説明

コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子及びその分散液の製造方法

【課題】コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子、その分散液の製造方法及びその製品を提供する。
【解決手段】セリウムの塩と高分子を、高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る混合工程と、その混合物を、110℃以上の温度で加熱・還流して、酸化セリウムを析出する加熱・還流工程と含む、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法であって、前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせ、かつ、加熱・還流後に、急速に冷却する急速冷却工程を含む球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法、その乾燥粒子の粒径の変動係数が、0.10未満である上記コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子、該ハイブリッドナノ粒子を樹脂に分散させて複合体とした酸化セリウム/樹脂複合体。
【効果】粒径が揃った酸化セリウム微粒子を製造し、提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子(微粒子)又はそれを含有する分散液の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、セリウムの塩と高分子を、高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る混合工程と、その混合物を、110℃以上の温度で加熱・還流して、酸化セリウムを析出する加熱・還流工程と含む、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法であって、前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせ、かつ、加熱・還流後に、急速に冷却する工程を含むコアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子及びその分散液の製造方法に関するものである。本発明は、触媒、フォトニック結晶、ガスセンサ、化学的機械的研磨剤、紫外線遮蔽剤などに応用可能な、コアシェル型酸化セリウムセリウムポリマーハイブリッドナノ粒子及びそれを含む分散液を製造する方法及びその製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、微粒子を用いたフォトニック結晶が注目されている(非特許文献1)。これは、微粒子により、発光や光の伝搬を、人工的に制御できるためである。フォトニック結晶用の微粒子として必要な性能は、球状、粒径が50〜200nm程度、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さい、高屈折率(n>2)、液中での良好な分散性、である。
【0003】
これまで、これらの条件を満たす微粒子は、報告されていなかった。しかるに、酸化セリウムは、屈折率が2.1と高く(非特許文献2、3)、フォトニック結晶として好適な材料である。
【0004】
また、酸化セリウムは、紫外線遮蔽剤としても有名な材料であり、例えば、先行文献には、酸化セリウムを使った紫外線遮蔽剤について開示されている(特許文献1)。紫外線遮蔽剤は、化粧品に使われるものであって、人の皮膚に触れるものである。従って、その成分は、化学的に不活性であることが望まれる。
【0005】
酸化セリウムの化学的な活性を抑制するために、シリカを被覆させたものが、これまでに報告されている。このように、酸化セリウム微粒子表面に、化学的に不活性な無機物や、有機物を被覆させたものは、紫外線遮蔽剤として有望な候補となり得る。
【0006】
これまで、酸化セリウムのナノ粒子の合成については、幾つか報告されている(非特許文献4−7、特許文献2)が、液中での分散性に関する記述及び微粒子の粒径のばらつきに関する記述は、見当たらない。すなわち、粒径は、30〜200nm程度、粒径分布(粒径の標準偏差)が小さく、球状、液中での分散性が良好である酸化セリウム微粒子又は酸化セリウム微粒子分散液に関する報告は、見当たらない。
【0007】
上記用途用の酸化セリウム微粒子分散液を作製する場合、通常の方法により、単に乾燥した酸化セリウム微粒子を分散媒に分散させるだけでは、安定した分散液を得ることができない。これは、安定した分散液を得るためには、一度、凝集した酸化セリウム微粒子の凝集を解く必要があるためである。
【0008】
ナノ粒子の合成方法が、気相プロセス、液相プロセスいずれの場合であっても、ナノ粒子が生成した後、凝集を抑制しない限り、一般に、強固に凝集してしまう。一度、ナノ粒子が強固に凝集すると、凝集を解くための処理を行っても、凝集を解くことは、一般に、困難である。
【0009】
