コネクタ組立体およびオス側コネクタおよびオス側コネクタの製造方法
【課題】オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体およびオス側コネクタ、当該オス側コネクタの製造方法を得る。
【解決手段】コネクタ組立体1は、ガイド突起15を穴部25に挿通させることでオス型端子部13とメス型端子部23の位置決めを行っている。そして、ガイド突起15は、オス型端子部13とメス型端子部23の位置決めを行う位置決め部15aと、当該位置決め部15aの上部に位置決め部15aよりも小径となるように設けられ、穴部25に位置決め部15aが挿通される前に当該穴部25に挿通されてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮位置決めを行う仮位置決め部15bとによって形成されている。
【解決手段】コネクタ組立体1は、ガイド突起15を穴部25に挿通させることでオス型端子部13とメス型端子部23の位置決めを行っている。そして、ガイド突起15は、オス型端子部13とメス型端子部23の位置決めを行う位置決め部15aと、当該位置決め部15aの上部に位置決め部15aよりも小径となるように設けられ、穴部25に位置決め部15aが挿通される前に当該穴部25に挿通されてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮位置決めを行う仮位置決め部15bとによって形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ組立体およびオス側コネクタおよびオス側コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとの対向面に、位置決め用の柱状突起(ガイド突起)とリング体(穴部)を設けるようにしたコネクタ組立体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−277534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のコネクタ組立体では、柱状突起をリング体に挿入しつつ嵌合することで、オス型端子部とメス型端子部の正確な位置決めが行われ、これらオス型およびメス型端子部が形成された2つのコネクタ同士を合体させることができる。
【0005】
しかしながら、コネクタ組立体の組み付け時に、最初から柱状突起をリング体に嵌合させる構成では、柱状突起のリング体への挿入がきつくなって接続し辛くなり、結果として、組付作業性が悪化してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体およびオス側コネクタ、当該オス側コネクタの製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとを備え、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体であって、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの対向面の一方には、前記オス型端子部よりも突出高さの高いガイド突起が設けられ、前記対向面の他方には、前記ガイド突起が挿通されることで前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う穴部が設けられており、前記ガイド突起は、前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う位置決め部と、当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように設けられ、前記穴部に前記位置決め部が挿通される前に当該穴部に挿通されて前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行う仮位置決め部とによって形成されていることを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記穴部は、前記仮位置決め部に挿通された際に、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行いつつ、穴部を前記位置決め部への挿通位置に誘い込む機能を有していることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記オス型端子部は、先端部の径がオス側コネクタのベース基板から離間するにつれて小さくなるように形成されていることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記オス型端子部は、マッシュルーム状に形成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記コネクタ組立体に用いられるオス側コネクタであることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、オス型端子部と、当該オス型端子部よりも突出高さが高く、位置決め部と当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように形成された仮位置決め部とを有するガイド突起と、を備えるオス側コネクタの製造方法であって、回路基板の一方の表面に第1ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、前記第1ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像してオス型端子部形成用穴部と前記ガイド突起の位置決め部形成用穴部とを形成する工程と、前記位置決め部形成用穴部の上部を覆うように第2ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、前記第2ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像して前記ガイド突起の仮位置決め部形成用穴部を形成し、当該仮位置決め部形成用穴部と前記位置決め部形成用穴部とでガイド突起形成用穴部を形成する工程と、前記オス型端子部形成用穴部および前記ガイド突起形成用穴部にめっきを施すことでオス型端子部およびガイド突起を形成する工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコネクタ組立体によれば、位置決め部の上部に位置決め部よりも小径の仮止め部を設け、穴部に位置決め部が挿通される前に当該穴部に仮位置決め部を挿通させてオス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行うようにした。そのため、オス型端子部とメス型端子部とを嵌合させる前に、予めガイド突起の仮位置決め部を穴部に挿入することで、オス型端子部とメス型端子部の大まかな位置合わせを行うことができる。したがって、オス型端子部とメス型端子部の大まかな位置合わせを行った後に、オス型端子部とメス型端子部とを接触させつつ、オス側コネクタとメス側コネクタとを合体させることができるようになる。その結果、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることができる。
【0014】
本発明のオス側コネクタの製造方法によれば、オス型端子部を形成するめっき工程とガイド突起を形成するめっき工程を同時に行うことができるため、工程の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの裏面とメス側コネクタの表面を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの表面とメス側コネクタの裏面を示した図である。
【図3】図1および図2に示したオス側コネクタとメス側コネクタの組付け状況を示した側面図である。
【図4】図3に示したオス側コネクタとメス側コネクタを合体させたコネクタ組立体の側面図である。
【図5】図4に示すガイド突起の挿入状況を示した断面図である。
【図6】図4に示すオス型端子部の挿入状況を示した断面図である。
【図7】図1に示した穴部の拡大図である。
【図8】図2に示すオス側コネクタの製造工程を(a)から(i)に順を追って説明する図である。
【図9】図4に示すガイド突起を示した図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】図4に示すガイド突起の平面形状の変形例を示した図であって、(a)は第1変形例にかかるガイド突起の平面図、(b)は第2変形例にかかるガイド突起の平面図、(c)は第3変形例にかかるガイド突起の平面図である。
【図11】図4に示すガイド突起の側面形状の変形例を示した図であって、(a)は第1変形例にかかるガイド突起の側面図、(b)は第2変形例にかかるガイド突起の側面図である。
【図12】図10に示したガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した図であって、(a)は、図10(a)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図、(b)は、図10(b)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図、(c)は、図10(c)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図である。
