーム装置1のプレイヤは、ゲーム本来の進行に必要な操作(操作スイッチ部14の操作や操作指示ボタン122のタッチ操作)を行いながらでも、第2LCD12のアイコン表示領域130にアイコン131、132が表示されているのを容易に確認することができ、他ゲーム装置のプレイヤと交換するメッセージの入力が行える状況にあることを容易に判断することができる。しかも、アイコン131、132が表示される領域は、第2LCD12のアイコン表示領域130に限られているため、表示されたアイコンをプレイヤが見逃さないで済むようになる。
【0087】
さらに、アイコン131、132は、アイコン表示領域130において右から左に移動しながら表示されるものとなっている。このため、ゲームのシステム(特にメッセージ入力のシステム)を十分に理解できていなかったようなプレイヤでも、アイコン表示領域130を移動していくアイコン131、132に注意を喚起されることとなる。そして、プレイヤは、アイコン表示領域130を移動するアイコン131、132をタッチする操作を試してみれば、これがメッセージ入力のためのシステムを構成するものであることを容易に理解することができるようになる。
【0088】
また、ゲームの進行状況によっては、複数のゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況201が同時に発生することもあるが、発生したそれぞれのゲーム状況201に対応したアイコン131、132が、アイコン表示領域130を移動しながら表示されることとなる。アイコン131、132は、その後の選択対象となるメッセージの内容を象徴した形態のものとなっている。これにより、プレイヤは、入力したいメッセージに辿り着くには何れのアイコン131、132をタッチすればよいかも容易に判断することができるものとなる。
【0089】
そして、ゲーム装置1のプレイヤは、入力したいメッセージの内容を象徴しているアイコン131、132のタッチを行ってから、そこで第2LCD12に表示されたメッセージボタン141〜144の何れかを所望のメッセージを入力すべくタッチすればよい。このため、ゲームの進行状況が複雑な状態になっていても、入力するメッセージの選択手順にプレイヤが困ってしまうようなこともない。
【0090】
さらに、複数のゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況201が同時に発生したときに、第1LCD11及び第2LCD12にまず表示されるのは、発生したゲーム状況201の各々に対応したアイコン131、132だけであって、複数のゲーム状況201に対応した極めて多数のメッセージボタンが第1LCD11及び第2LCD12に表示される訳ではない。このように一段階目の操作のために表示される選択肢(アイコン131、132)の数が限られるため、プレイヤが操作に迷ってしまうことがない。また、プレイヤが何の操作も行わないうちに表示されるものの数は、その1つ当たりの表示面積も限られるものであるため、本来のゲームの進行とは異なる表示によってプレイヤを煩わせないで済むものとなる。
【0091】
また、この実施の形態にかかるゲームを実行するためのゲーム装置1は、複数種類の言語からプレイヤが選択して設定した言語(デフォルトで設定された言語である場合もあり)で表示が行われるが、ゲーム状況別データ200においてゲーム状況201及びアイコン種別202に対応付けて登録されているのは、メッセージのテキストデータではなく、メッセージを一意に識別可能なメッセージID203a〜203dである。メッセージ別データ210には、言語別のメッセージ212J、212E、212G、…がメッセージID211に対応付けて登録されている。
【0092】
ゲーム装置1においてプレイヤがメッセージボタン141〜144の何れかをタッチしたとき、他ゲーム装置に送信されるのは、メッセージボタン141〜144のうちでタッチされたものに対応したメッセージIDである。同様にして他ゲーム装置から送信されてきたメッセージIDをゲーム装置1が受信した場合、当該メッセージIDに対応付けてメッセージ別データ210に登録されている言語別のメッセージ212J、212E、212G、…のうちから、ゲーム装置1に設定されている言語に対応するものを、他ゲーム装置のプレイヤキャラクタ102の発するメッセージ112として表示させるものとなっている。
【0093】
ゲーム装置1は、赤外線通信装置29を用いて赤外線通信により他ゲーム装置と通信を行うだけでなく、無線通信装置30を用いてインターネットを介して遠隔地に存在する他ゲーム装置と通信を行うことができるが、このように設定された言語に応じてメッセージを表示させるものとすることで、使用言語が異なるプレイヤ同士でもメッセージ交換によってコミュニケーションを図りながら、一緒にゲームを進めることができるようになる。
【0094】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0095】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1が他ゲーム装置と赤外線通信またはインターネットを介してピアツーピアで通信接続され、ゲーム装置1がホストコンピュータとして機能することでゲーム装置1と他ゲーム装置とにおいてゲームを実行するものとしていたが、インターネット上に存在するサーバ装置を介してゲーム装置1と他ゲーム装置とが接続されたネットワークゲームにおいても、本発明を適用することができる。この場合、ゲーム装置1と他ゲーム装置とから各プレイヤが自己のプレイヤキャラクタに対して行った指示を送信し、サーバ装置においてゲームを進行させるための処理を行い、その処理結果をゲーム装置1と他ゲーム装置とに返送するものとしてもよい。
