説明

ゲーム装置制御プログラム

【課題】ゲームの勝敗を元にした階級ポイントの増減を不公平に感じさせないようにしつつ、プレイヤのゲームへの参加意欲を持続させることができる、ゲーム装置を制御するためのゲーム装置制御プログラムを提供する。
【解決手段】プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置である。記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶される。ゲーム装置の制御部は、プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択し、一の対戦処理の結果、一のプレイヤの階級レベルが他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、一のプレイヤの階級レベルを他のプレイヤの階級レベルに昇格する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが対戦する対戦処理を行うゲーム装置を制御するゲーム装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレイヤがそれぞれゲーム装置を操作して、格闘ゲームや、戦闘ゲーム、囲碁、将棋等の対戦ゲームを行うゲームシステムが存在している。
【0003】
近年は、全国のアミューズメント施設内に設置されたゲーム装置を、インターネットを介して接続し、地域的に離れたプレイヤ同士により対戦ゲームを行うゲームシステムが知られている。
【0004】
このようなゲームシステムにおいては、プレイヤの参加意欲を高めるために、プレイヤに対戦ゲームの勝利によりポイントを与えるとともに、対戦ゲームにおけるプレイヤの地位を表す段位、位階等の階級を与えることが行われている。プレイヤに与えられるポイントの上昇・下降に応じて、そのプレイヤの階級の上昇・下降する。
【0005】
このようにして与えられたポイントや階級に基づき、同格のプレイヤ同士で対戦マッチングを行うことにより、ゲームの対戦の面白さをより高めることが行われている。
【0006】
このようなゲームシステムの一種として、ICカードを用いてプレイヤの勝敗結果に基づくポイントを管理し、また、プレイアイテムとして紙、プラスチック等のカードを用いたものが知られている(特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2006−102390号公報
【特許文献2】特開2006−109936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなゲームシステムにおいては、対戦ゲームの結果、勝利したプレイヤにポイントを与え、敗戦したプレイヤからポイントを奪うことになる。
【0008】
ポイントを与える方法として、例えば、初心者にポイントが多く与えられるよう、プレイヤの階級が低い場合には、勝利時に得られるポイントを多くするが、敗戦時に失うポイントを少なくし、プレイヤの階級が高い場合には、勝利時に得られるポイントを少なくするが、敗戦時に失うポイントを多くする設定が提案されている。
【0009】
しかしながら、この提案された設定では、階級の低い初心者にゲームの参加意欲を高めるという利点があるものの、結局、初心者や熟練者を含む全てのプレイヤのポイントが所定の平均値に近づくようになり、階級の高い熟練のプレイヤにとっては不利であるという不公平感がある。
【0010】
そのため、プレイヤの実力を正確に反映し、ポイントに対する信頼性を担保するために、通常は、勝利したプレイヤに与えるポイントと、敗戦したプレイヤから奪うポイントとを同数とすることが望ましい。
【0011】
しかしながら、そのように設定した場合には、ゲームシステムに参加した当初はプレイヤの実力に応じてポイントを獲得して階級が上昇していく。
【0012】
しかしながら、対戦ゲームのマッチングは、通常、同じレベルのプレイヤと対戦するように設定される。このため、プレイヤが実力相応の階級となった場合には、同じレベルのプレイヤとの対戦が続くようになり、結果として大幅なスキルの上昇などが無いまま普通にプレイをしている限り、ポイントが上下はするものの階級が上がらない飽和状態となる。
【0013】
このため、ゲームに参加する期間が長くなると、多くの回数ゲームをプレイしたプレイヤほど階級が一定の段階から先に昇格できなくなり、結果としてのゲームへの参加意欲が減退していきやすいという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、ゲームの勝敗を元にした階級ポイントの増減を不公平に感じさせないようにしつつ、プレイヤのゲームへの参加意欲を持続させることができる、ゲーム装置を制御するためのゲーム装置制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様によるゲーム装置制御プログラムは、プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置を制御するためのゲーム装置制御プログラムであって、前記記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、前記ゲーム装置の前記制御部に、プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択するステップと、前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップとを実行させる。
【0016】
上述したゲーム装置制御プログラムにおいて、前記記憶部には、対戦処理における地位を示す階級レベルと、前記階級レベルに対応する階級ポイントとの関係を示す階級ポイントテーブルが記憶され、前記ゲーム装置の制御部に、前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルに昇格した場合には、前記一のプレイヤの階級ポイントを、前記階級ポイントテーブルに基づき、前記昇格した階級レベルに対応した階級ポイントに増加するステップを更に実行させるようにしてもよい。
【0017】
上述したゲーム装置制御プログラムにおいて、前記ゲーム装置の制御部に、対戦処理の結果、プレイヤの階級ポイントが増加する場合には、前記階級ポイントテーブルに基づいて前記プレイヤの階級レベルを昇格させ、プレイヤの階級ポイントが減少する場合には、前記プレイヤの階級レベルを降格させずに維持するように、前記プレイヤの階級レベルを決定するステップを更に実行させるようにしてもよい。
【0018】
