説明

ゲーム装置及びプログラム

【課題】ターン制のゲームにおいて、ゲームの局面によって有利なキャラクタを考え、様々なパターンの戦い方を実行することができるようにする。
【解決手段】プレイヤのターン中に、複数のキャラクタの中から、プレイヤの操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択するキャラクタ選択部101と、選択されたキャラクタに、プレイヤの操作入力に基づいて命令を実行させるキャラクタ操作部102と、プレイヤのターンの始めに、プレイヤが複数のキャラクタを操作するために用いることができる行動力ポイントを設定する行動力ポイント設定部103と、当該ターン中にいずれかのキャラクタが操作される毎に、必要な行動力ポイントを減算する行動力ポイント管理部104と、行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、前記プレイヤのターンを終了し、対戦相手のターンに切り替えるターン制御部105を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターン制で行われる対戦ゲームを実行するゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ターン制の対戦ゲームは、プレイヤと対戦相手が交互に操作する方式の対戦ゲームである。自ターン中、対戦相手はキャラクタ操作等を行うことはできないので、プレイヤはキャラクタ操作をじっくり考えて決定することができるため、素早い操作が苦手な人にも楽しむことができる。このようなターン制のゲームは例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−152318号公報
【特許文献2】特許第3400793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のターン制のゲームでは、1ターン中に、プレイヤが保有する全てのキャラクタを1回ずつ操作することが基本であった。すなわち、1ターン中では、1つのキャラクタに対しては1回の操作しか行うことができないという制限があった。このため、プレイヤにとっては、ゲームの局面によって、どのキャラクタを使うのが有利なのかを考え、命令を出すといった楽しみ方をすることができなかった。
【0005】
「信長の野望・戦国群雄伝」(コーエー)は、1つの武将キャラクタに割り当てられている行動力ポイントが残っている限り複数回の操作を行うことができるが、行動力ポイントの管理単位はあくまでも1キャラクタの単位である。よって、例えば武将Aに割り当てられたポイントが尽きてしまえば、たとえ武将Bに割り当てられた行動力ポイントが残っていたとしても、武将Aを操作することができない。
【0006】
また、「天下統一」(システムソフト)では、大名家(プレイヤ)にコマンドポイントが与えられ、プレイヤは、自ターン中に、所有するコマンドポイントを用いて、様々なコマンド(命令)を自国の武将キャラクタに与えることができる。コマンドポイントが全て消費されればそのターンではそれ以上の命令を実行することができない。なお、1ターン中で残ったポイントは次のターンには持ち越されない。1ターン中では、1つのコマンドを複数回実行することはできない。よって、1ターン中に、1キャラクタに同じコマンドを複数回実行させることはできない。
【0007】
本発明の目的は、ターン制のゲームにおいて、プレイヤが、ゲームの局面によってどのキャラクタを使うのが有利なのかを考えて、様々なパターンの戦い方を実行することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゲーム装置は、プレイヤと対戦相手が交互に操作するターン制によるゲームを実行するゲーム装置であって、前記プレイヤのターン中に、複数のキャラクタの中から、前記プレイヤの操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択するキャラクタ選択部と、
選択された前記キャラクタに、前記プレイヤの操作入力に基づいて命令を実行させるキャラクタ操作部と、前記プレイヤのターンの始めに、前記プレイヤが前記複数のキャラクタを操作するために用いることができる行動力ポイントを設定する行動力ポイント設定部と、前記ターン中にいずれかのキャラクタが操作される毎に、各キャラクタに定められている必要な行動力ポイントを減算する行動力ポイント管理部と、前記行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、前記プレイヤのターンを終了し、前記対戦相手のターンに切り替えるターン制御部を備え、1ターン中に、同一のキャラクタを複数回選択可能であり、かつ同一のキャラクタに対して同じ命令を複数回実行させることが可能なものである。
