説明

ゲーム装置及びゲームプログラム

【課題】表示装置の背面側に設けられたタッチセンサへの操作入力の負荷を軽減し、簡易な入力操作を可能とする。
【解決手段】ゲーム装置100は、仮想空間内のオブジェクトを表示する表示装置220と、表示装置220の背面側に設けられたタッチセンサ280と、オブジェクトに関連してプレイヤが指定した表示装置220上の指定位置をタッチセンサ280上に予め定められた基準位置とプレイヤがタッチセンサ280にポインティングしたポインティング位置との間の相対的な位置関係に基づいて求める指定位置算出手段2111と、指定位置の指定を契機として予め定められたゲーム処理を実行するゲーム処理手段2112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置の背面側に設けられたタッチセンサを備えるゲーム装置及びそのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータデバイスの入力インタフェースとして、タッチセンサが普及している。例えば、特表2000−515702号公報には、ディスプレイと同じサイズのタッチセンサをディスプレイの背面に配置し、左右方向の入力座標を反転させることで、あたかもディスプレイの裏面からユーザがポインティングしているかのような操作感を与えるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000−515702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、同公報に記載の技術では、タッチセンサ上にポインティングされた絶対位置をディスプレイ上の絶対位置に一対一に対応付けて変換しているため、ディスプレイ上のある位置を指定したい場合に、正面からは視認できないタッチセンサ上の一点に正確にポインティングしなければならず、操作性に難点を有していた。
【0005】
そこで、本発明は、表示装置の背面側に設けられたタッチセンサへの操作入力の負荷を軽減し、簡易な入力操作を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係わるゲーム装置は、仮想空間内のオブジェクトを表示する表示装置と、表示装置の背面側に設けられたタッチセンサと、オブジェクトに関連してプレイヤが指定した表示装置上の指定位置を、タッチセンサ上に予め定められた基準位置とプレイヤがタッチセンサにポインティングしたポインティング位置との間の相対的な位置関係に基づいて求める指定位置算出手段と、指定位置の指定を契機として予め定められたゲーム処理を実行するゲーム処理手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチセンサ上にポインティングされた絶対位置を表示装置上の絶対位置に一対一に対応付けて変換するのではなく、タッチセンサ上に予め定められた基準位置とプレイヤがタッチセンサにポインティングしたポインティング位置との間の相対的な位置関係に基づいて指定位置を求めることで、プレイヤによる操作入力の負荷が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係わるゲーム装置の正面図である。
【図2】本実施形態に係わるゲーム装置の背面図である。
【図3】本実施形態に係わるゲーム装置のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係わるゲーム画像の一例を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係わる表示装置上の所定位置と指定位置との関係を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係わる背面タッチセンサ上の基準位置とポインティング位置との関係を示す説明図である。
【図7】本実施形態に係わるプロセッサコアの機能を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係わる表示装置上の複数の領域を示す説明図である。
【図9】本実施形態に係わる背面タッチセンサ上の複数の領域を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係わるゲーム装置100の正面図を示し、図2はゲーム装置100の背面図を示す。また、図3はゲーム装置100のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、ゲーム装置100の筐体は、スーパーオーバル形状のハウジング110によって構成されており、プレイヤが両手で把持し易いように設計されている。
【0011】