上述したゲーム装置制御プログラムにおいて、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、かつ、前記他のプレイヤのポイントが、前記階級ポイントテーブルに基づいた、前記他のプレイヤの階級に対応するポイントよりも少ないことを条件として、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップとを実行させるようにしてもよい。
【0019】
上述したゲーム装置制御プログラムにおいて、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、かつ、前記一のプレイヤのポイントが、前記他のプレイヤのポイントよりも多いことを条件として、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップとを実行させるようにしてもよい。
【0020】
上述したゲーム装置制御プログラムにおいて、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、かつ、前記一のプレイヤのポイントが、前記階級ポイントテーブルに基づいた、前記一のプレイヤの階級に対応するポイントであることを条件として、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップとを実行させるようにしてもよい。
【0021】
本発明の一態様によるゲーム装置は、プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置であって、前記記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、前記制御部は、プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択し、前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、ゲーム装置の記憶部に、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、ゲーム装置の制御部に、プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択するステップと、一の対戦処理の結果、一のプレイヤの階級レベルが他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、一のプレイヤの階級レベルを他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップとを実行させるようにしたので、ゲームの勝敗を元にした階級ポイントの増減を不公平に感じさせないようにしつつ、プレイヤのゲームへの参加意欲を持続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[一実施形態]
本発明の一実施形態によるゲームシステムについて図面を用いて説明する。
【0024】
(ゲームシステムの概要)
本実施形態のゲームシステムは、全国のアミューズメント施設内に設置されたゲーム装置がインターネットを介して接続されたものである。地域的に離れたプレイヤ同士であっても対戦ゲームを行うことができるように構成されている。
【0025】
アミューズメント施設は、例えば日本全国の各地域に所在している。各アミューズメント施設には、ゲームを行うために複数台のゲーム装置が設けられている。
【0026】
プレイヤはゲーム装置にコインを投入して対戦ゲームを行う。ゲーム装置にはICカードであるメンバーズカードを読み取るためのICカードリーダライタが設けられている。
【0027】
各ゲーム装置はアミューズメント施設内のLANに接続されており、アミューズメント施設内の他のゲーム装置と相互に通信可能である。また、アミューズメント施設のLANはVPNと呼ばれる仮想専用回線のネットワークに接続されており、他のアミューズメント施設内のゲーム装置とも相互に通信可能である。したがって、設置場所が離れていても、任意のゲーム装置により共通の対戦ゲームを行うことができるように構成されている。
【0028】
(ゲーム装置の構成)
本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置を図1乃至図4を用いて説明する。図1及び図2は本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す図である。図3は本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置のブロック図である。図4は本実施形態によるゲームシステムで用いられるICカードの構成を示す図である。
【0029】
本実施形態では、ゲーム装置をプレイヤ同士が対戦する戦乱バトルゲームに適用した場合について説明するが、その他のタイプの対戦ゲームにも適用できるのは言うまでもない。
【0030】
本実施形態では、プレイアイテムとしてカードを用いている。カードの裏面にはコードが印刷され、又は、コードが印刷されたシールが貼り付けられている。また、カードの代わりに、底面にコードが印刷され、又は、コードが印刷されたシールが貼り付けられたフィギュア等を用いてもよい。
【0031】
図1及び図2に示すように、ゲーム装置10は、2台の大型パネルディスプレイ12と、後述する複数の端末装置16a〜16hにおけるゲーム制御を行うメイン制御部14と、メイン制御部14と通信可能に接続された複数の端末装置16a〜16hとから構成されている。
【0032】
メイン制御部14は、ゲーム装置10における複数の端末装置16a〜16hを制御する制御装置として機能する。
【0033】
大型パネルディスプレイ12は、刻一刻と変化する現在の勢力図、天下統一(ネットワークでのゲームランキングの上位入賞)を果たしたプレイヤの「歴代皇帝」としての紹介、皇帝ランキング等の画像が表示される。
【0034】
初めてゲームに参加するプレイヤは、最初にゲームに必要なスタートセット(アイテム)を購入して端末装置16a〜16hが設置された座席に着席する。
【0035】
このスタートセットには、戦闘結果、階級ポイント等を記録する記録媒体として使用されるICカード18と、各部隊を率いる武将等のイラストが印刷された複数枚のプレイアイテムであるカード20とが含まれる。
【0036】
ICカード18は、当該プレイヤがゲーム中で使用したカード20の種類およびカードデータに対応するゲーム内の登場キャラクタである武将等の特性(武力が強く「突撃」に強い、知力が強く「計略」に強い等)および過去の戦闘結果、勝敗に応じて獲得された階級ポイント等が記憶されている。ICカード18に記憶された情報を読み取ることによりゲームに必要なデータが得られると共に、プレイヤがゲームに参加する資格を有していることを確認することができる。
【0037】
カード20は、表面にそれぞれ異なる武将等のイラストが印刷され、裏面には表面に印刷された武将等を識別するためのデータパターン(識別コード)が記録されている。