【0096】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1と他ゲーム装置との間で交換されるメッセージの入力は、ゲーム状況に応じて表示されるアイコン131、132をタッチし、これによって表示されるメッセージボタン141〜144をタッチすることで行っていたが、ゲーム装置1に接続されたキーボードやソフトウェアキーボードからのメッセージ入力を併用するものとしてもよい。この場合、インターネット上に存在するサーバ装置を介してメッセージ交換が行われる場合、ゲーム装置1と他ゲーム装置における言語設定に応じて自動翻訳してメッセージ交換を行うものとしてもよい。
【0097】
上記の実施の形態では、ゲームの進行状況が何れかのゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況201に該当することになると、そのゲーム状況201に対応したアイコン131、132がアイコン表示領域130で移動表示され、プレイヤの注意を喚起するものとなっていた。そして、ゲームの説明書を予め読んでいなかったとしても、移動表示されるアイコン131、132に対して注意を喚起されたプレイヤが、アイコン131、132のタッチを試みることを期待して、ゲームシステムを理解させようとするものであって。
【0098】
もっとも、移動表示されるアイコン131、132にプレイヤの注意が喚起されると言っても、プレイヤがタッチ操作を行わない限りゲームシステムを理解できない。また、アイコン131、132に対するタッチ操作を1回行っただけで、ゲームシステムを理解できるとも限らない。そこで、アイコン表示領域130においてアイコン131、132を移動表示させているときに、「アイコンをタッチすれば、メッセージ入力が可能になるよ。」といった注意文を第1LCD11または第2LCD12に表示するものとしてもよい。この注意文は、一定程度までゲームが進行するまでにおいて、或いは一定回数までアイコン131、132のタッチが行われるまで、表示するものとしてもよい。
【0099】
さらに、アイコン表示領域130を移動表示するアイコン131、132をタッチすることで、メッセージボタン141〜144が表示され、メッセージボタン141〜144のタッチを行うことでメッセージ入力を行えることを、ゲームのシステムを説明するチュートリアルにおいて示すものとしてもよい。
【0100】
上記の実施の形態では、ゲームの進行状況が何れかのゲーム状況別データ200に登録されたゲーム状況201に該当するものとなることによって、当該ゲーム状況201に対応するアイコン種別202のアイコンがアイコン表示領域130に表示されるものとなっていた。ここで、このゲーム状況は、現在よりも所定時間以内前の範囲内で、メッセージボタン141〜144のタッチにより入力したメッセージに従っても、判断するものとすることができる。
【0101】
例えば、ゲーム装置1のプレイヤのプレイヤキャラクタ101が敵キャラクタ105、106とのバトルを行っているときにおいて、他ゲーム装置のプレイヤのプレイヤキャラクタ102が敵キャラクタ105、106に対して攻撃を行ったものとする。ここで、プレイヤキャラクタ102から敵キャラクタ105、106の攻撃を行う少し前に、ゲーム装置1のプレイヤが「助けて!」というメッセージの入力を行っていた場合と、何のメッセージの入力も行っていなかった場合とを考える。
【0102】
前者のゲーム状況では、アイコン表示領域130に笑顔のアイコンが表示され、これをタッチすることで、「ありがとう」、「サンキュー」、「次も頼むよ」といった内容のメッセージを入力するためのメッセージボタンが表示されるようにすることができる。一方、後者のゲーム状況では、アイコン表示領域130には何のアイコンも表示されず、従って、メッセージの入力も行えないようにすることもできる。或いは、後者のゲーム状況では、アイコン表示領域130に怒り顔のアイコンが表示され、これをタッチすることで、「邪魔立て無用!」、「ここは任せろ!」、「俺一人で十分だ!」といった内容のメッセージを入力するためのメッセージボタンが表示されるようにすることができる。
【0103】
このように、本来のゲームの進行状況としては全く同じものになっていたとしても、ゲーム装置1のプレイヤが先に入力したメッセージに応じて、或いは何のメッセージも入力しなかったことに応じて異なるメッセージの入力を行えるようにすることで、プレイヤ間のコミュニケーションもより円滑に行われるものとなる。
【0104】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1は、近距離に存在する他ゲーム装置との間で通信を行う赤外線通信装置29と、インターネットを介して遠隔地に存在する他ゲーム装置との間でも通信を行うことができる無線通信装置30とを備え、赤外線通信装置29と無線通信装置30との何れかを用いて、他ゲーム装置との協働でゲームを進めることができるものとなっていた。もっとも、何れの通信装置により通信接続された場合でも、ゲーム装置1と他ゲーム装置との間でメッセージ交換を行うための処理に違いはなかった。
【0105】
もっとも、赤外線通信装置29を用いて通信を行っている他ゲーム装置のプレイヤは、通常、当該ゲーム装置のプレイヤと面識がある者であると考えられる。これに対して、無線通信装置30を用いてインターネットを介して通信を行っている他ゲーム装置のプレイヤは、当該ゲーム装置のプレイヤと面識があるとは限らない。また、赤外線通信装置29を用いて通信を行っている他ゲーム装置のプレイヤとは、メッセージ交換によらなくてもコミュニケーションを図れるが、無線通信装置30を用いてインターネットを介して通信を行っている他ゲーム装置のプレイヤとは、メッセージ交換によらなければコミュニケーションを図ることは困難である。