先行文献には、セラミックビーズを使って、機械的に凝集を解く技術が開示されているが(特許文献3)、この場合、問題点として、不純物の混入が考えられる。また、溶媒に、分散剤を添加する必要が有る。以上のことから、凝集を解く方法が、機械的な手法でなく、また、分散剤の添加を必要としないで、分散しやすい、すなわち凝集しにくい酸化セリウム微粒子を合成する必要がある。
【0010】
ナノ粒子が一度凝集してしまうと、乖離が困難なことから、凝集する前、すなわちナノ粒子の生成と同時に、凝集を抑制する処理を施せば、分散しやすい酸化セリウム微粒子が得られるはずである。
【0011】
このとき、高分子が溶解した分散媒を反応場として使用すれば、酸化セリウム微粒子生成と同時に凝集を抑制でき、それにより、安定な酸化セリウム微粒子分散液を得られる。また、酸化セリウム微粒子分散液を乾燥させたとしても、凝集抑制処理を行っているため、それを、再度分散媒に再分散させれば、容易に分散することが予想される。
【0012】
先行文献には、このようなコンセプトを、酸化セリウム微粒子を析出させる還流法に初めて適用した例が、開示されている(特許文献4)。この報告で得られる酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子は、他のものと異なり、次の点で特長的である。
【0013】
すなわち、(1)ナノ粒子の形状は、球状である、(2)粒度分布は、狭い、(3)2から3nmの酸化セリウム一次粒子が、球状に集合し、その周りを、有機ポリマーが被覆した構造を持つコアシェル構造である、(4)ナノ粒子は、乾燥させても、水系及び非水系溶媒への再分散が非常に容易である、(5)粒子の高濃度分散液を、調製可能である、(6)このナノ粒子の平均粒径は、作製時に添加するポリマーの分子量を変化させることで、粒度分布が狭いまま、50から120nmの範囲で、制御可能である、という特徴を有する。
【0014】
特許文献2では、酸化セリウム微粒子の製造方法に関する技術について報告されているが、液中の分散性に関する記述や、微粒子の粒径のばらつきに関する記述は、見当たらない。特許文献3には、酸化セリウム微粒子を液体に分散させる方法に関する技術について報告されているが、ここでも、分散している酸化セリウム微粒子の形状や、その粒径分布に関する記載は、見当たらない。特許文献4では、コアシェル型酸化セリウムセリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の技術について開示されているが、単分散性を示す変動係数は、SEM像から求めた値で、0.10を超えた値であった。
【0015】
【特許文献1】特開2004−35632号公報
【特許文献2】特開2002−255515号公報
【特許文献3】特開2004−35632号公報
【特許文献4】特開2008−115370号公報
【非特許文献1】柴田修一、セラミックス、41(2006)334
【非特許文献2】M.G.Krishna,A.Hartridge,A.K.Bhattacharya,Materials Science and Engineering,B55(1998)14
【非特許文献3】M.Mogensen,N.M.Sammes,G.A.Tompsett,Solid State Ionics,129(2000)63
【非特許文献4】C.Ho,J.C.Yu,T.Kwong,A.C.Mak,S.Lai,Chem.Mater.,17(2005)4514
【非特許文献5】N.Uekawa,M.Ueta,Y.J.Wu,K.Kakegawa,J.Mater.Res.,19(2004)1087
【非特許文献6】X.Chu,W.Chung,L.D.Scmidt,J.Am.Ceram.Soc.,76(1993)2115
【非特許文献7】W.P.Hsu,L.Ronnquist,E.Matijevic,Langmuir,4(1988)31
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
球状の酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、コロイド結晶に応用するには、粒径が揃っていることが必要条件である。このためには、一般的に、粒径の変動係数は、0.10以下であることが必要である。しかし、前述のとおり、変動係数は、0.10を越えた値のものしか得られなかった。ここで、変動係数とは、粒径の平均値を、粒径の標準偏差で除したものである。粒径が揃っていることを、単分散とも云う。
【0017】
これまで報告されている上記ナノ粒子は、粒径の変動係数が、0.10以上であり、0.10未満のものを作ることができなかった。本明細書において、粒径の変動係数は、走査電子顕微鏡(SEM)像、透過電子顕微鏡(TEM)像などの電子顕微鏡写真から、多数のナノ粒子の粒径を求め、その平均値及び標準偏差から求めたものである。動的光散乱法により、液体中の粒子の粒径の平均値及び標準偏差を求めることができるが、この場合、幾つかの仮定に基づいている。このため、動的光散乱法から求められる変動係数は、SEM像から直接的に求められる変動係数より信頼度が小さい。
