説明

ゲーム装置及びゲーム要素の生成方法、並びにプログラム及び記録媒体

【課題】プレイヤの操作によりゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を生成可能なゲームにおいて、プレイヤが直ぐに該ゲーム要素の生成操作に慣れることを防ぐことで、該操作に飽きさせない。
【解決手段】魔石生成画面には、壺1201の中に溶液1202が収められ、溶液1202に素材1203が浮かべられる。魔石生成画面において素材選択操作によって選択された素材1203が溶液1202に溶ける画像が表示される。素材1203が溶液1202に溶けた状態で、魔石生成画面においてかき混ぜ操作が行われたときには、該操作によって壺1201に収められている溶液1202及び素材1203が撹拌される。撹拌の行われているスピードが最適スピード範囲1205内で6秒間継続すれば、魔石1208が生成される。生成される魔石1208の種類は、溶液1202に溶かされた素材1203の種類の組合せに応じて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を、プレイヤの撹拌操作によって生成するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロールプレイングゲームでは、1つのアイテムを加工する或いは複数のアイテムを調合することで、別の新しいアイテムを作成するものがあった。既存のアイテムの加工或いは調合によって新しいアイテムを作成することを、多くのゲームでは単なるボタン操作によってのみ指示するものとしていた。これでは、アイテムを加工または調合していることをプレイヤがあまり実感できない。これに対して、プレイヤによる一連の操作過程を経てアイテムが作成されるのであれば、プレイヤは自らアイテムを作成したものと実感でき、ゲーム性は向上するものとなる。
【0003】
ここで、プレイヤが、新しく作成するアイテムの材料を、プレイヤがゲームの過程で取得した材料から選択して鍋に入れた後に、かき混ぜる操作を行うことで、該選択された材料の種類の組合せに応じたアイテムが新しく作成されるものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 公式ぼうけんクリアガイド」 株式会社メディアファクトリー 2006年10月27日 233〜235ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1の技術を用いて、新たなアイテムを作成したとしても、作成を実行するためにプレイヤが行う操作(かき混ぜ操作)の判定は、零さないようにゆっくりかき混ぜ操作が行われているかどうか、焦がさないように素早く混ぜられているかどうかという操作速度によってなされるものであった。しかし、ゲームの中で何度も新たなアイテムを作成したとしても、プレイヤが行うかき混ぜ操作に変化はなく、プレイヤは直ぐに適切な操作速度でかき混ぜ操作を行うことに慣れてしまうことになる。
【0006】
このように適切な操作速度でのかき混ぜ操作に慣れてしまってからでは、アイテムを作成する際のかき混ぜ操作をプレイヤが単純に感じてしまうことで、アイテムの作成に面白味を感じなくなってしまう。このように適切な操作速度でのかき混ぜ操作にプレイヤが慣れてしまってからも、依然として同じ手法でアイテムを作成しなければならないとなると、アイテムを作成するのに一連の操作過程を経なければならないことが、プレイヤにとって非常に煩わしく感じられてしまうという虞もあった。
【0007】
本発明は、プレイヤの操作によりゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を生成可能なゲームにおいて、プレイヤが直ぐに該ゲーム要素の生成操作に慣れることを防ぐことで、該操作に飽きさせないことのできるゲーム装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる画像生成装置は、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を進行過程において使用するゲームを実行するゲーム装置であって、前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を表示する容器表示手段と、プレイヤの操作に応じて、前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を入力する撹拌動作入力手段と、現時点までの前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作とに応じて、前記容器表示手段に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定し、該決定した態様で表示させる撹拌表示制御手段と、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成するゲーム要素生成手段とを備えるものとすることができる。
【0009】
上記第1の観点にかかるゲーム装置では、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素は、撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作に応じて容器表示手段に表示される液質及び要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に生成されるものとなる。プレイヤの操作に応じて、液質及び要素材料が撹拌し、該液質及び要素材料の撹拌の態様に応じてゲーム要素が生成されるものとなる。これにより、プレイヤは、自らの操作がゲーム要素の生成という結果に結びつくことを実感することができるものとなる。
【0010】
また、ゲーム要素は、撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作の態様ではなく、液質及び要素材料の撹拌の態様に応じて生成される。ここで、液質及び要素材料の撹拌の態様は、単にプレイヤの操作による撹拌動作の態様だけで決まるのではなく、現時点までにおける液質及び要素材料の撹拌の態様に応じても決まる。つまり、現時点までの液質及び要素材料の撹拌の態様が異なれば、入力された撹拌動作の態様が同じであっても、新たに決定される撹拌の態様は異なることになる。このため、液質及び要素材料の撹拌の態様をプレイヤの所望の態様に調整することが、プレイヤがゲームにおいて何度もゲーム要素の生成を行ったとしても、容易になりすぎることはない。このため、プレイヤがゲーム要素の生成操作に直ぐに飽きてしまったり、さらにはゲーム要素の生成操作を煩わしく感じさせたりすることを防ぐことができる。
【0011】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記撹拌表示制御手段は、前記容器の中で前記液質及び前記要素材料が撹拌して表示された後に前記撹拌動作入力手段からの撹拌動作の入力が解除された場合に、現時点までに表示されている撹拌の状態に応じて前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を次第に低下させつつ撹拌の表示を継続させるものとすることができる。
【0012】
ここで、前記撹拌動作入力手段は、前記容器の中での撹拌動作の入力を解除する他に、前記容器の中にあるまま撹拌動作を停止させた状態を入力することが可能であり、前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段により前記容器の中にあるまま撹拌動作を停止させた状態が入力されている場合には、前記容器の中での撹拌動作の入力が解除された場合よりもさらに前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を低下させるものとしてもよい。
【0013】
この場合において、プレイヤが液質及び要素材料を撹拌させるための操作を行った後において、該操作を解除した場合には該撹拌は次第に速度を低下しつつ継続し、容器の中で該操作を停止した場合には該撹拌は該操作を解除した場合よりも速度をさらに低下させるものとなる。ここで、操作を解除した時および操作を停止した時における撹拌が、実空間と同じように擬似的に容器表示手段において表示されるものとなる。このため、プレイヤは、容器表示手段において擬似的に表示される液質及び要素材料の撹拌に対して、自らの操作との違和感を感じることがない。
【0014】
さらにここで、前記撹拌表示制御手段は、前記容器の中で前記液質及び前記要素材料が撹拌されて表示された後に該撹拌の方向とは反対方向の撹拌動作が前記撹拌動作入力手段から新たに入力された場合に、前記容器の中での撹拌動作の入力が解除された場合よりもさらに前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を低下させつつ該撹拌が停止されるまで同じ方向のままで撹拌の表示を継続した後、前記撹拌動作から新たに入力された撹拌動作の方向で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させるものとすることができる。
【0015】
この場合において、プレイヤが液質及び要素材料をいずれかの方向に撹拌させるための操作を行った後に該方向と反対方向に撹拌させるための操作を行った場合には、該撹拌は、停止するまで同じ方向で該操作を解除した場合よりも速度をさらに低下させつつ継続した後、該入力された方向で行われるものとなる。ここで、反対方向へ操作した時における撹拌が、実空間と同じように擬似的に容器表示手段において表示されるものとなる。このため、プレイヤは、容器表示手段において擬似的に表示される液質及び要素材料の撹拌に対して、自らの操作との違和感を感じることがない。
【0016】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記要素材料は、1以上の任意個が前記容器に収められ、前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作が同じであっても、前記容器に収められた前記要素材料の数が多いほど遅い速度で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させるものとすることができる。
【0017】
この場合において、プレイヤが液質及び要素材料を撹拌させるための操作を行った場合には、容器に収められた該要素材料の数に応じた速度で、撹拌が行われるものとなる。ここで、容器に収められた要素材料の個数が多ければ抵抗が大きくなる撹拌が、実空間と同じように擬似的に容器表示手段において表示されるものとなる。このため、プレイヤは、容器表示手段において擬似的に表示される液質及び要素材料の撹拌に対して、自らの操作との違和感を感じることがない。また、プレイヤの所望の態様で液質及び要素材料を撹拌させるためには、容器に収められた要素材料の個数に応じても撹拌動作の入力を調整しなければならないので、プレイヤがゲーム要素の生成操作に直ぐに慣れてしまうことがいっそう生じにくくなる。
【0018】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段から撹拌動作の入力がある前から停止状態でない所定の初期態様で前記容器表示手段に表示された容器の中で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させていてもよい。この場合において、前記ゲーム要素生成手段は、前記液質及び前記要素材料の撹拌が前記所定の初期態様から停止されないことを条件として、前記ゲーム要素を生成し、前記ゲーム装置は、前記ゲーム要素の生成機会が生じる度に、前記所定の初期態様を変化させる初期態様変化手段をさらに備えるものとすることができる。
【0019】
この場合には、液質及び要素材料は、最初から撹拌して表示され、その撹拌の初期態様はゲーム要素の生成機会が生じる度に異なるものとなっている。また、この初期態様から一旦撹拌を停止させてしまうと、ゲーム要素を生成できなくなってしまう。このようにプレイヤの所望の態様で液質及び要素材料を撹拌させるためには、撹拌の態様を見ながら調整していかなければならないため、プレイヤがゲーム要素の生成操作に直ぐに慣れてしまうことがいっそう生じにくくなる。
