ゲーム装置およびゲームプログラム
【課題】 ゲーム結果の意外性を高め、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】 ゲーム装置は、表示手段に対し、複数の絵柄を動的に表示させた後、これら複数の絵柄のいずれかを複数の停止絵柄として表示させ、複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典(メダル)を付与するゲーム制御手段を備えている。ゲーム装置は、複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせ(外れ)とするかについて抽選を行う(S24)第1抽選手段と、第1抽選手段により外れとする旨の抽選結果が得られた場合(S26:NO)、さらに特典を付与するか否かについて抽選を行う第2抽選手段とを備えている。
【解決手段】 ゲーム装置は、表示手段に対し、複数の絵柄を動的に表示させた後、これら複数の絵柄のいずれかを複数の停止絵柄として表示させ、複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典(メダル)を付与するゲーム制御手段を備えている。ゲーム装置は、複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせ(外れ)とするかについて抽選を行う(S24)第1抽選手段と、第1抽選手段により外れとする旨の抽選結果が得られた場合(S26:NO)、さらに特典を付与するか否かについて抽選を行う第2抽選手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータによる抽選機能を有するゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットゲーム装置は、回転する3つのリールによって複数の絵柄を動的に表示し、これら3つのリールの回転が停止した状態において、ベットライン上に並ぶ複数の停止絵柄の組み合わせが当たり役になると、遊戯媒体としてのメダルを払い出すように構成されている(特許文献1参照)。当たり役は、役ごとに定められた当選確率とともに抽選テーブルに規定されており、コンピュータが当たりとするか外れとするかを当選確率に基づいて抽選するようになっている。当たり役には、たとえば「7,7,7」や「ベル,ベル,ベル」といった同一の種類が揃う停止絵柄の組み合わせのほか、「チェリー,*,*」(「*」は任意の絵柄)というように特定の停止絵柄が含まれる組み合わせがある。コンピュータの抽選により外れとなった場合は、当たり役に該当しない停止絵柄の組み合わせが表示され、メダルの払い出しが行われない。
【0003】
しかしながら、上記従来のスロットゲーム装置では、コンピュータの抽選結果として当たりか外れしかなく、1回のゲームごとに停止絵柄の組み合わせに応じてメダルが払い出されるか否かが必ず決まってしまう。そのため、プレイヤは、ゲームに際して当たり役となる停止絵柄の組み合わせを期待するだけとなり、ゲーム結果に意外性を感じることができず、ゲームの興趣が十分得られないという面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−66217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ゲーム結果の意外性を高め、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供されるゲーム装置は、複数のリールによって複数の絵柄を動的に表示する一方、これら複数の絵柄のいずれかを所定のライン上に並ぶ複数の停止絵柄として表示する表示手段と、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして当たりの組み合わせを記憶している記憶手段と、上記表示手段に対し、上記複数の絵柄を動的に表示させ、これら複数の絵柄のいずれかを上記複数の停止絵柄として表示させたのち、上記複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典を付与するゲーム制御手段と、を備えたゲーム装置であって、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するか、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う特別抽選手段を、備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記特別抽選手段は、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するかについて抽選を行う第1抽選手段と、上記第1抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとしないとした場合、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う第2抽選手段と、からなる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、所定の条件が成立して移行する所定のゲームモードにおいて、上記特別抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たり以外の組み合わせとして特典を付与する旨の抽選結果が得られた場合、その抽選結果に応じて特典を付与する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の停止絵柄の組み合わせには、当たりの組み合わせ、およびゲームモード切り替えに係る組み合わせがあり、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせとするか、ゲームモード切り替えに係る組み合わせとするかについて抽選を行う通常抽選手段を備え、上記ゲーム制御手段は、上記通常抽選手段によりゲームモード切り替えとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードに切り替え、上記特別抽選手段による抽選を実行させる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、上記特別抽選手段により、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして、あらかじめ規定された特定の当たりの組み合わせとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードを終了させる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、上記複数のリールが回転し、その回転方向に沿って上記複数の絵柄が移動するような画像を上記表示手段に表示させるとともに、上記リールの回転方向に対して交差する方向に上記所定のラインを設定し、その所定のライン上に上記複数の停止絵柄が並ぶような画像を上記表示手段に表示させる。
【0013】
本発明の第2の側面により提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、上記第1の側面による各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、当たり以外となる停止絵柄の組み合わせが表示されても、特典を付与する旨の抽選結果が得られている場合、たとえば遊戯媒体としてのメダルが付与されることになる。したがって、本発明によれば、抽選結果にプレイヤの期待感を持たせることができるとともに、当たり以外の停止絵柄でも特典が付与されることに意外性を感じさせることができ、ひいてはゲームの興趣をより高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す筐体の上面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ゲーム画像全体を説明するための説明図である。
【図5】絵柄配列テーブルを説明するための説明図である。
【図6】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図7】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図8】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図9】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図10】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図11】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図12】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図13】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図14】ノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】特別ゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである
【図16】他の実施形態による特別ゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】他の実施形態によるノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】他の実施形態によるノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜15は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示している。図1および図2に示すように、本実施形態のゲーム装置Aは、4人のプレイヤがスロットゲームを行うことができるアーケードゲーム装置である。ゲーム装置Aは、各プレイヤが遊戯媒体としてのメダルを投入してベットを行うことによりスロットゲームを実行するとともに、そのゲーム結果に応じてメダル(特典)を付与し、メダル付与数に応じたメダルを払い出すように構成されている。ゲーム装置Aは、筐体1、屋根部2、画像表示部3、複数の操作部4、複数のスピーカ5、電飾6(図3参照)、およびCPU10を含む各種のハードウェア(図3参照)を備える。なお、以下の説明においては、特に断らない限り1人のプレイヤがスロットゲームを行う場合の構成および動作について説明する。
【0019】
図1に示すように、筐体1の上部には、画像表示部3が設けられている。筐体1の上部縁端には、複数の操作部4が設けられている。各操作部4に対応する筐体1の側面の各箇所には、メダル払出口1Aが設けられている。筐体1の内部には、各種のハードウェアを備えた制御基板が設けられている。筐体1の上方には、支柱2Aを介して屋根部2が設けられている。各操作部4に対応する屋根部2の下部の各箇所には、スピーカ5が設けられている。屋根部2の側面には、電飾6が設けられている(図1において図示略)。
【0020】
画像表示部3は、たとえば比較的大きな液晶表示パネルからなり、筐体1の上方に水平に配置された画面30を有する。画面30は、複数の操作部4と対応するように4分割された領域ごとにスロットゲームのゲーム画像(図4参照)を表示する。すなわち、スロットゲームは、いわゆるビデオスロットとして実行される。なお、画像表示部3は、スロットゲームだけでなく、たとえばルーレットゲームやシューティングゲームのゲーム画像も表示可能である。
【0021】
図2に示すように、操作部4のそれぞれには、メダル投入口40、メダル投入センサ41(図3参照)、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が設けられている。
【0022】
メダル投入口40には、プレイヤによりメダルが投入される。投入されたメダルは、図示しないメダル貯留部に蓄えられる。
