ゲーム装置
【課題】装置に装着される情報保持媒体に基づいて、表示演出を実行する携帯型ゲーム装置を提供する。
【解決手段】本発明の携帯型ゲーム装置は、透過液晶ディスプレイの裏側に存在する装着部に対して情報保持媒体が装着された場合に、当該情報保持媒体から取得したゲームのキャラクタを識別する情報に基づいて、当該情報保持媒体の表面に表示された記号と、透過液晶ディスプレイ上に表示する同一の記号とが、当該ディスプレイを透して重ねて視認されるように、当該記号を当該ディスプレイに表示する。
【解決手段】本発明の携帯型ゲーム装置は、透過液晶ディスプレイの裏側に存在する装着部に対して情報保持媒体が装着された場合に、当該情報保持媒体から取得したゲームのキャラクタを識別する情報に基づいて、当該情報保持媒体の表面に表示された記号と、透過液晶ディスプレイ上に表示する同一の記号とが、当該ディスプレイを透して重ねて視認されるように、当該記号を当該ディスプレイに表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に係る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯可能なゲーム装置では、様々なものが知られている。その中に、特許文献1及び特許文献2に開示されているゲーム装置がある。
【0003】
特許文献1では、ゲーム装置に着脱可能なメモリーカードをゲームプログラムの記憶媒体として利用するゲーム装置が提案されている。当該ゲーム装置は、メモリーカードがゲーム装置に挿入された状態において、当該メモリーカードの裏面に貼付されたシールを、液晶画面を透して視認可能とすることにより、当該シールの絵柄等をゲーム画面の背景として利用することができる。
【0004】
また、特許文献2では、ゲーム装置に着脱可能なカートリッジに基づいて、ゲームで利用可能なキャラクタを登録するゲーム装置が提案されている。当該ゲーム装置は、キャラクタを識別するための情報に加えて、当該キャラクタのバリエーションを決定するための情報をカートリッジから取得することにより、当該キャラクタを利用可能にするだけでなく、同一のキャラクタについて、バリエーションを持たせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−57210号公報
【特許文献2】特開2008−194320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のゲーム装置では、例えば、ゲームのキャラクタに関する情報を保持したカートリッジのような情報保持媒体を、ゲーム装置に装着する際に、当該情報保持媒体に基づいて、表示部における表示演出を実行することができない。
【0007】
そこで、本発明は、例えば、装置に装着される情報保持媒体に基づいて、表示演出を実行することが可能なゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、ゲーム装置として実現できる。ゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム装置であって、ゲームのキャラクタを識別するための識別情報と、キャラクタを表す記号とを関連付けて複数登録するテーブルと、識別情報を保持する情報保持媒体であって、表面上の所定の位置に記号が表示された情報保持媒体が装着される装着部と、ゲーム画面を表示する表示手段であって、表示手段の裏側に設けられた装着部に装着される情報保持媒体の表面を、表示手段を透して視認させることが可能な表示手段と、装着部に装着された情報保持媒体から、キャラクタの識別情報を取得する取得手段と、テーブルから、取得手段により取得された識別情報に関連する記号を抽出する抽出手段と、装着部に情報保持媒体が装着されたことを検知する検知手段と、検知手段によって情報保持媒体が検知されると、情報保持媒体上の記号が表示手段を透して視認される表示手段上の領域に、抽出手段により抽出された記号を、情報保持媒体上の記号と重畳するように表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば、装置に装着される情報保持媒体に基づいて、表示演出を実行することが可能なゲーム装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】、
【図1b】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100の外観の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ300の外観の一例を示す図である。
【図4a】、
【図4b】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100におけるリロード操作の様子の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るカートリッジ300における凹凸部302の構成の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るパリティの生成方法の一例を示す表の図である。
【図7】第1の実施形態に係るデータ信号及びパリティの一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係るリロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図9a】、
【図9b】、
【図9c】、
【図9d】第1の実施形態に係るリロード処理における表示部101の表示画面の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係るキャラクタテーブル1000の一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係るキャラクタの表示形態の一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ1200の外観の一例を示す図である。
【図13a】、
【図13b】、
【図13c】第2の実施形態に係るカートリッジ1200を構成する各部品の外観の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るカートリッジ1200における凹凸部1202の構成の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係るキャラクタテーブル1500の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
<ゲーム装置の構成>
第1の実施形態においては、本発明に係るゲーム装置を携帯型ゲーム装置に適用した場合について説明する。図1a及び図1bは、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100の外観の一例を示す図である。図1aは、携帯型ゲーム装置100を正面から見た場合を示しており、図1bは、図1aの矢印110の方向に携帯型ゲーム装置100の側面(右側面)を見た場合を示している。なお、図1及び以下の図面には、以下の説明で用いる部分を中心として示しており、例えば、電源スイッチ等、本実施形態の趣旨ではない部分については、図示を省略している。
【0013】
図1aに示すように、携帯型ゲーム装置100は、透過型液晶ディスプレイで構成される表示部101と、操作ボタン102a〜102cと、LED103とを備える。表示部101には、後述するキャラクタの表示等、各種のゲーム画面が表示される。また、表示部101はその表面上にタッチパネルを備える。操作ボタン102a〜102c及び表示部101上のタッチパネルは、携帯型ゲーム装置100のプレーヤが各種の操作指示を入力するための入力手段として機能する。LED103は、プレーヤの操作やゲームの進行に応じて発光する。
【0014】
また、図1bに示すように、携帯型ゲーム装置100は、表示部101の裏側に、ゲームのキャラクタに関する情報を保持するカートリッジが挿入されるスロット部104を備える。スロット部104の内部には、当該カートリッジの表面に形成された凹凸を読み取るための読取部105と、当該カートリッジのスライド操作を検知するためのスライド検知部106とが配置されている。すなわち、カートリッジが、本発明に言うところの「情報保持媒体」であり、スロット部104は「装着部」に相当する。また、読取部105「取得手段」に相当し、読取部105及びスライド検知部106は「検知手段」を構成している。なお、カートリッジ、スロット部104、読取部105、スライド検知部106は、情報保持媒体、装着部、取得手段、検知手段の一例に過ぎず、なんらこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。したがって、情報保持媒体であるところのカートリッジのスロット部104への装着方法は、必ずしも挿入には限られず、装着部とであるところのスロット部104との関係において「装着」の概念に含まれる限り、様々な方法に変形可能である。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯型ゲーム装置100の各部は、バス200を介して互いに接続されている。なお、表示部101、LED103及び読取部105は、図1と同一の構成要素である。
【0016】
CPU201は、ROM203に格納されているプログラムやデータ、RAM202に一時的に保持されているデータ等を用いて、携帯型ゲーム装置100全体の制御を行うとともに、ゲーム処理を実行する。また、CPU201内部には、不図示のタイマが設けられており、CPU201は計時することができる。
【0017】
RAM202は、処理中のデータを一時的に記憶するためのエリア、読取部105の読取結果及びスライド検知部106の検知結果をデータとして一時的に記憶するためのエリア、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリア等、各種のエリアを適宜提供する。
【0018】
ROM203は、CPU201に携帯型ゲーム装置100全体の制御を行わせたり、ゲーム処理を実行させたりするためのプログラムやデータが格納されている。当該データには、後述するキャラクタテーブルが含まれる。また、当該テーブルのデータは、適宜RAM202にロードされ、処理で用いられる。
【0019】
操作部204は、操作ボタン102a〜102c及び表示部101上のタッチパネルに対応し、プレーヤからの操作を受け付ける。音声出力部205は、ボタンやタッチパネルを操作された際の操作音や、ゲームの進行に合わせた効果音等を音声出力する。
【0020】
カートリッジ検知部206は、読取部105及びスライド検知部106を有し、スロット部104に挿入されたカートリッジを検知する。読取部105は、カートリッジの挿入を検知するとともに、当該カートリッジに記録された情報を読み取り、読み取った情報をRAM202に格納する。すなわち、本発明にいうところの「取得手段」として機能する。また、スライド検知部106は、スロット部104内部においてカートリッジのスライド操作を検知するとともに、当該検知結果をRAM202に格納する。すなわち、読取部105及びスライド検知部106を有するカートリッジ検知部206は「検知手段」に相当する。
【0021】
なお、本実施形態においては、カートリッジはスロット部104内部においてスライド操作が可能となっているが、必ずしもスライド操作は必須ではない。何らかの形で装着部であるスロット部104に、情報保持媒体であるカートリッジが装着されれば良く、その場合はスライド検知部106も必須ではなく、単にカートリッジのスロット部104への装着を検知するものであれば良い。
【0022】
また、「取得手段」であるところの読取部105が「検知手段」を兼ねても良い。その場合、「取得手段」であるところの読取部105において、カートリッジに保持されている識別情報が読み取られたことをもって、スロット部104への装着が行われたことを検知することとなる。このように「取得手段」、「検知手段」については、その機能を達成できる範囲で様々な変形が可能である。
【0023】
<カートリッジの構成>
図3は、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ300の外観の一例を示す図である。カートリッジ300は、情報保持媒体として、ゲームにおけるキャラクタを識別するための情報を保持し、当該情報を携帯型ゲーム装置100に入力するために使用される。なお、カートリッジ300には、ゲームにおけるキャラクタの何れか1つに対応する情報が記録されている。
