ゲーム装置およびプログラム
【課題】ステージを進行させる誘因をプレイヤに付与する。
【解決手段】ゲーム装置14Aは、複数のステージTの各々におけるサブステージS毎に区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供する。制御装置32は、各ステージTの複数のサブステージSを順番に指定するように進行度Xを制御し、進行度Xが指定するステージTnの現在のサブステージSmにおいて、ステージTnの最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する。
【解決手段】ゲーム装置14Aは、複数のステージTの各々におけるサブステージS毎に区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供する。制御装置32は、各ステージTの複数のサブステージSを順番に指定するように進行度Xを制御し、進行度Xが指定するステージTnの現在のサブステージSmにおいて、ステージTnの最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムを収集するゲームを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のイベントの実行でプレイヤにアイテムが付与されるゲームが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、洞窟の探索や敵キャラクタとの戦闘等のイベントの達成でステージを進行させる一方、多数のアイテムの何れかを抽選処理で選択する抽選イベントの実行でプレイヤがアイテムを獲得することが可能なゲームが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の技術の抽選イベントでは、プレイヤに付与されるアイテムがプレイ中のステージとは無関係に選定されるため、抽選イベントは、プレイヤがステージを進行させる誘因(プレイヤによるゲームのプレイを促進する誘因)として充分には作用しない。以上の事情を考慮して、本発明は、ステージを進行させる誘因をプレイヤに付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明のゲーム装置(14A,14B)は、複数のステージ(T)の各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するゲーム装置(14A,14B)であって、複数のステージ(T)の何れかを指定するゲームの進行度(X)を制御する進行管理部(32,SD11〜SD15)と、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部(32,E1,E2)とを具備する。以上の構成では、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与されるアイテムが選択されるから、例えばゲームの進行度(X)とは無関係にアイテムが抽選処理により選択される構成と比較すると、ステージ(T)を進行させる誘因をプレイヤに付与してゲームの進行を促進させることが可能である。
【0007】
本発明の好適な態様において、複数のステージ(T)の各々に対応する複数のアイテムは、当該ステージ(T)内のサブステージ(S)毎に区分され、進行管理部(32,SD11〜SD15)は、複数のステージ(T)の何れかにおけるサブステージ(S)を指定する進行度(X)を制御し、抽選処理部(32,E1,E2)は、一のステージ(T)内の第1サブステージ(S)を進行度(X)が指定する場合に、第1サブステージ(S)に対応するアイテムと、一のステージ(T)のうち第1サブステージ(S)の前方の第2サブステージ(S)に対応するアイテムとを含み、かつ、進行度(X)が第2サブステージ(S)を指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与するアイテムを選択する。以上の態様では、第1サブステージ(S)の抽選対象が第1サブステージ(S)の前方の第2サブステージ(S)の抽選対象よりも多数のアイテムを含むから、例えば抽選対象内の各アイテムの選択確率が同等である場合を想定すれば、第1サブステージ(S)に対応するアイテムを獲得できる確率は、第2サブステージ(S)に対応するアイテムを獲得できる確率を下回る。したがって、ステージ(T)内の第2サブステージ(S)では第1サブステージ(S)と比較して、アイテムを獲得するためのイベント(例えば抽選処理)の実行を促進することが可能である。例えば、進行度(X)が指定するサブステージ(S)がステージ(T)内で後方に位置するほど抽選対象の総数が増加するように抽選処理部(32,E1,E2)が抽選対象を管理する構成では、ステージ(T)内でゲームを進行させるほどアイテムの獲得の難易度が上昇するから、アイテムの獲得のためのイベントを促進するという効果は格別に顕著である。
【0008】
ステージ(T)内の後方のサブステージ(S)ほど抽選対象の総数を増加させるための構成は任意であるが、例えば、一のステージ(T)内の第1サブステージ(S)を進行度(X)が指定する場合に、一のステージ(T)内の最初のサブステージ(S1)から第1サブステージ(S)までの複数のサブステージ(S)に対応する複数のアイテムを抽選対象に含める構成が好適である。以上の構成によれば、簡易な構成で確実に抽選対象の総数を増加(単調増加)させることが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様において、抽選処理部(32,E1,E2)は、プレイヤが所有する通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理(E1)により、抽選対象のうちプレイヤに対して未付与のアイテムから、プレイヤに付与されるアイテムを選択する第1抽選部(32,E1)と、第1抽選処理(E1)とは異なる条件で実行される第2抽選処理(E2)により、プレイヤに付与されるアイテムを抽選対象から選択する第2抽選部(32,E2)とを含む。以上の態様では、通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理(E1)と、第1抽選処理(E1)とは異なる条件で実行される第2抽選処理(E2)とを実行可能である。第2抽選処理(E2)は仮想通貨の消費とは異なる条件で実行されるから、第1抽選処理(E1)のみが実行される構成と比較してゲームへの参加を促進することが可能である。また、ステージ(T)内の後方のサブステージ(S)ほどアイテムの獲得の難易度が上昇する構成では特に、プレイヤに対して未付与のアイテムが付与される第1抽選処理(E1)の実行が促進され、実効的な収益化(マネタイズ)が実現されるという利点もある。
【0010】
本発明の好適な態様において、進行管理部(32,SD11〜SD15)は、進行度(X)が指定するステージ(T)の前方のステージ(T)に移行するように進行度(X)を変更可能である。以上の態様では、プレイヤが過去にプレイしたステージ(T)に移行してアイテムの獲得に再挑戦できるという利点がある。
【0011】
本発明の好適な態様において、複数のアイテムの各々は、当該アイテムに対応する1以上のキャラクタの画像で表現され、当該キャラクタに対応するマーク(R)とともに表示される。以上の態様では、各アイテムを表現する画像が、そのアイテムに対応する1以上のキャラクタに対応するマーク(R)を含むから、アイテムの画像を視認したプレイヤが、各アイテムに対応するキャラクタを視覚的かつ直観的に把握できるという利点がある。なお、キャラクタの画像とマークとの位置関係は任意である。例えば、キャラクタの画像にマークを重ねて配置した構成や、キャラクタの画像の近傍(周囲)にマークを配置した構成が採用され得る。また、マークは、プレイヤが視覚的に識別可能な標識(目印)であり、例えば図形や記号や文字がマークの典型例として例示される。
【0012】
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(14A,14B)は、プレイヤに付与された第1アイテムおよび第2アイテムと引換えに、第1アイテムのキャラクタのマーク(R)が有効状態に設定されるとともに第2アイテムのキャラクタのマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムと、第2アイテムのキャラクタのマーク(R)が有効状態に設定されるとともに第1アイテムのキャラクタのマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムと、第1アイテムのキャラクタおよび第2アイテムのキャラクタの双方のマーク(R)が有効状態に設定されたアイテムと、第1アイテムのキャラクタおよび第2アイテムのキャラクタの双方のマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムとの何れかを選択してプレイヤに付与する合成処理部(32,E3)を具備する。以上の態様では、第1アイテムのキャラクタのマーク(R)の有効/無効と第2アイテムのキャラクタのマーク(R)の有効/無効との組合せに応じたアイテムが第1アイテムおよび第2アイテムと引換えにプレイヤに付与されるから、自身の所望のアイテムを獲得するために必要な第1アイテムおよび第2アイテムの組合せをプレイヤが推定できるという利点がある。
【0013】
本発明は、以上の各態様に係るゲーム装置(14A,14B)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(PGM)としても特定される。本発明のプログラム(PGM)は、複数のステージ(T)の各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するために、コンピュータに、複数のステージ(T)の何れかを指定するゲームの進行度(X)を制御する進行管理処理と、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理とを実行させる。以上のプログラム(PGM)によれば、本発明のゲーム装置(14A,14B)と同様の作用および効果が実現される。本発明のプログラム(PGM)は、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
【図2】ステージおよびサブステージとアイテムとの関係を示す模式図である。
【図3】ゲーム画面の模式図である。
【図4】第2抽選処理のフローチャートである。
【図5】各サブステージでの抽選対象の説明図である。
【図6】第1抽選処理のフローチャートである。
【図7】特典付与処理および進行管理処理のフローチャートである。
【図8】合成処理のフローチャートである。
【図9】第3実施形態における基礎アイテムデータの模式図である。
【図10】第3実施形態における合成処理の説明図である。
【図11】第4実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
【図12】変形例における抽選対象の説明図である。
【図13】変形例における抽選対象の説明図である。
【図14】変形例にて獲得アイテム画面に配置されるアイテムの画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、通信網16(例えばインターネット)を介して相互に通信する端末装置12とゲーム装置14Aとを具備する。ゲーム装置14Aは、端末装置12を所有するプレイヤにゲームを提供する。なお、図1では便宜的に1個の端末装置12のみを図示したが、実際には複数の端末装置12が通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。
【0016】
各端末装置12は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末であり、制御装置22と通信装置24と表示装置26と入力装置28とを含んで構成される。制御装置22は、端末装置12の各要素を統括的に制御する。通信装置24は、通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。なお、端末装置12と通信網16との間の通信は典型的には無線通信であるが、例えば据置型のパーソナルコンピュータ等を端末装置12として利用する構成では端末装置12と通信網16とが有線通信する。
【0017】
表示装置26(例えば液晶表示パネル)は、制御装置22による制御のもとで各種の画像を表示する。例えばゲーム装置14Aが提供するゲームの画像(以下「ゲーム画面」という)が表示装置26に表示される。入力装置28は、端末装置12に対する指示をプレイヤが入力するための機器であり、例えばプレイヤが操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置26と一体に構成されたタッチパネルや、端末装置12に対する指示を音声で入力するためのマイクロホンを入力装置28として採用することも可能である。
【0018】
ゲーム装置14Aは、各種のイベントの実行によりアイテムを獲得するゲームを各プレイヤに提供するウェブサーバである。第1実施形態のゲームは、複数の出演者(キャラクタ)が出演するドラマや映画等の映像作品(以下「素材作品」という)を題材としたブラウザゲームであり、素材作品の各シーンの映像を描画したカード(トレーディングカードやブロマイドカード)で表現されるアイテムを獲得しながら進行する。
【0019】
第1実施形態のゲームでは、図2に示すように、素材作品を区分した各話に対応するN個(Nは2以上の自然数)のステージT(T1〜TN)が用意される。第n番目(n=1〜N)のステージTnは、素材作品の第n話を構成する各場面(シーン)に対応するM個のサブステージS(S1〜SM)に区分される。なお、以下の説明では、各ステージTが同数(M個)のサブステージSで構成される場合を便宜的に例示するが、サブステージSの個数MをステージT毎に相違させることも可能である。
【0020】
図1に示すように、ゲーム装置14Aは、制御装置32と記憶装置34と通信装置36とを具備するコンピュータシステムで実現される。制御装置32は、記憶装置34に格納されたプログラムPGMを実行することでゲーム装置14Aの各要素を統括的に制御する。通信装置36は、通信網16を介して各端末装置12と通信する。記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラムPGMや制御装置32が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置34として採用され得る。また、例えば地理的に相異なる位置に設置された複数のサーバ装置で記憶装置34(仮想的な1個の記憶装置)を構成することも可能である。
【0021】
記憶装置34は、プレイヤに付与され得る複数のアイテムを記憶する。具体的には、相異なるアイテムに対応する複数の基礎アイテムデータ(マスターデータ)Qが記憶装置34に記憶される。図1に示すように、各基礎アイテムデータQは、識別符号QIDと属性情報Q1と属性情報Q2と画像データQGとを含んで構成される。なお、第1実施形態では基礎アイテムデータQが単一の記憶装置34に格納された構成を例示するが、複数の記憶装置に各データを分散して保持することも可能である。例えば、各アイテムの画像データQGを他のデータ(QID,Q1,Q2)とは別個の記憶装置に記憶することも可能である。
【0022】
記憶装置34に記憶された複数のアイテムは、複数のクラスC(C1〜C3)に区分される。各クラスCには複数のアイテムが属する。基礎アイテムデータQの属性情報Q1は、アイテムのクラスCを指定する。クラスC1およびクラスC2の各アイテムは、ゲーム内で実行される抽選処理によりプレイヤに付与されるアイテムである。クラスC2は、抽選処理で選択される確率がクラスC1と比較して低いアイテム(レアアイテム)の集合である。なお、クラスC2を、抽選処理での選択確率が相違する複数のクラスに区分することも可能である。
【0023】