【0020】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続したことを条件として、前記ゲーム要素を生成するものとすることができる。
【0021】
この場合において、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素は、撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続したときに生成されるものとなる。ここで、プレイヤは、撹拌動作のための自らの操作に、よりきめ細かい操作が要求されるようになる。これにより、プレイヤが直ぐに撹拌動作の入力操作に慣れることを防ぐことができる。さらに、撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続するまでの所用時間に制限が設定されているものとすることもでき、これによって、ゲーム要素を生成することの難易度を高めてプレイヤがゲーム要素の生成操作に慣れるのをさらに防ぐことができるようになる。
【0022】
ここで、上記ゲーム装置は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲にあるかどうかを表示する撹拌速度表示手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0023】
さらに、前記撹拌速度表示手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の速度そのものを表示するものとしてもよい。
【0024】
この場合において、プレイヤは、撹拌の行われている速度が所定の速度範囲にあるかどうかを撹拌速度表示手段によって確認することができる。また、撹拌の速度そのものが撹拌速度表示手段に表示されるのであれば、これを目安として自らの行う撹拌のための操作を調整することができるようになる。
【0025】
ここで、前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続するまでの該撹拌の方向に応じて、前記ゲーム要素を生成するものとしてもよい。
【0026】
この場合において、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素は、撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続したときの撹拌の方向に応じて生成されるものとなる。これにより、プレイヤにとってゲーム要素の生成における選択肢が増えることになる。なお、ここでは、撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続したときの撹拌の方向に応じて、ゲーム要素の生成の有無が決まるものとしても、生成されるゲーム要素の種類が異なるものとしてもよい。
【0027】
さらにここで、上記ゲーム装置は、前記所定の速度の範囲を変更する速度範囲変更手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0028】
これにより、ゲーム要素を生成するためのプレイヤに必要なプレイヤの操作が変化し、撹拌動作の入力操作をより難易度の高いものとすることができるので、プレイヤが直ぐに該操作に慣れることを防ぐことができる。なお、速度範囲変更手段は、プレイヤのレベルなどゲームの進行状況に応じて所定の速度の範囲を変更するものであってもよい。また、速度範囲変更手段は、撹拌された要素材料に応じて所定の速度の範囲を変更するものであってもよい。
【0029】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌動作入力手段により前記撹拌動作の入力が開始されてから所定時間を経過するまでにおいて前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の速度に応じて、前記ゲーム要素を生成するものとすることができる。
【0030】
この場合には、撹拌動作の入力の開始から所定時間を経過するまでの期間全体における撹拌の速度がゲーム要素の生成に影響するので、撹拌動作の入力操作をより難易度の高いものとすることができる。また、特にプレイに慣れた上級プレイヤにとってゲーム要素の生成における選択肢が増えることとなる。なお、撹拌が開始されてから所定時間を経過するまでにおける撹拌の速度に応じて、ゲーム要素の生成の有無が決まるものとしても、生成されるゲーム要素の種類が異なるものとしてもよい。
【0031】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌動作入力手段により前記撹拌動作の入力が開始されてから所定時間を経過するまでにおいて前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の方向に応じて、前記ゲーム要素を生成するものとすることができる。
【0032】
この場合には、撹拌動作の入力の開始から所定時間を経過するまでの期間全体における撹拌の方向がゲーム要素の生成に影響するので、撹拌動作の入力操作をより難易度の高いものとすることができる。なお、ここでは、撹拌が開始されてから所定時間を経過するまでにおける撹拌の方向に応じて、ゲーム要素の生成の有無が決まるものとしても、生成されるゲーム要素の種類が異なるものとしてもよい。
【0033】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記要素材料は、複数種類のものがあるとともに、複数個が前記容器に収められ、前記ゲーム要素生成手段は、前記容器に収められた複数個の要素材料のうちから選択された1以上の要素材料を元にして、該選択された要素材料の種類に応じたゲーム要素を生成するものとすることができる。
【0034】
この場合においは、プレイヤは、様々なパターンで要素材料を選択し、異なる種類のゲーム要素を生成することができので、該ゲーム要素の生成にさらに飽きさせないものとすることができる。なお、ここでは、選択された要素材料の種類に応じて、ゲーム要素の生成の有無が決まるものとしても、生成されるゲーム要素の種類が異なるものとしてもよい。
【0035】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記要素材料は、前記容器に収められていても、前記液質に溶解している状態のものと溶解していない状態のものとがあり、前記ゲーム要素生成手段は、前記容器内に収められた要素材料のうちで前記液質に溶解している状態の要素材料を元に前記ゲーム要素を生成するものとすることができる。
【0036】
ここで、前記要素材料は、複数種類のものがあり、前記容器表示手段は、前記液質に溶解している状態で前記容器内に収められた要素材料の種類に応じて異なる表示態様で該容器内の液質を表示し、前記ゲーム要素生成手段は、前記液質に溶解している状態で前記容器内に収められた要素材料の種類に応じたゲーム要素を生成するものとすることもできる。
【0037】
この場合には、プレイヤは、液質の表示態様に応じて液質に溶解した要素材料を予測することが可能となり、これによって、さらには溶解している要素材料に応じて生成されるゲーム要素もある程度予測することができるようになる。なお、ここでは、溶解している要素材料の状態に応じて、ゲーム要素の生成の有無が決まるものとしても、生成されるゲーム要素の種類が異なるものとしてもよい。また、ここでは、プレイヤの操作に応じて、要素材料を溶解させることができるものとしてもよい。
【0038】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記撹拌動作入力手段は、前記容器表示手段の前面に配設され、該ゲーム画像表示手段に表示された画像を透過可能に示すタッチパネルにより構成され、前記容器表示手段により表示された容器の内部に対応する該タッチパネル上の位置をなぞることにより前記撹拌動作を入力するものとすることができる。
【0039】
上記第1の観点にかかるゲーム装置において、前記撹拌動作入力手段は、多軸加速度センサーを含むコントロールパッドにより構成され、該コントロールパッドを周回動作させることにより前記撹拌動作を入力するものとすることができる。
【0040】
このようなタッチパネルの操作やコントロールパッドの周回操作によって撹拌動作を入力することで、現実の場面の撹拌動作に近い直感的な操作で容易に撹拌動作の入力が行えるようになる。また、現実の場面の撹拌動作に近い操作で撹拌動作の入力が行えることから、操作性が向上するとともに、プレイヤがゲーム要素の生成を自ら行っていることをいっそう実感し易くなる。
【0041】
上記第1の観点にかかるゲーム装置は、ゲームにおいて所定のイベントが発生したときに、前記要素材料をプレイヤに取得させる要素材料取得手段と、プレイヤからの指示に応じて、前記要素材料取得手段により取得された要素材料を前記容器に収めて前記容器表示手段に表示させるものとすることができる。
【0042】
この場合には、ゲーム要素を生成するためには先に要素材料を取得する必要が生じることとなり、ゲーム要素の生成の機会に制限が設けられることで、ゲーム要素の生成操作にできる限り慣れさせないものとすることができる。
【0043】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるゲーム要素の生成方法は、情報を記憶する記憶装置と、画像を表示する表示装置と、周回操作による入力が可能な入力装置とを備えるコンピュータ装置において実行され、ゲームの進行過程において使用することで所定の効果を生じさせるゲーム要素を生成する方法であって、前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を前記表示装置に表示させ、前記入力装置が周回操作されることにより、前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を入力し、現時点までに前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記入力装置の周回操作により入力された撹拌動作とに応じて、前記表示装置に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定して前記記憶装置に一時記憶させ、前記液質及び前記要素材料を、前記記憶装置に一時記憶された態様で前記容器の中で撹拌させた画像を前記表示装置に表示させ、前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成し、該生成されたゲーム要素を前記記憶装置に記憶させることを特徴とする。
【0044】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、情報を記憶する記憶装置と、画像を表示する表示装置と、周回操作による入力が可能な入力装置とを備えるコンピュータ装置において実行され、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を進行過程において使用するゲームのプログラムであって、前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を前記表示装置に表示させるステップと、前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を、前記入力装置の周回操作により入力させるステップと、現時点までに前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記入力装置の周回操作により入力された撹拌動作とに応じて、前記表示装置に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定して前記記憶装置に一時記憶させるステップと、前記液質及び前記要素材料を、前記記憶装置に一時記憶された態様で前記容器の中で撹拌させた画像を前記表示装置に表示させるステップと、前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成し、該生成されたゲーム要素を前記記憶装置に記憶させるステップとを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【0045】
