ゲーム装置
【課題】 物品を載置するための載置エリアを構成する載置部材を、予め決められた位置に容易に配置することが可能にする。
【解決手段】 フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、物品を載置するための景品載置エリアを複数の景品載置部材50a〜50h,51を組み合わせて構成し、複数の景品載置部材50a〜50h,51をそれぞれ異なる形状とし、それぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成した。
【解決手段】 フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、物品を載置するための景品載置エリアを複数の景品載置部材50a〜50h,51を組み合わせて構成し、複数の景品載置部材50a〜50h,51をそれぞれ異なる形状とし、それぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールドに景品等の物品が載置されるクレーンゲーム装置等のゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置等のゲーム装置では、フィールド内に複数の景品が載置される。プレーヤは、ボタンなどを操作することによりクレーンアームの動きを制御して、景品が載置された位置まで移動させた後、景品を掴む、倒す、引き摺るといった動作をさせて景品を景品落とし口まで導くことにより、景品を獲得することができる。
【0003】
従来では、ゲーム内容に変化させて、プレーヤに飽きられないようにするため、景品落とし口の位置、大きさ、形状を変更することが考えられている。例えば、特許文献1に記載された景品獲得ゲーム装置では、景品載置エリアが複数の景品載置部材により構成され、複数の景品載置部材のレイアウトを変更して開口エリアのレイアウトを変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−246263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、景品載置部材のレイアウトを変更することができるものの、最大9枚のパネル部材(景品載置部材)を縦3列、横3列のマトリクス状に、それぞれが個別に着脱自在に構成している。すなわち、同形状の景品載置材を複数組み合わせてレイアウトを変更しているため、レイアウトのパターンも限られていた。
【0006】
また、同形状の景品載置材を使用しているため、何れの景品載置部材も任意の位置に配置することができる。従って、特定の景品載置部材を予め決めた位置に配置する必要があっても、管理者が各景品載置部材の配置場所を十分に把握していなければ、誤った位置に配置してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、物品の載置エリアを構成する載置部材を、予め決められた位置に容易に配置することが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、前記物品を載置するための載置エリアを複数の載置部材を組み合わせて構成し、前記複数の載置部材をそれぞれ異なる形状とし、前記複数の載置部材のそれぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品の載置エリアを構成する載置部材を、予め決められた位置に容易に配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるゲーム装置の正面図。
【図3】本実施形態におけるクレーンゲーム装置の右側ユニット側から見た側面図。
【図4】上部筐体に設けられた透明板の構成を示す図。
【図5】透明板と錠の近傍の水平断面を示す図。
【図6】他の錠の構造の一例を示す図。
【図7】本実施形態におけるクレーンゲーム装置に設けられた上下傾斜調整機構の主要部分を示す斜視図。
【図8】ロック機構の周辺の構成の詳細を示す図。
【図9】景品フィールドを示す平面図。
【図10】傾斜枠部材と景品載置部材の詳細な構成を斜視図。
【図11】図9とは異なる形状による複数の景品載置部材と景品載置部材の例を示す図。
【図12】図10とは異なる形状による複数の景品載置部材の例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるゲーム装置の正面図である。本実施形態のゲーム装置は、プレーヤの操作に応じてクレーンアームを制御して、景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。図1及び図2に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がガラス板やアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品フィールド16L,16Rの形態(高さ、傾斜角度等)の変更、あるいは透明板15の内側に設けられた収納部に収納された設定機器28を利用する場合等に開放することができる。
【0012】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
【0013】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16L,16Rの高さと傾斜角度を変更することができる上下傾斜調整機構が設けられている。上下傾斜調整機構は、景品フィールド16L,16Rのそれぞれについて、前方側と後方側の各フィールドについて、個別に高さと傾斜角度を調整することができる。図1及び図2では、右側ユニット10Rにおいて、景品フィールド16Rの前方側と後方側のフィールドの高さが異なるように調整されている例を示している。上下傾斜調整機構の詳細については後述する(図7、図8)。
【0014】
また、景品フィールド16L,16Rには、例えば、複数の景品載置部材を組み合わせてフレームに装着することによって景品を載置することができる景品載置エリアと、景品載置部材を装着しないことにより景品を落下させるための景品落とし口が形成される。景品載置部材の形状や大きさは、フレーム(支持部材)に装着可能であれば任意に決めることができる。また、景品載置部材が容易に脱着可能となるように構成されているため、管理者は、景品載置エリアと景品落とし口を簡単に設定することができる。景品載置エリアと景品落とし口の位置を変更した場合には、管理者は、設定機器28を用いて、景品載置エリアと景品落とし口の位置に応じて各種の設定をすることができる。詳細については後述する。
【0015】
なお、景品フィールド16L,16Rは、複数の景品載置部材を組み合わせるだけでなく、景品落とし口に相当する穴あるいは角や辺の一部をくり抜いた1枚の景品載置部材を用いて形成することも可能である。また、景品載置部材は、上面部が平面となっている部材とするだけでなく、表面に凹凸や景品を支持するための形状が設けられた部材とすることも可能である。
【0016】
景品フィールド16L,16Rの下方部には、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。景品フィールド16Lの下方部に設けられた景品誘導空間は、景品フィールド16Lの前方側フィールドとほぼ全面に対応した広さが設けられており、景品取出口21Lと連通されている。また、景品フィールド16Rの下方部に設けられた景品誘導空間は、景品フィールド16Rの前方側フィールドとほぼ全面に対応した広さが設けられており、景品取出口21Rと連通されている。
【0017】
左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム18L,18Rが装着されている。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、ボタン24L,24Rへのプレーヤ操作に応じて制御される。
【0018】
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための2本のアーム18La,18Ra(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。アーム18La,18Raは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0019】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21Rやプレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを動作させることにより景品が景品落とし口に落下されることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