【0009】
本発明によれば、プレイヤは、1ターン中に、命令を与えるキャラクタや命令内容を手持ちの行動ポイントの範囲内で、選択回数に制限無く自由に選ぶことが出来るので、プレイヤは、ゲームの局面によって、どのキャラクタを使うのが有利なのかを考えて手持ちのポイントを割り振り、様々なパターンの戦い方を実行することができる。
【0010】
また、本発明に係るゲーム装置は、各々のキャラクタがゲーム内で発揮する能力に基づいて、キャラクタを制御するキャラクタ制御部をさらに備え、前記キャラクタ制御部は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタの前記能力を制限させていくようにしてもよい。
2回目以降の操作におけるキャラクタの能力を制限させていくことにより、プレイヤが極端に同じキャラクタばかりを使うことを防止できる。
【0011】
特に、前記キャラクタ制御部は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタの移動可能距離を減少させていくようにしてもよい。移動可能距離が減少することで、キャラクタの動きの予測範囲を狭めることができるので、ゲーム製作者がゲームを作成しやすいというメリットがある。
【0012】
また、前記ターン制御部は、前記プレイヤが前記プレイヤのターン中に当該ターンの終了を選択した場合には、当該ターンを終了し、前記行動力ポイント管理部は、ターン終了時に前記行動力ポイントが残っている場合には、次回のプレイヤのターン時に残った行動力ポイント繰り越すようにしてもよい。
これにより、プレイヤは、ゲームの局面によって、次回のターンのためにポイントを貯めておくなどの作戦をとることができる。
【0013】
また、前記行動力ポイント設定部は、前記プレイヤが、自ターンにおいて行動力ポイント保有キャラクタをゲーム空間に登場させる操作入力を行った場合には、前記行動力ポイント保有キャラクタに割り当てられた行動力ポイントを加算するようにしてもよい。
これにより、行動力ポイント保有キャラクタをゲーム空間に登場させることにより加算された行動力ポイントを利用して、他のキャラクタを操作することもできるので、プレイヤはより多様な作戦をとることができる。
【0014】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、プレイヤと対戦相手が交互に操作するターン制によるゲームを実行する機能を実行させるプログラムであって、前記プレイヤのターン中に、複数のキャラクタの中から、前記プレイヤの操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択する機能と、選択された前記キャラクタに、前記プレイヤの操作入力に基づいて命令を実行させる機能と、前記プレイヤのターンの始めに、前記プレイヤが前記複数のキャラクタを操作するために用いることができる行動力ポイントを設定する機能と、
前記ターン中にいずれかのキャラクタが操作される毎に、各キャラクタに定められている必要な行動力ポイントを減算する機能と、前記行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、前記プレイヤのターンを終了し、前記対戦相手のターンに切り替える機能を実行させ、1ターン中に、同一のキャラクタを複数回選択可能であり、かつ同一のキャラクタに対して同じ命令を複数回実行させることが可能なものである。
【0015】
また本発明のプログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるものである。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、SDメモリ、メモリスティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、DVD−ROM等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、コンピュータに実行されるものだからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ターン制のゲームにおいて、プレイヤが、ゲームの局面によってどのキャラクタを使うのが有利なのかを考えて、様々なパターンの戦い方を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.

