ゲーム装置
【課題】ゲームフィールド上のオブジェクトが落下することにより実行される処理について期待感を持たせることを可能にする。
【解決手段】メダルゲーム装置10は、メダルとボールとが載置されるゲームフィールド(下部フィールド17)と、ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台16と、プッシャー台16の往復運動に伴って、ゲームフィールドから落下したボールの落下位置を検知するボール検知センサ23とを有し、ボール検知センサ23により検知された落下位置に応じた処理を実行する。
【解決手段】メダルゲーム装置10は、メダルとボールとが載置されるゲームフィールド(下部フィールド17)と、ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台16と、プッシャー台16の往復運動に伴って、ゲームフィールドから落下したボールの落下位置を検知するボール検知センサ23とを有し、ボール検知センサ23により検知された落下位置に応じた処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル等のオブジェクトを使用するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ゲームセンター等の遊戯施設において利用されるゲーム装置には、メダルを利用する各種のメダルゲーム装置が知られている。例えば、メダルゲーム装置には、プッシャーゲーム装置がある。プッシャーゲーム装置は、ゲームフィールド上に多数のメダルを載置し、ゲームフィールド上でプッシャー台を摺動させる。プッシャー台が奥側に移動されたタイミングに合わせてユーザがゲームフィールドにメダルを投入すると、このメダルがプッシャー台に押され、さらにゲームフィールド上に堆積されたメダルが押される。これにより、手前側のメダルがメダル落下溝に落下すると、このメダルをプレーヤが獲得することができる。
【0003】
近年では、メダルとは別のオブジェクト(例えばボール)をゲームフィールドに供給するゲーム装置が知られている。このゲーム装置では、メダルと共にボールを移動させることができ、ボールがメダル落下溝に落下すると予め決められた処理(イベント)を実行する。この処理には、例えば抽選処理やミニゲームなどがあり、その処理結果に応じて例えばプレーヤにメダルが払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−194275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲーム装置では、メダルとは別のオブジェクト(ボール)が落下した場合に、予め決められた処理(イベント)が実行されるだけであった。すなわち、オブジェクトが落下する前から実行される処理がわかってしまうため、予想外の結果を得られるという期待感(ドキドキ感)が得にくいものとなっていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、ゲームフィールド上のオブジェクトが落下することにより実行される処理について期待感を持たせることが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが載置されるゲームフィールドと、前記ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台と、前記プッシャー台の往復運動に伴って、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトの落下位置を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された落下位置に応じた処理を実行する処理手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームフィールド上のオブジェクトが落下することにより実行される処理について期待感を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態(第1〜第4実施形態)におけるメダルゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態における下部フィールドから落下したメダルとボールを回収するための構造を示す図。
【図3】メダルゲーム装置の筐体内左側の一部の様子を示す平面図。
【図4】メダルゲーム装置の下部フィールドから落下したメダルとボールの回収の様子を説明するための側面断面図。
【図5】本実施形態におけるメダルゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【図6】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第1実施形態におけるゲームプログラムに設定されているイベント制御データの一例を示す図。
【図8】メダルゲーム装置のガイドレールが配設される間隔の一例を示す図。
【図9】第2実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】第2実施形態におけるイベント制御データの一例を示す図。
【図11】第3実施形態における複数のガイドレールを交互に高い位置と低い位置に配設する例を示す図。
【図12】第3実施形態におけるガイドレールを配設する高さを一定とした例を示す図。
【図13】第3実施形態におけるサイズの異なるボールを検知するための別の構成例を示す図。
【図14】第4実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図15】第4実施形態におけるイベント制御データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態(第1〜第4実施形態)におけるメダルゲーム装置10の外観構成を示す斜視図、図2は、下部フィールド17から落下したメダルとボールBを回収するための構造を示す図である。図1に示すメダルゲーム装置10は、プッシャーゲーム装置として構成されたもので、通常、ゲームセンター等の店舗に設置して使用される。図1に示すメダルゲーム装置10は、例えば1人のプレーヤによってゲームをプレイできる構成となっているが、複数のプレーヤが同時にプレイできる構成とすることもできる。
【0011】
ゲーム筐体11aの前面には、プレーヤによって操作される各種の機能が実装された操作パネル11bが設けられている。また、ゲーム筐体11aの操作パネル11b上部は、筐体内部のゲームフィールドを視認できるように透明カバー12(例えばアクリル)によって覆われている。この透明カバー12によりゲームフィールド内に直接に触れることができないようにしている。
【0012】
操作パネル11bの中央には、メダル投入器13が設けられている。メダル投入器13は、プレーヤがゲームフィールドにメダルを投入するための装置である。メダル投入器13は、透明カバー12の外側に設けられたメダル投入口にメダルが投入されると、そのメダルを透明カバー12の内部にまで貫通しているメダル通路部を通過させて、その先端からゲームフィールド内に投入する。メダル投入器13は、メダルの投入方向をプレーヤが選択できるように、規定範囲内で回動自在に取り付けられている。これにより、プレーヤは、メダル投入器13のメダル通路部の先端を所定の範囲内で左右に向けることができる。
【0013】
また、操作パネル11bには、プレーヤによって操作されるゲーム選択/決定ボタン(図示せず)、スピーカ(図示せず)、メダル払い戻し口19等が設けられている。ゲーム選択/決定ボタンは、メダルゲーム装置10に対してプレーヤが各種の指示を与える際に操作されるボタンである。スピーカは、ゲームの実行中にBGM(back ground music)や効果音等を出力するものである。メダル払い戻し口19は、プレーヤにメダルを払い出すためのもので、透明カバー12内のゲームフィールドから落下したメダルなどが排出される。
【0014】
ゲームフィールドには、プッシャー台(上部フィールド)16、下部フィールド17が設けられている。プッシャー台16は、メダルやボールが積載される台として使用されると共に、往復運動をすることで下部フィールド17に積載されたメダルを押し出すために使用される。プッシャー台16には、メダル投入器13から投入されたメダル、入賞等によってメダル供給口から払い出されたメダルが積載される。下部フィールド17は、メダルが積載される台として使用され、メダル投入器13から投入されたメダル、プッシャー台(上部フィールド)16から落下したメダル、入賞等によって払い出されたメダルが積載される。メダルは、下部フィールド17の図中手前側に設けられたメダル落下溝18に落下すると、メダルゲーム装置10の本体前面に設けられたメダル払い戻し口19から排出される。これにより、プレーヤはメダルを獲得することができる。また、ゲームフィールドには、抽選処理を開始させることができる入賞口(図示せず)が設けられている。
【0015】
また、本実施形態におけるメダルゲーム装置10では、メダルとは異なる他のオブジェクトをゲームフィールドに載置することができる。本実施形態では、他のオブジェクトとして例えばボールBを載置することができるものとする。ボールBは、ゲームフィールドに設けられたボール投入機構21,22からゲームフィールドに投入される。ボール投入機構21,22は、例えば、透明カバー12内部のプッシャー台16と下部フィールド17の側部に設けられている。ボール投入機構21は、プッシャー台16にボールBを投入するもので、筐体内部から供給されるボールBを、ボールレール21aに乗せてプッシャー台16の上に転がり落とす。また、ボール投入機構22は、下部フィールド17にボールBを投入するもので、筐体内部から供給されるボールBを、ボールレール22aに乗せて下部フィールド17の上に転がり落とす。
【0016】
プッシャー台16あるいは下部フィールド17に載置されたボールBは、プッシャー台16の往復運動に伴って、プッシャー台16に押されてメダルが移動されるのに伴って、メダルに押されて移動したり、メダルの上に乗った状態で移動する。
【0017】
