説明

コネクタ取付用クランプ

【課題】クランプ本体をコネクタが取り付けられた状態で取付部材の取付孔に対して簡単かつ確実に係止固定することができるとともに、クランプ本体に取り付けられたコネクタに対する他のコネクタの接続作業を、取付部材に干渉することなく容易に行うことができるコネクタ取付用クランプを提供する。
【解決手段】クランプ本体18上の取付座面18gに、電気回路の接続を行うコネクタ15を取り付けるための取付部19を設ける。クランプ本体18の取付座面18gと反対側の面には、車両に設けられた取付部材13の取付孔13aに係止固定するための係止脚部21を突設する。クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19は、係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置する。クランプ本体18の係止脚部21と反対側の部分には、係止脚部21を取付孔13aに対する係止位置に向かって押圧操作するための操作部材22を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両において、電気回路の接続を行うためのコネクタを車両に取り付ける際に用いられるコネクタ取付用クランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコネクタ取付用クランプとしては、例えば特許文献1に開示されるような構成が提案されている。この従来構成のコネクタ取付用クランプ31は、図8に示すように、例えば車両のロアバックパネル32の後面に設けられた断面ほぼ逆L字状のバンパブラケット33に組み付けられている。このクランプ31には車両の内側から延びるコード34の先端のコネクタ35が取り付けられるようになっている。そして、ロアバックパネル32の後面に図示しないバンパが取り付けられる際に、そのバンパ側に組み込まれたコード36の先端のコネクタ37が、クランプ31上のコネクタ35に接続されるようになっている。
【0003】
前記コネクタ取付用クランプ31は、図9に示すようにクランプ本体38を備えている。クランプ本体38上の取付座面38aには、コネクタ35を取り付けるための断面ほぼT字状の取付部39が突設されている。コネクタ35には、取付部39に係合可能なクランプ受け部40が設けられている。クランプ本体38の取付座面38aと反対側の面には、バンパブラケット33上の取付孔33aに係止固定するための係止脚部41が突設されている。
【0004】
そして、コネクタ取付用クランプ31を用いてコード34先端のコネクタ35をバンパブラケット33上に取り付ける場合には、そのコネクタ35上のクランプ受け部40にクランプ本体38上の取付部39を挿入係合させることにより、クランプ31がコネクタ35に予め取り付けられる。この状態で、図8に示すようにクランプ31及びコネクタ35をロアバックパネル32に形成された挿通孔32aから車両後方側に挿通するとともに、クランプ本体38上の係止脚部41をバンパブラケット33の取付孔33aに圧入係止することにより、クランプ31及びコネクタ35がバンパブラケット33の後面に取り付けられる。そして、ロアバックパネル32に対するバンパの取り付け時に、そのバンパ側に組み込まれたコード36の先端のコネクタ37がクランプ31上のコネクタ35に接続される。以下、この従来構成を従来構成1という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−326726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この従来構成のコネクタ取付用クランプにおいては、コネクタ35を取り付けるための取付部39が係止脚部41の軸心上に配置されている。このため、バンパブラケット33に対するクランプ31及びコネクタ35の取り付け状態で、そのコネクタ35に対してバンパ側コード36のコネクタ37を接続する際に、断面ほぼ逆L字状をなすバンパブラケット33の庇部がコネクタ37を把持する作業領域T1(図9参照)と干渉するおそれがある。よって、両コネクタ35,37の接続作業を容易に行うことができないという問題があった。
【0007】
このような問題に対処するため、例えば図10に示すような構成も従来から提案されている。この従来構成のコネクタ取付用クランプ31においては、クランプ本体38が縦長形状をなすように構成されている。そして、コネクタ35を取り付けるための取付座面38a及び取付部39が、係止脚部41の軸心Oからオフセットした位置に配置されている。これにより、両コネクタ35,37の接続作業時に、ブラケット33の庇部がコネクタ37を把持する作業領域T1と干渉するおそれが回避されて、接続作業を容易に行うことができる。以下、この従来構成を従来構成2という。
【0008】
