ゲーム装置
【課題】透過型スクリーンを備えた画像投影装置を有するゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲーム演出画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタ3と、筐体2に配置され、プロジェクタ3から投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーン8と、透過型スクリーン8に赤外線光を投射する赤外光発光手段6と、透過型スクリーン8を透過した赤外光を検出する赤外光検出手段5とを有しているゲーム装置である。そして、筐体2内には、少なくともプロジェクタ3と赤外光検出手段5とを配置する。また、透過型スクリーン8は、赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層11を設けて、透過型スクリーン8に投影した画像は高コントラストの画像が得られるようにしている。
【解決手段】ゲーム演出画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタ3と、筐体2に配置され、プロジェクタ3から投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーン8と、透過型スクリーン8に赤外線光を投射する赤外光発光手段6と、透過型スクリーン8を透過した赤外光を検出する赤外光検出手段5とを有しているゲーム装置である。そして、筐体2内には、少なくともプロジェクタ3と赤外光検出手段5とを配置する。また、透過型スクリーン8は、赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層11を設けて、透過型スクリーン8に投影した画像は高コントラストの画像が得られるようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタから投射した投射光をテーブル面に設置されている透過型スクリーンに画像として投影する手段と、このスクリーン上に載置された情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像して読み取る手段を備えているテーブル型投影撮像装置を用いたゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水平方向に配設された透過型スクリーン上に、プロジェクタから投射した光束を画像として投影するテーブル型投影装置が提案されている。このテーブル型投影装置は、プロジェクタから投射された光束(以下、投射光という)の光路をミラーにより曲げて透過型スクリーン上に画像を投影するような構成になっており、各種のプレゼンテーション等を行う場において利用されている。
【0003】
近年、各種のプレゼンテーション等の場において、パーソナルコンピュータとプロジェクタとを接続し、パーソナルコンピュータの記憶装置にカラーで記憶した資料、写真、動画像に関するデータをスクリーン上に投影することが盛んに行われている。このようなプレゼンテーション等をテーブル型投影装置で実施する場合には、次のような事項が課題になる。
【0004】
(1)スクリーンは水平方向に設置されているため、このスクリーン上に、説明者等の手、あるいは資料等の荷重がかかる。このため、スクリーンに十分な強度を持たせることが必要になる。
【0005】
(2)テーブル型投影装置においては、スクリーンが水平方向に配設されているため、外光、特に、天井に設置されている照明の影響を受けて、スクリーン上に投影された画像の解像度が低下し易くなる。このため、テーブル型投影装置を設置した部屋を暗くしないと鮮明な画像を投影できないという不具合があった。
【0006】
テーブル型投影装置についてこのような課題を解決するために、下記の特許文献1および2に記載の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−305079号公報
【特許文献2】特開2004−012712号公報
【特許文献3】特開2002−301264号公報
【0008】
特許文献1には、透過型スクリーンを机の天板を兼ねるように、透過型スクリーンを強化ガラスあるいは強化樹脂で構成した背面投写型表示装置が記載されている。さらに、特許文献1には、強化ガラス等から構成される透過型スクリーンの表面に、外光や周囲光の反射防止のため、反射防止コートを施すことが記載されている。
【0009】
特許文献2には、複数個のプロジェクタを用いて水平設置したスクリーン上に高解像度で画像を投影させるようにしたテーブル型ディスプレイ装置が提案されている。このテーブル型ディスプレイ装置に用いられているスクリーンは、撓みを少なくするための透明ベース部材と、複数個のプロジェクタから投射された光束を均一化する光学シートと、像を結像する拡散スクリーンとから構成することが記載されている。さらに、特許文献2には、透明ベース部材は合わせガラス、熱強化ガラスまたはアクリル板で構成し、光学シートはフレネルレンズ、レンチキュラーシートあるいはビーズスクリーンで構成し、拡散スクリーンは合わせガラスまたは熱強化ガラスに拡散層を設けた拡散スクリーンで構成することが開示されている。
【0010】
さらに、本出願人が先に出願した特許文献3には、透明なカード配置パネル上に載置されたトレーディングカードの裏面に記録された識別データを、筐体内に設置したイメージセンサにより読み取ってゲーム進行の制御を行うカードゲーム装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に記載の背面投写型表示装置は、スクリーンの強度を増加させるために強化ガラスを使用すること、および外光や周囲光の反射防止を行うために、この強化ガラスの表面に反射防止コートを施すことが開示されている。しかし、スクリーンに投影する画像の解像度をさらに向上させる手段については記載されていない。また、特許文献1に記載の背面投写型表示装置は、スクリーン上に載置されたカード等の情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像する手段を備えていない。
【0012】
上記特許文献2に記載のテーブル型ディスプレイ装置には、熱強化ガラス等からなる透明ベース部材の上面に光学シートを形成し、この光学シートの上面に拡散スクリーンを形成したスクリーンの構成が開示されているが、拡散スクリーンの具体的な構成、特に拡散層の構成については開示されていない。さらに、特許文献2に記載のテーブル型ディスプレイ装置は、特許文献1と同様に、スクリーン上に載置されたカード等の情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像する手段を備えていない。
【0013】
上記特許文献3に記載のカードゲーム装置に用いられているカード配置パネルは、トレーディングカードの載置と移動、およびこのカードの裏面に記録された識別データを赤外光により読み取って、ゲームの進行を制御する手段として使用されている。従って、特許文献3に記載のカード配置パネルは、カードゲームの進行に応じた演出用画像をこのカード配置パネルに表示して演出効果をより高くする手段として使用されるものではない。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記従来のテーブル型投影装置についてその使用目的を拡大するために、透過型スクリーン上に載置された情報記録媒体の裏面に印刷等により記録されている情報を撮像して、この撮像した情報を読み込む手段を備えているゲーム装置を提供することにある。このゲーム装置としては、特に、トレーディングカード等のプレイアイテムを用いたゲーム装置として実施することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
筐体と、
画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタと、
前記筐体内に配置され、前記プロジェクタから投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンに赤外光を投射する赤外光発光手段と、
前記透過型スクリーンを透過した赤外光を検出する赤外光検出手段と、
を有し、
前記筐体内には、
少なくとも前記プロジェクタと赤外光検出手段とが配置され、
前記透過型スクリーンは、
赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有することを特徴とする画像投影装置を備えたゲーム装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、次のような効果を有している。
本発明のゲーム装置を構成する透過型スクリーンは、赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有するので、赤外光は通過させ、可視光は拡散させる。これにより、プロジェクタから投射された投射光を透過型スクリーンに鮮明、かつ、高コントラストな画像を投影することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に採用しているテーブル型投影撮像装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1示す透過型スクリーンの構成を示す縦断面拡大図である。
【図3】図2に示す透過型スクリーンを構成する光拡散シート部材について、その表面に形成されている凹凸形状の一例を説明するための縦断面拡大図であって、(a)は台形状の凹凸形状、(b)は球形状の凹凸形状を形成した例を示す。
【図4】本発明の一実施形態を示すカードゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示すカードゲーム装置において、各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。
【図6】図5に示すカードゲーム装置の制御方式の一例を示す制御ブロック図である。
【図7】図5に示すカードゲーム装置が備えているカード配置パネルの平面図である。
【図8】カードゲーム装置に使用するカードの裏面に設けられたコードパターンの一例を示す図である。
【図9】図8に示すカードの裏面を赤外線カメラで撮像したときの画像の一例を示す図である。
【図10】図8に示すカードの裏面に記録されているIDデータ領域およびデータ領域のビットの開始位置を示す図である。
【図11】図8に示すカードの裏面に記録されているコードパターンに関するデータの配置例を示す図である。
【図12】図5に示すカードゲーム装置が備えているソフトウエアの構成例を説明するための図である。
【図13】図5に示すカードゲーム装置の動作を制御するゲーム動作制御プログラムの処理手順を説明するためのフローチャート図である。
【図14】同じく、ゲーム動作制御プログラムの処理手順を説明するためのフローチャート図である。
【図15】カードゲームを実行するときに、カードの配置画面の一例を示す図である。
【図16】カードゲームにおいて、カード配置パネルに戦闘画像を投影した画像例を示す図である。
【図17】連勝ボーナスゲーム挑戦の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明が採用しているテーブル型投影撮像装置1の構成を示す縦断面図である。このテーブル型投影撮像装置1は、例えば、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置、あるいは、カードゲーム装置におけるプレイフィールド、すなわち、トレーディングカードを載置し、さらに演出用画像を投影するカード配置パネルとして実施することができる。
【0019】
図1に示すテーブル型投影撮像装置1は、テーブル面2aを有する筐体2と、筐体2内に設置されたプロジェクタ3、赤外線撮像手段となる赤外線カメラ5、筐体2の上方部に設置された赤外光発光装置6、筐体2の下側傾斜部2bに設置されたミラー7、筐体2の上部開口部にテーブル面2aを形成するように設置された透過型スクリーン8から構成されている。また、プロジェクタ3にはそのレンズ部3aに、赤外光(赤外線)をカットするためのフィルタ4が装着されている。赤外光発光装置6としては、赤外光を発光するLED等を用いることができる。
【0020】
プロジェクタ3には、カラー等の画像データを記憶しているパーソナルコンピュータ13が接続されている。さらに、赤外線カメラ5には、撮像した画像データを解析する画像解析装置14が接続されている。また、赤外線カメラ5とパーソナルコンピュータ13とは接続可能になっている。なお、パーソナルコンピュータ13と画像解析装置14は、マイクロコンピュータ、あるいはパーソナルコンピュータ等から構成される1台の制御装置15として統合してもよい。
【0021】
プロジェクタ3は、液晶プロジェクタ等から構成されている。この種のプロジェクタは、画像を表示するための表示素子自体が発光するのではなく、スクリーン等の表示素子に対して光を照射するランプを必要とする。そして、プロジェクタは、画像データについてランプからの光により赤、青、緑の三原色にプリズム等で分光し、その光をRGBの各表示素子に照射して透過または反射させることにより、スクリーンに画像を投影するようになっている。プロジェクタ3に使用されているこのランプから照射される光には、可視光以外に、赤外光等の不可視光が含まれている。この赤外光は、赤外線カメラ5で画像を撮像するときに悪影響を与える。上記したプロジェクタ3のレンズ部3aに装着するフィルタ4は、プロジェクタ3から投射された投射光に含まれている赤外光をカットするために使用する赤外光カット用のフィルタである。
【0022】
赤外線カメラ5は、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されている情報(コードパターン等)を赤外光発光装置6から照射された赤外光により撮像するために設置されている。なお、画像投影装置を構成する透過型スクリーン8は、筐体2上にその向きが水平またはほぼ水平方向になるように設置されている。赤外線撮像手段となる赤外線カメラ5は、この他に赤外光を検出するイメージセンサ等の赤外光検出手段を使用することができる。そして、筐体2内には、少なくともプロジェクタ3と赤外線カメラ5等の赤外光検出手段を備えるようにする。
【0023】
赤外線カメラ5で撮像したデジタル画像データは、画像解析装置14に伝送され、撮像したコードパターン等に関する情報が解析される。なお、情報記録媒体17は、載置面にコードパターン等の情報が記録されているものであれば良く、トランプやトレーディングカード、チェスや将棋、フィギュアなどの遊技のためのアイテム(プレイアイテム)等をいう。このコードパターンとは、例えば、情報記録媒体17ごとに設定されている固有の識別コード等を示す。そして、画像解析装置14は、受信したデジタル画像データについてソフトウエア処理により画像解析を行って、情報記録媒体17の裏面に記録されている識別コードの判定、および透過型スクリーン8上に載置されている情報記録媒体17の向き等を判定する処理を行う。
【0024】
図1に示すように、ミラー7は、筐体2の下側傾斜部2bの傾斜角度αと同一になるように下側傾斜部2bに取り付けられている。さらに、プロジェクタ3と赤外線カメラ5とは、透過型スクリーン8の下方であって、ミラー7に対して同一の側に、かつ、互いに上下の位置関係になるように配設している。これにより、プロジェクタ3からの投射光の投光と、赤外線カメラ5による情報記録媒体17の裏面の撮像を共通の反射ミラー7を用いて行うことが可能になる。なお、図1に示す例では、赤外光発光装置6を筐体2の上方部に設置した例を示したが、ミラー7の傾斜角度αに応じて筐体2の下方部に設置することも可能である。
【0025】
なお、透過型スクリーン8に画像を投影するときには、パーソナルコンピュータ13等のソフトウエア処理により、パーソナルコンピュータ13の記憶装置に記憶している画像(動画像も含む)データがプロジェクタ3に送信される。そして、プロジェクタ3は、この画像データを光に変換してその投射光をレンズ部3aから投射する。プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射してスクリーン8上に画像を投影する。これにより、透過型スクリーン8の上方からこの透過型スクリーン8に投影された画像を見ることが可能になる。従って、スクリーン8は、透過型の(背面投影型)スクリーンになる。
【0026】
図2は、図1に示す透過型スクリーン8の構成を示す縦断面図である。図2に示すように、スクリーン8は、透明な板状のガラス製板基材9と、ガラス製板基材9の上面に形成された光拡散層10と、光拡散層10の上面に形成されたカーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを混合した層からなる可視光吸収層11と、可視光吸収層11の上面に配設された透明な可視光拡散シート部材12から構成される。透明な可視光拡散シート部材12は、透明なポリカーボネイト、あるいはアクリル等の合成樹脂製からなり、その上側表面には、その全領域にわたって微細な凹凸12aが形成されている。本発明において、透過型スクリーン8は少なくとも可視光吸収層11を備えるようにする。また、ガラス製板基材9は、強度が保たれればガラス製でなくとも、ポリカーボネイトあるいは他の合成樹脂、強化樹脂等を用いて製造された板基材であってもよい。
【0027】
図2に示す透過型スクリーン8を構成する透明な板状のガラス製基材9としては、透明な強化ガラス、耐熱ガラス等を使用することができる。また、プレゼンテーション時等において、ガラス製板基材9には説明者の手等の荷重がかかるので、ガラス製板基材9の厚さは少なくとも4mm〜6mm確保して十分な強度が得られるようにする。
【0028】
スクリーン8を構成する光拡散層10は、プロジェクタ3から投射されガラス製板基材9を通過した投射光を拡散させて画像を投影(表示)する作用を行うと共に、光を拡散させることによりスクリーン8面を明るくする作用を行うために設ける層である。この光拡散層10を設けることにより、テーブル型投影撮像装置1を設置した部屋が明るくても、スクリーン8に鮮明な画像が投影されることになる。
【0029】
光拡散層10は、透明なガラスあるいは透明な有機物質からなり、平均粒径が5μm〜10μmの微小ビーズ10aを含む透明な樹脂層から構成するようにする。また、この光拡散層10の厚さは、100μm〜500μmに設定するとよい。なお、ガラス製板基材9の上に光拡散層10を形成する方法としては、ガラス製板基材9の表面に接着剤を塗布した後、この接着剤上に微小ビーズ10aを、密度が高く、かつ、均一になるように分散させる。そして、これら分散させた微小ビーズ10a上にさらに接着剤を塗布することにより、光拡散層10を形成することができる。この接着剤としては、例えば酢酸ビニル系接着剤を使用することができる。また、この光拡散層10としては、予め上記微小ビーズ10aを含む透明な樹脂製シートをガラス製板基材9の上に透明な接着剤で接着してもよい。
【0030】
可視光吸収層11は、スクリーン8上に投影する映像のコントラストを高めるために設けられる。通常のスクリーンにおいては、カーボンを含む黒インクを適度に含有する可視光吸収層を設けている。しかし、カーボンを含む黒インクは赤外光を吸収する性質がある。本発明は、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されている情報を、赤外光発光装置6から投射された赤外光により撮像する手段を備えている。
従って、本発明を構成する可視光吸収層11は、カーボンを含まない透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインク(または顔料、染料)を混合したインクを厚さが100μm〜300μmになるように塗布して形成した層としたことに特徴がある。
【0031】
光拡散層10の上面に可視光吸収層11を形成する方法は、例えば、光拡散層10の表面にカーボンを含まない透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを混合した塗料を、スクリーン印刷法によりその塗布厚さが所望の値になるまで複数回塗布することにより可能になる。可視光吸収層11は、透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインク粒子を含有した層から形成されている。これにより、プロジェクタ3から投射された投射光に含まれている可視光のうち、色の三原色である黄、青、赤の波長、および不可視光は可視光吸収層11を透過し、黄、青、赤の波長に近似している波長は、可視光吸収層11により吸収される。また、透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを塗布した可視光吸収層11は中灰色になる。これにより、スクリーン8に投影した画像は、高コントラストの画像を得ることができるようになる。
【0032】
透明な可視光拡散シート部材12は、透明性と耐衝撃性が高い合成樹脂であるポリカーボネイト、あるいはアクリル樹脂等からなっており、その上側表面に微細な凹凸12aを設けている。なお、可視光拡散シート部材12の厚さは、100μm〜300μm程度のシートを用いる。可視光拡散シート部材12の表面に設けている微細な凹凸12aは、テーブル型投影撮像装置1の外部に設置されている照明等の外光からの可視光を拡散させる作用を行う。これにより、スクリーン8に投影された画像は、外光により影響されない鮮明な画像を得ることができるようになる。さらに、プロジェクタ3から投射された光もこの微細な凹凸12aにより拡散されるので、微細な凹凸12aはスクリーン8の表面を明るくする効果を発揮するようになる。
【0033】
可視光拡散シート部材12の上側表面に設けている微細な凹凸12aの形状は、断面形状で図3(a)に示すように、上面部に平面部13aを有する台形状凹凸13、あるいは、図3(b)に示すように、球形状凹凸16にするとよい。これら台形状凹凸13、球形状凹凸16の突出高さは、1μm〜10μm程度に形成する。なお、台形状凹凸13、球形状凹凸16の形成方法は、例えば、表面に台形状凹凸13、あるいは球形状凹凸16と逆の凹凸面を形成したロールと表面が鏡面状態をなすロールとの間に適切な加圧力を付加しながら、加熱したポリカーボネイト製等のシートを通過させて塑性加工(圧延)することにより可能である。
【0034】
次に、情報記録媒体17の裏面に記録されている情報について説明する。この情報とは、情報記録媒体17ごとにその識別コード等を表すコードパターン、さらに、この情報記録媒体17がスクリーン8上に載置されたときに、情報記録媒体17の中心位置や向きを判別するためのパターンに関する情報のことを示す。そして、情報記録媒体17の裏面に、上記した情報を直接に印刷、あるいは、これらの情報を印刷したシール等を貼り付けることにより、情報記録媒体17ごとに情報を記録するようにする。
【0035】
