説明

ゲーム装置

【課題】ビデオディスプレイの表示姿勢や表示位置を変更できるゲーム装置を実現する。
【解決手段】左右の支持脚6の上端部の中央揺動軸10で、中央連結フレーム12を装置前後に揺動自在に支持する。中央連結フレーム12の装置手前側端部では、中央揺動軸10と平行な操作盤揺動軸16で、操作盤30の後端部を揺動自在に支持する。また、中央連結フレーム12の装置後側端部では、中央揺動軸10と平行なモニタ揺動軸18で、ビデオディスプレイ50の下端部を揺動自在に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のビデオゲームを実行するためのゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターなどの店舗で運用される業務用のビデオゲーム装置は、それぞれ固有のデザインを有し、装置前方のプレーヤに対して表示面を立てた姿勢で固定された少なくとも1台のビデオディスプレイを備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−297251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームの内容や操作性等によって、操作盤とビデオディスプレイの相対位置や、ビデオディスプレイの表示面の向きが決められる。例えば、FPS(First Person Shooting)ゲームや格闘ゲームのビデオゲーム装置では、ビデオディスプレイの表示面が正面を向いて立った起立姿勢の方がゲーム画面のカメラアングルとマッチするので好ましいと言える。また、ボードゲームなどでは、現実のボードゲームがゲーム盤を俯瞰しながらプレイするものであるから、ビデオディスプレイの表示面が上を向いた仰臥姿勢の方が好ましいと言える。
【0005】
しかし、特許文献1のゲーム装置のように従来の業務用のビデオゲーム装置は、ビデオディスプレイを所定の位置から動かすことができない。そのため、ゲーム内容に応じてビデオディスプレイの相対位置や表示面が違う構成のゲーム装置が要求されるため、ゲームメーカ側にとっては専用の筐体を開発・製造する必要があり、ゲームセンター等の運用事業者側にとってはゲーム毎に個別にゲーム装置を購入しなければならなかった。
【0006】
本発明はこうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ビデオディスプレイの表示姿勢や表示位置を変更できるゲーム装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の形態は、操作入力デバイスを有する操作盤(例えば、図2の操作盤30)と、少なくとも、表示面を装置前方に向けた起立姿勢と、装置上方に向けた仰臥姿勢とに切換固定可能に支持される画像表示部(例えば、図2のビデオディスプレイ50)と、を備えた据え置き型のゲーム装置である。
【0008】
第1の形態のゲーム装置によれば、ゲーム画面の表示面を起立姿勢と仰臥姿勢とで自在に変更できる。よって、ビデオディスプレイの相対位置や表示面が違う構成のゲーム装置を別々に用意する必要がなく、経済的である。
【0009】
第2の形態は、前記画像表示部に表示する画像の生成モードとして、前記画像表示部が前記起立姿勢であるか前記仰臥姿勢であるかに応じた画像生成モードを備えた第1の形態のゲーム装置である。
【0010】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果を発揮するとともに、画像表示部が起立姿勢であるか仰臥姿勢であるかに応じて画像生成モードを使い分けることができる。
【0011】
第3の形態は、複数の音出力部それぞれに対する音出力設定を、前記画像表示部が前記起立姿勢であるか前記仰臥姿勢であるかに応じて切り換える第1又は第2の形態のゲーム装置である。
【0012】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態と同様の効果を発揮するとともに、画像表示部が起立姿勢であるか仰臥姿勢であるかに応じて音出力設定を切り替えることができる。音出力設定としては、例えば、複数の音出力部の何れかを切り換える設定としてもよいし、音出力部それぞれの音量比率を切り換え変更することとしてもよい。
【0013】
第4の形態は、前記画像表示部が、前記仰臥姿勢において前記表示面が前記操作盤の操作面より低い位置で支持される第1〜第3の何れかの形態のゲーム装置である。
【0014】
第4の形態によれば、第1〜第3の何れかの形態のゲーム装置と同様の効果を発揮できるとともに、斜め下に向くプレーヤの視線の手前に操作盤が配置され、視線のその先に表示面が配置されるので、プレイがし易くなる。
【0015】
第5の形態は、前記画像表示部が、前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支されている、第1〜第4の何れかの形態のゲーム装置である。
【0016】
第5の形態によれば、第1〜第4の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮できるとともに、装置を分解することなく表示面の姿勢を変化できるので、ゲーム装置を運用している運用者にとっては作業負担が無く好ましい。
【0017】
第6の形態は、台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、当該支持位置から所定距離隔てた位置に前記画像表示部を前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支する表示部枢支軸(例えば、図2,図3のモニタ揺動軸18)が設けられてなる前記台座部と前記画像表示部との連結部(例えば、図2,図3の中央連結フレーム12)を更に備え、前記画像表示部が前記仰臥姿勢の際に前記連結部を装置後ろ方向に揺動させることによって、装置前方向に揺動させた場合に比べて表示面の位置を低下させることが可能な、第1〜第5の何れかの形態のゲーム装置である。
【0018】
第6の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮できるとともに、画像表示部を揺動させる1アクションで表示面の位置を変更することができる。
【0019】
第7の形態は、台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、当該支持位置から所定距離隔てた位置に前記操作盤を装置前後方向に揺動自在に枢支する操作盤枢支軸(例えば、図2,図3の操作盤揺動軸16)が設けられてなる前記台座部と前記操作盤との連結部(例えば、図2,図3の中央連結フレーム12)を更に備え、
前記連結部を揺動させることによって前記操作盤の高さ方向の位置及び/又は操作面の傾きを変化させることが可能な第1〜第5の何れかの形態のゲーム装置である。
【0020】
第7の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮できるとともに、操作盤を揺動させる1アクションで操作盤の高さ方向の位置及び/又は操作面の傾きを変化させることができる。
【0021】
第8の形態は、中央部が台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、一端部に前記画像表示部を前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支する表示部枢支軸が設けられ、他端部に前記操作盤を装置前後方向に揺動自在に枢支する操作盤枢支軸が設けられてなる、前記操作盤と前記台座部と前記画像表示部との連結部(例えば、図2,図3の中央連結フレーム12)を更に備え、
前記画像表示部が前記仰臥姿勢の際に前記連結部を装置後ろ方向に揺動させることによって、装置前方向に揺動させた場合に比べて表示面の位置を低下させるとともに、前記操作盤の位置を高く及び/又は操作面を手前に傾斜させることが可能な第1〜第5の何れかの形態のゲーム装置である。
【0022】
第8の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮できるとともに、画像表示部を揺動させる1アクションで、表示面の位置の変更と、操作盤の高さ方向の位置及び/又は操作面の傾きとを変化させることができる。
【0023】
第9の形態は、前記画像表示部は下部に支柱部(例えば、図14の連結部722)を有し、前記起立姿勢の際に前記支柱部を差し込む第1の差込口(例えば、図14の上部嵌合部704)と、前記仰臥姿勢の際に前記支柱部を差し込む第2の差込口(例えば、図14の背部嵌合部706)とを台座部(例えば、図14の装置本体700、ケース702)に備えた、第1〜第4の何れかの形態のゲーム装置である。
【0024】
第9の形態によれば、第1〜第4の何れかの形態のゲーム装置と同様の効果を発揮するとともに、画像表示部を、第1及び第2の差込口に差し替えるだけで表示位置の変更ができる。
【0025】