しかしながら、この図10に示す従来構成2では、クランプ本体38が縦長に形成されているため、ロアバックパネル32の挿通孔32a(図8参照)を大径にしないと、クランプ31及びコネクタ35を挿通孔32aに挿通することができない。また、クランプ本体38の取付座面38a及び取付部39が係止脚部41の軸心からオフセットした位置に配置されているため、両コネクタ35,37の接続作業時に、クランプ31が係止脚部41の軸心Oを中心に揺動して作業がしにくいため、コネクタ35,37の接続状態が不完全になり易いという問題もあった。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、クランプ本体をコネクタが取り付けられた状態で取付部材の取付孔に対して簡単かつ確実に係止固定することができるとともに、クランプ本体に取り付けられたコネクタに対する他のコネクタの接続作業を、取付部材に干渉することなく容易に行うことができるコネクタ取付用クランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明は、クランプ本体上の取付座面に、電気回路の接続を行うコネクタを取り付けるための取付部が設けられ、前記クランプ本体の取付座面と反対側の面には、車両に設けられた取付部材の取付孔に係止固定するための係止脚部が突出されたコネクタ取付用クランプにおいて、前記クランプ本体の取付座面及び取付部が、前記係止脚部の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置され、前記クランプ本体の係止脚部と反対側の部分には、係止脚部を取付孔に対する係止位置に向かって押圧操作するための操作部材が設けられていることを特徴としている。
【0011】
従って、この発明のコネクタ取付用クランプにおいては、クランプ本体の取付部にコネクタが取り付けられた状態で、クランプ本体の係止脚部を取付部材の取付孔に係止固定する場合には、クランプ本体上の操作部材を押圧操作すると、係止脚部が取付孔に圧入されて、クランプ本体が取付部材上に固定される。よって、コネクタを取り付けるための取付座面及び取付部が係止脚部の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されていても、操作部材の押圧操作により、クランプ本体をコネクタの取り付け状態で取付部材の取付孔に対して簡単かつ確実に係止固定することができる。
【0012】
また、取付座面及び取付部が係止脚部の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されているため、クランプ本体に取り付けられたコネクタに対して他のコネクタを接続する際に、その接続作業の作業領域が取付部材に干渉するおそれを抑制することができる。よって、コネクタの接続作業を取付部材に干渉することなく容易に行うことができる。さらに、従来構成2とは異なって、クランプ本体の取付座面及び取付部が係止脚部の軸心からオフセットした位置に配置されていないため、コネクタの接続作業時に、クランプ本体が係止脚部の軸心を中心に揺動するのを抑制することもできる。しかも、従来構成2とは異なり、クランプ本体が縦長に形成されていないため、クランプ本体にコネクタを取り付けた状態で、それらを車体等に設けられた挿通孔を通して取付部材上に導く必要がある場合、挿通孔を大径に変更する必要がない。
【0013】
前記の構成において、前記操作部材は、前記クランプ本体上において前記係止脚部の軸心方向の延長位置よりオフセットした部位から前記係止脚部と反対方向に突出された突出片と、その突出片の先端に係止脚部の軸心方向の延長位置とラップするように設けられた押圧操作部とより構成するとよい。
【0014】
前記の構成において、前記押圧操作部には、係止脚部の軸心と直交する平面上に配置される押圧操作面を設けるとよい。
前記の構成において、前記押圧操作面には滑り止め手段を設けるとよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、クランプ本体をコネクタが取り付けられた状態で取付部材の取付孔に対して簡単かつ確実に係止固定することができるとともに、クランプ本体に取り付けられたコネクタに対する他のコネクタの接続作業を、取付部材に干渉することなく容易に行うことができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態のコネクタ取付用クランプの組み付け状態を示す車両の要部斜視図。
【図2】図1のコネクタ取付用クランプを拡大して示す斜視図。
【図3】(a)は、クランプ本体の取付座面の周辺の要部斜視図、(b)は(a)の図から一部を取り去った部分の要部斜視図。
【図4】図1の4−4線における部分拡大断面図。
【図5】図5は図4の一部を拡大して示す部分断面図。
【図6】クランプ本体のバンパブラケットに対する取付状態を示す断面図。
【図7】図1の7−7線における部分拡大断面図。
【図8】従来のコネクタ取付用クランプの組み付け状態を示す車両の要部斜視図。