【0024】
カートリッジ300の表面上の所定の位置には、カートリッジ300が保持する情報に対応するキャラクタを象徴する記号301が表示されている。表示方法は、カートリッジ300の表面に直接印刷することによっても良いが、記号301のシールを貼付することによっても良く、また、記号301の形状をした凸部または凹部が形成されていても良い。すなわち、記号301が視認可能であれば、いかなる表示方法でも良い。本実施形態では、元素記号を用いてキャラクタ名を設定するとともに、当該キャラクタ名を記号301としている。図3では、記号301の一例として、元素記号のH(水素)が表示されたカートリッジ300を示している。プレーヤは、記号301を視認することによって、当該カートリッジ300に対応するキャラクタを識別することができる。
【0025】
カートリッジ300の表面上部には、記号301のキャラクタに関する情報を表す凹凸部302が配置されている。凹凸部302は、例えば、ビット0に対応する凹部と、ビット1に対応する凸部との組み合わせによって構成される。凹凸部302は、後述するように、当該組み合わせによりキャラクタを識別するための情報を表す。なお、図3に示すように、カートリッジ300には、ストラップを装着するためのストラップ穴303が設けられていてもよい。
【0026】
<リロード操作の方法>
本実施形態においては、プレーヤは、カートリッジ300をスロット部104に挿入し、かつ、挿入した状態でスライドさせる操作を行うことによって、当該カートリッジ300に対応するキャラクタを携帯型ゲーム装置100で利用可能にすることができる。以下では、当該操作を「リロード」と称する。図4a及び図4bは、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100におけるリロード操作の様子の一例を示す図である。
【0027】
プレーヤは、まず、図4aに示すように、カートリッジ300をスロット部104の上端部に沿って矢印401の方向に挿入する。上述のように、表示部101は透過型液晶ディスプレイであるので、プレーヤは、表示部101を透して挿入したカートリッジ300を視認することができる。その際、スロット部104内部の読取部105に備えられた(図示しない)スイッチが、カートリッジ300の凹凸部302によって押下されたか否かに基づいて、読取部105は、カートリッジ300の情報を取得するとともに、当該読取結果をRAM202に格納する。
【0028】
カートリッジ300をスロット部104の最奥部まで挿入した後、プレーヤは、図4bに示すように、カートリッジ300をスロット部104の下端部に向かって、矢印402の方向にスライドさせる操作を実行する。カートリッジ300がスロット部104の下端部に到達すると、スロット部104内部のスライド検知部106によって、カートリッジ300が下端部に到達したことが検知される。スライド検知部106は、当該検知結果をRAM202に格納する。なお、プレーヤがカートリッジ300のスライド操作を容易に行うことができるように、スロット部104は図示しないガイド機構を備える。当該ガイド機構として、例えば、カートリッジ300のスライド方向を特定の方向に限定するために、スロット部104内部に、カートリッジ300に接する突起部を当該スライド方向に沿って設けてもよい。
【0029】
その後、プレーヤが、スロット部104の下端部までスライドさせたカートリッジ300を矢印403の方向に取り出すことにより、リロード操作が完了する。
【0030】
なお、CPU201は、読取部105の読取結果、及びスライド検知部106による検知結果に基づいて、LED103を発光させてもよい。例えば、CPU201は、読取部105による読取りが成功した後、スライド検知部106でカートリッジ300を検知した場合にLED103を発光させてもよい。これにより、プレーヤは、リロード操作の成功を視覚的に確認できる。
【0031】
(カートリッジの読取方法)
ここで、カートリッジ300の読取方法について、より具体的に説明する。図5は、第1の実施形態に係るカートリッジ300における凹凸部302の構成の一例を示す図である。図5において、白で示す部分は凹部、黒で示す部分は凸部を表している。凹凸部302は、データ信号部分501と同期信号部分502とを有し、それぞれ凹部と凸部との組み合わせにより構成されている。カートリッジ300がスロット部104に対して矢印500で示す方向に挿入されると、凹凸部302における各凸部が読取部105を通過する際に、スイッチが押下される。
【0032】
同期信号は固定の信号であるため、すべてのカートリッジ300は、同期信号部分502に関して共通する構成を備える。カートリッジ300がスロット部104に挿入されると、まず、同期信号部分502の開始トリガが、スイッチの押下により検知される。これにより、読取部105は、データ信号及び同期信号の読取りを開始する。開始トリガに続いて、同期信号部分502に規則的に配置された凸部によって、スイッチが順に押下される。読取部105は、同期信号部分502におけるスイッチの押下位置を基準として、データ信号部分501における各信号を特定する。
【0033】
図5に示すように、各カートリッジ300のデータ信号部分501は、8ビットのデータ信号(d0〜d7)に加え、1ビットのスタート信号(s0)、2ビットのパリティ(p0、p1)及び1ビットの終端信号(e0)に対応する凹凸を備える。データ信号は、ゲームのキャラクタごとに異なる8ビットの情報で表現される。また、図5では、スタート信号511を凹部(s0=0)、終端信号512を凸部(e0=1)とし、全てのカートリッジ300で共通としている。
【0034】
データ信号部分501のパリティは、特定されたデータ信号における誤り検出に用いられる。当該パリティは、データ信号の凸部によってスイッチが押される回数N(d0〜d7における1の個数)に基づく剰余演算(mod)により生成される。ここで、図6は、第1の実施形態に係るパリティの生成方法の一例を示す表である。本実施形態では、((N+1)mod4)により算出される剰余601に基づいて、パリティp1(602)、p0(603)が生成される。ここで、図7は、第1の実施形態に係るデータ信号及びパリティの一例を示す図である。なお、開始トリガについては図示を省略している。701に示すように、データ信号が1(2進数で1)の場合、剰余601は2であり、パリティはp1=1、p0=0である。また、702に示すように、データ信号が6(2進数で110)の場合、剰余601は3であり、パリティp1=1、p0=1である。カートリッジ300のデータ信号部分501には、データ信号に基づいて上記のように生成されるパリティが記録されている。
【0035】
読取部105によって読み取られたデータ信号とパリティとは、ディジタル信号としてRAM202に格納される。CPU201は、データ信号とパリティとが図6に示す関係にあるか否かに基づいて、データ信号の読取結果における誤りの有無を判定できる。
【0036】
<リロード処理の手順>
次に、本実施形態に係る携帯型ゲーム装置100を用いて実施されるリロード処理について説明する。図8は、第1の実施形態に係るリロード処理の手順を示すフローチャートである。また、図9は、第1の実施形態に係るリロード処理における表示部101の表示画面の一例を示す図である。なお、図8に示すフローチャートに従った処理をCPU201に実行させるためのプログラムやデータはROM203に格納されており、CPU201がこのプログラムやデータを用いて処理を実行することにより、本実施形態に係る携帯型ゲーム装置100は、以下に説明する各処理を実行する。
【0037】
まず、ステップS801で、CPU201は、リロード操作を開始するか否かを判定する。ここで、CPU201は、例えば、操作部204を用いたプレーヤの操作により、メインメニューでリロード操作の開始が選択されたか否かに基づいて、当該判定処理を実行する。その結果、リロード操作を開始する場合には(ステップS801において「YES」)、ステップS802に移行する。
【0038】
リロード操作を開始すると、ステップS802で、CPU201は、タイマによる計時を開始する。当該タイマは、リロード操作におけるタイムアウトの判定に用いられる。タイマによる計時を開始すると、ステップS803で、CPU201は、プレーヤに対してリロード操作を実行することが可能な旨を示す画面(リロード画面)を表示部101に表示して、プレーヤによるリロード操作の受け付けを開始する。その後、ステップS804へ移行する。
【0039】
ステップS804で、CPU201は、タイマによる経過時間が所定時間を経過したか否かを判定する。ここで、リロード操作の受け付け開始から所定時間を経過した場合には(ステップS804において「NO」)、ステップS809へ移行する。一方で、所定時間の経過前の場合には(ステップS804において「YES」)、ステップS805へ移行し、引き続きリロード操作の受け付けを継続する。なお、所定時間が経過する前であっても、プレーヤによって操作部204を操作された場合に、S809へ移行する処理を実行してもよい。
【0040】
ステップS805で、CPU201は、リロード操作が行われたか否かを判定する。CPU201は、当該判定処理を、カートリッジ検知部206の検知結果に基づいて実行する。リロード操作が行われていない場合には(ステップS805において「NO」)、ステップS804へ戻り、CPU201は、リロード操作が行われるまで又は所定時間を経過するまでステップS804及びS805における処理を繰り返す。リロード操作が行われた場合には(ステップS805において「YES」)、ステップS806へ移行する。
【0041】
ここで、図9aは、リロード操作が行われた場合の表示部101の表示画面の一例を示している。図9aに示すように、表示部101は透過型液晶ディスプレイであるので、スロット部104に挿入されたカートリッジ300は、表面上の記号301とともに当該液晶ディスプレイを透して視認される。また、スロット部104に挿入されたカートリッジ300は、矢印901の方向へスライドされる。
【0042】
ステップS806で、CPU201は、リロードに成功したか否かを判定する。当該判定処理は、読取部105における読取結果に基づいて、データ信号に対するパリティを検査することにより実現できる。すなわち、CPU201は、データ信号に誤りを検出した場合には、リロードに失敗したと判定する。一方で、データ信号に誤りを検出していない場合には、リロードに成功したと判定する。当該判定処理の結果、CPU201は、リロードに失敗したと判定した場合には(ステップS806において「NO」)、ステップS803へ戻り、引き続きリロードの受け付けを継続する。その際、リロードに失敗した旨を表示部101に表示してもよい。一方で、CPU201は、リロードに成功したと判定した場合には(ステップS806において「YES」)、ステップS807へ移行する。
【0043】
ステップS807で、CPU201は、読取結果のデータ信号とキャラクタテーブルとに基づいて、カートリッジ300に対応するキャラクタを特定する。ここで、図10は、第1の実施形態に係るキャラクタテーブル1000の一例を示す図である。図10において、キャラクタテーブル1000には、キャラクタ名1001、データ信号値(10進数)1002、登録フラグ1003、及びキャラクタに関する本体データ1004が関連付けられて複数登録されている。これらのデータは、ROM203に格納されており、RAM202にロードされて処理に用いられる。
【0044】
キャラクタ名1001には、各キャラクタに与えられた名称が設定される。また、データ信号値1002には、対応するキャラクタに割り当てられたデータ信号値が設定される。当該データ信号値は、各カートリッジ300が保持する識別情報に相当する。登録フラグ1003は、プレーヤのリロード操作の有無に基づいて設定されるフラグである。フラグが0の場合、リロード操作が行われていないキャラクタであり、フラグが1の場合、リロード操作が既に行われたことがあるキャラクタであることを示している。また、本体データ1004には、対応するキャラクタを表示部101に表示するための画像データや当該キャラクタに対応する記号を表示するための画像データ、当該キャラクタをゲームで利用する際の各種のパラメータが含まれる。なお、図10に示すように、本実施形態では、カートリッジ300に表示された記号301をキャラクタ名1001としている。