【0020】
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24R、プレイ料金とするコインが投入されるコイン投入口26L,26R、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27L,27R(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ49が設けられている。
【0021】
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器28が設けられている。設定機器28は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。図1に示す設定機器28は、透明板15の内側に設けられた収納部に収納された状態を示している。設定機器28は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器28は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルを介して接続されている。なお、設定機器28は、有線によって制御ユニットと接続される構成とするだけでなく、無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される構成とすることも可能である。設定機器28は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができる。
【0022】
図3は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の右側ユニット10R側から見た側面図である。
図3に示すように、景品フィールド16Rは、前方側の景品フィールド32と後方側の景品フィールド35とに分かれており、個別に上下傾斜調整機構によって上下位置、傾斜角度を調整することができる。図3に示す例では、前方側2/3の範囲が景品フィールド32、後方側1/3の範囲が景品フィールド35となっている。
【0023】
景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構には、垂直支持部材31と、景品フィールド32を垂直支持部材31に固定するためのロック機構33が含まれている。また、景品フィールド35に対する上下傾斜調整機構には、垂直支持部材34と、景品フィールド35を垂直支持部材34に固定するためのロック機構36が含まれている。
【0024】
また、上下傾斜調整機構には、管理者が景品フィールド32,35の位置を調整する作業をアシストするためのアシスト機構が設けられている。アシスト機構は、垂直支持部材31,34に内挿されたバネによって景品フィールド32,35を引き上げるように作用させることにより、管理者が景品フィールド32,35の高さ調整をする際に、景品フィールド32,35の全重量が管理者にかからないようにする。これにより、景品フィールド32,35の高さ調整の作業を、腕力がない管理者であっても容易に実施できるようにしている。
【0025】
なお、図3に示す構成において、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rでは、垂直支持部材31が設けられている前面からの位置が異なっている。図3に示す垂直支持部材31aは、左側ユニット10Lの左側に配置されたもので、縦方向に設けられたスリットから内挿されたバネが見えていることを表している。
【0026】
図4は、上部筐体12に設けられた透明板15L,15Rの構成を示す図である。
図4に示すように、上部筐体12には、例えば2枚の透明板15L,15Rが左右にスライド可能に設けられている。上部筐体12の透明板15L,15Rの設置位置には、透明板15L,15Rをスライド可能に保持するためのレールが形成されている。
【0027】
上部筐体12の前面左側に配設された柱12Lには、透明板15Lをロックするための錠12Laが設けられている。柱12Lの透明板15Lと相対する面には、透明板15Lに装着されたロック受け部材17Lを、柱12Lの内部にまで挿入させるための挿入穴12Lbが設けられている。
【0028】
一方、上部筐体12の前面右側に配設された柱12Rには、透明板15Rをロックするための錠12Raが設けられている。柱12Rの透明板15Rと相対する面には、透明板15Rに装着されたロック受け部材17Rを、柱12Rの内部にまで挿入させるための挿入穴(図示せず)が設けられている。
【0029】
図4は、錠12La,12Lbを外し、透明板15Lと透明板15Rをそれぞれ僅かにスライド(開放)させた状態を示している。ロック受け部材17L,17Rの先端部は、錠12La,12Lbと係合されるように鉤状(あるいは切り欠き状)になっている。また、ロック受け部材17L,17Rは、透明板15L,15Rに対して両面から挟み込むようにして装着されており、透明板15L,15Rの面よりも僅かに厚くなっている。ロック受け部材17L,17Rの透明板15L,15Rの面からの厚さは、透明板15L,15Rが相対する面の間隔よりも薄くなっている。従って、ロック受け部材17L,17Rの装着された部分が、相対する透明板15L,15Rと重なり合う位置まで、透明板15L,15Rを互いにスライドさせることができる。
【0030】
図5(a)は、透明板15L,15Rが錠12La,12Raによりロックされた状態を示す水平断面を示す図である。
透明板15Lのロック受け部材17Lは、挿入穴12Lbに挿入されている。錠12Laは、所定の鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Lの内部に設けられた係止部12Lcが回転し、ロック受け部材17Lの先端の鉤状(切り欠き状)になった部分と係合する。これにより、透明板15Lはロック(固定)される。
【0031】
同様にして、透明板15Rのロック受け部材17Rは、挿入穴12Rbに挿入されている。錠12Raは、所定の鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Rの内部に設けられた係止部12Rcが回転し、ロック受け部材17Rの先端の鉤状(切り欠き状)になった部分と係合する。これにより、透明板15Rはロック(固定)される。
【0032】
図5(a)に示すように、透明板15L,15Rがロックされた状態、すなわち通常のプレーヤによりクレーンゲーム装置10が使用される状態では、透明板15L,15Rのそれぞれの端部が、ほぼ中央において重なり合っている。
【0033】
図5(b)は、ロック受け部材17L,17Rの装着された部分が、相対する透明板15L,15Rと重なり合う位置まで、透明板15L,15Rを互いにスライドさせた状態を示している。図6に示す位置まで透明板15L,15Rをスライドさせることにより、図5(a)において重なり合っていた部分が露出されている。従って、透明板15L,15Rの互いに重なりあっていた部分を清掃することができる。
【0034】
この部分は、透明板15L,15Rをロックした場合に、図5に示すように、クレーンゲーム装置10のほぼ中央に位置するため、汚れていたりするとプレーヤがフィールド内を見る際に妨げとなったり、不快感を与えてしまうおそれがある。本実施形態のクレーンゲーム装置10では、透明板15L,15Rが汚れたとしても、通常、重なり合っている部分についても簡単に清掃作業をすることができるため、常時、プレーヤに対してゲームを楽しむための良好な状態を提供することができる。
【0035】
なお、図5(a)(b)に示す錠12La,12Raのように、係止部12Lc,12Rcが回転することでロック受け部材17L,17Rに係合する構造に限るものでなく、図6に示すような、他の錠の構造を用いることも可能である。
【0036】
図6(a)(b)に示す錠12Raは、鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Lの内部に設けられた連結部材12Rdがスライドすることによって、ロック受け部材17Rと係合するように構成したものである。図6(a)は、連結部材12Rdがスライドして、連結部材12Rdの先端部12Reがロック受け部材17Rの鉤状(切り欠き状)になった部分と係合した状態を示している(ロックされた状態)。また、図6(b)は、図6(a)に示す状態において、鍵が挿入されて回転されることにより、連結部材12Rdがスライドして先端部12Reがロック受け部材17Rの鉤状(切り欠き状)から外れた状態を示している。なお、錠12Laも同様の構成であるものとして説明を省略する。