【図13】図10に示したガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した図であって、(a)は、図10(a)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図、(b)は、図10(b)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図、(c)は、図10(c)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図である。
【図14】図1に示すメス側コネクタの変形例を示した斜視図である。
【図15】図1に示すオス側コネクタの変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1〜図8は、本発明にかかるコネクタ組立体の一実施形態を示した図であり、図1〜図3に示すオス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させることによって、図4に示すコネクタ組立体1が形成されるようになっている。
【0018】
メス側コネクタ20は、図1および図2に示すように、ポリイミド樹脂やガラエポ(ガラスエポキシ)などの絶縁フィルム29を有したベース基板21の裏面21bに、複数条の導体回路22をパターニングしてFPC基板として形成される。導体回路22の端末には、メス型端子部としての十字状スリット23がそれぞれ設けられている。
【0019】
十字状スリット23は、導体回路22の端末に設けられた幅広の十字状パッド部22aの中心部に同心状に形成されており、十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通するようになっている。すなわち、本実施形態では、合成樹脂などで形成された基板本体28(図2参照)に複数の貫通穴24が設けられており、この貫通穴24と連通するように十字状スリット23が形成されることで、十字状スリット23が十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通している。
【0020】
そして、複数の十字状スリット23は、ベース基板21にマトリックス状に整然と配列されている。本実施形態では、ベース基板21の長手方向に5つ並べられた十字状スリット23の列が幅方向に4列、合計20箇所設けられており、この際、幅方向に隣り合う列同士が互いにオフセットする配置となっている。
【0021】
オス側コネクタ10は、図1および図2に示すように、合成樹脂などの絶縁材料で形成されて四隅を面取りした矩形状のベース基板11を備え、このベース基板11の表面11aにオス型端子部13を突設して形成されている。
【0022】
オス型端子部13は、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dから当該幅方向の内側に向かって延びる導体回路12の一端に設けられた環状パッド部12aに設けられている。このオス型端子部13は、十字状スリット23のそれぞれの形成位置に対応して配置されており、合計20箇所設けられている。
【0023】
なお、オス型端子部13は、金属や導電性樹脂などの導電材料によって形成されている。このオス型端子部13は、十字状スリット23の周縁部を変形させつつ挿入(圧入)可能な径をもって円柱状に形成された首部13aを備えている。このとき、首部13aは、十字状スリット23を周方向で等しく押し開くには断面円形となった円柱状が好ましいが、特に、その断面形状は円形に限ることなく楕円や多角形などの非円形であってもよい。
【0024】
そして、図3に示すように、オス型端子部13の先端部には、径の大きさが首部13aよりも大きな頭部13bが形成されており、この頭部13bは先端面がキノコの傘状に球面となっている。即ち、オス型端子部13は、頭部(先端部)13bの径がオス側コネクタ10のベース基板11から離間するにつれて小さくなっており、このようなオス型端子部13は、いわゆるマッシュルームバンプとして形成されている。
【0025】
そして、オス型端子部13に接続された導体回路12の他端が、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dに露出しており、この導体回路12の露出面12bが図示省略した他の回路基板や電子部品との接点となる。
【0026】
ここで、本実施形態では、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の対向面の一方である、オス側コネクタ10のベース基板11の表面11aに、上述のオス型端子部13よりも突出高さの高いガイド突起15を設けている。このガイド突起15は、金属や高剛性の合成樹脂などで形成されており、図2に示すように、本実施形態ではベース基板11の長手方向両側部に一つずつ、合計2つ配置させている。
【0027】
ガイド突起15は、穴部25の周縁部を変形させつつ挿入(圧入)可能な径をもって円柱状に形成された首部15aを備えている。首部15aは、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の位置決めを行う位置決め部となっている。
【0028】
そして、図3に示すように、ガイド突起15の先端部(首部15aの上部)には、径の大きさが首部15aよりも若干小さな頭部15bが形成されており、この頭部15bも円柱状に形成されている。この頭部15bは、首部(位置決め部)15aの上部に設けられ、穴部25に首部(位置決め部)15aが挿通される前に当該穴部25に挿通されてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行う仮位置決め部に相当するものである。
【0029】
このように、ガイド突起15は、図9に示すように、円柱状の首部15aの上部に、首部15aの径よりも小径の円柱状に形成された頭部15bが設けられた形状をしている。なお、頭部の形状は、円柱状のものに限らず、様々な形状とすることができる。
【0030】
例えば、図10(a)に示すように、平面視で四角形状となるようにしてもよいし、図10(b)に示すように、平面視で三角形状となるようにしてもよい。また、図10(c)に示すように、平面視で六角形状となるようにしてもよい。また、図11(a)に示すように、側面視で円弧状となるように形成してもよいし、図11(b)に示すように、側面視で台形状となるように形成してもよい。なお、首部の形状も円柱状のものに限らず、様々な形状とすることができる。
【0031】
また、オス側コネクタ10にガイド突起15が設けられる一方で、対向面の他方としてのメス側コネクタ20の裏面21bには、そのガイド突起15が挿通される穴部25が形成されている。穴部25は、ガイド突起15の突設位置にそれぞれ対応して設けられており、図2に示すように、ベース基板21の長手方向両側部に一つずつ、合計2箇所設けられている。
【0032】
穴部25は、図1にも示すように、ベース基板21の裏面21bに形成される略十字状のスリット25aと、当該スリット25aに連通して設けられ、ガイド突起15よりも大径な挿通穴25cとによって形成される。すなわち、穴部25は、ガイド突起15の僅かな動作を許容可能な大きさをもって形成されている。本実施形態では、上述のメス型端子部としての十字状スリット23と同じように、基板本体28に2つの挿通穴25cが貫通形成されている。そして、この挿通穴25cと連通するようにして絶縁フィルム29および環状パッド部26上に略十字状のスリット25aを設けることで、穴部25が形成されるようになっている。
【0033】
また、本実施形態では、穴部25の略十字状のスリット25aには、当該スリット25aの中心から同心状に切り除かれた環状開口部25bが設けられるようになっている。こうして、穴部25には、挿通穴25cの内周縁から中心に向けて突出する弾性変形可能な弾性片25dが形成されることとなる。このとき、環状開口部25bは、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように形成されている。これにより、図5に示すように、ガイド突起15の抜け止めを行うとともに、スリット25aの中心からずれてガイド突起15が挿入されたとしても、スリット25a周縁部(弾性片25d)の弾性力によって首部15aをスリット25aの中心に案内できるようにし、これらガイド突起15とスリット25aとの相対位置精度を高められるようにしている。
【0034】
このように、穴部25に弾性片25dを設けることで、穴部25は、頭部15bに挿通された際に、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行いつつ、穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込む機能を有することとなる。
【0035】
なお、環状開口部25bを、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも若干穴幅が大きく、かつ、首部15aの径幅よりも小さくなるように形成してもよい。