図1に示すように、ゲーム装置100の正面略中央には、ゲーム画面を表示する表示装置220が配置されている。ゲーム装置100の左右両端部には、プレイヤからの操作入力を受け付ける入力インタフェースとしての複数の操作ボタン260が配置されている。操作ボタン260の配置位置は、例えば、プレイヤが両手でハウジング110を把持した場合に親指が当接する位置である。操作ボタン260は、例えば、十字ボタンや丸形ボタンである。また、操作ボタン260の近傍には、音響出力用のオーディオ出力ユニット230が配置されている。また、ゲーム装置100の正面には、撮影用の正面カメラ270が配置されている。
【0012】
図2に示すように、ゲーム装置100の背面には、プレイヤからの操作入力を受け付ける入力インタフェースとしての背面タッチセンサが配置されている。また、ゲーム装置100の背面には、撮影用の背面カメラ290が配置されている。
【0013】
図3に示すように、ゲーム装置100は、コンピューティングデバイス210、表示装置220、オーディオ出力ユニット230、外部メディアユニット240、通信ユニット250、操作ボタン260、正面カメラ270、背面タッチパネル280、及び背面カメラ290を備える。
【0014】
コンピューティングデバイス210は、ゲーム装置100の各種動作を制御する。
【0015】
表示装置220は、表示機能を有するディスプレイ221と、入力機能を有するタッチセンサ222とを組み合わせて構成されるタッチスクリーンである。表示装置220は、例えば、ゲームを表現或いは演出するための画像(例えば、静止画、動画、映像等)を表示し、また、プレイヤからタッチ操作による入力を受け付ける。但し、本実施形態において表示装置220は必ずしもタッチセンサ222を有する必要はなく、表示機能を有していればよい。ディスプレイ221は、例えば、公知の有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等である。
【0016】
オーディオ出力ユニット230は、例えば、ゲームを表現或いは演出するためのサウンド(例えば、音楽、音声、効果音等)を出力する。
【0017】
外部メディアユニット240は、外部記憶媒体へのデータの読み書きを行う入出力インタフェースである。外部記憶媒体は、例えば、メモリカード、USBメモリ、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、SRAM、磁気テープ装置、光ディスク装置である。外部記憶媒体を着脱するため、外部記憶媒体には、ゲームの実行に用いられるゲームプログラム、パラメータ等の各種データを記憶することができる。ゲーム装置100は、外部記憶媒体からゲームプログラム等を読み取ってメモリモジュール212に転送し格納して用いることができる。なお、ゲーム装置100のハウジング110には、外部記憶媒体の接続に適当な外部メディアスロットを設けてもよい。
【0018】
通信ユニット250は、サーバコンピュータや他のゲーム装置100にネットワーク接続するための通信インタフェースである。ネットワーク通信は、例えば、3GやWiFi等の無線通信規格に準拠した通信である。
【0019】
操作ボタン260は、タッチセンサ222へのプレイヤ入力に代え、またはその入力を補完するための入力インタフェースである。
【0020】
背面タッチセンサ280は、プレイヤからタッチ操作による入力を受け付ける入力インタフェースである。背面タッチセンサ280から出力された操作信号は、コンピューティングデバイス210に入力される。コンピューティングデバイス210は、背面タッチセンサ280からの操作信号を検出すると、ゲームに対する操作として解釈し、これに応じた処理が実行される。背面タッチセンサ280は、ポインティング位置を検出してその座標を出力できるものであればよく、例えば、静電容量タイプのものを採用することができるが、これに限定されない。
【0021】
コンピューティングデバイス210は、各種のプロセッサ及びメモリ等からなる、例えばチップセットを含むコンピュータ回路要素である。本実施形態のコンピューティングデバイス210は、例えば、プロセッサコア211と、メモリモジュール212と、グラフィックスエンジン213と、サウンドエンジン214と、I/Oコントローラ215と、これらを接続するシステムバス216とを含む。コンピューティングデバイス210は、動画像を高速に処理するためのメディアエンジンを更に備えてもよい。
【0022】
プロセッサコア211は、コンピューティングデバイスのメインプロセッサとして機能するチップである。ここでは、「プロセッサコア」という用語は、メインプロセッサを意味するプロセッサやCPU、MPU等と同義のものとして扱うことができる。
【0023】