図1は実施の形態1によるゲーム装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム装置1を機能的に大別すると、CPUブロック2、ビデオブロック3、サウンドブロック4に分けることができる。CPUブロック2は、CPU21、メインメモリ22、ROM23、CD−ROMドライブ24、バスアービタ(Bus Arbiter)25を備えている。
【0018】
バスアービタ25は、バスを介して相互に接続されるデバイスにバス占有権を割り振ることによりデータの送受信を可能にしている。また、バスアービタ25には遊戯者(プレイヤ)による操作信号の入力デバイスとしてコントロールパッド26が接続されている。コントロールパッド26はゲームプログラム実行時において、画面に登場するキャラクタを操作したり、各種コマンドを選択し、実行するためのデバイスであり、プレイヤの入力操作に対応した操作信号をCPUブロック2のバス上に出力する。
【0019】
図2に示すように、コントロールパッド26は、スタートボタン201、Aボタン202、Bボタン203、Xボタン204、Yボタン205、十字キー(上下左右方向指示キー)206、アナログスティック207を備える。Aボタン202、Bボタン203、Xボタン204、Yボタン205は、ゲーム中の各場面において、「攻撃」、「防御」等のコマンド実行キーとして機能する。アナログスティック207はキャラクタの移動先、移動距離等を指示するために用いられる。プレイヤはこれらのキーを操作することでゲームを展開していく。また、コントロールパッド26の背面にはケーブル208が配線されており、ゲーム装置1に接続可能に構成される。
【0020】
操作信号の入力デバイスとして、コントロールパッド26の他、ジョイパッド、マウスや銃型コントローラ等のポインティングデバイス、キーボード等でもよい。これらの入力デバイスは二以上を接続可能にして複数のプレイヤが同時にゲームプレイするように構成可能である。
【0021】
また、コントロールパッド26にはバックアップメモリ27が接続される。バックアップメモリ27は、ゲーム中に発生するゲームの進行状況やゲームの成績、操作方法等の設定を含む設定データの格納領域となっている。これらの設定データは、電源遮断時に電源遮断直前の状態からゲームを再開するためのバックアップデータとして機能する他、バックアップメモリ27を交換することで他のゲーム装置でのゲーム結果を当該ゲーム装置に反映することが可能になる。
【0022】
CPU21は、メインメモリ22、ROM23、CD−ROMドライブ24にアクセス可能に構成されている。CPU21は電源投入時にROM23に記憶されたイニシャルプログラムを実行し、装置全体の初期化を行い、CD−ROMドライブ24にCD−ROMが装着されたことを検出すると、CD−ROMに格納されているゲームプログラムや画像データをメインメモリ22に転送し、これを実行する。また、CPUは、オペレーティングシステム(OS)の制御の下、CD−ROMに記憶されている描画データや画像データをグラフィックスメモリ33に転送し、サウンドデータをサウンドメモリ42に転送する。
【0023】
メインメモリ22は、主としてOS用プログラムデータ、アプリケーションプログラムデータを格納する他、静的変数や動的変数等を記憶するワークエリアとして機能する。ROM23はイニシャルプログラムローダの格納領域として機能する。
【0024】
CD−ROMにはゲーム装置1で実行されるゲームプログラム等が格納されている。CD−ROM24は、CD−ROMが脱着可能に構成されており、CD−ROMが装着されると、制御信号を出力することでその旨をCPU21に知らせ、CPU21の制御により各種データを所定のハードウエアに転送可能に構成されている。
【0025】
なお、記録媒体はCD−ROMに限らず、各種記録媒体、例えば、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HD)、CD−R、PD、MD、MOディスク、HSディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ROMカートリッジ、バックアップ付きのRAMメモリカートリッジ等を読み取り可能に構成してもよい。
【0026】
通信装置5は、モデムやターミナルアダプタ等の通信デバイスであり、本ゲーム装置に接続可能に構成されている。この通信装置5はゲーム装置1と外部回線とを接続するアダプタとして機能し、公衆回線網等の回線に接続されるゲーム供給用サーバからデータを受信し、CPUブロック2のバスに供給する。公衆回線網には、加入者回線、専用線を含む。
【0027】