【0106】
そこで、カートリッジ17のROM171に記憶するゲーム状況別データ200に含まれるゲーム状況201は、単なるゲームの進行状況だけではなく、通信に用いている通信装置の種類に応じても分類されるものとしてもよい。そして、ゲームの進行状況そのものは同じであるが、赤外線通信装置29を用いて他ゲーム装置と通信を行っているゲーム状況201に対応付けられたメッセージID203a〜203dには、友達同士で会話するようなフランクな内容のメッセージのメッセージIDを登録し、無線通信装置30を用いて他ゲーム装置と通信を行っているゲーム状況201に対応付けられたメッセージID203a〜203dには、より丁寧な言葉遣いのメッセージのメッセージIDを登録するものとしてもよい。
【0107】
このように、他ゲーム装置と赤外線通信装置29による近距離の通信でゲームを進めているか無線通信装置30によるインターネットを介した通信でゲームを進めているかによって、ゲーム本来の進行状況が同じであったとしても、アイコンをタッチすると異なる内容のメッセージを含むメッセージボタン141〜144が表示されることで、プレイヤ同士の関係に応じた円滑なコミュニケーションを行うことができるものとなる。
【0108】
上記の実施の形態では、第1LCD11と第2LCD12という2つの表示装置、及びタッチパネル13というポインティングデバイスを備えるゲーム装置1において、本発明を適用したゲームを実行するものとした場合を例として説明した。しかしながら、少なくともゲームの画像を表示する表示装置と、表示装置上の位置を入力することのできる位置入力装置を備えるものであれば、ゲーム装置1以外のコンピュータ装置において、本発明を適用したゲームを実行するものとしてもよい。本発明を適用したゲームを実行するコンピュータ装置は、ゲーム専用機でもパーソナルコンピュータのような汎用機であってもよく、携帯型であるか据え置き型であるかを問わない。
【0109】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1のプログラム及びデータは、ゲームカートリッジ17のROM171に格納されて配布されるものとしていた。もっとも、これらのプログラム及びデータを格納する記録媒体は、このようなものに限るものではなく、プラットフォームとなるコンピュータ装置の形態に応じて、光and/or磁気ディスク装置(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)を適用することもできる。固定ディスク装置を備えるコンピュータ装置をプラットフォームとする場合には、これらのプログラム及びデータは、固定ディスク装置に予め格納して配布してもよい。
【0110】
さらに、ネットワークを介して他のコンピュータ装置と通信可能なコンピュータ装置をプラットフォームとして適用する場合には、これらのプログラム及びデータは、ネットワーク上に存在するサーバ装置が有する固定ディスク装置に格納しておき、ネットワークを介して配信するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 ゲーム装置
11 第1LCD
12 第2LCD
13 タッチパネル
14 操作スイッチ部
14c 十字キー
14f Lボタン
14g Rボタン
17 ゲームカートリッジ
171 ROM
21 CPUコア
22 WRAM
24 第1GPU
26 第2GPU
29 赤外線通信装置
30 無線通信装置
111、112 メッセージ
130 アイコン表示領域
131、132 アイコン
140 メッセージボタン群
141〜144 メッセージボタン
200 ゲーム状況別データ
210 メッセージ別データ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】特開2002−346230号公報(要約書、請求項1等)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置により他のゲーム装置と接続し、該他のゲーム装置とメッセージ交換しながらゲームを進行し、該ゲームの進行に応じた画像を表示装置に表示させるゲーム装置であって、
プレイヤの操作に従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための指示を入力する進行指示入力手段と、
前記進行指示入力手段から入力された指示と、前記通信装置により前記他のゲーム装置から受信した所定の進行情報とに従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための処理を行うゲーム進行手段と、
プレイヤの操作に従って、前記表示装置の表示位置に応じた入力を行う位置入力手段と、
ゲーム状況に応じた1以上のメッセージを含むメッセージ群のデータと、該メッセージ群に含まれるメッセージの内容を象徴する形態のアイコンのデータとを、複数のゲーム状況の各々と対応付けて記憶する状況別データ記憶手段と、
前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況が、前記状況別データ記憶手段にデータが記憶されている何れかのゲーム状況に該当するものとなったかどうかを判定するゲーム状況判定手段と、
前記ゲーム状況判定手段により何れかのゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなったゲーム状況に対応付けてデータが記憶されているアイコンを前記表示装置に表示させるアイコン表示手段と、
