説明

ゲーム装置およびゲームシステム

【課題】ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出することができるゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム装置10のオンデマンド配出機構として、リボルバー40が複数のパックPを配出候補として保持する。ゲーム装置10は、ゲームの結果に応じて配出対象のパックPを決定し、リボルバー40を回転させて配出対象のパックPを配出位置40bに移動させる。さらに、ゲーム装置10は押出しメカ52を作用させ、配出対象のパックPを配出口53から配出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲーム装置およびゲームシステムに関し、とくにゲームの結果に応じて異なる配出物を配出するものに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置として、単にゲームを行うだけでなく、ゲームが終了した後にプレイヤーに対してなんらかの配出物を配出するものが公知である。たとえば特許文献1には、景品を払い出すゲーム機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−215682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲーム装置では、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出することができなかった。たとえば特許文献1のゲーム機は、どの景品を払い出すかに関する制御は行わないため、結果として常に景品収納部の最下部に位置する景品が払い出されることになる。
【0005】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたものであり、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出することができるゲーム装置およびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るゲーム装置は、ゲームに関連して配出物を配出するゲーム装置であって、複数の配出物を、1回のゲームに関連して配出される可能性のある配出候補として保持する配出候補保持手段と、配出候補のそれぞれに付与された識別情報を読み取る識別情報読取手段と、ゲームの進行を制御するとともに、識別情報に基づいて、配出候補のうちから配出すべき配出物を配出対象として決定する、制御手段と、を備え、制御手段は、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出対象と決定する。
ゲーム装置はさらに、ゲームの状況を表示する画面と、プレイヤーの指示を受け付ける入力手段とを備え、制御手段は、識別情報に対応する名称または画像を画面に表示する機能と、識別情報に係る配出物を配出対象とするか否かについて、プレイヤーの指示を受け付ける機能とを有してもよい。
制御手段は、ゲームの結果に応じて特定される配出物が配出候補に含まれる場合には、その配出物を配出対象と決定し、ゲームの結果に応じて特定される配出物が配出候補に含まれない場合には、配出候補のうちからランダムに配出対象を決定してもよい。
ゲーム装置は、配出候補のうち所定の配出位置に保持されたものを配出する配出作用手段をさらに備え、配出候補保持手段は運動可能であり、運動することによって配出候補の位置を変更し、制御手段は、配出候補保持手段を制御して、配出対象を配出位置に移動させるとともに、配出作用手段を制御して、配出対象を配出させてもよい。
【0007】
また、この発明に係るゲームシステムは、上述のゲーム装置と、1つまたは複数の配出物とを含む。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るゲーム装置およびゲームシステムによれば、配出物から読み取った識別情報に基づいて、複数の配出物のうちから配出対象を決定するので、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るゲーム装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るパックの構成を示す図である。
【図3】図1のゲーム装置のオンデマンド配出機構の構成を示す側面一部断面図である。
【図4】図1のゲーム装置のオンデマンド配出機構の構成を示す上面図である。
【図5】図1の押出しメカの作用を説明する図である。
