説明

コネクタ引留ユニット、光機器、光クロージャ

【課題】光コネクタの引き留めを省スペースで実現でき、しかも、光コネクタの着脱を短時間で簡単に行える技術の開発が求められていた。
【解決手段】光コネクタ3の側部に突設されているラッチ52を、コネクタ引留板2の長穴21aに挿入して、コネクタ引留板2の裏面側の係止部24に係脱可能に係合させることで、光コネクタ3がコネクタ引留板2に着脱自在に引き留められるコネクタ引留ユニット1、このコネクタ引留ユニット1を具備する光機器、光クロージャを提供する。長穴21a及び係止部24で構成されるコネクタ保持部1Bが複数設けられたコネクタ引留板2によって、複数の光コネクタ3を高密度に引き留めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタを所定位置に引き留めるためのコネクタ引留ユニット、該コネクタ引留ユニットが設けられた光機器、光クロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークでは、光ファイバ同士を接続するために、コネクタ接続が多用されている。前記コネクタ接続としては、光ファイバコード等の光ファイバの先端に取り付けられた光コネクタ(光コネクタプラグ)同士を光コネクタアダプタ内で接続するプラグ−アダプタ−プラグ方式、光ファイバの先端に組み立てられた光コネクタレセプタクルに光コネクタ(光コネクタプラグ)を挿入して接続するレセプタクル−プラグ方式が一般的である(例えば、特許文献1)。
光信号を送信する伝送装置に対してユーザー側(端末側)の多数回線を接続するPDS(Passive Double Star)方式の光通信ネットワークでは、例えば、光ファイバケーブルの分岐や光ファイバケーブル同士の接続に用いられる光配線盤、光接続箱等の光機器において、光ファイバ同士のコネクタ接続が広く採用されている。
光接続箱の一例としては、例えば光クロージャがある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−329945号公報
【特許文献2】特開平9−127384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、光通信ネットワークに用いられる光機器では、例えば、加入者の増大に伴う回線増設に対応するために増設用光ファイバ(コネクタ付き光ファイバ)を収納したり、回線の接続切り替えや回線移設、回線撤去等に伴いコネクタ接続が解除された光ファイバ(コネクタ付き光ファイバ)が発生することがあり、どこにも接続されていない光ファイバ(以下、未接続光ファイバ)を収納する収納スペースを確保する場合がある。この場合、未接続光ファイバの先端に取り付けられている光コネクタを保護するために、前記光コネクタを着脱可能に取り付けて引き留める保留盤を採用することがある。
光配線盤等の大型の光機器であれば、未接続光ファイバの収納スペースの確保は容易であり、例えば、特許文献1に例示されるように、未接続光ファイバの先端に取り付けられた光コネクタが着脱可能に嵌め込まれるコネクタ保持孔が多数設けられた保留盤を具備した構成等も提案されている。
しかしながら、光クロージャ等の光接続箱は、一般に、光配線盤に比べて小型であり、未接続光ファイバ及びその先端の光コネクタの収納スペースの確保が容易ではなく、未接続光ファイバ先端の光コネクタの引き留めを省スペースで実現できる、適切なもの(コネクタ引留構造)が存在しないのが実情である。
例えば、前記特許文献1の保留盤は、多数の光コネクタを整理して保留できるが、光コネクタを該保留盤に対して垂直の向きで保留する構造であるため、保留盤に引き留めた光コネクタが保留盤が突出することになり、内部に狭隘な収納空間しか確保できない、光クロージャ等に適用するには不向きである。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みて、光コネクタの引き留めを省スペースで実現でき、しかも、コネクタ引留板に対する光コネクタの着脱を短時間で簡単に行え、着脱作業性を確保できるコネクタ引留ユニット、光機器、光クロージャの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、機器に取り付けられるコネクタ引留板と、前記コネクタ引留板に着脱される光コネクタとで構成され、前記光コネクタは、該光コネクタの側面から突出して前記光コネクタの側面に沿って前記光コネクタの前後方向に延在し、前記光コネクタの側面との間に前記コネクタ引留板を挟み込むことができる弾性片であるラッチを具備し、前記コネクタ引留板は、前記光コネクタの側部の前記ラッチが挿脱可能に挿入される長穴と、該長穴の一端部側に設けられ、前記コネクタ引留板の前記光コネクタの側面が当接される表面側とは反対の裏面側から前記ラッチの先端に突設されている突爪が係脱可能に係合される係止部とを有し、前記光コネクタの前記ラッチを前記コネクタ引留板の表面側から前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記突爪を前記係止部に係合させることで、前記光コネクタが前記コネクタ引留板に引き留められることを特徴とするコネクタ引留ユニットを提供する。
請求項2に係る発明は、前記コネクタ引留板には、前記長穴よりも狭幅の細長穴が、前記長穴の一端部から延出するように形成され、前記光コネクタの側部には、前記細長穴に挿脱可能の振れ止め用突起が、前記ラッチの先端から前記ラッチの前記光コネクタからの突出基端部とは反対の側へ離隔した位置に突設され、前記光コネクタは、前記ラッチを前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記振れ止め用突起を前記細長穴に挿入することで、前記ラッチが前記長穴の内面によって案内され、前記振れ止め用突起が前記細長穴の内面によって案内されて、前記長穴及び細長穴に沿って移動できることを特徴とする請求項1記載のコネクタ引留ユニットを提供する。
請求項3に係る発明は、前記ラッチは、前記光コネクタのハウジングの側面に突出する突起状の立ち上げ部と、該立ち上げ部の先端から前記ハウジングの側面に沿って前記光コネクタの接続端部側である前端側に延びるラッチ本体部と、前記ラッチ本体部から前記立ち上げ部よりも前記光コネクタの後端側へ延出する突片である係合解除用レバーとを具備し、前記ラッチを前記コネクタ引留板の表面側から前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記突爪を前記係止部に係合させて、前記光コネクタを前記コネクタ引留板に引き留めた状態において、前記光コネクタのハウジングとの間にクリアランスを介して設けられる前記係合解除用レバーを前記ハウジングに接近させることで、前記ラッチ本体部が前記係合解除用レバーと一体に前記立ち上げ部の先端を中心に回転して、前記光コネクタの前記ハウジングから離隔し、前記係止部に係合している前記突爪の前記係止部に対する係合を解除できることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ引留ユニットを提供する。