第10の形態は、前記起立姿勢において前記画像表示部の上方に位置して掲示面を装置前方に向け、前記仰臥姿勢において前記画像表示部を支持する支柱となる掲示部(例えば、図2,図7の掲示板72、図15,図16のスピーカユニット740、アタッチメントユニット760)を更に備えた、第1〜第9の何れかの形態のゲーム装置である。
【0026】
第10の形態によれば、第1〜第9の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮するとともに、ゲーム紹介のアピール書類を掲示するなどできる。
【0027】
第11の形態は、前記画像表示部が、側面に前記仰臥姿勢としたゲーム装置同士を連接させるための嵌合部(例えば、図13の連結スライドバー93、スライドバー嵌合部95)を有する第1〜第10の何れかの形態のゲーム装置である。
【0028】
第11の形態によれば、第1〜第10の形態の何れかのゲーム装置と同様の効果を発揮するとともに、ゲーム機相互の位置ズレを防止することができる。また、嵌合部がうまく連結できる位置が正規の配列位置とも言えるので、両機の位置合わせの目安ともなる。
【0029】
第12の形態は、前記画像表示部が前記仰臥姿勢とされたゲーム装置同士の連接を検出するために、前記画像表示部の側面に当該連接を検出する連接検出部(例えば、図13の連結スライドバー93、スライドバー嵌合部95)を更に備えた、第1〜第11の何れかの形態のゲーム装置である。
【0030】
第12の形態によれば、第1〜第11の形態の何れかと同様の効果を発揮するとともに、ゲーム装置同士の連接を検出できる。
【0031】
第13の形態は、自機及び他ゲーム装置の画像表示部が前記仰臥姿勢とされて前記画像表示部同士が連接された場合の画像生成モードを備えた、第1〜第12の何れかの形態のゲーム装置である。
【0032】
第13の形態によれば、第1〜第12の形態の何れかと同様の効果を発揮するとともに、ゲーム機同士が連接されているか単独で使用されているかに応じて画像生成モードを使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施形態における業務用ゲーム装置の起立姿勢における正面図。
【図2】第1実施形態における業務用ゲーム装置の起立姿勢における正面斜視図。
【図3】第1実施形態における業務用ゲーム装置の起立姿勢における左側面図。
【図4】第1実施形態における業務用ゲーム装置の起立姿勢における背面図。
【図5】第1実施形態における業務用ゲーム装置の仰臥姿勢における正面図。
【図6】第1実施形態における業務用ゲーム装置の仰臥姿勢における左側面図。
【図7】第1実施形態における業務用ゲーム装置をマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置として使用する場合の側面図。
【図8】第1実施形態における業務用ゲーム装置をマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置として使用する場合の上面図。
【図9】第1実施形態における業務用ゲーム装置を単独使用する場合のゲーム画面の構成の一例と、2台の業務用ゲーム装置を連結使用する場合のゲーム画面の構成の一例とを示す図。
【図10】第1実施形態における業務用ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図11】第1実施形態における業務用ゲーム装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図12】第1実施形態の業務用ゲーム装置における処理の流れについて説明するためのフローチャート。
【図13】第1実施形態の業務用ゲーム装置の変形例を示す背面図。
【図14】第2実施形態における業務用ゲーム装置の構成の一例を示す左側面図。
【図15】第2実施形態における業務用ゲーム装置においてビデオディスプレイを起立姿勢にして固定した状態の左側面図。
【図16】第2実施形態における業務用ゲーム装置においてビデオディスプレイを仰臥姿勢にして固定した状態の左側面図。
【図17】第2実施形態における業務用ゲーム装置に、同型の他ゲーム装置の一部のみを連結使用する場合の構成の一例を示す左側面図。
【図18】第2実施形態における業務用ゲーム装置の2台を、一つのビデオディスプレイユニットのみ連結使用する場合の構成の一例を示す左側面図。
【図19】第1実施形態の業務用ゲーム装置の変形例を示す図であって、起立姿勢における左側面図。
【図20】第1実施形態の業務用ゲーム装置の変形例を示す図であって、仰臥姿勢における左側面図。
【図21】第1実施形態の業務用ゲーム装置の変形例を示す俯瞰図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1実施形態]
次に、本発明を適用した実施形態として、ビデオディスプレイの配置位置を表示面を立てた起立姿勢又は表示面を上に向け仰臥姿勢の何れかに変更できる業務用ゲーム装置について説明する
図1は、本実施形態における業務用ゲーム装置の起立姿勢における正面図である。図2は、同起立姿勢における正面斜視図。図3は、同起立姿勢における左側面図。図4は、同起立姿勢における背面図である。対して、図5は、本実施形態における業務用ゲーム装置の仰臥姿勢における正面図である。図6は、仰臥姿勢における左側面図である。
【0035】
〔主構造の説明〕
業務用ゲーム装置2は、左右の脚部4から上方へ支柱6を設け、支柱6の先端左右にそれぞれ中央揺動軸10を備え、中央揺動軸10で支柱6の上部の間にて中央連結フレーム12を装置前後方向に揺動可能に支持する。また、支柱6の下部にはケース60を備える。
【0036】
中央連結フレーム12は、中央揺動軸10に対して回転フリクション機構を内蔵しており当該軸に対して姿勢を維持できる適当なフリクションで支持される。回転フリクション機構は、例えば公知のラップトップパソコンのヒンジ部や、表示角度可変なデスクトップパソコン用モニタのヒンジ部の構造を適宜流用することができる。
【0037】
また、中央連結フレーム12は、正面側左右にフロントスピーカ14を備える。フロントスピーカ14は、装置正面のプレーヤへBGMや効果音などのゲーム音を放音する。フロントスピーカ14は、音量等をバス制御可能な内蔵アンプICとスピーカ本体とから構成されたインテリジェント・スピーカであって、デバイスのホットスワップに対応した内部バスへ接続される。内部バスは、例えばIIC(Inter-Integrated Circuit:I2C)などによって実現できる。
【0038】
また、中央連結フレーム12は、当該フレームの装置前側に中央揺動軸10と略平行に操作盤揺動軸16を備え、操作盤30を揺動自在に支持している。また、当該フレームの装置後側にモニタ揺動軸18を備え、ビデオディスプレイ50を揺動自在に支持している。
【0039】
操作盤30は、プレーヤがゲーム操作する各種入力デバイスを備えたテーブルである。
例えば、ジョイスティック32や、プッシュスイッチ34、トレーディングカードなどの遊技媒体のコード部(例えば、バーコード)を読み取るコード読取装置36を備える(図2参照)。操作盤30が備える入力デバイスは、これらの他に、トラックボールや、トラックパッド、タッチパネル、レバー、ダイヤル、銃器の意匠を有する所謂「ガンコントローラ」などでも良く、業務用ゲーム装置2で実行するビデオゲームの内容に応じて適宜組み合わせることができる。そして、操作盤30は、操作盤制御基板38を内蔵し、操作盤30に装備された入力デバイスをホットスワップに対応した内部バスへ接続する。内部バスは、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)などによって実現できる。
【0040】
そして、操作盤30は、回転フリクション機構と揺動角の限界を規定するストッパー機構を内蔵し(共に不図示)、操作盤30の装置後側(図2で言うところの後側、図3で言うところの右側)の端部で操作盤揺動軸16に枢支される。
【0041】
操作盤30に内蔵されている回転フリクション機構は、操作盤30に対して所定の外力がかからない限り、操作盤揺動軸16との相対角が維持されるような適当なフリクションをかける手段であり、フリクションの大きさは、プレーヤが膝をぶつける程度では容易に操作盤30の姿勢が変化しないように設定されている。
【0042】
また、操作盤30に内蔵されているストッパー機構は、中央連結フレーム12と操作盤30との相対角度が、図3で示すローポジションから図6で示すハイポジションの間に限って変えられるように揺動限界を規制する。
【0043】
ビデオディスプレイ50は、液晶パネルディスプレイや、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレなどのフラットパネルディスプレイなどで実現される画像表示装置を備え、ゲーム画面を表示する。また、ビデオディスプレイ50を、タッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0044】