メダル落下溝18には、図2に示すように、複数のガイドレール20が所定の間隔を設けて配設されている。ガイドレール20が配置される間隔は、ボールBがすり抜けて落下しないように、少なくともボールの直径よりも狭くなっている。ガイドレール20は、上端が下部フィールド17の上面の高さに合わせた位置に取り付けられ、下端が操作パネル11bの内部に設けられたボール回収通路25(図3、図4参照)の上部に所定の傾斜角度を設けて取り付けられている。下部フィールド17からメダル落下溝18に落下したボールBは、例えば2本のガイドレール20の上に乗って、ボール回収通路25まで転がり落ちる。また、下部フィールド17から落下したメダルは、ボール回収通路25に到達する前に、ガイドレール20の間からすり抜けて、ガイドレール20の下方部に設けられたメダル回収部24(図3、図4参照)に落下する。
【0018】
プッシャー台16は、下部フィールド17の上面に沿って、プッシャー台駆動機構部46(後述する)により前後方向に例えば一定周期で往復移動する。また、プッシャー台16は、メダルが載置される上部フィールドとして使用される。プッシャー台16上のメダルが図中手前側に落下すると、下部フィールド17上に載置されることになる。プッシャー台16が往復移動中の最前位置にないときに、下部フィールド17上の往復移動範囲内にメダルが落下した場合、そのメダルは、プッシャー台16により押されて、下部フィールド17に堆積された多数のメダルに押し込まれる。こうしてメダルが押し込まれると、下部フィールド17上に堆積していたメダルが図中手前側に押される。下部フィールド17の手前側の端部にあるメダルは、プッシャー台16の往復運動に伴って押されることにより、ガイドレール20の間を通過してメダル落下溝18に落下する。メダル落下溝18に落下したメダルは、メダル落下溝18の下方に設けられたメダル回収部24により回収される。同様にして、下部フィールド17の手前側の端部にあるボールBは、プッシャー台16の往復運動に伴って押されると、下部フィールド17から落下するが、ガイドレール20に乗って、メダル回収部24に落下することなくボール回収通路25まで転がり落ちる。すなわち、本実施形態におけるメダルゲーム装置10では、下部フィールド17から落下したボールBとメダルを、メダル回収部24とボール回収通路25によって個別に回収する回収部が設けられている。
【0019】
プッシャー台16の奥正面には、モニタ14が設置されている。モニタ14は、プレーヤに対して提示する各種の情報(メニュー等)を表示する他、入賞時の抽選処理用の画面などが表示される。例えば、抽選処理用の画面としては、3列に配列された数字や絵柄を、それぞれ個別に縦方向にリールが回転していることを表すように表示し、ゲーム選択/決定ボタンに対する操作に応じて回転表示が停止されるように表示する。
【0020】
図2に示すように、ガイドレール20は、一定の間隔を設けて配設されている。ガイドレール20を配設する間隔は、下部フィールド17から落下したメダルがガイドレール20をすり抜けてメダル回収部24に落下し、かつ下部フィールド17から落下したボールBがボール回収通路25まで到達するように少なくとも2本のガイドレール20に乗るように規定されている。従って、ガイドレール20を配設する間隔は、メダルゲーム装置10で使用されるメダルとボールBのサイズに応じて決定される。
【0021】
下部フィールド17から落下したメダルは、薄い板状に形成されており、またボールBの大きさに合わせて十分に広い間隔を設けて配置されているため、ガイドレール20に乗ったとしてもボール回収通路25に到達する前に、ガイドレール20の間をすり抜けて確実にメダル回収部24に落下する。
【0022】
ガイドレール20の下端の先には、ボール回収通路25が設けられている。ボール回収通路25は、例えば左右方向に配設され、左側端部の方が高くなるように傾斜が設けられている。ボール回収通路25は、ガイドレール20に乗って転がり落ちたボールBを回収し、傾斜によってボール回収投入機構部(図2では図示せず)まで搬送する。
【0023】
図3は、メダルゲーム装置10の筐体内左側の一部の様子を示す平面図である。
図3に示すように、プッシャー台16と下部フィールド17の上には、多数のメダルとボールBが載置されている。下部フィールド17から手前側に落下したメダルは、ガイドレール20の間を抜けてメダル回収部24に落下する。
【0024】
一方、ボールBは、2本のガイドレール20に乗ってボール回収通路25まで転がり落ちる。各ガイドレール20の間には、ボール検知センサ23が設けられている。ボール検知センサ23は、ガイドレール20に乗って転がり落ちるボールBを検知するためのもので、例えば機械式あるいは光学式のセンサが用いられる。機械式のボール検知センサ23は、例えばガイドレール20の上を転がるボールBと接触することで、ボールが落下したことを検知する。また、光学式のボール検知センサ23は、例えば光をガイドレール20の間に照射し、センサ上を通過するボールBによって反射される光を受光することにより、ボールが落下したことを検知する。
【0025】
ボール検知センサ23は、複数のガイドレール20の間にそれぞれ設けられているため、何れのセンサによってボールBが検知されたかによって、下部フィールド17の何れの位置から落下したか(落下位置)を判別することができる。
【0026】
図4は、メダルゲーム装置10の下部フィールド17から落下したメダルとボールBの回収の様子を説明するための側面断面図である。
図4に示すように、メダル投入器13から投入されたメダルがプッシャー台16の動きによって押されることにより、下部フィールド17に載置されているメダルMやボールBがメダル落下溝18の方向に押し出される。下部フィールド17から落下したメダルMは、ガイドレール20の間を抜けてメダル回収部24まで落下する。
【0027】
一方、ボールBは、ガイドレール20がボールBの直径よりも狭い間隔で配置されていることから、例えば2本のガイドレール20に乗って、ボール回収通路25まで転がり落ちる。
【0028】
このように、メダルMとボールBのように形状が異なる種類のオブジェクトを併用しても、それぞれを個別に回収することができる。ボールBについては、ガイドレール20が配置された間隔がボールBの直径よりも狭くなっているために、ガイドレール20に乗ってメダル回収部24の上を通過してボール回収通路25まで到達する。
【0029】
図5は、本実施形態におけるメダルゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、メダルゲーム装置10は、CPU40によって各部が制御される。CPU40は、メモリ41に記憶されたゲームプログラム41aを実行することにより各部を制御する。メモリ41には、基本プログラムやゲームプログラム41aの他、ゲームを実行する上で使用される各種のデータが記憶される。本実施形態におけるゲームプログラム41aでは、下部フィールド17から落下するボールBの落下位置に応じた処理(イベント)を実行するためのイベント制御データが設定されている。イベント制御データの詳細については後述する(図7、図10、図15)。
【0030】
CPU40は、入出力制御部42を介して、モニタ14、スピーカ43、光源部44、ボタン入力部45と接続される。
スピーカ43は、例えば図1中の操作パネル11bなどに収納されており、ゲーム実行時の効果音やBGM(back ground music)、各種メッセージ音などをCPU40の制御に応じて出力する。
光源部44は、メダルゲーム装置10に設けられた各種の光源(図示せず)の点灯(点滅)を制御する。
ボタン入力部45は、メダルゲーム装置10に設けられたゲーム選択/決定ボタン等のボタンの入力制御を行い、プレーヤのボタンに対する入力操作に応じて入力信号をCPU40に出力する。
【0031】
また、CPU40は、プッシャー台駆動機構部46、払い出し機構部47、ボール回収投入機構部48等を制御する。
プッシャー台駆動機構部46は、ゲームフィールドに設けられたプッシャー台16を例えば一定周期で前後方向に往復移動させる。
払い出し機構部47は、CPU40の制御のもとで、抽選の結果に応じてメダル供給口から所定枚数のメダルを供給する。
ボール回収投入機構部48は、ボール回収通路25によって回収されたボールを、筐体内部でボール投入機構21,22の下方部まで搬送し、下から押し上げることによってボールレール21a,22aに乗せてゲームフィールドに供給するよう構成されている。
【0032】
入力インタフェース50は、複数のボール検知センサ23−1〜23−nからの信号を入力して、CPU40に通知する。ボール検知センサ23(23−1〜23−n)は、複数のガイドレール20のそれぞれの間に設けられている。
【0033】
投入センサ52は、例えばメダル投入器13に装着されており、プレーヤの操作によってメダル投入器13からゲームフィールドに投入されたメダルを検知する。
払い出しセンサ53は、例えばメダル払い戻し口19からプレーヤに対して払い出されたメダルを検知する。
【0034】
次に、本実施形態におけるメダルゲーム装置10の動作について説明する。
(第1実施形態)
図6は、第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
CPU40は、プッシャー台駆動機構46によって、プッシャー台16を一定周期で前後方向に往復移動させている。プレーヤは、プッシャー台16が往復運動している適当なタイミングを狙って、メダル投入器13から下部フィールド17あるいはプッシャー台16上にメダルを投入する。プッシャー台16が最前位置にないときに、下部フィールド17のメダルが堆積されていない位置にメダルが投下されると、プッシャー台16が前方向に移動するのに合わせて、投下したメダルを介して堆積されたメダルをメダル落下溝18の方向に押し出すことができる。下部フィールド17にボールBが積載されている場合には、メダルの移動に伴って、同様にしてメダル落下溝18の方向に移動する。
【0035】
CPU40は、入力インタフェース50を通じて、ボール検知センサ23−1〜23−nによるボールの落下を監視している。下部フィールド17から落下したメダルは、ガイドレール20の間をすり抜けてメダル回収部24に収容されるが、ボールBは、ガイドレール20に乗って転がり落ちる。このボールBの落下は、ボール検知センサ23−1〜23−nの何れかによって検知されて、CPU40に通知される。CPU40は、ボール検知センサ23−1〜23−nの何れによってボールBが検知されたかに応じて、ボールBの落下位置を判別することができる。
【0036】
