コネクションレス通信トラフィックのためのコネクション型通信スキーム
【課題】コネクションレス通信トラフィックのためのコネクション型通信スキーム
【解決手段】複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成するための通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのためのコネクション型サービスを選択的に提供するように、該受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施する機能を有し、該スキームは、そのためにソースノードと宛先ノードの間に接続が確立される、交換装置で受信したコネクションレストラフィックを識別するために、制御プレーンにおいて、インデックスヘッダフィールド値を判断することと、該制御プレーンからの情報との接続を実施するのに必要な各交換装置を設けることであって、該情報は、該スイッチングのデータ転送テーブルに、該交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にすることと、該データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な該交換装置の前記出口ポートと関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることとを備える。
【解決手段】複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成するための通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのためのコネクション型サービスを選択的に提供するように、該受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施する機能を有し、該スキームは、そのためにソースノードと宛先ノードの間に接続が確立される、交換装置で受信したコネクションレストラフィックを識別するために、制御プレーンにおいて、インデックスヘッダフィールド値を判断することと、該制御プレーンからの情報との接続を実施するのに必要な各交換装置を設けることであって、該情報は、該スイッチングのデータ転送テーブルに、該交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にすることと、該データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な該交換装置の前記出口ポートと関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを通じてコネクションレストラフィックをスイッチングするコネクション型通信スキームに関する。具体的には、これに限らないが、本発明は、前記通信ネットワークにおける前記コネクションレストラフィックに対してコネクション型通信スキームを実施するように配置された交換装置、および適切なシグナリング情報及びOAM制御情報を供給して、該通信スキームをサポートする方法等の関連する態様に関する。
【背景技術】
【0002】
(イントロダクション)
電気通信ネットワークは、過去数十年間をかけて、過去のポイントツーポイント接続を用いたコネクション型回路交換システムの接続から始まって、ほとんど全ての企業や消費者が利用できるコネクションレスディジタル通信ネットワークまで著しく発達した。その結果、今日では、それぞれが、異なる種類の使用法にうけるそれ自体の特定のプロパティを有する通信システムからなる構成がある。
【0003】
電気通信ネットワークの最も古い方式は、コネクション型回線交換(CO−CS(Connection-Oriented Circuit-Switched))ネットワークと呼ばれ、このようなネットワークの実施例は、公衆交換電話網(PSTN(public switched telephone network))及び光ネットワークを含む。光ネットワーク及び同軸ケーブルネットワークは、例えば、銅線のペアを備えるネットワークよりも高い帯域幅を有し、多数の通信を単一のケーブルまたは単一の光ファイバで送信できるように、時分割多重(TDM(time division multiplex))チャネルを持つことになる。TDMネットワークは、使用するネットワークの構造及び編成により、非同期ディジタルハイアラーキ(PDH(Plesiochronous Digital Hierarchy))及び同期ディジタルハイアラーキ(SDH(Synchronous Digital Hierarchy))ネットワークと呼ばれることもある。
【0004】
コネクション型パケット交換網(CO−PS(Connection-Oriented Packet Switched network))は、端末間での高帯域または高速データの転送を可能にするのに用いられ、実施例は、フレームリレーネットワーク、非同期転送モード(ATM(Asynchronous Transfer Mode))ネットワーク及びX.25ネットワークを含む。
【0005】
コネクションレスネットワーク(CNLS(ConnectionLess Networks))は、通常、これを通じて通信するエンドユーザ端末間での予め確立されたルートを有せず、専用アドレスと、使用可能な何らかのルートによって情報を転送しようとするルータとを有する、各端末に依存する。CNLSの最も良く知られている実例は、ワールドワイドウェブ(WWWまたはW3(World Wide Web))をサポートする、いわゆるインターネットであるが、イーサネット(登録商標)ネットワーク等の他のネットワークも、「使用可能な何れかのルート」を介してパケットごとにデータをその端末点に送信するという同じ原理を用いる。
【0006】
(背景)
交換装置(例えば、ハブ、ルータ、ブリッジおよび/またはスイッチ)は、どのインタフェースで、受信したプロトコルデータ単位(PDU(protocol data unit))をその宛先アドレスへ転送すべきかを判断するために、関連のあるPDUが有するべき適切なアドレス情報を必要とする。 同じローカルエリアネットワーク内に配置されたノード間で伝達されるデータは、開放型システム間相互接続(OSI(Open Systems Interconnection))レイヤ2アドレス方式だけに基づいている宛先アドレス情報を備えることができる。しかし、異なるローカルエリアネットワーク上に配置されたノード間で伝達され、かつルータを含むネットワーク間で伝達されるデータは、ネットワークレベルで固有である、すなわち、OSIレイヤ3(ネットワーク層)アドレス方式に基づいている宛先アドレス情報を備えていなければならない。OSIレイヤ2アドレス方式の実例は、媒体アクセス制御(MAC(Media Access Control))アドレス方式を含み、また、OSIレイヤ3アドレス方式の実例は、インターネットプロトコル(IP(Internet Protocol))アドレス方式(例えば、IETF IPv4またはIPv6)を含む。
【0007】
受信したPDUを処理して、適切なアドレス情報を抽出することは、遅延を生じる。この宛先に到達するために、受信したパケットがスイッチ構成を介してどのポートへ進むべきかを判断するルックアッププロセスは、できる限り迅速に実施する必要があり、また、このことは、処理することができるアドレス情報の複雑さに制限を課す。加えて、該交装置が、パケットが未知の宛先アドレスで受信された場合に(本明細書において、「未知送信(broadcast-on-unknown)」型機能と呼ぶ)、送信動作を必要とするように実施されている場合、ブロードキャストドメインのサイズが、該ネットワークのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
当業者は、ブロードキャストが、ネットワークリソースに負担をかけること、および該ブロードキャストドメインを論理的に制限することが、このことをある程度まで軽減することができることに気付くであろう。このような論理的制限を課す1つの手段は、バーチャルLAN(VLAN(Virtual Local Area Network))を実施することである。PDUのヘッダ内に追加的な情報を与えることにより、PDUが割当てられているVLANは、該PDUを受信する交換装置によって識別することができ、また、トラフィックは、VLAN内部で、すなわち、該VLAN上の他のノード間でのみ交換される。
【0009】
VLANを実施するために、特定のVLANに属していると示されたPDUを受信する交換装置は、この特定のVLANにインタフェースを関連付けなければならない(すなわち、該VLANを「ネイティブ」ポートに割当てる)。このようにして、該交換装置が、特定のVLAN−IDに関連付けられたトラフィックを受信した場合、該トラフィックは、受信したPDUが属する該VLANに関連付けられた適切なネイティブポートに独占的に転送されることになる。PDUが、該交換装置の特定の送信ポートにまだ関連付けられていないOSIレイヤ2宛先アドレスを含む場合、該交換装置は、該PDUのVLAN−IDに関連付けられたインタフェースを通じて、および該交換装置の全てのポートを介せずに、単にブロードキャストする必要がある。当業者は分かっているであろうが、イーサネットフレーム(OSIレイヤ2 PDU)は、ヘッダフィールド内のVLANタグの一部としてVLAN−IDを備える追加的な情報を含むことができる。
【0010】
あいにく、単純なVLAN識別スキームによって提示された解決法は、スケーラブルではなく、該VLAN IDが、ローカルエリアネットワークとの関連で固有である場合、ネットワーク内の4096の独立したVLANインスタンスに限定される。さらなるスケーラビリティを可能にするために、階層的なまたは積層形のVLANを用いることができる。
【0011】
交換装置により、コネクションレス基準で転送される同じソース及び宛先アドレスを有するPDUは、パケットごとの基準でルートが割当てられ、その結果、各PDUは、同じソース及び宛先アドレスを有するこれまでに受信されたPDUによってとられた経路とは独立して転送される。イーサネットネットワーク内でルーピング(looping)が発生しないようにするため、スパニングツリープロトコルは、イーサネットのネットワークトポロジーを論理的に構成し、このことはまた、マルチパスが同じ宛先アドレスに対して確立されることを防ぐ。MACアドレスへのトラフィックは、まずブロードキャストされ、一旦、位置が決められると、転送テーブルには、トラフィックが(スパニングツリーが、トポロジーの障害の結果として生じる可能性がある代替のルートを決めない限り)同じルートに沿って転送されるように、データが投入される。
【0012】
データが集中する傾向がある、すなわち、かなりのデータのブロックが、非一様にソースからシンクへ送信される通信ネットワークにおいては、特定の選択されたルートが著しくオーバーロードし、データの転送を遅延させ、他のルートが著しく使用中になる可能性がある。これは、新たなソース・シンクヘッダを有する第1のメッセージが、交換機に到達し、ルートを介して第1のACKをブロードキャスト及び受信することができるため、および、それまでのソース・シンクの組合せが比較的平穏であるためである。ルートに沿った伝送時間は、通常、同じルートに割当てられた他のソースがより高いトラフィック負荷を送信し始めた場合に低下する。この低下が深刻な場合、要求されたサービスに対して、該ルートを使用不可にすることができる。トラフィック負荷をバランスさせるソースと宛先との間の多数のルートは、スパニングツリープロトコル(STP(spanning tree protocol))が、可能であれば、ソースと宛先との間のたった1つのルートで、ループフリーのトポロジーを決めるため、レガシーイーサネットでは可能になっていない。
【0013】
リンクの総容量よりも大きな総容量を有するサービスに対して、保証されたサービス品質(QOS(quality of service))が要求された場合、1つ以上のリンクを有する所要の帯域幅を割当てる代替的な方法が必要となる。イーサネット交換機は、インバンド制御情報が制御メッセージとして供給され、かつ交換機能がハッカーに攻撃される可能性がある場合に、本質的に脆弱になる。イーサネットネットワークにおけるスパニングツリープロセスの利用は、特に、遮断すべきポートが転送するトラフィックの代わりにあるときのブリッジループ(bridging loop)が存在する場合に、該ネットワークに害を及ぼす可能性がある。ローカルエリアネットワーク及びコアネットワークで用いられるスパニングツリープロセス間では、相互作用が生じないことが重要である。スパニングツリーアルゴリズムを単純に断つことは、単に、ブロードキャスト「ストーム」及びルーピングをもたらすことになるため、ほとんどの場合不可能である。
【0014】
OSIレイヤ2及びレイヤ3の交換装置は、転送すべき受信PDUを差別化する情報、例えば、PDUを受信するサービスの種類に関連する情報を抽出することができ、および/または優先度情報を抽出することができる。異なる種類のPDUは、該交換装置により異ならせて処理することができる(例えば、OAM(Operations Administration and Management)トラフィックは、エンドユーザデータを伴うPDUとは異ならせて処理することができる)。
【0015】
コネクションレスプロトコルは、可変遅延、潜在的な誤った順序付けを伴い、かつ真のサービス品質(QoS(Quality of Service))を伴わない通信に適している弾力的アプリケーションに対して適切なサポートを歴史的に提供してきたが、多くのアプリケーションは、弾力性があり、保証された帯域幅、弾力性及びQoSと共に、コネクション型サービスを必要とする。従って、例えば、ビデオ会議等の双方向ビデオアプリケーションやストリームメディアアプリケーション等のアプリケーションのための安全なコネクション型サービスを提供する要求がある。この要求を満たすために、コネクションレス通信プロトコルをサポートするために既に設置されている機器を、コネクション型機器と置き換えることは、コストがかかりかつ問題がある。
【0016】
提案する1つの解決法は、Cisco(商標)によって提供されているシステム等のマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS(Multi protocol label switching))システムの実施である。MPLSシステムは、コネクションレスルーティングと同じであるが、ラベル配布プロトコル(LDP(Label Distribution Protocol))等のシグナリングプロトコルを伴うルーティングプロトコルを用いて、規定されているネットワークノード間でパケットをルーティングするラベルを用いるルータからなるネットワークを形成する。このようにして、該ネットワークを通るルートは、このようなMPLSシステムにおけるシグナリングという観点から、コネクション型であるように見える可能性がある。MPLSは、コネクション型交換構成の提供に対して部分的な解決法を与え、また、MPLSシステムの複雑さにより、イーサネット交換システムの使用と比較して、比較的コストがかかる解決法である。イーサネットは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び広域ネットワーク(WAN(wide area network))を形成することに対しては、広く知られた解決法である。そのため、イーサネット交換機は、より容易に使用可能であり、MPLSが使用可能なルータよりもコストがかからない。IPルータも幅広く展開されているが、IPは、コネクションレス通信をサポートする別のプロトコルの実施例である。
【0017】
2005年1月27日に公開された「パケット交換通信ネットワークにおけるコネクション型トランスポートのための構成(Arrangements for Connection-Oriented Transport in a Packet Switched Communications Network)」というタイトルの国際特許出願WO2005/008971は、ネットワークのインフラストラクチャ及び従来のコネクションレスネットワークのハードウェアを用いて、コネクション型モードでトラフィックをトランスポートすることが可能な制御システム及び通信システムに関する。WO’8971は、従来のコネクションレスフレームにおけるアドレスフィールドのアドレススペースを、コネクション型モードに関連付けられているアドレスからなるサブセットと、コネクションレスモードに関連付けられているアドレスからなるサブセットとに分ける。WO2005/008971の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
「イーサネットMAC回路をサポートする方法(「Method for Supporting Ethernet(登録商標) MAC Ciruits」)」というタイトルの国際特許出願WO2003027807は、MACサブレイヤが回路を処理しかつ設定する、イーサネットネットワークにおけるイーサネットMAC回路をサポートするイーサネットMACサブレイヤについて記載している。該MACサブレイヤは、より高いレベルのシグナリング及びルーティングアプリケーションをサポートしてMAC回路機能を実施し、WANの学習及び回路設定のための中断を実行できる。また、該MACサブレイヤは、ノード間のマルチリンクの使用を可能にするアドレステーブルエントリ拡張を可能にする。ルーティングアプリケーションは、ルーティング情報を管理し、ポートマッピングデータベースに対してMACを維持し、およびポートリソースを管理するのに用いられる。シグナリングアプリケーションは、回路を設定しかつ管理するのに用いられる。WO2003027807の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
上記の従来の技術において、どちらの中断も、コネクションレスサービスおよび/または保持されたレガシーコネクションレスサービスを提供するように事前設定されている交換装置を可能にするように形成しなければならない。例えば、WO2003027807において、コネクション型サブセット内のアドレスは、コネクション型制御プレーンによって確立された接続のための経路ラベルとして用いられる。しかし、コネクション型ラベル交換経路を識別するためのアドレススペースのサブセットの確保は、レガシー交換機能に加えて、アドレスマネージャ及び多数の制御プレーンを必要とする(コネクション型モードをサポートするために設けられた該制御プレーンは、該コネクションレスモードをサポートするコネクションレス制御プレーンによって補完しなければならない)。また、該コネクションレスモードをサポートするため、スパニングツリー機能を適切なサブセットに対して断つことができず、該コネクション型制御プレーンは、コネクション型経路が、該スパニングツリープロトコルによって使用不能にされたリンクを使用できるようになる前に、該ネットワークの全貌を有しなければならない。
【0020】
当業者は、「ローカルエリアネットワーク及びメトロポリタンエリアネットワーク、バーチャルブリッジローカルエリアネットワーク(Local and metropolitan area networks, Virtual Bridged Local Area Networks)」というタイトルの米国電気電子技術者協会(Institute for Electrical and Electronic Engineerings)標準IEEE802.1Q(商標)を承知しているであろうが、これは、バーチャルブリッジLAN、バーチャルブリッジLANで提供されるサービス及びこれらのサービスの提供に伴うプロトコル及びアルゴリズムのアーキテクチャについて記述している。この標準は、イーサネット交換装置がどのようにして、該標準をサポートするように構成すべきか、例えば、交換装置によって、どのようにしてスパニングツリーアルゴリズムを実施すべきか、およびどのようにしてデータ転送及びデータフィルタリングプロセスを実施すべきかについて記述している。IEEE802.1Q(商標)の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
IEEE802.1Qの8.10項は、宛先MACアドレス及びバーチャルLAN(VLAN)識別子(VID)に基づいて、受信したイーサネットフレームを所定のインタフェースを介して(すなわち、可能性がある送信ポートを介して)どのように転送すべきかを判断することにより、フィルタリングデータベースがどのようにして転送プロセスをサポートするかについて記述している。
【0022】
IEEE802.1Q(商標)標準は、該フィルタリングデータベースがどのようにして、静的(すなわち、該データベースエントリは、管理動作によって明確に構成されている)または動的(すなわち、該フィルタリングエントリは、該イーサネット交換装置の通常の動作及び該交換装置がサポートするプロトコルによって、自動的に該フィルタリングデータベースに入力される)であるエントリを備えるかについて記述している。個々のMACアドレスのための、およびグループのMACアドレスのためのIEEE802.1Q(商標)の静的フィルタリング情報は、特定の宛先アドレスを有するフレームがどのように転送されるかに関しての管理制御を可能にする情報と、特定のVLAN−IDを有するフレームがどのように転送されるか、およびVLANタグエントリがどのようにして、転送されるフレームに付加されるか、および転送されたフレームからどのようにして該エントリが抽出されるかに関しての管理制御を可能にする情報の両方を含む。
【0023】
IEEE802.1Q(商標)の下で、MACアドレス情報等の静的フィルタリング情報、VID及び(該MACアドレス及びVIDのためのフィルタリングを指定する、各ポートのための制御要素を有する)ポートマップは、明確な管理制御の下で、該フィルタリングデータベースに付加され、修正され、また該フィルタリングデータベースから除去される。例えば、IEEE 802.1Q(商標)の下で、リモートブリッジ管理能力を用いて、リソースを識別し、初期化し、リセット/閉鎖することができ、リソース関係を決めることができ、かつ作動パラメータを供給することができる。
【0024】
しかし、IEEE 802.1Qは、該フィルタリングデータベースに静的エントリを投入するためのリモートブリッジ管理の利用について記述しており、これは常に、自動的に生成される動的フィルタリング情報を補完することに関連している。また、IEEE 802.1Q(商標)は常に、ルーピングが確実に起きないように作動するように、スパニングツリー及び他のプロトコルを必要とし、すなわち、各ブリッジが、スパニングツリープロトコルを作動させて、いくつかのポートを構成して、他のブリッジを用いて、物理的にループ化した接続を論理的に除去することにより、1つ以上のループフリーの完全に接続されたアクティブトポロジーを計算することが必要である。
【0025】
米国特許第2005/0220096号明細書は、接続が、様々なノードにおいて、(イーサネットフレーム等の)データフレームを転送するために構成し、マッピングすることによって確立される、イーサネットネットワーク等のフレームベースのネットワークにおけるトラフィックエンジニアリングの方法について記載している。該マッピングは、接続の宛先ノードに対応する宛先アドレスと、VLANタグ等の識別子とからなる組合せを、該スイッチ構成の選択された出力ポートと関連付ける。米国特許第2005/0220096号明細書において、該マッピングは、宛先アドレス及び識別子からなる組合せを用いて、異なる接続に属するデータフレームを、同じ宛先ノードを有するにもかかわらず、1つのノードにおいて、異ならせて転送できるようにする。
【0026】
米国特許第2005/0220096号明細書において、イーサネットスイッチ内に転送テーブルを構成するときに生じる問題に対応する1つの手段は、未知のトラフィックをブロードキャストする代わりに、該イーサネットスイッチが、パケットを廃棄し、場合により警告を出し、該廃棄したパケットを記録またはカウントするように、キャリヤネットワークを形成する該イーサネットスイッチの動作を変更することである。しかし、いくつかのCisco(商標)スイッチに関しては、ブロードキャストボリュームレートをゼロまで設定することが可能であるが、ブロードキャストボリュームをそのように低く設定する動機付けは、一般的に、(未知の転送アドレスにより)許容できない数のパケットが廃棄された結果として生じるため、これまで存在しなかった。
【0027】
米国特許第2005/022096号明細書においては、イーサネットスイッチ内に転送テーブルを構成する自動学習を用いることに代わって、転送テーブルが直接、新規なイーサネット制御プレーンを用いて構成される。米国特許第2005/022096号明細書において、該制御プレーンは、各イーサネットスイッチに対応する多数の接続コントローラを備える。各接続コントローラは、該キャリヤネットワークのイーサネットスイッチによって用いられる転送テーブルを直接構成するのに用いられる接続制御インタフェースシグナリングを用いて、これのそれぞれのスイッチのスイッチングを制御する。米国特許第2005/022096号明細書において、フロー制御は、トラフィックの各受信したフレームのバーチャルローカルエリアネットワーク識別子に基づいて(すなわち、VLAN−IDに基づいて)、フローを同じ宛先アドレスに区別することにより実施される。
【0028】
米国特許第2005/022096号明細書において、接続コントローラは、NNI(Network to Network Interface)を用いて、これらの接続コントローラ自体の間で通信することができ、また、典型的には、NNIシグナリングを用いて、これらの動作状態及びこれらの通信リンクの状態に関する情報を交換することができる。Y.17イーサネットOAMに記述されているような他の制御プレーン機能も記載されている。米国特許第2005/022096号明細書の内容及びその後のPCT特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
Kawakamiらによる2004年3月29日付けのIETF勧告(draft-kawakami-mpls-lsp-vlan-00.txt)においては、イーサネット技術に基づいて、ネットワーク上にレイヤ2トンネルを設定する方法が提案されている。Kawakamiらは、イーサネットスイッチのポートを構成して、VLANタグ情報を用いることにより、あるポートから別の明白なポートに入ってくるVLANタグ付きパケットを転送することについて説明している。該イーサネットスイッチ自体は、ラベルスイッチングルータ(LSR(Label Switching Router))の一部であり、該LSRは、ラベル配布プロトコル(LDP)を用いてVLANタグを配布する。LDPを可能にしてこの機能を実現させるために、LDPの拡張が提案されている。
【0030】
Kawakamiらは、情報が転送プレーン及び制御プレーン内に移送されるVLANタグスイッチングを用いて、イーサネットに対してLSPを設定することを提案している。該転送プレーンは、VLAN−LSRの転送要素を用いるのに対して、該制御プレーンは、LSPラベル配布を制御し、該LSPのための管理を実行できる。また、Kawakamiは、経路(VLAN−LSP情報)を計算し、そのネットワーク負荷を制御するネットワーク管理エンティティについても説明している。Kawakamiらによる2004年3月29日付のIETF勧告(draft-kawakami-mpls-lsp-vlan-00.txt)の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
前述した従来技術は、アドレススペースを分けて、コネクションレスまたはコネクション型のサービスを提供すること、または、トラフィックフォーマットが、通常、コネクションレスの方法でルーティングされるトラフィックのフォーマットに一致する場合であっても、特定のトラフィックを交換装置によって識別し、コネクション型の方法でルーティングすることができるような、トラフィックソースにおけるアドレスの範囲等の保留を要することに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明は、(本明細書において、レガシー交換装置と呼ぶ)コネクションレス通信プロトコルをサポートするように予め構成された交換装置を用いて、エンドツーエンドのコネクション型サービスを提供することに関連するいくつかの問題を軽減および/または未然に防ごうとするものである。
【0033】
本発明の態様は、添付の独立請求項に示したようになっており、本発明の好ましい実施形態は、該実施形態が依存する請求項に明確に記述されている。
【課題を解決するための手段】
【0034】
従って、本発明の1つの態様は、レガシー交換装置を用いて、コネクション型サービスを提供する方法を提供しようとするものであり、この場合、エンドツーエンド接続を確立するための所要の情報は、制御プレーンプロセッサによって既に供給されている。このことは、中断を与える必要性および/または何らかのアドレス学習および/またはループ回避機能を用いる必要性を取り除く。その代わり、各交換装置には、該制御プレーンからのデータが与えられる。該制御プレーンから与えられたルート情報は、該交換装置が確実にコネクション型サービスを提供するように予め構成されているルートに関する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、トランスポートのコネクションレスモードをサポートするように配置された従来の交換装置は、そのコマンドラインインタフェースが、該交換装置の転送テーブルにデータを投入するための情報を与えて、トランスポートのエンドツーエンドコネクション型モードを実行できるようにする変更を必要とする可能性がある。しかし、本発明のいくつかの実施形態においては、このような変更は、該インタフェースを再構成するソフトウェアを用いることに限定される。このようにして、該コマンドラインインタフェースは、該制御プレーンから発信される情報が、該交換装置の転送テーブルにデータを投入することを可能にする(それに対して、従来のデータ転送テーブルには、当業者には公知である方法で、該データプレーンからの情報を用いて、データが投入される)。
【0036】
従って、1つの態様において、本発明は、制御プレーンを用いてレガシー交換装置を構成して、通信ネットワークおよび/またはインターネットワークの全域にエンドツーエンドコネクション型サービスを提供しようとするものである。本発明を実施して、複数のローカルエリアネットワーク(LAN)を接続する通信インターネットワークの全域にコネクション型サービスを提供することは、該インターネットワーク内の各交換装置の転送テーブルにデータを投入するための矛盾のないルーティング情報の提供を必要とする。このことは、該インターネットワーク内の全ての交換装置に関連付けられた集中型制御プレーンによって、または、分散型プロセッサ制御プレーンの間で伝達される情報を要する分散型制御プレーンによって、実行することができる。
【0037】
本発明の1つの態様は、ブロードキャスト機能を保持できるように、いくつかの機能を該交換装置の特定のポートに持たせることにより、管理情報及びシグナリング情報が、該交換装置に確実に伝達されるスキームを提供する。該スキームは、トランスポートのコネクション型モードを実行できる他のポート上で、予め構成されたプロトコルをサポートする、以前から存在する全ての機能を取り除く。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態は、通信ネットワーク内に配置された複数の交換装置の1つ以上のポートの機能を動的に制御して、該通信ネットワークのソースエッジノードから該通信ネットワークの宛先エッジノードへのコネクションレスプロトコルに一致するトラフィックのための接続を確立するように配置された制御プレーンを提供する。該エッジノードは、1つ以上のローカルエリアネットワークへの及び該ローカルエリアネットワークからのアクセスを実行できる。このようにして、該交換装置は、トランスポートのコネクションレスモードに関連付けられた機能を選択的に回復させて(例えば、スパニングツリー及びMACアドレス学習プロトコルを保持し)、該制御プレーンからルーティング情報を供給することを止めることにより、コネクション型からコネクションレスへトラフィックをルーティングするために、該ポートの動作のモードを変更することが可能である。このようにして、いくつかの実施形態において、該コネクション型モードは、該制御プレーンを用いて、コネクションレス機能を、該交換装置の特定のポートに対して不作動/除去/アンインストールし、代わりに制御プレーンからのルーティング情報を供給することにより、遠隔的および/または動的に制御することができる。
【0039】
上記制御プレーンプロセッサによって供給されたデータは、上記交換装置が、受信したパケットに対して実行するデータ転送機能を少なくとも制御するように配列される。該受信したパケットは、コネクションレスプロトコルに準拠する。該制御プレーンから該交換装置によって受信されたデータは、該交換装置が、通信ネットワークの全域で、該受信パケットのためのトランスポートのコネクション型モードを実行できるように作動することを可能にする。該パケットのヘッダ情報は、該コネクションレスプロトコルのフォーマットを保持し、該ネットワークの全域に、コネクション型の方法でトランスポートされる。
【0040】
上記通信ネットワーク全域の交換装置の転送テーブルが、どのようにして該制御プレーンからデータを投入されるかを調整することにより、(ブリッジ、ルータ、スイッチまたはハブ、あるいは、適当なデータ転送および/またはフィルタリングおよび/またはスイッチング機能を実行することが可能である何らかの装置を備えることができる)該交換装置は、コネクション型環境を形成するように配置され、すなわち、データ転送が、該制御プレーンを用いて(コネクションレスまたはコネクション型の)交換装置によって提供されるモードを変更することが可能である。
【0041】
この結果、イーサネットの場合、スパニングツリー及びブリッジ学習プロセス等のコネクションレスプロセスは、上記制御プレーンからのシグナリングが提供され、該制御プレーンシグナリングを、経路が既に通過されているかを判断するのに用いることができ、このことが、ルーピングを回避することを可能にするため、該通信ネットワークの全域で接続を確立するのに用いられる交換装置のポートに対しては、もはや必要ない。本発明のいくつかの実施形態においては、経路が事前に構成されていないパケットを受信した場合、該パケットはドロップされ、コネクション型サービスを確立するための全ての所要の情報は、パケット損失を避けるために、パケットの受信前に、アドレステーブルにデータを投入しなければならない。この結果、これらの実施形態においては、該交換装置は、受信されるパケット、および情報がアドレステーブル及び転送テーブルに何も与えられていないパケットのための、デフォルトの廃棄機能を有するように構成される。
【0042】
上記制御プレーンは、インバンドとすることができるが、インバンドは、攻撃に対して脆弱であるため、好ましくは、アウトオブバンドである。有利には、使用可能なアドレススペースのサブセットを保存して、コネクション型サービスを実施するためのラベルとして機能する必要性はない。該制御プレーンは、上記通信ネットワーク内の交換装置転送テーブルの少なくとも一部にデータを投入するため、該制御プレーンは、該交換装置が、その上でルックアップ動作を実行して、より大きな多用途性及び柔軟性をもたらすインデックスフィールドを選択的にフォーマット化することができる。このことは、追加的なインデックスフィールドを含み、インデックスフィールドを置換え、または、多数の異なるインデックスフィールドを有することにより行うことができ、これらのフィールドは、転送が階層基準で実行されるように配列することができる。いくつかの実施形態においては、複数の異なる種類のインデックスフィールドの装備は、該スイッチの発信ポートの輻輳時に、フロー制御を自動的に実行できるようにする。
【0043】
当業者は、独立請求項に示されたような態様を、当業者には明白な適当な何らかの方法で、従属請求項に示されている従属的特徴のいずれかと組合わせることができることを理解するであろう。
【0044】
本発明は、MPLSアプローチが、コネクションレス及びコネクション型のパケットスイッチングのハイブリッド化のために必要とする関連するコストの意味合いを伴うことなく、MPLSによってもたらされるのと同じ恩恵を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に、本発明の実施形態を、ほんの一例である添付図面を参照して説明する。
【0046】
本発明者らにより現時点で熟慮された本発明の最良の形態を含む本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明においては、説明目的のため、多くの特定の詳細が、本発明の十分な理解を可能にするために記載されている。しかし、当業者には、本発明を、これらの特定の詳細を伴うことなく実施できることは明らかであろう。他の場合においては、公知の構造及びデバイスは、説明を容易にするために、単純化した概略形態で示されており、当業者には知られている追加的な詳細は、明確にするために省略されている。等価的機能を有する可能な代替的構成要素が、当業者には明らかである場合、その説明は、明確に除外されていない限り、このような機能的等価物を暗に含むように意図されている。一貫性のある番号付けスキームが、別の記述がない限り、等価的機能を有する、添付図面中の全ての構成要素に対して用いられる。簡単にするために、異なる構成要素を区別する必要がない限り、主要構成要素は、交換装置20a、20b、20c、20d、20e、20f及びネットワーク18a、18b、18c、18d、18e、18f等ではなく、交換装置20及びネットワーク18と呼ぶ。
【0047】
次に、添付図面について説明すると、図1A及び図1Bは、本発明による制御プレーンが、どのようにしてイーサネット交換装置のMACアドレステーブルにデータを投入するかを概略的に示す。
【0048】
図1Aは、どのようにして制御プレーン12を、イーサネット交換装置20のアドレス転送テーブル1a、1b及びアドレスフィルタリングテーブル3にデータを投入するのに用いることができるかを概略的に示す。従来の方法で、該転送テーブルにデータを投入するイーサネット交換装置20の代わりに、例えば、どのポートがどのMACアドレスに関連付けられているかを学習することにより、該制御プレーンは、該MACアドレステーブルを直接構成して、特定のポート識別子を受信したイーサネットMACフレームに関連付けるのに用いられる。「ポート」という用語は、当業者には明らかな文脈において、「インタフェース」と同義である。同様に、PDUの特定の形態、例えば、パケットについて説明する場合、「パケット」という用語は、何らかの等価的PDUの提喩として、例えば、そのために本発明を実施することができるフレームの提喩として読み取らなくてはならない。
【0049】
上記交換装置の転送テーブルには、該交換装置の発信ポートに関連付けられたアドレス情報が直接供給されるため、該交換装置が、その宛先アドレスが未知である受信トラフィックを該交換装置の発信ポートに関連付けることを可能にするために、「アドレス学習」プロセスを実施する必要性はない。その代わり、アドレスと発信ポートとの関連が分からない場合には、該交換装置は、該受信パケットを廃棄する。
【0050】
IEEE 802.1qにおいては、上記制御プレーンへのインタフェースは、静的アドレス情報を与えるのに用いられるが、IEEE 802.1qにおいては、スパニングツリー等の現存するプロトコルやMACアドレス学習プロトコルは、アクティブのままである。対照的に、本発明は、該制御プレーンによって、該交換装置の転送アドレステーブルに与えられる情報が、現在使用されていないコネクションレス制御プレーンと関連付けられている、以前から存在するプロトコルによって自立的に上書きされることができないように、該交換装置を再構成する。
【0051】
MACアドレスは、一般的に、ノードのネットワークアダプタに関連する固有値であると想定され、LAN上の該アダプタを固有に識別する。MACアドレスの実例は、(例えば、図1Aにおいて、MM:MM:MM:SS:SS:SSによりテーブル1aに示されているような)12の数字の16進数(48ビット長)である。このアドレスフィールドの前半は、該アダプタ製造会社のID番号である。該アドレスフィールドの後半は、該製造会社によって該アダプタに割当てられたシリアル番号である。
【0052】
イーサネット交換装置20は、半二重モードまたは全二重モードのいずれかで作動することが可能であり、また、全無衝突モード(fully collision-less mode)で全二重のポイントツーポイントOSIレイヤ2プロトコルサービスをサポートすることが可能である。イーサネット交換装置20は、LAN Aからイーサネットフレームを受信し、ポートの各々と関連付けられたアドレステーブル1a、1bとフィルタテーブル3とを用いて、該フレームをLAN Bへルーティングする。フィルタテーブル3は、トラフィックを、例えば、VLANを構成するのに用いられる特定の論理ポート関係に限定する。
【0053】
図1Bは、転送テーブルの代替バージョンであり、制御プレーン12は、宛先アドレスフィールドに加えて、少なくとも1つのイーサネットヘッダフィールドを有する転送テーブルにエントリを投入する。図1Bにおいて、該制御プレーンはさらに、VLANを該スイッチの発信または出口ポートと関連付ける。このVLAN−Idは、複数の接続イーサネット交換装置を備える通信ネットワーク全域の多数の経路を識別するのに用いられる。しかし、後に詳述するように、該交換装置の転送テーブルにデータを投入するために、多数の他の代替的イーサネットヘッダフィールドを設けることができる。
【0054】
本発明によれば、コネクション型転送を受信するために特定のパケットにフラグを立てるため、アドレススペースのサブセットまたは他の何らかのヘッダフィールドを割当てる必要性はない。その代わり、該通信ネットワーク全域での接続は、該交換装置における適切な転送情報を、該接続が与えられるべきトラフィックに割当てられたアドレススペースに与えることにより、該制御プレーンにより確立される。該トラフィックは、任意の適切なヘッダフィールド、またはヘッダフィールドの組合せを用いて、該制御プレーンによって識別することができ、また、異なるトラフィックには、異なるフィールドの組合せを与えることができる。コアネットワークのためのネットワーク事業者またはサービスプロバイダは、該コアネットワーク全域のコネクションレスプロトコルトラフィックに対して、コネクション型サービスを選択的に提供することができる。このことは、一般的に、該コアネットワークの状態によるものであり、または、特定の宛先アドレスへのトラフィックが該ネットワークをアンバランスにする場合等による。また、トラフィックにコネクション型サービスを提供する決定は、自動的に実行することができる。別法として、接続要求は、当業者に周知されている方法で出してもよい。
【0055】
特定の宛先アドレスへの接続を、コアネットワーク全域で確立すべきであると、一旦決定されると、上記制御プレーンは、インデックスエントリを上記交換装置の発信ポートまたはインタフェースと関連付けることに基づいて、トラフィックのための接続を確立するように、該通信ネットワーク全域の交換装置を構成するのに用いられる。インデックスエントリの実例は、宛先アドレス、または宛先アドレスの組合せ、およびVLAN−ID等の1つ以上の他のヘッダフィールド情報、またはイーサタイプ、あるいは優先タグが該ヘッダ内に存在する場合に、IPフローラベルまたはサービス種別を含む。
【0056】
図1C及び図1Dは、本発明の実施形態による、上記制御プレーンをそのために、転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。図1Cにおいて、該制御プレーンは、異なるインデックスタイプの組合せを有するインデックスフィールドにデータを投入している。上記交換装置は、この場合、マッチングする異なるフィールドを探すように、または、最初にマッチングした特定の出口ポートが輻輳した場合に、そのエントリを調べ続けるように、構成することができる。このことは、異なる経路をトラフィックに対して確立することができることも可能にする。この結果、図1Cにおいて、例証として、あるパケットを、該交換装置のポートID#1に関連する特定の宛先アドレスのためのVLAN−IDタイプ#1で受信した場合、該交換装置は、該受信したパケットのイーサタイプをチェックすることができ、そして、該イーサタイプが次のインデックスフィールドエントリに一致した場合には、ポート出力をポートID#2によってルーティングし、あるいは、このポートが輻輳している等の場合、またはイーサタイプに対する一致が見つからなかった場合には、該パケットの優先度等をチェックする。別法として(または、追加的に)、VLAN−IDフィールドを有していないパケットは、イーサタイプまたは他の何らかのヘッダフィールド等に基づいて転送することができる。それに対して探索を実行することができる情報の種類は、該交換装置が該ヘッダフィールドから抽出することができる情報の種類、および該転送テーブルに適切な形態でインデックスエントリを投入する該制御プレーン(および何らかの所要のソフトウェアのスタブ)の能力によってのみ限定される。
【0057】
図1Dは、上記制御プレーンが、各ポートに対してタプルタイプのインデックス識別子、この場合、宛先アドレス、および第1及び第2のインデックス識別子を与える転送テーブルの代替的構成を示す。例えば、各ポートは、DA、VLAN−ID、および他のインデックス識別子、例えば、イーサタイプと関連付けることができる。
【0058】
次に、添付図面の図2及び図3について説明すると、イーサネット通信ネットワーク機能は、管理プレーン10、制御プレーン12及びデータ/転送プレーン14(図3参照)によって与えられる。管理プレーン10は、イーサネットネットワークを構成し、制御し、管理する適切なインタフェースを提供する。制御プレーン12は、コマンドラインインタフェースを介して、または、IEEE標準の1つ、例えば、IEEE 802.1で指定されている他の方法により、データ/転送プレーン14(図3参照)のアクティビティを設定し、制御する、論理的及び物理的インタフェースを提供する。管理および/または制御プレーン12は、呼制御及び接続制御機能を実行することができ、また、シグナリングを利用して接続を設定及び解放し、および障害時には、例えば、ソフトな常時接続を設定することにより、接続を回復させる。データ転送プレーン14は、ネットワークデータをトランスポートするのに用いるフィルタリング及び転送機能を提供する。
【0059】
本発明は、接続プロトコルに準拠するパケットを、ルーティング情報をレガシー交換装置に供給して、上書きする、または別の方法で他のルーティング情報を与える可能性がある該交換装置の機能を無効にすることにより、コネクション型モードで通信ネットワーク全域にトランスポートできるようにする。供給されたルーティング情報は、コネクションレスサービスをもたらす該交換装置の全ての機能が無効になったときに、交換装置が、コネクション型サービスを提供できるようにする。このような交換装置は、容易に使用可能であり、かつ比較的安価であり、それに対して、MPLS等のコネクション型プロトコルをサポートするように構成された交換装置は、比較的高価である。本発明の潜在的利点は、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように配置されたレガシー機器を、コネクション型モードの通信をサポートするようにアップグレードできるようにするということである。また、有利には、本発明は、サービスを、サービス品質、優先度、帯域幅等に関して差別化できるようにする。
【0060】
本発明によれば、上記制御プレーンはルーティング情報を提供し、例えば、上記交換装置のための制御情報を生成する機器は、該交換装置に、ルーティング及びシグナリング情報を与えるのに用いられる。この制御情報は、該交換装置のルックアップルーティングテーブルにデータを投入するのに用いることができる情報を含む。従って、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように元々設計され、および/または通信ネットワークに設置された交換装置は、受信したパケットにコネクション型サービスを提供することが可能である。
【0061】
「パケット」という用語は、パケットまたはセル(例えば、固定長パケット)を暗示するように、あるいは本発明のいくつかの実施形態においては、当業者が明らかに気付くであろうため、フレームを暗示するように、同意語として用いられる。ネットワークを介した送信のためのデータは、パケット化され、各パケットは、ヘッダ及びペイロードを携え、該ヘッダはソース及びシンクのアドレスを示し、該ペイロードは、配信すべきデータを携える。また、パケットは、送信されるパケット全体の妥当性に関連する他のデータフィールドも有する。該パケットは、上記交換装置によって提供されるコネクション型サービスから恩恵を受けることができるヘッダ情報を変更する必要はない。コネクション型サービスを、本発明に従った交換装置によって提供することができるコネクションレスプロトコルの実施例は、標準的なイーサネットプロトコル及び標準的なインターネットプロトコル(例えば、IPv4及びIPv6)を含む。
【0062】
本発明によれば、交換装置は、受信される制御情報のための手段を備えており、制御プレーン(このような制御情報を該交換装置に与えることが可能な装置の任意の適切な構成を指すために本明細書において用いる用語)は、スイッチング部を介してチャネルデータ信号に、「ソース」から「シンク」へのデータの送信を実施するように命令する。該ソースは、シンクに応じてPCまたはサーバであってもよく、該ソースは送信ユニットを指し、該シンクはレシーバを指す。ほとんどの通信において、ソース及びシンクが、リンクの両端に存在しており、すなわち、これらが同一場所に配置されており、また、これらが単純に、コンピュータの送信器/受信器、または電話機のトランシーバ回路であってもよいことは、正しく理解できるであろう。
【0063】
本明細書で用いられた全ての用語は、国際電気通信連合(ITU(International Telecommnication Union))のITU−T勧告G.805「トランスポートネットワークの一般的な機能アーキテクチャ(Generic functional architecture of transport networks)で示された定義を保持し、この勧告の内容は、G.805で示された意味と矛盾する異なる意味を有すると明確に指示されていない限り、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
フレームがイーサネット交換装置に到達すると、そのヘッダが処理されて、該パケットのためのソースとシンクの組合せを決めることができるように、情報が抽出される。本発明の一実施形態において、これは、複数のヘッダフィールドから抽出された情報を上記制御プレーンへ伝達することによって決まる。そして、該制御プレーンは、これが既知のソース・シンクの組合せのためのメッセージであるか否かを判断する。代替的な実施形態においては、該制御プレーンは、このソース・シンクの組合せを該交換装置において決めることができるような十分な情報を既に伝達している。このソース・シンクの組合せが分かっている場合、これは、該ヘッダから抽出された情報が、該交換装置がアクセス可能なデータストアに既に保持されている情報に一致している場合を意味するが、これまでに確立された単一のルートは、該データ交換部を介して該メッセージを転送するのに用いられる。
【0065】
次に、図2について説明すると、ローカルホストの第1のネットワーク18a、例えば、カスタマLANを備える通信ネットワーク16(例えば、WAN)が、複数の相互接続されたイーサネット交換装置20を介して、ローカルホストの第2のネットワーク18b、例えば、別のカスタマLANに接続されている、本発明の実施形態が示されている。明確にするために、4つのイーサネット交換装置20が図2に示されており、これらには符号A、B、C及びDが付けられている。
【0066】
図2において、ネットワーク18aは、適当なエッジデバイス24(例えば、ある多重化機能を実行できるトラフィック集中手段)を介して送信されるトラフィックのソース22をイーサネットスイッチAに供給する。図2に示すようなネットワーク18dは、イーサネットトラフィックシンク26として機能し、適当なエッジデバイス28(例えば、逆多重化機能を実行できるトラフィック分散手段)を介してイーサネットスイッチDからイーサネットトラフィックを受信する。しかし、ローカルネットワークは、当業者には周知であるが、実際には、イーサネットトラフィックのソース及びシンクの両方として機能する。
【0067】
図2において、イーサネット交換装置Aのルーティングテーブルのためのルーティング情報は、適切なコマンドラインインタフェース(CLI(command line interface))32aを用いて、ネットワークマネージャ30によって入力される。ルーティング情報は、CLI32b、32c、32dを介して同様に供給され、イーサネット交換装置20B、20C及び20Dの各々の転送テーブルにデータが投入される。イーサネット交換装置上に、他の機能、例えば、イーサネット交換装置D上にパケットスニファ34を実装してもよい。
【0068】
上述したように、イーサネット交換装置が予め、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように構成されていた場合に、コネクション型イーサネット交換装置として正しく機能するためには、予め構成されたプロトコル(例えば、ブリッジ学習及びスパニングツリープロトコル、および本発明には必要ない何らかのVLAN指定制御プロトコル)は、コネクション型サービスを提供するイーサネット交換装置上の全てのポートに対して停止しなければならない。
【0069】
本発明の最良の形態においては、上記交換装置の全てのポートで、予め構成されたプロトコルをサポートする全ての機能は無効にされる。本発明の他の実施形態においては、特定の機能は、該交換装置の特定のポート上に維持される。このことは、管理目的のためのVLANの利用を可能にする。例えば、管理VLANに限定されるが、ブロードキャスト設備が、新たなリンク及び新たなノードの自動発見を実現することを可能にする。
【0070】
コネクション型サービスを提供する全てのポートに関連するルーティングテーブルエントリは、コマンドラインインタフェース(CLI)を介して上記制御プレーンによって与えられた、または、IEEE標準、例えば、IEEE 802.1で指定された他の何らかの方法によって与えられた情報を用いて投入される。ルーティング情報を与えて、標準的な制御情報を上記交換装置へ伝達する該インタフェースを用いて、該ルーティングテーブルにデータを投入することにより、コネクションレス通信プロトコルをサポートするための主な標準的な要件に適合するどのような交換装置も、通信のコネクション型モードをサポートするように再構成することができる。この結果、イーサネット交換装置の場合、エンドツーエンド接続を形成するために、各スイッチA、B、C、Dには、イーサネットルーティングヘッダ情報が各スイッチにおいて同じであれば、該エンドツーエンド接続に適した転送テーブルエントリがある。
【0071】
エンドツーエンド接続は、イーサネットMACアドレス指定スキームに固有のグローバル一意性を利用することにより、上記制御プレーンから指定することができる。MACアドレスが何らかの理由によって固有のものでない場合、例えば、本明細書において後述するVLANヘッダを用いて、該トラフィックソースに固有の独自性を与える他の手段を設ける。
【0072】
図3は、ルーティング情報をデータプレーン14に供給するように制御プレーンネットワーク12が配置されている本発明の実施形態を概略的に示す。図3には、符号A、B、C、D、Eが付けられた複数の相互接続されたイーサネット交換装置20が示されている。イーサネットネットワークは、図3、図4及び図11において完全に相互接続されて示されているが、本発明からの恩恵を受けるためには、これらのイーサネット交換装置間に複数の経路が存在することだけで十分である。
【0073】
図3において、各イーサネット交換装置20は、ローカルエリアネットワーク(LAN)18に接続されており、またさらに、より大きな通信ネットワーク16、例えば、WANを形成するために、1つ以上のイーサネット交換装置20に接続されている。特定のLANが特定のVLANと関連している場合、トラフィックは、該VLANに属している(図6、図7参照)として該トラフィックを識別するためにタグ付けされ、また該VLANトラフィックは、当該VLANに関連するイーサネット交換装置20上のネイティブポートのみを介してイーサネットネットワーク16にアクセスする。
【0074】
図3において、上記データプレーン14内に設けられたイーサネット交換装置20の各々の全てのポートのイーサネットデータ転送及びフィルタリング機能は、各イーサネット交換装置20に関連するコマンドラインインタフェース32a、32b、32c、32d、32e、32fを介して制御プレーンネットワーク12から制御される。制御プレーンネットワーク12は、コネクション型サービスを提供し、当該ポート上の全ての関連ブリッジプロトコルデータユニット(BPDU(bridge protocol data unit))を終了させる該通信ネットワーク内の各イーサネット交換装置20の全てのポートの学習及びスパニングツリーデータ転送/フィルタリング機能を無効にし、構成する、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを備える。
【0075】
制御プレーンネットワーク12は、制御プレーンプロセッサ(CPP(control plane processor))36(図3には図示せず)の数により、集中型方式で、または、分散型構成で実施することができるが、これらのCPPは、該ネットワーク内に、各イーサネット交換装置20との関連で展開されている。
【0076】
(例えば、制御プレーン12により、または、スイッチにおいて、手動で不作動にすることにより)MACアドレス学習及びスパニングツリー機能が一旦、停止されると、制御プレーン12は、MACアドレス及びVLAN−IDテーブルを投入するのに必要なルーティング情報と、他の何らかのヘッダフィールドテーブルエントリとを生成して供給する。そして、該イーサネット交換装置は、この情報を用いて、これらのイーサネット交換装置自体の間に適切なイーサネットリンク接続42を確立する。該イーサネット交換装置は、単方向および/または双方向のリンク接続をサポートする(そしてその結果、当業者には周知されているように、全二重サービスを提供する)ことが可能である。
【0077】
各イーサネット交換装置20は、転送テーブル内の、VLAN(VLAN−ID)のための識別子に対する探索動作を実行することによって受信したイーサネットトラフィックの各フレーム内の最低のVLANヘッダに基づいて、データ転送を実施する。該VLAN−IDテーブルが、今、該交換装置の制御プレーンから得られた情報によってデータが投入されている場合、該データは、コネクション型サービスを提供するように転送されることになる。VLANヘッダがない場合には、該交換装置は、受信したイーサネットフレームを、少なくとも宛先MACアドレスを用いて転送する。この転送プロセスは、特定のイーサネット交換装置20が終点である、ネットワークレイヤと関連するVLANヘッダが、当該交換装置におけるVLANプロトコルスタックから除去された後に実行される。また、1つ以上のVLANヘッダを、イーサネット交換装置20の退出ポートにおける該VLANプロトコルスタックに付加することができる。実際には、コネクション型サービスを提供するための該探索動作は、該イーサネットヘッダの多数のフィールドに対して実行することができ、従って、差別化されたサービス、例えば、サービス品質、優先度、帯域幅等が異なるサービスを、異なるVLAN/トラフィックフローに提供することを可能にする。