【0023】
メダル投入センサ41は、メダル投入口40に投入されたメダルを検知し、その旨の信号を後述のCPU10に出力する。なお、メダル投入口40に投入されたメダルの数(メダル投入数)は、クレジット数(ゲームプレイの権利数)としてCPU10に処理される。クレジット数には、ゲーム結果に応じて付与されたメダル付与数も含まれる。
【0024】
ベットボタン42は、スロットゲームに際してプレイヤが所望のメダルベット数を指示する際に用いられる。たとえば、ベットボタン42を1回、2回、あるいは3回押下して操作すると、それぞれのボタン操作回数に応じてメダルベット数が1、2、3となる。メダルベット数は、CPU10に伝えられる。
【0025】
スタートボタン43は、プレイヤがスロットゲームの始動を指示するために用いられる。
【0026】
ペイアウトボタン44は、プレイヤがメダルの払い出しを指示するために用いられる。ペイアウトボタン44を押下すると、上記クレジット数に相当する数のメダルが図示しないメダル搬送機構を介してメダル貯留部からメダル払出口1Aまで送られ、メダル払出口1Aから払い出される。
【0027】
操作レバー機構45は、スロットゲームでは使用されないが、たとえばシューティングゲームを行う際に使用される。
【0028】
図3に示すように、ゲーム装置Aは、制御基板に設けられるハードウェアとして、CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、VRAM14、ビデオインターフェース15、入力インターフェース16、および出力インターフェース17を備える。CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、入力インターフェース16、および出力インターフェース17は、バス18を介して互いに接続されている。GPU13には、VRAM14およびビデオインターフェース15を介して、画像表示部3が接続されている。入力インターフェース16には、各操作部4のメダル投入センサ41、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が接続されている。出力インターフェース17には、スピーカ5および電飾6が接続されている。
【0029】
CPU10は、ROM11に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえば、CPU10は、デジタルカウンタとして機能し、クレジット数、メダル投入数、メダル付与数、メダルベット数、およびメダル払出数について計数処理を行う。CPU10は、メダル投入数およびメダル付与数を加算値とし、メダルベット数を減算値としてクレジット数を算出する。メダル払出数は、ペイアウトボタン44を押下した際に払い出されるメダルの総数であり、その時点でのクレジット数に相当する。CPU10は、スロットゲームのゲームプログラムを実行し、ゲーム画像を画像表示部3に表示させる旨の命令をGPU13に送る。CPU10は、スロットゲームの進行に伴い乱数ジェネレータとして機能し、所定の抽選処理を実行する。所定の抽選処理には、通常抽選処理のほか、第1抽選処理と第2抽選処理がある。CPU10は、スロットゲームの進行状況に応じてスピーカ5や電飾6を動作させる。ゲーム画像および所定の抽選処理については後述する。
【0030】
ROM11は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM11には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラムと、ゲームに関する各種の処理をCPU10に実行させるための命令や手順を記したゲームプログラムなどが記憶されている。また、ROM11には、スロットゲームのゲーム画像や絵柄配列テーブル(図5参照)、CPU10が所定の抽選処理を行う際に用いる抽選テーブルなどが記憶されている。
【0031】
システムプログラムには、CPU10をデジタルカウンタとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲームプログラムには、スロットゲームの進行手順を記したプログラムが含まれるとともに、CPU10を乱数ジェネレータとして機能させるためのプログラムが含まれる。図6に示すように、ゲーム画像には、スロットゲームを構成する複数の絵柄P、ベットラインL1〜L3、キャラクタC、クレジット表示部D、アイテムS1,S2,S3(図11〜13参照)などが含まれる。図5に示すように、複数の絵柄Pは、絵柄配列テーブルに規定されている。絵柄Pの種類には、数字に対応する数字絵柄Pn、特別絵柄Ps1,Ps2、ブランク絵柄Pbがある。抽選テーブルは、複数の抽選処理に応じて複数用意されている。なお、ゲームプログラムならびにゲーム画像や絵柄配列テーブル、抽選テーブルは、ハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介してCPU10が適宜読み出すようにしてもよい。
【0032】
RAM12は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU10によるプログラムのロードや画像データなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM12には、ROM11から読み出された画像データや抽選テーブルが記憶される。
【0033】
GPU13は、ゲーム画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。たとえばGPU13は、20fpsのフレームレートでゲーム画像を生成し、1フレームずつ生成した画像データをVRAM14に転送する。
【0034】
VRAM14は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM14は、GPU13によって生成されたゲーム画像を一時的に保持するフレームバッファとして機能する。このVRAM14からは、ビデオインターフェース15を介して画像表示部3に1フレームずつゲーム画像が送信される。
【0035】
スロットゲームの流れは、以下のようになっている。
【0036】
図6に示すように、画面30には、複数の絵柄Pが縦横3×3のマトリクス状に並ぶように表示される。プレイヤによりメダル投入口40にメダルが投入されてベットボタン42が1〜3回押下されると、マトリクス状に並ぶ複数の絵柄Pに対して1〜5本のベットラインL1〜L5が有効ラインとして設定される。たとえば、メダルベット数が1の場合、図7(A)に示すように、横方向中段の絵柄Pに沿う1本のベットラインL1が有効ラインとして表示される。メダルベット数が2の場合、図7(B)に示すように、横方向上段、横方向中段、横方向下段の絵柄Pに沿う3本のベットラインL1,L2が有効ラインとして表示される。メダルベット数が3の場合、図7(C)に示すように、上記3本のベットラインL1,L2に加え、斜め方向の絵柄Pに沿う2本のベットラインL3が有効ラインとして表示される。クレジット表示部Dには、メダルベット数に応じた数だけ減算されたクレジット数が表示される。
【0037】
その後、プレイヤによりスタートボタン43が押下されると、図8に示すように、縦方向に並ぶ左列の絵柄P、中列の絵柄P、および右列の絵柄Pは、それぞれの列が仮想的なリールとして回転するかのように表示されるのに伴い、縦方向に移動する。このとき、各列の絵柄Pは、図5に示す絵柄配列テーブルに規定された順に従って移動する。同図に示すように、左列、中列、および右列には、「1」〜「9」の数字絵柄Pnが含まれる。これらの数字絵柄Pnのうち「スター7」は、大当たりの絵柄として規定されている。左列および右列には、中列には存在しない「タマゴ」の特別絵柄Ps1が含まれる。中列には、左列および右列に存在しない「?マーク」の特別絵柄Ps2が含まれる。「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,PS2は、映像上の演出効果を発揮する絵柄として規定されている。たとえば「タマゴ」の特別絵柄Ps1は、メダル付与を示す可能性がある絵柄であり、「?マーク」の特別絵柄Ps2は、メダル付与やゲームモード切替を示す可能性がある絵柄である。
【0038】
各列の絵柄が動的に表示されてしばらくすると、たとえば左列の絵柄Pが最初に停止し、その後続いて右列の絵柄Pが停止し、最後に中列の絵柄Pが停止するように表示される。図9に示すように、たとえば有効ラインが符号L1のベットラインである場合、全ての列の絵柄Pが停止表示された状態においては、その有効ラインL1上に並ぶ複数の絵柄Pが停止絵柄P’となる。なお、停止絵柄P’の組み合わせは、各列の絵柄Pの停止前にCPU10が所定の抽選処理を実行することにより、内部的に事前決定されている。
【0039】
ノーマルゲームモード(後述する図14のS1〜S12、S14、S15の処理を行うモード)において、停止絵柄P’の組み合わせには、一般的な当たりの組み合わせのほか、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が含まれる場合がある。これらの特別絵柄Ps1,Ps2が出現する場合を含めて当たりの組み合わせは、抽選テーブルに規定されているが、当たり以外の組み合わせ(以下、「外れ」と称する)については、特に抽選テーブルには規定されていない。図10に示すように、一般的な当たりの組み合わせは、たとえば「8,8,8」といった同一種類の数字絵柄Pnが揃う組み合わせである。図11に一例として示すように、停止絵柄P’に特別絵柄Ps2が含まれる特別な当たりの場合、その特別絵柄Ps2から所定数のメダル付与を告知するメダルアイテムS1が出現する。メダルアイテムS1に表示された数は、メダル付与数である。一般的な当たりに対応するメダル付与数は、あらかじめ定められており、特別な当たりに対応するメダル付与数は、所定の抽選処理において決定される。いずれの当たりの場合においても、それぞれの当たりに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0040】
ノーマルゲームモードにおいて、外れの場合、数字絵柄Pnが揃っていない停止絵柄P’の組み合わせや、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が含まれない停止絵柄P’の組み合わせとなる(図9参照)。また、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が表示されても、何も出現しない場合があり、その場合も外れとなる。なお、特別絵柄Ps1,Ps2からのメダルアイテムS1の出現やメダル付与数についても、CPU10が所定の抽選処理を実行することにより、内部的に事前決定されている。ノーマルゲームモードにおいては、所定の抽選処理として、通常抽選テーブルを用いた通常抽選処理が実行される。特に図示しないが、通常抽選テーブルには、一般的な当たりの組み合わせ(役)ごとに定められた当選確率と特別絵柄Ps1,Ps2が出現して当たりとなる当選確率が規定されている。
【0041】
一方、図12に示すように、ノーマルゲームモードにおいて、停止絵柄P’として表示された「?マーク」の特別絵柄Ps2からゲームモード切替を示す「スターマーク」の告知アイテムS2が出現することがある。「スターマーク」の告知アイテムS2が出現した場合、ノーマルゲームモードから特別ゲームモードに移行する。特別ゲームモードにおいては、ノーマルゲームモードと同様にプレイヤの操作に応じてスロットゲームが進行するが、以下の点においてノーマルゲームモードと異なる。
【0042】