CPU40は、ボールBの落下が検出されると(ステップA1、Yes)、ゲームプログラム41aに設定されたイベント制御データに基づいて、落下位置に応じた処理を判別し(ステップA2)、該当するイベントを実行する(ステップA3)。
【0037】
図7には、第1実施形態におけるゲームプログラム41aに設定されているイベント制御データの一例を示している。第1実施形態では、下部フィールド17からのボールBの落下位置(落下位置1,2,…)、すなわちボール検知センサ23−1〜23−nの何れによって落下が検知されたかに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0038】
イベントには、抽選処理やミニゲーム、ゲームフィールドへのメダルやボールの供給などがある。抽選処理では、例えば、3列に配列された数字や絵柄を、それぞれ個別に縦方向でリールが回転していることを表すように表示し、ゲーム選択/決定ボタンに対する操作に応じて回転表示が停止されるように表示して、揃った絵柄に応じた枚数のメダルを払い出す。その他、複数種類の抽選処理を実行するようにしても良い。同様にして、モニタ14にゲーム用画面を表示してミニゲームを実行することができる。メダルやボールの供給では、ボールBの落下位置に応じて、ゲームフィールドに供給するメダル枚数やボールBの数を変化させることができる。その他、各種のイベントを定義することができる。
【0039】
なお、落下位置に対応するイベントは、固定されたものではなく、例えば所定回数のイベントが実行された場合や予め決められた期間が経過する毎に入れ替えるようにしても良い。これにより、同じプレーヤが継続してゲームを実行している場合に、下部フィールド17の同じ位置からボールBが落下したとしても異なるイベントを実行させることができるようになる。
【0040】
また、前述した説明では、ガイドレール20が配設される間隔を一定としているが、異なるようにしても良い。例えば、図8に示す例では、ガイドレール20a,20bとの間隔をD1、ガイドレール20c,20dとの間隔をD2、ガイドレール20e,20fとの間隔をD3とすると、D1<D2<D3の関係となっている。
【0041】
図8に示すように、ガイドレール20e,20fのように間隔D3が広い方が、間隔D1で配設されたガイドレール20a,20bよりもボールBがはまりやすくなる。このため、ガイドレール20a,20bが配設された位置の近くからボールBが落下したとしても、間隔D3のガイドレール20e,20fを隣接して配設しておくことによって、ガイドレール20e,20fに乗ってボールが落下する場合も発生する。こうして、ガイドレール20の間隔が広いところと狭いところを混在して設けることで、ボールBの落下位置として検出される確率を不均一にして、プレーヤに対してボールBの落下に応じて実行される処理を予測させにくくすることができる。
【0042】
このようにして、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10では、下部フィールド17から落下するボールBの落下位置を検知し、この落下位置に応じた処理を実行する。従って、プレーヤは、実際に何れの位置からボールBが落下したか確定するまで処理内容がわからないため期待感を持つことができる。
【0043】
(第2実施形態)
第1実施形態では、1つのボールBの落下位置に応じたイベントを実行しているが、第2実施形態では、複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。ここでは、2個のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するものとして説明する。
【0044】
図9は、第2実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。図10は、第2実施形態におけるイベント制御データの一例を示している。第2実施形態では、図10に示すように、2つのボールBの落下位置(落下位置1,2,3,4…)の組み合わせに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0045】
CPU40は、ボールBの落下が検出されると(ステップB1、Yes)、落下位置を示すデータをメモリ41に記録する(ステップB2)。
【0046】
CPU40は、メモリ41に記録されているデータを参照し、先に落下したボールBの落下位置と、今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに応じたイベントが、イベント制御データに設定されているかを判別する(ステップB3)。ここでは、直前に落下したボールBの落下位置と今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせとするだけでなく、前々回、あるいはさらに先に落下したボールBの落下位置と今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに応じたイベントを対象としても良い。
【0047】
CPU40は、落下位置の組み合わせに応じたイベントがイベント制御データに設定されていた場合、該当するイベントを実行する(ステップB4)。なお、今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに該当するイベントがイベント制御データに設定されていなかった場合に、第1実施形態と同様にして、1つのボールBの落下位置に対応するイベントを実行するようにしても良い。
【0048】
このようにして、第2実施形態のメダルゲーム装置10では、複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントが実行されるため、プレーヤは、ボールBの落下によって実行されるイベントの予想が困難となり期待感を持つことができる。
【0049】
なお、前述した説明では、2個のボールBの落下位置の組み合わせに対してイベントを設定しているが、3個以上のボールBの落下位置の組み合わせについても、イベント制御データにおいて設定するようにしても良い。また、ボールBの個数に制限を設けずに、予め決められた時間内に落下した複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するようにしても良い。
【0050】
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態では、同じ形状の1種類のボールBが使用されるものとして説明しているが、第3実施形態では、異なる種類のボール(第3オブジェクト、第4オブジェクト)が使用されるものとする。第3実施形態では、落下したボールBの種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。ここでは、異なる種類のボールBとして、サイズが異なるボールB1,B2を用いる場合を例にして説明する。
【0051】
図11、図12、図13は、第3実施形態における、サイズが異なる複数のボールB1,B2を用いる場合のガイドレール20の配置例とボール種類(サイズ)の判別を説明するための図である。
図11は、複数のガイドレール20を交互に高い位置と低い位置に配設する例を示している。図11に示すガイドレール20の配設例では、ガイドレール20の間隔を全て同じではなく、広い部分と狭い部分とを混在させている。最も広い間隔Da3,Db3は、小さいサイズのボールB2の直径よりも狭くされているものとする。ボールB2は、何れの落下位置であっても2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる。従って、ガイドレール20の間に設けられた1つのボール検知センサ23によって、ボールB2が落下したことが検知されるため、小さいサイズのボールB2が落下したものと判別することができる。
【0052】
また、大きいサイズのボールB1は、図11に示すように、ガイドレール20を交互に高い位置と低い位置に配設することで、例えば3本のガイドレール20c,20d,20eに乗って転がり落ちる。この場合、ガイドレール20c,20dとガイドレール20d,20eの間に設けられた2つのボール検知センサ23によって、同じタイミングでボールが落下したことを検知できる。従って、2つのボール検知センサ23によってボールBの落下が検知された場合には、大きいサイズのボールB1が落下したものと判別することができる。
【0053】
なお、3本のガイドレール20c,20d,20eにはボールB1が接触した状態で転がり落ちるため、機械式のボール検知センサ23により検知することができるが、ガイドレール20c,20d,20eの間隔Da2,Db2とは異なる間隔で配設されたガイドレール20には接触しない状態で転がり落ちる場合もあり得る。この場合、光学式のボール検知センサ23を用いることによって、非接触でボールB1を検出することができる。メダルゲーム装置10で使用するボールBのサイズ、ガイドレール20を配設する間隔等に応じて、何れの方式のボール検知センサ23を用いるかを決定すれば良い。
【0054】
図12は、ガイドレール20を配設する高さを一定とした例を示している。また、ガイドレール20の間隔を、広い部分と狭い部分とを混在させることによって、ボールB1,B2,B3の落下位置として検出される確率が不均一となるようにしている。また、サイズの異なる3個のボールB1,B2,B3が用いられることを想定している。
【0055】
図12に示す構成の場合には、何れのサイズのボールB1,B2,B3であっても2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる。従って、光学式のボール検知センサ23を各ガイドレール20の間に配置することで、サイズの異なるボールB1,B2,B3を判別できるようにする。
【0056】
例えば、図12に示すように、各ガイドレール20に対して同じ側の近傍にボール検知センサ23a〜23hを配置する。これにより、例えば中サイズのボールB1がガイドレール20b,23cに乗った場合には、2つのボール検知センサ23b,23cによって検知される。同様にして、大サイズのボールB2がガイドレール20e,23fに乗った場合には、3つのボール検知センサ23d,23e,23fによって検知され、小サイズのボールB3がガイドレール20g,23hに乗った場合には、1つのボール検知センサ23gによって検知される。
【0057】