図2に示すように、クラスC1の複数のアイテムは、相異なるステージTに対応するN個のグループに区分される。各グループには複数のアイテムが属する。また、各ステージTに対応するグループの複数のアイテムは、そのステージT内の相異なるサブステージSに対応するM個のサブグループに区分される。各サブグループには複数(図2の例示では3個)のアイテムが属する。クラスC1の各アイテムに対応する基礎アイテムデータQの属性情報Q2は、そのアイテムに対応するステージT(グループ)およびサブステージS(サブグループ)を指定する。他方、クラスC2のアイテムはステージT毎に区分される。したがって、クラスC2のアイテムの属性情報Q2は、そのアイテムに対応するステージTを指定する。クラスC2のアイテムはサブステージS毎には区分されないから、属性情報Q2のうちサブステージSの指定を所定の固定値に設定した構成やクラスC2のアイテムについて属性情報Q2のうちサブステージSの指定を省略した構成が採用され得る。なお、第1実施形態では、各サブステージSに対応するアイテムの個数(3個)を共通させた場合を例示するが、サブステージS毎にアイテムの個数を相違させることも可能である。また、クラスC2のアイテムをステージT毎に区分しない構成(何れのステージTでもC2の任意のアイテムを獲得できる構成)も採用され得る。
【0024】
クラスC3は、各ステージTの各サブステージSに対応する複数(N×M個)のアイテムを含んで構成される。クラスC3の各アイテム(以下「特典アイテム」と表記する場合がある)は、各サブステージSで所定の条件が成立した場合に特典としてプレイヤに付与されるアイテムである。具体的には、各ステージTのサブステージSに対応するクラスC1の全部(図2の例示では3個)のアイテムをプレイヤが獲得(コンプリート)した場合に、そのサブステージSに対応する特典アイテムがプレイヤに付与される。クラスC3に属する各特典アイテムの属性情報Q2は、その特典アイテムに対応するステージTおよびサブステージSを指定する。
【0025】
各アイテムの画像データQGは、そのアイテムの画像を指定する。クラスC1またはクラスC3のうち第n番目のステージTnの第m番目(m=1〜M)のサブステージSmに対応する各アイテムの画像データQGは、素材作品のうち第n話を構成する第m番目の場面(シーン)から抽出された画像を示す。例えば各アイテムの画像データQGでは、素材作品の各場面に登場する1人以上の出演者が描画され得る。
【0026】
また、記憶装置34は、ゲームの進行状況に応じたプレイヤデータPをプレイヤ毎に記憶する。プレイヤデータPは、図1に示すように、識別符号PIDと所有アイテムデータP1と獲得履歴データP2と所有通貨データP3と進行度Xと到達度Vを含んで構成される。なお、第1実施形態ではプレイヤデータPの各データが単一の記憶装置34に格納された構成を例示するが、各データを複数の記憶装置に分散して保持することも可能である。例えば、所有通貨データP3を他のデータとは別個の記憶装置に記憶することも可能である。
【0027】
識別符号PIDは、プレイヤを識別するための符号(例えばプレイヤの名前や一意な文字列)である。所有アイテムデータP1は、プレイヤが過去に獲得して現在も所有するアイテムの識別符号QIDを指定する。獲得履歴データP2は、プレイヤによる各アイテムの獲得の履歴(獲得済/未獲得)を示す。例えば、獲得履歴データP2は、プレイヤが過去に獲得したアイテム(現在の所有の有無は不問)の識別符号QIDを指定する。所有アイテムデータP1の内容は、プレイヤが所有するアイテムの消滅により変更されるが、獲得履歴データP2はアイテムの獲得の履歴(獲得済/未獲得)であるから、プレイヤが所有するアイテムが消滅した場合でも変更されない。所有通貨データP3は、プレイヤが所有する仮想通貨の数量を指定する。仮想通貨は、ゲーム内で使用可能な仮想的な通貨価値を意味する。例えば現実の通貨と引換えにプレイヤは仮想通貨を獲得することが可能である。
【0028】
進行度Xは、プレイヤが実際にプレイしている段階(ゲームの進行の度合)を指定する変数である。到達度Vは、プレイヤがプレイした最後の段階(到達点)を指定する変数である。具体的には、進行度Xは、プレイヤが現にプレイしているステージTとサブステージSとを指定し、到達度Vは、プレイヤが過去にプレイしたステージTおよびサブステージSのうち最後(最後方)のステージTおよびサブステージSを指定する。制御装置32は、ゲームの進行とともに進行度Xおよび到達度Vを変化させる。概略的には、各ステージT内で最初のサブステージS1から最後のサブステージSMまで順番にゲームが進行するとともに1個のステージTnの最後のサブステージSMが終了すると次のステージTn+1の最初のサブステージS1に移行する(すなわち、素材作品の各シーンの順番でゲームが進行する)ように進行度Xおよび到達度Vは制御される。進行度Xが指定するステージTは前方(過去)のステージに移行可能であるが(詳細は後述する)、到達度Vはプレイヤが到達した最後方のステージTおよびサブステージSを指定するから、進行度Xが指定するステージTが前方に移行しても到達度Vは変化しない。
【0029】
制御装置32は、入力装置28に対する操作を契機として端末装置12から送信される要求に応じた所定の処理を実行し、処理の結果を示すゲーム画面(ウェブページ)の画像データを通信装置36から端末装置12に送信することで表示装置26にゲーム画面を表示させる。例えばプレイヤがゲームの開始の指示を入力装置28に付与すると、制御装置32は、端末装置12の表示装置26に図3のゲーム画面51を表示させる。ゲーム画面51には複数のボタンB(B1〜B4)が配置される。各ボタンBは、プレイヤが選択的に操作可能な操作子の画像(コマンドボタン)である。制御装置32は、複数のボタンB1〜B4のうちプレイヤが操作したボタンBに対応した処理を実行する。
【0030】
プレイヤは抽選処理の実行でアイテムを獲得することが可能である。抽選処理は、第1抽選処理E1と第2抽選処理2とに区別される。プレイヤは、ボタンB1を操作することで第1抽選処理E1を指示し、ボタンB2を操作することで第2抽選処理E2を指示することが可能である。第1抽選処理E1では、プレイヤに対して過去に付与されていないアイテムが抽選により選択され、第2抽選処理E2では、プレイヤに対する付与済/未付与とは無関係に抽選によりアイテムが選択される。第1抽選処理E1は、プレイヤが所有する通貨価値の消費と引換えに許可され、第2抽選処理E2は所定の実行条件のもとで許可される。第1抽選処理E1の実行に実行条件の成立は不要であり、第2抽選処理E2の実行に通貨価値の消費は不要である。すなわち、通貨価値の消費と引換えに実行条件が解除されると換言することも可能である。以上の説明から理解されるように、第1抽選処理E1と第2抽選処理E2とは実行許可の条件が相違する。
【0031】
図4は、プレイヤがボタンB2(無料抽選)を操作した場合に制御装置32が実行する処理のフローチャートである。図4の処理を開始すると、制御装置32は、実行条件の成否を判定する(SA11)。実行条件は、第2抽選処理E2の実行頻度を制限するための条件である。
【0032】
具体的には、所定の単位時間(例えば2時間)毎の第2抽選処理E2の実行回数が許容回数を下回るという条件が実行条件として設定される。例えばプレイヤが直前に実行した第2抽選処理E2の時刻がプレイヤデータPに設定され、直前の第2抽選処理E2の時刻と現在の時刻とを比較することで実行条件の成否が判定される。なお、第2抽選処理E2の実行条件は適宜に変更される。例えば、第2抽選処理E2の実行間隔(直前の第2抽選処理E2の実行からの経過時間)が許容時間を上回ることを実行条件とすることも可能である。また、第2抽選処理E2の実行頻度を制限するための構成は任意である。例えば、第2抽選処理E2の実行の有無を指定するフラグをプレイヤ毎に設定し、プレイヤが第2抽選処理E2を実行した場合にフラグを有効状態(実施済を意味する数値)に設定するとともに、例えば1日内の所定の時刻が到来した場合に各プレイヤのフラグを一斉に無効状態(未実施を意味する数値)に初期化する構成によれば、第2抽選処理E2の実行時刻をプレイヤ毎に記憶する必要はない。
【0033】
実行条件が成立しない場合(例えば単位時間内の実行回数が許容回数を上回る場合や第1抽選処理E1の実行間隔が許容時間を下回る場合)、制御装置32は、第2抽選処理E2を実行できないことをプレイヤに通知したうえで処理を終了する。他方、実行条件が成立する場合(SA11:YES)、制御装置32は、第2抽選処理E2を実行する(SA12〜SA19)。第2抽選処理E2を開始すると、制御装置32は、クラスC1およびクラスC2の何れかを抽選により選択する(SA12)。具体的には、制御装置32は、例えば所定の範囲内で乱数を発生させてその乱数に対応するクラスCを選択する。ただし、クラスC2の選択確率はクラスC1の選択確率を下回る。そして、制御装置32は、ステップSA12でクラスC1を選択したか否かを判定する(SA13)。
【0034】
クラスC1を選択した場合(SA13:YES)、制御装置32は、クラスC1の複数のアイテムから抽選の候補(以下「抽選対象」という)を選択する(SA14)。第1実施形態では、記憶装置34に記憶された進行度Xに応じて抽選対象が選択される。具体的には、進行度Xが指定するステージTのM個のサブステージS1〜SMのうち進行度Xが指定する現在のサブステージS以前の各サブステージSに対応するアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。
【0035】
図5は、進行度Xと抽選対象との関係を示す模式図である。図5では、各ステージTが5個のサブステージS1〜S5を含む場合(M=5)が例示されている。図5に示すように、例えば進行度Xが第n番目のステージTn内の最初のサブステージS1を指定する場合(X=Tn,S1)、制御装置32は、クラスC1の複数のアイテムのうちステージTnのサブステージS1に対応するアイテム(すなわち属性情報Q2がステージTnのサブステージS1を指定するアイテム)を抽選対象として選択する。
【0036】
また、進行度XがステージTnの第2番目以降のサブステージSmを指定する場合、制御装置32は、図5に示すように、クラスC1の複数のアイテムのうちステージTn内の最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択する。例えば、進行度XがステージTnの第2番目のサブステージS2を指定する場合(X=Tn,S2)には、ステージTn内のサブステージS1およびサブステージS2に対応するアイテムが抽選対象として選択され、進行度XがステージTnの第3番目のサブステージS3を指定する場合(X=Tn,S3)には、ステージTn内のサブステージS1からサブステージS3までの各サブステージSに対応するアイテムが抽選対象として選択される。また、進行度XがステージTn内の最後のサブステージSMを指定する場合(X=Tn,S5)には、ステージTn内の全部(M個)のサブステージS1〜SMに対応するアイテムが抽選対象として選択される。ステージTnの直後のステージTn+1でも同様に、ステージTn+1のうち現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応するアイテムが抽選対象として選択される。
【0037】
以上の説明から理解されるように、進行度Xが指定するステージT毎に抽選対象のアイテムが変更され、進行度Xにより指定される現在のサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数は増加する。
【0038】
制御装置32は、ステップSA14で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SA15)。具体的には、制御装置32は、例えば所定の範囲内で乱数を発生させるとともにその乱数に対応する1個のアイテムを抽選対象から選択する。抽選対象の各アイテムの選択確率は相等しいから、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど、そのサブステージSに対応するアイテムが選択される確率は低下する。
【0039】
他方、ステップSA12でクラスC2を選択した場合(SA13:NO)、制御装置32は、クラスC2の複数のアイテムから抽選対象を選択する(SA16)。具体的には、クラスC2のうち記憶装置34に記憶された進行度Xが指定するステージTに対応する複数のアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。そして、制御装置32は、ステップSA16で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SA17)。
【0040】
制御装置32は、ステップSA15またはステップSA17で選択したアイテムをプレイヤに付与する(SA18)。具体的には、制御装置32が選択したアイテムの識別符号QIDが、プレイヤデータPの所有アイテムデータP1および獲得履歴データP2に追加される。なお、プレイヤの獲得済のアイテムが選択された場合、所有アイテムデータP1に識別符号QIDは追加されるが獲得履歴データP2は変更されない。そして、制御装置32は、プレイヤに付与するアイテムの基礎アイテムデータQの画像データQGを端末装置12に送信することでアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SA19)。以上の説明から理解されるように、制御装置32は、所定の実行条件のもとで仮想通貨の消費なしに実行される第2抽選処理E2により抽選対象からアイテムを選択する要素(第2抽選部)として機能する。
【0041】
図6は、図3のゲーム画面51のボタンB1(有料抽選)をプレイヤが操作した場合に制御装置32が実行する処理のフローチャートである。図6の処理を開始すると、制御装置32は課金処理を実行する(SB11)。課金処理は、プレイヤの所有通貨データP3が指定する仮想通貨から第1抽選処理E1の実行に必要な所定量を減算する処理(すなわち、仮想通貨を支払う処理)である。
【0042】
課金処理を実行すると、制御装置32は、第1抽選処理E1を実行する(SB12〜SB19)。まず、制御装置32は、ステップSA12およびSA13と同様に、クラスC1およびクラスC2の何れかを抽選により選択し(SB12)、クラスC1を選択したか否かを判定する(SB13)。
【0043】
クラスC1を選択した場合(SB13:YES)、制御装置32は、記憶装置34に記憶されたクラスC1の複数のアイテムから進行度Xに応じた抽選対象を選択する(SB14)。具体的には、進行度Xが指定するステージT内のM個のサブステージS1〜SMのうち進行度Xが指定する現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応し、かつ、プレイヤに対して過去に付与されていないアイテム(すなわち獲得履歴データP2に識別符号QIDが登録されていないアイテム)を、制御装置32は抽選対象として選択する。すなわち、前述の第2抽選処理E2では過去のアイテムの獲得状況とは無関係に抽選対象が選択されるのに対し、第1抽選処理E1では、プレイヤが過去に獲得していないアイテムが限定的に抽選対象として選択される。
【0044】
例えば進行度XがステージTnの最初のサブステージS1を指定する場合、制御装置32は、ステージTnのサブステージS1に対応するクラスC1の複数のアイテムのうち獲得履歴データP2に識別符号QIDが登録されていない1個以上のアイテムを抽選対象として選択する。また、進行度XがステージTnの第2番目以降のサブステージSmを指定する場合、制御装置32は、ステージTnの最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムのうち獲得履歴データP2にて未登録の1個以上のアイテムを抽選対象として選択する。したがって、第2抽選処理E2と同様に、進行度Xが指定するステージT毎に抽選対象のアイテムが変更され、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数は増加する。
【0045】
制御装置32は、第2抽選処理E2のステップSA15と同様に、ステップSB14で選択した抽選対象から抽選により1個のアイテムを選択する(SB15)。他方、ステップSB12でクラスC2を選択した場合(SB13:NO)、制御装置32は、クラスC2の複数のアイテムから抽選対象を選択する(SB16)。具体的には、進行度Xが指定するステージTに対応するクラスC2のアイテムのうちプレイヤに対して未付与の1個以上のアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。そして、制御装置32は、ステップSB16で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SB17)。そして、制御装置32は、第2抽選処理E2のステップSA18およびステップSA19と同様に、ステップSB15またはステップSB17で選択したアイテムをプレイヤに付与し(SB18)、そのアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SB19)。以上の説明から理解されるように、制御装置32は、プレイヤが所有する仮想通貨と引換えに実行される第1抽選処理E1により、プレイヤに対して未付与のアイテムを抽選対象から選択する要素(第1抽選部)として機能する。なお、進行度Xが指定するステージTのうち現在のサブステージSmまでの各サブステージSについて未付与のアイテムが存在しない場合(コンプリート済)には、例えばボタンB1の操作が無効化される。また、プレイヤによる確認のうえで第2抽選処理E2と同様の抽選処理を実行することも可能である。