【0045】
CPU201は、カートリッジ300の読取結果のデータ信号値と同一のデータ信号値1002を有するキャラクタを、キャラクタテーブル1000を用いて特定する。例えば、データ信号値が1の場合、キャラクタはH(1011)と特定される。その後、ステップS808へ移行する。
【0046】
図9aにおいて、矢印901の方向へのスライド操作により移動されたカートリッジ300が、スロット部104内部の下端部に到達すると、スライド検知部106によって検知される。当該検知結果に基づいて、ステップS808で、CPU201は、カートリッジ300上の記号301を表示部101の液晶ディスプレイ上に表示する演出を実行する。その際に、CPU201は、LED103を発光させることにより、リロードの成功をプレーヤが確認できるようにしてもよい。
【0047】
ここで、CPU201は、特定したキャラクタの本体データ1004に含まれる画像データをキャラクタテーブル1000から抽出し、表示部101に表示する表示制御を実行することにより、当該表示演出を実現する。当該画像データは、カートリッジ300がスロット部104の下端部に位置する場合において、カートリッジ300上の記号301が表示部101を透して視認される当該表示部101上の領域に、当該記号301と同一の記号911を表示する画像データである。すなわち、この画像データが表示部101に表示されることにより、液晶ディスプレイを透して見えるカートリッジ300上の記号301と、液晶ディスプレイ上の記号911とが、表示部101上で重畳して見える状態となる。これにより、プレーヤに対して、あたかもカートリッジ300上の記号301が液晶ディスプレイ上に読み取られたかのような印象を与える表示演出を実現できる。
【0048】
さらに、CPU201は、図9b及び図9cに示すように、カートリッジ300がスロット部104から矢印902の方向へ抜き取られるまで、及び抜き取られた後も、記号911の表示を継続する。その後、ステップS803へ戻る。
【0049】
ステップS803で、再びリロード画面を表示した後、ステップS804でタイムアウトすると、ステップS809へ移行する。ステップS809で、CPU201は、リロードが少なくとも1回以上成功したか否かを判定する。ここで、リロード操作が所定時間の経過前に1回も実行されていない等の理由により、リロードが1回も成功していないと判定した場合には(S809において「NO」)、ステップS812へ移行する。さらに、ステップS812で、CPU201は、表示部101の液晶ディスプレイに、タイムオーバした旨を表示して、処理を終了する。一方で、CPU201は、リロードが少なくとも1回以上成功したと判定した場合には(S809において「YES」)、ステップS810へ移行する。
【0050】
ステップS810で、CPU201は、リロードに成功したキャラクタの画像を表示部101に表示する演出を実行する。CPU201は、特定したキャラクタの本体データ1004に含まれる画像データを取得し、表示部101に表示することにより、当該処理を実現する。ここで、図11は、第1の実施形態に係るキャラクタの表示形態の一例を示す図である。図11では、キャラクタ名がHのキャラクタ画像1101を示している。なお、キャラクタ画像1101が表示部101に表示されるまでに、記号911からキャラクタ画像1101へ徐々に変化する表示演出が行われてもよい。その場合、表示に必要な画像データを、当該キャラクタの本体データ1004として予めROM203に格納しておけばよい。
【0051】
ステップS810における処理の後、ステップS811へ移行する。ステップS811で、CPU201は、表示部101に表示したキャラクタを、プレーヤがゲームで利用できるようにするために、携帯型ゲーム装置100に対する当該キャラクタの登録処理を実行する。具体的には、CPU201は、例えば、キャラクタテーブル1000の登録フラグ1003に1を設定することにより、当該処理を実現する。図10では、キャラクタ1013の登録フラグ1003が1であるため、当該キャラクタは既に登録されている。ここで、図9a〜cのように、記号及びキャラクタ名がHに対応するキャラクタ1011を登録する場合には、CPU201は、当該キャラクタの登録フラグ1003に1を設定する。以上の登録処理により、一連のリロード処理が終了する。
【0052】
なお、プレーヤは、リロード操作の受け付け開始からタイムアウト(所定時間の経過)するまでの間、リロード操作を複数回実行することができる。すなわち、図8において、ステップS803〜S808の処理は、ステップS804でタイムアウトするまで繰り返し実行され得る。これにより、プレーヤは、複数のカートリッジ300に対応するキャラクタを、携帯型ゲーム装置100に対して連続して登録することができる。図9dは、複数回のリロード操作が続けて実行された場合の、表示部101の表示画面の一例を示している。図9dでは、先にキャラクタHのカートリッジ300がリロードされ、その後、キャラクタOのカートリッジ300がリロードされた場合を示している。
【0053】
さらに、その場合に、それらのキャラクタを組み合わせて生成される別のキャラクタが併せて登録されてもよい。例えば、図10のキャラクタテーブル1000において、キャラクタH(1011)とキャラクタO(1012)とが続けてリロードされた場合に、CPU201は、それらを組み合わせたキャラクタH2O(1021)を登録する処理を実行すればよい。
【0054】
上述のリロード処理によって、ゲームにおいて利用可能なキャラクタが携帯型ゲーム装置に対して登録される。プレーヤは、リロード処理によって登録したキャラクタを用いて、ゲームを実行することができる。例えば、プレーヤは、利用可能なキャラクタから選択したキャラクタを利用して、ゲーム中に登場する敵キャラクタと対戦を行うことができる。
【0055】
また、携帯型ゲーム装置に対して登録されたキャラクタを確認するための図鑑モードを用意して、各キャラクタの能力や属性等の各種パラメータを表示部101に表示する。その結果、プレーヤは、図鑑モードを実行することにより、登録した各キャラクタの各種パラメータを確認できるとともに、キャラクタがどの程度収集されたかを確認することができる。
【0056】
以上説明したように、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置は、透過液晶ディスプレイの裏側のスロット部に挿入されるカートリッジから、キャラクタを識別する情報を取得することにより、当該キャラクタをゲームで利用可能にする。さらに、当該カートリッジに記録された情報の取得に成功すると、カートリッジの表面に表示された記号が透過液晶ディスプレイを透して視認される当該ディスプレイ上の領域に、当該記号と同一の記号を、記号同士が重畳するように表示する。これにより、携帯型ゲーム装置は、カートリッジに記録された情報を取得する際に、当該カートリッジの表面に表示された記号が、あたかも透過液晶ディスプレイ上に読み取られたかのような表示演出を実現することができる。
【0057】
[第2の実施形態]
ゲーム装置では、ゲームにおいて利用可能なキャラクタに対して属性や種類等に応じたパラメータを与えることで、キャラクタに様々なバリエーションを付加することができるとともに、それらをゲームの実行に利用する。第2の実施形態では、第1の実施形態の変形例として、情報保持媒体であるカートリッジを、ゲームにおける各キャラクタに与えられるパラメータに応じて構成した場合について説明する。なお、以下では、携帯型ゲーム装置100の構成等の第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0058】
<カートリッジの構成>
図12は、第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ1200の外観の一例を示す図である。カートリッジ1200は、第1の実施形態における図3のカートリッジ300と外観が異なるものの、カートリッジ300と同様、ゲームにおけるキャラクタの何れか1つを特定するための識別情報を保持する。カートリッジ1200の表面上の所定の位置には、当該カートリッジが保持する情報に対応するキャラクタを象徴する記号1201が表示されている。本実施形態では、第1の実施形態と同様、元素記号を用いてキャラクタ名を設定するとともに、当該キャラクタ名を記号1201としている。図12では、記号1201の一例として、元素記号のN(窒素)が表示されている。
【0059】
また、カートリッジ1200の表面上部には、記号1201のキャラクタに対応する識別情報を含む凹凸部1202が配置されている。凹凸部1202は、第1の実施形態と同様、例えば、ビット0に対応する凹部と、ビット1に対応する凸部との組み合わせによって構成される。なお、図12において、凹凸部1202には、データ信号部分に係る凹凸についてのみ描かれているが、後述するように、実際にはデータ信号部分に近接して、同期信号部分に係る凹凸も形成される。
【0060】
第1の実施形態のカートリッジ300と異なる点は、カートリッジ1200が、キャラクタに係るパラメータに応じて構成された複数の部品に基づいて、プレーヤがそれらを自由に組み合わせて組み立てられるように構成されている点である。図13は、第2の実施形態に係るカートリッジ1200を構成する各部品の外観の一例を示す図である。ここで、本実施形態では、キャラクタに係るパラメータとして、キャラクタの属性を示す属性情報と、キャラクタの種類を示す種類情報とを一例として用いる。カートリッジ1200が保持する識別情報は、属性情報と種類情報とを含み、各キャラクタは、属性情報と種類情報との組み合わせにより識別される。カートリッジ1200は、図13aに示す部品1301、図13bに示す部品1302、及び図13cに示す部品1303が互いに着脱可能に結合されることにより構成されている。
【0061】
図13aの部品1301は、凹凸部1311にキャラクタの属性情報に対応する凹凸を備え、部品1301に対して部品1302、1303が装着されることにより、カートリッジ1200が組み立てられる。図13aにおける1321の部分は、その周辺部分より窪んだ枠を形成しており、当該部分に部品1302、1303を順に重ねて嵌め込むことが可能な構造となっている。なお、1322、1323は、部品1302、1303が枠1321に装着される場合の止め具を示している。なお、止め具は、枠1321の輪郭部分の何れの位置に配置されてもよい。また、各属性情報に応じて部品1301を異なる色にすることで、当該色に基づいてプレーヤが部品1301の有する属性情報を確認できるようにしてもよい。
【0062】
図13bの部品1302は、凹凸部1312にキャラクタの種類情報に対応する凹凸を備える。プレーヤは、異なる属性情報を保持する複数の部品1301のそれぞれ対して、部品1302を装着してカートリッジ1200を組み立てることで、当該部品1302が保持する種類情報と、複数の属性情報とを組み合わせることができる。すなわち、各キャラクタは、属性情報と種類情報とに基づいて識別されるため、プレーヤは、1個の部品1302に基づいて、属性の異なる複数のキャラクタに対応する識別情報を有するカートリッジ1200を組み立てることができる。このように、複数の部品の組み合わせに基づいてキャラクタの識別情報が生成されるようにカートリッジを構成した場合、第1の実施形態のように、キャラクタごとに個別にカートリッジを用意するよりも、少ない数の部品を用いて、多数のキャラクタをリロードできるという利点がある。なお、本実施形態では、一例として、4個の属性情報及び20個の種類情報をキャラクタのパラメータとして用意する。この場合、これら24個の部品に基づいて、各部品の組み合わせにより80種類のキャラクタに関してリロードを実行することができる。一方で、第1の実施形態によると、同数のキャラクタをリロードするためには、80個のカートリッジを用意する必要がある。
【0063】
ここで、部品1302に基づいて作成可能な識別情報に対応するキャラクタをプレーヤが確認できるように、図13bの1324のように、それらのキャラクタを表す記号を表示してもよい。なお、当該表示は、記号による表示に限定されることはなく、例えば、キャラクタの画像による表示等、プレーヤがキャラクタを識別可能な表示であればよい。図13bでは、部品1302に基づいて、属性情報の異なる複数(4種類)の部品1301との組み合わせにより作成される識別情報に対応するキャラクタとして、N、Re(レニウム)、Ru(ルデニウム)、He(ヘリウム)が表示されている。すなわち、プレーヤは、1324の表示により、部品1302が、保持している属性情報が異なる複数(4種類)の部品1301との組み合わせにより、N、Re、Ru、Heに対応する識別情報を保持する情報保持媒体になり得ることを認識可能である。
