説明

コネクタ装置

【課題】端子の機能を自由に変更可能として、設計の自由度を高めること等である。
【解決手段】第一コネクタは、嵌合側に突出し、突出側に挿入口を設けた挿入空間を有する嵌合突出部と、嵌合突出部の中央付近に配置された第一信号端子と、嵌合突出部の両端の外壁に沿って配置された第一機能端子と、嵌合突出部の両端の内壁に沿って配置された第二機能端子を有する。第二コネクタは、第一コネクタの嵌合突出部が挿入され得る挿入孔と、挿入孔の内部に設けられ、嵌合側に突出し、挿入口を通じて挿入空間に挿入され得る被挿入部と、被挿入部の中央付近に配置され、第一信号端子と接触し得る第二信号端子と、挿入孔の両端の内壁に沿って配置され、第一コネクタの第一機能端子と接触し得る第一機能端子と、被挿入部の両端の外壁に沿って配置され、第一コネクタの第二機能端子と接触し得る第二機能端子を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
互いに嵌合され得る第一コネクタと第二コネクタの対から成るコネクタ装置であって、第一コネクタと第二コネクタの嵌合時に複数種類の端子間接触がなされるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図21乃至図23に、特開平10−50410号公報に開示された従来のコネクタ装置の一例を示す。このコネクタ装置は、互いに嵌合され得るプラグコネクタ101とレセプタクルコネクタ105の対から成る。図21は、これらのコネクタの中心線断面図である。これらの各コネクタ101、105は、左右対称形状である。
【0003】
各コネクタ101、105の中央付近に、それぞれ、コネクタの嵌合時に互いに接触し得る複数の信号端子120、160が設けてある。更に、これらの信号端子120、160を補助するため、言い換えれば、複数種類の端子間接触を可能とするため、コネクタ105の両端にグランド端子(固定金具)180が、これに対応して、コネクタ101の両端にグランド端子(固定金具)140が、それぞれ設けられている。更に、コネクタ105にあっては、固定金具180と信号端子160の間に設置されたガイド突起156に電源端子170が、これに対応して、コネクタ101にあっては、固定金具140と信号端子120の間に設置されたガイド突起保持部114に電源端子130が、それぞれ設けられている。図22は、特に、コネクタ105のガイド突起156付近におけるI−I線断面図を、図23は、特に、コネクタ101のガイド突起保持部114付近におけるII−II線断面図を、それぞれ示したものである。
【0004】
コネクタの嵌合時に、コネクタ105のガイド突起156は、コネクタ101のガイド突起保持部114に挿入され、これに伴い、コネクタ105側に向かってガイド突起保持部114に垂設されたコネクタ101側の断面U字状のコンタクト部131が、コネクタ105側に向かってコンタクト保持孔157に垂設されたコネクタ105側の電源端子170によって挟持される。この結果、コネクタの嵌合時には、各コネクタ101、105の信号端子120、160、グランド端子140、180、電源端子130、170は、グランド端子、電源端子、信号端子の順に接触することになる。尚、コネクタ101のガイド突起保持部114の挿入口には、ガイド突起156をガイド突起保持部114へ案内するためのテーパー132が、同様に、コネクタ105のガイド突起156の上部外面には、テーパー158が、それぞれ設けられており、コネクタの斜め挿入を容易にしたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−50410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来構成では、各コネクタ101、105の信号端子、グランド端子、電源端子は、グランド端子140、180、電源端子130、170、信号端子120、160の固定された順番で接触できるだけであり、それらの順番を自由に変更することはできない。このため、設計の自由度が狭く、コネクタ装置を応用できる機器が限定されてしまうといった問題があった。
【0007】
また、上記の従来構成では、中空状態で垂設したコンタクト部131と、中空状態で垂設した電源端子170を接触させるものであることから、たとえテーパー132、158を用いた斜め嵌合が可能であるとしても、嵌合時にこじりが生じた場合には、コンタクト部131や電源端子170は簡単に破損してしまう。
【0008】
本願発明はこれら従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、端子の機能を自由に変更可能として、設計の自由度を高め、或いは、端子の接触タイミングを自由に変更可能として、接触を最適なものにできるようにし、更に、コネクタの嵌合時におけるこじり等によって破損しにくいコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、互いに嵌合され得る第一コネクタと第二コネクタの対から成るコネクタ装置であって、前記第一コネクタは、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合側に突出し、突出側に挿入口を設けた挿入空間を有する嵌合突出部と、前記嵌合突出部の中央付近に配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第二コネクタの第二信号端子と接触し得る第一信号端子と、前記嵌合突出部の両端の外壁に沿って配置された第一機能端子と、前記嵌合突出部の両端の内壁に沿って配置された第二機能端子と、を有し、前記第二コネクタは、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記嵌合突出部が挿入され得る挿入孔と、前記挿入孔の内部に設けられ、前記嵌合側に突出し、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記挿入口を通じて前記挿入空間に挿入され得る被挿入部と、前記被挿入部の中央付近に配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの第一信号端子と接触し得る第二信号端子と、前記挿入孔の両端の内壁に沿って配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記第一機能端子と接触し得る第一機能端子と、前記被挿入部の両端の外壁に沿って配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記第二機能端子と接触し得る第二機能端子と、を有することを特徴としている。