特別ゲームモードにおいては、CPU10が第1抽選テーブルを用いた第1抽選処理を実行することにより、当たりか外れに該当する停止絵柄P’の組み合わせが表示される。そして、図9に示すように、停止絵柄P’の組み合わせが外れとして表示されても、CPU10は、メダルを付与するか否かについて第2抽選テーブルを用いた第2抽選処理を実行している。この第2抽選処理によりメダルを付与する旨の抽選結果が得られた場合、外れの停止絵柄P’の組み合わせが表示された後、図13に示すような演出画像が表示される。この演出画像においては、横方向下段に表示された絵柄P1に沿ってキャラクタCが走り抜け、このキャラクタCが絵柄P1をはじき飛ばし、消えた絵柄P1に代わって所定数のメダル付与を示すメダルアイテムS3が出現する。このとき、メダルアイテムS3は、第2抽選処理の抽選結果に応じて1〜3個の範囲内で出現する。メダルアイテムS3に示された数は、メダル付与数としてクレジット数に加算される。その後、キャラクタCが元の位置に戻って横方向下段の絵柄P1が復活し、図9に示すような画像が表示される。なお、メダルアイテムS3の出現個数やメダル付与数については、第2抽選処理により決定される。第2抽選処理によりメダルを付与しない旨の抽選結果が得られた場合、上記演出画像は表示されない。
【0043】
上記特別ゲームモードは、大当たりとなる「スター7,スター7,スター7」の数字絵柄Pnが揃うと終了する。特別ゲームモードの終了後は、たとえばジャックポット抽選ゲーム(JP抽選ゲーム)が実行される。なお、特に図示しないが、上記第1抽選テーブルには、当たりとなる停止絵柄P’の組み合わせごとに当選確率が規定されている。この第1抽選テーブルに規定された当選確率は、ノーマルゲームモードにおいて使用される通常抽選テーブルの当選確率よりも高く設定されている。また、第2抽選テーブルには、メダルを付与するか否かについての当選確率が規定されている。すなわち、特別ゲームモードにおいては、ノーマルゲームモードよりも確率的に多くのメダルが付与される。これにより、プレイヤは、ゲーム結果に意外性と期待感を感じることができる。
【0044】
次に、ゲーム装置Aの制御処理について、図14および図15を参照して説明する。
【0045】
図14に示すように、CPU10は、ノーマルゲームモードにおいて、プレイヤによりベット操作(ベットボタン42の押下)がなされると(S1:YES)、その操作回数に対応するメダルベット数をクレジット数から減算する(S2)。このとき、図7に示すように、ゲーム画像には、メダルベット数に応じた有効ラインL1〜L3が表示される。なお、ベット操作の操作回数は、クレジット数の範囲内において1〜3回までとされており、クレジット数を超えるベット操作や4回以上のベット操作は無効とされる。
【0046】
次に、CPU10は、プレイヤによりスタート操作(スタートボタン43の押下)がなされると(S3:YES)、通常抽選テーブルに基づいて通常抽選処理を実行する(S4)。この通常抽選処理においては、当たり、外れ、およびゲームモード切り替えのうちのいずれかが抽選結果として得られる。当たりの場合には、停止絵柄P’を全て同一種類の数字絵柄Pnとする旨の抽選結果、あるいは停止絵柄P’として「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2を表示させ、これらの特別絵柄Ps1,Ps2からメダルアイテムS1を出現させる旨の抽選結果が得られる。ゲームモード切り替えの場合には、停止絵柄P’として「?マーク」の特別絵柄Ps2を表示させ、この特別絵柄Ps2から「スターマーク」の告知アイテムS2を出現させる旨の抽選結果が得られる。外れの場合には、停止絵柄P’として同一種類の数字絵柄Pnが揃わない旨の抽選結果、あるいは「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2からメダルアイテムS1を出現させない旨の抽選結果が得られる。このような通常抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率は、たとえば1/10として通常抽選テーブルに規定されている。
【0047】
通常抽選処理の抽選結果が当たりの場合(S5:YES)、CPU10は、その当たりの絵柄が一般的な停止絵柄P’か特別絵柄Ps1,Ps2かを判定する(S6)。
【0048】
当たりの絵柄がたとえば「8,8,8」などの一般的な停止絵柄P’の場合(S6:YES)、CPU10は、図8に示すようにゲーム画像として絵柄Pを動的に表示させた後(S7)、その当たりの停止絵柄P’を表示させる(S8)。このとき、たとえば図10に示すようなゲーム画像が表示される。
【0049】
その後、CPU10は、当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S9)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。その後、プレイヤによりペイアウト操作(ペイアウトボタン44の押下)がなされると、ゲーム画像内のクレジット表示部Dに表示されたクレジット数に相当するメダルがメダル払出口1Aに払い出される。
【0050】
S6において、当たりの絵柄がたとえば「?マーク」などの特別絵柄Ps2の場合(S6:NO)、CPU10は、上記S7と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S10)、停止絵柄P’として「?マーク」の特別絵柄Ps2を表示させる(S11)。このとき、たとえば図11に示すようなゲーム画像が表示される。
【0051】
さらにその後、CPU10は、図12に示すように、「?マーク」の特別絵柄Ps2から「スターマーク」の告知アイテムS2を出現させる演出画像を表示させ(S12)、ノーマルゲームモードから特別ゲームモードの制御処理(S13)に切り替える。なお、通常抽選処理は、当たりか外れのいずれかを抽選するだけとし、その後、「?マーク」からどの種類のアイテムを出現させるかについてさらに別の抽選処理を行うようにしてもよい。この場合、通常抽選処理の抽選結果により「?マーク」の特別絵柄が表示され、その直後、「?マーク」からどの種類のアイテムを出現させるかについて特別な抽選処理が行われることになる。
【0052】
S5において、通常抽選処理の抽選結果がたとえば「6,3,8」などの外れの場合(S5:NO)、CPU10は、上記S6と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S14)、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させ(S15)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。
【0053】
S3において、プレイヤによりスタート操作がなされない場合(S3:NO)、CPU10は、スタート操作の監視を継続し、次のS4の処理を実行しない。
【0054】
S1において、プレイヤによりベット操作がなされない場合(S1:NO)、CPU10は、ベット操作の監視を継続し、次のS2の処理を実行しない。
【0055】
図15に示すように、特別ゲームモードの制御処理に切り替えられた場合、CPU10は、ノーマルゲームモードの場合と同様に、プレイヤによるベット操作を監視する(S21)。
【0056】
プレイヤによりベット操作がなされると(S21:YES)、CPU10は、クレジット数からメダルベット数を減算した後(S22)、スタート操作を監視する(S23)。
【0057】
プレイヤによりスタート操作がなされると(S23:YES)、CPU10は、第1抽選テーブルに基づいて第1抽選処理を実行し(S24)、続いて第2抽選処理を実行する(S25)。
【0058】
S24の第1抽選処理においては、当たりおよび外れのうちのいずれかが第1抽選結果として得られる。当たりおよび外れとなる第1抽選結果の内容は、たとえばCPU10により一時的に記憶される。この第1抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率は、たとえば1/8として第1抽選テーブルに規定されている。すなわち、第1抽選処理の当選確率は、通常抽選処理の当選確率よりも高確率であり、特別ゲームモードにおいては当たりが発生しやすくなっている。一方、S25の第2抽選処理においては、メダルを付与する旨の当たりか、もしくはメダルを付与しない旨の外れかが第2抽選結果として得られる。第2抽選結果の内容も、たとえばCPU10により一時的に記憶される。なお、第2抽選処理は、第1抽選結果が当たりの場合には実行しなくてもよい。
【0059】
第1抽選結果が当たりの場合(S26:YES)、CPU10は、図8に示すようにゲーム画像として絵柄Pを動的に表示させた後(S27)、当たりの停止絵柄P’を表示させる(S28)。当たりの場合には、ノーマルゲームモードの場合と同様に、たとえば図10に示すようなゲーム画像が表示される。
【0060】
次に、CPU10は、当たりの組み合わせが大当たりに該当する「スター7,スター7,スター7」かその他の当たりの組み合わせかを判定する(S29)。
【0061】
大当たりの組み合わせである場合(S29:YES)、CPU10は、その大当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S30)、その後、JP抽選ゲームの制御処理に移行し(S31)、特別ゲームモードの制御処理を終了する。なお、S30の処理後は、JP抽選ゲームを行わずに再びノーマルゲームモードの制御処理に移行してもよい。
【0062】
S29において、大当たり以外の当たりの組み合わせである場合(S29:NO)、CPU10は、その当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S32)、S21に戻る。すなわち、特別ゲームモードの制御処理は、大当たりが出るまで(S29:YES)継続される。なお、大当たり以外の当たりの組み合わせが出た場合には、たとえばミニゲームとしてシューティングゲームを実行させてもよい。
【0063】
S26において、第1抽選結果が外れの場合(S26:NO)、上記S27と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33)、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させる(S34)。
【0064】
さらにその後、CPU10は、第2抽選結果が当たりであったか外れであったかを判定する(S35)。
【0065】
第2抽選結果が当たりの場合(S35:YES)、CPU10は、図13に示すような演出画像を表示させる(S36)。この演出画像では、下段のベットラインL2に沿う絵柄P1がキャラクタCによりメダルアイテムS3に変えられる。メダルアイテムS3に示されるメダル付与数は、第2抽選処理によってランダムに決定される。
【0066】
そして、CPU10は、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、S21に戻る。
【0067】
S35において、第2抽選結果が外れの場合(S35:NO)、CPU10は、S21に戻る。この場合は、第1抽選処理および第2抽選処理の結果、完全に外れたこととなり、特別ゲームモードの制御処理が継続される。
【0068】
S23において、プレイヤによりスタート操作がなされない場合(S23:NO)、CPU10は、スタート操作の監視を継続し、次のS24の処理を実行しない。
【0069】
S21において、プレイヤによりベット操作がなされない場合(S21:NO)、CPU10は、ベット操作の監視を継続し、次のS22の処理を実行しない。
【0070】
したがって、本実施形態のゲーム装置Aによれば、特別ゲームモードにおいて外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、第2抽選処理において内部的に当選している場合には、外れ絵柄を表示した後にメダルの付与を示す演出画像が表示され、所定数のメダルが付与される。これにより、プレイヤは、外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、当たりになるかもしれないという期待感を持つことができるとともに、そうして当たりとなった場合に意外性を感じることができる。
【0071】
次に、他の実施形態による処理について、図16〜18を参照して説明する。なお、先述した実施形態によるものと同一または類似の処理については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0072】