また、ビデオディスプレイ50は、回転フリクション機構と、ストッパー機構とを内蔵し(共に不図示)、装置前側(図2で言うところの手前側、図3で言うところの下側)の端部でモニタ揺動軸18に枢支される。
【0045】
ビデオディスプレイ50に内蔵されている回転フリクション機構は、ビデオディスプレイ50に対して所定の外力がかからない限り、モニタ揺動軸18との相対角度が保たれ現在姿勢が維持されるような適当なフリクションを作用させる。フリクションの大きさは、プレーヤがぶつかったくらいでは容易にビデオディスプレイ50の姿勢が変化しないように設定されている。
【0046】
また、ビデオディスプレイ50に内蔵されているストッパー機構は、中央連結フレーム12と操作盤30との相対角度が、図3の起立姿勢から図6の仰臥姿勢の間に限って変えられるように揺動限界を規制する。
【0047】
また、ビデオディスプレイ50は、ディスプレイ制御基板52を内蔵する。ディスプレイ制御基板52は、ICチップやメモリ、各種電子電気部品を搭載し、ゲーム画面を生成するビデオ信号を受信してゲーム画面の画像を表示させる所謂ドライバ制御を実行する。加えて、ディスプレイ制御基板52は、ビデオ信号の送出元の他装置と機器間認証を実現する各種処理を実行する。機器間認証の機能は、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のインテリジェンス機能を備えたマルチメディアインターフェース(MI:Multimedia Interface)を実現するIC等を実装することにより実現され、自身の仕様情報(例えば、画素数、縦横比、表示色数、リフレッシュレートなどの情報)をビデオ信号受信送出元の他機器へ送信することができる。
【0048】
また、ビデオディスプレイ50は、背面にMI(Multimedia Interface)端子収容部53と、バス端子収容部56とを備える(図4参照)。
MI端子収容部53には、信号を外部出力するためのオス端子と信号線とを有するMI接続ケーブル54と、外部から信号を入力するためのメス端子であるMI端子55とを備える。本実施形態では、共にHDMIなどの機器間認証機能を有する規格に準拠する。
バス端子収容部56は、内部バスに接続するオス端子とケーブルとを有するバス接続ケーブル57と、メス端子であるバス端子58とを備える。
【0049】
また、本実施形態におけるビデオディスプレイ50は、その装置後側の端部(図2で言うところの後側、図3で言うところの上側)に掲示板揺動軸70を備え、掲示板72を装置前後方向に揺動自在に枢支する。掲示板72は、プレイ可能なビデオゲームのタイトルやアピール文などを掲示するためのパネルである。
【0050】
図1、図3及び図4に示すように、本実施形態の業務用ゲーム装置2では、支柱6の間で、ローポジションの操作盤30より下の領域にはケース60が設けられている。ケース60には、コインカウンタ62と、主制御基板90と、内蔵電源部(非図示)の第1電源スイッチ64及び第2電源スイッチ66と、ケース左右に向けて放音するサイドスピーカ68とを備える。また、ケース60の前側上部には、ハイポジションにセットされた操作盤30を支持する支持脚74を備える。
【0051】
コインカウンタ62は、ゲームプレイの代価として支払う硬貨を投入・検知・収容する装置であって、公知の業務用ゲーム装置に搭載される同様の装置を適宜流用すると良い。
【0052】
主制御基板90は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を搭載し、業務用ゲーム装置2の各部を制御する。また、主制御基板90は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置92を備える(図1参照)。また、主制御基板90は、ビデオディスプレイ50が実現する機器間認証と対応する機器間認証機能を実現する。
【0053】
そして、主制御基板90は、内部バスに接続された入力デバイス(例えば、自機の操作盤30に具備されたジョイスティック32など)から受信した操作入力信号に基づいてゲーム画面やゲーム音を生成する。そして、生成したゲーム画面のビデオ信号を機器間認証の機能を備えたマルチメディアインターフェース回路で、ビデオディスプレイ50に出力し、ゲーム画面を表示させる。また、ゲーム音のオーディオ信号を内部バスに接続されたスピーカの少なくとも何れかに出力し放音させる。
【0054】
第1電源スイッチ64及び第2電源スイッチ66は、本実施形態における業務用ゲーム装置2が備える2つの電源系統それぞれの電源スイッチである。前者は、主制御基板90とコインカウンタ62への電力を供給する第1電源系統を入り/切りし、後者は、ビデオディスプレイ50と内部バスへの電力を供給する第2電源系統を入り/切りする。
【0055】
サイドスピーカ68は、内部バスに接続され、音量等をバス制御可能な内蔵アンプICとスピーカ本体とから構成されたインテリジェント・スピーカである。
【0056】
支持脚74は、左右二本の柱を左右に連結し、柱の下端に設けられた柱の長手方向に沿って長い長孔で支持脚揺動軸76を挿通した装置前後方向に揺動自在な脚材である。
図3に示すように、支持脚74は、操作盤30がローポジションにある場合には支持脚収容部75へ横倒しに収容される。操作盤30をハイポジションにする場合には、図6に示すように、上支柱の長孔に挿通された支持脚揺動軸76を軸にして起こし、脚の軸側端を支持脚収容部75の前端側に掘り下げられた縦穴部である脚端差込口77に差して固定する。そして、端を操作盤30の下面に設けられた嵌合部39に差し込んで、その重量の一部を支える。
【0057】
尚、主制御基板90を含むケース60から中央連結フレーム12へは、支柱6の内部と中央揺動軸10の内部を通って信号ケーブルが延ばされることで、制御信号等の電気的接続が確保される。
また、中央連結フレーム12から操作盤30及びビデオディスプレイ50への制御信号等の電気的接続は、操作盤揺動軸16を介して中央連結フレーム12と操作盤30とを連結するビンジ構造部、及びモニタ揺動軸18を介して中央連結フレーム12とビデオディスプレイ50とを連結するビンジ構造部を、公知のラップトップパソコンの本体とディスプレイ部とのビンジ構造や、表示角度を変えられる据置型ビデオモニタのビンジ構造を応用することで実現できる。具体的には、揺動軸内に信号線やフレキシブル基板を通す構造、或いは軸のインナーとアウターとに摺動タイプの電気接点を設ける構造とすることで実現できる。
【0058】
〔変形手順についての説明〕
本実施形態における業務用ゲーム装置2は、図1〜図4で示されるビデオディスプレイ5の表示面を装置前方へむけた起立姿勢では、操作盤30は略水平を為し、イスに座ったプレーヤに適当な高さとなる。ビデオディスプレイ50はイスに座ったプレーヤの正面でゲーム画面を表示することができる。こうした姿勢は、プレーヤが一人でビデオゲームを座って楽しむのに適している。
【0059】
起立姿勢から仰臥姿勢に変形させるには、次の手順(イ1)〜(イ4)で行う。
手順(イ1):ビデオディスプレイ50を、モニタ揺動軸18を軸にして後へ押し、その裏面がケース60の上面後端部に当たるまで倒す。ビデオディスプレイ50が倒れるに従って、中央連結フレーム12が中央揺動軸10を軸にして装置後側に向けて倒れ始める。すると、中央連結フレーム12の前側の操作盤揺動軸16が持ち上がり、当該軸で支持された操作盤30は結果としてハイポジションとなる。
手順(イ2):支持脚74を立てる。
手順(イ3):操作盤30を、操作盤揺動軸16を軸にして手前に倒し、先に立てられた支持脚74を嵌合部39に嵌めるようにして、盤面が略水平となるようにする。
手順(イ4):掲示板72を掲示板揺動軸70で手前に起こし、板面がプレーヤに向けられるように調整する。
【0060】
図5〜図6に示すように、仰臥姿勢の業務用ゲーム装置2では、ビデオディスプレイ50の表示面が真上に向けた姿勢で横になり、操作盤30の位置がハイポジションとなる。この時、操作盤30の高さは、ビデオディスプレイ50の表示面より高くなる。
こうした仰臥姿勢とした業務用ゲーム装置2は、プレーヤが立って画面を見下ろしながらプレイするスタイルに適している。例えば、ゲームフィールドを俯瞰視する画面レイアウトのゲームに適していると言える。
【0061】
〔連結使用についての説明〕
また、本実施形態における業務用ゲーム装置2は、仰臥姿勢にした装置を2台突き合わせて使用することで1台のマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置として使用することができる。
【0062】
図7は、本実施形態における業務用ゲーム装置2をマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置として使用する場合の構成例を示す側面図である。図8は、同上面図である。
【0063】