【0037】
図6(a)(b)に示すように、鍵の回転により連結部材12Rdをスライドさせる構造とすることにより、図5(a)(b)に示す形態よりも、錠12La,12Raを収容するためのスペース(奥行き)が少なくて済む。
【0038】
図7は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10に設けられた上下傾斜調整機構の主要部分を示す斜視図である。図7は、例えば左側ユニット10Lに設けられた上下傾斜調整機構として説明する。右側ユニット10Rに設けられた上下傾斜調整機構も同様の構成を有するものとして説明を省略する。
【0039】
図7に示すように、前方側の景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構には、左側の垂直支持部材31Lと右側の垂直支持部材31Rが設けられている。垂直支持部材31Lには、ロック機構33Lが上下方向に摺動可能となるように装着されている。同様にして、垂直支持部材31Rには、ロック機構33Rが上下方向に摺動可能となるように装着されている。ロック機構33L,33Rの底部には、水平枠部材38が固定されている。水平枠部材38は、後述する後方側の景品フィールド35に対応する上下傾斜調整機構に設けられた水平枠部材42と共に矩形枠を形成する。水平枠部材38は、前方側の景品フィールド32の外周枠を形成しており、枠内に景品載置部材が配置されることにより景品載置エリアを形成する。
【0040】
水平枠部材38は、ロック機構33L,33Rと固定されているため、ロック機構33L,33Rが垂直支持部材31L,31Rに沿って上下方向に摺動されるのに伴って上下方向に移動する。これにより、景品フィールド32の高さを調整することができる。
【0041】
ロック機構33L,33Rは、それぞれに設けられたロックスイッチ33La,33Raをオフすることによりロックが外れて上下方向に移動させることができ、オンすることによりロックされて位置が固定される。
【0042】
水平枠部材38の下部には、垂直支持部材31Lに沿って支持部材40Lが取り付けられ、垂直支持部材31Rに沿って支持部材40Rが取り付けられている。支持部材40L,40Rは、水平枠部材38をロック機構33L,33Rと一体化させると共に、上下方向の摺動時や景品フィールド32に景品を載置しても安定するように支持するための部材である。なお、図7に示す上下傾斜調整機構では、水平枠部材38を下から支持部材40L,40Rによって支えているが、水平枠部材38の上側に支持部材40L,40Rの代わりに同様の目的を持った部材を取り付けた構成としても良い。
【0043】
水平枠部材38の内側には、垂直支持部材31L,31Rの近傍に設けられた回転軸を介して、回動可能な状態で傾斜枠部材39が取り付けられている。傾斜枠部材39は、回転軸によって任意に傾斜角度を変更させることができる。また、水平枠部材38に設けられた回転軸の近傍には、水平枠部材38と傾斜枠部材39とを固定する枠部材ロック機構41L,41Rが設けられている。枠部材ロック機構41L,41Rは、傾斜枠部材39を任意の角度で傾斜させた状態で水平枠部材38と固定することにより、傾斜した状態を維持する。
【0044】
なお、図7においては、上下傾斜調整機構の詳細な構成を図示するために図示を省略しているが、傾斜枠部材39は、景品載置エリアを形成するために、複数の景品載置部材を装着するための支持部材として使用される。傾斜枠部材39は、支持部材の外周枠を構成しており、例えば景品載置部材の形状(サイズ等)に合わせた他の支持部材を、さらに装着することが可能である。支持部材に装着される景品載置部材の詳細な構成については後述する(図9〜図12)。
【0045】
図7に示すように、後方側の景品フィールド35に対応する上下傾斜調整機構は、前方側の景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構と同様の構成を有している。すなわち、後方側の上下傾斜調整機構は、左側の垂直支持部材34Lと右側の垂直支持部材34Rが設けられ、ロック機構36L,36Rがそれぞれ上下方向に摺動可能となるように装着されている。ロック機構36L,36Rの底部には、水平枠部材42が固定されている。水平枠部材42は、前方側の景品フィールド32に対応する水平枠部材38と共に矩形枠を形成する。水平枠部材42は、後方側の景品フィールド35の外周枠を形成しており、枠内に景品載置部材が配置されることにより景品載置エリアを形成する。
【0046】
水平枠部材42は、ロック機構36L,36Rと固定されているため、ロック機構36L,36Rが垂直支持部材34L,34Rに沿って上下方向に摺動されるのに伴って上下方向に移動する。これにより、景品フィールド35の高さを調整することができる。
【0047】
ロック機構36L,36Rは、それぞれに設けられたロックスイッチ36La,36Raをオフすることによりロックが外れて上下方向に移動させることができ、オンすることによりロックされて位置が固定される。
【0048】
水平枠部材42の下部には、垂直支持部材34Lに沿って支持部材44Lが取り付けられ、垂直支持部材34Rに沿って支持部材44Rが取り付けられている。支持部材44L,44Rは、水平枠部材42をロック機構36L,36Rと一体化させると共に、上下方向の摺動時や景品フィールド35に景品を載置しても安定するように支持するための部材である。なお、図7に示す上下傾斜調整機構では、水平枠部材42を下から支持部材44L,44Rによって支えているが、水平枠部材42の上側に支持部材44L,44Rの代わりに同様の目的を持った部材を取り付けた構成としても良い。
【0049】
水平枠部材42の内側には、垂直支持部材34L,34Rの近傍に設けられた回転軸を介して、回動可能な状態で傾斜枠部材43が取り付けられている。傾斜枠部材43は、回転軸によって任意に傾斜角度を変更させることができる。また、水平枠部材42に設けられた回転軸の近傍には、水平枠部材42と傾斜枠部材43とを固定する枠部材ロック機構45L,45Rが設けられている。枠部材ロック機構45L,45Rは、傾斜枠部材43を任意の角度で傾斜させた状態で水平枠部材42と固定することにより、傾斜した状態を維持する。
【0050】
なお、図7においては、上下傾斜調整機構の詳細な構成を図示するために図示を省略しているが、傾斜枠部材43は、景品載置エリアを形成するために、複数の景品載置部材を装着するための支持部材として使用される。傾斜枠部材43は、支持部材の外周枠を構成しており、例えば景品載置部材の形状(サイズ等)に合わせた他の支持部材を、さらに装着することが可能である。また、傾斜枠部材43には1つの景品載置部材を装着するようにしても良い。
【0051】
図8は、ロック機構33Rとロック機構36Rの周辺の構成の詳細を示す図である。
図8において、前方側の上下傾斜調整機構のロック機構33Rは、ロックスイッチ33Raがオンされた状態にある。すなわち、水平枠部材38がロック機構33Rを介して垂直支持部材31Rに固定された状態にある。ロックスイッチ33Raがオンされることにより、ロック機構33Rの内部に設けられた係合部材が垂直支持部材31Rに設けられた係合穴(図示せず)に係合することによりロックすることができる。
【0052】
一方、後方側の上下傾斜調整機構のロック機構36Rは、ロックスイッチ36Raがオフされた状態にある。すなわち、水平枠部材42が移動可能な状態となっており、管理者が水平枠部材38を持って上下に移動させて位置を調整することができる状態にある。ロックスイッチ36Raがオフされることにより、ロック機構36Rの内部に設けられた係合部材が垂直支持部材34Rに設けられた係合穴(図示せず)から抜けてロックを外すことができる。
【0053】
次に、本実施形態における景品フィールド16L,16Rの構成について説明する。
本実施形態における景品フィールド16L,16Rは、複数の景品載置部材を組み合わせて配置することにより、景品載置エリアと景品落とし口のレイアウトを任意に変更することができる。
【0054】
図9は、一方のユニット(左側ユニット10Lあるいは右側ユニット10R)の景品フィールド16を示す平面図である。図9は、景品フィールド16に使用可能な全ての景品載置部材を装着した状態を示すもので景品落とし口は設けられていない。景品落とし口は、何れかの景品載置部材を外すことにより設けられる。通常、前方側のフィールド(景品フィールド32)の何れかに景品落とし口が設けられる。
【0055】