【0046】
制御装置32は、第1抽選処理E1または第2抽選処理E2の実行後に図7の処理を実行する。図7の処理を開始すると、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで、進行度Xが指定する現在のサブステージSの全部(3個)のアイテムが獲得済となったか否かを判定する(SC11)。現在のサブステージSの全部のアイテムが獲得済となった場合(SC11:YES)、制御装置32は、そのサブステージSに対応するクラスC3の特典アイテムをプレイヤに付与する(SC12)。すなわち、特典アイテムの識別符号QIDがプレイヤの所有アイテムデータP1および獲得履歴データP2に追加される。他方、サブステージSの全部のアイテムを獲得していない場合(SC11:NO)には特典アイテムの付与は実行されない。なお、各ステージTに対応する全部のアイテムをプレイヤが獲得した場合に、各サブステージSの特典アイテムとは別にステージT毎に用意された特典アイテムをプレイヤに付与する構成も好適である。
【0047】
また、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを制御するための進行管理処理(SD11〜SD15)を実行する。まず、制御装置32は、現在のサブステージSmから次のサブステージSにゲームを進行させるための第1条件が成立するか否かを判定する(SD11)。第1実施形態では、現在のサブステージSで実行された抽選処理(第1抽選処理E1または第2抽選処理E2)の回数が所定の閾値に到達するという条件が第1条件として設定される。第1条件が成立しない場合(SD11:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを変更せずに進行管理処理を終了する。なお、第1条件の成否の判定に適用される閾値(抽選処理の回数の閾値)をサブステージS毎に個別に設定する(例えばサブステージS毎に相違させる)ことも可能である。例えば、現在のサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数が増加する(すなわち現在のサブステージSに対応するアイテムが選択される確率が低下する)ことを考慮すると、ステージT内の後方のサブステージSほど閾値を大きい数値に設定した構成が好適である。
【0048】
他方、第1条件が成立した場合(SD11:YES)、制御装置32は、現在のサブステージSmがステージT内の最後のサブステージSMであるか否かを判定する(SD12)。現在のサブステージSmが最後のサブステージSMに該当しない場合(SD12:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vが指定するサブステージSを現在のサブステージSmから同じステージT内の次のサブステージSm+1に変更する(SD13)。すなわち、制御装置32は、第1条件の成立を契機として、現在のステージT内でサブステージSmから次のサブステージSm+1にゲームを進行させる。
【0049】
他方、現在のサブステージSmがステージT内の最後のサブステージSMに該当する場合(SD12:YES)、制御装置32は、現在のステージTnから次のステージTn+1にゲームを進行させるための第2条件が成立するか否かを判定する(SD14)。第1実施形態では、素材作品に関連するクイズにプレイヤが正解する(あるいは複数のクイズに対する正解率が閾値を上回る)という条件が第2条件として設定される。すなわち、制御装置32は、素材作品や出演者に関連するクイズを端末装置12の表示装置26に表示させたうえでプレイヤからの回答を受付け、回答が正解である場合には第2条件が成立したと判定する一方、回答が不正解である場合には第2条件が成立しないと判定する。なお、1個のステージTの各サブステージSに対応するM個の特典アイテムのうち所定個(例えば(M−2)個)の特典アイテムを獲得したことを条件としてプレイヤがクイズに参加できる構成も好適である。
【0050】
第2条件が成立する場合(SD14:YES)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vが指定するステージTを現在のステージTnから次のステージTn+1に変更し、かつ、進行度Xおよび到達度Vが指定するサブステージSを現在のサブステージSMからステージTn+1内の最初のサブステージS1に変更する(SD15)。すなわち、制御装置32は、第2条件の成立を契機として、現在のステージTn内の最後のサブステージSMから次のステージTn+1の最初のサブステージS1にゲームを進行させる。他方、第2条件が成立しない場合(SD14:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを変更せずに図7の処理を終了する。
【0051】
以上の説明から理解されるように、制御装置32が進行管理処理(SD11〜SD15)を実行することで、ゲームの進行度Xを制御する要素(進行管理部)が実現される。第1実施形態の制御装置32は、以上に説明したように素材作品内の後方のステージTおよびサブステージSにゲームを進行させるほか、現在のステージTの前方のステージTに移行するように進行度Xを変更することが可能である。具体的には、プレイヤが入力装置28に所定の操作を付与すると、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTを現在のステージTnの直前のステージTn-1に変更するとともに、進行度Xが指定するサブステージSを現在のサブステージSmから移行後のステージTn-1の最後のサブステージSMに変更する。すなわち、プレイヤは、過去にプレイしたステージTに戻って未獲得のアイテムを獲得することが可能である。また、プレイヤが入力装置28に所定の操作を付与すると、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSは、到達度Vが指定するステージTおよびサブステージSに変更される。すなわち、プレイヤは、過去に到達した最後のサブステージSにゲームを進行させることが可能である。
【0052】
図3のゲーム画面51のボタンB3(合成)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、所有アイテムデータP1が指定する複数のアイテム(すなわちプレイヤが過去に獲得して現在も所有しているアイテム)と引換えに他のアイテムをプレイヤに付与する合成処理E3を実行する。図8は、合成処理E3のフローチャートである。
【0053】
ボタンB3を操作したプレイヤは、入力装置28を適宜に操作することで、自身が所有する複数のアイテムから処理対象の2個のアイテム(以下「対象アイテム」という)を任意に選択することが可能である。制御装置32は、2個の対象アイテムの選択を受付ける(SE11)。そして、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSに対応するクラスC1のアイテムを抽選対象として1個のアイテムを抽選により選択する(SE12)。制御装置32は、ステップSE12で選択したアイテムをプレイヤに付与し(SE13)、そのアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SE14)。また、制御装置32は、所有アイテムデータP1が指定する複数のアイテムのうち2個の対象アイテムを無効化する(SE15)。アイテムの無効化には、例えば所有アイテムデータP1から識別符号QIDを削除する方法や、所有アイテムデータP1の各アイテムに設定されたフラグを無効状態に設定する方法が採用される。以上に説明したように、プレイヤは、第1抽選処理E1および第2抽選処理E2のほか、合成処理E3でもアイテムを獲得することが可能である。
【0054】
図3のゲーム画面51のボタンB4(図鑑)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、各サブステージSにて獲得したアイテムをプレイヤが確認するための獲得アイテム画面52を端末装置12の表示装置26に表示させる。例えば進行度Xが指定するサブステージSの獲得アイテム画面52やプレイヤが任意に指定したサブステージSの獲得アイテム画面52が表示される。
【0055】
獲得アイテム画面52は、1個のサブステージに対応する各アイテム(クラスC1またはクラスC3)の獲得状況を表示する画像である。すなわち、獲得済のアイテムについては画像データQGが指定する画像Gが表示され、未獲得のアイテムについては未獲得を示す画像g(例えばアイテムが不明であることを意味する疑問符「?」の画像)が表示される。制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで1個のサブステージSの各アイテムについて獲得済/未獲得を判定し、獲得済のアイテムについては基礎アイテムデータQの画像データQGの画像Gを配置し、未獲得のアイテムについては画像gを配置した獲得アイテム画面52を生成する。なお、クラスC2の各アイテムの獲得状況を示すゲーム画面を表示装置26に表示させることも可能である。
【0056】
以上に説明したように、第1実施形態では、進行度Xが指定するステージT(サブステージS)に対応するアイテムを含む抽選対象から抽選で選択されたアイテムがプレイヤに付与される。すなわち、抽選処理(第1抽選処理E1,第2抽選処理E2)でプレイヤに付与されるアイテムはステージT毎に相違する。したがって、現在のステージTとは無関係のアイテムが抽選処理により選択される構成と比較すると、ステージTを進行させる誘因をプレイヤに付与してゲームの進行を促進させることが可能である。
【0057】
また、第1実施形態では、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数が増加する。すなわち、1個のステージT内でゲームが進行するほど現在のサブステージSに対応するアイテムの選択確率が低下して獲得が困難となる。したがって、ステージT内の各サブステージSで容易にアイテムを獲得できる構成(例えば1個のサブステージSではそのサブステージSに対応するアイテムのみが抽選対象として選択される構成)と比較して、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2の実行を促進することが可能である。第1実施形態では特に、仮想通貨と引換えに許可される第1抽選処理E1を実行することでプレイヤに対して未付与のアイテムが付与されるから、第1抽選処理E1の実行が促進されて有効な収益化(マネタイズ)が実現されるという利点もある。他方、第2抽選処理E2は仮想通貨の消費なしで実行されるから、仮想通貨の消費が必要な第1抽選処理E1のみが実行される構成と比較して多数のプレイヤの参加を促進することが可能である。
【0058】
前述の通り1個のステージT内では後方のサブステージSほどアイテムの獲得が困難になる一方で、新たなステージTに移行した場合には最初のサブステージS1に移行して抽選対象が減少する。すなわち、アイテムの獲得の難易度は新たなステージTに移行するたびに低下する。複数のステージTにわたってアイテムの獲得の難易度が単調に増加する構成では、ゲームの途中でアイテムの獲得に行き詰まり、プレイヤがゲームをやめてしまう可能性がある。第1実施形態では、ステージTが移行するたびにアイテムの獲得の難易度が低下するから、プレイヤがゲームをやめる契機が発生し難い(プレイヤにゲームを継続させることが可能である)という利点もある。
【0059】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0060】
第1実施形態では、抽選処理の回数が閾値に到達することをサブステージSの移行条件(第1条件)とした。第2実施形態では、進行度Xが指定する現在のサブステージSに対応する複数のアイテムのうちプレイヤが獲得したアイテムの割合(以下「獲得率」という)が所定の閾値に到達することが、次のサブステージSに移行するための第1条件として採択される。すなわち、図7のステップSD11において、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで現在のサブステージSのアイテムの獲得率を算定し、獲得率が閾値を上回る場合に第1条件が成立したと判定する一方、獲得率が閾値を下回る場合には第1条件が成立しないと判定する。例えば現在のサブステージSの全部のアイテムを獲得すること(獲得率が100%に到達すること)が第1条件として好適である。
【0061】
また、第1実施形態では、素材作品に関連するクイズにプレイヤが正解することをステージTの移行条件(第2条件)とした。第2実施形態では、進行度Xが指定する現在のステージTに対応するアイテムの獲得率が所定の閾値に到達することが、次のステージTに移行するための第2条件として設定される。すなわち、図7のステップSD14において、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで現在のステージTに対応するアイテムの獲得率を算定し、獲得率が閾値を上回る場合に第2条件が成立したと判定する。
【0062】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、各サブステージSのアイテムの獲得率が閾値に到達しないと次のサブステージSに移行できず、各ステージTのアイテムの獲得率が閾値に到達しないと次のステージTに移行できない。したがって、第1実施形態と比較して、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2の実行が促進されるという利点がある。プレイヤに未付与のアイテムを獲得できる第1抽選処理E1を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0063】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を説明する。図9は、第3実施形態における基礎アイテムデータQの模式図である。図9に示すように、第3実施形態の基礎アイテムデータQは、第1実施形態と同様の要素(QID,Q1,Q2,QG)に属性情報Q3を追加した構成である。属性情報Q3は、画像データQGで描画される画像Gに含まれる1以上の出演者(キャラクタ)を指定する。また、第n番目のステージTn内の第m番目のサブステージSmに対応するアイテムの画像データQGが指定する画像Gは、図9に示すように、素材作品の第n話のうち第m番目の場面の画像で表現され、その場面に登場する出演者を視覚的に識別するための複数(K個)のマークR(R1〜RK)が付加される。なお、素材作品の各場面を描画したカード型の画像の近傍(周囲)にマークRを配置することも可能である。
【0064】
アイテムの画像Gに付加される各マークRは有効状態および無効状態の何れかの状態に設定される。有効状態のマークRと無効状態のマークRとは、相異なる態様で表示されることで視覚的に弁別可能である。例えば、有効状態のマークRは、円形の枠画像の内側を塗り潰した状態で表現され、無効状態のマークRは、枠画像の内側を塗り潰さない状態(透明状態)で表現される。有効状態に設定されたマークRの表示態様(例えば塗りつぶしの色)はマークR毎に相違する。
【0065】
画像データQGが示す画像Gの各マークRは、素材作品に登場する各出演者に対応する。K個のマークRのうち画像Gに描画される出演者に対応するマークRが有効状態に設定され、残余のマークRは無効状態に設定される。例えば図9に示すように、出演者Y1が描画された画像Gでは、K個のマークR1〜RKのうち出演者Y1に対応する第1番目のマークR1が有効状態に設定されるとともに残余のマークR2〜RKは無効状態に設定される。また、例えば出演者Y1および出演者Y2が描画された画像Gでは、K個のマークR1〜RKのうち出演者Y1に対応するマークR1と出演者Y2に対応するマークR2とが有効状態に設定されるとともに残余のマークRは無効状態に設定される。各マークRに対応する出演者が登場しない風景等の画像G(例えば出演者が一人も存在しない画像や、マークRに対応する出演者以外の出演者のみが登場する画像)では、K個のマークR1〜RKが無効状態に設定される。