2台の業務用ゲーム装置2a,2bを、1台のマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置として使用するには、一方を親機、他方を子機として、子機の出力デバイスや入力デバイスを親機のデバイスとして接続して利用する。
【0064】
具体的には次の手順(ロ1)〜(ロ4)で使用する。
手順(ロ1):2台の業務用ゲーム装置2a,2bの掲示板72を、ともにビデオディスプレイ50と掲示板72とが略直角となる姿勢までビデオディスプレイ50の下側に回し、ビデオディスプレイ50の支えとする。そして、2台の業務用ゲーム装置2a,2bを、ビデオディスプレイ50の先端を突き合わせるように並べる。すると、外観は2枚のディスプレイを中央に挟んで、左右それぞれに操作盤30が配置された1台のマルチディスプレイ型の業務用ゲーム装置のようになる。
【0065】
手順(ロ2):親機(例えば、業務用ゲーム装置2a)側のMI接続ケーブル54を、子機(例えば、業務用ゲーム装置2b)のMI接続端子55に接続する。また、親機のバス接続ケーブル57を子機のバス接続端58に接続する(図4参照)。これにより、子機のビデオディスプレイ50は、親機のマルチメディアインターフェース回路に接続され、子機の入力デバイスが接続された内部バス回路が、親機の内部バス回路に接続されたことになる。
【0066】
手順(ロ3):親機の第1電源スイッチ64と第2電源スイッチ66とを共に「オン」にし、次いで子機の第2電源スイッチ66を「オン」にする。親機では、主制御基板90を含む装置全体に電力が供給され、ゲーム装置として機能する。一方、子機ではビデオディスプレイ50と操作盤30にのみ電力が供給される。
【0067】
先の手順(ロ2)において、親機のMI接続ケーブル54と子機のMI接続端子55とが接続されており、前述のように本実施形態における主制御基板90及びビデオディスプレイ50は機器間認証に対応している。よって、親機の主制御基板90は子機のビデオディスプレイ50を認識し、第2の画像表示部として認識する。
また同様に、先の手順(ロ2)において、子機のビデオディスプレイ50は親機のマルチメディアインターフェース回路に接続されているので、子機のジョイスティック32やプッシュスイッチ34などのバス制御接続タイプの入力デバイス、及び子機のフロントスピーカ14やサイドスピーカ68といったバス制御タイプの出力デバイスは、主制御板90に追加接続された入力デバイス及び外部デバイスとして認識される。つまり、主制御基板90は、2つのディスプレイを備え、2箇所の操作盤30を備えた2人プレイ可能な1台の業務用ゲーム装置として作動可能となる。
【0068】
そして、本実施形態における業務用ゲーム装置2は、図1〜図6で示した1人プレイを前提とした単独使用と、図7〜図8で示した対戦プレイを前提とした連結使用とで異なるゲーム制御を実行し、装置の構成に適したプレイスタイルを提供する。
【0069】
〔ゲーム画面の構成の切り換えについての説明〕
図9は、本実施形態における業務用ゲーム装置2を単独使用する場合のゲーム画面の構成例と、2台の業務用ゲーム装置2a,2bを連結使用する場合のゲーム画面の構成例とを示す図である。ここでは、トレーディングカードのバーコードを読ませることで、そのトレーディングカードに対応づけられたキャラクタをゲームに登場させ格闘させるゲームを例に挙げて示している。
【0070】
本実施形態では、3ラウンド1ゲームの対戦をプレイする。プレーヤはゲーム開始に先立って3枚のカードのバーコードをコード読取装置36で次々に読み取らせて持ち札として登録する。そして、1ラウンド毎に対戦させるキャラクタのカードを選択操作する。
【0071】
単独使用の場合には、1枚のビデオディスプレイ50の表示領域内に、例えば画面下部の左右にデッキ部600が表示される。デッキ部600には、1P(第1プレーヤの略)と2P(第2プレーヤの略)それぞれが登録したカードの3枚分の情報が表示される。そして、画面上部には、ゲーム空間内の様子を映すフィールド表示部602が表示される。
【0072】
フィールド表示部602には、仮想3次元空間に形成されたゲーム空間に、各プレーヤに選択されたカードのキャラクタのモデル604,606が配置され、各プレーヤが入力した操作コマンド(例えば、「攻撃」「防御」「回避」「アイテム使用」など)に応じて対戦する様子を仮想カメラで撮影した画像が表示される。尚、2人のプレーヤの何れか一方がコンピュータによる制御、所謂COMプレーヤであっても良い。
【0073】
一方、連結使用の場合では、2枚のビデオディスプレイを繋がった1枚の表示領域であるかのように表示制御され、単独使用とは異なる画面レイアウトが適用される。
具体的には、親機のディスプレイ50aの下部(親機の操作盤30から見て下部、即ち図9で言うところの左側)に、親機側プレーヤのデッキ600aと、現在選択中のキャラクタの詳細な状態表示部608aが表示される。同様に子機のディスプレイ50bの下部(子機の操作盤30から見て下部、即ち図9で言うところの右側)に、子機側プレーヤのデッキ600bと、現在選択中のキャラクタの詳細な状態表示部608bが表示される。
【0074】
そして、親機のディスプレイ50と子機のディスプレイ50に跨がる領域に、フィールド表示部602を配置する。フィールド表示部602内におけるゲーム空間の映し方はゲーム内容に応じて適宜設定することができるが、例えば図9に示すように、連結された業務用ゲーム装置2a,2bの側方がゲーム空間の下になるように表示を設定すると観戦者に都合が良く、イベントで対戦プレイを観戦させるのに好適である。
【0075】
〔ハードウェア構成〕
図10は、こうした単独使用と連結使用を実現するための業務用ゲーム装置のハードウェア構成例を示す図である。
本実施形態の業務用ゲーム装置2では、電源装置210から第1電源系統212と、第2電源系統214が分岐されており、それぞれ第1電源スイッチ64、第2電源スイッチ66によってオン/オフされる。
【0076】
第1電源系統には、主制御基板90が含まれる。
主制御基板90は、CPU(Central Processing Unit)902と、メインメモリ904と、フラッシュメモリ906と、AV(Audio Video)ボード908と、I/Oコントローラ920とを備える。
【0077】
CPU902は、データ読み書き自在に接続されたメインメモリ904及びフラッシュメモリ906を主たる演算用記憶領域として使用する業務用ゲーム装置2の演算装置である。業務用ゲーム装置2の入出力を制御するシステムプログラムや、ビデオゲームを実行するためのプログラムは、フラッシュメモリ906等の内蔵の記憶部に予め記憶しておく構成としても良いし、通信装置92で外部装置に接続してその都度ダウンロードする構成としても良い。
【0078】
AVボード908は、CPU902と内部バスにより接続されており、GPU910と、VRAM912と、AVインタフェースコントローラ914とを備える。
AVボード908は、シングルモニタとマルチモニタの二つの表示モードに対応する映像と音声の生成・出力に関する処理を実行する。具体的には、CPU902で演算処理された仮想3次元空間に配置された各オブジェクトの位置や姿勢といった情報や仮想カメラの位置や姿勢、視点方向などの情報に基づいて仮想3次元空間内を仮想カメラで撮影した3DCG(例えば、フィールド表示部602に表示される画像)、或いは2DCG(例えば、デッキ部600の画像)を生成してゲーム空間画像を生成する。そして、ゲーム空間画像に各種情報表示を合成してゲーム画面を生成し、当該ゲーム画面を表示させるためのビデオ信号を生成し、自身のビデオディスプレイ50及びMI接続ケーブル54で接続された子機のビデオディスプレイ50に出力することができる。また、操作音や効果音、BGMなどのゲーム音は、内部バス990を介してフロントスピーカ14やサイドスピーカ68へ出力される。
【0079】
内部バス990は、デバイスのホットスワップに対応したバス回路である。内部バス990は、例えばIIC(Inter-Integrated Circuit:I2C)などによって実現できる。
本実施形態では、内部バス990の回路はバス接続ケーブル57及びバス端子58に接続されており、外部への拡張並びに外部からの接続を可能にしている。
【0080】
I/Oコントローラ920は、メイン内部バス992を介してCPU902と接続するとともに各種周辺デバイスと接続し、接続する周辺デバイスとの入出力を制御する。本実施形態では、機器間認証IC922と、バスコントローラ924と、通信装置92と、コインカウンタ62と接続する。
【0081】
機器間認証IC922は、機器間での相互認証と認証後の接続処理を実行するICである。本実施形態では同様のICがビデオディスプレイ50のディスプレイ制御基板52に搭載されており、自機に搭載されているビデオディスプレイ50は勿論、MI接続ケーブル54及びMI端子55を介して外部接続された他機に搭載されているビデオディスプレイ50を認識し利用可能に接続させることができる。
【0082】