【0036】
すなわち、頭部15bの側面に弾性片25dが当接することなく、環状開口部25bを頭部15bに挿通させることができるようにしてもよい。なお、首部15aの側面には弾性片25dが当接するため、首部15aへの挿通時には、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の位置決めを行うことができる。
【0037】
こうすれば、穴部25を頭部15bに挿通させた際に、仮の位置決めを行うことができる。なお、かかる場合でも、弾性片25dによって穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込むことができる。しかしながら、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように環状開口部25bを形成した方が、誘い込み機能を大きくすることができる。
【0038】
ところで、穴部の形状も、様々な形状とすることができる。特に、頭部の形状に応じて穴部の形状を最適な形状とするのが好適である。例えば、頭部の形状が、図10(a)に示すように、平面視で四角形状の場合、頭部挿入時に頭部の各辺に弾性片25dが対応するように穴部を形成するのが好適である(図12(a)または、図13(a)参照)。また、図10(b)の三角形状、図10(c)の六角形状の場合も同様である(図12(b)または、図13(b)、図12(c)または、図13(c)参照)。
【0039】
このとき、平面視で、弾性片が頭部にオーバーラップするように、開口部25bを形成すれば、図12に示すように、頭部挿入時に頭部の各辺に弾性片25dが当接する。そのため、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように環状開口部25bを形成した場合と同様の機能を、穴部に持たせることができる。
【0040】
また、平面視で、弾性片25dが、首部15aとはオーバーラップするが、頭部15bとはオーバーラップしないように、開口部25bを形成すれば、図13に示すように、頭部15bの側面に弾性片25dが当接することなく、開口部25bを頭部15bに挿通させることができるようになる。そのため、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が大きくなるように環状開口部25bを形成した場合と同様の機能を、穴部に持たせることができる。
【0041】
このように、本実施形態のコネクタ組立体1では、ガイド突起15の頭部15bを穴部25に挿入することで、まずはオス型端子部13とメス型端子部としての十字状スリット23の大まかな位置合わせが行われるようにしている。
【0042】
そして、ガイド突起15の頭部15bによりオス型端子部13と十字状スリット23の大まかな位置合わせが行われたコネクタ組立体1は、続いて首部15aが穴部25に挿入されることで、オス型端子部13と十字状スリット23の正確な位置決めを行うことができる。
【0043】
このように、本実施形態のコネクタ組立体1では、オス側コネクタ10の表面11a側に突設されたガイド突起15の首部15aと頭部15bとによって、位置決めがなされる二段位置決め構造となっている。
【0044】
かかる構成のコネクタ組立体1では、オス側コネクタ10の表面11aとメス側コネクタ20の裏面21bとを、ガイド突起15を穴部25に位置させつつ対向させる。この状態でメス側コネクタ20をオス側コネクタ10側に押し付けることにより、ガイド突起15の頭部15bが穴部25に挿入され、次いで首部15aが穴部25に挿入される。このとき、ガイド突起15の頭部15bによって大まかな位置合わせが行われるのであるが、ガイド突起15の頭部15bがスリット25aの中心からずれて挿入されたとしても、スリット25a周縁部の弾性力によってガイド突起15の頭部15bがスリット25aの中心に案内される。これにより、正確な位置に案内されたガイド突起15の首部15aを穴部25に挿入させることができるようになる。このように、本実施形態のコネクタ組立体1によれば、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20の組付作業性を大幅に向上させることができる。
【0045】
そして、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20との合体(ガイド突起15の首部15aと穴部25の嵌合)によって、図6に示すように、オス型端子部13とメス型端子部としての十字状スリット23とは相互に嵌合(接触)されて導通され、オス側コネクタ10とメス側コネクタ10とが電気的に接続される。このとき、オス型端子部13は、いわゆるマッシュルームバンプとして形成されているため、頭部(先端部)13bにより抜け止めが行われる。
【0046】
なお、図4に示すように、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させた状態では、ガイド突起15およびオス型端子部13は、ベース基板21から突出せずに、それぞれ挿通穴25c、貫通穴24内に収まるようになっている。また、図2に示すように、本実施形態のガイド突起15は、ベース基板11のそれぞれの角部に接続される導体回路18の環状パッド部18aに突設されている。
【0047】
次に、図8を参照して、オス側コネクタ10の製造工程について説明する。
【0048】
まず、図8(a)に示すように、基板11cの裏面にDF(ドライフィルムレジスト)ラミネート層11dをラミネートしてベース基板11を形成する。なお、DFラミネート層の厚さは、75μmである。そして、基板11cの表面に導体回路12、導体回路18をパターニングすることで、回路基板を形成する。
【0049】
次に、図8(b)に示すように、基板11cの表面(回路基板の一方の表面)にDFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eを形成する。このDFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの厚さは、225μmである。
【0050】
次に、図8(c)に示すように、DFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの表面にレジスト30を塗布し、DFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの一部を露光、現像する。そして、図8(d)に示すように、オス型端子部形成用穴部130aとガイド突起15の位置決め部形成用穴部150aとを形成する。
【0051】
次に、図8(e)に示すように、位置決め部形成用穴部150aの上部を覆うようにDFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fを形成する。このDFラミネート層の厚さは、75μmである。
【0052】
そして、図8(f)に示すように、DFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fの表面にレジスト30を塗布し、DFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fの一部を露光、現像する。そして、図8(g)に示すように、ガイド突起15の仮位置決め部形成用穴部150bを形成し、当該仮位置決め部形成用穴部150bと位置決め部形成用穴部150aとでガイド突起形成用穴部150cを形成する。
【0053】
その後、プラズマ処理、酸性脱脂、ソフトエッチング、硫酸処理等公知の処理を行うことで、後述するめっき処理を行いやすくする。
【0054】
そして、オス型端子部形成用穴部130aおよびガイド突起形成用穴部150cにめっきを施すことでオス型端子部13およびガイド突起15を形成する。
【0055】
本実施形態では、まず、図8(h)に示すように、オス型端子部形成用穴部130aおよびガイド突起形成用穴部150cにCuめっきを施すことでオス型端子部本体130およびガイド突起本体150を形成する。
【0056】
このとき、ガイド突起本体150の高さがオス型端子部本体130よりも高くなるように形成する。本実施形態では、ガイド突起本体150およびオス型端子部本体130の首部の高さをほぼ同じ高さとし、オス型端子部本体130の頭部の高さがガイド突起本体150の頭部の高さよりも低くなるように形成している。
【0057】
そして、DFラミネート層を剥離し、図8(i)に示すように、オス型端子部本体130およびガイド突起本体150の表面にNi、Au等の導電性材料をコーティングすることで、オス型端子部13およびオス型端子部13よりも突出高さの高いガイド突起15を形成している。
【0058】