【0064】
なお、本実施形態のように、それぞれ異なる属性情報を保持する部品1301が4個、それぞれ異なる種類情報を保持する部品1302が20個ある場合に、それら24個の部品を一つの収容体(袋や箱等のパッケージ)に収容して販売すると、一つの収容体あたりの価格が高くなってしまう。そこで、本実施形態においては、一つの収容体には、4種類ある部品1301のうち少なくとも1種類、最大でも3種類(全種類の数−1)の部品1301と、20個ある部品1302のうちのいくつか、例えば5個を収容して販売するようにする。このことにより、収容される部品が減るので一つの収容体あたりの価格を下げることができるので、プレーヤの購入時の心理的抵抗を少なくすることができる。しかし、この場合、プレーヤには、収容体を購入する意思を複数回にわたって持ってもらわなくては、収容体全体の売上低下を招くことになりかねない。そこで、部品1302において図13bの1324のような表示を行っておけば、これを見たプレーヤは、前述の通り1つの収容体には最大でも3種類の(全種類の数−1の)部品1301しか収容されていないことから、1324で表示されている全てのキャラクタに対応する識別情報を入手するには、収容されている部品1301が異なる収容体を再び購入しなくてはならないことを認識することになる。このように、プレーヤには、異なる収容体を購入することで入手可能となる識別情報に対応するキャラクタを、1324の表示で提示するため、プレーヤに対して、収容体を複数個購入する動機を与えることができる。
【0065】
図13cの部品1303は、表面上の所定の位置に、キャラクタを象徴する記号1201が表示されている。部品1303は、例えば、薄く透明なプラスチックシートで構成され、黒塗りの部分のみが不透過となっている。部品1303を部品1302に重ねた場合、1325は、記号1201に対応する、部品1302上のキャラクタの表示1324が透けて見える小窓として構成されている。従って、1324におけるキャラクタの表示を記号1201に応じて行うように、小窓1325の位置は変化する。プレーヤは、部品1301、1302の有する属性情報及び種類情報に応じて作成される識別情報に基づいて、部品1303を選択し、それらを組み立てることにより、カートリッジ1200を構成できる。なお、記号1201の表示方法は、第1の実施形態と同様、種々の方法により実現できる。例えば、部品1303に対して、記号1201のシールを貼付してもよいし、記号1201を直接印刷してもよい。また、記号1201の形状をした凸部または凹部が形成されていてもよい。
【0066】
次に、図14は、第2の実施形態に係るカートリッジ1200における凹凸部1202の構成の一例を示す図である。第1の実施形態の図5と同様、凹凸部1202は、データ信号部分1401と同期信号部分1402とを有し、それぞれ凹部と凸部との組み合わせによって構成されている。また、カートリッジ1200がスロット部104に対して矢印1400で示す方向に挿入されると、各凸部(黒で示す部分)が読取部105を通過する際に、スイッチが押下される。
【0067】
図14において、1403は部品1301に備えられる凹凸部1311、1404は部品1302に備えられる凹凸部1312を示している。第1の実施形態の図5と比較して、図14では、図5における1ビットのスタート信号(s0)がデータ信号に置き換えられ、データ信号が9ビットとなり、さらに、キャラクタの属性情報を示す3ビットの属性データ信号(d6〜d8)と、キャラクタの種類情報を示す6ビットの種類データ信号(d0〜d5)とに分離されている。また、属性データ信号用にパリティ(p1)が、種類データ信号用にパリティ(p0)が、それぞれ1ビットずつ割り当てられている。読取部105は、各データ信号を読み取った際に、それぞれに割り当てられたパリティを用いて誤り検出を行う。なお、終端信号1405は、全ての部品1302で共通である。
【0068】
パリティ(p0)及びパリティ(p1)はそれぞれ、対応するデータ信号の凸部によってスイッチが押される回数N0(d0〜d5における1の個数)、N1(d6〜d8における1の個数)を用いた剰余演算((N0+1)mod2、(N1+1)mod2)により算出される剰余に基づいて生成される。例えば、各剰余が0の場合、パリティp0(又はp1)=0が生成され、各剰余が1の場合、パリティp0(又はp1)=1が生成される。
【0069】
読取部105によって読み取られた属性データ信号、種類データ信号、及びそれらのパリティは、ディジタル信号としてRAM202に格納される。CPU201は、各データ信号及び対応するパリティが、上述の関係にあるか否かに基づいて、各データ信号の読取結果における誤りの有無を判定できる。
【0070】
<リロード処理の手順>
本実施形態において、携帯型ゲーム装置100を用いて実施されるリロード処理の流れは、第1の実施形態における図8と同様であるので、以下では異なる部分を中心として説明する。
【0071】
ステップS801〜S805は、第1の実施形態と同様である。ステップS806で、CPU201は、部品1301、1302から取得された属性データ信号及び種類データ信号における誤り有無に基づいて、リロードに成功したか否かを判定する。CPU201は、上述の各パリティを用いた誤り検出処理の結果、何れかのデータ信号において誤りを検出した場合には、リロードに失敗したと判定する。一方で、両方のデータ信号において誤りを検出していない場合には、リロードに成功したと判定する。当該判定処理の結果、CPU201は、リロードに失敗したと判定した場合には(ステップS806において「NO」)、ステップS803へ戻り、引き続きリロードの受け付けを継続する。一方で、CPU201は、リロードに成功したと判定した場合には(ステップS806において「YES」)、ステップS807へ移行する。
【0072】
ステップS807で、CPU201は、読取結果のデータ信号とキャラクタテーブルとに基づいて、カートリッジ1200に対応するキャラクタを特定する。ここで、図15は、第2の実施形態に係るキャラクタテーブル1500の一例を示す図である。図15に示すように、第1の実施形態の図10におけるデータ信号値1002に代えて、属性データ信号値1502と種類データ信号値1503とが用いられる。キャラクタ名1501、属性データ信号値1502、種類データ信号値1503、登録フラグ1504、及びキャラクタに関する本体データ1004は、関連付けられて複数登録されている。これらのデータは、ROM203に格納されており、RAM202にロードされて処理に用いられる。
【0073】
図15に示すように、各キャラクタには、互いに組み合わせの異なる属性データ信号及び種類データ信号が割り当てられている。CPU201は、カートリッジ1200の読取結果の属性データ信号及び種類データ信号と、同一の信号値1502、1503を有するキャラクタを、キャラクタテーブル1500を用いて特定する。例えば、属性データ信号値1503が2であって、種類データ信号値1502が1である場合、キャラクタはRu(1521)と特定される。その後、ステップS808へ移行する。
【0074】
ステップS808〜S812は、第1の実施形態と同様である。なお、図15のキャラクタテーブル1500には図示していないが、第1の実施形態と同様に、複数のキャラクタを組み合わせて生成される別のキャラクタが登録されていてもよい。その場合、プレーヤがリロード操作を続けて複数回実行した場合に、CPU201は、各リロード操作で登録されるキャラクタを組み合わせた別のキャラクタについて、第1の実施形態と同様の表示演出を実行する。さらに、キャラクタテーブル1500の登録フラグを1に変更することで、当該キャラクタをゲームにおいて利用可能とする。
【0075】
以上説明したように、第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置では、リロード操作に用いるカートリッジを、プレーヤが複数の部品から組み立て可能なように構成する。また、カートリッジの各部品に対して、ゲームにおける各キャラクタに与えられる属性情報及び種類情報を保持させ、それらの組み合わせにより各キャラクタを識別する。これにより、第1の実施形態における表示演出の効果に加え、ゲームにおいて利用可能なキャラクタに対してバリエーションを付加することができる。
【0076】
[他の実施形態]
以上の処理(例えば上記実施形態では図8に示したフローチャートに従った処理)をプログラムとしてCD−R、DVD−R、CD−ROMやDVD−ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体に記憶されているプログラムをコンピュータに読み込ませる(インストール、もしくはコピーさせる)ことで、このコンピュータは以上の処理を行うことができる。よって、このようなプログラムや記憶媒体も本発明の範疇にあることは明白である。
【符号の説明】
【0077】
100:携帯型ゲーム装置
101:表示部
102a、102b、102c:操作ボタン
103:LED
104:スロット部(装着部)
105:読取部
106:スライド検知部
201:CPU
202:RAM
203:ROM
204:操作部
205:音声出力部
206:カートリッジ検知部
300:カートリッジ(情報保持媒体)
302:凹凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に係る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯可能なゲーム装置では、様々なものが知られている。その中に、特許文献1及び特許文献2に開示されているゲーム装置がある。
【0003】
特許文献1では、ゲーム装置に着脱可能なメモリーカードをゲームプログラムの記憶媒体として利用するゲーム装置が提案されている。当該ゲーム装置は、メモリーカードがゲーム装置に挿入された状態において、当該メモリーカードの裏面に貼付されたシールを、液晶画面を透して視認可能とすることにより、当該シールの絵柄等をゲーム画面の背景として利用することができる。
【0004】
また、特許文献2では、ゲーム装置に着脱可能なカートリッジに基づいて、ゲームで利用可能なキャラクタを登録するゲーム装置が提案されている。当該ゲーム装置は、キャラクタを識別するための情報に加えて、当該キャラクタのバリエーションを決定するための情報をカートリッジから取得することにより、当該キャラクタを利用可能にするだけでなく、同一のキャラクタについて、バリエーションを持たせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−57210号公報
【特許文献2】特開2008−194320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のゲーム装置では、例えば、ゲームのキャラクタに関する情報を保持したカートリッジのような情報保持媒体を、ゲーム装置に装着する際に、当該情報保持媒体に基づいて、表示部における表示演出を実行することができない。
【0007】
そこで、本発明は、例えば、装置に装着される情報保持媒体に基づいて、表示演出を実行することが可能なゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、ゲーム装置として実現できる。ゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム装置であって、ゲームのキャラクタを識別するための識別情報と、キャラクタを表す記号とを関連付けて複数登録するテーブルと、識別情報を保持する情報保持媒体であって、表面上の所定の位置に記号が表示された情報保持媒体が装着される装着部と、ゲーム画面を表示する表示手段であって、表示手段の裏側に設けられた装着部に装着される情報保持媒体の表面を、表示手段を透して視認させることが可能な表示手段と、装着部に装着された情報保持媒体から、キャラクタの識別情報を取得する取得手段と、テーブルから、取得手段により取得された識別情報に関連する記号を抽出する抽出手段と、装着部に情報保持媒体が装着されたことを検知する検知手段と、検知手段によって情報保持媒体が検知されると、情報保持媒体上の記号が表示手段を透して視認される表示手段上の領域に、抽出手段により抽出された記号を、情報保持媒体上の記号と重畳するように表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば、装置に装着される情報保持媒体に基づいて、表示演出を実行することが可能なゲーム装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】、