上記第3の観点にかかるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置に着脱可能に構成され、上記コンピュータ装置とは別個に提供される記録媒体としてもよい。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置内に設けられ、上記コンピュータ装置と共に提供される固定ディスク装置などの記録媒体としてもよい。上記第3の観点にかかるプログラムは、ネットワーク上に存在するサーバ装置から、そのデータ信号を搬送波に重畳して、ネットワークを通じて上記コンピュータ装置に配信することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0047】
図1は、この実施の形態に適用されるゲーム装置1の構成を示す外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。図1において、ゲーム装置1は、2つの液晶表示器(LCD)11および12を所定の配置位置となるように、ハウジング18に収納して構成される。
【0048】
第1液晶表示器(以下、「LCD」という)11および第2LCD12を互いに上下に配置して収納する場合は、ハウジング18が下部ハウジング18aおよび上部ハウジング18bから構成され、上部ハウジング18bが下部ハウジング18aの上辺の一部で回動自在に支持される。上部ハウジング18bは、第1LCD11の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、一方主面から第1LCD11の表示画面を露出するように開口部が形成される。下部ハウジング18aは、その平面形状が上部ハウジング18bよりも横長に選ばれ、横方向の略中央部に第2LCD12の表示画面を露出する開口部が形成され、第2LCD12を挟む何れか一方にスピーカ15の音抜き孔が形成されるとともに、第2LCD12を挟む左右に操作スイッチ部14が装着される。
【0049】
操作スイッチ部14は、動作スイッチ(以下、「Aボタン」という)14aおよび動作スイッチ(以下、「Bボタン」という)14bと、方向指示スイッチ(以下、「十字キー」という)14cと、スタートスイッチ14dと、セレクトスイッチ14eと、側面スイッチ(以下、「Lボタン」という)14fおよび側面スイッチ(以下、「Rボタン」という)14gとを含む。
【0050】
Aボタン14aおよびBボタン14bは、第2LCD12の右横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。Aボタン14a及びBボタン14bは、例えば、この実施の形態で適用されるロールプレイングゲーム(以下、「RPG」という)においては、プレイヤキャラクタの行動に対する指示の入力に使用される。
【0051】
十字キー14cは、第2LCD12の左横における下部ハウジング18aの一方主面に装着される。十字キー14cは、プレイヤによって操作スイッチ部14を用いて操作可能なプレイヤオブジェクト(この実施の形態では、プレイヤキャラクタ)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりする等のゲーム画面における方向指示に用いられる。
【0052】
Lボタン14fおよびRボタン14gは、下部ハウジング18aにおける上部面(上部側面)の左右に設けられる。この実施の形態は、Lボタン14fは、第2LCD12に表示されている画像を後述する魔石を生成するための画像(以下、「魔石生成画面」という)に入れ替えるための指示の入力に使用され、Rボタン14gは、Lボタン14fによる入れ替えを、解除するための指示の入力に使用される。以下では、Lボタン14fからの指示により魔石生成画面が第2LCD12に表示されている時を「魔石生成時」と呼び、コマンド選択画面が表示されている時の「通常時」と区別するものとする。
【0053】
第2LCD12の上面には、タッチパネル13(図1における破線領域)が装着される。タッチパネル13は、例えば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、静電容量結合式の何れの種類でもよく、その上面をスティック16(または指でも可)で押圧操作、移動操作、または撫でる操作をしたとき、スティック16の座標位置を検出して出力するものである。この実施の形態で適用されるRPGでは、タッチパネル13は、魔石生成時において、魔石を生成させる指示を入力するために使用される。
【0054】
上部ハウジング18bの側面近傍には、必要に応じてタッチパネル13を操作するスティック16を収納するための収納孔(図1における二点破線領域)が形成される。この収納孔には、スティック16が収納される。下部ハウジング18aの側面の一部には、ゲームプログラムを記憶したメモリ(例えば、ROM)を内蔵したゲームカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)17を着脱自在に装着するためのカートリッジ挿入部(図1における一点破線領域)が形成される。カートリッジ17は、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体であり、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリが用いられる。カートリッジ挿入部の内部には、カートリッジ17と電気的に接続するためのコネクタ(図2参照)が内蔵される。さらに、下部ハウジング18a(または上部ハウジング18bでも可)には、CPU等の各種電子部品を実装した電子回路基板が収納される。
【0055】
次に、ゲーム装置1の回路構成について説明する。図2は、ゲーム装置1の回路構成を示すブロック図である。図2において、ハウジング18に収納される電子回路基板には、CPUコア21が実装される。CPUコア21には、所定のバスを介して、カートリッジ17と接続するためのコネクタ28が接続されるとともに、入出力インターフェース(I/F)回路27、第1のグラフィック処理ユニット(第1GPU)24、第2のグラフィック処理ユニット(第2GPU)26、およびワーキングRAM(WRAM)22が接続される。CPUコア21は、内部タイマを備えている。
【0056】
コネクタ28には、カートリッジ17が着脱自在に接続される。カートリッジ17は、上述したようにゲームプログラムを格納するための記憶媒体であり、具体的には、ゲームプログラムを記憶するROM171とバックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM172とを搭載する。カートリッジ17のROM171に記憶されたゲームプログラムは、WRAM22にロードされ、当該WRAM22にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。CPUコア21がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや画像を生成するためのデータがWRAM22に記憶される。ROM171には、ゲーム装置1のコンピュータ、特にCPUコア21によって実行可能な形式の命令群及びデータ群であるゲームプログラムが記録される。そして、このゲームプログラムは、WRAM22に適宜読み込まれ実行される。
【0057】
第1GPU24には、第1のビデオRAM(以下、「第1VRAM」という)23が接続され、第2GPU26には、第2のビデオRAM(以下、「第2VRAM」という)25が接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第1ゲーム画像を生成し、第1VRAM23に描画する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM22に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第2ゲーム画像を生成し、第2VRAM25に描画する。第1GPU24及び第2GPU26から出力されるデータに含まれる画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒であり、第1GPU24及び第2GPU26は、ここでは、フレーム単位(すなわち、30分の1秒単位)で1枚の画像を描画する。
【0058】
第1GPU24が第1LCD11に接続され、第2GPU26が第2LCD12に接続される。第1GPU24は、CPUコア21からの指示に応じて第1VRAM23に描画された第1ゲーム画像を第1LCD11に出力する。そして、第1LCD11は、第1GPU24から出力された第1ゲーム画像を表示する。第2GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて第2VRAM25に描画された第2ゲーム画像を第2LCD12に出力する。そして、第2LCD12は、第2GPU26から出力された第2ゲーム画像を表示する。
【0059】
I/F回路27には、タッチパネル13、操作スイッチ部14、およびスピーカ15が接続される。I/F回路27は、タッチパネル13、操作スイッチ部14、およびスピーカ15等の外部入出力装置とCPUコア21との間のデータの受け渡しを行う回路である。
【0060】
タッチパネル13(タッチパネル用のデバイスドライバを含む)は、第2VRAM25の座標系に対応する座標系を有し、スティック16等によって入力(指示)された位置に対応する座標データをWRAM22に設けられる所定のレジスタに出力するものである。例えば、第2LCD12の表示画面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル13の検出精度も表示画面に対応した256dot×192dotである。なお、タッチパネル13の検出精度は、第2LCD12の表示画面の解像度よりも低いものであってもよいし、高いものであってもよい。スピーカ15は、上述した音抜き孔の内側位置に配置され、実行中のゲームに応じて生成される音声を出力する。
【0061】
次に、この実施の形態で適用されるRPGにおいて通常時及び魔石生成時に第1LCD11及び第2LCD12に表示される画像についてそれぞれ説明する。第1LCD11には、通常時および魔石生成時のいずれにおいてもゲーム画面(仮想3次元空間を透視変換して生成されるもの)が表示される。魔石生成時において第1LCD11に表示されるゲーム画面では、プレイヤキャラクタの動作は停止しているものとなる。
【0062】
第2LCD12には、通常時においてコマンド選択画面が表示されるが、魔石生成時において魔石生成画面(壺を上から見た画像)が表示される。魔石生成時において第2LCD12に表示される魔石生成画面では、タッチパネル13からの入力により後述する素材選択操作、かき混ぜ操作、魔石取り出し操作が受け付けられ、コマンドの選択は受け付けられない。
【0063】
プレイヤは、Lボタン14f及びRボタン14gの操作によって、ゲームの状態を通常時と魔石生成時とで切り替えることができる。通常時に、Aボタン14fが操作された場合には、後述する魔石を生成するための壺が第1LCD11に表示されているゲーム画面に出現するものとなる。通常時に第1LCD11のゲーム画面においてプレイヤキャラクタの正面近傍に壺が位置する状態でLボタン14fを操作されたときには、魔石生成時の状態に切り替わるものとなる。魔石生成時に、Rボタン14gが操作されたときには、通常時の状態に切り替わるものとなる。
【0064】