【0078】
制御プレーン12によって実行できる交換装置制御は、「自動交換光ネットワーク(ASON(automatically switched optical network))のアーキテクチャ」というタイトルのITU−T勧告G.8080で特定され、説明されている制御機能(または、適切なサブセット)を実施し、この勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。 本発明の好ましい実施形態は、接続及び呼の概念、制御プレーンとユーザプレーンの分離、および呼制御と接続制御の分離を可能にするG.8080と一致する方法で、制御プレーンを実施する。別法として、GMPLS、MPLS、またはレガシーPSTN制御プレーン、あるいはネットワーク管理システムを用いることができる。
【0079】
制御プレーン12は、イーサネットネットワークに対して可視性を有し、そのため、リソースが接続されていないことを承知している。AからDへの経路が一旦、シグナリングされると、制御プレーン12は、Dにおいて、接続を確立するのにどのリソースが使用可能かを知る必要があり、すなわち、どのリソースが接続されていないかを判断することが必要である。例えば、VLAN−ID50が接続されていない場合、制御プレーン12は、制御プレーンプロセッサ(CPP)36(図3には明確に示されていない)を介して、全ての交換装置20に、VLAN50を用いることを通知する。接続要求がCPP36によって受信されると、CPP36は、該要求を処理して、制御プレーン12の遠端におけるCPP36(すなわち、トラフィックがそこで該イーサネットコアネットワークを離れるイーサネット交換装置20のためのCPP36)及び全ての中間CPP36とどのように通信するかを判断する。該要求は、特定のルートを形成し、または、終点を識別することができ、また、CPP36にルートを見つけたかを尋ねることができる。
【0080】
接続のための要求が、CPP20がそのためにデータ転送及びフィルタリング機能を制御するイーサネット交換装置20を介して、制御プレーンプロセッサ(CPP)36に受信される実施形態において、イーサネット交換装置20は、接続のための要求をCPP36へ転送した場合、黙々と機能する(すなわち、CPP36は、イーサネット交換装置20が、受信した接続要求をどのように制御プレーン12へ転送するかについて制御しない)。
【0081】
次に、添付図面の図4について説明すると、制御プレーン12が、複数の相互接続された補助制御プレーンプロセッサ(CPP)36a、36b、36c、36d、36e、36fを備えて概略的に示されている。「補助(adjunct)」という用語は、本明細書においては、該プロセッサが「オンスイッチ(on-switch)」ではないこと、すなわち、元々の予め構成されたスイッチの一部ではないことを示すのに用いている。各イーサネット交換装置20は、相互接続されたローカルホスト(例えば、カスタマLAN)を備えるローカルネットワーク18に接続されている。VLAN−IDに関連する各ネットワーク18は、イーサネット交換装置20上にデフォルト(または、ネイティブ)のポートを備えており、VLANテーブルには、制御プレーン12によって供給された情報が投入されている。制御プレーン12は、データ転送情報を有するデータ転送プレーン内に設けられたデータ転送テーブル(すなわち、図1Cに示すMACアドレステーブル1a、1bおよび/またはフィルタリングテーブル3)に投入されるのに用いられるルーティング情報を保持する。図4において、このルーティング情報は、(図4において、各制御プレーンプロセッサ36と、その関連するイーサネット交換装置20とを接続する点線上のバーとして示されている)それぞれのコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して、各イーサネット交換装置20に供給される。
【0082】
図4において、各CPP36は、該CPPが制御するイーサネット交換装置と1対1対応で配置されている。情報は、適当なシグナリングネットワーク(例えば、図5参照)によって、CPP36の間で交換される。図5は、接続設定を容易にするために、複数のCPP36の間のシグナリングネットワークをどのように制御プレーン12内に構成することができるかを示す。複数のCPP36のうちの1つは、接続要求を受信して、これを上記管理プレーン、または、データプレーン14全域のソースノードから宛先ノードへ進むトラフィックのための適切なルート(または、複数の経路が後に続く場合のルート)を判断する他のルーティング設備へ伝達する。該シグナリングネットワークは、シグナリング情報が、非シグナリングトラフィックとは別にルーティングされるように、該データプレーン内の複数または全ての交換装置を相互接続するVLANのかたちで実施することができる。このようにして、上記スパニングツリー及び他の何らかのコネクションレスルーティングプロトコルが、該交換装置の他のポート上で不作動状態にされても、すなわち、その結果、通常のトラフィックがコネクション型方式でスイッチングされても、動作のコネクションレスモードで機能するように構成されたいくつかのポートを保持するように、および/またはシグナリング情報のためのスパニングツリー等のルーティングプロトコルを保持するように、交換装置を構成することが可能である。
【0083】
ここで、再び図4について説明すると、各CPP36は、イーサネット交換装置20のデータ転送テーブルがどのように更新されるかを制御する情報を生成する補助プロセッサを備える。また、各CPP36は、与えられたシグナリング情報によって認識されないMACアドレスまたはVLANヘッダを伴う不良フレームが、コネクション型サービスを提供するポートを介して該交換装置を通過するのを防ぐ。例えば、MACアドレスまたはVLAN−IDを認識しないフレームは、廃棄することができる。
【0084】
コネクション型サービスを提供することが可能であることは、ここでは別にして、イーサネット交換装置20の残りの機能は、該コネクション型サービスを提供するのに必要な交換装置の動作の変化が、単に、このようなサービスを提供するための転送テーブルエントリを変更することの結果であるため、変わらない。
【0085】
制御プレーン12が該転送テーブルにデータを投入し、スパニングツリーアルゴリズムが不作動状態にされた場合、該スパニングツリーアルゴリズムはもはや、多数のルートが確立されることを防げず、また、該ネットワークにわたるイーサネットトランク42を用いたイーサネットソースとシンクとの間の多数の経路が可能である。このことは、該ネットワーク全域に実装されるロードバランシング等の機能を可能にする。
【0086】
図4は、イーサネット交換装置A、D間の2つの経路α1、α2を示す。経路α1は、イーサネット交換装置B及びCを通り、α2は、イーサネット交換装置F及びEを通る。こうして、多数の接続を、コネクション型サービスを提供するイーサネット交換装置20を用いて形成することができる。
【0087】
実施例として、トラフィックは、上記制御プレーンを、トラフィックフローをAからDへ動的に再構成するのに用いることができるため、現在の経路が、容認できないレベルの低下に遭遇した場合、動的に新たな経路に切替えることができる。例えば、ネットワークオペレータ30は、図2に示すように、パケットスニファ34が、イーサネット交換装置20dにおいて輻輳を検知した場合、該トラフィックフローを再構成することができる。
【0088】
このことは、該ネットワーク上の元の経路α1に影響を及ぼす他のトラフィックが続いて生成された場合でも、イーサネットトラフィックの高帯域ソースが、そのシンクに対するサービス品質を維持することを可能にする。
【0089】
また、トラフィックは、帯域幅を必要とする場合、同時に2つの経路(例えば、α1、α2)に沿って、またはそれ以上の経路に同時に沿って送信することができ、適切なシークエンシング等の動作を、宛先のイーサネット交換装置20Dにおいて実行することができる。本発明の1つの別の実施形態においては、ルートα1、α2の両方に関連する全てのイーサネット交換装置のデータ転送テーブルエントリが予め投入されており、その結果、α1に障害が発生した場合には、単に、ソースのイーサネット交換装置20Aの転送テーブルに改めてデータを投入して、α1のルートからα2のルートへ切替える必要が生じるだけである。
【0090】
制御プレーンプロセッサCPP36は、ルーティング情報を提供することに加えて、呼接続制御機能を実行できる。図4において、交換装置Aを制御するCPP36aは、接続要求を受信するように示されている。そして、CPP36aは、ソースカスタマネットワーク18aからシンクカスタマネットワーク18dへ発信されたトラフィックのための適切なルートを決定する。また、CPP36aは、個々の転送テーブルが適切に更新されるように、適切なシグナリングが、(例えば、経路α1、イーサネット交換装置B、C及びDに対して)CPP36aが決定したルート上の他のイーサネット交換装置20に確実に送信されるようにする。
【0091】
VLANタグがイーサネットパケットヘッダ内にある場合、本発明の一実施形態においては、該トラフィックフローは、VLANタグを用いて分けられる。このことは、適切なトラフィック管理を(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするために)実施できるようにする。該VLANタグは、交換する必要はなく、これらのタグが交換されない場合には、該VLANタグは、該VLANタグがVLANアドレスと組み合わされた場合、グローバル識別子の一部として用いることができる。このようにして、スケーラブルネットワークを管理するための完全にスケーラブルなソリューションを、例えば、宛先アドレスとVLANタグの組合せに基づいてトラフィックを転送することにより、または、(当業者には周知である方法で、Q−in−Qを実施したときに生じるような)VLANタグをスタックすることにより、提供することができる。VLANタグが該イーサネット交換装置によって交換された場合、VLAN−IDは、単に部分的な意味でそのまま残ることになる。
【0092】
この結果、ソースのイーサネット交換装置Aとシンクのイーサネット交換装置Dとの間のエンドツーエンド接続は、適当な転送テーブルエントリを有する経路(例えば、α1および/またはα2)に沿った各イーサネット交換装置20に対するMACアドレス学習テーブル及びVLAN−IDテーブルのための転送テーブルエントリの各々を投入することによって形成される。転送は、該イーサネットパケットの関連のあるヘッダ情報を、該イーサネット交換装置の発信ポートにマッチングする転送テーブルによって実施される。
【0093】
図6A、図6B及び図6Cは、現在、当業者に周知されているイーサネットフレームの標準的なバージョンをまとめて概略的に示し、図7は、標準的フォーマットのイーサネットフレームが、バーチャルローカルエリアネットワーク識別子(VLAN ID)によってどのようにタグ付けされるかを概略的に示し、また、VLAN IDタグ構造を示す。
【0094】
図6Aは、イーサネットV2.0フレームフォーマットを示し、図6Bは、IEEEの標準勧告IEEE 802.2 LCCのヘッダを有するIEEEの標準勧告IEEE 802.3のフレームフォーマットを示し、図6Cに示すイーサネットフレームは、LLC/SNAPの変形を伴うIEEE標準勧告802.3に準拠する。しかし、本明細書でいうイーサネットフレームという用語は、これらの既知の実施形態に限定されず、本発明を実施することが可能なあらゆる種類のイーサネットフレームを指す。
【0095】
従来のイーサネットネットワークにおいては、図6A、図6B、図6Cのうちの1つのような基本的なタグ付けされていないイーサネットフレームは、本質的に、ソースのMACアドレス(SA)と、宛先MACアドレス(DA(destination MAC address))と、種別フィールドと、イーサネットパケットのペイロードを構成するデータとからなる。標準的なVLANタグヘッダ、例えば、IEEE 802.1Qに準拠したVLANタグヘッダは、図7が示すように、ソースMACアドレスと種別フィールドとの間に挿入される。標準的なイーサネットフレームのフォーマットは、当業者には周知されており、全分野及び関連する機能の詳述は、明確にするためにここでは省略する。
【0096】
トラフィックがVLAN−IDでタグ付けされた場合、イーサネット交換装置20は、各パケットが、通信ネットワーク16内の各イーサネット交換装置20上の同じVLANに関連するポートのみに伝達されるように、交換装置に対して構成される。異なるVLAN間の交換装置トラフィックのために、追加的な機能(例えば、インターネットプロトコルアドレス転送機能またはOSIレイヤ3転送機能の他の何らかの形態)が、イーサネット交換装置20上に、またはそれ以外に設けられる。
【0097】
イーサネットフレームヘッダ内の関連のあるフィールドのうちのいずれか、例えば、VLANヘッダのDA、SA、イーサタイプ、優先度、VLAN−IDを、個々にあるいは組み合わせて用いることができる。本発明の一実施形態において、上記制御プレーンは、多数のQoSを提示するイーサタイプに基づいて、単に、MACアドレスを参照し、多数のバーチャルネットワークを設定する。このことは、論理的に存在する制御プレーンに関する2つのインスタンスをもたらし、すなわち、2つのバーチャルネットワークが形成され、制御のドメインは、本発明のいくつかの実施形態に従って、各バーチャルネットワークに対して異ならせることが可能である。このようにして、コアネットワーク16上でイーサネットサービスを提供するキャリヤネットワークのカスタマには、該コアネットワーク内である程度の制御を有することを可能にするバーチャルネットワークの1つへのアクセスを提供することができる。
【0098】
12ビットのVLAN−IDフィールドは、常に、4096のVLANカスタマのみが可能であるという制限を課す。VLAN IDのスタックを形成するための、同じイーサネットパケットに対する多数のVLANのタグ付けは、異なるエンティティが、異なるレベルのVLAN−IDスタックに対してレイヤ2のスイッチングを実施することを可能にし、これは、Q−in−Qと呼ばれ、また、イーサネットパケット内の階層的VLANタグ付けを可能にする。
【0099】
図8は、Q−in−Qがどのようにして標準的なイーサネットフレームで実施されるかを概略的に示し、図9は、MAC−in−MACがどのようにして、当業者には周知されている標準的なイーサネットフレームで実施されるかを概略的に示す。これらのスキームを実施するフレームフォーマットは、既に当業者には周知されているため、図8及び図9に示す全分野の説明、およびそれらに関連する機能は、簡潔にするためここでは省略する。
【0100】
カスタマの情報をカプセル化し、Q−in−Q及びMAC−in−MAC(上述されている図8及び図9参照)等の階層的アドレッシングスキームを実行することにより、上記制御プレーンは、本発明のいくつかの実施形態において、カスタマから分離される。該制御プレーンが、ソースイーサネット交換装置20aにおいて、外側のヘッダを従来のヘッダ情報に与えることにより、それ自体のアドレッシングスキームを行った際、該ネットワーク全域でのセキュリティが強化される。
【0101】
本発明の一実施形態は、付加的なタグが、当業者に周知されている方法で、カスタマのイーサネットフレームに挿入されるQ−in−Qを実施する。この実施形態において、イーサネット交換装置20は、各受信したイーサネットフレームを処理して、(図8の上半分に示す)内側のVLANヘッダが無視されるように、外側のVLANヘッダに基づいて、イーサネットネットワーク16の全域にデータを転送する。別法として、イーサネット交換装置20は、外側及び内側の両方のVLANヘッダを検査し、上記制御プレーンが、各イーサネット交換装置20のVLAN ID転送テーブル内の両方のVLAN IDのために提供したエントリに基づいている転送決定を実行することができる。
【0102】
本発明の一実施形態において、MAC−in−MACカプセル化スキームは、制御プレーン12によって制御される。この実施形態においては、カスタマのソース及び宛先MACアドレスは、ネットワークエッジのイーサネット交換装置20において、MACアドレスフィールド内にカプセル化される。MAC−in−MACカプセル化を実施した場合、カスタマフレームがカプセル化され、該カスタマフレームは、該制御プレーンと情報をやりとりせず、その代わりに、該制御プレーンは、該イーサネット交換装置によって提供された、カプセル化MACヘッダに影響を及ぼし、該カスタマMACアドレスが、イーサネットコアネットワーク16上での有効に不可視のままにすることを可能にする。
【0103】
図9において、プロバイダ(P)フレームは、カスタマフレームの近くに示されている。該プロバイダフレームは、(例えば、VLANタグ、またはVLAN−タグあるいはQ−in−Qを含むことができない)カスタマフレームとは完全に独立しているVLANまたはMACフィールド等のフィールドを含む。このようにして、必要に応じて、カスタマMACアドレスのみを、ネットワークエッジの交換装置において非カプセル化した状態で、強化されたセキュリティを、使用されるMACアドレスが、そのMACアドレッシングスキームが用いられるキャリヤによって提供されたものであるネットワークコア内に設けることができる。
【0104】
添付図面の図10Aは、コネクション型イーサネットが形成されている本発明の実施形態を示す。図10Aは、例えば、複数の相互接続された交換装置20を制御する自動交換光ネットワーク(ASON)を用いて形成できるような、エンドツーエンド制御プレーン12を示す。
【0105】
上記制御プレーンは、接続を設定し、上述した方法で、該交換装置上のブリッジングテーブルにデータを投入し、この結果、該イーサネット交換装置は、これらのMAC学習を無効化し、そのためスパニングツリープロトコルは不作動状態にされ、また、BPDUは一切供給されない。フローは、該イーサネット交換装置の能力に従って、該イーサネットフレーム内の1つ以上のフィールド、例えば、VLANタグを用いて分離され、このことは、(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするために)適切なトラフィック管理を実施できるようにする。VLANタグは、交換されず、部分的な意味のみを有し、これは、これらのタグが実際には該ネットワークの拡張性に限定されないことを確かにする。
【0106】
このことは、図10Bに示すように、多数の接続を上記イーサネット交換装置間に形成できるようにする。図10Bには、第1の経路が、交換装置A、B、C及びEの間に示されており、また第2の経路が、交換装置A、D及びEの間に示されている。ノードAにおいて、上記制御プレーンは、該第1の経路に沿って、VLAN ID100に関連付けられているトラフィックを転送するように発信ポートを構成しており、また、VLAN ID120を有するトラフィックは、該第2の経路に沿って転送される。
【0107】
図10Cに示す本発明の実施形態は、マルチサービス多重化技術を実現できる。この実施形態は、キャリヤネットワークが、GFP及びATMレイヤ適応等のマッピング技術を用いて、ネットワークエッジにおいて、イーサネットや他のサービスのマルチサービス多重化を実施することを可能にする。交換装置Aは、交換装置Aにおいて(または、図10Aに示されていない他の何らかのエッジデバイスにおいて)サービスプロバイダフレーム内にカプセル化されているカスタマイーサネットフレームを受信する。本発明のいくつかの実施形態においては、サービスプロバイダに関連するアドレスが、このカプセル化されたヘッダに付加される。他の実施形態においては、該カプセル化されたヘッダアドレス情報は、交換装置20を介して該カプセル化されたフレームを転送するのに用い続けられる。
【0108】
図10Cは、上記コアネットワークのためのパケットインイーサネット(packet-in-ethernet)サービスが示されているが、当業者は、カスタマフレームをキャリヤのイーサネットフレーム内にラッピングする原理を、他の技術に適用できることを正しく理解できるであろう、本発明の特定の実施形態を示す。該カスタマのフレームは手つかずであるため、透明性が与えられる。該キャリヤは、(スケーリング、セキュリティ、分離及び障害検出を実行できる)これら自体の対応スキームを自由に利用できる。本発明のこの実施形態においては、OAMフレームが、単一のヘッダのみを有している場合(例えば、Y.17ethoam)、キャリヤOAM(特に、管理)トラフィックは、カスタマトラフィックと区別される。
【0109】
一実施形態においては、エッジイーサネット交換装置のみが、カスタマアドレススペースを理解する。しかし、このことは、ポイントツーポイントサービスが提供される場合には必要なく、この場合、コアイーサネット交換装置20は、プロバイダアドレススペースを理解することのみを必要とする。
【0110】
図10Aから図10Cに示すように、本発明によって形成されたイーサネットネットワーク16は、MACソースアドレス(SA(source address))及び宛先アドレス(DA(destination address))を用い、VLANヘッダフィールドを、その下でより高いCO−PS(connection-oriented packet-ed)レイヤをトランスポートするサーバレイヤを定義するのに用いた状態で、(最も高いイーサネットレイヤネットワークに)エンドユーザCO−PSサービスを提供する。このことは、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者が、カスタマMACレイヤ及び何らかのより高いVLANレイヤが透過的にトランスポートされる(例えば、添付図面の図10C参照)「専用回線」型のサービスを提供することを可能にする。本発明の一実施形態において、該サービスプロバイダ/ネットワーク事業者は、別の独自のサーバレイヤを追加して、トラフィックエンジニア等の独自のサービスを実施することができる。
【0111】
当業者は、G.8080が、コネクション型ネットワークの制御プレーンのためのアーキテクチャについて説明しており、それが、G.8080の制御プレーンのコネクション型機能を実施することによって、コネクション型サービスをコネクションレスのイーサネットワーク環境で提供できることを承知しているであろう。G.8080のコネクション型制御プレーンは、コネクションレスイーサネット技術を制御するのに用いられ、そうすることで、該イーサネット交換装置の動作を変換する。
【0112】
本発明の一実施形態においては、呼/接続制御プレーンプロセッサ(CPP)36とイーサネット交換装置20とを分離するためにG.8080に準拠する適当なインタフェースが設けられており、例えば、各イーサネット交換装置20は、その現在ある独自のコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して制御することができる。該CLIを横切るコマンドを翻訳する(すなわち、該コマンドラインインタフェースまたは制御プレーンに対する変更を処理し、該インタフェースの両側で用いられる「言語」間で変換する)この実施形態が必要とするスタブまたは仲介者は、この図には示されていない。また、G.8080のアーキテクチャは、該制御プレーンを該交換装置のプラットフォームに一体化することを可能にする。このことは、制御プレーン機能を追加する該交換装置プラットフォームに対する変更を必要とするが、データ転送機能を実行できるハードウェアを換える必要はない。
【0113】
本発明の別の実施形態においては、GSMP(Generalised Switching apparatus Management Protocol)等の、該交換装置と制御プレーンとの間の標準化されたインタフェースが、制御プレーン機能を実施するのに用いられる。例えば、GMPLS及びネットワーク管理プロトコルまたは同様の制御あるいは管理プレーンプロトコルは、必要な機能、例えば、拡張マークアップ言語(XML(eXtensible Mark-up Language))またはITU−T勧告M.3100を実施するのに用いることができる。
【0114】
(運用、管理及び保守)
運用、管理及び保守またはOAMは、あらゆるサービスプロバイダネットワークに欠かせないものである。これは、設備の遠隔監視及びトラブルシューティング、およびアラーム検知及び通知を介したコンフィギュレーションを可能にすることにより、サービスのコストを低減するためである。この結果、故障箇所は素早く特定され、迅速に問題が解決され、カスタマ満足度の向上につながる。
【0115】
本発明の一実施形態は、オフスイッチであるソフトウェアプラットフォーム上で(すなわち、非OAMトラフィックのためのイーサネット交換装置処理ハードウェアに対するOAMトラフィックのための独立したハードウェアを提供する異なるプラットフォーム上で)OAM機能を実施する。このことは、本発明に必要なOAM機能を、本発明によるイーサネット交換装置の実施形態の直接的変更を何ら要することなく実現できるようにする。また、この分野で規定する標準規格が進化するにつれて、OAMサービスオフスイッチを実施することにより、例えばソフトウェアプラットフォームにおいて、適切な標準プロトコルに準拠するように与えられたOAM機能に適応させることが容易である。
【0116】
現在、標準的なイーサネットOAMは存在せず、ベンダー独自のソリューションのみが存在する。3つの標準化団体、すなわち、IEEE、ITU−T及びメトロ・イーサネット・フォーラム(Metro Ethernet Forum)は現在、コネクションレスサービスを提供するイーサネットという意味のイーサネットセグメントにOAMを導入するために、標準化を進めている。これらの標準化は、フレーム・リレーやATMに利用できるものと協調することが期待されており、発見、連続チェック、ループバック、パストレース、パフォーマンス管理及びアラーム抑制等の機能を含む。しかし、コネクションレスイーサネット環境におけるイーサネットOAMは、イーサネットの障害分離能力を改善するであろうが、これは、SDH及びATMのようなコネクション型ネットワークで提供される同じレベルの情報を提供しない。
【0117】
本発明の一実施形態は、「MPLSネットワークのための運用及びメンテナンスメカニズム(Operation & Maintenance mechanism for MPLS networks)」というタイトルのITU−T勧告Y.1711のソリューションで提案された運用及びメンテナンスメカニズムのわずかに修正したバージョンを実施することにより、「MPLSネットワークのための運用及びメンテナンス機能に対する要件(Requirements for Operation & Maintenance functionality for MPLS networks)」というタイトルのITU−T勧告Y.1710で指定された要件に一致するOAM機能を実施する。
【0118】
Y.1710のようなOAMを実施する本発明の実施形態は、ユーザプレーン機能アーキテクチャにおける最も一般的なエンティティが、ブロードキャスト/マルチキャストするソース(および/またはフロードメイン内の該ソースに続く分割ソース)と、フィルタリングするシンク(および/または該フロードメイン内の該シンクの前の分割ソース)とであるOAMシステムを実施する。ソース及び宛先ラベリングは、該シンクが固有のソース/宛先通信をフィルタリングすることを可能にするため、最も一般的な意味でのラベリングは、このエンティティに欠かせない。サブネットワーク及びフロードメインは、このエンティティの実例である。しかし、リンクも、このエンティティの特別なケースである。リンクにおいては、1つのみの宛先しかないため、明確な宛先ラベリングは必要ない。ソースラベリングは、逆多重化するため該シンクに必要である。また、リンクは、本質的に、トラフィックを結合しない。従って、該ソースは、リンクの多重化を完全に掌握している。このエンティティに基づいて、階層化と分割の区別は、わずかである。サブネットワークまたはフロードメインを実施するには、リンクをサポートするサーバレイヤの方法に正確に沿った方法で適応機能を用いて、ラベルからなる「サーバ」セットを生成することが必要である。シンクのフィルタリングを伴うラベル付けされたブロードキャストドメインは、該スタックの真のボトムである。
【0119】
ITU−T勧告G.805には、2種類の可能性のあるOAMフロー、すなわち、エンドツーエンドトレイルOAMフローと、中間タンデム接続モニタリングOAMフローとがある。
【0120】
イーサネットPDUには、2つのレベルのラベル(または、レイヤ)、すなわち、イーサネットMACソースアドレス(SA)/宛先アドレス(DA)と、(より多くのサブレイヤがある場合に、さらに分割してもよい)VLANヘッダレイヤとがあり、そのため4種類のOAMフローが必要である。すなわち、
トレイルMAC SA/DAレイヤOAMフロー(これをOAMフロータイプAと呼ぶ);
タンデム接続モニタリングMAC SA/DAレイヤOASMフロー(OAMフロータイプB);
トレイルVLANレイヤOAMフロー(OAMフロータイプC);
TCM VLANレイヤOAMフロー(OAMフローD)。
【0121】
OAMフロータイプAにおいて、各パケットにおけるSA及びDAは、グローバル一意であるため、これ以上のアクセスポイント識別は必要ない。また、各フレームは、パフォーマンスモニタリングに用いることができるFCSを有する。明確なOAMパケットは、場合により、イーサタイプIDを用いてデザインすることができるが、別法として、IP及びユーザデータグラムプロトコル(UDP(User Datagram Protocol))ポートナンバーを用いることができる。
【0122】
他の3つのフローは全て、本質的に同じ基本的な実施を有する。イーサネットフレームは、関連のあるイーサネットエッジ(または、コア)交換装置20のための補助プロセッサ(CPP36、38)によって差し挟まれ、このことは、接続を設定するシグナリング制御に関係付けることができる。末端部において、該OAMフレームは、ユーザプレーントラフィックから分離され、処理のために該補助プロセッサ(CPP36、38)内で消される。
【0123】
従って、上記のOAMフローを実施するには、まず、該OAMフローは、どの中間イーサネット交換装置も、該OAMフレームがユーザフレームであったかのように、該OAMフレームを切替えるように、該ユーザプレーン接続と同じラベルフィールドにおける値を有していなければならない。別法として、接続ごとに1つ以上のラベル値を与えることができるが、これは、シグナリング及び転送テーブルの精度及び整合性を必ずしも同じ方法で検査しない。第2に、該OAMフレームは、イーサネット交換装置の標準的機能に従って、該ユーザプレーンから抽出して、該イーサネット交換装置内で切替える必要がある。
【0124】
これら2つの要件を実現するにはいくつかの方法があるが、該OAMフレームのSAフィールド内の該OAMフローをソーシングする補助プロセッサ(CPP36、38)インタフェースのMACアドレスが、本発明の好ましい実施形態において用いられる。
【0125】
(FDI及びAIS)
何らかのCO−PSネットワークの場合と同様に、分岐ラベリングはハードウェアに組み込まれていないため、AIS(Alarm indication signals)および/またはFDI(Fault detection&identification)の挿入は、該OAMプロセスが、ラベルテーブルを調べて、どのラベルが最新のものであり、有効であるかを捜し出すことが必要である。本発明のこの実施形態において、OAM処理は、該制御プレーン内に配置され、かつ該ユーザプレーンと同じハードウェア内に配置されていない補助プロセッサ(CPP36、38)によって実行される。AISおよび/またはFDIは、エンドツーエンドフローに対する追加的なインジケータである。
【0126】
一般的に、AIS及びFDIは、サーバレイヤからの適応で検出された障害によってトリガされる。これらは、該フロー及び該フローのみが当該クライアント接続の整合性を監視することができるため、クライアントレイヤ内のエンドツーエンドOAMフローを置換しない。該クライアント接続の損失は、関連するOAMフローの対応する損失がある場合に推測される。メインOAMフローの損失に加えて、AISおよび/またはFDI信号を受信した場合、該シンクは、障害が該シンクに対して局所的でないことを推測することができる。AISおよび/またはFDIは、ここでは、本質的な情報ではなく、追加的な情報であるため、その挿入の損失または破損は、致命的ではなく、また、誤った解釈に対してオープンではない。
【0127】
コネクション型とは、「アドレッシング及びラベリング」を、上記シグナリングシステムを該アドレッシング及びラベリングを関連付けるのに用いて、互いに切り離すことができるということを意味する。本発明は、MACアドレスを、上記制御プレーン内でのみ可視的である「ラベル」として扱う。原則として、アドレッシングが、該イーサネット交換装置の上記補助プロセッサに対してのみ可視的である、すなわち、該制御プレーン内でのみ可視的であるため、どのようなアドレッシングスキームも用いることができる。しかし、コネクションレスネットワークに互換性を与えるために、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)アドレッシング、または別法として、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)を用いることができる。プライベートアドレッシングの広範囲の利用を前提として、グローバル一意アドレスが、2つの形態のうちの1つで明確に形成されている。第1の形態は、インターネットプロトコル(IP)仮想プライベートネットワーク(VPN(virtual private network))で用いられる絶対的なグローバルアドレスVPNid/IPv4アドレスである。グローバル一意アドレスの第2の形態は、NAT(Network Address Transport)アドレスである。このグローバル一意アドレスは、プライベートIPv4アドレスが追随するゲートウェイの公衆IPv4アドレスの連結として絶対的に形成されている。NSAP(Network Service Access Point)アドレス等の代替例であるE.164アドレスまたは何らかの適用可能なグローバル一意アドレスフォーマットも、本発明の代替的実施形態において用いることができる。
【0128】
ネットワーク運用を実施する当業者にはよく知られているように、交換装置インタフェースの地理的および/または物理的位置に基づく形態等の、アドレッシングの人間の形態を用いることが可能である。
【0129】
(シグナリング)
制御プレーン12によってデータプレーン14へ送信されるシグナリングは、本発明の一実施形態による現在の標準的なシグナリングプロトコルのうちの1つに準拠する。例えば、ATMフォーラムで規定されたPNNI(private network node interface)等のプロトコル、RSVP(Resource ReSerVation Protocol)、または、ネットワークを介した優先的サービスを要求及び受信する用途のためのシグナリングメカニズムを実行できる他のプロトコル、例えば、(RSVP−TE)、RFC3473で規定されているGMPLS(Generalised Multi-Protocol Label Switching)プロトコル、RFC3209で規定されているMPLSプロトコル、ITU−T G.7713.3で規定されているCR−LDP(constraint-based routing label distribution protocol)、またはITU−QシリーズSS7プロトコル、あるいは必要な機能を有する何らかのプロトコル等のプロトコルを、イーサネットトランスポートに特有のパラメータを可能にする単純な拡張で用いることができる。
【0130】
本発明の他の実施形態においては、G.8080のプロトコルに(完全に、または、サブセットまたは専門の変形例として)同様の機能を与える、別の種類の制御プレーンアーキテクチャが実施される。例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)による標準化勧告RFC3945で規定されたGMPLSプロトコルを、オーバレイモードで用いることができる。本発明のまた別の実施形態においては、ネットワーク管理プロトコルが、ルーティング情報を該制御プレーンに与え、制御プレーン12とイーサネット交換装置20との間のOAMのための規定された指示を戻すために用いられる。この実施形態において、シグナリングメッセージは、別々のネットワークでイーサネット通信ネットワーク16に送信される。例えば、制御プレーンコンポーネント36がイーサネット交換装置20から独立している実施形態においては、独立した管理データ通信ネットワークを、シグナリングを実行するのに用いることができる。
【0131】
別法として、該制御プレーンのシグナリングは、同じ物理リンクであるが、帯域外ネットワーク内に設けられた物理リンクを共有するという意味で、イーサネットトラフィックを備えている。帯域外(OOB(out-of-band))ネットワークの目的は、制御情報が、該制御情報が関連するトラフィックの経路と論理的に分離されるように、確実なネットワークを該制御情報に効率的に与えることである。この結果、ローカルエリアネットワークトラフィックをコアイーサネットネットワーク上でスイッチングするための制御情報は、キャリヤのみが(すなわち、該コアネットワークに対するネットワーク事業者)該制御プレーンにアクセス可能であり、また、必要に応じて、該制御プレーンの運用を中断することが可能であるように、該コアネットワーク上のOOBネットワーク(すなわち、論理的に異なるネットワーク)を用いて伝達される。ローカルエリアネットワーククライアント(すなわち、カスタマネットワーク)は、該制御プレーンに関してどうすることもできない。この実施形態においては、シグナリング情報をVLANと関連付けることが可能であり、そのため、該VLAN内では、シグナリングチャネルは、全てのイーサネット交換装置と関連付けられている。これ(または、逆方向OAMトラフィック、特に、一方向トラフィックのための別のVLAN)も用いることができる。
【0132】
ルーティングプロトコルは、たいていの場合、シグナリングプロトコルまたはアドレッシングスキームのどちらか一方または両方と関連している。コネクション型サービスを伴うルーティングプロトコルに対する推測的必要性はなく、すなわち、静的ルーティングが可能である。該ルーティングは、段階的なドメイン階層的またはソースベースのスキームに基づくことができる。
【0133】
上記制御プレーンにより与えられるルーティング情報は、OSPF−TE(Open Shortest Path First Traffic Engineerig)プロトコル等のIPベースのプロトコルを用いて、または、ASONアーキテクチャと一致する方法で、分配することができる。本発明の一実施形態においては、静的ルーティング情報が与えられる。しかし、本発明の代替的実施形態においては、当業者に周知されているような適当な動的ルーティングプロトコルを用いて、動的ルーティングが実施される。本発明の一実施形態において、ネットワーク管理者は、ネットワークルートを手動で構成する。
【0134】
動的ルーティングを用いた場合、ルーティングアルゴリズムは、上記制御プレーン内のルーティングテーブルにデータを自動的に投入するのに用いられ、シグナリングプロトコルは、該ルーティングテーブルエントリを読出し、上記イーサネット交換装置の転送テーブルエントリを投入する。これでもやはり、いくつかの経路を、動的ルーティング環境内の制御プレーンを介して明確に構成することが可能である。静的ルーティング及び動的ルーティングはどちらも、本発明の分散型制御プレーン(図4参照)または集中型制御プレーン(図11参照)のどちらかの実施形態を用いて実施することができる。
【0135】
本発明の一実施形態において、ネットワーク管理者(または、事業者)は、上記コマンドラインインタフェースを介して上記シグナリングシステムによってエクスポートされ、上記イーサネット交換装置上に設けられたデータ転送テーブルにデータが投入される、上記制御プレーン内のコネクション型ルーティング情報を手動で入力する。該情報は、与えられた情報を適切な形態に変換して、該イーサネット交換装置の転送テーブルエントリを更新する適当なスタブ(図示せず)によって仲介される。
【0136】
実施例として、図3及び図4に示した本発明の実施形態を簡単に考察する。この実施形態において、ルーティング情報は、複数のプロセッサとして実施された制御プレーンによって与えられ、各制御プレーンプロセッサ34は、単一のイーサネット交換装置へ入力を供給し、これは、(図3に示す)コマンドラインインタフェース32によって行うことができる。この情報は、適当な交換装置制御プロトコルを用いて、または、通信ネットワーク16内の各イーサネット交換装置20に設けられた該コマンドラインインタフェースを積極的に介して提供することができる。
【0137】
本発明の一実施形態において、OAMは、上記制御プレーンが、上記イーサネット交換装置の相互接続性を自動的に見つけ出し、この情報を用いて、該制御プレーン内のルーティング情報を構築し、維持するために、ルーティングと結合することができる。当業者によってこう呼ばれているこれらの「ハロー」メッセージは、該制御プレーンが、該ネットワークの最新のピクチャを有するように、該OAMとルーティングを効率的に一緒に持って行く。
【0138】
(エンドツーエンド制御プレーン通信)
図11は、(CPP38及び(重複しているが、CPP38が故障した場合には、回復力をもたらす)予備のCPP40によって概略的に示されている)集中型制御プレーン機能が、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを形成するように配置されている制御プレーンアーキテクチャを示す。本発明のこの実施形態において、該制御プレーンの各コンポーネント38、40は、1つ以上のイーサネット交換装置20に対して制御プレーン機能を実行できる。
【0139】
図11は、データプレーン14の全てのイーサネット交換装置20のための呼及び接続コントローラとして機能するように配置されているシグナル制御プレーンプロセッサ38を備える制御プレーンを示す。実際には、呼及び接続コントローラ38とイーサネット交換装置20の比は、(当業者には周知されているように)適当な比になるように選択することができる。この結果、CPPプロセッサ(M)とイーサネット交換装置(N)の比、M:Nは、集中型または分散型の制御プレーン機能がどのようになることが求められているかによって変化し、ただし、M<Nである。
【0140】
この実施形態において、エンドツーエンド通信ネットワークを形成する集中型制御プレーンの実施は、ここで程度の差はあるが集中化されている制御プレーンプロセッサの機能は別として、図3及び図4に示す本発明の実施形態と同様の方法で機能する。
【0141】
上記分散型制御プレーンの実施形態を参照して上述した特徴は、その機能が、1つ以上の制御プレーンコンポーネントによって実施されるより多くの集中型制御プレーンとの関連で開示されていると見なされ、該コンポーネントの各々は、上記データプレーンの1つ以上のイーサネット交換装置と関連しており、換言すれば、該制御プレーン処理コンポーネントと該イーサネット交換装置の比は、該制御プレーン内に構築された余剰性のレベルによって変化する可能性がある。例えば、図11に示す本発明の実施形態においては、たった1つの制御プレーンプロセッサCPP40が、予備の制御プレーンサービスを提供して、(例えば、図11に示すイーサネット交換装置20及び中央制御プレーンプロセッサ38のいずれか一方の間で)発生するシグナリング障害の場合に、該制御プレーンの回復力を高めるように配置されているが、代替的な実施形態においては、1つ以上の予備の制御プレーンプロセッサ40を、該制御プレーン内に設けてもよい。
【0142】
ここで、図11について詳細に説明すると、コアイーサネットネットワーク16’において、集中型CPP38は、データプレーンネットワーク14内の全てのイーサネット交換装置20A、B、C、D、E及びFのための補助プロセッサとして機能する。また、単一の予備CPP40も、データプレーン通信ネットワーク14内の全ての交換装置20のために設けられている。
【0143】
図11に示す実施形態において、CPP38は、各接続要求のルートを判断し、(例えば、CLIを用いて)イーサネット交換装置20の各々のデータ転送テーブルエントリを投入するために、適切なシグナリングメッセージを送信する。CPP38は、適当なネットワークモデル、例えば、交換装置、リンク、接続形態及び接続等のネットワークリソースのデータベースを含み、CPP38は、サービス要求をアクティブにするのに用いる。
【0144】
上記制御プレーンは、グローバルな階層、または、制御プレーンプロセッサからなるクラスタを形成するために特定のレベルで相互接続された複数のローカルな階層等の、何らかの適当な関係を有するCPPを用いて実施することができる。図12は、CPP「0」、CPP「A」、CPP「B」及びCPP「C」が、局所的担当領域のCPP「A、B、C」の各々に対してピア制御を実行できるCPP「0」と階層的に情報をやりとりするように配置されている、本発明の実施形態を示す。適当な通信ネットワークを、該制御プレーンを形成して、適切な制御メッセージを、イーサネット交換装置のネットワーク内の各イーサネット交換装置に伝達し、これらの交換装置のデータ転送テーブルに適切にデータを投入する該CPPによって用いることができるが、ある時点で、(該制御プレーン内に保持されている)ルーティング制御情報が、該イーサネット交換装置のデータ転送テーブルエントリを投入するための適切な形態に変換される。
【0145】
分散型制御プレーンの実施形態に関連して上述されているように、制御情報を上記イーサネット交換装置に伝達することが可能などのような適当なプロトコルも用いることができ、例えば、管理または制御プレーンプロトコルネットワークを用いることができる。該制御プレーンプロトコルは、管理プロトコルに基づいて独自仕様とすることができ、または別法として、本発明が要するイーサネットの固有パラメータに対して、当業者には明白であるように適応されるのであれば、上述したようなGMPLS、ASON−RSUP−TE、CR−LDP、PNNI、SS7等の標準的な制御プロトコルに基づかせることができる。
【0146】
当業者は、イーサネット交換装置のコマンドラインインタフェース(CLI)に変化が起きた場合に、上記制御プレーンと該CLIとの間の該交換装置のソフトウェアスタブは、更新する必要があるということを承知しているであろう。このことは、該ソフトウェアを更新することを必要とし、また、該交換装置と通信するために、独立した通信ネットワークが該制御プレーンに必要になる。
【0147】
本発明の一実施形態においては、該CLIの変化に対処し、適切な通信ネットワークを該制御プレーン12に与えて、イーサネット交換装置20と通信するために、CLI32は、制御プレーン12に対する標準ベースのインタフェースと置換される(例えば、GSMP、すなわち、一般的な交換装置管理プロトコルを用いることができる)。
【0148】
GSMPは、交換装置20が、何らかの適当なプラットフォーム、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを備えるマスターに対するスレーブとして機能する、マスター・スレーブプロトコルを実行できる。GSMPは、該マスターが、交換装置20のイーサネット接続を設定及び切断し、管理通信を実行し、情報を要求することを可能にし、あるいは、該交換装置が、該マスターに何らかの問題を知らせることを可能にする。本発明の一実施形態において、該マスターは、制御プレーン12自体を制御し、該GSMPがどのように作動して、接続管理及び近接性を可能にするかを制御するように配置されている。CLIまたはGSMP(あるいは、これらの機能等価物)が用いられているか否かにかかわらず、本発明の一実施形態においては、制御プレーントラフィックの一部または全ては、同じインフラストラクチャ上で共通するトランスポートトラフィックに追随する。
【0149】
本発明のいくつかの実施形態において、上記制御プレーンのためのVLANが、交換装置20の間に形成されている実施形態が示されている。制御プレーンVLANは、トランスポートトラフィックと論理的に分離されており、イーサネット交換装置20の間で制御プレーントラフィックを伝える。分散型制御プレーンネットワーク16内の各CPP36は、イーサネットを、制御プレーンのシグナリング情報のための通信ネットワークとして用いることにより、該ネットワーク内の他のCPP36と通信することができる。この情報は、関連するイーサネット交換装置20の適切に構成されたポートにより、関連するVLANへ流れる。
【0150】
図13においては、3つのイーサネット交換装置A、B及びCが示されており、各交換装置は、付随するCPPを有する。図13は、本発明の一実施形態において、各CPPが、適当なコマンドラインインタフェース(CLI)(図13に「x」で示す)を介して、どのようにイーサネット交換装置に接続されているかを示す。この実施例においては、該イーサネット交換装置には変化はない。また、図13には、本発明の一実施形態において、GSMPインタフェースを備える別のインタフェース「y」も示されている(代替的実施形態においては、同様のプロトコルを、該イーサネット交換装置を遠隔制御するのに用いることができる)。
【0151】
しかし、交換装置の管理プロトコルインタフェースを、該イーサネット交換装置を遠隔制御するのに用いる場合、該交換装置のソフトウェアは、上記CPPと通信するために変更する必要があり、例えば、スタブまたは他の仲介者を必要とする可能性がある。
【0152】
図14は、本発明の代替的実施形態を示し、上記CPPが、異なる接続形態で接続されている。この実施形態においては、異なるCPPが、異なる通信ネットワークを用いて通信することが可能である。この場合、該CPPと上記イーサネット交換装置との間で制御メッセージを伝えるのに用いられるVLANは、該制御VLANの各々を識別することが可能であるように、ネットワーク事業者により設定される。本発明のいくつかの実施形態は、例えば、異なるVLANで実施される異なる制御プレーン機能を有する。このようにして、論理的に帯域外のイーサネット制御を実現することが可能である。当業者は、VLANも他の目的に、例えば、OAMパケットを伝えるのに用いることができることを正しく理解できるであろう。図14は、該CPP及びイーサネット交換装置が共通の接続形態を有するケースを示し、この場合、制御プレーン機能は、各イーサネット交換装置に統合化することができる。
【0153】
(デュアルモードイーサネット交換装置)
本発明の別の実施形態においては、ハイブリッドイーサネット交換装置が、コネクションレスサービス及びコネクション型サービスの両方を提供するように配置されている。ハイブリッドイーサネット交換装置は、いくつかのコネクションレス機能を実行でき、コネクション型機能は、上記データ転送テーブルに投入するルーティング情報を、コネクション型サービスを提供する該ハイブリッドイーサネット交換装置上のポートに対してのみ提供する制御プレーン12によって実行される。この実施形態において、データ転送/フィルタリングプレーンは、コネクションレスサービスを提供するように指定されたポートに対して、そのコネクションレス機能を保持することになる。
【0154】
上記データ転送テーブルエントリは、コネクション型サービスと関連付けられたポートに対してのみ、上記制御プレーンから得られた情報によって更新され、残りのポートは、コネクションレスイーサネットサービスを提供し続ける。適切なスパニングツリーアルゴリズムは、コネクションレスイーサネットサービスを提供するように配置された各イーサネット交換装置のポートに関連するルーティングテーブルエントリ内の不必要な経路を取り除くことにより、不必要な経路が存在しないことを確かにする。
【0155】
コネクションレス及びコネクション型の両方のイーサネットを提供するハイブリッド交換装置を実施することが可能であるが、スパニングツリープロトコルの利用は、不注意な誤操作または意図的な攻撃の影響を受けやすい。これは、STPの利用が、通信ネットワークにおける脆弱性の操作上のポイントを示していることを意味する。カスタマのスパニングツリー機能をMAC−in−MACを用いてカプセル化し、全てのSTP機能をイーサネットコアネットワークから取り除くことにより、STP誤作動または攻撃に対する該コアネットワークの脆弱性は、著しく低減される。該コアイーサネットネットワークに対するMAC−in−MACの利用は、ローカルエリアネットワークが当該領域内でSTPを実施することを防がない。このため、該コアネットワークに対してカプセル化を用いる本発明の実施形態は、当該領域内のトラフィックの安全性を向上させる。
【0156】
(レイヤ3交換装置の再構成)
次に、添付図面の図15から図21について説明すると、本発明の交換装置は、コネクションレスOSIレイヤ3ルーティングをサポートすることが可能であることを元から意図された交換装置を備える。
【0157】
(ネットワーク層としても知られている)OSIレイヤ3は、エンドツーエンドトラフィックを処理し、エンドツーエンドの重要性に対処する第1の層である。レイヤ3プロトコルの実施例は、IP、およびIPX(Internet Packet Exchange)を含む。しかし、一般的には、レイヤ3は、エンドシステム(コンピュータ)間の接続性を確実にするのに必要なアドレッシング、ルーティング及びフィルタリング機能について記述しており、また、レイヤ2によって提供されたフレームを利用するパケットのフォーマットを規定している。「IP」という用語は、本明細書においては、IPバージョン4及びIPバージョン6の両方を指すのに用いられている。
【0158】
従って、以下の実施例においては、本発明による交換装置は、IPバージョン4またはバージョン6のトラフィックのコネクションレスルーティングをサポートするように最初から配置されたIPルータを含む。本発明は、このようなルータが、コネクションレスサービスの代わりに、またはコネクションレスサービスに加えて、コネクション型サービスを提供できるようにし、このコネクション型サービスは、いくつかの実施形態において、マルチパスルーティングを実行することが可能である。
【0159】
従って、一般的に、交換装置という用語は、転送装置として機能することが可能であり、かつOSIレイヤ3(ネットワーク層)アドレスを解明することが可能である全てのルーティング装置、例えば、OSIレイヤ3(ネットワーク層)IPアドレスを解明することが可能なIPルータを備えるように定義される。本明細書で用いた全ての用語は、ITU−T勧告G.805「トランスポートネットワークの一般的機能アーキテクチャ(「Generic functional architecture of transport networks」)」で与えられた定義を保持し、G.805で与えられた意味と一致しない異なる意味を有すると明確に示されていない限り、該勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0160】
(インターネットプロトコル交換装置)
本発明の一実施形態は、標準的IPルータを、その節点ハードウェアとして用いるコネクション型パケット交換サービスを供給する。コネクション型パケット交換に必要な全てのシグナリング及びOAMは、独立した処理プラットフォーム(例えば、UNIX(登録商標)サーバプラットフォーム)上で実施される。理想的には、上記IPルータ自体は変更されず、従って、一般的なサプライヤからの「市販品」が使用可能である。
【0161】
本発明により提供されるサービスタイプは、上記コアIPネットワーク全域でトランスペアレントなトランスポートを実現できるという意味で、コネクション型パケット交換(CO−PS)であり、ポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントのサービスを提供することが可能である。このことは、マルチポイントツーポイント及びマルチポイントツーマルチポイントの使用の制限事項を、エンドツーエンドトランスペアレントサービスの供給の一部として排除しない。従って、ポイントツーポイントサービスは、ポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントの一方向サービスまたは双方向サービスのいずれかとして例示化することができる。該IPルータ内で切替え可能にするために、PDUは、IPパケットフォーマットに適合させなければならず、すなわち、該PDUは、標準的なIP PDUとしなければならない。
【0162】
図15は、コネクションレスモードの通信をサポートするために設置された複数のレイヤ3交換装置62を備えるレイヤ3通信ネットワーク50を示す。通信ネットワーク50において、ネットワーク機能は、OSIレイヤ2タイプの通信トラフィックについて上述したのと同様の方法で、管理プレーン52、制御プレーン54及びデータ/転送プレーン56によって、OSIレイヤ3トラフィックに与えられる。
【0163】
交換装置のルーティングテーブルにデータを投入する制御プレーンに関連するコンセプト、およびコネクションレスイーサネット通信機器との関連で上述した実施形態の関連するVLAN及びOAMの考慮は、(コネクションレスサービスを提供するという目的のためにネットワーク内に予め設置されたIP通信機器を含む)IP通信機器を用いて、コネクション型サービスの提供を代わりにサポートすることに適応できる。
【0164】
図15において、管理プレーン52は、IPネットワーク50を構成し、制御し、管理するための適切なインタフェースを備える。制御プレーン54は、上記コマンドラインインタフェースを介して、または、当業者に周知されている他の何らかの適当な方法、例えば、IETF標準のうちの1つで指定されている例えばGMPLSによって、IPデータ/転送プレーン56のアクティビティを設定し、制御するための、論理的及び物理的インタフェースを備える。
【0165】
制御プレーン54は、呼制御及び接続制御機能を実行し、シグナリングを用いて、接続を設定し、および解放し、また、障害発生時には、接続を回復する。データ転送プレーン56は、ネットワークデータトラフィックをトランスポートするのに用いるフィルタリング及び転送機能を備える。
【0166】
図15において、通信ネットワーク50は、ローカルホストの第1のネットワーク60a、例えば、カスタマLANを備え、該第1のネットワークは、複数の相互接続されたIPルータ62を介して、ローカルホストの第2のネットワーク60d、例えば、別のカスタマLANと接続することが可能である。(明確にするため)例示的な数(4つ)のIPルータ20(符号A、B、C及びDが付けられている)が図15に示されている。
【0167】
図15において、ローカルエリアネットワーク60aは、適当なエッジデバイス66(例えば、いくつかの多重化機能を実行できるルータ)を介してルータAに送信されるトラフィック(例えば、IPトラフィック)のソース64を備える。別法として、エッジデバイス66は、異なる種類のトラフィックのプロトコルを、データプレーン56を介したコアネットワーク全域でのルーティングに適したIPトラフィックにカプセル化することができる。
【0168】
図2に示すようなネットワーク60dは、IPトラフィックシンク68として機能し、また、適当なデバイス70(例えば、逆多重化機能を備えるルータ)を介してIPルータDからIPトラフィックを受信する。ここでもまた、エッジデバイス708は、必要に応じて、該トラフィックを逆カプセル化してもよい。しかし、ローカルネットワークは、実際には、当業者には周知されているように、IPトラフィックのソース及びシンクの両方として機能することができる。