図16は、特別ゲームモードにおいて、第1および第2抽選処理とは異なる抽選処理(特別抽選処理)を実行する場合のフローチャートである。
【0073】
図16に示すように、S21〜S23の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S23:YES)、CPU10は、特別抽選処理を実行する(S24’)。この特別抽選処理においては、当たりとするか(a)、完全な外れとするか(b)、外れの表示後、図13に示すような演出画像を表示させて当たりとするか(c)が一度の抽選により決定され、これらのうちのいずれかが特別抽選結果として得られる。このような特別抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率も、通常抽選処理の当選確率よりも高確率として抽選テーブルに規定されている。
【0074】
特別抽選結果が上記(a)の場合(S25’:a)、CPU10は、S27〜S32の処理を実行する。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0075】
特別抽選結果が上記(b)の場合(S25’:b)、CPU10は、S33,S34の処理を実行する。この場合は、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示され、メダルが付与されない。
【0076】
一方、特別抽選結果が上記(c)の場合(S25’:c)、CPU10は、S33と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33’)、図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させるが(S34’)、さらにその後、図13に示すような演出画像を表示させる(S36)。この演出画像においても、メダルアイテムS3が表示される。
【0077】
そして、CPU10は、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、S21に戻る。
【0078】
したがって、図16に示す特別ゲームモードの処理によっても、プレイヤは、外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、当たりになるかもしれないという期待感を持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
図17は、ノーマルゲームモードにおける通常抽選処理に代えて特別抽選処理を実行する場合のフローチャートである。
【0080】
図17に示すように、S1〜S3の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S3:YES)、CPU10は、特別抽選処理を実行する(S4’)。この特別抽選処理も、図16のS24’に示す特別抽選処理と同様であり、当たりとするか(a)、完全な外れとするか(b)、外れの表示後、図13に示すような演出画像を表示させて当たりとするか(c)が一度の抽選により決定され、これらのうちのいずれかが特別抽選結果として得られる。
【0081】
特別抽選結果が上記(a)の場合(S5’:a)、CPU10は、S27,S28,S30の処理を実行する。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0082】
特別抽選結果が上記(b)の場合(S5’:b)、CPU10は、S33,S34の処理を実行する。この場合は、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示され、メダルが付与されない。
【0083】
一方、特別抽選結果が上記(c)の場合(S5’:c)、CPU10は、S33と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33’)、図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させるが(S34’)、さらにその後、図13に示すような演出画像を表示させ(S36)、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。
【0084】
したがって、図17に示すノーマルゲームモードの処理によれば、当選確率が高確率となる特別ゲームモードでなくても、外れの表示後に当たりとなる可能性があり、そうなるかもしれないという期待感をプレイヤは持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
図18は、ノーマルゲームモードにおける通常抽選処理に代えて第1および第2抽選処理を実行する場合のフローチャートである。
【0086】
図18に示すように、S1〜S3の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S3:YES)、CPU10は、第1抽選処理を実行し(S24)、続いて第2抽選処理を実行する(S25)。
【0087】
S24の第1抽選処理においても、先述した実施形態と同様に、当たりおよび外れのうちのいずれかが第1抽選結果として得られる。S25の第2抽選処理も、先述した実施形態と同様に、メダルを付与する旨の当たりか、もしくはメダルを付与しない旨の外れかが第2抽選結果として得られる。
【0088】
第1抽選結果が当たりの場合(S26:YES)、CPU10は、S27,S28,S30の処理を実行し、ノーマルゲームモードの制御処理を終える。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0089】
一方、S26において、第1抽選結果が外れの場合(S26:NO)、CPU10は、S33〜S37)の処理を実行し、ノーマルゲームモードの制御処理を終える。この場合には、図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示されるが(S34)、さらにその後、図13に示すような演出画像が表示され(S36)、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数がクレジット数に加算される場合がある(S37)。
【0090】
したがって、図18に示すノーマルゲームモードの処理によっても、外れの表示後に当たりとなる可能性があり、プレイヤはそうなるかもしれないという期待感を持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0092】
たとえば、図15あるいは図18に示すS25の第2抽選処理は、S34の外れの停止絵柄が表示された後、CPUによって実行されるようにしてもよい。この場合、S34の処理後にプレイヤにある種の操作、たとえばボタンを連打する操作やミニゲームに係る操作を行わせ、その操作結果に応じて当選確率をアップさせるといったことを行うことができる。また、第1抽選処理の抽選後、絵柄が動的に表示されている最中に第2抽選処理が実行されるようにしてもよい。
【0093】
上記実施形態では、3ベット×5ベットラインのスロットゲームが進行するが、たとえば5ベット×5ベットラインのスロットゲームとしてもよい。また、3×3のマトリクス状に並ぶ絵柄Pのそれぞれが独立して動的に表示されるスロットゲームの場合、たとえば画面の縦方向に沿う3本のラインもベットラインとし、3ベット×8ベットラインとしてもよい。
【0094】
上記実施形態では、第2抽選処理の抽選結果が当たりの場合、あらかじめ決められた下段のベットラインに沿う絵柄がメダルアイテムに変えられるが、メダルアイテムとは異なる種類のアイテムを出現させるようにしてもよい。たとえば、さらに高確率の抽選テーブルに切り替えて第1抽選処理が実行されるといった旨の確率変動を告知するアイテムを出現させてもよい。また、メダルアイテムに変化させられる絵柄は、中段や上段のベットラインに沿うものであってもよく、どの位置の絵柄をメダルアイテムに変化させるかを内部抽選によってその都度決めるようにしてもよい。さらに、特定の絵柄、たとえば「タマゴ」の絵柄が表示された場合に限り、その「タマゴ」の絵柄についてのみメダルアイテムに変化させるようにしてもよい。
【0095】
メダルアイテムは、常に一定のメダル付与数を示すものとしてもよいし、メダルアイテムに変化する前の絵柄に示される数をメダル付与数としてもよい。
【0096】
付与される特典は、常にメダルとは限らず、たとえばJP抽選ゲームをする権利や、シューティングゲームにおいて用いられる武器などのアイテムでもよい。
【0097】
ゲーム装置は、機械的に回転する複数のリールを備えた、いわゆるスロットマシンでもよい。
【符号の説明】
【0098】
A ゲーム装置
P 絵柄
P’ 停止絵柄
L1〜L3 ベットライン
1 筐体
2 屋根部
3 画像表示部(表示手段)
4 操作部
5 スピーカ
6 電飾
10 CPU(ゲーム制御手段、第1抽選手段、第2抽選手段、通常抽選手段、特別抽選手段)
11 ROM
12 RAM
13 GPU
14 VRAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータによる抽選機能を有するゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットゲーム装置は、回転する3つのリールによって複数の絵柄を動的に表示し、これら3つのリールの回転が停止した状態において、ベットライン上に並ぶ複数の停止絵柄の組み合わせが当たり役になると、遊戯媒体としてのメダルを払い出すように構成されている(特許文献1参照)。当たり役は、役ごとに定められた当選確率とともに抽選テーブルに規定されており、コンピュータが当たりとするか外れとするかを当選確率に基づいて抽選するようになっている。当たり役には、たとえば「7,7,7」や「ベル,ベル,ベル」といった同一の種類が揃う停止絵柄の組み合わせのほか、「チェリー,*,*」(「*」は任意の絵柄)というように特定の停止絵柄が含まれる組み合わせがある。コンピュータの抽選により外れとなった場合は、当たり役に該当しない停止絵柄の組み合わせが表示され、メダルの払い出しが行われない。
【0003】
しかしながら、上記従来のスロットゲーム装置では、コンピュータの抽選結果として当たりか外れしかなく、1回のゲームごとに停止絵柄の組み合わせに応じてメダルが払い出されるか否かが必ず決まってしまう。