図9に示すように、前方側の景品フィールド32には、複数の景品載置部材50a,50b,50c,50d,50e,50f,50g,50hを配設することができる。また、後方側の景品フィールド35には、1つの景品載置部材51を配設することができる。図9に示すように、複数の景品載置部材50a〜50h,51は、それぞれ異なる形状となっている。すなわち、サイズや外周の形状がそれぞれ異なっている。外周には、凸部や凹部が形成されており、その配置も景品載置部材毎に異なっている。凸部や凹部は、傾斜枠部材39,43や隣接する他の景品載置部材に設けられた凹部や凸部と係合する係合部(第2の係合部、第3の係合部)として作用する。
【0056】
また、傾斜枠部材39,43には、景品載置部材の外枠の形状に合わせた係合部(第1の係合部)が形成されている。景品載置部材50a〜50h,51に設けられた係合部の形状がそれぞれ異なっているため、傾斜枠部材39,43に設けられる係合部も、それぞれの景品載置部材50a〜50h,51に合わせて構成されている。
【0057】
図10は、傾斜枠部材39と景品載置部材50a〜50h,51の詳細な構成を斜視図である。図10では、景品載置部材50aを取り外して、係合部の詳細な構成を示している。
景品載置部材50aに示すように、各景品載置部材50a〜50h,51は、平面を形成する上面部と、上面部の外周に沿って下部に設けられた基底部によって構成されている。景品載置部材50aには、例えば係合部60,62が構成されている。係合部60は、傾斜枠部材39に設けられた係合部72と係合する形状となっている。また、係合部62は、隣接して配置される景品載置部材50bに設けられた係合部67と係合する形状となっている。
【0058】
また、景品載置部材50aの基底部には、複数の切り欠き部65が設けられている。切り欠き部65は、景品載置部材50aを傾斜枠部材39に装着する際に、傾斜枠部材39あるいは隣接する景品載置部材50cに対して水平方向にネジ止めされている化粧ビス70に差し込まれる。化粧ビス70は、景品載置部材50aが載置された後に締めることにより、景品載置部材50aを固定することができる。
【0059】
このようにして、複数の景品載置部材50a〜50h,51の形状が全て異なっているため、それぞれが決められた位置にのみ装着することが可能となる。従って、クレーンゲーム装置10の管理者は、景品落とし口や景品載置エリアの配置を変更するために、景品載置部材50a〜50h,51の脱着を頻繁に繰り返すような場合に、各景品載置部材50a〜50h,51が何れの位置に配置すべきかを記憶していなくても、それぞれを予め決められた位置に容易に配置することが可能となる。
【0060】
複数の景品載置部材50a〜50h,51によって形成される景品載置エリアに、例えば絵柄などが記載されている場合には、景品載置部材50a〜50h,51を予め決めた位置に配置しなければ正しい絵柄にすることができない。本実施形態のクレーンゲーム装置10では、景品載置部材50a〜50h,51に記載された絵柄だけでは、何れに配置すべきか認識できないとしても、それぞれの形状によって配置可能な位置が特定されるため効率良く作業することができる。
【0061】
また、景品載置エリアに絵柄が記載される場合だけでなく、景品載置部材50a〜50h,51の上面の材質や形状が特定のものとして、景品フィールドの特定の位置に常に配置したい場合などにおいても、管理者がその位置を十分に把握していなくても、容易に正しい位置に配置することができる。
【0062】
図11は、図9とは異なる形状による複数の景品載置部材80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g,80hと、景品載置部材51a,51bの例を示している。図11に示すように、複数の景品載置部材80a〜80h,51a,51bは、それぞれ異なる形状となっている。ただし、図11に示す例では、傾斜枠部材39,43に係合部を形成しておらず、各景品載置部材80a〜80h,51a,51bの傾斜枠部材39,43と相対する部分にも、図9及び図10に示すような係合部が設けられていない。
【0063】
景品載置部材80a〜80h,51a,51bには、互いに隣接する景品載置部材と係合するように係合部が形成されている。景品載置部材80a〜80h,51a,51bの外周には、隣接する景品載置部材と相対する辺部にのみ凸部や凹部が形成されており、その配置も景品載置部材毎に異なっている。
【0064】
このようにして、傾斜枠部材39,43に係合部が形成されていない場合であっても、隣接する景品載置部材同士のみで係合するように係合部を形成することにより、景品載置部材80a〜80h,51a,51bのそれぞれを配置すべき位置を特定することが可能となる。
【0065】
図12は、図10とは異なる形状による複数の景品載置部材90a,90b,90c,90dの例を示す斜視図である。
図9〜図11に示す景品載置部材では、平面部と基底部とにより係合部を形成しているが、図12に示す構成では、上面部周辺には係合部を設けず、基底部においてのみ係合部を形成している。
【0066】
例えば、景品載置部材90aの基底部には、景品載置部材90bと相対する辺に係合部92が形成されており、景品載置部材90cと相対する辺に係合部93が形成されている。同様にして、景品載置部材90aの基底部には、傾斜枠部材39と相対する辺に係合部(図示せず)が形成されている。
【0067】
傾斜枠部材39には、景品載置部材90aの基底部に設けられた係合部と係合する位置に係合部96が形成されている。また、景品載置部材90b,90cの基底部にも同様にして、係合部92,93と係合する係合部がそれぞれ設けられている。各景品載置部材90a…の基底部に設けられた係合部は、それぞれ形状や配置が異なっており、予め決められた特定の位置に景品載置部材90a…が配設された場合にのみ、隣接する景品載置部材の係合部と係合するようになっている。
【0068】
このようにして、景品載置部材90a…の基底部のみに隣接する景品載置部材同士のみで係合するように係合部を形成することにより、景品載置部材90a…のそれぞれを配置すべき位置を特定することが可能となる。また、景品載置部材90a…の平面部の周辺に凹凸がないため、複数の景品載置部材を組み合わせた景品載置エリアの美観を向上させることができる。
【0069】
なお、複数の景品載置部材の何れかを外すことにより、任意の位置に景品落とし口を変更することができる。クレーンゲーム装置10は、筐体内部に収容された制御ユニット(プロセッサ、メモリ等を含む)によって制御されており、この制御ユニットに対して変更後の景品落とし口の位置を設定することで、クレーンアーム18L,18Rを景品落とし口に合わせて動作させることができる。クレーンゲーム装置10の管理者は、複数の景品載置部材の組合せにより景品載置エリアと景品落とし口をレイアウトした後、設定機器28を用いて、新たなレイアウトに合わせてクレーンアーム18L,18Rが制御されるように各種設定操作をすれば良い。
【0070】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…クレーンゲーム機、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、16L,16R…景品フィールド、18L,18R…クレーンアーム、21L,21R…景品取出口、23L,23R…コンパネ部、24L,24R…ボタン、26L,26R…コイン投入口、39,43…傾斜枠部材、50a〜50h,51…景品載置部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールドに景品等の物品が載置されるクレーンゲーム装置等のゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置等のゲーム装置では、フィールド内に複数の景品が載置される。プレーヤは、ボタンなどを操作することによりクレーンアームの動きを制御して、景品が載置された位置まで移動させた後、景品を掴む、倒す、引き摺るといった動作をさせて景品を景品落とし口まで導くことにより、景品を獲得することができる。
【0003】
従来では、ゲーム内容に変化させて、プレーヤに飽きられないようにするため、景品落とし口の位置、大きさ、形状を変更することが考えられている。例えば、特許文献1に記載された景品獲得ゲーム装置では、景品載置エリアが複数の景品載置部材により構成され、複数の景品載置部材のレイアウトを変更して開口エリアのレイアウトを変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−246263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、景品載置部材のレイアウトを変更することができるものの、最大9枚のパネル部材(景品載置部材)を縦3列、横3列のマトリクス状に、それぞれが個別に着脱自在に構成している。すなわち、同形状の景品載置材を複数組み合わせてレイアウトを変更しているため、レイアウトのパターンも限られていた。