【0169】
IPルータ62がコネクション型IPルータとして正しく機能するためには、予め構成されたルーティングプロトコルは、該ルーティングプロトコルによってデータが投入される全ての転送テーブルエントリが、コネクション型サービスのためのプロトコルに対して低い優先度であるように、ターンオフし、または構成しなければならない。その代わりに、全てのコネクション型サービスに関連する該転送テーブルエントリは、CLIを介し制御プレーンによって、または、当業者に知られている他の何らかの手段によって、提供された情報を用いて投入される。エンドツーエンド接続を提供するために、各ルータ(または、同等の交換装置)A、B、C、Dには、上記制御プレーンによるエンドツーエンド接続に適している転送テーブルエントリが投入される。これは、該IPルーティングヘッダ情報が、各IPルータ62内で同じであるため可能である。
【0170】
図15において、データプレーン56内に設けられたIP交換装置62の各々のコネクション型トラフィックのためのIPデータ転送機能は、各IPルータ62に関連するコマンドラインインタフェース74a、74b、74c、74dを用いて、制御プレーン54から制御される。
【0171】
図15に示す本発明の実施形態において、IP交換装置Aの転送テーブルのためのルーティング情報は、管理プレーン52で生成され、制御プレーン54を介してルータ62に伝達される。実施例として、ルーティング情報は、ネットワークマネージャ72によって生成され、適当なコマンドラインインタフェース(CLI)74aを用いて該交換装置へシグナリングされる。ルーティング情報は、IPルータ62B、62C、62Dの各々の転送テーブルに投入するために、CLI74b、74c、74dを介して同様に供給される。他の機能を該IPルータに実装してもよく、例えば、パケットスニファ34をIP交換装置Dに実装してもよい。
【0172】
エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークは、((例えば、ルーティングテーブル機能が実際には実装されないことを確実にするために)該機能をターンオフすることにより、または、これらの優先度を適切なレベルまで低下させることにより)コネクション型サービスを提供する該ネットワーク内の各IPルータ20のルーティングテーブル機能を無効にし、および構成する。本発明の好ましい実施形態においては、IPルータ62は、コネクション型サービスのみを提供し、コネクションレスルーティングは完全にターンオフされるが、別法として、ハイブリッド交換装置を設けてもよい(後述する)。
【0173】
ルーティングプロトコルが例えば、上記制御プレーンによって一旦、上述したように不作動にされると、該制御プレーンは、IPアドレス及びポート及び他のヘッダフィールドテーブルエントリに基づいて、該IP転送テーブルに投入するのに必要なルーティング情報を生成して供給する。そして、該IPルータは、この情報を用いて、IPルータ62a、62b、62c、62dの間に(図15に黒い太線の矢印で示す)適当なIPリンク接続を確立する。該IPルータが、一方向および/または双方向リンク接続をサポート(し、それに伴って、当業者には周知されている全二重サービスを提供)することが可能である。
【0174】
各IPルータ62は、この転送テーブル内のIPアドレスに関して探索操作を実行することによって受取ったIPトラフィックの各パケット内の最も外側のIPヘッダに基づいて、データ転送を実施する。ここで、該転送テーブルに、上記交換装置の制御プレーンから得られた情報が投入されている場合には、該データは、コネクション型サービスを提供するように転送される。
【0175】
コネクション型サービスに用いられるアドレッシングスキームが、該IPネットワークに用いられるのと同じ場合には、各IPルータ上の発信ポートを決定するために制御プレーンルートテーブルを用いて、上記制御プレーンがこのアドレスを直接利用することができる。そして、これは、当業者には理解されているように、該IPルータの転送テーブル内の静的エントリとして該IPルータに設定される。コネクション型サービスに用いられるアドレッシングスキームが、該IPネットワークによって用いられるのと異なる場合には、この制御は、該接続の終点のための正しいIPアドレスを見つけるためにまず、ディレクトリ変換探索を実行しなければならない。この結果、該制御プレーンは、このIPアドレスをこのルートテーブルと共に用いて、該IPルータの転送テーブル内に静的エントリを形成することができる。
【0176】
コネクション型トラフィックが、上記IPルータによってサポートされる唯一のトラフィックである本発明の好ましい実施形態においては、該IPルータの転送テーブル内の静的エントリは、エンドユーザのトラフィックに対して有効である唯一のエントリである。このことは、該トラフィック上の唯一のエンドユーザトラフィックが、該ネットワークに明確に許可されているトラフィックであるため、高度の安全性を与える。
【0177】
本発明の代替的実施形態においては、コネクション型トラフィックが、同じIPルータ上のコネクションレストラフィックと混合される。この実施形態において、コネクション型トラフィックは、転送テーブル内の静的エントリを、コネクションレストラフィックのためのエントリよりも高優先度にすることにより、コネクションレストラフィックと区別することができる。トラフィックのさらなる区別は、コネクション型サービスのサービス品質特性をサポートするために、例えば、コネクション型パケットを待ち行列バッファ内で高優先度にすることにより実行することができる。単純な優先順位付けよりも優る、IPトラフィック管理のために開発され、かつ当業者には知られている多くの技術を、コネクション型トラフィックをコネクションレストラフィックと区別し、およびコネクション型トラフィックのための通常のコネクション型QoSを提供するために利用することが可能である。
【0178】
制御プレーン54によって実行できる交換装置制御は、「ASONのアーキテクチャ(Architecture of the automatically switched optical network)」というタイトルのITU−T勧告G.8080で特定されかつ記述されている制御機能(または、適切なサブセット)を実施し、該勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の好ましい実施形態は、接続及び呼のコンセプト、制御とユーザプレーンの分離、および呼制御と接続制御の分離を可能にするG.8080と一致する方法で、制御プレーンを実施する。別法として、GMPLS、MPLS、または、レガシーPSTN制御プレーン、あるいはネットワーク管理システムを用いることができる。
【0179】
上記制御プレーンは、上記IPネットワークに関して可視性を有しており、どのリソースが接続されていないかが承知されている。一旦、AからDへの経路がシグナリングされると、該制御プレーンは、Dにおいて、どのリソースを接続を確立するのに使用できるかを知る必要があり、すなわち、どのリソースが接続されていないかを判断する必要があり、例えば、IPv6において、フロー識別子が接続されていない場合、該制御プレーンは、CPPを介して全ての交換装置に、この接続されていないフロー識別子を使用することを知らせる。要求がCPPによって受信されると、該CPPは、この要求を処理して、該制御プレーンの遠端のCPP(すなわち、トラフィックが、そこで該IPコアネットワークを出るIP交換装置のためのCPP)及び全ての中間CPPとどのように通信するかを判断する。該要求は、特定のルートを形成し、または、終点を識別することができ、また、該CPPに、ルートを見つけ出すことを依頼することができる。
【0180】
当業者は、接続の要求は、CPPがそれのためにデータ転送機能を制御するIPルータを介して制御プレーンプロセッサによって受信することができるが、該IPルータは、該接続要求を該CPPへ転送したときに黙々と機能する(すなわち、該CPPは、該IPルータが、受信した接続要求をどのように該制御プレーンに転送するかを制御しない)ことを承知しているであろう。
【0181】
ここで、図21について簡潔に説明すると、上記制御プレーンは、複数の相互接続された補助制御プレーンプロセッサ(CPP)78を備え、または、集中方式で実施することができる(この場合、制御プレーンプロセッサと交換装置の間のマッピングは、1:1と異なっていてもよく、複数の制御プレーンプロセッサが設けられ、複雑な階層的制御プロセス関係が可能である)。同様に、そのリソースが、他のCPPが故障した場合にのみ利用される1つ以上の予備のCPPを有することにより、代理機能性を与えることができる。単純化するために、異なるコンポーネントを区別する必要がない限り、主要構成要素は、ルータ62a、62b、62c、62d等及びネットワーク60a、60b等と呼ぶ代わりに、ルータ62、ローカルエリアネットワーク60と呼ぶことにする。
【0182】
通信ネットワーク50内の各IPルータ62は、相互接続されたローカルホスト(例えば、カスタマLAN)を備える2つ以上のローカルネットワーク60に接続されているが、図15には、LAN60a及び60bのみが示されている。制御プレーン54は、ルーティング情報を保持し、この情報は、データ転送プレーン内に設けられたデータ転送テーブルにデータ転送情報を投入するのに用いられる。該ルーティング情報は、(図15において、該制御プレーンと、関連するIP交換装置62とを繋ぐ点線上のバーとして示されている)それぞれのコマンドラインインタフェース(CLI)74を介して、各IPルータ62に提供される。該制御プレーンの構成は、図15に示されておらず、この構成は、制御プレーンプロセッサ78とIPルータ62の比によって、分散または集中させることができる。
【0183】
(例えば、図20及び図21に示されているような)完全分散型制御プレーンにおいて、各CPP78は、該CPPが制御するIPルータ62と1対1対応で配置されている。情報は、CPP78の間で、適当なシグナリングネットワーク(例えば、図20、図21参照)によって交換される。これらの補助プロセッサ78は、IPルータ62のデータ転送テーブルをどのように更新するかを制御する情報を生成し、また、IPアドレスを有する不良フレームが、または、与えられたシグナリング情報によって認識されないIPv6のフロー識別子の場合に、コネクション型サービスを提供するポートを介して該交換装置を通過するのを防ぐ。
【0184】
コネクション型サービスを提供することが可能であることを別として、IPルータ62の残りの機能は、コネクション型サービスを提供するのに必要な交換装置の作動の変化が、転送テーブルエントリを、このようなサービスを提供するように変えたことの結果として単純であるため、変わらない。
【0185】
コネクション型IPトランスポートモードが備えられている本発明の実施形態の場合のマルチパスは、図4のイーサネットの場合に概略的に示されているのと同様の方法で確立することができる。このため、図15においては、2つの経路を、IPルータAとDの間に確立することができ、一方の経路は、ルータ交換装置B及びCを通るものであり、他方の経路は、IPルータBだけを通るものである(経路ABDは、図15において、BとDの間の点線の矢印で示されている)。
【0186】
こうして、多数の接続を、コネクション型サービスを提供するIPルータ62を用いて形成することができる。上記制御プレーンを、該経路の何れかの箇所において、AからDへのトラフィックフローを動的に再構成することができるため、トラフィックは、現在の経路が、許容できないレベルの劣化に見舞われた場合には、新たな経路に動的に切替えることができる。このことは、IPトラフィックの高帯域ソースが、該ネットワーク上の元の経路に影響を及ぼす他のトラフィックが後に生成された場合でも、このシンクに対するサービス品質を維持することを可能にする。
【0187】
また、帯域幅を必要とする場合、トラフィックは、2つ以上の経路に沿って同時に送信することができ、また、適切なシークエンシング等の操作は、宛先IPルータ62Dで実行することができる。本発明の1つの別の実施形態において、予め投入された、両方のルートに関連する全てのIPルータ62のデータ転送テーブルエントリに対して、第1のルートに障害が発生した場合、上記制御プレーンがデータを再投入する必要がある転送テーブルは、第1のルートから第2のルートへの切替えを実施するソースIPルータ62Aの転送テーブルだけである。
【0188】
いくつかの実施形態において、制御プレーンプロセッサCPP78は、ルーティング情報を提供するのに加えて、呼接続制御機能を実行できる。例えば、IPルータAを制御するCPP78aが接続要求を受信した場合、該CPPは、ソースLAN60aからシンクLAN60dへ発信されるトラフィックのための適切なルートを決める。また、CPP78aは、上記転送テーブルが適切に更新されるように、CPP78aが決めたルート上の他のイーサネット交換装置62(例えば、図15に示された第1の経路の場合、これは、IPルータA、B、C及びDになる)に適切なシグナリングが送信されることを確実にする。
【0189】
本発明の一実施形態において、IPv6の場合と同様に、IPパケットヘッダ内にフローラベルが存在する場合、該トラフィックフローは、フローラベルを用いて分けられる。このことは、(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするように)適切なトラフィック管理を実施することを可能にする。該フローラベルは、交換する必要はなく、また、これらのフローラベルが交換されていない場合、これらのフローラベルは、これらのフローラベルがIPアドレスと結合されている場合に、グローバル識別子の一部として用いることができる。このようにして、スケーラブルなネットワークを管理するための完全にスケーラブルなソリューションを、例えば、宛先アドレスとフローラベルの組合せに基づいて、トラフィックを転送することにより、提供することができる。フローラベルが上記IP交換装置によって交換される場合、フローラベルは、単にローカルな意味のままである。
【0190】
従って、ソースIPルータAとシンクIPルータDとの間のエンドツーエンド接続は、経路(例えば、第1および/または第2の経路)に沿った各IPルータ20のための転送テーブルエントリの各々に、適当な転送テーブルエントリを投入することにより形成される。転送は、該IPの関連のあるヘッダ情報を、該IPルータの発信ポートに適合させる転送テーブルによって実施される。
【0191】
IPv4フロー制御
イーサネット交換装置を用いたこれまでの説明においては、VLANタグは、IPv6のフローラベルが、多数の経路を実現するために用いられる方法と同一の方法で用いられていた。また、IPv4においては、このマルチパスフローラベルを実施する多くの方法がある。1つのオプションは、サブネットワークアドレスを、宛先アドレス、及び各経路を識別するサブネットワークを有するアドレスとして用いることである。このため、上記制御プレーンは、各経路のルーティングを制御するために、各IPルータの転送テーブル内に、サブネットワークマスクを適切に設定することができる。第2のオプションは、IPソースルーティング、すなわち、あいまいなソースルーティングまたは厳密なソースルーティングのどちらかを用いることである。第3のオプションは、エンドパスを識別するために、IP−in−UDP−in−IPマッピングを用いること、および該IPルータにおいて、TCP/UDPポート転送を用いることである。その他のオプションは、IPv4ヘッダ内のオプションフィールドのうちの他のものを用いることができる。
【0192】
図16及び図17は、現在、当業者に知られているIPの関連のある標準的なバージョンをそれぞれ概略的に示し、図16は、IPv4のフォーマットを示し、図7は、IPv6の基本的なヘッダフォーマットを示す。図16及び図17は、当業者に周知されており、また、本明細書において詳細に説明しないプロトコルヘッダを例証するために記載されている。当業者は、IPパケットという用語が、本明細書に記載された特定の実施形態に限定すべきではなく、その特徴が本発明を実施することが可能であるどんなタイプの機能的に同等のパケットフォーマットも指すことを、はっきりと理解できるであろう。
【0193】
IPアドレスフィールドの長さによって課される制限は、IPヘッダ情報をカプセル化するように該アドレスフィールドをスタックすることによって緩和することができる。このことは、図18に概略的に示されている。IPのためのカプセル化スキームに関してさらに詳しくは、当業者には知られている、IETFより入手可能なRFC(Request for Comments)標準化ドキュメントRFC1853、または、欧州電気通信標準化協会(ETSI(European Telecommunications Standards Institute))またはITUから入手可能な同等の標準化ドキュメントを参照されたい。(IP−in−IPは別として)1つのIPパケットを別のIPパケットで伝えることを可能にする、多くの他のカプセル化スキームが存在し、様々な用途に用いられる(また、将来、より多くのことが規定される可能性がある)。例えば、上述したマルチパスという特徴をサポートするのに用いることができる、IP−in−UDP−in−IPというカプセル化が存在する。この説明において、IP−in−IPは、RFC1853で記述されているIP−in−IPカプセル化だけではなく、適しているものであれば、どのようなカプセル化も含む。
【0194】
カスタマが明白なIPヘッダ情報が、例えば、キャリヤによって与えられるIPヘッダ情報内にカプセル化される、および階層的アドレッシングスキームが実施される、本発明の実施形態においては、上記制御プレーンは、確実に該カスタマと分離される。該カスタマをカプセル化するこの外側ヘッダは、ソースIPルータ62aにおいて、外側ヘッダを従来のヘッダ情報に与えることにより、それ自体のアドレッシングスキームを行う該制御プレーンによって提供することができる。
【0195】
本発明のこの実施形態において、IP−in−IPカプセル化スキームは、制御プレーン12によって制御される。カスタマソース及び宛先IPアドレスは、ネットワークエッジのIPルータ62において、IPアドレスフィールド内にカプセル化される。IP−in−IPカプセル化を実施する場合、カスタマパケットは、カプセル化され、該制御プレーンと情報をやりとりせず、その代わりに、該制御プレーンは、該IP交換装置によって供給されたカプセル化IPヘッダに基づいて作動し、該カスタマIPアドレスを、該IPコアネットワークに対して有効に不可視のままにすることを可能にする。
【0196】
図19には、コアIPネットワークのためのIP−in−IPサービスが示されているが、カスタマIPパケットをキャリヤのIPパケット内に包み込む原理は、他の技術にも適用することができる。カスタマのパケットは手つかずであるため、透過性が備わる。この結果、キャリヤは、(スケーリング、セキュリティ、分離及び故障検出を実行できる)キャリヤ自体のアドレッシングスキームを自由に用いることができる。
【0197】
図19は、プロバイダ(P)のIPパケットがどのようにして、カスタマヘッダとは完全に無関係である他のフィールドを含むことができるかを示す。このような方法で、ネットワークコア内で、使用するIPアドレスは、カスタマIPアドレスを、そのIPアドレッシングスキームが用いられるキャリヤによって与えられたアドレスであるため、必要に応じて、ネットワークエッジの交換装置において逆カプセル化するのみで、強化された安全性を与えることができる。最初の方の図面で用いた番号付けスキームは、同じかまたは同等の機能を有する図19の構成要素に対して維持される。
【0198】
図19には、トラフィックがネットワークを流れる際に、キャリヤIPパケット内に保存されたカスタマIPパケット(図において、c−IPパケットで示す)が示されている。一実施形態においては、エッジIPルータ62のみがカスタマアドレススペースを理解する。しかし、このことは、ポイントツーポイントサービスが提供される場合には必要ない。コアIPルータ62は、プロバイダアドレススペースを理解することのみを必要とする。
【0199】
本発明によって提供されるIPネットワークは、IPソースアドレス(SA)及び宛先アドレス(DA)を用いて、(外側IPヘッダを用いた)エンドユーザCO−PSサービスを提供する。このことは、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者が、「専用回線」型のサービスを提供することを可能にし、この場合、カスタマIPパケットは、透過的にトランスポートされる(例えば、添付図面の図19を参照)。内側IPヘッダは、従来のIPルータ及びIPルーティングプロトコルを用いて処理され、従来のコネクションレスIPとして作用する。本発明の一実施形態においては、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者は、別のサーバレイヤを付加して、トラフィックエンジニアリング等の独自仕様のサービスを実施することが可能である。
【0200】
本発明の別の実施形態においては、上記内側及び外側ヘッダは、異なるバージョンのIPであってもよい。
【0201】
上記内側及び外側ヘッダは、論理的に分離されており、本発明の多くの実施形態が可能である。これまでは、外側ヘッダがイーサネット(MAC)である実施形態について説明してきたが、この場合、それぞれが異なる内側ヘッダを備えるさらに多くの構成実施形態がある。実施例は、IPv4−in−MAC、IPv6−in−MAC、IPX−in−MAC及びMAC−in−MACを含む。ここで説明した実施形態においては、該外側ヘッダはIP(例えば、IPv4またはIPv6)であり、多くの構成実施形態がある。同様に、実施例は、IPv4−in−IP、IPv6−in−IP、IPX−in−IP及びMAC−in−IPを含む。
【0202】
当業者は、G.8080が、コネクション型ネットワークの制御プレーンのためのアーキテクチャについて記述されており、該アーキテクチャが、コネクション型サービスをコネクションレスIPネットワーク環境に提供することができるG.8080の制御プレーンのコネクション型機能を実施することによるものであることを承知しているであろう。G.8080のコネクション型制御プレーンは、コネクションレスIP技術を制御するのに用いられ、そうすることで、該IPルータの動作を変換する。
【0203】
本発明の一実施形態においては、呼/接続制御プレーンプロセッサ(CPP)36とIPルータ62を分離するためにG.8080に準拠する適切なインタフェースが設けられ、例えば、各IPルータ62は、今現在ある独自のコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して制御することができる(図20参照)。該CLIを横切るコマンドを解釈し(すなわち、該コマンドラインインタフェースまたは制御プレーンに対する変化に対応し、該インタフェースの両側で用いられる「言語」を変換する)この実施形態が必要とするスタブまたは仲介者は、この図面には図示されていない。また、G.8080のアーキテクチャは、該制御プレーンを交換装置のプラットフォームに統合することも可能にする。これは、制御プレーン機能を追加するように該交換装置プラットフォームに対して変更を必要とするが、データ転送機能を実行できるハードウェアを替える必要はない。
【0204】
本発明の別の実施形態において、GSMP等の、上記交換装置と制御プレーンとの間の標準化インタフェースは、該制御プレーン機能を実施するのに用いられる。例えば、GMPLS及びネットワーク管理プロトコルまたは同様の制御あるいは管理プレーンプロトコルは、必要な機能、例えば、XMLまたはITU−T勧告M.3100を実施するのに用いることができる。
【0205】
「アドレッシング及びラベル付け」を行うコネクション指向手段は、シグナリングシステムをこれらに関連付けるのに用いた状態で、互いに分離することができる。本発明は、IPアドレスを、上記制御プレーン内でのみ可視的である「ラベル」として処理する。原理的には、アドレッシングは、該IP交換装置の補助プロセッサに対してのみ可視的であり、すなわち、該制御プレーン内でのみ可視的であるため、どのようなアドレッシングスキームも用いることができる。しかし、コネクションレスネットワークとの互換性を与えるために、IPv4アドレッシングを用いることができ、または別法として、IPv6を用いることができる。プライベートアドレッシングの広範な利用を仮定すると、グローバル一意アドレスは、2つの形態のうちの1つで明確に形成されている。第1の形態は、IPの仮想プライベートネットワーク(VPN(virtual private network))で用いられる絶対的なグローバルアドレスであるVPNid/IPv4アドレスである。グローバル一意アドレスの第2の形態は、NATアドレスである。このグローバル一意アドレスは、プライベートIPv4アドレスが後に続くゲートウェイの公衆IPv4アドレスの連なりとして明確に形成される。NSAPアドレス、E.164アドレスまたは何らかの適用可能なグローバル一意アドレスフォーマット等の代替例を、本発明の代替的実施形態に用いることもできる。
【0206】
ネットワーク運用を実施する当業者にはよく知られているように、交換装置インタフェースの地理的および/または物理的位置に基づく形態等の人間の形態のアドレッシングを用いることが可能である。
【0207】
制御プレーン54によってデータプレーン56へ送信されるシグナリングは、ここでは、IPトランスポートに特有のパラメータを可能にする単純な拡張子を有する必要な機能を有する、イーサネットトラフィックとの関連で本明細書において詳細に上述した本発明の一実施形態に従って、現在の標準的なシグナリングプロトコルのうちの1つに準拠する。
【0208】
ルーティング機能は、イーサネット交換装置に注力した実施形態との関連で上述したのと同様の方法で実施することができる。
【0209】
動的ルーティングの特定の実施形態は、上記ルータ内のルーティングプロトコルを用いることができる。この実施形態において、該ルータは、その通常のルーティングプロトコルを実行して、ルートテーブルを計算することができるが、エンドユーザトラフィックの転送は、該トラフィックが通常のコネクションレスルーティングにあるため、このルートテーブルには直接的に基づいていない。その代わり、該制御プレーンは、該転送テーブル内の転送エントリを計算するために、該ルータ上のこのルーティングテーブルをそのルーティングテーブルとして用いる。この実施形態において、該ルータは、ルーティングプロトコルの良好な実施に必要なため、該ルータ自体のアドレスを除いて、該ルートテーブルの該転送テーブルへの通常のコピーが不作動状態にされるように構成される。該ルータがこのコピー動作を不作動にする方法は、該ルータの正確な実施及びCLIの能力により、変わってもよい。このことを支援するのに用いることができる1つの特定の方法は、コネクション型サービスのエンドポイントのIPアドレスからの異なるIPアドレススペースからルータIPアドレスが割当てられる。該IPルータによってサポートされる場合、フィルタは、該ルータ自体のIPアドレスのみのコネクションレス転送を可能にするように設定することができる。このような実施形態は、オートディスカバリ及びリンク、およびノード故障検出を自動的に実施する。
【0210】
従って、図15に示す本発明の実施形態において、ルーティング情報は、複数のプロセッサとして実施された制御プレーンによって提供され、各制御プレーンプロセッサ78は、入力を単一のIPルータ62に供給し、このことは、コマンドライン74を介して行うことができる。この情報は、適当なルータまたは交換装置制御プロトコルを用いて、または、通信ネットワーク内の各IPルータ62のために設けられたコマンドラインインタフェースを明確に介して供給することができる。
【0211】
分散型制御プレーン機能が、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを形成するように、制御プレーンアーキテクチャが配置されている場合、該制御プレーンの各コンポーネントは、制御プレーン機能を1つ以上の交換装置に与え、また、このようにして、IPルータ62のための制御プレーンを、IP交換装置用イーサネット交換装置に関して上述したのと同等の方法で実施することができる。他の実施形態との関連で上述してきたように、制御情報を該IPルータへ伝えることが可能な何らかの適当なプロトコルを用いることができ、例えば、管理または制御プレーンプロトコルネットワークを用いることができる。該制御プレーンプロトコルは、本発明によって必要とされるIP固有パラメータに関する当業者には明白であるようにこれらが適応されるならば、管理プロトコルに基づいて独自仕様とすることができ、または別法として、上述したようなGMPLS、ASON−RSVP−TE、CR−LDP、PNNI、SS7等の標準的な制御プロトコルに基づかせることができる。
【0212】
当業者は、IP交換装置のCLIに変化が起きた場合、上記制御プレーンと該CLIとの間の交換装置ソフトウェアスタブは、更新する必要があることを承知しているであろう。このことは、該ソフトウェアを更新することを要し、該制御プレーンが該交換装置と通信するために、独立した通信ネットワークが必要である。
【0213】
図20には、3つのIPルータ62A、62B及び62Cが示されており、各IPルータは、付随するCPP78を有する。
【0214】
各CPP78は、GSMPインタフェースを備える、xで示されたCLIにより、および/またはインタフェースyにより、適当なインタフェースを介してIPルータ62に接続されている。別法として、該制御プレーンからIPルータ62を遠隔制御することが可能な他の何らかの公知のプロトコルを用いることができる。しかし、交換装置管理プロトコルインタフェースを該交換装置を遠隔制御するのに用いた場合、この交換装置ソフトウェアは、該CPPと通信するために変更する必要があり、例えば、スタブまたは仲介者が必要になる可能性がある。
【0215】
図21は、本発明の代替的実施形態を示し、CPP78は、異なるCPP78が、異なる通信ネットワークを用いて通信することを可能にする異なる接続形態で接続されている。例えば、CPP78は、IPv6パケット内のフロー識別子を用いて、CPP78とIPルータ62との間で制御メッセージを伝えるのに用いることができる仮想プライベートネットワークを識別することができる。該仮想プライベートネットワークは、制御VPNの各々を識別することが可能であるように、ネットワーク事業者によって設定される。このように、例えば、異なる制御プレーン機能を異なるVPN内で実施することが可能である。このようにして、論理的に帯域外の制御をコネクション型IPトランスポートモードに対して実行することが可能である。また、当業者は正しく理解するように、VPNは、他の目的に対しても、例えば、OAMパケットを伝えるのにも用いることができる。
【0216】
(デュアルモード/ハイブリッドIP交換装置)
本発明の別の実施形態において、IPルータは、コネクションレスサービス及びコネクション型サービスの両方を提供するように配置されている。該IPルータは、いくつかのコネクションレス機能を直接提供する。この実施形態において、該データ転送プレーンは、そのコネクションレス機能、すなわち、コネクションレスサービスを保持する。該データ転送テーブルエントリは、コネクション型サービスの場合にのみ該制御プレーンから得られた情報を用いて更新される。
【0217】
当業者は、本発明の実施形態の詳細な説明において上述した特徴に対する多くの等価物及び変更例が明白であることに気付くであろう。従って、本発明の範囲は、上述した特定の実施形態によってではなく、添付請求項によって解釈すべきである。
【0218】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除いて、説明及び請求項全体を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」等の言葉は、排他的または網羅的意味とは対照的に包括的に、換言すれば、「含むが、これらに限定するものではない」という意味で解釈すべきである。
【0219】
これまでの説明は、カプセル化されたIPトラフィックを、従来のIPネットワークに対して使用可能な現存するツール、技術及びプロトコルの全てを用いて転送することができると同時に、該カプセル化されたIPトラフィックが、それぞれの制御プレーン及びアドレススペースを用いることができることを明確に示している。しかし、該カプセル化トラフィック及びその制御トラフィックの一部または全ては、同じ方法で転送する必要はない。
【0220】
これらのトラフィックをユーザトラフィックと共にトランスポートする(すなわち、該トラフィックが、ルータ間のトラフィックと同じリンクを使用する)制御プレーンソリューションの場合、制御トラフィックをネットワークのあちこちに送信することができるように、(カプセル化を実行できるレイヤ内に)トラフィックを制御及び管理するために設けられた接続を、予め単純に手動で設定することができる。これは、ユーザトラフィックのための接続を形成するための必要条件である。しかし、他のスキームを想定することもできる。異なる転送動作は、異なる層に適用され(「IP−on−IP」は、カプセル化されたトラフィックがクライアント層と関連し、カプセル化するトラフィックがサーバレイヤと関連するITU勧告G.809の意味で、全クライアント/サーバカプセル化と見なすことができる)水平に適用することもできるという意味で、カプセル化された及びカプセル化するIPトラフィックに適用することができる。管理及び制御トラフィックのための予め備えられた接続ではなく、該制御トラフィックは、コネクションレス方式で送信することができ、一方、ユーザトラフィックは、(カプセル化層内の)接続に沿って送信される。
【0221】
従って、カプセル化を実行している層は、制御トラフィックが従来のIP転送技術に従って転送され、コネクション型のようなトラフィックが新たな制御プレーンを用いて転送されるように、分割することができる。転送動作を区分することの利点は、制御プレーントラフィックが、従来のIPネットワークで使用可能な全てのツール及びプロトコルを用いることができるということである。従って、ICMP(Internet Control Message Protocol)等のプロトコル及び(トレースルート及びPing等の)その属性を、制御プレーントラフィックに対して展開することができ、また、該制御プレーンも、ルーティングテーブルにデータを投入するためのIPルーティングプロトコルを用いて、制御トラフィックの転送を支援することができる。制御トラフィックのためのルーティングプロトコルは、制御トラフィックに関連していないIPアドレスを単に除去することにより、ルーティングテーブルに制御プレーントラフィックのみを投入するのに用いることができる。
【0222】
ICMP等のツールも接続内で用いることができることに注意すべきである。この場合、これらは、接続という脈絡に限定されるが、従来のIP診断ツール及び技術は、「接続中に」実行して、該接続を監視するためにOAM機能を与えることができる。さらに、これらのツールは、一方向接続に用いることができる。ここで、リターンパスは、該接続をたどる必要はなく、返信メッセージを該制御プレーンに送信することができる。別法として、双方向接続を形成するように関連付けられている2つの一方向接続の場合、該リターンパスは、別の方向で該接続をたどることができる。
【0223】
制御プロセッサ間の制御トラフィックが、ユーザトラフィックのネットワークとは別のネットワーク(すなわち、独立した異なるリンク)上を伝わる場合、制御プレーントラフィックの転送は、どんな場合でも、ユーザトラフィックの転送とは完全に分かれている。また、このトラフィックのアドレッシングスペースも分かれており、実際には、同じ種類(すなわち、1つのスペースのIPv6にIPv4)である必要はない。
【0224】
本発明の上記の実施形態は、コネクションレストランスポートモードのために元々設計された交換装置を用いて、コネクション型サービスを提供することが可能であることを明白に示している。上記制御プレーンから遠隔的にデータを投入することが可能であるルーティングテーブルに依存するOSIレイヤ2またはレイヤ3のコネクションレストランスポートモードをサポートするように元から設計されたどのようなレイヤ2通信機器も、コネクション型サービスを提供するのに用いることができる。元々のコネクションレスアドレッシングスキームは維持することができるが、各フレームヘッダにアドレス情報を含む1つ以上のフィールドは、該制御プレーンにより、該交換装置に対する適切なインタフェースを介して該ルーティングテーブルを更新するのに用いられる。コア(例えば、キャリヤ)ネットワークのエッジにおける交換装置において、アドレス情報をカプセル化することにより、カスタマアドレス情報を、キャリヤが提供するアドレス情報内にカプセル化することができ、その結果、該ネットワーク全域でより確実にトランスポートすることができる。
【0225】
図22A及び図22Bは、IPルータの転送テーブル80に、制御プレーン54によってどのようにデータを投入することができるかを示す。IPにおいて、転送テーブルは、一般に、ルーティングテーブルと呼ばれており、該IPルータの特定の発信ポートに関連するルートの優先リスト(アドレスの有効な集合)を含む。本発明によれば、制御プレーン54は、デフォルトルートが設けられている場合、デフォルトルータが確実にコネクションレスになるように優先されたルートをIP転送テーブル80に投入する。該IPルータの転送エンジンは、受信したIPパケットのためのルータの特定の発信ポートに関連するルートを選択する際、図22Aに示す転送テーブル80内のルートエントリを単に調査する。図22Aに示す実施例において、ルート82aは、最も優先度の高いルートであり、一方、ルート82bは、より低い優先度を有する。ルート84は、本発明のこの実施形態において、コネクションレスであるデフォルトルートである。
【0226】
図22Aに示す実施形態において、マルチパスルーティングを実施するため、IPアドレススペースのサブネットを宛先アドレスに割当てることが可能であり、この結果、該IPサブネットのアドレススペース内の各個別のアドレスは、異なる経路であることを識別するのに用いることができる。このようにして、多数の経路を、標準的なIPプロトコルに準拠するトラフィックに対して、コネクション型方式で設定することができる。例えば、当業者に知られているIPアドレッシングスキームにおいて、クラスCサブネットは、宛先アドレスとして用いることができ、256の経路まで、個々のクラスCアドレスを用いて指定することができる。
【0227】
図22Bは、本発明によるIPルータのための転送/ルーティングテーブルの代替的実施形態を示し、制御プレーン54は、該転送テーブルに、一連の標準IPルートのアドレスと、マスクされたアドレススペースとを備えるルート情報を、図22Aに示す方法で投入し、加えて、TCP/UDPポート識別子を与えて、多数の経路をソースと特定のIP宛先アドレスとの間に設定できるようにする。
【0228】
上記の実施形態は全て、本発明が、いくつかの手段により、例えば、特定のVLANタグまたはデフォルトルーティングテーブルエントリを用いて、このようなものとして識別した場合にのみ、コネクションレストラフィックモードを中断または許容した状態で、OSIレイヤ2またはレイヤ3の交換装置が、コネクションレストラフィックモードをサポートして、コネクション型トラフィックモードをデフォルト送信モードとしてサポートすることを可能にする手段を実現できることを実証している。
【0229】
従って、この発明は、通常、コネクション型サービスに付随する全てのマルチパスの特徴及び経路回復の特徴を含むコネクション型サービスに対する、現存するコネクションレス機器の再利用を、現存する機器に、または、該機器に関連する何らかの標準にどのような変更も伴うことなく可能にする。マルチパスという特徴及び経路回復を実施するためには、単純な宛先アドレスまたはソースアドレスと宛先アドレスのペアによって届くことができないマルチパス識別子が必要である。このためには、VLANid、IPv6のフロー識別子、または、従来技術からは失われている、以下に説明するIPv6の多くの可能性等のさらなるフィールドが必要である。コネクション型トラフィックの制御は、現存するコネクションレス制御プロトコル、例えば、イーサネットブリッジ学習及びスパニングツリープロトコルまたはIPルーティングプロトコルに対して、完全に分離されており、そのため、コネクション型サービスに通常関連する安全性を与える。
【0230】
従って、従来の制御プレーンプロトコルを不作動状態にすることにより、該ハードウェアを再構成して、コネクション型モードで作動させることが可能である。コネクション型の形態が回線交換(例えば、TDMまたは波長)またはパケット交換(例えば、ATM)であるかに関係なく、コネクション型を規定するものと考えられるプロパティのセットがある。これらは、情報の転送の前に、リソースを要求して割当てることを含む。上記データプレーンにおいては、転送が、リンクローカルの意味を有する接続識別子に基づいていると仮定されている。実施例は、TDMネットワークにおけるタイムスロット、光ネットワークにおける波長、ATMにおけるVCI及びVPIフィールド、フレームリレーにおけるDLCIフィールド、およびRSVP−TEベースのMPLSネットワークにおけるラベルを含む。この接続識別子は、当業者には、「ラベル」としても知られており、該ネットワークを介してトランスポートされる各トラフィックユニットに関連している。当技術分野においては、ラベルを用いて、トラフィックユニットを転送することが知られており、例えば、コネクション型パケット交換(CO−PS)ネットワークにおいては、ラベルスワッピングが拡張性を実現することができる。該ラベルは、明確なまたは絶対的なものであってもよい(例えば、タイムスロット)。
【0231】
IEEEは現在、プロバイダのアドレススペースをカスタマのアドレススペースから分離すること、カスタマフレームにタグを付けないまたはタグ付けすること、カスタマが、スパニングツリープロトコル等の自身の制御プロトコルを使用すること、および階層の使用が、ネットワークのエッジにおいて、カスタマフレームをカプセル化することにより、安全性を与えることを可能にする、MAC−in−MACカプセル化を開発中である。また、階層の使用は、例えば、階層の中の1つの層における管理制御が、他の層で実施される制御から独立しているように、管理の制御の分離を可能にする。
【0232】
本発明のいくつかの実施形態においては、クライアント層をコネクションレスにすること、および転送及びブリッジ機能を該クライアント層においてIEEEによって規定されているようにすることが可能である。このことは、タグ付けされない及びタグ付けされたフレームに適用することができる。コネクション型構成を用いてVLANを説明する必要はなく(VLANは接続ではない)、また、カスタマの視点からは、この層における該ネットワークは、他の何れかのイーサネットネットワークのようにも見える。しかし、このような実施形態において、該サーバレイヤにおいては、イーサネットフレームの通常のフォーマットが維持されるが、ブリッジ機能はオフにされ、例えば、MAC学習及びブロードキャストは未知にされる。また、スパニングツリーも不作動にされる。この結果、本明細書で提案されたコンセプトは、VLANの領域の一部または全てに適用することができる。
【0233】
IEEEの仕様は、転送テーブルに、コンフィギュレーションの手段によって、コネクションレスルーティングを実施することを目的として、静的にデータを投入することを可能にするが、本発明は、このメカニズムを用いて該転送テーブルにデータを投入して、イーサネットまたはIPトラフィックのソースとシンクとの間でコネクション型ルーティングを実施する。このことは、現存するハードウェアを用いたコネクション型転送を可能にする。転送テーブル内にエントリを有していないPDU(例えば、フレームまたはパケット)がある場合、該PDUは、単純に外される。このようにして、トラフィックは、接続に関連していない限り、該ネットワークに許容されない。
【0234】
次に、添付図面の図23について説明すると、OSIレベル2でのトラフィック(例えば、イーサネットアドレス情報を有するトラフィック)に対して、該コアネットワーク内の交換装置間でマルチパスルーティングを実施する本発明の実施形態が示されている。同等の実施形態を、OSIレベル3のトラフィック、例えば、IPアドレス情報を有するトラフィックに対して実現できる。
【0235】
図23には、交換装置A、B、C及びEの間に第1の経路が示されており、交換装置A、D及びEの間に第2の経路が示されている。図23には、カスタマトラフィックがイーサネットトラフィックを備える、本発明の実施形態が示されている。カスタマイーサネットトラフィックフレームは、適当なカプセル化スキームを用いて、プロバイダアドレス情報を該コアネットワークのイーサネット交換装置20の間に伝えるイーサネットフレームにカプセル化される。同様のカプセル化スキームを、IPトラフィックに対して実施することができる。
【0236】
従って、図23に示す実施形態においては、ノードAにおいて、管理プレーン10(および/または制御プレーン12)は、VLAN ID100に関連付けられたトラフィックを該第1の経路に沿って転送するための発信ポートを構成しており、VLAN ID120を有するトラフィックは、該第2の経路に沿って転送される。図23において、ネットワーク要素A及びEは、ネットワークエッジデバイス、例えば、カスタマが直面するポートを提供する、802.1ahに準拠するデバイスに相当し、この場合、カスタマトラフィックは、Aにおいて、構成されたイーサネット交換経路上でカプセル化され、Eにおいて抽出される。
【0237】
該第1の経路は、VLAN−ID120が割当てられたトラフィックのためのプロビジョニング及び管理プレーンで計算されている。従って、介在するPで設定された転送テーブルは、各デバイスの適切な出口ポートに、VID=120/MAC=Eを対応付けるように切り替わって、連続的経路を形成する。該第2の経路の場合、同じプロセスが、VID=100/MAC=Eを用いて該スイッチに設定された経路を生じる。同様のプロセスは、EからAへの対称的な帰路を設定するのにも用いられる。
【0238】
該実施例において、これらの経路は、転送エントリを提供するVID及びMACの組合せであることを説明するために、ノードDにおいて、意図的に融合/分離する。これは、転送経路を決める2つの連なりである。経路120/E及び100/Eが交差する上記の実施例の場合、別のMACアドレスと共に用いられるVID100または120等のどちらかのスペースにおけるコリジョンは、単一の出口ポートに対して独自に解決される。
【0239】
VLAN IDは、ここでは、宛先アドレスまでの多数の並行経路のうちの1つを識別するのに用いられている。VLAN IDフィールドは、このように用いられた場合には、もはやグローバルに有効ではなく、VLAN ID値は、異なる宛先アドレスに再利用することができる。しかし、各交換装置における転送には影響はない。
【0240】
本発明によれば、上記制御プレーンによって、上記転送テーブルに組み入れることができるインデックスヘッダフィールド識別子の値またはこれらの値の組合せを用いることができるが、上記の実施例において、これは、転送がそれに基づいているMACアドレスとVLAN IDの組合せである。このことは、これらのフィールドの組合せを用いて、グローバル一意性を確実にしている間、VLANタグレベルでの「融合(merging)」を可能にする。このことは、魅力的なスケーリング作用をもたらすと共に、融合時にだけラベルを用いるコネクション型技術において起きるソースの可視性の喪失を回避する。VLANスワッピングとは対照的に、何らかの新たなかたちの転送メカニズムの導入は必要ない。
【0241】
現存するMACアドレスに加えて、VLANタグ等の別のヘッダ識別子を利用し、該ネットワーク上の交換装置間の各ホップ上のMACアドレス及びVLAN IDに対して同じ値を用いることにより、該通信ネットワークでの接続のためのOAMは、大幅に単純化される。例えば、誤設定等の転送エラーの自己識別は迅速である。具体的には、付加ヘッダに加えてMAC宛先アドレスは、トラフィックエンジニアリング能力をイーサネットに加えることを可能にする。このことは、現存するイーサネットソリューションに関してかなりの利点を意味する。帯域幅管理及び接続許可制御等のコネクション型の能力は、リソース管理を実行できる。
【0242】
既存のコネクション型技術とは対照的に、転送は、単一の絶対的または明確なラベルによってではなく、宛先アドレスと、ルート識別子(route distinguisher)として機能するヘッダ識別子ラベルの両方の組合せによって行われ、例えば、より高い優先度のトラフィックに、コネクション型モードのトランスポートを割り振ることができ、一方、より低い優先度を有するトラフィックは、コネクションレスモードで該ネットワーク内をルーティングし続けることができる。明らかに、ラベルは、コネクション型転送に対して十分なものであるが、アドレスも用いる場合には、追加的な機能を得ることができる。ほとんどのコネクション型技術の場合、これは不可能であるが、イーサネット(または、IP)の場合、これは、フレーム/パケットフォーマットの結果として可能である。アドレスとラベルの組合せは、スワッピングが必要ないことも意味する。このため、転送自体は、コネクション型またはコネクションレスの作用を単に決めずに、作用の形態は、同じフレームフォーマット及び同じハードウェアを用いて得ることができる。
【0243】
アドホックベースのコネクションレスルーティングを実施するように構成され、かつ制御プレーンとインタフェースをとる手段を有する、OSIレイヤ2及び3の交換装置は、コネクションレスルーティング/アドレス学習機能が、コネクション型サービスがそれに対して実施される交換装置の全てのポート、または該ポートのサブセット上で不作動状態にされるならば、本発明に従って、コネクション型ルーティングを実施するように適応させることができる。このことは、コネクション型ルーティングを、全てのまたは1連のポート(あるいは、VLAN−IDまたは、該交換装置が調べることが可能な他のフィールド識別子)に対して実施できるようにし、この場合、該制御または管理プレーンは、該交換装置の転送テーブルに直接データを投入するのに用いられる。該交換装置の動作は、いくつかの実施形態において、静的に決められるのではなく、該制御プレーンの制御の下で、選択的である。
【0244】
その転送テーブルに、このように直接データが投入されている、複数のイーサネット交換装置を通信ネットワークに設けることにより、該交換装置は、そのヘッダフィールド識別子の値が、上記制御プレーンが、コネクション型サービスを提供するスイッチに設定した値とマッチする全てのトラフィックに対して、CO−PSモードで効率的に作動する。このことは、VLAN−IDに基づいて、いくつかのエントリに対して行うことができ、他のエントリは、他のヘッダ識別子、例えば、イーサネット、または優先度、あるいは、これらの組合せを、実際には、該制御プレーンによって提供することができ、該交換装置によって使用される転送テーブルに投入することができるような適切な方法でフォーマット化することができ、およびトラフィックヘッダフィールドから、該交換装置により抽出された情報に適合することができる何らかの情報を備えることができる。従って、出口ポートがVLAN−ID及びDAに関連付けられているいくつかのエントリと、出口ポートがイーサタイプ及びDA、または優先度及びDA等と関連付けられている、同じテーブル内の他のエントリとを有するテーブルを有するように、該交換装置を構成することが可能である。該エントリの多様性は、トラフィックのための複数の経路をもたらすことが可能である(例えば、特定のVLAN−ID及びDAに関連する出口ポートが輻輳している場合、これらの情報が異なる出口ポートと関連付けられていれば、該DA及びイーサタイプまたは優先度に基づいて、該トラフィックを代替的な経路に沿ってルーティングすることが可能である)。
【0245】
上記制御プレーンは、通信ネットワーク全域で接続を確立するように、関連のある全ての交換装置の転送テーブルを設定する(すなわち、各連続する1連の交換装置は、各エントリが、一方向(逆方向にも対応付ける場合、すなわち、SAからDAは一方向であるが、SA−DA及びDA−SAエントリは双方向接続を設定する場合には、双方向)の接続を設定するように、その転送テーブルにデータを効率的に投入することになる。転送テーブル内の識別子は、ひとつづきのまたは1連の識別子、例えば、特定のMAC DAに固有のひとつづきまたは1連のVLAN−IDの一部とすることができる。この場合、これらの識別子は、任意のDAでの可能性のある接続終了の数を識別することができる。
【0246】
上記転送テーブルは、通常、フラッディングにより、未知のアドレスに対処するため、この機能は、フラッディングが確実に回避されるように不作動にしなければならず、また、該転送テーブルには、上記管理プレーン(または、同等に、上記制御プレーン)からの情報を直接投入しなければならない。このことは、特に、上記交換装置によって中継される前に、フィルタリング(または、除去)する必要がある任意のブロードキャストまたはマルチキャストトラフィックに適用することができる。
【0247】
呼許可制御及びキューイング、例えば、802.1Qをベースとするクラスベースのキューイングと組合わせた場合のネットワーク全域での接続の明確なルーティングは、接続ごとのQoSを可能にする。また、(例えば、ITU−802.1ab標準技術を用いて)該ネットワークから取得可能である接続形態情報は、CO−PSサービスを提供する必要がある。また、所要の接続のシグナリングを実行できる必要があり、例えば、接続は、OAMトラフィックを用いて(例えば、ITU−8021agを用いて)上記管理プレーンから信号で伝えることができる。
【0248】
従って、本発明は、制御プレーンを用いて、受信したトラフィックを、コアネットワークに対してコネクション型方式でルーティングするか、またはコネクションレス方式でルーティングするかの決定が、アクセスネットワークで用いられるトランスポートのモードに無関係となるように、上記交換装置を構成することに関するものである。同等に、上記管理プレーンは、該制御プレーンを適切に構成するのに用いることができ、また、コネクション型サービスを実施するときを判断することが可能である。ローカルエリアネットワークサービスプロバイダまたはカスタマは、該コアネットワーク全域でコネクション型方式でルーティングすべきトラフィックに対して、特定のヘッダフィールドの値域を(割当ててもよいが)割当てる必要はない。
【0249】
本発明のいくつかの実施形態は、サービスプロバイダが、上記制御プレーンによって上記交換装置の動作を制御して、該コアネットワークに流れるトラフィックに対して、コネクション型またはコネクションレスのサービスを選択的に提供することを可能にする。このようにして、例えば、時刻、および受信したパケット/フレームのヘッダフィールド内の特定の情報に対するものではなく、該コアネットワークに対するトラフィック負荷(または、特定の宛先アドレスに対するトラフィックの量)に従って、コネクション型モードのトランスポートを選択的に提供することが可能である。
【0250】
トラフィックを転送するモードは、単純に、コネクションレスプロトコル(例えば、スパニングツリー及びアドレス学習プロトコル、または、非イーサネットトラフィックのための同等機能を有する何らかのプロトコル)が、上記交換装置の特定のインタフェース上で作動するか否か、または、これらのプロトコルは、上記制御プレーンが、同等のルーティング情報を提供して、該コアネットワークを流れる特定の受信トラフィックのための接続を確立することが可能であるように不作動/除去されているかによって判断される。
【0251】
このことは、該交換装置が、同時に(すなわち、ハイブリッドモードで)または、該制御プレーンによって決められた異なる時間に選択的に、コネクションレスおよび/またはコネクション型方式で、トラフィックを同じ宛先アドレスへ転送するように作動することを可能にする。交換装置の動作モードは、単に、接続が該制御プレーンによって確立されるか否かによって制御されるため、該トラフィックは、そのヘッダフィールドに特定の識別子を割当てる必要はない。該制御プレーンは、全ての未知のトラフィックを廃棄するように該交換装置を構成することができ、または、該交換装置は、例えば、受信したパケット/フレームのVLAN−IDを、未知の機能に関するブロードキャストが不作動/除去されていない出口ポートに関連するVLAN−IDと交換することにより、適切なアドレスプロトコルがそこに保持されている該出口ポートに未知のトラフィックを転送してもよい。
【0252】
スパニングツリー及びアドレス学習機能が遠隔的に構成可能である場合、上記制御プレーンは、この機能を遠隔的に作動/非作動にするのに用いることができる。このようにして、該交換装置は、該交換装置が該制御プレーンから受信した情報に従って、コネクションレス方式で作動する1つ以上のインタフェースを可能にする該交換装置の該1つ以上のインタフェースの機能を作動または非作動にすることにより、受信したトラフィックに対してエンドツーエンドコネクション型ルーティングまたはコネクションレスを提供するように、その動作を動的に変更することが可能である。
【0253】
当業者は、例えば、アドレス「探索」機能を提供するために配置されたデータベースとすることができる上記交換装置のデータ格納手段等の、本明細書において詳細に説明していない従来の交換装置の多くの態様があることを承知しているであろう。このようなデータベース手段は、上記制御プレーンが適切な情報を与えて、該データベースにデータを投入できるように(該制御プレーン情報は、当業者には明白である何らかの方法で、適当なスタブにより、該データベースへの包含に適した形態に適切にフォーマット化/構成/変換されると仮定する)、該交換装置に付随しているおよび/または該交換装置に一体化されていると仮定する。このようにして、該交換装置の発信インタフェース(または、出口ポート)を、受信したトラフィックの1つ以上の所定のヘッダフィールドに関連する情報と関連付けるデータベースレコードを、該制御プレーンによって投入することができる。従来、交換装置は、少なくとも、出口ポートに関連付けられた宛先アドレスを含む転送テーブルを備えている。例えば、イーサネット交換装置は通常、VLAN−ID及び宛先アドレス情報を備える転送情報と、該交換装置の関連する出口ポートとを含む。
【0254】
しかし、該制御プレーンは、ここでは該データベースにデータを投入するので、VLAN−ID情報を、ヘッダ情報の別のフィールドからの情報、例えば、イーサタイプまたは優先度ヘッダ情報で、該データベース内において完全にまたは部分的に置換または確定することが可能である。これは、与えられる情報はどれも、該交換装置の出口ポートに関連している受信パケットのために、該データベース内の適切なヘッダ情報と単に適合される必要があるためである。
【0255】
例えば、イーサネット交換装置の出口ポートが、そのMAC学習機能を無効にし、およびスパニングツリープロトコルを不作動状態にするように(このため、BPDUは供給されない)、上記制御プレーンが、該交換装置上のブリッジテーブルに当該エントリを投入した場合、該パケットは、コネクション型ベースで進む。しかし、該制御プレーンが、コネクション型情報を該出口ポートに選択的に供給していない場合には、該スパニングツリープロトコル等は、該ポートに対して機能を維持し、該パケットは、コネクションレス方式で進む。
【0256】