【図6】図1の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係るゲームシステムは、図1に示すゲーム装置10と、図2に示すパックPとを含んで構成される。パックPには、ゲームに登場するキャラクターのいずれかが記録されている。ゲーム装置10は、ゲームに関連して、配出物としてパックPを配出する。このため、ゲーム装置10の内部には、1つ以上(本実施形態では24個以上)のパックPが収容できるようになっている。
【0011】
図1は、ゲーム装置10の構成を概略的に示す図である。
ゲーム装置10は、ゲーム装置10の全体を制御する制御手段としての制御装置20を備える。制御装置20は、後述するステッピングモーター50、CCDカメラ51、押出しメカ52、コントロールパネル60およびディスプレイ70に電気的に接続されている。制御装置20は、たとえば記憶装置としてROMおよびRAMを有する周知のマイクロコンピュータによって構成することができる。記憶装置には制御装置20の動作を規定するプログラムが格納されており、制御装置はこのプログラムを実行することによって、本明細書に記載される機能を実現する。
【0012】
また、制御装置20の記憶装置には、ゲーム装置10のゲームに登場するキャラクターのすべてについて、そのキャラクターを表す識別情報(すなわち各キャラクターを互いに識別するための識別情報)と、そのキャラクターの名称と、そのキャラクターを表すキャラクター画像と、ゲームにおけるそのキャラクターの特性を表す数値等の情報とが、関連付けられて格納されている。このような構成により、制御装置20は、識別情報記憶手段として機能する。
【0013】
ゲーム装置10は、パックPを収容し保持するタワーストッカー30およびリボルバー40を備える。タワーストッカー30は複数のパックPを収容可能であり、リボルバー40は24個のパックPを保持可能である(図1では簡明のためパックPを一部省略している)。
【0014】
ゲーム装置10は、その動作に伴って、タワーストッカー30内のパックPをリボルバー40へと送り出す。この作用に関連する機構として、ゲーム装置10は、リボルバー40の角度を制御しつつ回転させるステッピングモーター50と、パックP裏面の印刷内容を撮影するCCDカメラ51と、パックPを押し出す押出しメカ52とを備える。
タワーストッカー30、リボルバー40、ステッピングモーター50、CCDカメラ51および押出しメカ52が、オンデマンド配出機構を構成する。
【0015】
ゲーム装置10は、リボルバー40に保持されたパックPがゲーム装置10の外部へと配出される配出口53を備える。すなわち、ゲーム装置10は、配出口53を介して、プレイヤーにパックPを配出する。
【0016】
ゲーム装置10は、プレイヤーの指示を受け付ける入力手段としてコントロールパネル60を備える。コントロールパネル60は、プレイヤーが回転操作することによって入力を行うホイール61と、プレイヤーが押下することによって入力を行うボタン62とを含む。なお、コントロールパネル60は、レバーやタッチパネル等、他の入力手段を含んでもよい。
【0017】
ゲーム装置10は、プレイヤーに対して情報を出力する出力手段として、ゲームの状況を視覚的に表示するディスプレイ70を備える。なお、図示しないが、ゲーム装置10は出力手段として音声を出力するスピーカー等をさらに備えてもよい。
また、図示しないが、ゲーム装置10は、ゲームを開始する際にプレイヤーがコインを投入するコイン投入口と、ゲームを開始する際にプレイヤーが所有するパックPを配置するためのパック配置プレートとを備える。
【0018】
図2は、パックPの構成を示す図である。パックPは厚みを有する円板状の構造を有する。パックPにはそれぞれ異なるキャラクターが記録される。パックPの表面、たとえば上面(図示せず)には、ゲームに登場するキャラクターのうち一つの名称および画像が印刷される。また、パックPの他面、たとえば底面には、識別情報P’が印刷される。識別情報P’はパックPに印刷された名称およびキャラクターを表す情報である。識別情報P’は、たとえば二次元バーコードを用いて印刷される。このような構成によれば、パックPの底面の画像を撮影することによって、底面に印刷されたバーコードを読み取ることができ、これによってパックPに記録されたキャラクターを識別するための情報を取得することができる。
【0019】
本実施形態ではパックPは円板状であるが、ゲーム装置10が取り扱える形状であれば他の形状でもよく、たとえば角を丸めた多角形状(正方形、長方形、正六角形等)であってもよく、あるいはカード状またはシート状であってもよい。また、パックPの材質はたとえばプラスチックであるが、ゲーム装置10が取り扱える材質であれば他の材質でもよく、たとえば紙製または金属製であってもよい。
【0020】