以下、この実施の形態において、図1、図2に示したゲーム装置1で実行されるゲームについて説明する。この実施の形態にかかるゲームは、RPGであり、プレイヤキャラクタの移動空間としての仮想3次元空間にフィールドが形成されており、プレイヤは、操作スイッチ部14(十字キー14c)を操作してプレイヤキャラクタをフィールド上で移動させながらゲームを進行させていく。プレイヤは、ゲームの進行過程において様々なアイテムを取得し、これを使用することができる。アイテムには、様々なものがあり、ゲーム進行上の所定の効果(例えば、敵キャラクタに対する攻撃に用いたり、プレイヤキャラクタの所定のパラメータを回復させるなど)が設定されている魔石や、魔石を生成する材料となる素材もアイテムに含まれるものとなる。プレイヤは、魔石生成時において後述する素材を使用して魔石を生成することができる。
【0065】
素材は、ゲームの進行過程において、敵キャラクタとのバトルに勝利することや、仮想3次元空間内の店舗で購入することや、仮想3次元空間の所定のポイントに位置することで、取得することができる。素材は複数用意されており、各素材の種類は、赤(R)、緑(G)、青(B)の三種類の色のいずれかによって示される。第2LCD12の魔石生成画面に表示される際に各素材は、種類の色で表示されるものとなる。なお、この三種類は、単に表示色が違っているだけではなく、魔石の生成に用いられた場合に生成される魔石の種類が違ってくるものとなる。
【0066】
次に、魔石生成時において素材から魔石を生成するまでの流れを、第2LCD12に表示される魔石生成画面の例を参照しながら具体的に説明する。図3(a)〜(d)は、魔石生成時における第2LCD12に表示される魔石生成画面の具体例を示す図である。
【0067】
図3(a)〜(d)に示すように、魔石生成画面には、中心点1200が画面のほぼ中央に位置する所定の大きさの円形の壺1201と、撹拌されているスピードを示す撹拌スピードメーター1204と、撹拌スピードの最適範囲を示す最適スピード範囲1205と、3個の最適ランプ1206−1〜3とが含まれる。壺1201の中には、液状または半液状の液質(以下、「溶液」という)1202が収められており、溶液1202には、素材1203が浮かべられている。素材1203は、溶液1202に浮かんでいる状態では何れも同じ大きさで表示されるものとなる。
【0068】
撹拌スピードメーター1204は、撹拌の行われているスピードの程度をバーによって示すものである。撹拌スピードメーター1204において、バーが左である程、撹拌スピードは遅く、バーが右である程、撹拌スピードは早いものとなる。最適ランプ1206は、撹拌の行われているスピードが、最適スピード範囲1205内に一定期間(例えば2秒)ある場合に点灯されるランプである。
【0069】
図3(a)は、Lボタン14fの操作によって、魔石生成画面を第2LCD12に表示させた直後の初期状態である。溶液1202の色は、壺1201よりも内側にある画素のRGB値によって変化するものとなる。例えば、画素毎のRGB値がRGBのそれぞれについて0〜15の範囲の値を取るものとした場合に、(R,G,B)=(15,15,15)は白、(R,G,B)=(0,0,0)は黒を示すものとする。
【0070】
未だ素材1203が溶けていない状態において、壺1201に収められている溶液1202のRGB値は、(R,G,B)=(15,15,15)であり、魔石生成画面において溶液1202の色は白で表示されるものとなる。図3(a)では、溶液1202に、赤(R)の素材1203−1、1203−2と、緑(G)の素材1203−3、1203−4と、青(B)の素材1203−5、1203−6との合計6つの素材1203が浮かべられている。
【0071】
第2LCD12の魔石生成画面に表示された素材1203の位置に対応するタッチパネル13上の位置が押圧操作によってタッチされたときには、素材選択操作によって選択された素材1203が、溶液1202に溶ける画像が表示されるものとなる。以下では、タッチパネル13のタッチにより素材1203を溶液1202に溶かす操作を、素材選択操作と呼ぶものとする。素材選択操作によって素材1203が選択された場合には、溶液1202のRGB値において、素材1203の色以外のRGB値が5ずつ減算されるものとなり、溶けた素材1203の色に応じて、溶液1202の色は変化する。
【0072】
図3(a)において赤(R)の素材1203−2に対して素材選択操作が行われた場合、表示態様は図3(b)に示すように変わる。図3(b)において素材選択操作によって選択された素材1203−2を分かりやすく示すために、点線で表示しているが、表示画面においては、表示されないものとなる。図3(b)において溶液1202のRGB値は、(R,G,B)=(15,10,10)であり、素材の選択前よりも暗く、且つ赤味を帯びた色で表示されるものとなる。
【0073】
図3(b)において、新たに素材選択操作によって緑(G)の素材1203−4を選択した場合には、選択した素材1203−4が溶液1202に溶けていく画像が表示される。ここで、溶液1202のRGB値は(R,G,B)=(15,10,10)から(R,G,B)=(10,10,5)となり、溶液1202の色は、素材の選択前よりも暗く、且つ赤味と緑味を帯びた色に変化するものとなる。
【0074】
第2LCD12の魔石生成画面に表示された溶液1202中の位置に対応するタッチパネル13上の位置を周回して移動する移動操作で継続的にタッチされたときには、かき混ぜ操作によって壺1201に収められている溶液1202及び溶液1202中の素材1203が撹拌する画像が表示されるものとなる。以下では、周回してタッチパネル13がタッチされることにより溶液1202を撹拌させる操作を、かき混ぜ操作という。
【0075】
図3(b)において、溶液1202に対して、時計回り方向のかき混ぜ操作が行われた場合、表示態様は図3(c)に示すように変わる。図3(c)においては、溶液1202と、溶液1202に浮かべられている素材1203とが、中心点1200を中心として後述する方法で算出された撹拌スピード及び方向で撹拌されるものとなる。図3(c)において行われている撹拌のスピードは、撹拌スピードメーター1204においてバー1207で示される。バー1207が最適スピード範囲1205内に連続して2秒間あるごとに、3つの最適ランプ1206−1〜3は、左の最適ランプ1206−1から順に右へと1つずつ点灯されるものとなる。
【0076】
図3(c)において、かき混ぜ操作によって3つの最適ランプ1206−1〜3が点灯された場合、魔石1208が生成され、表示態様は図3(d)に示すように変わる。図3(d)では、壺1201のほぼ中央に、魔石1208が表示され、魔石1208が生成されたことによって全ての最適ランプ1206が消灯するものとなる。また、魔石1208が生成されたことによって溶液1202のRGB値は、魔石1208の材料として使用された素材1203に応じて戻るものとなる。なお、素材選択操作によって素材1203が選択されていない場合には、かき混ぜ操作を行っても魔石1208は生成されないものとなる。
【0077】
壺1201に魔石1208が収められている状態で、かき混ぜ操作が行われたときには、魔石1208は素材1203と同様に溶液1202に浮かべられて撹拌される。第2LCD12の魔石生成画面に表示された魔石1208の位置に対応するタッチパネル13上の位置が押圧操作によりタッチされときには、魔石取り出し操作によって選択された魔石1208が、壺1201(第2LCD12の表示範囲)の外に飛び出す画像が表示されるものとなる。以下では、タッチパネル13のタッチにより壺1201から魔石1208を取り出す操作を、魔石取り出し操作という。魔石取り出し操作によって、壺1201(第2LCD12の表示範囲)から飛び出した魔石1208は、ゲーム画面の範囲内に表示されるものとなる。プレイヤキャラクタは、ゲーム画面に表示された魔石を取得することができる。
【0078】
次に、撹拌スピードの算出及び方向の決定方法について説明する。撹拌スピード及び方向は、現時点で行われている撹拌スピード及び方向と、かき混ぜ操作の行われている角速度、半径及び方向(以下、それぞれ「かき混ぜ速度」、「かき混ぜ半径」、「かき混ぜ方向」という)に応じてそれぞれ算出或いは決定されるものとなり、撹拌スピードを算出及び方向を決定する際には、まずかき混ぜ速度、かき混ぜ半径及びかき混ぜ方向が求められるものとなる。図4は、かき混ぜ速度、かき混ぜ半径及びかき混ぜ方向の算出方法を模式的に示す図である。
【0079】
図4に示すように、第2LCD12上の平面において壺1201の中心点1200を原点とし、原点からの距離(すなわち、中心点1200からの半径)と原点からの方向が基準方向(ここでは、上方向)となす角度とによって表される座標系(以下、壺座標系という)が設定されている。もっとも、かき混ぜ速度及びかき混ぜ方向の計算において基準方向となす角度は問題とならず、1フレーム期間における角度変化が問題とされる。
【0080】
例えば、前回のフレーム期間において点Aの位置がタッチされ、今回のフレーム期間において点Bの位置がタッチされたものとする。かき混ぜ速度は、点Aから点Bへの回転角βで表され、かき混ぜ方向は、点Aから点Bへの回転方向であり、回転角βがプラスである場合は時計回り、マイナスである場合は反時計回りとなる。かき混ぜ速度及び方向を、角度変化で表すことができ、かき混ぜ角β(半時計回り方向ではマイナスの値を示す)と表すものとする。また、前回のフレーム期間における回転半径(中心点1200から点Aの位置までの距離a(以下、「前回半径a」という)と、今回のフレーム期間における回転半径(中心点1200から点Bの位置までの距離b(以下、「今回半径b」という)も求められる。
【0081】
なお、かき混ぜ角βは、前回半径a及び今回半径bは、タッチパネル13に設定されたX−Y座標系における中心点1200、前回のフレーム期間におけるタッチパネル13のタッチ位置、今回のフレーム期間におけるタッチパネル13のタッチ位置から算出されるものとなる。また、前回および/またはまたは今回のフレーム期間でタッチパネル13がタッチされていなければ、かき混ぜ操作はされていないと判断される。1フレームよりも短い時間でタッチパネル13からペンを離して再びタッチするということは通常の人間の操作では不可能であり、前回半径aと今回半径bで途中の経路の半径も近似できるので、前回のフレーム期間から今回のフレーム期間までの間でのタッチパネル操作13の過程は問題にしていない。
【0082】
撹拌スピードも回転角で表され、撹拌方向も時計回りか反時計回りかに応じた正負によって表される。撹拌スピード及び方向を、撹拌角α(反時計回り方向ではマイナスの値を示す)と表すものとする。特に、前回のフレーム期間において算出された(現時点で行われている)撹拌スピード及び方向を、前回撹拌角αと表し、今回のフレーム期間において算出された撹拌スピード及び方向を、今回撹拌角αと表すものとする。
【0083】
今回のフレーム期間における撹拌スピード及び方向(今回撹拌角α)は、かき混ぜ操作をシミュレーションして予め求めておいた撹拌速度算出テーブルを参照することで決定される。図5に、カートリッジ17のROM171に設けられた撹拌速度算出テーブルの一例を示す。
【0084】
図5に示すように、撹拌速度算出テーブル100には、前回撹拌角101と、かき混ぜ角102と、前回半径103と、今回半径104と、今回撹拌角105とが、対応づけて登録されている。また、かき混ぜ角102にも限界値が設定されており、かき混ぜ角102が限界値を超える場合には、最高値が使用されるものとなるが、通常の人間が行う操作では、上記したように算出されるかき混ぜ角βが、図5のテーブルに登録されたかき混ぜ角102の限界値を超えることはほとんどない。また、かき混ぜ角102と、前回半径103および/または今回半径105とが登録されていないデータもあるが、かき混ぜ操作が行われていないと判断される場合は、これらのデータが用いられる。
【0085】
撹拌速度算出テーブル100には、かき混ぜ角102が0以外の値であり、かき混ぜ角102と前回撹拌角101とのプラスマイナスが同じである場合(かき混ぜ方向と現時点の撹拌方向と同じである場合)には、溶液1202の撹拌のスピードが加速するように今回撹拌角105が登録されている。かき混ぜ角102が0以外の値であり、かき混ぜ角102と前回撹拌角101とのプラスマイナスが一致しない場合(かき混ぜ方向と現時点の撹拌方向とが違う場合)には、溶液1202の撹拌のスピードが大きく減速するように今回撹拌角105が登録されている。