そのため、プレイヤは、ゲームに際して当たり役となる停止絵柄の組み合わせを期待するだけとなり、ゲーム結果に意外性を感じることができず、ゲームの興趣が十分得られないという面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−66217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ゲーム結果の意外性を高め、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供されるゲーム装置は、複数のリールによって複数の絵柄を動的に表示する一方、これら複数の絵柄のいずれかを所定のライン上に並ぶ複数の停止絵柄として表示する表示手段と、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして当たりの組み合わせを記憶している記憶手段と、上記表示手段に対し、上記複数の絵柄を動的に表示させ、これら複数の絵柄のいずれかを上記複数の停止絵柄として表示させたのち、上記複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典を付与するゲーム制御手段と、を備えたゲーム装置であって、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するか、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う特別抽選手段を、備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記特別抽選手段は、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するかについて抽選を行う第1抽選手段と、上記第1抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとしないとした場合、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う第2抽選手段と、からなる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、所定の条件が成立して移行する所定のゲームモードにおいて、上記特別抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たり以外の組み合わせとして特典を付与する旨の抽選結果が得られた場合、その抽選結果に応じて特典を付与する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の停止絵柄の組み合わせには、当たりの組み合わせ、およびゲームモード切り替えに係る組み合わせがあり、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせとするか、ゲームモード切り替えに係る組み合わせとするかについて抽選を行う通常抽選手段を備え、上記ゲーム制御手段は、上記通常抽選手段によりゲームモード切り替えとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードに切り替え、上記特別抽選手段による抽選を実行させる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、上記特別抽選手段により、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして、あらかじめ規定された特定の当たりの組み合わせとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードを終了させる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ゲーム制御手段は、上記複数のリールが回転し、その回転方向に沿って上記複数の絵柄が移動するような画像を上記表示手段に表示させるとともに、上記リールの回転方向に対して交差する方向に上記所定のラインを設定し、その所定のライン上に上記複数の停止絵柄が並ぶような画像を上記表示手段に表示させる。
【0013】
本発明の第2の側面により提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、上記第1の側面による各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、当たり以外となる停止絵柄の組み合わせが表示されても、特典を付与する旨の抽選結果が得られている場合、たとえば遊戯媒体としてのメダルが付与されることになる。したがって、本発明によれば、抽選結果にプレイヤの期待感を持たせることができるとともに、当たり以外の停止絵柄でも特典が付与されることに意外性を感じさせることができ、ひいてはゲームの興趣をより高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す筐体の上面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ゲーム画像全体を説明するための説明図である。
【図5】絵柄配列テーブルを説明するための説明図である。
【図6】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図7】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図8】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図9】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図10】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図11】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図12】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図13】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図14】ノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】特別ゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである
【図16】他の実施形態による特別ゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】他の実施形態によるノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】他の実施形態によるノーマルゲームモードの制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜15は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示している。図1および図2に示すように、本実施形態のゲーム装置Aは、4人のプレイヤがスロットゲームを行うことができるアーケードゲーム装置である。ゲーム装置Aは、各プレイヤが遊戯媒体としてのメダルを投入してベットを行うことによりスロットゲームを実行するとともに、そのゲーム結果に応じてメダル(特典)を付与し、メダル付与数に応じたメダルを払い出すように構成されている。ゲーム装置Aは、筐体1、屋根部2、画像表示部3、複数の操作部4、複数のスピーカ5、電飾6(図3参照)、およびCPU10を含む各種のハードウェア(図3参照)を備える。なお、以下の説明においては、特に断らない限り1人のプレイヤがスロットゲームを行う場合の構成および動作について説明する。
【0019】
図1に示すように、筐体1の上部には、画像表示部3が設けられている。筐体1の上部縁端には、複数の操作部4が設けられている。各操作部4に対応する筐体1の側面の各箇所には、メダル払出口1Aが設けられている。筐体1の内部には、各種のハードウェアを備えた制御基板が設けられている。筐体1の上方には、支柱2Aを介して屋根部2が設けられている。各操作部4に対応する屋根部2の下部の各箇所には、スピーカ5が設けられている。屋根部2の側面には、電飾6が設けられている(図1において図示略)。
【0020】
画像表示部3は、たとえば比較的大きな液晶表示パネルからなり、筐体1の上方に水平に配置された画面30を有する。画面30は、複数の操作部4と対応するように4分割された領域ごとにスロットゲームのゲーム画像(図4参照)を表示する。すなわち、スロットゲームは、いわゆるビデオスロットとして実行される。なお、画像表示部3は、スロットゲームだけでなく、たとえばルーレットゲームやシューティングゲームのゲーム画像も表示可能である。
【0021】
図2に示すように、操作部4のそれぞれには、メダル投入口40、メダル投入センサ41(図3参照)、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が設けられている。
【0022】
メダル投入口40には、プレイヤによりメダルが投入される。投入されたメダルは、図示しないメダル貯留部に蓄えられる。
【0023】
メダル投入センサ41は、メダル投入口40に投入されたメダルを検知し、その旨の信号を後述のCPU10に出力する。なお、メダル投入口40に投入されたメダルの数(メダル投入数)は、クレジット数(ゲームプレイの権利数)としてCPU10に処理される。クレジット数には、ゲーム結果に応じて付与されたメダル付与数も含まれる。
【0024】
ベットボタン42は、スロットゲームに際してプレイヤが所望のメダルベット数を指示する際に用いられる。たとえば、ベットボタン42を1回、2回、あるいは3回押下して操作すると、それぞれのボタン操作回数に応じてメダルベット数が1、2、3となる。メダルベット数は、CPU10に伝えられる。
【0025】
スタートボタン43は、プレイヤがスロットゲームの始動を指示するために用いられる。
【0026】
ペイアウトボタン44は、プレイヤがメダルの払い出しを指示するために用いられる。ペイアウトボタン44を押下すると、上記クレジット数に相当する数のメダルが図示しないメダル搬送機構を介してメダル貯留部からメダル払出口1Aまで送られ、メダル払出口1Aから払い出される。
【0027】
操作レバー機構45は、スロットゲームでは使用されないが、たとえばシューティングゲームを行う際に使用される。
【0028】
図3に示すように、ゲーム装置Aは、制御基板に設けられるハードウェアとして、CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、VRAM14、ビデオインターフェース15、入力インターフェース16、および出力インターフェース17を備える。CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、入力インターフェース16、および出力インターフェース17は、バス18を介して互いに接続されている。GPU13には、VRAM14およびビデオインターフェース15を介して、画像表示部3が接続されている。入力インターフェース16には、各操作部4のメダル投入センサ41、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が接続されている。出力インターフェース17には、スピーカ5および電飾6が接続されている。
【0029】
CPU10は、ROM11に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえば、CPU10は、デジタルカウンタとして機能し、クレジット数、メダル投入数、メダル付与数、メダルベット数、およびメダル払出数について計数処理を行う。CPU10は、メダル投入数およびメダル付与数を加算値とし、メダルベット数を減算値としてクレジット数を算出する。メダル払出数は、ペイアウトボタン44を押下した際に払い出されるメダルの総数であり、その時点でのクレジット数に相当する。CPU10は、スロットゲームのゲームプログラムを実行し、ゲーム画像を画像表示部3に表示させる旨の命令をGPU13に送る。CPU10は、スロットゲームの進行に伴い乱数ジェネレータとして機能し、所定の抽選処理を実行する。所定の抽選処理には、通常抽選処理のほか、第1抽選処理と第2抽選処理がある。CPU10は、スロットゲームの進行状況に応じてスピーカ5や電飾6を動作させる。ゲーム画像および所定の抽選処理については後述する。
【0030】
ROM11は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM11には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラムと、ゲームに関する各種の処理をCPU10に実行させるための命令や手順を記したゲームプログラムなどが記憶されている。また、ROM11には、スロットゲームのゲーム画像や絵柄配列テーブル(図5参照)、CPU10が所定の抽選処理を行う際に用いる抽選テーブルなどが記憶されている。
【0031】
システムプログラムには、CPU10をデジタルカウンタとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲームプログラムには、スロットゲームの進行手順を記したプログラムが含まれるとともに、CPU10を乱数ジェネレータとして機能させるためのプログラムが含まれる。図6に示すように、ゲーム画像には、スロットゲームを構成する複数の絵柄P、ベットラインL1〜L3、キャラクタC、クレジット表示部D、アイテムS1,S2,S3(図11〜13参照)などが含まれる。図5に示すように、複数の絵柄Pは、絵柄配列テーブルに規定されている。絵柄Pの種類には、数字に対応する数字絵柄Pn、特別絵柄Ps1,Ps2、ブランク絵柄Pbがある。抽選テーブルは、複数の抽選処理に応じて複数用意されている。なお、ゲームプログラムならびにゲーム画像や絵柄配列テーブル、抽選テーブルは、ハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介してCPU10が適宜読み出すようにしてもよい。