【0038】
端末装置16a〜16hは、それぞれ同一構成であるので、ここでは端末装置16aについて説明する。
【0039】
端末装置16aは、図2に示すように、プレイヤが所有するカード20を載置するためのカード配置パネル22と、戦闘の画像等が表示されるモニタ24と、ICカード18が挿入されるICカードリーダライタ26と、ゲーム終了後にカードが払い出されるカード発行部28とが設けられている。
【0040】
カード配置パネル22の左側には、名前入力やメニュー選択時にカーソルを動かすのに用いられるセレクトボタン30が設けられ、カード配置パネル22の右側には、「計略」「突撃」「一騎打ち」等を行う際に押すアクションボタン32が設けられている。
【0041】
本実施形態のゲーム装置10においては、図3に示すように、メイン制御部14は、LAN(Local Area Network)のハブ34を介して、大型パネルディスプレイ12を表示制御するための大型パネル制御部36と、各端末装置16a〜16hと接続され、更には、VPNと呼ばれる仮想専用回線38に接続されている。
【0042】
メイン制御部14には、図示しないが、CPU、メモリ(RAM)、モニタ、キーボード等が設けられている。
【0043】
全国のアミューズメント施設内に設置された多数のゲーム装置10もそれぞれ仮想専用回線38に接続されている。
【0044】
全国のアミューズメント施設内に設置された多数のゲーム装置10を管理するためにサーバ39が設けられ、サーバ39も仮想専用回線38に接続されている。サーバ39には、図示しないが、CPU、メモリ(RAM)、モニタ、キーボード等が設けられている。
【0045】
サーバ39は、複数のゲーム装置10における複数の端末装置16a〜16hを制御する制御装置としても機能する。
【0046】
大型パネル制御部36は、CPU40、メモリ(RAM)41、入出力インターフェース42、サウンド回路44、グラフィック表示回路46を有する。
【0047】
メモリ(RAM)40には、大型パネルディスプレイ12に表示される各種画像データおよびこれらの各種画像データを選別して優先順位を決めて順次表示させる制御プログラムが格納されている。
【0048】
入出力インターフェース42は、ハブ34を介してメイン制御部14に接続されるとともに、大型パネルディスプレイ12を操作するためのスイッチ類48が接続されている。
【0049】
サウンド回路44は、大型パネルディスプレイ12に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ類50に接続されている。
【0050】
グラフィック表示回路46は、CPU38からの制御信号により選択された画像を大型パネルディスプレイ12に表示させる。
【0051】
各端末装置16a〜16hは、CPU52、メモリ(RAM)54、入出力インターフェース56、サウンド回路58、グラフィック表示回路60を有する。
【0052】
メモリ(RAM)54には、モニタ24に表示される各種画像データおよび制御プログラムが格納されている。
【0053】
入出力インターフェース56は、メイン制御部14の他に、ICカードリーダライタ26、カード20の裏面に記憶されたカードデータを読み取るためのイメージセンサ62およびモニタ24を操作するためのスイッチ類64が接続されている。
【0054】
サウンド回路58は、モニタ24に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ類66に接続されている。
【0055】
グラフィック表示回路60は、CPU52からの制御信号により選択された画像をモニタ24に表示させる。
【0056】
(ICカードのデータテーブル)
本実施形態によるゲームシステムで用いるICカード18の構成について図4を用いて説明する。
【0057】
本実施形態のゲームシステムでは、プレイヤはメンバーズカードであるICカード18を読み取らせて、対戦ゲームに参加する。ICカード18には、図4に示すデータが格納されている。
【0058】
ICカード18のデータは次の各欄により構成されている。
1.ICカードを識別するための「カードID」欄
2.プレイヤの登録名を示す「プレイヤ登録名」欄
3.プレイヤの戦績を示す「プレイヤ戦績」欄
4.対戦ゲームにおける勝敗により変化するポイントの累計を示す「階級ポイント」欄
5.対戦ゲームにおける位階を示す「階級レベル(位階名)」欄
6.プレイヤの対戦ゲームのプレイ履歴を示す「プレイ履歴」欄
7.プレイヤのゲーム情報(キャラクタごとの所有武器、連勝数、所属チーム等)を示す「ゲーム情報」欄
なお、「階級ポイント」はポイント値という数値であり、「階級レベル」はレベル値という数値である。
【0059】
(対戦ゲームの位階システムの概要)
本実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームである戦乱バトルゲームの位階システムの概要について説明する。
【0060】
本実施形態のゲームシステムに参加するプレイヤには、ICカードの構成で説明したように、対戦ゲームにおける戦功を示す「階級ポイント」と、対戦ゲームにおける位階を示す「階級レベル(位階名)」が与えられる。
【0061】
「階級ポイント」は、対戦ゲームにおける勝敗に応じて与えられる。勝利したプレイヤには勝利の態様に基づいて所定数の階級ポイント、例えば、+50階級ポイントが与えられる。敗戦したプレイヤには、勝利したプレイヤに与えた所定数の階級ポイントの負の階級ポイント、例えば、−50階級ポイントが与えられる。
【0062】
本実施形態では、階級ポイントの価値を担保するために、勝利したプレイヤに与えた階級ポイントと、敗戦したプレイヤに与えた階級ポイントとの合計値がゼロになるように定められている。
【0063】
これにより、階級レベルの低いプレイヤの場合は敗戦時のリスクが低く、階級レベルの高いプレイヤの場合は敗戦時のリスクが高いというような不公平感をプレイヤが感じないようにしている。
【0064】
「階級レベル(位階名)」は、プレイヤが所持している「階級ポイント」に基づいて与えられる。階級レベル(位階名)と階級ポイントの関係を示す階級ポイントテーブルを図5に示す。なお、階級レベル(位階名)と階級ポイントの関係は、図5の具体例に限らないことはいうまでもない。
【0065】
階級ポイントが0〜99のプレイヤは、階級レベルが「1」で位階名が「一般兵」である。
【0066】
階級ポイントが100〜199のプレイヤは、階級レベルが「2」で位階名が「指揮官」である。
【0067】
階級ポイントが200〜399のプレイヤは、階級レベルが「3」で位階名が「小隊長」である。
【0068】
階級ポイントが400〜599のプレイヤは、階級レベルが「4」で位階名が「中隊長」である。
【0069】