【0066】
以上に説明した画像データQGは、第1実施形態と同様に、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2や合成処理E3の結果として表示装置26に表示されるとともに(SA19,SB19,SE15)、プレイヤがボタンB4を操作した場合の獲得アイテム画面52にて表示装置26に表示される。画像データQGが示す画像Gが充分に鮮明でない場合や出演者の顔が隠れている場合,あるいは画像データQGが示す画像Gが小型の表示装置26に縮小されて表示される場合には、各アイテムの画像Gのみからでは、その画像Gに描画された出演者をプレイヤが明確に認識できない可能性がある。第3実施形態では、各アイテムの画像Gに描画された出演者に対応するマークRが有効状態に設定されて表示装置26に表示されるから、各アイテムの画像Gに描画された出演者をプレイヤが視覚的かつ直観的に把握できるという利点がある。
【0067】
第3実施形態の合成処理E3(図8)のステップSE12では、ステップSE11でプレイヤが選択した2個の対象アイテムに応じた抽選対象から抽選により1個のアイテムがプレイヤに付与される。図10に示すように、出演者Y1に対応する対象アイテムA1と出演者Y2に対応する対象アイテムA2とをプレイヤが選択した場合を想定してステップSE12の具体的な内容を以下に説明する。図10に示すように、対象アイテムA1の画像Gでは出演者Y1に対応するマークR1が有効状態に設定され、対象アイテムA2の画像Gでは出演者Y2に対応するマークR2が有効状態に設定される。
【0068】
制御装置32は、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムのうち、対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1の有効状態/無効状態と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2の有効状態/無効状態との組合せに応じた以下の4種類のアイテム(図10の部分(a)から部分(d))を抽選対象として設定する。なお、マークR1およびマークR2以外のマークRは無効状態である。
【0069】
[a]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1が有効状態に設定され、対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(a))
[b]対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2が有効状態に設定され、対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(b))。
[c]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2との双方が有効状態に設定されたアイテム(図10の部分(c))。
[d]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2との双方が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(d))。
【0070】
ステップSE12において、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTのうち現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムから、各アイテムの基礎アイテムデータQの属性情報Q3を参照することで、以上の[a]〜[d]のアイテムを含む抽選対象を選択する。[a]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1を指定するアイテムであり、[b]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y2を指定するアイテムであり、[c]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1および出演者Y2の双方を指定するアイテムであり、[d]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1および出演者Y2の何れも指定しないアイテムである。なお、例えば対象アイテムA1および対象アイテムA2の双方が出演者Y1に対応する場合、出演者Y1に対応するマークR1が有効状態に設定された[a]のアイテムとマークR1が無効状態に設定された[d]のアイテムとが抽選対象として選択される。制御装置32は、以上の条件で設定した抽選対象から、プレイヤに付与される1個のアイテムを抽選により選択する。ステップSE13以降の処理は第1実施形態と同様である。
【0071】
また、プレイヤZ1が入力装置28に所定の操作を付与すると、制御装置32は、プレイヤZ1が指定した他のプレイヤZ2の獲得履歴データP2に応じた獲得アイテム画面52をプレイヤZ1の端末装置12の表示装置26に表示させる。ただし、プレイヤZ2の取得済のアイテムのうちプレイヤZ1の到達度Vが指定する現在のサブステージS以前の各サブステージSに対応するアイテムのみを表示装置26に表示する構成(すなわちプレイヤZ1が未だ到達していないサブステージSのアイテムはプレイヤZ1に見せない構成)が好適である。
【0072】
プレイヤZ2の獲得アイテム画面52を視認することで、プレイヤZ1は、自身がまだ獲得していないアイテム(プレイヤZ2の獲得済のアイテム)の画像Gに付加されたマークRを確認することが可能である。したがって、プレイヤZ1は、自身の未獲得のアイテムを合成するための素材となる対象アイテムの組合せを推定できる。例えば、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52のうちプレイヤZ1の未獲得のアイテムAxについてマークR1とマークR2とが有効状態に設定されている場合、プレイヤZ1は、マークR1が有効状態に設定されたアイテムとマークR2が有効状態に設定されたアイテムとを合成処理E3の対象アイテムとして選択することで所望のアイテムAxを獲得できる可能性が高いと推定できる。ただし、前述の説明から理解されるように、所望のアイテムAx以外のアイテムが選択される可能性もある。
【0073】
第3実施形態では、描画対象の出演者を示すマークRが画像データQGの画像Gに付加され、対象アイテムの各マークRの有効状態/無効状態の各組合せに対応するアイテムを抽選対象として、合成処理E3でプレイヤに付与されるアイテムが選択される。したがって、自身の所望のアイテムを獲得するために必要な対象アイテムの組合せをプレイヤが推定できるという利点がある。
【0074】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態のゲーム装置14Bのブロック図である。ゲーム装置14Bは、第1実施形態と同様のゲームをプレイヤ(所有者)にプレイさせる電子機器である。例えば携帯電話機や携帯情報端末等の携帯機器がゲーム装置14Bとして好適である。図11に示すように、ゲーム装置14Bは、制御装置32と記憶装置34と表示装置26と入力装置28とを具備する。
【0075】
記憶装置34は、第1実施形態と同様に、プログラムPGMとプレイヤデータPと複数の基礎アイテムデータQとを記憶する。制御装置32は、プログラムPGMを実行することで第1実施形態と同様に動作する。以上の説明から理解される通り、第4実施形態のゲーム装置14Bは、第1実施形態のゲーム装置14Aが提供するゲームを装置単体でプレイヤに提供する機器として機能する。したがって、第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0076】
<変形例>
前述の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0077】
(1)前述の各形態の第1抽選処理E1および第2抽選処理E2では、図5を参照して説明した通り、ステージTn内の最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択したが、抽選対象のアイテムの個数をサブステージS毎に制御する方法は適宜に変更される。
【0078】
例えば図12に示すように、ステージTn内の特定のサブステージS以降の各サブステージSでは、ステージTn内の先頭から所定個のサブステージSのアイテムを抽選対象から除外することも可能である。図12では、ステージTn内のサブステージS4およびサブステージS5の抽選対象からサブステージS1のアイテムを除外する場合が例示されている。また、図13に示すように、抽選対象のアイテムの個数(抽選対象のアイテムに対応するサブステージSの個数)が複数のサブステージSにわたって変化しない構成も採用される。図13では、サブステージS3以降の各サブステージSmにおいて、現在のサブステージSm以前の3個のサブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択する場合が例示されている。また、ステージTn内の特定のサブステージSにおいて、抽選対象のアイテムの個数を前後のサブステージSと比較して減少させることも可能である。すなわち、各サブステージSでの抽選対象のアイテムの個数がステージT内で単調増加する構成は本発明において必須ではない。
【0079】
以上の例示から理解されるように、進行度Xが指定するステージTn内のサブステージSAでの抽選対象は、サブステージSAに対応するアイテムと、そのステージTn内でサブステージSAの前方に位置するサブステージSBに対応するアイテムとを含み、かつ、進行度XがサブステージSBを指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含むように選定される。
【0080】
(2)前述の各形態では、第1抽選処理E1のステップSB14および第2抽選処理E2のステップSA14にてクラスC1のアイテムのみを抽選対象として選択したが、抽選対象がクラスC1以外のアイテムを含む構成も採用される。例えば、複数のステージTや複数のサブステージSにわたって共通のアイテム(ステージTやサブステージSに区分されないアイテム)をクラスC1のアイテムとともに抽選対象に含ませることも可能である。
【0081】
(3)第3実施形態では、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52をプレイヤZ1の端末装置12の表示装置26に表示させたが、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52をプレイヤZ1が確認した場合に、プレイヤZ1が未獲得のアイテムのうちプレイヤZ2が獲得済のアイテムの画像Gを、プレイヤZ1の獲得アイテム画面52に配置してプレイヤZ1の端末装置12に表示させることも可能である。例えば図14に示すように、他人の獲得アイテム画面52で確認済であることを示す画像(図14の例示では“watched”という文字)が付加された画像Gが、プレイヤZ1の獲得アイテム画面52のうち当該画像Gに対応する位置に配置される。以上の構成によれば、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52を一度でも確認すれば、以後は、プレイヤZ1の自身の獲得アイテム画面52を確認することで、未獲得のアイテムを合成するための素材となる対象アイテムの組合せを推定できるという利点がある。
【0082】
(4)前述の各形態では、第1抽選処理E1および第2抽選処理E2のなかでクラスC2のアイテムもプレイヤに付与され得る構成を例示したが、クラスC2のアイテムを付与する抽選処理(以下「第3抽選処理」という)を第1抽選処理E1および第2抽選処理E2とは個別に実行することも可能である。すなわち、第1抽選処理E1と第2抽選処理E2と第3抽選処理とが例えばプレイヤからの指示に応じて選択的に実行される。第1抽選処理E1および第2抽選処理E2ではクラスC1のアイテムのみが抽選対象として選択され、クラスC2のアイテム(レアアイテム)を抽選対象とする第3抽選処理は、例えば、第1抽選処理E1と同様に仮想通貨の消費と引換えに実行される。
【0083】
(5)前述の各形態では、第2抽選処理E2の実行条件として実行頻度の条件(時間的な制約)を例示したが、第2抽選処理E2の実行条件は適宜に変更される。すなわち、前述の実行頻度の条件とともにまたはこの条件に代えて他の実行条件が成立した場合に第2抽選処理E2を許可することも可能である。例えばゲーム内の各種のイベントの達成でポイントが蓄積される構成では、ポイントの所定量と引換えに第2抽選処理E2の実行を許可する構成(ポイントの消費を実行条件に含む構成)も採用され得る。
【0084】
(6)前述の第3実施形態では、円形の枠画像の内側が塗り潰された状態をマークRの有効状態とし、枠画像の内側が塗り潰されていない状態をマークRの無効状態として例示したが、マークRの有効状態/無効状態は以上の例示に限定されない。例えば、有効状態でマークRを表示し、無効状態でマークRを非表示とすることも可能である。
【符号の説明】
【0085】
100……ゲームシステム、12……端末装置、14A,14B……ゲーム装置、16……通信網、22……制御装置、24……通信装置、26……表示装置、28……入力装置、32……制御装置、34……記憶装置、36……通信装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムを収集するゲームを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のイベントの実行でプレイヤにアイテムが付与されるゲームが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、洞窟の探索や敵キャラクタとの戦闘等のイベントの達成でステージを進行させる一方、多数のアイテムの何れかを抽選処理で選択する抽選イベントの実行でプレイヤがアイテムを獲得することが可能なゲームが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の技術の抽選イベントでは、プレイヤに付与されるアイテムがプレイ中のステージとは無関係に選定されるため、抽選イベントは、プレイヤがステージを進行させる誘因(プレイヤによるゲームのプレイを促進する誘因)として充分には作用しない。以上の事情を考慮して、本発明は、ステージを進行させる誘因をプレイヤに付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明のゲーム装置(14A,14B)は、複数のステージ(T)の各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するゲーム装置(14A,14B)であって、複数のステージ(T)の何れかを指定するゲームの進行度(X)を制御する進行管理部(32,SD11〜SD15)と、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部(32,E1,E2)とを具備する。以上の構成では、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与されるアイテムが選択されるから、例えばゲームの進行度(X)とは無関係にアイテムが抽選処理により選択される構成と比較すると、ステージ(T)を進行させる誘因をプレイヤに付与してゲームの進行を促進させることが可能である。
【0007】
本発明の好適な態様において、複数のステージ(T)の各々に対応する複数のアイテムは、当該ステージ(T)内のサブステージ(S)毎に区分され、進行管理部(32,SD11〜SD15)は、複数のステージ(T)の何れかにおけるサブステージ(S)を指定する進行度(X)を制御し、抽選処理部(32,E1,E2)は、一のステージ(T)内の第1サブステージ(S)を進行度(X)が指定する場合に、第1サブステージ(S)に対応するアイテムと、一のステージ(T)のうち第1サブステージ(S)の前方の第2サブステージ(S)に対応するアイテムとを含み、かつ、進行度(X)が第2サブステージ(S)を指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与するアイテムを選択する。以上の態様では、第1サブステージ(S)の抽選対象が第1サブステージ(S)の前方の第2サブステージ(S)の抽選対象よりも多数のアイテムを含むから、例えば抽選対象内の各アイテムの選択確率が同等である場合を想定すれば、第1サブステージ(S)に対応するアイテムを獲得できる確率は、第2サブステージ(S)に対応するアイテムを獲得できる確率を下回る。したがって、ステージ(T)内の第2サブステージ(S)では第1サブステージ(S)と比較して、アイテムを獲得するためのイベント(例えば抽選処理)の実行を促進することが可能である。例えば、進行度(X)が指定するサブステージ(S)がステージ(T)内で後方に位置するほど抽選対象の総数が増加するように抽選処理部(32,E1,E2)が抽選対象を管理する構成では、ステージ(T)内でゲームを進行させるほどアイテムの獲得の難易度が上昇するから、アイテムの獲得のためのイベントを促進するという効果は格別に顕著である。