さらに、上記した情報について詳細に説明する。情報記録媒体17の裏面の所定領域には、赤外光を照射するとこの赤外光を吸収する顔料または染料を含むインクと、赤外光を反射する顔料または染料を含むインクを用いてコードパターン等の情報を印刷する。なお、赤外光を反射するインクについては、情報記録媒体17の裏面の材質が赤外光を反射する特性を持つものであれば、赤外光を吸収するインクの印刷のみで良いし、逆に情報記録媒体17の裏面の材質が赤外光を吸収する特性を持つものであれば、赤外光を反射するインクの印刷のみで良い。この印刷されたコードパターンは、人間の目で見た場合には認識することはできないインクで印刷することも可能である。そして、情報記録媒体17の裏面に赤外光発光装置6により赤外光を照射して赤外線カメラ5で撮像すると、赤外光を反射する部分は白く撮像し、赤外光を吸収する部分は黒く撮像することができる。また、赤外線カメラ5で撮像したデジタル画像データについて、「白」か「黒」か、を判定するための適切な2値化の閾値を設定する。このようにして、画像解析装置14はプログラム処理により、情報記録媒体17の裏面に記録されている情報から、コードパターン(識別コード)、および情報記録媒体17がスクリーン8の座標系における位置やその向き等、を判定することが可能になる。
これにより、情報記録媒体17の裏面に情報が記録されている部分は平面状をなし、裏面から見た情報記録媒体17全体の平面視形状は、如何なる形状をなしていてもよい。
【0036】
続いて、図1に示すテーブル型投影撮像装置1の作用について説明する。
プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射して透過型スクリーン8に投影される。一方、赤外光発光装置6から照射された赤外光は、透過型スクリーン8を構成する可視光拡散シート部材12の上面に載置されている情報記録媒体17の裏面に達する。情報記録媒体17の裏面には、前記のように、コードパターンを表すインクが印刷されている。そして、赤外光を反射するインクが印刷されている領域に赤外光が照射されると、この赤外光は反射してミラーに達する。ミラー7に達した赤外光は、ミラー7により反射して赤外線カメラ5のレンズに達する。これにより、赤外線カメラ5は、情報記録媒体17の裏面に印刷され赤外光を反射する領域の画像をリアルタイムに撮像し、かつ、撮像した画像をデジタル画像データとして、画像解析装置14に送信する処理を行うことができる。
【0037】
このように、ミラー7は、プロジェクタ3から投射された投射光を反射させて透過型スクリーン8に画像を投影する機能と、情報記録媒体17の裏面で反射した赤外光を筐体2内で反射させて赤外線カメラ5により撮像するための機能を兼ねている。これにより、筐体2内には1個のミラー7のみを配設すればよいので、プロジェクタ3からの投射光を透過型スクリーン8へ反射させる反射率、および、赤外光発光装置6から照射された赤外光が情報記録媒体17の裏面で反射して赤外線カメラ5のレンズに集光する率を向上させることが可能になる。
【0038】
透過型スクリーン8は、プロジェクタ3から投射された投射光、および赤外光発光装置6から照射された赤外光に対して、下記の作用を行なことにより、スクリーン8に鮮明に、かつ、高コントラストで画像を投影することが可能になる。さらに、赤外線カメラ5により情報記録媒体17の裏面に印刷されたコードパターンに関して鮮明な画像を撮像することが可能になる。
【0039】
まず、プロジェクタ3から投射された投射光は、透明なガラス製板基材9を透過して光拡散層10に達する。光拡散層10は、平均粒径が5μm〜10μmの透明なガラスあるいは有機物質製の微小ビーズ10aが配列した透明な樹脂層、または透明な樹脂製シートから構成されている。これにより、プロジェクタ3から投射された投射光が光拡散層10に進入すると、この光は微小ビーズ10a内を通過することにより拡散して画像を投影して可視光吸収層11に達する。このように、プロジェクタ3から投射された光が透明な微小ビーズ10aにより拡散すると、光拡散層10の明るさを向上させる効果も発生させる。従って、テーブル型投影撮像装置1が明るい部屋に設置されていても、プロジェクタ3から投射された投射光についてスクリーン8の光拡散層10に鮮明な画像を投影することが可能になる。
【0040】
可視光吸収層11は、カーボンを含有しないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなる顔料または染料のインクを混合した層から形成されている。カーボンは赤外光を吸収する性質があるが、可視光吸収層11はカーボンを含有していないので、光拡散層10を透過した赤外光は、可視光吸収層11によって吸収されることなく可視光拡散シート12に達することになる。そして、情報記録媒体17の裏面に赤外光を反射する顔料が印刷されている領域に赤外光が照射されると、赤外光は減衰することなく情報記録媒体17の裏面とミラー7により反射して赤外線カメラ5に達する。これにより、赤外線カメラ5は情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されているコードパターンに関する画像を鮮明に撮像することができる。なお、赤外線カメラ5で情報記録媒体17の裏面を撮像すると、赤外光を反射するインクで印刷されている領域は「白色」、赤外光を吸収するインクで印刷されている領域は「黒色」として撮像するようにする。
【0041】
また、可視光吸収層11は、カーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなる透過型インクを混合した層から構成されている。イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなるインクを混合すると中灰色になる。これにより、光拡散層10に投影された画像はこの中灰色をなす可視光吸収層11により、プロジェクタ3で黒などの暗い画像を表示する場合などに、目立つような漏れた光を吸収することができるので、黒浮きを抑えた高コントラストの画像を形成することができるようになる。
【0042】
さらに、透明な可視光拡散シート部材12の上側表面には、微細な凹凸12aが形成されている。この微細な凹凸12aは、テーブル型投影撮像装置1が設置されている部屋の照明等からの外光を拡散させる作用を行うので、光拡散層10に形成された画像は、外光により影響されない鮮明、かつ、スクリーン上において明るさが均一な画像を得ることができるようになる。
【0043】
また、ガラス製板基材9を除いた透過型スクリーン8を構成する光拡散層10、可視光吸収層11、可視光拡散シート部材12の厚さは合計しても1mm以下と、極めて薄くすることが可能である。これにより、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターン等に関する情報を、赤外線カメラ5を用いて高精度で撮像して認識することができるようになる。
【0044】
さらに、テーブル型投影撮像装置1を構成する透過型スクリーン8は、ゲーム装置等においてゲームを実行するテーブルとして使用することができる。例えば、透過型スクリーン8は、このスクリーン8上にプレイアイテムである情報記録媒体(トレーディングカード等)17を載置して、このプレイアイテム17を、可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させるカードゲーム装置のカード配置パネルとして使用することができる。このように、テーブル型投影撮像装置1をカードゲーム装置のカード配置パネルとして実施する場合、透明な可視光拡散シート部材12の上側表面には微細な凹凸12aが形成されているので、可視光拡散シート部材12の上側表面に情報記録媒体17の摩擦や張り付きを防止することが可能になる。これにより、情報記録媒体17を可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させる操作、および情報記録媒体17を取除く操作等が極めて円滑になる。
【0045】
画像解析装置14は、赤外線カメラ5から1フレーム分の画像データを受信すると、ソフトウエア処理により、情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターン(識別コード)等の情報を判定する。この判定処理は、例えば、次の手順(1)〜(4)の手順により行うことができる。
【0046】
(1)画像解析装置14の画像解析プログラムに、情報記録媒体17の裏面に印刷する標準の画像パターンに関するデータを予め登録しておく。この標準の画像パターンには、例えば、画像の中心位置を示す画像(例えば、所定の大きさを有する円形画像)、情報記録媒体17の向きを判別するための画像等を「白」と「黒」で表現する。
【0047】
(2)まず、受信した1フレーム分の画像データについて、「白」の領域と、「黒」の領域を特定する処理を行う。前記したように、赤外光を反射するインクが印刷された領域を赤外線カメラ5で撮像すると「白色」の領域、その他の部分は「黒色」であると判定する処理を行う。このためには、撮像した画像の画素データについて「白色」と判定するための閾値を予め設定しておく必要がある。そして、この閾値に基づいて「白色」と判定できる閾値を有する画素データは「白色」と判定し、これ以外の画素データは「黒色」と判定する処理を行う。このような処理により、赤外線カメラ5が撮像した1フレームの画素データについて、「白色」と「黒色」の2値化された画像データを求め、この画像データを画像解析装置14の記憶装置に記憶する。
【0048】
(3)続いて、透過型スクリーン8の上に、情報記録媒体17が載置されているか否かを判定する。この判定は、画像の中心位置を示す画像が、1フレーム分の画像データに含まれているか否かを判定することにより可能である。そして、透過型スクリーン8上に情報記録媒体17が載置されていると判定した場合には、標準の画像パターンとして予め登録している向きを判別する画像パターンと比較して、情報記録媒体17が載置されているスクリーンの座標形系に対する向きを求める処理を行う。この処理により、透過型スクリーン8に載置されている情報記録媒体17の位置(座標)と向きを検出することができる。そして、この向きの判定処理が終わると、この情報記録媒体17を撮像した画像データについて、スクリーン座標系に対して傾きが0の画像データに変換して記憶装置に記憶する。なお、スクリーン座標系は、赤外線カメラ5が透過型スクリーン8を撮像する長方形の範囲を考慮して、原点位置とXY軸方向に所定の長さを有する2次元座標を予め設定しておく。
【0049】
(4)続いて、情報記録媒体17に記録されているコードパターンに関する情報の解析を行う。情報記録媒体17の裏面には、中心位置から所定の範囲内の領域に所定の形状でコードパターンを記録しておくことにより、例えば、次のようにしてこのコードパターンに関する情報を解析することができる。
【0050】
(4−1)まず、コードパターンが記録されている領域について、順次、「黒色」と「白色」の順で記憶されているか、「白色」と「黒色」の順で記憶されているかを判定する。そして、「黒色」と「白色」の順で記憶されている場合には「1」と判定し、「白色」と「黒色」の順で記憶されている場合には「0」と判定する処理を行う。このようにして、コードパターンが記録されている全領域について、「0」と「1」で表される2進数の数値情報を判定することができる。
【0051】
(4−2)上記(4−1)の手順で解析した2進数の情報を10進数の数値、あるいは英数字として変換する処理を行う。
上記のような(1)〜(4)の手順により、情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターンに関する情報、例えば、情報記録媒体17に付与されている固有の識別コードを読み取ってその内容を判定(解析)することができる。
【0052】
テーブル型投影装置1は、前記したように、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置、あるいはカードゲーム装置のカード配置パネルとして実施することができるが、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置として使用する場合には、例えば、次のような使い方を行うことができる。
【0053】
すなわち、プレゼンテーションの場においては、各種の画像をプレゼンテーションする必要がある。そして、質問等に応答するために、これまで説明していた画像とは別のファイル名を付与した画像データを透過型スクリーン8に投影しようとすると、パーソナルコンピュータ13の操作が必要になる。このようなとき、説明者は情報記録媒体17を透過型スクリーン8に載置する。情報記録媒体17の裏面には、予めこの画像データを記憶しているファイル名を識別するための番号のパターンを印刷しておく。そして、赤外線カメラ5がこの番号のパターンを撮像し、画像解析装置14に搭載されているソフトウエアは、撮像した画像データについてその番号を判定する処理を行う。これにより、画像解析装置14は、パーソナルコンピュータ13に対して、情報記録媒体17により指示された画像データを自動的に投射するように制御することが可能になる。
【0054】
続いて、上記したテーブル型投影撮像装置1を適用した本発明のゲーム装置について説明する。
図4は、本発明のゲーム装置を、カードゲーム装置21として実用化したときの全体構成を示す斜視図、図5はこのカードゲーム装置において各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、カードゲーム装置21を戦乱バトルゲームに適用した場合について説明するが、サッカーゲームを含むその他のカードゲームにも適用することができる。
【0055】
図4および図5に示すように、カードゲーム装置21は、1台または2台の大型パネルディスプレイ22と、この大型パネルディスプレイ22の表示制御を行うメイン制御部23と、メイン制御部23と通信可能に接続された複数の端末装置24a〜24hとから構成される。端末装置24a〜24hの各1台は、本発明のゲーム装置を構成する。なお、この端末装置24a〜24hの各1台は、図1に示す制御装置15になる。
【0056】
大型パネルディスプレイ22は、刻一刻と変化する現在の勢力地図、天下統一を果たしたプレイヤの「歴代皇帝」としての紹介、皇帝ランキング等の画像等を表示するために使用される。
【0057】
初めてゲームに参加するプレイヤPは、最初にゲームを行うために必要なスタートセットを購入して端末装置24a〜24hの席に着席する。このスタートセットには、戦闘結果等を記録する記録媒体として使用されるICカード25と、各部隊を率いる武将等のイラストなどが印刷された複数枚のカード17が含まれている。このカード17は、カードゲームを行うためのプレイアイテム、すなわち、トレーディングカードとなるものであり、以下の説明ではこのプレイアイテムをカード17と表現する。なお、カード17は、前記図1の構成で説明した情報記録媒体17を示すものである。
【0058】
ICカード25は、少なくとも当該プレイヤが所有するカード17の種類、およびカード17の裏面に印刷等により記録されている識別コードに対応する武将等の特性、例えば、武力が強く「突撃」に強い、知力が強く「計略」に強い等、および過去の戦闘結果や、プレイヤの名前(愛称)等のプレイヤ情報が記憶されている。これにより、カードゲーム装置21は、ICカード25に記憶されている情報を読み取ることによりゲームに必要なデータを得ることができると共に、プレイヤPがゲームに参加する資格を有していることを確認することができる。
【0059】
カード17は、その表面にそれぞれ異なる武将等のイラスト等が印刷されている。またその裏面には、後記するように、表面に印刷された武将等を識別するための識別コードがコードパターンとして印刷されている。
【0060】
端末装置24a〜24hは、それぞれ同一の構成からなっているので、図5に示す端末装置24aについて説明する。端末装置24aは、プレイヤPが所有するカード17を載置するためのカード配置パネル27と、戦闘の画像等を表示するモニタ28と、ICカード25が挿入されるICカードリードライト装置29と、コイン投入装置29aと、1ゲームの実行に対応して、プレイヤPに新規なカード17を払い出す(発行する)カード払出装置30とを備えている。カード配置パネル27は、前記した図1に示すテーブル型投影撮像装置1の透過型スクリーン8と同一の構成になっている。
【0061】
なお、これら端末装置24a〜24hの各1台が本発明のゲーム装置を構成する。また、端末装置24a〜24hを操作するプレイヤ同士間で、互いに相手を対戦者(対戦相手)としてゲームを実行することが可能である。さらに、プレイヤは自分が操作する端末装置24a等を対戦者としてゲームを実行することもできる。コイン投入装置29aは、コイン投入口と投入されたコインを検出するセンサとを有し、プレイヤPがゲームを開始するときにゲーム料金を徴収するゲーム料金徴収手段となる。図5においては、コイン投入装置29aは、ICカードリードライト装置29と一体化した構造を示しているがそれぞれ別体の構造にしてもよい。
【0062】
カード配置パネル27の左側には、プレイヤPの名前入力やメニュー選択時にカーソルを動かすために用いるセレクトボタン31が設けられている。また、カード配置パネル27の右側には、「計略」、「突撃」、「一騎打ち」等を行う際に押圧するアクションボタン32やスタートボタン等の各種ボタンスイッチが設けられている。
【0063】
続いて、カードゲーム装置21の制御機構について説明する。図6は、カードゲーム装置21の制御システムの一例を説明するためのブロック図である。メイン制御部23は、LAN(Local Area Network)33のハブ34を介して大型パネルディスプレイ22を表示制御するための大型パネル制御部35と、各端末装置24a〜24hと、外部の通信ネットワーク(図示せず)とに接続されている。
【0064】
大型パネル制御部35は、CPU36、記憶装置(メモリ)であるRAM37、入出力インタフェース38、サウンド回路39、グラフィック表示回路40を有する制御基板等から構成される。RAM37には、大型パネルディスプレイ22に表示される各種の画像データ、およびこれらの画像データを選択して優先順位を決めて順次表示させる制御を行う画像出力制御プログラムが格納されている。
【0065】
入出力インタフェース38は、ハブ34を介してメイン制御部23に接続されると共に、大型パネルディスプレイ22を操作するためのスイッチ類41等が接続されている。サウンド回路39は、大型パネルディスプレイ22に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)42に接続されている。なお、音声データおよびこの音声データをスピーカ42に出力するための音声出力制御プログラムもRAM37に記憶されている。グラフィック表示回路40は、CPU36からの制御信号により選択された画像を大型パネルディスプレイ22に表示させる。
【0066】
端末装置24a〜24hは、CPU43、RAM(メモリ)44、入出力インタフェース45、サウンド回路46、グラフィック表示回路47を有する制御基板等から構成される。RAM44には、モニタ28に表示される各種画像データ、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27に画像を表示するための画像データ、およびこれらの画像データを表示させる制御を行う画像出力制御プログラム、カードゲーム装置21によりゲームを実行するとき、ゲームの進行を制御するためのゲーム動作制御プログラムPが格納(記憶)される。さらに、RAM44には、プレイヤPが操作する端末装置24a等を対戦者としてゲームを実行するための戦闘データ等も記憶される。この戦闘データとしては、プレイヤPの対戦相手となる各武将の識別コードとその特性が記憶されている。
【0067】
入出力インタフェース45には、メイン制御部23の他に、ICカードリードライト(ICカードR/W)装置29、コイン投入装置29aのコイン検出センサ(図示せず)、タイマー29b、カード払出装置30、セレクトボタン31やアクションボタン32およびモニタ28を操作するためのスイッチ類等、カード17の裏面に印刷されたコードパターンを読み取るための赤外線カメラ5、カード配置パネル27に画像を投影するためのプロジェクタ3、等が接続されている。なお、タイマー29bは経過時間をカウントする手段として用いるが、プログラムにより経過時間をカウントするソフトウエアタイマーを採用してもよい。なお、赤外線撮像手段としては、前記したように、赤外線カメラ5の他に、赤外光を検出するイメージセンサ等の赤外光検出手段を使用することができる。
【0068】
サウンド回路46は、モニタ28に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)50に接続されている。なお、音声データおよびこの音声データをスピーカ50に出力するための音声出力制御プログラムもRAM44に記憶される。グラフィック表示回路47は、CPU43からの制御信号により選択された画像をモニタ28に表示させる。
【0069】
図7は、カード配置パネル27を上方からみた平面図を示し、長方形の形状をなしている。また、カード配置パネル27を取り付けた筐体2の縦断面図は、前記した図1に示すテーブル型投影撮像装置1の構成と同一にされている。さらに、カード配置パネル27の断面構成は、図2に示す透過型スクリーン8の構成と同一にされている。
【0070】
すなわち、カード配置パネル27は、図1に示すように、筐体2の上面開口部を塞ぐように取り付けられた透過型スクリーン8と同一構成となっている。そして、このカード配置パネル27は、前記したように、透明な板状のガラス製板基材9と、ガラス製板基材9の上面に形成された光拡散層10と、光拡散層10の上面に形成され、カーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなるインクを混合した層からなる可視光吸収層11と、可視光吸収層11の上面に配設された透明な可視光拡散シート部材12から構成される。可視光拡散シート部材12の上側表面には、微細な凹凸12aが形成されている。
【0071】
プレイヤPは、ゲームを行う際にこのカード配置パネル27を構成する可視光拡散シート部材12の上面にプレイアイテムとなるカード17を載置する。また、プレイヤPが、例えば、他の端末装置24bを操作するプレイヤと対戦する場合には、それぞれの端末装置の可視光拡散シート部材12上に自分のカード17を載置する。
【0072】
筐体2の内部には、図1と同様に、カード配置パネル27上に載置されたカード17の裏面に赤外線(不可視光)を照射する赤外光発光装置6と、赤外光発光装置6から照射された赤外光について、カード17の裏面で反射した反射光を赤外線カメラ5のレンズ方向に反射させるミラー7と、透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に画像を投影するためのプロジェクタ3が設置されている。なお、プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射して透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に画像を投影する。そして、プレイヤPはこの投影された画像を、カード配置パネル27の上方から見ることができる。
【0073】
なお、カード配置パネル27に投影される画像は、RAM44に記憶されているゲーム動作制御プログラムPの制御に基づいて、例えば、ゲームの演出効果を高めるために、プレイヤPがカード配置パネル27上を擦りながらカード17を移動させると、その移動量に応じて逐次変化する戦場場面に関する画像等を表示するようにする。