こうして、ガイドレール20を配設する高さを一定とすることで、何れのボールサイズの場合も2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる場合であっても、同じタイミングでボールBを検知したセンサ数に応じてボールサイズを判別することができる。
【0058】
図13は、サイズの異なるボールB1,B2を検知するための別の構成例を示している。
図13では、下部フィールド17のメダル落下溝18側の端部近傍にボールBを検知するためのセンサ60a,60b,61a,61bが設けられている。センサ60a,60b,61a,61bは、下部フィールド17から落下する直前の位置においてボールBが通過したことを検知するためのものである。下部フィールド17の左側端部には送光センサ60a,60bが設けられ、下部フィールド17の右側端部には送光センサ60a,60bとそれぞれ相対する位置に受光センサ61a,61bが設けられている。
【0059】
図13に示すように、例えば、小サイズのボールB1は、下段側の送光センサ60aと受光センサ61aとにより通過が検知され、大サイズのボールB2は、送光センサ60aと受光センサ61aだけでなく、上段側の送光センサ60bと受光センサ61bによっても通過が検知される。これにより、何れの段側のセンサによって検知されたかによって、落下したボールが小ボールB1あるいは大ボールB2の何れであるかを判別することができる。
【0060】
図13に示す構成の場合、センサ60a,60b,61a,61bによってボール種類(ここでは大小)を検知することができるため、落下位置については図3に示すようなボール検知センサ23により、何れのガイドレール20の上を通過したかを検出すれば良い。
【0061】
第1実施形態では、ゲームプログラム41aに設定されたイベント制御データに基づいて、落下位置に応じた処理を判別し、該当するイベントを実行しているが、第2実施形態では、CPU40は、落下したボール種類と落下位置に応じた処理を判別し、該当するイベントを実行する。従って、イベント制御データには、予め、ボール種類と落下位置の組と対応づけて、実行すべき処理(イベント)が定義されているものとする。
【0062】
なお、図13では、2組の送光センサと受光センサとを設けているため、2種類(大サイズと小サイズ)のボールB1,B2を検知できるようにしているが、3組以上の送光センサと受光センサをそれぞれ異なる高さで設置することで、3種類以上のボールを検知することができる。
【0063】
また、前述した説明では、サイズの異なる複数種類のボールを例にしているが、他の異なる種類のボールを混在して使用することも可能である。例えば、ボールの色が異なるボールや、質量の異なるボール、あるいは表面形状が異なる(例えば、凹凸の有無など)ボールなどを用いることも可能である。この場合、使用するボール種類に応じて、ボール種類を識別する機能を設ける必要がある。すなわち、ボールの色を識別する機能、ボールの質量を測定する機能、ボールの表面形状を判定する機能などを設ければよい。ボールの色や表面形状については、例えば落下したボールを画像撮影し、この画像から既存の画像処理によって判定することができる。また、ボールの質量については、落下したボールの質量を測定する測定器をボールの通路上に配置しておくことで判定することができる。
【0064】
(第4実施形態)
第3実施形態では、1個のボール種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するものとしているが、第4実施形態では、複数のボールのボール種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。なお、ボール種類と落下位置の検知は、第3実施形態と同様にして実行されるものとして説明を省略する。
【0065】
図14は、第4実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。図15は、第4実施形態におけるイベント制御データの一例を示している。第4実施形態では、図15に示すように、2つのボールBの落下位置(落下位置1,2,3,4…)とボール種類(種類A,B,C,D…)の組み合わせに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0066】
CPU40は、ボールBの落下位置とボール種類が検出されると(ステップC1、Yes)、落下位置とボール種類を示すデータをメモリ41に記録する(ステップC2)。
【0067】
CPU40は、メモリ41に記録されているデータを参照し、先に落下したボールBの落下位置/ボール種類と、今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに応じたイベントが、イベント制御データに設定されているかを判別する(ステップC3)。ここでは、直前に落下したボールBの落下位置/ボール種類と今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせとするだけでなく、前々回、あるいはさらに先に落下したボールBの落下位置/ボール種類と今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに応じたイベントを対象としても良い。
【0068】
CPU40は、落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントがイベント制御データに設定されていた場合、該当するイベントを実行する(ステップC4)。なお、今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに該当するイベントがイベント制御データに設定されていなかった場合に、第3実施形態と同様にして、1つのボールBの落下位置/ボール種類に対応するイベントを実行するようにしても良い。
【0069】
このようにして、第4実施形態のメダルゲーム装置10では、複数のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントが実行されるため、プレーヤは、ボールBの落下によって実行されるイベントの予想が困難となり期待感を持つことができる。
【0070】
なお、前述した説明では、2個のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに対してイベントを設定しているが、3個以上のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせについても、イベント制御データにおいて設定するようにしても良い。また、ボールBの個数に制限を設けずに、予め決められた時間内に落下した複数のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントを実行するようにしても良い。
【0071】
また、第4実施形態においても、第3実施形態において説明したように、サイズの異なるボールだけでなく、他の異なる種類のボール(色、質量、表面形状等)を用いることも可能である。
【0072】
なお、前述した第1〜第4実施形態の説明では、メダルの他にボールをゲームフィールド(プッシャーテーブル)に載置させるものとして説明しているが、ボール以外のオブジェクトを用いたプッシャーゲーム機として構成しても良い。この場合、回収口を使用するオブジェクトの形状に応じて構成して、オブジェクトの落下位置を区分して検知できるようにして回収できるようにすれば良い。
【0073】
また、第1〜第4の実施形態は、前述したように個別に実施することも可能であるし、2つ以上の実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
【0074】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10…メダルゲーム装置、11a…ゲーム筐体、13…メダル投入器、14…モニタ、16…プッシャー台、17…下部フィールド、18…メダル落下溝、20…ガイドレール、23…ボール検知センサ、24…メダル回収部、25…ボール回収通路、40…CPU、41a…ゲームプログラム、48…ボール回収投入機構、B…ボール、M…メダル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル等のオブジェクトを使用するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ゲームセンター等の遊戯施設において利用されるゲーム装置には、メダルを利用する各種のメダルゲーム装置が知られている。例えば、メダルゲーム装置には、プッシャーゲーム装置がある。プッシャーゲーム装置は、ゲームフィールド上に多数のメダルを載置し、ゲームフィールド上でプッシャー台を摺動させる。プッシャー台が奥側に移動されたタイミングに合わせてユーザがゲームフィールドにメダルを投入すると、このメダルがプッシャー台に押され、さらにゲームフィールド上に堆積されたメダルが押される。これにより、手前側のメダルがメダル落下溝に落下すると、このメダルをプレーヤが獲得することができる。
【0003】
近年では、メダルとは別のオブジェクト(例えばボール)をゲームフィールドに供給するゲーム装置が知られている。このゲーム装置では、メダルと共にボールを移動させることができ、ボールがメダル落下溝に落下すると予め決められた処理(イベント)を実行する。この処理には、例えば抽選処理やミニゲームなどがあり、その処理結果に応じて例えばプレーヤにメダルが払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−194275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲーム装置では、メダルとは別のオブジェクト(ボール)が落下した場合に、予め決められた処理(イベント)が実行されるだけであった。すなわち、オブジェクトが落下する前から実行される処理がわかってしまうため、予想外の結果を得られるという期待感(ドキドキ感)が得にくいものとなっていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、ゲームフィールド上のオブジェクトが落下することにより実行される処理について期待感を持たせることが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが載置されるゲームフィールドと、前記ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台と、前記プッシャー台の往復運動に伴って、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトの落下位置を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された落下位置に応じた処理を実行する処理手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームフィールド上のオブジェクトが落下することにより実行される処理について期待感を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態(第1〜第4実施形態)におけるメダルゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態における下部フィールドから落下したメダルとボールを回収するための構造を示す図。