【0018】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子であって、その粒径の変動係数が、0.10未満である酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を製造する方法を開発することを目標として、鋭意研究を重ねた結果、まず、酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を沸騰状態の液中で生成させ、次に、冷却工程において、沸騰しないが、粒子が急激に成長する温度域を速く通過させることにより、粒径の揃った、すなわち、粒径の変動係数が、0.10未満である粒子を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
本発明は、SEM像から求めた粒径の変動係数が、0.10未満である酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を製造する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、前記(1)から(6)までの特長を有する酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子であって、その粒径の変動係数が、0.10未満である酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を製造する方法及びその製品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)セリウムの塩と高分子を、高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程(混合工程)と、その混合物を、110℃以上の温度で加熱・還流して、酸化セリウムを析出する工程(加熱・還流工程)と含む、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法であって、前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせ、かつ、加熱・還流後に、急速に冷却する工程(急速冷却工程)を含むことを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(2)酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を110℃以上の沸騰状態の液中で生成させて粒子の粒径を揃え、次に、急速冷却工程で、沸騰しないが、粒子が成長する温度域を速く通過できるように冷却することにより、粒径の揃った粒子を得る、前記(1)に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(3)前記急速冷却工程において、110℃までの冷却速度が、少なくとも0.5℃/sである、前記(1)又は(2)に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(4)前記セリウムの塩が、硝酸セリウムであり、前記高分子が、ポリビニルピロリドンであり、前記高沸点有機溶媒が、エチレングリコールである、前記(1)から(3)のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(5)前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせるために、前記混合工程において、水を加える、前記(1)から(4)のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(6)前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせるために、前記セリウムの塩が、硝酸セリウム六水和物である場合、前記加熱・還流工程において、前記混合物を、少なくとも150℃に保持する、前記(1)から(5)のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の製造方法により得られた球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、水系又は非水系溶媒に再分散させることを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子分散液の製造方法。
(8)球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子であって、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有し、その乾燥粒子の粒径の変動係数が、0.10未満であり、二次粒子の大きさは、30から200nmであり、一次粒子の大きさは、1から10nmであり、シェル部分は、15wt%から25wt%の割合で存在しており、密度は、4から5g/cmであり、比表面積は、10から200m/gであることを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子。