【0032】
RAM12は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU10によるプログラムのロードや画像データなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM12には、ROM11から読み出された画像データや抽選テーブルが記憶される。
【0033】
GPU13は、ゲーム画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。たとえばGPU13は、20fpsのフレームレートでゲーム画像を生成し、1フレームずつ生成した画像データをVRAM14に転送する。
【0034】
VRAM14は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM14は、GPU13によって生成されたゲーム画像を一時的に保持するフレームバッファとして機能する。このVRAM14からは、ビデオインターフェース15を介して画像表示部3に1フレームずつゲーム画像が送信される。
【0035】
スロットゲームの流れは、以下のようになっている。
【0036】
図6に示すように、画面30には、複数の絵柄Pが縦横3×3のマトリクス状に並ぶように表示される。プレイヤによりメダル投入口40にメダルが投入されてベットボタン42が1〜3回押下されると、マトリクス状に並ぶ複数の絵柄Pに対して1〜5本のベットラインL1〜L5が有効ラインとして設定される。たとえば、メダルベット数が1の場合、図7(A)に示すように、横方向中段の絵柄Pに沿う1本のベットラインL1が有効ラインとして表示される。メダルベット数が2の場合、図7(B)に示すように、横方向上段、横方向中段、横方向下段の絵柄Pに沿う3本のベットラインL1,L2が有効ラインとして表示される。メダルベット数が3の場合、図7(C)に示すように、上記3本のベットラインL1,L2に加え、斜め方向の絵柄Pに沿う2本のベットラインL3が有効ラインとして表示される。クレジット表示部Dには、メダルベット数に応じた数だけ減算されたクレジット数が表示される。
【0037】
その後、プレイヤによりスタートボタン43が押下されると、図8に示すように、縦方向に並ぶ左列の絵柄P、中列の絵柄P、および右列の絵柄Pは、それぞれの列が仮想的なリールとして回転するかのように表示されるのに伴い、縦方向に移動する。このとき、各列の絵柄Pは、図5に示す絵柄配列テーブルに規定された順に従って移動する。同図に示すように、左列、中列、および右列には、「1」〜「9」の数字絵柄Pnが含まれる。これらの数字絵柄Pnのうち「スター7」は、大当たりの絵柄として規定されている。左列および右列には、中列には存在しない「タマゴ」の特別絵柄Ps1が含まれる。中列には、左列および右列に存在しない「?マーク」の特別絵柄Ps2が含まれる。「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,PS2は、映像上の演出効果を発揮する絵柄として規定されている。たとえば「タマゴ」の特別絵柄Ps1は、メダル付与を示す可能性がある絵柄であり、「?マーク」の特別絵柄Ps2は、メダル付与やゲームモード切替を示す可能性がある絵柄である。
【0038】
各列の絵柄が動的に表示されてしばらくすると、たとえば左列の絵柄Pが最初に停止し、その後続いて右列の絵柄Pが停止し、最後に中列の絵柄Pが停止するように表示される。図9に示すように、たとえば有効ラインが符号L1のベットラインである場合、全ての列の絵柄Pが停止表示された状態においては、その有効ラインL1上に並ぶ複数の絵柄Pが停止絵柄P’となる。なお、停止絵柄P’の組み合わせは、各列の絵柄Pの停止前にCPU10が所定の抽選処理を実行することにより、内部的に事前決定されている。
【0039】
ノーマルゲームモード(後述する図14のS1〜S12、S14、S15の処理を行うモード)において、停止絵柄P’の組み合わせには、一般的な当たりの組み合わせのほか、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が含まれる場合がある。これらの特別絵柄Ps1,Ps2が出現する場合を含めて当たりの組み合わせは、抽選テーブルに規定されているが、当たり以外の組み合わせ(以下、「外れ」と称する)については、特に抽選テーブルには規定されていない。図10に示すように、一般的な当たりの組み合わせは、たとえば「8,8,8」といった同一種類の数字絵柄Pnが揃う組み合わせである。図11に一例として示すように、停止絵柄P’に特別絵柄Ps2が含まれる特別な当たりの場合、その特別絵柄Ps2から所定数のメダル付与を告知するメダルアイテムS1が出現する。メダルアイテムS1に表示された数は、メダル付与数である。一般的な当たりに対応するメダル付与数は、あらかじめ定められており、特別な当たりに対応するメダル付与数は、所定の抽選処理において決定される。いずれの当たりの場合においても、それぞれの当たりに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0040】
ノーマルゲームモードにおいて、外れの場合、数字絵柄Pnが揃っていない停止絵柄P’の組み合わせや、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が含まれない停止絵柄P’の組み合わせとなる(図9参照)。また、「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2が表示されても、何も出現しない場合があり、その場合も外れとなる。なお、特別絵柄Ps1,Ps2からのメダルアイテムS1の出現やメダル付与数についても、CPU10が所定の抽選処理を実行することにより、内部的に事前決定されている。ノーマルゲームモードにおいては、所定の抽選処理として、通常抽選テーブルを用いた通常抽選処理が実行される。特に図示しないが、通常抽選テーブルには、一般的な当たりの組み合わせ(役)ごとに定められた当選確率と特別絵柄Ps1,Ps2が出現して当たりとなる当選確率が規定されている。
【0041】
一方、図12に示すように、ノーマルゲームモードにおいて、停止絵柄P’として表示された「?マーク」の特別絵柄Ps2からゲームモード切替を示す「スターマーク」の告知アイテムS2が出現することがある。「スターマーク」の告知アイテムS2が出現した場合、ノーマルゲームモードから特別ゲームモードに移行する。特別ゲームモードにおいては、ノーマルゲームモードと同様にプレイヤの操作に応じてスロットゲームが進行するが、以下の点においてノーマルゲームモードと異なる。
【0042】
特別ゲームモードにおいては、CPU10が第1抽選テーブルを用いた第1抽選処理を実行することにより、当たりか外れに該当する停止絵柄P’の組み合わせが表示される。そして、図9に示すように、停止絵柄P’の組み合わせが外れとして表示されても、CPU10は、メダルを付与するか否かについて第2抽選テーブルを用いた第2抽選処理を実行している。この第2抽選処理によりメダルを付与する旨の抽選結果が得られた場合、外れの停止絵柄P’の組み合わせが表示された後、図13に示すような演出画像が表示される。この演出画像においては、横方向下段に表示された絵柄P1に沿ってキャラクタCが走り抜け、このキャラクタCが絵柄P1をはじき飛ばし、消えた絵柄P1に代わって所定数のメダル付与を示すメダルアイテムS3が出現する。このとき、メダルアイテムS3は、第2抽選処理の抽選結果に応じて1〜3個の範囲内で出現する。メダルアイテムS3に示された数は、メダル付与数としてクレジット数に加算される。その後、キャラクタCが元の位置に戻って横方向下段の絵柄P1が復活し、図9に示すような画像が表示される。なお、メダルアイテムS3の出現個数やメダル付与数については、第2抽選処理により決定される。第2抽選処理によりメダルを付与しない旨の抽選結果が得られた場合、上記演出画像は表示されない。
【0043】
上記特別ゲームモードは、大当たりとなる「スター7,スター7,スター7」の数字絵柄Pnが揃うと終了する。特別ゲームモードの終了後は、たとえばジャックポット抽選ゲーム(JP抽選ゲーム)が実行される。なお、特に図示しないが、上記第1抽選テーブルには、当たりとなる停止絵柄P’の組み合わせごとに当選確率が規定されている。この第1抽選テーブルに規定された当選確率は、ノーマルゲームモードにおいて使用される通常抽選テーブルの当選確率よりも高く設定されている。また、第2抽選テーブルには、メダルを付与するか否かについての当選確率が規定されている。すなわち、特別ゲームモードにおいては、ノーマルゲームモードよりも確率的に多くのメダルが付与される。これにより、プレイヤは、ゲーム結果に意外性と期待感を感じることができる。
【0044】
次に、ゲーム装置Aの制御処理について、図14および図15を参照して説明する。
【0045】
図14に示すように、CPU10は、ノーマルゲームモードにおいて、プレイヤによりベット操作(ベットボタン42の押下)がなされると(S1:YES)、その操作回数に対応するメダルベット数をクレジット数から減算する(S2)。このとき、図7に示すように、ゲーム画像には、メダルベット数に応じた有効ラインL1〜L3が表示される。なお、ベット操作の操作回数は、クレジット数の範囲内において1〜3回までとされており、クレジット数を超えるベット操作や4回以上のベット操作は無効とされる。
【0046】
次に、CPU10は、プレイヤによりスタート操作(スタートボタン43の押下)がなされると(S3:YES)、通常抽選テーブルに基づいて通常抽選処理を実行する(S4)。この通常抽選処理においては、当たり、外れ、およびゲームモード切り替えのうちのいずれかが抽選結果として得られる。当たりの場合には、停止絵柄P’を全て同一種類の数字絵柄Pnとする旨の抽選結果、あるいは停止絵柄P’として「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2を表示させ、これらの特別絵柄Ps1,Ps2からメダルアイテムS1を出現させる旨の抽選結果が得られる。ゲームモード切り替えの場合には、停止絵柄P’として「?マーク」の特別絵柄Ps2を表示させ、この特別絵柄Ps2から「スターマーク」の告知アイテムS2を出現させる旨の抽選結果が得られる。外れの場合には、停止絵柄P’として同一種類の数字絵柄Pnが揃わない旨の抽選結果、あるいは「タマゴ」や「?マーク」の特別絵柄Ps1,Ps2からメダルアイテムS1を出現させない旨の抽選結果が得られる。このような通常抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率は、たとえば1/10として通常抽選テーブルに規定されている。
【0047】
通常抽選処理の抽選結果が当たりの場合(S5:YES)、CPU10は、その当たりの絵柄が一般的な停止絵柄P’か特別絵柄Ps1,Ps2かを判定する(S6)。
【0048】
当たりの絵柄がたとえば「8,8,8」などの一般的な停止絵柄P’の場合(S6:YES)、CPU10は、図8に示すようにゲーム画像として絵柄Pを動的に表示させた後(S7)、その当たりの停止絵柄P’を表示させる(S8)。このとき、たとえば図10に示すようなゲーム画像が表示される。
【0049】
その後、CPU10は、当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S9)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。その後、プレイヤによりペイアウト操作(ペイアウトボタン44の押下)がなされると、ゲーム画像内のクレジット表示部Dに表示されたクレジット数に相当するメダルがメダル払出口1Aに払い出される。
【0050】