上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子は、前記嵌合突出部の横面外壁に沿って配置され、前記第一コネクタの前記第二機能端子は、前記嵌合突出部の横面内壁に沿って配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、前記挿入孔の横面内壁に沿って配置され、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、前記被挿入部の横面外壁に沿って配置されていてもよい。
【0010】
また、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子は固定状態で配置され、前記第一コネクタの前記第二機能端子は可動状態で配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子は可動状態で配置され、前記第二コネクタの前記第二機能端子は固定状態で配置されていてもよい。
【0011】
また、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第二機能端子は、前記第二コネクタの前記第二機能端子との接触時に、該接触を通じて変位可能な部分を有していてもよく、前記嵌合突出部の横面内壁に前記第一コネクタの前記第二機能端子を変位させるための空間が設けられていてもよい。
【0012】
また、上記コネクタ装置において、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、前記第一コネクタの前記第一機能端子との接触時に、該接触を通じて変位可能な部分を有していてもよく、前記挿入孔の横面内壁に前記第二コネクタの前記第二機能端子を変位させるための空間が設けられていてもよい。
【0013】
更に、上記コネクタ装置において、前記第二コネクタの前記第二信号端子は、前記被挿入部に前記第二コネクタの長手方向に沿って複数並列に配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記長手方向の両端の各側にそれぞれ一組ずつ配置され、前記第一コネクタの前記第一信号端子は、前記嵌合突出部の横面内壁(78)に前記第一コネクタの長手方向に沿って複数並列に配置され、前記第一コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記長手方向の両端の各側にそれぞれ一組ずつ配置されているのが好ましい。
【0014】
更にまた、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記第一コネクタの長手方向の両端の各側において前記嵌合側に突出した案内手段にそれぞれ設けられていてもよい。
更に、上記コネクタ装置において、前記案内手段に前記嵌合側に向かって先細となるテーパーを設けていてもよい。
【0015】
更に、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの、前記第一機能端子、前記第二機能端子、或いは、前記第一信号端子の、前記嵌合側における突出の度合い、又は、前記第二コネクタの、前記第一機能端子、前記第二機能端子、或いは、前記第二信号端子の、前記嵌合側における突出の度合いを調節し、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時における、前記第一コネクタの前記第一機能端子と前記第二コネクタの前記第一機能端子との接触、前記第一コネクタの前記第二機能端子と前記第二コネクタの前記第二機能端子との接触、及び、前記第一コネクタの前記第一信号端子と前記第二コネクタの前記第二信号端子との接触のタイミングを調整するのが好ましい。
【0016】
更にまた、上記コネクタ装置において、前記調節を行うことにより、前記第一コネクタの前記第一機能端子と前記第二コネクタの前記第一機能端子を接触させ、その後、前記第一コネクタの前記第一信号端子と前記第二コネクタの前記第二信号端子を接触させ、その後、前記第一コネクタの前記第二機能端子と前記第二コネクタの前記第二機能端子を接触させるように、接触のタイミングを調整しておくのが好ましい。
【0017】
また、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子と、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、グランド端子として用いられ、且つ、前記第一コネクタの前記第二機能端子と、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、グランド端子又は電源端子又は検出端子として用いられてもよい。
また、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子と、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、電源端子として用いられ、且つ、前記第一コネクタの前記第二機能端子と、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、グランド端子又は電源端子又は検出端子として用いられてもよい。
【0018】
また、上記コネクタ装置において、前記機能端子の一部を前記ハウジングの壁面に向かって折り曲げることにより折曲部を形成し、前記機能端子の前記ハウジングに対する挿入方向とは逆の方向において前記折曲部と前記ハウジングとの間に衝突面を形成してもよい。
【0019】
更に、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一信号端子、或いは、前記第二コネクタの前記第二信号端子の幾つかをグランド端子として用いてもよい。
【0020】
更にまた、上記コネクタ装置において、前記第一コネクタの前記第一機能端子と第二機能端子、及び、前記第二コネクタの前記第一機能端子と第二機能端子は、幅広に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