(9)ポリマーが、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース又はこれらによる架橋構造を有するこれらの関連高分子である、前記(8)に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子。
(10)前記(8)又は(9)に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、樹脂に分散させて複合体としたことを特徴とする酸化セリウム/樹脂複合体。
【0021】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で云うコアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子とは、金属酸化物の一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子のことである。
【0022】
本発明で云うハイブリッドとは、複合体のことであり、酸化セリウムとポリマーの複合体であることを指す。本明細書では、ハイブリッドは、省略して記載することがあり、ナノ粒子の代わりに、微粒子と記載することがあり、また、シェル部分のポリマーを省略して記載することもある。すなわち、コアシェル型酸化セリウム微粒子と記載することもある。
【0023】
本発明の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法のフローチャートを図1に示す。原料となるセリウムの塩、高分子、高沸点有機溶媒を、まず混合する。ここで、セリウムの塩とは、陽イオンがセリウムイオンである金属塩であり、例えば、硝酸セリウム、硫酸セリウム、酢酸セリウムなどが列挙でき、好適には、硝酸セリウムである。セリウムの塩は、通常、水和物が多い。セリウムの塩の濃度は、0.4kmol/m以上であることが好ましい。これは、歩留まりが向上するためである。
【0024】
高分子とは、有機高分子であり、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが列挙でき、好適には、ポリビニルピロリドンである。高分子の濃度は、80kg/mから120kg/mであることが好ましい。
【0025】
ここで、高分子の濃度とは、単位溶媒体積当たりに添加した高分子の重量として定義される。高分子の濃度が80kg/mから120kg/mの範囲である理由は、これより少な過ぎると、酸化セリウム微粒子が凝集し易くなるためであり、コアシェル型でないためである。また、高分子の濃度が上記範囲より多過ぎると、酸化セリウムの核生成反応が進行しないためである。
【0026】
高沸点有機溶媒とは、沸点が100℃より高いものであり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどのポリオールであり、好適には、エチレングリコールである。
【0027】
上記原料の混合工程において、原料が十分に均一になるように混合する必要がある。この混合工程では、温度を高くすることはできない。温度が高いと、酸化セリウムが生成してしまい、均一な粒径を持つナノ粒子が得られなくなるためである。
【0028】
均一に混合したあと、110℃以上の所定の温度で、加熱・還流を行う。これが、沸騰を伴う加熱・還流工程である。このとき、混合工程での温度から、できるだけ速やかに所定の温度に昇温する方が良い。この加熱・還流工程において、酸化セリウムが生成する。
【0029】
酸化セリウムの一次粒子は、数nm程度であり、これが、球状に集積し、二次粒子を形成する。これが、コアである。二次粒子の形成と同時に、二次粒子の表面に、高分子が集合し、シェルを形成する。シェルを形成する高分子は、原料の高分子の構造を持つものもあるが、高分子同士が架橋することもある。このようにして、コアと不可分なシェルが完成する。
【0030】
この加熱・還流工程において、本発明の技術的ポイントである沸騰が必要となる。前述の通り、この沸騰状態は、粒径を揃える効果があると考えられ、沸騰しない場合は、逆に、粒径がばらつくと考えられる。
【0031】
沸騰は、セリウムの塩に含まれる結晶水が一因である。沸騰状態を低温下することも可能であり、その方法は、水を加えることである。還流しているため、水(結晶水を含む)や有機溶媒の重量は、混合時から変化しない。また、このため、沸騰時の溶液の温度は、大きく変化することはない。更に、加熱媒体の温度よりも、溶液の温度は、低くなる。と云うのは、沸騰時は、気化熱のため、吸熱反応が生じるためである。
【0032】
ここで、加熱媒体とは、アルミブロックや、オイルバス中のオイルなどである。加熱媒体は、ヒータで加熱され、また、熱容量も大きいので、設定温度から、ずれることはほとんどないが、溶液は、気化熱による吸熱反応により、熱媒体よりも温度が下がることが多い。
【0033】
沸騰は、目視でも確認できるが、加熱媒体の温度と溶液の温度で確認することができる。加熱媒体と溶液の温度が同じであると、沸騰は生じていないと判断できる。また、加熱媒体の温度より溶液の温度が低くなると、沸騰が生じていると判断できる。
【0034】
