説明

ココア様香料組成物

【課題】持続性のあるココアまたはチョコレート様の香気・香味を有する香料組成物に関し、簡便な方法で製造でき、より嗜好性の高い香気・香味を付与できる香料組成物並びに該組成物配合した飲食品を提供する。
【解決手段】炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、酸類、エステル類、ラクトン類、含窒素化合物、含硫化合物、アセタール類、フラン類から選ばれる少なくとも1種を配合してなるココア様香料組成物及び該組成物を添付してなる飲食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は香料組成物、ココアまたはチョコレートの香味を有する香料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食品に好ましいココアフレーバーを付与する方法として、様々な試みがなされている。例えば、従来は以下の方法が提案されている。リン酸三ナトリウムその他のアルカリ溶液に、ココア粉末を溶解させ、撹拌しながら加温抽出し、酸でpH7に中和したのち、遠心分離などの方法で不溶性物質を除去してココアエキストラクトを得る方法(特許文献1)。アルコールとプロピレングリコールの水溶液を溶媒として、これにカカオニブを混合した後、磨砕して液体部分を分離することにより、優れた香味を有するカカオエキスを製造する方法(特許文献2)。25℃、1気圧における容量に換算したとき1リットルに相当する量の炭酸ガスに対して、エチルアルコールまたは30%以上のエチルアルコール水溶液を0.1〜3mlの割合で加えられている超臨界状態の炭酸ガスを用いて、カカオの香味成分を抽出する方法(特許文献3)。カカオ生豆からココアまたはチョコレートを得る際に副生するカカオニブとシェルの混合物を、不活性ガス(特に窒素ガス)又は不活性ガスと水蒸気の混合ガス気流及び200℃以下で焙焼し、留出分を凝縮捕集してココア香味成分を得る方法(特許文献4)。バリン、ロイシンまたはイソロイシンの少なくとも1種とアミノ酸との混合物にアルドース、ケトース、デオキシ糖等の糖類を加え、これに水,アルコール、各種動植物油脂などの溶媒を加え、密閉系で加熱反応する方法(特許文献5)。バリン、ロイシン、イソロイシンを単独に、あるいは少なくとも1種を含むアミノ酸混合物と糖類(グリセリンアルデヒド、リボース、グルコースなど)を混合し、水を加えて加熱反応し、反応生成物にアルコール類を添加し該生成物中のカルボニル化合物の特定量をアセタールに変換させることにより,温和なチョコレート様香気を有するフレーバーを得る方法(特許文献6)。穀類蛋白質、カカオバター、カカオニブ、カカオシェルなど、および糖類の特定量を混合し、加熱焙焼してココア様フレーバーを得る方法(特許文献7)。ココア豆などの原料を熱水などと接触させた後、遠心分離することにより香味豊富なオイル分を多量に含む香味成分を抽出する方法(特許文献8)
【特許文献1】特開昭49−75769号公報
【特許文献2】特開昭63−22146号公報
【特許文献3】特開平1−112965号公報
【特許文献4】特開昭61−108351号公報
【特許文献5】特開昭50−105866号公報
【特許文献6】特開昭50−105867号公報
【特許文献7】特開昭54−92662号公報
【特許文献8】特開平4−210555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は香料組成物、ココアまたはチョコレートの香味を有する香料組成物に関して、より簡便に製造でき、より嗜好性の高い香気・香味を与える香料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、酸類、エステル類、ラクトン類、含窒素化合物、含硫化合物、アセタール類、フラン類から選ばれる少なくとも1種を配合してなるココア様香料組成物によって前記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明の香料組成物は、簡便に製造することができ、より嗜好性が高い、ナチュラルなココア、チョコレート様の香気を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のココア様香料組成物は、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、酸類、エステル類、ラクトン類、含窒素化合物、含硫化合物、アセタール類、フラン類から選ばれる少なくとも1種を配合してなるものである。
【0007】
本発明のココア様香料組成物における炭化水素類としては、βミルセン、2−メチルデカン、リモネン、β−ピネン、p−シメン、バレンセン、カリオフィレン、β−エレメンが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0008】
本発明のココア様香料組成物におけるアルコール類としては、イソブタノール、イソアミルアルコール、イソプロパノール、2−ブテン−3−オール、2,3−ブタンジオール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2,4−ジメチルペンタノール、メチル−2−ヘプタノール、1−オクテン−3−オール、リナロール、ゲラニオール、メントール、1−ターピネオール、4−ターピネオール、ボルネオール、ベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、アニスアルコールが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0009】
本発明のココア様香料組成物におけるフェノール類としては、オイゲノール、グアイアコール、エチルフェノールが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0010】