【0086】
かき混ぜ角102が0である場合(前回のフレーム期間でタッチされた位置と今回のフレーム期間でタッチされた位置とが同じであるか、半径方向に移動した場合)には、溶液1202の撹拌のスピードが減速するように今回撹拌角105が登録されている。溶液1202の撹拌が行われており(前回撹拌角αが0以外である)、かき混ぜ操作が行われていないと判断される場合のデータでは、溶液1202の撹拌のスピードが少しだけ減速するように今回撹拌角105が登録されている。
【0087】
図6に、カートリッジ17のROM171に設けられた魔石生成条件テーブルの一例を示す。図6に示すように、魔石生成条件テーブル200は、魔石名201と、組合せ202とを対応づけて登録している。魔石名201は、各魔石1208についてゲームの世界で用いられる名称である。組合せ202は、魔石1208を生成する材料となる素材1203の組合せを示すものである。魔石1208を生成するには、1つ以上の素材1203を溶液1202に溶かしておくことが必要となる。
【0088】
1種類の魔石に対して組合せ202として登録できる素材1203の数には限度があるが、これを越える数の素材1203が溶液1202の中に溶けている場合もあり得る。このような場合には、溶液1202の中に溶けている素材1203の中から当該登録限度数の素材がランダムに選択され、選択された素材1203だけを用いて魔石を生成するものとしている。
【0089】
プレイヤキャラクタが取得した素材1203や魔石1208などのアイテムは、カートリッジ17のRAM172に設けられた取得アイテムテーブルに登録されるものとなる。取得アイテムテーブルには、プレイヤキャラクタの取得するアイテムと、その数とが対応づけて登録されている。取得アイテムテーブルに登録されている素材1203は、プレイヤの操作によって壺1201に入れられることで、取得アイテムテーブルから削除されるものとなる。
【0090】
プレイヤキャラクタが取得した素材1203のうち、第2LCD12の魔石生成画面に表示された壺1201に収められている素材1203は、カートリッジ17のRAM172に設けられた壺中素材テーブルに登録されるものとなる。壺中素材テーブルの一例を図7に示す。図7に示すように、壺中素材テーブル300には、種類301と、位置302と、選択中フラグ303とが素材1203ごとに登録されている。壺中素材テーブル300において、壺1201に収められた素材1203に対応するレコードが生成され、魔石の生成に使用された素材1203に対応したレコードは削除されるものとなる。
【0091】
種類301は、素材1203の種類を、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色によって示すものである。位置302は、素材1203の魔石生成画面における位置を壺座標系の座標で示すものであり、溶液1202の撹拌によって更新される。選択中フラグ303は、魔石生成時において溶液1202に溶かされ、未だ魔石1208が生成されていない状態にある素材1203に対してセットされるフラグである。なお、溶液1202に溶けた素材1203の位置302は、壺中素材テーブル300から削除されるものとなる。
【0092】
以下、図1、図2に示したゲーム装置1において、この実施の形態にかかるRPGにおいて、ゲームを実行するために実行される処理について説明する。なお、1フレーム期間毎にゲームの進行状況に対応した画像を生成し、第1LCD11及び第2LCD12上に表示するための処理がCPUコア21、第1GPU24及び第2GPU26により行われているが、従来と変わりがないので詳細な説明は省略する。以下の説明で第1LCD11及び第2LCD12上に表示する処理として説明しているのは、この1フレーム毎に生成される画像に含ませるものとする処理である。それ以外にも、この実施の形態に特有の処理以外の処理については、説明を省略している場合がある。また、制御部103の処理途中の情報(表示すべき内容を示す情報を含む)は、WRAM22に一時格納される。
【0093】
図8は、この実施の形態にかかるRPGにおいて、通常時に1フレーム期間ごとに行われる処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPUコア21がカートリッジ17のROM171からWRAM22にロードされたゲームプログラムを実行する処理である。
【0094】
通常時処理において、CPUコア21は、Aボタン14aから壺1201を第1LCD11に表示する指示が入力されたかどうかを判定する(ステップS1)。Aボタン14aから指示が入力されていれば、CPUコア21は、第1LCD11に表示されているゲーム画面内に壺1201を出現させる(ステップS2)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0095】
Aボタン14aから指示が入力されていなければ、CPUコア21は、Lボタン14fから入力がされたかどうかを判定する(ステップS3)。Lボタン14fから入力がされていれば、CPUコア21は、第1LCD11のゲーム画面において、プレイヤキャラクタの正面近傍に壺1201が表示されているかどうかを判定する(ステップS4)。第1LCD11のゲーム画面に壺1201が表示されていなければ、このフローチャートの処理を終了する。
【0096】
プレイヤキャラクタの正面近傍に壺1201が表示されていれば、CPUコア21は、現時点で第1LCD11に表示されている画像で第1LCD11の表示を固定させる指示を第1GPU24に行い、第2LCD12に表示されているコマンド選択画面を魔石生成画面に入れ替えさせる指示を第2GPU26に行う(ステップS5)。そして、魔石生成処理に移行する。なお、魔石生成処理については、詳細を後述する。
【0097】
Lボタン14fから入力されていなければ、CPUコア21は、操作スイッチ部14(Aボタン14a及びRボタン14g以外)或いはタッチパネル13から他の入力があったかどうかを判定する(ステップS6)。操作スイッチ部14(Aボタン14a及びRボタン14g以外)或いはタッチパネル13から他の入力があった場合には、CPUコア21は、当該入力に応じた処理(例えば、プレイヤキャラクタを移動させる、プレイヤキャラクタに素材1203や魔石1208を取得させる、素材1203を壺1201に入れるなど)を行う(ステップS7)。その後、このフローチャートの処理を終了する。他の入力もなかった場合には、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0098】
図9は、この実施の形態にかかるRPGにおいて、魔石生成時に1フレーム期間ごとに行われる処理を示すフローチャートである。なお、魔石生成時には、第1LCD11に表示されているゲーム画面において、プレイヤキャラクタの動作は、停止するものとなる。魔石生成時には、壺1201には壺中素材テーブル300に登録されている素材1203が収められた魔石生成画面が第2LCD12に表示されるものとなる。
【0099】
魔石生成処理においては、CPUコア21は、タッチパネル13からタッチ入力がされたかどうかを判定する(ステップS101)。タッチパネル13からタッチ入力がされていなければ、CPUコア21は、前回のフレーム期間で今回撹拌角αとして算出した前回撹拌角αが0であるかどうかにより、現時点で撹拌が行われているかどうかを判定する(ステップS102)。撹拌が行われていれば、ステップS110の処理に進む。撹拌が行われていなければ、CPUコア21は、Rボタン14gから入力がされたかどうかを判定する(ステップS103)。
【0100】
Rボタン14gから入力がされていれば、CPUコア21は、タイマが計時していればタイマの計時を終了し、点灯している最適ランプ1206があれば消灯する。そして、CPUコア21は、第2LCD12に表示されている魔石生成画面をコマンド選択画面に入れ替えさせる指示を第2GPU26に行い、第1LCD11に表示されている画像の固定を解除させる指示を第1GPU24に行う(ステップS104)。そして、前述した通常時処理に移行する。Rボタン14gから入力がされていなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0101】
タッチパネル13からタッチ入力がされていれば、CPUコア21は、タッチ入力された位置が素材1203の表示されている座標位置であるかにより、素材選択操作が行われたかどうかを判定する(ステップS105)。素材選択操作が行われていれば、CPUコア21は、素材選択操作の行われた素材1203について壺中素材テーブル300の選択中フラグ303をセットし、溶液1202のRGB値を、選択中フラグ303のセットされている素材に応じて更新する。そして、CPUコア21は、タイマが計時していればタイマの計時を終了し、点灯している最適ランプ1206があれば消灯する。ここで、魔石生成画面には、選択された素材1203が溶液1202に溶けていく画像が表示され、それに伴って溶液1202の色が、変化するものとなる(ステップS106)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0102】
素材選択操作が行われていなければ、CPUコア21は、タッチ入力された位置が魔石1208の表示されている座標位置であるかにより、魔石取り出し操作が行われたかどうかを判定する(ステップS107)。魔石取り出し操作が行われていれば、CPUコア21は、第2LCD12に表示されている魔石1208を取り出させる指示を第2GPU26に行う。そして、CPUコア21は、タイマが計時していればタイマの計時を終了し、点灯している最適ランプ1206があれば消灯する。ここで、魔石生成画面には、魔石1208を魔石取り出し操作方向に壺1201(第2LCD12の表示範囲)から外に飛び出す画像が表示されるものとなる(ステップS108)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0103】
魔石取り出し操作が行われていなければ、CPUコア21は、今回のフレーム期間でタッチ入力された座標位置と前回のフレーム期間でタッチ入力された座標位置とから、かき混ぜ角βを算出する。また、今回のフレーム期間でタッチ入力された座標位置から、今回半径bを算出する(ステップS109)。そして、ステップS110の処理に進む。
【0104】
ステップS110では、CPUコア21は、前回のフレーム期間で今回撹拌角αとして算出した前回撹拌角α、前回のフレーム期間で今回半径bとして算出した前回半径a、ステップS109で算出したかき混ぜ角βと今回半径bに基づいて撹拌速度算出テーブル100を参照して、今回撹拌角αを決定する。そして、CPUコア21は、今回撹拌角αが最適スピード範囲1205内であるかどうかを判定する(ステップS111)。最適スピード範囲1205内でなければ、CPUコア21は、タイマが計時していればタイマの計時を終了し、点灯している最適ランプ1206があれば消灯する(ステップS112)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0105】
最適スピード範囲1205内であれば、CPUコア21は、タイマが計時中であるかどうかを判定する(ステップS113)。タイマが計時していなければ、CPUコア21は、タイマの計時を開始する(ステップS114)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0106】
タイマが計時していれば、CPUコア21は、計時開始から2秒を経過したかどうかを判定する(ステップS115)。未だ計時開始から2秒を経過していなければ、そのまま、このフローチャートの処理を終了する。計時開始から2秒を経過していれば、CPUコア21は、最適ランプ1206を1つ点灯し、タイマの計時を終了する(ステップS116)。そして、CPUコア21は、最適ランプ1206が3つ点灯したかどうかを判定する(ステップS117)。未だ3つの最適ランプ1206が点灯していなければ、そのまま、このフローチャートの処理を終了する。なお、最適ランプ1206が3つ点灯していても、壺中素材テーブル300に選択中フラグ303のセットされている素材1203がなければ、そのまま、このフローチャートの処理を終了する。