セリウムの塩が、硝酸セリウム六水和物で、その濃度が0.6kmol/mであるとき、水を加えないと、沸騰が生じる温度は、約150℃以上である。水を加えると、それより、沸騰温度を下げることができる。
【0035】
所定の時間、加熱・還流を行い、次に、溶液の冷却を行う。このとき、急速に冷却することが本発明の2つ目の技術的ポイントである。これは、ゆっくり冷却すると、沸騰しないが、粒子が成長できる温度域が存在するため、この温度域で、粒子が成長してしまうためである。この点については、後記する合成例1で詳細に述べるが、要点は、次のとおりである。
【0036】
沸騰している場合では、粒成長が抑制されるが、沸騰しない温度域では、粒成長抑制効果がなくなり、粒成長が始まると考えられる。また、冷却時は、温度が不均一であるため、成長速度が、場所によって異なることも要因である。これにより、粒径が不揃いになると考えられる。
【0037】
冷却速度は、110℃までの冷却速度が、0.5℃/s以上であることが好ましい。110℃以下の冷却速度は、考慮する必要がない。と云うのも、この温度以下では、粒子が生成しないためである。こうして、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子が含まれる分散液が得られる。
【0038】
この分散液には、未反応物質が含まれるため、用途によっては、分離・洗浄により、未反応物質を取り除く必要がある。分離洗浄の方法としては、例えば、遠心分離機でナノ粒子を沈殿させ、上澄み液を捨て、任意の溶媒にて、再分散し、更に、分離、上澄み除去を繰り返す方法がある。そうして、用途に応じて、任意の溶媒に分散させて、ナノ粒子分散液として得たり、乾燥させて、ナノ粒子粉体として得たりすることができる。
【0039】
本発明では、酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、沸騰状態の液中で生成させ、次に、冷却工程において、沸騰しないが、粒子が急激に成長する温度域を速く通過できるように冷却させることにより、粒径の揃った、すなわち、粒径の変動係数が、0.10未満である粒子を得ることができる。沸騰状態は、粒径を揃える効果があると考えられ、沸騰しない場合は、逆に、粒径がばらつくと考えられる。このメカニズムを利用した方法が、本発明の本質である。
【0040】
こうして得られるコアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子は、金属酸化物の一次粒子が球状に集合した二次粒子がコア部分であり、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在するコアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子であって、二次粒子の粒子径(粒径)の揃った、すなわち、粒径の変動係数が、0.10未満である、コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子である。
【0041】
ここで、本発明で云う変動係数とは、電子顕微鏡で、多数のナノ粒子の粒径を求め、それから算出したもののことであって、動的光散乱法により求めたもののことではない。二次粒子は、一次粒子が緻密に集合したものであり、多孔質体ではない。二次粒子の大きさは、30から200nmであり、一次粒子は、1から10nmの大きさである。
【0042】
シェル層は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はこれらの架橋構造を有するこれらの関連高分子で構成され、その層が洗浄されても、コア部分の二次粒子から分離することがなく、かつ、その層が、15wt%から25wt%の割合で存在しているものである。また、シェル層は、好ましくは架橋構造を有するものである。
【0043】
コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の密度は、4から5g/cmである。ナノ粒子粉体は、分散剤を添加していない分散媒に、良好に分散する性質を有する、分散媒中で、1日以上静置させても、沈降が認められないこと、熱処理を加えても、分散性が良好であること、を特徴とするものである。
【0044】
熱処理を加えないナノ粒子粉体の比表面積は、10から200m/gであり、より好ましくは、50から150m/gである。また、600℃で、空気中の熱処理(4h)を加えた場合の比表面積も、10から200m/gであり、より好ましくは、50から150m/gである。本発明の応用分野としては、本発明の粒径の揃った粒子は、触媒、フォトニック結晶、ガスセンサ、化学的機械研磨剤、紫外線遮蔽剤、反射防止膜中の無機粒子などに応用可能である。
【発明の効果】
【0045】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を沸騰状態の液中で生成させ、次に、冷却工程において、沸騰しないが、粒子が急激に成長する温度域を速く通過させることにより、粒径の揃った粒子を得ることができる。
(2)粒径の変動係数が、0.10未満である粒子を製造することができる。