バスコントローラ924は、内部バス990を介して各種デバイスとのデータ通信を実現する集積回路である。本実施形態では、内部バス990を介して操作盤30のジョイスティック32やプッシュスイッチ34、コード読取装置36等の入力デバイス、並びにフロントスピーカ14やサイドスピーカ68のようにバス制御対応で出力デバイス等とのデータの送受信を管理する。
【0083】
操作盤30にも同様のバスコントローラ926が搭載されており、ジョイスティック32等の入力デバイスで得られた操作入力の入力信号を、内部バス990を介して主制御基板90へ送信することができる。
【0084】
こうしたハードウェア構成を、業務用ゲーム装置2の構成を機能面から見ると、例えば図11で示すように構成される。
すなわち、本実施形態の業務用ゲーム装置2は、本体操作入力部100と、外部操作入力部102と、処理部200と、本体音出力部350と、外部音出力部352と、本体画像表示部360と、外部画像表示部362と、通信部370と、記憶部500とを備える。尚、外部操作入力部102、外部音出力部352及び外部画像表示部362は、業務用ゲーム装置2を連結使用する際に接続された子機の本体操作入力部100、本体音出力部350及び本体画像表示部360に当たる。
【0085】
本体操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1のジョイスティック32や、プッシュスイッチ34、コード読取装置36がこれに該当する。また、図1のビデオディスプレイ50をタッチパネルディスプレイとして構成するならば、タッチパネルが本体操作入力部100に該当する。
【0086】
本体操作入力部100は、活線挿抜応答部104を備えており、処理部200の活線挿抜制御部202とともに、本体のリセット処理不要にデバイスの自動認識と接続、リソースの確保、ドライバの自動ロードなど、所謂ホットスワップ機能を実現する。本実施形態では、内部バス990に活線挿抜機能を持たせるので、活線挿抜応答部104はバスコントローラIC、活線挿抜制御部202はバスコントローラICやホットスワップ制御のミドルウェアを処理部200で実行する事により実現される。
【0087】
本体操作入力部100の操作入力信号は、処理部200のバス制御部204を介して送受される。図10のI/Oコントローラ920及びバスコントローラ924がこれに該当する。
【0088】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、本体操作入力部100や記憶部500を含む業務用ゲーム装置2の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、本体操作入力部100及び外部操作入力部102からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、業務用ゲーム装置2の動作を制御する。図1の主制御基板90が処理部200に該当する。
【0089】
そして、本実施形態における処理部200は、活線挿抜制御部202と、バス制御部204と、ゲーム演算部210と、表示モード切換部212と、放音モード切換部214と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270と、機器間認証部280とを備える。
【0090】
ゲーム演算部210は、ビデオゲーム進行に関する種々の処理を実行する。例えば、仮想3次元空間に格闘の舞台となるゲーム空間を形成する処理、キャラクタを登場させる処理、操作入力に応じてキャラクタを制御する処理、ダメージの算出と判定に関する処理、勝敗の判定処理、またそれらに必要なカウントやタイマ処理などを実行する。
【0091】
表示モード切換部212は、装置の状態に応じてゲーム画面の表示の仕方、具体的には画面のレイアウトの設定を変更する。
本実施形態では、機器間認証部280による外部画像表示部362の接続認証の有無に応じて切り換える。具体的には、外部画像表示部362が接続されていない場合にはシングルモニタの状態と判断して、記憶部500の表示モード設定518を単独使用時のゲーム画面構成を実現するシングルモニタモードに設定し(図9(1)参照)、接続された場合にはマルチモニタの状態としてゲーム画面の表示の仕方を連結使用時のゲーム画面構成を実現するマルチモニタモードに設定する(図9(2)参照)。
【0092】
勿論、表示モード切換部212の切り換え条件は、機器間認証部280による接続認証の有無に限らず、物理的なスイッチを用いたものでも良い。
例えば、ビデオディスプレイ50が仰臥姿勢になった場合に「オン」されるスイッチと、ビデオディスプレイ50の先端を突き合わせた連結状態にすると「オン」されるスイッチを設ける。そして、これらのスイッチの両方がオンになったらマルチモニタモードに切り換え、後者が「オフ」の場合にはシングルモニタモードに切り換えるとしても良い。
【0093】
放音モード切換部214は、装置の状態に応じてゲーム音の放音の仕方、具体的には放音させるスピーカの切り換えを行う。本実施形態では、機器間認証部280による外部画像表示部362の接続認証の有無に応じて切り換える。具体的には、外部画像表示部362が接続されていない場合には記憶部500の放音モード設定520を、フロントスピーカ14を放音先とする設定に変更し、接続された場合にはサイドスピーカ68を放音先に追加した設定に変更する。
【0094】
勿論、放音モード切換部214の切り換え条件は、機器間認証部280による接続認証の有無に限らず、物理的なスイッチを用いたものでもよい。また、ビデオディスプレイ50の仰臥/起立姿勢に応じて切り換えることとしてもよい。更には、放音モードとして、放音先のスピーカを定めた複数のモードを切り換えるのではなく、各スピーカの音量比率を定めた複数のモードを切り換えることとしてもよい。
【0095】
例えば、ビデオディスプレイ50が仰臥姿勢になった場合に「オン」されるスイッチと、起立姿勢になった場合に「オン」されるスイッチと、ビデオディスプレイ50の先端を突き合わせた連結状態にすると「オン」されるスイッチとを設ける。そして、何れのスイッチが「オン」されたかに応じて、フロントスピーカ14とサイドスピーカ68、連結使用された場合の親機側/子機側のフロントスピーカ14とサイドスピーカ68、それぞれの音量比率を定めたモードに切り換える。この場合、仰臥姿勢/起立姿勢に応じた適切な音量バランスを保つことが可能となる。また、単独使用/連結使用に適した音量バランスとすることができる。
【0096】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音声データを生成する。図1の主制御基板90、図10のAVボード908がこれに該当する。そして、音生成部250で生成された音声データは、バス制御部204を介して本体音出力部350や外部音出力部352に送信される。
【0097】
本体音出力部350は、音声データを受信し、受信した音声データに基づいて放音を実行する。例えば、デコーダや、内蔵アンプ回路、スピーカ本体などによって実現される。図2のフロントスピーカ14及び図3のサイドスピーカ68がこれに該当する。尚、本実施形態の本体音出力部350は、処理部200の活線挿抜制御部202と対応しホットスワップ機能を実現する活線挿抜応答部354を有する。
【0098】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。そして、画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面のビデオ信号を本体画像表示部360及び外部画像表示部362に出力する。図1の主制御基板90、図10のAVボード908がこれに該当する。
【0099】
また、本実施形態の画像生成部260は、シングルモニタモードとマルチモニタモードに対応しており、記憶部500の表示モード設定514の設定に従って生成する画像のサイズ、解像度、レイアウトなどを自動的に変更する。
【0100】
本体画像表示部360は、ゲーム画面を表示する手段であり、液晶パネルディスプレイや、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイなどの表示デバイスと、そのコントローラにより実現できる。図1のビデオディスプレイ50がこれに該当する。
本実施形態では、表示制御部364と機器間認証部366とを含む。表示制御部364は、画像生成部260で生成されたビデオ信号に基づいて画像表示させる制御を実行する。所謂、ドライバ回路、デコーダICなどによって実現される。機器間認証部366は、処理部200の機器間認証部280とともに、接続機器の相互認証機能を実現する。例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)のコントローラICなどにより実現される。
【0101】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0102】
通信部370は、外部装置と有線或いは無線で接続してデータ通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の通信装置92がこれに該当する。