その後、ダイシングを行うことで、オス型端子部13と、当該オス型端子部13よりも突出高さが高く、位置決め部15aと当該首部(位置決め部)15aの上部に首部(位置決め部)15aよりも小径となるように形成された頭部(仮位置決め部)15bとが形成されたガイド突起15と、を備えるオス側コネクタ10が形成される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態では、首部(位置決め部)15aの上部に首部(位置決め部)15aよりも小径の頭部(仮位置決め部)15bを設け、穴部25に首部(位置決め部)15aが挿通される前に当該穴部25に頭部(仮位置決め部)15bを挿通させてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行うようにした。そのため、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23とを嵌合させる前に、予めガイド突起15の頭部(仮位置決め部)15bを穴部25に挿入することで、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の大まかな位置合わせを行うことができる。したがって、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の大まかな位置合わせを行った後に、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23とを接触させつつ、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させることができるようになる。その結果、最初からガイド突起と穴部を嵌合させる構成に比べて、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20の組付作業性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態では、穴部25がメス側コネクタ20の裏面21bに形成される略十字状のスリット25aと、当該スリット25aに連通して設けられ、ガイド突起15よりも大径な挿通穴25cとによって形成されている。そのため、ガイド突起15を穴部25に挿入させる際に、略十字状のスリット25aが目印となってガイド突起15をスリット25a(穴部25)の中心に挿入させ易くすることができる。また、ガイド突起15の僅かな動作を許容可能な大きさをもって形成され、柱状バンプ13と十字状スリット23の位置決めを行う穴部25の構成を、比較的容易に得ることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、略十字状のスリット25aの中心に環状開口部25bを設けることで、穴部25に、挿通穴25cの内周縁から中心に向けて突出する弾性変形可能な弾性片25dを形成するようにしている。すなわち、穴部25に、頭部15bに挿通された際に、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行いつつ、穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込む機能を持たせるようにしている。
【0062】
そのため、スリット25aの中心からずれてガイド突起15が挿入されたとしても、スリット25a周縁部(弾性片25d)の弾性力によってガイド突起15をスリット25a(穴部25)の中心に案内できるようになる。その結果、ガイド突起15と穴部25の相対位置精度、ひいてはオス側コネクタ10とメス側コネクタ20の相対位置精度を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態のオス型端子部13は、頭部(先端部)13bの径がオス側コネクタ10のベース基板11から離間するにつれて小さくなるように形成されている。このように、本実施形態では、頭部(先端部)13bの径を先細り形状としたので、オス型端子部13を十字状スリット(メス型端子部)23に挿入させる際に、頭部13bの先端面がガイドとなってオス型端子部13をスムーズに挿入させることができる。
【0064】
さらにまた、本実施形態のオス型端子部13は、マッシュルーム状に形成されている。そのため、挿入されたマッシュルーム状の頭部13bに、十字状スリット(メス型端子部)23の切片を係止させることができるようになり、オス型端子部13の抜け止めを行って、合体したオス側コネクタ10とメス側コネクタ20とが分離してしまうのを防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では、オス側コネクタ10の表面11a側に突設されたガイド突起15の首部15aと頭部15bとによって、位置決めがなされる二段位置決め構造となっている。そのため、頭部15bが首部15aの上部に若干位置ズレした状態で形成されたとしても、当該ズレを吸収することができる。その結果、オス側コネクタ10を容易に製造することができる。
【0066】
そして、本実施形態では、このようなコネクタ組立体1に用いられるオス側コネクタ10を利用することで、コネクタ組立体1の組付作業性を向上させることの可能なオス側コネクタ10を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態のオス側コネクタ10の製造方法によれば、オス型端子部13を形成するめっき工程とガイド突起15を形成するめっき工程を同時に行うことができるため、工程の簡素化を図ることができる。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定さ
れず、種々の変形が可能である。
【0069】
例えば、携帯電話の内部部品として用いられるコネクタ組立体1のメス側コネクタとして、図14に示す変形例のように、可撓性を有した絶縁フィルム29、ならびに導体回路22を、コネクタ組立体1の幅方向に延長形成したメス側コネクタ20Aを用いるようにしてもよい。
【0070】
また、コネクタ組立体1のオス側コネクタとして、図15に示す変形例のように、実装基板11Aそのものにオス型端子部13ならびにガイド突起15を形成したオス側コネクタ10Aを用いるようにしてもよい。この実装基板11Aは、上記実施形態で説明した他の回路基板や電子部品に相当するものである。
【0071】
そして、コネクタ組立体は、オス側コネクタ10、オス側コネクタ10Aのいずれかを用い、メス側コネクタ20、メス側コネクタ20Aのいずれかを用いることで形成することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 コネクタ組立体
10,10A オス側コネクタ
11 ベース基板
11A 実装基板(ベース基板)
13 オス型端子部
15 ガイド突起
15a 首部(位置決め部)
15b 頭部(仮位置決め部)
20,20A メス側コネクタ
23 十字状スリット(メス型端子部)
25 穴部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ組立体およびオス側コネクタおよびオス側コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとの対向面に、位置決め用の柱状突起(ガイド突起)とリング体(穴部)を設けるようにしたコネクタ組立体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−277534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のコネクタ組立体では、柱状突起をリング体に挿入しつつ嵌合することで、オス型端子部とメス型端子部の正確な位置決めが行われ、これらオス型およびメス型端子部が形成された2つのコネクタ同士を合体させることができる。
【0005】
しかしながら、コネクタ組立体の組み付け時に、最初から柱状突起をリング体に嵌合させる構成では、柱状突起のリング体への挿入がきつくなって接続し辛くなり、結果として、組付作業性が悪化してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体およびオス側コネクタ、当該オス側コネクタの製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとを備え、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体であって、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの対向面の一方には、前記オス型端子部よりも突出高さの高いガイド突起が設けられ、前記対向面の他方には、前記ガイド突起が挿通されることで前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う穴部が設けられており、前記ガイド突起は、前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う位置決め部と、当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように設けられ、前記穴部に前記位置決め部が挿通される前に当該穴部に挿通されて前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行う仮位置決め部とによって形成されていることを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記穴部は、前記仮位置決め部に挿通された際に、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