【0008】
ステージ(T)内の後方のサブステージ(S)ほど抽選対象の総数を増加させるための構成は任意であるが、例えば、一のステージ(T)内の第1サブステージ(S)を進行度(X)が指定する場合に、一のステージ(T)内の最初のサブステージ(S1)から第1サブステージ(S)までの複数のサブステージ(S)に対応する複数のアイテムを抽選対象に含める構成が好適である。以上の構成によれば、簡易な構成で確実に抽選対象の総数を増加(単調増加)させることが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様において、抽選処理部(32,E1,E2)は、プレイヤが所有する通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理(E1)により、抽選対象のうちプレイヤに対して未付与のアイテムから、プレイヤに付与されるアイテムを選択する第1抽選部(32,E1)と、第1抽選処理(E1)とは異なる条件で実行される第2抽選処理(E2)により、プレイヤに付与されるアイテムを抽選対象から選択する第2抽選部(32,E2)とを含む。以上の態様では、通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理(E1)と、第1抽選処理(E1)とは異なる条件で実行される第2抽選処理(E2)とを実行可能である。第2抽選処理(E2)は仮想通貨の消費とは異なる条件で実行されるから、第1抽選処理(E1)のみが実行される構成と比較してゲームへの参加を促進することが可能である。また、ステージ(T)内の後方のサブステージ(S)ほどアイテムの獲得の難易度が上昇する構成では特に、プレイヤに対して未付与のアイテムが付与される第1抽選処理(E1)の実行が促進され、実効的な収益化(マネタイズ)が実現されるという利点もある。
【0010】
本発明の好適な態様において、進行管理部(32,SD11〜SD15)は、進行度(X)が指定するステージ(T)の前方のステージ(T)に移行するように進行度(X)を変更可能である。以上の態様では、プレイヤが過去にプレイしたステージ(T)に移行してアイテムの獲得に再挑戦できるという利点がある。
【0011】
本発明の好適な態様において、複数のアイテムの各々は、当該アイテムに対応する1以上のキャラクタの画像で表現され、当該キャラクタに対応するマーク(R)とともに表示される。以上の態様では、各アイテムを表現する画像が、そのアイテムに対応する1以上のキャラクタに対応するマーク(R)を含むから、アイテムの画像を視認したプレイヤが、各アイテムに対応するキャラクタを視覚的かつ直観的に把握できるという利点がある。なお、キャラクタの画像とマークとの位置関係は任意である。例えば、キャラクタの画像にマークを重ねて配置した構成や、キャラクタの画像の近傍(周囲)にマークを配置した構成が採用され得る。また、マークは、プレイヤが視覚的に識別可能な標識(目印)であり、例えば図形や記号や文字がマークの典型例として例示される。
【0012】
本発明の好適な態様に係るゲーム装置(14A,14B)は、プレイヤに付与された第1アイテムおよび第2アイテムと引換えに、第1アイテムのキャラクタのマーク(R)が有効状態に設定されるとともに第2アイテムのキャラクタのマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムと、第2アイテムのキャラクタのマーク(R)が有効状態に設定されるとともに第1アイテムのキャラクタのマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムと、第1アイテムのキャラクタおよび第2アイテムのキャラクタの双方のマーク(R)が有効状態に設定されたアイテムと、第1アイテムのキャラクタおよび第2アイテムのキャラクタの双方のマーク(R)が無効状態に設定されたアイテムとの何れかを選択してプレイヤに付与する合成処理部(32,E3)を具備する。以上の態様では、第1アイテムのキャラクタのマーク(R)の有効/無効と第2アイテムのキャラクタのマーク(R)の有効/無効との組合せに応じたアイテムが第1アイテムおよび第2アイテムと引換えにプレイヤに付与されるから、自身の所望のアイテムを獲得するために必要な第1アイテムおよび第2アイテムの組合せをプレイヤが推定できるという利点がある。
【0013】
本発明は、以上の各態様に係るゲーム装置(14A,14B)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(PGM)としても特定される。本発明のプログラム(PGM)は、複数のステージ(T)の各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するために、コンピュータに、複数のステージ(T)の何れかを指定するゲームの進行度(X)を制御する進行管理処理と、進行度(X)が指定するステージ(T)に対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理とを実行させる。以上のプログラム(PGM)によれば、本発明のゲーム装置(14A,14B)と同様の作用および効果が実現される。本発明のプログラム(PGM)は、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
【図2】ステージおよびサブステージとアイテムとの関係を示す模式図である。
【図3】ゲーム画面の模式図である。
【図4】第2抽選処理のフローチャートである。
【図5】各サブステージでの抽選対象の説明図である。
【図6】第1抽選処理のフローチャートである。
【図7】特典付与処理および進行管理処理のフローチャートである。
【図8】合成処理のフローチャートである。
【図9】第3実施形態における基礎アイテムデータの模式図である。
【図10】第3実施形態における合成処理の説明図である。
【図11】第4実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
【図12】変形例における抽選対象の説明図である。
【図13】変形例における抽選対象の説明図である。
【図14】変形例にて獲得アイテム画面に配置されるアイテムの画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、通信網16(例えばインターネット)を介して相互に通信する端末装置12とゲーム装置14Aとを具備する。ゲーム装置14Aは、端末装置12を所有するプレイヤにゲームを提供する。なお、図1では便宜的に1個の端末装置12のみを図示したが、実際には複数の端末装置12が通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。
【0016】
各端末装置12は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末であり、制御装置22と通信装置24と表示装置26と入力装置28とを含んで構成される。制御装置22は、端末装置12の各要素を統括的に制御する。通信装置24は、通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。なお、端末装置12と通信網16との間の通信は典型的には無線通信であるが、例えば据置型のパーソナルコンピュータ等を端末装置12として利用する構成では端末装置12と通信網16とが有線通信する。
【0017】
表示装置26(例えば液晶表示パネル)は、制御装置22による制御のもとで各種の画像を表示する。例えばゲーム装置14Aが提供するゲームの画像(以下「ゲーム画面」という)が表示装置26に表示される。入力装置28は、端末装置12に対する指示をプレイヤが入力するための機器であり、例えばプレイヤが操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置26と一体に構成されたタッチパネルや、端末装置12に対する指示を音声で入力するためのマイクロホンを入力装置28として採用することも可能である。
【0018】
ゲーム装置14Aは、各種のイベントの実行によりアイテムを獲得するゲームを各プレイヤに提供するウェブサーバである。第1実施形態のゲームは、複数の出演者(キャラクタ)が出演するドラマや映画等の映像作品(以下「素材作品」という)を題材としたブラウザゲームであり、素材作品の各シーンの映像を描画したカード(トレーディングカードやブロマイドカード)で表現されるアイテムを獲得しながら進行する。
【0019】
第1実施形態のゲームでは、図2に示すように、素材作品を区分した各話に対応するN個(Nは2以上の自然数)のステージT(T1〜TN)が用意される。第n番目(n=1〜N)のステージTnは、素材作品の第n話を構成する各場面(シーン)に対応するM個のサブステージS(S1〜SM)に区分される。なお、以下の説明では、各ステージTが同数(M個)のサブステージSで構成される場合を便宜的に例示するが、サブステージSの個数MをステージT毎に相違させることも可能である。
【0020】
図1に示すように、ゲーム装置14Aは、制御装置32と記憶装置34と通信装置36とを具備するコンピュータシステムで実現される。制御装置32は、記憶装置34に格納されたプログラムPGMを実行することでゲーム装置14Aの各要素を統括的に制御する。通信装置36は、通信網16を介して各端末装置12と通信する。記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラムPGMや制御装置32が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置34として採用され得る。また、例えば地理的に相異なる位置に設置された複数のサーバ装置で記憶装置34(仮想的な1個の記憶装置)を構成することも可能である。
【0021】
記憶装置34は、プレイヤに付与され得る複数のアイテムを記憶する。具体的には、相異なるアイテムに対応する複数の基礎アイテムデータ(マスターデータ)Qが記憶装置34に記憶される。図1に示すように、各基礎アイテムデータQは、識別符号QIDと属性情報Q1と属性情報Q2と画像データQGとを含んで構成される。なお、第1実施形態では基礎アイテムデータQが単一の記憶装置34に格納された構成を例示するが、複数の記憶装置に各データを分散して保持することも可能である。例えば、各アイテムの画像データQGを他のデータ(QID,Q1,Q2)とは別個の記憶装置に記憶することも可能である。
【0022】
記憶装置34に記憶された複数のアイテムは、複数のクラスC(C1〜C3)に区分される。各クラスCには複数のアイテムが属する。基礎アイテムデータQの属性情報Q1は、アイテムのクラスCを指定する。クラスC1およびクラスC2の各アイテムは、ゲーム内で実行される抽選処理によりプレイヤに付与されるアイテムである。クラスC2は、抽選処理で選択される確率がクラスC1と比較して低いアイテム(レアアイテム)の集合である。なお、クラスC2を、抽選処理での選択確率が相違する複数のクラスに区分することも可能である。
【0023】
図2に示すように、クラスC1の複数のアイテムは、相異なるステージTに対応するN個のグループに区分される。各グループには複数のアイテムが属する。また、各ステージTに対応するグループの複数のアイテムは、そのステージT内の相異なるサブステージSに対応するM個のサブグループに区分される。各サブグループには複数(図2の例示では3個)のアイテムが属する。クラスC1の各アイテムに対応する基礎アイテムデータQの属性情報Q2は、そのアイテムに対応するステージT(グループ)およびサブステージS(サブグループ)を指定する。他方、クラスC2のアイテムはステージT毎に区分される。したがって、クラスC2のアイテムの属性情報Q2は、そのアイテムに対応するステージTを指定する。クラスC2のアイテムはサブステージS毎には区分されないから、属性情報Q2のうちサブステージSの指定を所定の固定値に設定した構成やクラスC2のアイテムについて属性情報Q2のうちサブステージSの指定を省略した構成が採用され得る。なお、第1実施形態では、各サブステージSに対応するアイテムの個数(3個)を共通させた場合を例示するが、サブステージS毎にアイテムの個数を相違させることも可能である。また、クラスC2のアイテムをステージT毎に区分しない構成(何れのステージTでもC2の任意のアイテムを獲得できる構成)も採用され得る。
【0024】
クラスC3は、各ステージTの各サブステージSに対応する複数(N×M個)のアイテムを含んで構成される。クラスC3の各アイテム(以下「特典アイテム」と表記する場合がある)は、各サブステージSで所定の条件が成立した場合に特典としてプレイヤに付与されるアイテムである。具体的には、各ステージTのサブステージSに対応するクラスC1の全部(図2の例示では3個)のアイテムをプレイヤが獲得(コンプリート)した場合に、そのサブステージSに対応する特典アイテムがプレイヤに付与される。クラスC3に属する各特典アイテムの属性情報Q2は、その特典アイテムに対応するステージTおよびサブステージSを指定する。
【0025】
各アイテムの画像データQGは、そのアイテムの画像を指定する。クラスC1またはクラスC3のうち第n番目のステージTnの第m番目(m=1〜M)のサブステージSmに対応する各アイテムの画像データQGは、素材作品のうち第n話を構成する第m番目の場面(シーン)から抽出された画像を示す。例えば各アイテムの画像データQGでは、素材作品の各場面に登場する1人以上の出演者が描画され得る。
【0026】
また、記憶装置34は、ゲームの進行状況に応じたプレイヤデータPをプレイヤ毎に記憶する。プレイヤデータPは、図1に示すように、識別符号PIDと所有アイテムデータP1と獲得履歴データP2と所有通貨データP3と進行度Xと到達度Vを含んで構成される。なお、第1実施形態ではプレイヤデータPの各データが単一の記憶装置34に格納された構成を例示するが、各データを複数の記憶装置に分散して保持することも可能である。例えば、所有通貨データP3を他のデータとは別個の記憶装置に記憶することも可能である。
【0027】
識別符号PIDは、プレイヤを識別するための符号(例えばプレイヤの名前や一意な文字列)である。所有アイテムデータP1は、プレイヤが過去に獲得して現在も所有するアイテムの識別符号QIDを指定する。獲得履歴データP2は、プレイヤによる各アイテムの獲得の履歴(獲得済/未獲得)を示す。例えば、獲得履歴データP2は、プレイヤが過去に獲得したアイテム(現在の所有の有無は不問)の識別符号QIDを指定する。所有アイテムデータP1の内容は、プレイヤが所有するアイテムの消滅により変更されるが、獲得履歴データP2はアイテムの獲得の履歴(獲得済/未獲得)であるから、プレイヤが所有するアイテムが消滅した場合でも変更されない。所有通貨データP3は、プレイヤが所有する仮想通貨の数量を指定する。仮想通貨は、ゲーム内で使用可能な仮想的な通貨価値を意味する。例えば現実の通貨と引換えにプレイヤは仮想通貨を獲得することが可能である。
【0028】
進行度Xは、プレイヤが実際にプレイしている段階(ゲームの進行の度合)を指定する変数である。到達度Vは、プレイヤがプレイした最後の段階(到達点)を指定する変数である。具体的には、進行度Xは、プレイヤが現にプレイしているステージTとサブステージSとを指定し、到達度Vは、プレイヤが過去にプレイしたステージTおよびサブステージSのうち最後(最後方)のステージTおよびサブステージSを指定する。制御装置32は、ゲームの進行とともに進行度Xおよび到達度Vを変化させる。概略的には、各ステージT内で最初のサブステージS1から最後のサブステージSMまで順番にゲームが進行するとともに1個のステージTnの最後のサブステージSMが終了すると次のステージTn+1の最初のサブステージS1に移行する(すなわち、素材作品の各シーンの順番でゲームが進行する)ように進行度Xおよび到達度Vは制御される。進行度Xが指定するステージTは前方(過去)のステージに移行可能であるが(詳細は後述する)、到達度Vはプレイヤが到達した最後方のステージTおよびサブステージSを指定するから、進行度Xが指定するステージTが前方に移行しても到達度Vは変化しない。