【0103】
記憶部500は、処理部200に業務用ゲーム装置2を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図10のメインメモリ904やフラッシュメモリ906がこれに該当する。
【0104】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。
システムプログラム501は、処理部200が読み出して実行することによって業務用ゲーム装置2のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。一方、ゲームプログラム502は、システムプログラム501が実行されている環境で処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210、表示モード切換部212と、放音モード切換部214としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトである。勿論、アプリケーションとしてではなく、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0105】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、ゲーム空間設定データ510と、キャラクタ設定データ512と、シングルモニタモード用ゲーム画面設定データ514と、マルチモニタモード用ゲーム画面設定データ516とが記憶されている。また、表示モード設定データ518と、放音モード設定520とが記憶される。その他、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶される。
【0106】
ゲーム空間設定データ510は、仮想3次元空間内に対戦の舞台となるゲーム空間を設定するための各種オブジェクトのモデルデータやテクスチャデータなどのデータを格納する。
【0107】
キャラクタ設定データ512は、カードに対応して登場するキャラクタ全てについて、各キャラクタを表示し動作制御するための情報を格納する。例えば、カードのコード値と対応付けたキャラクタID、当該キャラクタのモデルデータ、テクスチャデータ、各種動作のモーションデータなどの情報が適宜格納される。
【0108】
シングルモニタモード用ゲーム画面設定データ514とマルチモニタモード用ゲーム画面設定データ516は、それぞれ表示モードがシングルモニタモード、マルチモニタモードのときに適用されるゲーム画面のレイアウトを定義する情報とが記憶される。デッキ部600の表示位置や、デッキ部600に表示されるカードのグラフィックデータ、フィールド表示部602の表示位置などが設定される。
【0109】
〔処理の流れの説明〕
図12は、本実施形態の業務用ゲーム装置2における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
処理部200は先ず、機器間認証に関する処理を実行する(ステップS2)。これによって、子機のビデオディスプレイ50が接続されているかが分かり、ひいては単独使用されるのか連結使用されるのかが分かる。
【0110】
もし、接続されているビデオディスプレイ50が単数ならば(ステップS4の「単数」)、処理部200は表示モード設定518を「シングルモニタモード」に設定し(ステップS6)、フロントスピーカ14のみをゲーム音の放音先とし、サイドスピーカ68からは放音しないように放音モード設定520を設定する(ステップS8)。一方、接続されているビデオディスプレイ50が複数ならば(ステップS4の「複数」)、処理部200は表示モード設定518を「マルチモニタモード」に設定し(ステップS10)、フロントスピーカ14とサイドスピーカ68の両方からゲーム音を放音するように放音モード設定520を設定する(ステップS12)。
【0111】
表示モードと放音モードの設定をしたら、処理部200はゲームプログラム502を読み出す(ステップS20)。そして、表示モードが「シングルモニタモード」なら(ステップS22の「シングル」)、シングルモニタモード用ゲーム画面設定データ514を読み出し(ステップS24)、表示モードが「マルチモニタモード」ならば(ステップS22の「マルチ」)、マルチモニタモード用ゲーム画面設定データ516を読み出す(ステップS26)。そして、読出したゲーム画面の設定に従ってゲームを開始し(ステップS28)、ゲーム終了条件を満たせば(ステップS30のYES)、一連のゲーム処理を終了する。
【0112】
以上、本実施形態の業務用ゲーム装置2によれば、ビデオディスプレイ50を異なる2つのポジションに切り換えて固定できる新しいゲーム装置を実現できる。
【0113】
また、切り換えるポジションの一方の起立姿勢では、一般的な業務用ゲーム装置で見られるようにビデオディスプレイ50の表示面が立ってプレーヤに向けられた状態に設定されているので汎用性に優れる。そして、もう一方の仰臥姿勢では、表示面をほぼ真上に向ける状態に設定されているので、ゲーム画面が俯瞰視アングルで描かれるゲームや、将棋や双六などのボードゲームを実行するのに好適である。
【0114】
また、業務用ゲーム装置を運用する店舗でイベントを開催する場合には、通常は起立姿勢で使用するがイベントでは仰臥姿勢に切り換えるといった使い方もできる。仰臥姿勢では、表示面を周囲の観客にもより見え易く好適であるからである。
更には、本実施形態の業務用ゲーム装置2は、2台の同型装置をともに仰臥姿勢に変形させてビデオディスプレイ50の先を突き合わせて配置し、MI接続ケーブル54やバス接続ケーブル57を接続することで1台のマルチモニタの業務用ゲーム装置として機能させることができる。よって、通常は起立姿勢で個人プレーヤ向けに単独使用しつつ、店舗開催のイベントなどでは連結使用することでイベント専用のレイアウトが組まれたゲーム装置を購入することなくイベントを盛り上げることができる。
【0115】
尚、操作盤30の姿勢を、ハイポジション、ローポジションともに略水平としたが、何れか又は両方のポジションにおいて傾斜姿勢となるように構成しても良い。
【0116】
また、本実施形態では、各揺動軸に回転フリクション機構を設けて、容易に各部が揺動しないように構成しているが、図13に示すように、起立姿勢及び仰臥姿勢で各揺動部の回転角度を保持する角度保持機構91を適宜設ける構成としても良い。角度保持機構91としては、例えば揺動に伴う擦動面にノッチを設けるなど、公知の回転軸の角度保持のための構造を適宜利用できる。
【0117】
また、同型の装置をビデオディスプレイ50の先端を突き合わせるように並べる場合の物理的な連結構造を設けることができる。
例えば、図13に示すように、ビデオディスプレイ50の背面に、連結スライドバー93と、スライドバー嵌合部95とを設ける。連結スライドバー93は、起立姿勢では下方にスライドさせて収容し、仰臥姿勢で連結する際には上方にスライドさせて連結用の突部を形成する。スライドバー嵌合部95は、同型の装置をビデオディスプレイ50の先端を突き合わせるように並べると、連結スライドバー93の前方に位置する凹部であって、上方にスライドされた連結スライドバー93と嵌合する。親機と子機相互の連結スライドバー93とスライドバー嵌合部95とが連結することにより、両機の位置ズレを防止する。また、これがうまく連結できる位置が正規の配列位置とも言えるので、両機の位置合わせの目安ともなる。
【0118】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、操作盤30及びビデオディスプレイ50の支持構造と、フロントスピーカ14のレイアウトとが異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し、説明は省略するものとする。
【0119】
図14は、本実施形態における業務用ゲーム装置2cの構成例を示す左側面図である。
図15は、ビデオディスプレイを起立姿勢にして固定した状態の左側面図、図16はビデオディスプレイを仰臥姿勢にして固定した状態の左側面図である。
【0120】
図14に示すように、本実施形態における業務用ゲーム装置2cは、装置本体700と、操作盤ユニット703と、ビデオディスプレイユニット720と、スピーカユニット740と、アタッチメントユニット760とで構成される。
【0121】
操作盤ユニット703は、第1実施形態の操作盤30の側面にサイドスピーカ68を備えるとともに、前端部に、オス型内部バス端子312を備えた操作盤連結部310と、連結固定用の固定ボルト314とを備える。
操作盤連結部310は、装置本体700との連結嵌合構造である。オス型内部バス端子312は、装置本体700の電源系統、MI端子系、及び内部バスとの間で電気的に接続するための端子である。
固定ボルト314は、装置本体700のケース702前面に設けられたボルト孔784に螺号させることで操作盤ユニット703をケース702に固定する。
【0122】