請求項4に係る発明は、機器に取り付けられるコネクタ引留板と、前記コネクタ引留板に着脱される光コネクタとで構成され、前記光コネクタは、フェルールと、該フェルールを収納するハウジングとを具備し、前記ハウジングに、前記光コネクタの接続端部とは反対側の後端側へ延出する突片である差し込み片が形成されてなり、前記コネクタ引留板は、前記光コネクタのハウジングが当接されるコネクタ取付面を有する本体プレート部と、この本体プレート部の前記コネクタ取付面に突設され、前記光コネクタの前記差し込み片が挿脱可能に差し込まれることで、前記光コネクタを、前記ハウジングの側面が前記コネクタ取付面に当接された状態に支持する差し込み片支持部と、前記本体プレート部から該本体プレート部を延長するように延出する舌片状に形成され、前記差し込み片を差し込んで前記差し込み片支持部に支持した前記光コネクタのハウジングの側面に設けられている係合部に係脱可能に係合されることで、前記差し込み片が前記差し込み片支持部から抜け出す方向への光コネクタの移動を規制する弾性爪であるラッチとを具備し、前記光コネクタの前記コネクタ取付面に沿ったスライド移動によって、前記差し込み片を前記差し込み片支持部に差し込んでいくことで、前記光コネクタの係合部にラッチを係合させることができることを特徴とするコネクタ引留ユニットを提供する。
請求項5に係る発明は、前記ラッチが、前記コネクタ引留板を構成する板材の一部を舌片状に形成したものであることを特徴とする請求項4記載のコネクタ引留ユニットを提供する。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタ引留ユニットと、該コネクタ引留ユニットの前記コネクタ引留板から取り外した光コネクタを接続できる、光コネクタアダプタあるいは光コネクタレセプタクルである受け側光コネクタとを具備することを特徴とする光機器を提供する。
請求項7に係る発明は、光クロージャであって、光ファイバケーブルが引き込まれたクロージャスリーブ内に、請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタ引留ユニットが収納され、前記光ファイバケーブルから引き出された光ファイバが、前記コネクタ引留ユニットの前記光コネクタによって、別の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端されていることを特徴とする光クロージャを提供する。
請求項8に係る発明は、前記別の光ファイバが前記クロージャスリーブ内に引き込まれる光ドロップケーブルであり、前記光コネクタと、前記光ドロップケーブルに取り付けられた光コネクタとの接続用の光コネクタアダプタが、クロージャスリーブ内に収納されていることを特徴とする請求項7記載の光クロージャを提供する。
請求項9に係る発明は、クロージャスリーブ内に、コネクタ引留板と、該コネクタ引留板に設けられたコネクタ保持部に着脱可能に取り付けられる光コネクタとからなるコネクタ引留ユニットが収納され、前記光ファイバケーブルから引き出された光ファイバが、前記コネクタ引留ユニットの前記光コネクタによって、別の光ファイバに対してコネクタ接続可能に成端されており、前記コネクタ引留板には、前記光コネクタが、前記コネクタ保持部への係合又は嵌め込みによって前記コネクタ引留板に沿う向きで着脱可能に取り付けられるようになっていることを特徴とする光クロージャを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、光コネクタを、コネクタ引留板に沿った向きで、コネクタ引留板に引き留める構造のコネクタ引留ユニットを採用している。このコネクタ引留ユニットであれば、光コネクタをコネクタ引留板に垂直に取り付ける場合(例えば、光コネクタを、パネルに取り付けた、光コネクタアダプタ形あるいは光コネクタレセプタクル形のハウジングに挿入、接続して、パネルに垂直の向きで保持する場合)に比べて、光コネクタのコネクタ引留板からの突出寸法が小さくて済み、光コネクタの引き留めを省スペースで実現できる。
また、光コネクタの後端から延びる光ファイバピグテイルが、コネクタ引留板に沿った向きで配線されることとなるため、例えば、光コネクタをコネクタ引留板に垂直に取り付けた場合に比べて、光機器における、光ファイバピグテイルの配線スペース(収納スペース)の確保が容易となる。
複数の光コネクタを、コネクタ引留板に横並びに配列させて引き留めることで、限られたスペースでの高密度の引き留め(コネクタ引留板に対する高密度実装)を実現できる。
また、請求項1、4に係るコネクタ引留ユニットでは、光コネクタ側あるいはコネクタ引留板側のラッチの操作によって、光コネクタの引き留めと、引き留め解除とを簡単に切り換えることができ、コネクタ引留板に対する光コネクタの着脱を短時間で簡単に行えるといった利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態のコネクタ引留ユニット1を説明する。
図1(a)、(b)、図2において、符号2はコネクタ引留板、3は光コネクタである。
前記コネクタ引留ユニット1は、コネクタ引留板2と、このコネクタ引留板2に着脱される光コネクタ3とで構成されている。
図1(a)、(b)は、光コネクタ3をコネクタ引留板2に引き留めた状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正断面図である。
図2は、コネクタ引留板2を示す平面図である。
【0009】
図1(a)、(b)において、光コネクタ3は、フェルール4と、このフェルール4を収納するハウジング5とを具備して構成されている。
なお、光コネクタ3については、フェルール4の接合端面41側、すなわち、図1(a)、(b)において左側を「前」、反対側、すなわち、図1(a)、(b)において右側を「後」として説明する。
ハウジング5の後端部には、ストップリング6が組み付けられている。
このストップリング6は、スリーブ状であり、内側に、光ファイバ7が通されている。
フェルール4は、光ファイバ7の先端に取り付けられている。
光ファイバ7は、ストップリング6の後端から延出されている。
【0010】
ハウジング5は、フェルール4を収納するスリーブ状のハウジング本体部51と、このハウジング本体部51の側面に突設されたラッチ52及び振れ止め用突起53とを具備して構成されている。
ラッチ52と振れ止め用突起53とは、ハウジング本体部51における突設位置が、前後方向に離隔されている。振れ止め用突起53は、ラッチ52よりも前側(前端側)にてハウジング本体部51に突設されており、ラッチ52と接触しないようになっている。
前記ハウジング5は、全体がプラスチックで一体成形された1部品になっている。
但し、ハウジング5は、必ずしも、全体が一体成形された1部品になっている構成に限定されず、ラッチ52及び振れ止め用突起53の一方又は両方が、ハウジング本体部51と別体の部材をハウジング本体部51に固定したものであっても良い。
【0011】
前記ラッチ52は、コネクタ引留板2に係脱可能に係合することで、光コネクタ3をコネクタ引留板2に着脱可能に係止する機能を果たす。
このラッチ52は、具体的には、ハウジング本体部51の側面に突出する突起状の立ち上げ部52aと、該立ち上げ部52aの先端から前記光コネクタ3の前後方向前側(前端側)に延出し、前記ハウジング本体部51の側面に沿って延在配置されたラッチ本体部52bと、前記立ち上げ部52aから前記光コネクタの前後方向後側に延出する突片である係合解除用レバー52cとを具備してなる弾性片である。
前記ラッチ本体部52bは、立ち上げ部52aからの突出先端部(前端部)に、コネクタ引留板2に係合するための突爪52dが突設されている弾性爪である。前記突爪52dは、ラッチ本体部52bの前端部のハウジング本体部51側の側面に突出する小突起である。
【0012】
前記コネクタ引留板2は、金属製あるいは樹脂製のパネルである。
なお、コネクタ引留板2は、例えば、光配線盤、光クロージャといった光機器(機器)の構成部材や、建物の構成部材(機器)等の機器に取り付けられる。
このコネクタ引留板2には、前記光コネクタ3の前記ラッチ52が挿脱される貫通穴である引留用長穴21が形成されている。
図1(a)、図2に示すように、引留用長穴21は、ラッチ52が挿脱される長穴21a(以下、主長穴とも言う)と、この主長穴21aよりも狭幅に形成され、前記主長穴21aの一端部(図1(a)、(b)における左側、図2左側)から延出する細長穴21bとで構成されている。