パックPの識別情報P’は、制御装置20の記憶手段に記憶されたキャラクターの名称および画像と対応しており、異なる識別情報P’に対しては異なる名称および異なる画像がそれぞれ関連付けられる。また、各パックPの表面には、それぞれの識別情報P’に対応するキャラクターの名称および画像が印刷されている。このため、プレイヤーは、ディスプレイ70に表示されたキャラクターの名称および画像を見て、その名称または画像に対応するパックPを特定することができ、また逆に、パックPに印刷された名称および画像を見て、そのパックPに対応するキャラクターの名称または画像をディスプレイ70上で判別することができるようになっている。
【0021】
図3および図4は、ゲーム装置10のオンデマンド配出機構の構成の一部をより詳細に説明する図である。図3は側面一部断面図であり、図4は上面図である。
タワーストッカー30の内部にはパックPがタワー状に積み上げられて収容される。ストッカー壁面31がパックPの側面を支持し、ストッカー底面32が最下方に収容されたパックP1の底面を支持する。このようにしてタワーストッカー30は複数のパックPを安定して収容する。
【0022】
タワーストッカー30は、最下方に収容されたパックP1の前方に前方開口30aを有し、パックP1の後方に後方開口30bを有する。ここで、「前方」とはタワーストッカー30から水平に見てリボルバー40が配置されている方向を意味し、「後方」とは水平に見てその逆の方向を意味する。
前方開口30aはパックP1が通過可能な寸法であり、後方開口30bは押出しメカ52が通過可能な寸法である。このような構成により、押出しメカ52がタワーストッカー30の後方から前方に向けて運動し、タワーストッカー30内に進入すると、その結果としてパックP1がタワーストッカー30の前方(すなわちリボルバー40の方向)に押し出されることになる。
【0023】
図示しないが、前方開口30aの上方にはパックPの前方への移動を規制する部材が配置されている。これによって、最下方のパックP1のみが前方に押し出され、その1つ上のパックPはその場に留まるようになっている。なお押出しメカ52はたとえば剛性の直方体であるが、これはパックPを物理的に押し出せる構造であればどのようなものでもよい。
【0024】
ストッカー底面32にはカメラ設置孔32aが設けられ、そこにCCDカメラ51が配置される。このような構成により、CCDカメラ51はパックP1の底面に印刷された識別情報P’を撮影し読み取るための識別情報読取手段として機能する。また、CCDカメラ51が撮影した映像は制御装置20に送信され、これによって制御装置20はその識別情報P’を取得することができる。
【0025】
リボルバー40は、円周に沿って24個のパックPを保持する。このための構成として、リボルバー40は、径方向内側が中空となった円板形状のパック支持環41を備える。パック支持環41はパックPの底面を支持する。パック支持環41の中空部分は、配出口53に連通する配出空間40aを構成する。すなわち、パック支持環41に支持されているパックPのいずれかが径方向内側に押し出されると、配出空間40aを通って径方向内側に落下し、重力に導かれて配出口53に到達する。
このように、リボルバー40には、次に配出される可能性のあるパックPが保持される。すなわち、リボルバー40は、ある1回のゲームに関連して配出される可能性のある配出候補を保持する、配出候補保持手段として機能する。
【0026】
また、リボルバー40は、リボルバー40の上面を構成する円形の傘部42と、傘部42を支持する軸部43とを備える。傘部42はパックPの上方向の一部を覆う。軸部43は鉛直下方に延び、リボルバー40の回転軸を構成する。
【0027】
パック支持環41の上面には、周方向に等間隔をおいてセパレーター44が配置される。隣り合う2つのセパレーター44が、パック支持環41上で1つのパックPを保持する空間を、両側から画定する。また、セパレーター44はパック支持環41の上面に固定されるとともに傘部42の下面にも固定され、これによってパック支持環41と傘部42とを連結し互いに固定する。
【0028】
また、図3および図4には示さないが、リボルバー40にはステッピングモーター50が取り付けられており(図1に略示)、ステッピングモーター50の回転に応じてリボルバー40も回転するように構成されている。すなわち、ステッピングモーター50の回転に伴って、傘部42、軸部43および各セパレーター44が一体となって回転し、これによって、リボルバー40に保持されているパックPはすべて同一の円周上を移動する。このように、リボルバー40は回転可能であり、回転することによって配出候補であるパックPの位置を変更する。
【0029】
リボルバー40において、パックPを保持する各位置のうち特定の位置、すなわち図4においてタワーストッカー30の前方に対応する配出位置40bは、配出すべきパックPが配置される位置である。
【0030】
なお、タワーストッカー30およびリボルバー40に収容または保持されているパックPは、いずれもプレイヤーから視認できないように遮蔽される。これはたとえばゲーム装置10の外壁を不透明な材質で構成することによって実現可能である。