装置本体700は、左右の台座4に渡されたケース702内に、主制御基板90と、コインカウンタ62と、第1実施形態と同じ構成の電源系統とを備える。
【0123】
ケース702は、ビデオディスプレイユニット720の連結部722を着脱自在に嵌合する差込口として、上方に開口した上部嵌合部704と、背面で水平横向きに開口した背部嵌合部706及びダミー嵌合部786とを備える。また、前側面上部に水平横向きに開口した前部嵌合部780を備える。
【0124】
上部嵌合部704及び背部嵌合部706は、それぞれ断面長方形の溝であるが、本実施形態では内部で交差している。また、その左右側面には、ガイド突起708が凸設され、底面にはメス型の接続端子710がそれぞれ設けられている。この接続端子710には、電源供給線と、MI系統及び内部バス系統の信号線が含まれており、ビデオディスプレイユニット720の連結部722の接続端子726と接続される。
ダミー嵌合部786は、背部嵌合部706と同じ内部形状を有するがメス型の接続端子710に相当する端子は備えていない。
【0125】
前部嵌合部780は、操作盤ユニット703の操作盤連結部310を着脱自在に嵌合する差込口である。その底部には、操作盤ユニット703側のオス型内部バス端子312と電気的に接続するメス型内部バス端子782が設けられている。オス型内部バス端子312には、電源供給線の他に、MI系統及び内部バス系統の信号線が含まれている。
【0126】
ビデオディスプレイユニット720は、第1実施形態と同様のビデオディスプレイ50及びディスプレイ制御基板52とを備え、その下端には連結部722を備える。
【0127】
連結部722は、装置本体側に設けられた上部嵌合部704又は背部嵌合部706に着脱自在に差し込んで装置本体700に連結させるための構造部である。その左右側面には、上部嵌合部704及び背部嵌合部706の側面に凸設されたガイド突起708が遊嵌するガイド溝724が設けられている。
【0128】
連結部722の先端には更に、オス型の接続端子726が設けられている。このオス型の接続端子726は、連結部722を上部嵌合部704又は背部嵌合部706の何れかに差込んだ時に、各嵌合部の底面に設けられたメス型の接続端子710に接続され、装置本体700とビデオディスプレイユニット720との間で、電源系統と、MI端子系と、内部バスの電気的接続を実現する。
【0129】
また、ビデオディスプレイユニット720は、上端に上端嵌合部730と、操作盤ユニット703の固定ボルト314と螺号できるボルト孔733とを備える。更に、背面の収容凹部には、揺動軸734で揺動自在に枢支された収納式支持脚736が収容されている。
【0130】
上部嵌合部730は、スピーカユニット740下端に突設された下端連結部742を挿抜自在に嵌合する凹部であって、装置本体700の前部嵌合部780と同じ仕様で作られている。その底部には、下端連結部742の下端に設けられたオス型内部バス端子744と接続するメス型内部バス端子732が備えられている。メス型内部バス端子732は、装置本体700のメス型内部バス端子782と同じ仕様である。
【0131】
収容式支持脚736は、ビデオディスプレイユニット720を起立姿勢で連結する場合には収容されている。しかし、ビデオディスプレイユニット720を仰臥姿勢で連結する場合に引き出されて、揺動軸734から離れた側の先端がケース702の背面に凹設された支持脚差込口712に差し込まれて、当該差込口との当接を支点にしてビデオディスプレイユニット720の荷重を支える。
【0132】
スピーカユニット740は、第1実施形態と同様のフロントスピーカ14を備え、フロントスピーカ14が納められていない前面は、第1実施形態の掲示板72としての機能を果たす。そして、その下端には下端連結部742と、オス型内部バス端子744とを備える。オス型内部バス端子744とメス型内部バス端子732とを接続すると、スピーカユニット740は、ビデオディスプレイユニット720を介する形で、装置本体700と電源系統と電源系統と、MI端子系と、内部バスの電気的接続することができる。尚、下端連結部742は、操作盤ユニット703の操作盤連結部310と共通の仕様であり、オス型内部バス端子744は操作盤ユニット703のオス型内部バス端子312と共通の仕様である。
【0133】
アタッチメントユニット760は、ビデオディスプレイユニット720を起立姿勢で使用する場合には使用されないが、ビデオディスプレイユニット720を仰臥姿勢で使用する場合に、ビデオディスプレイユニット720とスピーカユニット740との接続の仲立ちをするのに使用されるアタッチメントである。このアタッチメントユニット760を、例えば伸縮/折り畳み式として、ケース702内に収納可能とすれば、起立姿勢で運用している場合に紛失するおそれがなく、好適である。
【0134】
具体的には、フレーム761の装置前方側端部に前端連結部762及び副オス型内部バス端子764を備える。これらは、スピーカユニット740の下端連結部742及びオス型内部バス端子744と同仕様である。
また、フレーム761の装置後方側の上端部には、スピーカユニット740の下端連結部742を挿抜自在に嵌合する副上端嵌合部766と、スピーカユニット740のオス型内部バス端子744と接続できる副メス型内部バス端子768とを備える。
また、フレーム762から下方へむけて固定支持脚769が延設されている。
【0135】
次に、本実施形態における業務用ゲーム装置2cの使い方について説明する。
図15に示すように、ビデオディスプレイ50の表示面を装置正面方向に向けて使用したい場合には、ビデオディスプレイユニット720の連結部722を上部嵌合部704に差し込み、スピーカユニット740の下端連結部742をビデオディスプレイユニット720の上端嵌合部730に差し込んで連結して使用する。
【0136】
一方、ビデオディスプレイ50の表示面を上方に向けて使用したい場合には、図16に示すように、ビデオディスプレイユニット720の連結部722を背部嵌合部706に差し込む。この時、ビデオディスプレイユニット720の収納式支持脚736を引き出してその先端を、支持脚差込口712に差し込む。
【0137】
そして、ビデオディスプレイユニット720の上端側に、アタッチメントユニット760を介してスピーカユニット740を連結する。
すなわち、(1)ビデオディスプレイユニット720の上端嵌合部730に、アタッチメントユニット760の前端嵌合部762を挿入・連結させ、(2)アタッチメントユニット760の副上端嵌合部766に、スピーカユニット740の下端連結部742を挿入・連結させる。
【0138】
本実施形態の業務用ゲーム装置の変形例2cは、図15及び図16で示したような単独使用の他に、同型の業務用ゲーム装置を活用して連結使用ができる。
【0139】
例えば、図17は、本実施形態における業務用ゲーム装置2cに、同型の他ゲーム装置の操作盤ユニット703(703b)のみを連結使用する場合の構成の一例を示す左側面図である。ビデオディスプレイユニット720の連結部722を背部嵌合部706に差し込み、ビデオディスプレイ50の表示面を上方に向けて、その先端部に他ゲーム装置の操作盤ユニット703(703b)を連結する。この時、操作盤ユニット703の背面に凹設した支持脚収容部316に収容されている収容式支持脚318を利用して、連結した操作盤ユニット703(703b)の重量の一部を支える構成とすると好適である。
こうした連結使用では、2台のディスプレイを連結させるスペースがない場合でも、一つのディスプレイで対戦プレイが楽しめるようになる。
【0140】
また、図18は、本実施形態における業務用ゲーム装置の2台を、一つのビデオディスプレイユニット720のみで連結使用する場合の構成の一例を示す左側面図である。使用する2台の業務用ゲーム装置2c(a)、2c(b)には、ともにビデオディスプレイユニット720の背面と、装置本体700の背部とに、第1実施形態と同様のMI端子収容部53とバス端子収容部56(図4参照)が設けられているものとする。
【0141】
そして、一方の業務用ゲーム装置2c(a)ではビデオディスプレイユニット720を背部嵌合部706に嵌合させ、他方の業務用ゲーム装置2c(b)ではビデオディスプレイユニット720をダミー嵌合部786に嵌合させる。そして、図18に示すように、ディスプレイの先端を突き合わせる配置にしてMI端子ケーブル54及びバス端子ケーブル57を接続することで、第1実施形態の業務用ゲーム装置2と同様に複数の装置を、一台のゲーム装置として機能させることができる。そして、こうした連結使用状態では、第1実施形態の連結使用と同様の制御が行われる。
こうした連結使用では、使用しないパーツ(この場合、ビデオディスプレイユニット720)を別途収納させるスペースを確保する必要がなく、運営業者にとって好都合なゲーム装置とすることができる。
【0142】
尚、本実施形態における上端嵌合部704及び背部嵌合部706の相対角度や相対位置は、適宜設定可能である。また、これら嵌合部と相対角度や相対位置が異なる第3、第4、・・・の嵌合部を設けるとしても良い。
【0143】