【0013】
主長穴21aには、光コネクタ3のラッチ52のラッチ本体部52bを通すことができる。但し、主長穴21aの幅寸法W1(図1(a)、図2における上下方向の寸法)は、光コネクタ3のハウジング本体部51の幅寸法W2(図1(a)における上下方向の寸法)よりも小さく、光コネクタ3のハウジング本体部51は、主長穴21aに挿入できない。
ラッチ52は、幅寸法W3(図1(a)における上下方向の寸法)が、主長穴21aの幅寸法W1よりも僅かに小さく、しかも、前後方向寸法L2(ラッチ本体部52bの立ち上げ部52aからの突出先端(ラッチ52の前端)から、係合解除用レバー部52cの立ち上げ部52aからの突出先端(ラッチ52の後端)までの寸法)が主長穴21aの長さL1よりも短い。このため、このラッチ52は、立ち上げ部52aを含めて、全体を主長穴21aに挿入できる。
【0014】
また、ラッチ52は、ハウジング本体部51の幅方向(図1(a)における上下方向)の中央部に突設されている。ラッチ52を主長穴21aに挿入していくと、ハウジング本体部51の内、ラッチ52から該ラッチ52の幅方向両側に張り出している部分が、コネクタ引留板2に当接される。
なお、図示例の光コネクタ3では、前後方向全体にわたって幅寸法W3が一定のラッチ52を具備する構成を例示したが、ラッチ52は、幅寸法が、主長穴21aの幅寸法W1よりも大きい箇所が存在しなければよく、必ずしも、前後方向全体にわたって幅寸法が一定の形状である必要は無い。
【0015】
引留用長穴21の細長穴21bの幅寸法W4(図1(a)、図2における上下方向の寸法)は、ラッチ52の幅寸法W3よりも小さい。このため、ラッチ52は、細長穴21bに挿入することはできない。
また、ハウジング5の振れ止め用突起53は、コネクタ引留板2の表面22側(図1(b)下側)から、細長穴21bに挿脱可能に挿入できるサイズの小突起に形成されている。この振れ止め用突起53の幅寸法W5は、引留用長穴21の細長穴21bの幅寸法W4よりも僅かに小さい程度であり、振れ止め用突起53は、細長穴21bに挿入すると、コネクタ引留板2に対する光コネクタ3の、引留用長穴21の長手方向に沿ったスライド移動を案内する案内用突起として機能させることができる。
【0016】
コネクタ引留板2の片面(ここでは、表面22)は、該コネクタ引留板2に引き留める光コネクタ3のハウジング本体部51が当接される当接面になっている。
コネクタ引留板2の前記表面22とは逆の裏面23には、ラッチ本体部52bの先端の突爪52dが係脱可能に係合される係止突起24が突設されている。
この係止突起24は、本発明に係る係止部として機能するものである。
図1(b)、図2に例示するコネクタ引留板2では、前記係止突起24は、コネクタ引留板2において、前記主長穴21aの一端部側にて、細長穴21bの幅方向両側に設けられている。
また、図1(b)、図2に例示するコネクタ引留板2では、前記係止突起24は、主長穴21aの一端部から僅かに離隔した位置に突設されているが、係止突起24の突設位置は、例えば、主長穴21aと細長穴21bとの境界位置であっても良い。
【0017】
光コネクタ3をコネクタ引留板2に引き留めるには、コネクタ引留板2の表面22側から、ラッチ52を主長穴21aに挿入するとともに、振れ止め用突起53を細長穴21bに挿入し、主長穴21aを介してコネクタ引留板2の裏面23側に差し込まれたラッチ本体部52bの先端の突爪52dを、コネクタ引留板2の裏面23側に突設されている係止突起24(係止部)に係合させれば良い。
光コネクタ3は、ラッチ52の前後方向全長を主長穴21aに挿入した後、コネクタ引留板2に対して、引留用長穴21の長手方向に沿ってスライド移動させる。この光コネクタ3のスライド移動は、ラッチ52の立ち上げ部52aを主長穴21aの一端部に接近させる方向の移動である。このスライド移動によって、ラッチ本体部52bの先端側から基端側(立ち上げ部52a側)に行くにしたがってラッチ本体部52bからの突出寸法が増大する形状の突爪52dが、係止突起24に乗り上げた後、係止突起24を乗り越える。突爪52dが係止突起24を乗り越えると、突爪52dが係止突起24を乗り上げたときに、ハウジング本体部52bから若干離隔する方向に弾性変形されたラッチ本体部52bの弾性によって、突爪52dが、係止突起24の、主長穴21aとは反対の側に入り込んで、係止突起24に対して係合する。
【0018】
突爪52dの後端は、ラッチ本体部52bに対して垂直(あるいはほぼ垂直)に切り立った段差になっており、係止突起24の、主長穴21aとは反対の側の側面は、コネクタ引留板2に対して垂直(あるいはほぼ垂直)に切り立った段差になっている。このため、係止突起24を乗り越えた突爪52dが係止突起24の、主長穴21aとは反対の側に入り込めば、突爪52dと係止突起24との係合(換言すれば、コネクタ引留板2に対するラッチ2(詳細にはラッチ本体部52b)の係合)によって、前記ラッチ52の立ち上げ部52aが前記主長穴21aの一端部から離隔する方向への光コネクタ3の移動が規制される。この状態では、係止突起24に対する突爪52dの係合を解除しない限り、コネクタ引留板2から光コネクタ3を離脱できなくなり、コネクタ引留板2に対する光コネクタ3の引き留めが実現される。
【0019】
なお、コネクタ引留板2に対する光コネクタ3の、ラッチ52の立ち上げ部52aを主長穴21aの一端部に接近させる方向のスライド移動は、前記細長穴21bに挿入しておいた振れ止め用突起53が、細長穴21bの幅方向両側内面に案内されながら該細長穴21bの長手方向に沿って移動されるとともに、ラッチ52が主長穴21aの幅方向両側内面に案内されながら該主長穴21aの長手方向に沿って移動されることで、光コネクタ3の前後方向が引留用長穴21の長手方向に揃った状態が維持され、係止突起24(係止部)に対するラッチ52(詳細には、ラッチ本体部52b)の係合を確実に行える。
また、この光コネクタ3のコネクタ引留板2に対するスライド移動は、振れ止め用突起53が、細長穴21bの主長穴21aとは反対側の端部に到達したところで限界となり、それ以上、ラッチ52の立ち上げ部52aを主長穴21aの一端部に接近させる方向に光コネクタ3を移動させることができなくなる。これにより、ラッチ52の立ち上げ部52aを、主長穴21aの一端部と細長穴21bとの境界に位置するコネクタ引留板2の段差に押し当てて、損傷させてしまう、といった不都合を回避できる。
【0020】
係止突起24(係止部)に対するラッチ52(詳細には、ラッチ本体部52b)の係合が完了したら、ラッチ52(詳細にはラッチ本体部52b)の弾性によって、ラッチ本体部52bとハウジング本体部51との間にコネクタ引留板2が挟み込まれるようになるため、係合解除用レバー52c(後述)の操作等によって、ラッチ本体部52bをコネクタ引留板2から離隔するように強制的に変位させて、係止突起24に対する突爪52dの係合を解除しない限り、コネクタ引留板2から光コネクタ3を離脱できなくなる。
これにより、光コネクタ3がコネクタ引留板2に対して、不用意に脱落しないようにっ確実に引き留められる。
また、光コネクタ3は、ラッチ52の主長穴21a内に収納されている部分と、細長穴21bに挿入されている振れ止め用突起53とによって、コネクタ引留板2に対する取り付け向きが決まる。これにより、振動等の外力によって光コネクタ3が不用意に揺動してしまう、といった不都合が防止されることから、コネクタ引留板2に対する光コネクタ3の取り付け状態が安定に保たれる。光コネクタ3の取り付け状態の安定は、光コネクタ3の光学特性の維持等の点で有利である。
【0021】