端子の機能や接触タイミングを自由に変更可能として、設計の自由度を高めることができる。更に、コネクタの嵌合時におけるこじり等によって破損しにくいコネクタ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるヘッダーの上面斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態におけるヘッダーの正面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態におけるヘッダーの底面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態におけるレセプタクルの上面斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施形態におけるレセプタクルの正面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態におけるレセプタクルの底面図である。
【図7】ヘッダーとレセプタクルの嵌合状態を示す中心線縦断面である。
【図8】機能端子の斜視図である。
【図9】一例としての接触タイミングのある過程を示す図である。
【図10】図9に示す接触タイミングの他の過程を示す図である。
【図11】図9に示す接触タイミングの他の過程を示す図である。
【図12】別の例としての接触タイミングのある過程を示す図である。
【図13】図12に示す接触タイミングの他の過程を示す図である。
【図14】図12に示す接触タイミングの他の過程を示す図である。
【図15】本発明の第二の実施形態におけるヘッダーの底面斜視図である。
【図16】本発明の第二の実施形態におけるヘッダーの上面斜視図である。
【図17】本発明の第二の実施形態におけるヘッダーとレセプタクルの嵌合状態を示す中心線縦断面である。
【図18】本発明の第二の実施形態における機能端子の斜視図である。
【図19】本発明の第三の実施形態におけるヘッダーとレセプタクルの嵌合状態を示す中心線縦断面である。
【図20】本発明の第三の実施形態における機能端子の斜視図である。
【図21】従来技術によるコネクタの中心線断面図である。
【図22】図21におけるI−I線断面図である。
【図23】図21におけるII−II線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態によるコネクタ装置について説明する。
本装置1は、いわゆるボード対ボード接続に使用されるコネクタ装置である。先ず、水平接続タイプの第一の実施形態を説明する。
【0024】
本コネクタ装置1は、互いに嵌合され得るヘッダー(請求項中の「第一コネクタ」)10とレセプタクル(請求項中の「第二コネクタ})20の対から成る。図1乃至図3は、ヘッダー10の上面斜視図、正面図、及び底面図、図4乃至図6は、レセプタクル20の上面斜視図、正面図、及び底面図、図7は、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合状態を示す中心線縦断面である。ヘッダー10とレセプタクル20は、それぞれ、水平基板2、2’上に垂設される。垂設されたヘッダー10とレセプタクル20は、基板2と基板2’を水平方向にて互いに接近させることによって互いに嵌合され得る。尚、ヘッダー10、レセプタクル20は、各々、長手方向(ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合方向に直交する方向)において左右対称形状である。
【0025】
ヘッダー10は、全体として略細長形状であるハウジング51と、このハウジング51の中央付近に配置、固定される2種類の信号端子31A及び31B、及び、ハウジング51の両端に配置、固定される2種類の第一機能端子11A及び第二機能端子11Bを備える。同様に、レセプタクル20は、全体として略細長形状であるハウジング61と、このハウジング61の中央付近に配置、固定される2種類の信号端子41A及び信号端子41B、及び、ハウジング61の両端に配置、固定される2種類の第一機能端子21A及び第二機能端子21Bを備える。以下に説明するように、ヘッダー10やレセプタクル20に設けた各機能端子(マルチファンクション金具)11A、11B、21A、21Bは、例えば、グランド端子としても、電源端子としても、検出端子としても機能し得るものである。いずれの端子として機能させるのかは、ユーザが自由に設計できる。
【0026】
ヘッダー10のハウジング51は、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に突出した嵌合突出部53を有する。嵌合突出部53の内部には、突出側に挿入口55を設けた挿入空間54が形成してある。
【0027】
レセプタクル20のハウジング61は、挿入孔63と、この挿入孔63の内部に設けた端子配列部(請求項中の「被挿入部」)64を含む。挿入孔63には、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時に、ヘッダー10の嵌合突出部53がヘッダー10とレセプタクル20の嵌合方向にて挿入される。端子配列部64は、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に突出し、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時に、ヘッダー10側に設けた嵌合突出部53の挿入空間54に挿入口55を通じて嵌合方向にて挿入される。嵌合の深さは、ヘッダー10の前面外壁76とレセプタクル20の前面外壁66が衝突する位置によって決定できる。
【0028】
信号端子31Aと信号端子31Bは、全体として略平板状の金属板から形成されている。信号端子31A、31Bは、ハウジング51の後方からの圧入によって固定される。例えば、ベローズ端子を信号端子として使用できる。ベローズ端子を使用した場合は、接触性の信頼性を向上させ、また、スムーズな嵌合感触を得ることができる。信号端子31Aの先端に設けた端子接触部33Aは、機能端子11A、11Bが配置されるヘッダー10の長手方向両端以外の部分、例えば、嵌合突出部53の両端を除く上段中央内壁に、また、信号端子31Bの先端に設けた端子接触部33Bは、例えば、嵌合突出部53の両端を除く下段中央内壁に、それぞれ、ヘッダー10の長手方向に沿って並列に配置、固定される。これらの各信号端子31A、31Bの端子接触部33A、33Bは、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時にレセプタクル20の信号端子41A、41Bと接触させるため、挿入空間54において露出状態とされている。また、これらの先端33A、33Bは、互いに隔離されていることから、クロストークは効果的に低減され得る。