プロセッサコア211は、例えば、メモリモジュール212上に展開されたゲームプログラムをオペレーティングシステム上で実行する。これにより、コンピューティングデバイス210は、プロセッサコア211によるゲームプログラムの実行を通じて、他のハードウェアユニット/コンポーネントと協働し、ゲーム処理を行う。
【0024】
メモリモジュール212は、ゲームの実行に用いられる各種のプログラム及びデータを記憶する。このようなプログラム及びデータの具体例として、例えば、BIOS、OSプログラム、デバイスドライバ、ゲームプログラム、システムデータ等がある。メモリモジュール212は、例えば、DRAM等の揮発性メモリ、マスクROM等の不揮発性メモリ、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリ等によって構成される。
【0025】
グラフィックスエンジン213は、プロセッサコア211の制御の下、各種のグラフィックス処理を行なう。グラフィックスエンジン213は、例えば、グラフィックコア2131及びグラフィックメモリ2132を含む。
【0026】
グラフィックコア2131は、例えば、2D及び/又は3Dのコンピュータグラフィックスを生成及び描画する機能を有するグラフィックプロセッサである。
【0027】
グラフィックコア2131は、グラフィックメモリ2132に記憶されるグラフィックデータを読み出して、各種のグラフィック処理(例えば、ジオメトリ処理、レンダリング処理、テクスチャマッピング処理等)を行なって、画像データを生成することができる。例えば、グラフィックコア2131は、ポリゴンのジオメトリ(座標)を計算するジオメトリプロセッサと、ジオメトリ計算されたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリングプロセッサとを含む。
【0028】
グラフィックコア2131は、描画された画像を表示装置220等に出力するため、ビデオエンコーダやHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等を備えていてもよい。
【0029】
ジオメトリプロセッサは、例えば、ポリゴンの2次元又は3次元のゲーム空間での座標について、行列の回転や拡大等を実施して、アフィン変換等を行ない、ポリゴンの座標を求める。また、ジオメトリプロセッサは、ポリゴンの分割やスプライン補完等のテッセレーションを行なう、「ジオメトリシェーダ」(又はバーテックスシェーダ)を備えてもよい。
【0030】
レンダリングプロセッサは、例えば、座標計算されたポリゴンについて、テクスチャと呼ばれる画像データを貼り付け、各種効果を加えてグラフィックメモリに描画する。各種効果の一例としては、プログラマブル・シェーダ等を用いて、光点・影(シェーディング)計算、明暗の表現、半透明、ぶれ、霧、ぼかし、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)等の計算が挙げられる。
【0031】
ポリゴンの種類の一例としては、点ポリゴン(ポイント)、線ポリゴン(ラインリスト)、三角形や四角形といった面ポリゴン、面ポリゴンの集合体等が挙げられる。加えて、レンダリングプロセッサがレイ・トレーシング等を用いて描画を行なう際には、円、楕円、球、メタボール等の領域で定義される物体を描画することも可能である。
【0032】
なお、上述のグラフィックコア2131による画像処理の一部又は全部は、プロセッサコア211で処理するようにしてもよい。グラフィックコア2131によって生成された画像データは、ビデオエンコーダ等のビデオインタフェース回路によって所定のビデオ信号に変換され、表示装置220に出力される。
【0033】
サウンドエンジン214は、プロセッサコア211の制御の下、サウンドメモリ(図示せず)に記憶されるサウンドデータに対して、適宜、各種のサウンド処理(例えば、エフェクト処理、ミキシング処理等)を施す。サウンドエンジン214は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等でもよく、また、物理演算音源、FM音源等の計算を行ない、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。サウンドエンジン214によって処理されたサウンドデータは、図示しないサウンドインタフェース回路によって所定のオーディオ信号に変換され、オーディオ出力ユニット230に出力される。なお、サウンドエンジン214は、図示しないマイクから入力された音声の認識等をサポートしてもよい。
【0034】