階級ポイントが600〜799のプレイヤは、階級レベルが「5」で位階名が「大隊長」である。
【0070】
階級ポイントが800〜1099のプレイヤは、階級レベルが「6」で位階名が「提督」である。
【0071】
階級ポイントが1100〜1399のプレイヤは、階級レベルが「7」で位階名が「司令官」である。
【0072】
階級ポイントが1400〜1799のプレイヤは、階級レベルが「8」で位階名が「将軍」である。
【0073】
階級ポイントが1800〜2199のプレイヤは、階級レベルが「9」で位階名が「皇帝」である。
【0074】
階級ポイントが2200以上のプレイヤは、階級レベルが「10」で位階名が「大皇帝」である。
【0075】
(階級レベル(位階名)の昇格・降格)
階級レベル(位階名)は、原則としてプレイヤが所持している階級ポイントに基づいて設定されるが、本実施形態では、プレイヤの勝利時(階級ポイントの増加時)と敗戦時(階級ポイントの減少時)とでは、異なる態様で変化する。
【0076】
プレイヤが対戦ゲームに勝利して階級ポイントが増加して階級レベル(位階名)間の閾値を超えた場合には、上位の階級レベル(位階名)に昇格する。
【0077】
例えば、図6に示すように、1080階級ポイントを有する階級レベルが「6」で位階名が「提督」であるプレイヤが、対戦ゲームに勝利して50階級ポイントを取得すると、1130階級ポイントとなり、階級レベル(位階名)が「6(提督)」と「7(司令官)」の間の閾値である階級ポイント「1100」を超えるので、そのプレイヤの階級レベル(位階名)は「7(司令官)」となる。
【0078】
これに対し、プレイヤが対戦ゲームに敗戦して階級ポイントが減少して階級レベル(位階名)間の閾値を超えた場合でも、階級レベル(位階名)は降格せず変化しない。
【0079】
例えば、図6に示すように、1830階級ポイントを有する階級レベルが「9」で位階名が「皇帝」であるプレイヤが、対戦ゲームに敗戦して50階級ポイントを失ったとすると、1780階級ポイントとなるが、階級レベル(位階名)は「9(皇帝)」のままであり「8(将軍)」に降格しない。
【0080】
また、階級ポイントが更に低い、階級レベル(位階名)が「6(提督)」に相当する830階級ポイントを有し、階級レベル(位階名)が「7(司令官)」であるプレイヤが、対戦ゲームに敗戦して50階級ポイントを失ったとすると、階級レベル(位階名)が「6(提督)」に相当する780階級ポイントとなるが、階級レベル(位階名)は降格せず2段階上の「7(司令官)」のままである。
【0081】
更に、このようなシステムにおいては、閾値をまたいで階級レベル(位階名)が変化する場合には、「昇格戦」と呼ばれる特殊な戦闘やイベントをクリアする必要があるが、上位の階級レベル(位階名)を保持している限りは特殊な戦闘やイベントを免除するようにしても良い。
【0082】
例えば、780階級ポイント(階級レベル6に相当)で階級レベル(位階名)が7(司令官)であるプレイヤが戦闘に勝利して830ポイントになった場合、上位の階級である階級レベル7を保持しているので、階級レベル(位階名)が7(司令官)への昇格に必要な特殊な戦闘やイベントを免除するようにしてもよい。これにより、上位への復帰のハードルが下がり、そのプレイヤのゲームへの再戦へのモチベーションを高めることができる。
【0083】
このように、本実施形態では、階級レベル(位階名)の昇格は階級ポイントの閾値をまたぐ増加により発生するが、階級レベル(位階名)の降格は階級ポイント減少では発生しない。階級レベル(位階名)の降格は、次に述べる入れ替え戦により発生する。
【0084】
このため、階級レベル(位階名)に比べて階級ポイントが低いプレイヤが存在しうる。可能性としては、階級レベル(位階名)は最上位である「10(大皇帝)」であるが、階級ポイントは「1(一般兵)」に相当する階級ポイント、例えば、80階級ポイントの階級レベル(位階名)が10(大皇帝)のプレイヤも存在しうることになる。
【0085】
(入れ替え戦)
本実施形態における対戦ゲームでは、例えば、全国各地にあるアミューズメント施設内に設けられたゲーム装置を操作するプレイヤ同士がマッチングされて対戦ゲームを行う。
【0086】
プレイヤ同士をマッチングする条件としては様々な条件が考えられるが、実力が同程度のプレイヤ同士が対戦するのが望ましい。実力に差があると対戦しても面白くないと考えられるからである。
【0087】
(マッチング条件)
本実施形態では所定のマッチング条件によりプレイヤ同士をマッチングする。プレイヤのICカードに記録された「プレイヤ戦績」、「階級ポイント」、「階級レベル(位階名)」、「プレイ履歴」、「ゲーム情報」等に基づいて、所定のマッチング条件によりプレイヤ同士をマッチングする。
【0088】
本実施形態のマッチング条件は次の通りである。
(a)階級ポイント
対戦するプレイヤ間の階級ポイントの差が所定数以内、例えば、200階級ポイント以内であること。
【0089】
対戦するプレイヤ間の階級ポイントの比が所定値範囲内、例えば、0.9〜1.1の範囲内であること。
(b)階級レベル(位階名)
対戦するプレイヤ間の階級レベル(位階名)の差が所定値以内、例えば、2階級レベル以内であること。
【0090】
対戦するプレイヤ間の階級レベル(位階名)については条件を設けない。
(c)プレイヤ戦績
対戦するプレイヤ間の対戦数の差が所定数以内であること。
【0091】
対戦するプレイヤ間の対戦数の比が所定値範囲内であること。
(d)プレイ履歴
マッチング候補となるプレイヤが複数あった場合、対戦するプレイヤ間の対戦数の差が少ない組み合わせを優先してマッチングの選定を行う。
(e)ゲーム情報
個別のゲームに独自の設定を用いてマッチングの選定を行う。例えば、複数の国の戦乱ゲームであれば、自国の軍に設定したプレイヤ相手ではなく他の国の軍に設定したプレイヤと優先してマッチング相手の選定を行う。
【0092】
(入れ替え戦発生条件)
マッチングした結果、対戦するプレイヤA、プレイヤB間について次の条件(a)〜(c)を満足するとき、その対戦ゲームを、階級レベル(位階名)を入れ替えるための「入れ替え戦」とする。
(a)対戦するプレイヤAの階級レベル(位階名)Gaと、プレイヤBの階級レベル(位階名)Gbが異なること。
(b)階級レベル(位階名)Gbが下位のプレイヤBの階級ポイントPbの方が、階級レベル(位階名)Gbが上位のプレイヤAの階級ポイントPaよりも多いこと。
(c)階級レベル(位階名)Gaが上位のプレイヤAの階級ポイントPaが、階級レベル(位階名)Gaに本来対応している階級ポイントよりも少ないこと。
【0093】
また、次のような条件(d)を追加してもよい。
(d)階級レベル(位階名)Gbが下位のプレイヤBの階級ポイントPbが、階級レベル(位階名)Gbに本来対応している階級ポイントの範囲内であること。
【0094】