S6において、当たりの絵柄がたとえば「?マーク」などの特別絵柄Ps2の場合(S6:NO)、CPU10は、上記S7と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S10)、停止絵柄P’として「?マーク」の特別絵柄Ps2を表示させる(S11)。このとき、たとえば図11に示すようなゲーム画像が表示される。
【0051】
さらにその後、CPU10は、図12に示すように、「?マーク」の特別絵柄Ps2から「スターマーク」の告知アイテムS2を出現させる演出画像を表示させ(S12)、ノーマルゲームモードから特別ゲームモードの制御処理(S13)に切り替える。なお、通常抽選処理は、当たりか外れのいずれかを抽選するだけとし、その後、「?マーク」からどの種類のアイテムを出現させるかについてさらに別の抽選処理を行うようにしてもよい。この場合、通常抽選処理の抽選結果により「?マーク」の特別絵柄が表示され、その直後、「?マーク」からどの種類のアイテムを出現させるかについて特別な抽選処理が行われることになる。
【0052】
S5において、通常抽選処理の抽選結果がたとえば「6,3,8」などの外れの場合(S5:NO)、CPU10は、上記S6と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S14)、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させ(S15)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。
【0053】
S3において、プレイヤによりスタート操作がなされない場合(S3:NO)、CPU10は、スタート操作の監視を継続し、次のS4の処理を実行しない。
【0054】
S1において、プレイヤによりベット操作がなされない場合(S1:NO)、CPU10は、ベット操作の監視を継続し、次のS2の処理を実行しない。
【0055】
図15に示すように、特別ゲームモードの制御処理に切り替えられた場合、CPU10は、ノーマルゲームモードの場合と同様に、プレイヤによるベット操作を監視する(S21)。
【0056】
プレイヤによりベット操作がなされると(S21:YES)、CPU10は、クレジット数からメダルベット数を減算した後(S22)、スタート操作を監視する(S23)。
【0057】
プレイヤによりスタート操作がなされると(S23:YES)、CPU10は、第1抽選テーブルに基づいて第1抽選処理を実行し(S24)、続いて第2抽選処理を実行する(S25)。
【0058】
S24の第1抽選処理においては、当たりおよび外れのうちのいずれかが第1抽選結果として得られる。当たりおよび外れとなる第1抽選結果の内容は、たとえばCPU10により一時的に記憶される。この第1抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率は、たとえば1/8として第1抽選テーブルに規定されている。すなわち、第1抽選処理の当選確率は、通常抽選処理の当選確率よりも高確率であり、特別ゲームモードにおいては当たりが発生しやすくなっている。一方、S25の第2抽選処理においては、メダルを付与する旨の当たりか、もしくはメダルを付与しない旨の外れかが第2抽選結果として得られる。第2抽選結果の内容も、たとえばCPU10により一時的に記憶される。なお、第2抽選処理は、第1抽選結果が当たりの場合には実行しなくてもよい。
【0059】
第1抽選結果が当たりの場合(S26:YES)、CPU10は、図8に示すようにゲーム画像として絵柄Pを動的に表示させた後(S27)、当たりの停止絵柄P’を表示させる(S28)。当たりの場合には、ノーマルゲームモードの場合と同様に、たとえば図10に示すようなゲーム画像が表示される。
【0060】
次に、CPU10は、当たりの組み合わせが大当たりに該当する「スター7,スター7,スター7」かその他の当たりの組み合わせかを判定する(S29)。
【0061】
大当たりの組み合わせである場合(S29:YES)、CPU10は、その大当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S30)、その後、JP抽選ゲームの制御処理に移行し(S31)、特別ゲームモードの制御処理を終了する。なお、S30の処理後は、JP抽選ゲームを行わずに再びノーマルゲームモードの制御処理に移行してもよい。
【0062】
S29において、大当たり以外の当たりの組み合わせである場合(S29:NO)、CPU10は、その当たりに応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S32)、S21に戻る。すなわち、特別ゲームモードの制御処理は、大当たりが出るまで(S29:YES)継続される。なお、大当たり以外の当たりの組み合わせが出た場合には、たとえばミニゲームとしてシューティングゲームを実行させてもよい。
【0063】
S26において、第1抽選結果が外れの場合(S26:NO)、上記S27と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33)、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させる(S34)。
【0064】
さらにその後、CPU10は、第2抽選結果が当たりであったか外れであったかを判定する(S35)。
【0065】
第2抽選結果が当たりの場合(S35:YES)、CPU10は、図13に示すような演出画像を表示させる(S36)。この演出画像では、下段のベットラインL2に沿う絵柄P1がキャラクタCによりメダルアイテムS3に変えられる。メダルアイテムS3に示されるメダル付与数は、第2抽選処理によってランダムに決定される。
【0066】
そして、CPU10は、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、S21に戻る。
【0067】
S35において、第2抽選結果が外れの場合(S35:NO)、CPU10は、S21に戻る。この場合は、第1抽選処理および第2抽選処理の結果、完全に外れたこととなり、特別ゲームモードの制御処理が継続される。
【0068】
S23において、プレイヤによりスタート操作がなされない場合(S23:NO)、CPU10は、スタート操作の監視を継続し、次のS24の処理を実行しない。
【0069】
S21において、プレイヤによりベット操作がなされない場合(S21:NO)、CPU10は、ベット操作の監視を継続し、次のS22の処理を実行しない。
【0070】
したがって、本実施形態のゲーム装置Aによれば、特別ゲームモードにおいて外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、第2抽選処理において内部的に当選している場合には、外れ絵柄を表示した後にメダルの付与を示す演出画像が表示され、所定数のメダルが付与される。これにより、プレイヤは、外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、当たりになるかもしれないという期待感を持つことができるとともに、そうして当たりとなった場合に意外性を感じることができる。
【0071】
次に、他の実施形態による処理について、図16〜18を参照して説明する。なお、先述した実施形態によるものと同一または類似の処理については、同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0072】
図16は、特別ゲームモードにおいて、第1および第2抽選処理とは異なる抽選処理(特別抽選処理)を実行する場合のフローチャートである。
【0073】
図16に示すように、S21〜S23の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S23:YES)、CPU10は、特別抽選処理を実行する(S24’)。この特別抽選処理においては、当たりとするか(a)、完全な外れとするか(b)、外れの表示後、図13に示すような演出画像を表示させて当たりとするか(c)が一度の抽選により決定され、これらのうちのいずれかが特別抽選結果として得られる。このような特別抽選処理において当たりの抽選結果が得られる当選確率も、通常抽選処理の当選確率よりも高確率として抽選テーブルに規定されている。
【0074】
特別抽選結果が上記(a)の場合(S25’:a)、CPU10は、S27〜S32の処理を実行する。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0075】
特別抽選結果が上記(b)の場合(S25’:b)、CPU10は、S33,S34の処理を実行する。この場合は、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示され、メダルが付与されない。
【0076】
一方、特別抽選結果が上記(c)の場合(S25’:c)、CPU10は、S33と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33’)、図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させるが(S34’)、さらにその後、図13に示すような演出画像を表示させる(S36)。この演出画像においても、メダルアイテムS3が表示される。
【0077】
そして、CPU10は、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、S21に戻る。
【0078】
したがって、図16に示す特別ゲームモードの処理によっても、プレイヤは、外れとなる停止絵柄P’の組み合わせが表示されても、当たりになるかもしれないという期待感を持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
図17は、ノーマルゲームモードにおける通常抽選処理に代えて特別抽選処理を実行する場合のフローチャートである。
【0080】
図17に示すように、S1〜S3の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S3:YES)、CPU10は、特別抽選処理を実行する(S4’)。この特別抽選処理も、図16のS24’に示す特別抽選処理と同様であり、当たりとするか(a)、完全な外れとするか(b)、外れの表示後、図13に示すような演出画像を表示させて当たりとするか(c)が一度の抽選により決定され、これらのうちのいずれかが特別抽選結果として得られる。
【0081】
特別抽選結果が上記(a)の場合(S5’:a)、CPU10は、S27,S28,S30の処理を実行する。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0082】
特別抽選結果が上記(b)の場合(S5’:b)、CPU10は、S33,S34の処理を実行する。この場合は、たとえば図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示され、メダルが付与されない。
【0083】
一方、特別抽選結果が上記(c)の場合(S5’:c)、CPU10は、S33と同様に絵柄Pを動的に表示させた後(S33’)、図9に示すような外れの停止絵柄P’を表示させるが(S34’)、さらにその後、図13に示すような演出画像を表示させ(S36)、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数をクレジット数に加算し(S37)、ノーマルゲームモードの制御処理を終了する。
【0084】
したがって、図17に示すノーマルゲームモードの処理によれば、当選確率が高確率となる特別ゲームモードでなくても、外れの表示後に当たりとなる可能性があり、そうなるかもしれないという期待感をプレイヤは持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
図18は、ノーマルゲームモードにおける通常抽選処理に代えて第1および第2抽選処理を実行する場合のフローチャートである。
【0086】