行いつつ、穴部を前記位置決め部への挿通位置に誘い込む機能を有していることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記オス型端子部は、先端部の径がオス側コネクタのベース基板から離間するにつれて小さくなるように形成されていることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記オス型端子部は、マッシュルーム状に形成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記コネクタ組立体に用いられるオス側コネクタであることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、オス型端子部と、当該オス型端子部よりも突出高さが高く、位置決め部と当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように形成された仮位置決め部とを有するガイド突起と、を備えるオス側コネクタの製造方法であって、回路基板の一方の表面に第1ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、前記第1ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像してオス型端子部形成用穴部と前記ガイド突起の位置決め部形成用穴部とを形成する工程と、前記位置決め部形成用穴部の上部を覆うように第2ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、前記第2ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像して前記ガイド突起の仮位置決め部形成用穴部を形成し、当該仮位置決め部形成用穴部と前記位置決め部形成用穴部とでガイド突起形成用穴部を形成する工程と、前記オス型端子部形成用穴部および前記ガイド突起形成用穴部にめっきを施すことでオス型端子部およびガイド突起を形成する工程と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコネクタ組立体によれば、位置決め部の上部に位置決め部よりも小径の仮止め部を設け、穴部に位置決め部が挿通される前に当該穴部に仮位置決め部を挿通させてオス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行うようにした。そのため、オス型端子部とメス型端子部とを嵌合させる前に、予めガイド突起の仮位置決め部を穴部に挿入することで、オス型端子部とメス型端子部の大まかな位置合わせを行うことができる。したがって、オス型端子部とメス型端子部の大まかな位置合わせを行った後に、オス型端子部とメス型端子部とを接触させつつ、オス側コネクタとメス側コネクタとを合体させることができるようになる。その結果、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることができる。
【0014】
本発明のオス側コネクタの製造方法によれば、オス型端子部を形成するめっき工程とガイド突起を形成するめっき工程を同時に行うことができるため、工程の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの裏面とメス側コネクタの表面を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの表面とメス側コネクタの裏面を示した図である。
【図3】図1および図2に示したオス側コネクタとメス側コネクタの組付け状況を示した側面図である。
【図4】図3に示したオス側コネクタとメス側コネクタを合体させたコネクタ組立体の側面図である。
【図5】図4に示すガイド突起の挿入状況を示した断面図である。
【図6】図4に示すオス型端子部の挿入状況を示した断面図である。
【図7】図1に示した穴部の拡大図である。
【図8】図2に示すオス側コネクタの製造工程を(a)から(i)に順を追って説明する図である。
【図9】図4に示すガイド突起を示した図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】図4に示すガイド突起の平面形状の変形例を示した図であって、(a)は第1変形例にかかるガイド突起の平面図、(b)は第2変形例にかかるガイド突起の平面図、(c)は第3変形例にかかるガイド突起の平面図である。
【図11】図4に示すガイド突起の側面形状の変形例を示した図であって、(a)は第1変形例にかかるガイド突起の側面図、(b)は第2変形例にかかるガイド突起の側面図である。
【図12】図10に示したガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した図であって、(a)は、図10(a)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図、(b)は、図10(b)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図、(c)は、図10(c)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状を示した平面図である。
【図13】図10に示したガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した図であって、(a)は、図10(a)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図、(b)は、図10(b)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図、(c)は、図10(c)のガイド突起の平面形状に最適な穴部の形状の変形例を示した平面図である。
【図14】図1に示すメス側コネクタの変形例を示した斜視図である。
【図15】図1に示すオス側コネクタの変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1〜図8は、本発明にかかるコネクタ組立体の一実施形態を示した図であり、図1〜図3に示すオス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させることによって、図4に示すコネクタ組立体1が形成されるようになっている。
【0018】
メス側コネクタ20は、図1および図2に示すように、ポリイミド樹脂やガラエポ(ガラスエポキシ)などの絶縁フィルム29を有したベース基板21の裏面21bに、複数条の導体回路22をパターニングしてFPC基板として形成される。導体回路22の端末には、メス型端子部としての十字状スリット23がそれぞれ設けられている。
【0019】
十字状スリット23は、導体回路22の端末に設けられた幅広の十字状パッド部22aの中心部に同心状に形成されており、十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通するようになっている。すなわち、本実施形態では、合成樹脂などで形成された基板本体28(図2参照)に複数の貫通穴24が設けられており、この貫通穴24と連通するように十字状スリット23が形成されることで、十字状スリット23が十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通している。
【0020】
そして、複数の十字状スリット23は、ベース基板21にマトリックス状に整然と配列されている。本実施形態では、ベース基板21の長手方向に5つ並べられた十字状スリット23の列が幅方向に4列、合計20箇所設けられており、この際、幅方向に隣り合う列同士が互いにオフセットする配置となっている。
【0021】
オス側コネクタ10は、図1および図2に示すように、合成樹脂などの絶縁材料で形成されて四隅を面取りした矩形状のベース基板11を備え、このベース基板11の表面11aにオス型端子部13を突設して形成されている。
【0022】
オス型端子部13は、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dから当該幅方向の内側に向かって延びる導体回路12の一端に設けられた環状パッド部12aに設けられている。このオス型端子部13は、十字状スリット23のそれぞれの形成位置に対応して配置されており、合計20箇所設けられている。
【0023】
なお、オス型端子部13は、金属や導電性樹脂などの導電材料によって形成されている。このオス型端子部13は、十字状スリット23の周縁部を変形させつつ挿入(圧入)可能な径をもって円柱状に形成された首部13aを備えている。このとき、首部13aは、十字状スリット23を周方向で等しく押し開くには断面円形となった円柱状が好ましいが、特に、その断面形状は円形に限ることなく楕円や多角形などの非円形であってもよい。
【0024】
そして、図3に示すように、オス型端子部13の先端部には、径の大きさが首部13aよりも大きな頭部13bが形成されており、この頭部13bは先端面がキノコの傘状に球面となっている。即ち、オス型端子部13は、頭部(先端部)13bの径がオス側コネクタ10のベース基板11から離間するにつれて小さくなっており、このようなオス型端子部13は、いわゆるマッシュルームバンプとして形成されている。