【0074】
筐体2は、下側傾斜部2bを有するため、プレイヤPが着席したとき、プレイヤPの足が下側傾斜部2bの下方に挿入させることができる。これにより、プレイヤPは、カード配置パネル27上にカード17を並べる際にカード配置パネル27の奥の位置まで手を伸ばすことが可能になり、カード配置パネル27の全面のどこでもカード17を載置することができる。また、密閉された筐体2の内部には、赤外光発光装置6から赤外光(不可視光)がカード配置パネル27に照射されているため、カード配置パネル27の上から筐体2の内部を覗くことはできないようになっている。
【0075】
図8は、カード17の裏面に印刷により記録されたコードパターンの一例を示す。カード17の裏面には、半径が異なる複数のパターンからなるコードパターン170が印刷されている。このコードパターン170は、カード位置検出円172と、カード位置検出円172の外周に形成された位置角度検出パターン領域174と、位置角度検出パターン領域174の外側に形成されたIDデータ領域176と、カード位置検出円172の内側に形成された環状白色領域178と、環状白色領域178の内側に形成されたデータ領域180と、データ領域180の内側に形成された中心点182とを有している。コードパターン170は、赤外線カメラ5により黒色部分170aと白色部分170bとの濃度差によって認識される。
【0076】
なお、コードパターン170は、可視光では識別することができないインクを使用して印刷されているので、プレイヤは直接視認することができないようになっている。そのため、プレイヤあるいはその他の者が、コードパターン170に細工してコードパターン170の改造、あるいはコードパターン170を似せたカードの偽造が防止されるようになっている。
【0077】
さらに、コードパターン170には、カード位置検出円172と、位置角度検出パターン領域174と、IDデータ領域176と、環状白色領域178と、データ領域180とが中心点182を中心とした同心円状に形成されており、カード6の短辺よりも大きい半径となるIDデータ領域176は円弧状に湾曲した形状に形成されている。すなわち、IDデータ領域176では、長方形のカード面に対し、短辺部分よりも大径な半径に位置する最外周の円形パターンのうち、一部が円弧状に記録されているため、カード面の全面積を有効に使用することができる。
【0078】
図9は、カード17の裏面を赤外線カメラ5で撮像したときの画像例を示す図である。
図9に示すように、コードパターン170を赤外線カメラ5で撮像すると、黒白部分を「1」と認識し、白黒部分を「0」と認識するように処理することができる。
【0079】
図9に示すIDデータ領域176およびデータ領域180の白色部分は、ハッチングで示す部分であるが、空白ではなく、黒色部分との組合せで所定の情報を表示している。すなわち、上記黒色部分と白色部分との組合せで表示されている領域が、1ビットの信号として抽出できるような構成にされている。
なお、各半ビット(一つの黒色部分または白色部分を示す)が赤外線カメラ5で撮像された画像データの画面上の領域において、例えば、6ドットで表現するように設定することができる。
【0080】
なお、カード17のコードパターン170とコード中心点182の検出は、カード位置検出円172の内側と外側との輝度差により行う。そのため、カード位置検出円172の内側と外側には白色領域が環状に形成されており、これによりカード位置検出円172内周および外周との輝度差が明確化されている。カード位置検出円172は、円であるため、カード17の向き(位置角度)に関係なくカード位置検出円172を検出することができる。これにより、例えば、この長方形をなすカード17の中心位置について、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系に対する座標を判定(検出)することが可能になる。
【0081】
また、コードパターン170の位置角度(カード17の向き)の検出は、カード位置検出円172の外周より外側に放射状に突出する位置角度検出パターン領域174の突部174a〜174dの円周方向間隔を検出して判別する。そのため、各突部174a〜174dの円周方向の間隔は、等間隔とせず、各間隔が異なるようにして、その間隔を検出することにより当該カード17の位置角度、すなわち、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系に対する向きを判別することができる。
【0082】
また、各ビットの値は、隣り合った2つの半ビット領域の輝度差で判定する。例えば、前記したように、「黒色」と「白色」の順で記憶されている場合には「1」と判定し、「白色」と「黒色」の順で記憶されている場合には「0」と判定する処理を行う。なお、各領域の輝度を求める際には、ピンぼけや位置・角度検出時の誤差の影響を少なくするために、境界ぎりぎりの部分の領域は使用せず、各領域の中心部の輝度を抽出するようにする。
【0083】
図10に示すように、IDデータ領域176およびデータ領域180のビットの開始位置S1〜S4は、各カード6により異なるようにしている。また、図11に示しているように、IDデータ領域176およびデータ領域180には、パターンデータ0〜15からなる16ビットの情報が得られる。さらに、各パターンデータ0〜15は、上記したように黒色部分と白色部分とからなり、赤外線カメラ5で撮像された画像データの中から識別し易くするために、黒色部分および白色部分の一つの面積が大きく設定されており、データの誤認識が防止されている。
【0084】
続いて、端末装置24a〜24hのRAM44に記憶され、カードゲーム装置21の動作を制御するソフトウエアの構成について説明する。図12は、カードゲーム装置21の動作を制御するゲーム動作制御プログラムPについてその構成例を示す図である。
【0085】
図12に示すように、カードゲーム装置21の動作を制御するゲーム動作制御プログラムPは、メイン制御プログラム部P1、入出力制御プログラム部P2、部隊制御プログラム部P3、計略制御プログラム部P4、画像制御プログラム部P5、音声出力制御プログラム部P6から構成される。このゲーム動作制御プログラムPは、本発明におけるゲーム動作制御手段を構成する。
【0086】
メイン制御プログラム部P1は、カードゲーム装置21の動作を統括して制御するためのプログラムとこの統括制御に必要とされるサブプログラムから構成されている。メイン制御プログラム部P1は、メイン制御プログラムP1a、入力信号解析プログラムP1b、ゲーム料金設定プログラムP1c、ゲーム実施認可プログラムP1d、等のサブプログラムを含んでいる。
【0087】
メイン制御プログラムP1aは、カードゲーム装置21の電源をONした後に実行され、ゲームの全体の流れを制御するためのプログラムである。メイン制御プログラムP1aには、カードゲーム装置1の電源をONしたときに、プログラム内で使用する変数の値を記憶するRAM44のメモリ領域の初期化、およびモニタ28に初期画面を表示するための初期化プログラムも含まれている。また、メイン制御プログラムP1aは、プレイヤPが他の端末装置24b等の1台を操作するプレイヤと対戦するために、他の端末装置24b等とデータ通信するための通信制御プログラムも含んでいる。
【0088】
入力信号解析プログラムP1bは、ICカードリードライト装置29、コイン投入装置29a、赤外線カメラ5、セレクトボタン31、アクションボタン32等から信号が入力されたときに、その入力信号(割込み信号等)を解析してその処理を各サブプログラムに移管させるためのプログラムである。
【0089】
ゲーム料金設定プログラムP1cは、プレイヤPがゲームを行うときに、1ゲームの料金を設定するためのプログラムである。このゲーム料金設定プログラムP1cは、例えば、プレイヤPがゲームを行って「勝利」を獲得すると、引き続いて次のゲーム(連勝ボーナスゲーム)の実行に挑戦する権利が認可され、これに挑戦するか否かは選択可能にする。そして、プレイヤPがこの連勝ボーナスゲームへの挑戦を選択した場合には、このゲーム料金は通常料金に対して割引料金を設定する処理を行う。さらに、この1回目の連勝ボーナスゲームで「勝利」を獲得すると、2回目の連勝ボーナスゲームにも挑戦可能にし、この2回目の連勝ボーナスゲームのゲーム料金は、さらに割引料金を設定するような処理を行う。
【0090】
ゲーム実施認可プログラムP1dは、プレイヤPがコイン投入装置29aにコインを投入した数(個数)をカウントして投入コイン数を記憶する処理、すなわち、投入コイン数をゲーム料金として引き当てることができるコイン貯留個数として把握する処理と、このコイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金(クレジット)を満たしているか否かを判定する処理等を行うプログラムである。そして、この判定により、コイン貯留個数(投入コイン個数)が1ゲームのゲーム料金を満たすとゲームの実行を許可する処理を行なう。また、満たしていない場合には、モニタ28にコイン投入必要数を表示させる処理を行う。
また、図12には示していないが、メイン制御プログラム部P1には、プレイヤPが操作する端末装置をプレイヤPの対戦相手としてゲームを実行するための制御プログラムである対戦プログラムも含まれている。
【0091】
入出力制御プログラム部P2は、入出力インタフェース45に接続されている上記した各種ボタンスイッチ等、ICカードリードライト装置29の入力機器やセンサからの入力信号に基づいて所定の処理を行うプログラムと、ICカードリードライト装置29、カード払出装置30等への出力を制御するためのプログラムから構成されている。図12に示すように、入出力制御プログラム部P2は、ICカードリードライトプログラムP2a、ボタン入力処理プログラムP2b、カード情報読み込みプログラムP2c、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2d、カード払出装置制御プログラムP2e、等のサブプログラムを含んでいる。
【0092】
ICカードリードライトプログラムP2aは、ICカードリードライト装置29の作動を制御して、ゲームを実行するときにプレイヤPが所有しているICカード25に記憶されているデータを読んでRAM44に記憶する処理、およびゲーム結果である戦闘結果に関するデータをICカード25に書き込む処理等を行うプログラムである。ボタン入力処理プログラムP2bは、セレクトボタン31、アクションボタン32等から信号が入力されたときに、それぞれの入力信号に基づいた処理を行うためのプログラムである。
【0093】
カード情報読み込みプログラムP2cは、ゲームを行う際にプレイヤPがカード配置パネル27上にカード17を載置したときに、赤外線カメラ5により撮像した画像データを「白」「黒」の2値化画像データに変換し、さらに、このカード17の裏面に印刷されているコードパターン170に関する画像データを抽出して、この抽出したデータをRAM44に記憶する処理を行うプログラムである。
【0094】
カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dは、上記抽出したコードパターン170に関する画像データを解析して、カード配置パネル(透過型スクリーン)27上に設定されている2次元座標系に対するカード17の位置、向き、等を検出する手段であって、検出した座標等の値をRAM44に記憶する。なお、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系は、赤外線カメラ5が撮像するカード配置パネル27の長方形の領域内に設定し、その原点位置も適切な位置に設定する。そして、RAM44に記憶した1フレーム分の画素データについて、カード配置パネル27上の原点位置がどの画素データ(記憶番地)に該当するかを予め検証し、1フレームの画像データの原点位置を示す記憶番地をプログラム内に記憶しておく。これにより、赤外線カメラ5が撮像した画像データから、カード配置パネル27の2次元座標に対して、カード17が載置されている位置の座標と向き検出することができる。
【0095】
また、本発明においては、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dを所定の時間間隔、例えば、16ミリ秒ごとに作動させて、プレイヤPがカード17を移動させたときに、その移動の検出とその移動量についても求めるようにしている。
【0096】
カード払出装置制御プログラムP2eは、メイン制御プログラムP1の制御に基づいて、プレイヤPに対して新たなカード17をカード払出装置30から払い出す制御を行うためのプログラムである。
【0097】
部隊制御プログラム部P3と計略制御プログラム部P4は、ゲームの戦闘場面においてプレイヤPがカード配置パネル27上に載置したカード17を、配置パネル27上を擦りながら移動させて攻撃等の操作を行ったときに、上記したカード17の移動量、向き等からその戦闘を制御し、さらに、プロジェクタ3を作動して透過型スクリーンから構成されるカード配置パネル27にこの戦闘画像を投影するための制御を行うプログラムである。
【0098】
部隊制御プログラム部P3は、カード17に記録されている識別コード等のカード情報に基づいてそのカード17により表される部隊の制御を行うプログラムである。この部隊制御プログラム部P3は、カード17の位置に応じてカード種類別に部隊の位置を変更する位置変更処理(カード種類別)プログラムP3a、カード17の角度(向き)に応じて部隊のパラメータ(攻撃力、射程距離、防御力等)を変更するパラメータ変更処理(角度対応)プログラムP3b、カード17の角度(縦向き、横向き等)に応じて部隊の種別(槍部隊、弓部隊等)を変更する種別変更処理(角度対応)プログラムP3c、プレイヤPがカード17をカード配置パネル27上で移動させるために擦る操作を行ったことを、上記解析処理プログラムP2dによる位置の変化から検出し、このカード17により表される部隊が選択されたことを判定するカード選択判定プログラムP3d、等のサブプログラムから構成される。
【0099】
計略制御プログラム部P4は、カード17に記録されているカード情報およびアクションボタン32の操作に応じて計略(火炎により敵にダメージを与える火炎戦略等)の制御を行うプログラムである。この計略制御プログラム部P4は、上記カード選択判定プログラムP3dにより選択判定されたカード17に対応する部隊が計略を使える状態(士気が所定のレベルにたまった場合)になっている場合に、このカード17の角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤPに選択させる目標選択制御処理プログラムP4a、計略の効果範囲を判定する効果範囲判定処理プログラムP4b、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する計略実行処理プログラムP4c、等のサブプログラムから構成される。
なお、計略実行処理プログラムP4cには、ゲームを実行した結果の勝敗を判定する勝敗判定手段となるプログラムも含まれている。
【0100】
画像制御プログラム部P5は、メイン制御プログラム部P1、部隊制御プログラムP4および計略制御プログラム部P5等の各プログラムの制御に基づいて、モニタ28および透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に、ゲームの進行に応じて各種の演出画像を出力するためのプログラムから構成される。この画像制御プログラム部P5は、タイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5a、準備画面制御プログラムP5b、戦闘準備画面制御プログラムP5c、戦闘画面制御プログラムP5d、結果発表画面制御プログラムP5e、スクリーン投影制御プログラムP5f、表示画像生成プログラムP5g、等のサブプログラムを備えている。
【0101】
タイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5aは、メイン制御プログラムP1aの制御により、ゲームを開始するときに、モニタ28にゲームのタイトルおよび広告等の表示を行うためのプログラムである。準備画面制御プログラムP5bは、モード選択画面、カード登録画面、兵法選択画面、対戦相手のマッチングを行う大陸表示画面、戦闘結果画面、戦闘結果に応じた位の昇格・降格画面、討伐画面等の準備画面をモニタ28に表示するためのプログラムである。
【0102】
戦闘準備画面制御プログラムP5cは、対戦者紹介画面、カード配置画面等の戦闘準備画面をモニタ28に表示するためのプログラムである。戦闘画面制御プログラムP5dは戦場の全体的な演出画像をモニタ28に表示するためのプログラムであり、結果発表画面制御プログラムP5eは戦闘結果に応じた経験値取得画面および戦闘結果閲覧画面、プレイヤPに新規カードの排出を告知(報知)するカード払出画面等をモニタ28に表示するためのプログラムである。
【0103】
スクリーン投影制御プログラムP5fは、RAM44に記憶されている画像データをプロジェクタ3から投射して、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27に画像を投影するためのプログラムであって、スクリーン投影制御手段を構成する。カード配置パネル27に投影する画像は、例えば、プレイヤPがカード配置パネル27にカード17を載置して、戦闘を行うためにプレイヤPがこのカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら敵側に移動させて攻撃を仕掛けたときに、メイン制御プログラムP1aの制御に基づいて、カード17の移動量に基いた戦闘画像、すなわち、仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内にカード17等の位置情報を取り入れて、2次元で表現されるカード配置パネル27に座標変換して戦闘画像を表示する。カード17の移動と連動させてモニタ28にも戦闘画面を表示する場合にも、上記した座標変換の処理が必要になる。
【0104】
特に、カード17(部隊)ごとに敵を攻撃する手法が異なるので、プレイヤPが何れかのカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させて攻撃するごとに、直ちに、変化に富んだ戦闘場面の画像をカード配置パネル27上に表示させるようにする。このように、モニタ28には戦闘に関する統括的な画面やプレイヤPに対してゲーム進行に関するアドバイス画面を表示し、カード配置パネル27にはカード17の移動に伴って刻々と変化する戦闘場面の画像を表示することにより、ゲーム進行の演出効果を一層高くすることができるようになる。
【0105】
表示画像生成プログラムP5gは、上記した仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内に、カード配置パネル27の2次元座標で表されるカード17等の位置情報を取り入れ、さらに、2次元座標系の位置情報に変換された画像情報を生成するためのプログラムである。これにより、カード17をカード配置パネル27上を擦りながら移動させると、その移動量、向きを前記したカード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dにより判定し、移動量に応じて刻々と変化させた戦闘画面をカード配置パネル27に表示させることが可能になる。例えば、カード17の位置に合わせて周囲に戦闘画像等を表示する処理、載置したカード17に向かって表示物体が移動してくる画像を表示する処理が可能になる。この表示画像生成プログラムP5gの処理内容は、表示画像を生成する手段を構成する。
【0106】
この仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内に、カード配置パネル27上に載置されたカード17の位置情報を対応させ、さらに、この仮想3次元空間のゲーム画像を2次元空間の座標に変換する処理は、次のようにして行うことができる。
【0107】
(1)まず、前記したように、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dにより、赤外線カメラ5で撮像した画像データに基づいて、カード配置パネル27上に載置されているカード17の位置情報と向きを、カード配置パネル27に設定されている2次元座標系(実空間)の座標値として求める。
【0108】
(2)続いて、この実空間である2次元座標系を仮想3次元空間であるゲーム空間座標系に変換する処理を行う。このためには、ゲーム空間座標系のXYZ軸方向の長さと、カード配置パネル系の原点がゲーム空間座標系のどの存在するかを決めておく。そして、この2次元座標系を仮想3次元空間の座標系に変換する処理は、アフィン変換手法等を用いて行うことができる。
【0109】
(3)続いて、この仮想3次元空間の座標を透視投影変換することにより、カード17の位置情報が取り込まれた戦闘画像をカード配置パネル27に投影することができるようになる。
【0110】
音声出力制御プログラム部P6は、メイン制御プログラム部P1、部隊制御プログラム部P3および計略制御プログラム部P4等の制御に基づいて、スピーカ30から音声を出力するためのプログラムである。
【0111】
上記したプログラムは、C言語等のプログラム開発言語を用いて開発することができる。そして、C言語等により開発したソースプログラムを、CPU43で実行できるオブジェクト(機械語)プログラムに翻訳したプログラムが、CD−ROM、DVD−ROM、あるいは端末装置24aのハードディスク装置等の外部記憶装置に記憶される。また、各種の画像データおよび音声データもこれらのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶する。そして、端末装置24aの電源をオンし、例えば、上記したプログラムが記憶されているCD−ROMまたはDVD−ROMを端末装置24aの外部読取装置にセットすると、これらのプログラムと、画像および音声デーはRAM44に読み込まれて、カードゲームを実行することが可能な状態になる。
【0112】
続いて、本発明の実施形態であるカードゲーム装置21のゲーム方法と上記したプログラムの処理の概要について説明する。なお、プレイヤPがカードゲーム装置21で初めてゲームを実行する場合には、スタートセットをゲームセンター等に設置されている自動販売機等を利用して購入する必要がある。スタートセットには、ゲームで使用する各戦闘部隊を率いる武将等のイラストを印刷した複数枚のカード17と、ICチップを内蔵したICカード25が1枚含まれている。このICカード25には、前記したように、戦闘部隊であるカード17に関する特性データ等が予め記憶されており、また、1ゲームごとの戦闘結果等も記憶されるようになっている。
【0113】
まず、端末装置24aの電源がオンされると、カードゲーム装置21の外部記憶装置からCD−ROM等に記憶されている図12に示す各プログラムと画像データおよび音声データがRAM44に読み込まれる。続いて、メイン制御プログラムP1aが立ち上がって、RAM44に記憶する変数の記憶領域を初期化する。以下、ゲーム動作制御プログラムの処理手順の概要を、図13〜図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0114】