【図3】メダルゲーム装置の筐体内左側の一部の様子を示す平面図。
【図4】メダルゲーム装置の下部フィールドから落下したメダルとボールの回収の様子を説明するための側面断面図。
【図5】本実施形態におけるメダルゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【図6】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第1実施形態におけるゲームプログラムに設定されているイベント制御データの一例を示す図。
【図8】メダルゲーム装置のガイドレールが配設される間隔の一例を示す図。
【図9】第2実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】第2実施形態におけるイベント制御データの一例を示す図。
【図11】第3実施形態における複数のガイドレールを交互に高い位置と低い位置に配設する例を示す図。
【図12】第3実施形態におけるガイドレールを配設する高さを一定とした例を示す図。
【図13】第3実施形態におけるサイズの異なるボールを検知するための別の構成例を示す図。
【図14】第4実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図15】第4実施形態におけるイベント制御データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態(第1〜第4実施形態)におけるメダルゲーム装置10の外観構成を示す斜視図、図2は、下部フィールド17から落下したメダルとボールBを回収するための構造を示す図である。図1に示すメダルゲーム装置10は、プッシャーゲーム装置として構成されたもので、通常、ゲームセンター等の店舗に設置して使用される。図1に示すメダルゲーム装置10は、例えば1人のプレーヤによってゲームをプレイできる構成となっているが、複数のプレーヤが同時にプレイできる構成とすることもできる。
【0011】
ゲーム筐体11aの前面には、プレーヤによって操作される各種の機能が実装された操作パネル11bが設けられている。また、ゲーム筐体11aの操作パネル11b上部は、筐体内部のゲームフィールドを視認できるように透明カバー12(例えばアクリル)によって覆われている。この透明カバー12によりゲームフィールド内に直接に触れることができないようにしている。
【0012】
操作パネル11bの中央には、メダル投入器13が設けられている。メダル投入器13は、プレーヤがゲームフィールドにメダルを投入するための装置である。メダル投入器13は、透明カバー12の外側に設けられたメダル投入口にメダルが投入されると、そのメダルを透明カバー12の内部にまで貫通しているメダル通路部を通過させて、その先端からゲームフィールド内に投入する。メダル投入器13は、メダルの投入方向をプレーヤが選択できるように、規定範囲内で回動自在に取り付けられている。これにより、プレーヤは、メダル投入器13のメダル通路部の先端を所定の範囲内で左右に向けることができる。
【0013】
また、操作パネル11bには、プレーヤによって操作されるゲーム選択/決定ボタン(図示せず)、スピーカ(図示せず)、メダル払い戻し口19等が設けられている。ゲーム選択/決定ボタンは、メダルゲーム装置10に対してプレーヤが各種の指示を与える際に操作されるボタンである。スピーカは、ゲームの実行中にBGM(back ground music)や効果音等を出力するものである。メダル払い戻し口19は、プレーヤにメダルを払い出すためのもので、透明カバー12内のゲームフィールドから落下したメダルなどが排出される。
【0014】
ゲームフィールドには、プッシャー台(上部フィールド)16、下部フィールド17が設けられている。プッシャー台16は、メダルやボールが積載される台として使用されると共に、往復運動をすることで下部フィールド17に積載されたメダルを押し出すために使用される。プッシャー台16には、メダル投入器13から投入されたメダル、入賞等によってメダル供給口から払い出されたメダルが積載される。下部フィールド17は、メダルが積載される台として使用され、メダル投入器13から投入されたメダル、プッシャー台(上部フィールド)16から落下したメダル、入賞等によって払い出されたメダルが積載される。メダルは、下部フィールド17の図中手前側に設けられたメダル落下溝18に落下すると、メダルゲーム装置10の本体前面に設けられたメダル払い戻し口19から排出される。これにより、プレーヤはメダルを獲得することができる。また、ゲームフィールドには、抽選処理を開始させることができる入賞口(図示せず)が設けられている。
【0015】
また、本実施形態におけるメダルゲーム装置10では、メダルとは異なる他のオブジェクトをゲームフィールドに載置することができる。本実施形態では、他のオブジェクトとして例えばボールBを載置することができるものとする。ボールBは、ゲームフィールドに設けられたボール投入機構21,22からゲームフィールドに投入される。ボール投入機構21,22は、例えば、透明カバー12内部のプッシャー台16と下部フィールド17の側部に設けられている。ボール投入機構21は、プッシャー台16にボールBを投入するもので、筐体内部から供給されるボールBを、ボールレール21aに乗せてプッシャー台16の上に転がり落とす。また、ボール投入機構22は、下部フィールド17にボールBを投入するもので、筐体内部から供給されるボールBを、ボールレール22aに乗せて下部フィールド17の上に転がり落とす。
【0016】
プッシャー台16あるいは下部フィールド17に載置されたボールBは、プッシャー台16の往復運動に伴って、プッシャー台16に押されてメダルが移動されるのに伴って、メダルに押されて移動したり、メダルの上に乗った状態で移動する。
【0017】
メダル落下溝18には、図2に示すように、複数のガイドレール20が所定の間隔を設けて配設されている。ガイドレール20が配置される間隔は、ボールBがすり抜けて落下しないように、少なくともボールの直径よりも狭くなっている。ガイドレール20は、上端が下部フィールド17の上面の高さに合わせた位置に取り付けられ、下端が操作パネル11bの内部に設けられたボール回収通路25(図3、図4参照)の上部に所定の傾斜角度を設けて取り付けられている。下部フィールド17からメダル落下溝18に落下したボールBは、例えば2本のガイドレール20の上に乗って、ボール回収通路25まで転がり落ちる。また、下部フィールド17から落下したメダルは、ボール回収通路25に到達する前に、ガイドレール20の間からすり抜けて、ガイドレール20の下方部に設けられたメダル回収部24(図3、図4参照)に落下する。
【0018】
プッシャー台16は、下部フィールド17の上面に沿って、プッシャー台駆動機構部46(後述する)により前後方向に例えば一定周期で往復移動する。また、プッシャー台16は、メダルが載置される上部フィールドとして使用される。プッシャー台16上のメダルが図中手前側に落下すると、下部フィールド17上に載置されることになる。プッシャー台16が往復移動中の最前位置にないときに、下部フィールド17上の往復移動範囲内にメダルが落下した場合、そのメダルは、プッシャー台16により押されて、下部フィールド17に堆積された多数のメダルに押し込まれる。こうしてメダルが押し込まれると、下部フィールド17上に堆積していたメダルが図中手前側に押される。下部フィールド17の手前側の端部にあるメダルは、プッシャー台16の往復運動に伴って押されることにより、ガイドレール20の間を通過してメダル落下溝18に落下する。メダル落下溝18に落下したメダルは、メダル落下溝18の下方に設けられたメダル回収部24により回収される。同様にして、下部フィールド17の手前側の端部にあるボールBは、プッシャー台16の往復運動に伴って押されると、下部フィールド17から落下するが、ガイドレール20に乗って、メダル回収部24に落下することなくボール回収通路25まで転がり落ちる。すなわち、本実施形態におけるメダルゲーム装置10では、下部フィールド17から落下したボールBとメダルを、メダル回収部24とボール回収通路25によって個別に回収する回収部が設けられている。
【0019】
プッシャー台16の奥正面には、モニタ14が設置されている。モニタ14は、プレーヤに対して提示する各種の情報(メニュー等)を表示する他、入賞時の抽選処理用の画面などが表示される。例えば、抽選処理用の画面としては、3列に配列された数字や絵柄を、それぞれ個別に縦方向にリールが回転していることを表すように表示し、ゲーム選択/決定ボタンに対する操作に応じて回転表示が停止されるように表示する。
【0020】
図2に示すように、ガイドレール20は、一定の間隔を設けて配設されている。ガイドレール20を配設する間隔は、下部フィールド17から落下したメダルがガイドレール20をすり抜けてメダル回収部24に落下し、かつ下部フィールド17から落下したボールBがボール回収通路25まで到達するように少なくとも2本のガイドレール20に乗るように規定されている。従って、ガイドレール20を配設する間隔は、メダルゲーム装置10で使用されるメダルとボールBのサイズに応じて決定される。
【0021】
下部フィールド17から落下したメダルは、薄い板状に形成されており、またボールBの大きさに合わせて十分に広い間隔を設けて配置されているため、ガイドレール20に乗ったとしてもボール回収通路25に到達する前に、ガイドレール20の間をすり抜けて確実にメダル回収部24に落下する。