条件(b)は、階級ポイントPbが上のプレイヤBと対戦した場合に入れ替え戦を発生させるために設けた条件である。
【0095】
条件(c)は、階級レベル(位階名)Gaが上位のプレイヤA、すなわち、入れ替え戦により降格となるプレイヤAは、過去に、対戦ゲームに敗戦して階級ポイントが減少して階級レベル(位階名)間の閾値を超えて下がったことがあるプレイヤに限定するために設けた条件である。
【0096】
条件(d)は、階級レベル(位階名)Gbが下位のプレイヤB、すなわち、入れ替え戦により昇格となるプレイヤBに、過去に、対戦ゲームに敗戦して階級ポイントが減少して階級レベル(位階名)間の閾値を超えたことがあるプレイヤを含ませないようにするために設けた条件である。
【0097】
なお、条件(b)、条件(c)、条件(d)の全て又はいずれかは、入れ替え戦発生条件に含ませなくともよい。
【0098】
(入れ替え戦終了処理)
入れ替え戦を行った結果、どのような終了処理を行うかについて説明する。
(a)階級レベル(位階名)が下位のプレイヤBが勝利した場合
階級レベル(位階名)の入れ替えが行われる。
【0099】
勝利したプレイヤBの階級レベルは、階級レベル(位階名)Gbから階級レベル(位階名)Gaに昇格し、敗戦したプレイヤAの階級レベルは、階級レベル(位階名)Gaから階級レベル(位階名)Gbに降格する。
【0100】
勝利したプレイヤBの階級ポイントは、対戦したプレイヤAの階級レベル(位階名)Gaに本来対応している階級ポイントの範囲内、例えば、その範囲内の最小の階級ポイントに一気に上昇する。
【0101】
敗戦したプレイヤAの階級ポイントは、階級ポイントPaから、敗戦に基づく所定数の階級ポイント、例えば、50階級ポイントが減少する。
【0102】
なお、敗戦したプレイヤAの階級レベルを、プレイヤAの減少した階級ポイント(Pa−50)に対応した階級レベル(位階名)に変化するようにしてもよい。
(b)階級レベル(位階名)が上位のプレイヤAが勝利した場合
階級レベル(位階名)の入れ替えは行われない。
【0103】
階級レベル(位階名)Gaが上位のプレイヤAに、勝利に基づく所定数の階級ポイント、例えば、50階級ポイントが与えられ、階級レベル(位階名)Gbが下位のプレイヤBから、敗戦に基づく所定数の階級ポイント、例えば、50階級ポイントが奪われる。
【0104】
プレイヤAは階級レベル(位階名)Gaのままであり、プレイヤBは階級レベル(位階名)Gbのままである。
【0105】
(入れ替え戦の具体例)
入れ替え戦の具体例について図7乃至図9を用いて説明する。
(i)具体例1(図7参照)
プレイヤAは、階級レベル(位階名)が上位の階級レベル8の位階を持つが、階級ポイントはプレイヤBと比較して低いプレイヤであり、プレイヤBは、階級レベル(位階名)が下位の階級レベル6の位階を持つが、階級ポイントはプレイヤAと比較して高いプレイヤである。入れ替え戦においてプレイヤBが勝利して入れ替えが発生したとする。
・入れ替え戦発生
プレイヤA:階級レベル(位階名)=8(将軍)、階級ポイント=980
プレイヤB:階級レベル(位階名)=6(提督)、階級ポイント=1060
・入れ替え結果
プレイヤA:階級レベル(位階名)=6(提督)、階級ポイント=930
プレイヤB:階級レベル(位階名)=8(将軍)、階級ポイント=1400
・説明
プレイヤBは、階級レベル(位階名)に比較して階級ポイントが2段階分下がっているプレイヤAに勝利した結果、階級レベル(位階名)が提督から将軍に2段階上昇し、階級ポイントも1060階級ポイントから将軍に対応する階級ポイントの最小階級ポイントである1400階級ポイントに一気に上昇した。一方、プレイヤAは、階級レベル(位階名)が将軍から提督に降格し、階級ポイントが980階級ポイントから930階級ポイントに下降した。
(ii)具体例2(図8参照)
プレイヤAは、階級レベル(位階名)が上位の階級レベル4の位階を持つプレイヤであり、プレイヤBは、階級レベル(位階名)が下位の階級レベル5の位階を持つプレイヤである。入れ替え戦においてプレイヤAが勝利して入れ替えが発生したとする。
・入れ替え戦発生
プレイヤA:階級レベル(位階名)=4(中隊長)、階級ポイント=370
プレイヤB:階級レベル(位階名)=5(大隊長)、階級ポイント=220
・入れ替え結果
プレイヤA:階級レベル(位階名)=5(大隊長)、階級ポイント=600
プレイヤB:階級レベル(位階名)=2(指揮官)、階級ポイント=170
・説明
プレイヤAは、階級レベル(位階名)に対して階級ポイントが二段階分下がっているプレイヤBに勝利した結果、階級レベル(位階名)がプレイヤBの元の階級レベルであるレベル5(大隊長)に設定され、それにあわせてレベル5(大隊長)に対応する閾値の最小階級ポイントである600階級ポイントに一気に上昇した。一方、プレイヤBは、負けた結果、階級ポイントが170階級ポイントまで減少し、結果として対応する階級レベル2(指揮官)に位階が変化した。
(iii)具体例3(図9参照)
プレイヤAは、階級レベル(位階名)が上位の階級レベル4の位階を持つプレイヤであり、プレイヤBは、階級レベル(位階名)が下位の階級レベル5の位階を持つプレイヤである。入れ替え戦においてプレイヤAが勝利して入れ替えが発生したとする。
・入れ替え戦発生
プレイヤA:階級レベル(位階名)=4(中隊長)、階級ポイント=370
プレイヤB:階級レベル(位階名)=5(大隊長)、階級ポイント=220
・入れ替え結果
プレイヤA:階級レベル(位階名)=5(大隊長)、階級ポイント=600
プレイヤB:階級レベル(位階名)=4(中隊長)、階級ポイント=400
・説明
プレイヤAは、階級レベル(位階名)に対して階級ポイントが二段階分下がっているプレイヤBに勝利した結果、階級レベル(位階名)がプレイヤBの元の階級レベルであるレベル5(大隊長)に設定され、それにあわせてレベル5(大隊長)に対応する閾値の最小階級ポイントである600階級ポイントに一気に上昇した。
【0106】
一方、プレイヤBは、負けた結果、階級レベル(位階名)がプレイヤAの元の階級レベルであるレベル4(中隊長)に設定され、それにあわせてレベル4(中隊長)に対応する閾値の最小階級ポイントである400階級ポイントとなった。階級レベルの入れ替え処理を優先した結果、負けたプレイヤBも階級ポイントが上昇した。
【0107】
この場合、両方のプレイヤともに実質的な階級ポイントの底上げを受けることとなり、階級ポイントの得失点の合計がゼロとなる基本ルールの範囲内で、プレイヤ全体の底上げを行うことが可能である。
【0108】
(入れ替え戦の詳細フロー)
本実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームの詳細について図10乃至図14を用いて説明する。図10は対戦ゲームの詳細を示すフローチャートである。図11は対戦ゲームにおけるプレイヤデータテーブルを示す図である。図12乃至図14は対戦ゲームにおけるゲーム画面を示す図である。