【0029】
制御装置32は、入力装置28に対する操作を契機として端末装置12から送信される要求に応じた所定の処理を実行し、処理の結果を示すゲーム画面(ウェブページ)の画像データを通信装置36から端末装置12に送信することで表示装置26にゲーム画面を表示させる。例えばプレイヤがゲームの開始の指示を入力装置28に付与すると、制御装置32は、端末装置12の表示装置26に図3のゲーム画面51を表示させる。ゲーム画面51には複数のボタンB(B1〜B4)が配置される。各ボタンBは、プレイヤが選択的に操作可能な操作子の画像(コマンドボタン)である。制御装置32は、複数のボタンB1〜B4のうちプレイヤが操作したボタンBに対応した処理を実行する。
【0030】
プレイヤは抽選処理の実行でアイテムを獲得することが可能である。抽選処理は、第1抽選処理E1と第2抽選処理2とに区別される。プレイヤは、ボタンB1を操作することで第1抽選処理E1を指示し、ボタンB2を操作することで第2抽選処理E2を指示することが可能である。第1抽選処理E1では、プレイヤに対して過去に付与されていないアイテムが抽選により選択され、第2抽選処理E2では、プレイヤに対する付与済/未付与とは無関係に抽選によりアイテムが選択される。第1抽選処理E1は、プレイヤが所有する通貨価値の消費と引換えに許可され、第2抽選処理E2は所定の実行条件のもとで許可される。第1抽選処理E1の実行に実行条件の成立は不要であり、第2抽選処理E2の実行に通貨価値の消費は不要である。すなわち、通貨価値の消費と引換えに実行条件が解除されると換言することも可能である。以上の説明から理解されるように、第1抽選処理E1と第2抽選処理E2とは実行許可の条件が相違する。
【0031】
図4は、プレイヤがボタンB2(無料抽選)を操作した場合に制御装置32が実行する処理のフローチャートである。図4の処理を開始すると、制御装置32は、実行条件の成否を判定する(SA11)。実行条件は、第2抽選処理E2の実行頻度を制限するための条件である。
【0032】
具体的には、所定の単位時間(例えば2時間)毎の第2抽選処理E2の実行回数が許容回数を下回るという条件が実行条件として設定される。例えばプレイヤが直前に実行した第2抽選処理E2の時刻がプレイヤデータPに設定され、直前の第2抽選処理E2の時刻と現在の時刻とを比較することで実行条件の成否が判定される。なお、第2抽選処理E2の実行条件は適宜に変更される。例えば、第2抽選処理E2の実行間隔(直前の第2抽選処理E2の実行からの経過時間)が許容時間を上回ることを実行条件とすることも可能である。また、第2抽選処理E2の実行頻度を制限するための構成は任意である。例えば、第2抽選処理E2の実行の有無を指定するフラグをプレイヤ毎に設定し、プレイヤが第2抽選処理E2を実行した場合にフラグを有効状態(実施済を意味する数値)に設定するとともに、例えば1日内の所定の時刻が到来した場合に各プレイヤのフラグを一斉に無効状態(未実施を意味する数値)に初期化する構成によれば、第2抽選処理E2の実行時刻をプレイヤ毎に記憶する必要はない。
【0033】
実行条件が成立しない場合(例えば単位時間内の実行回数が許容回数を上回る場合や第1抽選処理E1の実行間隔が許容時間を下回る場合)、制御装置32は、第2抽選処理E2を実行できないことをプレイヤに通知したうえで処理を終了する。他方、実行条件が成立する場合(SA11:YES)、制御装置32は、第2抽選処理E2を実行する(SA12〜SA19)。第2抽選処理E2を開始すると、制御装置32は、クラスC1およびクラスC2の何れかを抽選により選択する(SA12)。具体的には、制御装置32は、例えば所定の範囲内で乱数を発生させてその乱数に対応するクラスCを選択する。ただし、クラスC2の選択確率はクラスC1の選択確率を下回る。そして、制御装置32は、ステップSA12でクラスC1を選択したか否かを判定する(SA13)。
【0034】
クラスC1を選択した場合(SA13:YES)、制御装置32は、クラスC1の複数のアイテムから抽選の候補(以下「抽選対象」という)を選択する(SA14)。第1実施形態では、記憶装置34に記憶された進行度Xに応じて抽選対象が選択される。具体的には、進行度Xが指定するステージTのM個のサブステージS1〜SMのうち進行度Xが指定する現在のサブステージS以前の各サブステージSに対応するアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。
【0035】
図5は、進行度Xと抽選対象との関係を示す模式図である。図5では、各ステージTが5個のサブステージS1〜S5を含む場合(M=5)が例示されている。図5に示すように、例えば進行度Xが第n番目のステージTn内の最初のサブステージS1を指定する場合(X=Tn,S1)、制御装置32は、クラスC1の複数のアイテムのうちステージTnのサブステージS1に対応するアイテム(すなわち属性情報Q2がステージTnのサブステージS1を指定するアイテム)を抽選対象として選択する。
【0036】
また、進行度XがステージTnの第2番目以降のサブステージSmを指定する場合、制御装置32は、図5に示すように、クラスC1の複数のアイテムのうちステージTn内の最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択する。例えば、進行度XがステージTnの第2番目のサブステージS2を指定する場合(X=Tn,S2)には、ステージTn内のサブステージS1およびサブステージS2に対応するアイテムが抽選対象として選択され、進行度XがステージTnの第3番目のサブステージS3を指定する場合(X=Tn,S3)には、ステージTn内のサブステージS1からサブステージS3までの各サブステージSに対応するアイテムが抽選対象として選択される。また、進行度XがステージTn内の最後のサブステージSMを指定する場合(X=Tn,S5)には、ステージTn内の全部(M個)のサブステージS1〜SMに対応するアイテムが抽選対象として選択される。ステージTnの直後のステージTn+1でも同様に、ステージTn+1のうち現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応するアイテムが抽選対象として選択される。
【0037】
以上の説明から理解されるように、進行度Xが指定するステージT毎に抽選対象のアイテムが変更され、進行度Xにより指定される現在のサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数は増加する。
【0038】
制御装置32は、ステップSA14で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SA15)。具体的には、制御装置32は、例えば所定の範囲内で乱数を発生させるとともにその乱数に対応する1個のアイテムを抽選対象から選択する。抽選対象の各アイテムの選択確率は相等しいから、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど、そのサブステージSに対応するアイテムが選択される確率は低下する。
【0039】
他方、ステップSA12でクラスC2を選択した場合(SA13:NO)、制御装置32は、クラスC2の複数のアイテムから抽選対象を選択する(SA16)。具体的には、クラスC2のうち記憶装置34に記憶された進行度Xが指定するステージTに対応する複数のアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。そして、制御装置32は、ステップSA16で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SA17)。
【0040】
制御装置32は、ステップSA15またはステップSA17で選択したアイテムをプレイヤに付与する(SA18)。具体的には、制御装置32が選択したアイテムの識別符号QIDが、プレイヤデータPの所有アイテムデータP1および獲得履歴データP2に追加される。なお、プレイヤの獲得済のアイテムが選択された場合、所有アイテムデータP1に識別符号QIDは追加されるが獲得履歴データP2は変更されない。そして、制御装置32は、プレイヤに付与するアイテムの基礎アイテムデータQの画像データQGを端末装置12に送信することでアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SA19)。以上の説明から理解されるように、制御装置32は、所定の実行条件のもとで仮想通貨の消費なしに実行される第2抽選処理E2により抽選対象からアイテムを選択する要素(第2抽選部)として機能する。
【0041】
図6は、図3のゲーム画面51のボタンB1(有料抽選)をプレイヤが操作した場合に制御装置32が実行する処理のフローチャートである。図6の処理を開始すると、制御装置32は課金処理を実行する(SB11)。課金処理は、プレイヤの所有通貨データP3が指定する仮想通貨から第1抽選処理E1の実行に必要な所定量を減算する処理(すなわち、仮想通貨を支払う処理)である。
【0042】
課金処理を実行すると、制御装置32は、第1抽選処理E1を実行する(SB12〜SB19)。まず、制御装置32は、ステップSA12およびSA13と同様に、クラスC1およびクラスC2の何れかを抽選により選択し(SB12)、クラスC1を選択したか否かを判定する(SB13)。
【0043】
クラスC1を選択した場合(SB13:YES)、制御装置32は、記憶装置34に記憶されたクラスC1の複数のアイテムから進行度Xに応じた抽選対象を選択する(SB14)。具体的には、進行度Xが指定するステージT内のM個のサブステージS1〜SMのうち進行度Xが指定する現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応し、かつ、プレイヤに対して過去に付与されていないアイテム(すなわち獲得履歴データP2に識別符号QIDが登録されていないアイテム)を、制御装置32は抽選対象として選択する。すなわち、前述の第2抽選処理E2では過去のアイテムの獲得状況とは無関係に抽選対象が選択されるのに対し、第1抽選処理E1では、プレイヤが過去に獲得していないアイテムが限定的に抽選対象として選択される。
【0044】
例えば進行度XがステージTnの最初のサブステージS1を指定する場合、制御装置32は、ステージTnのサブステージS1に対応するクラスC1の複数のアイテムのうち獲得履歴データP2に識別符号QIDが登録されていない1個以上のアイテムを抽選対象として選択する。また、進行度XがステージTnの第2番目以降のサブステージSmを指定する場合、制御装置32は、ステージTnの最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムのうち獲得履歴データP2にて未登録の1個以上のアイテムを抽選対象として選択する。したがって、第2抽選処理E2と同様に、進行度Xが指定するステージT毎に抽選対象のアイテムが変更され、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数は増加する。
【0045】
制御装置32は、第2抽選処理E2のステップSA15と同様に、ステップSB14で選択した抽選対象から抽選により1個のアイテムを選択する(SB15)。他方、ステップSB12でクラスC2を選択した場合(SB13:NO)、制御装置32は、クラスC2の複数のアイテムから抽選対象を選択する(SB16)。具体的には、進行度Xが指定するステージTに対応するクラスC2のアイテムのうちプレイヤに対して未付与の1個以上のアイテムを、制御装置32は抽選対象として選択する。そして、制御装置32は、ステップSB16で選択した抽選対象からプレイヤに付与する1個のアイテムを抽選により選択する(SB17)。そして、制御装置32は、第2抽選処理E2のステップSA18およびステップSA19と同様に、ステップSB15またはステップSB17で選択したアイテムをプレイヤに付与し(SB18)、そのアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SB19)。以上の説明から理解されるように、制御装置32は、プレイヤが所有する仮想通貨と引換えに実行される第1抽選処理E1により、プレイヤに対して未付与のアイテムを抽選対象から選択する要素(第1抽選部)として機能する。なお、進行度Xが指定するステージTのうち現在のサブステージSmまでの各サブステージSについて未付与のアイテムが存在しない場合(コンプリート済)には、例えばボタンB1の操作が無効化される。また、プレイヤによる確認のうえで第2抽選処理E2と同様の抽選処理を実行することも可能である。
【0046】
制御装置32は、第1抽選処理E1または第2抽選処理E2の実行後に図7の処理を実行する。図7の処理を開始すると、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで、進行度Xが指定する現在のサブステージSの全部(3個)のアイテムが獲得済となったか否かを判定する(SC11)。現在のサブステージSの全部のアイテムが獲得済となった場合(SC11:YES)、制御装置32は、そのサブステージSに対応するクラスC3の特典アイテムをプレイヤに付与する(SC12)。すなわち、特典アイテムの識別符号QIDがプレイヤの所有アイテムデータP1および獲得履歴データP2に追加される。他方、サブステージSの全部のアイテムを獲得していない場合(SC11:NO)には特典アイテムの付与は実行されない。なお、各ステージTに対応する全部のアイテムをプレイヤが獲得した場合に、各サブステージSの特典アイテムとは別にステージT毎に用意された特典アイテムをプレイヤに付与する構成も好適である。
【0047】
また、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを制御するための進行管理処理(SD11〜SD15)を実行する。まず、制御装置32は、現在のサブステージSmから次のサブステージSにゲームを進行させるための第1条件が成立するか否かを判定する(SD11)。第1実施形態では、現在のサブステージSで実行された抽選処理(第1抽選処理E1または第2抽選処理E2)の回数が所定の閾値に到達するという条件が第1条件として設定される。第1条件が成立しない場合(SD11:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを変更せずに進行管理処理を終了する。なお、第1条件の成否の判定に適用される閾値(抽選処理の回数の閾値)をサブステージS毎に個別に設定する(例えばサブステージS毎に相違させる)ことも可能である。例えば、現在のサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数が増加する(すなわち現在のサブステージSに対応するアイテムが選択される確率が低下する)ことを考慮すると、ステージT内の後方のサブステージSほど閾値を大きい数値に設定した構成が好適である。
【0048】
他方、第1条件が成立した場合(SD11:YES)、制御装置32は、現在のサブステージSmがステージT内の最後のサブステージSMであるか否かを判定する(SD12)。現在のサブステージSmが最後のサブステージSMに該当しない場合(SD12:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vが指定するサブステージSを現在のサブステージSmから同じステージT内の次のサブステージSm+1に変更する(SD13)。すなわち、制御装置32は、第1条件の成立を契機として、現在のステージT内でサブステージSmから次のサブステージSm+1にゲームを進行させる。
【0049】
他方、現在のサブステージSmがステージT内の最後のサブステージSMに該当する場合(SD12:YES)、制御装置32は、現在のステージTnから次のステージTn+1にゲームを進行させるための第2条件が成立するか否かを判定する(SD14)。第1実施形態では、素材作品に関連するクイズにプレイヤが正解する(あるいは複数のクイズに対する正解率が閾値を上回る)という条件が第2条件として設定される。すなわち、制御装置32は、素材作品や出演者に関連するクイズを端末装置12の表示装置26に表示させたうえでプレイヤからの回答を受付け、回答が正解である場合には第2条件が成立したと判定する一方、回答が不正解である場合には第2条件が成立しないと判定する。なお、1個のステージTの各サブステージSに対応するM個の特典アイテムのうち所定個(例えば(M−2)個)の特典アイテムを獲得したことを条件としてプレイヤがクイズに参加できる構成も好適である。
【0050】