(ステップS1)
ステップS1においては、メイン制御プログラムP1aがタイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5aを作動させて、モニタ28に本カードゲームのタイトル等を表示する処理を行う。これにより、カードゲーム装置21は、プレイヤPがゲームを実行するためにコイン投入の待ち状態になる。
【0115】
なお、ステップS1の処理においては、モニタ28に本カードゲームのタイトル等を表示する処理を行うが、さらに、メイン制御プログラムP1aはスクリーン投影制御プログラムP5fを作動させて、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27にも、初期画面として戦場の風景画面等を投影して演出効果を高めるようにするとよい。
【0116】
(ステップS2)(ステップS3)
プレイヤPがコインをコイン投入装置29aに投入すると、コイン投入装置29a内に設置されているコイン検出センサは投入されたコインを検出し、この検出信号は入出力インタフェース45を介して端末装置24aに入力される。すると、端末装置24aの入力信号解析プログラムP1bはこの入力信号の種類を解析し、コイン投入信号であると判定すると、ゲーム実施認可プログラムP1dを作動させる。
【0117】
ゲーム実施認可プログラムP1dは、プレイヤPがコイン投入装置29aに投入したコイン数(個数)をカウントして投入コイン数としてRAM44に設定した記憶領域に記憶する処理と、この投入コイン数をRAM44に設定したコイン貯留個数を把握する領域に加算する処理と、ステップS3により、コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金(クレジット)を満たしているか否かを判定する処理、すなわち、1ゲームの実行を許可(認可)する処理を行う。そして、この判定により、コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金を満たしている場合には、1ゲームの実行を許可して次のステップS4に進む。一方、投入されたコイン個数がクレジットを満たしていない場合には、ステップS2に戻る。
【0118】
なお、本発明においては、プレイヤPが最初の1ゲームを行うときのゲーム料金は通常料金、例えば、コイン3個とする処理を行う。
また、本ゲーム装置においては、プレイヤPがゲームを実行した結果、「勝利」を獲得して次の「連勝ボーナスゲーム」に挑戦すると、この「連勝ボーナスゲーム」のゲーム料金はコイン2個に割引きした料金に設定するようにしている。そして、プレイヤPがこの1回目の「連勝ボーナスゲーム」に「勝利」し、さらに2回目の「連勝ボーナスゲーム」に挑戦すると、このゲームのゲーム料金はコイン1個に設定する処理を行うようにしている。このように、プレイヤPがゲームを実行して「勝利」を連続して獲得(連勝)すると、この連勝回数が予め設定した所定の回数に達すまで、「勝利」した次の1ゲームの料金をこの連勝回数を考慮した割引料金に設定するようにしている。また、プレイヤPが1ゲームを実行して「敗戦」した場合、次のゲームのゲーム料金は上記した通常料金が適用される。従って、ステップS3の処理においては、ゲーム料金は初回のゲームであるため通常料金を適用する処理を行う。
【0119】
(ステップS4)
コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金を満たしているので、ゲーム実施認可プログラムP1dはRAM44に記憶しているコイン貯留個数から今から実行するゲームのクレジットであるコイン数を減算し、減算して得たコイン貯留個数をRAM44に記憶する更新処理を行う。この処理は、プレイヤPが通常料金に対して余分なコインを投入したときに、余ったコインを次のゲームのゲーム料金として引き当てるために行う処理である。
【0120】
(ステップS5)
続いて、プレイヤPは、ICカード25をICカードリードライト装置29に挿入する操作を行う。ICカード25の挿入信号が入力されると、メイン制御プログラムP1aはICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ICカード25に記憶されている情報をRAM44に記憶する処理を行う。次に、モニタ28にゲームのモード選択画面を表示して、プレイヤPに今から実行するゲームのモードを選択させる処理を行う。このゲームのモード選択とは、他の端末装置24b等を操作する他のプレイヤを対戦相手とした対戦ゲームを行うか、あるいはプレイヤPが一人で自分が着席した端末装置24a(コンピュータ)を対戦相手としてゲームを行うかの選択を示す。そして、メイン制御プログラムP1aは、選択されたモードに対応したプログラム処理を行う。
【0121】
(ステップS6)
ステップS6においては、プレイヤPは、戦闘ゲームを開始するために、カード配置パネル27にカード17を載置する操作を行う。カード17がカード配置パネル27上に載置されると、メイン制御プログラムP1aは、カード情報読み込みプログラムP2cを作動させて、このカード17の裏面に記録(印刷)されているコードパターン170に関するデータを赤外線カメラ5により撮像し、この撮像したデータをRAM44に記憶する。そして、カード情報読み込みプログラムP2cは、RAM44にこの読み込んだコードパターン170に関する「白黒」の濃淡等の画像解析を行って、カード17の裏面に印刷されている識別コード等を判定する処理を行う。この識別コードは、前記したようにカード17ごとに予め設定されている部隊の種別を表すデータである。
【0122】
(ステップS7)(ステップS8)
ステップS7においては、メイン制御プログラムP1aが準備画面制御プログラムP5bを作動させて、プレイヤPに戦闘に使用する兵法を選択させる画面をモニタ28に表示させ、プレイヤPが選択した兵法をRAM44に記憶する処理を行う。続いて、ステップS8においては、準備画面制御プログラムP5bによりゲームで戦闘を行う戦闘大陸の戦闘エリアを所定時間モニタ28に表示する処理を行う。
【0123】
(ステップS9)
ステップS9においては、戦闘準備画面制御プログラムP5cにより、プレイヤPが対戦する武将等の紹介画面をモニタ28に表示する処理を行う。このとき、プレイヤPが対戦する対戦者が他の端末装置24b等を操作するプレイヤである場合には、この端末装置24bのカード配置パネル27に載置されたカード17に関する情報がプレイヤPの端末装置24aに伝送され、モニタ28に表示される。また、プレイヤPが端末装置24aを対戦相手とした場合には、メイン制御プログラムP1aによりRAM44に記憶している武将を選択して、プレイヤPが戦闘する戦闘相手とする処理を行う。
続いて、戦闘準備画面制御プログラムP5cは、プレイヤPが戦闘に使用するカード17をカード配置パネル27に配置したカード配置画面をモニタ28に表示する処理を行う。
【0124】
図15は、上記したカード配置画面の例を示す。図15において、手前(画面下部)が自分(プレイヤP)側の城、正面奥(画面上部)を敵側の城とした画像の中に、配置したカード17の位置に対応して、部隊の輪郭像81とそのアイコン、名称、特性値等を含むキャプション82が表示されるようになっている。図15においては、プレイヤPはカード配置パネル27に5枚のカード17を載置したことを示している。
【0125】
(ステップS10)
続いて、プレイヤPがカード配置パネル27に載置したカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させると戦闘が開始し、戦闘画面制御プログラムP5dは、スクリーン投影制御プログラムP5fを作動させて、図16に示すような戦闘画面をカード配置パネル27に投影させる。
【0126】
図16に示すメイン画面83には、カード17に対応する部隊を示すキャプション82と、当該部隊の兵士の画像を含む戦闘状況をズームインした画像が表示される。また、サブ画面84には、戦闘エリア全域における各カード(部隊)17の配置が表示されるようになっている。なお、戦闘画面の表示に際しては、音声出力制御プログラム部P6により、ステージごとに戦闘の雰囲気を伝える音声、効果音がスピーカ50から出力される。また、戦闘に際しては、部隊制御プログラム部P3および計略制御プログラム部P4の各プログラムの制御に従って、各カード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させるごとに敵側部隊との戦闘が行われ、カード配置パネル27上に投影する戦闘画面も逐次変化させる。これにより、プレイヤPは、カード配置パネル27に投影された臨場感の高い戦闘画面内でカード17を移動させながらゲームを進行させることができる。
【0127】
プレイヤPが対戦する対戦者が他の端末装置24b等を操作するプレイヤである場合、プレイヤがカード17をカード配置パネル27上を擦りながら移動させると、その移動等に関するデータは相手側の端末装置に伝送されて戦闘画面としてカード配置パネル27に表示される。
【0128】
前記したように、カード配置パネル27を構成する可視光拡散シート部材12の表面には平坦な上面、あるいは球状をなす微細な凹凸12aが形成されている。このため、このカード17をカード配置パネル27上に載置して可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させるとき、あるいは、可視光拡散シート部材12上からカード17を取除く操作を行うときに、この微細な凹凸12aにより、これらの操作を円滑に行うことができるようになる。さらに、この微細な凹凸12aは、部屋の照明等による外光を拡散させる作用を行うので、カード配置パネル27に投影される画像を鮮明にする効果を発揮する。
【0129】
(ステップS11)
上記ステップS10によるカード17を使用した戦闘ゲームについて、計略実行処理プログラムP4cにより、ゲームの勝敗の判定と、この勝敗の判定を含む戦闘結果に関するデータをRAM44に記憶する処理を行う。このゲームの勝敗の判定は、例えば、次のようにして行うことができる。
【0130】
すなわち、戦闘を開始するときに、プレイヤPおよび対戦者にヒットポイント、例えば100点が与えられ、このヒットポイントの値がゲーム画面に表示される。そして、カード17を移動させながら相手側(城)に攻め込んで対戦者の部隊にダメージを与えると所定のルールにより対戦者のヒットポイントが減少していく。このようにして、ヒットポイントが「0」になったプレイヤが「敗戦」になる。また、同時にヒットポイントが「0」になると、プレイヤPとその対戦者とも「敗戦」と判定する。さらに、戦闘開始後、タイムカウントしてタイムオーバになった場合には、ヒットポイントの値が大きいプレイヤが「勝利」と判定し、同じ値(引き分け)の場合は両プレイヤが「敗戦」と判定する。
【0131】
また、ステップS11の処理においては、プレイヤPがゲームを実行した回数をカウントする手段としてRAM44に設定した領域(以下、ゲーム実行回数フラグという)を「+1」する処理を行う。
【0132】
さらに、当該ゲームにおいて、プレイヤPが「勝利」を獲得したと計略実行処理プログラムP4cが判定した場合には、この「勝利」の連勝回数をカウントする手段として、RAM44に設定した領域(以下、連勝回数フラグという)を「+1」する処理を行う。さらに、1ゲームごとのゲーム結果である勝敗の種別を記憶する手段としてRAM44に設定した領域(以下、勝敗フラグという)にこの勝敗結果を記憶する処理を行う。例えば、「勝利」した場合には勝敗フラグに「2」を、敗戦の場合には「1」を記憶する。
【0133】
(ステップS12)(ステップS21)
ステップS12においては、メイン制御プログラムP1aにより、RAM44に記憶している連勝回数を示す連勝回数フラグの値が予め設定している上限値V、例えば、上限値Vは「3」に達したか否かを判定する。この連勝回数の値が上限値Vに達したということは、このプレイヤPは大陸の全領域を討伐(征服)したこと、すなわち、ゲームを完全にクリアしたことを示す。そして、連勝回数がV回を達成した場合には、ステップS21に進んで、準備画面制御プログラムP5bにより、討伐成功の演出画面をモニタ28に所定の時間表示し、続いてステップS22に進むようにする。
【0134】
(ステップS13)
ステップS13においては、メイン制御プログラムP1aにより、プレイヤPが今回実行したゲームの勝敗結果を判定して、「勝利」の場合は次のステップS14に、「敗戦」の場合にはステップS22(図14に示す)に進む処理を行う。なお、プレイヤPが今回実行したゲームの勝敗結果は、ステップS11によりRAM44に記憶した勝敗フラグの記憶内容を判定することにより可能である。
【0135】
(ステップS14)
ステップS13により、プレイヤPは今回のゲームで「勝利」を獲得したと判定したので、ステップS14ではその勝利獲得の演出画像の表示と、このプレイヤPに対して次のゲーム(連勝ボーナスゲーム)に挑戦するか否かの問合せ画面をモニタ28に表示する処理を行う。
【0136】
なお、この「連勝ボーナスゲーム」とは、前記のように、プレイヤPが「勝利」を獲得して次のゲームに挑戦する場合には、この次のゲームのゲーム料金は通常料金に対して割引料金に設定されることを示す。さらに、「連勝ボーナスゲーム」はその戦闘エリア(領域)も異なる領域で戦闘するゲーム画面を表示し、かつ、勝利を獲得するための難易度に差を設けるようにしてもよい。この勝利獲得の演出画像の表示は、メイン制御プログラムP1aが準備画面制御プログラムP5bを作動させて、例えば、敵城の破壊画像を所定時間表示させるようにする。
【0137】
続いて、ステップS14においては、準備画面制御プログラムP5bにより、図17に示すように、プレイヤPに連勝ボーナスゲーム挑戦の権利を獲得したことを報知すると共に、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するか否かを問合せる画面をモニタ28に表示する。
この報知は音声と共にプレイヤPに知らせるようにしてもよい。
【0138】
なお、図17に示す画面を表示するときには、メイン制御プログラムP1aの制御により、プレイヤPが「勝利」を獲得して次の「連勝ボーナスゲーム」への挑戦が何戦目に該当するか、およびこのゲーム料金(コイン数)を表示する。図17に示す例では、1回「勝利」を獲得して2戦目(1回目の連勝ボーナスゲーム)に挑戦する状態であることを示し、さらにこのゲーム料金は、コイン2個(2COINS)を必要とすることを表示している。この「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのゲーム料金は、前記したように、プレイヤPが「勝利」を獲得した連勝回数を考慮した割引料金に設定するようにしている。
【0139】
この割引料金の設定は、ゲーム料金設定プログラムP1cにより下記の処理手順により行うことができる。すなわち、ゲーム料金設定プログラムP1c内に、「勝利」の連勝回数R(R=0、1、2、・・・、(V−1))ごとに、「勝利」を獲得した次のゲームである「連勝ボーナスゲーム」のゲーム料金、すなわち、次の1ゲームを実行するときに必要なコイン数(クレジット)を定数値として予め登録しておく。そして、ゲーム料金設定プログラムP1cは、RAM24に記憶している現在の連勝回数フラグの値を参照することにより、次に実行する「連勝ボーナスゲーム」の「勝利」の連勝回数に応じて割引されたゲーム料金を求める処理を行うことができる。
【0140】
(ステップS15)(ステップS16)
ステップS15では、メイン制御プログラムP1aはタイマー29bをスタートさせて、経過時間のカウントを開始する。ステップS16では、プレイヤPが「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するために、ステップS14で設定したゲーム料金となるコインの投入と、ゲーム料金として必要なコインが投入された後にプレイヤPがスタートボタンを押圧するまでの時間がタイムアップするか否かを判定する。すなわち、プレイヤPが1クレジットに相当するコインの投入と、「連勝ボーナスゲーム」挑戦への選択を決定するスタートボタンを押圧するまでの時間をカウントする処理を行う。この時間をカウントする値は、例えば、10秒に設定する。そして、タイムアップになると、勝敗フラグに、例えば、「9」を書き込んでステップS22に進む。勝敗フラグに「9」を書き込むことは、プレイヤPは「連勝ボーナスゲーム」への挑戦を選択しなかったこと(不挑戦)を示す。
【0141】
(ステップS17)(ステップS18)
ステップS17では、ゲーム実施認可プログラムP1dにより、前記ステップS2と同様に、プレイヤPがコイン投入装置29aに投入したコイン個数をカウントする処理を行う。続いて、ステップS18では、前記したステップS3の処理と同様な処理により、プレイヤPが投入したコイン個数が「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達したか否かを判定する処理を行う。そして、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達していないときには、ステップS16に戻る。
【0142】
(ステップS19)
ステップS18によりプレイヤPが投入したコイン個数が「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達しと判定したので、メイン制御プログラムP1aは、「連勝ボーナスゲーム」挑戦への選択を決定するスタート(挑戦)ボタンを押圧するまでステップS16に戻る処理を繰り返すように制御する。スタートボタンを押圧した信号が入力されると、ステップS20に進む。
【0143】
(ステップS20)
ステップS20においては、プレイヤPは、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦することを選択したので、次の「連勝ボーナスゲーム」で戦闘するエリアの更新処理を行って、ステップS8に進んで、「連勝ボーナスゲーム」を実行することになる。
【0144】
(ステップS22)
図14に示すステップS22においては、結果発表画面制御プログラムP5eにより、今回実行したゲームの戦績をモニタ28に表示する。続いて、メイン制御プログラムP1aがICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ステップS11でRAM44に記憶している今回のゲームの戦闘結果、および今回のゲームの前に「連勝ボーナスゲーム」の実行があれば、その戦闘結果に関するデータ(経験値)もICカード25に書き込む処理を行う。これにより、プレイヤPが次回にゲームを実行するときに、このICカード5に記憶されたデータを読み取ることによりゲームに必要なデータを得ることができるようになる。
【0145】
(ステップS23)
ステップS23においては、メイン制御プログラムP1aがカード払出装置制御プログラムP2eを作動させて、カード払出装置30から新たなカード17を払い出す処理を行う。この新たなカード17は、プレイヤPが次のゲームを実行するときに使用することができるカードとしてプレイヤPに提供されるものである。本発明の実施形態であるカードゲーム装置21は、1ゲームにつき1枚の新たなカード17をプレイヤPに払出す処理を行うが、この新たなカード17はプレイヤPが実行したゲームの実行回数を考慮してまとめて払出すように制御している。
【0146】
(ステップS24)
ステップS24においては、前記したRAM44に設定したゲーム実行回数フラグ、連勝回数フラグおよび勝敗フラグに「0」を記憶するクリア処理を行う。
【0147】
(ステップS25)(ステップS26)
ステップS25においては、メイン制御プログラムP1aはプレイヤPが引き続いてゲームを行うか(コンティニュー)否かを問合せる画面をモニタ28に表示させる処理を行う。そして、プレイヤPがセレクトボタン31を操作して継続してゲームを行うことを選択した場合には、上記したステップS2の処理に戻るように制御する。
【0148】
また、プレイヤPが継続してゲームを行わないことを選択した場合には、次のステップS26に進んで、ゲームオーバ(終了)の処理、例えば、メイン制御プログラムP1aはICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ICカードリードライト装置29に挿入されているICカード25を排出する処理と、ゲーム終了の画面をモニタ28に表示する処理を行う。このステップS25の処理が終了すると、プレイヤPの今回のゲームは終了する。なお、プレイヤPのICカード25と購入時のカード17および新たに取得したカード17は、次回にゲームを実行するときに使用することができる。
【0149】
上記した本発明のゲーム装置の実施形態は、戦乱バトルゲームに適用した場合について説明したが、本発明はサッカーゲーム等のスポーツを対象としたカードゲームにも適用することができる。
また、本発明は、複数人でプレイした結果、カード等のプレイアイテムがゲームの結果に関わらず払出されるようなゲームにも適用することができる。さらに、ゲーム実行の結果の「勝利」と「敗戦」については、プレイヤ同士の対戦における場合と、プレイヤ同士が協力してコンピュータ(CPU)と対戦する場合の両方のゲームモードにも適用することができる。
【0150】
さらに、本発明のゲーム装置は、コード情報を印刷したシール等を人形などの造形物(フィギュア)のついた台の裏面に貼り付けてゲームを進行させるようなゲームにも適用することができる。このような造形物を使用したゲームにおいては、図5に示すカード払出装置30に替えてこの造形物を払出す装置を設置するようにする。
【0151】
なお、本発明における透過型スクリーンを用いたゲーム装置は、上記したテーブル型投影撮像装置の他にも適用が可能である。例えば、図1に示すテーブル型投影撮像装置を、90度、もしくは約90度回転させて、透過型スクリーン8を垂直方向に配置した筐体とすることもできる。そして、この筐体内にプロジェクタ3とミラー7と、透過型スクリーン8の略全域をカバーする画角でこのスクリーン8に投影された赤外光を撮像する赤外線撮像装置5または透過型スクリーン8の略全域から検出した赤外光の座標位置を出力する赤外光検出手段を配置する。
【0152】
上記のように、透過型スクリーン8を垂直方向に配置したゲーム装置においては、ポインティングデバイス等の先端部に設けられた赤外光発光手段によりこの筐体の外部から透過型スクリーン8を透過して投射された赤外光を、筐体内に配置した上記赤外線撮像装置5または赤外光検出手段で検出すると、透過型スクリーン8にこの赤外光が当った位置の透過型スクリーン8上の座標を検出することができるようになる。
【0153】
上記したようなゲーム装置においても、本発明を構成する透過型スクリーンは、カーボンを含まないインクであって、シアン、マゼンダ、イエローのインクを用いた可視光を主に吸収する吸収層を設けているので、周囲の可視光をある程度吸収してプロジェクタからの投射映像の黒の再現を忠実に行うと共に、赤外光は透過して赤外線撮像装置5または赤外光検出手段に赤外光を正確に受光させることができるようになる。また、これまでに記載したゲーム装置において、スクリーンからの投影または撮影(検出)距離を一直線で充分に設けることができる場合には、ミラーを用いなくともよい。