【0006】
また、同形状の景品載置材を使用しているため、何れの景品載置部材も任意の位置に配置することができる。従って、特定の景品載置部材を予め決めた位置に配置する必要があっても、管理者が各景品載置部材の配置場所を十分に把握していなければ、誤った位置に配置してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、物品の載置エリアを構成する載置部材を、予め決められた位置に容易に配置することが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、前記物品を載置するための載置エリアを複数の載置部材を組み合わせて構成し、前記複数の載置部材をそれぞれ異なる形状とし、前記複数の載置部材のそれぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品の載置エリアを構成する載置部材を、予め決められた位置に容易に配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるゲーム装置の正面図。
【図3】本実施形態におけるクレーンゲーム装置の右側ユニット側から見た側面図。
【図4】上部筐体に設けられた透明板の構成を示す図。
【図5】透明板と錠の近傍の水平断面を示す図。
【図6】他の錠の構造の一例を示す図。
【図7】本実施形態におけるクレーンゲーム装置に設けられた上下傾斜調整機構の主要部分を示す斜視図。
【図8】ロック機構の周辺の構成の詳細を示す図。
【図9】景品フィールドを示す平面図。
【図10】傾斜枠部材と景品載置部材の詳細な構成を斜視図。
【図11】図9とは異なる形状による複数の景品載置部材と景品載置部材の例を示す図。
【図12】図10とは異なる形状による複数の景品載置部材の例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるゲーム装置の正面図である。本実施形態のゲーム装置は、プレーヤの操作に応じてクレーンアームを制御して、景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。図1及び図2に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がガラス板やアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品フィールド16L,16Rの形態(高さ、傾斜角度等)の変更、あるいは透明板15の内側に設けられた収納部に収納された設定機器28を利用する場合等に開放することができる。
【0012】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
【0013】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16L,16Rの高さと傾斜角度を変更することができる上下傾斜調整機構が設けられている。上下傾斜調整機構は、景品フィールド16L,16Rのそれぞれについて、前方側と後方側の各フィールドについて、個別に高さと傾斜角度を調整することができる。図1及び図2では、右側ユニット10Rにおいて、景品フィールド16Rの前方側と後方側のフィールドの高さが異なるように調整されている例を示している。上下傾斜調整機構の詳細については後述する(図7、図8)。
【0014】
また、景品フィールド16L,16Rには、例えば、複数の景品載置部材を組み合わせてフレームに装着することによって景品を載置することができる景品載置エリアと、景品載置部材を装着しないことにより景品を落下させるための景品落とし口が形成される。景品載置部材の形状や大きさは、フレーム(支持部材)に装着可能であれば任意に決めることができる。また、景品載置部材が容易に脱着可能となるように構成されているため、管理者は、景品載置エリアと景品落とし口を簡単に設定することができる。景品載置エリアと景品落とし口の位置を変更した場合には、管理者は、設定機器28を用いて、景品載置エリアと景品落とし口の位置に応じて各種の設定をすることができる。詳細については後述する。
【0015】
なお、景品フィールド16L,16Rは、複数の景品載置部材を組み合わせるだけでなく、景品落とし口に相当する穴あるいは角や辺の一部をくり抜いた1枚の景品載置部材を用いて形成することも可能である。また、景品載置部材は、上面部が平面となっている部材とするだけでなく、表面に凹凸や景品を支持するための形状が設けられた部材とすることも可能である。
【0016】
景品フィールド16L,16Rの下方部には、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。景品フィールド16Lの下方部に設けられた景品誘導空間は、景品フィールド16Lの前方側フィールドとほぼ全面に対応した広さが設けられており、景品取出口21Lと連通されている。また、景品フィールド16Rの下方部に設けられた景品誘導空間は、景品フィールド16Rの前方側フィールドとほぼ全面に対応した広さが設けられており、景品取出口21Rと連通されている。
【0017】
左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム18L,18Rが装着されている。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、ボタン24L,24Rへのプレーヤ操作に応じて制御される。
【0018】
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための2本のアーム18La,18Ra(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。アーム18La,18Raは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0019】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21Rやプレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを動作させることにより景品が景品落とし口に落下されることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
【0020】
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24R、プレイ料金とするコインが投入されるコイン投入口26L,26R、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27L,27R(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ49が設けられている。
【0021】
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器28が設けられている。設定機器28は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。図1に示す設定機器28は、透明板15の内側に設けられた収納部に収納された状態を示している。設定機器28は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器28は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルを介して接続されている。なお、設定機器28は、有線によって制御ユニットと接続される構成とするだけでなく、無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される構成とすることも可能である。設定機器28は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができる。
【0022】
図3は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の右側ユニット10R側から見た側面図である。
図3に示すように、景品フィールド16Rは、前方側の景品フィールド32と後方側の景品フィールド35とに分かれており、個別に上下傾斜調整機構によって上下位置、傾斜角度を調整することができる。図3に示す例では、前方側2/3の範囲が景品フィールド32、後方側1/3の範囲が景品フィールド35となっている。
【0023】