コネクタ引留板2に引き留めた光コネクタ3を、コネクタ引留板2から離脱させるには、まず、係合解除用レバー52cを操作して、コネクタ引留板2の係止部(係止突起24)に対するラッチ52(詳細にはラッチ本体部52b)の係合を解除させる。
係合解除用レバー52cは、ラッチ52の立ち上げ部52aからの延出基端から延出先端(後端)側に行くにしたがって、ハウジング本体部51から次第に離隔するように、ハウジング本体部51に対して傾斜して設けられている弾性片である。
この係合解除用レバー52cをハウジング本体部51に接近させるように操作すると、この係合解除用レバー52cに連続して該係合解除用レバー52cから前側に延出されているラッチ本体部52bが、立ち上げ部52a先端を中心としてハウジング本体部51から離隔するように回転する。
したがって、コネクタ引留板2に引き留められた光コネクタ3の係合解除用レバー52cをハウジング本体部51に接近させるように操作すれば、ラッチ本体部52bを、立ち上げ部52a先端を中心とする回転によって、前記コネクタ引留板2から裏面23側へ離隔させることができ、前記係止部(係止突起24)に対する前記突爪52dの係合を解除できる。
コネクタ引留板2の係止部(係止突起24)に対するラッチ52(詳細にはラッチ本体部52b)の係合を解除したら、光コネクタ3を、ラッチ52の立ち上げ部52aが主長穴21aの一端部から離隔する方向に移動させ、引留用長穴21から、ラッチ52及び振れ止め用突起53を抜き出す。これにより、光コネクタ3をコネクタ引留板2から離脱させることができる。
【0022】
第1実施形態のコネクタ引留ユニットの別態様を、図3、図4を参照して説明する。
このコネクタ引留ユニット1Aは、図1、図2に例示したコネクタ引留ユニット1のコネクタ引留板2に代えて、図3、図4に示す符号2Aのコネクタ引留板を採用したものである。
図3、図4に示すように、前記コネクタ引留板2Aは、係止突起24を設けることに代えて、図中符号25の係合穴を形成した点が、コネクタ引留板24と異なる。この点以外は、コネクタ引留板24と同様である。
前記係合穴25は、主長穴21aの長手方向一端部から引留用長穴21の長手方向一端部側にずれた位置にて、細長穴21bを幅方向両側に拡張(拡幅)した部分である。
この係合穴25には、光コネクタ3のラッチ本体部52bの先端の突爪52dが挿脱可能に入り込んで、コネクタ引留板2Aの内、主長穴21aの長手方向一端部と係合穴25との間に位置する部分(係止部26)に係脱可能に係合するようになっている。
【0023】
このコネクタ引留ユニット1Aでも、光コネクタ3をコネクタ引留板2Aに引き留めるには、まず、コネクタ引留ユニット1と同様に、コネクタ引留板2Aの表面22側から、ラッチ52を主長穴21aに挿入するとともに、振れ止め用突起53を細長穴21bに挿入する。そして、主長穴21aを介してコネクタ引留板2Aの裏面23側に差し込まれたラッチ本体部52bの先端の突爪52dを、コネクタ引留板2Aの裏面23側から係合穴25に挿入し、ラッチ本体部52bをコネクタ引留板2Aの係止部26に係合させることで、光コネクタ3がコネクタ引留板2Aに引き留められる。
【0024】
係止部26に対するラッチ52(詳細には、ラッチ本体部52b)の係合が完了したら、ラッチ52(詳細にはラッチ本体部52b)の弾性によって、ラッチ本体部52bとハウジング本体部51との間に係止部26が挟み込まれるようになる。これにより、係合解除用レバー52c(後述)の操作等によって、ラッチ本体部52bをコネクタ引留板2Aから離隔するように強制的に変位させて、係止部26に対する突爪52dの係合を解除しない限り、コネクタ引留板2Aから光コネクタ3が離脱できないため、コネクタ引留板2Aから光コネクタ3が不用意に脱落してしまうといった不都合が防止され、コネクタ引留板2Aに対する光コネクタ3の引き留め状態が安定に維持される。
また、このコネクタ引留ユニット1Aでは、ラッチ本体部52bを、引留用長穴21(詳細には主長穴21a)を介してコネクタ引留板2Aの表面22側から裏面23側に挿入した光コネクタ3を、コネクタ引留板2Aに沿って引留用長穴21の長手方向一端部側に向けてスライド移動していくと、ラッチ本体部52bの突爪52dが、係合穴25に達したところで、ラッチ本体部52bの弾性によって係合穴25に入り込む。このため、係止部26に対するラッチ本体部52bの係合作業を簡単かつ円滑に行える。
【0025】
また、係合解除用レバー52cを操作して、コネクタ引留板2Aの係止部26に対するラッチ52(詳細にはラッチ本体部52b)の係合を解除させると、コネクタ引留板2Aに引き留めた光コネクタ3が、コネクタ引留板2Aから離脱可能となる。
【0026】
上述のコネクタ引留ユニット1、1Aによれば、光コネクタ3のラッチ本体部52bを、コネクタ引留板2、2Aの引留用長穴21を介してコネクタ引留板2、2Aの表面22側から裏面23側に差し込み、コネクタ引留板2、2Aの係止部に係合させるだけで、光コネクタ3をコネクタ引留板2、2Aに簡単に引き留めることができる。
【0027】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態のコネクタ引留ユニット11を図5〜図7を参照して説明する。
図5は、コネクタ引留ユニット11の光コネクタ13を示す斜視図である。
図6(a)、(b)は、コネクタ引留ユニット11のコネクタ引留板12を示す図であって、(a)は裏面側(後述する本体プレート部12Aの裏面12bの側)から見た斜視図、(b)は表面側(後述する本体プレート部12Aの表面(コネクタ取付面12a)の側)から見た斜視図である。
図7は、光コネクタ13をコネクタ引留板12に引き留めた状態を示す部分破断正面図である。
前記コネクタ引留ユニット11は、コネクタ引留板12と、このコネクタ引留板12に着脱される光コネクタ13とで構成されている。
【0028】
図5において、光コネクタ13は、フェルール14と、このフェルール14を収納するハウジング15とを具備して構成されている。
なお、光コネクタ13については、フェルール14の接合端面14a側、すなわち、図7において左側を「前」、反対側、すなわち図7において右側を「後」として説明する。
ハウジング15の後端部には、ストップリング16が組み付けられている。
このストップリング16は、スリーブ状であり、内側に、光ファイバ7が通されている。
フェルール14は、光ファイバ7の先端に取り付けられている。
光ファイバ7は、ストップリング16の後端から延出されている。
【0029】
ハウジング15は、フェルール4を収納するスリーブ状のハウジング本体部151と、このハウジング本体部151から後側に延出する板状の差し込み片152とを具備した構成になっている。
図5に示すように、ハウジング本体部151は、断面矩形状のスリーブ状に形成されている。前記差し込み片152は、ハウジング本体部151の4つの側壁部の内の1つ(当接壁151a)を、ハウジング本体部151の後側に延長した形状になっている。
ハウジング本体部151の当接壁151aには、コネクタ引留板12に突設されている弾性爪であラッチ122(後述)の先端に突設された突爪123が挿脱可能に入り込んで、係脱可能に可能に係合するための係合用凹所151bが、該当接壁151aの外面から窪んだ形状に形成されている。
ハウジング15の内、係合用凹所151bの後側に位置する部分が、ラッチ122(詳細には突爪123)が係脱可能に係合する係合部として機能する。
【0030】
光コネクタ13は、コネクタ引留板12の本体プレート部12Aのコネクタ取付面12a(以下、表面12aとも言う)に突設されている差し込み片支持部121に前記差し込み片152を差し込み、ハウジング本体部151の係合用凹所151に、コネクタ引留板12に突設されているラッチ122先端の突爪123を入り込ませて、ハウジング15にラッチ122を係合させることで、コネクタ引留板12の表面側に取り付けられる。