【符号の説明】
【0154】
1 テーブル型投影撮像装置
2 筐体
3 プロジェクタ
4 フィルタ
5 赤外線カメラ
6 赤外光発光装置
7 ミラー
8 透過型スクリーン
11 可視光吸収層
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタから投射した投射光をテーブル面に設置されている透過型スクリーンに画像として投影する手段と、このスクリーン上に載置された情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像して読み取る手段を備えているテーブル型投影撮像装置を用いたゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水平方向に配設された透過型スクリーン上に、プロジェクタから投射した光束を画像として投影するテーブル型投影装置が提案されている。このテーブル型投影装置は、プロジェクタから投射された光束(以下、投射光という)の光路をミラーにより曲げて透過型スクリーン上に画像を投影するような構成になっており、各種のプレゼンテーション等を行う場において利用されている。
【0003】
近年、各種のプレゼンテーション等の場において、パーソナルコンピュータとプロジェクタとを接続し、パーソナルコンピュータの記憶装置にカラーで記憶した資料、写真、動画像に関するデータをスクリーン上に投影することが盛んに行われている。このようなプレゼンテーション等をテーブル型投影装置で実施する場合には、次のような事項が課題になる。
【0004】
(1)スクリーンは水平方向に設置されているため、このスクリーン上に、説明者等の手、あるいは資料等の荷重がかかる。このため、スクリーンに十分な強度を持たせることが必要になる。
【0005】
(2)テーブル型投影装置においては、スクリーンが水平方向に配設されているため、外光、特に、天井に設置されている照明の影響を受けて、スクリーン上に投影された画像の解像度が低下し易くなる。このため、テーブル型投影装置を設置した部屋を暗くしないと鮮明な画像を投影できないという不具合があった。
【0006】
テーブル型投影装置についてこのような課題を解決するために、下記の特許文献1および2に記載の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−305079号公報
【特許文献2】特開2004−012712号公報
【特許文献3】特開2002−301264号公報
【0008】
特許文献1には、透過型スクリーンを机の天板を兼ねるように、透過型スクリーンを強化ガラスあるいは強化樹脂で構成した背面投写型表示装置が記載されている。さらに、特許文献1には、強化ガラス等から構成される透過型スクリーンの表面に、外光や周囲光の反射防止のため、反射防止コートを施すことが記載されている。
【0009】
特許文献2には、複数個のプロジェクタを用いて水平設置したスクリーン上に高解像度で画像を投影させるようにしたテーブル型ディスプレイ装置が提案されている。このテーブル型ディスプレイ装置に用いられているスクリーンは、撓みを少なくするための透明ベース部材と、複数個のプロジェクタから投射された光束を均一化する光学シートと、像を結像する拡散スクリーンとから構成することが記載されている。さらに、特許文献2には、透明ベース部材は合わせガラス、熱強化ガラスまたはアクリル板で構成し、光学シートはフレネルレンズ、レンチキュラーシートあるいはビーズスクリーンで構成し、拡散スクリーンは合わせガラスまたは熱強化ガラスに拡散層を設けた拡散スクリーンで構成することが開示されている。
【0010】
さらに、本出願人が先に出願した特許文献3には、透明なカード配置パネル上に載置されたトレーディングカードの裏面に記録された識別データを、筐体内に設置したイメージセンサにより読み取ってゲーム進行の制御を行うカードゲーム装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に記載の背面投写型表示装置は、スクリーンの強度を増加させるために強化ガラスを使用すること、および外光や周囲光の反射防止を行うために、この強化ガラスの表面に反射防止コートを施すことが開示されている。しかし、スクリーンに投影する画像の解像度をさらに向上させる手段については記載されていない。また、特許文献1に記載の背面投写型表示装置は、スクリーン上に載置されたカード等の情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像する手段を備えていない。
【0012】
上記特許文献2に記載のテーブル型ディスプレイ装置には、熱強化ガラス等からなる透明ベース部材の上面に光学シートを形成し、この光学シートの上面に拡散スクリーンを形成したスクリーンの構成が開示されているが、拡散スクリーンの具体的な構成、特に拡散層の構成については開示されていない。さらに、特許文献2に記載のテーブル型ディスプレイ装置は、特許文献1と同様に、スクリーン上に載置されたカード等の情報記録媒体の裏面に記録されている情報を撮像する手段を備えていない。
【0013】
上記特許文献3に記載のカードゲーム装置に用いられているカード配置パネルは、トレーディングカードの載置と移動、およびこのカードの裏面に記録された識別データを赤外光により読み取って、ゲームの進行を制御する手段として使用されている。従って、特許文献3に記載のカード配置パネルは、カードゲームの進行に応じた演出用画像をこのカード配置パネルに表示して演出効果をより高くする手段として使用されるものではない。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記従来のテーブル型投影装置についてその使用目的を拡大するために、透過型スクリーン上に載置された情報記録媒体の裏面に印刷等により記録されている情報を撮像して、この撮像した情報を読み込む手段を備えているゲーム装置を提供することにある。このゲーム装置としては、特に、トレーディングカード等のプレイアイテムを用いたゲーム装置として実施することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
筐体と、
画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタと、
前記筐体内に配置され、前記プロジェクタから投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンに赤外光を投射する赤外光発光手段と、
前記透過型スクリーンを透過した赤外光を検出する赤外光検出手段と、
を有し、
前記筐体内には、
少なくとも前記プロジェクタと赤外光検出手段とが配置され、
前記透過型スクリーンは、
赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有することを特徴とする画像投影装置を備えたゲーム装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、次のような効果を有している。
本発明のゲーム装置を構成する透過型スクリーンは、赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有するので、赤外光は通過させ、可視光は拡散させる。これにより、プロジェクタから投射された投射光を透過型スクリーンに鮮明、かつ、高コントラストな画像を投影することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に採用しているテーブル型投影撮像装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1示す透過型スクリーンの構成を示す縦断面拡大図である。
【図3】図2に示す透過型スクリーンを構成する光拡散シート部材について、その表面に形成されている凹凸形状の一例を説明するための縦断面拡大図であって、(a)は台形状の凹凸形状、(b)は球形状の凹凸形状を形成した例を示す。
【図4】本発明の一実施形態を示すカードゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示すカードゲーム装置において、各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。
【図6】図5に示すカードゲーム装置の制御方式の一例を示す制御ブロック図である。
【図7】図5に示すカードゲーム装置が備えているカード配置パネルの平面図である。
【図8】カードゲーム装置に使用するカードの裏面に設けられたコードパターンの一例を示す図である。
【図9】図8に示すカードの裏面を赤外線カメラで撮像したときの画像の一例を示す図である。
【図10】図8に示すカードの裏面に記録されているIDデータ領域およびデータ領域のビットの開始位置を示す図である。
【図11】図8に示すカードの裏面に記録されているコードパターンに関するデータの配置例を示す図である。
【図12】図5に示すカードゲーム装置が備えているソフトウエアの構成例を説明するための図である。
【図13】図5に示すカードゲーム装置の動作を制御するゲーム動作制御プログラムの処理手順を説明するためのフローチャート図である。
【図14】同じく、ゲーム動作制御プログラムの処理手順を説明するためのフローチャート図である。
【図15】カードゲームを実行するときに、カードの配置画面の一例を示す図である。
【図16】カードゲームにおいて、カード配置パネルに戦闘画像を投影した画像例を示す図である。
【図17】連勝ボーナスゲーム挑戦の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明が採用しているテーブル型投影撮像装置1の構成を示す縦断面図である。このテーブル型投影撮像装置1は、例えば、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置、あるいは、カードゲーム装置におけるプレイフィールド、すなわち、トレーディングカードを載置し、さらに演出用画像を投影するカード配置パネルとして実施することができる。
【0019】
図1に示すテーブル型投影撮像装置1は、テーブル面2aを有する筐体2と、筐体2内に設置されたプロジェクタ3、赤外線撮像手段となる赤外線カメラ5、筐体2の上方部に設置された赤外光発光装置6、筐体2の下側傾斜部2bに設置されたミラー7、筐体2の上部開口部にテーブル面2aを形成するように設置された透過型スクリーン8から構成されている。また、プロジェクタ3にはそのレンズ部3aに、赤外光(赤外線)をカットするためのフィルタ4が装着されている。赤外光発光装置6としては、赤外光を発光するLED等を用いることができる。
【0020】
プロジェクタ3には、カラー等の画像データを記憶しているパーソナルコンピュータ13が接続されている。さらに、赤外線カメラ5には、撮像した画像データを解析する画像解析装置14が接続されている。また、赤外線カメラ5とパーソナルコンピュータ13とは接続可能になっている。なお、パーソナルコンピュータ13と画像解析装置14は、マイクロコンピュータ、あるいはパーソナルコンピュータ等から構成される1台の制御装置15として統合してもよい。
【0021】
プロジェクタ3は、液晶プロジェクタ等から構成されている。この種のプロジェクタは、画像を表示するための表示素子自体が発光するのではなく、スクリーン等の表示素子に対して光を照射するランプを必要とする。そして、プロジェクタは、画像データについてランプからの光により赤、青、緑の三原色にプリズム等で分光し、その光をRGBの各表示素子に照射して透過または反射させることにより、スクリーンに画像を投影するようになっている。プロジェクタ3に使用されているこのランプから照射される光には、可視光以外に、赤外光等の不可視光が含まれている。この赤外光は、赤外線カメラ5で画像を撮像するときに悪影響を与える。上記したプロジェクタ3のレンズ部3aに装着するフィルタ4は、プロジェクタ3から投射された投射光に含まれている赤外光をカットするために使用する赤外光カット用のフィルタである。
【0022】
赤外線カメラ5は、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されている情報(コードパターン等)を赤外光発光装置6から照射された赤外光により撮像するために設置されている。なお、画像投影装置を構成する透過型スクリーン8は、筐体2上にその向きが水平またはほぼ水平方向になるように設置されている。赤外線撮像手段となる赤外線カメラ5は、この他に赤外光を検出するイメージセンサ等の赤外光検出手段を使用することができる。そして、筐体2内には、少なくともプロジェクタ3と赤外線カメラ5等の赤外光検出手段を備えるようにする。
【0023】
赤外線カメラ5で撮像したデジタル画像データは、画像解析装置14に伝送され、撮像したコードパターン等に関する情報が解析される。なお、情報記録媒体17は、載置面にコードパターン等の情報が記録されているものであれば良く、トランプやトレーディングカード、チェスや将棋、フィギュアなどの遊技のためのアイテム(プレイアイテム)等をいう。このコードパターンとは、例えば、情報記録媒体17ごとに設定されている固有の識別コード等を示す。そして、画像解析装置14は、受信したデジタル画像データについてソフトウエア処理により画像解析を行って、情報記録媒体17の裏面に記録されている識別コードの判定、および透過型スクリーン8上に載置されている情報記録媒体17の向き等を判定する処理を行う。
【0024】
図1に示すように、ミラー7は、筐体2の下側傾斜部2bの傾斜角度αと同一になるように下側傾斜部2bに取り付けられている。さらに、プロジェクタ3と赤外線カメラ5とは、透過型スクリーン8の下方であって、ミラー7に対して同一の側に、かつ、互いに上下の位置関係になるように配設している。これにより、プロジェクタ3からの投射光の投光と、赤外線カメラ5による情報記録媒体17の裏面の撮像を共通の反射ミラー7を用いて行うことが可能になる。なお、図1に示す例では、赤外光発光装置6を筐体2の上方部に設置した例を示したが、ミラー7の傾斜角度αに応じて筐体2の下方部に設置することも可能である。
【0025】
なお、透過型スクリーン8に画像を投影するときには、パーソナルコンピュータ13等のソフトウエア処理により、パーソナルコンピュータ13の記憶装置に記憶している画像(動画像も含む)データがプロジェクタ3に送信される。そして、プロジェクタ3は、この画像データを光に変換してその投射光をレンズ部3aから投射する。プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射してスクリーン8上に画像を投影する。これにより、透過型スクリーン8の上方からこの透過型スクリーン8に投影された画像を見ることが可能になる。従って、スクリーン8は、透過型の(背面投影型)スクリーンになる。
【0026】
図2は、図1に示す透過型スクリーン8の構成を示す縦断面図である。図2に示すように、スクリーン8は、透明な板状のガラス製板基材9と、ガラス製板基材9の上面に形成された光拡散層10と、光拡散層10の上面に形成されたカーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを混合した層からなる可視光吸収層11と、可視光吸収層11の上面に配設された透明な可視光拡散シート部材12から構成される。透明な可視光拡散シート部材12は、透明なポリカーボネイト、あるいはアクリル等の合成樹脂製からなり、その上側表面には、その全領域にわたって微細な凹凸12aが形成されている。本発明において、透過型スクリーン8は少なくとも可視光吸収層11を備えるようにする。また、ガラス製板基材9は、強度が保たれればガラス製でなくとも、ポリカーボネイトあるいは他の合成樹脂、強化樹脂等を用いて製造された板基材であってもよい。
【0027】
図2に示す透過型スクリーン8を構成する透明な板状のガラス製基材9としては、透明な強化ガラス、耐熱ガラス等を使用することができる。また、プレゼンテーション時等において、ガラス製板基材9には説明者の手等の荷重がかかるので、ガラス製板基材9の厚さは少なくとも4mm〜6mm確保して十分な強度が得られるようにする。
【0028】
スクリーン8を構成する光拡散層10は、プロジェクタ3から投射されガラス製板基材9を通過した投射光を拡散させて画像を投影(表示)する作用を行うと共に、光を拡散させることによりスクリーン8面を明るくする作用を行うために設ける層である。この光拡散層10を設けることにより、テーブル型投影撮像装置1を設置した部屋が明るくても、スクリーン8に鮮明な画像が投影されることになる。
【0029】
光拡散層10は、透明なガラスあるいは透明な有機物質からなり、平均粒径が5μm〜10μmの微小ビーズ10aを含む透明な樹脂層から構成するようにする。また、この光拡散層10の厚さは、100μm〜500μmに設定するとよい。なお、ガラス製板基材9の上に光拡散層10を形成する方法としては、ガラス製板基材9の表面に接着剤を塗布した後、この接着剤上に微小ビーズ10aを、密度が高く、かつ、均一になるように分散させる。そして、これら分散させた微小ビーズ10a上にさらに接着剤を塗布することにより、光拡散層10を形成することができる。この接着剤としては、例えば酢酸ビニル系接着剤を使用することができる。また、この光拡散層10としては、予め上記微小ビーズ10aを含む透明な樹脂製シートをガラス製板基材9の上に透明な接着剤で接着してもよい。
【0030】
可視光吸収層11は、スクリーン8上に投影する映像のコントラストを高めるために設けられる。通常のスクリーンにおいては、カーボンを含む黒インクを適度に含有する可視光吸収層を設けている。しかし、カーボンを含む黒インクは赤外光を吸収する性質がある。本発明は、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されている情報を、赤外光発光装置6から投射された赤外光により撮像する手段を備えている。
従って、本発明を構成する可視光吸収層11は、カーボンを含まない透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインク(または顔料、染料)を混合したインクを厚さが100μm〜300μmになるように塗布して形成した層としたことに特徴がある。
【0031】
光拡散層10の上面に可視光吸収層11を形成する方法は、例えば、光拡散層10の表面にカーボンを含まない透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを混合した塗料を、スクリーン印刷法によりその塗布厚さが所望の値になるまで複数回塗布することにより可能になる。可視光吸収層11は、透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインク粒子を含有した層から形成されている。これにより、プロジェクタ3から投射された投射光に含まれている可視光のうち、色の三原色である黄、青、赤の波長、および不可視光は可視光吸収層11を透過し、黄、青、赤の波長に近似している波長は、可視光吸収層11により吸収される。また、透過型のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを塗布した可視光吸収層11は中灰色になる。これにより、スクリーン8に投影した画像は、高コントラストの画像を得ることができるようになる。
【0032】
透明な可視光拡散シート部材12は、透明性と耐衝撃性が高い合成樹脂であるポリカーボネイト、あるいはアクリル樹脂等からなっており、その上側表面に微細な凹凸12aを設けている。なお、可視光拡散シート部材12の厚さは、100μm〜300μm程度のシートを用いる。可視光拡散シート部材12の表面に設けている微細な凹凸12aは、テーブル型投影撮像装置1の外部に設置されている照明等の外光からの可視光を拡散させる作用を行う。これにより、スクリーン8に投影された画像は、外光により影響されない鮮明な画像を得ることができるようになる。さらに、プロジェクタ3から投射された光もこの微細な凹凸12aにより拡散されるので、微細な凹凸12aはスクリーン8の表面を明るくする効果を発揮するようになる。
【0033】
可視光拡散シート部材12の上側表面に設けている微細な凹凸12aの形状は、断面形状で図3(a)に示すように、上面部に平面部13aを有する台形状凹凸13、あるいは、図3(b)に示すように、球形状凹凸16にするとよい。これら台形状凹凸13、球形状凹凸16の突出高さは、1μm〜10μm程度に形成する。なお、台形状凹凸13、球形状凹凸16の形成方法は、例えば、表面に台形状凹凸13、あるいは球形状凹凸16と逆の凹凸面を形成したロールと表面が鏡面状態をなすロールとの間に適切な加圧力を付加しながら、加熱したポリカーボネイト製等のシートを通過させて塑性加工(圧延)することにより可能である。
【0034】
次に、情報記録媒体17の裏面に記録されている情報について説明する。この情報とは、情報記録媒体17ごとにその識別コード等を表すコードパターン、さらに、この情報記録媒体17がスクリーン8上に載置されたときに、情報記録媒体17の中心位置や向きを判別するためのパターンに関する情報のことを示す。そして、情報記録媒体17の裏面に、上記した情報を直接に印刷、あるいは、これらの情報を印刷したシール等を貼り付けることにより、情報記録媒体17ごとに情報を記録するようにする。
【0035】
さらに、上記した情報について詳細に説明する。情報記録媒体17の裏面の所定領域には、赤外光を照射するとこの赤外光を吸収する顔料または染料を含むインクと、赤外光を反射する顔料または染料を含むインクを用いてコードパターン等の情報を印刷する。なお、赤外光を反射するインクについては、情報記録媒体17の裏面の材質が赤外光を反射する特性を持つものであれば、赤外光を吸収するインクの印刷のみで良いし、逆に情報記録媒体17の裏面の材質が赤外光を吸収する特性を持つものであれば、赤外光を反射するインクの印刷のみで良い。この印刷されたコードパターンは、人間の目で見た場合には認識することはできないインクで印刷することも可能である。そして、情報記録媒体17の裏面に赤外光発光装置6により赤外光を照射して赤外線カメラ5で撮像すると、赤外光を反射する部分は白く撮像し、赤外光を吸収する部分は黒く撮像することができる。また、赤外線カメラ5で撮像したデジタル画像データについて、「白」か「黒」か、を判定するための適切な2値化の閾値を設定する。このようにして、画像解析装置14はプログラム処理により、情報記録媒体17の裏面に記録されている情報から、コードパターン(識別コード)、および情報記録媒体17がスクリーン8の座標系における位置やその向き等、を判定することが可能になる。
これにより、情報記録媒体17の裏面に情報が記録されている部分は平面状をなし、裏面から見た情報記録媒体17全体の平面視形状は、如何なる形状をなしていてもよい。
【0036】
続いて、図1に示すテーブル型投影撮像装置1の作用について説明する。
プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射して透過型スクリーン8に投影される。一方、赤外光発光装置6から照射された赤外光は、透過型スクリーン8を構成する可視光拡散シート部材12の上面に載置されている情報記録媒体17の裏面に達する。情報記録媒体17の裏面には、前記のように、コードパターンを表すインクが印刷されている。そして、赤外光を反射するインクが印刷されている領域に赤外光が照射されると、この赤外光は反射してミラーに達する。ミラー7に達した赤外光は、ミラー7により反射して赤外線カメラ5のレンズに達する。これにより、赤外線カメラ5は、情報記録媒体17の裏面に印刷され赤外光を反射する領域の画像をリアルタイムに撮像し、かつ、撮像した画像をデジタル画像データとして、画像解析装置14に送信する処理を行うことができる。
【0037】
このように、ミラー7は、プロジェクタ3から投射された投射光を反射させて透過型スクリーン8に画像を投影する機能と、情報記録媒体17の裏面で反射した赤外光を筐体2内で反射させて赤外線カメラ5により撮像するための機能を兼ねている。これにより、筐体2内には1個のミラー7のみを配設すればよいので、プロジェクタ3からの投射光を透過型スクリーン8へ反射させる反射率、および、赤外光発光装置6から照射された赤外光が情報記録媒体17の裏面で反射して赤外線カメラ5のレンズに集光する率を向上させることが可能になる。
【0038】
透過型スクリーン8は、プロジェクタ3から投射された投射光、および赤外光発光装置6から照射された赤外光に対して、下記の作用を行なことにより、スクリーン8に鮮明に、かつ、高コントラストで画像を投影することが可能になる。さらに、赤外線カメラ5により情報記録媒体17の裏面に印刷されたコードパターンに関して鮮明な画像を撮像することが可能になる。
【0039】
まず、プロジェクタ3から投射された投射光は、透明なガラス製板基材9を透過して光拡散層10に達する。光拡散層10は、平均粒径が5μm〜10μmの透明なガラスあるいは有機物質製の微小ビーズ10aが配列した透明な樹脂層、または透明な樹脂製シートから構成されている。これにより、プロジェクタ3から投射された投射光が光拡散層10に進入すると、この光は微小ビーズ10a内を通過することにより拡散して画像を投影して可視光吸収層11に達する。このように、プロジェクタ3から投射された光が透明な微小ビーズ10aにより拡散すると、光拡散層10の明るさを向上させる効果も発生させる。従って、テーブル型投影撮像装置1が明るい部屋に設置されていても、プロジェクタ3から投射された投射光についてスクリーン8の光拡散層10に鮮明な画像を投影することが可能になる。
【0040】
可視光吸収層11は、カーボンを含有しないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなる顔料または染料のインクを混合した層から形成されている。カーボンは赤外光を吸収する性質があるが、可視光吸収層11はカーボンを含有していないので、光拡散層10を透過した赤外光は、可視光吸収層11によって吸収されることなく可視光拡散シート12に達することになる。そして、情報記録媒体17の裏面に赤外光を反射する顔料が印刷されている領域に赤外光が照射されると、赤外光は減衰することなく情報記録媒体17の裏面とミラー7により反射して赤外線カメラ5に達する。これにより、赤外線カメラ5は情報記録媒体17の裏面に印刷等により記録されているコードパターンに関する画像を鮮明に撮像することができる。なお、赤外線カメラ5で情報記録媒体17の裏面を撮像すると、赤外光を反射するインクで印刷されている領域は「白色」、赤外光を吸収するインクで印刷されている領域は「黒色」として撮像するようにする。
【0041】
また、可視光吸収層11は、カーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなる透過型インクを混合した層から構成されている。イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなるインクを混合すると中灰色になる。これにより、光拡散層10に投影された画像はこの中灰色をなす可視光吸収層11により、プロジェクタ3で黒などの暗い画像を表示する場合などに、目立つような漏れた光を吸収することができるので、黒浮きを抑えた高コントラストの画像を形成することができるようになる。
【0042】
さらに、透明な可視光拡散シート部材12の上側表面には、微細な凹凸12aが形成されている。この微細な凹凸12aは、テーブル型投影撮像装置1が設置されている部屋の照明等からの外光を拡散させる作用を行うので、光拡散層10に形成された画像は、外光により影響されない鮮明、かつ、スクリーン上において明るさが均一な画像を得ることができるようになる。
【0043】
また、ガラス製板基材9を除いた透過型スクリーン8を構成する光拡散層10、可視光吸収層11、可視光拡散シート部材12の厚さは合計しても1mm以下と、極めて薄くすることが可能である。これにより、透過型スクリーン8上に載置された情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターン等に関する情報を、赤外線カメラ5を用いて高精度で撮像して認識することができるようになる。
【0044】
さらに、テーブル型投影撮像装置1を構成する透過型スクリーン8は、ゲーム装置等においてゲームを実行するテーブルとして使用することができる。例えば、透過型スクリーン8は、このスクリーン8上にプレイアイテムである情報記録媒体(トレーディングカード等)17を載置して、このプレイアイテム17を、可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させるカードゲーム装置のカード配置パネルとして使用することができる。このように、テーブル型投影撮像装置1をカードゲーム装置のカード配置パネルとして実施する場合、透明な可視光拡散シート部材12の上側表面には微細な凹凸12aが形成されているので、可視光拡散シート部材12の上側表面に情報記録媒体17の摩擦や張り付きを防止することが可能になる。これにより、情報記録媒体17を可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させる操作、および情報記録媒体17を取除く操作等が極めて円滑になる。
【0045】
画像解析装置14は、赤外線カメラ5から1フレーム分の画像データを受信すると、ソフトウエア処理により、情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターン(識別コード)等の情報を判定する。この判定処理は、例えば、次の手順(1)〜(4)の手順により行うことができる。
【0046】
(1)画像解析装置14の画像解析プログラムに、情報記録媒体17の裏面に印刷する標準の画像パターンに関するデータを予め登録しておく。この標準の画像パターンには、例えば、画像の中心位置を示す画像(例えば、所定の大きさを有する円形画像)、情報記録媒体17の向きを判別するための画像等を「白」と「黒」で表現する。
【0047】
(2)まず、受信した1フレーム分の画像データについて、「白」の領域と、「黒」の領域を特定する処理を行う。前記したように、赤外光を反射するインクが印刷された領域を赤外線カメラ5で撮像すると「白色」の領域、その他の部分は「黒色」であると判定する処理を行う。このためには、撮像した画像の画素データについて「白色」と判定するための閾値を予め設定しておく必要がある。そして、この閾値に基づいて「白色」と判定できる閾値を有する画素データは「白色」と判定し、これ以外の画素データは「黒色」と判定する処理を行う。このような処理により、赤外線カメラ5が撮像した1フレームの画素データについて、「白色」と「黒色」の2値化された画像データを求め、この画像データを画像解析装置14の記憶装置に記憶する。
【0048】
(3)続いて、透過型スクリーン8の上に、情報記録媒体17が載置されているか否かを判定する。この判定は、画像の中心位置を示す画像が、1フレーム分の画像データに含まれているか否かを判定することにより可能である。そして、透過型スクリーン8上に情報記録媒体17が載置されていると判定した場合には、標準の画像パターンとして予め登録している向きを判別する画像パターンと比較して、情報記録媒体17が載置されているスクリーンの座標形系に対する向きを求める処理を行う。この処理により、透過型スクリーン8に載置されている情報記録媒体17の位置(座標)と向きを検出することができる。そして、この向きの判定処理が終わると、この情報記録媒体17を撮像した画像データについて、スクリーン座標系に対して傾きが0の画像データに変換して記憶装置に記憶する。なお、スクリーン座標系は、赤外線カメラ5が透過型スクリーン8を撮像する長方形の範囲を考慮して、原点位置とXY軸方向に所定の長さを有する2次元座標を予め設定しておく。
【0049】
(4)続いて、情報記録媒体17に記録されているコードパターンに関する情報の解析を行う。情報記録媒体17の裏面には、中心位置から所定の範囲内の領域に所定の形状でコードパターンを記録しておくことにより、例えば、次のようにしてこのコードパターンに関する情報を解析することができる。
【0050】
(4−1)まず、コードパターンが記録されている領域について、順次、「黒色」と「白色」の順で記憶されているか、「白色」と「黒色」の順で記憶されているかを判定する。そして、「黒色」と「白色」の順で記憶されている場合には「1」と判定し、「白色」と「黒色」の順で記憶されている場合には「0」と判定する処理を行う。このようにして、コードパターンが記録されている全領域について、「0」と「1」で表される2進数の数値情報を判定することができる。
【0051】
(4−2)上記(4−1)の手順で解析した2進数の情報を10進数の数値、あるいは英数字として変換する処理を行う。
上記のような(1)〜(4)の手順により、情報記録媒体17の裏面に記録されているコードパターンに関する情報、例えば、情報記録媒体17に付与されている固有の識別コードを読み取ってその内容を判定(解析)することができる。
【0052】
テーブル型投影装置1は、前記したように、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置、あるいはカードゲーム装置のカード配置パネルとして実施することができるが、プレゼンテーション用のテーブル型投影装置として使用する場合には、例えば、次のような使い方を行うことができる。
【0053】
すなわち、プレゼンテーションの場においては、各種の画像をプレゼンテーションする必要がある。そして、質問等に応答するために、これまで説明していた画像とは別のファイル名を付与した画像データを透過型スクリーン8に投影しようとすると、パーソナルコンピュータ13の操作が必要になる。このようなとき、説明者は情報記録媒体17を透過型スクリーン8に載置する。情報記録媒体17の裏面には、予めこの画像データを記憶しているファイル名を識別するための番号のパターンを印刷しておく。そして、赤外線カメラ5がこの番号のパターンを撮像し、画像解析装置14に搭載されているソフトウエアは、撮像した画像データについてその番号を判定する処理を行う。これにより、画像解析装置14は、パーソナルコンピュータ13に対して、情報記録媒体17により指示された画像データを自動的に投射するように制御することが可能になる。
【0054】
続いて、上記したテーブル型投影撮像装置1を適用した本発明のゲーム装置について説明する。
図4は、本発明のゲーム装置を、カードゲーム装置21として実用化したときの全体構成を示す斜視図、図5はこのカードゲーム装置において各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、カードゲーム装置21を戦乱バトルゲームに適用した場合について説明するが、サッカーゲームを含むその他のカードゲームにも適用することができる。
【0055】
図4および図5に示すように、カードゲーム装置21は、1台または2台の大型パネルディスプレイ22と、この大型パネルディスプレイ22の表示制御を行うメイン制御部23と、メイン制御部23と通信可能に接続された複数の端末装置24a〜24hとから構成される。端末装置24a〜24hの各1台は、本発明のゲーム装置を構成する。なお、この端末装置24a〜24hの各1台は、図1に示す制御装置15になる。
【0056】
大型パネルディスプレイ22は、刻一刻と変化する現在の勢力地図、天下統一を果たしたプレイヤの「歴代皇帝」としての紹介、皇帝ランキング等の画像等を表示するために使用される。
【0057】
初めてゲームに参加するプレイヤPは、最初にゲームを行うために必要なスタートセットを購入して端末装置24a〜24hの席に着席する。このスタートセットには、戦闘結果等を記録する記録媒体として使用されるICカード25と、各部隊を率いる武将等のイラストなどが印刷された複数枚のカード17が含まれている。このカード17は、カードゲームを行うためのプレイアイテム、すなわち、トレーディングカードとなるものであり、以下の説明ではこのプレイアイテムをカード17と表現する。なお、カード17は、前記図1の構成で説明した情報記録媒体17を示すものである。
【0058】
ICカード25は、少なくとも当該プレイヤが所有するカード17の種類、およびカード17の裏面に印刷等により記録されている識別コードに対応する武将等の特性、例えば、武力が強く「突撃」に強い、知力が強く「計略」に強い等、および過去の戦闘結果や、プレイヤの名前(愛称)等のプレイヤ情報が記憶されている。これにより、カードゲーム装置21は、ICカード25に記憶されている情報を読み取ることによりゲームに必要なデータを得ることができると共に、プレイヤPがゲームに参加する資格を有していることを確認することができる。
【0059】
カード17は、その表面にそれぞれ異なる武将等のイラスト等が印刷されている。またその裏面には、後記するように、表面に印刷された武将等を識別するための識別コードがコードパターンとして印刷されている。
【0060】
端末装置24a〜24hは、それぞれ同一の構成からなっているので、図5に示す端末装置24aについて説明する。端末装置24aは、プレイヤPが所有するカード17を載置するためのカード配置パネル27と、戦闘の画像等を表示するモニタ28と、ICカード25が挿入されるICカードリードライト装置29と、コイン投入装置29aと、1ゲームの実行に対応して、プレイヤPに新規なカード17を払い出す(発行する)カード払出装置30とを備えている。カード配置パネル27は、前記した図1に示すテーブル型投影撮像装置1の透過型スクリーン8と同一の構成になっている。
【0061】
なお、これら端末装置24a〜24hの各1台が本発明のゲーム装置を構成する。また、端末装置24a〜24hを操作するプレイヤ同士間で、互いに相手を対戦者(対戦相手)としてゲームを実行することが可能である。さらに、プレイヤは自分が操作する端末装置24a等を対戦者としてゲームを実行することもできる。コイン投入装置29aは、コイン投入口と投入されたコインを検出するセンサとを有し、プレイヤPがゲームを開始するときにゲーム料金を徴収するゲーム料金徴収手段となる。図5においては、コイン投入装置29aは、ICカードリードライト装置29と一体化した構造を示しているがそれぞれ別体の構造にしてもよい。
【0062】
カード配置パネル27の左側には、プレイヤPの名前入力やメニュー選択時にカーソルを動かすために用いるセレクトボタン31が設けられている。また、カード配置パネル27の右側には、「計略」、「突撃」、「一騎打ち」等を行う際に押圧するアクションボタン32やスタートボタン等の各種ボタンスイッチが設けられている。
【0063】
続いて、カードゲーム装置21の制御機構について説明する。図6は、カードゲーム装置21の制御システムの一例を説明するためのブロック図である。メイン制御部23は、LAN(Local Area Network)33のハブ34を介して大型パネルディスプレイ22を表示制御するための大型パネル制御部35と、各端末装置24a〜24hと、外部の通信ネットワーク(図示せず)とに接続されている。
【0064】
大型パネル制御部35は、CPU36、記憶装置(メモリ)であるRAM37、入出力インタフェース38、サウンド回路39、グラフィック表示回路40を有する制御基板等から構成される。RAM37には、大型パネルディスプレイ22に表示される各種の画像データ、およびこれらの画像データを選択して優先順位を決めて順次表示させる制御を行う画像出力制御プログラムが格納されている。
【0065】
入出力インタフェース38は、ハブ34を介してメイン制御部23に接続されると共に、大型パネルディスプレイ22を操作するためのスイッチ類41等が接続されている。サウンド回路39は、大型パネルディスプレイ22に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)42に接続されている。なお、音声データおよびこの音声データをスピーカ42に出力するための音声出力制御プログラムもRAM37に記憶されている。グラフィック表示回路40は、CPU36からの制御信号により選択された画像を大型パネルディスプレイ22に表示させる。
【0066】
端末装置24a〜24hは、CPU43、RAM(メモリ)44、入出力インタフェース45、サウンド回路46、グラフィック表示回路47を有する制御基板等から構成される。RAM44には、モニタ28に表示される各種画像データ、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27に画像を表示するための画像データ、およびこれらの画像データを表示させる制御を行う画像出力制御プログラム、カードゲーム装置21によりゲームを実行するとき、ゲームの進行を制御するためのゲーム動作制御プログラムPが格納(記憶)される。さらに、RAM44には、プレイヤPが操作する端末装置24a等を対戦者としてゲームを実行するための戦闘データ等も記憶される。この戦闘データとしては、プレイヤPの対戦相手となる各武将の識別コードとその特性が記憶されている。
【0067】
入出力インタフェース45には、メイン制御部23の他に、ICカードリードライト(ICカードR/W)装置29、コイン投入装置29aのコイン検出センサ(図示せず)、タイマー29b、カード払出装置30、セレクトボタン31やアクションボタン32およびモニタ28を操作するためのスイッチ類等、カード17の裏面に印刷されたコードパターンを読み取るための赤外線カメラ5、カード配置パネル27に画像を投影するためのプロジェクタ3、等が接続されている。なお、タイマー29bは経過時間をカウントする手段として用いるが、プログラムにより経過時間をカウントするソフトウエアタイマーを採用してもよい。なお、赤外線撮像手段としては、前記したように、赤外線カメラ5の他に、赤外光を検出するイメージセンサ等の赤外光検出手段を使用することができる。
【0068】
サウンド回路46は、モニタ28に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ(スピーカ)50に接続されている。なお、音声データおよびこの音声データをスピーカ50に出力するための音声出力制御プログラムもRAM44に記憶される。グラフィック表示回路47は、CPU43からの制御信号により選択された画像をモニタ28に表示させる。
【0069】
図7は、カード配置パネル27を上方からみた平面図を示し、長方形の形状をなしている。また、カード配置パネル27を取り付けた筐体2の縦断面図は、前記した図1に示すテーブル型投影撮像装置1の構成と同一にされている。さらに、カード配置パネル27の断面構成は、図2に示す透過型スクリーン8の構成と同一にされている。
【0070】
すなわち、カード配置パネル27は、図1に示すように、筐体2の上面開口部を塞ぐように取り付けられた透過型スクリーン8と同一構成となっている。そして、このカード配置パネル27は、前記したように、透明な板状のガラス製板基材9と、ガラス製板基材9の上面に形成された光拡散層10と、光拡散層10の上面に形成され、カーボンを含まないイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)からなるインクを混合した層からなる可視光吸収層11と、可視光吸収層11の上面に配設された透明な可視光拡散シート部材12から構成される。可視光拡散シート部材12の上側表面には、微細な凹凸12aが形成されている。
【0071】
プレイヤPは、ゲームを行う際にこのカード配置パネル27を構成する可視光拡散シート部材12の上面にプレイアイテムとなるカード17を載置する。また、プレイヤPが、例えば、他の端末装置24bを操作するプレイヤと対戦する場合には、それぞれの端末装置の可視光拡散シート部材12上に自分のカード17を載置する。
【0072】
筐体2の内部には、図1と同様に、カード配置パネル27上に載置されたカード17の裏面に赤外線(不可視光)を照射する赤外光発光装置6と、赤外光発光装置6から照射された赤外光について、カード17の裏面で反射した反射光を赤外線カメラ5のレンズ方向に反射させるミラー7と、透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に画像を投影するためのプロジェクタ3が設置されている。なお、プロジェクタ3から投射された投射光は、ミラー7により反射して透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に画像を投影する。そして、プレイヤPはこの投影された画像を、カード配置パネル27の上方から見ることができる。
【0073】
なお、カード配置パネル27に投影される画像は、RAM44に記憶されているゲーム動作制御プログラムPの制御に基づいて、例えば、ゲームの演出効果を高めるために、プレイヤPがカード配置パネル27上を擦りながらカード17を移動させると、その移動量に応じて逐次変化する戦場場面に関する画像等を表示するようにする。
【0074】
筐体2は、下側傾斜部2bを有するため、プレイヤPが着席したとき、プレイヤPの足が下側傾斜部2bの下方に挿入させることができる。これにより、プレイヤPは、カード配置パネル27上にカード17を並べる際にカード配置パネル27の奥の位置まで手を伸ばすことが可能になり、カード配置パネル27の全面のどこでもカード17を載置することができる。また、密閉された筐体2の内部には、赤外光発光装置6から赤外光(不可視光)がカード配置パネル27に照射されているため、カード配置パネル27の上から筐体2の内部を覗くことはできないようになっている。
【0075】
図8は、カード17の裏面に印刷により記録されたコードパターンの一例を示す。カード17の裏面には、半径が異なる複数のパターンからなるコードパターン170が印刷されている。このコードパターン170は、カード位置検出円172と、カード位置検出円172の外周に形成された位置角度検出パターン領域174と、位置角度検出パターン領域174の外側に形成されたIDデータ領域176と、カード位置検出円172の内側に形成された環状白色領域178と、環状白色領域178の内側に形成されたデータ領域180と、データ領域180の内側に形成された中心点182とを有している。コードパターン170は、赤外線カメラ5により黒色部分170aと白色部分170bとの濃度差によって認識される。
【0076】
なお、コードパターン170は、可視光では識別することができないインクを使用して印刷されているので、プレイヤは直接視認することができないようになっている。そのため、プレイヤあるいはその他の者が、コードパターン170に細工してコードパターン170の改造、あるいはコードパターン170を似せたカードの偽造が防止されるようになっている。