本発明のココア様香料組成物におけるアルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、2,4−オクタジエナール、ノナナール、デカナール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2−フェニル−2−ブテナール、4−メチル−2−フェニルペンテナール、2,4−ジフェニルクロトンアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール、5−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(イソプロピルフェニル)−2−ヘキセナール、バニリン、エチルバニリンが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0011】
本発明のココア様香料組成物におけるケトン類としては、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、5−メチルヘキサン−2−オン、4,5−オクタンジオン、p−メチルアセトフェノン、3−フェニルプロパン−2−オン、カンファー、メントン、2−アセチル−4−イソプロペニルシクロペンタノン、アセトフェノン、2−メチル−2−ヘプテン−6−オン、ヘプタデカン−3−オン、3−メチル−1,2−シクロペンタジオン、o−ヒドロキシアセトフェノン、マルトール、エチルマルトールが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0012】
本発明のココア様香料組成物における酸類としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、2−メチル酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、フェニル酢酸、o−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル安息香酸、o−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸、α−ヒドロキシ−β−メチルグルタル酸が挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0013】
本発明のココア様香料組成物におけるエステル類としては、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、エチルプロピオネート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート、イソアミルアセテート、2−ペンチルアセテート、2−メチルブチルアセテート、リナリルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルアセテート、1,1−ジメチルプロピルアセテート、エチルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、プロピルフェニルアセテート、アミルフェニルアセテート、イソアミルフェニルアセテート、2−フェニルエチルアセテート、3−フェニルプロピルアセテート、ネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ブタンジオールジアセテート、アミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、エチルピルベート、アセチルアセトール、エチルブチレート、ブチルブチレート、アミルブチレート、ヘキシルブチレート、ベンジルブチレート、エチル−3,3−ジメチルアクリレート、エチルクロトネート、エチル−4−メチル−2−ペンテノエート、エチル−4−メチル−3−ペンテノエート、エチルレブリネート、エチルカプロエート、エチル3−へプテノエート、エチルオクタノエート、エチル−5−ヒドロキシドデカノエート、エチルミリステート、エチルベンゾエート、イソアミルシンナメート、フェニルベンゾエートが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0014】
本発明のココア様香料組成物におけるラクトン類としては、γ−ブチロラクトン、α−アンゲリカラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトンが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0015】
本発明のココア様香料組成物における含窒素化合物としては、ピロール、2−ホルミルピロール、2−アセチルピロール、1−メチル−2−ホルミルピロール、5−メチル−2−ホルミルピロール、2−プロピオニルピロール、1−エチル−2−ホルミルピロール、1−アミル−2−ホルミルピロール、2−アセチル−1−アミルピロール、1−メトキシカルボニルピロール、2−ピロリドン、2−ピロールカルボアルデヒド、アセチルピロール、メチルピラジン、エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチル−5−メチルピラジン、2−エチル−6−メチルピラジン、トリメチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、2−エチル−3,5,5−トリメチルピラジン、3−エチル−2,5−ジメチルピラジン、エチルジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、テトラメチルピラジン、エチルトリメチルピラジン、トリエチルピラジン、6−イソアミル−2−メチルピラジン、6−(2−メチルブチル)−2−メチルピラジン、3,5−ジエチル−2,6−ジメチルピラジン、3,6−ジエチル−2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチル−3−イソアミルピラジンが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。 本発明のココア様香料組成物における含硫化合物としては、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ベンジルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、プロピルトリスルフィド、メチルイソプロピルトリスルフィド、ターシャリブチルチオフェン、α−メチルチオイソブチルアルデヒド、メチルスルフィド5−メチルフルフラール、イソブチルチオシアネートが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0016】