【0031】
図5は、押出しメカ52の作用を説明する図である。
図5(a)〜図5(c)は、時系列に沿った状態の変化を順に示す。また、図5(a)〜図5(c)のそれぞれにおいて、左側には押出しメカ52周辺の上面図(すなわち図4と同一の方向から見た図)を示し、右側には押出しメカ52周辺の側面一部断面図(すなわち図3と同一の方向から見た図)を示す。
【0032】
まず、図5(a)に示すように、タワーストッカー30の最下方にパックP1が配置され、リボルバー40の配出位置40bには配出対象であるパックP2が配置されている。押出しメカ52はタワーストッカー30の後方に停止している。この時点では、パックP2はリボルバー40に保持された他のパックPと同一の円周上にある。
この時点で、CCDカメラ51はパックP1の識別情報P’を読み取る。すなわち、次にリボルバー40の配出位置40bに保持されることになるパックP1の識別情報P’を読み取る。
【0033】
次に、図5(b)に示すように、押出しメカ52が前方に運動することによってパックP1を前方に押し出す。パックP1の側方にはストッカー壁面31が存在するため、パックP1はまっすぐ前方に押し出されてパックP2と接触し、さらにそのままパックP2を前方に押し出す。パックP2の側方にはセパレーター44が存在するため、パックP2はまっすぐ前方に押し出される。
【0034】
次に、図5(c)に示すように、押出しメカ52がさらに前方に運動することによって、パックP1をさらに前方に押し出す。パックP1はリボルバー40の配出位置40bに保持され、パックP2は配出空間40aに落下して配出口53へと配出される。なお、この時点で、押出しメカ52の上面にはタワーストッカー30内に収容された他のパックPが乗っている状態となる。
【0035】
その後、図示しないが、押出しメカ52は後退して図5(a)に示す位置に戻る。これに応じてタワーストッカー30内に残っていたパックPはすべて落下し、次のパックPが押し出し可能な位置に配置されることになる。この時点で、CCDカメラ51は次のパックPの識別情報P’を読み取る。すなわち、次にリボルバー40の配出位置40bに保持されることになるパックPの識別情報P’を読み取る。
このように、押出しメカ52は、配出空間40aに保持されたパックP2(すなわち配出対象のパック)を配出する、配出作用手段として機能する。
【0036】
また、このようにしてすべてのパックPについてCCDカメラ51が識別情報P’を読み取るので、制御装置20はリボルバー40に収容されたすべてのパックPについて識別情報P’を認識できる。また、制御装置20はステッピングモーター50の制御を行ってリボルバー40を回転させるので、リボルバー40の回転角度を常に把握することができる。したがって、ある時点でCCDカメラ51の読取対象となったパックPが、別の時点でリボルバー40のどの位置に保持されているかを知ることができる。このようにして、制御装置20は、リボルバー40のすべての位置について、その位置に保持されたパックPの識別情報P’を記憶することができる。
【0037】
以上のような構成を有するゲームシステムによって実現されるゲームの具体例を、以下に説明する。
図6は、制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、プレイヤーが操作するキャラクターと、制御装置20が操作する対戦相手となるキャラクターとの戦闘(バトル)が開始された時点からの処理の流れを示し、制御装置20はこのフローチャートに従ってゲームの進行を制御する。
【0038】
なお、実際には、戦闘が開始されるまでに、パック配置プレート(図示せず)に配置されたプレイヤーが所有するパックの識別情報をスキャンしてキャラクターに関する情報を取得する処理、対戦相手となるキャラクターの出現種類を特定するためのフィールドを選択する処理、そのフィールドで出現する可能性のあるキャラクターのうちからその戦闘の対戦相手となるキャラクター(またはキャラクターの組)を選択する処理、等が実行されるが、これらは周知技術に基づいて当業者が適宜設計および実施可能であるため説明を省略する。
また、本実施形態では、1回のゲームで最高3体のキャラクターと順次戦闘可能であるものとする。
【0039】
戦闘において、まず制御装置20は対戦相手となるキャラクターの名称および画像をディスプレイ70に表示させる(ステップS1)。
次に、制御装置20はプレイヤーからの指示を受け付ける(ステップS2)。ここで、指示の選択肢としては「攻撃」および「捕獲」(ゲット)がある。「攻撃」とはゲーム中で対戦相手キャラクターを攻撃せよという指示を意味し、「捕獲」とはゲーム中で対戦相手キャラクターを捕獲し、さらにそのキャラクターに対応するパックPを配出対象とせよという指示を意味する。この指示の入力はコントロールパネル60を介して行われる。