ビデオブロック3は、VDP(Video Display Processor)31、グラフィックメモリ32、ビデオエンコーダ33、ディスプレイ34を備えている。グラフィックメモリ32の所定領域にはCD−ROMからの画像データが格納される。VDP31はグラフィックメモリ32に格納される画像データのうち、画像表示に必要な画像データを読み取ってCPU21から供給される画像表示に必要な情報、例えば、コマンドデータ、視点位置データ、光源位置データ、オブジェクト指定データ、オブジェクト位置データ、テクスチャ指定データ、モデリング変換マトリクス、3次元クリッピング処理、陰線処理、シェーディング処理、表示優先処理等を実行する。ビデオエンコーダ33はVDP31が生成した画像データをNTSC方式等の所定のテレビジョン信号に変換し、ディスプレイ34に出力可能に構成されている。
【0028】
サウンドブロック4は、サウンドプロセッサ41、サウンドメモリ42、D/Aコンバータ43、スピーカ44を備える。サウンドメモリ42にはCD−ROMから供給される音声データが格納されている。サウンドプロセッサ41はCPU21から供給されるコマンドデータに基づいてサウンドメモリ42に格納される波形データ等の音声データを読み取ってDSP(Digital Signal Processor)機能に基づく各種エフェクト処理等を行う。D/Aコンバータ43はサウンドプロセッサ41により生成された音声データをアナログ信号に変換し、スピーカ44に出力可能に構成されている。
【0029】
図3は、実施の形態1によるゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である。ゲーム装置1は、プレイヤと対戦相手が交互に操作するターン制によるゲームを実行するゲーム装置である。図に示すように、ゲーム装置1は、キャラクタ選択部101、キャラクタ操作部102、行動力ポイント設定部103、行動力ポイント管理部104、ターン制御部105、キャラクタ制御部106、を備えている。
キャラクタ選択部101、キャラクタ操作部102、行動力ポイント設定部103、行動力ポイント管理部104、ターン制御部105、及びキャラクタ制御部106はメインメモリ22に格納され、CPU21が実行するプログラムのモジュールに対応する。
【0030】
(キャラクタ選択部101)
キャラクタ選択部101は、プレイヤのターン中に、プレイヤが操作可能な複数のキャラクタの中から、プレイヤのコントロールパッド26を用いた操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択する。
【0031】
(キャラクタ操作部102)
キャラクタ操作部102は、プレイヤが選択したキャラクタに、プレイヤのコントロールパッド26を用いた操作入力に基づいてキャラクタを移動させ、攻撃等の命令を実行させる。
【0032】
(行動力ポイント設定部103)
行動力ポイント設定部103は、プレイヤのターンの始めに、プレイヤが複数のキャラクタを操作する際に用いることができる行動力ポイント(CP)を設定する。
【0033】
(行動力ポイント管理部104)
行動力ポイント管理部104は、ターン中にプレイヤがキャラクタを操作する毎に、各キャラクタに定められている必要な行動力ポイントを減算する。また、行動力ポイント管理部104は、ターン終了時に行動力ポイントが残っている場合には、次回のプレイヤのターン時に残った行動力ポイント繰り越す。
【0034】
(ターン制御部105)
ターン制御部105は、プレイヤのターンと対戦相手のターンの切り替えを制御する。ターン制御部105は、プレイヤのターンの初めに設定された行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、プレイヤのターンを終了し、対戦相手のターンに切り替える。また、ターン制御部105は、プレイヤがプレイヤのターン中に当該ターンの終了を選択した場合には、当該ターンを終了する。
【0035】
(キャラクタ制御部106)
キャラクタ制御部106は、各々のキャラクタがゲーム内で発揮する能力を定めたパラメータに基づいて、キャラクタを制御する。また、キャラクタ制御部106は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタのパラメータをプレイヤに対して不利に変更させていく。
【0036】
キャラクタの能力を定めたパラメータとして、例えばキャラクタの移動可能距離パラメータがあげられる。移動可能距離パラメータは、キャラクタが移動可能な総合距離を表すパラメータである。キャラクタがゲーム内で移動すると、移動した距離の分だけパラメータが減算されていき、パラメータがゼロになるとキャラクタは移動できなくなる。キャラクタ制御部106は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタの移動可能距離パラメータを減少させる。例えば、2回目の選択では移動可能距離を当初の移動可能距離の3分の1だけ減少させ、3回目の選択では3分の2減少させ、4回目以降の選択ではゼロ、或いは一律の底値にする。このように、移動可能距離を減少させていくことにより、プレイヤが極端に同じキャラクタばかりを使うことを防止できる。