【0031】
前記コネクタ引留板12は、金属製あるいは樹脂製のパネルである。
なお、コネクタ引留板12は、例えば、光配線盤、光クロージャといった光機器(機器)の構成部材や、建物の構成部材(機器)等の機器に取り付けられる。
このコネクタ引留板12は、本体プレート部12Aと、この本体プレート部12Aの表面12a側に突設された突起(図6(a)、(b)においては、一対のL字形突起121a)によって構成された差し込み片支持部121と、本体プレート部12Aから該本体プレート部12Aを延長するように延出された舌片状の突片であるラッチ122とを具備して構成されている。
【0032】
図6(a)、(b)において、前記差し込み片支持部121は、本体プレート部12Aの表面12a側に突設された、一対のL字形突起121aによって、概略門形に構成されている。この差し込み片支持部121は、一対のL字形突起121aによって、光コネクタ13のハウジング15の差し込み片152を両側から抱え込むようにして支持するようになっている。
各L字形突起121aは、コネクタ引留板12の本体プレート部12Aから表面12a側に立ち上げられた立ち上げ部121bと、この立ち上げ部121bの本体プレート部12Aからの突出先端から本体プレート部12Aに沿うように、横向きに突出する押さえ片部121cとを具備して構成されている。
光コネクタ13の差し込み片152は、該光コネクタ13の本体プレート部12Aの表面12aに沿ったスライド移動によって、一対のL字形突起121aで囲まれる内側空間121dに差し込まれる。一対のL字形突起121aは、内側空間121dに差し込まれた差し込み片152を、押さえ片部121cによって、コネクタ引留板12の本体プレート部12Aとの間に挟み込むようにして支持する。
これにより、差し込み片支持部121によって、前記光コネクタ13が、前記ハウジング15の当接壁151a及び差し込み片152が前記コネクタ取付面12aに当接された状態に支持される。
【0033】
図6(a)、(b)、図7に例示した、ラッチ122は、コネクタ引留板12を構成する板材の一部を舌片状に形成したものであり、コネクタ引留板12の本体プレート部12Aから延出する板状片部124と、この板状片部124の本体プレート部12Aからの突出先端からコネクタ引留板12の表面側に突設された突爪123とを具備して構成されている。
このラッチ122は、光コネクタ13の差し込み片152を差し込む差し込み片支持部121の内側空間121dの中心軸線121eに沿って延在しており、ラッチ122の先端の突爪123は、ラッチ122の本体プレート部12Aからの突出基端部を介して、前記差し込み片支持部121と反対の側に位置する。
【0034】
コネクタ引留板12の本体プレート部12Aの表面12aに沿った光コネクタ13のスライド移動によって、光コネクタ13の差し込み片152を差し込み片支持部121の内側空間121dに差し込んでいくと、光コネクタ13の側部の係合用凹所151bが、ラッチ122先端に達したところで、ラッチ122先端の突爪123が係合用凹所151bに入り込んで、光コネクタ13のハウジング15にラッチ122が係合する。
【0035】
突爪123は、全体(あるいは大部分)が、ラッチ122から、コネクタ引留板12の光コネクタ13が摺動しながらスライド移動される表面側に突出されている。図示例では、ラッチ122の板状片部124は、本体プレート部12Aの表面12aから連続する平面を形成している。但し、ラッチ122は、光コネクタ13の側部の係合用凹所151bに入り込んで光コネクタ13に係合できるように、突爪123が本体プレート部12Aの表面12aの延長(仮想延長)上からコネクタ引留板12の表面側に突出されていれば良く、この点、ラッチ122は、板状片部124が、本体プレート部12Aの表面12aから連続する平面を形成する位置からずれていたり、本体プレート部12Aに対して傾斜していても良い。
【0036】
また、突爪123は、ラッチ122の本体プレート部12Aからの突出先端側(図7左側)から基端側(図7右側)に行くしたがって、ラッチ122からコネクタ引留板12の表面側への突出寸法が次第に大きくなるテーパ形状に形成されており、このテーパ形状によって、コネクタ引留板12の表面側に傾斜面125が形成されている。
突爪123の後端、すなわち、ラッチ122の本体プレート部12Aからの突出基端部に近い側の端部には、板状片部124から垂直に立ち上がる垂直面126が形成されている。
光コネクタ13の差し込み片152を差し込み片支持部121に差し込む作業の際には、コネクタ引留板12の本体プレート部12Aに沿ってスライド移動する光コネクタ13に、ラッチ122の先端の突爪123が接触するが、このとき、突爪123の前記傾斜面124によって光コネクタ13のラッチ122に対する摺動が円滑であり、光コネクタ13にラッチ122が引っ掛からず、光コネクタ13のスライド移動の障害にならない。
突爪123が、光コネクタ13の側部の係合用凹所151bに入り込むと、突爪123の垂直面126と光コネクタ13の係合用凹所151b内面との係合によって、差し込み片支持部121から差し込み片152を引き抜く方向への光コネクタ13の移動が規制される。
【0037】
上述のように、光コネクタ13のハウジング15にラッチ122が係合すると、差し込み片152が差し込み片支持部121から抜け出す方向への光コネクタ13の移動が規制される。光コネクタ13のハウジング15にラッチ122が係合したときには、差し込み片支持部121に対する差し込み片152の挿入も完了し、差し込み片支持部121による光コネクタ13の支持も実現される。これによって、光コネクタ13が、コネクタ引留板12に対して引き留められる。
つまり、このコネクタ引留ユニット11では、光コネクタ13の本体プレート部12Aの表面12aに沿ったスライド移動によって、光コネクタ13の差し込み片152を差し込み片支持部121の内側空間121dに差し込んでいくだけで、光コネクタ13に対するラッチ122の係合も自動的に達成されて、光コネクタ13をコネクタ引留板12に引き留めることができる。
【0038】
図7中、矢印Bに示すように、光コネクタ13(詳細にはハウジング15)に係合しているラッチ122は、コネクタ引留板12の表面とは反対の裏面側に弾性変形させて、該ラッチ122先端の突爪123を光コネクタ13の側部の係合用凹所151bから抜き出すことで、光コネクタ13に対する係合を解除できる。
これにより、光コネクタ13のコネクタ引留板12に沿ったスライド移動によって差し込み片支持部121から差し込み片152を抜き出すことが可能になるため、コネクタ引留板12から光コネクタ13を離脱できるようになる。
ラッチ122には、係合解除操作を容易にするための取っ手を突設しても良い。
【0039】
なお、図6(a)、(b)、図7では、本体プレート部12Aと差し込み片支持部121を構成する突起(L字形突起121a)とラッチ122とが一体成形された一部品になっているコネクタ引留板12を例示したが、本発明はこれに限定されず、差し込み片支持部121を構成する突起及びラッチ122の一方又は両方が、本体プレート部12Aに固定された別部品で構成されているものも採用可能である。
【0040】
このコネクタ引留ユニット11によれば、光コネクタ13を、本体プレート部12Aに沿ってスライド移動させ、光コネクタ13の差し込み片152をコネクタ引留板12の差し込み片支持部121に差し込んでいくだけで、ラッチ122が光コネクタ13のハウジング15の側部の係合用凹所151bに自動的に係合して、光コネクタ13をコネクタ引留板12に簡単に引き留めることができる。