【0029】
信号端子41Aと信号端子41Bも、全体として略平板状の金属板から形成されている。信号端子41A、41Bも、ハウジング61の後方から圧入によって固定でき、例えば、ベローズ端子を使用することもできる。信号端子41Aの先端に設けた端子接触部43Aは、機能端子21A、21Bが配置されるレセプタクル20の長手方向両端以外の部分、例えば、端子配列部64の両端を除く上段中央内部に、また、信号端子41Bの先端に設けた端子接触部43Bは、例えば、端子配列部64の両端を除く下段中央内部に、それぞれ、レセプタクル20の長手方向に沿って並列に配置、固定される。これらの各信号端子41A、41Bの端子接触部43A、43Bは、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時にヘッダー10の信号端子31A、31Bの端子接触部33A、33Bと接触させるため、端子配列部64の周囲に設けた挿入孔63において、少なくとも一部が露出状態とされている。また、これらの先端43A、43Bは、互いに隔離されていることから、クロストークは効果的に低減される。
【0030】
ヘッダー10及びレセプタクル20において、信号端子31A、31B、41A、41Bの配置は、高速信号伝送に適したものとなっている。例えば、並列配置された信号端子31Aのグループや信号端子31Bのグループは、それぞれ、ヘッダー10の長手方向において、また、並列配置された信号端子41Aのグループや信号端子41Bのグループは、それぞれ、レセプタクル20の長手方向において、インピーダンスマッチングに最適なコンタクトピッチで配置される。よく知られているように、ピッチが狭くなる程、ローインピーダンスになることから、ピッチは可能な限り狭く設定しておくのが好ましい。また、並列配置された信号端子31Aのグループ、信号端子31Bのグループ、信号端子41Aのグループ、及び、信号端子41Bのグループの、各グループでは、相隣り合う2つの信号端子が、隣接差動ペアとして使用されるようになっており、更に、これら隣接差動ペア同士の間に位置する信号端子をグランドとして機能させることで、クロストークの低減が図られている。
【0031】
ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時には、信号端子31Aと信号端子41Aの間、及び、信号端子31Bと信号端子41Bの間、更に、これら端子接触部間の接触を通じて、基板2と基板2’の間で信号伝達が行われる。これらの端子接触部間の接触時には、ヘッダー10側の信号端子31Aと信号端子31Bの水平方向における離間距離aが、レセプタクル20側の信号端子41Aと信号端子41Bの水平方向における離間距離a’と略同じとなり、水平方向において、ヘッダー10側の信号端子31Aと信号端子31B、及び、レセプタクル20側の信号端子41Aと信号端子41Bは略直線状となる。このような構成とすることにより、クロストーク等の雑音の発生を可能な限り抑制することができる。また、このとき、信号端子31Aと信号端子41Aの間に形成される最大隙間長b’は、信号端子41Aの厚みb’に比べて小さくなる。このような構成とすることにより、ヘッダー10側の信号端子31Aとレセプタクル20側の信号端子41Aとの離間距離を小さくし、信号端子41Aの屈曲をなるべく小さくすることができるので、インピーダンスの整合を良化させることができるとともに、比較的長い有効接触長cを確保することもできる。
【0032】
信号端子31A、信号端子31Bの後端の基板固定部32A、32Bは、基板2の所定部位に、また、信号端子41A、信号端子41Bの後端の基板固定部42A、42Bは、基板2’の所定部分に、それぞれ半田付けされる。本装置1では、半田付けされる32Aと32Bを、基板2において互いに離れた位置に固定し、また、半田付けされる42Aと42Bを、基板2’において互いに離れた位置に固定することによって、SMTリード両出し構造を採用して、対向端子等長可として差動スキューを低減するといった工夫もなされている。
【0033】
次いで、図8を参照して機能端子の構造を説明する。図8は、ヘッダー10側の機能端子11A、11Bと、レセプタクル20側の第一機能端子21A、21Bの各々を、個品図として示した図である。
【0034】
第一機能端子11Aは、垂直に延びる基部17Aと、この基部17Aからヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に並行に延びる2つの水平延出部18A、18A’、更に、下側の水平延出部18A’から下方に並行に延びる2つの基板固定部14A、14A’を有する。水平延出部18Aには、基部17A側の中央付近に切起部16Aが、中間縁部にハウジング51への圧入に用いる圧入部13Aが、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側の端部にレセプタクル20側の第一機能端子21Aに設けた弾性接触部25Aと弾性接触し得る固定接触部15Aが、それぞれ設けられている。また、基板固定部14Aと14A’の間には、折曲部12Aが設けられている。この折曲部12Aは、既に折り曲げられた状態で示されているが、この部分12Aは、第一機能端子11Aをハウジング51の所定位置に挿入した後に折り曲げることによって、固定を強化するために用いられる部分であって、当初から折り曲げられているわけではない。
【0035】
第二機能端子11Bは、垂直に延びる基部17Bと、この基部17Bからヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に並行に延びる2つの水平延出部18B、18B’、更に、下側の水平延出部18B’から下方に延びる基板固定部14B、14B’を有する。上側の水平延出部18Bには、中間縁部にハウジング51への圧入に用いる圧入部13Bが、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側の端部にレセプタクル20側の第二機能端子21Bに設けた固定接触部25Bに対して弾性接触し得る弾性接触部15Bが、それぞれ設けられている。尚、図面には現れていないが、水平延出部18B’にも、水平延出部18Bと同様の圧入部が設けられていると考えてよい。