【0037】
なお、移動可能距離パラメータの定義は上記のものに限られない。例えば、移動可能距離パラメータをRとすると、キャラクタは、移動開始点を中心とした半径Rの円の範囲内であれば移動した総合距離に関わらず移動可能としてもよい。前出の定義では、キャラクタを一定の方向に長く移動させることができるが、移動可能距離を使い切ってしまった場合には、後戻りすることもできなくなる。2つめの定義では、どの方向へもR以上遠くへは移動できないが、半径Rの円内であれば、いくらでも移動することができる。
なお、2つめの定義の場合、2回目以降のキャラクタ操作時に、移動可能距離Rを減少させる以外に、移動可能円形範囲の一部を削除するようにしてもよい。すなわち、例えば図7に示すように、移動開始点Oを中心とする半径Rの円内に移動可能な範囲a(キャラクタが侵入できる領域)と移動出来ない範囲b(キャラクタが侵入できない領域)を設けるようにしてもよい。
【0038】
その他のキャラクタの能力を定めたパラメータとしては、例えば以下のものがあげられる。
(キャラクタの体力)
キャラクタの体力を表す値であり、この値がゼロになると、キャラクタは死亡する。
1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、体力を消費したとみなして、パラメータ値を一定値減少させることができる。これにより、体力が高いキャラクタを使用し続けることを制限することができる。
【0039】
(消費CP)
キャラクタを操作するために必要な行動力ポイント(CP)の量である。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、消費CPの値を一定値増加させることができる。総合的な能力が高いキャラクタほど元々設定されている消費CPも高いので、消費CPをさらに増加させることにより、総合能力が高いキャラクタを使用し続けることを制限することができる。
【0040】
(命中精度)
キャラクタの武器から発射される弾の命中精度(狙ったところへ弾が飛ぶ精度)である。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、命中精度を一定値減少させることができる。これにより、命中精度が高いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0041】
(攻撃回避能力)
キャラクタが敵の攻撃を避ける確率である。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、攻撃を避ける確率を一定値減少させることにより、攻撃回避能力の高いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0042】
(攻撃力)
キャラクタが敵に対して与えられるダメージの大きさを表すパラメータである。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、攻撃力パラメータを一定値減少させることにより、攻撃力が高いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0043】
(防御力)
キャラクタが敵の攻撃で受けたダメージを軽減できる能力を表すパラメータである。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、防御力パラメータを一定値減少させることにより、防御力が高いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0044】
(射程距離)
キャラクタの武器から発射される弾が到達する距離である。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、射程距離の値を一定値減少させることにより、射程距離の長いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0045】
(弾数)
キャラクタの武器から発射される弾の数である。1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、弾数を一定値減少させることにより、弾数の多いキャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0046】
(ポテンシャル)
キャラクタに設定された、特定の状況下でキャラクタに効果が発動する要素である。効果はプラスのもの、マイナスのものがある。例えば、効果がプラスの要素として、「大胆不敵」や、「不屈の心」があり、効果がマイナスの要素として、「花粉症」や、「男嫌い」がある。「大胆不敵」は、敵に囲まれた数だけ攻撃力が上昇する要素であり、「不屈の心」は、体力パラメータが減るほど防御力パラメータが上昇する要素である。「花粉症」は、キャラクタが草地を移動すると、時間に対応して体力パラメータが徐々に減少する要素であり、「男嫌い」は、キャラクタから所定距離以内に男性キャラクタが存在すると、射撃能力(命中精度)が減少する要素である。