【0107】
最適ランプ1206が3つ点灯していれば、CPUコア21は、壺中素材テーブル300に選択中フラグ303のセットされている全ての素材1203の組合せと、魔石生成条件テーブル200に登録されている組合せ202とを比較し、生成する魔石1208の種類を決定し、決定した種類の魔石1208を生成する。なお、ここで必ずしも壺中素材テーブル300に選択中フラグ303のセットされている全ての素材1203が魔石1208の材料として使用される訳ではなく、選択中フラグ303のセットされている素材1203からランダムに選択した素材を魔石の生成に使用することもある。
【0108】
CPUコア21は、壺中素材テーブル300において、魔石1208を生成する材料として使用された全ての素材1203のレコードを削除し、未だ壺中素材テーブル300にレコードが残っている素材1203に応じて、溶液1202のRGB値を更新する。そして、CPUコア21は、3つの最適ランプ1206を消灯する。ここで、魔石生成画面には、壺1201の中央に魔石1208が表示され、溶液1202の色は、残っている素材1203に応じて変わるものとなる(ステップS118)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0109】
以上説明したように、この実施の形態にかかるRPGでは、敵キャラクタに対する攻撃やプレイヤキャラクタのパラメータの回復などの用途に用いてゲームの進行において所定の効果を生じさせる魔石1208は、素材1203を元に生成されるものとなる。素材1203から魔石1208を生成する場合、溶液1202が収められた壺1201の中に所望の素材1203を入れ、タッチパネル13上を周回的にタッチするかき混ぜ操作をプレイヤがある程度継続して行う必要がある。
【0110】
このように単なるボタン操作だけでその後は自動的にアイテムが生成されるもの(アイテムの生成過程が一連の画像で表示されるものを含む)とは違い、プレイヤが現実に液体をかき混ぜる場合に似た周回操作であるかき混ぜ操作を行って魔石1208を生成させるので、魔石1208の生成に自らの操作が関わっていることを実感することができるようになる。しかも、その操作は、プレイヤがタッチパネル13のタッチ操作で直感的に行えるものであるため、魔石1208の生成をプレイヤ自らが行っていることをいっそう実感し易くなる。
【0111】
ここで、素材1203から魔石1208が生成されるかどうかは、プレイヤのかき混ぜ操作がどのような態様(速度及び方向)で行われているかではなく、かき混ぜ操作に基づく溶液1202の撹拌がどのような態様(速度)で行われているかによって決まるものとなる。各フレーム期間において溶液1202が撹拌する速度は、当該フレーム期間におけるかき混ぜ操作の速度及び角度だけによって決まるのではなく、前のフレーム期間における撹拌の速度によっても決まるものとなっている。つまり、1フレーム期間におけるかき混ぜ操作の態様が同じであっても、必ずしも溶液1202の撹拌の態様は同じとならない。
【0112】
このことから、溶液1202の撹拌が魔石1208が生成されることとなる所定速度とするには、単にかき混ぜ操作の速度を所定速度にする場合に比べて、かき混ぜ操作の速度を微妙に調整する必要が生じるので、プレイヤがゲームにおいて何度も魔石1208を生成していても、所定速度で撹拌させるためのかき混ぜ操作に容易に慣れることはない。これにより、プレイヤが魔石1208を生成する過程における操作に飽きてしまったり、そのような操作をプレイヤにとって煩わしいものと感じさせるのを防止することができる。
【0113】
また、各フレーム期間における溶液1202の撹拌の速度及び方向を示す今回撹拌角αは、前回のフレーム期間における撹拌の角速度及び方向を示す前回撹拌角α、かき混ぜ操作の角速度及び方向を示すかき混ぜ角β、今回のフレーム期間と前回のフレーム期間におけるかき混ぜ操作の回転半径である今回半径b、前回半径aに従って、撹拌速度算出テーブル100を参照して決定される。溶液1202の撹拌の態様を求めるには、本来複雑な物理計算が必要となるが、テーブルルックアップ方式で済ませているため、処理が複雑になることがない。
【0114】
もっとも、撹拌速度算出テーブル100に登録されている今回撹拌角αは、かき混ぜ操作が行われていない(現実の撹拌に置き換えれば、撹拌用具が溶液から抜かれている)場合には、前回撹拌角αよりも少しだけ低下するものとなっている。また、今回撹拌角αは、かき混ぜ操作によるかき混ぜ角βの方向が前回撹拌角αの方向と同じであれば、前回撹拌角αよりも絶対値を大きくするものとしている(つまり、撹拌のスピードを上げる)。一方、今回撹拌角αは、かき混ぜ角βの方向が前回撹拌角αの方向と逆であれば、前回撹拌角αよりも絶対値を小さくするものとしている。
【0115】
このようにプレイヤのかき混ぜ操作によって行われる溶液1202の撹拌が、現実世界で液体をかき混ぜ操作した場合の撹拌に近い状態で表現されるものとなる。このため、プレイヤは、自らが行っているかき混ぜ操作に対して、第2LCD12に表示されている壺1201における溶液1202の撹拌に違和感を感じることがない。
【0116】
また、魔石1208を生成するには溶液1202の撹拌速度が条件となっているが、溶液1202の撹拌速度は、撹拌スピードメーター1204によって示され、また、所定速度の範囲にあるかどうかもここに示されることとなる。このため、プレイヤは、溶液1202の撹拌スピードが適正であるかどうかを容易に判断でき、また、適正なスピードでないときであっても、表示されているスピードの変化を目安として自らのかき混ぜ操作のスピードの調整が行いやすくなる。
【0117】
また、魔石1208を生成するための素材1203には3種類のものがあり、壺1201に入れられた素材1203のうちで溶液1202中に溶けているものの種類に応じた魔石1208が生成されるものとなってる。つまり、溶液1202中に溶けている素材1203の種類が違えば、生成される魔石1208の種類も違うということになるが、魔石1208が生成されるまでにおいては溶液1202の色も変わってくる。プレイヤは、素材選択操作により自ら選択した素材1203の種類を忘れてしまっても、溶液1202の色の違いによって如何なる種類の素材1203が溶けているかを一定程度まで判断できるので、生成される魔石1208の種類までもある程度予測することができるようになる。
【0118】
また、魔石1208を生成するための素材1203を溶液1202に溶かすには、プレイヤによる素材選択操作が必要になっており、素材選択操作を何回か行うことで複数の素材1203を溶液に溶かすことができる。そして、魔石1208は、プレイヤによって選択されて溶液1202の中に溶けた素材1203の種類に応じたものが生成される。このようにプレイヤが様々パターンで素材1203を選択し、異なる魔石1208を生成することができるようになるので、魔石1208の生成操作にプレイヤが飽きないようにすることができる。
【0119】
さらに、魔石1208を生成するための素材1203をプレイヤが取得することができるのは、ゲームの進行において一定の場合だけに限られている。このため、魔石1208を何回も無制限に生成することができる訳ではなく、魔石1208を生成するための操作を行う回数も限定されることとなるため、魔石1208を生成するための操作にプレイヤができる限り慣れないようにすることができる。また、どのような素材1203を使ってどのような魔石1208を生成すべきかがゲームの進行に影響を及ぼすので、戦略性の高いゲーム性を実現することができる。
【0120】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0121】
上記の実施の形態では、溶液1202に少なくとも1つの素材1203が溶けていれば、他の条件が適正でありさえずれば、必ず何らかの種類の魔石1208が生成されるものとしていた。もっとも、魔石1208が生成されるためには、最低でも複数の所定個数の素材1203が溶液1202に溶けていなければいけないものとしてもよい。また、例えば、同じ3個の素材1203が溶液1202に溶けているものの、赤−赤−赤の組み合わせに対応した魔石1208は生成できるが、赤−緑−緑の組み合わせに対応した魔石1208は生成できないものとしてもよい。
【0122】
上記の実施の形態では、魔石生成処理によって生成される魔石1208の種類は、素材選択操作によって選択された素材1203の種類401の組合せ202に応じて決定されるものとしていた。また、魔石生成処理によって魔石1208が生成されるかどうかは、撹拌の行われているスピード(今回撹拌角α)が、最適スピード範囲1205内に6秒間あるかどうかによって決まるものとしていた。これに対して、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無は、その他の条件によって決定されるものとしてもよい。
【0123】
例えば、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無は、かき混ぜ操作が開始されてから3つの最適ランプ1206を点灯させるまでの所要時間によって決定されるものとしてもよい。この場合には、溶液1202の撹拌を最適スピードとするまでの時間の制限が設けられることになり、魔石1208を生成することの難易度を高くすることができる。ここでは、撹拌のためのかき混ぜ操作によりきめ細かい操作がプレイヤに要求されるようになり、所望の魔石が生成されることとなるかき混ぜ操作に簡単に慣れさせないものとすることができる。
【0124】
また、例えば、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無は、今回撹拌角αが最適スピード範囲1205内に6秒間なったときにおける撹拌方向(今回撹拌角αのプラスマイナス)によって決定されるものとしても、撹拌が開始されてから所定時間経過時における撹拌方向(今回撹拌角αのプラスマイナス)によって決定されるものとしてもよい。この場合にはプレイヤがかき混ぜ操作を行う際において、撹拌方向の調整する必要があり、所望の魔石が生成されることとなるかき混ぜ操作に簡単に慣れさせないものとすることができる。
【0125】
また、例えば、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無は、撹拌が開始されてから所定時間を経過する時までにおける撹拌速度(今回撹拌角αの値)によって決定されるものとしてもよい。所定時間を経過した時点での撹拌速度によって決定されるものとしてもよい。
【0126】
さらに、例えば、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無は、今回撹拌角αが所定の値となったことによって決定されるものとしても、今回撹拌角αが所定の値となるまでの所要時間によって決定されても、今回撹拌角αが所定の値となったときのプラスマイナスによって決定されるものとしても、素材選択操作によって選択されなかった素材1203の種類301及び組合せ202に応じて決定されるものとしても、素材選択操作によって選択された素材1203の選択順序に応じて決定されるものとしても、これらの複数を組み合わせて決定されるものとしてもよい。
【0127】
以上のような場合においては、プレイヤが所望の魔石1208を生成するのに必要な操作に慣れるのも困難なものとはなり、ゲームの進行過程における魔石1208の生成に対してプレイヤに飽きさせないようにすることができる。もっとも、上級プレイヤになって操作に慣れが生じてしまったような場合であっても、操作を調整することで魔石1208の生成の選択肢を増やすことができるので、こちらの面でのゲーム性の向上を図ることができるようになる。
【0128】