また、ラッチ122を操作して、光コネクタ13との係合を解除するだけで、コネクタ引留板12から光コネクタ13を簡単に離脱させることができる。
また、このコネクタ引留ユニット11では、光コネクタ13を、差し込み片支持部121とラッチ122とによって、コネクタ引留板12に対して、所定の向きで、ガタ付かないように、しっかりと引き留めることができる。このため、ガタ付きによる特性劣化等の心配が無く、光学特性を安定に維持できる、といった利点もある。
【0041】
ところで、上述したコネクタ引留ユニット1、11によれば、光コネクタ3、13は、コネクタ引留板2、2A、12に沿った向きで、コネクタ引留板2、2A、12に引き留められる。つまり、光コネクタ3、13は、該光コネクタ3、13の中心軸線C3、C13(換言すれば、スリーブ状のハウジング5、15の中心軸線)が、コネクタ引留板に沿った向きとなるようにして、コネクタ引留板に取り付けられる。
このため、複数の光コネクタをコネクタ引留板に引き留める場合の対比では、光コネクタをコネクタ引留板に垂直に取り付ける場合(例えば、光コネクタを、パネルに取り付けた、光コネクタアダプタ形あるいは光コネクタレセプタクル形のハウジングに挿入、接続して、パネルに垂直の向きで保持する場合)に比べて、光コネクタのコネクタ引留板からの突出寸法が小さくて済み、光コネクタの引き留めを省スペースで実現できる、といった利点がある。
【0042】
本発明に係るコネクタ引留ユニットでは、例えば、複数の光コネクタをコネクタ引留板に横並びに配列させて引き留めることで(例えば、図8参照)、コネクタ引留板に対する光コネクタの高密度実装を容易に実現できる。しかも、光コネクタ側あるいはコネクタ引留板側のラッチの操作によって、コネクタ引留板に引き留めた光コネクタをコネクタ引留板から離脱する際の作業性も、良好に確保できる。
【0043】
第1実施形態のコネクタ引留ユニット1、1Aのコネクタ引留板2においては、コネクタ引留板2の内の引留用長穴21が形成されている部分、すなわち、長穴21及び係止部24、26が形成されている部分が、光コネクタを着脱可能に保持するための、コネクタ保持部1Bとして機能する。
また、第2実施形態のコネクタ引留ユニット11では、コネクタ引留板12において、差し込み片支持部121とラッチ122の対が、光コネクタを着脱可能に保持するための、コネクタ保持部11Aとして機能する。
複数の光コネクタをコネクタ引留板に横並びに配列させて引き留める場合は、例えば、図8に示すように、コネクタ保持部が、横並びに複数設けられたコネクタ引留板を採用する。
なお、図8に示すコネクタ引留板106のコネクタ保持部102Aとしては、例えば、第1実施形態のコネクタ引留ユニット1、1Aのコネクタ保持部1B、第2実施形態のコネクタ引留ユニット11のコネクタ保持部11A等を採用できる。
【0044】
また、光コネクタを、コネクタ引留板に沿った向きで、コネクタ引留板に引き留める構造であれば、光ファイバ7の、光コネクタの後端(第1、第2実施形態の光コネクタ3、13においては、ストップリング6、16の後端)から延びる部分である、光ファイバピグテイル71も、コネクタ引留板に沿った向きで配線することが可能である。このため、光コネクタをコネクタ引留板に垂直に取り付けた場合に比べて、光ファイバピグテイル71の配線スペース(収納スペース)の確保、省スペース化を容易に実現できる。
【0045】
(光クロージャ)
次に、本発明に係る光クロージャ100を説明する。
なお、光クロージャ100は、本発明に係る光機器としても機能する。
【0046】
図8に示すように、光クロージャ100は、クロージャスリーブ101内に、本発明に係るコネクタ引留ユニット102と、光コネクタアダプタ103と、連結ユニット104とを収納した構造になっている。
コネクタ引留ユニット102は、ここでは、既述の第1実施形態のコネクタ引留ユニット1、あるいは、第2実施形態のコネクタ引留ユニット11である。
【0047】
前記連結ユニット104は、細長の連結棒104aの両端に、クロージャスリーブ101内に引き込まれる光ファイバケーブル105を把持固定する把持部品104bが取り付けられているものである。
コネクタ引留ユニット102のコネクタ引留板106は、連結ユニット104(具体的には、ここでは連結棒104a)に固定されている。
また、光コネクタアダプタ103(受け側光コネクタ)も、連結ユニット104(具体的には、ここでは連結棒104a)に固定されている。
クロージャスリーブ101を解体して撤去すると、連結ユニット104とともに、連結ユニット104に取り付けられているコネクタ引留板106及び光コネクタアダプタ103をも露出させることができる。
【0048】
コネクタ引留ユニット102は、前記コネクタ引留板106と、このコネクタ引留板106に対して着脱可能の光コネクタ107とを具備して構成されている。
前記光コネクタ107は、光ファイバケーブル105から引き出された光ファイバ105a(例えば光ファイバ心線)の先端に取り付けられており、前記光ファイバ105aをコネクタ接続可能に成端している。
前記光コネクタ107は、コネクタ引留板106から取り外して、光コネクタアダプタ103に接続することができる。光コネクタ107は、光コネクタアダプタ103に対して挿脱可能であり、光コネクタアダプタ103とコネクタ引留板106とに対して、選択的に取り付けることができる。
【0049】
光コネクタアダプタ103は、クロージャスリーブ101内に引き込まれた光ドロップケーブル108(引き落とし線)の先端に取り付けられた光コネクタ109(光コネクタプラグ)と、前記光ファイバケーブル105側の光ファイバ105aの先端に取り付けられた光コネクタ107とを接続するための接続用ハウジング(受け側光コネクタ)としての機能を果たす。
光コネクタアダプタ103にて、光ファイバケーブル105側の光コネクタ107と、光ドロップケーブル108側の光コネクタ109とを接続することで、光ファイバケーブル105側の光ファイバ105aと光ドロップケーブル108内の光ファイバ108a(例えば光ファイバ素線)とが光接続される。
光ドロップケーブル108は、光ファイバケーブル105から加入者宅への引き落とし用光ファイバケーブルであり、光ファイバケーブル105よりも心数が小心(例えば単心)の細い光ファイバケーブルである。光クロージャ100は、光ファイバケーブル105と光ドロップケーブル108との接続部(ここでは、光コネクタアダプタ103、及び、光コネクタ107、109)を収納する機能を果たす。
【0050】
既述のように、本発明に係るコネクタ引留ユニットは、複数の光コネクタの引き留めを省スペースで実現できるため、光クロージャ100のクロージャスリーブ101内への収納に適している。
また、図8に例示したように、コネクタ引留ユニット102は、光コネクタ107が、該光コネクタ107の中心軸線C107が連結ユニット104の連結棒104aと並行する向きでコネクタ引留板106に引き留められるようにすることが好ましい。
これにより、コネクタ引留板106付近では、光コネクタ107の後端から延びる光ファイバピグテイル71が、連結ユニット104の連結棒104aに沿うように配線されるため、クロージャスリーブ101の内部の光ファイバケーブル105等、連結ユニット14の連結棒104aに沿った方向に延在する収納物との干渉回避の点で有利である。また、連結ユニット104の連結棒104aに沿った細長形状のクロージャスリーブ101を採用した場合の、クロージャスリーブ101の内側空間の有効活用の点でも有利である。
【0051】
(光クロージャ用のコネクタ引留ユニットの別態様)
次に、光クロージャ100用のコネクタ引留ユニットの別態様を、図9(a)、(b)、図10、図11を参照して説明する。