第2条件が成立する場合(SD14:YES)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vが指定するステージTを現在のステージTnから次のステージTn+1に変更し、かつ、進行度Xおよび到達度Vが指定するサブステージSを現在のサブステージSMからステージTn+1内の最初のサブステージS1に変更する(SD15)。すなわち、制御装置32は、第2条件の成立を契機として、現在のステージTn内の最後のサブステージSMから次のステージTn+1の最初のサブステージS1にゲームを進行させる。他方、第2条件が成立しない場合(SD14:NO)、制御装置32は、進行度Xおよび到達度Vを変更せずに図7の処理を終了する。
【0051】
以上の説明から理解されるように、制御装置32が進行管理処理(SD11〜SD15)を実行することで、ゲームの進行度Xを制御する要素(進行管理部)が実現される。第1実施形態の制御装置32は、以上に説明したように素材作品内の後方のステージTおよびサブステージSにゲームを進行させるほか、現在のステージTの前方のステージTに移行するように進行度Xを変更することが可能である。具体的には、プレイヤが入力装置28に所定の操作を付与すると、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTを現在のステージTnの直前のステージTn-1に変更するとともに、進行度Xが指定するサブステージSを現在のサブステージSmから移行後のステージTn-1の最後のサブステージSMに変更する。すなわち、プレイヤは、過去にプレイしたステージTに戻って未獲得のアイテムを獲得することが可能である。また、プレイヤが入力装置28に所定の操作を付与すると、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSは、到達度Vが指定するステージTおよびサブステージSに変更される。すなわち、プレイヤは、過去に到達した最後のサブステージSにゲームを進行させることが可能である。
【0052】
図3のゲーム画面51のボタンB3(合成)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、所有アイテムデータP1が指定する複数のアイテム(すなわちプレイヤが過去に獲得して現在も所有しているアイテム)と引換えに他のアイテムをプレイヤに付与する合成処理E3を実行する。図8は、合成処理E3のフローチャートである。
【0053】
ボタンB3を操作したプレイヤは、入力装置28を適宜に操作することで、自身が所有する複数のアイテムから処理対象の2個のアイテム(以下「対象アイテム」という)を任意に選択することが可能である。制御装置32は、2個の対象アイテムの選択を受付ける(SE11)。そして、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSに対応するクラスC1のアイテムを抽選対象として1個のアイテムを抽選により選択する(SE12)。制御装置32は、ステップSE12で選択したアイテムをプレイヤに付与し(SE13)、そのアイテムの画像を表示装置26に表示させる(SE14)。また、制御装置32は、所有アイテムデータP1が指定する複数のアイテムのうち2個の対象アイテムを無効化する(SE15)。アイテムの無効化には、例えば所有アイテムデータP1から識別符号QIDを削除する方法や、所有アイテムデータP1の各アイテムに設定されたフラグを無効状態に設定する方法が採用される。以上に説明したように、プレイヤは、第1抽選処理E1および第2抽選処理E2のほか、合成処理E3でもアイテムを獲得することが可能である。
【0054】
図3のゲーム画面51のボタンB4(図鑑)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、各サブステージSにて獲得したアイテムをプレイヤが確認するための獲得アイテム画面52を端末装置12の表示装置26に表示させる。例えば進行度Xが指定するサブステージSの獲得アイテム画面52やプレイヤが任意に指定したサブステージSの獲得アイテム画面52が表示される。
【0055】
獲得アイテム画面52は、1個のサブステージに対応する各アイテム(クラスC1またはクラスC3)の獲得状況を表示する画像である。すなわち、獲得済のアイテムについては画像データQGが指定する画像Gが表示され、未獲得のアイテムについては未獲得を示す画像g(例えばアイテムが不明であることを意味する疑問符「?」の画像)が表示される。制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで1個のサブステージSの各アイテムについて獲得済/未獲得を判定し、獲得済のアイテムについては基礎アイテムデータQの画像データQGの画像Gを配置し、未獲得のアイテムについては画像gを配置した獲得アイテム画面52を生成する。なお、クラスC2の各アイテムの獲得状況を示すゲーム画面を表示装置26に表示させることも可能である。
【0056】
以上に説明したように、第1実施形態では、進行度Xが指定するステージT(サブステージS)に対応するアイテムを含む抽選対象から抽選で選択されたアイテムがプレイヤに付与される。すなわち、抽選処理(第1抽選処理E1,第2抽選処理E2)でプレイヤに付与されるアイテムはステージT毎に相違する。したがって、現在のステージTとは無関係のアイテムが抽選処理により選択される構成と比較すると、ステージTを進行させる誘因をプレイヤに付与してゲームの進行を促進させることが可能である。
【0057】
また、第1実施形態では、進行度Xで指定されるサブステージSが1個のステージT内で後方に位置するほど抽選対象のアイテムの個数が増加する。すなわち、1個のステージT内でゲームが進行するほど現在のサブステージSに対応するアイテムの選択確率が低下して獲得が困難となる。したがって、ステージT内の各サブステージSで容易にアイテムを獲得できる構成(例えば1個のサブステージSではそのサブステージSに対応するアイテムのみが抽選対象として選択される構成)と比較して、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2の実行を促進することが可能である。第1実施形態では特に、仮想通貨と引換えに許可される第1抽選処理E1を実行することでプレイヤに対して未付与のアイテムが付与されるから、第1抽選処理E1の実行が促進されて有効な収益化(マネタイズ)が実現されるという利点もある。他方、第2抽選処理E2は仮想通貨の消費なしで実行されるから、仮想通貨の消費が必要な第1抽選処理E1のみが実行される構成と比較して多数のプレイヤの参加を促進することが可能である。
【0058】
前述の通り1個のステージT内では後方のサブステージSほどアイテムの獲得が困難になる一方で、新たなステージTに移行した場合には最初のサブステージS1に移行して抽選対象が減少する。すなわち、アイテムの獲得の難易度は新たなステージTに移行するたびに低下する。複数のステージTにわたってアイテムの獲得の難易度が単調に増加する構成では、ゲームの途中でアイテムの獲得に行き詰まり、プレイヤがゲームをやめてしまう可能性がある。第1実施形態では、ステージTが移行するたびにアイテムの獲得の難易度が低下するから、プレイヤがゲームをやめる契機が発生し難い(プレイヤにゲームを継続させることが可能である)という利点もある。
【0059】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0060】
第1実施形態では、抽選処理の回数が閾値に到達することをサブステージSの移行条件(第1条件)とした。第2実施形態では、進行度Xが指定する現在のサブステージSに対応する複数のアイテムのうちプレイヤが獲得したアイテムの割合(以下「獲得率」という)が所定の閾値に到達することが、次のサブステージSに移行するための第1条件として採択される。すなわち、図7のステップSD11において、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで現在のサブステージSのアイテムの獲得率を算定し、獲得率が閾値を上回る場合に第1条件が成立したと判定する一方、獲得率が閾値を下回る場合には第1条件が成立しないと判定する。例えば現在のサブステージSの全部のアイテムを獲得すること(獲得率が100%に到達すること)が第1条件として好適である。
【0061】
また、第1実施形態では、素材作品に関連するクイズにプレイヤが正解することをステージTの移行条件(第2条件)とした。第2実施形態では、進行度Xが指定する現在のステージTに対応するアイテムの獲得率が所定の閾値に到達することが、次のステージTに移行するための第2条件として設定される。すなわち、図7のステップSD14において、制御装置32は、獲得履歴データP2を参照することで現在のステージTに対応するアイテムの獲得率を算定し、獲得率が閾値を上回る場合に第2条件が成立したと判定する。
【0062】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、各サブステージSのアイテムの獲得率が閾値に到達しないと次のサブステージSに移行できず、各ステージTのアイテムの獲得率が閾値に到達しないと次のステージTに移行できない。したがって、第1実施形態と比較して、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2の実行が促進されるという利点がある。プレイヤに未付与のアイテムを獲得できる第1抽選処理E1を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0063】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を説明する。図9は、第3実施形態における基礎アイテムデータQの模式図である。図9に示すように、第3実施形態の基礎アイテムデータQは、第1実施形態と同様の要素(QID,Q1,Q2,QG)に属性情報Q3を追加した構成である。属性情報Q3は、画像データQGで描画される画像Gに含まれる1以上の出演者(キャラクタ)を指定する。また、第n番目のステージTn内の第m番目のサブステージSmに対応するアイテムの画像データQGが指定する画像Gは、図9に示すように、素材作品の第n話のうち第m番目の場面の画像で表現され、その場面に登場する出演者を視覚的に識別するための複数(K個)のマークR(R1〜RK)が付加される。なお、素材作品の各場面を描画したカード型の画像の近傍(周囲)にマークRを配置することも可能である。
【0064】
アイテムの画像Gに付加される各マークRは有効状態および無効状態の何れかの状態に設定される。有効状態のマークRと無効状態のマークRとは、相異なる態様で表示されることで視覚的に弁別可能である。例えば、有効状態のマークRは、円形の枠画像の内側を塗り潰した状態で表現され、無効状態のマークRは、枠画像の内側を塗り潰さない状態(透明状態)で表現される。有効状態に設定されたマークRの表示態様(例えば塗りつぶしの色)はマークR毎に相違する。
【0065】
画像データQGが示す画像Gの各マークRは、素材作品に登場する各出演者に対応する。K個のマークRのうち画像Gに描画される出演者に対応するマークRが有効状態に設定され、残余のマークRは無効状態に設定される。例えば図9に示すように、出演者Y1が描画された画像Gでは、K個のマークR1〜RKのうち出演者Y1に対応する第1番目のマークR1が有効状態に設定されるとともに残余のマークR2〜RKは無効状態に設定される。また、例えば出演者Y1および出演者Y2が描画された画像Gでは、K個のマークR1〜RKのうち出演者Y1に対応するマークR1と出演者Y2に対応するマークR2とが有効状態に設定されるとともに残余のマークRは無効状態に設定される。各マークRに対応する出演者が登場しない風景等の画像G(例えば出演者が一人も存在しない画像や、マークRに対応する出演者以外の出演者のみが登場する画像)では、K個のマークR1〜RKが無効状態に設定される。
【0066】
以上に説明した画像データQGは、第1実施形態と同様に、第1抽選処理E1や第2抽選処理E2や合成処理E3の結果として表示装置26に表示されるとともに(SA19,SB19,SE15)、プレイヤがボタンB4を操作した場合の獲得アイテム画面52にて表示装置26に表示される。画像データQGが示す画像Gが充分に鮮明でない場合や出演者の顔が隠れている場合,あるいは画像データQGが示す画像Gが小型の表示装置26に縮小されて表示される場合には、各アイテムの画像Gのみからでは、その画像Gに描画された出演者をプレイヤが明確に認識できない可能性がある。第3実施形態では、各アイテムの画像Gに描画された出演者に対応するマークRが有効状態に設定されて表示装置26に表示されるから、各アイテムの画像Gに描画された出演者をプレイヤが視覚的かつ直観的に把握できるという利点がある。
【0067】
第3実施形態の合成処理E3(図8)のステップSE12では、ステップSE11でプレイヤが選択した2個の対象アイテムに応じた抽選対象から抽選により1個のアイテムがプレイヤに付与される。図10に示すように、出演者Y1に対応する対象アイテムA1と出演者Y2に対応する対象アイテムA2とをプレイヤが選択した場合を想定してステップSE12の具体的な内容を以下に説明する。図10に示すように、対象アイテムA1の画像Gでは出演者Y1に対応するマークR1が有効状態に設定され、対象アイテムA2の画像Gでは出演者Y2に対応するマークR2が有効状態に設定される。
【0068】
制御装置32は、進行度Xが指定するステージTおよびサブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムのうち、対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1の有効状態/無効状態と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2の有効状態/無効状態との組合せに応じた以下の4種類のアイテム(図10の部分(a)から部分(d))を抽選対象として設定する。なお、マークR1およびマークR2以外のマークRは無効状態である。
【0069】
[a]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1が有効状態に設定され、対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(a))
[b]対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2が有効状態に設定され、対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(b))。
[c]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2との双方が有効状態に設定されたアイテム(図10の部分(c))。
[d]対象アイテムA1の出演者Y1のマークR1と対象アイテムA2の出演者Y2のマークR2との双方が無効状態に設定されたアイテム(図10の部分(d))。
【0070】
ステップSE12において、制御装置32は、進行度Xが指定するステージTのうち現在のサブステージSm以前の各サブステージSに対応するクラスC1の複数のアイテムから、各アイテムの基礎アイテムデータQの属性情報Q3を参照することで、以上の[a]〜[d]のアイテムを含む抽選対象を選択する。[a]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1を指定するアイテムであり、[b]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y2を指定するアイテムであり、[c]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1および出演者Y2の双方を指定するアイテムであり、[d]のアイテムは、属性情報Q3が出演者Y1および出演者Y2の何れも指定しないアイテムである。なお、例えば対象アイテムA1および対象アイテムA2の双方が出演者Y1に対応する場合、出演者Y1に対応するマークR1が有効状態に設定された[a]のアイテムとマークR1が無効状態に設定された[d]のアイテムとが抽選対象として選択される。制御装置32は、以上の条件で設定した抽選対象から、プレイヤに付与される1個のアイテムを抽選により選択する。ステップSE13以降の処理は第1実施形態と同様である。
【0071】