【0077】
さらに、コードパターン170には、カード位置検出円172と、位置角度検出パターン領域174と、IDデータ領域176と、環状白色領域178と、データ領域180とが中心点182を中心とした同心円状に形成されており、カード6の短辺よりも大きい半径となるIDデータ領域176は円弧状に湾曲した形状に形成されている。すなわち、IDデータ領域176では、長方形のカード面に対し、短辺部分よりも大径な半径に位置する最外周の円形パターンのうち、一部が円弧状に記録されているため、カード面の全面積を有効に使用することができる。
【0078】
図9は、カード17の裏面を赤外線カメラ5で撮像したときの画像例を示す図である。
図9に示すように、コードパターン170を赤外線カメラ5で撮像すると、黒白部分を「1」と認識し、白黒部分を「0」と認識するように処理することができる。
【0079】
図9に示すIDデータ領域176およびデータ領域180の白色部分は、ハッチングで示す部分であるが、空白ではなく、黒色部分との組合せで所定の情報を表示している。すなわち、上記黒色部分と白色部分との組合せで表示されている領域が、1ビットの信号として抽出できるような構成にされている。
なお、各半ビット(一つの黒色部分または白色部分を示す)が赤外線カメラ5で撮像された画像データの画面上の領域において、例えば、6ドットで表現するように設定することができる。
【0080】
なお、カード17のコードパターン170とコード中心点182の検出は、カード位置検出円172の内側と外側との輝度差により行う。そのため、カード位置検出円172の内側と外側には白色領域が環状に形成されており、これによりカード位置検出円172内周および外周との輝度差が明確化されている。カード位置検出円172は、円であるため、カード17の向き(位置角度)に関係なくカード位置検出円172を検出することができる。これにより、例えば、この長方形をなすカード17の中心位置について、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系に対する座標を判定(検出)することが可能になる。
【0081】
また、コードパターン170の位置角度(カード17の向き)の検出は、カード位置検出円172の外周より外側に放射状に突出する位置角度検出パターン領域174の突部174a〜174dの円周方向間隔を検出して判別する。そのため、各突部174a〜174dの円周方向の間隔は、等間隔とせず、各間隔が異なるようにして、その間隔を検出することにより当該カード17の位置角度、すなわち、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系に対する向きを判別することができる。
【0082】
また、各ビットの値は、隣り合った2つの半ビット領域の輝度差で判定する。例えば、前記したように、「黒色」と「白色」の順で記憶されている場合には「1」と判定し、「白色」と「黒色」の順で記憶されている場合には「0」と判定する処理を行う。なお、各領域の輝度を求める際には、ピンぼけや位置・角度検出時の誤差の影響を少なくするために、境界ぎりぎりの部分の領域は使用せず、各領域の中心部の輝度を抽出するようにする。
【0083】
図10に示すように、IDデータ領域176およびデータ領域180のビットの開始位置S1〜S4は、各カード6により異なるようにしている。また、図11に示しているように、IDデータ領域176およびデータ領域180には、パターンデータ0〜15からなる16ビットの情報が得られる。さらに、各パターンデータ0〜15は、上記したように黒色部分と白色部分とからなり、赤外線カメラ5で撮像された画像データの中から識別し易くするために、黒色部分および白色部分の一つの面積が大きく設定されており、データの誤認識が防止されている。
【0084】
続いて、端末装置24a〜24hのRAM44に記憶され、カードゲーム装置21の動作を制御するソフトウエアの構成について説明する。図12は、カードゲーム装置21の動作を制御するゲーム動作制御プログラムPについてその構成例を示す図である。
【0085】
図12に示すように、カードゲーム装置21の動作を制御するゲーム動作制御プログラムPは、メイン制御プログラム部P1、入出力制御プログラム部P2、部隊制御プログラム部P3、計略制御プログラム部P4、画像制御プログラム部P5、音声出力制御プログラム部P6から構成される。このゲーム動作制御プログラムPは、本発明におけるゲーム動作制御手段を構成する。
【0086】
メイン制御プログラム部P1は、カードゲーム装置21の動作を統括して制御するためのプログラムとこの統括制御に必要とされるサブプログラムから構成されている。メイン制御プログラム部P1は、メイン制御プログラムP1a、入力信号解析プログラムP1b、ゲーム料金設定プログラムP1c、ゲーム実施認可プログラムP1d、等のサブプログラムを含んでいる。
【0087】
メイン制御プログラムP1aは、カードゲーム装置21の電源をONした後に実行され、ゲームの全体の流れを制御するためのプログラムである。メイン制御プログラムP1aには、カードゲーム装置1の電源をONしたときに、プログラム内で使用する変数の値を記憶するRAM44のメモリ領域の初期化、およびモニタ28に初期画面を表示するための初期化プログラムも含まれている。また、メイン制御プログラムP1aは、プレイヤPが他の端末装置24b等の1台を操作するプレイヤと対戦するために、他の端末装置24b等とデータ通信するための通信制御プログラムも含んでいる。
【0088】
入力信号解析プログラムP1bは、ICカードリードライト装置29、コイン投入装置29a、赤外線カメラ5、セレクトボタン31、アクションボタン32等から信号が入力されたときに、その入力信号(割込み信号等)を解析してその処理を各サブプログラムに移管させるためのプログラムである。
【0089】
ゲーム料金設定プログラムP1cは、プレイヤPがゲームを行うときに、1ゲームの料金を設定するためのプログラムである。このゲーム料金設定プログラムP1cは、例えば、プレイヤPがゲームを行って「勝利」を獲得すると、引き続いて次のゲーム(連勝ボーナスゲーム)の実行に挑戦する権利が認可され、これに挑戦するか否かは選択可能にする。そして、プレイヤPがこの連勝ボーナスゲームへの挑戦を選択した場合には、このゲーム料金は通常料金に対して割引料金を設定する処理を行う。さらに、この1回目の連勝ボーナスゲームで「勝利」を獲得すると、2回目の連勝ボーナスゲームにも挑戦可能にし、この2回目の連勝ボーナスゲームのゲーム料金は、さらに割引料金を設定するような処理を行う。
【0090】
ゲーム実施認可プログラムP1dは、プレイヤPがコイン投入装置29aにコインを投入した数(個数)をカウントして投入コイン数を記憶する処理、すなわち、投入コイン数をゲーム料金として引き当てることができるコイン貯留個数として把握する処理と、このコイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金(クレジット)を満たしているか否かを判定する処理等を行うプログラムである。そして、この判定により、コイン貯留個数(投入コイン個数)が1ゲームのゲーム料金を満たすとゲームの実行を許可する処理を行なう。また、満たしていない場合には、モニタ28にコイン投入必要数を表示させる処理を行う。
また、図12には示していないが、メイン制御プログラム部P1には、プレイヤPが操作する端末装置をプレイヤPの対戦相手としてゲームを実行するための制御プログラムである対戦プログラムも含まれている。
【0091】
入出力制御プログラム部P2は、入出力インタフェース45に接続されている上記した各種ボタンスイッチ等、ICカードリードライト装置29の入力機器やセンサからの入力信号に基づいて所定の処理を行うプログラムと、ICカードリードライト装置29、カード払出装置30等への出力を制御するためのプログラムから構成されている。図12に示すように、入出力制御プログラム部P2は、ICカードリードライトプログラムP2a、ボタン入力処理プログラムP2b、カード情報読み込みプログラムP2c、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2d、カード払出装置制御プログラムP2e、等のサブプログラムを含んでいる。
【0092】
ICカードリードライトプログラムP2aは、ICカードリードライト装置29の作動を制御して、ゲームを実行するときにプレイヤPが所有しているICカード25に記憶されているデータを読んでRAM44に記憶する処理、およびゲーム結果である戦闘結果に関するデータをICカード25に書き込む処理等を行うプログラムである。ボタン入力処理プログラムP2bは、セレクトボタン31、アクションボタン32等から信号が入力されたときに、それぞれの入力信号に基づいた処理を行うためのプログラムである。
【0093】
カード情報読み込みプログラムP2cは、ゲームを行う際にプレイヤPがカード配置パネル27上にカード17を載置したときに、赤外線カメラ5により撮像した画像データを「白」「黒」の2値化画像データに変換し、さらに、このカード17の裏面に印刷されているコードパターン170に関する画像データを抽出して、この抽出したデータをRAM44に記憶する処理を行うプログラムである。
【0094】
カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dは、上記抽出したコードパターン170に関する画像データを解析して、カード配置パネル(透過型スクリーン)27上に設定されている2次元座標系に対するカード17の位置、向き、等を検出する手段であって、検出した座標等の値をRAM44に記憶する。なお、カード配置パネル27上に設定されている2次元座標系は、赤外線カメラ5が撮像するカード配置パネル27の長方形の領域内に設定し、その原点位置も適切な位置に設定する。そして、RAM44に記憶した1フレーム分の画素データについて、カード配置パネル27上の原点位置がどの画素データ(記憶番地)に該当するかを予め検証し、1フレームの画像データの原点位置を示す記憶番地をプログラム内に記憶しておく。これにより、赤外線カメラ5が撮像した画像データから、カード配置パネル27の2次元座標に対して、カード17が載置されている位置の座標と向き検出することができる。
【0095】
また、本発明においては、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dを所定の時間間隔、例えば、16ミリ秒ごとに作動させて、プレイヤPがカード17を移動させたときに、その移動の検出とその移動量についても求めるようにしている。
【0096】
カード払出装置制御プログラムP2eは、メイン制御プログラムP1の制御に基づいて、プレイヤPに対して新たなカード17をカード払出装置30から払い出す制御を行うためのプログラムである。
【0097】
部隊制御プログラム部P3と計略制御プログラム部P4は、ゲームの戦闘場面においてプレイヤPがカード配置パネル27上に載置したカード17を、配置パネル27上を擦りながら移動させて攻撃等の操作を行ったときに、上記したカード17の移動量、向き等からその戦闘を制御し、さらに、プロジェクタ3を作動して透過型スクリーンから構成されるカード配置パネル27にこの戦闘画像を投影するための制御を行うプログラムである。
【0098】
部隊制御プログラム部P3は、カード17に記録されている識別コード等のカード情報に基づいてそのカード17により表される部隊の制御を行うプログラムである。この部隊制御プログラム部P3は、カード17の位置に応じてカード種類別に部隊の位置を変更する位置変更処理(カード種類別)プログラムP3a、カード17の角度(向き)に応じて部隊のパラメータ(攻撃力、射程距離、防御力等)を変更するパラメータ変更処理(角度対応)プログラムP3b、カード17の角度(縦向き、横向き等)に応じて部隊の種別(槍部隊、弓部隊等)を変更する種別変更処理(角度対応)プログラムP3c、プレイヤPがカード17をカード配置パネル27上で移動させるために擦る操作を行ったことを、上記解析処理プログラムP2dによる位置の変化から検出し、このカード17により表される部隊が選択されたことを判定するカード選択判定プログラムP3d、等のサブプログラムから構成される。
【0099】
計略制御プログラム部P4は、カード17に記録されているカード情報およびアクションボタン32の操作に応じて計略(火炎により敵にダメージを与える火炎戦略等)の制御を行うプログラムである。この計略制御プログラム部P4は、上記カード選択判定プログラムP3dにより選択判定されたカード17に対応する部隊が計略を使える状態(士気が所定のレベルにたまった場合)になっている場合に、このカード17の角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤPに選択させる目標選択制御処理プログラムP4a、計略の効果範囲を判定する効果範囲判定処理プログラムP4b、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する計略実行処理プログラムP4c、等のサブプログラムから構成される。
なお、計略実行処理プログラムP4cには、ゲームを実行した結果の勝敗を判定する勝敗判定手段となるプログラムも含まれている。
【0100】
画像制御プログラム部P5は、メイン制御プログラム部P1、部隊制御プログラムP4および計略制御プログラム部P5等の各プログラムの制御に基づいて、モニタ28および透過型スクリーン8を構成するカード配置パネル27に、ゲームの進行に応じて各種の演出画像を出力するためのプログラムから構成される。この画像制御プログラム部P5は、タイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5a、準備画面制御プログラムP5b、戦闘準備画面制御プログラムP5c、戦闘画面制御プログラムP5d、結果発表画面制御プログラムP5e、スクリーン投影制御プログラムP5f、表示画像生成プログラムP5g、等のサブプログラムを備えている。
【0101】
タイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5aは、メイン制御プログラムP1aの制御により、ゲームを開始するときに、モニタ28にゲームのタイトルおよび広告等の表示を行うためのプログラムである。準備画面制御プログラムP5bは、モード選択画面、カード登録画面、兵法選択画面、対戦相手のマッチングを行う大陸表示画面、戦闘結果画面、戦闘結果に応じた位の昇格・降格画面、討伐画面等の準備画面をモニタ28に表示するためのプログラムである。
【0102】
戦闘準備画面制御プログラムP5cは、対戦者紹介画面、カード配置画面等の戦闘準備画面をモニタ28に表示するためのプログラムである。戦闘画面制御プログラムP5dは戦場の全体的な演出画像をモニタ28に表示するためのプログラムであり、結果発表画面制御プログラムP5eは戦闘結果に応じた経験値取得画面および戦闘結果閲覧画面、プレイヤPに新規カードの排出を告知(報知)するカード払出画面等をモニタ28に表示するためのプログラムである。
【0103】
スクリーン投影制御プログラムP5fは、RAM44に記憶されている画像データをプロジェクタ3から投射して、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27に画像を投影するためのプログラムであって、スクリーン投影制御手段を構成する。カード配置パネル27に投影する画像は、例えば、プレイヤPがカード配置パネル27にカード17を載置して、戦闘を行うためにプレイヤPがこのカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら敵側に移動させて攻撃を仕掛けたときに、メイン制御プログラムP1aの制御に基づいて、カード17の移動量に基いた戦闘画像、すなわち、仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内にカード17等の位置情報を取り入れて、2次元で表現されるカード配置パネル27に座標変換して戦闘画像を表示する。カード17の移動と連動させてモニタ28にも戦闘画面を表示する場合にも、上記した座標変換の処理が必要になる。
【0104】
特に、カード17(部隊)ごとに敵を攻撃する手法が異なるので、プレイヤPが何れかのカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させて攻撃するごとに、直ちに、変化に富んだ戦闘場面の画像をカード配置パネル27上に表示させるようにする。このように、モニタ28には戦闘に関する統括的な画面やプレイヤPに対してゲーム進行に関するアドバイス画面を表示し、カード配置パネル27にはカード17の移動に伴って刻々と変化する戦闘場面の画像を表示することにより、ゲーム進行の演出効果を一層高くすることができるようになる。
【0105】
表示画像生成プログラムP5gは、上記した仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内に、カード配置パネル27の2次元座標で表されるカード17等の位置情報を取り入れ、さらに、2次元座標系の位置情報に変換された画像情報を生成するためのプログラムである。これにより、カード17をカード配置パネル27上を擦りながら移動させると、その移動量、向きを前記したカード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dにより判定し、移動量に応じて刻々と変化させた戦闘画面をカード配置パネル27に表示させることが可能になる。例えば、カード17の位置に合わせて周囲に戦闘画像等を表示する処理、載置したカード17に向かって表示物体が移動してくる画像を表示する処理が可能になる。この表示画像生成プログラムP5gの処理内容は、表示画像を生成する手段を構成する。
【0106】
この仮想3次元空間から構成されるゲームの画像空間内に、カード配置パネル27上に載置されたカード17の位置情報を対応させ、さらに、この仮想3次元空間のゲーム画像を2次元空間の座標に変換する処理は、次のようにして行うことができる。
【0107】
(1)まず、前記したように、カード情報(位置・角度・種類)解析処理プログラムP2dにより、赤外線カメラ5で撮像した画像データに基づいて、カード配置パネル27上に載置されているカード17の位置情報と向きを、カード配置パネル27に設定されている2次元座標系(実空間)の座標値として求める。
【0108】
(2)続いて、この実空間である2次元座標系を仮想3次元空間であるゲーム空間座標系に変換する処理を行う。このためには、ゲーム空間座標系のXYZ軸方向の長さと、カード配置パネル系の原点がゲーム空間座標系のどの存在するかを決めておく。そして、この2次元座標系を仮想3次元空間の座標系に変換する処理は、アフィン変換手法等を用いて行うことができる。
【0109】
(3)続いて、この仮想3次元空間の座標を透視投影変換することにより、カード17の位置情報が取り込まれた戦闘画像をカード配置パネル27に投影することができるようになる。
【0110】
音声出力制御プログラム部P6は、メイン制御プログラム部P1、部隊制御プログラム部P3および計略制御プログラム部P4等の制御に基づいて、スピーカ30から音声を出力するためのプログラムである。
【0111】
上記したプログラムは、C言語等のプログラム開発言語を用いて開発することができる。そして、C言語等により開発したソースプログラムを、CPU43で実行できるオブジェクト(機械語)プログラムに翻訳したプログラムが、CD−ROM、DVD−ROM、あるいは端末装置24aのハードディスク装置等の外部記憶装置に記憶される。また、各種の画像データおよび音声データもこれらのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶する。そして、端末装置24aの電源をオンし、例えば、上記したプログラムが記憶されているCD−ROMまたはDVD−ROMを端末装置24aの外部読取装置にセットすると、これらのプログラムと、画像および音声デーはRAM44に読み込まれて、カードゲームを実行することが可能な状態になる。
【0112】
続いて、本発明の実施形態であるカードゲーム装置21のゲーム方法と上記したプログラムの処理の概要について説明する。なお、プレイヤPがカードゲーム装置21で初めてゲームを実行する場合には、スタートセットをゲームセンター等に設置されている自動販売機等を利用して購入する必要がある。スタートセットには、ゲームで使用する各戦闘部隊を率いる武将等のイラストを印刷した複数枚のカード17と、ICチップを内蔵したICカード25が1枚含まれている。このICカード25には、前記したように、戦闘部隊であるカード17に関する特性データ等が予め記憶されており、また、1ゲームごとの戦闘結果等も記憶されるようになっている。
【0113】
まず、端末装置24aの電源がオンされると、カードゲーム装置21の外部記憶装置からCD−ROM等に記憶されている図12に示す各プログラムと画像データおよび音声データがRAM44に読み込まれる。続いて、メイン制御プログラムP1aが立ち上がって、RAM44に記憶する変数の記憶領域を初期化する。以下、ゲーム動作制御プログラムの処理手順の概要を、図13〜図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0114】
(ステップS1)
ステップS1においては、メイン制御プログラムP1aがタイトル/アドバタイズ画面制御プログラムP5aを作動させて、モニタ28に本カードゲームのタイトル等を表示する処理を行う。これにより、カードゲーム装置21は、プレイヤPがゲームを実行するためにコイン投入の待ち状態になる。
【0115】
なお、ステップS1の処理においては、モニタ28に本カードゲームのタイトル等を表示する処理を行うが、さらに、メイン制御プログラムP1aはスクリーン投影制御プログラムP5fを作動させて、透過型スクリーンを構成するカード配置パネル27にも、初期画面として戦場の風景画面等を投影して演出効果を高めるようにするとよい。
【0116】
(ステップS2)(ステップS3)
プレイヤPがコインをコイン投入装置29aに投入すると、コイン投入装置29a内に設置されているコイン検出センサは投入されたコインを検出し、この検出信号は入出力インタフェース45を介して端末装置24aに入力される。すると、端末装置24aの入力信号解析プログラムP1bはこの入力信号の種類を解析し、コイン投入信号であると判定すると、ゲーム実施認可プログラムP1dを作動させる。
【0117】
ゲーム実施認可プログラムP1dは、プレイヤPがコイン投入装置29aに投入したコイン数(個数)をカウントして投入コイン数としてRAM44に設定した記憶領域に記憶する処理と、この投入コイン数をRAM44に設定したコイン貯留個数を把握する領域に加算する処理と、ステップS3により、コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金(クレジット)を満たしているか否かを判定する処理、すなわち、1ゲームの実行を許可(認可)する処理を行う。そして、この判定により、コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金を満たしている場合には、1ゲームの実行を許可して次のステップS4に進む。一方、投入されたコイン個数がクレジットを満たしていない場合には、ステップS2に戻る。