【0022】
ガイドレール20の下端の先には、ボール回収通路25が設けられている。ボール回収通路25は、例えば左右方向に配設され、左側端部の方が高くなるように傾斜が設けられている。ボール回収通路25は、ガイドレール20に乗って転がり落ちたボールBを回収し、傾斜によってボール回収投入機構部(図2では図示せず)まで搬送する。
【0023】
図3は、メダルゲーム装置10の筐体内左側の一部の様子を示す平面図である。
図3に示すように、プッシャー台16と下部フィールド17の上には、多数のメダルとボールBが載置されている。下部フィールド17から手前側に落下したメダルは、ガイドレール20の間を抜けてメダル回収部24に落下する。
【0024】
一方、ボールBは、2本のガイドレール20に乗ってボール回収通路25まで転がり落ちる。各ガイドレール20の間には、ボール検知センサ23が設けられている。ボール検知センサ23は、ガイドレール20に乗って転がり落ちるボールBを検知するためのもので、例えば機械式あるいは光学式のセンサが用いられる。機械式のボール検知センサ23は、例えばガイドレール20の上を転がるボールBと接触することで、ボールが落下したことを検知する。また、光学式のボール検知センサ23は、例えば光をガイドレール20の間に照射し、センサ上を通過するボールBによって反射される光を受光することにより、ボールが落下したことを検知する。
【0025】
ボール検知センサ23は、複数のガイドレール20の間にそれぞれ設けられているため、何れのセンサによってボールBが検知されたかによって、下部フィールド17の何れの位置から落下したか(落下位置)を判別することができる。
【0026】
図4は、メダルゲーム装置10の下部フィールド17から落下したメダルとボールBの回収の様子を説明するための側面断面図である。
図4に示すように、メダル投入器13から投入されたメダルがプッシャー台16の動きによって押されることにより、下部フィールド17に載置されているメダルMやボールBがメダル落下溝18の方向に押し出される。下部フィールド17から落下したメダルMは、ガイドレール20の間を抜けてメダル回収部24まで落下する。
【0027】
一方、ボールBは、ガイドレール20がボールBの直径よりも狭い間隔で配置されていることから、例えば2本のガイドレール20に乗って、ボール回収通路25まで転がり落ちる。
【0028】
このように、メダルMとボールBのように形状が異なる種類のオブジェクトを併用しても、それぞれを個別に回収することができる。ボールBについては、ガイドレール20が配置された間隔がボールBの直径よりも狭くなっているために、ガイドレール20に乗ってメダル回収部24の上を通過してボール回収通路25まで到達する。
【0029】
図5は、本実施形態におけるメダルゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、メダルゲーム装置10は、CPU40によって各部が制御される。CPU40は、メモリ41に記憶されたゲームプログラム41aを実行することにより各部を制御する。メモリ41には、基本プログラムやゲームプログラム41aの他、ゲームを実行する上で使用される各種のデータが記憶される。本実施形態におけるゲームプログラム41aでは、下部フィールド17から落下するボールBの落下位置に応じた処理(イベント)を実行するためのイベント制御データが設定されている。イベント制御データの詳細については後述する(図7、図10、図15)。
【0030】
CPU40は、入出力制御部42を介して、モニタ14、スピーカ43、光源部44、ボタン入力部45と接続される。
スピーカ43は、例えば図1中の操作パネル11bなどに収納されており、ゲーム実行時の効果音やBGM(back ground music)、各種メッセージ音などをCPU40の制御に応じて出力する。
光源部44は、メダルゲーム装置10に設けられた各種の光源(図示せず)の点灯(点滅)を制御する。
ボタン入力部45は、メダルゲーム装置10に設けられたゲーム選択/決定ボタン等のボタンの入力制御を行い、プレーヤのボタンに対する入力操作に応じて入力信号をCPU40に出力する。
【0031】
また、CPU40は、プッシャー台駆動機構部46、払い出し機構部47、ボール回収投入機構部48等を制御する。
プッシャー台駆動機構部46は、ゲームフィールドに設けられたプッシャー台16を例えば一定周期で前後方向に往復移動させる。
払い出し機構部47は、CPU40の制御のもとで、抽選の結果に応じてメダル供給口から所定枚数のメダルを供給する。
ボール回収投入機構部48は、ボール回収通路25によって回収されたボールを、筐体内部でボール投入機構21,22の下方部まで搬送し、下から押し上げることによってボールレール21a,22aに乗せてゲームフィールドに供給するよう構成されている。
【0032】
入力インタフェース50は、複数のボール検知センサ23−1〜23−nからの信号を入力して、CPU40に通知する。ボール検知センサ23(23−1〜23−n)は、複数のガイドレール20のそれぞれの間に設けられている。
【0033】
投入センサ52は、例えばメダル投入器13に装着されており、プレーヤの操作によってメダル投入器13からゲームフィールドに投入されたメダルを検知する。
払い出しセンサ53は、例えばメダル払い戻し口19からプレーヤに対して払い出されたメダルを検知する。
【0034】
次に、本実施形態におけるメダルゲーム装置10の動作について説明する。
(第1実施形態)
図6は、第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
CPU40は、プッシャー台駆動機構46によって、プッシャー台16を一定周期で前後方向に往復移動させている。プレーヤは、プッシャー台16が往復運動している適当なタイミングを狙って、メダル投入器13から下部フィールド17あるいはプッシャー台16上にメダルを投入する。プッシャー台16が最前位置にないときに、下部フィールド17のメダルが堆積されていない位置にメダルが投下されると、プッシャー台16が前方向に移動するのに合わせて、投下したメダルを介して堆積されたメダルをメダル落下溝18の方向に押し出すことができる。下部フィールド17にボールBが積載されている場合には、メダルの移動に伴って、同様にしてメダル落下溝18の方向に移動する。
【0035】
CPU40は、入力インタフェース50を通じて、ボール検知センサ23−1〜23−nによるボールの落下を監視している。下部フィールド17から落下したメダルは、ガイドレール20の間をすり抜けてメダル回収部24に収容されるが、ボールBは、ガイドレール20に乗って転がり落ちる。このボールBの落下は、ボール検知センサ23−1〜23−nの何れかによって検知されて、CPU40に通知される。CPU40は、ボール検知センサ23−1〜23−nの何れによってボールBが検知されたかに応じて、ボールBの落下位置を判別することができる。
【0036】
CPU40は、ボールBの落下が検出されると(ステップA1、Yes)、ゲームプログラム41aに設定されたイベント制御データに基づいて、落下位置に応じた処理を判別し(ステップA2)、該当するイベントを実行する(ステップA3)。
【0037】
図7には、第1実施形態におけるゲームプログラム41aに設定されているイベント制御データの一例を示している。第1実施形態では、下部フィールド17からのボールBの落下位置(落下位置1,2,…)、すなわちボール検知センサ23−1〜23−nの何れによって落下が検知されたかに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0038】
イベントには、抽選処理やミニゲーム、ゲームフィールドへのメダルやボールの供給などがある。抽選処理では、例えば、3列に配列された数字や絵柄を、それぞれ個別に縦方向でリールが回転していることを表すように表示し、ゲーム選択/決定ボタンに対する操作に応じて回転表示が停止されるように表示して、揃った絵柄に応じた枚数のメダルを払い出す。その他、複数種類の抽選処理を実行するようにしても良い。同様にして、モニタ14にゲーム用画面を表示してミニゲームを実行することができる。メダルやボールの供給では、ボールBの落下位置に応じて、ゲームフィールドに供給するメダル枚数やボールBの数を変化させることができる。その他、各種のイベントを定義することができる。
【0039】
なお、落下位置に対応するイベントは、固定されたものではなく、例えば所定回数のイベントが実行された場合や予め決められた期間が経過する毎に入れ替えるようにしても良い。これにより、同じプレーヤが継続してゲームを実行している場合に、下部フィールド17の同じ位置からボールBが落下したとしても異なるイベントを実行させることができるようになる。
【0040】
また、前述した説明では、ガイドレール20が配設される間隔を一定としているが、異なるようにしても良い。例えば、図8に示す例では、ガイドレール20a,20bとの間隔をD1、ガイドレール20c,20dとの間隔をD2、ガイドレール20e,20fとの間隔をD3とすると、D1<D2<D3の関係となっている。
【0041】
図8に示すように、ガイドレール20e,20fのように間隔D3が広い方が、間隔D1で配設されたガイドレール20a,20bよりもボールBがはまりやすくなる。このため、ガイドレール20a,20bが配設された位置の近くからボールBが落下したとしても、間隔D3のガイドレール20e,20fを隣接して配設しておくことによって、ガイドレール20e,20fに乗ってボールが落下する場合も発生する。こうして、ガイドレール20の間隔が広いところと狭いところを混在して設けることで、ボールBの落下位置として検出される確率を不均一にして、プレーヤに対してボールBの落下に応じて実行される処理を予測させにくくすることができる。
【0042】
このようにして、第1実施形態におけるメダルゲーム装置10では、下部フィールド17から落下するボールBの落下位置を検知し、この落下位置に応じた処理を実行する。従って、プレーヤは、実際に何れの位置からボールBが落下したか確定するまで処理内容がわからないため期待感を持つことができる。
【0043】
(第2実施形態)