景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構には、垂直支持部材31と、景品フィールド32を垂直支持部材31に固定するためのロック機構33が含まれている。また、景品フィールド35に対する上下傾斜調整機構には、垂直支持部材34と、景品フィールド35を垂直支持部材34に固定するためのロック機構36が含まれている。
【0024】
また、上下傾斜調整機構には、管理者が景品フィールド32,35の位置を調整する作業をアシストするためのアシスト機構が設けられている。アシスト機構は、垂直支持部材31,34に内挿されたバネによって景品フィールド32,35を引き上げるように作用させることにより、管理者が景品フィールド32,35の高さ調整をする際に、景品フィールド32,35の全重量が管理者にかからないようにする。これにより、景品フィールド32,35の高さ調整の作業を、腕力がない管理者であっても容易に実施できるようにしている。
【0025】
なお、図3に示す構成において、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rでは、垂直支持部材31が設けられている前面からの位置が異なっている。図3に示す垂直支持部材31aは、左側ユニット10Lの左側に配置されたもので、縦方向に設けられたスリットから内挿されたバネが見えていることを表している。
【0026】
図4は、上部筐体12に設けられた透明板15L,15Rの構成を示す図である。
図4に示すように、上部筐体12には、例えば2枚の透明板15L,15Rが左右にスライド可能に設けられている。上部筐体12の透明板15L,15Rの設置位置には、透明板15L,15Rをスライド可能に保持するためのレールが形成されている。
【0027】
上部筐体12の前面左側に配設された柱12Lには、透明板15Lをロックするための錠12Laが設けられている。柱12Lの透明板15Lと相対する面には、透明板15Lに装着されたロック受け部材17Lを、柱12Lの内部にまで挿入させるための挿入穴12Lbが設けられている。
【0028】
一方、上部筐体12の前面右側に配設された柱12Rには、透明板15Rをロックするための錠12Raが設けられている。柱12Rの透明板15Rと相対する面には、透明板15Rに装着されたロック受け部材17Rを、柱12Rの内部にまで挿入させるための挿入穴(図示せず)が設けられている。
【0029】
図4は、錠12La,12Lbを外し、透明板15Lと透明板15Rをそれぞれ僅かにスライド(開放)させた状態を示している。ロック受け部材17L,17Rの先端部は、錠12La,12Lbと係合されるように鉤状(あるいは切り欠き状)になっている。また、ロック受け部材17L,17Rは、透明板15L,15Rに対して両面から挟み込むようにして装着されており、透明板15L,15Rの面よりも僅かに厚くなっている。ロック受け部材17L,17Rの透明板15L,15Rの面からの厚さは、透明板15L,15Rが相対する面の間隔よりも薄くなっている。従って、ロック受け部材17L,17Rの装着された部分が、相対する透明板15L,15Rと重なり合う位置まで、透明板15L,15Rを互いにスライドさせることができる。
【0030】
図5(a)は、透明板15L,15Rが錠12La,12Raによりロックされた状態を示す水平断面を示す図である。
透明板15Lのロック受け部材17Lは、挿入穴12Lbに挿入されている。錠12Laは、所定の鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Lの内部に設けられた係止部12Lcが回転し、ロック受け部材17Lの先端の鉤状(切り欠き状)になった部分と係合する。これにより、透明板15Lはロック(固定)される。
【0031】
同様にして、透明板15Rのロック受け部材17Rは、挿入穴12Rbに挿入されている。錠12Raは、所定の鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Rの内部に設けられた係止部12Rcが回転し、ロック受け部材17Rの先端の鉤状(切り欠き状)になった部分と係合する。これにより、透明板15Rはロック(固定)される。
【0032】
図5(a)に示すように、透明板15L,15Rがロックされた状態、すなわち通常のプレーヤによりクレーンゲーム装置10が使用される状態では、透明板15L,15Rのそれぞれの端部が、ほぼ中央において重なり合っている。
【0033】
図5(b)は、ロック受け部材17L,17Rの装着された部分が、相対する透明板15L,15Rと重なり合う位置まで、透明板15L,15Rを互いにスライドさせた状態を示している。図6に示す位置まで透明板15L,15Rをスライドさせることにより、図5(a)において重なり合っていた部分が露出されている。従って、透明板15L,15Rの互いに重なりあっていた部分を清掃することができる。
【0034】
この部分は、透明板15L,15Rをロックした場合に、図5に示すように、クレーンゲーム装置10のほぼ中央に位置するため、汚れていたりするとプレーヤがフィールド内を見る際に妨げとなったり、不快感を与えてしまうおそれがある。本実施形態のクレーンゲーム装置10では、透明板15L,15Rが汚れたとしても、通常、重なり合っている部分についても簡単に清掃作業をすることができるため、常時、プレーヤに対してゲームを楽しむための良好な状態を提供することができる。
【0035】
なお、図5(a)(b)に示す錠12La,12Raのように、係止部12Lc,12Rcが回転することでロック受け部材17L,17Rに係合する構造に限るものでなく、図6に示すような、他の錠の構造を用いることも可能である。
【0036】
図6(a)(b)に示す錠12Raは、鍵が挿入されて回転されることにより、柱12Lの内部に設けられた連結部材12Rdがスライドすることによって、ロック受け部材17Rと係合するように構成したものである。図6(a)は、連結部材12Rdがスライドして、連結部材12Rdの先端部12Reがロック受け部材17Rの鉤状(切り欠き状)になった部分と係合した状態を示している(ロックされた状態)。また、図6(b)は、図6(a)に示す状態において、鍵が挿入されて回転されることにより、連結部材12Rdがスライドして先端部12Reがロック受け部材17Rの鉤状(切り欠き状)から外れた状態を示している。なお、錠12Laも同様の構成であるものとして説明を省略する。
【0037】
図6(a)(b)に示すように、鍵の回転により連結部材12Rdをスライドさせる構造とすることにより、図5(a)(b)に示す形態よりも、錠12La,12Raを収容するためのスペース(奥行き)が少なくて済む。
【0038】
図7は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10に設けられた上下傾斜調整機構の主要部分を示す斜視図である。図7は、例えば左側ユニット10Lに設けられた上下傾斜調整機構として説明する。右側ユニット10Rに設けられた上下傾斜調整機構も同様の構成を有するものとして説明を省略する。
【0039】
図7に示すように、前方側の景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構には、左側の垂直支持部材31Lと右側の垂直支持部材31Rが設けられている。垂直支持部材31Lには、ロック機構33Lが上下方向に摺動可能となるように装着されている。同様にして、垂直支持部材31Rには、ロック機構33Rが上下方向に摺動可能となるように装着されている。ロック機構33L,33Rの底部には、水平枠部材38が固定されている。水平枠部材38は、後述する後方側の景品フィールド35に対応する上下傾斜調整機構に設けられた水平枠部材42と共に矩形枠を形成する。水平枠部材38は、前方側の景品フィールド32の外周枠を形成しており、枠内に景品載置部材が配置されることにより景品載置エリアを形成する。
【0040】
水平枠部材38は、ロック機構33L,33Rと固定されているため、ロック機構33L,33Rが垂直支持部材31L,31Rに沿って上下方向に摺動されるのに伴って上下方向に移動する。これにより、景品フィールド32の高さを調整することができる。
【0041】
ロック機構33L,33Rは、それぞれに設けられたロックスイッチ33La,33Raをオフすることによりロックが外れて上下方向に移動させることができ、オンすることによりロックされて位置が固定される。
【0042】
水平枠部材38の下部には、垂直支持部材31Lに沿って支持部材40Lが取り付けられ、垂直支持部材31Rに沿って支持部材40Rが取り付けられている。支持部材40L,40Rは、水平枠部材38をロック機構33L,33Rと一体化させると共に、上下方向の摺動時や景品フィールド32に景品を載置しても安定するように支持するための部材である。なお、図7に示す上下傾斜調整機構では、水平枠部材38を下から支持部材40L,40Rによって支えているが、水平枠部材38の上側に支持部材40L,40Rの代わりに同様の目的を持った部材を取り付けた構成としても良い。