1ターン中に同一キャラクタが2回以上選択された場合、プラス要素を発動させないようにする、或いはプラス要素を発動させる確率を減少させることによって、攻撃力パラメータの上昇値や防御力パラメータの上昇値を減少させることが可能であり、同一キャラクタを使用し続けることを制限できる。
また、マイナス要素を発動させる確率を上昇させることにより、体力パラメータや射撃能力を減少させることが可能であり、同一キャラクタを使用し続けることを制限できる。
【0047】
なお、キャラクタ制御部106は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタのパラメータをプレイヤに対して有利に変更させることも可能である。この場合、プレイヤが同じキャラクタを使用し続けることを制限するのではなく、何度も同じキャラクタを使用することによって、キャラクタの能力を向上させるという楽しみ方ができる。
【0048】
図4は、実施の形態1によるゲーム装置の処理を説明するフローチャートである。ここでは、ターンの初めに繰り越し分以外にプレイヤにCP=4が与えられ、プレイヤが操作可能なキャラクタはキャラクタA(兵士)とキャラクタB(戦車)の2つとする。また、キャラクタAを操作する際に消費するCPは1ポイント、キャラクタBを操作する際に消費するCPは2ポイントとする。
【0049】
まず、プレイヤのターンが開始されると、行動力ポイント管理部103は当初のCPを設定する(ステップS101)。前回のターンからの繰り越しが無い場合には4ポイントを設定する。また、繰り越しがある場合には規定の4ポイントに繰り越し分を足したポイントを設定する。なお、1ターンの初めに与えられるCPに限度数を設け、それ以上のポイントは破棄するようにしてもよい。
【0050】
次に、ステップS102において、プレイヤがキャラクタの選択操作を行った場合にはステップS103へ進む。ステップS102においてプレイヤがターン終了選択を行った場合にはターン制御部105はそのままターンを終了する。
【0051】
ステップS103において、キャラクタ選択部101は、プレイヤがキャラクタAを選択したかキャラクタBを選択したかを判定する。
ステップS104において、ターン制御部105は選択されたキャラクタを操作するための行動力ポイントの残りがあるか否か判定する。キャラクタAが選択されている場合にはCPが1以上残っているか判定し、キャラクタBが選択されている場合にはCPが2以上残っているか判定する。残りが無い場合にはターンを終了し、残りがある場合にはステップS105へ進む。
【0052】
ステップS105において、キャラクタ制御部106は、選択されているキャラクタが当ターンにおいて2回目以上の選択か否かを判定する。2回目以上の選択の場合には、ステップS106において選択回数に応じて、当該キャラクタの移動可能距離を減少させる。
【0053】
次に、ステップS107において、キャラクタ操作部102は、プレイヤの操作に基づいて、選択されたキャラクタを移動させ、攻撃等の命令を実行させる。
次に、ステップS108において、行動力ポイント管理部103は、選択されたキャラクタを操作する際に必要なCPを減算する。キャラクタAを操作した場合にはCP=1を減算し、その結果プレイヤの手持ちのCPは3となる。キャラクタBを操作した場合にはCP=2を減算し、その結果プレイヤの手持ちのCPは2となる。
【0054】
図5は、1ターン中における、行動力ポイントの推移を説明するフローチャートである。図に示すように、ターン開始時にCP=4が付与され、キャラクタAを操作した場合にはCPが1減算され、キャラクタBを操作した場合にはCPが2減算される。キャラクタの選択回数に制限はなく、CPが残っている限りは自由にCPを割り振ることができる。また、同じキャラクタを複数回選択した場合には、その都度移動可能距離が減少する。
【0055】
図6A〜図6Dは、実施の形態1によるゲーム装置のディスプレイ34に出力される画像の例を示す図である。
図6A、6Bは、プレイヤが操作するキャラクタを選択する際の画面を示している。図6Aは、キャラクタA(兵士)を選択した際に表示される画面の例であり、コントロールパッド26を用いてポインタPでキャラクタAを表すアイコン501aを指し示している。画面左上のCP表示部502には、1個が1CPに対応する図柄503が、現時点で残っているCPの分だけ表示される。また、ポインタPでキャラクタAを指示すると、キャラクタAの操作に必要なCPが1であることから、図に示すように1個の図柄503が強調表示(図中X)され、プレイヤがCPの変化を容易に把握できるようになっている。
【0056】