【0109】
図10のフローチャートは、第1の端末装置16aを操作するプレイヤAと、第2の端末装置16bを操作するプレイヤBがマッチングされた場合のフローチャートである。
【0110】
中央のフローがメイン制御部14の処理の流れを示す。中央から左側のフローがプレイヤAにより操作される第1の端末装置16aの処理の流れを示し、その左側のフローがプレイヤAの操作を示す。中央から右側のフローがプレイヤBにより操作される第2の端末装置16bの処理の流れを示し、その右側のフローがプレイヤBの操作を示す。
【0111】
なお、メイン制御部14が実行する中央のフローにおける処理の全部又は一部は、LAN回戦等で接続されたサーバ39が行ってもよいし、第1の端末装置16a及び/又は第2の端末装置16bが行ってもよい。
【0112】
また、第1の端末装置16aが実行する左側のフローにおける処理の全部又は一部は、第2の端末装置16b、メイン制御部14又はサーバ39が行ってもよい。
【0113】
また、第2の端末装置16bが実行する右側のフローにおける処理の全部又は一部は、第1の端末装置16b、メイン制御部14又はサーバ39が行ってもよい。
【0114】
プレイヤAがICカード18を第1の端末装置16aに挿入すると(ステップA01)、第1の端末装置16aはICカード18の識別情報を読み取り、第1の端末装置16aのメモリ54に、図11(a)に示すプレイヤデータテーブル100が格納される。第1の端末装置16aはプレイヤデータテーブル100に基づいて対戦相手を検索する(ステップB01)。
【0115】
同様に、プレイヤBがICカード18を第2の端末装置16bに挿入すると(ステップE01)、第2の端末装置16bはICカード18の識別情報を読み取り、第2の端末装置16bのメモリ54に、図11(b)に示すプレイヤデータテーブル110が格納される。第2の端末装置16bはプレイヤデータテーブル110に基づいて対戦相手を検索する(ステップD01)。
【0116】
メイン制御部14は、端末装置16a〜16hを操作するプレイヤ同士をマッチングさせるマッチング処理を行う(ステップC01)。マッチング条件は、上述した通りである。
【0117】
マッチング処理によりプレイヤAとプレイヤBが対戦相手としてマッチングされたとすると、メイン制御部14は、第1の端末装置16aと第2の端末装置16bにマッチングする旨のマッチング信号を送信する(ステップC02)。
【0118】
第1の端末装置16aは、メイン制御部14からのマッチング信号を受信し(ステップB02)、プレイヤBと対戦することを知る。
【0119】
第2の端末装置16bは、メイン制御部14からのマッチング信号を受信し(ステップD02)、プレイヤAと対戦することを知る。
【0120】
次に、メイン制御部14は、マッチングされたプレイヤAとプレイヤB間について、入れ替え戦発生条件を満たしているか否か判断する(ステップC03)。階級レベル(位階名)を入れ替えるための入れ替え戦発生条件は上述した通りである。
【0121】
入れ替え戦発生条件を満たしていないと判断された場合には、第1の端末装置16aと第2の端末装置16bとにより、プレイヤAとプレイヤBによる入れ替え戦でない通常の対戦ゲームが実行される(ステップB03、ステップD03)。通常の対戦ゲームの処理の詳細については説明を省略する。
【0122】
入れ替え戦発生条件を満たしていると判断された場合には、メイン制御部14は、第1の端末装置16aと第2の端末装置16bに階級レベル(位階名)の入れ替わりが発生する入れ替え戦を実行する旨の通知を送信する(ステップC04)。
【0123】
ここでは、対戦するプレイヤAの階級レベル(位階名)Gaが、プレイヤBの階級レベル(位階名)Gbよりも高く、かつ、プレイヤAの階級ポイントPaがプレイヤBの階級ポイントPbよりも低いという条件を満たし、入れ替え戦が発生したものとする。
【0124】
第1の端末装置16aは、メイン制御部14からの入れ替え戦通知を受信し、モニタ24に、図12(a)に示すような入れ替え戦実行画面を表示する(ステップB04)。
【0125】
図12(a)に示す入れ替え戦実行画面では、左側上部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)と階級ポイントが表示され、右側上部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)と階級ポイントが薄く表示され、中央に「入れ替え戦」「負ければ降格!」の文字が演出的に表示される。
【0126】
第2の端末装置16bは、メイン制御部14からの入れ替え戦通知を受信し、モニタ24に、図12(b)に示すような入れ替え戦実行画面を表示する(ステップD04)。
【0127】
図12(b)に示す入れ替え戦実行画面では、左側上部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)と階級ポイントが表示され、右側上部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)と階級ポイントが薄く表示され、中央に「入れ替え戦」「勝てば昇格!」の文字が演出的に表示される。
【0128】
なお、図12(b)の画面では、階級レベル(位階名)と階級ポイントの両方を表示しているが、階級レベル(位階名)以外の情報については必ずしも表示しなくともよい。
【0129】
次に、メイン制御部14は、入れ替え戦を実行する(ステップC05)。
【0130】
プレイヤAによるゲーム操作(ステップA02)と、プレイヤBによるゲーム操作(ステップE02)に基づいて対戦ゲームが実行される(ステップC05)。第1の端末装置16aのモニタ24に戦闘画面が表示され(ステップB05)、第2の端末装置16bのモニタ24に戦闘画面が表示される(ステップB05)。
【0131】
次に、メイン制御部14は、入れ替え戦でプレイヤAとプレイヤBのいずれかが勝利したかを判断する(ステップC06)。
【0132】
階級レベル(位階名)が下位のプレイヤBが勝利した場合には、メイン制御部14は、階級レベル(位階名)の入れ替え処理を発生する(ステップC07)。
【0133】
入れ替え戦の結果、勝利したプレイヤBが操作する第2の端末装置14bのモニタ24には、図13(a)に示すような入れ替え画面が表示され(ステップD06)、続いて、図13(b)に示すように、階級レベル(位階名)の昇格を演出的に表示する昇格表示画面が表示され、続いて、図13(c)に示すように、階級レベル(位階名)の昇格が実行された昇格実行画面が表示される(ステップD07)。
【0134】