【図9】図8の9−9線における部分拡大断面図。
【図10】従来のコネクタ取付用クランプの異なった構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明を具体化したコネクタ取付用クランプの一実施形態を、図1〜図7に従って説明する。
図1及び図4に示すように、この実施形態のコネクタ取付用クランプ11は、車両のロアバックパネル12の後面に設けられた断面ほぼ逆L字状をなす取付部材としてのバンパブラケット13に組み付けられ、このクランプ11に車両の内側から延びるコード14の先端のコネクタ15が取り付けられるようになっている。そして、ロアバックパネル12の後面に図示しないバンパが取り付けられる際に、そのバンパ側に組み込まれたコード16の先端のコネクタ17が、クランプ11上のコネクタ15に接続されて、図示しないバンパに設けられる電気機器の電気回路の接続が行われるようになっている。
【0018】
図2及び図4に示すように、コネクタ取付用クランプ11は合成樹脂からなり、平板状のクランプ本体18が設けられている。クランプ本体18は、ほぼ四角形板状をなす基板18aの下面、すなわち、クランプ本体18の取付座面18gと反対側の面には、バンパブラケット13に形成された取付孔13aに係止固定するための係止脚部21が突出されている。係止脚部21の基部外周には、バンパブラケット13の後面(表面)に弾性接触可能なスタビライザ21aが形成されている。また、係止脚部21の基部外周において、スタビライザ21aよりも先端側の相互に180度反対側の側面には、図6に示すように有弾性の一対の係止爪21bが突出されている。なお、図2では一方の係止爪21bのみ図示されている。
【0019】
一方、図3(a)、(b)に示すように基板18aには、後述するコネクタ15の連結方向とは直交方向において位置する両端縁から立ち上がった側板18bを有する。基板18a上面には取付部19が設けられている。取付部19の構成は、公知のため、簡単に説明する。取付部19は、前記連結方向とは直交方向において、相互に離間する一対の係合翼片18cと、両係合翼片18cをほぼH字状を成すように連結する係合片18dと、両係合翼片18cの係合片18dから、前記連結方向の内側端縁部分と前記基板18aの上面とを連結する一対の側壁18eとを有している。なお、図3(b)は、両係合翼片18c,係合片18dを除いた場合のクランプ本体の取付座面の周辺の要部斜視図である。
【0020】
両側壁18eの一端部には、係合翼片18cと基板18aとの間を塞ぐ誤挿入防止壁18fが設けられている。また係合片18dは両係合翼片18cの誤挿入防止壁18fとは反対側の端部寄りの位置に形成されている。
【0021】
本実施形態では、両係合翼片18cで覆われる基板18aの上面を取付座面18gとしている。また、前記クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19は、係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されるように構成されている。
【0022】
一方、コネクタ15には、前記取付部19に係合可能な公知のクランプ受け部20が設けられている。クランプ受け部20は、図4に示すように互いに相対する一対の断面L字状の突条を有する。
【0023】
図2、図4に示すように、前記クランプ本体18の係止脚部21と反対側の部分には、係止脚部21をバンパブラケット13の取付孔13aに対する係止位置に向かって押圧操作するための操作部材22が突設されている。この操作部材22は、図5に示すようにクランプ本体18上において係止脚部21の軸心方向の延長位置P1よりオフセットした部位から係止脚部21と反対方向に突出された突出片23と、その突出片23の先端に係止脚部21の軸心方向の延長位置P1と所定量L1だけラップするように形成された押圧操作部24とから構成されている。
【0024】
図5に示すように、前記操作部材22の押圧操作部24には、係止脚部21の軸心と直交する平面上に配置された押圧操作面24aが形成されている。この押圧操作面24aには、滑り止め手段としての滑り止め部25が設けられている。すなわち、押圧操作面24aの基端部に凹部25a及び凸部25bを形成し、その凸部25bを押圧操作面24aよりも所定量L2だけ高くすることによって、滑り止め部25が構成されている。
【0025】
(実施形態の作用)
次に前記のように構成されたコネクタ取付用クランプの使用方法について説明する。
さて、このコネクタ取付用クランプ11を用いて車両側のコード14先端のコネクタ15をバンパブラケット13上に取り付ける場合には、まず図4に示すように、そのコネクタ15上のクランプ受け部20の一対の突条に対してクランプ本体18上の取付部19を構成する両係合翼片18cと取付座面18g間を挿入係合させることにより、クランプ11がコネクタ15に予め取り付けられる。この状態で、図1に示すように、クランプ11及びコネクタ15がロアバックパネル12に形成された挿通孔12aから車両後方側に挿通されて、バンパブラケット13の後方位置に配置される。この場合、クランプ本体18が縦長に形成されていないため、ロアバックパネル12の挿通孔12aを大径にしなくても、挿通孔12aに対するクランプ11及びコネクタ15の挿通作業を容易に行うことができる。