また、画面左下に表示されたメーター504は、選択されたキャラクタの移動可能距離を示している。図6Aは、1回目の選択時の状態を示しており、移動可能距離は100%になっている。
【0057】
図6Bは、キャラクタB(戦車)を選択した際に表示される画面の例であり、コントロールパッド26を用いてポインタPでキャラクタBを表すアイコン501bを指し示している。図6Aと同様に、画面左上のCP表示部502には、現時点で残っているCPに対応する図柄503が表示され、ポインタPでキャラクタBを指示すると、キャラクタBの操作に必要なCP2個分の図柄503が強調表示される。
【0058】
図6Cは、キャラクタ操作部102が、プレイヤの操作に基づいて、キャラクタA(図中A)に命令を実行させている時の画面の例である。図中のメーター505は、実際のキャラクタAの移動距離を示している。プレイヤは、移動可能距離いっぱいにキャラクタを移動させても良いし、移動させずに攻撃のみを行わせても良い。また、キャラクタの近くに敵がいる場合には、対戦相手のターンで攻撃されることを避けるため、キャラクタを後退させても良い。
【0059】
図6Dは、1ターン中で2回目にキャラクタAを選択した場合の画面を示している。図に示すように、2回目の選択であることから、移動可能距離を示すメーター504が3分の1だけ減少している。消費するCPは1回目と同様に1であるため、1個の図柄503が強調表示されている。
【0060】
また、プレイヤは、キャラクタA、Bの他に行動力ポイント保有キャラクタCを有している。この行動力ポイント保有キャラクタCは、プレイヤが持ち駒として保持しているキャラクタであり、当初はゲーム空間上には出ていない。プレイヤは、自ターン中に行動力ポイント保有キャラクタCをゲーム空間上に登場させる操作を行うことができる。行動力ポイント保有キャラクタCをゲーム空間上に登場させると、行動力ポイント管理部103によって、行動力ポイント保有キャラクタCに割り当てられている行動力ポイントが加算される。例えば、プレイヤのターンの開示時に、前回ターンからの繰り越しポイントが1で、さらにCP2を保有する行動力ポイント保有キャラクタCをゲーム空間上に登場させると、そのターンでプレイヤが使用できる全CPは、4+1+2=7となる。このように、行動力ポイント保有キャラクタをゲーム空間に登場させることにより加算された行動力ポイントを利用して、他のキャラクタを操作することもできるので、プレイヤはより多様な作戦をとることができる。
【0061】
以上のように、実施の形態1によれば、プレイヤは、1ターン中に、手持ちの行動力ポイントの範囲内で、選択回数に制限無く命令を与えるキャラクタや命令内容を自由に選ぶことが出来るので、プレイヤは、ゲームの局面によって、どのキャラクタを使うのが有利なのかを考えて手持ちのポイントを割り振り、様々なパターンの戦い方を実行することができる。
【0062】
また、キャラクタ制御部106によって、2回目以降のキャラクタの移動可能距離等のパラメータをプレイヤに対して不利に変更させることにより、プレイヤにキャラクタが疲労していることを認識させ、プレイヤが極端に同じキャラクタばかりを使うことを防止できる。また、移動可能距離が減少することで、キャラクタの動きの予測範囲を狭めることができるので、ゲーム製作者がゲームを作成しやすいというメリットがある。
【0063】
また、行動力ポイント管理部103は、ターン終了時に行動力ポイントが残っている場合には、次回のプレイヤのターン時に残った行動力ポイント繰り越すようにしたので、プレイヤは、ゲームの局面によって、次回のターンのためにポイントを貯めておくなどの作戦もとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施の形態1によるゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】コントロールパッドの斜視図である。
【図3】実施の形態1によるゲーム装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1によるゲーム装置の処理を説明するフローチャートである。
【図5】実施の形態1による、1ターン中における行動力ポイントの推移を説明するフローチャートである。
【図6A】実施の形態1によるゲーム装置のディスプレイに出力される画像の例を示す図である。
【図6B】実施の形態1によるゲーム装置のディスプレイに出力される画像の例を示す図である。
【図6C】実施の形態1によるゲーム装置のディスプレイに出力される画像の例を示す図である。
【図6D】実施の形態1によるゲーム装置のディスプレイに出力される画像の例を示す図である。