【0025】
そして、オス型端子部13に接続された導体回路12の他端が、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dに露出しており、この導体回路12の露出面12bが図示省略した他の回路基板や電子部品との接点となる。
【0026】
ここで、本実施形態では、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の対向面の一方である、オス側コネクタ10のベース基板11の表面11aに、上述のオス型端子部13よりも突出高さの高いガイド突起15を設けている。このガイド突起15は、金属や高剛性の合成樹脂などで形成されており、図2に示すように、本実施形態ではベース基板11の長手方向両側部に一つずつ、合計2つ配置させている。
【0027】
ガイド突起15は、穴部25の周縁部を変形させつつ挿入(圧入)可能な径をもって円柱状に形成された首部15aを備えている。首部15aは、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の位置決めを行う位置決め部となっている。
【0028】
そして、図3に示すように、ガイド突起15の先端部(首部15aの上部)には、径の大きさが首部15aよりも若干小さな頭部15bが形成されており、この頭部15bも円柱状に形成されている。この頭部15bは、首部(位置決め部)15aの上部に設けられ、穴部25に首部(位置決め部)15aが挿通される前に当該穴部25に挿通されてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行う仮位置決め部に相当するものである。
【0029】
このように、ガイド突起15は、図9に示すように、円柱状の首部15aの上部に、首部15aの径よりも小径の円柱状に形成された頭部15bが設けられた形状をしている。なお、頭部の形状は、円柱状のものに限らず、様々な形状とすることができる。
【0030】
例えば、図10(a)に示すように、平面視で四角形状となるようにしてもよいし、図10(b)に示すように、平面視で三角形状となるようにしてもよい。また、図10(c)に示すように、平面視で六角形状となるようにしてもよい。また、図11(a)に示すように、側面視で円弧状となるように形成してもよいし、図11(b)に示すように、側面視で台形状となるように形成してもよい。なお、首部の形状も円柱状のものに限らず、様々な形状とすることができる。
【0031】
また、オス側コネクタ10にガイド突起15が設けられる一方で、対向面の他方としてのメス側コネクタ20の裏面21bには、そのガイド突起15が挿通される穴部25が形成されている。穴部25は、ガイド突起15の突設位置にそれぞれ対応して設けられており、図2に示すように、ベース基板21の長手方向両側部に一つずつ、合計2箇所設けられている。
【0032】
穴部25は、図1にも示すように、ベース基板21の裏面21bに形成される略十字状のスリット25aと、当該スリット25aに連通して設けられ、ガイド突起15よりも大径な挿通穴25cとによって形成される。すなわち、穴部25は、ガイド突起15の僅かな動作を許容可能な大きさをもって形成されている。本実施形態では、上述のメス型端子部としての十字状スリット23と同じように、基板本体28に2つの挿通穴25cが貫通形成されている。そして、この挿通穴25cと連通するようにして絶縁フィルム29および環状パッド部26上に略十字状のスリット25aを設けることで、穴部25が形成されるようになっている。
【0033】
また、本実施形態では、穴部25の略十字状のスリット25aには、当該スリット25aの中心から同心状に切り除かれた環状開口部25bが設けられるようになっている。こうして、穴部25には、挿通穴25cの内周縁から中心に向けて突出する弾性変形可能な弾性片25dが形成されることとなる。このとき、環状開口部25bは、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように形成されている。これにより、図5に示すように、ガイド突起15の抜け止めを行うとともに、スリット25aの中心からずれてガイド突起15が挿入されたとしても、スリット25a周縁部(弾性片25d)の弾性力によって首部15aをスリット25aの中心に案内できるようにし、これらガイド突起15とスリット25aとの相対位置精度を高められるようにしている。
【0034】
このように、穴部25に弾性片25dを設けることで、穴部25は、頭部15bに挿通された際に、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行いつつ、穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込む機能を有することとなる。
【0035】
なお、環状開口部25bを、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも若干穴幅が大きく、かつ、首部15aの径幅よりも小さくなるように形成してもよい。
【0036】
すなわち、頭部15bの側面に弾性片25dが当接することなく、環状開口部25bを頭部15bに挿通させることができるようにしてもよい。なお、首部15aの側面には弾性片25dが当接するため、首部15aへの挿通時には、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の位置決めを行うことができる。
【0037】
こうすれば、穴部25を頭部15bに挿通させた際に、仮の位置決めを行うことができる。なお、かかる場合でも、弾性片25dによって穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込むことができる。しかしながら、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように環状開口部25bを形成した方が、誘い込み機能を大きくすることができる。
【0038】
ところで、穴部の形状も、様々な形状とすることができる。特に、頭部の形状に応じて穴部の形状を最適な形状とするのが好適である。例えば、頭部の形状が、図10(a)に示すように、平面視で四角形状の場合、頭部挿入時に頭部の各辺に弾性片25dが対応するように穴部を形成するのが好適である(図12(a)または、図13(a)参照)。また、図10(b)の三角形状、図10(c)の六角形状の場合も同様である(図12(b)または、図13(b)、図12(c)または、図13(c)参照)。
【0039】
このとき、平面視で、弾性片が頭部にオーバーラップするように、開口部25bを形成すれば、図12に示すように、頭部挿入時に頭部の各辺に弾性片25dが当接する。そのため、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように環状開口部25bを形成した場合と同様の機能を、穴部に持たせることができる。
【0040】
また、平面視で、弾性片25dが、首部15aとはオーバーラップするが、頭部15bとはオーバーラップしないように、開口部25bを形成すれば、図13に示すように、頭部15bの側面に弾性片25dが当接することなく、開口部25bを頭部15bに挿通させることができるようになる。そのため、ガイド突起15の頭部15bの径幅よりも穴幅が大きくなるように環状開口部25bを形成した場合と同様の機能を、穴部に持たせることができる。
【0041】
このように、本実施形態のコネクタ組立体1では、ガイド突起15の頭部15bを穴部25に挿入することで、まずはオス型端子部13とメス型端子部としての十字状スリット23の大まかな位置合わせが行われるようにしている。
【0042】
そして、ガイド突起15の頭部15bによりオス型端子部13と十字状スリット23の大まかな位置合わせが行われたコネクタ組立体1は、続いて首部15aが穴部25に挿入されることで、オス型端子部13と十字状スリット23の正確な位置決めを行うことができる。
【0043】
このように、本実施形態のコネクタ組立体1では、オス側コネクタ10の表面11a側に突設されたガイド突起15の首部15aと頭部15bとによって、位置決めがなされる二段位置決め構造となっている。
【0044】
かかる構成のコネクタ組立体1では、オス側コネクタ10の表面11aとメス側コネクタ20の裏面21bとを、ガイド突起15を穴部25に位置させつつ対向させる。この状態でメス側コネクタ20をオス側コネクタ10側に押し付けることにより、ガイド突起15の頭部15bが穴部25に挿入され、次いで首部15aが穴部25に挿入される。このとき、ガイド突起15の頭部15bによって大まかな位置合わせが行われるのであるが、ガイド突起15の頭部15bがスリット25aの中心からずれて挿入されたとしても、スリット25a周縁部の弾性力によってガイド突起15の頭部15bがスリット25aの中心に案内される。これにより、正確な位置に案内されたガイド突起15の首部15aを穴部25に挿入させることができるようになる。このように、本実施形態のコネクタ組立体1によれば、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20の組付作業性を大幅に向上させることができる。