本発明のココア様香料組成物におけるアセタール類としては、アセトアルデヒドジエチルアセタール、イソバレルアルデヒドジエチルアセタール、ブチルフェニルエチルアセタール、ブタンジオールアセタール、1,1−ジメトキシエタンが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。 本発明のココア様香料組成物におけるフラン類としては、2−メチルフラン、2−アセチル−5−メチルフラン、2−プロピルフラン、2−ペンチルフラン、3−フェニルフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、アセチルフラン、フルフリルアルコール、フルフリルアルデヒド、2−メチルテトラヒドロフラン−3−オン、2−フリルメチルケトン、5−メチルフルフラールが挙げられる。これら化合物は、前記の化合物群より選ばれる1種または2種以上を混合して用いることもできる。
【0017】
本発明におけるココア様香料組成物には、前記の他にたとえば、日本香料工業会刊、平成15年度厚生科学研究報告書、日本における食品香料化合物の使用実態調査に記載の香料化合物を使用することができる。
【0018】
本発明のココア様香料組成物においては、さらにカカオニブ抽出物、ココアシェル抽出物、またはココアバター抽出物を配合することができる。カカオニブの抽出方法は、公知の方法によるものでよく、抽出溶媒としては、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合溶媒、食用油脂、亜臨界または超臨界状態のCOなどを用いることができる。
【0019】
本発明のココア様香料組成物においては、さらにカカオニブまたはココアシェル、またはココアバターの水蒸気蒸留物を配合することができる。これら原料を水蒸気蒸留する方法は、公知の方法によるものでよい。
【0020】
本発明のココア様香料組成物においては、糖・アミノ反応生成物を配合することができる。糖・アミノ反応生成物はたとえば、特開昭50−105866号公報や特開昭50−105867号公報に記載の方法で製造することができる。
【0021】
本発明のココア様香料組成物においては、エタノール、水、プロピレングリコール、グリセリン、食用油脂またはこれらの混合溶液など食品に適用可能な溶剤を加えることができる。
【0022】
また、本発明のココア様香料組成物は、目的に応じて他の香料組成物と配合することができる。具体的には、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ユズフレーバー、スダチフレーバー、などのシトラス系香料、ストロベリーフレーバー、ラズベリーフレーバー、ブルーベリーフレーバーなどのベリー類系香料、マンゴーフレーバー、パパイヤフレーバー、グァバフレーバー、パッションフルーツフレーバー、ライチフレーバーなどのトロピカルフルーツ系香料、アップルフレーバー、グレープフレーバー、パイナップルフレーバー、バナナフレーバー、ピーチフレーバー、メロンフレーバー、アンズフレーバー、ウメフレーバー、チェリー(サクランボ)フレーバーなどのフルーツ系香料、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、コーヒーフレーバーなどの茶、コーヒー系香料、ミルクフレーバー、クリームフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、ヨーグルトフレーバーなどの乳系香料、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チキンフレーバーなどのミート系香料,アサフェチダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー,シナモンフレーバー、カッシャフレーバー、カモミールフレーバー、カラシナフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、シソフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、セージフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー,ナツメフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー,パセリフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ローレルフレーバー、ワサビフレーバーなどのハーブ、スパイス系香料、ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、和種ハッカフレーバーなどのミント系香料、バニラ系香料、アーモンドフレーバー、カシューナッツフレーバー、ピーナッツフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、ウォルナッツフレーバー、チェスナッツフレーバー、マカデミアナッツフレーバー、ぺカンナッツフレーバー、ピスタチオフレーバー、ブラジルナッツフレーバー、ココナッツフレーバーなどのナッツ系香料,ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、リキュールフレーバーなどの洋酒系香料、コーンフレーバー、ポテトフレーバー,スイートポテトフレーバー、米飯フレーバー、ブレッドフレーバーなどの穀物系香料、ハネ−フレーバー、メープルシロップフレーバー,シュガーフレーバー、黒糖フレーバー、モラセスフレーバーなどのシュガー系香料などが挙げられる。これらフレーバーの具体的な態様としては、たとえば特許庁公報,周知・慣用技術集(香料)第II部,食品用香料を参照することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のココア様香料組成物は、簡便に製造することが可能であり、たとえば、飲料、菓子、乳冷菓、調理食品、調味料など飲食品全般に使用することができる。