【0026】
その後、図4に示すように、クランプ本体18の係止脚部21をバンパブラケット13の取付孔13aに対応配置させて、操作部材22の押圧操作部24上の押圧操作面24aを押圧操作する。すると、係止爪21bの弾性に抗して係止脚部21が取付孔13aに圧入されると、一対の係止爪21bが図6に示すように取付孔13aの裏面側周縁に係止されるとともにスタビライザ21aが取付孔13aの表面側の周縁に当接されて、クランプ本体18がバンパブラケット13上に係止固定される。この場合、操作部材22の押圧操作によって取付孔13aに対する係止脚部21の圧入が行われるため、クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されていても、係止脚部21を取付孔13aに対して押圧力を効率よく作用させ、容易かつ確実に嵌入係止させることができる。また、押圧操作部24の押圧操作面24aに滑り止め部25が設けられているため、押圧操作面24aの押圧操作時に滑りが生じるおそれもない。
【0027】
そして、前記ロアバックパネル12に対して図示しないバンパを取り付ける際に、クランプ11上のコネクタ15は、バンパブラケット13に予め取り付けられていてそのコネクタ15に対してバンパ側に組み込まれたコード16の先端のコネクタ17を把持しながら接続作業を行うことにより、電気回路の接続が行われる。このとき、クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されて、図7に示すように、クランプ11上のコネクタ15の上方が開放されている。このため、車両側のコネクタ15に対するバンパ側のコネクタ17の接続作業時に、その作業領域T1がバンパブラケット13の庇部に干渉するおそれはない。また、クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心からオフセットした位置に配置されていないため、コネクタ15,17の接続作業時に、クランプ本体18が係止脚部21の軸心を中心に揺動されるおそれもない。
【0028】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このコネクタ取付用クランプにおいては、クランプ本体18上の取付座面18gに、電気回路の接続を行うコネクタ15を取り付けるための取付部19が設けられている。クランプ本体18の取付座面18gと反対側の面には、車両に設けられた取付部材としてのバンパブラケット13の取付孔13aに係止固定するための係止脚部21が突設されている。クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19は、係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されている。クランプ本体18の係止脚部21と反対側の部分には、係止脚部21を取付孔13aに対する係止位置に向かって押圧操作するための操作部材22が設けられている。
【0029】
このため、クランプ本体18の取付部19にコネクタ15が取り付けられた状態で、クランプ本体18の係止脚部21をバンパブラケット13の取付孔13aに係止固定する場合には、クランプ本体18上の操作部材22を押圧操作すると、係止脚部21が取付孔13aに圧入されて、クランプ本体18がバンパブラケット13上に固定される。よって、コネクタ15を取り付けるための取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されていても、操作部材22の押圧操作により、クランプ本体18をコネクタ15の取り付け状態でバンパブラケット13の取付孔13aに対して簡単かつ確実に係止固定することができる。
【0030】
また、取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置されているため、クランプ本体18に取り付けられた車両側のコネクタ15に対してバンパ側のコネクタ17を接続する際に、その接続作業の作業領域T1がバンパブラケット13に干渉するおそれを抑制することができる。よって、コネクタ15,17の接続作業をバンパブラケット13に干渉することなく容易に行うことができる。
【0031】
さらに、従来構成とは異なって、クランプ本体18の取付座面18g及び取付部19が係止脚部21の軸心からオフセットした位置に配置されていないため、コネクタ15,17の接続作業時に、クランプ本体18が係止脚部21の軸心を中心に揺動するのを抑制することもできる。しかも、従来構成のように、クランプ本体18が縦長に形成されていないため、クランプ本体18にコネクタ15を取り付けた状態で、それらを車体のロアバックパネル12に形成された挿通孔12aを通してバンパブラケット13上に導く場合、挿通孔12aを大径に変更する必要がない。