【0036】
第一機能端子21Aは、垂直に延びる基部27Aと、この基部27Aからヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に並行に延びる2つの水平延出部28A、28A’、更に、下側の水平延出部28A’から下方に並行に延びる2つの基板固定部24A、24A’を有する。上側の水平延出部28Aには、中間縁部にハウジング61への圧入に用いる圧入部23Aが、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側の端部にヘッダー10側の第一機能端子11Aに設けた固定接触部15Aに対して弾性接触し得る弾性接触部25Aが、それぞれ設けられている。また、基板固定部24Aと24A’の間には、折曲部22Aが設けられている。この折曲部22Aは、上述した折曲部12Aと同様に、既に折り曲げられた状態で示されているが、この部分22Aは、第一機能端子21Aをハウジング61の所定位置に挿入した後に折り曲げることによって、固定を強化するために用いられる部分であって、当初から折り曲げられているわけではない。
【0037】
第二機能端子21Bは、垂直に延びる基部27Bと、この基部27Bからヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側に並行に延びる2つの水平延出部28B、28B’と、下側の水平延出部28B’から下方に延びる基板固定部24Bを有する。上側の水平延出部28Bには、中間縁部にハウジング61への圧入に用いる圧入部23Bが、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側の端部にヘッダー10側の第二機能端子11Bに設けた弾性接触部15Bと弾性接触し得る固定接触部25Bが、それぞれ設けられ、また、下側の水平延出部28B’には、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側の端部に圧入部23B’が、基部27B側の中央付近に切起部26Bがそれぞれ設けられている。
【0038】
第一機能端子11Aと第二機能端子11Bは、これら第一機能端子11Aと第二機能端子11Bを1組として、ヘッダー10の長手方向両端の各端部に1組ずつ配置される。同様に、第一機能端子21Aと第二機能端子21Bは、これら第一機能端子21Aと第二機能端子21Bを1組として、レセプタクル20の長手方向両端の各端部に1組ずつ配置される。これらの各機能端子11A、11B、21A、21Bは、信号端子、グランド端子、電源端子、検出端子のいずれとしても使用できるよう、幅広とし、大容量にも耐え得るものとしてある。既に説明したように、これら第一機能端子11A、第二機能端子11B、第一機能端子21A、第二機能端子21Bは、当初、略平板状であるが、第一機能端子11A、第一機能端子21Aについては、それぞれ、ヘッダー10のハウジング51に設けたスリット59、レセプタクル20のハウジング61に設けたスリット69を通じて嵌合方向に沿って挿入された後に、それらの一部に設けた折曲部12A、22Aをヘッダー10のハウジング51やレセプタクル20のハウジング61の壁面に向かって折り曲げる(カシメる)ことによって、挿入方向とは逆の方向において、折曲部12A、22Aと、ヘッダー10のハウジング51やレセプタクル20のハウジング61との間に衝突面84、82を形成し、第一機能端子11A、第一機能端子21Aの抜け防止としてある。また、このように、第一機能端子11A、第一機能端子21Aを、ハウジング51やハウジング61へ組み込んだ後にカシメることによって、第一機能端子11A、12Aを補強金具として機能させることもできる。これにより、本装置の構成をより強固なものとすることができる。
【0039】
嵌合突出部53の長手方向の両端の各側に、それぞれ、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合側にてヘッダー10とレセプタクル20の嵌合方向に沿って突出したガイドポスト(案内手段)50を設けている。ヘッダー10の第一機能端子11A及び第二機能端子11Bは、これらのガイドポスト50に設けることができる。ガイドポスト50には、更に、それらの嵌合側に、嵌合側に向かって先細となるテーパー71が設けられている。これらのテーパー71を設けることにより、レセプタクル20との嵌合時の、レセプタクル20に対する案内を良好にし、また、レセプタクル20に対して斜め挿入することができるようになっている。
【0040】
第一機能端子11Aの少なくとも固定接触部15Aは、ガイドポスト50(嵌合突出部53)の横面外壁77に沿って、そこに埋め込まれた状態で固定される。従って、ガイドポスト50の外側に突出することはない。一方、第二機能端子11Bの少なくとも弾性接触部15Bは、ガイドポスト50の横面内壁78に沿って可動状態で配置される。このように、固定接触部15Aや弾性接触部15Bは壁面に沿って配置等されていることから、嵌合時のこじり等によって、固定接触部15Aや弾性接触部15Bが破損する等の危険は少ない。また、弾性接触部15Bについては、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時に、レセプタクル20の第二機能端子21Bと接触し、この接触を通じてレセプタクル20の第二機能端子21Bから遠ざかる方向に変位されることから、ガイドポスト50の横面内壁78に、弾性接触部15Bを変位させるために空間56が設けられている。この空間56は、ガイドポスト50のデッドスペースを有効に活用したものであるため、これを設けたことによって装置が大型化することはない。
【0041】