【実施例1】
【0024】
以下に、ココア様香料組成物の処方例を示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【実施例2】
【0028】
(チョコレート原料配合例) 重量部
──────────────────────
カカオ液 12.0
カカオバター 24.0
砂糖 33.0
フルクリームミルクパウダー 19.0
スキムミルクパウダー 11.5
レシチン 0.5
実施例1の香料組成物
──────────────────────
(ケーキ生地配合例) 重量部
──────────────────────
小麦粉 100
食塩 3
ベーキングパウダー 6
乳化剤添加油脂 45
砂糖 120
卵 50
牛乳 100
実施例1の香料組成物 1
──────────────────────
(クッキー生地配合例) 重量部
──────────────────────
薄力粉 62.5
全粒粉 37.5
ショートニング 30
全卵 30
砂糖 20
水飴 1
脱脂粉乳 5
食塩 1.2
食用油脂 30
重炭酸ソーダ 1
重炭酸アンモニウム 1
実施例1の香料組成物 0.3
水 11
──────────────────────
(ヌガー生地配合例) 重量部
──────────────────────
グラニュー糖 900
水飴 1200
水 510
練乳 360
バター 50
気泡剤 10
実施例1の香料組成物 3
──────────────────────
(アイスクリーム配合例) 重量部
──────────────────────
全脂練乳 10.0
生クリーム 9.4
無塩バター 2.0
脱脂粉乳 3.4
砂糖 12
安定剤 0.3
乳化剤 0.2
pH調整剤 0.1
カラメル色素 0.1
実施例1の香料組成物 0.01
水 49
──────────────────────
(豆乳飲料) 重量部
──────────────────────
豆乳 80
砂糖 15
食塩 0.1
カラメル色素 0.3
実施例1の香料組成物 0.3
──────────────────────
(ココア飲料) 重量部
──────────────────────
ココアパウダー 1.0
牛乳 20.0
砂糖 5.5
増粘安定剤 5.0
実施例1の香料組成物 0.5
水 68.0
──────────────────────

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、酸類、エステル類、ラクトン類、含窒素化合物、含硫化合物、アセタール類、フラン類から選ばれる少なくとも1種を配合してなるココア様香料組成物
【請求項2】
さらに、ココア抽出物を配合してなる、請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項3】
さらに、ココア蒸留液を配合してなる、請求項1または2に記載のココア様香料組成物。
【請求項4】
ココア抽出物およびココア蒸留液がカカオニブ、ココアシェル、ココアバターのいずれかの抽出物または蒸留液である請求項2および3に記載のココア様香料組成物。
【請求項5】
さらに、糖・アミノ反応生成物を配合してなる、請求項1乃至4に記載のココア様香料組成物。
【請求項6】
炭化水素類が、2−メチルデカン、リモネン、β−ピネン、p−シメン、バレンセン、カリオフィレン、β−エレメンから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項7】
アルコール類が、イソブタノール、イソアミルアルコール、イソプロパノール、2−ブテン−3−オール、2,3−ブタンジオール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2,4−ジメチルペンタノール、メチル−2−ヘプタノール、1−オクテン−3−オール、リナロール、ゲラニオール、メントール、1−ターピネオール、4−ターピネオール、ボルネオール、ベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、アニスアルコールから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項8】
フェノール類が、オイゲノール、グアイアコールから選ばれる、少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項9】
アルデヒド類が、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、2,4−オクタジエナール、ノナナール、デカナール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2−フェニル−2−ブテナール、4−メチル−2−フェニルペンテナール、2,4−ジフェニルクロトンアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール、5−メチル−2−フェニル−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−2−ヘキセナール、5−メチル−2−(イソプロピルフェニル)−2−ヘキセナール、バニリン、エチルバニリンから選ばれる、少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項10】
ケトン類が、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、5−メチルヘキサン−2−オン、4,5−オクタンジオン、p−メチルアセトフェノン、3−フェニルプロパン−2−オン、カンファー、メントン、2−アセチル−4−イソプロペニルシクロペンタノン、アセトフェノン、2−メチル−2−ヘプテン−6−オン、ヘプタデカン−3−オン、3−メチル−1,2−シクロペンタジオン、o−ヒドロキシアセトフェノン、マルトール、エチルマルトールから選ばれる、少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項11】