【0043】
水平枠部材38の内側には、垂直支持部材31L,31Rの近傍に設けられた回転軸を介して、回動可能な状態で傾斜枠部材39が取り付けられている。傾斜枠部材39は、回転軸によって任意に傾斜角度を変更させることができる。また、水平枠部材38に設けられた回転軸の近傍には、水平枠部材38と傾斜枠部材39とを固定する枠部材ロック機構41L,41Rが設けられている。枠部材ロック機構41L,41Rは、傾斜枠部材39を任意の角度で傾斜させた状態で水平枠部材38と固定することにより、傾斜した状態を維持する。
【0044】
なお、図7においては、上下傾斜調整機構の詳細な構成を図示するために図示を省略しているが、傾斜枠部材39は、景品載置エリアを形成するために、複数の景品載置部材を装着するための支持部材として使用される。傾斜枠部材39は、支持部材の外周枠を構成しており、例えば景品載置部材の形状(サイズ等)に合わせた他の支持部材を、さらに装着することが可能である。支持部材に装着される景品載置部材の詳細な構成については後述する(図9〜図12)。
【0045】
図7に示すように、後方側の景品フィールド35に対応する上下傾斜調整機構は、前方側の景品フィールド32に対応する上下傾斜調整機構と同様の構成を有している。すなわち、後方側の上下傾斜調整機構は、左側の垂直支持部材34Lと右側の垂直支持部材34Rが設けられ、ロック機構36L,36Rがそれぞれ上下方向に摺動可能となるように装着されている。ロック機構36L,36Rの底部には、水平枠部材42が固定されている。水平枠部材42は、前方側の景品フィールド32に対応する水平枠部材38と共に矩形枠を形成する。水平枠部材42は、後方側の景品フィールド35の外周枠を形成しており、枠内に景品載置部材が配置されることにより景品載置エリアを形成する。
【0046】
水平枠部材42は、ロック機構36L,36Rと固定されているため、ロック機構36L,36Rが垂直支持部材34L,34Rに沿って上下方向に摺動されるのに伴って上下方向に移動する。これにより、景品フィールド35の高さを調整することができる。
【0047】
ロック機構36L,36Rは、それぞれに設けられたロックスイッチ36La,36Raをオフすることによりロックが外れて上下方向に移動させることができ、オンすることによりロックされて位置が固定される。
【0048】
水平枠部材42の下部には、垂直支持部材34Lに沿って支持部材44Lが取り付けられ、垂直支持部材34Rに沿って支持部材44Rが取り付けられている。支持部材44L,44Rは、水平枠部材42をロック機構36L,36Rと一体化させると共に、上下方向の摺動時や景品フィールド35に景品を載置しても安定するように支持するための部材である。なお、図7に示す上下傾斜調整機構では、水平枠部材42を下から支持部材44L,44Rによって支えているが、水平枠部材42の上側に支持部材44L,44Rの代わりに同様の目的を持った部材を取り付けた構成としても良い。
【0049】
水平枠部材42の内側には、垂直支持部材34L,34Rの近傍に設けられた回転軸を介して、回動可能な状態で傾斜枠部材43が取り付けられている。傾斜枠部材43は、回転軸によって任意に傾斜角度を変更させることができる。また、水平枠部材42に設けられた回転軸の近傍には、水平枠部材42と傾斜枠部材43とを固定する枠部材ロック機構45L,45Rが設けられている。枠部材ロック機構45L,45Rは、傾斜枠部材43を任意の角度で傾斜させた状態で水平枠部材42と固定することにより、傾斜した状態を維持する。
【0050】
なお、図7においては、上下傾斜調整機構の詳細な構成を図示するために図示を省略しているが、傾斜枠部材43は、景品載置エリアを形成するために、複数の景品載置部材を装着するための支持部材として使用される。傾斜枠部材43は、支持部材の外周枠を構成しており、例えば景品載置部材の形状(サイズ等)に合わせた他の支持部材を、さらに装着することが可能である。また、傾斜枠部材43には1つの景品載置部材を装着するようにしても良い。
【0051】
図8は、ロック機構33Rとロック機構36Rの周辺の構成の詳細を示す図である。
図8において、前方側の上下傾斜調整機構のロック機構33Rは、ロックスイッチ33Raがオンされた状態にある。すなわち、水平枠部材38がロック機構33Rを介して垂直支持部材31Rに固定された状態にある。ロックスイッチ33Raがオンされることにより、ロック機構33Rの内部に設けられた係合部材が垂直支持部材31Rに設けられた係合穴(図示せず)に係合することによりロックすることができる。
【0052】
一方、後方側の上下傾斜調整機構のロック機構36Rは、ロックスイッチ36Raがオフされた状態にある。すなわち、水平枠部材42が移動可能な状態となっており、管理者が水平枠部材38を持って上下に移動させて位置を調整することができる状態にある。ロックスイッチ36Raがオフされることにより、ロック機構36Rの内部に設けられた係合部材が垂直支持部材34Rに設けられた係合穴(図示せず)から抜けてロックを外すことができる。
【0053】
次に、本実施形態における景品フィールド16L,16Rの構成について説明する。
本実施形態における景品フィールド16L,16Rは、複数の景品載置部材を組み合わせて配置することにより、景品載置エリアと景品落とし口のレイアウトを任意に変更することができる。
【0054】
図9は、一方のユニット(左側ユニット10Lあるいは右側ユニット10R)の景品フィールド16を示す平面図である。図9は、景品フィールド16に使用可能な全ての景品載置部材を装着した状態を示すもので景品落とし口は設けられていない。景品落とし口は、何れかの景品載置部材を外すことにより設けられる。通常、前方側のフィールド(景品フィールド32)の何れかに景品落とし口が設けられる。
【0055】
図9に示すように、前方側の景品フィールド32には、複数の景品載置部材50a,50b,50c,50d,50e,50f,50g,50hを配設することができる。また、後方側の景品フィールド35には、1つの景品載置部材51を配設することができる。図9に示すように、複数の景品載置部材50a〜50h,51は、それぞれ異なる形状となっている。すなわち、サイズや外周の形状がそれぞれ異なっている。外周には、凸部や凹部が形成されており、その配置も景品載置部材毎に異なっている。凸部や凹部は、傾斜枠部材39,43や隣接する他の景品載置部材に設けられた凹部や凸部と係合する係合部(第2の係合部、第3の係合部)として作用する。
【0056】
また、傾斜枠部材39,43には、景品載置部材の外枠の形状に合わせた係合部(第1の係合部)が形成されている。景品載置部材50a〜50h,51に設けられた係合部の形状がそれぞれ異なっているため、傾斜枠部材39,43に設けられる係合部も、それぞれの景品載置部材50a〜50h,51に合わせて構成されている。
【0057】
図10は、傾斜枠部材39と景品載置部材50a〜50h,51の詳細な構成を斜視図である。図10では、景品載置部材50aを取り外して、係合部の詳細な構成を示している。
景品載置部材50aに示すように、各景品載置部材50a〜50h,51は、平面を形成する上面部と、上面部の外周に沿って下部に設けられた基底部によって構成されている。景品載置部材50aには、例えば係合部60,62が構成されている。係合部60は、傾斜枠部材39に設けられた係合部72と係合する形状となっている。また、係合部62は、隣接して配置される景品載置部材50bに設けられた係合部67と係合する形状となっている。
【0058】
また、景品載置部材50aの基底部には、複数の切り欠き部65が設けられている。切り欠き部65は、景品載置部材50aを傾斜枠部材39に装着する際に、傾斜枠部材39あるいは隣接する景品載置部材50cに対して水平方向にネジ止めされている化粧ビス70に差し込まれる。化粧ビス70は、景品載置部材50aが載置された後に締めることにより、景品載置部材50aを固定することができる。
【0059】
このようにして、複数の景品載置部材50a〜50h,51の形状が全て異なっているため、それぞれが決められた位置にのみ装着することが可能となる。従って、クレーンゲーム装置10の管理者は、景品落とし口や景品載置エリアの配置を変更するために、景品載置部材50a〜50h,51の脱着を頻繁に繰り返すような場合に、各景品載置部材50a〜50h,51が何れの位置に配置すべきかを記憶していなくても、それぞれを予め決められた位置に容易に配置することが可能となる。
【0060】