図9(a)、(b)、図10に示すコネクタ引留ユニット201は、機器に取り付けられるコネクタ引留板202と、該コネクタ引留板202に着脱される光コネクタ203とを具備した構成である。
【0052】
コネクタ引留板202の片面(コネクタ取付面202a)には、光コネクタ203を保持するためのピン204が複数本突設されている。
図9(a)、(b)、図10では、2本のピン204の間に、光コネクタ203のハウジング203aが着脱可能に嵌め込まれて保持されることで、光コネクタ203がコネクタ引留板202に引き留められる構成を例示している。但し、1つの光コネクタ203を保持するピン204の組(コネクタ保持部204A)は、2本に限定されず、3本以上であっても良い。
【0053】
このコネクタ引留ユニット201において、1つの光コネクタ203を保持するコネクタ保持部は、複数本のピン204によって、光コネクタ203のハウジング203aを両側から挟み込んで着脱可能に保持する構造である。
コネクタ保持部204Aを構成する複数本のピン204は、該コネクタ保持部204Aによって保持する光コネクタ203が設けられるコネクタ設置空間204Sの両側に配置される。
コネクタ設置空間204Sの両側のピン204間の距離で決まるコネクタ設置空間204Sの幅寸法W6は、保持対象の光コネクタ203の幅寸法よりも僅かに狭い。
各ピン204は弾性変形可能であり、コネクタ設置空間204Sの幅寸法W6よりも僅かにサイズ(幅寸法)の大きい光コネクタ203がコネクタ設置空間204Sに押し込まれたときに、若干、弾性変形することで、コネクタ設置空間204Sへの光コネクタ203の押し込みを許容し、コネクタ設置空間204Sに押し込まれた光コネクタ203を、弾性によって、両側から挟み込むようにして保持する。
【0054】
コネクタ保持部204Aに保持した光コネクタ203は、コネクタ引留板202のコネクタ取付面202aに当接させることができ、これにより、コネクタ引留板202からの光コネクタ203の突出を抑えることができ、省スペース化を図れる。
【0055】
図11に示すように、ピン204は、具体的には、2つ割り構造になっている。
1つの光コネクタ203を保持するコネクタ保持部を構成する複数本(図示例では2本)のピン204は、二つ割りの一対のピン半体204a、204bの内の一方(ここでは、符号204aのピン半体)がコネクタ設置空間204S側、他方のピン半体204bが、一方のピン半体204aを介してコネクタ設置空間204Sとは反対の側に設けられている。
また、一対のピン半体204a、204bの間には、スリット204cが存在する。
このピン204の各ピン半体204a、204bは、金属製又は樹脂製であり、弾性変形可能である。
図9(a)、(b)に示すように、コネクタ設置空間204Sに光コネクタ3が押し込まれると、コネクタ設置空間204Sに近い側のピン半体204aがコネクタ設置空間204Sの外側に向かって弾性変形され、コネクタ設置空間204Sの両側の各ピン204のピン半体204aの間に、光コネクタ203が保持される。
弾性変形したピン半体204aがピン半体204bに当接すると、光コネクタ203からの押圧力を、一対のピン半体204a、204bによって負担するようになる。これにより、コネクタ設置空間204Sに近い側のピン半体204aの、それ以上の変形が抑えられ、ピン半体204aを無理な曲げによって傷める、といった不都合を防止でき、ピン204の長寿命化を図ることができる。
【0056】
このコネクタ引留ユニット201でも、光コネクタ203がコネクタ引留板202に沿った向き、すなわち、光コネクタ203の中心軸線C203(詳しくは、スリーブ状のハウジング203aの中心軸線)がコネクタ引留板202に沿う向きで、コネクタ引留板202に取り付けられて引き留められる。
1つのコネクタ引留板202に、複数の光コネクタ203を、横並びに配列状態で引き留めて、高密度実装を実現できることも、他の実施形態に例示したコネクタ引留ユニットと同様である。
【0057】
上述のコネクタ引留ユニット201では、コネクタ引留板202の片面のみに、コネクタ保持部204Aを設置した構成を例示したが、これに限定されず、コネクタ引留板202の両面に、コネクタ保持部204Aを設置した構成も採用可能である。
【0058】
ここで例示したコネクタ引留ユニット201は、図8に例示した光クロージャ100用のコネクタ引留ユニット102として適用可能であるが、例えば、光配線盤、光成端箱等の、各種光機器にも適用可能であることは言うまでも無い。
但し、ここで適用可能な光機器としては、コネクタ引留板から離脱させた光コネクタを接続できる、光コネクタアダプタ、光コネクタレセプタクル等の受け側光コネクタを具備するものである。
【0059】
なお、上述の実施形態では、本発明に係るコネクタ引留ユニットを設ける光機器として、光クロージャを例示したが、本発明に係る光機器としてはこれに限定されず、例えば、光配線盤、光成端箱等、様々な光機器を設置対象として採用できる。
また、設置対象の光機器としては、コネクタ引留板から離脱させた光コネクタを接続できる、光コネクタアダプタ、光コネクタレセプタクル等の受け側光コネクタを具備するものである。
但し、本発明は、コネクタ引留板における光コネクタの実装密度、着脱作業性の点で優れるものであり、コネクタ引留板に取り付けて引き留める光コネクタの「数」を追及するものでは無い。例えば、数個〜50個程度の光コネクタの引き留めに特に有効である。このため、例えば、光クロージャ等の光機器に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態のコネクタ引留ユニットにおいて、光コネクタをコネクタ引留板に引き留めた状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正断面図である。
【図2】図1のコネクタ引留ユニットのコネクタ引留板を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のコネクタ引留ユニットの別態様を示す図であって、(a)は光コネクタをコネクタ引留板に引き留めた状態を示す平面図、(b)は同正断面図である。
【図4】図3のコネクタ引留ユニットのコネクタ引留板を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のコネクタ引留ユニットの光コネクタを示す斜視図である。
【図6】図5のコネクタ引留ユニットのコネクタ引留板を示す図であって、(a)は裏面側から見た斜視図、(b)は表面側から見た斜視図である。
【図7】図5のコネクタ引留ユニットのコネクタ引留板を示す図であって、光コネクタをコネクタ引留板に引き留めた状態を示す部分破断正面図である。
【図8】本発明に係る光クロージャの内部構造を示す図である。
【図9】本発明に係る光クロージャ用のコネクタ引留ユニットの別態様を示す図であって、(a)はコネクタ引留板から光コネクタが離脱された状態を示す側面図、(b)は光コネクタの先端側から見た図である。
【図10】図9のコネクタ引留ユニットを示す図であって、コネクタ引留板に光コネクタを引き留めた状態を示す正面図である。
【図11】図9のコネクタ引留ユニットにおけるコネクタ保持部を構成するピンを示す拡大図である。
【符号の説明】
【0061】
1,1A…コネクタ引留ユニット、1B…コネクタ保持部、2、2A…コネクタ引留板、21…引留用長穴、21a…長穴(主長穴)、21b…細長穴、22…表面(コネクタ取付面)、23…裏面、24…係止部(係止突起)、26…係止部、3…光コネクタ、5…ハウジング、52…ラッチ、52a…立ち上げ部、52b…ラッチ本体部、52c…係合解除用レバー、52d…突爪、53…振れ止め用突起、