I/Oコントローラ215は、外部の様々なユニットとの入出力を制御するインタフェース回路の一例である。I/Oコントローラ215には、タッチセンサ222、操作ボタン260、外部メディアユニット240、及び通信ユニット250を接続することができる。I/Oコントローラ215は、接続された各種のユニットから与えられる外部信号をコンピューティングデバイス210内の内部データに変換し、また、内部データを各種のユニットに適した外部信号に変換する。
【0035】
ディスプレイ221は、グラフィックスエンジン213からのビデオ信号に基づいて、画像(例えば、静止画、動画、映像等)をディスプレイ221上に表示する。ディスプレイ221は、2D表示に対応するものでもよいし3D表示に対応するものでもよい。
【0036】
タッチセンサ222は、プレイヤによるタッチ操作に応じた操作信号を出力する。プレイヤのタッチ操作は、プレイヤの指によりなされてもよいし、スタイラス等でもよい。タッチセンサ222として、例えば、静電容量タイプのものを採用することができるが、これに限定されない。
【0037】
タッチセンサ222から出力された操作信号は、コンピューティングデバイス210に入力される。コンピューティングデバイス210は、タッチセンサ222からの操作信号を検出すると、ゲームに対する操作として解釈し、これに応じた処理が実行される。
【0038】
例えば、コンピューティングデバイス210は、タッチセンサ222からの操作信号に基づいて、ディスプレイ221上の位置情報を算出し、ゲーム画像及び時間情報と相まって、操作アクションを決定するために用いられる。ゲーム装置100は、複数の指(又はスタイラス)によるマルチタッチ操作を受け付けることができる。
【0039】
オーディオ出力ユニット230は、オーディオ出力デバイスの一例であり、ゲームの進行状況に合わせて、プレイヤにゲーム音を提供する。オーディオ出力ユニット230は、サウンドエンジン214からのオーディオ信号に基づいて、音(例えば、音声、音楽、効果音等)を発生させる。
【0040】
なお、「コンピュータ」とは、例えば、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味することがある。また、オペレーティングシステムが不要でプログラム単独でハードウェアを動作可能な場合には、そのハードウェアがコンピュータに相当するとみることができる。ハードウェアは、CPU等の演算装置と、記録媒体に記録されたプログラムを読み取り可能な読み取り装置とを含むことができる。
【0041】
ゲームプログラムは、上述のように定義される「コンピュータ」に、ゲーム装置100としての機能を実現させるプログラムコードを含む。その機能の一部はプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0042】
次に、背面タッチセンサ280からの操作入力を契機としてゲーム処理を実行する処理について、図4乃至図9を参照しながら説明する。
【0043】
図4に示すように、仮想三次元空間内に配置されたオブジェクト10が表示装置220に表示される。表示装置220は、仮想空間内に設定された仮想視点から見たオブジェクト10の画像を表示するように構成されており、例えば、オブジェクト10が仮想的な床面12の上を転がったり或いは跳ねたりして自在に移動する様子を表示することができる。本実施形態では、オブジェクト10と仮想視点との相対的な位置関係が常時一定になるように、オブジェクト10の移動に追随して仮想視点も移動するように構成されているため、表示装置220の予め定められた所定位置P1にオブジェクト10が表示される。所定位置P1は、表示装置220の特定の位置に必ずしも固定する必要はなく、オブジェクト10の移動に追随して移動させたり或いはゲーム展開(例えば、プレイヤの成績、ゲームの難易度等)に応じて移動させたりしてもよい。なお、仮想空間内の位置とディスプレイ上の位置は同義である。
【0044】
ここで、プレイヤが背面タッチセンサ280をポインティングし、オブジェクト10又はその周囲の位置P2を指定すると、ゲーム上の演出処理として、例えば図5に示すように、床面12の位置P2が瞬間的に突出し、オブジェクト10を跳ね飛ばす画像が表示される。本明細書では、オブジェクト10に関連してプレイヤが指定した位置P2を指定位置P2と称する。
【0045】
図6に示すように、背面タッチパネル280上には、予め定められた基準位置P3が設定されている。基準位置P3は、所定位置P1の背面に位置してもよい(言い換えれば、基準位置P3のX座標及びY座標は、所定位置P1のX座標及びY座標と同じでもよい)。或いは、基準位置P3のX座標及びY座標は、所定位置P1のX座標及びY座標と異なるものでもよい。所定位置P1は、表示画面220上のどの位置でもよいが、画面中央が特に好ましい。本明細書では、プレイヤが表示装置220上の指定位置P2を指定するために背面タッチセンサ280にポインティングした位置P4をポインティング位置P4と称する。基準位置P3とポインティング位置P4との間の位置関係を、所定位置P1と指定位置P2との間の位置関係に変換するための変換規則を予め設定しておくことにより、ポインティング位置P4から指定位置P2を求めることができる。