第1実施形態では、1つのボールBの落下位置に応じたイベントを実行しているが、第2実施形態では、複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。ここでは、2個のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するものとして説明する。
【0044】
図9は、第2実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。図10は、第2実施形態におけるイベント制御データの一例を示している。第2実施形態では、図10に示すように、2つのボールBの落下位置(落下位置1,2,3,4…)の組み合わせに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0045】
CPU40は、ボールBの落下が検出されると(ステップB1、Yes)、落下位置を示すデータをメモリ41に記録する(ステップB2)。
【0046】
CPU40は、メモリ41に記録されているデータを参照し、先に落下したボールBの落下位置と、今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに応じたイベントが、イベント制御データに設定されているかを判別する(ステップB3)。ここでは、直前に落下したボールBの落下位置と今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせとするだけでなく、前々回、あるいはさらに先に落下したボールBの落下位置と今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに応じたイベントを対象としても良い。
【0047】
CPU40は、落下位置の組み合わせに応じたイベントがイベント制御データに設定されていた場合、該当するイベントを実行する(ステップB4)。なお、今回の落下したボールBの落下位置との組み合わせに該当するイベントがイベント制御データに設定されていなかった場合に、第1実施形態と同様にして、1つのボールBの落下位置に対応するイベントを実行するようにしても良い。
【0048】
このようにして、第2実施形態のメダルゲーム装置10では、複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントが実行されるため、プレーヤは、ボールBの落下によって実行されるイベントの予想が困難となり期待感を持つことができる。
【0049】
なお、前述した説明では、2個のボールBの落下位置の組み合わせに対してイベントを設定しているが、3個以上のボールBの落下位置の組み合わせについても、イベント制御データにおいて設定するようにしても良い。また、ボールBの個数に制限を設けずに、予め決められた時間内に落下した複数のボールBの落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するようにしても良い。
【0050】
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態では、同じ形状の1種類のボールBが使用されるものとして説明しているが、第3実施形態では、異なる種類のボール(第3オブジェクト、第4オブジェクト)が使用されるものとする。第3実施形態では、落下したボールBの種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。ここでは、異なる種類のボールBとして、サイズが異なるボールB1,B2を用いる場合を例にして説明する。
【0051】
図11、図12、図13は、第3実施形態における、サイズが異なる複数のボールB1,B2を用いる場合のガイドレール20の配置例とボール種類(サイズ)の判別を説明するための図である。
図11は、複数のガイドレール20を交互に高い位置と低い位置に配設する例を示している。図11に示すガイドレール20の配設例では、ガイドレール20の間隔を全て同じではなく、広い部分と狭い部分とを混在させている。最も広い間隔Da3,Db3は、小さいサイズのボールB2の直径よりも狭くされているものとする。ボールB2は、何れの落下位置であっても2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる。従って、ガイドレール20の間に設けられた1つのボール検知センサ23によって、ボールB2が落下したことが検知されるため、小さいサイズのボールB2が落下したものと判別することができる。
【0052】
また、大きいサイズのボールB1は、図11に示すように、ガイドレール20を交互に高い位置と低い位置に配設することで、例えば3本のガイドレール20c,20d,20eに乗って転がり落ちる。この場合、ガイドレール20c,20dとガイドレール20d,20eの間に設けられた2つのボール検知センサ23によって、同じタイミングでボールが落下したことを検知できる。従って、2つのボール検知センサ23によってボールBの落下が検知された場合には、大きいサイズのボールB1が落下したものと判別することができる。
【0053】
なお、3本のガイドレール20c,20d,20eにはボールB1が接触した状態で転がり落ちるため、機械式のボール検知センサ23により検知することができるが、ガイドレール20c,20d,20eの間隔Da2,Db2とは異なる間隔で配設されたガイドレール20には接触しない状態で転がり落ちる場合もあり得る。この場合、光学式のボール検知センサ23を用いることによって、非接触でボールB1を検出することができる。メダルゲーム装置10で使用するボールBのサイズ、ガイドレール20を配設する間隔等に応じて、何れの方式のボール検知センサ23を用いるかを決定すれば良い。
【0054】
図12は、ガイドレール20を配設する高さを一定とした例を示している。また、ガイドレール20の間隔を、広い部分と狭い部分とを混在させることによって、ボールB1,B2,B3の落下位置として検出される確率が不均一となるようにしている。また、サイズの異なる3個のボールB1,B2,B3が用いられることを想定している。
【0055】
図12に示す構成の場合には、何れのサイズのボールB1,B2,B3であっても2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる。従って、光学式のボール検知センサ23を各ガイドレール20の間に配置することで、サイズの異なるボールB1,B2,B3を判別できるようにする。
【0056】
例えば、図12に示すように、各ガイドレール20に対して同じ側の近傍にボール検知センサ23a〜23hを配置する。これにより、例えば中サイズのボールB1がガイドレール20b,23cに乗った場合には、2つのボール検知センサ23b,23cによって検知される。同様にして、大サイズのボールB2がガイドレール20e,23fに乗った場合には、3つのボール検知センサ23d,23e,23fによって検知され、小サイズのボールB3がガイドレール20g,23hに乗った場合には、1つのボール検知センサ23gによって検知される。
【0057】
こうして、ガイドレール20を配設する高さを一定とすることで、何れのボールサイズの場合も2本のガイドレール20に乗って転がり落ちる場合であっても、同じタイミングでボールBを検知したセンサ数に応じてボールサイズを判別することができる。
【0058】
図13は、サイズの異なるボールB1,B2を検知するための別の構成例を示している。
図13では、下部フィールド17のメダル落下溝18側の端部近傍にボールBを検知するためのセンサ60a,60b,61a,61bが設けられている。センサ60a,60b,61a,61bは、下部フィールド17から落下する直前の位置においてボールBが通過したことを検知するためのものである。下部フィールド17の左側端部には送光センサ60a,60bが設けられ、下部フィールド17の右側端部には送光センサ60a,60bとそれぞれ相対する位置に受光センサ61a,61bが設けられている。
【0059】
図13に示すように、例えば、小サイズのボールB1は、下段側の送光センサ60aと受光センサ61aとにより通過が検知され、大サイズのボールB2は、送光センサ60aと受光センサ61aだけでなく、上段側の送光センサ60bと受光センサ61bによっても通過が検知される。これにより、何れの段側のセンサによって検知されたかによって、落下したボールが小ボールB1あるいは大ボールB2の何れであるかを判別することができる。
【0060】
図13に示す構成の場合、センサ60a,60b,61a,61bによってボール種類(ここでは大小)を検知することができるため、落下位置については図3に示すようなボール検知センサ23により、何れのガイドレール20の上を通過したかを検出すれば良い。
【0061】
第1実施形態では、ゲームプログラム41aに設定されたイベント制御データに基づいて、落下位置に応じた処理を判別し、該当するイベントを実行しているが、第2実施形態では、CPU40は、落下したボール種類と落下位置に応じた処理を判別し、該当するイベントを実行する。従って、イベント制御データには、予め、ボール種類と落下位置の組と対応づけて、実行すべき処理(イベント)が定義されているものとする。
【0062】
なお、図13では、2組の送光センサと受光センサとを設けているため、2種類(大サイズと小サイズ)のボールB1,B2を検知できるようにしているが、3組以上の送光センサと受光センサをそれぞれ異なる高さで設置することで、3種類以上のボールを検知することができる。
【0063】
また、前述した説明では、サイズの異なる複数種類のボールを例にしているが、他の異なる種類のボールを混在して使用することも可能である。例えば、ボールの色が異なるボールや、質量の異なるボール、あるいは表面形状が異なる(例えば、凹凸の有無など)ボールなどを用いることも可能である。この場合、使用するボール種類に応じて、ボール種類を識別する機能を設ける必要がある。すなわち、ボールの色を識別する機能、ボールの質量を測定する機能、ボールの表面形状を判定する機能などを設ければよい。ボールの色や表面形状については、例えば落下したボールを画像撮影し、この画像から既存の画像処理によって判定することができる。また、ボールの質量については、落下したボールの質量を測定する測定器をボールの通路上に配置しておくことで判定することができる。
【0064】
(第4実施形態)
第3実施形態では、1個のボール種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行するものとしているが、第4実施形態では、複数のボールのボール種類と落下位置の組み合わせに応じたイベントを実行する。なお、ボール種類と落下位置の検知は、第3実施形態と同様にして実行されるものとして説明を省略する。