上記制御プレーンが、該スパニングツリープロトコルを遠隔的に始動および/または不作動にするのに用いられるいくつかの実施形態においては、該通信ネットワーク内の交換装置の同じ出口ポートを、コネクションレスまたはコネクション型方式で、これらの機能を動的に変更することが可能である。このようにして、通信ネットワークは、コネクションレス通信プロトコルをサポートする複数のアクセスネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク)と、その機能を、コアネットワーク内の交換装置を制御するサービスプロバイダの要件に従って、コネクションレスまたはコネクション型のいずれかとすることができる該コアネットワークとを備えることができる。例えば、1つのソースからのトラフィックは、該サービスプロバイダにより、コネクションレスモードで宛先アドレスへルーティングすることができるが、同じソースからではあるが、異なる時間に送信されるトラフィックは、コネクション型モードで送信することができる。別の実施例として、1つのソースからのトラフィックは、コネクションレス方式で宛先アドレスへ送信することができるが、同じ時間に別のソースから同じ宛先アドレスへ送信されるトラフィックは、コネクション型方式で送信することができる。コネクション型サービスを受けるために、1連のヘッダフィールド値をとっておく、または、所定のヘッダ情報を有するトラフィックヘッダを構成する必要はなく、その代わりに、トラフィックをコネクション型方式でルーティングする決定は、該コアネットワーク内で測定された1つ以上の状態等の基準に従って、制御プレーンによって判断される。
【0257】
従って、いくつかの実施形態において、トラフィックは、宛先アドレスに到達する前に、トランスポートのモードを該交換装置から別の交換装置へ動的に変更することが可能である。実施例として、図23におけるスイッチAからスイッチCへ、特定の種類のトラフィックをコネクションレス方式で、ただし、スイッチCからスイッチEへはコネクション型方式でルーティングすることが可能である。加えて、異なる種類のトラフィックを、スイッチAからスイッチCへコネクション型方式で、スイッチCからスイッチEへコネクションレス方式でルーティングすることができる。しかし、本発明の最良の態様においては、トランスポートのモードは、適切なルーティング情報を用いて、それを介して接続が確立されている交換装置のデータ転送テーブルに直接データを投入する制御プレーンによって、エンドツーエンド方式で決められる。
【0258】
サービスプロバイダが、コネクションレスプロトコルトラフィックに対してエンドツーエンドコネクション型サービスを実施するために、上記制御プレーンは、ソースエッジノードと宛先エッジノードとの間に適切な接続を確立するために、コアネットワークの交換装置を構成する。このことは、そのヘッダフィールド内に同じ情報を含む受信トラフィックが、コネクション型方式でルーティングされるように、特定のヘッダ情報フィールドを、該交換装置の所定の出口ポートと関連付けることによって実現される。従って、ヘッダフィールドのうちの1つまたは組合せに基づいて、例えば、1つ以上の宛先アドレスフィールドおよび/または1つ以上のソースアドレスフィールドおよび/または1つ以上のソースルートアドレスフィールドおよび/または1つ以上のイーサタイプフィールドおよび/または1つ以上の優先度フィールドおよび/または1つ以上のサービスの種類のフィールドおよび/または1つ以上のフロー識別子フィールドおよび/または仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールドおよび/または1つ以上のプロトコルフィールドおよび/または1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールドおよび/または1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールドに基づいて、該受信トラフィックをコネクションレスまたはコネクション型モードで転送すべきかを判断して、後者の場合には、1つ以上の経路に沿って宛先アドレスに転送することが可能である。
【0259】
従って、例えば、上記制御プレーンを構成することにより、コアネットワークサービスプロバイダは、多くの可能性のある基準に従って、特定のトラフィックに対してコネクション型サービスを選択的に供給する、または供給しないことが可能であり、また、それに応じて、該コアネットワークの交換装置を構成するように該制御プレーンを準備することができる。これは、アクセスサービスプロバイダが、コネクション型サービスを確実に受けられるように、特定の所定の識別子が該ヘッダ情報に確実に含まれている必要性を伴わずに、特定のトラフィックのためのコネクション型サービスを単純に要求することができることを意味する。このことは、コネクション型サービスを、ソースと宛先アドレスとの間で実質的にヒットレスな制御によって実施することを可能にする。実施例として、コネクションレストラフィックに対するネットワークの輻輳があるレベルを超える場合には、例えば、該交換装置が、コネクション型モードで受信トラフィックをルーティングするように、該交換装置を動的に再構成することにより、比較的ヒットレスな方法で、コネクションレストラフィックをコネクション型モードのトランスポートに変更することが有利である。
【0260】
好ましい実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲を限定しようとするものではない。当業者には明白である、本発明の上記の構成に対する変更及び該構成に対して同等の効果を有する構成は、該説明に暗黙のうちに含まれている。従って、本発明の範囲は、本明細書において説明した特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって解釈すべきである。他の実施形態に容易に組み込まれる一実施形態との関連で説明した特徴、または、当業者には明白である特徴は、機能的に同等であり、他の実施形態の特徴と置換することが可能であり、他の実施形態の説明に組み込まれるように黙示的に意図されている。
【0261】
イーサネットやIP等のコネクションレスプロトコルを実行できる本発明の主要な実施形態について議論してきたが、当業者は、本発明が、これら2つのトランスポートプロトコルまたは、これらのプロトコルのバージョンに限定されないが、その代わり、添付の特許請求の範囲によって制限されることを正しく理解できるであろう。当業者は、本明細書に記載した本発明の実施形態の特徴に対する多くの可能性のある変更例及び変形例があること、および適切に適応させることができる一実施形態との関連で説明した特徴を他の実施形態に組み込むことができることを正しく理解できるであろう。
【0262】
文脈が明らかに別の意味を必要とする場合を除いて、本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」等の用語は、排他的または網羅的意味とは対照的に包括的に、換言すれば、「含むが、これらに限定するものではない」という意味で解釈すべきである。
【0263】
要約書の文章は、参照により本説明に組み込まれる。
【0264】
複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成するための通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのためのコネクション型サービスを選択的に提供するように、該受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施する機能を有し、該スキームは、そのためにソースノードと宛先ノードの間に接続が確立される、交換装置で受信したコネクションレストラフィックを識別するために、制御プレーンにおいて、インデックスヘッダフィールド値を判断することと、該制御プレーンからの情報との接続を実施するのに必要な各交換装置を設けることであって、該情報は、該スイッチングのデータ転送テーブルに、該交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にすることと、該データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な該交換装置の前記出口ポートと関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1A】イーサネット交換装置のMACアドレステーブルにデータを投入する、本発明による制御プレーンを示す。
【図1B】本発明の実施形態による制御プレーンによってデータが投入される転送テーブルの代替的実施形態を概略的に示す。
【図1C】本発明の実施形態による制御プレーンを転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。
【図1D】本発明の実施形態による制御プレーンを転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。
【図2】本発明の一実施形態によるイーサネット通信ネットワークを示す。
【図3】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンが、通信ネットワークのデータプレーンとどのようにインタフェースをとるかを示す。
【図4】図3の制御プレーンインタフェースの実施形態を示す。
【図5】図4の分散型制御プレーンをより詳細に示す。
【図6A】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図6B】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図6C】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図7】VLANタグが標準的なイーサネットフレームでどのように伝達されるかをより詳細に示す。
【図8】Q−in−Qがイーサネットフレームでどのように伝達されるかを示す。
【図9】MAC−in−MACがイーサネットフレームでどのように伝達されるかを示す。
【図10A】コネクション型イーサネットが提供される本発明の実施形態を示す。
【図10B】イーサネットスイッチ間の多数の接続を、図10Aのコネクション型イーサネットでどのようにして形成することができるかを示す。
【図10C】キャリヤフレームがどのようにして本発明の実施形態におけるカスタマフレーム情報をカプセル化することができるかを示す。
【図11】本発明の実施形態による集中型制御プレーンを示す。
【図12】本発明の別の実施形態による制御プレーンプロセッサの階層を示す。
【図13】本発明の一実施形態による制御プレーンプロセッサ間のシグナリングを示す。
【図14】本発明の他の実施形態による制御プレーンプロセッサ間のシグナリングを示す。
【図15】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンが、IP通信ネットワークのデータプレーンとどのようにしてインタフェースをとるかを示す。
【図16】IPv4フレームヘッダのフォーマットを示す。
【図17】IPv4フレームヘッダのフォーマットを示す。
【図18】RFC1853に準拠するIP−in−IPフレームヘッダのフォーマットを示す。
【図19】IPキャリヤフレームがどのようにして、本発明の実施形態におけるカスタマIPフレーム情報をカプセル化することができるかを示す。
【図20】本発明の2つの実施形態において、制御プレーンプロセッサ間でシグナリングをどのように実行できるかを示す。
【図21】本発明の2つの実施形態において、制御プレーンプロセッサ間でシグナリングをどのように実行できるかを示す。
【図22A】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンがどのようにして転送テーブルにデータを投入するかを示す。
【図22B】本発明の別の実施形態に従って、制御プレーンがどのようにして転送テーブルにデータを投入するかを示す。
【図23】本発明の実施形態に従って、カスタマトラフィックフレームをどのようにしてプロバイダフレーム内にカプセル化することができるかを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを通じてコネクションレストラフィックをスイッチングするコネクション型通信スキームに関する。具体的には、これに限らないが、本発明は、前記通信ネットワークにおける前記コネクションレストラフィックに対してコネクション型通信スキームを実施するように配置された交換装置、および適切なシグナリング情報及びOAM制御情報を供給して、該通信スキームをサポートする方法等の関連する態様に関する。
【背景技術】
【0002】
(イントロダクション)
電気通信ネットワークは、過去数十年間をかけて、過去のポイントツーポイント接続を用いたコネクション型回路交換システムの接続から始まって、ほとんど全ての企業や消費者が利用できるコネクションレスディジタル通信ネットワークまで著しく発達した。その結果、今日では、それぞれが、異なる種類の使用法にうけるそれ自体の特定のプロパティを有する通信システムからなる構成がある。
【0003】
電気通信ネットワークの最も古い方式は、コネクション型回線交換(CO−CS(Connection-Oriented Circuit-Switched))ネットワークと呼ばれ、このようなネットワークの実施例は、公衆交換電話網(PSTN(public switched telephone network))及び光ネットワークを含む。光ネットワーク及び同軸ケーブルネットワークは、例えば、銅線のペアを備えるネットワークよりも高い帯域幅を有し、多数の通信を単一のケーブルまたは単一の光ファイバで送信できるように、時分割多重(TDM(time division multiplex))チャネルを持つことになる。TDMネットワークは、使用するネットワークの構造及び編成により、非同期ディジタルハイアラーキ(PDH(Plesiochronous Digital Hierarchy))及び同期ディジタルハイアラーキ(SDH(Synchronous Digital Hierarchy))ネットワークと呼ばれることもある。
【0004】
コネクション型パケット交換網(CO−PS(Connection-Oriented Packet Switched network))は、端末間での高帯域または高速データの転送を可能にするのに用いられ、実施例は、フレームリレーネットワーク、非同期転送モード(ATM(Asynchronous Transfer Mode))ネットワーク及びX.25ネットワークを含む。
【0005】
コネクションレスネットワーク(CNLS(ConnectionLess Networks))は、通常、これを通じて通信するエンドユーザ端末間での予め確立されたルートを有せず、専用アドレスと、使用可能な何らかのルートによって情報を転送しようとするルータとを有する、各端末に依存する。CNLSの最も良く知られている実例は、ワールドワイドウェブ(WWWまたはW3(World Wide Web))をサポートする、いわゆるインターネットであるが、イーサネット(登録商標)ネットワーク等の他のネットワークも、「使用可能な何れかのルート」を介してパケットごとにデータをその端末点に送信するという同じ原理を用いる。
【0006】
(背景)
交換装置(例えば、ハブ、ルータ、ブリッジおよび/またはスイッチ)は、どのインタフェースで、受信したプロトコルデータ単位(PDU(protocol data unit))をその宛先アドレスへ転送すべきかを判断するために、関連のあるPDUが有するべき適切なアドレス情報を必要とする。 同じローカルエリアネットワーク内に配置されたノード間で伝達されるデータは、開放型システム間相互接続(OSI(Open Systems Interconnection))レイヤ2アドレス方式だけに基づいている宛先アドレス情報を備えることができる。しかし、異なるローカルエリアネットワーク上に配置されたノード間で伝達され、かつルータを含むネットワーク間で伝達されるデータは、ネットワークレベルで固有である、すなわち、OSIレイヤ3(ネットワーク層)アドレス方式に基づいている宛先アドレス情報を備えていなければならない。OSIレイヤ2アドレス方式の実例は、媒体アクセス制御(MAC(Media Access Control))アドレス方式を含み、また、OSIレイヤ3アドレス方式の実例は、インターネットプロトコル(IP(Internet Protocol))アドレス方式(例えば、IETF IPv4またはIPv6)を含む。
【0007】
受信したPDUを処理して、適切なアドレス情報を抽出することは、遅延を生じる。この宛先に到達するために、受信したパケットがスイッチ構成を介してどのポートへ進むべきかを判断するルックアッププロセスは、できる限り迅速に実施する必要があり、また、このことは、処理することができるアドレス情報の複雑さに制限を課す。加えて、該交装置が、パケットが未知の宛先アドレスで受信された場合に(本明細書において、「未知送信(broadcast-on-unknown)」型機能と呼ぶ)、送信動作を必要とするように実施されている場合、ブロードキャストドメインのサイズが、該ネットワークのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
当業者は、ブロードキャストが、ネットワークリソースに負担をかけること、および該ブロードキャストドメインを論理的に制限することが、このことをある程度まで軽減することができることに気付くであろう。このような論理的制限を課す1つの手段は、バーチャルLAN(VLAN(Virtual Local Area Network))を実施することである。PDUのヘッダ内に追加的な情報を与えることにより、PDUが割当てられているVLANは、該PDUを受信する交換装置によって識別することができ、また、トラフィックは、VLAN内部で、すなわち、該VLAN上の他のノード間でのみ交換される。
【0009】
VLANを実施するために、特定のVLANに属していると示されたPDUを受信する交換装置は、この特定のVLANにインタフェースを関連付けなければならない(すなわち、該VLANを「ネイティブ」ポートに割当てる)。このようにして、該交換装置が、特定のVLAN−IDに関連付けられたトラフィックを受信した場合、該トラフィックは、受信したPDUが属する該VLANに関連付けられた適切なネイティブポートに独占的に転送されることになる。PDUが、該交換装置の特定の送信ポートにまだ関連付けられていないOSIレイヤ2宛先アドレスを含む場合、該交換装置は、該PDUのVLAN−IDに関連付けられたインタフェースを通じて、および該交換装置の全てのポートを介せずに、単にブロードキャストする必要がある。当業者は分かっているであろうが、イーサネットフレーム(OSIレイヤ2 PDU)は、ヘッダフィールド内のVLANタグの一部としてVLAN−IDを備える追加的な情報を含むことができる。
【0010】
あいにく、単純なVLAN識別スキームによって提示された解決法は、スケーラブルではなく、該VLAN IDが、ローカルエリアネットワークとの関連で固有である場合、ネットワーク内の4096の独立したVLANインスタンスに限定される。さらなるスケーラビリティを可能にするために、階層的なまたは積層形のVLANを用いることができる。
【0011】
交換装置により、コネクションレス基準で転送される同じソース及び宛先アドレスを有するPDUは、パケットごとの基準でルートが割当てられ、その結果、各PDUは、同じソース及び宛先アドレスを有するこれまでに受信されたPDUによってとられた経路とは独立して転送される。イーサネットネットワーク内でルーピング(looping)が発生しないようにするため、スパニングツリープロトコルは、イーサネットのネットワークトポロジーを論理的に構成し、このことはまた、マルチパスが同じ宛先アドレスに対して確立されることを防ぐ。MACアドレスへのトラフィックは、まずブロードキャストされ、一旦、位置が決められると、転送テーブルには、トラフィックが(スパニングツリーが、トポロジーの障害の結果として生じる可能性がある代替のルートを決めない限り)同じルートに沿って転送されるように、データが投入される。
【0012】
データが集中する傾向がある、すなわち、かなりのデータのブロックが、非一様にソースからシンクへ送信される通信ネットワークにおいては、特定の選択されたルートが著しくオーバーロードし、データの転送を遅延させ、他のルートが著しく使用中になる可能性がある。これは、新たなソース・シンクヘッダを有する第1のメッセージが、交換機に到達し、ルートを介して第1のACKをブロードキャスト及び受信することができるため、および、それまでのソース・シンクの組合せが比較的平穏であるためである。ルートに沿った伝送時間は、通常、同じルートに割当てられた他のソースがより高いトラフィック負荷を送信し始めた場合に低下する。この低下が深刻な場合、要求されたサービスに対して、該ルートを使用不可にすることができる。トラフィック負荷をバランスさせるソースと宛先との間の多数のルートは、スパニングツリープロトコル(STP(spanning tree protocol))が、可能であれば、ソースと宛先との間のたった1つのルートで、ループフリーのトポロジーを決めるため、レガシーイーサネットでは可能になっていない。
【0013】
リンクの総容量よりも大きな総容量を有するサービスに対して、保証されたサービス品質(QOS(quality of service))が要求された場合、1つ以上のリンクを有する所要の帯域幅を割当てる代替的な方法が必要となる。イーサネット交換機は、インバンド制御情報が制御メッセージとして供給され、かつ交換機能がハッカーに攻撃される可能性がある場合に、本質的に脆弱になる。イーサネットネットワークにおけるスパニングツリープロセスの利用は、特に、遮断すべきポートが転送するトラフィックの代わりにあるときのブリッジループ(bridging loop)が存在する場合に、該ネットワークに害を及ぼす可能性がある。ローカルエリアネットワーク及びコアネットワークで用いられるスパニングツリープロセス間では、相互作用が生じないことが重要である。スパニングツリーアルゴリズムを単純に断つことは、単に、ブロードキャスト「ストーム」及びルーピングをもたらすことになるため、ほとんどの場合不可能である。
【0014】
OSIレイヤ2及びレイヤ3の交換装置は、転送すべき受信PDUを差別化する情報、例えば、PDUを受信するサービスの種類に関連する情報を抽出することができ、および/または優先度情報を抽出することができる。異なる種類のPDUは、該交換装置により異ならせて処理することができる(例えば、OAM(Operations Administration and Management)トラフィックは、エンドユーザデータを伴うPDUとは異ならせて処理することができる)。
【0015】
コネクションレスプロトコルは、可変遅延、潜在的な誤った順序付けを伴い、かつ真のサービス品質(QoS(Quality of Service))を伴わない通信に適している弾力的アプリケーションに対して適切なサポートを歴史的に提供してきたが、多くのアプリケーションは、弾力性があり、保証された帯域幅、弾力性及びQoSと共に、コネクション型サービスを必要とする。従って、例えば、ビデオ会議等の双方向ビデオアプリケーションやストリームメディアアプリケーション等のアプリケーションのための安全なコネクション型サービスを提供する要求がある。この要求を満たすために、コネクションレス通信プロトコルをサポートするために既に設置されている機器を、コネクション型機器と置き換えることは、コストがかかりかつ問題がある。
【0016】
提案する1つの解決法は、Cisco(商標)によって提供されているシステム等のマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS(Multi protocol label switching))システムの実施である。MPLSシステムは、コネクションレスルーティングと同じであるが、ラベル配布プロトコル(LDP(Label Distribution Protocol))等のシグナリングプロトコルを伴うルーティングプロトコルを用いて、規定されているネットワークノード間でパケットをルーティングするラベルを用いるルータからなるネットワークを形成する。このようにして、該ネットワークを通るルートは、このようなMPLSシステムにおけるシグナリングという観点から、コネクション型であるように見える可能性がある。MPLSは、コネクション型交換構成の提供に対して部分的な解決法を与え、また、MPLSシステムの複雑さにより、イーサネット交換システムの使用と比較して、比較的コストがかかる解決法である。イーサネットは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び広域ネットワーク(WAN(wide area network))を形成することに対しては、広く知られた解決法である。そのため、イーサネット交換機は、より容易に使用可能であり、MPLSが使用可能なルータよりもコストがかからない。IPルータも幅広く展開されているが、IPは、コネクションレス通信をサポートする別のプロトコルの実施例である。
【0017】
2005年1月27日に公開された「パケット交換通信ネットワークにおけるコネクション型トランスポートのための構成(Arrangements for Connection-Oriented Transport in a Packet Switched Communications Network)」というタイトルの国際特許出願WO2005/008971は、ネットワークのインフラストラクチャ及び従来のコネクションレスネットワークのハードウェアを用いて、コネクション型モードでトラフィックをトランスポートすることが可能な制御システム及び通信システムに関する。WO’8971は、従来のコネクションレスフレームにおけるアドレスフィールドのアドレススペースを、コネクション型モードに関連付けられているアドレスからなるサブセットと、コネクションレスモードに関連付けられているアドレスからなるサブセットとに分ける。WO2005/008971の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
「イーサネットMAC回路をサポートする方法(「Method for Supporting Ethernet(登録商標) MAC Ciruits」)」というタイトルの国際特許出願WO2003027807は、MACサブレイヤが回路を処理しかつ設定する、イーサネットネットワークにおけるイーサネットMAC回路をサポートするイーサネットMACサブレイヤについて記載している。該MACサブレイヤは、より高いレベルのシグナリング及びルーティングアプリケーションをサポートしてMAC回路機能を実施し、WANの学習及び回路設定のための中断を実行できる。また、該MACサブレイヤは、ノード間のマルチリンクの使用を可能にするアドレステーブルエントリ拡張を可能にする。ルーティングアプリケーションは、ルーティング情報を管理し、ポートマッピングデータベースに対してMACを維持し、およびポートリソースを管理するのに用いられる。シグナリングアプリケーションは、回路を設定しかつ管理するのに用いられる。WO2003027807の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
上記の従来の技術において、どちらの中断も、コネクションレスサービスおよび/または保持されたレガシーコネクションレスサービスを提供するように事前設定されている交換装置を可能にするように形成しなければならない。例えば、WO2003027807において、コネクション型サブセット内のアドレスは、コネクション型制御プレーンによって確立された接続のための経路ラベルとして用いられる。しかし、コネクション型ラベル交換経路を識別するためのアドレススペースのサブセットの確保は、レガシー交換機能に加えて、アドレスマネージャ及び多数の制御プレーンを必要とする(コネクション型モードをサポートするために設けられた該制御プレーンは、該コネクションレスモードをサポートするコネクションレス制御プレーンによって補完しなければならない)。また、該コネクションレスモードをサポートするため、スパニングツリー機能を適切なサブセットに対して断つことができず、該コネクション型制御プレーンは、コネクション型経路が、該スパニングツリープロトコルによって使用不能にされたリンクを使用できるようになる前に、該ネットワークの全貌を有しなければならない。
【0020】
当業者は、「ローカルエリアネットワーク及びメトロポリタンエリアネットワーク、バーチャルブリッジローカルエリアネットワーク(Local and metropolitan area networks, Virtual Bridged Local Area Networks)」というタイトルの米国電気電子技術者協会(Institute for Electrical and Electronic Engineerings)標準IEEE802.1Q(商標)を承知しているであろうが、これは、バーチャルブリッジLAN、バーチャルブリッジLANで提供されるサービス及びこれらのサービスの提供に伴うプロトコル及びアルゴリズムのアーキテクチャについて記述している。この標準は、イーサネット交換装置がどのようにして、該標準をサポートするように構成すべきか、例えば、交換装置によって、どのようにしてスパニングツリーアルゴリズムを実施すべきか、およびどのようにしてデータ転送及びデータフィルタリングプロセスを実施すべきかについて記述している。IEEE802.1Q(商標)の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
IEEE802.1Qの8.10項は、宛先MACアドレス及びバーチャルLAN(VLAN)識別子(VID)に基づいて、受信したイーサネットフレームを所定のインタフェースを介して(すなわち、可能性がある送信ポートを介して)どのように転送すべきかを判断することにより、フィルタリングデータベースがどのようにして転送プロセスをサポートするかについて記述している。
【0022】
IEEE802.1Q(商標)標準は、該フィルタリングデータベースがどのようにして、静的(すなわち、該データベースエントリは、管理動作によって明確に構成されている)または動的(すなわち、該フィルタリングエントリは、該イーサネット交換装置の通常の動作及び該交換装置がサポートするプロトコルによって、自動的に該フィルタリングデータベースに入力される)であるエントリを備えるかについて記述している。個々のMACアドレスのための、およびグループのMACアドレスのためのIEEE802.1Q(商標)の静的フィルタリング情報は、特定の宛先アドレスを有するフレームがどのように転送されるかに関しての管理制御を可能にする情報と、特定のVLAN−IDを有するフレームがどのように転送されるか、およびVLANタグエントリがどのようにして、転送されるフレームに付加されるか、および転送されたフレームからどのようにして該エントリが抽出されるかに関しての管理制御を可能にする情報の両方を含む。
【0023】
IEEE802.1Q(商標)の下で、MACアドレス情報等の静的フィルタリング情報、VID及び(該MACアドレス及びVIDのためのフィルタリングを指定する、各ポートのための制御要素を有する)ポートマップは、明確な管理制御の下で、該フィルタリングデータベースに付加され、修正され、また該フィルタリングデータベースから除去される。例えば、IEEE 802.1Q(商標)の下で、リモートブリッジ管理能力を用いて、リソースを識別し、初期化し、リセット/閉鎖することができ、リソース関係を決めることができ、かつ作動パラメータを供給することができる。
【0024】
しかし、IEEE 802.1Qは、該フィルタリングデータベースに静的エントリを投入するためのリモートブリッジ管理の利用について記述しており、これは常に、自動的に生成される動的フィルタリング情報を補完することに関連している。また、IEEE 802.1Q(商標)は常に、ルーピングが確実に起きないように作動するように、スパニングツリー及び他のプロトコルを必要とし、すなわち、各ブリッジが、スパニングツリープロトコルを作動させて、いくつかのポートを構成して、他のブリッジを用いて、物理的にループ化した接続を論理的に除去することにより、1つ以上のループフリーの完全に接続されたアクティブトポロジーを計算することが必要である。
【0025】
米国特許第2005/0220096号明細書は、接続が、様々なノードにおいて、(イーサネットフレーム等の)データフレームを転送するために構成し、マッピングすることによって確立される、イーサネットネットワーク等のフレームベースのネットワークにおけるトラフィックエンジニアリングの方法について記載している。該マッピングは、接続の宛先ノードに対応する宛先アドレスと、VLANタグ等の識別子とからなる組合せを、該スイッチ構成の選択された出力ポートと関連付ける。米国特許第2005/0220096号明細書において、該マッピングは、宛先アドレス及び識別子からなる組合せを用いて、異なる接続に属するデータフレームを、同じ宛先ノードを有するにもかかわらず、1つのノードにおいて、異ならせて転送できるようにする。
【0026】
米国特許第2005/0220096号明細書において、イーサネットスイッチ内に転送テーブルを構成するときに生じる問題に対応する1つの手段は、未知のトラフィックをブロードキャストする代わりに、該イーサネットスイッチが、パケットを廃棄し、場合により警告を出し、該廃棄したパケットを記録またはカウントするように、キャリヤネットワークを形成する該イーサネットスイッチの動作を変更することである。しかし、いくつかのCisco(商標)スイッチに関しては、ブロードキャストボリュームレートをゼロまで設定することが可能であるが、ブロードキャストボリュームをそのように低く設定する動機付けは、一般的に、(未知の転送アドレスにより)許容できない数のパケットが廃棄された結果として生じるため、これまで存在しなかった。
【0027】
米国特許第2005/022096号明細書においては、イーサネットスイッチ内に転送テーブルを構成する自動学習を用いることに代わって、転送テーブルが直接、新規なイーサネット制御プレーンを用いて構成される。米国特許第2005/022096号明細書において、該制御プレーンは、各イーサネットスイッチに対応する多数の接続コントローラを備える。各接続コントローラは、該キャリヤネットワークのイーサネットスイッチによって用いられる転送テーブルを直接構成するのに用いられる接続制御インタフェースシグナリングを用いて、これのそれぞれのスイッチのスイッチングを制御する。米国特許第2005/022096号明細書において、フロー制御は、トラフィックの各受信したフレームのバーチャルローカルエリアネットワーク識別子に基づいて(すなわち、VLAN−IDに基づいて)、フローを同じ宛先アドレスに区別することにより実施される。
【0028】
米国特許第2005/022096号明細書において、接続コントローラは、NNI(Network to Network Interface)を用いて、これらの接続コントローラ自体の間で通信することができ、また、典型的には、NNIシグナリングを用いて、これらの動作状態及びこれらの通信リンクの状態に関する情報を交換することができる。Y.17イーサネットOAMに記述されているような他の制御プレーン機能も記載されている。米国特許第2005/022096号明細書の内容及びその後のPCT特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
Kawakamiらによる2004年3月29日付けのIETF勧告(draft-kawakami-mpls-lsp-vlan-00.txt)においては、イーサネット技術に基づいて、ネットワーク上にレイヤ2トンネルを設定する方法が提案されている。Kawakamiらは、イーサネットスイッチのポートを構成して、VLANタグ情報を用いることにより、あるポートから別の明白なポートに入ってくるVLANタグ付きパケットを転送することについて説明している。該イーサネットスイッチ自体は、ラベルスイッチングルータ(LSR(Label Switching Router))の一部であり、該LSRは、ラベル配布プロトコル(LDP)を用いてVLANタグを配布する。LDPを可能にしてこの機能を実現させるために、LDPの拡張が提案されている。
【0030】
Kawakamiらは、情報が転送プレーン及び制御プレーン内に移送されるVLANタグスイッチングを用いて、イーサネットに対してLSPを設定することを提案している。該転送プレーンは、VLAN−LSRの転送要素を用いるのに対して、該制御プレーンは、LSPラベル配布を制御し、該LSPのための管理を実行できる。また、Kawakamiは、経路(VLAN−LSP情報)を計算し、そのネットワーク負荷を制御するネットワーク管理エンティティについても説明している。Kawakamiらによる2004年3月29日付のIETF勧告(draft-kawakami-mpls-lsp-vlan-00.txt)の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
前述した従来技術は、アドレススペースを分けて、コネクションレスまたはコネクション型のサービスを提供すること、または、トラフィックフォーマットが、通常、コネクションレスの方法でルーティングされるトラフィックのフォーマットに一致する場合であっても、特定のトラフィックを交換装置によって識別し、コネクション型の方法でルーティングすることができるような、トラフィックソースにおけるアドレスの範囲等の保留を要することに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明は、(本明細書において、レガシー交換装置と呼ぶ)コネクションレス通信プロトコルをサポートするように予め構成された交換装置を用いて、エンドツーエンドのコネクション型サービスを提供することに関連するいくつかの問題を軽減および/または未然に防ごうとするものである。
【0033】
本発明の態様は、添付の独立請求項に示したようになっており、本発明の好ましい実施形態は、該実施形態が依存する請求項に明確に記述されている。
【課題を解決するための手段】
【0034】
従って、本発明の1つの態様は、レガシー交換装置を用いて、コネクション型サービスを提供する方法を提供しようとするものであり、この場合、エンドツーエンド接続を確立するための所要の情報は、制御プレーンプロセッサによって既に供給されている。このことは、中断を与える必要性および/または何らかのアドレス学習および/またはループ回避機能を用いる必要性を取り除く。その代わり、各交換装置には、該制御プレーンからのデータが与えられる。該制御プレーンから与えられたルート情報は、該交換装置が確実にコネクション型サービスを提供するように予め構成されているルートに関する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、トランスポートのコネクションレスモードをサポートするように配置された従来の交換装置は、そのコマンドラインインタフェースが、該交換装置の転送テーブルにデータを投入するための情報を与えて、トランスポートのエンドツーエンドコネクション型モードを実行できるようにする変更を必要とする可能性がある。しかし、本発明のいくつかの実施形態においては、このような変更は、該インタフェースを再構成するソフトウェアを用いることに限定される。このようにして、該コマンドラインインタフェースは、該制御プレーンから発信される情報が、該交換装置の転送テーブルにデータを投入することを可能にする(それに対して、従来のデータ転送テーブルには、当業者には公知である方法で、該データプレーンからの情報を用いて、データが投入される)。
【0036】
従って、1つの態様において、本発明は、制御プレーンを用いてレガシー交換装置を構成して、通信ネットワークおよび/またはインターネットワークの全域にエンドツーエンドコネクション型サービスを提供しようとするものである。本発明を実施して、複数のローカルエリアネットワーク(LAN)を接続する通信インターネットワークの全域にコネクション型サービスを提供することは、該インターネットワーク内の各交換装置の転送テーブルにデータを投入するための矛盾のないルーティング情報の提供を必要とする。このことは、該インターネットワーク内の全ての交換装置に関連付けられた集中型制御プレーンによって、または、分散型プロセッサ制御プレーンの間で伝達される情報を要する分散型制御プレーンによって、実行することができる。
【0037】
本発明の1つの態様は、ブロードキャスト機能を保持できるように、いくつかの機能を該交換装置の特定のポートに持たせることにより、管理情報及びシグナリング情報が、該交換装置に確実に伝達されるスキームを提供する。該スキームは、トランスポートのコネクション型モードを実行できる他のポート上で、予め構成されたプロトコルをサポートする、以前から存在する全ての機能を取り除く。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態は、通信ネットワーク内に配置された複数の交換装置の1つ以上のポートの機能を動的に制御して、該通信ネットワークのソースエッジノードから該通信ネットワークの宛先エッジノードへのコネクションレスプロトコルに一致するトラフィックのための接続を確立するように配置された制御プレーンを提供する。該エッジノードは、1つ以上のローカルエリアネットワークへの及び該ローカルエリアネットワークからのアクセスを実行できる。このようにして、該交換装置は、トランスポートのコネクションレスモードに関連付けられた機能を選択的に回復させて(例えば、スパニングツリー及びMACアドレス学習プロトコルを保持し)、該制御プレーンからルーティング情報を供給することを止めることにより、コネクション型からコネクションレスへトラフィックをルーティングするために、該ポートの動作のモードを変更することが可能である。このようにして、いくつかの実施形態において、該コネクション型モードは、該制御プレーンを用いて、コネクションレス機能を、該交換装置の特定のポートに対して不作動/除去/アンインストールし、代わりに制御プレーンからのルーティング情報を供給することにより、遠隔的および/または動的に制御することができる。
【0039】
上記制御プレーンプロセッサによって供給されたデータは、上記交換装置が、受信したパケットに対して実行するデータ転送機能を少なくとも制御するように配列される。該受信したパケットは、コネクションレスプロトコルに準拠する。該制御プレーンから該交換装置によって受信されたデータは、該交換装置が、通信ネットワークの全域で、該受信パケットのためのトランスポートのコネクション型モードを実行できるように作動することを可能にする。該パケットのヘッダ情報は、該コネクションレスプロトコルのフォーマットを保持し、該ネットワークの全域に、コネクション型の方法でトランスポートされる。
【0040】
上記通信ネットワーク全域の交換装置の転送テーブルが、どのようにして該制御プレーンからデータを投入されるかを調整することにより、(ブリッジ、ルータ、スイッチまたはハブ、あるいは、適当なデータ転送および/またはフィルタリングおよび/またはスイッチング機能を実行することが可能である何らかの装置を備えることができる)該交換装置は、コネクション型環境を形成するように配置され、すなわち、データ転送が、該制御プレーンを用いて(コネクションレスまたはコネクション型の)交換装置によって提供されるモードを変更することが可能である。
【0041】
この結果、イーサネットの場合、スパニングツリー及びブリッジ学習プロセス等のコネクションレスプロセスは、上記制御プレーンからのシグナリングが提供され、該制御プレーンシグナリングを、経路が既に通過されているかを判断するのに用いることができ、このことが、ルーピングを回避することを可能にするため、該通信ネットワークの全域で接続を確立するのに用いられる交換装置のポートに対しては、もはや必要ない。本発明のいくつかの実施形態においては、経路が事前に構成されていないパケットを受信した場合、該パケットはドロップされ、コネクション型サービスを確立するための全ての所要の情報は、パケット損失を避けるために、パケットの受信前に、アドレステーブルにデータを投入しなければならない。この結果、これらの実施形態においては、該交換装置は、受信されるパケット、および情報がアドレステーブル及び転送テーブルに何も与えられていないパケットのための、デフォルトの廃棄機能を有するように構成される。
【0042】
上記制御プレーンは、インバンドとすることができるが、インバンドは、攻撃に対して脆弱であるため、好ましくは、アウトオブバンドである。有利には、使用可能なアドレススペースのサブセットを保存して、コネクション型サービスを実施するためのラベルとして機能する必要性はない。該制御プレーンは、上記通信ネットワーク内の交換装置転送テーブルの少なくとも一部にデータを投入するため、該制御プレーンは、該交換装置が、その上でルックアップ動作を実行して、より大きな多用途性及び柔軟性をもたらすインデックスフィールドを選択的にフォーマット化することができる。このことは、追加的なインデックスフィールドを含み、インデックスフィールドを置換え、または、多数の異なるインデックスフィールドを有することにより行うことができ、これらのフィールドは、転送が階層基準で実行されるように配列することができる。いくつかの実施形態においては、複数の異なる種類のインデックスフィールドの装備は、該スイッチの発信ポートの輻輳時に、フロー制御を自動的に実行できるようにする。
【0043】
当業者は、独立請求項に示されたような態様を、当業者には明白な適当な何らかの方法で、従属請求項に示されている従属的特徴のいずれかと組合わせることができることを理解するであろう。
【0044】
本発明は、MPLSアプローチが、コネクションレス及びコネクション型のパケットスイッチングのハイブリッド化のために必要とする関連するコストの意味合いを伴うことなく、MPLSによってもたらされるのと同じ恩恵を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に、本発明の実施形態を、ほんの一例である添付図面を参照して説明する。
【0046】
本発明者らにより現時点で熟慮された本発明の最良の形態を含む本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明においては、説明目的のため、多くの特定の詳細が、本発明の十分な理解を可能にするために記載されている。しかし、当業者には、本発明を、これらの特定の詳細を伴うことなく実施できることは明らかであろう。他の場合においては、公知の構造及びデバイスは、説明を容易にするために、単純化した概略形態で示されており、当業者には知られている追加的な詳細は、明確にするために省略されている。等価的機能を有する可能な代替的構成要素が、当業者には明らかである場合、その説明は、明確に除外されていない限り、このような機能的等価物を暗に含むように意図されている。一貫性のある番号付けスキームが、別の記述がない限り、等価的機能を有する、添付図面中の全ての構成要素に対して用いられる。簡単にするために、異なる構成要素を区別する必要がない限り、主要構成要素は、交換装置20a、20b、20c、20d、20e、20f及びネットワーク18a、18b、18c、18d、18e、18f等ではなく、交換装置20及びネットワーク18と呼ぶ。
【0047】
次に、添付図面について説明すると、図1A及び図1Bは、本発明による制御プレーンが、どのようにしてイーサネット交換装置のMACアドレステーブルにデータを投入するかを概略的に示す。
【0048】
図1Aは、どのようにして制御プレーン12を、イーサネット交換装置20のアドレス転送テーブル1a、1b及びアドレスフィルタリングテーブル3にデータを投入するのに用いることができるかを概略的に示す。従来の方法で、該転送テーブルにデータを投入するイーサネット交換装置20の代わりに、例えば、どのポートがどのMACアドレスに関連付けられているかを学習することにより、該制御プレーンは、該MACアドレステーブルを直接構成して、特定のポート識別子を受信したイーサネットMACフレームに関連付けるのに用いられる。「ポート」という用語は、当業者には明らかな文脈において、「インタフェース」と同義である。同様に、PDUの特定の形態、例えば、パケットについて説明する場合、「パケット」という用語は、何らかの等価的PDUの提喩として、例えば、そのために本発明を実施することができるフレームの提喩として読み取らなくてはならない。
【0049】
上記交換装置の転送テーブルには、該交換装置の発信ポートに関連付けられたアドレス情報が直接供給されるため、該交換装置が、その宛先アドレスが未知である受信トラフィックを該交換装置の発信ポートに関連付けることを可能にするために、「アドレス学習」プロセスを実施する必要性はない。その代わり、アドレスと発信ポートとの関連が分からない場合には、該交換装置は、該受信パケットを廃棄する。
【0050】
IEEE 802.1qにおいては、上記制御プレーンへのインタフェースは、静的アドレス情報を与えるのに用いられるが、IEEE 802.1qにおいては、スパニングツリー等の現存するプロトコルやMACアドレス学習プロトコルは、アクティブのままである。対照的に、本発明は、該制御プレーンによって、該交換装置の転送アドレステーブルに与えられる情報が、現在使用されていないコネクションレス制御プレーンと関連付けられている、以前から存在するプロトコルによって自立的に上書きされることができないように、該交換装置を再構成する。
【0051】
MACアドレスは、一般的に、ノードのネットワークアダプタに関連する固有値であると想定され、LAN上の該アダプタを固有に識別する。MACアドレスの実例は、(例えば、図1Aにおいて、MM:MM:MM:SS:SS:SSによりテーブル1aに示されているような)12の数字の16進数(48ビット長)である。このアドレスフィールドの前半は、該アダプタ製造会社のID番号である。該アドレスフィールドの後半は、該製造会社によって該アダプタに割当てられたシリアル番号である。
【0052】
イーサネット交換装置20は、半二重モードまたは全二重モードのいずれかで作動することが可能であり、また、全無衝突モード(fully collision-less mode)で全二重のポイントツーポイントOSIレイヤ2プロトコルサービスをサポートすることが可能である。イーサネット交換装置20は、LAN Aからイーサネットフレームを受信し、ポートの各々と関連付けられたアドレステーブル1a、1bとフィルタテーブル3とを用いて、該フレームをLAN Bへルーティングする。フィルタテーブル3は、トラフィックを、例えば、VLANを構成するのに用いられる特定の論理ポート関係に限定する。
【0053】
図1Bは、転送テーブルの代替バージョンであり、制御プレーン12は、宛先アドレスフィールドに加えて、少なくとも1つのイーサネットヘッダフィールドを有する転送テーブルにエントリを投入する。図1Bにおいて、該制御プレーンはさらに、VLANを該スイッチの発信または出口ポートと関連付ける。このVLAN−Idは、複数の接続イーサネット交換装置を備える通信ネットワーク全域の多数の経路を識別するのに用いられる。しかし、後に詳述するように、該交換装置の転送テーブルにデータを投入するために、多数の他の代替的イーサネットヘッダフィールドを設けることができる。
【0054】
本発明によれば、コネクション型転送を受信するために特定のパケットにフラグを立てるため、アドレススペースのサブセットまたは他の何らかのヘッダフィールドを割当てる必要性はない。その代わり、該通信ネットワーク全域での接続は、該交換装置における適切な転送情報を、該接続が与えられるべきトラフィックに割当てられたアドレススペースに与えることにより、該制御プレーンにより確立される。該トラフィックは、任意の適切なヘッダフィールド、またはヘッダフィールドの組合せを用いて、該制御プレーンによって識別することができ、また、異なるトラフィックには、異なるフィールドの組合せを与えることができる。コアネットワークのためのネットワーク事業者またはサービスプロバイダは、該コアネットワーク全域のコネクションレスプロトコルトラフィックに対して、コネクション型サービスを選択的に提供することができる。このことは、一般的に、該コアネットワークの状態によるものであり、または、特定の宛先アドレスへのトラフィックが該ネットワークをアンバランスにする場合等による。また、トラフィックにコネクション型サービスを提供する決定は、自動的に実行することができる。別法として、接続要求は、当業者に周知されている方法で出してもよい。
【0055】
特定の宛先アドレスへの接続を、コアネットワーク全域で確立すべきであると、一旦決定されると、上記制御プレーンは、インデックスエントリを上記交換装置の発信ポートまたはインタフェースと関連付けることに基づいて、トラフィックのための接続を確立するように、該通信ネットワーク全域の交換装置を構成するのに用いられる。インデックスエントリの実例は、宛先アドレス、または宛先アドレスの組合せ、およびVLAN−ID等の1つ以上の他のヘッダフィールド情報、またはイーサタイプ、あるいは優先タグが該ヘッダ内に存在する場合に、IPフローラベルまたはサービス種別を含む。
【0056】
図1C及び図1Dは、本発明の実施形態による、上記制御プレーンをそのために、転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。図1Cにおいて、該制御プレーンは、異なるインデックスタイプの組合せを有するインデックスフィールドにデータを投入している。上記交換装置は、この場合、マッチングする異なるフィールドを探すように、または、最初にマッチングした特定の出口ポートが輻輳した場合に、そのエントリを調べ続けるように、構成することができる。このことは、異なる経路をトラフィックに対して確立することができることも可能にする。この結果、図1Cにおいて、例証として、あるパケットを、該交換装置のポートID#1に関連する特定の宛先アドレスのためのVLAN−IDタイプ#1で受信した場合、該交換装置は、該受信したパケットのイーサタイプをチェックすることができ、そして、該イーサタイプが次のインデックスフィールドエントリに一致した場合には、ポート出力をポートID#2によってルーティングし、あるいは、このポートが輻輳している等の場合、またはイーサタイプに対する一致が見つからなかった場合には、該パケットの優先度等をチェックする。別法として(または、追加的に)、VLAN−IDフィールドを有していないパケットは、イーサタイプまたは他の何らかのヘッダフィールド等に基づいて転送することができる。それに対して探索を実行することができる情報の種類は、該交換装置が該ヘッダフィールドから抽出することができる情報の種類、および該転送テーブルに適切な形態でインデックスエントリを投入する該制御プレーン(および何らかの所要のソフトウェアのスタブ)の能力によってのみ限定される。
【0057】
図1Dは、上記制御プレーンが、各ポートに対してタプルタイプのインデックス識別子、この場合、宛先アドレス、および第1及び第2のインデックス識別子を与える転送テーブルの代替的構成を示す。例えば、各ポートは、DA、VLAN−ID、および他のインデックス識別子、例えば、イーサタイプと関連付けることができる。
【0058】
次に、添付図面の図2及び図3について説明すると、イーサネット通信ネットワーク機能は、管理プレーン10、制御プレーン12及びデータ/転送プレーン14(図3参照)によって与えられる。管理プレーン10は、イーサネットネットワークを構成し、制御し、管理する適切なインタフェースを提供する。制御プレーン12は、コマンドラインインタフェースを介して、または、IEEE標準の1つ、例えば、IEEE 802.1で指定されている他の方法により、データ/転送プレーン14(図3参照)のアクティビティを設定し、制御する、論理的及び物理的インタフェースを提供する。管理および/または制御プレーン12は、呼制御及び接続制御機能を実行することができ、また、シグナリングを利用して接続を設定及び解放し、および障害時には、例えば、ソフトな常時接続を設定することにより、接続を回復させる。データ転送プレーン14は、ネットワークデータをトランスポートするのに用いるフィルタリング及び転送機能を提供する。
【0059】
本発明は、接続プロトコルに準拠するパケットを、ルーティング情報をレガシー交換装置に供給して、上書きする、または別の方法で他のルーティング情報を与える可能性がある該交換装置の機能を無効にすることにより、コネクション型モードで通信ネットワーク全域にトランスポートできるようにする。供給されたルーティング情報は、コネクションレスサービスをもたらす該交換装置の全ての機能が無効になったときに、交換装置が、コネクション型サービスを提供できるようにする。このような交換装置は、容易に使用可能であり、かつ比較的安価であり、それに対して、MPLS等のコネクション型プロトコルをサポートするように構成された交換装置は、比較的高価である。本発明の潜在的利点は、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように配置されたレガシー機器を、コネクション型モードの通信をサポートするようにアップグレードできるようにするということである。また、有利には、本発明は、サービスを、サービス品質、優先度、帯域幅等に関して差別化できるようにする。
【0060】
本発明によれば、上記制御プレーンはルーティング情報を提供し、例えば、上記交換装置のための制御情報を生成する機器は、該交換装置に、ルーティング及びシグナリング情報を与えるのに用いられる。この制御情報は、該交換装置のルックアップルーティングテーブルにデータを投入するのに用いることができる情報を含む。従って、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように元々設計され、および/または通信ネットワークに設置された交換装置は、受信したパケットにコネクション型サービスを提供することが可能である。
【0061】
「パケット」という用語は、パケットまたはセル(例えば、固定長パケット)を暗示するように、あるいは本発明のいくつかの実施形態においては、当業者が明らかに気付くであろうため、フレームを暗示するように、同意語として用いられる。ネットワークを介した送信のためのデータは、パケット化され、各パケットは、ヘッダ及びペイロードを携え、該ヘッダはソース及びシンクのアドレスを示し、該ペイロードは、配信すべきデータを携える。また、パケットは、送信されるパケット全体の妥当性に関連する他のデータフィールドも有する。該パケットは、上記交換装置によって提供されるコネクション型サービスから恩恵を受けることができるヘッダ情報を変更する必要はない。コネクション型サービスを、本発明に従った交換装置によって提供することができるコネクションレスプロトコルの実施例は、標準的なイーサネットプロトコル及び標準的なインターネットプロトコル(例えば、IPv4及びIPv6)を含む。
【0062】
本発明によれば、交換装置は、受信される制御情報のための手段を備えており、制御プレーン(このような制御情報を該交換装置に与えることが可能な装置の任意の適切な構成を指すために本明細書において用いる用語)は、スイッチング部を介してチャネルデータ信号に、「ソース」から「シンク」へのデータの送信を実施するように命令する。該ソースは、シンクに応じてPCまたはサーバであってもよく、該ソースは送信ユニットを指し、該シンクはレシーバを指す。ほとんどの通信において、ソース及びシンクが、リンクの両端に存在しており、すなわち、これらが同一場所に配置されており、また、これらが単純に、コンピュータの送信器/受信器、または電話機のトランシーバ回路であってもよいことは、正しく理解できるであろう。
【0063】