【0040】
次に制御装置20は指示内容を判定する(ステップS3)。指示が「捕獲」である場合、さらに制御装置20は捕獲が成功したか否かを判定する(ステップS4)。この判定はたとえば特定の確率をもってランダムに行われるが、それまでの戦闘の状態やその他ゲームの状況に応じて確率が変動してもよい。
捕獲が失敗した場合、処理はステップS2に戻り、そのキャラクターとの戦闘が継続する。なお、捕獲が失敗した場合、対戦相手キャラクターからの攻撃処理等が発生してもよく、その結果に応じて戦闘の勝敗(ステップS7において後述)を決定してもよい。
【0041】
ステップS4において捕獲が成功した場合、制御装置20は、捕獲されたキャラクターに対応するパックPが、リボルバー40に保持されている24個の配出候補のパックPに含まれるか否かを判定する(ステップS5)。含まれる場合には、制御装置20は、そのパックP(複数該当する場合にはそのうちの1つ)を配出対象と決定する(ステップS6)。
一方、捕獲されたキャラクターに対応するパックPが、24個の配出候補のうちに含まれない場合には、配出候補のうちからランダムに配出対象を決定する(ステップS9)。
【0042】
このようにして、制御装置20は、各パックPの識別情報P’に基づいて、24個の配出候補のパックPのうちから、配出すべきパックPを配出対象として決定する。とくに、ゲームの結果に応じて、および、リボルバー40に保持されているパックPの種類に応じて、異なるパックPを配出対象と決定する。
【0043】
ステップS3の説明に戻る。ステップS3において、指示が「攻撃」である場合、制御装置20は戦闘の勝敗を判定する(ステップS7)。この勝敗の判定は、プレイヤーが操作するキャラクターの特性、対戦相手キャラクターの特性、プレイヤーのさらなる指示(攻撃の種類等)、乱数、等に基づいて行われる。具体的な判定処理の内容は、当業者が周知技術に基づいて適宜設計および実施可能であるため説明を省略する。
なお、ステップS7での判定結果に応じてステップS2に戻る分岐処理を含めてもよい。すなわち、一度の攻撃で勝敗がつかない場合には次の指示をプレイヤーに求める構成としてもよい。
【0044】
ステップS7において判定結果がプレイヤーの負けである場合、処理はステップS9に進む。すなわち、制御装置20は、リボルバー40に保持された配出候補のうちからランダムに配出対象を決定する。
ステップS7において判定結果がプレイヤーの勝ちである場合、制御装置20は次の戦闘が発生するか否かを判定する(ステップS8)。この判定は、たとえばそれまでに終了した戦闘の数に基づいて行われ、3回目の戦闘(3体目のキャラクターとの戦闘)が終了していれば次の戦闘は発生しないと判定され、そうでなければ次の戦闘が発生すると判定される。
【0045】
ステップS8において次の戦闘が発生すると判定された場合、処理はステップS1に戻り、制御装置20は次の対戦相手となるキャラクターをディスプレイ70に表示させる。次の戦闘が発生しないと判定された場合、処理はステップS9に進み、制御装置20は、リボルバー40に保持された配出候補のうちからランダムに配出対象を決定する。
【0046】
上記のようにステップS6またはステップS9において配出対象が決定すると、次に制御装置20は配出対象を実際に配出口53から配出してプレイヤーに提供する(ステップS10)。
このステップS10において、まず制御装置20は、ステッピングモーター50の回転を制御することによりリボルバー40の回転を制御し、配出対象であるパックPを配出位置40bに位置させる。そして、図5に示すように押出しメカ52を制御して、次のパックPをタワーストッカー30から配出位置40bへと押し出し、それまで配出位置40bに位置していた配出対象を配出口53に配出させる。
【0047】
以上のように、実施の形態1に係るゲームシステムによれば、オンデマンド配出機構のリボルバー40が複数の配出候補を保持し、ゲームの結果に応じて配出候補のうちから特定のパックPを選択して配出するので、ゲームの結果に応じて異なるパックPを配出することができる。
【0048】
とくに、リボルバー40に保持された24個のパックPは、いずれもすぐに配出することが可能である。ストッカーに収容されたパックを収容された順に配出するという従来の構成では、プレイヤーがいずれの対戦相手キャラクターを捕獲したかにかかわらず特定のパックしか配出することができなかったが、本実施形態によれば、24個の配出候補のうちから任意に次の配出対象を選択できるので、プレイヤーが捕獲したキャラクターに対応するパックPが配出される可能性が高まる。すなわち、プレイヤーは、好きなキャラクターのパックを狙って配出させることができ、よりゲーム性が高まる。
【0049】
上述の実施の形態1において、次のような変形を施すことができる。