なお、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無が、素材選択操作によって選択されなかった素材1203の種類301及び組合せ202に応じて決定されるものとした場合には、各素材1203に溶けやすさのパラメーターを設定するものとしてもよい。この場合、撹拌の行われている速度によって溶ける素材1203もあれば、溶けない素材もあることとなる。ここで、溶けた素材1203の種類301の組合せ202によって、生成される魔石1208の種類及び魔石1208生成の有無が決定されるものとすることができる。例えば、今回撹拌角αが1の時には何れの素材も溶けず、何れの魔石も生成されていないが、今回撹拌角αが2のになると素材1が溶け、魔石1が生成され、今回撹拌角αが3になると素材2が溶け、魔石1は魔石2に変化し、今回撹拌角αが4になると何れの素材も溶けず、魔石は消滅するものとすることができる。ここでは、溶け易い素材1203と溶けにくい素材1203があることによって、プレイヤが同じかき混ぜ操作をしていても、結果(魔石1208の生成の有無、魔石1208の種類)が異なることとなり、魔石1208の生成操作に飽きさせないようにすることができる。
【0129】
上記の実施の形態では、最適スピード範囲1205が一定に定められているものとしていた。これに対して、最適スピード範囲1205は、常に一定である必要はなく、所定の条件に応じて変化するものであってもよい。例えば、最適スピード範囲1205は、プレイヤのレベルに応じて決定されるものとすることができる。また、最適スピード範囲1205は、素材選択操作によって選択された素材1203の種類301及び組合せ202に応じて決定されるものとすることもできる。ここでは、決定された最適スピード範囲1205に応じてプレイヤがかき混ぜ操作を行う難易度が変化し、直ぐに最適スピード範囲1205で撹拌させるための操作に簡単に慣れてしまうことを防ぐことができる。また、この場合において、撹拌スピードメーター1204に色を表示するものとし、素材選択操作によって変化した溶液1202の色が最適スピード範囲1205とすることもできる。ここで、プレイヤは、視覚的に最適スピードを判断しつつ溶液1202の色と同じ色の範囲となるように、かき混ぜ操作を調整して行うことができるものとなる。
【0130】
上記の実施の形態では、撹拌の行われるスピード及び方向(今回撹拌角α)は、撹拌速度算出テーブル100を参照することで決定されるものとしていた。これに対して、今回撹拌角αは、その他の所定の方法(例えば、所定の演算式による演算)によって決定或いは算出されるものであってもよい。また、今回撹拌角αを決定するためのパラメータは、前回撹拌角αと、かき混ぜ角と、前回半径aと、今回半径bとに限るものではない。
【0131】
例えば、今回撹拌角αは、溶液1202中の素材1203の数にも影響をうけるものとしてもよい。この場合には、溶液1202中に素材1203が多く存在するほど、抵抗が大きくなることを加味し、撹拌の行われるスピードが遅くなるように要素のパラメータを設定するものとすればよい。さらに、素材1203ごとに大きさや質量が違う場合には、大きな(或いは質量が重い)素材が溶液1202中に存在するほど、撹拌の行われるスピードが遅くなるように要素のパラメータを設定するものとすることもできる。
【0132】
また、素材1203を撹拌途中で溶液1202中に入れることができるものとした場合には、素材1203の挿入が今回撹拌角αに影響するものとしてもよい。このようなパラメータの設定により、より現実世界における溶液の撹拌に近い表示を行うことができるようになり、さらにかき混ぜ操作に対して表示される撹拌の態様にプレイヤが違和感を感じることがない。また、これらのパラメータの違いによってもかき混ぜ操作の調整が必要になるので、魔石1208の生成のための操作にプレイヤが慣れてしまうことをいっそう防ぐことができる。
【0133】
上記の実施の形態では、撹拌の行われているスピードを撹拌スピードメーター1204にバー1207で示すものとしていた。これに対して、撹拌の行われているスピードは、その他の方法によって示すものとしてもよい。例えば、撹拌の行われているスピードが、最適スピード範囲1205内にあることのみ、表示されるものとしてもよい。撹拌の行われているスピードを全く示さなくてもよい(もっとも、この場合は、最適スピードの判定時間を上記の実施の形態よりも短くする(最適スピードとなるのは1フレーム期間だけでもよい)ことが好ましい)。
【0134】
上記の実施の形態では、魔石生成画面を第2LCD12に表示させた直後の初期状態において、溶液1202は撹拌していないものとしていた。これに対して、溶液1202は、魔石生成画面を第2LCD12に表示させた直後の初期状態において撹拌しているものとしてもよい。この場合には、この初期状態の撹拌の行われている速度及び方向は、CPUコア21によってランダムに決定されるものとしても、ゲームの進行状況に応じて決定されるものとしてもよい。また、初期状態において行われている撹拌が停止するまでの間に、プレイヤのかき混ぜ操作が行われなかった場合には、魔石1208は生成されないものとしてもよい。この場合には、魔石生成画面を第2LCD12に表示させた直後の初期状態における撹拌に応じて、かき混ぜ操作によって撹拌の行われているスピードを最適スピード範囲1205内とする難易度がいっそう高くなり、最適スピードとするためのかき混ぜ操作に簡単に慣れさせないものとすることができる。
【0135】
上記の実施の形態では、壺1201は1種類であった。これに対して、壺1201は複数種類のものがあるものとしてもよい。この場合には、各壺1201の種類に応じて、中に収められている溶液1202が異なるものとすることができる。ここで、溶液1202には、RGB値以外のパラメータが設定されていることとなる。例えば、溶液1202に粘度を示すパラメータが設定されている場合には、複数の素材1203が溶かされるほど、溶液1202の粘度が高くなるものとすることもできる。また、溶液1202の量や温度などを示すパラメータが設定されていてもよい。さらに、溶液1202に設定されるパラメーターは、撹拌(スピード及び方向)に応じて変化するものであってもよい。
【0136】
上記の実施の形態では、魔石生成画面には、中心点1200を画面のほぼ中央に位置する所定の大きさの円形の壺1201が表示されるものとしていた。これに対して、壺1201の表示位置、表示サイズ、形状はこれに限るものではない。壺1201の表示位置、表示サイズは、所定の条件によって変更されるものであっても、プレイヤの操作によって変更されるものであってもよい。また、複数種類の壺1201がある場合には、壺1201の種類によって、形状が異なるものとすることもできる。
【0137】
上記の実施の形態では、魔石生成画像の表示時において、第1LCD11に表示されるゲーム画面においてプレイヤキャラクタの動作は停止するものとしていた。RPGとしてアクションRPGを適用させるのであれば、魔石生成画像の表示時においてプレイヤキャラクタの動作は停止させても、敵キャラクタの動作は停止させないものとしてもよい。この場合には、魔石1208の生成を行っている間にも、敵キャラクタはプレイヤキャラクタに近づいて攻撃を行ってくるものとなり、魔石生成時において敵キャラクタの攻撃を避けるには、敵キャラクタが近づく前に、素材選択操作、かき混ぜ操作、魔石取り出し操作を行う必要がある。これにより、魔石を生成するまでの一連の操作(素材選択操作、かき混ぜ操作、魔石取り出し操作)に対して、実質上、時間的な制約が生じることとなり、ゲーム性は向上するものとなる。
【0138】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1は第1LCD11と第2LCD12という2つの表示装置を備えるものとしていた。これに対して、表示装置は1つであってもよい。座標位置を入力するデバイスとしてタッチパネルが用いられる場合は、該タッチパネルは当該1つの表示装置の前面に配置されたものとすることができる。また、表示装置が1つだけの場合には、プレイヤの所定の操作によって画像を魔石生成画面に切り替え/解除することができるものとすることができる。
【0139】
上記の実施の形態では、本発明をRPGにおいて撹拌によって魔石1208を生成するものに適用したが、ゲームの進行過程において所定種類のアイテムを使用することがあり、これを所定の材料を用いて生成するものとしているのであれば、アドベンチャーゲーム、アクションゲーム、シューティングゲームなどの他の種類のゲームにも適用することができる。
【0140】
上記の実施の形態では、第2LCD12の前面側に配設されたタッチパネル13において周回的な移動操作をさせてかき混ぜ操作の入力を行うものとしていた。もっとも、かき混ぜ操作を入力するデバイスは、タッチパネル13に限るものではなく、表示装置上に表示されたカーソルの位置により座標入力を行うマウスなど、他のポインティングデバイスを用いるものとしてもよい。多軸加速度センサを内蔵するコントロールパッドを用いる場合は、コントロールパッド自体を空間において周回させてもよい。
【0141】
上記の実施の形態では、第1LCD11と第2LCD12という2つの表示装置、及びタッチパネル13というポインティングデバイスを備えるゲーム装置1において、本発明を適用したRPGを実行するものとした場合を例として説明した。しかしながら、少なくともゲームの画像を表示する表示装置と、周回的な移動操作を入力できる入力装置を備えるものであれば、ゲーム装置1以外のコンピュータ装置において、本発明を適用したゲームを実行するものとしてもよい。本発明を適用したゲームを実行するコンピュータ装置は、ゲーム専用機でもパーソナルコンピュータのような汎用機であってもよく、携帯型であるか据え置き型であるかを問わない。
【0142】
上記の実施の形態では、ゲーム装置1のプログラム及びデータは、ゲームカートリッジ17のROM171に格納されて配布されるものとしていた。もっとも、これらのプログラム及びデータを格納する記録媒体は、このようなものに限るものではなく、プラットフォームとなるコンピュータ装置の形態に応じて、光and/or磁気ディスク装置(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)を適用することもできる。固定ディスク装置を備えるコンピュータ装置をプラットフォームとする場合には、これらのプログラム及びデータは、固定ディスク装置に予め格納して配布してもよい。
【0143】
さらに、ネットワークを介して他のコンピュータ装置と通信可能なコンピュータ装置をプラットフォームとして適用する場合には、これらのプログラム及びデータは、ネットワーク上に存在するサーバ装置が有する固定ディスク装置に格納しておき、ネットワークを介して配信するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に適用されるゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、魔石生成時における第2LCDに表示される魔石生成画面の具体例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、かき混ぜ速度及び方向の算出方法を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、カートリッジのRAMに設けられた撹拌速度算出テーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、カートリッジのROMに設けられた魔石生成条件テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、カートリッジのRAMに設けられた壺中素材テーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、通常時に1フレーム期間ごとに行われる処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかるRPGにおいて、魔石生成時に1フレーム期間ごとに行われる処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