(3)本発明の製造方法で得られる球状の酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子は、粒径が揃っているのでフォトニック結晶光学素子等に使うことができるコロイド結晶に応用することができる。
(4)液中での分散性が良好な、酸化セリウム微粒子又は酸化セリウム微粒子分散液を提供することができる。
(5)上記酸化セリウム微粒子を樹脂に分散させた紫外線遮蔽繊維などに有用な酸化セリウム/樹脂複合体を提供することができる。
(6)高感度ガスセンサ用の多孔質厚膜を作製するためのペーストを提供できる。
(7)ガスとの接触面積が大きい触媒を形成するためのスラリーを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0047】
エチレングリコール(EG:和光純薬工業株式会社製)に、ポリビニルドン(PVP:シグマアルドリッチジャパン株式会社製)と硝酸セリウム六水和物(株式会社高純度化学研究所製)を加え、撹拌し、完全に溶解させた。PVPの濃度は、120kg/m、硝酸セリウム六水和物の濃度は、0.6kmol/mであり、PVPの分子量は、カタログ値で10,000であった。
【0048】
PVPと硝酸セリウムが溶解したEGを、有機合成装置CC200(柴田科学株式会社製)を用いて、加熱還流した。この装置では、フラスコは、アルミニウムブロックを用いて、加熱しており、アルミブロックの温度が、設定温度である。また、フラスコ上部には、還流させるための冷却器が存在する。
【0049】
実施例1では、設定温度は、165℃、設定温度に達してからの加熱還流時間は、52分とした。設定温度は、165℃であるが、実際の液温は、145から147℃であった。設定時間経過後、有機合成装置からフラスコを取り出し、80℃の液温の水に、フラスコを浸し、急冷させた。このときの冷却曲線を、図2に示す。
【0050】
110℃までの平均冷却速度は、0.52℃/sであった。その後、空冷により、室温まで冷却し、分散液を得た。次に、遠心分離機を使って、液体とナノ粒子とを分離した。このとき、水及びエタノールにより、未反応物や余分なポリマーを取り除くために、洗浄した。最終的に、ナノ粒子を、80℃で乾燥させ、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。
【0051】
乾燥粉体の走査電子顕微鏡(SEM)像を、図3に示す。球状単分散ナノ粒子が観察された。熱重量分析(TG)、赤外線吸収(IR)スペクトル、X線回折(XRD)パターンが、既報と同じであり、コアシェル構造であることが確認された。SEM像から、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、99.5nmであり、その変動係数は、0.086であった。
【実施例2】
【0052】
冷却方法以外は、実施例1と全く同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。実施例2では、冷却するときの水の温度を、20℃とした。このときの冷却曲線を、図2に示す。110℃までの平均冷却速度は、0.92℃/sであった。
【0053】
乾燥粉体のSEM像を、図4に示す。球状単分散ナノ粒子が観察された。TG分析、IRスペクトル、XRDパターンが、既報と同じであり、コアシェル構造であることが確認された。SEM像から、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、97.8nmであり、その変動係数は、0.082であった。
【実施例3】
【0054】
冷却方法以外は、実施例1と全く同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。実施例3では、冷却するときの液体を、エチレングリコールと水の混合溶液とし、その温度を、−12℃とした。このときの冷却曲線を、図2に示す。110℃までの平均冷却速度は、1.35℃/sであった。
【0055】
乾燥粉体のSEM像を、図5に示す。球状単分散ナノ粒子が観察された。TG分析、IRスペクトル、XRDパターンが、既報と同じであり、コアシェル構造であることが確認された。SEM像から、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、89.5nmであり、その変動係数は、0.087であった。
【0056】
比較例1
冷却方法以外は、実施例1と全く同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。比較例1では、自然放冷とした。このときの冷却曲線を、図2に示す。110℃までの平均冷却速度は、0.02℃/sであった。
【0057】
SEM像、TG分析、IRスペクトル、XRDパターンが、既報と同じであり、コアシェル構造であることが確認された。SEM像から、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、103.4nmであり、その変動係数は、0.102であった。
【0058】
実施例4から10
冷却方法と還流時間以外は、実施例1と全く同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。110℃までの冷却速度は、実施例1よりも速く、還流時間は、表1に示す条件である。変動係数の平均値は、0.082であった。