【図7】キャラクタの移動可能範囲の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ゲーム装置、2 CPUブロック、3 ビデオブロック、4 サウンドブロック、5 通信装置、21 CPU、22 メインメモリ、23 ROM、24 CD−ROMドライブ、25 バスアービタ、26 コントロールパッド、27 バックアップメモリ、31 VDP(Video Display Processor)、32 グラフィックメモリ、33 ビデオエンコーダ、34 ディスプレイ、41 サウンドプロセッサ、42 サウンドメモリ、43 D/Aコンバータ、44 スピーカ、101 キャラクタ選択部、102 キャラクタ操作部、103 行動力ポイント設定部、104 行動力ポイント管理部、105 ターン制御部、106 キャラクタ制御部、201 スタートボタン、202 Aボタン、203 Bボタン、204 Xボタン、205 Yボタン、206 十字キー(上下左右方向指示キー)、207 アナログスティック、208 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤと対戦相手が交互に操作するターン制によるゲームを実行するゲーム装置であって、
前記プレイヤのターン中に、複数のキャラクタの中から、前記プレイヤの操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択するキャラクタ選択部と、
選択された前記キャラクタに、前記プレイヤの操作入力に基づいて命令を実行させるキャラクタ操作部と、
前記プレイヤのターンの始めに、前記プレイヤが前記複数のキャラクタを操作するために用いることができる行動力ポイントを設定する行動力ポイント設定部と、
前記ターン中にいずれかのキャラクタが操作される毎に、各キャラクタに定められている必要な行動力ポイントを減算する行動力ポイント管理部と、
前記行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、前記プレイヤのターンを終了し、前記対戦相手のターンに切り替えるターン制御部を備え、
1ターン中に、同一のキャラクタを複数回選択可能であり、かつ同一のキャラクタに対して同じ命令を複数回実行させることが可能なゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
各々のキャラクタがゲーム内で発揮する能力に基づいて、キャラクタを制御するキャラクタ制御部をさらに備え、
前記キャラクタ制御部は、
1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタの前記能力を制限させていくことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記キャラクタ制御部は、1ターン中に、同一のキャラクタが2回以上選択された場合に、2回目以降の操作における当該キャラクタの移動可能距離を減少させていくことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲーム装置であって、
前記ターン制御部は、前記プレイヤが前記プレイヤのターン中に当該ターンの終了を選択した場合には、当該ターンを終了し、
前記行動力ポイント管理部は、ターン終了時に前記行動力ポイントが残っている場合には、次回のプレイヤのターン時に、残った行動力ポイント繰り越すことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のゲーム装置であって、
前記行動力ポイント設定部は、
前記プレイヤが、自ターンにおいて行動力ポイント保有キャラクタをゲーム空間に登場させる操作入力を行った場合には、前記行動力ポイント保有キャラクタに割り当てられた行動力ポイントを加算することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
コンピュータに、
プレイヤと対戦相手が交互に操作するターン制によるゲームを実行する機能を実行させるプログラムであって、
前記プレイヤのターン中に、複数のキャラクタの中から、前記プレイヤの操作入力に基づいて1つのキャラクタを選択する機能と、
選択された前記キャラクタに、前記プレイヤの操作入力に基づいて命令を実行させる機能と、
前記プレイヤのターンの始めに、前記プレイヤが前記複数のキャラクタを操作するために用いることができる行動力ポイントを設定する機能と、
前記ターン中にいずれかのキャラクタが操作される毎に、各キャラクタに定められている必要な行動力ポイントを減算する機能と、
前記行動力ポイントがキャラクタの操作に必要なポイントを下回った場合には、前記プレイヤのターンを終了し、前記対戦相手のターンに切り替える機能を実行させ、
1ターン中に、同一のキャラクタを複数回選択可能であり、かつ同一のキャラクタに対して同じ命令を複数回実行させることが可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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