1 ゲーム装置
11 第1LCD
12 第2LCD
13 タッチパネル
14 操作スイッチ部
14a Aボタン
14b Bボタン
14c 十字キー
14f Lボタン
14g Rボタン
17 ゲームカートリッジ
171 ROM
21 CPUコア
22 WRAM
24 第1GPU
26 第2GPU
100 撹拌速度算出テーブル
101 前回撹拌角α
102 かき混ぜ角
101 今回撹拌角α
200 魔石生成条件テーブル
202 組合せ
300 壺中素材テーブル
301 種類
303 選択中フラグ
1200 中心点
1201 壺
1202 溶液
1203 素材
1204 撹拌スピードメーター
1205 最適スピード範囲
1206−1〜3 最適ランプ
1208 魔石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を進行過程において使用するゲームを実行するゲーム装置であって、
前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を表示する容器表示手段と、
プレイヤの操作に応じて、前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を入力する撹拌動作入力手段と、
現時点までの前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作とに応じて、前記容器表示手段に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定し、該決定した態様で表示させる撹拌表示制御手段と、
前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成するゲーム要素生成手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記撹拌表示制御手段は、前記容器の中で前記液質及び前記要素材料が撹拌して表示された後に前記撹拌動作入力手段からの撹拌動作の入力が解除された場合に、現時点までに表示されている撹拌の状態に応じて前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を次第に低下させつつ撹拌の表示を継続させる
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記撹拌動作入力手段は、前記容器の中での撹拌動作の入力を解除する他に、前記容器の中にあるまま撹拌動作を停止させた状態を入力することが可能であり、
前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段により前記容器の中にあるまま撹拌動作を停止させた状態が入力されている場合には、前記容器の中での撹拌動作の入力が解除された場合よりもさらに前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を低下させる
ことを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記撹拌表示制御手段は、前記容器の中で前記液質及び前記要素材料が撹拌されて表示された後に該撹拌の方向とは反対方向の撹拌動作が前記撹拌動作入力手段から新たに入力された場合に、前記容器の中での撹拌動作の入力が解除された場合よりもさらに前記液質及び前記要素材料が撹拌される速度を低下させつつ該撹拌が停止されるまで同じ方向のままで撹拌の表示を継続した後、前記撹拌動作から新たに入力された撹拌動作の方向で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させる
ことを特徴とする請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記要素材料は、1以上の任意個が前記容器に収められ、
前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段から入力された撹拌動作が同じであっても、前記容器に収められた前記要素材料の数が多いほど遅い速度で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記撹拌表示制御手段は、前記撹拌動作入力手段から撹拌動作の入力がある前から停止状態でない所定の初期態様で前記容器表示手段に表示された容器の中で前記液質及び前記要素材料を撹拌して表示させ、
前記ゲーム要素生成手段は、前記液質及び前記要素材料の撹拌が前記所定の初期態様から停止されないことを条件として、前記ゲーム要素を生成し、
前記ゲーム装置は、前記ゲーム要素の生成機会が生じる度に、前記所定の初期態様を変化させる初期態様変化手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続したことを条件として、前記ゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲にあるかどうかを表示する撹拌速度表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記撹拌速度表示手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の速度そのものを表示する
ことを特徴とする請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌が所定の速度範囲内で一定時間継続するまでの該撹拌の方向に応じて、前記ゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記所定の速度の範囲を変更する速度範囲変更手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌動作入力手段により前記撹拌動作の入力が開始されてから所定時間を経過するまでにおいて前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の速度に応じて、前記ゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記ゲーム要素生成手段は、前記撹拌動作入力手段により前記撹拌動作の入力が開始されてから所定時間を経過するまでにおいて前記撹拌表示制御手段により撹拌して表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の方向に応じて、前記ゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至5または12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記要素材料は、複数種類のものがあるとともに、複数個が前記容器に収められ、
前記ゲーム要素生成手段は、前記容器に収められた複数個の要素材料のうちから選択された1以上の要素材料を元にして、該選択された要素材料の種類に応じたゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記要素材料は、前記容器に収められていても、前記液質に溶解している状態のものと溶解していない状態のものとがあり、
前記ゲーム要素生成手段は、前記容器内に収められた要素材料のうちで前記液質に溶解している状態の要素材料を元に前記ゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記要素材料は、複数種類のものがあり、
前記容器表示手段は、前記液質に溶解している状態で前記容器内に収められた要素材料の種類に応じて異なる表示態様で該容器内の液質を表示し、
前記ゲーム要素生成手段は、前記液質に溶解している状態で前記容器内に収められた要素材料の種類に応じたゲーム要素を生成する
ことを特徴とする請求項15に記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記撹拌動作入力手段は、前記容器表示手段の前面に配設され、該ゲーム画像表示手段に表示された画像を透過可能に示すタッチパネルにより構成され、前記容器表示手段により表示された容器の内部に対応する該タッチパネル上の位置をなぞることにより前記撹拌動作を入力する
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記撹拌動作入力手段は、多軸加速度センサーを含むコントロールパッドにより構成され、該コントロールパッドを周回動作させることにより前記撹拌動作を入力する
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項19】
ゲームにおいて所定のイベントが発生したときに、前記要素材料をプレイヤに取得させる要素材料取得手段と、
プレイヤからの指示に応じて、前記要素材料取得手段により取得された要素材料を前記容器に収めて前記容器表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項20】
情報を記憶する記憶装置と、画像を表示する表示装置と、周回操作による入力が可能な入力装置とを備えるコンピュータ装置において実行され、ゲームの進行過程において使用することで所定の効果を生じさせるゲーム要素を生成する方法であって、
前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を前記表示装置に表示させ、
前記入力装置が周回操作されることにより、前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を入力し、
現時点までに前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記入力装置の周回操作により入力された撹拌動作とに応じて、前記表示装置に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定して前記記憶装置に一時記憶させ、
前記液質及び前記要素材料を、前記記憶装置に一時記憶された態様で前記容器の中で撹拌させた画像を前記表示装置に表示させ、
前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成し、該生成されたゲーム要素を前記記憶装置に記憶させる
ことを特徴とするゲーム要素の生成方法。
【請求項21】
情報を記憶する記憶装置と、画像を表示する表示装置と、周回操作による入力が可能な入力装置とを備えるコンピュータ装置において実行され、ゲームにおいて所定の効果を生じさせるゲーム要素を進行過程において使用するゲームのプログラムであって、
前記ゲーム要素を生成するための要素材料を液状または半液状の液質とともに収めた状態における該要素材料よりも大きい容器の画像を前記表示装置に表示させるステップと、
前記容器に収められた前記液質及び前記要素材料を撹拌するための撹拌動作を、前記入力装置の周回操作により入力させるステップと、
現時点までに前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様と前記入力装置の周回操作により入力された撹拌動作とに応じて、前記表示装置に表示された容器の中における前記液質及び前記要素材料の新たな撹拌の態様を決定して前記記憶装置に一時記憶させるステップと、
前記液質及び前記要素材料を、前記記憶装置に一時記憶された態様で前記容器の中で撹拌させた画像を前記表示装置に表示させるステップと、
前記表示装置に表示されている前記液質及び前記要素材料の撹拌の態様に応じて、該撹拌された要素材料を元に前記ゲーム要素を生成し、該生成されたゲーム要素を前記記憶装置に記憶させるステップと
を前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−142268(P2008−142268A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332349(P2006−332349)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】