【0045】
そして、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20との合体(ガイド突起15の首部15aと穴部25の嵌合)によって、図6に示すように、オス型端子部13とメス型端子部としての十字状スリット23とは相互に嵌合(接触)されて導通され、オス側コネクタ10とメス側コネクタ10とが電気的に接続される。このとき、オス型端子部13は、いわゆるマッシュルームバンプとして形成されているため、頭部(先端部)13bにより抜け止めが行われる。
【0046】
なお、図4に示すように、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させた状態では、ガイド突起15およびオス型端子部13は、ベース基板21から突出せずに、それぞれ挿通穴25c、貫通穴24内に収まるようになっている。また、図2に示すように、本実施形態のガイド突起15は、ベース基板11のそれぞれの角部に接続される導体回路18の環状パッド部18aに突設されている。
【0047】
次に、図8を参照して、オス側コネクタ10の製造工程について説明する。
【0048】
まず、図8(a)に示すように、基板11cの裏面にDF(ドライフィルムレジスト)ラミネート層11dをラミネートしてベース基板11を形成する。なお、DFラミネート層の厚さは、75μmである。そして、基板11cの表面に導体回路12、導体回路18をパターニングすることで、回路基板を形成する。
【0049】
次に、図8(b)に示すように、基板11cの表面(回路基板の一方の表面)にDFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eを形成する。このDFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの厚さは、225μmである。
【0050】
次に、図8(c)に示すように、DFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの表面にレジスト30を塗布し、DFラミネート層(第1ドライフィルムレジスト層)11eの一部を露光、現像する。そして、図8(d)に示すように、オス型端子部形成用穴部130aとガイド突起15の位置決め部形成用穴部150aとを形成する。
【0051】
次に、図8(e)に示すように、位置決め部形成用穴部150aの上部を覆うようにDFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fを形成する。このDFラミネート層の厚さは、75μmである。
【0052】
そして、図8(f)に示すように、DFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fの表面にレジスト30を塗布し、DFラミネート層(第2ドライフィルムレジスト層)11fの一部を露光、現像する。そして、図8(g)に示すように、ガイド突起15の仮位置決め部形成用穴部150bを形成し、当該仮位置決め部形成用穴部150bと位置決め部形成用穴部150aとでガイド突起形成用穴部150cを形成する。
【0053】
その後、プラズマ処理、酸性脱脂、ソフトエッチング、硫酸処理等公知の処理を行うことで、後述するめっき処理を行いやすくする。
【0054】
そして、オス型端子部形成用穴部130aおよびガイド突起形成用穴部150cにめっきを施すことでオス型端子部13およびガイド突起15を形成する。
【0055】
本実施形態では、まず、図8(h)に示すように、オス型端子部形成用穴部130aおよびガイド突起形成用穴部150cにCuめっきを施すことでオス型端子部本体130およびガイド突起本体150を形成する。
【0056】
このとき、ガイド突起本体150の高さがオス型端子部本体130よりも高くなるように形成する。本実施形態では、ガイド突起本体150およびオス型端子部本体130の首部の高さをほぼ同じ高さとし、オス型端子部本体130の頭部の高さがガイド突起本体150の頭部の高さよりも低くなるように形成している。
【0057】
そして、DFラミネート層を剥離し、図8(i)に示すように、オス型端子部本体130およびガイド突起本体150の表面にNi、Au等の導電性材料をコーティングすることで、オス型端子部13およびオス型端子部13よりも突出高さの高いガイド突起15を形成している。
【0058】
その後、ダイシングを行うことで、オス型端子部13と、当該オス型端子部13よりも突出高さが高く、位置決め部15aと当該首部(位置決め部)15aの上部に首部(位置決め部)15aよりも小径となるように形成された頭部(仮位置決め部)15bとが形成されたガイド突起15と、を備えるオス側コネクタ10が形成される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態では、首部(位置決め部)15aの上部に首部(位置決め部)15aよりも小径の頭部(仮位置決め部)15bを設け、穴部25に首部(位置決め部)15aが挿通される前に当該穴部25に頭部(仮位置決め部)15bを挿通させてオス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行うようにした。そのため、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23とを嵌合させる前に、予めガイド突起15の頭部(仮位置決め部)15bを穴部25に挿入することで、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の大まかな位置合わせを行うことができる。したがって、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23の大まかな位置合わせを行った後に、オス型端子部13と十字状スリット(メス型端子部)23とを接触させつつ、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させることができるようになる。その結果、最初からガイド突起と穴部を嵌合させる構成に比べて、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20の組付作業性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態では、穴部25がメス側コネクタ20の裏面21bに形成される略十字状のスリット25aと、当該スリット25aに連通して設けられ、ガイド突起15よりも大径な挿通穴25cとによって形成されている。そのため、ガイド突起15を穴部25に挿入させる際に、略十字状のスリット25aが目印となってガイド突起15をスリット25a(穴部25)の中心に挿入させ易くすることができる。また、ガイド突起15の僅かな動作を許容可能な大きさをもって形成され、柱状バンプ13と十字状スリット23の位置決めを行う穴部25の構成を、比較的容易に得ることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、略十字状のスリット25aの中心に環状開口部25bを設けることで、穴部25に、挿通穴25cの内周縁から中心に向けて突出する弾性変形可能な弾性片25dを形成するようにしている。すなわち、穴部25に、頭部15bに挿通された際に、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の仮の位置決めを行いつつ、穴部25を首部15aへの挿通位置に誘い込む機能を持たせるようにしている。
【0062】
そのため、スリット25aの中心からずれてガイド突起15が挿入されたとしても、スリット25a周縁部(弾性片25d)の弾性力によってガイド突起15をスリット25a(穴部25)の中心に案内できるようになる。その結果、ガイド突起15と穴部25の相対位置精度、ひいてはオス側コネクタ10とメス側コネクタ20の相対位置精度を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態のオス型端子部13は、頭部(先端部)13bの径がオス側コネクタ10のベース基板11から離間するにつれて小さくなるように形成されている。このように、本実施形態では、頭部(先端部)13bの径を先細り形状としたので、オス型端子部13を十字状スリット(メス型端子部)23に挿入させる際に、頭部13bの先端面がガイドとなってオス型端子部13をスムーズに挿入させることができる。
【0064】
さらにまた、本実施形態のオス型端子部13は、マッシュルーム状に形成されている。そのため、挿入されたマッシュルーム状の頭部13bに、十字状スリット(メス型端子部)23の切片を係止させることができるようになり、オス型端子部13の抜け止めを行って、合体したオス側コネクタ10とメス側コネクタ20とが分離してしまうのを防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では、オス側コネクタ10の表面11a側に突設されたガイド突起15の首部15aと頭部15bとによって、位置決めがなされる二段位置決め構造となっている。そのため、頭部15bが首部15aの上部に若干位置ズレした状態で形成されたとしても、当該ズレを吸収することができる。その結果、オス側コネクタ10を容易に製造することができる。