【図1b】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100の外観の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ300の外観の一例を示す図である。
【図4a】、
【図4b】第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100におけるリロード操作の様子の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るカートリッジ300における凹凸部302の構成の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るパリティの生成方法の一例を示す表の図である。
【図7】第1の実施形態に係るデータ信号及びパリティの一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係るリロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図9a】、
【図9b】、
【図9c】、
【図9d】第1の実施形態に係るリロード処理における表示部101の表示画面の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係るキャラクタテーブル1000の一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係るキャラクタの表示形態の一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ1200の外観の一例を示す図である。
【図13a】、
【図13b】、
【図13c】第2の実施形態に係るカートリッジ1200を構成する各部品の外観の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るカートリッジ1200における凹凸部1202の構成の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係るキャラクタテーブル1500の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
<ゲーム装置の構成>
第1の実施形態においては、本発明に係るゲーム装置を携帯型ゲーム装置に適用した場合について説明する。図1a及び図1bは、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100の外観の一例を示す図である。図1aは、携帯型ゲーム装置100を正面から見た場合を示しており、図1bは、図1aの矢印110の方向に携帯型ゲーム装置100の側面(右側面)を見た場合を示している。なお、図1及び以下の図面には、以下の説明で用いる部分を中心として示しており、例えば、電源スイッチ等、本実施形態の趣旨ではない部分については、図示を省略している。
【0013】
図1aに示すように、携帯型ゲーム装置100は、透過型液晶ディスプレイで構成される表示部101と、操作ボタン102a〜102cと、LED103とを備える。表示部101には、後述するキャラクタの表示等、各種のゲーム画面が表示される。また、表示部101はその表面上にタッチパネルを備える。操作ボタン102a〜102c及び表示部101上のタッチパネルは、携帯型ゲーム装置100のプレーヤが各種の操作指示を入力するための入力手段として機能する。LED103は、プレーヤの操作やゲームの進行に応じて発光する。
【0014】
また、図1bに示すように、携帯型ゲーム装置100は、表示部101の裏側に、ゲームのキャラクタに関する情報を保持するカートリッジが挿入されるスロット部104を備える。スロット部104の内部には、当該カートリッジの表面に形成された凹凸を読み取るための読取部105と、当該カートリッジのスライド操作を検知するためのスライド検知部106とが配置されている。すなわち、カートリッジが、本発明に言うところの「情報保持媒体」であり、スロット部104は「装着部」に相当する。また、読取部105「取得手段」に相当し、読取部105及びスライド検知部106は「検知手段」を構成している。なお、カートリッジ、スロット部104、読取部105、スライド検知部106は、情報保持媒体、装着部、取得手段、検知手段の一例に過ぎず、なんらこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。したがって、情報保持媒体であるところのカートリッジのスロット部104への装着方法は、必ずしも挿入には限られず、装着部とであるところのスロット部104との関係において「装着」の概念に含まれる限り、様々な方法に変形可能である。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯型ゲーム装置100の各部は、バス200を介して互いに接続されている。なお、表示部101、LED103及び読取部105は、図1と同一の構成要素である。
【0016】
CPU201は、ROM203に格納されているプログラムやデータ、RAM202に一時的に保持されているデータ等を用いて、携帯型ゲーム装置100全体の制御を行うとともに、ゲーム処理を実行する。また、CPU201内部には、不図示のタイマが設けられており、CPU201は計時することができる。
【0017】
RAM202は、処理中のデータを一時的に記憶するためのエリア、読取部105の読取結果及びスライド検知部106の検知結果をデータとして一時的に記憶するためのエリア、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリア等、各種のエリアを適宜提供する。
【0018】
ROM203は、CPU201に携帯型ゲーム装置100全体の制御を行わせたり、ゲーム処理を実行させたりするためのプログラムやデータが格納されている。当該データには、後述するキャラクタテーブルが含まれる。また、当該テーブルのデータは、適宜RAM202にロードされ、処理で用いられる。
【0019】
操作部204は、操作ボタン102a〜102c及び表示部101上のタッチパネルに対応し、プレーヤからの操作を受け付ける。音声出力部205は、ボタンやタッチパネルを操作された際の操作音や、ゲームの進行に合わせた効果音等を音声出力する。
【0020】
カートリッジ検知部206は、読取部105及びスライド検知部106を有し、スロット部104に挿入されたカートリッジを検知する。読取部105は、カートリッジの挿入を検知するとともに、当該カートリッジに記録された情報を読み取り、読み取った情報をRAM202に格納する。すなわち、本発明にいうところの「取得手段」として機能する。また、スライド検知部106は、スロット部104内部においてカートリッジのスライド操作を検知するとともに、当該検知結果をRAM202に格納する。すなわち、読取部105及びスライド検知部106を有するカートリッジ検知部206は「検知手段」に相当する。
【0021】
なお、本実施形態においては、カートリッジはスロット部104内部においてスライド操作が可能となっているが、必ずしもスライド操作は必須ではない。何らかの形で装着部であるスロット部104に、情報保持媒体であるカートリッジが装着されれば良く、その場合はスライド検知部106も必須ではなく、単にカートリッジのスロット部104への装着を検知するものであれば良い。
【0022】
また、「取得手段」であるところの読取部105が「検知手段」を兼ねても良い。その場合、「取得手段」であるところの読取部105において、カートリッジに保持されている識別情報が読み取られたことをもって、スロット部104への装着が行われたことを検知することとなる。このように「取得手段」、「検知手段」については、その機能を達成できる範囲で様々な変形が可能である。
【0023】
<カートリッジの構成>
図3は、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ300の外観の一例を示す図である。カートリッジ300は、情報保持媒体として、ゲームにおけるキャラクタを識別するための情報を保持し、当該情報を携帯型ゲーム装置100に入力するために使用される。なお、カートリッジ300には、ゲームにおけるキャラクタの何れか1つに対応する情報が記録されている。
【0024】
カートリッジ300の表面上の所定の位置には、カートリッジ300が保持する情報に対応するキャラクタを象徴する記号301が表示されている。表示方法は、カートリッジ300の表面に直接印刷することによっても良いが、記号301のシールを貼付することによっても良く、また、記号301の形状をした凸部または凹部が形成されていても良い。すなわち、記号301が視認可能であれば、いかなる表示方法でも良い。本実施形態では、元素記号を用いてキャラクタ名を設定するとともに、当該キャラクタ名を記号301としている。図3では、記号301の一例として、元素記号のH(水素)が表示されたカートリッジ300を示している。プレーヤは、記号301を視認することによって、当該カートリッジ300に対応するキャラクタを識別することができる。
【0025】
カートリッジ300の表面上部には、記号301のキャラクタに関する情報を表す凹凸部302が配置されている。凹凸部302は、例えば、ビット0に対応する凹部と、ビット1に対応する凸部との組み合わせによって構成される。凹凸部302は、後述するように、当該組み合わせによりキャラクタを識別するための情報を表す。なお、図3に示すように、カートリッジ300には、ストラップを装着するためのストラップ穴303が設けられていてもよい。
【0026】
<リロード操作の方法>
本実施形態においては、プレーヤは、カートリッジ300をスロット部104に挿入し、かつ、挿入した状態でスライドさせる操作を行うことによって、当該カートリッジ300に対応するキャラクタを携帯型ゲーム装置100で利用可能にすることができる。以下では、当該操作を「リロード」と称する。図4a及び図4bは、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100におけるリロード操作の様子の一例を示す図である。
【0027】
プレーヤは、まず、図4aに示すように、カートリッジ300をスロット部104の上端部に沿って矢印401の方向に挿入する。上述のように、表示部101は透過型液晶ディスプレイであるので、プレーヤは、表示部101を透して挿入したカートリッジ300を視認することができる。その際、スロット部104内部の読取部105に備えられた(図示しない)スイッチが、カートリッジ300の凹凸部302によって押下されたか否かに基づいて、読取部105は、カートリッジ300の情報を取得するとともに、当該読取結果をRAM202に格納する。
【0028】
カートリッジ300をスロット部104の最奥部まで挿入した後、プレーヤは、図4bに示すように、カートリッジ300をスロット部104の下端部に向かって、矢印402の方向にスライドさせる操作を実行する。カートリッジ300がスロット部104の下端部に到達すると、スロット部104内部のスライド検知部106によって、カートリッジ300が下端部に到達したことが検知される。スライド検知部106は、当該検知結果をRAM202に格納する。なお、プレーヤがカートリッジ300のスライド操作を容易に行うことができるように、スロット部104は図示しないガイド機構を備える。当該ガイド機構として、例えば、カートリッジ300のスライド方向を特定の方向に限定するために、スロット部104内部に、カートリッジ300に接する突起部を当該スライド方向に沿って設けてもよい。
【0029】
その後、プレーヤが、スロット部104の下端部までスライドさせたカートリッジ300を矢印403の方向に取り出すことにより、リロード操作が完了する。
【0030】