前記アイコン表示手段により前記表示装置に表示されたアイコンに対応した入力が前記位置入力手段から行われたときに、該入力が行われたアイコンに対応するメッセージ群に含まれる各メッセージを前記表示装置に表示させるメッセージ表示手段と、
前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力手段から行われたときに、該入力が行われたメッセージのデータを前記通信装置から前記他のゲーム装置に送信させる選択メッセージ送信手段と、
前記通信装置によりデータを受信した前記他のゲーム装置から送信されたメッセージを、前記表示装置に表示させる他装置メッセージ表示手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記アイコン表示手段は、前記アイコンを前記表示装置の所定領域において所定の方向に移動させながら表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記アイコン表示手段は、前記ゲーム状況判定手段により複数のゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなった複数のゲーム状況の各々に対応付けてデータが記憶されている複数のアイコンを前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム状況判定手段は、現在よりも所定時間以内前の範囲で前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力手段から行われているときに、該所定時間以内前の範囲で入力が行われたメッセージに応じて前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記通信装置は、所定の距離制限の範囲内で他のゲーム装置との通信を行うことができる近域通信装置と、広域網を介して距離制限を受けることなく他のゲーム装置との通信を行うことができる広域通信装置とを含み、
前記ゲーム状況は、前記他のゲーム装置との接続を行っている通信装置が前記近域通信装置であるか前記広域通信装置であるかに応じて異なる状況と判断され、
前記状況別データ記憶手段は、前記他のゲーム装置との接続を行っている通信装置の種類以外が同じゲーム状況であっても、通信装置が前記近域通信装置であるか前記広域通信装置であるかに応じて異なるメッセージを含むメッセージ群のデータを記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
コンピュータ装置において、他のコンピュータ装置と通信接続し、該他のコンピュータ装置とメッセージ交換しながらゲームを進行し、該ゲームの進行に応じた画像を表示装置に表示させるためのプログラムであって、
前記コンピュータ装置は、プレイヤの操作に従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための指示を入力する進行指示入力装置と、プレイヤの操作に従って、前記表示装置の表示位置に応じた入力を行う位置入力装置とを備え、
前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、
前記進行指示入力装置から入力された指示と、前記通信装置により前記他のコンピュータ装置から受信した所定の進行情報とに従って、メッセージ交換以外の前記ゲームを進行させるための処理を行うゲーム進行手段、
ゲーム状況に応じた1以上のメッセージを含むメッセージ群のデータと、該メッセージ群に含まれるメッセージの内容を象徴する形態のアイコンのデータとを、複数のゲーム状況の各々と対応付けて記憶する状況別データ記憶手段、
前記ゲーム進行手段によるゲームの進行状況が、前記状況別データ記憶手段にデータが記憶されている何れかのゲーム状況に該当するものとなったかどうかを判定するゲーム状況判定手段、
前記ゲーム状況判定手段により何れかのゲーム状況に該当するものとなったと判定されたときに、当該該当するものとなったゲーム状況に対応付けてデータが記憶されているアイコンを前記表示装置に表示させるアイコン表示手段、
前記アイコン表示手段により前記表示装置に表示されたアイコンに対応した入力が前記位置入力装置から行われたときに、該入力が行われたアイコンに対応するメッセージ群に含まれる各メッセージを前記表示装置に表示させるメッセージ表示手段、
前記メッセージ表示手段により前記表示装置に表示されたメッセージに対応した入力が前記位置入力装置から行われたときに、該入力が行われたメッセージのデータを前記通信装置から前記他のコンピュータ装置に送信させる選択メッセージ送信手段、及び、
前記通信装置によりデータを受信した前記他のコンピュータ装置から送信されたメッセージを、前記表示装置に表示させる他装置メッセージ表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−162212(P2010−162212A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8004(P2009−8004)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年10月24日号 株式会社エンターブレイン発行の「WEEKLYファミ通(第23巻 第43号)」に発表  平成20年11月21日 インターネットアドレス「http://www.square‐enix.co.jp/ffcc/eot/」に発表
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】