リボルバーに保持される配出候補としてのパックPの数は24個でなくともよく、16個またはその他の数であってもよい。また、リボルバーの運動は回転運動に限らず、保持するパックの位置を変更し得るものであれば直線運動等を含んでもよい。さらに、リボルバーは複数の配出候補を移動可能に保持できるものであればどのような形状に構成されてもよい。とくに、配出候補保持手段として機能するものであれば、「リボルバー」という名称が表す形状以外の形状および構造を有してもよい。
【0050】
パックの識別情報は、二次元バーコード以外の形態で印刷されてもよい。たとえば、赤外線を吸収する赤外線ステルスインクを用いたバーコードを印刷しておき、パックの底面に赤外線を照射して識別情報を読み取ってもよい。
また、CCDカメラは、各パックの識別情報を読み取ることができる位置であれば、ストッカー底面でない位置に配置されてもよい。たとえば、リボルバーに収容されたパックの上面全体が上方から撮影できるような構成のリボルバーを用いる場合は、リボルバーの上方に下向きで配置されてもよい。
【0051】
さらに、識別情報読取手段としてカメラ以外の構成を用いてもよい。たとえば電磁波を送受信可能なアンテナを識別情報読取手段として用い、パックにRFIDタグを組み込めば、識別情報を電磁的に読み取ることができる。
【0052】
ゲームのルールおよび演出等、とくに戦闘の詳細に関する処理は、実施の形態1以外のものが追加されてもよい。また、ゲームを行わずにパックを配出させる処理が実行可能であってもよく、たとえばコイン投入後にゲームを行わないことをプレイヤーが選択した場合にはステップS9から処理を開始してランダムにパックを配出してもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 ゲーム装置、20 制御装置(制御手段)、30 タワーストッカー、30b 後方開口、30a 前方開口、31 ストッカー壁面、32 ストッカー底面、32a カメラ設置孔、40 リボルバー(配出候補保持手段)、40a 配出空間、40b 配出位置、41 パック支持環、42 傘部、43 軸部、44 セパレーター、50 ステッピングモーター、51 CCDカメラ(識別情報読取手段)、52 押出しメカ(配出作用手段)、53 配出口、60 コントロールパネル(入力手段)、61 ホイール、62 ボタン、70 ディスプレイ(画面)、P パック(配出物)、P1 パック(配出物)、P2 パック(配出物、配出対象)、P’ 識別情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関連して配出物を配出するゲーム装置であって、
複数の配出物を、1回のゲームに関連して配出される可能性のある配出候補として保持する配出候補保持手段と、
前記配出候補のそれぞれに付与された識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
ゲームの進行を制御するとともに、前記識別情報に基づいて、前記配出候補のうちから配出すべき配出物を配出対象として決定する、制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出対象と決定する
ゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム装置はさらに、ゲームの状況を表示する画面と、プレイヤーの指示を受け付ける入力手段とを備え、
前記制御手段は、
前記識別情報に対応する名称または画像を前記画面に表示する機能と、
前記識別情報に係る配出物を前記配出対象とするか否かについて、プレイヤーの指示を受け付ける機能と
を有する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
ゲームの結果に応じて特定される配出物が前記配出候補に含まれる場合には、その配出物を前記配出対象と決定し、
ゲームの結果に応じて特定される配出物が前記配出候補に含まれない場合には、前記配出候補のうちからランダムに前記配出対象を決定する
請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム装置は、前記配出候補のうち所定の配出位置に保持されたものを配出する配出作用手段をさらに備え、
前記配出候補保持手段は運動可能であり、運動することによって前記配出候補の位置を変更し、
前記制御手段は、前記配出候補保持手段を制御して、前記配出対象を前記配出位置に移動させるとともに、前記配出作用手段を制御して、前記配出対象を配出させる
請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置と、1つまたは複数の前記配出物とを含む、ゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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