図18に示すように、S1〜S3の処理を経てプレイヤによりスタート操作がなされると(S3:YES)、CPU10は、第1抽選処理を実行し(S24)、続いて第2抽選処理を実行する(S25)。
【0087】
S24の第1抽選処理においても、先述した実施形態と同様に、当たりおよび外れのうちのいずれかが第1抽選結果として得られる。S25の第2抽選処理も、先述した実施形態と同様に、メダルを付与する旨の当たりか、もしくはメダルを付与しない旨の外れかが第2抽選結果として得られる。
【0088】
第1抽選結果が当たりの場合(S26:YES)、CPU10は、S27,S28,S30の処理を実行し、ノーマルゲームモードの制御処理を終える。すなわち、この場合は、たとえば図10に示すような当たりの組み合わせとなる停止絵柄P’が表示され、それに応じたメダル付与数がクレジット数に加算される。
【0089】
一方、S26において、第1抽選結果が外れの場合(S26:NO)、CPU10は、S33〜S37)の処理を実行し、ノーマルゲームモードの制御処理を終える。この場合には、図9に示すような外れの停止絵柄P’が表示されるが(S34)、さらにその後、図13に示すような演出画像が表示され(S36)、メダルアイテムS3に応じたメダル付与数がクレジット数に加算される場合がある(S37)。
【0090】
したがって、図18に示すノーマルゲームモードの処理によっても、外れの表示後に当たりとなる可能性があり、プレイヤはそうなるかもしれないという期待感を持つことができ、先述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0092】
たとえば、図15あるいは図18に示すS25の第2抽選処理は、S34の外れの停止絵柄が表示された後、CPUによって実行されるようにしてもよい。この場合、S34の処理後にプレイヤにある種の操作、たとえばボタンを連打する操作やミニゲームに係る操作を行わせ、その操作結果に応じて当選確率をアップさせるといったことを行うことができる。また、第1抽選処理の抽選後、絵柄が動的に表示されている最中に第2抽選処理が実行されるようにしてもよい。
【0093】
上記実施形態では、3ベット×5ベットラインのスロットゲームが進行するが、たとえば5ベット×5ベットラインのスロットゲームとしてもよい。また、3×3のマトリクス状に並ぶ絵柄Pのそれぞれが独立して動的に表示されるスロットゲームの場合、たとえば画面の縦方向に沿う3本のラインもベットラインとし、3ベット×8ベットラインとしてもよい。
【0094】
上記実施形態では、第2抽選処理の抽選結果が当たりの場合、あらかじめ決められた下段のベットラインに沿う絵柄がメダルアイテムに変えられるが、メダルアイテムとは異なる種類のアイテムを出現させるようにしてもよい。たとえば、さらに高確率の抽選テーブルに切り替えて第1抽選処理が実行されるといった旨の確率変動を告知するアイテムを出現させてもよい。また、メダルアイテムに変化させられる絵柄は、中段や上段のベットラインに沿うものであってもよく、どの位置の絵柄をメダルアイテムに変化させるかを内部抽選によってその都度決めるようにしてもよい。さらに、特定の絵柄、たとえば「タマゴ」の絵柄が表示された場合に限り、その「タマゴ」の絵柄についてのみメダルアイテムに変化させるようにしてもよい。
【0095】
メダルアイテムは、常に一定のメダル付与数を示すものとしてもよいし、メダルアイテムに変化する前の絵柄に示される数をメダル付与数としてもよい。
【0096】
付与される特典は、常にメダルとは限らず、たとえばJP抽選ゲームをする権利や、シューティングゲームにおいて用いられる武器などのアイテムでもよい。
【0097】
ゲーム装置は、機械的に回転する複数のリールを備えた、いわゆるスロットマシンでもよい。
【符号の説明】
【0098】
A ゲーム装置
P 絵柄
P’ 停止絵柄
L1〜L3 ベットライン
1 筐体
2 屋根部
3 画像表示部(表示手段)
4 操作部
5 スピーカ
6 電飾
10 CPU(ゲーム制御手段、第1抽選手段、第2抽選手段、通常抽選手段、特別抽選手段)
11 ROM
12 RAM
13 GPU
14 VRAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールによって複数の絵柄を動的に表示する一方、これら複数の絵柄のいずれかを所定のライン上に並ぶ複数の停止絵柄として表示する表示手段と、
上記複数の停止絵柄の組み合わせとして当たりの組み合わせを記憶している記憶手段と、
上記表示手段に対し、上記複数の絵柄を動的に表示させ、これら複数の絵柄のいずれかを上記複数の停止絵柄として表示させたのち、上記複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典を付与するゲーム制御手段と、
を備えたゲーム装置であって、
上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するか、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う特別抽選手段を、
備えていることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
上記特別抽選手段は、
上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するかについて抽選を行う第1抽選手段と、
上記第1抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとしないとした場合、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う第2抽選手段と、
からなる、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記ゲーム制御手段は、所定の条件が成立して移行する所定のゲームモードにおいて、上記特別抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たり以外の組み合わせとして特典を付与する旨の抽選結果が得られた場合、その抽選結果に応じて特典を付与する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記複数の停止絵柄の組み合わせには、当たりの組み合わせ、およびゲームモード切り替えに係る組み合わせがあり、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせとするか、ゲームモード切り替えに係る組み合わせとするかについて抽選を行う通常抽選手段を備え、上記ゲーム制御手段は、上記通常抽選手段によりゲームモード切り替えとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードに切り替え、上記特別抽選手段による抽選を実行させる、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記ゲーム制御手段は、上記特別抽選手段により、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして、あらかじめ規定された特定の当たりの組み合わせとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードを終了させる、請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記ゲーム制御手段は、上記複数のリールが回転し、その回転方向に沿って上記複数の絵柄が移動するような画像を上記表示手段に表示させるとともに、上記リールの回転方向に対して交差する方向に上記所定のラインを設定し、その所定のライン上に上記複数の停止絵柄が並ぶような画像を上記表示手段に表示させる、請求項1ないし5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし6のいずれかに記載の各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項1】
複数のリールによって複数の絵柄を動的に表示する一方、これら複数の絵柄のいずれかを所定のライン上に並ぶ複数の停止絵柄として表示する表示手段と、
上記複数の停止絵柄の組み合わせとして当たりの組み合わせを記憶している記憶手段と、
上記表示手段に対し、上記複数の絵柄を動的に表示させ、これら複数の絵柄のいずれかを上記複数の停止絵柄として表示させたのち、上記複数の停止絵柄の組み合わせが所定の組み合わせに該当する場合、特典を付与するゲーム制御手段と、
を備えたゲーム装置であって、
上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するか、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う特別抽選手段を、
備えていることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
上記特別抽選手段は、
上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとして特典を付与するかについて抽選を行う第1抽選手段と、
上記第1抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとしないとした場合、当たり以外の組み合わせとして特典を付与しないか、当たり以外の組み合わせであっても特典を付与するかについて抽選を行う第2抽選手段と、
からなる、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記ゲーム制御手段は、所定の条件が成立して移行する所定のゲームモードにおいて、上記特別抽選手段により上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たり以外の組み合わせとして特典を付与する旨の抽選結果が得られた場合、その抽選結果に応じて特典を付与する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記複数の停止絵柄の組み合わせには、当たりの組み合わせ、およびゲームモード切り替えに係る組み合わせがあり、上記複数の停止絵柄の組み合わせを当たりの組み合わせとするか、当たり以外の組み合わせとするか、ゲームモード切り替えに係る組み合わせとするかについて抽選を行う通常抽選手段を備え、上記ゲーム制御手段は、上記通常抽選手段によりゲームモード切り替えとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードに切り替え、上記特別抽選手段による抽選を実行させる、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記ゲーム制御手段は、上記特別抽選手段により、上記複数の停止絵柄の組み合わせとして、あらかじめ規定された特定の当たりの組み合わせとする抽選結果が得られた場合、上記所定のゲームモードを終了させる、請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記ゲーム制御手段は、上記複数のリールが回転し、その回転方向に沿って上記複数の絵柄が移動するような画像を上記表示手段に表示させるとともに、上記リールの回転方向に対して交差する方向に上記所定のラインを設定し、その所定のライン上に上記複数の停止絵柄が並ぶような画像を上記表示手段に表示させる、請求項1ないし5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし6のいずれかに記載の各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−45093(P2012−45093A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188407(P2010−188407)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
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