なお、CPU201は、読取部105の読取結果、及びスライド検知部106による検知結果に基づいて、LED103を発光させてもよい。例えば、CPU201は、読取部105による読取りが成功した後、スライド検知部106でカートリッジ300を検知した場合にLED103を発光させてもよい。これにより、プレーヤは、リロード操作の成功を視覚的に確認できる。
【0031】
(カートリッジの読取方法)
ここで、カートリッジ300の読取方法について、より具体的に説明する。図5は、第1の実施形態に係るカートリッジ300における凹凸部302の構成の一例を示す図である。図5において、白で示す部分は凹部、黒で示す部分は凸部を表している。凹凸部302は、データ信号部分501と同期信号部分502とを有し、それぞれ凹部と凸部との組み合わせにより構成されている。カートリッジ300がスロット部104に対して矢印500で示す方向に挿入されると、凹凸部302における各凸部が読取部105を通過する際に、スイッチが押下される。
【0032】
同期信号は固定の信号であるため、すべてのカートリッジ300は、同期信号部分502に関して共通する構成を備える。カートリッジ300がスロット部104に挿入されると、まず、同期信号部分502の開始トリガが、スイッチの押下により検知される。これにより、読取部105は、データ信号及び同期信号の読取りを開始する。開始トリガに続いて、同期信号部分502に規則的に配置された凸部によって、スイッチが順に押下される。読取部105は、同期信号部分502におけるスイッチの押下位置を基準として、データ信号部分501における各信号を特定する。
【0033】
図5に示すように、各カートリッジ300のデータ信号部分501は、8ビットのデータ信号(d0〜d7)に加え、1ビットのスタート信号(s0)、2ビットのパリティ(p0、p1)及び1ビットの終端信号(e0)に対応する凹凸を備える。データ信号は、ゲームのキャラクタごとに異なる8ビットの情報で表現される。また、図5では、スタート信号511を凹部(s0=0)、終端信号512を凸部(e0=1)とし、全てのカートリッジ300で共通としている。
【0034】
データ信号部分501のパリティは、特定されたデータ信号における誤り検出に用いられる。当該パリティは、データ信号の凸部によってスイッチが押される回数N(d0〜d7における1の個数)に基づく剰余演算(mod)により生成される。ここで、図6は、第1の実施形態に係るパリティの生成方法の一例を示す表である。本実施形態では、((N+1)mod4)により算出される剰余601に基づいて、パリティp1(602)、p0(603)が生成される。ここで、図7は、第1の実施形態に係るデータ信号及びパリティの一例を示す図である。なお、開始トリガについては図示を省略している。701に示すように、データ信号が1(2進数で1)の場合、剰余601は2であり、パリティはp1=1、p0=0である。また、702に示すように、データ信号が6(2進数で110)の場合、剰余601は3であり、パリティp1=1、p0=1である。カートリッジ300のデータ信号部分501には、データ信号に基づいて上記のように生成されるパリティが記録されている。
【0035】
読取部105によって読み取られたデータ信号とパリティとは、ディジタル信号としてRAM202に格納される。CPU201は、データ信号とパリティとが図6に示す関係にあるか否かに基づいて、データ信号の読取結果における誤りの有無を判定できる。
【0036】
<リロード処理の手順>
次に、本実施形態に係る携帯型ゲーム装置100を用いて実施されるリロード処理について説明する。図8は、第1の実施形態に係るリロード処理の手順を示すフローチャートである。また、図9は、第1の実施形態に係るリロード処理における表示部101の表示画面の一例を示す図である。なお、図8に示すフローチャートに従った処理をCPU201に実行させるためのプログラムやデータはROM203に格納されており、CPU201がこのプログラムやデータを用いて処理を実行することにより、本実施形態に係る携帯型ゲーム装置100は、以下に説明する各処理を実行する。
【0037】
まず、ステップS801で、CPU201は、リロード操作を開始するか否かを判定する。ここで、CPU201は、例えば、操作部204を用いたプレーヤの操作により、メインメニューでリロード操作の開始が選択されたか否かに基づいて、当該判定処理を実行する。その結果、リロード操作を開始する場合には(ステップS801において「YES」)、ステップS802に移行する。
【0038】
リロード操作を開始すると、ステップS802で、CPU201は、タイマによる計時を開始する。当該タイマは、リロード操作におけるタイムアウトの判定に用いられる。タイマによる計時を開始すると、ステップS803で、CPU201は、プレーヤに対してリロード操作を実行することが可能な旨を示す画面(リロード画面)を表示部101に表示して、プレーヤによるリロード操作の受け付けを開始する。その後、ステップS804へ移行する。
【0039】
ステップS804で、CPU201は、タイマによる経過時間が所定時間を経過したか否かを判定する。ここで、リロード操作の受け付け開始から所定時間を経過した場合には(ステップS804において「NO」)、ステップS809へ移行する。一方で、所定時間の経過前の場合には(ステップS804において「YES」)、ステップS805へ移行し、引き続きリロード操作の受け付けを継続する。なお、所定時間が経過する前であっても、プレーヤによって操作部204を操作された場合に、S809へ移行する処理を実行してもよい。
【0040】
ステップS805で、CPU201は、リロード操作が行われたか否かを判定する。CPU201は、当該判定処理を、カートリッジ検知部206の検知結果に基づいて実行する。リロード操作が行われていない場合には(ステップS805において「NO」)、ステップS804へ戻り、CPU201は、リロード操作が行われるまで又は所定時間を経過するまでステップS804及びS805における処理を繰り返す。リロード操作が行われた場合には(ステップS805において「YES」)、ステップS806へ移行する。
【0041】
ここで、図9aは、リロード操作が行われた場合の表示部101の表示画面の一例を示している。図9aに示すように、表示部101は透過型液晶ディスプレイであるので、スロット部104に挿入されたカートリッジ300は、表面上の記号301とともに当該液晶ディスプレイを透して視認される。また、スロット部104に挿入されたカートリッジ300は、矢印901の方向へスライドされる。
【0042】
ステップS806で、CPU201は、リロードに成功したか否かを判定する。当該判定処理は、読取部105における読取結果に基づいて、データ信号に対するパリティを検査することにより実現できる。すなわち、CPU201は、データ信号に誤りを検出した場合には、リロードに失敗したと判定する。一方で、データ信号に誤りを検出していない場合には、リロードに成功したと判定する。当該判定処理の結果、CPU201は、リロードに失敗したと判定した場合には(ステップS806において「NO」)、ステップS803へ戻り、引き続きリロードの受け付けを継続する。その際、リロードに失敗した旨を表示部101に表示してもよい。一方で、CPU201は、リロードに成功したと判定した場合には(ステップS806において「YES」)、ステップS807へ移行する。
【0043】
ステップS807で、CPU201は、読取結果のデータ信号とキャラクタテーブルとに基づいて、カートリッジ300に対応するキャラクタを特定する。ここで、図10は、第1の実施形態に係るキャラクタテーブル1000の一例を示す図である。図10において、キャラクタテーブル1000には、キャラクタ名1001、データ信号値(10進数)1002、登録フラグ1003、及びキャラクタに関する本体データ1004が関連付けられて複数登録されている。これらのデータは、ROM203に格納されており、RAM202にロードされて処理に用いられる。
【0044】
キャラクタ名1001には、各キャラクタに与えられた名称が設定される。また、データ信号値1002には、対応するキャラクタに割り当てられたデータ信号値が設定される。当該データ信号値は、各カートリッジ300が保持する識別情報に相当する。登録フラグ1003は、プレーヤのリロード操作の有無に基づいて設定されるフラグである。フラグが0の場合、リロード操作が行われていないキャラクタであり、フラグが1の場合、リロード操作が既に行われたことがあるキャラクタであることを示している。また、本体データ1004には、対応するキャラクタを表示部101に表示するための画像データや当該キャラクタに対応する記号を表示するための画像データ、当該キャラクタをゲームで利用する際の各種のパラメータが含まれる。なお、図10に示すように、本実施形態では、カートリッジ300に表示された記号301をキャラクタ名1001としている。
【0045】
CPU201は、カートリッジ300の読取結果のデータ信号値と同一のデータ信号値1002を有するキャラクタを、キャラクタテーブル1000を用いて特定する。例えば、データ信号値が1の場合、キャラクタはH(1011)と特定される。その後、ステップS808へ移行する。
【0046】
図9aにおいて、矢印901の方向へのスライド操作により移動されたカートリッジ300が、スロット部104内部の下端部に到達すると、スライド検知部106によって検知される。当該検知結果に基づいて、ステップS808で、CPU201は、カートリッジ300上の記号301を表示部101の液晶ディスプレイ上に表示する演出を実行する。その際に、CPU201は、LED103を発光させることにより、リロードの成功をプレーヤが確認できるようにしてもよい。
【0047】
ここで、CPU201は、特定したキャラクタの本体データ1004に含まれる画像データをキャラクタテーブル1000から抽出し、表示部101に表示する表示制御を実行することにより、当該表示演出を実現する。当該画像データは、カートリッジ300がスロット部104の下端部に位置する場合において、カートリッジ300上の記号301が表示部101を透して視認される当該表示部101上の領域に、当該記号301と同一の記号911を表示する画像データである。すなわち、この画像データが表示部101に表示されることにより、液晶ディスプレイを透して見えるカートリッジ300上の記号301と、液晶ディスプレイ上の記号911とが、表示部101上で重畳して見える状態となる。これにより、プレーヤに対して、あたかもカートリッジ300上の記号301が液晶ディスプレイ上に読み取られたかのような印象を与える表示演出を実現できる。
【0048】
さらに、CPU201は、図9b及び図9cに示すように、カートリッジ300がスロット部104から矢印902の方向へ抜き取られるまで、及び抜き取られた後も、記号911の表示を継続する。その後、ステップS803へ戻る。
【0049】
ステップS803で、再びリロード画面を表示した後、ステップS804でタイムアウトすると、ステップS809へ移行する。ステップS809で、CPU201は、リロードが少なくとも1回以上成功したか否かを判定する。ここで、リロード操作が所定時間の経過前に1回も実行されていない等の理由により、リロードが1回も成功していないと判定した場合には(S809において「NO」)、ステップS812へ移行する。さらに、ステップS812で、CPU201は、表示部101の液晶ディスプレイに、タイムオーバした旨を表示して、処理を終了する。一方で、CPU201は、リロードが少なくとも1回以上成功したと判定した場合には(S809において「YES」)、ステップS810へ移行する。
【0050】
ステップS810で、CPU201は、リロードに成功したキャラクタの画像を表示部101に表示する演出を実行する。CPU201は、特定したキャラクタの本体データ1004に含まれる画像データを取得し、表示部101に表示することにより、当該処理を実現する。ここで、図11は、第1の実施形態に係るキャラクタの表示形態の一例を示す図である。図11では、キャラクタ名がHのキャラクタ画像1101を示している。なお、キャラクタ画像1101が表示部101に表示されるまでに、記号911からキャラクタ画像1101へ徐々に変化する表示演出が行われてもよい。その場合、表示に必要な画像データを、当該キャラクタの本体データ1004として予めROM203に格納しておけばよい。
【0051】