【0065】
図14は、第4実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。図15は、第4実施形態におけるイベント制御データの一例を示している。第4実施形態では、図15に示すように、2つのボールBの落下位置(落下位置1,2,3,4…)とボール種類(種類A,B,C,D…)の組み合わせに応じて実行すべき処理(イベント1,2,…)が定義されている。
【0066】
CPU40は、ボールBの落下位置とボール種類が検出されると(ステップC1、Yes)、落下位置とボール種類を示すデータをメモリ41に記録する(ステップC2)。
【0067】
CPU40は、メモリ41に記録されているデータを参照し、先に落下したボールBの落下位置/ボール種類と、今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに応じたイベントが、イベント制御データに設定されているかを判別する(ステップC3)。ここでは、直前に落下したボールBの落下位置/ボール種類と今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせとするだけでなく、前々回、あるいはさらに先に落下したボールBの落下位置/ボール種類と今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに応じたイベントを対象としても良い。
【0068】
CPU40は、落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントがイベント制御データに設定されていた場合、該当するイベントを実行する(ステップC4)。なお、今回の落下したボールBの落下位置/ボール種類との組み合わせに該当するイベントがイベント制御データに設定されていなかった場合に、第3実施形態と同様にして、1つのボールBの落下位置/ボール種類に対応するイベントを実行するようにしても良い。
【0069】
このようにして、第4実施形態のメダルゲーム装置10では、複数のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントが実行されるため、プレーヤは、ボールBの落下によって実行されるイベントの予想が困難となり期待感を持つことができる。
【0070】
なお、前述した説明では、2個のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに対してイベントを設定しているが、3個以上のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせについても、イベント制御データにおいて設定するようにしても良い。また、ボールBの個数に制限を設けずに、予め決められた時間内に落下した複数のボールBの落下位置/ボール種類の組み合わせに応じたイベントを実行するようにしても良い。
【0071】
また、第4実施形態においても、第3実施形態において説明したように、サイズの異なるボールだけでなく、他の異なる種類のボール(色、質量、表面形状等)を用いることも可能である。
【0072】
なお、前述した第1〜第4実施形態の説明では、メダルの他にボールをゲームフィールド(プッシャーテーブル)に載置させるものとして説明しているが、ボール以外のオブジェクトを用いたプッシャーゲーム機として構成しても良い。この場合、回収口を使用するオブジェクトの形状に応じて構成して、オブジェクトの落下位置を区分して検知できるようにして回収できるようにすれば良い。
【0073】
また、第1〜第4の実施形態は、前述したように個別に実施することも可能であるし、2つ以上の実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
【0074】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10…メダルゲーム装置、11a…ゲーム筐体、13…メダル投入器、14…モニタ、16…プッシャー台、17…下部フィールド、18…メダル落下溝、20…ガイドレール、23…ボール検知センサ、24…メダル回収部、25…ボール回収通路、40…CPU、41a…ゲームプログラム、48…ボール回収投入機構、B…ボール、M…メダル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1オブジェクトと第2オブジェクトとが載置されるゲームフィールドと、
前記ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台と、
前記プッシャー台の往復運動に伴って、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトの落下位置を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された落下位置に応じた処理を実行する処理手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記検知手段により検知された、複数の前記第2オブジェクトの落下位置の組み合わせに応じた処理を実行することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第2オブジェクトには、第1形状による第3オブジェクトと、前記第1形状とサイズが異なる第2形状による第4オブジェクトとを含み、
前記検知手段は、前記第3オブジェクトと前記第4オブジェクトとを識別し、
前記処理手段は、前記検知手段により識別された前記第3オブジェクトあるいは前記第4オブジェクトの何れかに応じた処理を実行することを特徴とする請求項1また請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームフィールドから落下した前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを個別に回収する回収部をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記回収部には、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトを乗せて転がり落とすための複数のレールが、前記ゲームフィールドの前記第2オブジェクトが落下可能な範囲内で、前記第2オブジェクトがすり抜けて落下しない間隔で配置され、
前記検知手段は、前記第2オブジェクトが何れのレールに乗って落下したかを検知することを特徴とする請求項請求項3または4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記複数のレールは、第1の間隔と、前記第1の間隔とは異なる第2の間隔とが混在するように配置されたことを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記第2オブジェクトが何れのレールに乗って落下したかに基づいて、前記第2オブジェクトのサイズを認識することを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項1】
第1オブジェクトと第2オブジェクトとが載置されるゲームフィールドと、
前記ゲームフィールド上で往復運動をするプッシャー台と、
前記プッシャー台の往復運動に伴って、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトの落下位置を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された落下位置に応じた処理を実行する処理手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記検知手段により検知された、複数の前記第2オブジェクトの落下位置の組み合わせに応じた処理を実行することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第2オブジェクトには、第1形状による第3オブジェクトと、前記第1形状とサイズが異なる第2形状による第4オブジェクトとを含み、
前記検知手段は、前記第3オブジェクトと前記第4オブジェクトとを識別し、
前記処理手段は、前記検知手段により識別された前記第3オブジェクトあるいは前記第4オブジェクトの何れかに応じた処理を実行することを特徴とする請求項1また請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームフィールドから落下した前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを個別に回収する回収部をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記回収部には、前記ゲームフィールドから落下した前記第2オブジェクトを乗せて転がり落とすための複数のレールが、前記ゲームフィールドの前記第2オブジェクトが落下可能な範囲内で、前記第2オブジェクトがすり抜けて落下しない間隔で配置され、
前記検知手段は、前記第2オブジェクトが何れのレールに乗って落下したかを検知することを特徴とする請求項請求項3または4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記複数のレールは、第1の間隔と、前記第1の間隔とは異なる第2の間隔とが混在するように配置されたことを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記第2オブジェクトが何れのレールに乗って落下したかに基づいて、前記第2オブジェクトのサイズを認識することを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−161579(P2012−161579A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26360(P2011−26360)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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