また、プレイヤZ1が入力装置28に所定の操作を付与すると、制御装置32は、プレイヤZ1が指定した他のプレイヤZ2の獲得履歴データP2に応じた獲得アイテム画面52をプレイヤZ1の端末装置12の表示装置26に表示させる。ただし、プレイヤZ2の取得済のアイテムのうちプレイヤZ1の到達度Vが指定する現在のサブステージS以前の各サブステージSに対応するアイテムのみを表示装置26に表示する構成(すなわちプレイヤZ1が未だ到達していないサブステージSのアイテムはプレイヤZ1に見せない構成)が好適である。
【0072】
プレイヤZ2の獲得アイテム画面52を視認することで、プレイヤZ1は、自身がまだ獲得していないアイテム(プレイヤZ2の獲得済のアイテム)の画像Gに付加されたマークRを確認することが可能である。したがって、プレイヤZ1は、自身の未獲得のアイテムを合成するための素材となる対象アイテムの組合せを推定できる。例えば、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52のうちプレイヤZ1の未獲得のアイテムAxについてマークR1とマークR2とが有効状態に設定されている場合、プレイヤZ1は、マークR1が有効状態に設定されたアイテムとマークR2が有効状態に設定されたアイテムとを合成処理E3の対象アイテムとして選択することで所望のアイテムAxを獲得できる可能性が高いと推定できる。ただし、前述の説明から理解されるように、所望のアイテムAx以外のアイテムが選択される可能性もある。
【0073】
第3実施形態では、描画対象の出演者を示すマークRが画像データQGの画像Gに付加され、対象アイテムの各マークRの有効状態/無効状態の各組合せに対応するアイテムを抽選対象として、合成処理E3でプレイヤに付与されるアイテムが選択される。したがって、自身の所望のアイテムを獲得するために必要な対象アイテムの組合せをプレイヤが推定できるという利点がある。
【0074】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態のゲーム装置14Bのブロック図である。ゲーム装置14Bは、第1実施形態と同様のゲームをプレイヤ(所有者)にプレイさせる電子機器である。例えば携帯電話機や携帯情報端末等の携帯機器がゲーム装置14Bとして好適である。図11に示すように、ゲーム装置14Bは、制御装置32と記憶装置34と表示装置26と入力装置28とを具備する。
【0075】
記憶装置34は、第1実施形態と同様に、プログラムPGMとプレイヤデータPと複数の基礎アイテムデータQとを記憶する。制御装置32は、プログラムPGMを実行することで第1実施形態と同様に動作する。以上の説明から理解される通り、第4実施形態のゲーム装置14Bは、第1実施形態のゲーム装置14Aが提供するゲームを装置単体でプレイヤに提供する機器として機能する。したがって、第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0076】
<変形例>
前述の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0077】
(1)前述の各形態の第1抽選処理E1および第2抽選処理E2では、図5を参照して説明した通り、ステージTn内の最初のサブステージS1から現在のサブステージSmまでの各サブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択したが、抽選対象のアイテムの個数をサブステージS毎に制御する方法は適宜に変更される。
【0078】
例えば図12に示すように、ステージTn内の特定のサブステージS以降の各サブステージSでは、ステージTn内の先頭から所定個のサブステージSのアイテムを抽選対象から除外することも可能である。図12では、ステージTn内のサブステージS4およびサブステージS5の抽選対象からサブステージS1のアイテムを除外する場合が例示されている。また、図13に示すように、抽選対象のアイテムの個数(抽選対象のアイテムに対応するサブステージSの個数)が複数のサブステージSにわたって変化しない構成も採用される。図13では、サブステージS3以降の各サブステージSmにおいて、現在のサブステージSm以前の3個のサブステージSに対応するアイテムを抽選対象として選択する場合が例示されている。また、ステージTn内の特定のサブステージSにおいて、抽選対象のアイテムの個数を前後のサブステージSと比較して減少させることも可能である。すなわち、各サブステージSでの抽選対象のアイテムの個数がステージT内で単調増加する構成は本発明において必須ではない。
【0079】
以上の例示から理解されるように、進行度Xが指定するステージTn内のサブステージSAでの抽選対象は、サブステージSAに対応するアイテムと、そのステージTn内でサブステージSAの前方に位置するサブステージSBに対応するアイテムとを含み、かつ、進行度XがサブステージSBを指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含むように選定される。
【0080】
(2)前述の各形態では、第1抽選処理E1のステップSB14および第2抽選処理E2のステップSA14にてクラスC1のアイテムのみを抽選対象として選択したが、抽選対象がクラスC1以外のアイテムを含む構成も採用される。例えば、複数のステージTや複数のサブステージSにわたって共通のアイテム(ステージTやサブステージSに区分されないアイテム)をクラスC1のアイテムとともに抽選対象に含ませることも可能である。
【0081】
(3)第3実施形態では、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52をプレイヤZ1の端末装置12の表示装置26に表示させたが、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52をプレイヤZ1が確認した場合に、プレイヤZ1が未獲得のアイテムのうちプレイヤZ2が獲得済のアイテムの画像Gを、プレイヤZ1の獲得アイテム画面52に配置してプレイヤZ1の端末装置12に表示させることも可能である。例えば図14に示すように、他人の獲得アイテム画面52で確認済であることを示す画像(図14の例示では“watched”という文字)が付加された画像Gが、プレイヤZ1の獲得アイテム画面52のうち当該画像Gに対応する位置に配置される。以上の構成によれば、プレイヤZ2の獲得アイテム画面52を一度でも確認すれば、以後は、プレイヤZ1の自身の獲得アイテム画面52を確認することで、未獲得のアイテムを合成するための素材となる対象アイテムの組合せを推定できるという利点がある。
【0082】
(4)前述の各形態では、第1抽選処理E1および第2抽選処理E2のなかでクラスC2のアイテムもプレイヤに付与され得る構成を例示したが、クラスC2のアイテムを付与する抽選処理(以下「第3抽選処理」という)を第1抽選処理E1および第2抽選処理E2とは個別に実行することも可能である。すなわち、第1抽選処理E1と第2抽選処理E2と第3抽選処理とが例えばプレイヤからの指示に応じて選択的に実行される。第1抽選処理E1および第2抽選処理E2ではクラスC1のアイテムのみが抽選対象として選択され、クラスC2のアイテム(レアアイテム)を抽選対象とする第3抽選処理は、例えば、第1抽選処理E1と同様に仮想通貨の消費と引換えに実行される。
【0083】
(5)前述の各形態では、第2抽選処理E2の実行条件として実行頻度の条件(時間的な制約)を例示したが、第2抽選処理E2の実行条件は適宜に変更される。すなわち、前述の実行頻度の条件とともにまたはこの条件に代えて他の実行条件が成立した場合に第2抽選処理E2を許可することも可能である。例えばゲーム内の各種のイベントの達成でポイントが蓄積される構成では、ポイントの所定量と引換えに第2抽選処理E2の実行を許可する構成(ポイントの消費を実行条件に含む構成)も採用され得る。
【0084】
(6)前述の第3実施形態では、円形の枠画像の内側が塗り潰された状態をマークRの有効状態とし、枠画像の内側が塗り潰されていない状態をマークRの無効状態として例示したが、マークRの有効状態/無効状態は以上の例示に限定されない。例えば、有効状態でマークRを表示し、無効状態でマークRを非表示とすることも可能である。
【符号の説明】
【0085】
100……ゲームシステム、12……端末装置、14A,14B……ゲーム装置、16……通信網、22……制御装置、24……通信装置、26……表示装置、28……入力装置、32……制御装置、34……記憶装置、36……通信装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステージの各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するゲーム装置であって、
前記複数のステージの何れかを指定するゲームの進行度を制御する進行管理部と、
前記進行度が指定するステージに対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部と
を具備するゲーム装置。
【請求項2】
前記複数のステージの各々に対応する複数のアイテムは、当該ステージ内のサブステージ毎に区分され、
前記進行管理部は、前記複数のステージの何れかにおけるサブステージを指定する前記進行度を制御し、
前記抽選処理部は、一のステージ内の第1サブステージを前記進行度が指定する場合に、前記第1サブステージに対応するアイテムと、前記一のステージのうち前記第1サブステージの前方の第2サブステージに対応するアイテムとを含み、かつ、前記進行度が前記第2サブステージを指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与するアイテムを選択する
請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記抽選処理部は、前記進行度が指定するサブステージがステージ内で後方に位置するほど前記抽選対象の総数が増加するように前記抽選対象を管理する
請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記抽選処理部は、前記一のステージ内の前記第1サブステージを前記進行度が指定する場合に、前記一のステージ内の最初のサブステージから前記第1サブステージまでの複数のサブステージに対応する複数のアイテムを抽選対象に含める
請求項3のゲーム装置。
【請求項5】
前記抽選処理部は、
プレイヤが所有する通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理により、前記抽選対象のうちプレイヤに対して未付与のアイテムから、プレイヤに付与されるアイテムを選択する第1抽選部と、
前記第1抽選処理とは異なる条件で実行される第2抽選処理により、プレイヤに付与されるアイテムを前記抽選対象から選択する第2抽選部とを含む
請求項1から請求項4の何れかのゲーム装置。
【請求項6】
前記進行管理部は、前記進行度が指定するステージの前方のステージに移行するように前記進行度を変更可能である
請求項1から請求項5の何れかのゲーム装置。
【請求項7】
前記複数のアイテムの各々は、当該アイテムに対応する1以上のキャラクタの画像で表現され、当該キャラクタに対応するマークとともに表示される
請求項1から請求項6のゲーム装置。
【請求項8】
プレイヤに付与された第1アイテムおよび第2アイテムと引換えに、前記第1アイテムのキャラクタマークが有効状態に設定されるとともに前記第2アイテムのキャラクタのマークが無効状態に設定されたアイテムと、前記第2アイテムのキャラクタのマークが有効状態に設定されるとともに前記第1アイテムのキャラクタのマークが無効状態に設定されたアイテムと、前記第1アイテムのキャラクタおよび前記第2アイテムのキャラクタの双方のマークが有効状態に設定されたアイテムと、前記第1アイテムのキャラクタおよび前記第2アイテムのキャラクタの双方のマークが無効状態に設定されたアイテムとの何れかを選択してプレイヤに付与する
請求項7のゲーム装置。
【請求項9】
複数のステージの各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するために、コンピュータに、
前記複数のステージの何れかを指定するゲームの進行度を制御する進行管理処理と、
前記進行度が指定するステージに対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理と
を実行させるプログラム。
【請求項1】
複数のステージの各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するゲーム装置であって、
前記複数のステージの何れかを指定するゲームの進行度を制御する進行管理部と、
前記進行度が指定するステージに対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部と
を具備するゲーム装置。
【請求項2】
前記複数のステージの各々に対応する複数のアイテムは、当該ステージ内のサブステージ毎に区分され、
前記進行管理部は、前記複数のステージの何れかにおけるサブステージを指定する前記進行度を制御し、
前記抽選処理部は、一のステージ内の第1サブステージを前記進行度が指定する場合に、前記第1サブステージに対応するアイテムと、前記一のステージのうち前記第1サブステージの前方の第2サブステージに対応するアイテムとを含み、かつ、前記進行度が前記第2サブステージを指定する場合の抽選対象よりも多数のアイテムを含む抽選対象から、プレイヤに付与するアイテムを選択する
請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記抽選処理部は、前記進行度が指定するサブステージがステージ内で後方に位置するほど前記抽選対象の総数が増加するように前記抽選対象を管理する
請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記抽選処理部は、前記一のステージ内の前記第1サブステージを前記進行度が指定する場合に、前記一のステージ内の最初のサブステージから前記第1サブステージまでの複数のサブステージに対応する複数のアイテムを抽選対象に含める
請求項3のゲーム装置。
【請求項5】
前記抽選処理部は、
プレイヤが所有する通貨価値と引換えに実行される第1抽選処理により、前記抽選対象のうちプレイヤに対して未付与のアイテムから、プレイヤに付与されるアイテムを選択する第1抽選部と、
前記第1抽選処理とは異なる条件で実行される第2抽選処理により、プレイヤに付与されるアイテムを前記抽選対象から選択する第2抽選部とを含む
請求項1から請求項4の何れかのゲーム装置。
【請求項6】
前記進行管理部は、前記進行度が指定するステージの前方のステージに移行するように前記進行度を変更可能である
請求項1から請求項5の何れかのゲーム装置。
【請求項7】
前記複数のアイテムの各々は、当該アイテムに対応する1以上のキャラクタの画像で表現され、当該キャラクタに対応するマークとともに表示される
請求項1から請求項6のゲーム装置。
【請求項8】
プレイヤに付与された第1アイテムおよび第2アイテムと引換えに、前記第1アイテムのキャラクタマークが有効状態に設定されるとともに前記第2アイテムのキャラクタのマークが無効状態に設定されたアイテムと、前記第2アイテムのキャラクタのマークが有効状態に設定されるとともに前記第1アイテムのキャラクタのマークが無効状態に設定されたアイテムと、前記第1アイテムのキャラクタおよび前記第2アイテムのキャラクタの双方のマークが有効状態に設定されたアイテムと、前記第1アイテムのキャラクタおよび前記第2アイテムのキャラクタの双方のマークが無効状態に設定されたアイテムとの何れかを選択してプレイヤに付与する
請求項7のゲーム装置。
【請求項9】
複数のステージの各々に対応するように区分された複数のアイテムを収集するゲームをプレイヤに提供するために、コンピュータに、
前記複数のステージの何れかを指定するゲームの進行度を制御する進行管理処理と、
前記進行度が指定するステージに対応する複数のアイテムを含む抽選対象からプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理と
を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−70970(P2013−70970A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214624(P2011−214624)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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