第一機能端子21Aの少なくとも弾性接触部25Aは、端子配列部64の両端において、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合方向に沿って且つ挿入孔63の横面内壁65に沿って、ハウジング61の横面外壁67の内側に、可動状態で配置される。一方、第二機能端子21Bの少なくとも固定接触部25Bは、端子配列部64の両端において、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合方向に沿って且つ端子配列部64の横面外壁79に沿って、そこに埋め込まれ、固定状態で配置される。このように、固定接触部25Bは、端子配列部64の横面外壁79に沿って、そこに埋め込まれた状態で、また、弾性接触部25Aは、ハウジング61の横面外壁67の内側に沿って、配置されることから、嵌合時のこじり等によって、固定接触部25Bや弾性接触部25Aが破損する等の危険は少ない。弾性接触部25Aは、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時にヘッダー10の固定接触部15Aと接触し、この接触を通じてヘッダー10の第一機能端子11Aから遠ざかる方向に変位可能である。挿入孔63の横面内壁65には、弾性接触部25Aをこのように変位させるために空間57が設けられている。
【0042】
本構成では、ヘッダー10の第一機能端子11A、第二機能端子11B、信号端子31A、或いは、信号端子31Bの、嵌合側(レセプタクル20側)における突出の度合い、又は、レセプタクル20の第一機能端子21A、第二機能端子21B、信号端子41A、或いは、信号端子41Bの、嵌合側(ヘッダー10側)における突出の度合いを調節することによって、接触タイミングを適当に設定することができ、また、各端子の機能を適当に設定することによって、ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時における、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aの接触、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bの接触、信号端子31Aと信号端子41Aの接触、信号端子31Bと信号端子41Bの接触を、自由に設計することができる。
【0043】
図9乃至11を参照して、一つの設計例を説明する。図9乃至図11の各図は、ある一つの接触が完了するまでの過程を3つの接触タイミングに分けて示した図である。各図の(a)は、信号端子31Aと信号端子41A、及び、信号端子31Bと信号端子41Bの接触タイミングを示す図であって、図7の一部に相当する。一方、各図の(b)は、(a)に示す状態における、第一機能端子11Aと第一機能端子21A、及び、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bの接触タイミングを示す図であって、ヘッダー10及びレセプタクル20の水平線断面の一部に相当する。故に、各図の(a)及び(b)は、それらを一組として、ある接触タイミングにおける、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aの接触、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bの接触、信号端子31Aと信号端子41Aの接触、及び、信号端子31Bと信号端子41Bの接触の四者の関係を示すものということもできる。但し、説明を簡易化するため、ここでは、信号端子31Aと信号端子31Bの嵌合側(レセプタクル20側)における突出の度合いは等しく設定されているものとし、それらは、それぞれ、信号端子41Aや信号端子41Bと同じタイミングで接触し得るように設定されているものとする。
【0044】
ヘッダー10とレセプタクル20の嵌合時には、図9に示すように、先ず、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aが接触し、次いで、図10に示すように、信号端子31Aと信号端子41A、或いは、信号端子31Bと信号端子41Bが接触し、最後に、図11に示すように、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bが接触し得る。このような接触タイミングにおいて、例えば、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aをグランド端子として、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bを、電源端子として、それぞれ用いた場合、最初に、グランド端子である第一機能端子11Aと第一機能端子21Aの接触を通じて、ヘッダー10とレセプタクル20の電位を共通化することができ、その後、信号端子である信号端子31Aと信号端子41A、或いは、信号端子31Bと信号端子41Bの接触を通じて、ノイズの発生を抑制し、最後に、電源端子(検出端子)である第二機能端子11Bと第二機能端子21Bの接触を通じて、ボード同士の接続が確実になされたことを確認することができる。尚、嵌合ロックがなされる構造では、ロックがなされたことをもって、信号端子同士が接触していることの確認を行うことができるのに対し、一般的なボード間接続は嵌合ロックがなされない構造であるため、ロックがなされたことをもって接触していることの確認を行うことはできない。これに対して、本願の設計例では、嵌合ロックはなされないものの、電源端子間や機能端子間に電気が流れたことをもって、信号端子同士が接触していることを確認することができる。
【0045】
図12乃至図14に、接触タイミングの別の設計例を示す。この設計例では、図12に示すように、先ず、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aが接触し、次いで、図13に示すように、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bが接触し、最後に、図14に示すように、信号端子31Aと信号端子41A、或いは、信号端子31Bと信号端子41Bが接触し得る。このような接触タイミングにおいて、例えば、上の例と同様に、第一機能端子11Aと第一機能端子21Aをグランド端子として、第二機能端子11Bと第二機能端子21Bを電源端子として用いた場合、最初に、グランド端子である第一機能端子11Aと第一機能端子21Aを接触させ、その後に、電源端子(検出端子)である第二機能端子11Bと第二機能端子21Bを接触させ、最後に、信号端子である信号端子31Aと信号端子41A、或いは、信号端子31Bと信号端子41Bを接触させることができる。このように、ヘッダー10やレセプタクル20の端子の突出の度合いを調節し、更に、各端子の機能を適当に設定することにより、簡単に、接触方法を自由設計することができる。更に、グランドを強化しようとする場合には、第一機能端子11A、第二機能端子11B両方ともグランド端子にすることもできるし、電源を強化しようとする場合には、両方とも電源端子とすることもできる。