11…コネクタ引留ユニット、11A…コネクタ保持部、12…コネクタ引留板、12A…本体プレート部、12a…コネクタ取付面(表面)、12b…裏面、121…差し込み片支持部、122…ラッチ、13…光コネクタ、14…フェルール、15…ハウジング、151b…係合部(係合用凹所)、152…差し込み片、
100…光クロージャ、101…クロージャスリーブ、102…コネクタ引留ユニット、102A…コネクタ保持部、103…光コネクタアダプタ、104…連結ユニット、105…光ファイバケーブル、105a…光ファイバ、106…コネクタ引留板、107…光コネクタ、108…別の光ファイバ(光ドロップケーブル)、109…光コネクタ、
201…コネクタ引留ユニット、202…コネクタ引留板、203…光コネクタ、204A…コネクタ保持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器(100、104)に取り付けられるコネクタ引留板(2、2A)と、前記コネクタ引留板に着脱される光コネクタ(3)とで構成され、
前記光コネクタは、該光コネクタの側面から突出して前記光コネクタの側面に沿って前記光コネクタの前後方向に延在し、前記光コネクタの側面との間に前記コネクタ引留板を挟み込むことができる弾性片であるラッチ(52)を具備し、
前記コネクタ引留板は、前記光コネクタの側部の前記ラッチが挿脱可能に挿入される長穴(21a)と、該長穴の一端部側に設けられ、前記コネクタ引留板の前記光コネクタの側面が当接される表面(22)側とは反対の裏面(23)側から前記ラッチの先端に突設されている突爪(52d)が係脱可能に係合される係止部(24、26)とを有し、
前記光コネクタの前記ラッチを前記コネクタ引留板の表面側から前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記突爪を前記係止部に係合させることで、前記光コネクタが前記コネクタ引留板に引き留められることを特徴とするコネクタ引留ユニット(1、1A)。
【請求項2】
前記コネクタ引留板には、前記長穴よりも狭幅の細長穴(21b)が、前記長穴の一端部から延出するように形成され、
前記光コネクタの側部には、前記細長穴に挿脱可能の振れ止め用突起(53)が、前記ラッチの先端から前記ラッチの前記光コネクタからの突出基端部とは反対の側へ離隔した位置に突設され、
前記光コネクタは、前記ラッチを前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記振れ止め用突起を前記細長穴に挿入することで、前記ラッチが前記長穴の内面によって案内され、前記振れ止め用突起が前記細長穴の内面によって案内されて、前記長穴及び細長穴に沿って移動できることを特徴とする請求項1記載のコネクタ引留ユニット。
【請求項3】
前記ラッチは、前記光コネクタのハウジング(5)の側面に突出する突起状の立ち上げ部(52a)と、該立ち上げ部の先端から前記ハウジングの側面に沿って前記光コネクタの接続端部側である前端側に延びるラッチ本体部(52b)と、前記ラッチ本体部から前記立ち上げ部よりも前記光コネクタの後端側へ延出する突片である係合解除用レバー(52c)とを具備し、
前記ラッチを前記コネクタ引留板の表面側から前記長穴を介して前記コネクタ引留板の裏面側に差し込み、前記突爪を前記係止部に係合させて、前記光コネクタを前記コネクタ引留板に引き留めた状態において、前記光コネクタのハウジングとの間にクリアランスを介して設けられる前記係合解除用レバーを前記ハウジングに接近させることで、前記ラッチ本体部が前記係合解除用レバーと一体に前記立ち上げ部の先端を中心に回転して、前記光コネクタの前記ハウジングから離隔し、前記係止部に係合している前記突爪の前記係止部に対する係合を解除できることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ引留ユニット。
【請求項4】
機器(100、104)に取り付けられるコネクタ引留板(12)と、前記コネクタ引留板に着脱される光コネクタ(13)とで構成され、
前記光コネクタは、フェルール(14)と、該フェルールを収納するハウジングとを具備し、前記ハウジングに、前記光コネクタの接続端部とは反対側の後端側へ延出する突片である差し込み片(152)が形成されてなり、
前記コネクタ引留板は、
前記光コネクタのハウジング(15)が当接されるコネクタ取付面(12a)を有する本体プレート部(12A)と、
この本体プレート部の前記コネクタ取付面に突設され、前記光コネクタの前記差し込み片が挿脱可能に差し込まれることで、前記光コネクタを、前記ハウジングの側面が前記コネクタ取付面に当接された状態に支持する差し込み片支持部(121)と、
前記本体プレート部から該本体プレート部を延長するように延出する舌片状に形成され、前記差し込み片を差し込んで前記差し込み片支持部に支持した前記光コネクタのハウジングの側面に設けられている係合部(151b)に係脱可能に係合されることで、前記差し込み片が前記差し込み片支持部から抜け出す方向への光コネクタの移動を規制する弾性爪であるラッチ(122)とを具備し、
前記光コネクタの前記コネクタ取付面に沿ったスライド移動によって、前記差し込み片を前記差し込み片支持部に差し込んでいくことで、前記光コネクタの係合部にラッチを係合させることができることを特徴とするコネクタ引留ユニット(11)。
【請求項5】
前記ラッチが、前記コネクタ引留板を構成する板材の一部を舌片状に形成したものであることを特徴とする請求項4記載のコネクタ引留ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタ引留ユニット(102)と、該コネクタ引留ユニットの前記コネクタ引留板(106)から取り外した光コネクタ(107)を接続できる、光コネクタアダプタ(103)あるいは光コネクタレセプタクルである受け側光コネクタとを具備することを特徴とする光機器(100)。
【請求項7】
光クロージャであって、
光ファイバケーブル(105)が引き込まれたクロージャスリーブ(101)内に、請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタ引留ユニット(102)が収納され、前記光ファイバケーブルから引き出された光ファイバ(105a)が、前記コネクタ引留ユニットの前記光コネクタ(107)によって、別の光ファイバ(108)に対してコネクタ接続可能に成端されていることを特徴とする光クロージャ(100)。
【請求項8】
前記別の光ファイバが前記クロージャスリーブ内に引き込まれる光ドロップケーブル(108)であり、
前記光コネクタと、前記光ドロップケーブルに取り付けられた光コネクタ(109)との接続用の光コネクタアダプタ(103)が、クロージャスリーブ内に収納されていることを特徴とする請求項7記載の光クロージャ。
【請求項9】
クロージャスリーブ(101)内に、コネクタ引留板(2、2A、12、106、202)と、該コネクタ引留板に設けられたコネクタ保持部(1B、11A、102A、204A)に着脱可能に取り付けられる光コネクタ(3、13、107、203)とからなるコネクタ引留ユニット(1、1A、11、102、201)が収納され、
前記光ファイバケーブルから引き出された光ファイバ(105a)が、前記コネクタ引留ユニットの前記光コネクタによって、別の光ファイバ(108)に対してコネクタ接続可能に成端されており、
前記コネクタ引留板には、前記光コネクタが、前記コネクタ保持部への係合又は嵌め込みによって前記コネクタ引留板に沿う向きで着脱可能に取り付けられるようになっていることを特徴とする光クロージャ(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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