【0066】
そして、本実施形態では、このようなコネクタ組立体1に用いられるオス側コネクタ10を利用することで、コネクタ組立体1の組付作業性を向上させることの可能なオス側コネクタ10を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態のオス側コネクタ10の製造方法によれば、オス型端子部13を形成するめっき工程とガイド突起15を形成するめっき工程を同時に行うことができるため、工程の簡素化を図ることができる。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定さ
れず、種々の変形が可能である。
【0069】
例えば、携帯電話の内部部品として用いられるコネクタ組立体1のメス側コネクタとして、図14に示す変形例のように、可撓性を有した絶縁フィルム29、ならびに導体回路22を、コネクタ組立体1の幅方向に延長形成したメス側コネクタ20Aを用いるようにしてもよい。
【0070】
また、コネクタ組立体1のオス側コネクタとして、図15に示す変形例のように、実装基板11Aそのものにオス型端子部13ならびにガイド突起15を形成したオス側コネクタ10Aを用いるようにしてもよい。この実装基板11Aは、上記実施形態で説明した他の回路基板や電子部品に相当するものである。
【0071】
そして、コネクタ組立体は、オス側コネクタ10、オス側コネクタ10Aのいずれかを用い、メス側コネクタ20、メス側コネクタ20Aのいずれかを用いることで形成することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 コネクタ組立体
10,10A オス側コネクタ
11 ベース基板
11A 実装基板(ベース基板)
13 オス型端子部
15 ガイド突起
15a 首部(位置決め部)
15b 頭部(仮位置決め部)
20,20A メス側コネクタ
23 十字状スリット(メス型端子部)
25 穴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとを備え、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体であって、
前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの対向面の一方には、前記オス型端子部よりも突出高さの高いガイド突起が設けられ、
前記対向面の他方には、前記ガイド突起が挿通されることで前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う穴部が設けられており、
前記ガイド突起は、前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う位置決め部と、当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように設けられ、前記穴部に前記位置決め部が挿通される前に当該穴部に挿通されて前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行う仮位置決め部とによって形成されていることを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記穴部は、前記仮位置決め部に挿通された際に、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行いつつ、穴部を前記位置決め部への挿通位置に誘い込む機能を有していることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記オス型端子部は、先端部の径がオス側コネクタのベース基板から離間するにつれて小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記オス型端子部は、マッシュルーム状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか1項に記載のコネクタ組立体に用いられるオス側コネクタ。
【請求項6】
オス型端子部と、当該オス型端子部よりも突出高さが高く、位置決め部と当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように形成された仮位置決め部とを有するガイド突起と、を備えるオス側コネクタの製造方法であって、
回路基板の一方の表面に第1ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、
前記第1ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像してオス型端子部形成用穴部と前記ガイド突起の位置決め部形成用穴部とを形成する工程と、
前記位置決め部形成用穴部の上部を覆うように第2ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、
前記第2ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像して前記ガイド突起の仮位置決め部形成用穴部を形成し、当該仮位置決め部形成用穴部と前記位置決め部形成用穴部とでガイド突起形成用穴部を形成する工程と、
前記オス型端子部形成用穴部および前記ガイド突起形成用穴部にめっきを施すことでオス型端子部およびガイド突起を形成する工程と、
を備えることを特徴とするオス側コネクタの製造方法。
【請求項1】
オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとを備え、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体であって、
前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの対向面の一方には、前記オス型端子部よりも突出高さの高いガイド突起が設けられ、
前記対向面の他方には、前記ガイド突起が挿通されることで前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う穴部が設けられており、
前記ガイド突起は、前記オス型端子部と前記メス型端子部の位置決めを行う位置決め部と、当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように設けられ、前記穴部に前記位置決め部が挿通される前に当該穴部に挿通されて前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行う仮位置決め部とによって形成されていることを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記穴部は、前記仮位置決め部に挿通された際に、前記オス側コネクタおよびメス側コネクタの仮の位置決めを行いつつ、穴部を前記位置決め部への挿通位置に誘い込む機能を有していることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記オス型端子部は、先端部の径がオス側コネクタのベース基板から離間するにつれて小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記オス型端子部は、マッシュルーム状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか1項に記載のコネクタ組立体に用いられるオス側コネクタ。
【請求項6】
オス型端子部と、当該オス型端子部よりも突出高さが高く、位置決め部と当該位置決め部の上部に位置決め部よりも小径となるように形成された仮位置決め部とを有するガイド突起と、を備えるオス側コネクタの製造方法であって、
回路基板の一方の表面に第1ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、
前記第1ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像してオス型端子部形成用穴部と前記ガイド突起の位置決め部形成用穴部とを形成する工程と、
前記位置決め部形成用穴部の上部を覆うように第2ドライフィルムレジスト層を形成する工程と、
前記第2ドライフィルムレジスト層の一部を露光、現像して前記ガイド突起の仮位置決め部形成用穴部を形成し、当該仮位置決め部形成用穴部と前記位置決め部形成用穴部とでガイド突起形成用穴部を形成する工程と、
前記オス型端子部形成用穴部および前記ガイド突起形成用穴部にめっきを施すことでオス型端子部およびガイド突起を形成する工程と、
を備えることを特徴とするオス側コネクタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−69486(P2013−69486A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206079(P2011−206079)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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