本明細書で用いられた全ての用語は、国際電気通信連合(ITU(International Telecommnication Union))のITU−T勧告G.805「トランスポートネットワークの一般的な機能アーキテクチャ(Generic functional architecture of transport networks)で示された定義を保持し、この勧告の内容は、G.805で示された意味と矛盾する異なる意味を有すると明確に指示されていない限り、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
フレームがイーサネット交換装置に到達すると、そのヘッダが処理されて、該パケットのためのソースとシンクの組合せを決めることができるように、情報が抽出される。本発明の一実施形態において、これは、複数のヘッダフィールドから抽出された情報を上記制御プレーンへ伝達することによって決まる。そして、該制御プレーンは、これが既知のソース・シンクの組合せのためのメッセージであるか否かを判断する。代替的な実施形態においては、該制御プレーンは、このソース・シンクの組合せを該交換装置において決めることができるような十分な情報を既に伝達している。このソース・シンクの組合せが分かっている場合、これは、該ヘッダから抽出された情報が、該交換装置がアクセス可能なデータストアに既に保持されている情報に一致している場合を意味するが、これまでに確立された単一のルートは、該データ交換部を介して該メッセージを転送するのに用いられる。
【0065】
次に、図2について説明すると、ローカルホストの第1のネットワーク18a、例えば、カスタマLANを備える通信ネットワーク16(例えば、WAN)が、複数の相互接続されたイーサネット交換装置20を介して、ローカルホストの第2のネットワーク18b、例えば、別のカスタマLANに接続されている、本発明の実施形態が示されている。明確にするために、4つのイーサネット交換装置20が図2に示されており、これらには符号A、B、C及びDが付けられている。
【0066】
図2において、ネットワーク18aは、適当なエッジデバイス24(例えば、ある多重化機能を実行できるトラフィック集中手段)を介して送信されるトラフィックのソース22をイーサネットスイッチAに供給する。図2に示すようなネットワーク18dは、イーサネットトラフィックシンク26として機能し、適当なエッジデバイス28(例えば、逆多重化機能を実行できるトラフィック分散手段)を介してイーサネットスイッチDからイーサネットトラフィックを受信する。しかし、ローカルネットワークは、当業者には周知であるが、実際には、イーサネットトラフィックのソース及びシンクの両方として機能する。
【0067】
図2において、イーサネット交換装置Aのルーティングテーブルのためのルーティング情報は、適切なコマンドラインインタフェース(CLI(command line interface))32aを用いて、ネットワークマネージャ30によって入力される。ルーティング情報は、CLI32b、32c、32dを介して同様に供給され、イーサネット交換装置20B、20C及び20Dの各々の転送テーブルにデータが投入される。イーサネット交換装置上に、他の機能、例えば、イーサネット交換装置D上にパケットスニファ34を実装してもよい。
【0068】
上述したように、イーサネット交換装置が予め、コネクションレス通信プロトコルをサポートするように構成されていた場合に、コネクション型イーサネット交換装置として正しく機能するためには、予め構成されたプロトコル(例えば、ブリッジ学習及びスパニングツリープロトコル、および本発明には必要ない何らかのVLAN指定制御プロトコル)は、コネクション型サービスを提供するイーサネット交換装置上の全てのポートに対して停止しなければならない。
【0069】
本発明の最良の形態においては、上記交換装置の全てのポートで、予め構成されたプロトコルをサポートする全ての機能は無効にされる。本発明の他の実施形態においては、特定の機能は、該交換装置の特定のポート上に維持される。このことは、管理目的のためのVLANの利用を可能にする。例えば、管理VLANに限定されるが、ブロードキャスト設備が、新たなリンク及び新たなノードの自動発見を実現することを可能にする。
【0070】
コネクション型サービスを提供する全てのポートに関連するルーティングテーブルエントリは、コマンドラインインタフェース(CLI)を介して上記制御プレーンによって与えられた、または、IEEE標準、例えば、IEEE 802.1で指定された他の何らかの方法によって与えられた情報を用いて投入される。ルーティング情報を与えて、標準的な制御情報を上記交換装置へ伝達する該インタフェースを用いて、該ルーティングテーブルにデータを投入することにより、コネクションレス通信プロトコルをサポートするための主な標準的な要件に適合するどのような交換装置も、通信のコネクション型モードをサポートするように再構成することができる。この結果、イーサネット交換装置の場合、エンドツーエンド接続を形成するために、各スイッチA、B、C、Dには、イーサネットルーティングヘッダ情報が各スイッチにおいて同じであれば、該エンドツーエンド接続に適した転送テーブルエントリがある。
【0071】
エンドツーエンド接続は、イーサネットMACアドレス指定スキームに固有のグローバル一意性を利用することにより、上記制御プレーンから指定することができる。MACアドレスが何らかの理由によって固有のものでない場合、例えば、本明細書において後述するVLANヘッダを用いて、該トラフィックソースに固有の独自性を与える他の手段を設ける。
【0072】
図3は、ルーティング情報をデータプレーン14に供給するように制御プレーンネットワーク12が配置されている本発明の実施形態を概略的に示す。図3には、符号A、B、C、D、Eが付けられた複数の相互接続されたイーサネット交換装置20が示されている。イーサネットネットワークは、図3、図4及び図11において完全に相互接続されて示されているが、本発明からの恩恵を受けるためには、これらのイーサネット交換装置間に複数の経路が存在することだけで十分である。
【0073】
図3において、各イーサネット交換装置20は、ローカルエリアネットワーク(LAN)18に接続されており、またさらに、より大きな通信ネットワーク16、例えば、WANを形成するために、1つ以上のイーサネット交換装置20に接続されている。特定のLANが特定のVLANと関連している場合、トラフィックは、該VLANに属している(図6、図7参照)として該トラフィックを識別するためにタグ付けされ、また該VLANトラフィックは、当該VLANに関連するイーサネット交換装置20上のネイティブポートのみを介してイーサネットネットワーク16にアクセスする。
【0074】
図3において、上記データプレーン14内に設けられたイーサネット交換装置20の各々の全てのポートのイーサネットデータ転送及びフィルタリング機能は、各イーサネット交換装置20に関連するコマンドラインインタフェース32a、32b、32c、32d、32e、32fを介して制御プレーンネットワーク12から制御される。制御プレーンネットワーク12は、コネクション型サービスを提供し、当該ポート上の全ての関連ブリッジプロトコルデータユニット(BPDU(bridge protocol data unit))を終了させる該通信ネットワーク内の各イーサネット交換装置20の全てのポートの学習及びスパニングツリーデータ転送/フィルタリング機能を無効にし、構成する、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを備える。
【0075】
制御プレーンネットワーク12は、制御プレーンプロセッサ(CPP(control plane processor))36(図3には図示せず)の数により、集中型方式で、または、分散型構成で実施することができるが、これらのCPPは、該ネットワーク内に、各イーサネット交換装置20との関連で展開されている。
【0076】
(例えば、制御プレーン12により、または、スイッチにおいて、手動で不作動にすることにより)MACアドレス学習及びスパニングツリー機能が一旦、停止されると、制御プレーン12は、MACアドレス及びVLAN−IDテーブルを投入するのに必要なルーティング情報と、他の何らかのヘッダフィールドテーブルエントリとを生成して供給する。そして、該イーサネット交換装置は、この情報を用いて、これらのイーサネット交換装置自体の間に適切なイーサネットリンク接続42を確立する。該イーサネット交換装置は、単方向および/または双方向のリンク接続をサポートする(そしてその結果、当業者には周知されているように、全二重サービスを提供する)ことが可能である。
【0077】
各イーサネット交換装置20は、転送テーブル内の、VLAN(VLAN−ID)のための識別子に対する探索動作を実行することによって受信したイーサネットトラフィックの各フレーム内の最低のVLANヘッダに基づいて、データ転送を実施する。該VLAN−IDテーブルが、今、該交換装置の制御プレーンから得られた情報によってデータが投入されている場合、該データは、コネクション型サービスを提供するように転送されることになる。VLANヘッダがない場合には、該交換装置は、受信したイーサネットフレームを、少なくとも宛先MACアドレスを用いて転送する。この転送プロセスは、特定のイーサネット交換装置20が終点である、ネットワークレイヤと関連するVLANヘッダが、当該交換装置におけるVLANプロトコルスタックから除去された後に実行される。また、1つ以上のVLANヘッダを、イーサネット交換装置20の退出ポートにおける該VLANプロトコルスタックに付加することができる。実際には、コネクション型サービスを提供するための該探索動作は、該イーサネットヘッダの多数のフィールドに対して実行することができ、従って、差別化されたサービス、例えば、サービス品質、優先度、帯域幅等が異なるサービスを、異なるVLAN/トラフィックフローに提供することを可能にする。
【0078】
制御プレーン12によって実行できる交換装置制御は、「自動交換光ネットワーク(ASON(automatically switched optical network))のアーキテクチャ」というタイトルのITU−T勧告G.8080で特定され、説明されている制御機能(または、適切なサブセット)を実施し、この勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。 本発明の好ましい実施形態は、接続及び呼の概念、制御プレーンとユーザプレーンの分離、および呼制御と接続制御の分離を可能にするG.8080と一致する方法で、制御プレーンを実施する。別法として、GMPLS、MPLS、またはレガシーPSTN制御プレーン、あるいはネットワーク管理システムを用いることができる。
【0079】
制御プレーン12は、イーサネットネットワークに対して可視性を有し、そのため、リソースが接続されていないことを承知している。AからDへの経路が一旦、シグナリングされると、制御プレーン12は、Dにおいて、接続を確立するのにどのリソースが使用可能かを知る必要があり、すなわち、どのリソースが接続されていないかを判断することが必要である。例えば、VLAN−ID50が接続されていない場合、制御プレーン12は、制御プレーンプロセッサ(CPP)36(図3には明確に示されていない)を介して、全ての交換装置20に、VLAN50を用いることを通知する。接続要求がCPP36によって受信されると、CPP36は、該要求を処理して、制御プレーン12の遠端におけるCPP36(すなわち、トラフィックがそこで該イーサネットコアネットワークを離れるイーサネット交換装置20のためのCPP36)及び全ての中間CPP36とどのように通信するかを判断する。該要求は、特定のルートを形成し、または、終点を識別することができ、また、CPP36にルートを見つけたかを尋ねることができる。
【0080】
接続のための要求が、CPP20がそのためにデータ転送及びフィルタリング機能を制御するイーサネット交換装置20を介して、制御プレーンプロセッサ(CPP)36に受信される実施形態において、イーサネット交換装置20は、接続のための要求をCPP36へ転送した場合、黙々と機能する(すなわち、CPP36は、イーサネット交換装置20が、受信した接続要求をどのように制御プレーン12へ転送するかについて制御しない)。
【0081】
次に、添付図面の図4について説明すると、制御プレーン12が、複数の相互接続された補助制御プレーンプロセッサ(CPP)36a、36b、36c、36d、36e、36fを備えて概略的に示されている。「補助(adjunct)」という用語は、本明細書においては、該プロセッサが「オンスイッチ(on-switch)」ではないこと、すなわち、元々の予め構成されたスイッチの一部ではないことを示すのに用いている。各イーサネット交換装置20は、相互接続されたローカルホスト(例えば、カスタマLAN)を備えるローカルネットワーク18に接続されている。VLAN−IDに関連する各ネットワーク18は、イーサネット交換装置20上にデフォルト(または、ネイティブ)のポートを備えており、VLANテーブルには、制御プレーン12によって供給された情報が投入されている。制御プレーン12は、データ転送情報を有するデータ転送プレーン内に設けられたデータ転送テーブル(すなわち、図1Cに示すMACアドレステーブル1a、1bおよび/またはフィルタリングテーブル3)に投入されるのに用いられるルーティング情報を保持する。図4において、このルーティング情報は、(図4において、各制御プレーンプロセッサ36と、その関連するイーサネット交換装置20とを接続する点線上のバーとして示されている)それぞれのコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して、各イーサネット交換装置20に供給される。
【0082】
図4において、各CPP36は、該CPPが制御するイーサネット交換装置と1対1対応で配置されている。情報は、適当なシグナリングネットワーク(例えば、図5参照)によって、CPP36の間で交換される。図5は、接続設定を容易にするために、複数のCPP36の間のシグナリングネットワークをどのように制御プレーン12内に構成することができるかを示す。複数のCPP36のうちの1つは、接続要求を受信して、これを上記管理プレーン、または、データプレーン14全域のソースノードから宛先ノードへ進むトラフィックのための適切なルート(または、複数の経路が後に続く場合のルート)を判断する他のルーティング設備へ伝達する。該シグナリングネットワークは、シグナリング情報が、非シグナリングトラフィックとは別にルーティングされるように、該データプレーン内の複数または全ての交換装置を相互接続するVLANのかたちで実施することができる。このようにして、上記スパニングツリー及び他の何らかのコネクションレスルーティングプロトコルが、該交換装置の他のポート上で不作動状態にされても、すなわち、その結果、通常のトラフィックがコネクション型方式でスイッチングされても、動作のコネクションレスモードで機能するように構成されたいくつかのポートを保持するように、および/またはシグナリング情報のためのスパニングツリー等のルーティングプロトコルを保持するように、交換装置を構成することが可能である。
【0083】
ここで、再び図4について説明すると、各CPP36は、イーサネット交換装置20のデータ転送テーブルがどのように更新されるかを制御する情報を生成する補助プロセッサを備える。また、各CPP36は、与えられたシグナリング情報によって認識されないMACアドレスまたはVLANヘッダを伴う不良フレームが、コネクション型サービスを提供するポートを介して該交換装置を通過するのを防ぐ。例えば、MACアドレスまたはVLAN−IDを認識しないフレームは、廃棄することができる。
【0084】
コネクション型サービスを提供することが可能であることは、ここでは別にして、イーサネット交換装置20の残りの機能は、該コネクション型サービスを提供するのに必要な交換装置の動作の変化が、単に、このようなサービスを提供するための転送テーブルエントリを変更することの結果であるため、変わらない。
【0085】
制御プレーン12が該転送テーブルにデータを投入し、スパニングツリーアルゴリズムが不作動状態にされた場合、該スパニングツリーアルゴリズムはもはや、多数のルートが確立されることを防げず、また、該ネットワークにわたるイーサネットトランク42を用いたイーサネットソースとシンクとの間の多数の経路が可能である。このことは、該ネットワーク全域に実装されるロードバランシング等の機能を可能にする。
【0086】
図4は、イーサネット交換装置A、D間の2つの経路α1、α2を示す。経路α1は、イーサネット交換装置B及びCを通り、α2は、イーサネット交換装置F及びEを通る。こうして、多数の接続を、コネクション型サービスを提供するイーサネット交換装置20を用いて形成することができる。
【0087】
実施例として、トラフィックは、上記制御プレーンを、トラフィックフローをAからDへ動的に再構成するのに用いることができるため、現在の経路が、容認できないレベルの低下に遭遇した場合、動的に新たな経路に切替えることができる。例えば、ネットワークオペレータ30は、図2に示すように、パケットスニファ34が、イーサネット交換装置20dにおいて輻輳を検知した場合、該トラフィックフローを再構成することができる。
【0088】
このことは、該ネットワーク上の元の経路α1に影響を及ぼす他のトラフィックが続いて生成された場合でも、イーサネットトラフィックの高帯域ソースが、そのシンクに対するサービス品質を維持することを可能にする。
【0089】
また、トラフィックは、帯域幅を必要とする場合、同時に2つの経路(例えば、α1、α2)に沿って、またはそれ以上の経路に同時に沿って送信することができ、適切なシークエンシング等の動作を、宛先のイーサネット交換装置20Dにおいて実行することができる。本発明の1つの別の実施形態においては、ルートα1、α2の両方に関連する全てのイーサネット交換装置のデータ転送テーブルエントリが予め投入されており、その結果、α1に障害が発生した場合には、単に、ソースのイーサネット交換装置20Aの転送テーブルに改めてデータを投入して、α1のルートからα2のルートへ切替える必要が生じるだけである。
【0090】
制御プレーンプロセッサCPP36は、ルーティング情報を提供することに加えて、呼接続制御機能を実行できる。図4において、交換装置Aを制御するCPP36aは、接続要求を受信するように示されている。そして、CPP36aは、ソースカスタマネットワーク18aからシンクカスタマネットワーク18dへ発信されたトラフィックのための適切なルートを決定する。また、CPP36aは、個々の転送テーブルが適切に更新されるように、適切なシグナリングが、(例えば、経路α1、イーサネット交換装置B、C及びDに対して)CPP36aが決定したルート上の他のイーサネット交換装置20に確実に送信されるようにする。
【0091】
VLANタグがイーサネットパケットヘッダ内にある場合、本発明の一実施形態においては、該トラフィックフローは、VLANタグを用いて分けられる。このことは、適切なトラフィック管理を(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするために)実施できるようにする。該VLANタグは、交換する必要はなく、これらのタグが交換されない場合には、該VLANタグは、該VLANタグがVLANアドレスと組み合わされた場合、グローバル識別子の一部として用いることができる。このようにして、スケーラブルネットワークを管理するための完全にスケーラブルなソリューションを、例えば、宛先アドレスとVLANタグの組合せに基づいてトラフィックを転送することにより、または、(当業者には周知である方法で、Q−in−Qを実施したときに生じるような)VLANタグをスタックすることにより、提供することができる。VLANタグが該イーサネット交換装置によって交換された場合、VLAN−IDは、単に部分的な意味でそのまま残ることになる。
【0092】
この結果、ソースのイーサネット交換装置Aとシンクのイーサネット交換装置Dとの間のエンドツーエンド接続は、適当な転送テーブルエントリを有する経路(例えば、α1および/またはα2)に沿った各イーサネット交換装置20に対するMACアドレス学習テーブル及びVLAN−IDテーブルのための転送テーブルエントリの各々を投入することによって形成される。転送は、該イーサネットパケットの関連のあるヘッダ情報を、該イーサネット交換装置の発信ポートにマッチングする転送テーブルによって実施される。
【0093】
図6A、図6B及び図6Cは、現在、当業者に周知されているイーサネットフレームの標準的なバージョンをまとめて概略的に示し、図7は、標準的フォーマットのイーサネットフレームが、バーチャルローカルエリアネットワーク識別子(VLAN ID)によってどのようにタグ付けされるかを概略的に示し、また、VLAN IDタグ構造を示す。
【0094】
図6Aは、イーサネットV2.0フレームフォーマットを示し、図6Bは、IEEEの標準勧告IEEE 802.2 LCCのヘッダを有するIEEEの標準勧告IEEE 802.3のフレームフォーマットを示し、図6Cに示すイーサネットフレームは、LLC/SNAPの変形を伴うIEEE標準勧告802.3に準拠する。しかし、本明細書でいうイーサネットフレームという用語は、これらの既知の実施形態に限定されず、本発明を実施することが可能なあらゆる種類のイーサネットフレームを指す。
【0095】
従来のイーサネットネットワークにおいては、図6A、図6B、図6Cのうちの1つのような基本的なタグ付けされていないイーサネットフレームは、本質的に、ソースのMACアドレス(SA)と、宛先MACアドレス(DA(destination MAC address))と、種別フィールドと、イーサネットパケットのペイロードを構成するデータとからなる。標準的なVLANタグヘッダ、例えば、IEEE 802.1Qに準拠したVLANタグヘッダは、図7が示すように、ソースMACアドレスと種別フィールドとの間に挿入される。標準的なイーサネットフレームのフォーマットは、当業者には周知されており、全分野及び関連する機能の詳述は、明確にするためにここでは省略する。
【0096】
トラフィックがVLAN−IDでタグ付けされた場合、イーサネット交換装置20は、各パケットが、通信ネットワーク16内の各イーサネット交換装置20上の同じVLANに関連するポートのみに伝達されるように、交換装置に対して構成される。異なるVLAN間の交換装置トラフィックのために、追加的な機能(例えば、インターネットプロトコルアドレス転送機能またはOSIレイヤ3転送機能の他の何らかの形態)が、イーサネット交換装置20上に、またはそれ以外に設けられる。
【0097】
イーサネットフレームヘッダ内の関連のあるフィールドのうちのいずれか、例えば、VLANヘッダのDA、SA、イーサタイプ、優先度、VLAN−IDを、個々にあるいは組み合わせて用いることができる。本発明の一実施形態において、上記制御プレーンは、多数のQoSを提示するイーサタイプに基づいて、単に、MACアドレスを参照し、多数のバーチャルネットワークを設定する。このことは、論理的に存在する制御プレーンに関する2つのインスタンスをもたらし、すなわち、2つのバーチャルネットワークが形成され、制御のドメインは、本発明のいくつかの実施形態に従って、各バーチャルネットワークに対して異ならせることが可能である。このようにして、コアネットワーク16上でイーサネットサービスを提供するキャリヤネットワークのカスタマには、該コアネットワーク内である程度の制御を有することを可能にするバーチャルネットワークの1つへのアクセスを提供することができる。
【0098】
12ビットのVLAN−IDフィールドは、常に、4096のVLANカスタマのみが可能であるという制限を課す。VLAN IDのスタックを形成するための、同じイーサネットパケットに対する多数のVLANのタグ付けは、異なるエンティティが、異なるレベルのVLAN−IDスタックに対してレイヤ2のスイッチングを実施することを可能にし、これは、Q−in−Qと呼ばれ、また、イーサネットパケット内の階層的VLANタグ付けを可能にする。
【0099】
図8は、Q−in−Qがどのようにして標準的なイーサネットフレームで実施されるかを概略的に示し、図9は、MAC−in−MACがどのようにして、当業者には周知されている標準的なイーサネットフレームで実施されるかを概略的に示す。これらのスキームを実施するフレームフォーマットは、既に当業者には周知されているため、図8及び図9に示す全分野の説明、およびそれらに関連する機能は、簡潔にするためここでは省略する。
【0100】
カスタマの情報をカプセル化し、Q−in−Q及びMAC−in−MAC(上述されている図8及び図9参照)等の階層的アドレッシングスキームを実行することにより、上記制御プレーンは、本発明のいくつかの実施形態において、カスタマから分離される。該制御プレーンが、ソースイーサネット交換装置20aにおいて、外側のヘッダを従来のヘッダ情報に与えることにより、それ自体のアドレッシングスキームを行った際、該ネットワーク全域でのセキュリティが強化される。
【0101】
本発明の一実施形態は、付加的なタグが、当業者に周知されている方法で、カスタマのイーサネットフレームに挿入されるQ−in−Qを実施する。この実施形態において、イーサネット交換装置20は、各受信したイーサネットフレームを処理して、(図8の上半分に示す)内側のVLANヘッダが無視されるように、外側のVLANヘッダに基づいて、イーサネットネットワーク16の全域にデータを転送する。別法として、イーサネット交換装置20は、外側及び内側の両方のVLANヘッダを検査し、上記制御プレーンが、各イーサネット交換装置20のVLAN ID転送テーブル内の両方のVLAN IDのために提供したエントリに基づいている転送決定を実行することができる。
【0102】
本発明の一実施形態において、MAC−in−MACカプセル化スキームは、制御プレーン12によって制御される。この実施形態においては、カスタマのソース及び宛先MACアドレスは、ネットワークエッジのイーサネット交換装置20において、MACアドレスフィールド内にカプセル化される。MAC−in−MACカプセル化を実施した場合、カスタマフレームがカプセル化され、該カスタマフレームは、該制御プレーンと情報をやりとりせず、その代わりに、該制御プレーンは、該イーサネット交換装置によって提供された、カプセル化MACヘッダに影響を及ぼし、該カスタマMACアドレスが、イーサネットコアネットワーク16上での有効に不可視のままにすることを可能にする。
【0103】
図9において、プロバイダ(P)フレームは、カスタマフレームの近くに示されている。該プロバイダフレームは、(例えば、VLANタグ、またはVLAN−タグあるいはQ−in−Qを含むことができない)カスタマフレームとは完全に独立しているVLANまたはMACフィールド等のフィールドを含む。このようにして、必要に応じて、カスタマMACアドレスのみを、ネットワークエッジの交換装置において非カプセル化した状態で、強化されたセキュリティを、使用されるMACアドレスが、そのMACアドレッシングスキームが用いられるキャリヤによって提供されたものであるネットワークコア内に設けることができる。
【0104】
添付図面の図10Aは、コネクション型イーサネットが形成されている本発明の実施形態を示す。図10Aは、例えば、複数の相互接続された交換装置20を制御する自動交換光ネットワーク(ASON)を用いて形成できるような、エンドツーエンド制御プレーン12を示す。
【0105】
上記制御プレーンは、接続を設定し、上述した方法で、該交換装置上のブリッジングテーブルにデータを投入し、この結果、該イーサネット交換装置は、これらのMAC学習を無効化し、そのためスパニングツリープロトコルは不作動状態にされ、また、BPDUは一切供給されない。フローは、該イーサネット交換装置の能力に従って、該イーサネットフレーム内の1つ以上のフィールド、例えば、VLANタグを用いて分離され、このことは、(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするために)適切なトラフィック管理を実施できるようにする。VLANタグは、交換されず、部分的な意味のみを有し、これは、これらのタグが実際には該ネットワークの拡張性に限定されないことを確かにする。
【0106】
このことは、図10Bに示すように、多数の接続を上記イーサネット交換装置間に形成できるようにする。図10Bには、第1の経路が、交換装置A、B、C及びEの間に示されており、また第2の経路が、交換装置A、D及びEの間に示されている。ノードAにおいて、上記制御プレーンは、該第1の経路に沿って、VLAN ID100に関連付けられているトラフィックを転送するように発信ポートを構成しており、また、VLAN ID120を有するトラフィックは、該第2の経路に沿って転送される。
【0107】
図10Cに示す本発明の実施形態は、マルチサービス多重化技術を実現できる。この実施形態は、キャリヤネットワークが、GFP及びATMレイヤ適応等のマッピング技術を用いて、ネットワークエッジにおいて、イーサネットや他のサービスのマルチサービス多重化を実施することを可能にする。交換装置Aは、交換装置Aにおいて(または、図10Aに示されていない他の何らかのエッジデバイスにおいて)サービスプロバイダフレーム内にカプセル化されているカスタマイーサネットフレームを受信する。本発明のいくつかの実施形態においては、サービスプロバイダに関連するアドレスが、このカプセル化されたヘッダに付加される。他の実施形態においては、該カプセル化されたヘッダアドレス情報は、交換装置20を介して該カプセル化されたフレームを転送するのに用い続けられる。
【0108】
図10Cは、上記コアネットワークのためのパケットインイーサネット(packet-in-ethernet)サービスが示されているが、当業者は、カスタマフレームをキャリヤのイーサネットフレーム内にラッピングする原理を、他の技術に適用できることを正しく理解できるであろう、本発明の特定の実施形態を示す。該カスタマのフレームは手つかずであるため、透明性が与えられる。該キャリヤは、(スケーリング、セキュリティ、分離及び障害検出を実行できる)これら自体の対応スキームを自由に利用できる。本発明のこの実施形態においては、OAMフレームが、単一のヘッダのみを有している場合(例えば、Y.17ethoam)、キャリヤOAM(特に、管理)トラフィックは、カスタマトラフィックと区別される。
【0109】
一実施形態においては、エッジイーサネット交換装置のみが、カスタマアドレススペースを理解する。しかし、このことは、ポイントツーポイントサービスが提供される場合には必要なく、この場合、コアイーサネット交換装置20は、プロバイダアドレススペースを理解することのみを必要とする。
【0110】
図10Aから図10Cに示すように、本発明によって形成されたイーサネットネットワーク16は、MACソースアドレス(SA(source address))及び宛先アドレス(DA(destination address))を用い、VLANヘッダフィールドを、その下でより高いCO−PS(connection-oriented packet-ed)レイヤをトランスポートするサーバレイヤを定義するのに用いた状態で、(最も高いイーサネットレイヤネットワークに)エンドユーザCO−PSサービスを提供する。このことは、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者が、カスタマMACレイヤ及び何らかのより高いVLANレイヤが透過的にトランスポートされる(例えば、添付図面の図10C参照)「専用回線」型のサービスを提供することを可能にする。本発明の一実施形態において、該サービスプロバイダ/ネットワーク事業者は、別の独自のサーバレイヤを追加して、トラフィックエンジニア等の独自のサービスを実施することができる。
【0111】
当業者は、G.8080が、コネクション型ネットワークの制御プレーンのためのアーキテクチャについて説明しており、それが、G.8080の制御プレーンのコネクション型機能を実施することによって、コネクション型サービスをコネクションレスのイーサネットワーク環境で提供できることを承知しているであろう。G.8080のコネクション型制御プレーンは、コネクションレスイーサネット技術を制御するのに用いられ、そうすることで、該イーサネット交換装置の動作を変換する。
【0112】
本発明の一実施形態においては、呼/接続制御プレーンプロセッサ(CPP)36とイーサネット交換装置20とを分離するためにG.8080に準拠する適当なインタフェースが設けられており、例えば、各イーサネット交換装置20は、その現在ある独自のコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して制御することができる。該CLIを横切るコマンドを翻訳する(すなわち、該コマンドラインインタフェースまたは制御プレーンに対する変更を処理し、該インタフェースの両側で用いられる「言語」間で変換する)この実施形態が必要とするスタブまたは仲介者は、この図には示されていない。また、G.8080のアーキテクチャは、該制御プレーンを該交換装置のプラットフォームに一体化することを可能にする。このことは、制御プレーン機能を追加する該交換装置プラットフォームに対する変更を必要とするが、データ転送機能を実行できるハードウェアを換える必要はない。
【0113】
本発明の別の実施形態においては、GSMP(Generalised Switching apparatus Management Protocol)等の、該交換装置と制御プレーンとの間の標準化されたインタフェースが、制御プレーン機能を実施するのに用いられる。例えば、GMPLS及びネットワーク管理プロトコルまたは同様の制御あるいは管理プレーンプロトコルは、必要な機能、例えば、拡張マークアップ言語(XML(eXtensible Mark-up Language))またはITU−T勧告M.3100を実施するのに用いることができる。
【0114】
(運用、管理及び保守)
運用、管理及び保守またはOAMは、あらゆるサービスプロバイダネットワークに欠かせないものである。これは、設備の遠隔監視及びトラブルシューティング、およびアラーム検知及び通知を介したコンフィギュレーションを可能にすることにより、サービスのコストを低減するためである。この結果、故障箇所は素早く特定され、迅速に問題が解決され、カスタマ満足度の向上につながる。
【0115】
本発明の一実施形態は、オフスイッチであるソフトウェアプラットフォーム上で(すなわち、非OAMトラフィックのためのイーサネット交換装置処理ハードウェアに対するOAMトラフィックのための独立したハードウェアを提供する異なるプラットフォーム上で)OAM機能を実施する。このことは、本発明に必要なOAM機能を、本発明によるイーサネット交換装置の実施形態の直接的変更を何ら要することなく実現できるようにする。また、この分野で規定する標準規格が進化するにつれて、OAMサービスオフスイッチを実施することにより、例えばソフトウェアプラットフォームにおいて、適切な標準プロトコルに準拠するように与えられたOAM機能に適応させることが容易である。
【0116】
現在、標準的なイーサネットOAMは存在せず、ベンダー独自のソリューションのみが存在する。3つの標準化団体、すなわち、IEEE、ITU−T及びメトロ・イーサネット・フォーラム(Metro Ethernet Forum)は現在、コネクションレスサービスを提供するイーサネットという意味のイーサネットセグメントにOAMを導入するために、標準化を進めている。これらの標準化は、フレーム・リレーやATMに利用できるものと協調することが期待されており、発見、連続チェック、ループバック、パストレース、パフォーマンス管理及びアラーム抑制等の機能を含む。しかし、コネクションレスイーサネット環境におけるイーサネットOAMは、イーサネットの障害分離能力を改善するであろうが、これは、SDH及びATMのようなコネクション型ネットワークで提供される同じレベルの情報を提供しない。
【0117】
本発明の一実施形態は、「MPLSネットワークのための運用及びメンテナンスメカニズム(Operation & Maintenance mechanism for MPLS networks)」というタイトルのITU−T勧告Y.1711のソリューションで提案された運用及びメンテナンスメカニズムのわずかに修正したバージョンを実施することにより、「MPLSネットワークのための運用及びメンテナンス機能に対する要件(Requirements for Operation & Maintenance functionality for MPLS networks)」というタイトルのITU−T勧告Y.1710で指定された要件に一致するOAM機能を実施する。
【0118】
Y.1710のようなOAMを実施する本発明の実施形態は、ユーザプレーン機能アーキテクチャにおける最も一般的なエンティティが、ブロードキャスト/マルチキャストするソース(および/またはフロードメイン内の該ソースに続く分割ソース)と、フィルタリングするシンク(および/または該フロードメイン内の該シンクの前の分割ソース)とであるOAMシステムを実施する。ソース及び宛先ラベリングは、該シンクが固有のソース/宛先通信をフィルタリングすることを可能にするため、最も一般的な意味でのラベリングは、このエンティティに欠かせない。サブネットワーク及びフロードメインは、このエンティティの実例である。しかし、リンクも、このエンティティの特別なケースである。リンクにおいては、1つのみの宛先しかないため、明確な宛先ラベリングは必要ない。ソースラベリングは、逆多重化するため該シンクに必要である。また、リンクは、本質的に、トラフィックを結合しない。従って、該ソースは、リンクの多重化を完全に掌握している。このエンティティに基づいて、階層化と分割の区別は、わずかである。サブネットワークまたはフロードメインを実施するには、リンクをサポートするサーバレイヤの方法に正確に沿った方法で適応機能を用いて、ラベルからなる「サーバ」セットを生成することが必要である。シンクのフィルタリングを伴うラベル付けされたブロードキャストドメインは、該スタックの真のボトムである。
【0119】
ITU−T勧告G.805には、2種類の可能性のあるOAMフロー、すなわち、エンドツーエンドトレイルOAMフローと、中間タンデム接続モニタリングOAMフローとがある。
【0120】
イーサネットPDUには、2つのレベルのラベル(または、レイヤ)、すなわち、イーサネットMACソースアドレス(SA)/宛先アドレス(DA)と、(より多くのサブレイヤがある場合に、さらに分割してもよい)VLANヘッダレイヤとがあり、そのため4種類のOAMフローが必要である。すなわち、
トレイルMAC SA/DAレイヤOAMフロー(これをOAMフロータイプAと呼ぶ);
タンデム接続モニタリングMAC SA/DAレイヤOASMフロー(OAMフロータイプB);
トレイルVLANレイヤOAMフロー(OAMフロータイプC);
TCM VLANレイヤOAMフロー(OAMフローD)。
【0121】
OAMフロータイプAにおいて、各パケットにおけるSA及びDAは、グローバル一意であるため、これ以上のアクセスポイント識別は必要ない。また、各フレームは、パフォーマンスモニタリングに用いることができるFCSを有する。明確なOAMパケットは、場合により、イーサタイプIDを用いてデザインすることができるが、別法として、IP及びユーザデータグラムプロトコル(UDP(User Datagram Protocol))ポートナンバーを用いることができる。
【0122】
他の3つのフローは全て、本質的に同じ基本的な実施を有する。イーサネットフレームは、関連のあるイーサネットエッジ(または、コア)交換装置20のための補助プロセッサ(CPP36、38)によって差し挟まれ、このことは、接続を設定するシグナリング制御に関係付けることができる。末端部において、該OAMフレームは、ユーザプレーントラフィックから分離され、処理のために該補助プロセッサ(CPP36、38)内で消される。
【0123】
従って、上記のOAMフローを実施するには、まず、該OAMフローは、どの中間イーサネット交換装置も、該OAMフレームがユーザフレームであったかのように、該OAMフレームを切替えるように、該ユーザプレーン接続と同じラベルフィールドにおける値を有していなければならない。別法として、接続ごとに1つ以上のラベル値を与えることができるが、これは、シグナリング及び転送テーブルの精度及び整合性を必ずしも同じ方法で検査しない。第2に、該OAMフレームは、イーサネット交換装置の標準的機能に従って、該ユーザプレーンから抽出して、該イーサネット交換装置内で切替える必要がある。
【0124】
これら2つの要件を実現するにはいくつかの方法があるが、該OAMフレームのSAフィールド内の該OAMフローをソーシングする補助プロセッサ(CPP36、38)インタフェースのMACアドレスが、本発明の好ましい実施形態において用いられる。
【0125】
(FDI及びAIS)
何らかのCO−PSネットワークの場合と同様に、分岐ラベリングはハードウェアに組み込まれていないため、AIS(Alarm indication signals)および/またはFDI(Fault detection&identification)の挿入は、該OAMプロセスが、ラベルテーブルを調べて、どのラベルが最新のものであり、有効であるかを捜し出すことが必要である。本発明のこの実施形態において、OAM処理は、該制御プレーン内に配置され、かつ該ユーザプレーンと同じハードウェア内に配置されていない補助プロセッサ(CPP36、38)によって実行される。AISおよび/またはFDIは、エンドツーエンドフローに対する追加的なインジケータである。
【0126】
一般的に、AIS及びFDIは、サーバレイヤからの適応で検出された障害によってトリガされる。これらは、該フロー及び該フローのみが当該クライアント接続の整合性を監視することができるため、クライアントレイヤ内のエンドツーエンドOAMフローを置換しない。該クライアント接続の損失は、関連するOAMフローの対応する損失がある場合に推測される。メインOAMフローの損失に加えて、AISおよび/またはFDI信号を受信した場合、該シンクは、障害が該シンクに対して局所的でないことを推測することができる。AISおよび/またはFDIは、ここでは、本質的な情報ではなく、追加的な情報であるため、その挿入の損失または破損は、致命的ではなく、また、誤った解釈に対してオープンではない。
【0127】
コネクション型とは、「アドレッシング及びラベリング」を、上記シグナリングシステムを該アドレッシング及びラベリングを関連付けるのに用いて、互いに切り離すことができるということを意味する。本発明は、MACアドレスを、上記制御プレーン内でのみ可視的である「ラベル」として扱う。原則として、アドレッシングが、該イーサネット交換装置の上記補助プロセッサに対してのみ可視的である、すなわち、該制御プレーン内でのみ可視的であるため、どのようなアドレッシングスキームも用いることができる。しかし、コネクションレスネットワークに互換性を与えるために、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)アドレッシング、または別法として、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)を用いることができる。プライベートアドレッシングの広範囲の利用を前提として、グローバル一意アドレスが、2つの形態のうちの1つで明確に形成されている。第1の形態は、インターネットプロトコル(IP)仮想プライベートネットワーク(VPN(virtual private network))で用いられる絶対的なグローバルアドレスVPNid/IPv4アドレスである。グローバル一意アドレスの第2の形態は、NAT(Network Address Transport)アドレスである。このグローバル一意アドレスは、プライベートIPv4アドレスが追随するゲートウェイの公衆IPv4アドレスの連結として絶対的に形成されている。NSAP(Network Service Access Point)アドレス等の代替例であるE.164アドレスまたは何らかの適用可能なグローバル一意アドレスフォーマットも、本発明の代替的実施形態において用いることができる。
【0128】
ネットワーク運用を実施する当業者にはよく知られているように、交換装置インタフェースの地理的および/または物理的位置に基づく形態等の、アドレッシングの人間の形態を用いることが可能である。
【0129】
(シグナリング)
制御プレーン12によってデータプレーン14へ送信されるシグナリングは、本発明の一実施形態による現在の標準的なシグナリングプロトコルのうちの1つに準拠する。例えば、ATMフォーラムで規定されたPNNI(private network node interface)等のプロトコル、RSVP(Resource ReSerVation Protocol)、または、ネットワークを介した優先的サービスを要求及び受信する用途のためのシグナリングメカニズムを実行できる他のプロトコル、例えば、(RSVP−TE)、RFC3473で規定されているGMPLS(Generalised Multi-Protocol Label Switching)プロトコル、RFC3209で規定されているMPLSプロトコル、ITU−T G.7713.3で規定されているCR−LDP(constraint-based routing label distribution protocol)、またはITU−QシリーズSS7プロトコル、あるいは必要な機能を有する何らかのプロトコル等のプロトコルを、イーサネットトランスポートに特有のパラメータを可能にする単純な拡張で用いることができる。
【0130】
本発明の他の実施形態においては、G.8080のプロトコルに(完全に、または、サブセットまたは専門の変形例として)同様の機能を与える、別の種類の制御プレーンアーキテクチャが実施される。例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)による標準化勧告RFC3945で規定されたGMPLSプロトコルを、オーバレイモードで用いることができる。本発明のまた別の実施形態においては、ネットワーク管理プロトコルが、ルーティング情報を該制御プレーンに与え、制御プレーン12とイーサネット交換装置20との間のOAMのための規定された指示を戻すために用いられる。この実施形態において、シグナリングメッセージは、別々のネットワークでイーサネット通信ネットワーク16に送信される。例えば、制御プレーンコンポーネント36がイーサネット交換装置20から独立している実施形態においては、独立した管理データ通信ネットワークを、シグナリングを実行するのに用いることができる。
【0131】
別法として、該制御プレーンのシグナリングは、同じ物理リンクであるが、帯域外ネットワーク内に設けられた物理リンクを共有するという意味で、イーサネットトラフィックを備えている。帯域外(OOB(out-of-band))ネットワークの目的は、制御情報が、該制御情報が関連するトラフィックの経路と論理的に分離されるように、確実なネットワークを該制御情報に効率的に与えることである。この結果、ローカルエリアネットワークトラフィックをコアイーサネットネットワーク上でスイッチングするための制御情報は、キャリヤのみが(すなわち、該コアネットワークに対するネットワーク事業者)該制御プレーンにアクセス可能であり、また、必要に応じて、該制御プレーンの運用を中断することが可能であるように、該コアネットワーク上のOOBネットワーク(すなわち、論理的に異なるネットワーク)を用いて伝達される。ローカルエリアネットワーククライアント(すなわち、カスタマネットワーク)は、該制御プレーンに関してどうすることもできない。この実施形態においては、シグナリング情報をVLANと関連付けることが可能であり、そのため、該VLAN内では、シグナリングチャネルは、全てのイーサネット交換装置と関連付けられている。これ(または、逆方向OAMトラフィック、特に、一方向トラフィックのための別のVLAN)も用いることができる。
【0132】
ルーティングプロトコルは、たいていの場合、シグナリングプロトコルまたはアドレッシングスキームのどちらか一方または両方と関連している。コネクション型サービスを伴うルーティングプロトコルに対する推測的必要性はなく、すなわち、静的ルーティングが可能である。該ルーティングは、段階的なドメイン階層的またはソースベースのスキームに基づくことができる。
【0133】
上記制御プレーンにより与えられるルーティング情報は、OSPF−TE(Open Shortest Path First Traffic Engineerig)プロトコル等のIPベースのプロトコルを用いて、または、ASONアーキテクチャと一致する方法で、分配することができる。本発明の一実施形態においては、静的ルーティング情報が与えられる。しかし、本発明の代替的実施形態においては、当業者に周知されているような適当な動的ルーティングプロトコルを用いて、動的ルーティングが実施される。本発明の一実施形態において、ネットワーク管理者は、ネットワークルートを手動で構成する。
【0134】
動的ルーティングを用いた場合、ルーティングアルゴリズムは、上記制御プレーン内のルーティングテーブルにデータを自動的に投入するのに用いられ、シグナリングプロトコルは、該ルーティングテーブルエントリを読出し、上記イーサネット交換装置の転送テーブルエントリを投入する。これでもやはり、いくつかの経路を、動的ルーティング環境内の制御プレーンを介して明確に構成することが可能である。静的ルーティング及び動的ルーティングはどちらも、本発明の分散型制御プレーン(図4参照)または集中型制御プレーン(図11参照)のどちらかの実施形態を用いて実施することができる。
【0135】
本発明の一実施形態において、ネットワーク管理者(または、事業者)は、上記コマンドラインインタフェースを介して上記シグナリングシステムによってエクスポートされ、上記イーサネット交換装置上に設けられたデータ転送テーブルにデータが投入される、上記制御プレーン内のコネクション型ルーティング情報を手動で入力する。該情報は、与えられた情報を適切な形態に変換して、該イーサネット交換装置の転送テーブルエントリを更新する適当なスタブ(図示せず)によって仲介される。
【0136】
実施例として、図3及び図4に示した本発明の実施形態を簡単に考察する。この実施形態において、ルーティング情報は、複数のプロセッサとして実施された制御プレーンによって与えられ、各制御プレーンプロセッサ34は、単一のイーサネット交換装置へ入力を供給し、これは、(図3に示す)コマンドラインインタフェース32によって行うことができる。この情報は、適当な交換装置制御プロトコルを用いて、または、通信ネットワーク16内の各イーサネット交換装置20に設けられた該コマンドラインインタフェースを積極的に介して提供することができる。
【0137】
本発明の一実施形態において、OAMは、上記制御プレーンが、上記イーサネット交換装置の相互接続性を自動的に見つけ出し、この情報を用いて、該制御プレーン内のルーティング情報を構築し、維持するために、ルーティングと結合することができる。当業者によってこう呼ばれているこれらの「ハロー」メッセージは、該制御プレーンが、該ネットワークの最新のピクチャを有するように、該OAMとルーティングを効率的に一緒に持って行く。
【0138】
(エンドツーエンド制御プレーン通信)
図11は、(CPP38及び(重複しているが、CPP38が故障した場合には、回復力をもたらす)予備のCPP40によって概略的に示されている)集中型制御プレーン機能が、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを形成するように配置されている制御プレーンアーキテクチャを示す。本発明のこの実施形態において、該制御プレーンの各コンポーネント38、40は、1つ以上のイーサネット交換装置20に対して制御プレーン機能を実行できる。
【0139】
図11は、データプレーン14の全てのイーサネット交換装置20のための呼及び接続コントローラとして機能するように配置されているシグナル制御プレーンプロセッサ38を備える制御プレーンを示す。実際には、呼及び接続コントローラ38とイーサネット交換装置20の比は、(当業者には周知されているように)適当な比になるように選択することができる。この結果、CPPプロセッサ(M)とイーサネット交換装置(N)の比、M:Nは、集中型または分散型の制御プレーン機能がどのようになることが求められているかによって変化し、ただし、M<Nである。
【0140】
この実施形態において、エンドツーエンド通信ネットワークを形成する集中型制御プレーンの実施は、ここで程度の差はあるが集中化されている制御プレーンプロセッサの機能は別として、図3及び図4に示す本発明の実施形態と同様の方法で機能する。
【0141】
上記分散型制御プレーンの実施形態を参照して上述した特徴は、その機能が、1つ以上の制御プレーンコンポーネントによって実施されるより多くの集中型制御プレーンとの関連で開示されていると見なされ、該コンポーネントの各々は、上記データプレーンの1つ以上のイーサネット交換装置と関連しており、換言すれば、該制御プレーン処理コンポーネントと該イーサネット交換装置の比は、該制御プレーン内に構築された余剰性のレベルによって変化する可能性がある。例えば、図11に示す本発明の実施形態においては、たった1つの制御プレーンプロセッサCPP40が、予備の制御プレーンサービスを提供して、(例えば、図11に示すイーサネット交換装置20及び中央制御プレーンプロセッサ38のいずれか一方の間で)発生するシグナリング障害の場合に、該制御プレーンの回復力を高めるように配置されているが、代替的な実施形態においては、1つ以上の予備の制御プレーンプロセッサ40を、該制御プレーン内に設けてもよい。
【0142】
ここで、図11について詳細に説明すると、コアイーサネットネットワーク16’において、集中型CPP38は、データプレーンネットワーク14内の全てのイーサネット交換装置20A、B、C、D、E及びFのための補助プロセッサとして機能する。また、単一の予備CPP40も、データプレーン通信ネットワーク14内の全ての交換装置20のために設けられている。
【0143】
図11に示す実施形態において、CPP38は、各接続要求のルートを判断し、(例えば、CLIを用いて)イーサネット交換装置20の各々のデータ転送テーブルエントリを投入するために、適切なシグナリングメッセージを送信する。CPP38は、適当なネットワークモデル、例えば、交換装置、リンク、接続形態及び接続等のネットワークリソースのデータベースを含み、CPP38は、サービス要求をアクティブにするのに用いる。
【0144】
上記制御プレーンは、グローバルな階層、または、制御プレーンプロセッサからなるクラスタを形成するために特定のレベルで相互接続された複数のローカルな階層等の、何らかの適当な関係を有するCPPを用いて実施することができる。図12は、CPP「0」、CPP「A」、CPP「B」及びCPP「C」が、局所的担当領域のCPP「A、B、C」の各々に対してピア制御を実行できるCPP「0」と階層的に情報をやりとりするように配置されている、本発明の実施形態を示す。適当な通信ネットワークを、該制御プレーンを形成して、適切な制御メッセージを、イーサネット交換装置のネットワーク内の各イーサネット交換装置に伝達し、これらの交換装置のデータ転送テーブルに適切にデータを投入する該CPPによって用いることができるが、ある時点で、(該制御プレーン内に保持されている)ルーティング制御情報が、該イーサネット交換装置のデータ転送テーブルエントリを投入するための適切な形態に変換される。
【0145】
分散型制御プレーンの実施形態に関連して上述されているように、制御情報を上記イーサネット交換装置に伝達することが可能などのような適当なプロトコルも用いることができ、例えば、管理または制御プレーンプロトコルネットワークを用いることができる。該制御プレーンプロトコルは、管理プロトコルに基づいて独自仕様とすることができ、または別法として、本発明が要するイーサネットの固有パラメータに対して、当業者には明白であるように適応されるのであれば、上述したようなGMPLS、ASON−RSUP−TE、CR−LDP、PNNI、SS7等の標準的な制御プロトコルに基づかせることができる。
【0146】
当業者は、イーサネット交換装置のコマンドラインインタフェース(CLI)に変化が起きた場合に、上記制御プレーンと該CLIとの間の該交換装置のソフトウェアスタブは、更新する必要があるということを承知しているであろう。このことは、該ソフトウェアを更新することを必要とし、また、該交換装置と通信するために、独立した通信ネットワークが該制御プレーンに必要になる。
【0147】
本発明の一実施形態においては、該CLIの変化に対処し、適切な通信ネットワークを該制御プレーン12に与えて、イーサネット交換装置20と通信するために、CLI32は、制御プレーン12に対する標準ベースのインタフェースと置換される(例えば、GSMP、すなわち、一般的な交換装置管理プロトコルを用いることができる)。
【0148】
GSMPは、交換装置20が、何らかの適当なプラットフォーム、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを備えるマスターに対するスレーブとして機能する、マスター・スレーブプロトコルを実行できる。GSMPは、該マスターが、交換装置20のイーサネット接続を設定及び切断し、管理通信を実行し、情報を要求することを可能にし、あるいは、該交換装置が、該マスターに何らかの問題を知らせることを可能にする。本発明の一実施形態において、該マスターは、制御プレーン12自体を制御し、該GSMPがどのように作動して、接続管理及び近接性を可能にするかを制御するように配置されている。CLIまたはGSMP(あるいは、これらの機能等価物)が用いられているか否かにかかわらず、本発明の一実施形態においては、制御プレーントラフィックの一部または全ては、同じインフラストラクチャ上で共通するトランスポートトラフィックに追随する。
【0149】
本発明のいくつかの実施形態において、上記制御プレーンのためのVLANが、交換装置20の間に形成されている実施形態が示されている。制御プレーンVLANは、トランスポートトラフィックと論理的に分離されており、イーサネット交換装置20の間で制御プレーントラフィックを伝える。分散型制御プレーンネットワーク16内の各CPP36は、イーサネットを、制御プレーンのシグナリング情報のための通信ネットワークとして用いることにより、該ネットワーク内の他のCPP36と通信することができる。この情報は、関連するイーサネット交換装置20の適切に構成されたポートにより、関連するVLANへ流れる。
【0150】
図13においては、3つのイーサネット交換装置A、B及びCが示されており、各交換装置は、付随するCPPを有する。図13は、本発明の一実施形態において、各CPPが、適当なコマンドラインインタフェース(CLI)(図13に「x」で示す)を介して、どのようにイーサネット交換装置に接続されているかを示す。この実施例においては、該イーサネット交換装置には変化はない。また、図13には、本発明の一実施形態において、GSMPインタフェースを備える別のインタフェース「y」も示されている(代替的実施形態においては、同様のプロトコルを、該イーサネット交換装置を遠隔制御するのに用いることができる)。
【0151】
しかし、交換装置の管理プロトコルインタフェースを、該イーサネット交換装置を遠隔制御するのに用いる場合、該交換装置のソフトウェアは、上記CPPと通信するために変更する必要があり、例えば、スタブまたは他の仲介者を必要とする可能性がある。
【0152】
図14は、本発明の代替的実施形態を示し、上記CPPが、異なる接続形態で接続されている。この実施形態においては、異なるCPPが、異なる通信ネットワークを用いて通信することが可能である。この場合、該CPPと上記イーサネット交換装置との間で制御メッセージを伝えるのに用いられるVLANは、該制御VLANの各々を識別することが可能であるように、ネットワーク事業者により設定される。本発明のいくつかの実施形態は、例えば、異なるVLANで実施される異なる制御プレーン機能を有する。このようにして、論理的に帯域外のイーサネット制御を実現することが可能である。当業者は、VLANも他の目的に、例えば、OAMパケットを伝えるのに用いることができることを正しく理解できるであろう。図14は、該CPP及びイーサネット交換装置が共通の接続形態を有するケースを示し、この場合、制御プレーン機能は、各イーサネット交換装置に統合化することができる。