【0059】
比較例2と3
還流時間は、表1に示した時間で、その他の条件は、比較例1と同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。変動係数の平均値は、0.104であった。
【0060】
実施例1から10までと、比較例1から3までは、統計学的に有意な差が認められ、110℃までの冷却速度が、0.5℃/s以上であれば、変動係数の小さい、すなわち、粒径の揃ったナノ粒子が得られることが明らかとなった。
【0061】
【表1】

【0062】
合成例1
加熱還流の設定温度と実際の液温度の関係、及び加熱還流の設定温度と得られるコアシェル型ナノ粒子の粒径の関係を、図6に示す。実験方法は、実施例2とほぼ同じである。異なるのは、加熱還流時の設定温度、還流時間である。還流時間は、設定温度が異なると、大きく変化させた。
【0063】
これは、温度が低いと、反応速度が遅くなるためである。このため、得られるコアシェル型ナノ粒子の重量が、ほぼ同じになるように、還流時間を設定した。設定温度は、前述のとおり、フラスコを加熱するためのアルミニウムブロックの温度である。
【0064】
設定温度が110℃より低いと、ナノ粒子は、生成しなかった。設定温度が110℃から140℃までは、設定温度と実際の液温度が、ほぼ一致した。しかし、150℃以上では、実際の液温度は、設定温度より低くなった。
【0065】
150℃以上では、液体に沸騰現象が認められた。しかし、110℃から140℃までは、沸騰現象は観察されなかった。よって、150℃以上では、実際の液温度は、設定温度より低くなったのは、沸騰による吸熱が原因と推察された。
【0066】
一方、設定温度とコアシェル型ナノ粒子の粒径の関係であるが、110℃から140℃までは、設定温度が増加するにつれ、粒径も大きくなったが、150℃では、不連続に小さくなった。また、150℃から190℃までは、ほぼ粒径が同じであった。粒径の不連続な温度と、沸騰が開始する温度とが一致することから、次のように考察できる。
【0067】
140℃までは、設定温度とともに、粒径も増加するが、これは、実際の液温も増加しているため、粒子の成長速度も増加していると考えられる。しかし、沸騰現象が生じると、吸熱反応が生じ、設定温度より液温が低くなる。このため、成長速度は、遅くなると考えられる。
【0068】
また、沸騰現象により、ある粒径以上には粒成長できないと考えられる。このメカニズムは、不明であるが、図6の結果から、沸騰が粒成長を抑制すると考えるのが自然である。言い換えると、沸騰が生じていない場合、粒成長を抑制できなくなるのではないかと考えられる。
【0069】
これらをもとに、冷却速度と粒径の変動係数について、次のように考察できる。加熱還流時、沸騰が生じており、ある粒径で、粒成長が止まる、あるいは成長速度がゆっくりとなっているが、冷却を開始し、実際の液温が、沸騰温度よりも低下すると、沸騰は止まる。急冷の場合、成長する前に、110℃より低温になるため、粒径は、ほとんど変わらない。
【0070】
しかし、自然放冷の場合、110℃までゆっくりと冷却されるため、粒成長するための時間が十分あり、粒成長が始まる。沸騰による粒成長の抑制機構がないために、ある粒子では、大きく粒成長したり、粒成長のためのセリウムイオンの供給が少ないところでは、ゆっくりと粒成長し、粒径がばらつくと考えられる。
【0071】
以上のように、粒径の揃った粒子を得るためには、冷却工程において、沸騰しないが、粒子が成長できる温度域を速く通過する必要があり、その冷却速度は、0.5℃/sよりも速ければ、十分な冷却速度であることが、合成例1で実証された。
実施例11
【0072】
加熱還流時の設定温度を、140℃とすること、時間を18.5hとすること、及び水を90kg/m添加すること以外、実施例2と全く同じ方法で、ナノ粒子の乾燥粉体を得た。水を添加しない場合、液温は、133℃であったが、水を添加することにより、125℃となった。このことから、沸騰現象が生じていると結論できた。
【0073】
SEM像、TG分析、IRスペクトル、XRDパターンが、既報と同じであり、コアシェル構造であることが確認された。SEM像から、コアシェル型ナノ粒子の平均粒径を求めると、107.9nmであり、その変動係数は、0.067であった。このように、水を添加して、沸騰温度を下げても、変動係数が小さくなった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上詳述したように、本発明は、コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子及びその分散液の製造方法に係るものであり、本発明により、酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を沸騰状態の液中で生成させ、次に、冷却工程において、沸騰しないが、粒子が急激に成長する温度域を速く通過させることにより、粒径の揃った粒子を得ることができ、粒径の変動係数が、0.10未満である粒子を製造することができる。本発明の製造方法で得られる球状の酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子は、粒径が揃っているので、コロイド結晶に応用することができ、液中での分散性が良好な、酸化セリウム微粒子又は酸化セリウム微粒子分散液を提供することができる。上記酸化セリウム微粒子を樹脂に分散させた酸化セリウム/樹脂複合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明である製造方法のフローチャートを示す。