【0046】
図15乃至図18に、本発明の第二の実施形態を示す。この第二の実施形態は、いわゆる垂直接続タイプの実施形態を示す図である。これら図15乃至図18はそれぞれ、第一の実施形態における図1、図2、図7、図8に対応し得る。但し、図15は、図1と異なり、底面斜視図としてある。これらの各図において、第一の実施形態における装置と同一又は対応する装置については、同一の参照番号、或いは、同一の参照番号に「’」や「C」或いは「D」を付して示している。この第二の実施形態では、ヘッダー10’は垂直基板2Cに、レセプタクル20’は水平基板2C’に設置されることから、第一機能端子11Cの形状は第一の実施形態の第一機能端子11Aと多少異なるが、基本的な構造は第一の実施形態と同じである。ここでは特に、第一機能端子11Cが、垂直に延びる基部17Cと、この基部17Cから嵌合側に延びる水平延出部18Cと、基部17Cから後方に並行に延びる2つの基板固定部14C、14C’を有し、また、第二機能端子11Dは、垂直に延びる基部17Dと、この基部17Dから嵌合側に延びる水平延出部18Dと、基部17Dから後方に延びる基板固定部14Dを有する。
【0047】
図19及び図20に、本発明の第三の実施形態を示す。この第三の実施形態は、いわゆるスタッキング接続タイプの実施形態を示す図である。図19乃至図20は、それぞれ、第一の実施形態における図7、図8に、或いは、第二の実施形態における図17、図18に対応し、これらの各図において、第一の実施形態における装置と同一又は対応する装置については、同一の参照番号、或いは、それに「”」や「E」或いは「F」を付して示している。この第三の実施形態では、ヘッダー10”、レセプタクル20”がともに垂直基板2E、2E’に設置されることから、機能端子11E、11F、21E、21Fの全てが、第二の実施形態における機能端子11C、11Dに類似するものとなっているが、基本的な構造は第一及び第二の実施形態と同じである。故に、詳細な説明は省略する。
【0048】
尚、機能端子は、上記の目的を達成できる位置に配置されていれば足り、上の例のように、必ずしもガイドポスト50等に設ける必要はない。また、横面に設ける必要もなく、例えば、縦面に設けても良い。更に、固定状態又は可動状態とする機能端子を逆にし、或いは、双方を固定状態又は可動状態としてもよい。要は、ヘッダーとレセプタクルが嵌合したときに、それらの所定位置で、ユーザが設定した接触タイミングで接触され得るものであればよい。よって、本願発明は、上の3つの実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
いわゆるボード対ボード接続に幅広く適用することができる。尚、コネクタ装置の接続タイプとは無関係である。
【符号の説明】
【0050】
1 本装置
2 基板
10 ヘッダー(第一コネクタ)
11A 第一機能端子
11B 第二機能端子
12A 折曲部
20 レセプタクル(第二コネクタ)
21A 第一機能端子
21B 第二機能端子
31A 信号端子(第一信号端子)
31B 信号端子(第一信号端子)
41A 信号端子(第二信号端子)
41B 信号端子(第二信号端子)
63 挿入孔
64 端子配列部(被挿入部)
82 衝突面
84 衝突面
50 ガイドポスト(案内手段)
53 嵌合突出部
54 挿入空間
56 空間
57 空間
71 テーパー
76 前面外壁
77 横面外壁
78 横面内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合され得る第一コネクタと第二コネクタの対から成るコネクタ装置であって、
前記第一コネクタは、
前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合側に突出し、突出側に挿入口を設けた挿入空間を有する嵌合突出部と、
前記嵌合突出部の中央付近に配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第二コネクタの第二信号端子と接触し得る第一信号端子と、
前記嵌合突出部の両端の外壁に沿って配置された第一機能端子と、
前記嵌合突出部の両端の内壁に沿って配置された第二機能端子と、を有し、
前記第二コネクタは、
前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記嵌合突出部が挿入され得る挿入孔と、
前記挿入孔の内部に設けられ、前記嵌合側に突出し、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記挿入口を通じて前記挿入空間に挿入され得る被挿入部と、
前記被挿入部の中央付近に配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの第一信号端子と接触し得る第二信号端子と、
前記挿入孔の両端の内壁に沿って配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記第一機能端子と接触し得る第一機能端子と、