【0153】
(デュアルモードイーサネット交換装置)
本発明の別の実施形態においては、ハイブリッドイーサネット交換装置が、コネクションレスサービス及びコネクション型サービスの両方を提供するように配置されている。ハイブリッドイーサネット交換装置は、いくつかのコネクションレス機能を実行でき、コネクション型機能は、上記データ転送テーブルに投入するルーティング情報を、コネクション型サービスを提供する該ハイブリッドイーサネット交換装置上のポートに対してのみ提供する制御プレーン12によって実行される。この実施形態において、データ転送/フィルタリングプレーンは、コネクションレスサービスを提供するように指定されたポートに対して、そのコネクションレス機能を保持することになる。
【0154】
上記データ転送テーブルエントリは、コネクション型サービスと関連付けられたポートに対してのみ、上記制御プレーンから得られた情報によって更新され、残りのポートは、コネクションレスイーサネットサービスを提供し続ける。適切なスパニングツリーアルゴリズムは、コネクションレスイーサネットサービスを提供するように配置された各イーサネット交換装置のポートに関連するルーティングテーブルエントリ内の不必要な経路を取り除くことにより、不必要な経路が存在しないことを確かにする。
【0155】
コネクションレス及びコネクション型の両方のイーサネットを提供するハイブリッド交換装置を実施することが可能であるが、スパニングツリープロトコルの利用は、不注意な誤操作または意図的な攻撃の影響を受けやすい。これは、STPの利用が、通信ネットワークにおける脆弱性の操作上のポイントを示していることを意味する。カスタマのスパニングツリー機能をMAC−in−MACを用いてカプセル化し、全てのSTP機能をイーサネットコアネットワークから取り除くことにより、STP誤作動または攻撃に対する該コアネットワークの脆弱性は、著しく低減される。該コアイーサネットネットワークに対するMAC−in−MACの利用は、ローカルエリアネットワークが当該領域内でSTPを実施することを防がない。このため、該コアネットワークに対してカプセル化を用いる本発明の実施形態は、当該領域内のトラフィックの安全性を向上させる。
【0156】
(レイヤ3交換装置の再構成)
次に、添付図面の図15から図21について説明すると、本発明の交換装置は、コネクションレスOSIレイヤ3ルーティングをサポートすることが可能であることを元から意図された交換装置を備える。
【0157】
(ネットワーク層としても知られている)OSIレイヤ3は、エンドツーエンドトラフィックを処理し、エンドツーエンドの重要性に対処する第1の層である。レイヤ3プロトコルの実施例は、IP、およびIPX(Internet Packet Exchange)を含む。しかし、一般的には、レイヤ3は、エンドシステム(コンピュータ)間の接続性を確実にするのに必要なアドレッシング、ルーティング及びフィルタリング機能について記述しており、また、レイヤ2によって提供されたフレームを利用するパケットのフォーマットを規定している。「IP」という用語は、本明細書においては、IPバージョン4及びIPバージョン6の両方を指すのに用いられている。
【0158】
従って、以下の実施例においては、本発明による交換装置は、IPバージョン4またはバージョン6のトラフィックのコネクションレスルーティングをサポートするように最初から配置されたIPルータを含む。本発明は、このようなルータが、コネクションレスサービスの代わりに、またはコネクションレスサービスに加えて、コネクション型サービスを提供できるようにし、このコネクション型サービスは、いくつかの実施形態において、マルチパスルーティングを実行することが可能である。
【0159】
従って、一般的に、交換装置という用語は、転送装置として機能することが可能であり、かつOSIレイヤ3(ネットワーク層)アドレスを解明することが可能である全てのルーティング装置、例えば、OSIレイヤ3(ネットワーク層)IPアドレスを解明することが可能なIPルータを備えるように定義される。本明細書で用いた全ての用語は、ITU−T勧告G.805「トランスポートネットワークの一般的機能アーキテクチャ(「Generic functional architecture of transport networks」)」で与えられた定義を保持し、G.805で与えられた意味と一致しない異なる意味を有すると明確に示されていない限り、該勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0160】
(インターネットプロトコル交換装置)
本発明の一実施形態は、標準的IPルータを、その節点ハードウェアとして用いるコネクション型パケット交換サービスを供給する。コネクション型パケット交換に必要な全てのシグナリング及びOAMは、独立した処理プラットフォーム(例えば、UNIX(登録商標)サーバプラットフォーム)上で実施される。理想的には、上記IPルータ自体は変更されず、従って、一般的なサプライヤからの「市販品」が使用可能である。
【0161】
本発明により提供されるサービスタイプは、上記コアIPネットワーク全域でトランスペアレントなトランスポートを実現できるという意味で、コネクション型パケット交換(CO−PS)であり、ポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントのサービスを提供することが可能である。このことは、マルチポイントツーポイント及びマルチポイントツーマルチポイントの使用の制限事項を、エンドツーエンドトランスペアレントサービスの供給の一部として排除しない。従って、ポイントツーポイントサービスは、ポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントの一方向サービスまたは双方向サービスのいずれかとして例示化することができる。該IPルータ内で切替え可能にするために、PDUは、IPパケットフォーマットに適合させなければならず、すなわち、該PDUは、標準的なIP PDUとしなければならない。
【0162】
図15は、コネクションレスモードの通信をサポートするために設置された複数のレイヤ3交換装置62を備えるレイヤ3通信ネットワーク50を示す。通信ネットワーク50において、ネットワーク機能は、OSIレイヤ2タイプの通信トラフィックについて上述したのと同様の方法で、管理プレーン52、制御プレーン54及びデータ/転送プレーン56によって、OSIレイヤ3トラフィックに与えられる。
【0163】
交換装置のルーティングテーブルにデータを投入する制御プレーンに関連するコンセプト、およびコネクションレスイーサネット通信機器との関連で上述した実施形態の関連するVLAN及びOAMの考慮は、(コネクションレスサービスを提供するという目的のためにネットワーク内に予め設置されたIP通信機器を含む)IP通信機器を用いて、コネクション型サービスの提供を代わりにサポートすることに適応できる。
【0164】
図15において、管理プレーン52は、IPネットワーク50を構成し、制御し、管理するための適切なインタフェースを備える。制御プレーン54は、上記コマンドラインインタフェースを介して、または、当業者に周知されている他の何らかの適当な方法、例えば、IETF標準のうちの1つで指定されている例えばGMPLSによって、IPデータ/転送プレーン56のアクティビティを設定し、制御するための、論理的及び物理的インタフェースを備える。
【0165】
制御プレーン54は、呼制御及び接続制御機能を実行し、シグナリングを用いて、接続を設定し、および解放し、また、障害発生時には、接続を回復する。データ転送プレーン56は、ネットワークデータトラフィックをトランスポートするのに用いるフィルタリング及び転送機能を備える。
【0166】
図15において、通信ネットワーク50は、ローカルホストの第1のネットワーク60a、例えば、カスタマLANを備え、該第1のネットワークは、複数の相互接続されたIPルータ62を介して、ローカルホストの第2のネットワーク60d、例えば、別のカスタマLANと接続することが可能である。(明確にするため)例示的な数(4つ)のIPルータ20(符号A、B、C及びDが付けられている)が図15に示されている。
【0167】
図15において、ローカルエリアネットワーク60aは、適当なエッジデバイス66(例えば、いくつかの多重化機能を実行できるルータ)を介してルータAに送信されるトラフィック(例えば、IPトラフィック)のソース64を備える。別法として、エッジデバイス66は、異なる種類のトラフィックのプロトコルを、データプレーン56を介したコアネットワーク全域でのルーティングに適したIPトラフィックにカプセル化することができる。
【0168】
図2に示すようなネットワーク60dは、IPトラフィックシンク68として機能し、また、適当なデバイス70(例えば、逆多重化機能を備えるルータ)を介してIPルータDからIPトラフィックを受信する。ここでもまた、エッジデバイス708は、必要に応じて、該トラフィックを逆カプセル化してもよい。しかし、ローカルネットワークは、実際には、当業者には周知されているように、IPトラフィックのソース及びシンクの両方として機能することができる。
【0169】
IPルータ62がコネクション型IPルータとして正しく機能するためには、予め構成されたルーティングプロトコルは、該ルーティングプロトコルによってデータが投入される全ての転送テーブルエントリが、コネクション型サービスのためのプロトコルに対して低い優先度であるように、ターンオフし、または構成しなければならない。その代わりに、全てのコネクション型サービスに関連する該転送テーブルエントリは、CLIを介し制御プレーンによって、または、当業者に知られている他の何らかの手段によって、提供された情報を用いて投入される。エンドツーエンド接続を提供するために、各ルータ(または、同等の交換装置)A、B、C、Dには、上記制御プレーンによるエンドツーエンド接続に適している転送テーブルエントリが投入される。これは、該IPルーティングヘッダ情報が、各IPルータ62内で同じであるため可能である。
【0170】
図15において、データプレーン56内に設けられたIP交換装置62の各々のコネクション型トラフィックのためのIPデータ転送機能は、各IPルータ62に関連するコマンドラインインタフェース74a、74b、74c、74dを用いて、制御プレーン54から制御される。
【0171】
図15に示す本発明の実施形態において、IP交換装置Aの転送テーブルのためのルーティング情報は、管理プレーン52で生成され、制御プレーン54を介してルータ62に伝達される。実施例として、ルーティング情報は、ネットワークマネージャ72によって生成され、適当なコマンドラインインタフェース(CLI)74aを用いて該交換装置へシグナリングされる。ルーティング情報は、IPルータ62B、62C、62Dの各々の転送テーブルに投入するために、CLI74b、74c、74dを介して同様に供給される。他の機能を該IPルータに実装してもよく、例えば、パケットスニファ34をIP交換装置Dに実装してもよい。
【0172】
エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークは、((例えば、ルーティングテーブル機能が実際には実装されないことを確実にするために)該機能をターンオフすることにより、または、これらの優先度を適切なレベルまで低下させることにより)コネクション型サービスを提供する該ネットワーク内の各IPルータ20のルーティングテーブル機能を無効にし、および構成する。本発明の好ましい実施形態においては、IPルータ62は、コネクション型サービスのみを提供し、コネクションレスルーティングは完全にターンオフされるが、別法として、ハイブリッド交換装置を設けてもよい(後述する)。
【0173】
ルーティングプロトコルが例えば、上記制御プレーンによって一旦、上述したように不作動にされると、該制御プレーンは、IPアドレス及びポート及び他のヘッダフィールドテーブルエントリに基づいて、該IP転送テーブルに投入するのに必要なルーティング情報を生成して供給する。そして、該IPルータは、この情報を用いて、IPルータ62a、62b、62c、62dの間に(図15に黒い太線の矢印で示す)適当なIPリンク接続を確立する。該IPルータが、一方向および/または双方向リンク接続をサポート(し、それに伴って、当業者には周知されている全二重サービスを提供)することが可能である。
【0174】
各IPルータ62は、この転送テーブル内のIPアドレスに関して探索操作を実行することによって受取ったIPトラフィックの各パケット内の最も外側のIPヘッダに基づいて、データ転送を実施する。ここで、該転送テーブルに、上記交換装置の制御プレーンから得られた情報が投入されている場合には、該データは、コネクション型サービスを提供するように転送される。
【0175】
コネクション型サービスに用いられるアドレッシングスキームが、該IPネットワークに用いられるのと同じ場合には、各IPルータ上の発信ポートを決定するために制御プレーンルートテーブルを用いて、上記制御プレーンがこのアドレスを直接利用することができる。そして、これは、当業者には理解されているように、該IPルータの転送テーブル内の静的エントリとして該IPルータに設定される。コネクション型サービスに用いられるアドレッシングスキームが、該IPネットワークによって用いられるのと異なる場合には、この制御は、該接続の終点のための正しいIPアドレスを見つけるためにまず、ディレクトリ変換探索を実行しなければならない。この結果、該制御プレーンは、このIPアドレスをこのルートテーブルと共に用いて、該IPルータの転送テーブル内に静的エントリを形成することができる。
【0176】
コネクション型トラフィックが、上記IPルータによってサポートされる唯一のトラフィックである本発明の好ましい実施形態においては、該IPルータの転送テーブル内の静的エントリは、エンドユーザのトラフィックに対して有効である唯一のエントリである。このことは、該トラフィック上の唯一のエンドユーザトラフィックが、該ネットワークに明確に許可されているトラフィックであるため、高度の安全性を与える。
【0177】
本発明の代替的実施形態においては、コネクション型トラフィックが、同じIPルータ上のコネクションレストラフィックと混合される。この実施形態において、コネクション型トラフィックは、転送テーブル内の静的エントリを、コネクションレストラフィックのためのエントリよりも高優先度にすることにより、コネクションレストラフィックと区別することができる。トラフィックのさらなる区別は、コネクション型サービスのサービス品質特性をサポートするために、例えば、コネクション型パケットを待ち行列バッファ内で高優先度にすることにより実行することができる。単純な優先順位付けよりも優る、IPトラフィック管理のために開発され、かつ当業者には知られている多くの技術を、コネクション型トラフィックをコネクションレストラフィックと区別し、およびコネクション型トラフィックのための通常のコネクション型QoSを提供するために利用することが可能である。
【0178】
制御プレーン54によって実行できる交換装置制御は、「ASONのアーキテクチャ(Architecture of the automatically switched optical network)」というタイトルのITU−T勧告G.8080で特定されかつ記述されている制御機能(または、適切なサブセット)を実施し、該勧告の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の好ましい実施形態は、接続及び呼のコンセプト、制御とユーザプレーンの分離、および呼制御と接続制御の分離を可能にするG.8080と一致する方法で、制御プレーンを実施する。別法として、GMPLS、MPLS、または、レガシーPSTN制御プレーン、あるいはネットワーク管理システムを用いることができる。
【0179】
上記制御プレーンは、上記IPネットワークに関して可視性を有しており、どのリソースが接続されていないかが承知されている。一旦、AからDへの経路がシグナリングされると、該制御プレーンは、Dにおいて、どのリソースを接続を確立するのに使用できるかを知る必要があり、すなわち、どのリソースが接続されていないかを判断する必要があり、例えば、IPv6において、フロー識別子が接続されていない場合、該制御プレーンは、CPPを介して全ての交換装置に、この接続されていないフロー識別子を使用することを知らせる。要求がCPPによって受信されると、該CPPは、この要求を処理して、該制御プレーンの遠端のCPP(すなわち、トラフィックが、そこで該IPコアネットワークを出るIP交換装置のためのCPP)及び全ての中間CPPとどのように通信するかを判断する。該要求は、特定のルートを形成し、または、終点を識別することができ、また、該CPPに、ルートを見つけ出すことを依頼することができる。
【0180】
当業者は、接続の要求は、CPPがそれのためにデータ転送機能を制御するIPルータを介して制御プレーンプロセッサによって受信することができるが、該IPルータは、該接続要求を該CPPへ転送したときに黙々と機能する(すなわち、該CPPは、該IPルータが、受信した接続要求をどのように該制御プレーンに転送するかを制御しない)ことを承知しているであろう。
【0181】
ここで、図21について簡潔に説明すると、上記制御プレーンは、複数の相互接続された補助制御プレーンプロセッサ(CPP)78を備え、または、集中方式で実施することができる(この場合、制御プレーンプロセッサと交換装置の間のマッピングは、1:1と異なっていてもよく、複数の制御プレーンプロセッサが設けられ、複雑な階層的制御プロセス関係が可能である)。同様に、そのリソースが、他のCPPが故障した場合にのみ利用される1つ以上の予備のCPPを有することにより、代理機能性を与えることができる。単純化するために、異なるコンポーネントを区別する必要がない限り、主要構成要素は、ルータ62a、62b、62c、62d等及びネットワーク60a、60b等と呼ぶ代わりに、ルータ62、ローカルエリアネットワーク60と呼ぶことにする。
【0182】
通信ネットワーク50内の各IPルータ62は、相互接続されたローカルホスト(例えば、カスタマLAN)を備える2つ以上のローカルネットワーク60に接続されているが、図15には、LAN60a及び60bのみが示されている。制御プレーン54は、ルーティング情報を保持し、この情報は、データ転送プレーン内に設けられたデータ転送テーブルにデータ転送情報を投入するのに用いられる。該ルーティング情報は、(図15において、該制御プレーンと、関連するIP交換装置62とを繋ぐ点線上のバーとして示されている)それぞれのコマンドラインインタフェース(CLI)74を介して、各IPルータ62に提供される。該制御プレーンの構成は、図15に示されておらず、この構成は、制御プレーンプロセッサ78とIPルータ62の比によって、分散または集中させることができる。
【0183】
(例えば、図20及び図21に示されているような)完全分散型制御プレーンにおいて、各CPP78は、該CPPが制御するIPルータ62と1対1対応で配置されている。情報は、CPP78の間で、適当なシグナリングネットワーク(例えば、図20、図21参照)によって交換される。これらの補助プロセッサ78は、IPルータ62のデータ転送テーブルをどのように更新するかを制御する情報を生成し、また、IPアドレスを有する不良フレームが、または、与えられたシグナリング情報によって認識されないIPv6のフロー識別子の場合に、コネクション型サービスを提供するポートを介して該交換装置を通過するのを防ぐ。
【0184】
コネクション型サービスを提供することが可能であることを別として、IPルータ62の残りの機能は、コネクション型サービスを提供するのに必要な交換装置の作動の変化が、転送テーブルエントリを、このようなサービスを提供するように変えたことの結果として単純であるため、変わらない。
【0185】
コネクション型IPトランスポートモードが備えられている本発明の実施形態の場合のマルチパスは、図4のイーサネットの場合に概略的に示されているのと同様の方法で確立することができる。このため、図15においては、2つの経路を、IPルータAとDの間に確立することができ、一方の経路は、ルータ交換装置B及びCを通るものであり、他方の経路は、IPルータBだけを通るものである(経路ABDは、図15において、BとDの間の点線の矢印で示されている)。
【0186】
こうして、多数の接続を、コネクション型サービスを提供するIPルータ62を用いて形成することができる。上記制御プレーンを、該経路の何れかの箇所において、AからDへのトラフィックフローを動的に再構成することができるため、トラフィックは、現在の経路が、許容できないレベルの劣化に見舞われた場合には、新たな経路に動的に切替えることができる。このことは、IPトラフィックの高帯域ソースが、該ネットワーク上の元の経路に影響を及ぼす他のトラフィックが後に生成された場合でも、このシンクに対するサービス品質を維持することを可能にする。
【0187】
また、帯域幅を必要とする場合、トラフィックは、2つ以上の経路に沿って同時に送信することができ、また、適切なシークエンシング等の操作は、宛先IPルータ62Dで実行することができる。本発明の1つの別の実施形態において、予め投入された、両方のルートに関連する全てのIPルータ62のデータ転送テーブルエントリに対して、第1のルートに障害が発生した場合、上記制御プレーンがデータを再投入する必要がある転送テーブルは、第1のルートから第2のルートへの切替えを実施するソースIPルータ62Aの転送テーブルだけである。
【0188】
いくつかの実施形態において、制御プレーンプロセッサCPP78は、ルーティング情報を提供するのに加えて、呼接続制御機能を実行できる。例えば、IPルータAを制御するCPP78aが接続要求を受信した場合、該CPPは、ソースLAN60aからシンクLAN60dへ発信されるトラフィックのための適切なルートを決める。また、CPP78aは、上記転送テーブルが適切に更新されるように、CPP78aが決めたルート上の他のイーサネット交換装置62(例えば、図15に示された第1の経路の場合、これは、IPルータA、B、C及びDになる)に適切なシグナリングが送信されることを確実にする。
【0189】
本発明の一実施形態において、IPv6の場合と同様に、IPパケットヘッダ内にフローラベルが存在する場合、該トラフィックフローは、フローラベルを用いて分けられる。このことは、(例えば、ネットワークロードバランシングを可能にするように)適切なトラフィック管理を実施することを可能にする。該フローラベルは、交換する必要はなく、また、これらのフローラベルが交換されていない場合、これらのフローラベルは、これらのフローラベルがIPアドレスと結合されている場合に、グローバル識別子の一部として用いることができる。このようにして、スケーラブルなネットワークを管理するための完全にスケーラブルなソリューションを、例えば、宛先アドレスとフローラベルの組合せに基づいて、トラフィックを転送することにより、提供することができる。フローラベルが上記IP交換装置によって交換される場合、フローラベルは、単にローカルな意味のままである。
【0190】
従って、ソースIPルータAとシンクIPルータDとの間のエンドツーエンド接続は、経路(例えば、第1および/または第2の経路)に沿った各IPルータ20のための転送テーブルエントリの各々に、適当な転送テーブルエントリを投入することにより形成される。転送は、該IPの関連のあるヘッダ情報を、該IPルータの発信ポートに適合させる転送テーブルによって実施される。
【0191】
IPv4フロー制御
イーサネット交換装置を用いたこれまでの説明においては、VLANタグは、IPv6のフローラベルが、多数の経路を実現するために用いられる方法と同一の方法で用いられていた。また、IPv4においては、このマルチパスフローラベルを実施する多くの方法がある。1つのオプションは、サブネットワークアドレスを、宛先アドレス、及び各経路を識別するサブネットワークを有するアドレスとして用いることである。このため、上記制御プレーンは、各経路のルーティングを制御するために、各IPルータの転送テーブル内に、サブネットワークマスクを適切に設定することができる。第2のオプションは、IPソースルーティング、すなわち、あいまいなソースルーティングまたは厳密なソースルーティングのどちらかを用いることである。第3のオプションは、エンドパスを識別するために、IP−in−UDP−in−IPマッピングを用いること、および該IPルータにおいて、TCP/UDPポート転送を用いることである。その他のオプションは、IPv4ヘッダ内のオプションフィールドのうちの他のものを用いることができる。
【0192】
図16及び図17は、現在、当業者に知られているIPの関連のある標準的なバージョンをそれぞれ概略的に示し、図16は、IPv4のフォーマットを示し、図7は、IPv6の基本的なヘッダフォーマットを示す。図16及び図17は、当業者に周知されており、また、本明細書において詳細に説明しないプロトコルヘッダを例証するために記載されている。当業者は、IPパケットという用語が、本明細書に記載された特定の実施形態に限定すべきではなく、その特徴が本発明を実施することが可能であるどんなタイプの機能的に同等のパケットフォーマットも指すことを、はっきりと理解できるであろう。
【0193】
IPアドレスフィールドの長さによって課される制限は、IPヘッダ情報をカプセル化するように該アドレスフィールドをスタックすることによって緩和することができる。このことは、図18に概略的に示されている。IPのためのカプセル化スキームに関してさらに詳しくは、当業者には知られている、IETFより入手可能なRFC(Request for Comments)標準化ドキュメントRFC1853、または、欧州電気通信標準化協会(ETSI(European Telecommunications Standards Institute))またはITUから入手可能な同等の標準化ドキュメントを参照されたい。(IP−in−IPは別として)1つのIPパケットを別のIPパケットで伝えることを可能にする、多くの他のカプセル化スキームが存在し、様々な用途に用いられる(また、将来、より多くのことが規定される可能性がある)。例えば、上述したマルチパスという特徴をサポートするのに用いることができる、IP−in−UDP−in−IPというカプセル化が存在する。この説明において、IP−in−IPは、RFC1853で記述されているIP−in−IPカプセル化だけではなく、適しているものであれば、どのようなカプセル化も含む。
【0194】
カスタマが明白なIPヘッダ情報が、例えば、キャリヤによって与えられるIPヘッダ情報内にカプセル化される、および階層的アドレッシングスキームが実施される、本発明の実施形態においては、上記制御プレーンは、確実に該カスタマと分離される。該カスタマをカプセル化するこの外側ヘッダは、ソースIPルータ62aにおいて、外側ヘッダを従来のヘッダ情報に与えることにより、それ自体のアドレッシングスキームを行う該制御プレーンによって提供することができる。
【0195】
本発明のこの実施形態において、IP−in−IPカプセル化スキームは、制御プレーン12によって制御される。カスタマソース及び宛先IPアドレスは、ネットワークエッジのIPルータ62において、IPアドレスフィールド内にカプセル化される。IP−in−IPカプセル化を実施する場合、カスタマパケットは、カプセル化され、該制御プレーンと情報をやりとりせず、その代わりに、該制御プレーンは、該IP交換装置によって供給されたカプセル化IPヘッダに基づいて作動し、該カスタマIPアドレスを、該IPコアネットワークに対して有効に不可視のままにすることを可能にする。
【0196】
図19には、コアIPネットワークのためのIP−in−IPサービスが示されているが、カスタマIPパケットをキャリヤのIPパケット内に包み込む原理は、他の技術にも適用することができる。カスタマのパケットは手つかずであるため、透過性が備わる。この結果、キャリヤは、(スケーリング、セキュリティ、分離及び故障検出を実行できる)キャリヤ自体のアドレッシングスキームを自由に用いることができる。
【0197】
図19は、プロバイダ(P)のIPパケットがどのようにして、カスタマヘッダとは完全に無関係である他のフィールドを含むことができるかを示す。このような方法で、ネットワークコア内で、使用するIPアドレスは、カスタマIPアドレスを、そのIPアドレッシングスキームが用いられるキャリヤによって与えられたアドレスであるため、必要に応じて、ネットワークエッジの交換装置において逆カプセル化するのみで、強化された安全性を与えることができる。最初の方の図面で用いた番号付けスキームは、同じかまたは同等の機能を有する図19の構成要素に対して維持される。
【0198】
図19には、トラフィックがネットワークを流れる際に、キャリヤIPパケット内に保存されたカスタマIPパケット(図において、c−IPパケットで示す)が示されている。一実施形態においては、エッジIPルータ62のみがカスタマアドレススペースを理解する。しかし、このことは、ポイントツーポイントサービスが提供される場合には必要ない。コアIPルータ62は、プロバイダアドレススペースを理解することのみを必要とする。
【0199】
本発明によって提供されるIPネットワークは、IPソースアドレス(SA)及び宛先アドレス(DA)を用いて、(外側IPヘッダを用いた)エンドユーザCO−PSサービスを提供する。このことは、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者が、「専用回線」型のサービスを提供することを可能にし、この場合、カスタマIPパケットは、透過的にトランスポートされる(例えば、添付図面の図19を参照)。内側IPヘッダは、従来のIPルータ及びIPルーティングプロトコルを用いて処理され、従来のコネクションレスIPとして作用する。本発明の一実施形態においては、サービスプロバイダ/ネットワーク事業者は、別のサーバレイヤを付加して、トラフィックエンジニアリング等の独自仕様のサービスを実施することが可能である。
【0200】
本発明の別の実施形態においては、上記内側及び外側ヘッダは、異なるバージョンのIPであってもよい。
【0201】
上記内側及び外側ヘッダは、論理的に分離されており、本発明の多くの実施形態が可能である。これまでは、外側ヘッダがイーサネット(MAC)である実施形態について説明してきたが、この場合、それぞれが異なる内側ヘッダを備えるさらに多くの構成実施形態がある。実施例は、IPv4−in−MAC、IPv6−in−MAC、IPX−in−MAC及びMAC−in−MACを含む。ここで説明した実施形態においては、該外側ヘッダはIP(例えば、IPv4またはIPv6)であり、多くの構成実施形態がある。同様に、実施例は、IPv4−in−IP、IPv6−in−IP、IPX−in−IP及びMAC−in−IPを含む。
【0202】
当業者は、G.8080が、コネクション型ネットワークの制御プレーンのためのアーキテクチャについて記述されており、該アーキテクチャが、コネクション型サービスをコネクションレスIPネットワーク環境に提供することができるG.8080の制御プレーンのコネクション型機能を実施することによるものであることを承知しているであろう。G.8080のコネクション型制御プレーンは、コネクションレスIP技術を制御するのに用いられ、そうすることで、該IPルータの動作を変換する。
【0203】
本発明の一実施形態においては、呼/接続制御プレーンプロセッサ(CPP)36とIPルータ62を分離するためにG.8080に準拠する適切なインタフェースが設けられ、例えば、各IPルータ62は、今現在ある独自のコマンドラインインタフェース(CLI)32を介して制御することができる(図20参照)。該CLIを横切るコマンドを解釈し(すなわち、該コマンドラインインタフェースまたは制御プレーンに対する変化に対応し、該インタフェースの両側で用いられる「言語」を変換する)この実施形態が必要とするスタブまたは仲介者は、この図面には図示されていない。また、G.8080のアーキテクチャは、該制御プレーンを交換装置のプラットフォームに統合することも可能にする。これは、制御プレーン機能を追加するように該交換装置プラットフォームに対して変更を必要とするが、データ転送機能を実行できるハードウェアを替える必要はない。
【0204】
本発明の別の実施形態において、GSMP等の、上記交換装置と制御プレーンとの間の標準化インタフェースは、該制御プレーン機能を実施するのに用いられる。例えば、GMPLS及びネットワーク管理プロトコルまたは同様の制御あるいは管理プレーンプロトコルは、必要な機能、例えば、XMLまたはITU−T勧告M.3100を実施するのに用いることができる。
【0205】
「アドレッシング及びラベル付け」を行うコネクション指向手段は、シグナリングシステムをこれらに関連付けるのに用いた状態で、互いに分離することができる。本発明は、IPアドレスを、上記制御プレーン内でのみ可視的である「ラベル」として処理する。原理的には、アドレッシングは、該IP交換装置の補助プロセッサに対してのみ可視的であり、すなわち、該制御プレーン内でのみ可視的であるため、どのようなアドレッシングスキームも用いることができる。しかし、コネクションレスネットワークとの互換性を与えるために、IPv4アドレッシングを用いることができ、または別法として、IPv6を用いることができる。プライベートアドレッシングの広範な利用を仮定すると、グローバル一意アドレスは、2つの形態のうちの1つで明確に形成されている。第1の形態は、IPの仮想プライベートネットワーク(VPN(virtual private network))で用いられる絶対的なグローバルアドレスであるVPNid/IPv4アドレスである。グローバル一意アドレスの第2の形態は、NATアドレスである。このグローバル一意アドレスは、プライベートIPv4アドレスが後に続くゲートウェイの公衆IPv4アドレスの連なりとして明確に形成される。NSAPアドレス、E.164アドレスまたは何らかの適用可能なグローバル一意アドレスフォーマット等の代替例を、本発明の代替的実施形態に用いることもできる。
【0206】
ネットワーク運用を実施する当業者にはよく知られているように、交換装置インタフェースの地理的および/または物理的位置に基づく形態等の人間の形態のアドレッシングを用いることが可能である。
【0207】
制御プレーン54によってデータプレーン56へ送信されるシグナリングは、ここでは、IPトランスポートに特有のパラメータを可能にする単純な拡張子を有する必要な機能を有する、イーサネットトラフィックとの関連で本明細書において詳細に上述した本発明の一実施形態に従って、現在の標準的なシグナリングプロトコルのうちの1つに準拠する。
【0208】
ルーティング機能は、イーサネット交換装置に注力した実施形態との関連で上述したのと同様の方法で実施することができる。
【0209】
動的ルーティングの特定の実施形態は、上記ルータ内のルーティングプロトコルを用いることができる。この実施形態において、該ルータは、その通常のルーティングプロトコルを実行して、ルートテーブルを計算することができるが、エンドユーザトラフィックの転送は、該トラフィックが通常のコネクションレスルーティングにあるため、このルートテーブルには直接的に基づいていない。その代わり、該制御プレーンは、該転送テーブル内の転送エントリを計算するために、該ルータ上のこのルーティングテーブルをそのルーティングテーブルとして用いる。この実施形態において、該ルータは、ルーティングプロトコルの良好な実施に必要なため、該ルータ自体のアドレスを除いて、該ルートテーブルの該転送テーブルへの通常のコピーが不作動状態にされるように構成される。該ルータがこのコピー動作を不作動にする方法は、該ルータの正確な実施及びCLIの能力により、変わってもよい。このことを支援するのに用いることができる1つの特定の方法は、コネクション型サービスのエンドポイントのIPアドレスからの異なるIPアドレススペースからルータIPアドレスが割当てられる。該IPルータによってサポートされる場合、フィルタは、該ルータ自体のIPアドレスのみのコネクションレス転送を可能にするように設定することができる。このような実施形態は、オートディスカバリ及びリンク、およびノード故障検出を自動的に実施する。
【0210】
従って、図15に示す本発明の実施形態において、ルーティング情報は、複数のプロセッサとして実施された制御プレーンによって提供され、各制御プレーンプロセッサ78は、入力を単一のIPルータ62に供給し、このことは、コマンドライン74を介して行うことができる。この情報は、適当なルータまたは交換装置制御プロトコルを用いて、または、通信ネットワーク内の各IPルータ62のために設けられたコマンドラインインタフェースを明確に介して供給することができる。
【0211】
分散型制御プレーン機能が、エンドツーエンド制御プレーン通信ネットワークを形成するように、制御プレーンアーキテクチャが配置されている場合、該制御プレーンの各コンポーネントは、制御プレーン機能を1つ以上の交換装置に与え、また、このようにして、IPルータ62のための制御プレーンを、IP交換装置用イーサネット交換装置に関して上述したのと同等の方法で実施することができる。他の実施形態との関連で上述してきたように、制御情報を該IPルータへ伝えることが可能な何らかの適当なプロトコルを用いることができ、例えば、管理または制御プレーンプロトコルネットワークを用いることができる。該制御プレーンプロトコルは、本発明によって必要とされるIP固有パラメータに関する当業者には明白であるようにこれらが適応されるならば、管理プロトコルに基づいて独自仕様とすることができ、または別法として、上述したようなGMPLS、ASON−RSVP−TE、CR−LDP、PNNI、SS7等の標準的な制御プロトコルに基づかせることができる。
【0212】
当業者は、IP交換装置のCLIに変化が起きた場合、上記制御プレーンと該CLIとの間の交換装置ソフトウェアスタブは、更新する必要があることを承知しているであろう。このことは、該ソフトウェアを更新することを要し、該制御プレーンが該交換装置と通信するために、独立した通信ネットワークが必要である。
【0213】
図20には、3つのIPルータ62A、62B及び62Cが示されており、各IPルータは、付随するCPP78を有する。
【0214】
各CPP78は、GSMPインタフェースを備える、xで示されたCLIにより、および/またはインタフェースyにより、適当なインタフェースを介してIPルータ62に接続されている。別法として、該制御プレーンからIPルータ62を遠隔制御することが可能な他の何らかの公知のプロトコルを用いることができる。しかし、交換装置管理プロトコルインタフェースを該交換装置を遠隔制御するのに用いた場合、この交換装置ソフトウェアは、該CPPと通信するために変更する必要があり、例えば、スタブまたは仲介者が必要になる可能性がある。
【0215】
図21は、本発明の代替的実施形態を示し、CPP78は、異なるCPP78が、異なる通信ネットワークを用いて通信することを可能にする異なる接続形態で接続されている。例えば、CPP78は、IPv6パケット内のフロー識別子を用いて、CPP78とIPルータ62との間で制御メッセージを伝えるのに用いることができる仮想プライベートネットワークを識別することができる。該仮想プライベートネットワークは、制御VPNの各々を識別することが可能であるように、ネットワーク事業者によって設定される。このように、例えば、異なる制御プレーン機能を異なるVPN内で実施することが可能である。このようにして、論理的に帯域外の制御をコネクション型IPトランスポートモードに対して実行することが可能である。また、当業者は正しく理解するように、VPNは、他の目的に対しても、例えば、OAMパケットを伝えるのにも用いることができる。
【0216】
(デュアルモード/ハイブリッドIP交換装置)
本発明の別の実施形態において、IPルータは、コネクションレスサービス及びコネクション型サービスの両方を提供するように配置されている。該IPルータは、いくつかのコネクションレス機能を直接提供する。この実施形態において、該データ転送プレーンは、そのコネクションレス機能、すなわち、コネクションレスサービスを保持する。該データ転送テーブルエントリは、コネクション型サービスの場合にのみ該制御プレーンから得られた情報を用いて更新される。
【0217】
当業者は、本発明の実施形態の詳細な説明において上述した特徴に対する多くの等価物及び変更例が明白であることに気付くであろう。従って、本発明の範囲は、上述した特定の実施形態によってではなく、添付請求項によって解釈すべきである。
【0218】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除いて、説明及び請求項全体を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」等の言葉は、排他的または網羅的意味とは対照的に包括的に、換言すれば、「含むが、これらに限定するものではない」という意味で解釈すべきである。
【0219】
これまでの説明は、カプセル化されたIPトラフィックを、従来のIPネットワークに対して使用可能な現存するツール、技術及びプロトコルの全てを用いて転送することができると同時に、該カプセル化されたIPトラフィックが、それぞれの制御プレーン及びアドレススペースを用いることができることを明確に示している。しかし、該カプセル化トラフィック及びその制御トラフィックの一部または全ては、同じ方法で転送する必要はない。
【0220】
これらのトラフィックをユーザトラフィックと共にトランスポートする(すなわち、該トラフィックが、ルータ間のトラフィックと同じリンクを使用する)制御プレーンソリューションの場合、制御トラフィックをネットワークのあちこちに送信することができるように、(カプセル化を実行できるレイヤ内に)トラフィックを制御及び管理するために設けられた接続を、予め単純に手動で設定することができる。これは、ユーザトラフィックのための接続を形成するための必要条件である。しかし、他のスキームを想定することもできる。異なる転送動作は、異なる層に適用され(「IP−on−IP」は、カプセル化されたトラフィックがクライアント層と関連し、カプセル化するトラフィックがサーバレイヤと関連するITU勧告G.809の意味で、全クライアント/サーバカプセル化と見なすことができる)水平に適用することもできるという意味で、カプセル化された及びカプセル化するIPトラフィックに適用することができる。管理及び制御トラフィックのための予め備えられた接続ではなく、該制御トラフィックは、コネクションレス方式で送信することができ、一方、ユーザトラフィックは、(カプセル化層内の)接続に沿って送信される。
【0221】
従って、カプセル化を実行している層は、制御トラフィックが従来のIP転送技術に従って転送され、コネクション型のようなトラフィックが新たな制御プレーンを用いて転送されるように、分割することができる。転送動作を区分することの利点は、制御プレーントラフィックが、従来のIPネットワークで使用可能な全てのツール及びプロトコルを用いることができるということである。従って、ICMP(Internet Control Message Protocol)等のプロトコル及び(トレースルート及びPing等の)その属性を、制御プレーントラフィックに対して展開することができ、また、該制御プレーンも、ルーティングテーブルにデータを投入するためのIPルーティングプロトコルを用いて、制御トラフィックの転送を支援することができる。制御トラフィックのためのルーティングプロトコルは、制御トラフィックに関連していないIPアドレスを単に除去することにより、ルーティングテーブルに制御プレーントラフィックのみを投入するのに用いることができる。
【0222】
ICMP等のツールも接続内で用いることができることに注意すべきである。この場合、これらは、接続という脈絡に限定されるが、従来のIP診断ツール及び技術は、「接続中に」実行して、該接続を監視するためにOAM機能を与えることができる。さらに、これらのツールは、一方向接続に用いることができる。ここで、リターンパスは、該接続をたどる必要はなく、返信メッセージを該制御プレーンに送信することができる。別法として、双方向接続を形成するように関連付けられている2つの一方向接続の場合、該リターンパスは、別の方向で該接続をたどることができる。
【0223】
制御プロセッサ間の制御トラフィックが、ユーザトラフィックのネットワークとは別のネットワーク(すなわち、独立した異なるリンク)上を伝わる場合、制御プレーントラフィックの転送は、どんな場合でも、ユーザトラフィックの転送とは完全に分かれている。また、このトラフィックのアドレッシングスペースも分かれており、実際には、同じ種類(すなわち、1つのスペースのIPv6にIPv4)である必要はない。
【0224】
本発明の上記の実施形態は、コネクションレストランスポートモードのために元々設計された交換装置を用いて、コネクション型サービスを提供することが可能であることを明白に示している。上記制御プレーンから遠隔的にデータを投入することが可能であるルーティングテーブルに依存するOSIレイヤ2またはレイヤ3のコネクションレストランスポートモードをサポートするように元から設計されたどのようなレイヤ2通信機器も、コネクション型サービスを提供するのに用いることができる。元々のコネクションレスアドレッシングスキームは維持することができるが、各フレームヘッダにアドレス情報を含む1つ以上のフィールドは、該制御プレーンにより、該交換装置に対する適切なインタフェースを介して該ルーティングテーブルを更新するのに用いられる。コア(例えば、キャリヤ)ネットワークのエッジにおける交換装置において、アドレス情報をカプセル化することにより、カスタマアドレス情報を、キャリヤが提供するアドレス情報内にカプセル化することができ、その結果、該ネットワーク全域でより確実にトランスポートすることができる。
【0225】
図22A及び図22Bは、IPルータの転送テーブル80に、制御プレーン54によってどのようにデータを投入することができるかを示す。IPにおいて、転送テーブルは、一般に、ルーティングテーブルと呼ばれており、該IPルータの特定の発信ポートに関連するルートの優先リスト(アドレスの有効な集合)を含む。本発明によれば、制御プレーン54は、デフォルトルートが設けられている場合、デフォルトルータが確実にコネクションレスになるように優先されたルートをIP転送テーブル80に投入する。該IPルータの転送エンジンは、受信したIPパケットのためのルータの特定の発信ポートに関連するルートを選択する際、図22Aに示す転送テーブル80内のルートエントリを単に調査する。図22Aに示す実施例において、ルート82aは、最も優先度の高いルートであり、一方、ルート82bは、より低い優先度を有する。ルート84は、本発明のこの実施形態において、コネクションレスであるデフォルトルートである。
【0226】
図22Aに示す実施形態において、マルチパスルーティングを実施するため、IPアドレススペースのサブネットを宛先アドレスに割当てることが可能であり、この結果、該IPサブネットのアドレススペース内の各個別のアドレスは、異なる経路であることを識別するのに用いることができる。このようにして、多数の経路を、標準的なIPプロトコルに準拠するトラフィックに対して、コネクション型方式で設定することができる。例えば、当業者に知られているIPアドレッシングスキームにおいて、クラスCサブネットは、宛先アドレスとして用いることができ、256の経路まで、個々のクラスCアドレスを用いて指定することができる。
【0227】
図22Bは、本発明によるIPルータのための転送/ルーティングテーブルの代替的実施形態を示し、制御プレーン54は、該転送テーブルに、一連の標準IPルートのアドレスと、マスクされたアドレススペースとを備えるルート情報を、図22Aに示す方法で投入し、加えて、TCP/UDPポート識別子を与えて、多数の経路をソースと特定のIP宛先アドレスとの間に設定できるようにする。
【0228】
上記の実施形態は全て、本発明が、いくつかの手段により、例えば、特定のVLANタグまたはデフォルトルーティングテーブルエントリを用いて、このようなものとして識別した場合にのみ、コネクションレストラフィックモードを中断または許容した状態で、OSIレイヤ2またはレイヤ3の交換装置が、コネクションレストラフィックモードをサポートして、コネクション型トラフィックモードをデフォルト送信モードとしてサポートすることを可能にする手段を実現できることを実証している。
【0229】
従って、この発明は、通常、コネクション型サービスに付随する全てのマルチパスの特徴及び経路回復の特徴を含むコネクション型サービスに対する、現存するコネクションレス機器の再利用を、現存する機器に、または、該機器に関連する何らかの標準にどのような変更も伴うことなく可能にする。マルチパスという特徴及び経路回復を実施するためには、単純な宛先アドレスまたはソースアドレスと宛先アドレスのペアによって届くことができないマルチパス識別子が必要である。このためには、VLANid、IPv6のフロー識別子、または、従来技術からは失われている、以下に説明するIPv6の多くの可能性等のさらなるフィールドが必要である。コネクション型トラフィックの制御は、現存するコネクションレス制御プロトコル、例えば、イーサネットブリッジ学習及びスパニングツリープロトコルまたはIPルーティングプロトコルに対して、完全に分離されており、そのため、コネクション型サービスに通常関連する安全性を与える。
【0230】
従って、従来の制御プレーンプロトコルを不作動状態にすることにより、該ハードウェアを再構成して、コネクション型モードで作動させることが可能である。コネクション型の形態が回線交換(例えば、TDMまたは波長)またはパケット交換(例えば、ATM)であるかに関係なく、コネクション型を規定するものと考えられるプロパティのセットがある。これらは、情報の転送の前に、リソースを要求して割当てることを含む。上記データプレーンにおいては、転送が、リンクローカルの意味を有する接続識別子に基づいていると仮定されている。実施例は、TDMネットワークにおけるタイムスロット、光ネットワークにおける波長、ATMにおけるVCI及びVPIフィールド、フレームリレーにおけるDLCIフィールド、およびRSVP−TEベースのMPLSネットワークにおけるラベルを含む。この接続識別子は、当業者には、「ラベル」としても知られており、該ネットワークを介してトランスポートされる各トラフィックユニットに関連している。当技術分野においては、ラベルを用いて、トラフィックユニットを転送することが知られており、例えば、コネクション型パケット交換(CO−PS)ネットワークにおいては、ラベルスワッピングが拡張性を実現することができる。該ラベルは、明確なまたは絶対的なものであってもよい(例えば、タイムスロット)。
【0231】
IEEEは現在、プロバイダのアドレススペースをカスタマのアドレススペースから分離すること、カスタマフレームにタグを付けないまたはタグ付けすること、カスタマが、スパニングツリープロトコル等の自身の制御プロトコルを使用すること、および階層の使用が、ネットワークのエッジにおいて、カスタマフレームをカプセル化することにより、安全性を与えることを可能にする、MAC−in−MACカプセル化を開発中である。また、階層の使用は、例えば、階層の中の1つの層における管理制御が、他の層で実施される制御から独立しているように、管理の制御の分離を可能にする。
【0232】
本発明のいくつかの実施形態においては、クライアント層をコネクションレスにすること、および転送及びブリッジ機能を該クライアント層においてIEEEによって規定されているようにすることが可能である。このことは、タグ付けされない及びタグ付けされたフレームに適用することができる。コネクション型構成を用いてVLANを説明する必要はなく(VLANは接続ではない)、また、カスタマの視点からは、この層における該ネットワークは、他の何れかのイーサネットネットワークのようにも見える。しかし、このような実施形態において、該サーバレイヤにおいては、イーサネットフレームの通常のフォーマットが維持されるが、ブリッジ機能はオフにされ、例えば、MAC学習及びブロードキャストは未知にされる。また、スパニングツリーも不作動にされる。この結果、本明細書で提案されたコンセプトは、VLANの領域の一部または全てに適用することができる。
【0233】
IEEEの仕様は、転送テーブルに、コンフィギュレーションの手段によって、コネクションレスルーティングを実施することを目的として、静的にデータを投入することを可能にするが、本発明は、このメカニズムを用いて該転送テーブルにデータを投入して、イーサネットまたはIPトラフィックのソースとシンクとの間でコネクション型ルーティングを実施する。このことは、現存するハードウェアを用いたコネクション型転送を可能にする。転送テーブル内にエントリを有していないPDU(例えば、フレームまたはパケット)がある場合、該PDUは、単純に外される。このようにして、トラフィックは、接続に関連していない限り、該ネットワークに許容されない。
【0234】
次に、添付図面の図23について説明すると、OSIレベル2でのトラフィック(例えば、イーサネットアドレス情報を有するトラフィック)に対して、該コアネットワーク内の交換装置間でマルチパスルーティングを実施する本発明の実施形態が示されている。同等の実施形態を、OSIレベル3のトラフィック、例えば、IPアドレス情報を有するトラフィックに対して実現できる。
【0235】
図23には、交換装置A、B、C及びEの間に第1の経路が示されており、交換装置A、D及びEの間に第2の経路が示されている。図23には、カスタマトラフィックがイーサネットトラフィックを備える、本発明の実施形態が示されている。カスタマイーサネットトラフィックフレームは、適当なカプセル化スキームを用いて、プロバイダアドレス情報を該コアネットワークのイーサネット交換装置20の間に伝えるイーサネットフレームにカプセル化される。同様のカプセル化スキームを、IPトラフィックに対して実施することができる。
【0236】
従って、図23に示す実施形態においては、ノードAにおいて、管理プレーン10(および/または制御プレーン12)は、VLAN ID100に関連付けられたトラフィックを該第1の経路に沿って転送するための発信ポートを構成しており、VLAN ID120を有するトラフィックは、該第2の経路に沿って転送される。図23において、ネットワーク要素A及びEは、ネットワークエッジデバイス、例えば、カスタマが直面するポートを提供する、802.1ahに準拠するデバイスに相当し、この場合、カスタマトラフィックは、Aにおいて、構成されたイーサネット交換経路上でカプセル化され、Eにおいて抽出される。
【0237】
該第1の経路は、VLAN−ID120が割当てられたトラフィックのためのプロビジョニング及び管理プレーンで計算されている。従って、介在するPで設定された転送テーブルは、各デバイスの適切な出口ポートに、VID=120/MAC=Eを対応付けるように切り替わって、連続的経路を形成する。該第2の経路の場合、同じプロセスが、VID=100/MAC=Eを用いて該スイッチに設定された経路を生じる。同様のプロセスは、EからAへの対称的な帰路を設定するのにも用いられる。
【0238】
該実施例において、これらの経路は、転送エントリを提供するVID及びMACの組合せであることを説明するために、ノードDにおいて、意図的に融合/分離する。これは、転送経路を決める2つの連なりである。経路120/E及び100/Eが交差する上記の実施例の場合、別のMACアドレスと共に用いられるVID100または120等のどちらかのスペースにおけるコリジョンは、単一の出口ポートに対して独自に解決される。
【0239】
VLAN IDは、ここでは、宛先アドレスまでの多数の並行経路のうちの1つを識別するのに用いられている。VLAN IDフィールドは、このように用いられた場合には、もはやグローバルに有効ではなく、VLAN ID値は、異なる宛先アドレスに再利用することができる。しかし、各交換装置における転送には影響はない。
【0240】
本発明によれば、上記制御プレーンによって、上記転送テーブルに組み入れることができるインデックスヘッダフィールド識別子の値またはこれらの値の組合せを用いることができるが、上記の実施例において、これは、転送がそれに基づいているMACアドレスとVLAN IDの組合せである。このことは、これらのフィールドの組合せを用いて、グローバル一意性を確実にしている間、VLANタグレベルでの「融合(merging)」を可能にする。このことは、魅力的なスケーリング作用をもたらすと共に、融合時にだけラベルを用いるコネクション型技術において起きるソースの可視性の喪失を回避する。VLANスワッピングとは対照的に、何らかの新たなかたちの転送メカニズムの導入は必要ない。
【0241】
現存するMACアドレスに加えて、VLANタグ等の別のヘッダ識別子を利用し、該ネットワーク上の交換装置間の各ホップ上のMACアドレス及びVLAN IDに対して同じ値を用いることにより、該通信ネットワークでの接続のためのOAMは、大幅に単純化される。例えば、誤設定等の転送エラーの自己識別は迅速である。具体的には、付加ヘッダに加えてMAC宛先アドレスは、トラフィックエンジニアリング能力をイーサネットに加えることを可能にする。このことは、現存するイーサネットソリューションに関してかなりの利点を意味する。帯域幅管理及び接続許可制御等のコネクション型の能力は、リソース管理を実行できる。
【0242】
既存のコネクション型技術とは対照的に、転送は、単一の絶対的または明確なラベルによってではなく、宛先アドレスと、ルート識別子(route distinguisher)として機能するヘッダ識別子ラベルの両方の組合せによって行われ、例えば、より高い優先度のトラフィックに、コネクション型モードのトランスポートを割り振ることができ、一方、より低い優先度を有するトラフィックは、コネクションレスモードで該ネットワーク内をルーティングし続けることができる。明らかに、ラベルは、コネクション型転送に対して十分なものであるが、アドレスも用いる場合には、追加的な機能を得ることができる。ほとんどのコネクション型技術の場合、これは不可能であるが、イーサネット(または、IP)の場合、これは、フレーム/パケットフォーマットの結果として可能である。アドレスとラベルの組合せは、スワッピングが必要ないことも意味する。このため、転送自体は、コネクション型またはコネクションレスの作用を単に決めずに、作用の形態は、同じフレームフォーマット及び同じハードウェアを用いて得ることができる。
【0243】
アドホックベースのコネクションレスルーティングを実施するように構成され、かつ制御プレーンとインタフェースをとる手段を有する、OSIレイヤ2及び3の交換装置は、コネクションレスルーティング/アドレス学習機能が、コネクション型サービスがそれに対して実施される交換装置の全てのポート、または該ポートのサブセット上で不作動状態にされるならば、本発明に従って、コネクション型ルーティングを実施するように適応させることができる。このことは、コネクション型ルーティングを、全てのまたは1連のポート(あるいは、VLAN−IDまたは、該交換装置が調べることが可能な他のフィールド識別子)に対して実施できるようにし、この場合、該制御または管理プレーンは、該交換装置の転送テーブルに直接データを投入するのに用いられる。該交換装置の動作は、いくつかの実施形態において、静的に決められるのではなく、該制御プレーンの制御の下で、選択的である。
【0244】