【0046】
例えば、図4に示すように、所定位置P1と指定位置P2との間の距離をr1、所定位置P1を原点とするXY直交座標系のX軸と線分P1P2とが成す角度をθ1とし、図6に示すように、基準位置P3とポインティング位置P4との間の距離をr2、基準位置P3を原点とするXY直交座標系のX軸と線分P3P4とが成す角度をθ2とすると、(1)式及び(2)式よりポインティング位置P4から指定位置P2を求めることができる。
θ1=θ2 …(1)
r1=k1×r2 …(2)
【0047】
なお、変換規則を簡略化するため、(2)式に替えて(3)式を用いてもよい。
r1=k2 …(3)
但し、k1,k2は定数である。
(1)式及び(3)式に基づいてポインティング位置P4から指定位置P2を求める場合、所定位置P1と指定位置P2との間の距離k2は一定値であるため、背面タッチセンサ280は、θ2のみを検出すればよい。
【0048】
図7に示すように、プロセッサコア211は、背面タッチセンサ280から取得したポインティング位置P4から指定位置P2を算出する指定位置算出手段2111、及び指定位置P2の指定を契機として予め定められたゲーム処理を実行するゲーム処理手段2112として機能する。このようなゲーム処理として、例えば、オブジェクト10を仮想空間内で移動させる処理を実行してもよい。具体的には、図5に示したように、指定位置P2の指定を契機として、指定位置P2が瞬間的に突出し、オブジェクト10を跳ね飛ばす画像が生成され、表示装置220の表示画像が更新される。ここで、ゲームの演出効果を高める上で、オブジェクト10が飛び跳ねる方向は、指定位置P2に関して対角方向(θ1+180°の方向)でもよく、指定位置P2の方向(θ1の方向)でもよく、或いは任意の方向(θ1+αの方向)でもよい。指定位置P2がオブジェクト10の中心位置に一致する場合は、オブジェクト10の移動方向は、画像表示装置220の表示面に垂直な方向でもよく、オブジェクト10に描かれている図柄(例えば、顔)が向いている方向でもよい。
【0049】
指定位置P2の指定を契機として実行されるゲーム処理の例として、例えば、プレイヤが背面タッチセンサ280に連続してポインティングした回数に応じてオブジェクト10を移動させる態様(距離、高さ、速度)を変化させてもよい。プレイヤが複数回連続して背面タッチセンサ280にポインティングした場合、最初にポインティングした位置P4と基準位置P3との間の相対的な位置関係に基づいて指定位置P2を求めてもよい。また、プレイヤが背面タッチセンサ280にポインティングし続けている時間の長短に応じてオブジェクト10を移動させる態様(距離、高さ、速度)を変化させてもよい。具体的には、ポインティングし続けている時間が長い程、オブジェクト10の移動速度を早くしてもよい。また、プレイヤが背面タッチセンサ280にポインティングしながら指を離さずにドラッグした場合に、指の移動軌跡に追従するように、床面12の突出部分が移動するように構成してもよい。プレイヤがこのようなドラッグ操作をした場合、指定位置P4の検出は、プレイヤが指を背面タッチセンサ280から離した時点に行ってもよい。
【0050】
なお、ポインティング位置P4から指定位置P2を求める変換規則は、上述の(1)式〜(3)式に示すように線形関数で演算する方式に限られるものではない。例えば、図8に示すように、背面タッチセンサ280を複数の領域Q1〜Q9に分割し、図9に示すように、表示装置220を複数の領域R1〜R9に分割し、領域Q1〜Q9を領域R1〜R9にそれぞれ対応付けてもよい。例えば、ポインティング位置P4が領域Q1内にある場合、指定位置P2は領域R1内にあるものと算出される。但し、領域R5の範囲は、図4に示す所定位置P1を中心とする一定の範囲11であり、例えば、オブジェクト10の表示範囲にほぼ一致するのが好ましい。また、図8に示す例では、領域Q1〜Q9の隙間はポインティング位置P4を検出しない不感領域としてもよい。また、このような不感領域を避けるため、隣接する領域間に隙間が生じないように領域Q1〜Q9を分割してもよい。
【0051】