複数の景品載置部材50a〜50h,51によって形成される景品載置エリアに、例えば絵柄などが記載されている場合には、景品載置部材50a〜50h,51を予め決めた位置に配置しなければ正しい絵柄にすることができない。本実施形態のクレーンゲーム装置10では、景品載置部材50a〜50h,51に記載された絵柄だけでは、何れに配置すべきか認識できないとしても、それぞれの形状によって配置可能な位置が特定されるため効率良く作業することができる。
【0061】
また、景品載置エリアに絵柄が記載される場合だけでなく、景品載置部材50a〜50h,51の上面の材質や形状が特定のものとして、景品フィールドの特定の位置に常に配置したい場合などにおいても、管理者がその位置を十分に把握していなくても、容易に正しい位置に配置することができる。
【0062】
図11は、図9とは異なる形状による複数の景品載置部材80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g,80hと、景品載置部材51a,51bの例を示している。図11に示すように、複数の景品載置部材80a〜80h,51a,51bは、それぞれ異なる形状となっている。ただし、図11に示す例では、傾斜枠部材39,43に係合部を形成しておらず、各景品載置部材80a〜80h,51a,51bの傾斜枠部材39,43と相対する部分にも、図9及び図10に示すような係合部が設けられていない。
【0063】
景品載置部材80a〜80h,51a,51bには、互いに隣接する景品載置部材と係合するように係合部が形成されている。景品載置部材80a〜80h,51a,51bの外周には、隣接する景品載置部材と相対する辺部にのみ凸部や凹部が形成されており、その配置も景品載置部材毎に異なっている。
【0064】
このようにして、傾斜枠部材39,43に係合部が形成されていない場合であっても、隣接する景品載置部材同士のみで係合するように係合部を形成することにより、景品載置部材80a〜80h,51a,51bのそれぞれを配置すべき位置を特定することが可能となる。
【0065】
図12は、図10とは異なる形状による複数の景品載置部材90a,90b,90c,90dの例を示す斜視図である。
図9〜図11に示す景品載置部材では、平面部と基底部とにより係合部を形成しているが、図12に示す構成では、上面部周辺には係合部を設けず、基底部においてのみ係合部を形成している。
【0066】
例えば、景品載置部材90aの基底部には、景品載置部材90bと相対する辺に係合部92が形成されており、景品載置部材90cと相対する辺に係合部93が形成されている。同様にして、景品載置部材90aの基底部には、傾斜枠部材39と相対する辺に係合部(図示せず)が形成されている。
【0067】
傾斜枠部材39には、景品載置部材90aの基底部に設けられた係合部と係合する位置に係合部96が形成されている。また、景品載置部材90b,90cの基底部にも同様にして、係合部92,93と係合する係合部がそれぞれ設けられている。各景品載置部材90a…の基底部に設けられた係合部は、それぞれ形状や配置が異なっており、予め決められた特定の位置に景品載置部材90a…が配設された場合にのみ、隣接する景品載置部材の係合部と係合するようになっている。
【0068】
このようにして、景品載置部材90a…の基底部のみに隣接する景品載置部材同士のみで係合するように係合部を形成することにより、景品載置部材90a…のそれぞれを配置すべき位置を特定することが可能となる。また、景品載置部材90a…の平面部の周辺に凹凸がないため、複数の景品載置部材を組み合わせた景品載置エリアの美観を向上させることができる。
【0069】
なお、複数の景品載置部材の何れかを外すことにより、任意の位置に景品落とし口を変更することができる。クレーンゲーム装置10は、筐体内部に収容された制御ユニット(プロセッサ、メモリ等を含む)によって制御されており、この制御ユニットに対して変更後の景品落とし口の位置を設定することで、クレーンアーム18L,18Rを景品落とし口に合わせて動作させることができる。クレーンゲーム装置10の管理者は、複数の景品載置部材の組合せにより景品載置エリアと景品落とし口をレイアウトした後、設定機器28を用いて、新たなレイアウトに合わせてクレーンアーム18L,18Rが制御されるように各種設定操作をすれば良い。
【0070】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…クレーンゲーム機、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、16L,16R…景品フィールド、18L,18R…クレーンアーム、21L,21R…景品取出口、23L,23R…コンパネ部、24L,24R…ボタン、26L,26R…コイン投入口、39,43…傾斜枠部材、50a〜50h,51…景品載置部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、
前記物品を載置するための載置エリアを複数の載置部材を組み合わせて構成し、
前記複数の載置部材をそれぞれ異なる形状とし、
前記複数の載置部材のそれぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記複数の載置部材が装着される支持部材を設け、
前記支持部材に前記複数の載置部材と係合する第1の係合部を形成し、
前記複数の載置部材に前記第1の係合部と係合する第2の係合部を設けたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記複数の載置部材の上面部に前記第2の係合部を形成したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記載置部材は、前記物品が載置される上面部と前記上面部の下部に設けられた基底部により構成され、
前記基底部に前記第2の係合部を形成したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記複数の載置部材のそれぞれには、予め決められた位置で隣接する前記載置部材と相互に係合する第3の係合部を設け、
前記第3の係合部の形状が前記複数の載置部材のそれぞれによって異なることを特徴する請求項1または請求項2記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記支持部材を保持し、上下方向に移動させると共に、前記支持部材の傾斜角度を変更して固定する上下傾斜調整機構をさらに設けたことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項1】
フィールド内に物品が載置されるゲーム装置において、
前記物品を載置するための載置エリアを複数の載置部材を組み合わせて構成し、
前記複数の載置部材をそれぞれ異なる形状とし、
前記複数の載置部材のそれぞれを予め決められた位置において脱着可能に構成したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記複数の載置部材が装着される支持部材を設け、
前記支持部材に前記複数の載置部材と係合する第1の係合部を形成し、
前記複数の載置部材に前記第1の係合部と係合する第2の係合部を設けたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記複数の載置部材の上面部に前記第2の係合部を形成したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記載置部材は、前記物品が載置される上面部と前記上面部の下部に設けられた基底部により構成され、
前記基底部に前記第2の係合部を形成したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記複数の載置部材のそれぞれには、予め決められた位置で隣接する前記載置部材と相互に係合する第3の係合部を設け、
前記第3の係合部の形状が前記複数の載置部材のそれぞれによって異なることを特徴する請求項1または請求項2記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記支持部材を保持し、上下方向に移動させると共に、前記支持部材の傾斜角度を変更して固定する上下傾斜調整機構をさらに設けたことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−143395(P2012−143395A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4167(P2011−4167)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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