ステップS810における処理の後、ステップS811へ移行する。ステップS811で、CPU201は、表示部101に表示したキャラクタを、プレーヤがゲームで利用できるようにするために、携帯型ゲーム装置100に対する当該キャラクタの登録処理を実行する。具体的には、CPU201は、例えば、キャラクタテーブル1000の登録フラグ1003に1を設定することにより、当該処理を実現する。図10では、キャラクタ1013の登録フラグ1003が1であるため、当該キャラクタは既に登録されている。ここで、図9a〜cのように、記号及びキャラクタ名がHに対応するキャラクタ1011を登録する場合には、CPU201は、当該キャラクタの登録フラグ1003に1を設定する。以上の登録処理により、一連のリロード処理が終了する。
【0052】
なお、プレーヤは、リロード操作の受け付け開始からタイムアウト(所定時間の経過)するまでの間、リロード操作を複数回実行することができる。すなわち、図8において、ステップS803〜S808の処理は、ステップS804でタイムアウトするまで繰り返し実行され得る。これにより、プレーヤは、複数のカートリッジ300に対応するキャラクタを、携帯型ゲーム装置100に対して連続して登録することができる。図9dは、複数回のリロード操作が続けて実行された場合の、表示部101の表示画面の一例を示している。図9dでは、先にキャラクタHのカートリッジ300がリロードされ、その後、キャラクタOのカートリッジ300がリロードされた場合を示している。
【0053】
さらに、その場合に、それらのキャラクタを組み合わせて生成される別のキャラクタが併せて登録されてもよい。例えば、図10のキャラクタテーブル1000において、キャラクタH(1011)とキャラクタO(1012)とが続けてリロードされた場合に、CPU201は、それらを組み合わせたキャラクタH2O(1021)を登録する処理を実行すればよい。
【0054】
上述のリロード処理によって、ゲームにおいて利用可能なキャラクタが携帯型ゲーム装置に対して登録される。プレーヤは、リロード処理によって登録したキャラクタを用いて、ゲームを実行することができる。例えば、プレーヤは、利用可能なキャラクタから選択したキャラクタを利用して、ゲーム中に登場する敵キャラクタと対戦を行うことができる。
【0055】
また、携帯型ゲーム装置に対して登録されたキャラクタを確認するための図鑑モードを用意して、各キャラクタの能力や属性等の各種パラメータを表示部101に表示する。その結果、プレーヤは、図鑑モードを実行することにより、登録した各キャラクタの各種パラメータを確認できるとともに、キャラクタがどの程度収集されたかを確認することができる。
【0056】
以上説明したように、第1の実施形態に係る携帯型ゲーム装置は、透過液晶ディスプレイの裏側のスロット部に挿入されるカートリッジから、キャラクタを識別する情報を取得することにより、当該キャラクタをゲームで利用可能にする。さらに、当該カートリッジに記録された情報の取得に成功すると、カートリッジの表面に表示された記号が透過液晶ディスプレイを透して視認される当該ディスプレイ上の領域に、当該記号と同一の記号を、記号同士が重畳するように表示する。これにより、携帯型ゲーム装置は、カートリッジに記録された情報を取得する際に、当該カートリッジの表面に表示された記号が、あたかも透過液晶ディスプレイ上に読み取られたかのような表示演出を実現することができる。
【0057】
[第2の実施形態]
ゲーム装置では、ゲームにおいて利用可能なキャラクタに対して属性や種類等に応じたパラメータを与えることで、キャラクタに様々なバリエーションを付加することができるとともに、それらをゲームの実行に利用する。第2の実施形態では、第1の実施形態の変形例として、情報保持媒体であるカートリッジを、ゲームにおける各キャラクタに与えられるパラメータに応じて構成した場合について説明する。なお、以下では、携帯型ゲーム装置100の構成等の第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0058】
<カートリッジの構成>
図12は、第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置100に挿入されるカートリッジ1200の外観の一例を示す図である。カートリッジ1200は、第1の実施形態における図3のカートリッジ300と外観が異なるものの、カートリッジ300と同様、ゲームにおけるキャラクタの何れか1つを特定するための識別情報を保持する。カートリッジ1200の表面上の所定の位置には、当該カートリッジが保持する情報に対応するキャラクタを象徴する記号1201が表示されている。本実施形態では、第1の実施形態と同様、元素記号を用いてキャラクタ名を設定するとともに、当該キャラクタ名を記号1201としている。図12では、記号1201の一例として、元素記号のN(窒素)が表示されている。
【0059】
また、カートリッジ1200の表面上部には、記号1201のキャラクタに対応する識別情報を含む凹凸部1202が配置されている。凹凸部1202は、第1の実施形態と同様、例えば、ビット0に対応する凹部と、ビット1に対応する凸部との組み合わせによって構成される。なお、図12において、凹凸部1202には、データ信号部分に係る凹凸についてのみ描かれているが、後述するように、実際にはデータ信号部分に近接して、同期信号部分に係る凹凸も形成される。
【0060】
第1の実施形態のカートリッジ300と異なる点は、カートリッジ1200が、キャラクタに係るパラメータに応じて構成された複数の部品に基づいて、プレーヤがそれらを自由に組み合わせて組み立てられるように構成されている点である。図13は、第2の実施形態に係るカートリッジ1200を構成する各部品の外観の一例を示す図である。ここで、本実施形態では、キャラクタに係るパラメータとして、キャラクタの属性を示す属性情報と、キャラクタの種類を示す種類情報とを一例として用いる。カートリッジ1200が保持する識別情報は、属性情報と種類情報とを含み、各キャラクタは、属性情報と種類情報との組み合わせにより識別される。カートリッジ1200は、図13aに示す部品1301、図13bに示す部品1302、及び図13cに示す部品1303が互いに着脱可能に結合されることにより構成されている。
【0061】
図13aの部品1301は、凹凸部1311にキャラクタの属性情報に対応する凹凸を備え、部品1301に対して部品1302、1303が装着されることにより、カートリッジ1200が組み立てられる。図13aにおける1321の部分は、その周辺部分より窪んだ枠を形成しており、当該部分に部品1302、1303を順に重ねて嵌め込むことが可能な構造となっている。なお、1322、1323は、部品1302、1303が枠1321に装着される場合の止め具を示している。なお、止め具は、枠1321の輪郭部分の何れの位置に配置されてもよい。また、各属性情報に応じて部品1301を異なる色にすることで、当該色に基づいてプレーヤが部品1301の有する属性情報を確認できるようにしてもよい。
【0062】
図13bの部品1302は、凹凸部1312にキャラクタの種類情報に対応する凹凸を備える。プレーヤは、異なる属性情報を保持する複数の部品1301のそれぞれ対して、部品1302を装着してカートリッジ1200を組み立てることで、当該部品1302が保持する種類情報と、複数の属性情報とを組み合わせることができる。すなわち、各キャラクタは、属性情報と種類情報とに基づいて識別されるため、プレーヤは、1個の部品1302に基づいて、属性の異なる複数のキャラクタに対応する識別情報を有するカートリッジ1200を組み立てることができる。このように、複数の部品の組み合わせに基づいてキャラクタの識別情報が生成されるようにカートリッジを構成した場合、第1の実施形態のように、キャラクタごとに個別にカートリッジを用意するよりも、少ない数の部品を用いて、多数のキャラクタをリロードできるという利点がある。なお、本実施形態では、一例として、4個の属性情報及び20個の種類情報をキャラクタのパラメータとして用意する。この場合、これら24個の部品に基づいて、各部品の組み合わせにより80種類のキャラクタに関してリロードを実行することができる。一方で、第1の実施形態によると、同数のキャラクタをリロードするためには、80個のカートリッジを用意する必要がある。
【0063】
ここで、部品1302に基づいて作成可能な識別情報に対応するキャラクタをプレーヤが確認できるように、図13bの1324のように、それらのキャラクタを表す記号を表示してもよい。なお、当該表示は、記号による表示に限定されることはなく、例えば、キャラクタの画像による表示等、プレーヤがキャラクタを識別可能な表示であればよい。図13bでは、部品1302に基づいて、属性情報の異なる複数(4種類)の部品1301との組み合わせにより作成される識別情報に対応するキャラクタとして、N、Re(レニウム)、Ru(ルデニウム)、He(ヘリウム)が表示されている。すなわち、プレーヤは、1324の表示により、部品1302が、保持している属性情報が異なる複数(4種類)の部品1301との組み合わせにより、N、Re、Ru、Heに対応する識別情報を保持する情報保持媒体になり得ることを認識可能である。
【0064】
なお、本実施形態のように、それぞれ異なる属性情報を保持する部品1301が4個、それぞれ異なる種類情報を保持する部品1302が20個ある場合に、それら24個の部品を一つの収容体(袋や箱等のパッケージ)に収容して販売すると、一つの収容体あたりの価格が高くなってしまう。そこで、本実施形態においては、一つの収容体には、4種類ある部品1301のうち少なくとも1種類、最大でも3種類(全種類の数−1)の部品1301と、20個ある部品1302のうちのいくつか、例えば5個を収容して販売するようにする。このことにより、収容される部品が減るので一つの収容体あたりの価格を下げることができるので、プレーヤの購入時の心理的抵抗を少なくすることができる。しかし、この場合、プレーヤには、収容体を購入する意思を複数回にわたって持ってもらわなくては、収容体全体の売上低下を招くことになりかねない。そこで、部品1302において図13bの1324のような表示を行っておけば、これを見たプレーヤは、前述の通り1つの収容体には最大でも3種類の(全種類の数−1の)部品1301しか収容されていないことから、1324で表示されている全てのキャラクタに対応する識別情報を入手するには、収容されている部品1301が異なる収容体を再び購入しなくてはならないことを認識することになる。このように、プレーヤには、異なる収容体を購入することで入手可能となる識別情報に対応するキャラクタを、1324の表示で提示するため、プレーヤに対して、収容体を複数個購入する動機を与えることができる。
【0065】
図13cの部品1303は、表面上の所定の位置に、キャラクタを象徴する記号1201が表示されている。部品1303は、例えば、薄く透明なプラスチックシートで構成され、黒塗りの部分のみが不透過となっている。部品1303を部品1302に重ねた場合、1325は、記号1201に対応する、部品1302上のキャラクタの表示1324が透けて見える小窓として構成されている。従って、1324におけるキャラクタの表示を記号1201に応じて行うように、小窓1325の位置は変化する。プレーヤは、部品1301、1302の有する属性情報及び種類情報に応じて作成される識別情報に基づいて、部品1303を選択し、それらを組み立てることにより、カートリッジ1200を構成できる。なお、記号1201の表示方法は、第1の実施形態と同様、種々の方法により実現できる。例えば、部品1303に対して、記号1201のシールを貼付してもよいし、記号1201を直接印刷してもよい。また、記号1201の形状をした凸部または凹部が形成されていてもよい。
【0066】
次に、図14は、第2の実施形態に係るカートリッジ1200における凹凸部1202の構成の一例を示す図である。第1の実施形態の図5と同様、凹凸部1202は、データ信号部分1401と同期信号部分1402とを有し、それぞれ凹部と凸部との組み合わせによって構成されている。また、カートリッジ1200がスロット部104に対して矢印1400で示す方向に挿入されると、各凸部(黒で示す部分)が読取部105を通過する際に、スイッチが押下される。
【0067】