本実施形態によれば、背面タッチセンサ280上にポインティングされた絶対位置を表示装置220上の絶対位置に一対一に対応付けて変換するのではなく、基準位置P3とポインティング位置P4との間の相対的な位置関係に基づいて指定位置P2を求めることで、プレイヤによる操作入力の負荷が軽減される。また、オブジェクト10の表示位置は、ゲーム展開に応じて刻々と変動する場合もあり得るが、そのような場合でも、プレイヤは、オブジェクト10の移動に追随してポインティング位置P4を変更する必要がなく、あくまでも基準位置P3とポインティング位置P4との間の相対的な位置関係に基づいて指定位置P2を求めることができる。また、本実施形態は、背面タッチセンサ280上にポインティングされた絶対位置を表示装置220上の絶対位置に一対一に対応付けて変換するものではないため、タッチパッド280のサイズを表示表装置220のサイズに一致させる必要がない。このため、タッチパッド280のサイズを表示表装置220のサイズより大きくしてもよいし、或いは小さくしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、携帯型のゲーム装置、携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等のインテリジェントデバイスに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10…オブジェクト
100…ゲーム装置
220…表示装置
280…背面タッチセンサ
2111…指定位置検出手段
2112…ゲーム処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内のオブジェクトを表示する表示装置と、
前記表示装置の背面側に設けられたタッチセンサと、
前記オブジェクトに関連してプレイヤが指定した前記表示装置上の指定位置を、前記タッチセンサ上に予め定められた基準位置と前記プレイヤが前記タッチセンサにポインティングしたポインティング位置との間の相対的な位置関係に基づいて求める指定位置算出手段と、
前記指定位置の指定を契機として予め定められたゲーム処理を実行するゲーム処理手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記表示装置は、予め定められた所定位置に前記オブジェクトを表示する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記指定位置と前記所定位置との間の距離は一定であり、且つ前記所定位置と前記指定位置とを結ぶ線分が前記所定位置を原点とする座標軸となす角度は、前記基準位置と前記ポインティング位置とを結ぶ線分が前記基準位置を原点とする座標軸となす角度と同じである、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記指定位置と前記所定位置との間の距離は、前記基準位置と前記ポインティング位置との間の距離に所定の係数を乗じた値であり、且つ前記所定位置と前記指定位置とを結ぶ線分が前記所定位置を原点とする座標軸となす角度は、前記基準位置と前記ポインティング位置とを結ぶ線分が前記基準位置を原点とする座標軸となす角度と同じである、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム処理手段は、前記指定位置の指定を契機として前記オブジェクトを移動させる処理を実行する、請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記指定位置算出手段は、前記プレイヤが前記タッチセンサに連続してポインティングした回数に応じて前記オブジェクトを移動させる態様を変化させる、請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム処理手段は、前記プレイヤが前記タッチセンサにポインティングし続けている時間の長短に応じて前記オブジェクトを移動させる態様を変化させる、請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項8】
表示装置に表示されるオブジェクトに関連してプレイヤが指定した前記表示装置上の指定位置を、前記表示装置の背面側に設けられたタッチセンサ上に予め定められた基準位置と前記プレイヤが前記タッチセンサにポインティングしたポインティング位置との間の相対的な位置関係に基づいて求める指定位置算出手段、及び
前記指定位置の指定を契機として予め定められたゲーム処理を実行するゲーム処理手段、
としてコンピュータを機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114429(P2013−114429A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259588(P2011−259588)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】