その転送テーブルに、このように直接データが投入されている、複数のイーサネット交換装置を通信ネットワークに設けることにより、該交換装置は、そのヘッダフィールド識別子の値が、上記制御プレーンが、コネクション型サービスを提供するスイッチに設定した値とマッチする全てのトラフィックに対して、CO−PSモードで効率的に作動する。このことは、VLAN−IDに基づいて、いくつかのエントリに対して行うことができ、他のエントリは、他のヘッダ識別子、例えば、イーサネット、または優先度、あるいは、これらの組合せを、実際には、該制御プレーンによって提供することができ、該交換装置によって使用される転送テーブルに投入することができるような適切な方法でフォーマット化することができ、およびトラフィックヘッダフィールドから、該交換装置により抽出された情報に適合することができる何らかの情報を備えることができる。従って、出口ポートがVLAN−ID及びDAに関連付けられているいくつかのエントリと、出口ポートがイーサタイプ及びDA、または優先度及びDA等と関連付けられている、同じテーブル内の他のエントリとを有するテーブルを有するように、該交換装置を構成することが可能である。該エントリの多様性は、トラフィックのための複数の経路をもたらすことが可能である(例えば、特定のVLAN−ID及びDAに関連する出口ポートが輻輳している場合、これらの情報が異なる出口ポートと関連付けられていれば、該DA及びイーサタイプまたは優先度に基づいて、該トラフィックを代替的な経路に沿ってルーティングすることが可能である)。
【0245】
上記制御プレーンは、通信ネットワーク全域で接続を確立するように、関連のある全ての交換装置の転送テーブルを設定する(すなわち、各連続する1連の交換装置は、各エントリが、一方向(逆方向にも対応付ける場合、すなわち、SAからDAは一方向であるが、SA−DA及びDA−SAエントリは双方向接続を設定する場合には、双方向)の接続を設定するように、その転送テーブルにデータを効率的に投入することになる。転送テーブル内の識別子は、ひとつづきのまたは1連の識別子、例えば、特定のMAC DAに固有のひとつづきまたは1連のVLAN−IDの一部とすることができる。この場合、これらの識別子は、任意のDAでの可能性のある接続終了の数を識別することができる。
【0246】
上記転送テーブルは、通常、フラッディングにより、未知のアドレスに対処するため、この機能は、フラッディングが確実に回避されるように不作動にしなければならず、また、該転送テーブルには、上記管理プレーン(または、同等に、上記制御プレーン)からの情報を直接投入しなければならない。このことは、特に、上記交換装置によって中継される前に、フィルタリング(または、除去)する必要がある任意のブロードキャストまたはマルチキャストトラフィックに適用することができる。
【0247】
呼許可制御及びキューイング、例えば、802.1Qをベースとするクラスベースのキューイングと組合わせた場合のネットワーク全域での接続の明確なルーティングは、接続ごとのQoSを可能にする。また、(例えば、ITU−802.1ab標準技術を用いて)該ネットワークから取得可能である接続形態情報は、CO−PSサービスを提供する必要がある。また、所要の接続のシグナリングを実行できる必要があり、例えば、接続は、OAMトラフィックを用いて(例えば、ITU−8021agを用いて)上記管理プレーンから信号で伝えることができる。
【0248】
従って、本発明は、制御プレーンを用いて、受信したトラフィックを、コアネットワークに対してコネクション型方式でルーティングするか、またはコネクションレス方式でルーティングするかの決定が、アクセスネットワークで用いられるトランスポートのモードに無関係となるように、上記交換装置を構成することに関するものである。同等に、上記管理プレーンは、該制御プレーンを適切に構成するのに用いることができ、また、コネクション型サービスを実施するときを判断することが可能である。ローカルエリアネットワークサービスプロバイダまたはカスタマは、該コアネットワーク全域でコネクション型方式でルーティングすべきトラフィックに対して、特定のヘッダフィールドの値域を(割当ててもよいが)割当てる必要はない。
【0249】
本発明のいくつかの実施形態は、サービスプロバイダが、上記制御プレーンによって上記交換装置の動作を制御して、該コアネットワークに流れるトラフィックに対して、コネクション型またはコネクションレスのサービスを選択的に提供することを可能にする。このようにして、例えば、時刻、および受信したパケット/フレームのヘッダフィールド内の特定の情報に対するものではなく、該コアネットワークに対するトラフィック負荷(または、特定の宛先アドレスに対するトラフィックの量)に従って、コネクション型モードのトランスポートを選択的に提供することが可能である。
【0250】
トラフィックを転送するモードは、単純に、コネクションレスプロトコル(例えば、スパニングツリー及びアドレス学習プロトコル、または、非イーサネットトラフィックのための同等機能を有する何らかのプロトコル)が、上記交換装置の特定のインタフェース上で作動するか否か、または、これらのプロトコルは、上記制御プレーンが、同等のルーティング情報を提供して、該コアネットワークを流れる特定の受信トラフィックのための接続を確立することが可能であるように不作動/除去されているかによって判断される。
【0251】
このことは、該交換装置が、同時に(すなわち、ハイブリッドモードで)または、該制御プレーンによって決められた異なる時間に選択的に、コネクションレスおよび/またはコネクション型方式で、トラフィックを同じ宛先アドレスへ転送するように作動することを可能にする。交換装置の動作モードは、単に、接続が該制御プレーンによって確立されるか否かによって制御されるため、該トラフィックは、そのヘッダフィールドに特定の識別子を割当てる必要はない。該制御プレーンは、全ての未知のトラフィックを廃棄するように該交換装置を構成することができ、または、該交換装置は、例えば、受信したパケット/フレームのVLAN−IDを、未知の機能に関するブロードキャストが不作動/除去されていない出口ポートに関連するVLAN−IDと交換することにより、適切なアドレスプロトコルがそこに保持されている該出口ポートに未知のトラフィックを転送してもよい。
【0252】
スパニングツリー及びアドレス学習機能が遠隔的に構成可能である場合、上記制御プレーンは、この機能を遠隔的に作動/非作動にするのに用いることができる。このようにして、該交換装置は、該交換装置が該制御プレーンから受信した情報に従って、コネクションレス方式で作動する1つ以上のインタフェースを可能にする該交換装置の該1つ以上のインタフェースの機能を作動または非作動にすることにより、受信したトラフィックに対してエンドツーエンドコネクション型ルーティングまたはコネクションレスを提供するように、その動作を動的に変更することが可能である。
【0253】
当業者は、例えば、アドレス「探索」機能を提供するために配置されたデータベースとすることができる上記交換装置のデータ格納手段等の、本明細書において詳細に説明していない従来の交換装置の多くの態様があることを承知しているであろう。このようなデータベース手段は、上記制御プレーンが適切な情報を与えて、該データベースにデータを投入できるように(該制御プレーン情報は、当業者には明白である何らかの方法で、適当なスタブにより、該データベースへの包含に適した形態に適切にフォーマット化/構成/変換されると仮定する)、該交換装置に付随しているおよび/または該交換装置に一体化されていると仮定する。このようにして、該交換装置の発信インタフェース(または、出口ポート)を、受信したトラフィックの1つ以上の所定のヘッダフィールドに関連する情報と関連付けるデータベースレコードを、該制御プレーンによって投入することができる。従来、交換装置は、少なくとも、出口ポートに関連付けられた宛先アドレスを含む転送テーブルを備えている。例えば、イーサネット交換装置は通常、VLAN−ID及び宛先アドレス情報を備える転送情報と、該交換装置の関連する出口ポートとを含む。
【0254】
しかし、該制御プレーンは、ここでは該データベースにデータを投入するので、VLAN−ID情報を、ヘッダ情報の別のフィールドからの情報、例えば、イーサタイプまたは優先度ヘッダ情報で、該データベース内において完全にまたは部分的に置換または確定することが可能である。これは、与えられる情報はどれも、該交換装置の出口ポートに関連している受信パケットのために、該データベース内の適切なヘッダ情報と単に適合される必要があるためである。
【0255】
例えば、イーサネット交換装置の出口ポートが、そのMAC学習機能を無効にし、およびスパニングツリープロトコルを不作動状態にするように(このため、BPDUは供給されない)、上記制御プレーンが、該交換装置上のブリッジテーブルに当該エントリを投入した場合、該パケットは、コネクション型ベースで進む。しかし、該制御プレーンが、コネクション型情報を該出口ポートに選択的に供給していない場合には、該スパニングツリープロトコル等は、該ポートに対して機能を維持し、該パケットは、コネクションレス方式で進む。
【0256】
上記制御プレーンが、該スパニングツリープロトコルを遠隔的に始動および/または不作動にするのに用いられるいくつかの実施形態においては、該通信ネットワーク内の交換装置の同じ出口ポートを、コネクションレスまたはコネクション型方式で、これらの機能を動的に変更することが可能である。このようにして、通信ネットワークは、コネクションレス通信プロトコルをサポートする複数のアクセスネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク)と、その機能を、コアネットワーク内の交換装置を制御するサービスプロバイダの要件に従って、コネクションレスまたはコネクション型のいずれかとすることができる該コアネットワークとを備えることができる。例えば、1つのソースからのトラフィックは、該サービスプロバイダにより、コネクションレスモードで宛先アドレスへルーティングすることができるが、同じソースからではあるが、異なる時間に送信されるトラフィックは、コネクション型モードで送信することができる。別の実施例として、1つのソースからのトラフィックは、コネクションレス方式で宛先アドレスへ送信することができるが、同じ時間に別のソースから同じ宛先アドレスへ送信されるトラフィックは、コネクション型方式で送信することができる。コネクション型サービスを受けるために、1連のヘッダフィールド値をとっておく、または、所定のヘッダ情報を有するトラフィックヘッダを構成する必要はなく、その代わりに、トラフィックをコネクション型方式でルーティングする決定は、該コアネットワーク内で測定された1つ以上の状態等の基準に従って、制御プレーンによって判断される。
【0257】
従って、いくつかの実施形態において、トラフィックは、宛先アドレスに到達する前に、トランスポートのモードを該交換装置から別の交換装置へ動的に変更することが可能である。実施例として、図23におけるスイッチAからスイッチCへ、特定の種類のトラフィックをコネクションレス方式で、ただし、スイッチCからスイッチEへはコネクション型方式でルーティングすることが可能である。加えて、異なる種類のトラフィックを、スイッチAからスイッチCへコネクション型方式で、スイッチCからスイッチEへコネクションレス方式でルーティングすることができる。しかし、本発明の最良の態様においては、トランスポートのモードは、適切なルーティング情報を用いて、それを介して接続が確立されている交換装置のデータ転送テーブルに直接データを投入する制御プレーンによって、エンドツーエンド方式で決められる。
【0258】
サービスプロバイダが、コネクションレスプロトコルトラフィックに対してエンドツーエンドコネクション型サービスを実施するために、上記制御プレーンは、ソースエッジノードと宛先エッジノードとの間に適切な接続を確立するために、コアネットワークの交換装置を構成する。このことは、そのヘッダフィールド内に同じ情報を含む受信トラフィックが、コネクション型方式でルーティングされるように、特定のヘッダ情報フィールドを、該交換装置の所定の出口ポートと関連付けることによって実現される。従って、ヘッダフィールドのうちの1つまたは組合せに基づいて、例えば、1つ以上の宛先アドレスフィールドおよび/または1つ以上のソースアドレスフィールドおよび/または1つ以上のソースルートアドレスフィールドおよび/または1つ以上のイーサタイプフィールドおよび/または1つ以上の優先度フィールドおよび/または1つ以上のサービスの種類のフィールドおよび/または1つ以上のフロー識別子フィールドおよび/または仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールドおよび/または1つ以上のプロトコルフィールドおよび/または1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールドおよび/または1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールドに基づいて、該受信トラフィックをコネクションレスまたはコネクション型モードで転送すべきかを判断して、後者の場合には、1つ以上の経路に沿って宛先アドレスに転送することが可能である。
【0259】
従って、例えば、上記制御プレーンを構成することにより、コアネットワークサービスプロバイダは、多くの可能性のある基準に従って、特定のトラフィックに対してコネクション型サービスを選択的に供給する、または供給しないことが可能であり、また、それに応じて、該コアネットワークの交換装置を構成するように該制御プレーンを準備することができる。これは、アクセスサービスプロバイダが、コネクション型サービスを確実に受けられるように、特定の所定の識別子が該ヘッダ情報に確実に含まれている必要性を伴わずに、特定のトラフィックのためのコネクション型サービスを単純に要求することができることを意味する。このことは、コネクション型サービスを、ソースと宛先アドレスとの間で実質的にヒットレスな制御によって実施することを可能にする。実施例として、コネクションレストラフィックに対するネットワークの輻輳があるレベルを超える場合には、例えば、該交換装置が、コネクション型モードで受信トラフィックをルーティングするように、該交換装置を動的に再構成することにより、比較的ヒットレスな方法で、コネクションレストラフィックをコネクション型モードのトランスポートに変更することが有利である。
【0260】
好ましい実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲を限定しようとするものではない。当業者には明白である、本発明の上記の構成に対する変更及び該構成に対して同等の効果を有する構成は、該説明に暗黙のうちに含まれている。従って、本発明の範囲は、本明細書において説明した特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって解釈すべきである。他の実施形態に容易に組み込まれる一実施形態との関連で説明した特徴、または、当業者には明白である特徴は、機能的に同等であり、他の実施形態の特徴と置換することが可能であり、他の実施形態の説明に組み込まれるように黙示的に意図されている。
【0261】
イーサネットやIP等のコネクションレスプロトコルを実行できる本発明の主要な実施形態について議論してきたが、当業者は、本発明が、これら2つのトランスポートプロトコルまたは、これらのプロトコルのバージョンに限定されないが、その代わり、添付の特許請求の範囲によって制限されることを正しく理解できるであろう。当業者は、本明細書に記載した本発明の実施形態の特徴に対する多くの可能性のある変更例及び変形例があること、および適切に適応させることができる一実施形態との関連で説明した特徴を他の実施形態に組み込むことができることを正しく理解できるであろう。
【0262】
文脈が明らかに別の意味を必要とする場合を除いて、本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」等の用語は、排他的または網羅的意味とは対照的に包括的に、換言すれば、「含むが、これらに限定するものではない」という意味で解釈すべきである。
【0263】
要約書の文章は、参照により本説明に組み込まれる。
【0264】
複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成するための通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのためのコネクション型サービスを選択的に提供するように、該受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施する機能を有し、該スキームは、そのためにソースノードと宛先ノードの間に接続が確立される、交換装置で受信したコネクションレストラフィックを識別するために、制御プレーンにおいて、インデックスヘッダフィールド値を判断することと、該制御プレーンからの情報との接続を実施するのに必要な各交換装置を設けることであって、該情報は、該スイッチングのデータ転送テーブルに、該交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にすることと、該データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な該交換装置の前記出口ポートと関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1A】イーサネット交換装置のMACアドレステーブルにデータを投入する、本発明による制御プレーンを示す。
【図1B】本発明の実施形態による制御プレーンによってデータが投入される転送テーブルの代替的実施形態を概略的に示す。
【図1C】本発明の実施形態による制御プレーンを転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。
【図1D】本発明の実施形態による制御プレーンを転送情報を与えるように構成することができる転送テーブルの代替的実施形態を示す。
【図2】本発明の一実施形態によるイーサネット通信ネットワークを示す。
【図3】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンが、通信ネットワークのデータプレーンとどのようにインタフェースをとるかを示す。
【図4】図3の制御プレーンインタフェースの実施形態を示す。
【図5】図4の分散型制御プレーンをより詳細に示す。
【図6A】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図6B】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図6C】当業者には公知である標準的なイーサネットフレームの実施例を示す。
【図7】VLANタグが標準的なイーサネットフレームでどのように伝達されるかをより詳細に示す。
【図8】Q−in−Qがイーサネットフレームでどのように伝達されるかを示す。
【図9】MAC−in−MACがイーサネットフレームでどのように伝達されるかを示す。
【図10A】コネクション型イーサネットが提供される本発明の実施形態を示す。
【図10B】イーサネットスイッチ間の多数の接続を、図10Aのコネクション型イーサネットでどのようにして形成することができるかを示す。
【図10C】キャリヤフレームがどのようにして本発明の実施形態におけるカスタマフレーム情報をカプセル化することができるかを示す。
【図11】本発明の実施形態による集中型制御プレーンを示す。
【図12】本発明の別の実施形態による制御プレーンプロセッサの階層を示す。
【図13】本発明の一実施形態による制御プレーンプロセッサ間のシグナリングを示す。
【図14】本発明の他の実施形態による制御プレーンプロセッサ間のシグナリングを示す。
【図15】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンが、IP通信ネットワークのデータプレーンとどのようにしてインタフェースをとるかを示す。
【図16】IPv4フレームヘッダのフォーマットを示す。
【図17】IPv4フレームヘッダのフォーマットを示す。
【図18】RFC1853に準拠するIP−in−IPフレームヘッダのフォーマットを示す。
【図19】IPキャリヤフレームがどのようにして、本発明の実施形態におけるカスタマIPフレーム情報をカプセル化することができるかを示す。
【図20】本発明の2つの実施形態において、制御プレーンプロセッサ間でシグナリングをどのように実行できるかを示す。
【図21】本発明の2つの実施形態において、制御プレーンプロセッサ間でシグナリングをどのように実行できるかを示す。
【図22A】本発明の一実施形態に従って、制御プレーンがどのようにして転送テーブルにデータを投入するかを示す。
【図22B】本発明の別の実施形態に従って、制御プレーンがどのようにして転送テーブルにデータを投入するかを示す。
【図23】本発明の実施形態に従って、カスタマトラフィックフレームをどのようにしてプロバイダフレーム内にカプセル化することができるかを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク内の交換装置であって、
コネクションレス通信プロトコルに準拠するプロトコルデータユニットのかたちでトラフィックを受信するように配置された複数の入口ポートと、
受信したトラフィックを転送する複数の出口ポートと、
制御プレーンプロセッサから情報を受信するように配置されたインタフェース手段と、
データ格納手段であって、前記制御プレーンによって提供された情報が格納され、前記交換装置の出口ポートをインデックスフィールドと関連付けるように配置されたデータ格納手段とを備え、
前記交換装置によって受信された前記制御プレーンからの情報は、前記交換装置が、コネクション型モードのトランスポートを前記受信したトラフィックに与えて、前記制御プレーンによって構成された複数の他の交換装置を介して、前記通信ネットワーク内のソースノードとエンドノードとの間に接続を確立するように作動することを可能にし、前記交換装置は、コネクション型モードのトランスポートを前記受信したトラフィックに与えるために前記制御プレーンにより構成された前記交換装置のインタフェースのためのデータ転送機能を制御することが可能な他の機能を有しておらず、前記ソースと前記宛先との間の受信したトラフィックのトランスポートのモードは、前記通信ネットワーク内の前記複数の交換装置に対して、前記制御プレーンにより決定することができる、交換装置。
【請求項2】
前記トランスポートのモードは、前記データ格納手段に複数のインデックスフィールド識別子を投入する前記制御プレーンによって決められ、少なくとも1つのインデックスフィールド識別子は、前記受信したトラフィックのために確立すべき接続の宛先アドレスを備える、請求項1に記載の交換装置。
【請求項3】
前記トランスポートのモードは、前記データ格納手段に複数の異なるインデックスフィールド識別子を投入する前記制御プレーンによって決められ、少なくとも1つのインデックスフィールド識別子は、前記受信したトラフィックのために確立すべき接続の宛先アドレスを備える、請求項1または2に記載の交換装置。
【請求項4】
前記複数のインデックスフィールド識別子は、階層的順序で配列されており、また、この階層の異なるレベルのインデックスフィールド識別子は、前記交換装置の異なる出口ポートに関連付けられている、請求項2または3に記載の交換装置。
【請求項5】
前記制御プレーンプロセッサから受信した情報はさらに、前記交換装置が前記受信したトラフィックに対して実行するデータフィルタリング機能を制御し、前記交換装置は、前記制御プレーンが、前記データフィルタリング機能を制御する情報を提供する前記交換装置のインタフェースのためのデータフィルタリング機能を制御することが可能な他の機能を有していない、請求項1から4のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項6】
前記交換装置によって実行される前記転送および/またはフィルタリング機能は、前記受信したトラフィックに、前記通信ネットワークを介して1つ以上の所定の経路をたどらせるために、前記交換装置によって用いられる前記転送テーブルにデータを投入する前記制御プレーンによって制御される、請求項1から5のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項7】
前記転送テーブルは、前記受信したトラフィックを、コネクションレストラフィックのためのエントリに優先するコネクション型モードを用いて転送するエントリを有する、請求項6に記載の交換装置。
【請求項8】
前記受信したトラフィックは、イーサネット(登録商標)フレームまたはIPパケットを備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項9】
前記交換装置の1つ以上の出口ポートに対して、前記制御プレーンによって提供される情報は、前記データ転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートと関連付けられたヘッダフィールド値の組合せからなるアドレス情報の集合(aggregate address information)を投入する、請求項3から8のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項10】
前記アドレス情報の集合は、少なくとも1つのローカル一意アドレスと、少なくとも1つのグローバル一意アドレスとを備え、前記制御プレーンは、前記受信したトラフィックをルーティングする情報を、1つ以上のローカル一意アドレスによる経路に沿ったグローバル一意アドレスに与える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項11】
前記アドレス情報の集合は、前記制御プレーンによって前記交換装置の出口ポートと関連付けられている、前記交換装置によって受信されたパケットのヘッダ内の1つ以上のフィールドから抽出された情報を備え、前記交換装置は、コネクションレス通信プロトコルに準拠する前記受信したパケットの以下のフィールド、すなわち、
1つ以上の宛先アドレスフィールド、
1つ以上のソースアドレスフィールド、
1つ以上のソースルートアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上の優先度フィールド、
1つ以上のサービスの種類のフィールド、
1つ以上のフロー識別子フィールド、
仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールド、
1つ以上のプロトコルフィールド、
1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールド、および
1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記交換装置の出口ポートに前記受信したフレームを転送するように配置される、請求項9または10に記載の交換装置。
【請求項12】
前記トラフィックはIPパケットを備え、前記アドレスの集合は、IPアドレスのセットと、前記交換装置の出口ポートに関連付けられた適切なアドレスマスク情報とを備え、各アドレスの集合に対して、IPサブネットは宛先アドレスを与え、各サブネット内のアドレスは、前記通信ネットワークを通る経路を固有に識別する、請求項9に記載の交換装置。
【請求項13】
前記グローバル一意アドレスは、前記受信したトラフィックのヘッダフィールド内に格納されたデータの組合せによって形成され、前記ローカル一意アドレス情報の集合は、ハードウェアアドレスを備える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項14】
前記制御プレーンは、前記アドレス集合に加えて、IPアドレスと関連付けられたTCP/UDPポート識別子を備える固有経路識別子を提供し、前記TCP/UDPポート識別子は、前記制御プレーンによって、前記交換装置の出口ポートと関連付けられている、請求項9に記載の交換装置。
【請求項15】
前記制御プレーンは、前記転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートと関連付けられているIPv6ルートを提供し、前記固有経路識別子は、IPv6アドレスの前記フロー識別子を備える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項16】
前記コネクションレスプロトコルはイーサネットを備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項17】
前記ローカル一意アドレス情報は、1つ以上のMACヘッダフィールドを備える、請求項16に記載の交換装置。
【請求項18】
前記交換装置は、前記制御プレーンからの適切なシグナリングの受信時に、コネクションレスモードを作動させるように、前記交換装置のデータ転送テーブルを構成することが可能である機能を起動することにより、出口ポートのコネクションレスモードの動作を再起動することが可能であるように配置される、請求項1から17のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項19】
各受信したパケットのヘッダからヘッダ情報を抽出する手段と、
前記抽出したヘッダ情報が、格納されている転送情報とマッチするかを判断するために、探索操作を実行する手段であって、前記転送情報が、前記抽出したヘッダ情報により、データ転送機能を各前記受信したパケットに与える、前記手段とをさらに備え、
前記制御プレーンソースから受信した前記情報は、前記データ格納手段に転送情報を投入して格納し、前記制御プレーンソースが、前記交換装置が各前記受信したパケットに対して実行するコネクション型データ転送機能を制御するように、前記交換装置によって処理される、請求項1から18のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項20】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置され、これまでは、前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスのみが提供されている、請求項1から19のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項21】
前記交換装置は、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを前記通信ネットワークを通じて提供する、請求項1から19のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項20】
前記交換装置は、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを前記通信ネットワークを通じて提供する、請求項1から29のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項21】
前記交換装置によって受信されたパケットのヘッダ内のフィールドが、前記交換装置の出口ポートと関連付けられており、前記交換装置は、コネクションレス通信プロトコルに準拠する前記受信したパケットの以下のフィールド、すなわち、
1つ以上の宛先アドレスフィールド、
1つ以上のソースアドレスフィールド、
1つ以上のソースルートアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上の優先度フィールド、
1つ以上のサービスの種類のフィールド、
1つ以上のフロー識別子フィールド、
仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールド、
1つ以上のプロトコルフィールド、
1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールド、および
1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記交換装置の出口ポートに、前記受信したフレームを転送する、請求項18から20のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項22】
前記交換装置は、受信したパケットの受信ヘッダを1つ以上の他のヘッダ内にカプセル化する、請求項21に記載の交換装置。
【請求項23】
前記受信したパケットは、第2のIPアドレス情報を備える第2のIPパケットヘッダ内にカプセル化された第1のIPアドレス情報を含むIPパケットヘッダを有するIPパケットを備える、請求項22に記載の交換装置。
【請求項24】
前記通信ネットワーク内の前記交換装置によって形成された接続に関連する情報は、前記通信ネットワークの前記制御プレーン内でのみ生成される、請求項1から23のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項25】
通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスを提供するために、前記通信ネットワーク内に配置された交換装置を変更する方法であって、前記方法は、コネクションレスルーティングを実施するコネクションレスルーティングプロトコルから計算された情報を用いることによって、前記交換装置のデータ転送機能を無効にするステップを備え、前記転送テーブルにデータを投入する情報は、前記交換装置の前記制御プレーンによって提供され、前記提供された情報は、前記交換装置が、受信したパケットのために、そのデータ転送機能を実施することを可能にする、方法。
【請求項26】
前記データ転送機能を無効にするステップにおいて、前記交換装置自体のIPアドレスは、通常のコネクションレスモードで、各転送テーブル内に保持され、オートディスカバリを含む前記制御プレーンのトランスポート及びルーティングプロトコルは、コネクションレスモードで実施される、請求項25に記載の交換装置を変更する方法。
【請求項27】
通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスを提供するために、前記通信ネットワーク内に配置された交換装置を変更する方法であって、前記方法は、前記転送テーブルに、コネクションレス転送エントリに優先するコネクション型エントリを投入することにより、コネクションレスモードでのデータ転送を防ぐステップを備え、前記転送テーブルにデータを投入する前記情報は、前記交換装置の制御プレーンによって提供され、前記提供された情報は、前記交換装置が、受信したパケットに対して、そのデータ転送機能を実施することを可能にする、方法。
【請求項28】
複数の相互接続された交換装置を備える通信ネットワークを通じてパケットを交換する方法であって、
前記通信ネットワークに接続された交換装置において、パケットを受信することと、
前記交換装置と関連付けられた1つ以上の制御プレーンプロセッサによって生成された情報を用いて、受信したパケットのヘッダの少なくとも1つのフィールド内に与えられた情報を、前記交換装置の出口ポートと関連付けるように配置されたデータストアにデータを投入することにより、前記交換装置において、前記パケットを転送することであって、前記1つ以上の制御プレーンプロセッサが、前記通信ネットワークの制御プレーンを備え、前記交換装置のデータ転送および/またはルートフィルタリング機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御されることと、
を備える方法。
【請求項29】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数の交換装置を備える通信ネットワークであって、各交換装置が、受信したパケットに対して実行するデータ転送及びデータフィルタリング機能が、1つ以上の制御プレーンプロセッサを備える制御プレーンによって制御され、前記制御プレーンは、各交換装置に、該制御装置が、そのデータ転送及びデータフィルタリング機能を受信したパケットに対して実施することを可能にする制御データを供給し、前記受信したパケットは、コネクションレスプロトコルに準拠するアドレス情報を有するヘッダ情報を含み、前記制御データは、前記交換装置が、前記受信したパケットのためのコネクション型サービスを提供することを可能にする、通信ネットワーク。
【請求項30】
請求項1から24のいずれか1項に記載の交換装置に制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記制御データは、前記交換装置が、そのデータ転送及びデータフィルタリング機能を、受信したパケットに対して実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項31】
請求項1から24のいずれか1項に記載の複数の相互接続された交換装置を備える、通信ネットワーク。
【請求項32】
前記制御プレーンによって生成された制御データは、帯域外で各交換装置へ送信される、請求項31に記載のネットワーク。
【請求項33】
前記通信ネットワークの制御プレーンは、少なくとも1つのデータソースから、前記ネットワークを介して少なくとも1つのデータシンクへのトラフィックフローのための複数の経路を確立する、請求項31または32に記載のネットワーク。
【請求項34】
コネクションレスサービスを提供することが可能な交換装置を再構成して、コネクション型サービスを提供することにより、通信ネットワークを通じて、サービスの差別化を実現できる方法であって、
前記交換装置の予め設定されたデータ転送機能及び予め設定されたデータフィルタリング機能の全てを無効にすることと、
オフスイッチで配置されたデータソースから制御インタフェースを介して、受信したパケットを転送するための全ての所要のルーティング情報を、前記交換装置に提供することであって、該ルーティング情報は、前記交換装置によってサポートされるコネクションレスプロトコルによってこれまでに提供された情報に取って代わることと、
の各ステップを備え、
トラフィックの各フローに対して決められたルートは、該トラフィックフローの特性に依存する、方法。
【請求項35】
前記各ルートは、前記トラフィックフローに要求されるサービス品質を備える特性に依存する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記特性は、前記トラフィックフローの優先度である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記特性は、前記トラフィックフローに必要な帯域幅である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記特性は、前記トラフィックフローのイーサタイプである、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記特性は、前記トラフィックフローのための論理リンク制御(LLC)ヘッダである、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
通信ネットワーク内のトラフィックの負荷をバランスさせるように、前記通信ネットワーク内の経路を選択する方法であって、
交換装置に到達するトラフィックフローを識別することであって、前記交換装置が、コネクションレスサービスの代わりに、通信ネットワーク全域にコネクション型サービスを提供するように再構成されていることと、
前記トラフィックフローを、個々の接続識別子に関連付けることと、
前記個々の接続識別子を、追加的なヘッダフィールド情報と関連付けて、前記トラフィックフローのためのグローバル識別子を生成することと、
制御プレーンを用いて、前記グローバルに識別されたフローのための経路を決めることと、
前記通信ネットワーク内の複数の再構成された交換装置に情報を提供して、複数の経路を、各前記トラフィックフローに対して決めることを可能にすることであって、前記複数の経路のうちの1つ以上が、制御プレーンプロセッサによって選択されることと、
の各ステップを備える方法。
【請求項41】
前記トラフィックはイーサネットトラフィックであり、前記個別の接続識別子は、バーチャルローカルエリアネットワーク識別子を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記トラフィックがIPトラフィックである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
コネクションレス通信プロトコルをサポートするように予め構成された複数の交換装置を備える通信ネットワークを通じて、エンドツーエンド接続を生成する方法であって、
前記交換装置を再構成することと、
前記コネクションレス通信プロトコルを用いて、受信した通信トラフィックフローを転送することをサポートする機能を無効にすることと、
コネクション型通信プロトコルを用いて、受信した通信トラフィックフローを転送することをサポートする機能を有効にすることと、
前記トラフィックフローに対して、ソースからシンクへの前記エンドツーエンド接続のための経路を決めることと、
制御インタフェースを介して前記経路をつなげて、ルーティング情報を前記受信したトラフィックフローに提供し、前記機能を有効にすることが、前記受信したトラフィックフローを、前記通信ネットワークを通じて前記シンクへ転送することと、
の各ステップを備える方法。
【請求項44】
前記コネクション型通信プロトコルをサポートする前記機能を有効にする前記ステップは、制御インタフェースを介して前記交換装置に対して実行される、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
ワイドエリアネットワークによって相互接続された複数のローカルエリアネットワークを備える通信ネットワークにおいて、前記複数のLANのうちの第1のものから前記複数のLANのうちの第2のものへ受信されたパケット化データに、差別化された転送モードを与える方法であって、
前記WANにアクセスできる前記第1のLANからデータを供給するように配置された第1の装置において、前記データのための複数のヘッダフィールドに対して、探索操作を実行することと、
前記複数のヘッダフィールドの各々が、前記第1の装置の制御プレーンによってデータが投入されるデータストア内に格納されたルーティング情報と関連付けられているかを判断することと、
前記制御プレーンによって提供されるルーティング情報に従って、前記WANから前記第2のLANへのデータにアクセスできるように配置された第2の装置へ、前記ワイドエリアネットワークを介して前記データをルーティングすることと、
を備える方法。
【請求項46】
前記パケット化データは、複数のイーサネットフレームを備え、前記複数のヘッダフィールドは、少なくとも、VLAN−ID/DA MACタプルを備え、前記第1及び第2の交換装置は、それぞれ、第1及び第2の独立したVLAN学習イーサネットスイッチを備える、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1及び第2の独立したVLAN学習イーサネット交換装置は、受信したイーサネットフレームをローカル一意VLAN−IDで転送して、一方向接続を形成するように配置された、独立したVLAN学習イーサネット交換装置からなる連続した配列によって相互接続されている、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記制御プレーンによって提供される前記ルーティング情報はさらに、前記第1のイーサネット交換装置と第2のイーサネット交換装置との間で双方向接続を形成するために、前記第2のイーサネットスイッチと前記第1のイーサネットスイッチとの間の逆方向の経路を提供する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
制御プレーンプロセッサからデータを受信して、交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して実行するデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を制御するように配置されたイーサネット交換装置。
【請求項50】
前記制御プレーンは、接続を設定し、前記イーサネット交換装置が、その媒体アクセス制御(MAC)アドレス学習機能を無効にし、また、スパニングツリープロトコルが不作動状態にされて、ブリッジプロトコルデータユニットが生成されないように、前記交換装置上の1つ以上のブリッジテーブルにデータを投入する、請求項49に記載のイーサネット交換装置。
【請求項51】
前記制御プレーンは、コネクションレスであると仮定されているイーサネット交換装置技術を制御し、そうすることで、前記イーサネット交換装置技術の動作を変換するように配置された、コネクション型制御プレーンを備える、請求項49または50に記載のイーサネット交換装置。
【請求項52】
イーサネット交換装置に制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記制御データは、前記イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項53】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数のイーサネット交換装置を備える通信ネットワークであって、各イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して実行する前記データ転送機能及びデータフィルタリング機能は、各イーサネット交換装置に、前記イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にする制御データを提供する制御プレーンプロセッサによって制御される、通信ネットワーク。
【請求項54】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された非常に多くのイーサネット交換装置を備える通信ネットワークであって、前記イーサネット交換装置の全てが、該ネットワーク内の受信イーサネットトラフィックに対して実行する前記データ転送機能及びデータフィルタリング機能は、制御データを全てのイーサネット交換装置に提供して、各交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にするように配置された制御プレーンプロセッサによって集合的に制御される、通信ネットワーク。
【請求項55】
前記各制御プレーンプロセッサによって生成された制御データは、帯域外で各イーサネット交換装置へ送信される、請求項53または54に記載のネットワーク。
【請求項56】
VLANは、前記制御データを送信するために、前記イーサネット交換装置の間に確立される、請求項55に記載のネットワーク。
【請求項57】
前記制御プレーンは、少なくとも1つのデータソースから少なくとも1つのデータシンクへのトラフィックフローのための複数の経路を確立する、請求項53から56のいずれか1項に記載のネットワーク。
【請求項58】
前記制御プレーンによって提供される情報は、インデックス識別子を前記交換装置の出口ポートに関連付ける少なくとも1つのインデックス識別子タイプを備え、前記識別子タイプは、前記交換装置が受信するように構成されているトラフィックのヘッダフィールド識別子である、請求項49から51のいずれか1項に記載のイーサネット交換装置。
【請求項59】
複数の出口ポートに対して、前記制御プレーンによって提供される転送情報は、異なる種類のインデックス識別子を備える、請求項58に記載のイーサネット交換装置。
【請求項60】
前記制御プレーンは、ロードバランシングスキームを実施するために、前記インデックス識別子タイプを割当てる、請求項58または59に記載のイーサネット交換装置。
【請求項61】
通信ネットワーク内のソースと宛先との間の通信接続に沿って、OAMフローを実施する方法であって、
補助プロセッサから第1の交換装置に、パケット化トラフィックフローを投入することであって、該パケット化トラフィックフローはOAMトラフィックを備え、該OAMトラフィックは、前記通信接続に沿って流れるユーザプレーントラフィックと同じラベルフィールド値タイプであるラベルフィールド値タイプを有することと、
前記ソースと前記宛先の間の中間交換装置が、前記OAMパケットがユーザプレーンパケットであるかのように該OAMパケットを転送することを可能にするように該OAMパケットを交換することと、
第2の交換装置において、前記OAM及びユーザプレーンパケット化トラフィックフローを受信することと、
前記OAMパケットと前記ユーザプレーンパケットを分けることと、
その標準的な機能に従って、前記交換装置による処理のために、前記遠端交換装置に対して、補助プロセッサ内のOAMパケットを消すことと、
の各ステップを備える方法。
【請求項62】
前記OAMフローは、コネクションレス通信プロトコルに準拠するユーザプレーントラフィックに供給され、前記第1の交換装置は、前記補助プロセッサにより、前記ユーザプレーントラフィックのための接続の遠端部において、前記第2の交換装置への接続を確立するように構成される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記OAMパケットと前記ユーザプレーンパケットを分ける前記ステップは、前記接続の遠端部における前記第2の交換装置において、前記ヘッダフィールド情報を処理して、受信したパケットがOAMパケットであることを示す前記ヘッダ情報内の1つ以上の識別子を判断することによって実行される、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記OAMパケットは、その宛先アドレスが、前記接続の遠端部における前記第2の交換装置に関連する補助プロセッサであることを示すヘッダ情報を含み、前記遠端部の交換装置において、前記OAMパケットとユーザプレーンパケットを分けるステップはさらに、前記OAMパケットを前記補助制御プレーンプロセッサへ転送することを備える、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記パケット化トラフィックフローは、OSIレイヤ2パケットのフローを備える、請求項61から64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記OSIレイヤ2パケットは、イーサネットフレームを備える、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記パケット化トラフィックフローは、OSIレイヤ3パケットからなるフローを備える、請求項61から64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記OSIレイヤ3パケットは、インターネットプロトコルパケットを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
制御プレーンプロセッサは、前記パケット化OAMを前記交換装置に投入する、請求項61から68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記OAMフローは、要求に応じて実施される、請求項61から69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記OAMフローは、接続が、前記第1の交換装置で受信されたトラフィックのために前記制御プレーンによって確立されたときに、要求に応じて実施される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
通信ネットワーク内でOAMフローを実施する方法であって、
補助プロセッサからのイーサネットフレームをイーサネットスイッチに投入することであって、該イーサネットフレームは、OAMフロー及びユーザプレーントラフィックを備え、前記OAMフローは、中間イーサネット交換装置が、該OAMフレームが、該接続の遠端部において、ユーザフレームであるかのように該OAMフレームを交換することを可能にするために、ユーザプレーン接続と同じラベルフィールド値であるラベルフィールド値を有することと、
前記OAMフレームと前記ユーザプレーンフレームを分けることと、
その標準的な機能に従って、イーサネットスイッチにより処理するために、補助プロセッサ内のOAMフレームを消すことと、
を備える方法。
【請求項73】
通信ネットワーク内で、コネクションレスサービスを提供することが可能なイーサネット交換装置であって、前記イーサネット交換装置の機能は、その制御プレーンにより、そのポートの少なくともいくつかにコネクション型サービスを提供するように変更され、前記イーサネット交換装置のコネクション型機能をサポートするOAMプロトコルは、非OAMトラフィックの場合に、該イーサネットスイッチのポートのうちの少なくともいくつかによって提供されるコネクション型サービスを実施するように配置されたプロセッサとは異なっているプロセッサを用いて実施される、イーサネット交換装置。
【請求項74】
前記独立した処理ハードウェアは、非OAMトラフィックの場合に、前記イーサネットスイッチの交換機能をサポートするプラットフォームとは異なるプラットフォームによってサポートされる、請求項73に記載のイーサネット交換装置。
【請求項75】
前記イーサネットスイッチによって提供されるコネクション型サービスは、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを備える、請求項73または74に記載のイーサネット交換装置。
【請求項76】
前記イーサネット交換装置によって提供されるコネクション型サービスは、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを備える、請求項73または74に記載のイーサネット交換装置。
【請求項77】
前記OAMプロトコルは、前記イーサネットスイッチによって提供されるトランスペアレントなサービスと関連するフロー集合と関連付けられたフロー集合に適用することができる、請求項75に記載のイーサネット交換装置。
【請求項78】
イーサネット交換装置のためにOAMプロトコルを実施するシステムであって、
前記イーサネット交換装置にOAM型動作を提供するように配置されたソフトウェアをサポートするように配置されたプラットフォームであって、前記イーサネット交換装置が、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを提供するように配置されているプラットフォームを備える、システム。
【請求項79】
イーサネット交換装置のためにOAMプロトコルを実施するシステムであって、
前記イーサネット交換装置にOAM型動作を提供するように配置されたソフトウェアをサポートするように配置されたプラットフォームであって、前記イーサネット交換装置が、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを提供するように配置されているプラットフォームを備える、システム。
【請求項80】
前記イーサネット交換装置によって提供される前記トランスペアレントなサービスと関連付けられたフローの集合のためのOAMプロトコルを提供するように配置された、請求項78または79に記載のシステム。
【請求項81】
OAMプロトコルを、通信ネットワーク内の交換装置に提供するように配置されたプロセッサであって、前記交換装置のデータ転送機能が、制御プレーンにより、前記交換装置が、受信したイーサネットトラフィックを複数の経路を通じて、前記通信ネットワーク内の宛先へ転送できるように制御され、前記OAMプロセッサは、前記交換装置によって受信される非OAMトラフィックに対しては、前記データ転送機能を実行しない、プロセッサ。
【請求項82】
データソースとデータシンクとの間で交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数の交換装置を備える、通信ネットワーク内の交換装置のための帯域外スイッチ制御システムであって、各交換装置が、受信したトラフィックに対して実行する前記データ転送機能は、各交換装置に、前記データソースとデータシンクとの間に送信されるデータと論理的に分離された制御データを提供する制御プレーンプロセッサによって、帯域外で制御される、帯域外スイッチ制御システム。
【請求項83】
前記交換装置はイーサネット交換装置を備え、前記トラフィックはイーサネットフレームを備える、請求項82に記載の帯域外スイッチ制御システム。
【請求項84】
前記交換装置はIPルータを備え、前記トラフィックはIPパケットを備える、請求項82に記載の帯域外スイッチング制御システム。
【請求項85】
前記制御データは、バーチャルローカルエリアネットワークを用いて、各交換装置へ伝えられる、請求項82または83に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項86】
前記通信ネットワーク内に設けられた1つ以上のバーチャルネットワークが、制御情報を、前記通信ネットワークを形成する前記交換装置へ伝達するのに用いられる、請求項82から85のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項87】
前記通信ネットワーク内の制御プレーンプロセッサが、制御データを複数の交換装置へ提供する、請求項82から85のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項88】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記受信した制御データは、該スイッチが、そのデータ転送機能を受信したトラフィックに対して実施することを可能にする、交換装置。
【請求項89】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記交換装置は、受信した制御データが、該スイッチが、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を受信したイーサネットトラフィックに対して実施することを可能にするイーサネット交換装置を備える、交換装置。
【請求項90】
前記イーサネット交換装置は、
受信したイーサネットトラフィックを前記通信ネットワークを通じて、前記交換装置の出口ポートへ転送するように配置されたデータストアであって、複数のデータレコードを備え、各データレコードが、受信したイーサネットフレームのヘッダから抽出した情報に基づいて、該受信したイーサネットフレームを前記交換装置の出口ポートと関連付ける、データストアと、
前記データストアレコードに、前記交換装置の制御プレーンプロセッサによって提供される情報を投入する手段であって、前記イーサネット交換装置のデータ転送機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御される、手段と、
を備える、請求項89に記載の交換装置。
【請求項91】
前記制御プレーンによって提供される前記情報は、出口ポートと関連付けられた少なくとも1つのインデックス識別子を備え、前記インデックス識別子タイプは、前記交換装置が、受信したイーサネットフレームのヘッダから抽出することが可能な識別子のタイプである、請求項90に記載の交換装置。
【請求項92】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置されたイーサネット交換装置を備え、前記イーサネット交換装置は、以前は前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスイーサネットサービスのみを提供した、請求項89から91のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項93】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記交換装置は、受信した制御データが、前記スイッチがそのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を受信したインターネットプロトコル(IP)トラフィックに対して実施することを可能にするインターネットプロトコル(IP)交換装置を備える、交換装置。