図13(a)に示す入れ替え画面では、中央上部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)が表示され、中央下部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)が表示され、中央に「入れ替え」の文字が演出的に表示される。左側下部には入れ替え前のプレイヤBの階級レベル(位階名)「提督」と階級ポイント「980」が表示される。
【0135】
図13(c)に示す昇格実行画面では、図13(a)に示す入れ替え画面の上下が入れ替わって、中央上部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)が表示され、中央下部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)が表示され、中央に「入れ替え」の文字が演出的に表示される。左側下部には入れ替え後のプレイヤBの階級レベル(位階名)「司令官」と階級ポイント「1100」が表示される。
【0136】
入れ替え戦の結果、敗戦したプレイヤAが操作する第1の端末装置14aのモニタ24には、図14(a)に示すような入れ替え画面が表示され(ステップB06)、続いて、図14(b)に示すように、階級レベル(位階名)の降格を演出的に表示する降格表示画面が表示され、続いて、図14(c)に示すように、階級レベル(位階名)の降格が実行された降格実行画面が表示される(ステップB07)。
【0137】
図14(a)に示す入れ替え画面では、中央上部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)が表示され、中央下部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)が表示され、中央に「入れ替え」の文字が演出的に表示される。左側下部には入れ替え前のプレイヤAの階級レベル(位階名)「司令官」と階級ポイント「910」が表示される。
【0138】
図14(c)に示す降格実行画面では、図14(a)に示す入れ替え画面の上下が入れ替わって、中央上部にプレイヤAとその階級レベル(位階名)が表示され、中央下部にプレイヤBとその階級レベル(位階名)が表示され、中央に「入れ替え」の文字が演出的に表示される。左側下部には入れ替え後のプレイヤAの階級レベル(位階名)「提督」と階級ポイント「860」が表示される。
【0139】
続いて、メイン制御部14は、プレイヤAとプレイヤBのゲームデータを記録することを指示し(ステップC08)、この指示に基づいて、第1の端末装置16aはプレイヤAの階級レベル(位階名)と階級ポイントを変更し(ステップB08)、第2の端末装置16bはプレイヤBの階級レベル(位階名)と階級ポイントを変更する(ステップD08)。入れ替えによる階級レベル(位階名)と階級ポイントの変更態様については前述したとおりである。
【0140】
続いて、メイン制御部14は、対戦を終了する処理を行う(ステップC11)。
【0141】
メイン制御部14からの対戦終了指示に基づいて、第1の端末装置14aはICカード18を排出し(ステップB11)、プレイヤAは排出したICカード18を受け取る(ステップA03)。
【0142】
メイン制御部14からの対戦終了指示に基づいて、第2の端末装置14bはICカード18を排出し(ステップD11)、プレイヤBは排出したICカード18を受け取る(ステップE03)。
【0143】
一方、入れ替え戦において階級レベル(位階名)が上位のプレイヤAが勝利した場合には、メイン制御部14は、階級レベル(位階名)の入れ替え処理を発生させない(ステップC09)。
【0144】
入れ替え戦の結果、勝利したプレイヤAが操作する第1の端末装置14aのモニタ24には、図14(a)に示すような通常終了画面が表示される(ステップB09)。
【0145】
入れ替え戦の結果、敗戦したプレイヤBが操作する第2の端末装置14bのモニタ24には、図14(b)に示すような通常終了画面が表示される(ステップD09)。
【0146】
続いて、メイン制御部14は、プレイヤAとプレイヤBのゲームデータを記録することを指示し(ステップC10)、この指示に基づいて、第1の端末装置16aはプレイヤAの階級ポイントを変更し(ステップB10)、第2の端末装置16bはプレイヤBの階級ポイントを変更する(ステップD10)。入れ替えが発生しない場合における階級ポイントの変更態様については前述したとおりである。また、この場合は、両プレイヤとも階級レベル(位階名)は変更されないため、階級レベル(位階名)の変更処理は行われない。
【0147】
続いて、メイン制御部14は、対戦を終了する処理を行う(ステップC11)。
【0148】
メイン制御部14からの対戦終了指示に基づいて、第1の端末装置14aはICカード18を排出し(ステップB11)、プレイヤAは排出したICカード18を受け取る(ステップA03)。
【0149】
メイン制御部14からの対戦終了指示に基づいて、第2の端末装置14bはICカード18を排出し(ステップD11)、プレイヤBは排出したICカード18を受け取る(ステップE03)。
【0150】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0151】
例えば、上記実施形態では、アミューズメント施設内に設けられたゲーム装置がネットワークにより通信可能に接続されたゲームシステムを例として説明したが、本発明の原理は、アミューズメント施設向けのゲーム装置に限定されず、
例えば、ネットワークを介してサーバと通信する手段を備えた家庭用ゲーム装置や、パーソナルコンピュータ、或いは、携帯電話、PHS、PDA等の携帯電話機等を用いてもよい。
【0152】
また、ネットワークにより接続されたゲームシステムではなく、単体のゲーム装置、例えば、アミューズメント施設内に設けられた単体のゲーム装置や、家庭用ゲーム装置、ゲーム装置として機能する、パーソナルコンピュータ、或いは、携帯電話、PHS、PDA等の携帯電話機等でもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、プレイヤが別々のゲーム装置を操作して対戦するゲームシステムを例として説明したが、2人のプレイヤが同じゲーム装置を操作して対戦する場合のゲーム装置の制御について本発明を適用してもよい。すなわち、サーバを用いることなく、単体のゲーム装置に複数の入力部を設けて対戦する場合や、複数のゲーム装置を直接接続して対戦する場合に本発明を適用してもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、プレイヤの識別のためにICカードを用いたが、磁気カード、定期券、Suicaカード、Edyカード、携帯電話等を用いてもよい。更に、プレイヤを識別するものであれば、指紋や虹彩等の個人を識別する手段を用いてもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、2人のプレイヤが1対1で対戦する対戦形式のゲームであったが、複数のプレイヤがチームを組んで、チーム対チームで対戦する対戦形式のゲームであってもよい。