前記被挿入部の両端の外壁に沿って配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記第二機能端子と接触し得る第二機能端子と、を有することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記第一コネクタの前記第一機能端子は、前記嵌合突出部の横面外壁に沿って配置され、前記第一コネクタの前記第二機能端子は、前記嵌合突出部の横面内壁に沿って配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、前記挿入孔の横面内壁に沿って配置され、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、前記被挿入部の横面外壁に沿って配置される請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第一コネクタの前記第一機能端子は固定状態で配置され、前記第一コネクタの前記第二機能端子は可動状態で配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子は可動状態で配置され、前記第二コネクタの前記第二機能端子は固定状態で配置される請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第一コネクタの前記第二機能端子は、前記第二コネクタの前記第二機能端子との接触時に、該接触を通じて変位可能な部分を有する請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記嵌合突出部の横面内壁に前記第一コネクタの前記第二機能端子を変位させるための空間が設けられている請求項4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記第二コネクタの前記第一機能端子は、前記第一コネクタの前記第一機能端子との接触時に、該接触を通じて変位可能な部分を有する請求項3乃至5のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記挿入孔の横面内壁に前記第二コネクタの前記第二機能端子を変位させるための空間が設けられている請求項6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記第二コネクタの前記第二信号端子は、前記被挿入部に前記第二コネクタの長手方向に沿って複数並列に配置され、前記第二コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記長手方向の両端の各側にそれぞれ一組ずつ配置され、前記第一コネクタの前記第一信号端子は、前記嵌合突出部の横面内壁に前記第一コネクタの長手方向に沿って複数並列に配置され、前記第一コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記長手方向の両端の各側にそれぞれ一組ずつ配置される請求項3乃至7のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記第一コネクタの前記第一機能端子及び前記第二機能端子は、前記第一コネクタの長手方向の両端の各側において前記嵌合側に突出した案内手段にそれぞれ設けられている請求項8に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記案内手段に前記嵌合側に向かって先細となるテーパーを設けている請求項9に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
前記第一コネクタの、前記第一機能端子、前記第二機能端子、或いは、前記第一信号端子の、前記嵌合側における突出の度合い、又は、前記第二コネクタの、前記第一機能端子、前記第二機能端子、或いは、前記第二信号端子の、前記嵌合側における突出の度合いを調節し、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時における、前記第一コネクタの前記第一機能端子と前記第二コネクタの前記第一機能端子との接触、前記第一コネクタの前記第二機能端子と前記第二コネクタの前記第二機能端子との接触、及び、前記第一コネクタの前記第一信号端子と前記第二コネクタの前記第二信号端子との接触のタイミングを調整する請求項1乃至10のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項12】
前記調節を行うことにより、前記第一コネクタの前記第一機能端子と前記第二コネクタの前記第一機能端子を接触させ、その後、前記第一コネクタの前記第一信号端子と前記第二コネクタの前記第二信号端子を接触させ、その後、前記第一コネクタの前記第二機能端子と前記第二コネクタの前記第二機能端子を接触させるように、接触のタイミングを調整した請求項11に記載のコネクタ装置。
【請求項13】
前記第一コネクタの前記第一機能端子と、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、グランド端子として用いられ、且つ、前記第一コネクタの前記第二機能端子と、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、グランド端子又は電源端子又は検出端子として用いられる請求項12のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項14】
前記第一コネクタの前記第一機能端子と、前記第二コネクタの前記第一機能端子は、電源端子として用いられ、且つ、前記第一コネクタの前記第二機能端子と、前記第二コネクタの前記第二機能端子は、グランド端子又は電源端子又は検出端子として用いられる請求項12のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項15】
前記機能端子の一部を前記ハウジングの壁面に向かって折り曲げることにより折曲部を形成し、前記機能端子の前記ハウジングに対する挿入方向とは逆の方向において前記折曲部と前記ハウジングとの間に衝突面を形成している請求項1乃至14のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項16】
前記第一コネクタの前記第一信号端子、或いは、前記第二コネクタの前記第二信号端子の幾つかをグランド端子として用いる請求項1乃至15のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項17】
前記第一コネクタの前記第一機能端子と第二機能端子、及び、前記第二コネクタの前記第一機能端子と第二機能端子は、幅広に形成されている請求項1乃至16のいずれかに記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−231961(P2010−231961A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76812(P2009−76812)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】