【0118】
なお、本発明においては、プレイヤPが最初の1ゲームを行うときのゲーム料金は通常料金、例えば、コイン3個とする処理を行う。
また、本ゲーム装置においては、プレイヤPがゲームを実行した結果、「勝利」を獲得して次の「連勝ボーナスゲーム」に挑戦すると、この「連勝ボーナスゲーム」のゲーム料金はコイン2個に割引きした料金に設定するようにしている。そして、プレイヤPがこの1回目の「連勝ボーナスゲーム」に「勝利」し、さらに2回目の「連勝ボーナスゲーム」に挑戦すると、このゲームのゲーム料金はコイン1個に設定する処理を行うようにしている。このように、プレイヤPがゲームを実行して「勝利」を連続して獲得(連勝)すると、この連勝回数が予め設定した所定の回数に達すまで、「勝利」した次の1ゲームの料金をこの連勝回数を考慮した割引料金に設定するようにしている。また、プレイヤPが1ゲームを実行して「敗戦」した場合、次のゲームのゲーム料金は上記した通常料金が適用される。従って、ステップS3の処理においては、ゲーム料金は初回のゲームであるため通常料金を適用する処理を行う。
【0119】
(ステップS4)
コイン貯留個数が1ゲームのゲーム料金を満たしているので、ゲーム実施認可プログラムP1dはRAM44に記憶しているコイン貯留個数から今から実行するゲームのクレジットであるコイン数を減算し、減算して得たコイン貯留個数をRAM44に記憶する更新処理を行う。この処理は、プレイヤPが通常料金に対して余分なコインを投入したときに、余ったコインを次のゲームのゲーム料金として引き当てるために行う処理である。
【0120】
(ステップS5)
続いて、プレイヤPは、ICカード25をICカードリードライト装置29に挿入する操作を行う。ICカード25の挿入信号が入力されると、メイン制御プログラムP1aはICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ICカード25に記憶されている情報をRAM44に記憶する処理を行う。次に、モニタ28にゲームのモード選択画面を表示して、プレイヤPに今から実行するゲームのモードを選択させる処理を行う。このゲームのモード選択とは、他の端末装置24b等を操作する他のプレイヤを対戦相手とした対戦ゲームを行うか、あるいはプレイヤPが一人で自分が着席した端末装置24a(コンピュータ)を対戦相手としてゲームを行うかの選択を示す。そして、メイン制御プログラムP1aは、選択されたモードに対応したプログラム処理を行う。
【0121】
(ステップS6)
ステップS6においては、プレイヤPは、戦闘ゲームを開始するために、カード配置パネル27にカード17を載置する操作を行う。カード17がカード配置パネル27上に載置されると、メイン制御プログラムP1aは、カード情報読み込みプログラムP2cを作動させて、このカード17の裏面に記録(印刷)されているコードパターン170に関するデータを赤外線カメラ5により撮像し、この撮像したデータをRAM44に記憶する。そして、カード情報読み込みプログラムP2cは、RAM44にこの読み込んだコードパターン170に関する「白黒」の濃淡等の画像解析を行って、カード17の裏面に印刷されている識別コード等を判定する処理を行う。この識別コードは、前記したようにカード17ごとに予め設定されている部隊の種別を表すデータである。
【0122】
(ステップS7)(ステップS8)
ステップS7においては、メイン制御プログラムP1aが準備画面制御プログラムP5bを作動させて、プレイヤPに戦闘に使用する兵法を選択させる画面をモニタ28に表示させ、プレイヤPが選択した兵法をRAM44に記憶する処理を行う。続いて、ステップS8においては、準備画面制御プログラムP5bによりゲームで戦闘を行う戦闘大陸の戦闘エリアを所定時間モニタ28に表示する処理を行う。
【0123】
(ステップS9)
ステップS9においては、戦闘準備画面制御プログラムP5cにより、プレイヤPが対戦する武将等の紹介画面をモニタ28に表示する処理を行う。このとき、プレイヤPが対戦する対戦者が他の端末装置24b等を操作するプレイヤである場合には、この端末装置24bのカード配置パネル27に載置されたカード17に関する情報がプレイヤPの端末装置24aに伝送され、モニタ28に表示される。また、プレイヤPが端末装置24aを対戦相手とした場合には、メイン制御プログラムP1aによりRAM44に記憶している武将を選択して、プレイヤPが戦闘する戦闘相手とする処理を行う。
続いて、戦闘準備画面制御プログラムP5cは、プレイヤPが戦闘に使用するカード17をカード配置パネル27に配置したカード配置画面をモニタ28に表示する処理を行う。
【0124】
図15は、上記したカード配置画面の例を示す。図15において、手前(画面下部)が自分(プレイヤP)側の城、正面奥(画面上部)を敵側の城とした画像の中に、配置したカード17の位置に対応して、部隊の輪郭像81とそのアイコン、名称、特性値等を含むキャプション82が表示されるようになっている。図15においては、プレイヤPはカード配置パネル27に5枚のカード17を載置したことを示している。
【0125】
(ステップS10)
続いて、プレイヤPがカード配置パネル27に載置したカード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させると戦闘が開始し、戦闘画面制御プログラムP5dは、スクリーン投影制御プログラムP5fを作動させて、図16に示すような戦闘画面をカード配置パネル27に投影させる。
【0126】
図16に示すメイン画面83には、カード17に対応する部隊を示すキャプション82と、当該部隊の兵士の画像を含む戦闘状況をズームインした画像が表示される。また、サブ画面84には、戦闘エリア全域における各カード(部隊)17の配置が表示されるようになっている。なお、戦闘画面の表示に際しては、音声出力制御プログラム部P6により、ステージごとに戦闘の雰囲気を伝える音声、効果音がスピーカ50から出力される。また、戦闘に際しては、部隊制御プログラム部P3および計略制御プログラム部P4の各プログラムの制御に従って、各カード17を、カード配置パネル27上を擦りながら移動させるごとに敵側部隊との戦闘が行われ、カード配置パネル27上に投影する戦闘画面も逐次変化させる。これにより、プレイヤPは、カード配置パネル27に投影された臨場感の高い戦闘画面内でカード17を移動させながらゲームを進行させることができる。
【0127】
プレイヤPが対戦する対戦者が他の端末装置24b等を操作するプレイヤである場合、プレイヤがカード17をカード配置パネル27上を擦りながら移動させると、その移動等に関するデータは相手側の端末装置に伝送されて戦闘画面としてカード配置パネル27に表示される。
【0128】
前記したように、カード配置パネル27を構成する可視光拡散シート部材12の表面には平坦な上面、あるいは球状をなす微細な凹凸12aが形成されている。このため、このカード17をカード配置パネル27上に載置して可視光拡散シート部材12上を擦りながら移動させるとき、あるいは、可視光拡散シート部材12上からカード17を取除く操作を行うときに、この微細な凹凸12aにより、これらの操作を円滑に行うことができるようになる。さらに、この微細な凹凸12aは、部屋の照明等による外光を拡散させる作用を行うので、カード配置パネル27に投影される画像を鮮明にする効果を発揮する。
【0129】
(ステップS11)
上記ステップS10によるカード17を使用した戦闘ゲームについて、計略実行処理プログラムP4cにより、ゲームの勝敗の判定と、この勝敗の判定を含む戦闘結果に関するデータをRAM44に記憶する処理を行う。このゲームの勝敗の判定は、例えば、次のようにして行うことができる。
【0130】
すなわち、戦闘を開始するときに、プレイヤPおよび対戦者にヒットポイント、例えば100点が与えられ、このヒットポイントの値がゲーム画面に表示される。そして、カード17を移動させながら相手側(城)に攻め込んで対戦者の部隊にダメージを与えると所定のルールにより対戦者のヒットポイントが減少していく。このようにして、ヒットポイントが「0」になったプレイヤが「敗戦」になる。また、同時にヒットポイントが「0」になると、プレイヤPとその対戦者とも「敗戦」と判定する。さらに、戦闘開始後、タイムカウントしてタイムオーバになった場合には、ヒットポイントの値が大きいプレイヤが「勝利」と判定し、同じ値(引き分け)の場合は両プレイヤが「敗戦」と判定する。
【0131】
また、ステップS11の処理においては、プレイヤPがゲームを実行した回数をカウントする手段としてRAM44に設定した領域(以下、ゲーム実行回数フラグという)を「+1」する処理を行う。
【0132】
さらに、当該ゲームにおいて、プレイヤPが「勝利」を獲得したと計略実行処理プログラムP4cが判定した場合には、この「勝利」の連勝回数をカウントする手段として、RAM44に設定した領域(以下、連勝回数フラグという)を「+1」する処理を行う。さらに、1ゲームごとのゲーム結果である勝敗の種別を記憶する手段としてRAM44に設定した領域(以下、勝敗フラグという)にこの勝敗結果を記憶する処理を行う。例えば、「勝利」した場合には勝敗フラグに「2」を、敗戦の場合には「1」を記憶する。
【0133】
(ステップS12)(ステップS21)
ステップS12においては、メイン制御プログラムP1aにより、RAM44に記憶している連勝回数を示す連勝回数フラグの値が予め設定している上限値V、例えば、上限値Vは「3」に達したか否かを判定する。この連勝回数の値が上限値Vに達したということは、このプレイヤPは大陸の全領域を討伐(征服)したこと、すなわち、ゲームを完全にクリアしたことを示す。そして、連勝回数がV回を達成した場合には、ステップS21に進んで、準備画面制御プログラムP5bにより、討伐成功の演出画面をモニタ28に所定の時間表示し、続いてステップS22に進むようにする。
【0134】
(ステップS13)
ステップS13においては、メイン制御プログラムP1aにより、プレイヤPが今回実行したゲームの勝敗結果を判定して、「勝利」の場合は次のステップS14に、「敗戦」の場合にはステップS22(図14に示す)に進む処理を行う。なお、プレイヤPが今回実行したゲームの勝敗結果は、ステップS11によりRAM44に記憶した勝敗フラグの記憶内容を判定することにより可能である。
【0135】
(ステップS14)
ステップS13により、プレイヤPは今回のゲームで「勝利」を獲得したと判定したので、ステップS14ではその勝利獲得の演出画像の表示と、このプレイヤPに対して次のゲーム(連勝ボーナスゲーム)に挑戦するか否かの問合せ画面をモニタ28に表示する処理を行う。
【0136】
なお、この「連勝ボーナスゲーム」とは、前記のように、プレイヤPが「勝利」を獲得して次のゲームに挑戦する場合には、この次のゲームのゲーム料金は通常料金に対して割引料金に設定されることを示す。さらに、「連勝ボーナスゲーム」はその戦闘エリア(領域)も異なる領域で戦闘するゲーム画面を表示し、かつ、勝利を獲得するための難易度に差を設けるようにしてもよい。この勝利獲得の演出画像の表示は、メイン制御プログラムP1aが準備画面制御プログラムP5bを作動させて、例えば、敵城の破壊画像を所定時間表示させるようにする。
【0137】
続いて、ステップS14においては、準備画面制御プログラムP5bにより、図17に示すように、プレイヤPに連勝ボーナスゲーム挑戦の権利を獲得したことを報知すると共に、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するか否かを問合せる画面をモニタ28に表示する。
この報知は音声と共にプレイヤPに知らせるようにしてもよい。
【0138】
なお、図17に示す画面を表示するときには、メイン制御プログラムP1aの制御により、プレイヤPが「勝利」を獲得して次の「連勝ボーナスゲーム」への挑戦が何戦目に該当するか、およびこのゲーム料金(コイン数)を表示する。図17に示す例では、1回「勝利」を獲得して2戦目(1回目の連勝ボーナスゲーム)に挑戦する状態であることを示し、さらにこのゲーム料金は、コイン2個(2COINS)を必要とすることを表示している。この「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのゲーム料金は、前記したように、プレイヤPが「勝利」を獲得した連勝回数を考慮した割引料金に設定するようにしている。
【0139】
この割引料金の設定は、ゲーム料金設定プログラムP1cにより下記の処理手順により行うことができる。すなわち、ゲーム料金設定プログラムP1c内に、「勝利」の連勝回数R(R=0、1、2、・・・、(V−1))ごとに、「勝利」を獲得した次のゲームである「連勝ボーナスゲーム」のゲーム料金、すなわち、次の1ゲームを実行するときに必要なコイン数(クレジット)を定数値として予め登録しておく。そして、ゲーム料金設定プログラムP1cは、RAM24に記憶している現在の連勝回数フラグの値を参照することにより、次に実行する「連勝ボーナスゲーム」の「勝利」の連勝回数に応じて割引されたゲーム料金を求める処理を行うことができる。
【0140】
(ステップS15)(ステップS16)
ステップS15では、メイン制御プログラムP1aはタイマー29bをスタートさせて、経過時間のカウントを開始する。ステップS16では、プレイヤPが「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するために、ステップS14で設定したゲーム料金となるコインの投入と、ゲーム料金として必要なコインが投入された後にプレイヤPがスタートボタンを押圧するまでの時間がタイムアップするか否かを判定する。すなわち、プレイヤPが1クレジットに相当するコインの投入と、「連勝ボーナスゲーム」挑戦への選択を決定するスタートボタンを押圧するまでの時間をカウントする処理を行う。この時間をカウントする値は、例えば、10秒に設定する。そして、タイムアップになると、勝敗フラグに、例えば、「9」を書き込んでステップS22に進む。勝敗フラグに「9」を書き込むことは、プレイヤPは「連勝ボーナスゲーム」への挑戦を選択しなかったこと(不挑戦)を示す。
【0141】
(ステップS17)(ステップS18)
ステップS17では、ゲーム実施認可プログラムP1dにより、前記ステップS2と同様に、プレイヤPがコイン投入装置29aに投入したコイン個数をカウントする処理を行う。続いて、ステップS18では、前記したステップS3の処理と同様な処理により、プレイヤPが投入したコイン個数が「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達したか否かを判定する処理を行う。そして、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達していないときには、ステップS16に戻る。
【0142】
(ステップS19)
ステップS18によりプレイヤPが投入したコイン個数が「連勝ボーナスゲーム」に挑戦するためのクレジットに達しと判定したので、メイン制御プログラムP1aは、「連勝ボーナスゲーム」挑戦への選択を決定するスタート(挑戦)ボタンを押圧するまでステップS16に戻る処理を繰り返すように制御する。スタートボタンを押圧した信号が入力されると、ステップS20に進む。
【0143】
(ステップS20)
ステップS20においては、プレイヤPは、「連勝ボーナスゲーム」に挑戦することを選択したので、次の「連勝ボーナスゲーム」で戦闘するエリアの更新処理を行って、ステップS8に進んで、「連勝ボーナスゲーム」を実行することになる。
【0144】
(ステップS22)
図14に示すステップS22においては、結果発表画面制御プログラムP5eにより、今回実行したゲームの戦績をモニタ28に表示する。続いて、メイン制御プログラムP1aがICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ステップS11でRAM44に記憶している今回のゲームの戦闘結果、および今回のゲームの前に「連勝ボーナスゲーム」の実行があれば、その戦闘結果に関するデータ(経験値)もICカード25に書き込む処理を行う。これにより、プレイヤPが次回にゲームを実行するときに、このICカード5に記憶されたデータを読み取ることによりゲームに必要なデータを得ることができるようになる。
【0145】
(ステップS23)
ステップS23においては、メイン制御プログラムP1aがカード払出装置制御プログラムP2eを作動させて、カード払出装置30から新たなカード17を払い出す処理を行う。この新たなカード17は、プレイヤPが次のゲームを実行するときに使用することができるカードとしてプレイヤPに提供されるものである。本発明の実施形態であるカードゲーム装置21は、1ゲームにつき1枚の新たなカード17をプレイヤPに払出す処理を行うが、この新たなカード17はプレイヤPが実行したゲームの実行回数を考慮してまとめて払出すように制御している。
【0146】
(ステップS24)
ステップS24においては、前記したRAM44に設定したゲーム実行回数フラグ、連勝回数フラグおよび勝敗フラグに「0」を記憶するクリア処理を行う。
【0147】
(ステップS25)(ステップS26)
ステップS25においては、メイン制御プログラムP1aはプレイヤPが引き続いてゲームを行うか(コンティニュー)否かを問合せる画面をモニタ28に表示させる処理を行う。そして、プレイヤPがセレクトボタン31を操作して継続してゲームを行うことを選択した場合には、上記したステップS2の処理に戻るように制御する。
【0148】
また、プレイヤPが継続してゲームを行わないことを選択した場合には、次のステップS26に進んで、ゲームオーバ(終了)の処理、例えば、メイン制御プログラムP1aはICカードリードライトプログラムP2aを作動させて、ICカードリードライト装置29に挿入されているICカード25を排出する処理と、ゲーム終了の画面をモニタ28に表示する処理を行う。このステップS25の処理が終了すると、プレイヤPの今回のゲームは終了する。なお、プレイヤPのICカード25と購入時のカード17および新たに取得したカード17は、次回にゲームを実行するときに使用することができる。
【0149】
上記した本発明のゲーム装置の実施形態は、戦乱バトルゲームに適用した場合について説明したが、本発明はサッカーゲーム等のスポーツを対象としたカードゲームにも適用することができる。
また、本発明は、複数人でプレイした結果、カード等のプレイアイテムがゲームの結果に関わらず払出されるようなゲームにも適用することができる。さらに、ゲーム実行の結果の「勝利」と「敗戦」については、プレイヤ同士の対戦における場合と、プレイヤ同士が協力してコンピュータ(CPU)と対戦する場合の両方のゲームモードにも適用することができる。
【0150】
さらに、本発明のゲーム装置は、コード情報を印刷したシール等を人形などの造形物(フィギュア)のついた台の裏面に貼り付けてゲームを進行させるようなゲームにも適用することができる。このような造形物を使用したゲームにおいては、図5に示すカード払出装置30に替えてこの造形物を払出す装置を設置するようにする。
【0151】
なお、本発明における透過型スクリーンを用いたゲーム装置は、上記したテーブル型投影撮像装置の他にも適用が可能である。例えば、図1に示すテーブル型投影撮像装置を、90度、もしくは約90度回転させて、透過型スクリーン8を垂直方向に配置した筐体とすることもできる。そして、この筐体内にプロジェクタ3とミラー7と、透過型スクリーン8の略全域をカバーする画角でこのスクリーン8に投影された赤外光を撮像する赤外線撮像装置5または透過型スクリーン8の略全域から検出した赤外光の座標位置を出力する赤外光検出手段を配置する。
【0152】
上記のように、透過型スクリーン8を垂直方向に配置したゲーム装置においては、ポインティングデバイス等の先端部に設けられた赤外光発光手段によりこの筐体の外部から透過型スクリーン8を透過して投射された赤外光を、筐体内に配置した上記赤外線撮像装置5または赤外光検出手段で検出すると、透過型スクリーン8にこの赤外光が当った位置の透過型スクリーン8上の座標を検出することができるようになる。
【0153】
上記したようなゲーム装置においても、本発明を構成する透過型スクリーンは、カーボンを含まないインクであって、シアン、マゼンダ、イエローのインクを用いた可視光を主に吸収する吸収層を設けているので、周囲の可視光をある程度吸収してプロジェクタからの投射映像の黒の再現を忠実に行うと共に、赤外光は透過して赤外線撮像装置5または赤外光検出手段に赤外光を正確に受光させることができるようになる。また、これまでに記載したゲーム装置において、スクリーンからの投影または撮影(検出)距離を一直線で充分に設けることができる場合には、ミラーを用いなくともよい。
【符号の説明】
【0154】
1 テーブル型投影撮像装置
2 筐体
3 プロジェクタ
4 フィルタ
5 赤外線カメラ
6 赤外光発光装置
7 ミラー
8 透過型スクリーン
11 可視光吸収層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタと、
前記筐体内に配置され、前記プロジェクタから投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンに赤外光を投射する赤外光発光手段と、
前記透過型スクリーンを透過した赤外光を検出する赤外光検出手段と、
を有し、
前記筐体内には、
少なくとも前記プロジェクタと赤外光検出手段とが配置され、
前記透過型スクリーンは、
赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有することを特徴とする画像投影装置を備えたゲーム装置。
【請求項1】
筐体と、
画像を投影するための投射光を投射するプロジェクタと、
前記筐体内に配置され、前記プロジェクタから投射された投射光を画像として投影する透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンに赤外光を投射する赤外光発光手段と、
前記透過型スクリーンを透過した赤外光を検出する赤外光検出手段と、
を有し、
前記筐体内には、
少なくとも前記プロジェクタと赤外光検出手段とが配置され、
前記透過型スクリーンは、
赤外光を透過するが、可視光を吸収する材料よりなる可視光吸収層を少なくとも有することを特徴とする画像投影装置を備えたゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−240147(P2011−240147A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142254(P2011−142254)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2006−547951(P2006−547951)の分割
【原出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2006−547951(P2006−547951)の分割
【原出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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