【図2】実施例1から3及び比較例1において冷却時の液体温度の変化を示す。
【図3】実施例1の乾燥粉体のSEM像を示す。
【図4】実施例2の乾燥粉体のSEM像を示す。
【図5】実施例3の乾燥粉体のSEM像を示す。
【図6】合成例1の実験における加熱還流の設定温度と実際の液温度の関係、及び加熱還流の設定温度と得られるコアシェル型ナノ粒子の粒径の関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリウムの塩と高分子を、高沸点有機溶媒に混合して混合物を得る工程(混合工程)と、その混合物を、110℃以上の温度で加熱・還流して、酸化セリウムを析出する工程(加熱・還流工程)と含む、球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法であって、前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせ、かつ、加熱・還流後に、急速に冷却する工程(急速冷却工程)を含むことを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を110℃以上の沸騰状態の液中で生成させて粒子の粒径を揃え、次に、急速冷却工程で、沸騰しないが、粒子が成長する温度域を速く通過できるように冷却することにより、粒径の揃った粒子を得る、請求項1に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記急速冷却工程において、110℃までの冷却速度が、少なくとも0.5℃/sである、請求項1又は2に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記セリウムの塩が、硝酸セリウムであり、前記高分子が、ポリビニルピロリドンであり、前記高沸点有機溶媒が、エチレングリコールである、請求項1から3のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせるために、前記混合工程において、水を加える、請求項1から4のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記加熱・還流工程において、沸騰現象を生じさせるために、前記セリウムの塩が、硝酸セリウム六水和物である場合、前記加熱・還流工程において、前記混合物を、少なくとも150℃に保持する、請求項1から5のいずれかに記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により得られた球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、水系又は非水系溶媒に再分散させることを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子分散液の製造方法。
【請求項8】
球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子であって、酸化セリウムの一次粒子が球状に集合した二次粒子からなるコア部分と、その二次粒子表面にシェル部分となる高分子の層が存在する構造を有し、その乾燥粒子の粒径の変動係数が、0.10未満であり、二次粒子の大きさは、30から200nmであり、一次粒子の大きさは、1から10nmであり、シェル部分は、15wt%から25wt%の割合で存在しており、密度は、4から5g/cmであり、比表面積は、10から200m/gであることを特徴とする球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子。
【請求項9】
ポリマーが、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース又はこれらによる架橋構造を有するこれらの関連高分子である、請求項8に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の球状単分散コアシェル型酸化セリウムポリマーハイブリッドナノ粒子を、樹脂に分散させて複合体としたことを特徴とする酸化セリウム/樹脂複合体。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−155931(P2010−155931A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335260(P2008−335260)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】