【0032】
(2) このコネクタ取付用クランプにおいては、前記操作部材22が、クランプ本体18上において係止脚部21の軸心方向の延長位置よりオフセットした部位から係止脚部21と反対方向に突出された突出片23と、その突出片23の先端に係止脚部21の軸心方向の延長位置とラップするように設けられた押圧操作部24とより構成されている。このため、クランプ本体18上に操作部材22の突出片23を、取付部19に取り付けられるコネクタ15と干渉することなく突出配置することができる。また、操作部材22の先端の押圧操作部24が係止脚部21の軸心方向の延長位置とラップするように配置されているため、押圧操作部24に対する押圧操作力を係止脚部21に効率よく作用させることができる。よって、係止脚部21をバンパブラケット13の取付孔13aに対して一層確実に係止固定することができて、取付孔13aに対する係止脚部21の係止固定状態が不完全になるのを防止することができる。
【0033】
(3) このコネクタ取付用クランプにおいては、前記押圧操作部24に、係止脚部21の軸心と直交する平面上に配置される押圧操作面24aが設けられている。このため、押圧操作部24の押圧操作面24aに対する押圧操作力を、係止脚部21に対して一層効率よく作用させることができる。
【0034】
(4) このコネクタ取付用クランプにおいては、前記押圧操作面24aに滑り止め手段としての滑り止め部25が設けられている。このため、押圧操作部24の押圧操作面24aを押圧操作する際に、滑りが生じるおそれを防止することができ。
【0035】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、操作部材22の形状構成を任意に変更すること。
【0036】
・ 前記実施形態において、押圧操作部24の押圧操作面24a上の滑り止め部25を、例えばローレット溝等の異なった構成に変更すること。
・ 前記実施形態において、クランプ本体18に対するコネクタ15の取付構成を任意に変更すること。
【0037】
・ 前記実施形態において、バンパブラケット13とは異なった取付部材にコネクタを取り付けるコネクタ取付用クランプに適用すること。
【符号の説明】
【0038】
11…コネクタ取付用クランプ、12…車両のロアバックパネル、
13…取付部材としてのバンパブラケット、13a…取付孔、
15…コネクタ、17…他のコネクタ、
18…クランプ本体、18a…取付座面、19…取付部、21…係止脚部、
22…操作部材、23…突出片、24…押圧操作部、24a…押圧操作面、
25…滑り止め手段としての滑り止め部、P1…係止脚部の延長位置、
L1…押圧操作面のラップ量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ本体上の取付座面に、電気回路の接続を行うコネクタを取り付けるための取付部が設けられ、前記クランプ本体の取付座面と反対側の面には、車両に設けられた取付部材の取付孔に係止固定するための係止脚部が突出されたコネクタ取付用クランプにおいて、
前記クランプ本体の取付座面及び取付部が、前記係止脚部の軸心と直交する平面に対して傾斜した平面上に配置され、
前記クランプ本体の係止脚部と反対側の部分には、係止脚部を取付孔に対する係止位置に向かって押圧操作するための操作部材が設けられていることを特徴とするコネクタ取付用クランプ。
【請求項2】
前記操作部材は、前記クランプ本体上において前記係止脚部の軸心方向の延長位置よりオフセットした部位から前記係止脚部と反対方向に突出された突出片と、その突出片の先端に前記係止脚部の軸心方向の延長位置とラップするように設けられた押圧操作部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ取付用クランプ。
【請求項3】
前記押圧操作部は、前記係止脚部の軸心と直交する平面上に配置された押圧操作面を有することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ取付用クランプ。
【請求項4】
前記押圧操作面には滑り止め手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ取付用クランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109904(P2013−109904A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252813(P2011−252813)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)