図14において、1403は部品1301に備えられる凹凸部1311、1404は部品1302に備えられる凹凸部1312を示している。第1の実施形態の図5と比較して、図14では、図5における1ビットのスタート信号(s0)がデータ信号に置き換えられ、データ信号が9ビットとなり、さらに、キャラクタの属性情報を示す3ビットの属性データ信号(d6〜d8)と、キャラクタの種類情報を示す6ビットの種類データ信号(d0〜d5)とに分離されている。また、属性データ信号用にパリティ(p1)が、種類データ信号用にパリティ(p0)が、それぞれ1ビットずつ割り当てられている。読取部105は、各データ信号を読み取った際に、それぞれに割り当てられたパリティを用いて誤り検出を行う。なお、終端信号1405は、全ての部品1302で共通である。
【0068】
パリティ(p0)及びパリティ(p1)はそれぞれ、対応するデータ信号の凸部によってスイッチが押される回数N0(d0〜d5における1の個数)、N1(d6〜d8における1の個数)を用いた剰余演算((N0+1)mod2、(N1+1)mod2)により算出される剰余に基づいて生成される。例えば、各剰余が0の場合、パリティp0(又はp1)=0が生成され、各剰余が1の場合、パリティp0(又はp1)=1が生成される。
【0069】
読取部105によって読み取られた属性データ信号、種類データ信号、及びそれらのパリティは、ディジタル信号としてRAM202に格納される。CPU201は、各データ信号及び対応するパリティが、上述の関係にあるか否かに基づいて、各データ信号の読取結果における誤りの有無を判定できる。
【0070】
<リロード処理の手順>
本実施形態において、携帯型ゲーム装置100を用いて実施されるリロード処理の流れは、第1の実施形態における図8と同様であるので、以下では異なる部分を中心として説明する。
【0071】
ステップS801〜S805は、第1の実施形態と同様である。ステップS806で、CPU201は、部品1301、1302から取得された属性データ信号及び種類データ信号における誤り有無に基づいて、リロードに成功したか否かを判定する。CPU201は、上述の各パリティを用いた誤り検出処理の結果、何れかのデータ信号において誤りを検出した場合には、リロードに失敗したと判定する。一方で、両方のデータ信号において誤りを検出していない場合には、リロードに成功したと判定する。当該判定処理の結果、CPU201は、リロードに失敗したと判定した場合には(ステップS806において「NO」)、ステップS803へ戻り、引き続きリロードの受け付けを継続する。一方で、CPU201は、リロードに成功したと判定した場合には(ステップS806において「YES」)、ステップS807へ移行する。
【0072】
ステップS807で、CPU201は、読取結果のデータ信号とキャラクタテーブルとに基づいて、カートリッジ1200に対応するキャラクタを特定する。ここで、図15は、第2の実施形態に係るキャラクタテーブル1500の一例を示す図である。図15に示すように、第1の実施形態の図10におけるデータ信号値1002に代えて、属性データ信号値1502と種類データ信号値1503とが用いられる。キャラクタ名1501、属性データ信号値1502、種類データ信号値1503、登録フラグ1504、及びキャラクタに関する本体データ1004は、関連付けられて複数登録されている。これらのデータは、ROM203に格納されており、RAM202にロードされて処理に用いられる。
【0073】
図15に示すように、各キャラクタには、互いに組み合わせの異なる属性データ信号及び種類データ信号が割り当てられている。CPU201は、カートリッジ1200の読取結果の属性データ信号及び種類データ信号と、同一の信号値1502、1503を有するキャラクタを、キャラクタテーブル1500を用いて特定する。例えば、属性データ信号値1503が2であって、種類データ信号値1502が1である場合、キャラクタはRu(1521)と特定される。その後、ステップS808へ移行する。
【0074】
ステップS808〜S812は、第1の実施形態と同様である。なお、図15のキャラクタテーブル1500には図示していないが、第1の実施形態と同様に、複数のキャラクタを組み合わせて生成される別のキャラクタが登録されていてもよい。その場合、プレーヤがリロード操作を続けて複数回実行した場合に、CPU201は、各リロード操作で登録されるキャラクタを組み合わせた別のキャラクタについて、第1の実施形態と同様の表示演出を実行する。さらに、キャラクタテーブル1500の登録フラグを1に変更することで、当該キャラクタをゲームにおいて利用可能とする。
【0075】
以上説明したように、第2の実施形態に係る携帯型ゲーム装置では、リロード操作に用いるカートリッジを、プレーヤが複数の部品から組み立て可能なように構成する。また、カートリッジの各部品に対して、ゲームにおける各キャラクタに与えられる属性情報及び種類情報を保持させ、それらの組み合わせにより各キャラクタを識別する。これにより、第1の実施形態における表示演出の効果に加え、ゲームにおいて利用可能なキャラクタに対してバリエーションを付加することができる。
【0076】
[他の実施形態]
以上の処理(例えば上記実施形態では図8に示したフローチャートに従った処理)をプログラムとしてCD−R、DVD−R、CD−ROMやDVD−ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体に記憶されているプログラムをコンピュータに読み込ませる(インストール、もしくはコピーさせる)ことで、このコンピュータは以上の処理を行うことができる。よって、このようなプログラムや記憶媒体も本発明の範疇にあることは明白である。
【符号の説明】
【0077】
100:携帯型ゲーム装置
101:表示部
102a、102b、102c:操作ボタン
103:LED
104:スロット部(装着部)
105:読取部
106:スライド検知部
201:CPU
202:RAM
203:ROM
204:操作部
205:音声出力部
206:カートリッジ検知部
300:カートリッジ(情報保持媒体)
302:凹凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲームのキャラクタを識別するための識別情報と、該キャラクタを表す記号とを関連付けて複数登録するテーブルと、
前記識別情報を保持する情報保持媒体であって、表面上の所定の位置に前記記号が表示された情報保持媒体が装着される装着部と、
ゲーム画面を表示する表示手段であって、該表示手段の裏側に設けられた前記装着部に装着される前記情報保持媒体の表面を、該表示手段を透して視認させることが可能な表示手段と、
前記装着部に装着された前記情報保持媒体から、前記キャラクタの前記識別情報を取得する取得手段と、
前記テーブルから、前記取得手段により取得された前記識別情報に関連する前記記号を抽出する抽出手段と、
前記装着部に前記情報保持媒体が装着されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記情報保持媒体が検知されると、該情報保持媒体上の前記記号が前記表示手段を透して視認される該表示手段上の領域に、前記抽出手段により抽出された前記記号を、該情報保持媒体上の前記記号と重畳するように表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示させた前記記号を、前記識別情報に対応する前記キャラクタの画像へ変化させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記取得手段によって前記情報保持媒体から前記識別情報が取得された後に、該取得手段によって異なる前記情報保持媒体から前記識別情報が更に取得されると、該識別情報の組み合わせに応じた前記キャラクタの画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
透過型液晶ディスプレイであって、
前記情報保持媒体は、
前記識別情報に基づいて形成される凹凸部を表面上に備え、
前記取得手段は、
前記装着部の内部に備えられたスイッチが前記情報保持媒体の凹凸部によって押下されたか否かに基づいて、前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記テーブルに登録される各キャラクタの識別情報は、
該キャラクタの属性を示す属性情報と、該キャラクタの種類を示す種類情報とを含み、
前記情報保持媒体は、
前記属性情報を保持する第1の部品と、前記種類情報を保持する第2の部品と、表面上の所定の位置に前記記号が表示された第3の部品とが着脱可能なように構成されており、
前記取得手段は、
前記装着部に前記情報保持媒体が装着されると、前記第1の部品から前記属性情報を取得し、かつ、前記第2の部品から前記種類情報を取得し、
前記抽出手段は、
前記取得手段により取得された前記属性情報、及び前記種類情報の何れにも関連する前記記号を、前記テーブルから抽出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲームのキャラクタを識別するための識別情報と、該キャラクタを表す記号とを関連付けて複数登録するテーブルと、
前記識別情報を保持する情報保持媒体であって、表面上の所定の位置に前記記号が表示された情報保持媒体が装着される装着部と、
ゲーム画面を表示する表示手段であって、該表示手段の裏側に設けられた前記装着部に装着される前記情報保持媒体の表面を、該表示手段を透して視認させることが可能な表示手段と、
前記装着部に装着された前記情報保持媒体から、前記キャラクタの前記識別情報を取得する取得手段と、
前記テーブルから、前記取得手段により取得された前記識別情報に関連する前記記号を抽出する抽出手段と、
前記装着部に前記情報保持媒体が装着されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記情報保持媒体が検知されると、該情報保持媒体上の前記記号が前記表示手段を透して視認される該表示手段上の領域に、前記抽出手段により抽出された前記記号を、該情報保持媒体上の前記記号と重畳するように表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示させた前記記号を、前記識別情報に対応する前記キャラクタの画像へ変化させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記取得手段によって前記情報保持媒体から前記識別情報が取得された後に、該取得手段によって異なる前記情報保持媒体から前記識別情報が更に取得されると、該識別情報の組み合わせに応じた前記キャラクタの画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
透過型液晶ディスプレイであって、
前記情報保持媒体は、
前記識別情報に基づいて形成される凹凸部を表面上に備え、
前記取得手段は、
前記装着部の内部に備えられたスイッチが前記情報保持媒体の凹凸部によって押下されたか否かに基づいて、前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記テーブルに登録される各キャラクタの識別情報は、
該キャラクタの属性を示す属性情報と、該キャラクタの種類を示す種類情報とを含み、
前記情報保持媒体は、
前記属性情報を保持する第1の部品と、前記種類情報を保持する第2の部品と、表面上の所定の位置に前記記号が表示された第3の部品とが着脱可能なように構成されており、
前記取得手段は、
前記装着部に前記情報保持媒体が装着されると、前記第1の部品から前記属性情報を取得し、かつ、前記第2の部品から前記種類情報を取得し、
前記抽出手段は、
前記取得手段により取得された前記属性情報、及び前記種類情報の何れにも関連する前記記号を、前記テーブルから抽出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−221004(P2010−221004A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216146(P2009−216146)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2009−68970(P2009−68970)の分割
【原出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2009−68970(P2009−68970)の分割
【原出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
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