また、2人のプレイヤやチームのうち、一方がコンピュータにより操作されるCPUプレイヤやCPUチームであってもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、プレイアイテムとしてカードを用い、プレイヤ同士が対戦する戦乱バトルゲームを例として説明したが、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、囲碁、将棋、チェス、麻雀、クイズ、ゴルフ、ダーツ等、その他のタイプの対戦ゲームにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるゲームシステムで用いられるICカードの構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるゲームシステムで用いられる階級階級ポイントテーブルを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける階級レベル(位階名)の昇格・降格を説明するための図である。
【図7】入れ替え戦(具体例1)における階級レベル(位階名)の昇格・降格を説明するための図である。
【図8】入れ替え戦(具体例2)における階級レベル(位階名)の昇格・降格を説明するための図である。
【図9】入れ替え戦(具体例3)における階級レベル(位階名)の昇格・降格を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームの詳細を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームにおけるプレイヤデータテーブルを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームにおけるゲーム画面を示す図(その1)である。
【図13】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームにおけるゲーム画面を示す図(その2)である。
【図14】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおける対戦ゲームにおけるゲーム画面を示す図(その3)である。
【符号の説明】
【0158】
10…ゲーム装置
12…大型パネルディスプレイ
14…メイン制御部
16a〜16h…端末装置
18…ICカード
20…カード
22…カード配置パネル
24…モニタ
26…ICカードリーダライタ
28…カード発行部
30…セレクトボタン
32…アクションボタン
34…ハブ
36…大型パネル制御部
38…仮想専用回線
39…サーバ
40…CPU
41…メモリ(RAM)
42…入出力インターフェース
44…サウンド回路
46…グラフィック表示回路
48…スイッチ類
50…サウンドアンプ類
52…CPU
54…メモリ(RAM)
56…入出力インターフェース
58…サウンド回路
60…グラフィック表示回路
62…イメージセンサ
64…スイッチ類
66…サウンドアンプ類
100、110…プレイヤデータテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置を制御するためのゲーム装置制御プログラムであって、
前記記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、
前記ゲーム装置の前記制御部に、
プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択するステップと、
前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップと
を実行させるためのゲーム装置制御プログラム。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置制御プログラムにおいて、
前記記憶部には、対戦処理における地位を示す階級レベルと、前記階級レベルに対応する階級ポイントとの関係を示す階級ポイントテーブルが記憶され、
前記ゲーム装置の制御部に、
前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルに昇格した場合には、前記一のプレイヤの階級ポイントを、前記階級ポイントテーブルに基づき、前記昇格した階級レベルに対応した階級ポイントに増加するステップ
を更に実行させるためのゲーム装置制御プログラム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゲーム装置制御プログラムにおいて、
前記ゲーム装置の制御部に、
対戦処理の結果、プレイヤの階級ポイントが増加する場合には、前記階級ポイントテーブルに基づいて前記プレイヤの階級レベルを昇格させ、プレイヤの階級ポイントが減少する場合には、前記プレイヤの階級レベルを降格させずに維持するように、前記プレイヤの階級レベルを決定するステップ
を更に実行させるためのゲーム装置制御プログラム。
【請求項4】
プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置を制御するためのゲーム装置制御プログラムであって、
前記記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、
前記ゲーム装置の前記制御部に、
プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択するステップと、
前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格するステップと
を実行させるためのゲーム装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項5】
プレイヤにより操作される操作部と、記憶部と、プレイヤによる対戦処理を行う制御部とを有するゲーム装置であって、
前記記憶部には、各プレイヤについて、対戦処理における地位を示す階級レベルと、対戦処理における強さを示す階級ポイントとが記憶され、
前記制御部は、
プレイヤの階級ポイントに基づいて、一の対戦処理を行う一のプレイヤと他のプレイヤとを選択し、
前記一の対戦処理の結果、前記一のプレイヤの階級レベルが前記他のプレイヤの階級レベルよりも下位であって、前記一のプレイヤが勝利したと判断された場合には、前記一のプレイヤの階級レベルを前記他のプレイヤの階級レベルに昇格する
ことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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