酸類が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、2−メチル酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、フェニル酢酸、o−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル安息香酸、o−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸、α−ヒドロキシ−β−メチルグルタル酸から選ばれる、少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項12】
エステル類が、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、エチルプロピオネート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート、イソアミルアセテート、2−ペンチルアセテート、2−メチルブチルアセテート、リナリルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルアセテート、1,1−ジメチルプロピルアセテート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、プロピルフェニルアセテート、アミルフェニルアセテート、イソアミルフェニルアセテート、2−フェニルエチルアセテート、3−フェニルプロピルアセテート、ネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ブタンジオールジアセテート、アミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、エチルピルベート、アセチルアセトール、エチルブチレート、ブチルブチレート、アミルブチレート、ヘキシルブチレート、ベンジルブチレート、エチル−3,3−ジメチルアクリレート、エチルクロトネート、エチル−4−メチル−2−ペンテノエート、エチル−4−メチル−3−ペンテノエート、エチルレブリネート、エチルカプロエート、エチル3−へプテノエート、エチルオクタノエート、エチル−5−ヒドロキシドデカノエート、エチルミリステート、エチルベンゾエート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、イソアミルシンナメート、フェニルベンゾエートから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項13】
ラクトン類が、γ−ブチロラクトン、α−アンゲリカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトンから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項14】
含窒素化合物が、ピロール、2−ホルミルピロール、2−アセチルピロール、1−メチル−2−ホルミルピロール、5−メチル−2−ホルミルピロール、2−プロピオニルピロール、1−エチル−2−ホルミルピロール、1−アミル−2−ホルミルピロール、2−アセチル−1−アミルピロール、1−メトキシカルボニルピロール、2−ピロリドン、2−ピロールカルボアルデヒド、3−アセチルピロール、メチルピラジン、エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチル−5−メチルピラジン、2−エチル−6−メチルピラジン、トリメチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、エチルジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、テトラメチルピラジン、エチルトリメチルピラジン、トリエチルピラジン、6−イソアミル−2−メチルピラジン、6−(2−メチルブチル)−2−メチルピラジン、3,5−ジエチル−2,6−ジメチルピラジン、3,6−ジエチル−2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチル−3−イソアミルピラジンから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項15】
含硫化合物が、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ベンジルメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、プロピルトリスルフィド、メチルイソプロピルトリスルフィド、ターシャリブチルチオフェン、α−メチルチオイソブチルアルデヒド、メチルスルフィド5−メチルフルフラール、イソブチルチオシアネートから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項16】
アセタール類が、アセトアルデヒドジエチルアセタール、イソバレルアルデヒドジエチルアセタール、ブチルフェニルエチルアセタールから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。
【請求項17】
フラン類が、2−メチルフラン、2−アセチル−5−メチルフラン、2−プロピルフラン、2−ペンチルフラン、3−フェニルフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、アセチルフラン、フルフリルアルコール、2−メチルテトラヒドロフラン−3−オン、2−フリルメチルケトンから選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のココア様香料組成物。

【公開番号】特開2006−121958(P2006−121958A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313451(P2004−313451)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(301021278)
【Fターム(参考)】