【請求項94】
前記IP交換装置は、
受信したIPトラフィックを前記通信ネットワークを通じて、前記交換装置の出口ポートへ転送するように配置されたデータストア(data store)であって、複数のデータレコードを備え、各データレコードが、受信したIPパケットのヘッダから抽出した情報に基づいて、受信したIPパケットを前記交換装置の出口ポートと関連付ける、データストアと、
前記データストアレコードに、前記交換装置の制御プレーンプロセッサによって提供される情報を投入する手段であって、それにより、前記IP交換装置のデータ転送機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御される、手段と、
を備える、請求項93に記載の交換装置。
【請求項95】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置されたIP交換装置を備え、前記IP交換装置は、これまで、前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスIPサービスのみを提供していた、請求項93または94に記載の交換装置。
【請求項96】
前記交換装置は、前記通信ネットワークを通じて、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを提供する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項97】
前記交換装置は、前記通信ネットワークを通じて、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを提供する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項98】
前記交換装置によって受信されたトラフィックフレームまたはパケットのヘッダ内のフィールドが、前記交換装置の出口ポートと関連付けられており、前記交換装置は、以下のフィールド、すなわち、
1つ以上のグローバル一意宛先アドレスフィールド、
1つ以上のグローバル一意ソースアドレスフィールド、
1つ以上のローカル一意宛先アドレスフィールド、
1つ以上のローカル一意ソースアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上のIPv6フロー識別子フィールド、
1つ以上の優先度フィールド、および
1つ以上のVLAN−IDフィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記受信したフレームまたはパケットを、前記交換装置の出口ポートへ転送する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項99】
前記受信したフレームまたはパケットは、前記受信したフレームまたはパケットのためのソースローカルエリアネットワークに対してローカル一意のフレームまたはパケットにカプセル化する、請求項98に記載の交換装置。
【請求項100】
前記交換装置は、前記受信したフレームまたはパケットのヘッダ内に含まれる情報により、コネクションレスサービスを提供するように配置された前記交換装置の出口ポートを介して、または、コネクション型サービスを提供するように配置された出口ポートを介して、受信したフレームまたはパケットを転送するように配置される、請求項88から99のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項101】
請求項1から6のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、請求項88から100のいずれか1項に記載の交換装置に帯域外スイッチ制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記受信した制御データは、該スイッチが、受信したトラフィックフレームまたはパケットに対して、そのデータ転送機能及びフィルタリング機能を実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項102】
請求項88から100のいずれか1項に記載の複数の交換装置を備える通信ネットワークであって、前記交換装置は、データソースとデータシンクとの間で交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続されており、前記通信ネットワークは、帯域外制御システムを、非常に多数のイーサネットスイッチの各々に提供する、通信ネットワーク。
【請求項103】
バーチャルローカルエリアネットワークを生成して、通信ネットワーク内の複数の交換装置の間で、制御プレーントラフィックを伝える方法であって、
前記複数の交換装置の各々の上に、前記制御プレーントラフィックを伝える前記VLANと関連付けられる少なくとも1つのポートを設定することと、
前記交換装置に関連する制御プレーンプロセッサからのシグナリングを前記スイッチ制御プレーン上で受信することと、
前記VLANに関連する前記ポート上で、前記制御プレーンシグナリングトラフィックを、前記VLANトラフィックのために構成されたポートを有する前記複数の交換装置の各々に転送することであって、それにより、前記制御プレーンシグナリングが、前記複数の交換装置のうちの1つの宛先になり、前記交換装置は、前記制御プレーンシグナリングを、前記交換装置が関連している制御プレーンプロセッサに伝達できるように配置されていることと、
を備える方法。
【請求項104】
制御プレーンが、通信ネットワーク内の複数の交換装置の相互接続性を自動的に発見することを可能にする方法であって、前記交換装置は、コネクションレスモードの通信をサポートするための全ての機能を無効にすることにより、コネクション型モードの通信のためのサポートを提供するように再構成されている方法であって、
前記交換装置の少なくとも1つの区分におけるコネクションレスモードを、管理及び制御情報に限定して再び可能にすることと、
該管理区分を介してブロードキャストすることにより、前記制御プレーンからメッセージを発行することと、
新たなリンクの端部における現存する交換装置において、および/または前記通信ネットワークの新たな交換装置において、前記メッセージのうちの少なくとも1つを受信することと、
前記制御プレーンと通信することにより、前記現存するまたは新たな交換装置において、前記少なくとも1つの受信メッセージに応答することであって、前記通信が、前記新たな交換装置および/または前記新たなリンクの前記相互接続性の前記発見を可能にすることと、
の各ステップを備える方法。
【請求項105】
通信ネットワーク内での管理接続を確立する方法であって、
まず、バーチャルローカルエリアネットワークを生成して、請求項103に記載の管理トラフィックを伝えることと、
次に、請求項104に記載の方法を用いて、前記交換装置の間の接続性を見出すことと、
の各ステップを備える方法。
【請求項106】
管理および/またはシグナリング情報を受信するように交換装置を構成する方法であって、
前記交換装置の1つ以上の特定のポート上にブロードキャスト機能を保持することと、
前記交換装置の他のポートからの予め設定されたコネクションレスプロトコルをサポートする全ての既存の機能を無効にすることであって、前記他のポートは、前記管理から得られた情報と、前記1つ以上の特定のポートで受信したシグナリング情報とによって、前記他のポートで受信したトラフィックに対して、1つ以上のコネクション型モードのトランスポートを実行できるように再設定され、前記他のポートで受信した前記トラフィックは、コネクションレス通信プロトコルに準拠することと、
の各ステップを備え、それにより、前記交換装置の前記1つ以上の特定のポートは、前記受信した管理および/またはシグナリング情報を、前記交換装置によって受信された他のトラフィックと論理的に分離するように設定される、方法。
【請求項107】
前記保持されたブロードキャスト機能は、前記交換装置が、前記受信した管理及びシグナリングトラフィックをコネクションレス方式で転送することを可能にする、請求項106に記載の交換装置を構成する方法。
【請求項108】
前記交換装置は、前記情報を伝えるパケットまたはフレームのヘッダから抽出した識別子を、前記交換装置の1つ以上の特定のポートと関連付けることにより、受信した管理および/またはシグナリング情報を論理的に分離する、請求項106または107に記載の交換装置を構成する方法。
【請求項109】
複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成する通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施して、前記受信した通信トラフィックにコネクション型サービスを選択的に提供する機能を有する、通信スキームであって、
それのために、ソースノードと宛先ノードとの間に接続が確立される交換装置で受信したトラフィックを識別するために、インデックスヘッダフィールド値を決めることと、
接続を実施する必要がある各交換装置に、これらのデータ転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にする情報を提供することと、
前記データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な前記交換装置の前記出口ポートに関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることと、
を備える通信スキーム。
【請求項110】
複数の異なる種類のインデックスヘッダフィールド値が前記制御プレーンによって与えられる、請求項109に記載の通信スキーム。
【請求項111】
前記異なる種類のインデックスヘッダフィールド値は、階層的に配列され、また、前記階層の異なるレベルが、前記交換装置の異なる出口ポートに関連付けられている、請求項110に記載の通信スキーム。
【請求項1】
通信ネットワーク内の交換装置であって、
コネクションレス通信プロトコルに準拠するプロトコルデータユニットのかたちでトラフィックを受信するように配置された複数の入口ポートと、
受信したトラフィックを転送する複数の出口ポートと、
制御プレーンプロセッサから情報を受信するように配置されたインタフェース手段と、
データ格納手段であって、前記制御プレーンによって提供された情報が格納され、前記交換装置の出口ポートをインデックスフィールドと関連付けるように配置されたデータ格納手段とを備え、
前記交換装置によって受信された前記制御プレーンからの情報は、前記交換装置が、コネクション型モードのトランスポートを前記受信したトラフィックに与えて、前記制御プレーンによって構成された複数の他の交換装置を介して、前記通信ネットワーク内のソースノードとエンドノードとの間に接続を確立するように作動することを可能にし、前記交換装置は、コネクション型モードのトランスポートを前記受信したトラフィックに与えるために前記制御プレーンにより構成された前記交換装置のインタフェースのためのデータ転送機能を制御することが可能な他の機能を有しておらず、前記ソースと前記宛先との間の受信したトラフィックのトランスポートのモードは、前記通信ネットワーク内の前記複数の交換装置に対して、前記制御プレーンにより決定することができる、交換装置。
【請求項2】
前記トランスポートのモードは、前記データ格納手段に複数のインデックスフィールド識別子を投入する前記制御プレーンによって決められ、少なくとも1つのインデックスフィールド識別子は、前記受信したトラフィックのために確立すべき接続の宛先アドレスを備える、請求項1に記載の交換装置。
【請求項3】
前記トランスポートのモードは、前記データ格納手段に複数の異なるインデックスフィールド識別子を投入する前記制御プレーンによって決められ、少なくとも1つのインデックスフィールド識別子は、前記受信したトラフィックのために確立すべき接続の宛先アドレスを備える、請求項1または2に記載の交換装置。
【請求項4】
前記複数のインデックスフィールド識別子は、階層的順序で配列されており、また、この階層の異なるレベルのインデックスフィールド識別子は、前記交換装置の異なる出口ポートに関連付けられている、請求項2または3に記載の交換装置。
【請求項5】
前記制御プレーンプロセッサから受信した情報はさらに、前記交換装置が前記受信したトラフィックに対して実行するデータフィルタリング機能を制御し、前記交換装置は、前記制御プレーンが、前記データフィルタリング機能を制御する情報を提供する前記交換装置のインタフェースのためのデータフィルタリング機能を制御することが可能な他の機能を有していない、請求項1から4のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項6】
前記交換装置によって実行される前記転送および/またはフィルタリング機能は、前記受信したトラフィックに、前記通信ネットワークを介して1つ以上の所定の経路をたどらせるために、前記交換装置によって用いられる前記転送テーブルにデータを投入する前記制御プレーンによって制御される、請求項1から5のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項7】
前記転送テーブルは、前記受信したトラフィックを、コネクションレストラフィックのためのエントリに優先するコネクション型モードを用いて転送するエントリを有する、請求項6に記載の交換装置。
【請求項8】
前記受信したトラフィックは、イーサネット(登録商標)フレームまたはIPパケットを備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項9】
前記交換装置の1つ以上の出口ポートに対して、前記制御プレーンによって提供される情報は、前記データ転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートと関連付けられたヘッダフィールド値の組合せからなるアドレス情報の集合(aggregate address information)を投入する、請求項3から8のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項10】
前記アドレス情報の集合は、少なくとも1つのローカル一意アドレスと、少なくとも1つのグローバル一意アドレスとを備え、前記制御プレーンは、前記受信したトラフィックをルーティングする情報を、1つ以上のローカル一意アドレスによる経路に沿ったグローバル一意アドレスに与える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項11】
前記アドレス情報の集合は、前記制御プレーンによって前記交換装置の出口ポートと関連付けられている、前記交換装置によって受信されたパケットのヘッダ内の1つ以上のフィールドから抽出された情報を備え、前記交換装置は、コネクションレス通信プロトコルに準拠する前記受信したパケットの以下のフィールド、すなわち、
1つ以上の宛先アドレスフィールド、
1つ以上のソースアドレスフィールド、
1つ以上のソースルートアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上の優先度フィールド、
1つ以上のサービスの種類のフィールド、
1つ以上のフロー識別子フィールド、
仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールド、
1つ以上のプロトコルフィールド、
1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールド、および
1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記交換装置の出口ポートに前記受信したフレームを転送するように配置される、請求項9または10に記載の交換装置。
【請求項12】
前記トラフィックはIPパケットを備え、前記アドレスの集合は、IPアドレスのセットと、前記交換装置の出口ポートに関連付けられた適切なアドレスマスク情報とを備え、各アドレスの集合に対して、IPサブネットは宛先アドレスを与え、各サブネット内のアドレスは、前記通信ネットワークを通る経路を固有に識別する、請求項9に記載の交換装置。
【請求項13】
前記グローバル一意アドレスは、前記受信したトラフィックのヘッダフィールド内に格納されたデータの組合せによって形成され、前記ローカル一意アドレス情報の集合は、ハードウェアアドレスを備える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項14】
前記制御プレーンは、前記アドレス集合に加えて、IPアドレスと関連付けられたTCP/UDPポート識別子を備える固有経路識別子を提供し、前記TCP/UDPポート識別子は、前記制御プレーンによって、前記交換装置の出口ポートと関連付けられている、請求項9に記載の交換装置。
【請求項15】
前記制御プレーンは、前記転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートと関連付けられているIPv6ルートを提供し、前記固有経路識別子は、IPv6アドレスの前記フロー識別子を備える、請求項9に記載の交換装置。
【請求項16】
前記コネクションレスプロトコルはイーサネットを備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項17】
前記ローカル一意アドレス情報は、1つ以上のMACヘッダフィールドを備える、請求項16に記載の交換装置。
【請求項18】
前記交換装置は、前記制御プレーンからの適切なシグナリングの受信時に、コネクションレスモードを作動させるように、前記交換装置のデータ転送テーブルを構成することが可能である機能を起動することにより、出口ポートのコネクションレスモードの動作を再起動することが可能であるように配置される、請求項1から17のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項19】
各受信したパケットのヘッダからヘッダ情報を抽出する手段と、
前記抽出したヘッダ情報が、格納されている転送情報とマッチするかを判断するために、探索操作を実行する手段であって、前記転送情報が、前記抽出したヘッダ情報により、データ転送機能を各前記受信したパケットに与える、前記手段とをさらに備え、
前記制御プレーンソースから受信した前記情報は、前記データ格納手段に転送情報を投入して格納し、前記制御プレーンソースが、前記交換装置が各前記受信したパケットに対して実行するコネクション型データ転送機能を制御するように、前記交換装置によって処理される、請求項1から18のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項20】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置され、これまでは、前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスのみが提供されている、請求項1から19のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項21】
前記交換装置は、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを前記通信ネットワークを通じて提供する、請求項1から19のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項20】
前記交換装置は、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを前記通信ネットワークを通じて提供する、請求項1から29のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項21】
前記交換装置によって受信されたパケットのヘッダ内のフィールドが、前記交換装置の出口ポートと関連付けられており、前記交換装置は、コネクションレス通信プロトコルに準拠する前記受信したパケットの以下のフィールド、すなわち、
1つ以上の宛先アドレスフィールド、
1つ以上のソースアドレスフィールド、
1つ以上のソースルートアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上の優先度フィールド、
1つ以上のサービスの種類のフィールド、
1つ以上のフロー識別子フィールド、
仮想プライベートネットワークを識別することが可能な1つ以上のフィールド、
1つ以上のプロトコルフィールド、
1つ以上のTCP/UDP宛先ポート識別子フィールド、および
1つ以上のTCP/UDPソースポート識別子フィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記交換装置の出口ポートに、前記受信したフレームを転送する、請求項18から20のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項22】
前記交換装置は、受信したパケットの受信ヘッダを1つ以上の他のヘッダ内にカプセル化する、請求項21に記載の交換装置。
【請求項23】
前記受信したパケットは、第2のIPアドレス情報を備える第2のIPパケットヘッダ内にカプセル化された第1のIPアドレス情報を含むIPパケットヘッダを有するIPパケットを備える、請求項22に記載の交換装置。
【請求項24】
前記通信ネットワーク内の前記交換装置によって形成された接続に関連する情報は、前記通信ネットワークの前記制御プレーン内でのみ生成される、請求項1から23のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項25】
通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスを提供するために、前記通信ネットワーク内に配置された交換装置を変更する方法であって、前記方法は、コネクションレスルーティングを実施するコネクションレスルーティングプロトコルから計算された情報を用いることによって、前記交換装置のデータ転送機能を無効にするステップを備え、前記転送テーブルにデータを投入する情報は、前記交換装置の前記制御プレーンによって提供され、前記提供された情報は、前記交換装置が、受信したパケットのために、そのデータ転送機能を実施することを可能にする、方法。
【請求項26】
前記データ転送機能を無効にするステップにおいて、前記交換装置自体のIPアドレスは、通常のコネクションレスモードで、各転送テーブル内に保持され、オートディスカバリを含む前記制御プレーンのトランスポート及びルーティングプロトコルは、コネクションレスモードで実施される、請求項25に記載の交換装置を変更する方法。
【請求項27】
通信ネットワークを通じて、コネクションレスサービスを提供するために、前記通信ネットワーク内に配置された交換装置を変更する方法であって、前記方法は、前記転送テーブルに、コネクションレス転送エントリに優先するコネクション型エントリを投入することにより、コネクションレスモードでのデータ転送を防ぐステップを備え、前記転送テーブルにデータを投入する前記情報は、前記交換装置の制御プレーンによって提供され、前記提供された情報は、前記交換装置が、受信したパケットに対して、そのデータ転送機能を実施することを可能にする、方法。
【請求項28】
複数の相互接続された交換装置を備える通信ネットワークを通じてパケットを交換する方法であって、
前記通信ネットワークに接続された交換装置において、パケットを受信することと、
前記交換装置と関連付けられた1つ以上の制御プレーンプロセッサによって生成された情報を用いて、受信したパケットのヘッダの少なくとも1つのフィールド内に与えられた情報を、前記交換装置の出口ポートと関連付けるように配置されたデータストアにデータを投入することにより、前記交換装置において、前記パケットを転送することであって、前記1つ以上の制御プレーンプロセッサが、前記通信ネットワークの制御プレーンを備え、前記交換装置のデータ転送および/またはルートフィルタリング機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御されることと、
を備える方法。
【請求項29】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数の交換装置を備える通信ネットワークであって、各交換装置が、受信したパケットに対して実行するデータ転送及びデータフィルタリング機能が、1つ以上の制御プレーンプロセッサを備える制御プレーンによって制御され、前記制御プレーンは、各交換装置に、該制御装置が、そのデータ転送及びデータフィルタリング機能を受信したパケットに対して実施することを可能にする制御データを供給し、前記受信したパケットは、コネクションレスプロトコルに準拠するアドレス情報を有するヘッダ情報を含み、前記制御データは、前記交換装置が、前記受信したパケットのためのコネクション型サービスを提供することを可能にする、通信ネットワーク。
【請求項30】
請求項1から24のいずれか1項に記載の交換装置に制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記制御データは、前記交換装置が、そのデータ転送及びデータフィルタリング機能を、受信したパケットに対して実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項31】
請求項1から24のいずれか1項に記載の複数の相互接続された交換装置を備える、通信ネットワーク。
【請求項32】
前記制御プレーンによって生成された制御データは、帯域外で各交換装置へ送信される、請求項31に記載のネットワーク。
【請求項33】
前記通信ネットワークの制御プレーンは、少なくとも1つのデータソースから、前記ネットワークを介して少なくとも1つのデータシンクへのトラフィックフローのための複数の経路を確立する、請求項31または32に記載のネットワーク。
【請求項34】
コネクションレスサービスを提供することが可能な交換装置を再構成して、コネクション型サービスを提供することにより、通信ネットワークを通じて、サービスの差別化を実現できる方法であって、
前記交換装置の予め設定されたデータ転送機能及び予め設定されたデータフィルタリング機能の全てを無効にすることと、
オフスイッチで配置されたデータソースから制御インタフェースを介して、受信したパケットを転送するための全ての所要のルーティング情報を、前記交換装置に提供することであって、該ルーティング情報は、前記交換装置によってサポートされるコネクションレスプロトコルによってこれまでに提供された情報に取って代わることと、
の各ステップを備え、
トラフィックの各フローに対して決められたルートは、該トラフィックフローの特性に依存する、方法。
【請求項35】
前記各ルートは、前記トラフィックフローに要求されるサービス品質を備える特性に依存する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記特性は、前記トラフィックフローの優先度である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記特性は、前記トラフィックフローに必要な帯域幅である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記特性は、前記トラフィックフローのイーサタイプである、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記特性は、前記トラフィックフローのための論理リンク制御(LLC)ヘッダである、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
通信ネットワーク内のトラフィックの負荷をバランスさせるように、前記通信ネットワーク内の経路を選択する方法であって、
交換装置に到達するトラフィックフローを識別することであって、前記交換装置が、コネクションレスサービスの代わりに、通信ネットワーク全域にコネクション型サービスを提供するように再構成されていることと、
前記トラフィックフローを、個々の接続識別子に関連付けることと、
前記個々の接続識別子を、追加的なヘッダフィールド情報と関連付けて、前記トラフィックフローのためのグローバル識別子を生成することと、
制御プレーンを用いて、前記グローバルに識別されたフローのための経路を決めることと、
前記通信ネットワーク内の複数の再構成された交換装置に情報を提供して、複数の経路を、各前記トラフィックフローに対して決めることを可能にすることであって、前記複数の経路のうちの1つ以上が、制御プレーンプロセッサによって選択されることと、
の各ステップを備える方法。
【請求項41】
前記トラフィックはイーサネットトラフィックであり、前記個別の接続識別子は、バーチャルローカルエリアネットワーク識別子を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記トラフィックがIPトラフィックである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
コネクションレス通信プロトコルをサポートするように予め構成された複数の交換装置を備える通信ネットワークを通じて、エンドツーエンド接続を生成する方法であって、
前記交換装置を再構成することと、
前記コネクションレス通信プロトコルを用いて、受信した通信トラフィックフローを転送することをサポートする機能を無効にすることと、
コネクション型通信プロトコルを用いて、受信した通信トラフィックフローを転送することをサポートする機能を有効にすることと、
前記トラフィックフローに対して、ソースからシンクへの前記エンドツーエンド接続のための経路を決めることと、
制御インタフェースを介して前記経路をつなげて、ルーティング情報を前記受信したトラフィックフローに提供し、前記機能を有効にすることが、前記受信したトラフィックフローを、前記通信ネットワークを通じて前記シンクへ転送することと、
の各ステップを備える方法。
【請求項44】
前記コネクション型通信プロトコルをサポートする前記機能を有効にする前記ステップは、制御インタフェースを介して前記交換装置に対して実行される、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
ワイドエリアネットワークによって相互接続された複数のローカルエリアネットワークを備える通信ネットワークにおいて、前記複数のLANのうちの第1のものから前記複数のLANのうちの第2のものへ受信されたパケット化データに、差別化された転送モードを与える方法であって、
前記WANにアクセスできる前記第1のLANからデータを供給するように配置された第1の装置において、前記データのための複数のヘッダフィールドに対して、探索操作を実行することと、
前記複数のヘッダフィールドの各々が、前記第1の装置の制御プレーンによってデータが投入されるデータストア内に格納されたルーティング情報と関連付けられているかを判断することと、
前記制御プレーンによって提供されるルーティング情報に従って、前記WANから前記第2のLANへのデータにアクセスできるように配置された第2の装置へ、前記ワイドエリアネットワークを介して前記データをルーティングすることと、
を備える方法。
【請求項46】
前記パケット化データは、複数のイーサネットフレームを備え、前記複数のヘッダフィールドは、少なくとも、VLAN−ID/DA MACタプルを備え、前記第1及び第2の交換装置は、それぞれ、第1及び第2の独立したVLAN学習イーサネットスイッチを備える、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1及び第2の独立したVLAN学習イーサネット交換装置は、受信したイーサネットフレームをローカル一意VLAN−IDで転送して、一方向接続を形成するように配置された、独立したVLAN学習イーサネット交換装置からなる連続した配列によって相互接続されている、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記制御プレーンによって提供される前記ルーティング情報はさらに、前記第1のイーサネット交換装置と第2のイーサネット交換装置との間で双方向接続を形成するために、前記第2のイーサネットスイッチと前記第1のイーサネットスイッチとの間の逆方向の経路を提供する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
制御プレーンプロセッサからデータを受信して、交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して実行するデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を制御するように配置されたイーサネット交換装置。
【請求項50】
前記制御プレーンは、接続を設定し、前記イーサネット交換装置が、その媒体アクセス制御(MAC)アドレス学習機能を無効にし、また、スパニングツリープロトコルが不作動状態にされて、ブリッジプロトコルデータユニットが生成されないように、前記交換装置上の1つ以上のブリッジテーブルにデータを投入する、請求項49に記載のイーサネット交換装置。
【請求項51】
前記制御プレーンは、コネクションレスであると仮定されているイーサネット交換装置技術を制御し、そうすることで、前記イーサネット交換装置技術の動作を変換するように配置された、コネクション型制御プレーンを備える、請求項49または50に記載のイーサネット交換装置。
【請求項52】
イーサネット交換装置に制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記制御データは、前記イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項53】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数のイーサネット交換装置を備える通信ネットワークであって、各イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して実行する前記データ転送機能及びデータフィルタリング機能は、各イーサネット交換装置に、前記イーサネット交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にする制御データを提供する制御プレーンプロセッサによって制御される、通信ネットワーク。
【請求項54】
データソースとデータシンクとの間で、交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された非常に多くのイーサネット交換装置を備える通信ネットワークであって、前記イーサネット交換装置の全てが、該ネットワーク内の受信イーサネットトラフィックに対して実行する前記データ転送機能及びデータフィルタリング機能は、制御データを全てのイーサネット交換装置に提供して、各交換装置が、受信したイーサネットトラフィックに対して、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を実施することを可能にするように配置された制御プレーンプロセッサによって集合的に制御される、通信ネットワーク。
【請求項55】
前記各制御プレーンプロセッサによって生成された制御データは、帯域外で各イーサネット交換装置へ送信される、請求項53または54に記載のネットワーク。
【請求項56】
VLANは、前記制御データを送信するために、前記イーサネット交換装置の間に確立される、請求項55に記載のネットワーク。
【請求項57】
前記制御プレーンは、少なくとも1つのデータソースから少なくとも1つのデータシンクへのトラフィックフローのための複数の経路を確立する、請求項53から56のいずれか1項に記載のネットワーク。
【請求項58】
前記制御プレーンによって提供される情報は、インデックス識別子を前記交換装置の出口ポートに関連付ける少なくとも1つのインデックス識別子タイプを備え、前記識別子タイプは、前記交換装置が受信するように構成されているトラフィックのヘッダフィールド識別子である、請求項49から51のいずれか1項に記載のイーサネット交換装置。
【請求項59】
複数の出口ポートに対して、前記制御プレーンによって提供される転送情報は、異なる種類のインデックス識別子を備える、請求項58に記載のイーサネット交換装置。
【請求項60】
前記制御プレーンは、ロードバランシングスキームを実施するために、前記インデックス識別子タイプを割当てる、請求項58または59に記載のイーサネット交換装置。
【請求項61】
通信ネットワーク内のソースと宛先との間の通信接続に沿って、OAMフローを実施する方法であって、
補助プロセッサから第1の交換装置に、パケット化トラフィックフローを投入することであって、該パケット化トラフィックフローはOAMトラフィックを備え、該OAMトラフィックは、前記通信接続に沿って流れるユーザプレーントラフィックと同じラベルフィールド値タイプであるラベルフィールド値タイプを有することと、
前記ソースと前記宛先の間の中間交換装置が、前記OAMパケットがユーザプレーンパケットであるかのように該OAMパケットを転送することを可能にするように該OAMパケットを交換することと、
第2の交換装置において、前記OAM及びユーザプレーンパケット化トラフィックフローを受信することと、
前記OAMパケットと前記ユーザプレーンパケットを分けることと、
その標準的な機能に従って、前記交換装置による処理のために、前記遠端交換装置に対して、補助プロセッサ内のOAMパケットを消すことと、
の各ステップを備える方法。
【請求項62】
前記OAMフローは、コネクションレス通信プロトコルに準拠するユーザプレーントラフィックに供給され、前記第1の交換装置は、前記補助プロセッサにより、前記ユーザプレーントラフィックのための接続の遠端部において、前記第2の交換装置への接続を確立するように構成される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記OAMパケットと前記ユーザプレーンパケットを分ける前記ステップは、前記接続の遠端部における前記第2の交換装置において、前記ヘッダフィールド情報を処理して、受信したパケットがOAMパケットであることを示す前記ヘッダ情報内の1つ以上の識別子を判断することによって実行される、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記OAMパケットは、その宛先アドレスが、前記接続の遠端部における前記第2の交換装置に関連する補助プロセッサであることを示すヘッダ情報を含み、前記遠端部の交換装置において、前記OAMパケットとユーザプレーンパケットを分けるステップはさらに、前記OAMパケットを前記補助制御プレーンプロセッサへ転送することを備える、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記パケット化トラフィックフローは、OSIレイヤ2パケットのフローを備える、請求項61から64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記OSIレイヤ2パケットは、イーサネットフレームを備える、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記パケット化トラフィックフローは、OSIレイヤ3パケットからなるフローを備える、請求項61から64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記OSIレイヤ3パケットは、インターネットプロトコルパケットを備える、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
制御プレーンプロセッサは、前記パケット化OAMを前記交換装置に投入する、請求項61から68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記OAMフローは、要求に応じて実施される、請求項61から69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記OAMフローは、接続が、前記第1の交換装置で受信されたトラフィックのために前記制御プレーンによって確立されたときに、要求に応じて実施される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
通信ネットワーク内でOAMフローを実施する方法であって、
補助プロセッサからのイーサネットフレームをイーサネットスイッチに投入することであって、該イーサネットフレームは、OAMフロー及びユーザプレーントラフィックを備え、前記OAMフローは、中間イーサネット交換装置が、該OAMフレームが、該接続の遠端部において、ユーザフレームであるかのように該OAMフレームを交換することを可能にするために、ユーザプレーン接続と同じラベルフィールド値であるラベルフィールド値を有することと、
前記OAMフレームと前記ユーザプレーンフレームを分けることと、
その標準的な機能に従って、イーサネットスイッチにより処理するために、補助プロセッサ内のOAMフレームを消すことと、
を備える方法。
【請求項73】
通信ネットワーク内で、コネクションレスサービスを提供することが可能なイーサネット交換装置であって、前記イーサネット交換装置の機能は、その制御プレーンにより、そのポートの少なくともいくつかにコネクション型サービスを提供するように変更され、前記イーサネット交換装置のコネクション型機能をサポートするOAMプロトコルは、非OAMトラフィックの場合に、該イーサネットスイッチのポートのうちの少なくともいくつかによって提供されるコネクション型サービスを実施するように配置されたプロセッサとは異なっているプロセッサを用いて実施される、イーサネット交換装置。
【請求項74】
前記独立した処理ハードウェアは、非OAMトラフィックの場合に、前記イーサネットスイッチの交換機能をサポートするプラットフォームとは異なるプラットフォームによってサポートされる、請求項73に記載のイーサネット交換装置。
【請求項75】
前記イーサネットスイッチによって提供されるコネクション型サービスは、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを備える、請求項73または74に記載のイーサネット交換装置。
【請求項76】
前記イーサネット交換装置によって提供されるコネクション型サービスは、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを備える、請求項73または74に記載のイーサネット交換装置。
【請求項77】
前記OAMプロトコルは、前記イーサネットスイッチによって提供されるトランスペアレントなサービスと関連するフロー集合と関連付けられたフロー集合に適用することができる、請求項75に記載のイーサネット交換装置。
【請求項78】
イーサネット交換装置のためにOAMプロトコルを実施するシステムであって、
前記イーサネット交換装置にOAM型動作を提供するように配置されたソフトウェアをサポートするように配置されたプラットフォームであって、前記イーサネット交換装置が、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを提供するように配置されているプラットフォームを備える、システム。
【請求項79】
イーサネット交換装置のためにOAMプロトコルを実施するシステムであって、
前記イーサネット交換装置にOAM型動作を提供するように配置されたソフトウェアをサポートするように配置されたプラットフォームであって、前記イーサネット交換装置が、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを提供するように配置されているプラットフォームを備える、システム。
【請求項80】
前記イーサネット交換装置によって提供される前記トランスペアレントなサービスと関連付けられたフローの集合のためのOAMプロトコルを提供するように配置された、請求項78または79に記載のシステム。
【請求項81】
OAMプロトコルを、通信ネットワーク内の交換装置に提供するように配置されたプロセッサであって、前記交換装置のデータ転送機能が、制御プレーンにより、前記交換装置が、受信したイーサネットトラフィックを複数の経路を通じて、前記通信ネットワーク内の宛先へ転送できるように制御され、前記OAMプロセッサは、前記交換装置によって受信される非OAMトラフィックに対しては、前記データ転送機能を実行しない、プロセッサ。
【請求項82】
データソースとデータシンクとの間で交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続された複数の交換装置を備える、通信ネットワーク内の交換装置のための帯域外スイッチ制御システムであって、各交換装置が、受信したトラフィックに対して実行する前記データ転送機能は、各交換装置に、前記データソースとデータシンクとの間に送信されるデータと論理的に分離された制御データを提供する制御プレーンプロセッサによって、帯域外で制御される、帯域外スイッチ制御システム。
【請求項83】
前記交換装置はイーサネット交換装置を備え、前記トラフィックはイーサネットフレームを備える、請求項82に記載の帯域外スイッチ制御システム。
【請求項84】
前記交換装置はIPルータを備え、前記トラフィックはIPパケットを備える、請求項82に記載の帯域外スイッチング制御システム。
【請求項85】
前記制御データは、バーチャルローカルエリアネットワークを用いて、各交換装置へ伝えられる、請求項82または83に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項86】
前記通信ネットワーク内に設けられた1つ以上のバーチャルネットワークが、制御情報を、前記通信ネットワークを形成する前記交換装置へ伝達するのに用いられる、請求項82から85のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項87】
前記通信ネットワーク内の制御プレーンプロセッサが、制御データを複数の交換装置へ提供する、請求項82から85のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキーム。
【請求項88】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記受信した制御データは、該スイッチが、そのデータ転送機能を受信したトラフィックに対して実施することを可能にする、交換装置。
【請求項89】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記交換装置は、受信した制御データが、該スイッチが、そのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を受信したイーサネットトラフィックに対して実施することを可能にするイーサネット交換装置を備える、交換装置。
【請求項90】
前記イーサネット交換装置は、
受信したイーサネットトラフィックを前記通信ネットワークを通じて、前記交換装置の出口ポートへ転送するように配置されたデータストアであって、複数のデータレコードを備え、各データレコードが、受信したイーサネットフレームのヘッダから抽出した情報に基づいて、該受信したイーサネットフレームを前記交換装置の出口ポートと関連付ける、データストアと、
前記データストアレコードに、前記交換装置の制御プレーンプロセッサによって提供される情報を投入する手段であって、前記イーサネット交換装置のデータ転送機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御される、手段と、
を備える、請求項89に記載の交換装置。
【請求項91】
前記制御プレーンによって提供される前記情報は、出口ポートと関連付けられた少なくとも1つのインデックス識別子を備え、前記インデックス識別子タイプは、前記交換装置が、受信したイーサネットフレームのヘッダから抽出することが可能な識別子のタイプである、請求項90に記載の交換装置。
【請求項92】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置されたイーサネット交換装置を備え、前記イーサネット交換装置は、以前は前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスイーサネットサービスのみを提供した、請求項89から91のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項93】
請求項82から87のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、制御プレーンプロセッサから帯域外スイッチ制御データを受信するように配置された交換装置であって、前記交換装置は、受信した制御データが、前記スイッチがそのデータ転送機能及びデータフィルタリング機能を受信したインターネットプロトコル(IP)トラフィックに対して実施することを可能にするインターネットプロトコル(IP)交換装置を備える、交換装置。
【請求項94】
前記IP交換装置は、
受信したIPトラフィックを前記通信ネットワークを通じて、前記交換装置の出口ポートへ転送するように配置されたデータストア(data store)であって、複数のデータレコードを備え、各データレコードが、受信したIPパケットのヘッダから抽出した情報に基づいて、受信したIPパケットを前記交換装置の出口ポートと関連付ける、データストアと、
前記データストアレコードに、前記交換装置の制御プレーンプロセッサによって提供される情報を投入する手段であって、それにより、前記IP交換装置のデータ転送機能が、前記通信ネットワークの制御プレーンによって制御される、手段と、
を備える、請求項93に記載の交換装置。
【請求項95】
前記交換装置は、通信ネットワーク内に配置されたIP交換装置を備え、前記IP交換装置は、これまで、前記通信ネットワークを通じて、コネクションレスIPサービスのみを提供していた、請求項93または94に記載の交換装置。
【請求項96】
前記交換装置は、前記通信ネットワークを通じて、トランスペアレントなポイントツーポイントサービスを提供する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項97】
前記交換装置は、前記通信ネットワークを通じて、トランスペアレントなポイントツーマルチポイントサービスを提供する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項98】
前記交換装置によって受信されたトラフィックフレームまたはパケットのヘッダ内のフィールドが、前記交換装置の出口ポートと関連付けられており、前記交換装置は、以下のフィールド、すなわち、
1つ以上のグローバル一意宛先アドレスフィールド、
1つ以上のグローバル一意ソースアドレスフィールド、
1つ以上のローカル一意宛先アドレスフィールド、
1つ以上のローカル一意ソースアドレスフィールド、
1つ以上のイーサタイプフィールド、
1つ以上のIPv6フロー識別子フィールド、
1つ以上の優先度フィールド、および
1つ以上のVLAN−IDフィールド、
のうちの1つ以上に基づいて、前記受信したフレームまたはパケットを、前記交換装置の出口ポートへ転送する、請求項88から95のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項99】
前記受信したフレームまたはパケットは、前記受信したフレームまたはパケットのためのソースローカルエリアネットワークに対してローカル一意のフレームまたはパケットにカプセル化する、請求項98に記載の交換装置。
【請求項100】
前記交換装置は、前記受信したフレームまたはパケットのヘッダ内に含まれる情報により、コネクションレスサービスを提供するように配置された前記交換装置の出口ポートを介して、または、コネクション型サービスを提供するように配置された出口ポートを介して、受信したフレームまたはパケットを転送するように配置される、請求項88から99のいずれか1項に記載の交換装置。
【請求項101】
請求項1から6のいずれか1項に記載の帯域外スイッチ制御スキームに従って、請求項88から100のいずれか1項に記載の交換装置に帯域外スイッチ制御データを提供するように配置された制御プレーンプロセッサであって、前記受信した制御データは、該スイッチが、受信したトラフィックフレームまたはパケットに対して、そのデータ転送機能及びフィルタリング機能を実施することを可能にする、制御プレーンプロセッサ。
【請求項102】
請求項88から100のいずれか1項に記載の複数の交換装置を備える通信ネットワークであって、前記交換装置は、データソースとデータシンクとの間で交換可能なデータトランスポートを実行できるように相互接続されており、前記通信ネットワークは、帯域外制御システムを、非常に多数のイーサネットスイッチの各々に提供する、通信ネットワーク。
【請求項103】
バーチャルローカルエリアネットワークを生成して、通信ネットワーク内の複数の交換装置の間で、制御プレーントラフィックを伝える方法であって、
前記複数の交換装置の各々の上に、前記制御プレーントラフィックを伝える前記VLANと関連付けられる少なくとも1つのポートを設定することと、
前記交換装置に関連する制御プレーンプロセッサからのシグナリングを前記スイッチ制御プレーン上で受信することと、
前記VLANに関連する前記ポート上で、前記制御プレーンシグナリングトラフィックを、前記VLANトラフィックのために構成されたポートを有する前記複数の交換装置の各々に転送することであって、それにより、前記制御プレーンシグナリングが、前記複数の交換装置のうちの1つの宛先になり、前記交換装置は、前記制御プレーンシグナリングを、前記交換装置が関連している制御プレーンプロセッサに伝達できるように配置されていることと、
を備える方法。
【請求項104】
制御プレーンが、通信ネットワーク内の複数の交換装置の相互接続性を自動的に発見することを可能にする方法であって、前記交換装置は、コネクションレスモードの通信をサポートするための全ての機能を無効にすることにより、コネクション型モードの通信のためのサポートを提供するように再構成されている方法であって、
前記交換装置の少なくとも1つの区分におけるコネクションレスモードを、管理及び制御情報に限定して再び可能にすることと、
該管理区分を介してブロードキャストすることにより、前記制御プレーンからメッセージを発行することと、
新たなリンクの端部における現存する交換装置において、および/または前記通信ネットワークの新たな交換装置において、前記メッセージのうちの少なくとも1つを受信することと、
前記制御プレーンと通信することにより、前記現存するまたは新たな交換装置において、前記少なくとも1つの受信メッセージに応答することであって、前記通信が、前記新たな交換装置および/または前記新たなリンクの前記相互接続性の前記発見を可能にすることと、
の各ステップを備える方法。
【請求項105】
通信ネットワーク内での管理接続を確立する方法であって、
まず、バーチャルローカルエリアネットワークを生成して、請求項103に記載の管理トラフィックを伝えることと、
次に、請求項104に記載の方法を用いて、前記交換装置の間の接続性を見出すことと、
の各ステップを備える方法。
【請求項106】
管理および/またはシグナリング情報を受信するように交換装置を構成する方法であって、
前記交換装置の1つ以上の特定のポート上にブロードキャスト機能を保持することと、
前記交換装置の他のポートからの予め設定されたコネクションレスプロトコルをサポートする全ての既存の機能を無効にすることであって、前記他のポートは、前記管理から得られた情報と、前記1つ以上の特定のポートで受信したシグナリング情報とによって、前記他のポートで受信したトラフィックに対して、1つ以上のコネクション型モードのトランスポートを実行できるように再設定され、前記他のポートで受信した前記トラフィックは、コネクションレス通信プロトコルに準拠することと、
の各ステップを備え、それにより、前記交換装置の前記1つ以上の特定のポートは、前記受信した管理および/またはシグナリング情報を、前記交換装置によって受信された他のトラフィックと論理的に分離するように設定される、方法。
【請求項107】
前記保持されたブロードキャスト機能は、前記交換装置が、前記受信した管理及びシグナリングトラフィックをコネクションレス方式で転送することを可能にする、請求項106に記載の交換装置を構成する方法。
【請求項108】
前記交換装置は、前記情報を伝えるパケットまたはフレームのヘッダから抽出した識別子を、前記交換装置の1つ以上の特定のポートと関連付けることにより、受信した管理および/またはシグナリング情報を論理的に分離する、請求項106または107に記載の交換装置を構成する方法。
【請求項109】
複数の接続された交換装置を備えるネットワークを構成する通信スキームであって、各交換装置が、受信した通信トラフィックのコネクションレス転送を実施して、前記受信した通信トラフィックにコネクション型サービスを選択的に提供する機能を有する、通信スキームであって、
それのために、ソースノードと宛先ノードとの間に接続が確立される交換装置で受信したトラフィックを識別するために、インデックスヘッダフィールド値を決めることと、
接続を実施する必要がある各交換装置に、これらのデータ転送テーブルに、前記交換装置の出口ポートに関連する前記インデックスヘッダフィールド値を投入することを可能にする情報を提供することと、
前記データ転送テーブルに、前記接続を確立するのに必要な前記交換装置の前記出口ポートに関連するインデックス情報を投入することが可能な、前記交換装置上の他の全ての機能を無効にすることと、
を備える通信スキーム。
【請求項110】
複数の異なる種類のインデックスヘッダフィールド値が前記制御プレーンによって与えられる、請求項109に記載の通信スキーム。
【請求項111】
前記異なる種類のインデックスヘッダフィールド値は、階層的に配列され、また、前記階層の異なるレベルが、前記交換装置の異なる出口ポートに関連付けられている、請求項110に記載の通信スキーム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
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【図10A】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【公表番号】特表2008−527772(P2008−527772A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548899(P2007−548899)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/005100
【国際公開番号】WO2006/070197
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/005100
【国際公開番号】WO2006/070197
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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