また、各嵌合部には、装置管理者のみが、操作盤ユニット703や、ビデオディスプレイユニット720やスピーカユニット740、アタッチメントユニット760の着脱ができるように、適宜施錠構成を設けると好適である。
【0144】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1及び第2実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない限りに於いて、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0145】
[その1]
例えば、第1実施形態では、掲示板72をビデオディスプレイ50の上端部に揺動自在に支持する構成としたが、図19に示すように、掲示板72をケース60の後部上面に設けられた支柱差込口80に、中空状の背部支柱82を差し込み固定し、当該支柱の上端に掲示板72の嵌合突起部73を差し込み固定する構成としても良い。そして、仰臥姿勢では、例えば図20に示すように、別途、第2の支柱差込口81を備えた副台座84を設けて背部支柱82を立てる。尚、副台座84は、ケース60と一体としたり、ケース60の後端部を分離したり伸ばして形成する構成としても良い。
【0146】
[その2]
また、上記第1実施形態では、業務用ゲーム装置2a,2bを連結使用する場合、ビデオディスプレイ50の上端を突き合わせる姿勢としたがこれに限らない。例えば、図21に示すように、MI端子収容部53、バス端子収容部56、連結スライドバー93、スライドバー嵌合部95を、ビデオディスプレイ50の側部の少なくとも何れかに設ける。図中の例では左側部に設けている。そして、同図のように、業務用ゲーム装置2a,2bを互いのビデオディスプレイ50のMI端子収容部53を設置した側面同士を突き合わせるようにして連結するとしても良い。この場合、連結使用時に適用されるゲーム画面のレイアウトは画面が左右横並びになることを考慮して設定される。尚、こうした構成は第2実施形態にも適用できる。
【0147】
[その3]
また、第1実施形態では、仰臥姿勢とされたゲーム装置同士の連結の検出を、一方の業務用ゲーム装置2aのMI接続ケーブル54と、他方の業務用ゲーム装置2bのMI端子55との接続に伴う機器間認証の有無で行う構成としているが、これに限るものではない。例えば、図13のスライドバー嵌合部95にスイッチを設け、連結時には連結スライドバー93によりオンされるように構成する。そして、処理部200がこのスライド嵌合部95のスイッチのオン/オフ基づいて連結の有無を判定する機能部を有する構成としても良い。勿論、こうしたスイッチをビデオディスプレイ50の上端面に別途設けるとしても良い。尚、こうした構成は、第1実施形態と第2実施形態何れにも適用できる。
【0148】
[その4]
また、上記実施形態では、業務用ゲーム装置2の単独使用と2台の業務用ゲーム装置2a,2bの連結使用とで、ゲーム画面の生成モードを切り換えて画面のレイアウトを変更する構成としたが、同型装置の連結を条件とする構成に限らない。
例えば、図13に示すように、ケース60の上面後部に、ビデオディスプレイ50を仰臥姿勢にしたときに、その背面で押し下げられる仰臥姿勢検知スイッチ92を設け、当該スイッチのオン/オフによって単独使用であってもゲーム画面の生成モードを変更するとしても良い。その場合、表示モード切換部212(図11参照)が、仰臥姿勢検知スイッチ92がオンのとき、ゲーム空間を側面から撮影する仮想カメラをゲーム空間画像用に選択して起立姿勢での生成モードとし、仰臥姿勢検知スイッチ92がオフのときに、ゲーム空間を斜め俯瞰或いは真俯瞰する仮想カメラを用いてゲーム空間画像用に選択して仰臥姿勢での生成モードとするように機能させると良い。尚、放音モードの切り換えについても同様である。また、こうした構成は、第1実施形態と第2実施形態の何れにも適用できる。
【符号の説明】
【0149】
12 中央連結フレーム
16 操作盤揺動軸
18 モニタ揺動軸
30 操作盤
50 ビデオディスプレイ
72 掲示板
93 連結スライドバー
95 スライドバー嵌合部
700 装置本体
702 ケース
704 上部嵌合部
706 背部嵌合部
722 連結部
740 スピーカユニット
760 アタッチメントユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力デバイスを有する操作盤と、
少なくとも、表示面を装置前方に向けた起立姿勢と、装置上方に向けた仰臥姿勢とに切換固定可能に支持される画像表示部と、
を備えた据え置き型のゲーム装置。
【請求項2】
前記画像表示部に表示する画像の生成モードとして、前記画像表示部が前記起立姿勢であるか前記仰臥姿勢であるかに応じた画像生成モードを備えた、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
複数の音出力部それぞれに対する音出力設定を、前記画像表示部が前記起立姿勢であるか前記仰臥姿勢であるかに応じて切り換える、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記仰臥姿勢において前記表示面が前記操作盤の操作面より低い位置で支持される、
請求項1〜3の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支されている、
請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、当該支持位置から所定距離隔てた位置に前記画像表示部を前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支する表示部枢支軸が設けられてなる前記台座部と前記画像表示部との連結部を更に備え、
前記画像表示部が前記仰臥姿勢の際に前記連結部を装置後ろ方向に揺動させることによって、装置前方向に揺動させた場合に比べて表示面の位置を低下させることが可能な、
請求項1〜5の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、当該支持位置から所定距離隔てた位置に前記操作盤を装置前後方向に揺動自在に枢支する操作盤枢支軸が設けられてなる前記台座部と前記操作盤との連結部を更に備え、
前記連結部を揺動させることによって前記操作盤の高さ方向の位置及び/又は操作面の傾きを変化させることが可能な、
請求項1〜5の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
中央部が台座部に対して装置前後方向に揺動自在に支持され、一端部に前記画像表示部を前記起立姿勢と前記仰臥姿勢との間で揺動可能に枢支する表示部枢支軸が設けられ、他端部に前記操作盤を装置前後方向に揺動自在に枢支する操作盤枢支軸が設けられてなる、前記操作盤と前記台座部と前記画像表示部との連結部を更に備え、
前記画像表示部が前記仰臥姿勢の際に前記連結部を装置後ろ方向に揺動させることによって、装置前方向に揺動させた場合に比べて表示面の位置を低下させるとともに、前記操作盤の位置を高く及び/又は操作面を手前に傾斜させることが可能な、
請求項1〜5の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記画像表示部は下部に支柱部を有し、
前記起立姿勢の際に前記支柱部を差し込む第1の差込口と、前記仰臥姿勢の際に前記支柱部を差し込む第2の差込口とを台座部に備えた、
請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記起立姿勢において前記画像表示部の上方に位置して掲示面を装置前方に向け、前記仰臥姿勢において前記画像表示部を支持する支柱となる掲示部を更に備えた、
請求項1〜9の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記画像表示部は、側面に前記仰臥姿勢としたゲーム装置同士を連接させるための嵌合部を有する、
請求項1〜10の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記画像表示部が前記仰臥姿勢とされたゲーム装置同士の連接を検出するために、前記画像表示部の側面に当該連接を検出する連接検出部を更に備えた、
請求項1〜11の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
自機及び他ゲーム装置の画像表示部が前記仰臥姿勢とされて前記画像表示部同士が連接された場合の画像生成モードを備えた、
請求項1〜12の何れか一項に記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−206283(P2011−206283A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77191(P2010−77191)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】